JP2004061411A - 非線形ラマン分光方法及び装置 - Google Patents

非線形ラマン分光方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】非線形のラマン分光により、蛍光のバックグラウンドの除去を可能とし、広い振動数領域を一度に測定し、短時間の測定を可能とする。
【解決手段】パルス光源2からの光は、分波器6により分波され、一方の励起光と、波長変換器3で変換された他方の励起光となる。パルス光源2からの一方の励起光と波長変換器3からの他方の励起光とを被測定物質10中で交叉させて照射する。そして、被測定物質10中で生じた過渡格子に単色光源1からのプローブ光をブラッグ条件を満足するように入射することにより、分光器4で被測定物質により回折された信号光をスペクトル分解し、検出器5により広い波長領域を同時に測定する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非線形ラマン分光方法及び装置に係り、特に、時間幅の狭い励起光と白色光又は白色光に近いスペクトル幅の広い励起光とを用いた、周波数領域4光波混合による非線形ラマン散乱ピークを検出するための非線形ラマン分光方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ラマン分光は、被測定物にレーザ光等の単色光を照射し、試料から放射されるラマン散乱光を分光する方法であり、放射されるラマン散乱光は被測定物質固有のものであることから、物質の解析、材料評価や新物質創製に広く活用されている。一方、4光波混合は、3つの光(2つのポンプ光(励起光)とプローブ光)を入射して、発生する光を検出する方法の総称である。4光波混合には、例えば、通常の縮退4光波混合、非縮退4光波混合、CARS(コヒーレント反ストークス散乱)、CSRS(コヒーレントストークス散乱)、フォトンエコー、逆ラマン分光、ラマン利得分光、光カー効果分光など、多くの非線形分光がその範疇に入る。
【0003】
ここで、CARS(コヒーレント反ストークス散乱)あるいはCSRS(コヒーレントストークス散乱)の分光法は4光波混合の一種であるが、ラマン散乱を測定するという面ではもっとも関係が深い分光法である。基本的にはこれらの分光法は2つの光(一方の光が2つの光パルスの役割をする)を入射し、一つの光の振動数を変化させることにより、信号光の強度を測定するものである。バリエーションとして3つの光パルスを入れ、時間差を変化させて測定する方法もある。なお、文献:Levenson「非線形レーザー分光学」オーム社、昭和63年、等を参照のこと。
【0004】
さらに、本発明者等により、フェムト秒パルスレーザーと光カーシャッターを用い、広い波長領域の微弱蛍光の時間分解スペクトルを一度に取得することができる超高速時間分解蛍光分光方法が提案された(特開2001−356095号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来のラマン散乱分光法については、例えば、次のような課題がある。
▲1▼ 通常のラマン散乱分光法は線形の分光法であるため、同じ線形の過程である蛍光がバックグラウンドになり、効率の小さいラマン散乱が測定できないことが多い。蛍光はそのもの自身でも発するが、不純物としても存在する。
▲2▼ CARSは非線形ラマン分光法であるため、蛍光のバックグラウンドの除去は可能であるが、振動数を掃引する必要があるため、周波数可変のレーザーが必要である。また、掃引に時間がかかり、また、一度に測定できる測定できるのは1つの振動数に対する信号光だけで効率がよくない。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、例えば、次のような目的を達成するものである。▲1▼ 非線形のラマン分光により、蛍光のバックグラウンドの除去を可能とする。
▲2▼ 広い振動数領域を一度に測定し、短時間の測定を可能とする。なお、例えばCSのように信号光の強いものを測定する場合、測定時間は、例えば、5−30秒程度で十分きれいなデータが得られる。)
▲3▼ 周波数可変のレーザーを必要とせず、装置の構成を簡単とする。
▲4▼ 不確定性の制限を受けず、パルスを用いながら、高分解能のラマンスペクトルを測定する。
【0007】
また、本発明の用途は、例えば、次のような測定が挙げられる。
▲1▼ 蛍光物質を含んだ工業品のラマンスペクトルの測定
▲2▼ 薄膜のラマン散乱スペクトルの測定
▲3▼ 蛍光物質を含んだ生体系のラマンスペクトルの測定
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の解決手段によると、
時間幅の狭い一方の励起光と、一方の励起光と同期したスペクトル幅の広い他方の励起光とを被測定物質に交叉させて照射し、
被測定物質中で生じた過渡格子に、単色又は単色に近いプローブ光を、ブラッグ条件を満足するように入射し、
被測定物質で非線形ラマン散乱により回折された信号光をスペクトル分解し、広い波長領域を同時に検出することにより、
非線形ラマンピークを測定する非線形ラマン分光方法が提供される。
【0009】
本発明の第2の解決手段によると、
スペクトル幅の狭い単色又は単色に近いプローブ光を発生する単色光源と、
スペクトル幅が狭く且つ時間幅の狭い一方の励起光を発生するパルス光源と、
前記パルス光源からの一方の励起光に基づき、該一方の励起光と同期したスペクトル幅の広い他方の励起光に変換する波長変換器と、
広い波長領域を同時に検出する分光器と
を備え、
前記パルス光源からの一方の励起光と前記波長変換器からの他方の励起光とを被測定物質中で交叉させて照射し、被測定物質中で生じた過渡格子に前記単色光源からのプローブ光をブラッグ条件を満足するように入射することにより、前記分光器で被測定物質で非線形ラマン散乱により回折された信号光をスペクトル分解して測定する非線形ラマン分光装置が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
1.原理
図1に、非線形ラマン測定の原理についての説明図を示す。
▲1▼ 一般に、二つの振動数f及びf(f>f)の光(ポンプ光、励起光)を、分光測定を行う物質中に入射すると、振動数f−fをもつうなりができ、これとちょうど一致する物質内の振動が励起される(誘導ラマン効果)。
▲2▼ ここに、振動数fの第3の光(プローブ光)を物質中に入射すると、光散乱の過程により、f+f−f(反ストークス散乱)とf−f+f(ストークス散乱)の振動数の光である各信号光が発生する(ラマン散乱)。
▲3▼ 実際はこれら▲1▼及び▲2▼の過程は別々に起きるのではなく、一連の過程として生じる。▲2▼の過程だけだと、入射光が振動数fをもつ光だけなので線形だが、▲1▼及び▲2▼の過程が両方発生すると、振動数f、f、fの各光が関係し、非線形な効果が生じることになる。
▲4▼ 測定すべき信号光が発生するラマン散乱は非線形なので、ポンプ光、プローブ光の方向により信号光の方向が決まっている。そのため、信号光から空間的に蛍光を除去できる。所定の信号光の方向については、これらの各光の間で運動量保存則が成り立つことで決定される。すなわち、一般に、光の運動量はhk/2πで表される(ここで、hはプランク定数、kは波数ベクトルの大きさ)。そして、被測定物質から信号光の出射される方向は、プローブ光の入射する方向によって次のような位相整合条件となる。
=k+k−k (kとkが並んで入射される場合)
または
=−k+k+k (kとkが並んで入射される場合)
(ここに、k〜kは、それぞれポンプ光1及び2、プローブ光、信号光の波数ベクトル)
要するに、ポンプ光kとkでつくられた過渡格子にブラッグ条件を満足するようにプローブ光kを入れれば、ほぼ正反射する方向に信号光は出る。ここで、ほぼというのはkとkのエネルギーが異なる場合、少し、ブラッグ条件からずれるからである。
▲5▼ さらに、入射光のうち一方(たとえば、振動数f)が単色ではなく、多くの振動数の光を含んでいると、同時にいろいろなうなりが生じ、物質中にあるいろいろな振動が同時に励起される。この場合、振動数fのプローブ光を入射すると、光散乱の過程により、いろいろな振動数の光が放出されるので、それを分光器とCCDカメラ等を備えた測定装置を用いて一度に検出すると、物質内の振動を広い範囲で一度に測定することができる。
【0011】
2.従来の方法との比較
つぎに、上述のような原理に基づく非線形ラマン分光の主な特徴を、従来技術と比較して説明する。
【0012】
▲1▼通常のラマン散乱
通常のラマン散乱は熱的に励起された物質内の振動を上述「1.原理」の▲2▼の過程で調べる。この通常のラマン散乱は基本的に線形であるので、同じ線形で生じる蛍光が邪魔をすることが多く、工業品、生体物質など多くの試料で測定が困難なことが多い。
これに対して、本発明のラマン散乱は非線形なので、放出される光の方向が決まっている。したがって、方向の決まっていない線形の蛍光とは空間的に区別できる。振動を励起するのにパルス光をもちいるので、例えば、検出器にゲート付きのCCDカメラを使えば、時間的にも区別することができ、特に蛍光を除去したラマンスペクトルを測定するのに有利である。
【0013】
▲2▼4光波混合
上述のように、4光波混合は3つの光(2つのポンプ光とプローブ光)を入射して、発生する光を検出する方法の総称である。通常の4光波混合は3つの光すべてにパルス光を用い、測定データはパルスの到達時間を変化させるか、振動数を変化させることでデータを得ている。
これに対して、本発明の特徴は、特に、次の3点に集約することができる。
1)第3の光(プローブ光)にスペクトルが単色に近い、連続光あるいは連続光に近いQスイッチパルスを用いている。
2)パルスの到達時間を変化させたり、振動数を変化させたりしないで、発生した信号光のスペクトルを測定するだけである。
3)ポンプ光の1つにスペクトルの広い光を用いている。
【0014】
▲3▼ CARS(コヒーレント反ストークス散乱)あるいはCSRS(コヒーレントストークス散乱)
上述のようにCARSあるいはCSRSの分光法は4光波混合の一種であるが、これに対して、本発明では、ポンプ光の1つをスペクトルの広い光を用いている点、単色のプローブ光を用いている点、信号光のスペクトルを測定する点で、CARS、CSRSとは異なっており、測定時間が圧倒的に早いことが特徴のひとつである。
【0015】
▲4▼ラマン散乱における蛍光の除去
一般に、ラマン散乱の測定における蛍光のバックグラウンドが邪魔する場合は、例えば、
A)バルクの測定を行い、バルク自身が蛍光を発する場合
B)バルクの測定を行い、不純物が蛍光を発する場合
C)少量あるいは微量の含有物の測定を行う場合
に分類される。
このような蛍光のバックグラウンドを線形のラマン散乱分光法において除去するには、例えば、
1)励起光源をパルスにして時間相関単一光子計数法を用いて時間ゲートをかける
2)励起光源をパルスにして光カーシャッターを用いる
3)偏光の差を用いる
4)赤外の励起光を用いる
5)強い光をあて蛍光物質を褪色させる
などが知られている。上記 A)、B)の場合はともに、上記 4)の赤外の励起光を用いることでかなりの部分は解決できる。しかし、上記 C)の場合は上記 1)〜5)のいずれの方法も十分に除去されない。もともと、ラマン散乱と蛍光は光を吸収して放出する同じ二次光学過程である。両者を区別するものは入射した光がつくる分極がいつまで位相を変化させずに振動しつづけるかという点にかかっており、位相がくずれた後の光放出を蛍光と呼んでいる。従って、時間の早い部分を測定するとラマン散乱が見られる。しかし、不確定性の関係により、時間のあまりに早い部分だけにゲートをかけて測定するとスペクトルが広がり、ラマンピークが分からなくなってしまう。その意味で、上記 2)の方法はおのずと限界があり、上記 1)は時間分解能が不足している。上記 3)は偏光では一般的に両者を分離することができない。上記 4)は少量の含有物の測定には向かない、上記 5)はすべてが褪色するわけではなく、また、試料に損傷をあたえるので、一般的ではない。このようなときに、非線形なラマン分光法は理想的な分光方法を与える。
【0016】
3.非線形ラマン分光方法のための概略構成
図2に、非線形ラマン分光方法を実現するための装置の概略構成図を示す。
この装置は、単色光源1、パルス光源2、波長変換器3、分光器4、検出器5及び分波器6を備え、被測定試料10の分光測定を行う。
【0017】
試料10は、この例では、光が透過するものであればなんでもよい。なお、反射型の分光測定を行う場合は透過なもの以外でもよい。
単色光源1は、プローブ光を発生するためのスペクトル幅の狭いレーザーである。単色光源1は、アルゴンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、YAGレーザーなどの連続発振レーザーでもよいが、Qスイッチレーザーをパルス光源に同期させて用いるとより効率的である。このようなレーザーとしては、例えば、QスイッチYAGレーザー、QスイッチYLFレーザー等がある。
【0018】
パルス光源2は、励起光(ポンプ光)を発生するためのパルスレーザーである。パルス光源2は、例えば、フェムト秒あるいはピコ秒パルスのように尖頭値の高いレーザーがよい。このようなレーザーとしては、例えば、モード同期チタンサファイアレーザー、再生増幅されたモード同期チタンサファイアレーザー、モード同期YAGレーザーなどがある。分波器6は、パルス光源2から出射されたレーザー光を所定の偏光とし、且つ、前記波長変換器3へ向けて分岐する。
【0019】
波長変換器3は、パルス光源2から出射される光を、異なる波長で、スペクトル幅の広い、時間的に同期したパルス光に変換する。波長変換器3による励起光は、白色光又は白色光に近い光であり、もとのパルス光源との振動数差がちょうど測定するラマン散乱の振動数程度になるようなものがよい。このような波長変換器3の例としては、水/重水の混合物やサファイアにパルス光を当てて発生したスペクトル幅の広い白色光、ベンゼンやアセトンなどの物質に光を当てて発生させた誘導ラマン散乱光、光パラメトリック発振光を用いることなどが挙げられる。
【0020】
分光器4及び検出器5は、試料の10からの測定すべき信号光を広い波長領域において同時に検出する。検出器5は、CCD以外でも2次元検出器なら適宜用いることも可能である。検出器5として、時間ゲートが具備されたCCD検出器を用いると時間的にも分離ができ、蛍光の除去に有利である。時間ゲートにより、ポンプ光の照射タイミングと、測定タイミング及び/又は測定時間との関係を調整することにより、蛍光を除去又は減少させることができる。
【0021】
つぎに、非線形ラマン分光測定方法の動作について説明する。
パルス光源2からの光は、分波器6により分波され、一方の励起光と、波長変換器3で変換された他方の励起光となる。パルス光源2からの一方の励起光と波長変換器3からの他方の励起光とを被測定物質10中で交叉させて照射する。そして、被測定物質10中で生じた過渡格子に単色光源1からのプローブ光をブラッグ条件を満足するように入射することにより、分光器4で被測定物質により回折された信号光をスペクトル分解し、検出器5により広い波長領域を同時に測定する。
【0022】
信号光を測定する位置は、励起光1及び2、プローブ光及び信号光の波数ベクトルの大きさをそれぞれk、k、k、kとするとき、位相整合条件k=k−k+kまたはk=−k+k+kを満たすように調整されることができる。また、励起光1及び2は、時間的に同期し、且つ、偏光を指定することができ、プローブ光は、励起光1及び/又は2の偏光から所定角度傾いた偏光とするように調整することができる。また、信号光の偏光は励起光とプローブ光の偏光により決まり、一方、蛍光はプローブ光だけの偏光により決まるので、プローブ光の偏光を調整することで蛍光を減少させることも可能である。さらに、励起光の照射タイミングと、測定タイミング及び/又は測定時間との関係を調整することにより、蛍光を除去又は減少することができる。
【0023】
4.非線形ラマン分光装置の構成
図3に、非線形ラマン分光装置の構成図を示す。
この装置は、被測定試料10の分光測定を行うもので、図2及びその説明箇所と同様に、単色光源1、パルス光源2、波長変換器3、分光器4、検出器5及び分波器6を備え、さらに、第1及び第2の照射偏光調整部11及び12、測定偏光調整部13、第1〜第3の照射方向調整部21〜23、測定方向調整部24、コンピュータ30を備える。
【0024】
この実施の形態の装置では、一例として、プローブ光を発生する単色光源1として、QスイッチYLFレーザーを用いている。YLFレーザーは、例えば、波長523nm、パルス幅6nsの特性である。また、ポンプ光を発生するパルス光源2として、Ti:Sレーザー(チタンサファイアレーザー)を再生増幅器(Regen)で増幅したモード同期チタンサファイアレーザーを用いている。この特性としては、例えば、波長800nm、パルス幅130fs、160mW、1kHzのパルスレーザーである。出口すぐでビームを分けてオートコリレーターでパルス幅をモニターできるようにしてもよい。波長変換器3として、水/重水の混合物を用いた白色光発生を用いている。検出器5として、CCD検出器を用いている。また、コンピュータ30は、検出器5からの出力を入力し、測定結果を解析する。
【0025】
第1及び第2の照射偏光調整部11及び12は、他方の励起光及びプローブ光の偏光をそれぞれ調整する。測定偏光調整部13は、信号光の偏光を調整する。第1乃至第3の照射方向調整部21〜23は、一方及び他方の励起光、プローブ光の被測定物質への照射方向をそれぞれ調整する。測定方向調整部24は、被測定物質10からの信号光の測定方向を調整する。測定方向調整部24は、例えば、励起光1及び2、プローブ光及び信号光の波数ベクトルの大きさをそれぞれk、k、k、kとするとき、位相整合条件k=k−k+kを満たすように調整されている。
【0026】
第1及び第2の照射偏光調整部11及び12、測定偏光調整部13、第1〜第3の照射方向調整部21〜23、測定方向調整部24、のそれぞれの調整は、コンピュータ30により制御してもよいし、マニュアルで調整するようにしてもよい。
【0027】
つぎに、このような装置を用いたラマンピークの測定について説明する。
再生増幅器を含むパルス光源2からのパルスレーザーを可変型NDフィルターで20mW程度まで下げておく。あまり強いと、セルが焦げたり穴が開いたりすることを防ぐためである。次にλ/4板と偏光子を有する分波器6を用いてこの光を2つに分ける。白色光側はさらにλ/2板を有する第1の照射偏光調整部を通して偏光を垂直または水平にすることができる。白色光側を水と重水の1:1混合物による波長変換器3を介して、レンズで絞って白色光を発生させる。白色光は広がって発生するので、短い焦点距離のレンズを用いて平行光に戻す。この例ではこの直後にレッドフィルターを置いている。これは、フィルターなしで測定したときに、白色光の短波長成分の散乱と考えられるものが検出されてシグナルかどうかわからなくなることを防ぐためである。もう片方はそのままで、2つのポンプ光をレンズで絞って焦点がサンプル10の位置で重なるようにする。ある程度目視であわせておき、サンプル位置にBBOの結晶を置いてSHGがもっとも強く出るようにミラーの角度とタイミングを調節することができる。
【0028】
次に、BBOの結晶をピンホール(50μm)に置きかえてポンプ光を通す。2本ともピンホールを通ったら、さらに単色光源1のYLFレーザーをレンズで絞って通す。単色光源1のYLFレーザーからの光も途中でλ/2板を有する第2の照射偏光調整部12をいれて、偏光方向を変えることができる。
【0029】
3本の光ともピンホールを通ったら、サンプル10(例、CS:信号が強いので)を置いてポンプとプローブのタイミングを合わせる。単色光源1のYLFレーザーのタイミングは、外部トリガーでパルス光源2の再生増幅器からのパルスレーザーのタイミングとのディレイタイムを調節する。オシロスコープでポンプ光の片方とプローブ光が両方モニターできるようにして山の頂点を合わせた。3つのビームが空間的・時間的に重なるとサンプルが発光するので、それを目印にした。ただし、はじめから高振動数側のシグナルが弱くて確認できない場合で、低振動数領域を見られるようにした後で、プローブの入射角度を小さくして高振動数側へシフトさせるとよい。
【0030】
図4に、ポンプ光、プローブ光、信号光の配置の説明図を示す。
最初は低振動数領域を見るためにポンプ光とプローブ光の入射角を約800:523になるようにしておく。これは、回折格子の格子間隔がΛ=λ/(2sinθ)で与えられるので、回折条件を満たすためにtanθin:tanθpr≒sinθin:sinθpr=λin:λprとなるからである。二本のポンプ光は左右対称に入射していると考える。この配置なら、シグナルはプローブと対称な方向にスポット状に現れる。
【0031】
サンプルの後ろにゆらゆらした回折光が見えたら、アパーチャーで余計な散乱光をカットする。ただし、高振動数側にする時にシグナルの出射方向が少し動くので、あまり絞りすぎるとシグナルを検出できなくなるので注意する。焦点距離150mm程度のレンズでシグナルを平行光にし、偏光板を通して焦点距離を1mのダブルモノクロメーターに入れる。スリット幅は150μm程度にして、中心波長をプローブ光の中心19102cm−1付近に合わせておく。コンピュータ30でシグナルをモニターしながら最後の偏光板を回して、レイリー散乱が小さくなるようにあわせる。信号が入っていれば、プローブ光のスペクトルが広がったようになるので、プローブ光の入射角・タイミング・セルの位置を調節して信号が最大になるようにする。
【0032】
高振動数側のラマンピークを検出するにはプローブ光の入射角度θprを小さくすればいい。理想的にはプローブの角度とタイミングだけで高振動数側を見ることができるのだが、白色光にした際に群速度分散の効果を受けてポンプ光が時間的に広がっているので、ポンプ光のタイミングも調節しなければならない。さらに、ダブルモノクロメーターの中心波長も変えなければいけないので、次の3つの手順を繰り返してピークのある位置まで移動した。
▲1▼ダブルモノクロメーターの中心波長を200cm−1位増やす。
▲2▼信号が出ていることを確認する。
▲3▼高振動数側が強くなるようにプローブ光の入射角とタイミング、ポンプ光のタイミング、を調節する。
この方法で1000cm−1までのCSとベンゼンのラマン線を検出することができた。実際は、プローブの角度はあまり動かさなくても、ポンプ光のタイミングだけで高振動数側まで見ることができる場合がある。これは、広がったプローブをレンズで絞っているので、いろいろな入射角を持つ成分がすでに存在するからだと考えられる。
【0033】
図5に、CSの及びベンゼンのラマンピークの測定データの図の一例を示す。測定時間が、例えば、5秒程度と短いにもかかわらず、S/N比の良いデータが得られた。
【0034】
5.測定理論
つぎに、非線形ラマン分光の測定の理論について詳述する。
5.1.四光波混合
周波数領域4光波混合分光法とは、サンプルにパルス幅の短い2つのポンプ光(励起光)を集光し、もうひとつのパルス幅の広いパルスをプローブ光を入射させる。このとき、サンプル中には2つのポンプ光のエネルギー差によって、サンプル中の分子(原子)の電子状態や分子の回転・振動運動のエネルギー状態が励起される。このときエネルギー差と振動の周波数が同じであれば、プローブの中心波長とは別に、ラマンシフトしたピークがスペクトルに現れる。
【0035】
別の解釈では、サンプル上に2つのポンプ光による干渉縞と、物質の振動との相互作用で短時間に消える回折格子ができており、シグナル光は位相整合条件k=k−k+kを満たす方向に強く回折される。このとき、シグナル光の振動数は動いている回折格子との衝突によるドップラー効果で、ω=ω−ω+ωになっている。これを見ると、もとの周波数に物質の分子の振動に対応した周波数を足した形になっており、ラマン散乱を測定するのと等価になる。
【0036】
短いパルスの2本のポンプ光と、ほぼCWとみなせるプローブ光がサンプルに入射している場合を考える。二本のポンプ光をE(r、t)=E(t)eiω t−ik ・r(m=1、2)、プローブ光をE(r、t)=Eiω t−ik ・rとし、E(r、t)は時間tにサンプルに入射するとする。この時の3次の非線形分極のi番目の成分P(r、t)は次のように書ける。
【0037】
【数1】
Figure 2004061411
【0038】
ここで、ωとkは電場の振動数と波数ベクトルである。t’=t−t、t”=t−t、ω’=ω−ω+ωでk=k−k+kである。t12はポンプ1とポンプ2の時間差で、χijkl(t’、t”)は4光波混合過程の3次の非線形感受率テンソルのijkl成分である。物質の応答は応答関数Rijkl(t)を用いて、線形応答理論から導かれる。k=k−k+kの方向に伝播する分極は形式的に次のように書かれる。
【0039】
【数2】
Figure 2004061411
【0040】
この分極によって発生する回折されたシグナルのスペクトルは、時間相関関数をフーリエ変換したものであるから、次のようになる。
【0041】
【数3】
Figure 2004061411
【0042】
ここで、Δω=ω−ωであり、ωは回折光の振動数である。P(t)をこれに代入し、k=k−k+kの方向に進む項だけに着目すると次のような式を得る。
【0043】
【数4】
Figure 2004061411
【0044】
ここでG(2) 1k2lは二本のポンプ光の2次の相関関数で、チルダはフーリエ変換されていることを示している。実験ではポンプ光同士の時間差はなく、t12=0である。このことから、シグナルのスペクトルを見ることは、物質の周波数応答関数の絶対値の二乗とポンプ光の相互相関関数を見るのと等価である。
【0045】
非共鳴で、Born−Oppenheimer近似が成り立つ条件では、物質の応答関数Rijkl(t)は原子核の応答と電子の即時応答の項に分割されてRijkl(t)=σijklδ(t)+Nijkl(t)になる。σの項は電子の即時応答を表し、δ(t)はディラックのδ関数である。N(t)は原子核の応答関数である。このRijklを先ほどのスペクトルの式に代入すると次の式を得る。
【0046】
【数5】
Figure 2004061411
【0047】
δ関数を積分したので、σにはチルダはつかない。この式から、二本のポンプ光の相関関数Gが十分に広がっていれば、物質の周波数応答関数がプローブの広がったスペクトルとして直に観測できることが分かる。見方を変えれば、導入で述べた回折格子的な解釈となる。
【0048】
5.2.偏光選択
この分光法で得られるシグナルは応答関数の2乗に比例しているので、電子と核の応答が混ざってしまうのは避けられない。しかし、この分光法では4本のビームの偏光を自由に選ぶことができ、適切に設定してやれば片方の応答を消すことができる。例えば、ポンプ光の偏光を共に水平にしておき、それをx軸とする。反時計回りを正に取り、プローブはそこから45°傾けてある。
【0049】
図6に、ポンプ光、プローブ光及び信号光の偏光についての説明図を示す。
シグナルの偏光をΨとすると、電子σ、核Nそれぞれの応答による分極は次のようになる。
【0050】
【数6】
Figure 2004061411
【0051】
添え字の意味は左から、シグナル、プローブ、ポンプ2、ポンプ1の偏光のx、y成分に比例することを示す。一般的に等方的な物質ではσyyxx/σxxxx=1/3、Nyyxx/Nxxxx=−1/2の関係があるので
【0052】
【数7】
Figure 2004061411
【0053】
となる。偏光は180°回転対称なので、応答関数は結局、次のように書くことができる。
【0054】
【数8】
Figure 2004061411
【0055】
これより、シグナルの偏光を108.4°、63.4°に設定すれば、電子及び核の応答だけを得ることができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、例えば、次のような特有の効果を奏する。
▲1▼ 非線形ラマン分光であるため、蛍光のバックグラウンドの除去が可能である。
▲2▼ 広い振動数領域を一度に測定でき、短時間の測定が可能である。(CSのように信号の強いものであると、測定時間は例えば、5−30秒程度で十分きれいなデータが得られる。)
▲3▼ 周波数可変のレーザーを必要とせず、装置が簡単になる。
▲4▼ 不確定性の制限を受けず、パルスを用いながら、高分解能のラマンスペクトルを測定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】非線形ラマン測定の原理についての説明図。
【図2】非線形ラマン分光方法を実現するための装置の概略構成図。
【図3】非線形ラマン分光装置の構成図。
【図4】ポンプ光、プローブ光、信号光の配置の説明図。
【図5】CSの及びベンゼンのラマンピークの測定データの図。
【図6】ポンプ光、プローブ光及び信号光の偏光についての説明図。
【符号の説明】
1  単色光源
2  パルス光源
3  波長変換器
4  分光器
5  検出器
6  分波器
10 被測定試料
11、12 第1及び第2の照射偏光調整部
13    測定偏光調整部
21〜23 第1〜第3の照射方向調整部
24    測定方向調整部

Claims (13)

  1. 時間幅の狭い一方の励起光と、一方の励起光と同期したスペクトル幅の広い他方の励起光とを被測定物質に交叉させて照射し、
    被測定物質中で生じた過渡格子に、単色又は単色に近いプローブ光を、ブラッグ条件を満足するように入射し、
    被測定物質で非線形ラマン散乱により回折された信号光をスペクトル分解し、広い波長領域を同時に検出することにより、
    非線形ラマンピークを測定する非線形ラマン分光方法。
  2. 他方の励起光は、白色光又は白色光に近い光であることを特徴とする請求項1に記載の非線形ラマン分光方法。
  3. 信号光を測定する位置は、一方及び他方の励起光、プローブ光及び信号光の波数ベクトルの大きさをそれぞれk、k、k、kとするとき、位相整合条件k=k−k+kまたはk=−k+k+kを満たすように調整されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非線形ラマン分光方法。
  4. 一方の励起光及び他方の励起光は、時間的に同期し、且つ、
    プローブ光、一方及び他方の励起光の偏光方向を調整することにより、非線形感受率テンソルのいろいろな成分を測定できることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非線形ラマン分光方法。
  5. プローブ光の偏光を調整することにより、蛍光を除去又は減少することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の非線形ラマン分光方法。
  6. 励起光の照射タイミングと、測定タイミング及び/又は測定時間との関係を調整することにより、蛍光を除去又は減少することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の非線形ラマン分光方法。
  7. 単色又は単色に近いプローブ光を発生する単色光源と、
    時間幅の狭い一方の励起光を発生するパルス光源と、
    前記パルス光源からの一方の励起光に基づき、該一方の励起光と同期したスペクトル幅の広い他方の励起光に変換する波長変換器と、
    広い波長領域を同時に検出する分光器と
    を備え、
    前記パルス光源からの一方の励起光と前記波長変換器からの他方の励起光とを被測定物質中で交叉させて照射し、被測定物質中で生じた過渡格子に前記単色光源からのプローブ光をブラッグ条件を満足するように入射することにより、前記分光器で被測定物質で非線形ラマン散乱により回折された信号光をスペクトル分解して測定する非線形ラマン分光装置。
  8. 前記パルス光源からの一方の励起光を所定の偏光とし、且つ、前記波長変換器へ向けて分岐する分波器をさらに備えた請求項7に記載の非線形ラマン分光装置。
  9. 他方の励起光及びプローブ光の偏光をそれぞれ調整するための第1及び第2の照射偏光調整部をさらに備えた請求項7又は8に記載の非線形ラマン分光装置。
  10. 信号光の偏光をそれぞれ調整するための測定偏光調整部をさらに備えた請求項7乃至9のいずれかに記載の非線形ラマン分光装置。
  11. 一方及び他方の励起光、プローブ光の被測定物質への照射方向をそれぞれ調整するための第1乃至第3の照射方向調整部と、
    被測定物質からの信号光の測定方向を調整するための測定方向調整部と
    をさらに備えた請求項7乃至10のいずれかに記載の非線形ラマン分光装置。
  12. 前記測定方向調整部は、一方及び他方の励起光、プローブ光及び信号光の波数ベクトルの大きさをそれぞれk、k、k、kとするとき、位相整合条件k=k−k+kまたはk=−k+k+kを満たすように調整されていることを特徴とする請求項11に記載の非線形ラマン分光装置。
  13. 前記波長変換器は、水/重水の混合物、サファイア、ベンゼン、アセトンまたは非線形結晶のいずれかを有することを特徴とする請求項7乃至12のいずれかに記載の非線形ラマン分光装置。
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