JP2004063884A - Nuclear spin manipulating method using two-dimensional electron gas and nuclear spin manipulation device using the same - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体の核スピン偏極を制御する方法と、その方法を用いた核スピン操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、量子コンピュータの研究開発が盛んに行われている。中でも原子の核スピンを量子ビットとしたNMR(Nuclear Magnetic Resonance)量子コンピュータは、核スピンのコヒーレンス時間が極めて長いことから、実用的量子コンピュータの実現に最も近い量子コンピュータであるといわれている。NMR量子コンピュータは、ガス、液体、または固体を構成する原子の核スピンを量子ビットとするものであるが、これらの量子ビットを用いて量子計算をするには、量子ビットの初期化、すなわち、核スピンを特定の方向に揃えることが必要不可欠である。従来のNMR量子コンピュータにおける初期化方法は、例えば、極低温で強い磁場を印加して核スピンを特定の方向に揃えるものであるが、核スピンのエネルギーは電子スピンのエネルギーの約1/1000と小さく、それ故、アップスピンとダウンスピンのエネルギー差が極めて小さいため、100%に近い核スピン偏極を実現することが極めて難しい。また、強磁場を印加する方法は、位置分解能が低いため、所望の特定の個所のスピン偏極を制御することが困難である。このため、量子コンピュータとしては極めて効率が悪く、また装置が大型化してしまうと言った課題がある。
【0003】
ところで近年、二次元電子の運動方向に垂直に磁場を印加することにより、二次元電子の状態がランダウ(Landau)量子化されて発現する量子ホール効果(Quantum Hall Effect)が注目されている。
最近、量子ホール効果において、ランダウ準位の充填率νが2/3において、量子ホール効果の縦抵抗が大きくなるという特異な現象が発見された(文献:PHYSICAL REVIEW LETTERS Vol.81,No.12,pp2526〜2529参照)。
【0004】
以下にこの現象を説明する。図6は、ランダウ準位充填率が2/3で生じる核スピン偏極に伴う縦抵抗値の増大を示す図である。図は、二次元電子ガス層に垂直な方向に磁場を印加し、この層の両端に電圧を印加して電流を流し、電流方向の抵抗、すなわち、縦抵抗Rxxを測定したものである。充填率νは電子密度、または、印加する磁場によって変化させる。すなわち、一定磁場のもとで電子密度を大きくすれば、νは大きくなり、密度を小さくすればνは小さくなり、または、一定電子密度のもとで磁場を大きくすれば充填率νは小さくなり、磁場を小さくすれば充填率が大きくなる。実線のグラフは、充填率νを時間(hour)オーダーの速度で走査して測定した結果であり、点線は、秒単位の速度で走査して測定した結果である。図に示すように、電子のランダウ準位充填率νが2/3(ν=2/3は、ホール抵抗がプラトー特性を示す充填率であり、所謂分数量子ホール効果を示す充填率である)で、時間オーダーの速度で走査して測定すると、Rxxが極めて大きくなることがわかる。この現象は、二次元電子ガスの電子スピンと二次元電子ガス層を構成する原子の核スピンとが相互作用し、二次元電子のスピンが反転すると共に核スピンが反転するという、所謂フリップ・フロップ過程が生じているためと考えられている(文献:PHYSICAL REVIEWLETTERS Vol.88,No.17,pp176601−1〜176601−4(2002)参照)。
【0005】
本発明者らは、NMR量子コンピュータ、あるいは核スピンを用いた磁気デバイスに必要不可欠な、上記に述べた核スピン偏極の課題を、上記量子ホール効果を利用すれば解決できるのではないかと考え、鋭意研究の結果、本発明に至ったものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記課題に鑑み本発明は、固体の核スピン偏極を高効率に、かつ、所望の特定の個所の核スピン偏極を制御できる、二次元電子ガスによる核スピン操作方法、及びその方法を用いた核スピン操作装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み本発明の核スピン操作方法は、量子ホール効果状態にある二次元電子ガスにおいて、電子スピンと核スピンとの相互作用を、二次元電子ガスの閉じこめポテンシャルの対称性により制御することを特徴とする。
上記構成において、量子ホール効果状態は、エネルギー準位が同一の異なるスピン状態が混在する量子ホール効果状態であることを特徴とする。また、電子スピンと核スピンの相互作用が、二次元電子ガスの閉じこめポテンシャルが対称であった場合に生じ、非対称であった場合に生じないことを特徴とする。
【0008】
例えば、ランダウ準位充填率が2/3である状態においては、複合フェルミオン・ランダウ準位量子数n=0のダウンスピンを有する電子のエネルギー準位と、複合フェルミオン・ランダウ準位量子数n=1のアップスピンを有する電子のエネルギー準位とが一致する状態、すなわち、エネルギー準位が同一で異なるスピン状態が混在する量子ホール効果状態がある。この状態で、二次元電子ガスの閉じ込めポテンシャルが閉じ込め方向に対称であれば、スピンのミキシング状態が発生する。この際、電子スピンのエネルギーと核スピンのエネルギーがほぼ等しいため、電子スピンと核スピンが相互作用し、フリップ・フロップ過程により核スピンは一定方向に偏極する。二次元電子の閉じ込めポテンシャルを非対称にすれば、電子の対称性が変化し、電子スピンと核スピンの相互作用は生じない。
【0009】
このように、本発明の方法によれば、閉じ込めポテンシャルを対称、非対称とするだけで核スピン偏極を制御することができるので、極めて効率良く核スピン偏極を制御し得る。また、周知の半導体プロセス技術を用いて閉じ込めポテンシャルを制御する領域を微細化すれば、所望の特定の個所の核スピン偏極を制御することができる。
【0010】
また、本発明の核スピン操作装置は、二次元電子ガスを形成する厚さを有する半導体層と、半導体層の上面に接触して半導体層中の二次元電子ガスの第1のポテンシャル障壁を形成する第1の障壁半導体層と、半導体層の下面に接触して半導体の二次元電子ガスの第2のポテンシャル障壁を形成する第2の障壁半導体層と、半導体層と第1の障壁半導体層の間に電圧を印加する第1の電源と、半導体層と第2の障壁半導体層の間に電圧を印加する第2の電源と、上記半導体層の層厚方向に磁場を印加する磁場強度を変化させることができる磁場発生装置を有し、エネルギー準位が同一の異なるスピン状態が混在する量子ホール効果状態となるように、磁場発生装置の発生する磁場、二次元電子ガスの電子密度、または、これらの両方を制御すると共に、半導体層中の二次元電子ガスの閉じこめポテンシャルが対称になるように第1及び第2の電源の印加電圧を制御して、半導体を構成する原子の核スピンを偏極させ、または、半導体層中の二次元電子ガスの閉じこめポテンシャルが非対称になるように第1及び第2の電源の印加電圧を制御して、半導体を構成する原子の核スピン偏極を抑制する。
この場合、前記二次元電子ガスを形成する厚さを有する半導体層をGaAs半導体から構成し、第1及び第2の障壁半導体層をAlGaAs半導体から構成すれば最適である。
【0011】
この構成によれば、第1及び第2の障壁半導体層として、二次元電子ガスを形成する半導体層よりバンドギャップエネルギーの大きい半導体層を用いることにより、半導体層と第1及び第2の障壁半導体層との界面に第1及び第2のポテンシャル障壁が形成される。第1の電源により第1のポテンシャル障壁に印加する電圧、及び、第2の電源により第2のポテンシャル障壁に印加する電圧によって、半導体層中の電子の密度を制御できると共に、半導体層中の電子の閉じ込めポテンシャルの対称性を変化させることができる。半導体層の厚さは十分に薄く、半導体層中の電子は二次元電子ガスとなる。
二次元電子ガスの電子密度、半導体層の層厚方向に印加する磁場、または、これらの両方を制御して、エネルギー準位が同一の異なるスピン状態が混在する量子ホール効果状態となるように制御し、かつ、第1の電源電圧と第2の電源電圧を、半導体層中の二次元電子ガスの閉じ込めポテンシャルが対称になるように選択すれば、同等のエネルギー準位を有するアップスピン電子とダウンスピン電子の混在状態が生じ、スピンのフリップフロップ過程が生じ、原子の核スピンが偏極する。また、第1の電源電圧と第2の電源電圧を、半導体層中の二次元電子ガスの閉じ込めポテンシャルが非対称になるように選択すれば、電子の自由度が空間的に非対称となり、電子スピンと核スピンとのミキシングが生じず、核スピンの偏極が抑制される。
【0012】
このように、本発明の核スピン操作装置によれば、二次元電子ガスの閉じ込めポテンシャルが対称または非対称となるように、第1の電源電圧と第2の電源電圧とを選択することによって、核スピン偏極を制御できる。
また、ポテンシャルの対称性を変えるだけで核スピン偏極をするか、しないかを制御できるので、エネルギーロスがほとんどなく、極めて高効率である。
また、周知の半導体プロセス技術を用いれば、同一基板上に上記の核スピン操作装置を高密度で集積できるから、例えば、多ビット固体量子計算機の量子ビット毎の核スピン偏極装置としても使用できる。また、核スピンをメモリー媒体とする核スピンメモリーの書き込み装置としても使用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
なお、本発明の核スピン操作装置に基づいて本発明の方法を説明する。
図1は、本発明の核スピン操作装置の構成を示す図である。本発明の核スピン操作装置1は、高濃度にドーパントをドープした低抵抗のGaAs層からなる下部ゲート電極2と、下部ゲート電極2上に積層したキャリアーの拡散を防止する高抵抗のGaAs層からなるバリア層3と、バリア層3上に積層したAlGaAs層からなる第1の障壁半導体層4と、第1の障壁半導体層4上に積層した二次元電子ガスを形成するGaAs層からなる半導体層5と、半導体層5上に積層したドーパントをドープしたAlGaAs層からなる第2の障壁半導体層6と、第2の障壁半導体層6上に積層したキャップ層7と、キャップ層7上に積層した金属からなる上部ゲート電極8と、半導体層5と下部ゲート電極2との間に電圧を印加する第1の電源9と、半導体層5と上部ゲート電極8との間に電圧を印加する第2の電源10と、磁場Bを半導体層5の層厚方向に印加する、図示しない磁場強度を可変できる磁場発生装置とから構成される。
なお、半導体層5中に示した点線は二次元電子ガスを模式的に示したものである。また、上記の化合物半導体の積層構造は、周知の分子線エピタキシー法で形成することができる。
【0014】
GaAs層である半導体層5の厚さは、半導体層5中の伝導電子が、量子化によって、層厚方向の電子の運動エネルギーが離散的となり、その基底状態にのみ電子が存在するようになる厚さ以下であり、GaAs半導体の場合、おおむね、20nm以下である。これによって、半導体層5の面内方向に運動の自由度を有し、膜厚方向には運動の自由度を有しない、二次元電子ガスが実現する。
GaAsのバンドギャップエネルギーは約1.4eVであり、AlAsのバンドギャップエネルギーは約3.0eVである。GaAsとAlAsの混晶であるAlx Ga1−x Asのバンドギャップエネルギーは、Alの成分比xを大きくするに従って大きくなる。第1及び第2の障壁半導体層4,5は、組成式Alx Ga1−x As(x<1)で表されるAlGaAs層であり、第1及び第2の障壁半導体層のxは同じでなくとも良い。
【0015】
半導体層5と第1の障壁半導体層4、及び半導体層5と第2の障壁半導体層6のヘテロ接合界面には、半導体層と障壁半導体層とのバンドギャップエネルギーの違いに基づいた電位障壁が形成される。半導体層5と第1の障壁半導体層4とのヘテロ接合界面の電位障壁には、第1の電源9によってバイアス電圧が印加され、また、半導体層5と第2の障壁半導体層6とのヘテロ接合界面の電位障壁には第2の電源10によってバイアス電圧が印加される。バイアス電圧の方向が順方向電圧であれば、半導体層5中に伝導電子が注入される。第1の電源9及び第2の電源10のバイアス電圧の方向及び大きさを独立に制御することにより、半導体層5中へ注入される伝導電子の密度を独立に制御することができ、そのため、電子密度一定のまま半導体層5の層方向の閉じ込めポテンシャルの対称性を制御することができる。
【0016】
本装置を動作するには以下のように行う。
半導体層5を構成する原子Ga及びAsの核スピンを偏極する場合には、電源9及び電源10の電圧を調節して、二次元電子ガスの半導体層5中における閉じ込めポテンシャルが半導体層5の層厚方向に対称になるようにする。かつ、電子密度及び磁場Bを調節して、半導体層5の二次元電子ガスをエネルギー準位が同一の異なるスピン状態が混在する量子ホール効果状態となるように制御し、この状態を数分間維持することにより、Ga及びAsの核スピンが偏極する。
【0017】
エネルギー準位が同一の異なるスピン状態が混在する量子ホール効果状態は、例えば、ランダウ準位充填率νが2/3において実現される。この準位を実現するための電子密度及び磁場強度は、この充填率において分数量子ホール効果が生じるので、ホール抵抗の測定からあらかじめ知ることができる。さらに、エネルギー準位が同一の異なるスピン状態が混在する状態では、分数量子ホール効果のため0となっていた縦抵抗が有限の値を持つため、核スピン偏極に必要な電子密度、磁場強度をあらかじめ知ることができる。
【0018】
核スピン偏極を行わない場合には、電源9及び電源10の電圧を調節し、二次元電子ガスの半導体層5中における閉じ込めポテンシャルが半導体層5の層厚方向に非対称になるようにする。この状態を維持すれば核スピン偏極は生じない。
【0019】
本発明の装置による核スピン偏極の制御の原理は以下のように考えられる。
ここでは、ν=2/3の分数量子ホール効果状態の場合を、磁束量子を電子に貼り付けた複合フェルミオン描像に基づいて説明する。
複合フェルミオンの描像(文献:Physical Review Letters Vol.63(1989)p199参照)に従えば、ν=2/3の状態は、電子1個あたりに1.5個の磁束量子が貼り付いた状態である。これに、逆向きの磁束量子を2本貼り付けると、1.5−2=−0.5になり、電子1個に0.5個の磁束量子が貼り付いた状態、すなわち、ν=2の整数量子ホール効果の状態に等しい。従って、ν=2/3の分数量子ホール効果状態は、複合フェルミオン描像を用いれば、低いエネルギーから2番目までのランダウ準位をしめるν=2の整数量子ホール効果状態として記述できる。
【0020】
図2は、二次元電子ガスの複合フェルミオン・ランダウ準位エネルギーと印加磁場の関係を模式的に示したものである。図の横軸は磁束密度Bを表し、縦軸は、複合フェルミオン・ランダウ準位量子数n=0のアップスピンとダウンスピンのエネルギー準位と、複合フェルミオン・ランダウ準位量子数n=1のアップスピンのエネルギー準位の磁束密度依存性を示している。
複合フェルミオン・ランダウ準位のエネルギーEは、量子数をn、電子のg因子をg、ボーア磁子をμB 、磁束密度をB、αを定数として、近似的に次式で表される。なお、+はダウンスピンのエネルギー準位を表し、−はアップスピンのエネルギー準位に対応する。
【0021】
【数1】
【0022】
図は、上記(1)式に基づいて、複合フェルミオン・量子数n=0のアップスピンとダウンスピンのエネルギー準位と、複合フェルミオン・量子数n=1のアップスピンのエネルギー準位の磁束密度B依存性を図示したものである。上記の(1)式からわかるように、Zeemanエネルギーは、アップスピンに対してマイナスに、ダウンスピンに対してプラスに作用するので、図の点線で示すように、複合フェルミオン・量子数n=0のダウンスピンのエネルギー準位と複合フェルミオン・量子数n=1のアップスピンのエネルギー準位が交差する磁場強度が存在する。この磁場強度においては、アップスピンとダウンスピンの電子が同じエネルギー準位を有して混在し、その結果核スピンとの相互作用が発生し、スピンのフリップフロップ過程が可能になり、核スピンを偏極するものと考えられる。
【0023】
図3は、GaAs半導体層5中に形成される二次元電子の閉じ込めポテンシャルを図示したものであり、図3(a)は閉じ込めポテンシャルが対称な場合を示し、図3(b)は非対称な場合を示す。図3(a)に示すように、閉じ込めポテンシャルが対称な場合には、電子の自由度が層厚方向に対称になるので、電子スピンと核スピンとの間の相互作用が可能になり、核スピンは偏極されると考えられる。一方、図3(b)に示すように、閉じ込めポテンシャルが障壁半導体層4方向と障壁半導体層6方向で非対称な場合には、電子の自由度が、障壁半導体層4方向と障壁半導体層6方向で非対称になり、電子スピンと核スピンとの間の相互作用は生じないものと考えられる。
【0024】
次に、実施例を示す。
図4は、本実施例に用いた測定系を示す図である。図1に示した本発明の核スピン操作装置1に、電流源41を半導体層5に接続し、半導体層5の面内方向に電流を流し、半導体層5の両端に抵抗測定器42を接続し、二次元電子ガスの縦抵抗Rxxの変化量を測定した。なお、抵抗測定は通常のACロックイン検出法で行った。
【0025】
図5は、縦抵抗Rxxの変化量ΔRxxの時間変化を測定した図であり、横軸は時間、縦軸は変化量ΔRxxを示す。ランダウ準位充填率νが2/3になるように二次元電子ガスの電子密度及び磁場強度を調節した。半導体層5は、厚さ20nm、幅50μmの矩形状である。電流密度は10nA/50μmである。図において実線は、二次元電子ガスの閉じ込めポテンシャルを対称とした場合のΔRxxの時間変化を示している。この図から、分オーダーの時間経過と共にΔRxxが増加し、約13kΩで飽和することがわかる。これは、核スピン偏極による伝導電子の散乱が起こっていることを意味し、従って、核スピン偏極が生じたことを示している。図において点線は、二次元電子ガスの閉じ込めポテンシャルを非対称とした場合のΔRxxの時間変化を示している。この図から、ΔRxxは約0.4kΩ、すなわち、ポテンシャルを対称とした場合の高々数%であり、核スピン偏極がほとんど生じないことを示している。
【0026】
なお、上記説明では、ランダウ準位充填率νが2/3の場合を例にとって説明したが、これに限らず、電子のアップスピン状態とダウンスピン状態が同一のエネルギー準位で混在し、かつ、電子のスピンエネルギーが核スピンエネルギーに等しい量子ホール効果状態であれば、同様に核スピン偏極を制御することができる。
また、上記説明では、GaAs、AlGaAs半導体を例にとって説明したが、他の化合物半導体、または、単一元素からなる半導体でも構成できることは明らかである。また上記説明では、異種半導体のヘテロ接合に電圧を印加する手段として、バッファ層、キャップ層を付加した例を用いて説明したが、これらの層が無くとも良い。
【0027】
【発明の効果】
上記説明から理解されるように、本発明によれば、固体中の核スピン偏極を制御することができる。
また、二次元電子ガスの閉じ込めポテンシャルの対称性を制御するだけで核スピン偏極を制御できるので、ほとんどエネルギーロスが無く、従って高効率である。また、周知の半導体プロセス技術を用いれば、同一基板上に本発明の核スピン操作装置を高密度で集積できるから、所望の個所の核スピンを制御することができ、例えば、多ビット固体量子計算機の量子ビット毎の核スピン操作装置としても使用することができる。また、核スピンをメモリー媒体とする核スピンメモリーの書き込み装置としても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の核スピン操作装置の構成を示す図である。
【図2】二次元電子ガスの複合フェルミオン・ランダウ準位エネルギーと印加磁場の関係を模式的に示したグラフである。
【図3】GaAs半導体層5中に形成される二次元電子の閉じ込めポテンシャルを図示したもので、(a)は閉じ込めポテンシャルが対称な場合を示し、(b)図は非対称な場合を示す。
【図4】本実施例に用いた測定系を示す図である。
【図5】縦抵抗Rxxの変化量ΔRxxの時間変化を測定した図であり、横軸は時間、縦軸は変化量ΔRxxを示す。
【図6】ランダウ準位充填率が2/3で生じる核スピン偏極に伴う縦抵抗値の増大を示す図である。
【符号の説明】
1 核スピン操作装置
2 下部ゲート電極
3 バリア層
4 第1の障壁半導体層(ALGaAs層)
5 半導体層
6 第2の障壁半導体層(ALGaAs層)
7 キャップ層
8 上部ゲート電極
9 第1の電源
10 第2の電源
41 電流源
42 抵抗検出装置[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for controlling nuclear spin polarization of a solid, and a nuclear spin operating device using the method.
[0002]
[Prior art]
In recent years, research and development of quantum computers have been actively conducted. Above all, an NMR (nuclear magnetic resonance) quantum computer using nuclear spins of atoms as qubits is said to be the closest quantum computer to realizing a practical quantum computer because the coherence time of nuclear spins is extremely long. An NMR quantum computer uses nuclear spins of atoms constituting a gas, a liquid, or a solid as qubits. To perform a quantum calculation using these qubits, initialization of the qubits, that is, It is essential to align nuclear spins in a specific direction. The initialization method in a conventional NMR quantum computer is, for example, to apply a strong magnetic field at a very low temperature to align nuclear spins in a specific direction, but the energy of nuclear spins is about 1/1000 of the energy of electron spins. Since the energy difference between the up spin and the down spin is very small, it is extremely difficult to realize nuclear spin polarization close to 100%. Further, in the method of applying a strong magnetic field, since the positional resolution is low, it is difficult to control the spin polarization at a desired specific location. For this reason, there is a problem that the quantum computer is extremely inefficient and the device becomes large.
[0003]
By the way, in recent years, the quantum Hall effect (Quantum Hall Effect), in which the state of two-dimensional electrons is Landau-quantized by applying a magnetic field perpendicular to the direction of movement of the two-dimensional electrons, has been attracting attention.
Recently, in the quantum Hall effect, a peculiar phenomenon that the longitudinal resistance of the quantum Hall effect increases when the filling factor ν of the Landau level is 2/3 has been discovered (Reference: PHYSICAL REVIEW LETTERS Vol. 81, No. 12). , Pp 2526-2529).
[0004]
Hereinafter, this phenomenon will be described. FIG. 6 is a diagram showing an increase in longitudinal resistance value due to nuclear spin polarization that occurs when the Landau level filling factor is 2/3. In the figure, a magnetic field is applied in a direction perpendicular to the two-dimensional electron gas layer, a voltage is applied to both ends of the layer, and a current flows, and the resistance in the current direction, that is, the longitudinal resistance Rxx is measured. The filling rate ν is changed by the electron density or the applied magnetic field. That is, if the electron density increases under a constant magnetic field, ν increases, and if the density decreases, ν decreases, or if the magnetic field increases under a constant electron density, the filling rate ν decreases. If the magnetic field is reduced, the filling rate increases. The solid line graph shows the results obtained by scanning the filling rate ν at a speed on the order of hour (hour), and the dotted line shows the results obtained by scanning at a speed of the second unit. As shown in the figure, the Landau level filling rate ν of the electron is 2/3 (ν = / is the filling rate showing the plateau characteristic of the Hall resistance, that is, the filling rate showing the so-called fractional quantum Hall effect). Then, when scanning and measuring at a speed on the order of time, it can be seen that R xx becomes extremely large. This phenomenon is the so-called flip-flop, in which the electron spin of the two-dimensional electron gas interacts with the nuclear spin of the atoms that make up the two-dimensional electron gas layer, and the two-dimensional electron spin is inverted and the nuclear spin is inverted. It is considered that a process has occurred (see Reference: PHYSICAL REVIEWWETTERS Vol. 88, No. 17, pp 176601-1 to 176601-4 (2002)).
[0005]
The present inventors think that the above-mentioned problem of nuclear spin polarization, which is indispensable for an NMR quantum computer or a magnetic device using nuclear spin, can be solved by using the quantum Hall effect. As a result of intensive studies, the present invention has been accomplished.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above problems, the present invention provides a nuclear spin manipulation method using a two-dimensional electron gas, which can control the nuclear spin polarization of a solid with high efficiency and can control the nuclear spin polarization at a desired specific place. It is an object of the present invention to provide a nuclear spin operating device.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In view of the above problems, the nuclear spin manipulation method of the present invention controls the interaction between electron spin and nuclear spin in a two-dimensional electron gas in a quantum Hall effect state by the symmetry of the confinement potential of the two-dimensional electron gas. It is characterized by.
In the above structure, the quantum Hall effect state is a quantum Hall effect state in which different spin states having the same energy level are mixed. Further, it is characterized in that the interaction between the electron spin and the nuclear spin occurs when the confinement potential of the two-dimensional electron gas is symmetric and does not occur when it is asymmetric.
[0008]
For example, in a state where the Landau level filling factor is 2/3, the energy level of an electron having a down spin of the composite fermion-Landau level quantum number n = 0 and the composite fermion-Landau level quantum number There is a state in which the energy level of an electron having an n = 1 up spin is coincident, that is, a quantum Hall effect state in which spin states having the same energy level and different spin states coexist. In this state, if the confinement potential of the two-dimensional electron gas is symmetric in the confinement direction, a spin mixing state occurs. At this time, since the energy of the electron spin is substantially equal to the energy of the nuclear spin, the electron spin and the nuclear spin interact with each other, and the nuclear spin is polarized in a certain direction by a flip-flop process. If the confinement potential of the two-dimensional electron is made asymmetric, the symmetry of the electron changes, and the interaction between the electron spin and the nuclear spin does not occur.
[0009]
As described above, according to the method of the present invention, the nuclear spin polarization can be controlled only by making the confinement potential symmetrical or asymmetrical, so that the nuclear spin polarization can be controlled extremely efficiently. Further, if a region for controlling the confinement potential is miniaturized by using a well-known semiconductor process technology, it is possible to control the nuclear spin polarization at a desired specific portion.
[0010]
Further, the nuclear spin operating device of the present invention forms a semiconductor layer having a thickness for forming a two-dimensional electron gas and a first potential barrier of the two-dimensional electron gas in the semiconductor layer in contact with the upper surface of the semiconductor layer. A first barrier semiconductor layer, a second barrier semiconductor layer that contacts a lower surface of the semiconductor layer to form a second potential barrier for a two-dimensional electron gas of the semiconductor, and a semiconductor layer and the first barrier semiconductor layer. A first power supply for applying a voltage between the semiconductor layers, a second power supply for applying a voltage between the semiconductor layer and the second barrier semiconductor layer, and a magnetic field intensity for applying a magnetic field in a thickness direction of the semiconductor layer. The magnetic field generated by the magnetic field generator, the electron density of the two-dimensional electron gas, or, having a magnetic field generator capable of causing the quantum Hall effect state in which different spin states having the same energy level are mixed. Control both of these At the same time, the applied voltages of the first and second power supplies are controlled so that the confinement potential of the two-dimensional electron gas in the semiconductor layer is symmetrical, so that the nuclear spin of the atoms constituting the semiconductor is polarized, or The applied voltages of the first and second power supplies are controlled so that the confinement potential of the two-dimensional electron gas in the layer becomes asymmetric, thereby suppressing the nuclear spin polarization of atoms constituting the semiconductor.
In this case, it is optimal that the semiconductor layer having a thickness for forming the two-dimensional electron gas is formed of a GaAs semiconductor, and the first and second barrier semiconductor layers are formed of an AlGaAs semiconductor.
[0011]
According to this configuration, the semiconductor layer and the first and second barrier semiconductor layers are used as the first and second barrier semiconductor layers by using a semiconductor layer having a larger band gap energy than the semiconductor layer forming the two-dimensional electron gas. First and second potential barriers are formed at the interface with the layer. The voltage applied to the first potential barrier by the first power supply and the voltage applied to the second potential barrier by the second power supply can control the density of electrons in the semiconductor layer, and can control the electron density in the semiconductor layer. Can be changed. The thickness of the semiconductor layer is sufficiently thin, and the electrons in the semiconductor layer become a two-dimensional electron gas.
Control the electron density of the two-dimensional electron gas, the magnetic field applied in the thickness direction of the semiconductor layer, or both to control the quantum Hall effect state in which different spin states with the same energy level are mixed. If the first power supply voltage and the second power supply voltage are selected such that the confinement potential of the two-dimensional electron gas in the semiconductor layer becomes symmetric, up-spin electrons having the same energy level and down-spin electrons have the same energy level. A mixed state of spin electrons occurs, a spin flip-flop process occurs, and the nuclear spin of the atom is polarized. Further, if the first power supply voltage and the second power supply voltage are selected such that the confinement potential of the two-dimensional electron gas in the semiconductor layer becomes asymmetric, the degree of freedom of the electrons becomes spatially asymmetric, and the electron spin and the electron spin increase. Mixing with nuclear spin does not occur, and polarization of nuclear spin is suppressed.
[0012]
As described above, according to the nuclear spin operating device of the present invention, the nuclear power is selected by selecting the first power supply voltage and the second power supply voltage so that the confinement potential of the two-dimensional electron gas becomes symmetric or asymmetric. Spin polarization can be controlled.
Further, it is possible to control whether or not to perform nuclear spin polarization only by changing the symmetry of the potential, so that there is almost no energy loss and extremely high efficiency.
In addition, by using a well-known semiconductor process technology, the above-described nuclear spin manipulation device can be integrated at a high density on the same substrate, and thus can be used, for example, as a nuclear spin polarization device for each qubit of a multi-bit solid-state quantum computer. . Further, it can be used as a writing device of a nuclear spin memory using nuclear spin as a memory medium.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
The method of the present invention will be described based on the nuclear spin operating device of the present invention.
FIG. 1 is a diagram showing a configuration of a nuclear spin operating device of the present invention. The nuclear
The dotted line in the
[0014]
The thickness of the
The band gap energy of GaAs is about 1.4 eV, and the band gap energy of AlAs is about 3.0 eV. Band gap energy of the Al x Ga 1-x As is GaAs and AlAs mixed crystal increases as increasing the component ratio x of Al. The first and second
[0015]
At the heterojunction interface between the
[0016]
The operation of this device is performed as follows.
When the nuclear spins of the atoms Ga and As constituting the
[0017]
The quantum Hall effect state in which different spin states having the same energy level coexist is realized, for example, when the Landau level filling rate ν is 2/3. Since the fractional quantum Hall effect occurs at this filling rate, the electron density and the magnetic field strength for realizing this level can be known in advance from the measurement of the Hall resistance. Furthermore, in a state in which different spin states having the same energy level coexist, the longitudinal resistance, which was zero due to the fractional quantum Hall effect, has a finite value, and thus the electron density and magnetic field strength required for nuclear spin polarization Can be known in advance.
[0018]
When the nuclear spin polarization is not performed, the voltages of the power supply 9 and the
[0019]
The principle of the control of nuclear spin polarization by the apparatus of the present invention is considered as follows.
Here, the case of the fractional quantum Hall effect state of ν = 2 will be described based on a composite fermion image in which magnetic flux quanta are attached to electrons.
According to the picture of the composite fermion (refer to the literature: Physical Review Letters Vol. 63 (1989) p199), the state of ν == is a state in which 1.5 magnetic flux quanta are stuck per electron. It is. When two magnetic flux quanta in the opposite directions are attached to this, 1.5-2 = −0.5, and a state in which 0.5 magnetic flux quanta is attached to one electron, that is, ν = 2 Is equal to the integer quantum Hall effect state of. Accordingly, the fractional quantum Hall effect state of ν = 2 can be described as an integer quantum Hall effect state of ν = 2, which indicates the second Landau level from low energy, using a composite fermion image.
[0020]
FIG. 2 schematically shows a relationship between a composite fermion-Landau level energy of a two-dimensional electron gas and an applied magnetic field. The horizontal axis of the figure represents the magnetic flux density B, and the vertical axis represents the energy levels of the up-spin and down-spin of the composite fermion-Landau level quantum number n = 0 and the composite fermion-Landau level quantum number n = 1 shows the magnetic flux density dependency of the energy level of the up spin of No. 1.
The energy E of the composite Fermion-Landau level is approximately represented by the following equation, where n is the quantum number, g is the electron g-factor, μ B is the Bohr magneton, B is the magnetic flux density, and α is a constant. . In addition, + represents the energy level of down spin, and-corresponds to the energy level of up spin.
[0021]
(Equation 1)
[0022]
The figure shows the up-spin and down-spin energy levels of the complex fermion / quantum number n = 0 and the up-spin energy levels of the complex fermion / quantum number n = 1 based on the above equation (1). 7 illustrates the magnetic flux density B dependency. As can be seen from the above equation (1), the Zeeman energy acts negatively on the up spin and positively on the down spin, so as shown by the dotted line in the figure, the composite fermion / quantum number n = There is a magnetic field strength at which the energy level of the down spin of 0 and the energy level of the up spin of the composite fermion / quantum number n = 1 intersect. At this magnetic field strength, up-spin and down-spin electrons coexist with the same energy level, resulting in interaction with nuclear spins, enabling the flip-flop process of spins, and It is considered to be polarized.
[0023]
FIG. 3 illustrates the confinement potential of two-dimensional electrons formed in the
[0024]
Next, examples will be described.
FIG. 4 is a diagram illustrating a measurement system used in this example. In the nuclear
[0025]
FIG. 5 is a diagram in which the time change of the change amount ΔR xx of the vertical resistance R xx is measured, and the horizontal axis indicates time, and the vertical axis indicates the change amount ΔR xx . The electron density and the magnetic field intensity of the two-dimensional electron gas were adjusted so that the Landau level filling rate ν became 2/3. The
[0026]
In the above description, the case where the Landau level filling rate ν is / is described as an example. However, the present invention is not limited to this, and the up-spin state and the down-spin state of electrons are mixed at the same energy level, and If the electron spin energy is in the quantum Hall effect state equal to the nuclear spin energy, the nuclear spin polarization can be similarly controlled.
In the above description, a GaAs or AlGaAs semiconductor has been described as an example. However, it is apparent that the semiconductor device can be formed of another compound semiconductor or a semiconductor made of a single element. In the above description, an example in which a buffer layer and a cap layer are added has been described as a means for applying a voltage to a heterojunction of a heterogeneous semiconductor, but these layers may be omitted.
[0027]
【The invention's effect】
As understood from the above description, according to the present invention, nuclear spin polarization in a solid can be controlled.
In addition, since the nuclear spin polarization can be controlled only by controlling the symmetry of the confinement potential of the two-dimensional electron gas, there is almost no energy loss and, therefore, high efficiency. In addition, by using a well-known semiconductor process technology, the nuclear spin operating device of the present invention can be integrated at a high density on the same substrate, so that it is possible to control a nuclear spin at a desired position. As a nuclear spin operating device for each qubit. It can also be used as a writing device for nuclear spin memory using nuclear spin as a memory medium.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a configuration of a nuclear spin operating device of the present invention.
FIG. 2 is a graph schematically showing a relationship between a composite fermion-Landau level energy of a two-dimensional electron gas and an applied magnetic field.
3A and 3B show confinement potentials of two-dimensional electrons formed in a
FIG. 4 is a diagram showing a measurement system used in this example.
FIG. 5 is a diagram illustrating a time change of a change amount ΔR xx of the vertical resistance R xx , wherein the horizontal axis indicates time and the vertical axis indicates the change amount ΔR xx .
FIG. 6 is a diagram showing an increase in longitudinal resistance value due to nuclear spin polarization that occurs when the Landau level filling factor is 2/3.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
7
Claims (5)
上記二次元電子ガスが、エネルギー準位が同一の異なるスピン状態が混在する量子ホール効果状態となるように、上記磁場発生装置の発生する磁場、上記二次元電子ガスの電子密度、または、これらの両方を制御すると共に、
上記半導体層中の二次元電子ガスの閉じこめポテンシャルが対称になるように上記第1及び第2の電源の印加電圧を制御して、上記半導体層を構成する原子の核スピンを偏極させ、
または、上記半導体層中の二次元電子ガスの閉じこめポテンシャルが非対称になるように上記第1及び第2の電源の印加電圧を制御して、上記半導体層を構成する原子の核スピンの偏極を抑制することを特徴とする、核スピン操作装置。A semiconductor layer having a thickness for forming a two-dimensional electron gas; a first barrier semiconductor layer for forming a first potential barrier for the two-dimensional electron gas in the semiconductor layer in contact with an upper surface of the semiconductor layer; A second barrier semiconductor layer that contacts a lower surface of the semiconductor layer to form a second potential barrier for a two-dimensional electron gas in the semiconductor layer; and a voltage is applied between the semiconductor layer and the first barrier semiconductor layer. A first power supply to be applied, a second power supply to apply a voltage between the semiconductor layer and the second barrier semiconductor layer, and a magnetic field strength to apply a magnetic field in a thickness direction of the semiconductor layer. And a magnetic field generator capable of
The magnetic field generated by the magnetic field generator, the electron density of the two-dimensional electron gas, or the two-dimensional electron gas, such that the two-dimensional electron gas is in a quantum Hall effect state in which different spin states having the same energy level are mixed. Control both,
Controlling the applied voltages of the first and second power sources so that the confinement potential of the two-dimensional electron gas in the semiconductor layer is symmetric, to polarize the nuclear spins of the atoms constituting the semiconductor layer;
Alternatively, by controlling the applied voltages of the first and second power supplies so that the confinement potential of the two-dimensional electron gas in the semiconductor layer becomes asymmetric, the polarization of the nuclear spin of the atoms constituting the semiconductor layer is changed. A nuclear spin operating device characterized by suppressing.
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