JP2004064625A - ループバック試験回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブルートゥース素子の試験に十分な帯域を持ち、そのループバック試験に適した減衰量を設定でき、それにより発振を抑えながら大きな増幅利得を設定できるループバック試験装置を提供する。
【解決手段】本発明では、信号源を兼ねた測定器を接続する測定器接続端子103と、被試験素子を接続するDUT接続端子115と、測定器接続端子とDUT接続端子の間に設けられ、信号を上りの経路と下りの経路に分ける第1と第2の方向性結合器(106、114)とを備え、上りの経路122には、第1の方向性結合器からの信号を増幅する増幅器110と、第2の方向性結合器からの信号を減衰させる第1のアイソレータ112とを備え、下りの経路126には、第1の方向性結合器からの信号を減衰させる第2のアイソレータ118を備えたことを特徴とするループバック試験回路を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明では、信号源を兼ねた測定器を接続する測定器接続端子103と、被試験素子を接続するDUT接続端子115と、測定器接続端子とDUT接続端子の間に設けられ、信号を上りの経路と下りの経路に分ける第1と第2の方向性結合器(106、114)とを備え、上りの経路122には、第1の方向性結合器からの信号を増幅する増幅器110と、第2の方向性結合器からの信号を減衰させる第1のアイソレータ112とを備え、下りの経路126には、第1の方向性結合器からの信号を減衰させる第2のアイソレータ118を備えたことを特徴とするループバック試験回路を提供する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
【産業上の利用分野】
本発明は通信素子の試験装置に関する。より詳細には、通信素子のループバック試験において、信号源を兼ねる測定器が被測定素子すなわち通信素子に十分な強さの信号出力を供給できない場合に、単一方向のみ信号増幅を行う双方向回路を備えた試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今の発達が著しい通信素子、例えばブルートゥース規格に基づく通信素子などに対してループバック試験を行う場合、信号源を兼ねる測定器が被試験素子に対して十分な強さの信号を供給できない場合がある。
【0003】
そのような場合、ループバック試験装置中に、単一方向のみ信号増幅を行う増幅回路を設けて出力信号を適正な値になるように調整していた。例えば、特開2000−174656号公報の図2の回路に類似したループバック試験装置300を図3に示す。
【0004】
図3に示される従来技術によるループバック試験装置300は、信号源を兼ねる測定器102と通信素子である被試験素子DUT116の間に、2つのサーキュレータ302及び306で分けられた送信信号専用経路(以下、上りの経路と記す)310と受信信号専用経路(以下、下りの経路と記す)312を設け、上りの経路310に増幅器304を設け、下りの経路312に減衰器308を設けている。すなわち測定器102からの出力信号は、サーキュレータ302を通って上りの経路310に設けられた増幅器304で増幅され、サーキュレータ306を介してDUT116に供給される。これに対しDUT116からの出力信号は、サーキュレータ306を介して下りの経路312上に設けられた減衰器308で減衰され、サーキュレータ302を介して測定器102に達し、測定される。このように、測定器からの信号は上りの経路を通り、増幅されて、測定器の最大出力より大きな出力レベルでDUTに供給するよう実現される。一方、DUTからの応答信号は下りの経路を通って測定器で測定される。このとき、DUT116からの下りの経路を通った信号は、減衰器308で減衰されるが、そのうち幾分かがサーキュレータ302を介して上りの経路310に混入して増幅される。減衰器308の減衰量と増幅器304の利得を適切に選んで設計することである程度は試験回路の発振を抑えることができるが、後述するような問題点が存在する。
【0005】
上述の試験回路において、例えば、測定器102はアジレント・テクノロジー社のE1852A Bluetooth Test Set測定器(DUTへ供給するための信号レベルが−95dBmないし−35dBm、DUTからのループバック信号の測定可能範囲が−55dBmないし+23dBm)(http://www.britain.agilent.com/QMD_Mktg/support/instr/E1852Aで参照可能)であり、減衰器308には減衰量が40dB、増幅器には増幅利得が35dB、サーキュレータには逆方向の減衰量が20dBのものが使用される。
【0006】
DUT116がブルートゥース規格に準じた素子であれば、ループバック試験でDUT116に供給されるべき信号レベルは、Bluetooth Test Spec Rev.0.912001, July 2のpp.59−60の5.1.18.3の記載により−20dBmである。ただし一般にループバック試験では、経路損失などのマージンを考慮してDUTに対して0dBm程度の信号を供給できることが望ましい。そこで、経路損失などを考慮しなければ、測定器102の出力レベルを−35dBmとすればこれが満足される。このとき、増幅器304の入力での測定器102からの信号レベルは、サーキュレータ302の順方向の伝送損失を1dBとすると、−36dBmとなる。この入力信号が増幅器304及びサーキュレータ306及び減衰器308及びサーキュレータ302を介して増幅器304の入力端子に再び回り込む信号レベルは−81dBmとなり、発振を回避できる。また、DUT116の出力を+20dBmとすると、サーキュレータ306を介して減衰器308へ入力される信号電力は+19dBmとなる。上記と同様にこの信号が減衰器308及びサーキュレータ302及び増幅器304及びサーキュレータ306を介して再び減衰器308の入力端子に回り込む信号レベルは−26dBmとなり、発振を回避できる。しかし、DUT116からの信号は、サーキュレータ306及び減衰器308及びサーキュレータ302により42dB減衰され、−22dBmの信号が測定器102へ供給されている。
【0007】
しかしながら、図3に示されるようなループバック試験装置では、受信信号専用経路での減衰量を大きくとると、測定器102で測定できる下限に近づくため、正確な測定の実現が難しくなるという問題点があった。逆に減衰器の減衰量を小さくとると、送信信号専用経路への混入を十分に防ぐことができず、発振を回避するのが難しくなるという問題点もあった。同様に、増幅器の増幅利得を大きくとることも、発振を回避することが難しくなる。また、DUT116からの信号は最大で+20dBmであるため、これより小さい信号出力となった場合、減衰器308での減衰量が大きいため、測定器102への信号供給が十分でないという問題点もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の問題点を解決し、2.4GHz帯のブルートゥース素子のループバック試験に適した十分小さい減衰量を設定でき、それにより発振を抑えながら大きな増幅利得を設定できるループバック試験装置を提供することである。
本発明の別の目的は、測定精度を上げるため、被測定素子よりも広い帯域を持つループバック試験装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の実施態様では、信号源を兼ねた測定器を接続する測定器接続端子と、被試験素子を接続するDUT接続端子と、測定器接続端子とDUT接続端子の間に設けられ、信号を上りの経路と下りの経路に分ける第1と第2の方向性結合器とを備え、上りの経路には、第1の方向性結合器からの信号を増幅する増幅器と、第2の方向性結合器からの信号を減衰させる第1のアイソレータとを備え、下りの経路には、第1の方向性結合器からの信号を減衰させる第2のアイソレータを備えたことを特徴とするループバック試験回路を提供する。
ここで、測定器接続端子と第1の方向性結合器間に、測定器接続端子からの信号を減衰させる減衰器を備えた態様や、上りの経路は、前記第1の方向性結合器の結合端子に接続されていることを特徴とする態様も含む。
【0010】
本発明による第2の実施態様では、信号源を兼ねた測定器を接続する測定器接続端子と、被試験素子を接続するDUT接続端子と、測定器接続端子に接続された方向性結合器と、DUT接続端子に接続されたサーキュレータと、方向性結合器の結合端子とサーキュレータ間に設けられた上りの経路と、サーキュレータと方向性結合器の出力端子間に設けられた下りの経路とを備え、上りの経路には、方向性結合器からの信号を増幅する増幅器と、サーキュレータからの信号を減衰させる第1のアイソレータとを備え、下りの経路には方向性結合器からの信号を減衰させる第2のアイソレータと、サーキュレータからの信号を減衰させる減衰器を備えたことを特徴とするループバック試験回路を提供する。
ここで、測定器接続端子と方向性結合器間に、測定器接続端子からの信号を減衰させる減衰器を備えた態様も含む。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による第1の実施形態に係るループバック試験装置を表すブロック図である。図1において、ループバック試験装置100は、信号源を兼ねた測定器102と、本発明による第1の実施形態のループバック試験回路101と、被試験素子であるDUT116を備える。ループバック試験回路101は、測定器接続端子103と、DUT接続端子116と方向性結合器106および114と、増幅器110と、アイソレータ112および118と、減衰器104とを備えている。なお、図面において、同じ構成要素には同じ参照番号が付けられている。
【0012】
方向性結合器106は3つの入出力端子を備えている。入力端子130は送受信信号経路120に接続されて減衰器104と測定器接続端子103とを介して測定器102に接続される。結合端子132は送信信号専用経路(以下、上りの経路と称する)122に接続されて、増幅器110及びアイソレータ112を介して方向性結合器114の出力端子134に接続される。出力端子140は受信信号専用経路(以下、下りの経路と称する)126に接続されて、アイソレータ118を介して方向性結合器114の結合端子138に接続されている。方向性結合器114は3つの入出力端子を備えている。出力端子134は上りの経路122に接続されてアイソレータ112及び増幅器110を介して方向性結合器106の結合端子132に接続される。入力端子136は送受信信号経路124に接続され、DUT接続端子115を介してDUT116に接続され、結合端子138は下りの経路126に接続されてアイソレータ118を介して方向性結合器の出力端子140に接続される。増幅器110及びアイソレータ112は、上りの経路122上に配置され、アイソレータ118は下りの経路126上に配置されている。
【0013】
図1を参照して、まず、測定器102からの信号の送信時におけるループバック試験回路101の動作について説明する。一例として、減衰器104の減衰量を3dB、方向性結合器106の端子130から端子132への結合係数を16dB、増幅器110で構成される可変利得増幅器の増幅利得を60dB、上りの経路122の伝送損失を2dB、アイソレータ112の順方向の伝送損失を2dBとする。信号源を兼ねる測定器102の送信信号レベルを−37dBmとすれば被測定素子DUT116の入力に0dBmを供給することができる。この送信信号レベルは、前出のE1852A Bluetooth Test Set測定器の許容出力範囲内である。
【0014】
一方、方向性結合器106の端子140から出力された送信信号は、アイソレータ118の逆方向損失を24dB、方向性結合器114の端子138と端子136との間の結合係数を16dB、下りの経路126全体の伝送損失を2dBとする。DUT116の入力端においては−82dBmとなり、送信信号専用経路122による信号の到達レベル0dBmと比べて十分減衰されている。
【0015】
次に、被測定素子DUT116からの信号の受信時におけるループバック試験回路101の動作について説明する。ループバック試験時において、被測定素子DUT116から出力される信号が、+20dBmであるとする。方向性結合器114の端子136と端子138との間の結合係数を16dB、アイソレータ118の伝送損失を1dB、下りの経路126全体の伝送損失を2dB、減衰器104の減衰量を3dBとすると、測定器102の受信電力は、−2dBmとなる。この受電電力は前出のE1852A Bluetooth Test Set測定器の測定可能入力レベルの範囲内である。
【0016】
ここで、上りの経路122から下りの経路126に回り込む信号の強度について検討する。測定器102の出力が−37dBmのとき、先の仮定では、方向性結合器106の端子132には−56dBmの送信信号が現れる。方向性結合器114の端子134と結合端子138間の減衰量及び方向性結合器106の端子140と端子132との間の減衰量をともに52dBとすると、増幅器110及びアイソレータ112及び方向性結合器114及びアイソレータ118及び方向性結合器106を介して再び端子132に現れる信号強度は−107dBmとなり、上りの経路122から下りの経路126に信号が回り込んだとしても、従来技術と比べて十分減衰されるので、発振などの悪影響を回避することができる。
【0017】
DUT116からの出力信号を+20dBmとすると、方向性結合器114の端子136を介して端子138に現れる信号強度は+4dBmとなる。前記と同様に、この信号が下りの経路126から上りの経路122を通って方向性結合器114の端子138に再び現れる信号強度は−47dBmとなる。したがって、回路の発振を十分に抑制することができる。
【0018】
送信時と同様に、受信時に経路122へ回り込む信号強度について説明する。DUT116から送信された信号は、端子115及び方向性結合器の端子136及び端子134およびアイソレータ112を介して増幅器110の出力端子へ現れる。この際、増幅器110の出力端子に現れる信号は、増幅器110の損傷を防ぐため、十分減衰されなくてはならない。このため、アイソレータ112の逆方向減衰量は十分大きくとり、48dBとする。DUT116から出力された20dBmの信号が上述の経路を通過して増幅器110の入力端子へ現れるが、この電力は−30dBmとなり、十分減衰される。
【0019】
なお、上記の説明で、アイソレータ112は、アイソレータ118より大きな順方向の減衰量及び逆方向の減衰量を備えていることに注意されたい。これは、測定器102からの出力に対する増幅器110の出力での信号強度が+5dBmであるのに対して、DUT116からの出力による方向性結合器114の端子134での信号強度が+20dBmと勝っているためである。このアイソレータ112は複数のアイソレータを組み合わせて構成しても良い。
【0020】
さらに、上記の説明で、増幅器110は所望の利得を達成するために、減衰器と増幅器を組み合わせたものとして構成することもできる。
【0021】
また、減衰器104は、単に測定器102と方向性結合器106間の減衰量の整合を取る他に、測定器102がその動作中に、ループバック試験回路101から外れてしまったときに、測定器接続端子103で全反射が起こり、系が発振してDUT116を破壊するのを防ぐために設けている。しかしながら、測定器102から方向性結合器106の入力端子130までの経路が、確実に切断されないとわかっている場合には、省略することもできる。
【0022】
なお、上記の数値例は、一般に市販されている方向性結合器及びアイソレータ及び減衰器及び増幅器の利得から鑑みて、十分に実現できる値である。例えば、方向性結合器には、例えばKRYTAR社製model 1850 (帯域0.5GHzないし18.5GHz)などを使用することができる。
【0023】
以上のように、図1に示すループバック試験装置では、方向性結合器及びアイソレータを用い、かつ、方向性結合器を使用することで上り経路から下りの経路への減衰量が増えたために、より発振しにくい試験装置を実現することができた。また、DUT116からの信号も前述の試験装置300に示す回路と比べ、減衰量は22dB減少し、被測定信号を必要以上に減衰させることなく測定器102へ伝送することが可能となる。さらに、サーキュレータの代わりに方向性結合器を用いたため、従来よりも広帯域の試験装置を実現することができた。
【0024】
図2は本発明による第2の実施形態に係るループバック試験装置を表すブロック図である。図2において、ループバック試験装置200は、信号源を兼ねた測定器102と、本発明による第2の実施形態のループバック試験回路201と、被試験素子であるDUT116を備える。ループバック試験回路201は、測定器接続端子203と、DUT接続端子215と方向性結合器106と、サーキュレータ202と、増幅器110と、アイソレータ112および118と、減衰器104及び204とを備えている。
【0025】
方向性結合器106は3つの入出力端子を備えている。入力端子130は送受信信号経路220に接続されて減衰器104を介して測定器102に接続される。結合端子132は送信信号専用経路(以下、上りの経路と称する)222に接続されて増幅器110及びアイソレータ112を介してサーキュレータ202の端子234に接続される。出力端子140は受信信号専用(以下、下りの経路と称する)経路226に接続されてアイソレータ118及び減衰器204とを介してサーキュレータ202の端子238に接続されている。サーキュレータ202は3つの入出力端子を備えている。端子234は上りの経路222に接続されてアイソレータ112及び増幅器110を介して方向性結合器106の結合端子132に接続される。端子236は送受信信号経路224に接続されてDUT116に接続される。端子238は下りの経路226に接続されてアイソレータ118を介して方向性結合器の出力端子140に接続されている。増幅器110及びアイソレータ112は、上りの経路222上に配置され、アイソレータ118及び減衰器204は下りの経路226上に配置されている。
【0026】
図2のループバック試験回路201の動作において、図1との違いについて説明する。サーキュレータ202における順方向の信号の流れ、すなわち端子234から端子236、あるいは端子236から端子238、あるいは端子238から端子236に対しては減衰がほとんど起こらないのに対し、逆方向の信号の流れ、すなわち端子236から端子234、あるいは端子234から端子238、あるいは端子238から端子234に対しては減衰量が24dBである。また、サーキュレータ202の端子238とアイソレータ118の間には減衰量6dBの減衰器204が設けられている。その他についての動作は図1と同様なので説明を省略する。
【0027】
図2のサーキュレータ202及び減衰器204を除く他の回路構成要素の性能は、図1のループバック試験回路の同一の参照番号の回路構成要素と同じである。減衰器204の減衰量を6dB、サーキュレータ202の順方向伝送損失を1dB、逆方向減衰量を24dBとすると、測定器102の出力レベルを−36Bmとした場合、方向性結合器106の端子132に現れる信号は−55dBmとなる。また、DUT116へ伝送される信号電力は、0dBmとなる。測定器102からの信号が経路222及び経路226を介して、再び端子132に現れるとすると、その信号電力は−84dBmとなるため、発振は抑制される。
これに対し、測定器102の出力が、減衰器104及び方向性結合器106の端子130及び端子140及び経路226を介してサーキュレータ202の端子236を経てDUT116へ伝送される信号電力は、−95dBmとなる。
【0028】
一方、受信時においては、DUT116の出力信号電力を+20dBmとすると、サーキュレータ202及び経路226を経て測定器102へ供給される信号電力は、サーキュレータの伝送損失を1dB,経路226の経路損失を2dB、アイソレータ118の伝送損失を1dBとすると、+7dBmとなる。また、増幅器110の出力端子に現れる電力は−42dBmとなり、十分減衰される。
さらに、DUT116からの出力がサーキュレータ202の端子236を介して端子238に現れる信号電力は+19dBmとなる。この信号電力が経路226及び方向性結合器106の端子140及び端子132及び経路222を介して再びサーキュレータ202の端子238に現れるとすると、その信号電力は−10dBmとなるため、発振は抑制される。
【0029】
以上のように、第2の実施態様では、第1の実施態様と比べてサーキュレータ202を備えているため使用周波数帯域は従来の技術を用いた試験回路と同等になるが、従来技術よりもDUT116から測定器102への下り経路の減衰量が小さく、発振しにくいループバック試験回路を提供できる。
【0030】
なお、上記の説明で、アイソレータ112は、アイソレータ118より大きな順方向及び逆方向減衰量を備えていることに注意されたい。この目的は、図1の場合と同様、DUT116から増幅器110の出力端子への信号強度を十分減衰させることにある。
【0031】
なお、第2の実施態様に関する増幅器、アイソレータ、サーキュレータ等の数値例の実現性や素子の例については、第1の実施態様と同様である。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明を用いると、ループバック試験に十分な信号出力を供給できない測定器を用い場合にも、発振しにくく、かつ、DUTからの信号を必要以上に減衰させることなく試験できるループバック試験回路を提供することができる。
また、請求項1ないし3によれば、上記に加えて、広帯域の発振しにくいループバック試験回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様を用いたループバック試験装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施態様を用いたループバック試験装置を示すブロック図である。
【図3】従来技術によるループバック試験装置を説明するブロック図である。
【符号の説明】
100:ループバック測定装置
101:ループバック測定回路
102:測定器
103:測定器接続端子
104:減衰器
106、114:方向性結合器
110:増幅器
112,118:アイソレータ
115:DUT接続端子
116:被測定素子(DUT)
122:送信側専用経路(上りの経路)
126:受信側専用経路(下りの経路)
【発明の属する技術分野】
【産業上の利用分野】
本発明は通信素子の試験装置に関する。より詳細には、通信素子のループバック試験において、信号源を兼ねる測定器が被測定素子すなわち通信素子に十分な強さの信号出力を供給できない場合に、単一方向のみ信号増幅を行う双方向回路を備えた試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今の発達が著しい通信素子、例えばブルートゥース規格に基づく通信素子などに対してループバック試験を行う場合、信号源を兼ねる測定器が被試験素子に対して十分な強さの信号を供給できない場合がある。
【0003】
そのような場合、ループバック試験装置中に、単一方向のみ信号増幅を行う増幅回路を設けて出力信号を適正な値になるように調整していた。例えば、特開2000−174656号公報の図2の回路に類似したループバック試験装置300を図3に示す。
【0004】
図3に示される従来技術によるループバック試験装置300は、信号源を兼ねる測定器102と通信素子である被試験素子DUT116の間に、2つのサーキュレータ302及び306で分けられた送信信号専用経路(以下、上りの経路と記す)310と受信信号専用経路(以下、下りの経路と記す)312を設け、上りの経路310に増幅器304を設け、下りの経路312に減衰器308を設けている。すなわち測定器102からの出力信号は、サーキュレータ302を通って上りの経路310に設けられた増幅器304で増幅され、サーキュレータ306を介してDUT116に供給される。これに対しDUT116からの出力信号は、サーキュレータ306を介して下りの経路312上に設けられた減衰器308で減衰され、サーキュレータ302を介して測定器102に達し、測定される。このように、測定器からの信号は上りの経路を通り、増幅されて、測定器の最大出力より大きな出力レベルでDUTに供給するよう実現される。一方、DUTからの応答信号は下りの経路を通って測定器で測定される。このとき、DUT116からの下りの経路を通った信号は、減衰器308で減衰されるが、そのうち幾分かがサーキュレータ302を介して上りの経路310に混入して増幅される。減衰器308の減衰量と増幅器304の利得を適切に選んで設計することである程度は試験回路の発振を抑えることができるが、後述するような問題点が存在する。
【0005】
上述の試験回路において、例えば、測定器102はアジレント・テクノロジー社のE1852A Bluetooth Test Set測定器(DUTへ供給するための信号レベルが−95dBmないし−35dBm、DUTからのループバック信号の測定可能範囲が−55dBmないし+23dBm)(http://www.britain.agilent.com/QMD_Mktg/support/instr/E1852Aで参照可能)であり、減衰器308には減衰量が40dB、増幅器には増幅利得が35dB、サーキュレータには逆方向の減衰量が20dBのものが使用される。
【0006】
DUT116がブルートゥース規格に準じた素子であれば、ループバック試験でDUT116に供給されるべき信号レベルは、Bluetooth Test Spec Rev.0.912001, July 2のpp.59−60の5.1.18.3の記載により−20dBmである。ただし一般にループバック試験では、経路損失などのマージンを考慮してDUTに対して0dBm程度の信号を供給できることが望ましい。そこで、経路損失などを考慮しなければ、測定器102の出力レベルを−35dBmとすればこれが満足される。このとき、増幅器304の入力での測定器102からの信号レベルは、サーキュレータ302の順方向の伝送損失を1dBとすると、−36dBmとなる。この入力信号が増幅器304及びサーキュレータ306及び減衰器308及びサーキュレータ302を介して増幅器304の入力端子に再び回り込む信号レベルは−81dBmとなり、発振を回避できる。また、DUT116の出力を+20dBmとすると、サーキュレータ306を介して減衰器308へ入力される信号電力は+19dBmとなる。上記と同様にこの信号が減衰器308及びサーキュレータ302及び増幅器304及びサーキュレータ306を介して再び減衰器308の入力端子に回り込む信号レベルは−26dBmとなり、発振を回避できる。しかし、DUT116からの信号は、サーキュレータ306及び減衰器308及びサーキュレータ302により42dB減衰され、−22dBmの信号が測定器102へ供給されている。
【0007】
しかしながら、図3に示されるようなループバック試験装置では、受信信号専用経路での減衰量を大きくとると、測定器102で測定できる下限に近づくため、正確な測定の実現が難しくなるという問題点があった。逆に減衰器の減衰量を小さくとると、送信信号専用経路への混入を十分に防ぐことができず、発振を回避するのが難しくなるという問題点もあった。同様に、増幅器の増幅利得を大きくとることも、発振を回避することが難しくなる。また、DUT116からの信号は最大で+20dBmであるため、これより小さい信号出力となった場合、減衰器308での減衰量が大きいため、測定器102への信号供給が十分でないという問題点もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の問題点を解決し、2.4GHz帯のブルートゥース素子のループバック試験に適した十分小さい減衰量を設定でき、それにより発振を抑えながら大きな増幅利得を設定できるループバック試験装置を提供することである。
本発明の別の目的は、測定精度を上げるため、被測定素子よりも広い帯域を持つループバック試験装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の実施態様では、信号源を兼ねた測定器を接続する測定器接続端子と、被試験素子を接続するDUT接続端子と、測定器接続端子とDUT接続端子の間に設けられ、信号を上りの経路と下りの経路に分ける第1と第2の方向性結合器とを備え、上りの経路には、第1の方向性結合器からの信号を増幅する増幅器と、第2の方向性結合器からの信号を減衰させる第1のアイソレータとを備え、下りの経路には、第1の方向性結合器からの信号を減衰させる第2のアイソレータを備えたことを特徴とするループバック試験回路を提供する。
ここで、測定器接続端子と第1の方向性結合器間に、測定器接続端子からの信号を減衰させる減衰器を備えた態様や、上りの経路は、前記第1の方向性結合器の結合端子に接続されていることを特徴とする態様も含む。
【0010】
本発明による第2の実施態様では、信号源を兼ねた測定器を接続する測定器接続端子と、被試験素子を接続するDUT接続端子と、測定器接続端子に接続された方向性結合器と、DUT接続端子に接続されたサーキュレータと、方向性結合器の結合端子とサーキュレータ間に設けられた上りの経路と、サーキュレータと方向性結合器の出力端子間に設けられた下りの経路とを備え、上りの経路には、方向性結合器からの信号を増幅する増幅器と、サーキュレータからの信号を減衰させる第1のアイソレータとを備え、下りの経路には方向性結合器からの信号を減衰させる第2のアイソレータと、サーキュレータからの信号を減衰させる減衰器を備えたことを特徴とするループバック試験回路を提供する。
ここで、測定器接続端子と方向性結合器間に、測定器接続端子からの信号を減衰させる減衰器を備えた態様も含む。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による第1の実施形態に係るループバック試験装置を表すブロック図である。図1において、ループバック試験装置100は、信号源を兼ねた測定器102と、本発明による第1の実施形態のループバック試験回路101と、被試験素子であるDUT116を備える。ループバック試験回路101は、測定器接続端子103と、DUT接続端子116と方向性結合器106および114と、増幅器110と、アイソレータ112および118と、減衰器104とを備えている。なお、図面において、同じ構成要素には同じ参照番号が付けられている。
【0012】
方向性結合器106は3つの入出力端子を備えている。入力端子130は送受信信号経路120に接続されて減衰器104と測定器接続端子103とを介して測定器102に接続される。結合端子132は送信信号専用経路(以下、上りの経路と称する)122に接続されて、増幅器110及びアイソレータ112を介して方向性結合器114の出力端子134に接続される。出力端子140は受信信号専用経路(以下、下りの経路と称する)126に接続されて、アイソレータ118を介して方向性結合器114の結合端子138に接続されている。方向性結合器114は3つの入出力端子を備えている。出力端子134は上りの経路122に接続されてアイソレータ112及び増幅器110を介して方向性結合器106の結合端子132に接続される。入力端子136は送受信信号経路124に接続され、DUT接続端子115を介してDUT116に接続され、結合端子138は下りの経路126に接続されてアイソレータ118を介して方向性結合器の出力端子140に接続される。増幅器110及びアイソレータ112は、上りの経路122上に配置され、アイソレータ118は下りの経路126上に配置されている。
【0013】
図1を参照して、まず、測定器102からの信号の送信時におけるループバック試験回路101の動作について説明する。一例として、減衰器104の減衰量を3dB、方向性結合器106の端子130から端子132への結合係数を16dB、増幅器110で構成される可変利得増幅器の増幅利得を60dB、上りの経路122の伝送損失を2dB、アイソレータ112の順方向の伝送損失を2dBとする。信号源を兼ねる測定器102の送信信号レベルを−37dBmとすれば被測定素子DUT116の入力に0dBmを供給することができる。この送信信号レベルは、前出のE1852A Bluetooth Test Set測定器の許容出力範囲内である。
【0014】
一方、方向性結合器106の端子140から出力された送信信号は、アイソレータ118の逆方向損失を24dB、方向性結合器114の端子138と端子136との間の結合係数を16dB、下りの経路126全体の伝送損失を2dBとする。DUT116の入力端においては−82dBmとなり、送信信号専用経路122による信号の到達レベル0dBmと比べて十分減衰されている。
【0015】
次に、被測定素子DUT116からの信号の受信時におけるループバック試験回路101の動作について説明する。ループバック試験時において、被測定素子DUT116から出力される信号が、+20dBmであるとする。方向性結合器114の端子136と端子138との間の結合係数を16dB、アイソレータ118の伝送損失を1dB、下りの経路126全体の伝送損失を2dB、減衰器104の減衰量を3dBとすると、測定器102の受信電力は、−2dBmとなる。この受電電力は前出のE1852A Bluetooth Test Set測定器の測定可能入力レベルの範囲内である。
【0016】
ここで、上りの経路122から下りの経路126に回り込む信号の強度について検討する。測定器102の出力が−37dBmのとき、先の仮定では、方向性結合器106の端子132には−56dBmの送信信号が現れる。方向性結合器114の端子134と結合端子138間の減衰量及び方向性結合器106の端子140と端子132との間の減衰量をともに52dBとすると、増幅器110及びアイソレータ112及び方向性結合器114及びアイソレータ118及び方向性結合器106を介して再び端子132に現れる信号強度は−107dBmとなり、上りの経路122から下りの経路126に信号が回り込んだとしても、従来技術と比べて十分減衰されるので、発振などの悪影響を回避することができる。
【0017】
DUT116からの出力信号を+20dBmとすると、方向性結合器114の端子136を介して端子138に現れる信号強度は+4dBmとなる。前記と同様に、この信号が下りの経路126から上りの経路122を通って方向性結合器114の端子138に再び現れる信号強度は−47dBmとなる。したがって、回路の発振を十分に抑制することができる。
【0018】
送信時と同様に、受信時に経路122へ回り込む信号強度について説明する。DUT116から送信された信号は、端子115及び方向性結合器の端子136及び端子134およびアイソレータ112を介して増幅器110の出力端子へ現れる。この際、増幅器110の出力端子に現れる信号は、増幅器110の損傷を防ぐため、十分減衰されなくてはならない。このため、アイソレータ112の逆方向減衰量は十分大きくとり、48dBとする。DUT116から出力された20dBmの信号が上述の経路を通過して増幅器110の入力端子へ現れるが、この電力は−30dBmとなり、十分減衰される。
【0019】
なお、上記の説明で、アイソレータ112は、アイソレータ118より大きな順方向の減衰量及び逆方向の減衰量を備えていることに注意されたい。これは、測定器102からの出力に対する増幅器110の出力での信号強度が+5dBmであるのに対して、DUT116からの出力による方向性結合器114の端子134での信号強度が+20dBmと勝っているためである。このアイソレータ112は複数のアイソレータを組み合わせて構成しても良い。
【0020】
さらに、上記の説明で、増幅器110は所望の利得を達成するために、減衰器と増幅器を組み合わせたものとして構成することもできる。
【0021】
また、減衰器104は、単に測定器102と方向性結合器106間の減衰量の整合を取る他に、測定器102がその動作中に、ループバック試験回路101から外れてしまったときに、測定器接続端子103で全反射が起こり、系が発振してDUT116を破壊するのを防ぐために設けている。しかしながら、測定器102から方向性結合器106の入力端子130までの経路が、確実に切断されないとわかっている場合には、省略することもできる。
【0022】
なお、上記の数値例は、一般に市販されている方向性結合器及びアイソレータ及び減衰器及び増幅器の利得から鑑みて、十分に実現できる値である。例えば、方向性結合器には、例えばKRYTAR社製model 1850 (帯域0.5GHzないし18.5GHz)などを使用することができる。
【0023】
以上のように、図1に示すループバック試験装置では、方向性結合器及びアイソレータを用い、かつ、方向性結合器を使用することで上り経路から下りの経路への減衰量が増えたために、より発振しにくい試験装置を実現することができた。また、DUT116からの信号も前述の試験装置300に示す回路と比べ、減衰量は22dB減少し、被測定信号を必要以上に減衰させることなく測定器102へ伝送することが可能となる。さらに、サーキュレータの代わりに方向性結合器を用いたため、従来よりも広帯域の試験装置を実現することができた。
【0024】
図2は本発明による第2の実施形態に係るループバック試験装置を表すブロック図である。図2において、ループバック試験装置200は、信号源を兼ねた測定器102と、本発明による第2の実施形態のループバック試験回路201と、被試験素子であるDUT116を備える。ループバック試験回路201は、測定器接続端子203と、DUT接続端子215と方向性結合器106と、サーキュレータ202と、増幅器110と、アイソレータ112および118と、減衰器104及び204とを備えている。
【0025】
方向性結合器106は3つの入出力端子を備えている。入力端子130は送受信信号経路220に接続されて減衰器104を介して測定器102に接続される。結合端子132は送信信号専用経路(以下、上りの経路と称する)222に接続されて増幅器110及びアイソレータ112を介してサーキュレータ202の端子234に接続される。出力端子140は受信信号専用(以下、下りの経路と称する)経路226に接続されてアイソレータ118及び減衰器204とを介してサーキュレータ202の端子238に接続されている。サーキュレータ202は3つの入出力端子を備えている。端子234は上りの経路222に接続されてアイソレータ112及び増幅器110を介して方向性結合器106の結合端子132に接続される。端子236は送受信信号経路224に接続されてDUT116に接続される。端子238は下りの経路226に接続されてアイソレータ118を介して方向性結合器の出力端子140に接続されている。増幅器110及びアイソレータ112は、上りの経路222上に配置され、アイソレータ118及び減衰器204は下りの経路226上に配置されている。
【0026】
図2のループバック試験回路201の動作において、図1との違いについて説明する。サーキュレータ202における順方向の信号の流れ、すなわち端子234から端子236、あるいは端子236から端子238、あるいは端子238から端子236に対しては減衰がほとんど起こらないのに対し、逆方向の信号の流れ、すなわち端子236から端子234、あるいは端子234から端子238、あるいは端子238から端子234に対しては減衰量が24dBである。また、サーキュレータ202の端子238とアイソレータ118の間には減衰量6dBの減衰器204が設けられている。その他についての動作は図1と同様なので説明を省略する。
【0027】
図2のサーキュレータ202及び減衰器204を除く他の回路構成要素の性能は、図1のループバック試験回路の同一の参照番号の回路構成要素と同じである。減衰器204の減衰量を6dB、サーキュレータ202の順方向伝送損失を1dB、逆方向減衰量を24dBとすると、測定器102の出力レベルを−36Bmとした場合、方向性結合器106の端子132に現れる信号は−55dBmとなる。また、DUT116へ伝送される信号電力は、0dBmとなる。測定器102からの信号が経路222及び経路226を介して、再び端子132に現れるとすると、その信号電力は−84dBmとなるため、発振は抑制される。
これに対し、測定器102の出力が、減衰器104及び方向性結合器106の端子130及び端子140及び経路226を介してサーキュレータ202の端子236を経てDUT116へ伝送される信号電力は、−95dBmとなる。
【0028】
一方、受信時においては、DUT116の出力信号電力を+20dBmとすると、サーキュレータ202及び経路226を経て測定器102へ供給される信号電力は、サーキュレータの伝送損失を1dB,経路226の経路損失を2dB、アイソレータ118の伝送損失を1dBとすると、+7dBmとなる。また、増幅器110の出力端子に現れる電力は−42dBmとなり、十分減衰される。
さらに、DUT116からの出力がサーキュレータ202の端子236を介して端子238に現れる信号電力は+19dBmとなる。この信号電力が経路226及び方向性結合器106の端子140及び端子132及び経路222を介して再びサーキュレータ202の端子238に現れるとすると、その信号電力は−10dBmとなるため、発振は抑制される。
【0029】
以上のように、第2の実施態様では、第1の実施態様と比べてサーキュレータ202を備えているため使用周波数帯域は従来の技術を用いた試験回路と同等になるが、従来技術よりもDUT116から測定器102への下り経路の減衰量が小さく、発振しにくいループバック試験回路を提供できる。
【0030】
なお、上記の説明で、アイソレータ112は、アイソレータ118より大きな順方向及び逆方向減衰量を備えていることに注意されたい。この目的は、図1の場合と同様、DUT116から増幅器110の出力端子への信号強度を十分減衰させることにある。
【0031】
なお、第2の実施態様に関する増幅器、アイソレータ、サーキュレータ等の数値例の実現性や素子の例については、第1の実施態様と同様である。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明を用いると、ループバック試験に十分な信号出力を供給できない測定器を用い場合にも、発振しにくく、かつ、DUTからの信号を必要以上に減衰させることなく試験できるループバック試験回路を提供することができる。
また、請求項1ないし3によれば、上記に加えて、広帯域の発振しにくいループバック試験回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様を用いたループバック試験装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施態様を用いたループバック試験装置を示すブロック図である。
【図3】従来技術によるループバック試験装置を説明するブロック図である。
【符号の説明】
100:ループバック測定装置
101:ループバック測定回路
102:測定器
103:測定器接続端子
104:減衰器
106、114:方向性結合器
110:増幅器
112,118:アイソレータ
115:DUT接続端子
116:被測定素子(DUT)
122:送信側専用経路(上りの経路)
126:受信側専用経路(下りの経路)
Claims (5)
- 信号源を兼ねた測定器を接続する測定器接続端子と、
被試験素子を接続するDUT接続端子と、
前記測定器接続端子と前記DUT接続端子の間に設けられ、信号を上りの経路と下りの経路に分ける第1と第2の方向性結合器とを有し、
前記上りの経路には、前記第1の方向性結合器からの信号を増幅する増幅器と、前記第2の方向性結合器からの信号を減衰させる第1のアイソレータとを備え、
前記下りの経路には、前記第1の方向性結合器からの信号を減衰させる第2のアイソレータを備えたことを特徴とするループバック試験回路。 - 前記測定器接続端子と前記第1の方向性結合器間に、前記測定器接続端子からの信号を減衰させる減衰器を備えたことを特徴とする請求項1に記載の試験回路。
- 前記上りの経路は、前記第1の方向性結合器の結合端子に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の試験回路。
- 信号源を兼ねた測定器を接続する測定器接続端子と、
被試験素子を接続するDUT接続端子と、
前記測定器接続端子に接続された方向性結合器と、
前記DUT接続端子に接続されたサーキュレータと、
前記方向性結合器の結合端子と前記サーキュレータ間に設けられた上りの経路と、
前記サーキュレータと前記方向性結合器の出力端子間に設けられた下りの経路とを有し、
前記上りの経路には、前記方向性結合器からの信号を増幅する増幅器と、前記サーキュレータからの信号を減衰させる第1のアイソレータとを備え、
前記下りの経路には、前記方向性結合器からの信号を減衰させる第2のアイソレータと、前記サーキュレータからの信号を減衰させる減衰器を備えたことを特徴とするループバック試験回路。 - 前記測定器接続端子と前記方向性結合器間に、前記測定器接続端子からの信号を減衰させる減衰器を備えたことを特徴とする請求項4に記載の試験回路。
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- 2002-07-31 JP JP2002223051A patent/JP2004064625A/ja active Pending
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