JP2004060995A - 蓄熱タンク - Google Patents
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Abstract
【課題】貯留された水の断熱効果を高めて、熱損失を抑制することができる蓄熱タンクを提供する。
【解決手段】ベースコンクリート12の上面にタンク本体13を装設し、このタンク本体13を構築する側壁14と底壁15の構造を、断熱構造とする。側壁14を構成する内側及び外側型枠パネル24,25内に断熱材としてのポーラスコンクリート27を充填する。ベースコンクリート12の上面に断熱材としてのポーラスコンクリート30を打設して、この上面に底板31を支持する。又、屋根16を内側パネル34、断熱材層35及び外側パネル36により構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】ベースコンクリート12の上面にタンク本体13を装設し、このタンク本体13を構築する側壁14と底壁15の構造を、断熱構造とする。側壁14を構成する内側及び外側型枠パネル24,25内に断熱材としてのポーラスコンクリート27を充填する。ベースコンクリート12の上面に断熱材としてのポーラスコンクリート30を打設して、この上面に底板31を支持する。又、屋根16を内側パネル34、断熱材層35及び外側パネル36により構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、蓄熱タンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、地下タンクはコンクリート製のベースコンクリートの上面に同じくコンクリート製の円筒状の側壁を設け、ベースコンクリートの上面と側壁の内周面にステンレス製のパネルを接触している。前記側壁の上部開口は屋根により被覆されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の地下タンクにおいては、前記ベースコンクリート及び側壁のほぼ全体がコンクリートにより形成され、特に断熱構造を採用していないので、内部に貯留した水等の液体が外部環境の影響を受け易い。例えば加熱された液体の貯留に際し、あるいは冷却された液体の貯留を熱効率を落とすことなく行うことが非常に困難であるという問題があった。
【0004】
この発明の目的は上記従来の技術に存する問題点を解消して、温水或いは冷水等の貯留蓄熱材の断熱効果を高め、蓄熱材の熱損失を抑制することができる蓄熱タンクを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、タンク本体を構成する側壁と底壁の内部に断熱材を充填したことを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記側壁は外側パネルと内側パネルを所定の間隔で保持し、両パネル間に断熱材を充填して構成されていることを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記底壁は地下に打設されたベースコンクリートの上面に支持された断熱材層と、該断熱材層の上面に支持された底板とにより構成されていることを要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3において、前記両パネルの間の空間は密閉状に構成され、該密閉空間に断熱材が充填されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項において、前記タンク本体を覆う屋根の内部には断熱材が設けられていることを要旨とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項において、前記断熱材はポーラスコンクリート、砕石ポーラスコンクリート、軽量ポーラスコンクリート、発泡樹脂、発泡ゴム、空気、水及びオイルの群のなかから少なくとも一種類選択したものであることを要旨とする。
【0010】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項において、外側パネルと内側パネルの内面には、補強部材が取り付けられ、該補強部材はポーラスコンクリート、砕石ポーラスコンクリート又は軽量ポーラスコンクリートに埋設されていることを要旨とする。
【0011】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項において、前記タンク本体又は屋根は、貯留流体の加熱手段を備えていることを要旨とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項において、前記タンク本体又は屋根は、貯留流体の冷却手段を備えていることを要旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を地下埋設型の蓄熱タンクに具体化した一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
【0013】
図1に示すように蓄熱タンク11はベースコンクリート12と、その上面に構築されたタンク本体13とにより構成されている。前記タンク本体13は円筒状をなす側壁14と、その底部内側に形成された底壁15とにより構成されている。前記側壁14の上端開口部には屋根16が装設されている。
【0014】
次に、前記側壁14の構成を図3を中心に説明する。
ベースコンクリート12の外周寄り上面にはアンカーボルト21が側壁14の幅方向に二本、側壁14の円周方向に所定のピッチで多数箇所に立設されている。これらのアンカーボルト21〜21を貫通する貫通孔を有する支持板22がベースコンクリート12の上面に支持されている。支持板22はアンカーボルト21に螺合したナット23によって所定位置に締め付け固定されている。前記支持板22の上面には内側及び外側型枠パネル24,25が立設され、内側及び外側型枠パネル24,25の対向する内面には補強部材としての多数のスタッドボルト26が片持ち固定されている。前記内側及び外側型枠パネル24,25は図示しないスペーサにより所定間隔に保持され、この状態で内側及び外側型枠パネル24,25の内部空間に断熱材としてのポーラスコンクリート27を充填することにより側壁14を構成している。前記内側型枠パネル24の内周面にはステンレススチール製のパネル28が溶接等により接合され、外側型枠パネル25の外周面には腐食防止を行う塗料が保護層29として塗布されている。
【0015】
前記ベースコンクリート12の上面には前記パネル28を内側型枠パネル24に接合した後、断熱材としてのポーラスコンクリート30が打設され、ポーラスコンクリート30の上面にはステンレススチール製の底板31が水平に支持されている。底板31の外周上面とパネル28の下端寄り内周面との間にはシールプレート32が接触され、溶接部33によってパネル28と底板31の境界部のシールを行うようになっている。
【0016】
前記屋根16は図1に示すように内側パネル34と、その外周側に接合した断熱材層35と、さらに断熱材層35の外周側に接合した外側パネル36とにより構成されている。 前記断熱材層35の材質としては、例えば石綿、ポーラスコンクリート等がある。
【0017】
次に、前述したポーラスコンクリート27について通常のコンクリートと対比して説明する。
図4は比較例として従来用いられている通常のコンクリート、砕石ポーラスコンクリート、軽量ポーラスコンクリートの3種類のコンクリートの材料の示方配合を示す。図4において、符号Wは水、Cはセメント、Sは粒径5ミリメートル以下の例えば砂等の細骨材、Gは粒径5ミリメートル以上の例えば砂利等の粗骨材を示す。又、符号Adは、混和材料(気泡連行材)を示す。通常のコンクリート並びに砕石ポーラスコンクリートには、玉砕石(粒径;5〜13ミリメートル、表乾密度;2.59g/立方センチメートル)を使用した。又、軽量ポーラスコンクリートには、例えばアサノライト(商品名:太平洋マテリアル株式会社製)、メサライト(商品名:日本メサライト工業株式会社製)等の人工軽量骨材(粒径;5〜10ミリメートル、絶乾密度;0.81g/立方センチメートル)を使用した。内側型枠パネル24及び外側型枠パネル25の厚さ寸法は、2.1ミリメートルとして補強リブ37の有るものと無いものとの2種類を用意した。
【0018】
図5は側壁14を平板状に展開した供試体14Aを示す。コンクリートの打設後、21日間湿布養生を行い、供試体14Aについて載荷試験を行った。この試験においては、図5に示すようにモーメントスパンd、せん断スパン2dの4点載荷とし、荷重と載荷点変位を計測した。
【0019】
図6は、三種類のコンクリート単体の強度試験結果を示す。図6には3種類のコンクリートの空隙率(%)も示されている。この試験結果から明らかなように、圧縮強度(MPa)、引張強度(MPa)、曲げ強度(MPa)及び弾性強度(GPa)において、砕石ポーラスコンクリート及び軽量ポーラスコンクリートは、普通のコンクリートよりも低いことが分かった。
【0020】
図7のグラフは補強リブ37が有る供試体14Aの厚さ寸法が20センチメートルの前述した3種類のコンクリートの強度試験結果を示す。同様に、図8のグラフは補強リブ37が無い供試体14Aの厚さ寸法が20センチメートルの3種類のコンクリートのそれぞれの強度試験結果を示す。これらの強度試験結果から明らかなように、補強リブ37が有る場合には、補強リブ37が無い場合と比較して強度上優れていることが分かる。
【0021】
補強リブ37が有る供試体14Aにおいても供試体14Aの厚さ寸法の違いによらず、母材となるコンクリートの強度が大きくなるほど、最大荷重が大きくなった。通常のコンクリートでは、コンクリートに曲げひび割れが発生した後、せん断ひび割れが発生した。しかし、ひび割れ発生後も圧縮側及び引張側のコンクリートが補強リブ37により拘束され、パネル24,25が降伏した。供試体14Aの厚さ寸法が30センチメートルの補強リブ37の有る供試体14Aにおいては、いずれの場合にも、最大荷重付近にてせん断ひび割れが発生し、急激に荷重が低下した。
【0022】
内側型枠パネル24及び外側型枠パネル25とポーラスコンクリートとの付着が良好な場合には、ひび割れが分散し、最大荷重並びに終局時の変位が大きくなった。
【0023】
次に、前記のようにした蓄熱タンク11についてその動作を説明する。
前記蓄熱タンク11は例えば地域冷暖房システムの貯水槽として用いられる。又、ビルや旅館等の近傍の地上や地下に装設され、空調用の貯水槽として、あるいは冷温水を浴槽あるいはプール等に供給する貯水槽として用いられる。
【0024】
前記蓄熱タンク11の内部には図示しない給水配管から貯留流体としての水が供給されて貯留される。この水は前記ポーラスコンクリート27,30及び断熱材層35によって断熱され、外部への熱の伝達あるいは外部からタンク内に貯留した貯水への熱の伝達が抑制され、保温効果が高められる。
【0025】
(1)前記実施形態では、内側及び外側型枠パネル24,25の間に断熱材としてのポーラスコンクリート27を充填して側壁14を構成し、ベースコンクリート12と底板31との間にポーラスコンクリート30を充填した。このため、比較的安価な材料によりタンク本体13内の貯水の断熱効果を向上することができる。
【0026】
(2)前記実施形態では、屋根16を内側パネル34、断熱材層35及び外側パネル36により構成したので、屋根から外部に熱が放散されるのを抑制し、断熱効果を向上することができる。
【0027】
なお、前記実施形態は以下のように変更することもできる。
・ 図9に示すようにタンク本体13の内部空間を空洞のままに保持し、空気による断熱作用を利用するようにしてもよい。又、屋根16の内部を空洞にし、この空気により断熱作用を持たせるようにしてもよい。
【0028】
・ 図9に示すように前記タンク本体13の内部に加熱手段としてのヒータ41を設け、貯留された水等の液体を加熱するようにしてもよい。又、水中ポンプ42を設け、屋根16に対し水を汲み上げて供給し、加熱手段としての太陽熱ヒータにより水を加熱するようにしてもよい。この場合、太陽熱ヒータ43を屋根16の上面に装設する。
【0029】
・ 蓄熱タンク11の内部に冷却手段としてのクーラーを設置してもよい。
・ 蓄熱タンク11に貯留した水を加熱する加熱手段と、水を冷却する冷却手段をそれぞれ設け、必要に応じて両手段を切り換えて使用するようにしてもよい。加熱手段と冷却手段の設置場所は、タンク本体13でも屋根16でもよい。
【0030】
・ 前記支持板22を断熱材により形成してもよい。
・ 前記断熱材として、発泡樹脂、発泡ゴムを用いたり、空気、水、オイル等を用いたりしてもよい。
【0031】
・ 地上設置型の蓄熱タンクとしたり、半地下埋設型のタンクとして具体化したりしてもよい。
・ 蓄熱タンク11の内部に収容する蓄熱材として、温水或いは冷水以外に氷等の固体蓄熱材を用いてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜9記載の発明は、蓄熱タンクの貯留蓄熱材の外部との断熱効果を向上し、熱損失を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した蓄熱タンクの一実施形態を示す半縦断面図。
【図2】図1の蓄熱タンクの水平断面図。
【図3】要部の拡大断面図。
【図4】3種類のコンクリートの材料の示方配合を示す表。
【図5】供試体の強度試験方法を説明するための図。
【図6】3種類のコンクリートの強度試験結果を示す表。
【図7】3種類のコンクリートの強度試験結果を示すグラフ。
【図8】3種類のコンクリートの強度試験結果を示すグラフ。
【図9】この発明の別例を示す蓄熱タンクの略体縦断面図。
【符号の説明】
11…蓄熱タンク、13…タンク本体、14…側壁、15…底壁、16…屋根、24,25…内側(外側)型枠パネル、27,30…断熱材としてのポーラスコンクリート、31…底板、34,36…内側(外側)屋根パネル、35…断熱材層、41…加熱手段としてのヒータ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、蓄熱タンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、地下タンクはコンクリート製のベースコンクリートの上面に同じくコンクリート製の円筒状の側壁を設け、ベースコンクリートの上面と側壁の内周面にステンレス製のパネルを接触している。前記側壁の上部開口は屋根により被覆されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の地下タンクにおいては、前記ベースコンクリート及び側壁のほぼ全体がコンクリートにより形成され、特に断熱構造を採用していないので、内部に貯留した水等の液体が外部環境の影響を受け易い。例えば加熱された液体の貯留に際し、あるいは冷却された液体の貯留を熱効率を落とすことなく行うことが非常に困難であるという問題があった。
【0004】
この発明の目的は上記従来の技術に存する問題点を解消して、温水或いは冷水等の貯留蓄熱材の断熱効果を高め、蓄熱材の熱損失を抑制することができる蓄熱タンクを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、タンク本体を構成する側壁と底壁の内部に断熱材を充填したことを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記側壁は外側パネルと内側パネルを所定の間隔で保持し、両パネル間に断熱材を充填して構成されていることを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記底壁は地下に打設されたベースコンクリートの上面に支持された断熱材層と、該断熱材層の上面に支持された底板とにより構成されていることを要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3において、前記両パネルの間の空間は密閉状に構成され、該密閉空間に断熱材が充填されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項において、前記タンク本体を覆う屋根の内部には断熱材が設けられていることを要旨とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項において、前記断熱材はポーラスコンクリート、砕石ポーラスコンクリート、軽量ポーラスコンクリート、発泡樹脂、発泡ゴム、空気、水及びオイルの群のなかから少なくとも一種類選択したものであることを要旨とする。
【0010】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項において、外側パネルと内側パネルの内面には、補強部材が取り付けられ、該補強部材はポーラスコンクリート、砕石ポーラスコンクリート又は軽量ポーラスコンクリートに埋設されていることを要旨とする。
【0011】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項において、前記タンク本体又は屋根は、貯留流体の加熱手段を備えていることを要旨とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項において、前記タンク本体又は屋根は、貯留流体の冷却手段を備えていることを要旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を地下埋設型の蓄熱タンクに具体化した一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
【0013】
図1に示すように蓄熱タンク11はベースコンクリート12と、その上面に構築されたタンク本体13とにより構成されている。前記タンク本体13は円筒状をなす側壁14と、その底部内側に形成された底壁15とにより構成されている。前記側壁14の上端開口部には屋根16が装設されている。
【0014】
次に、前記側壁14の構成を図3を中心に説明する。
ベースコンクリート12の外周寄り上面にはアンカーボルト21が側壁14の幅方向に二本、側壁14の円周方向に所定のピッチで多数箇所に立設されている。これらのアンカーボルト21〜21を貫通する貫通孔を有する支持板22がベースコンクリート12の上面に支持されている。支持板22はアンカーボルト21に螺合したナット23によって所定位置に締め付け固定されている。前記支持板22の上面には内側及び外側型枠パネル24,25が立設され、内側及び外側型枠パネル24,25の対向する内面には補強部材としての多数のスタッドボルト26が片持ち固定されている。前記内側及び外側型枠パネル24,25は図示しないスペーサにより所定間隔に保持され、この状態で内側及び外側型枠パネル24,25の内部空間に断熱材としてのポーラスコンクリート27を充填することにより側壁14を構成している。前記内側型枠パネル24の内周面にはステンレススチール製のパネル28が溶接等により接合され、外側型枠パネル25の外周面には腐食防止を行う塗料が保護層29として塗布されている。
【0015】
前記ベースコンクリート12の上面には前記パネル28を内側型枠パネル24に接合した後、断熱材としてのポーラスコンクリート30が打設され、ポーラスコンクリート30の上面にはステンレススチール製の底板31が水平に支持されている。底板31の外周上面とパネル28の下端寄り内周面との間にはシールプレート32が接触され、溶接部33によってパネル28と底板31の境界部のシールを行うようになっている。
【0016】
前記屋根16は図1に示すように内側パネル34と、その外周側に接合した断熱材層35と、さらに断熱材層35の外周側に接合した外側パネル36とにより構成されている。 前記断熱材層35の材質としては、例えば石綿、ポーラスコンクリート等がある。
【0017】
次に、前述したポーラスコンクリート27について通常のコンクリートと対比して説明する。
図4は比較例として従来用いられている通常のコンクリート、砕石ポーラスコンクリート、軽量ポーラスコンクリートの3種類のコンクリートの材料の示方配合を示す。図4において、符号Wは水、Cはセメント、Sは粒径5ミリメートル以下の例えば砂等の細骨材、Gは粒径5ミリメートル以上の例えば砂利等の粗骨材を示す。又、符号Adは、混和材料(気泡連行材)を示す。通常のコンクリート並びに砕石ポーラスコンクリートには、玉砕石(粒径;5〜13ミリメートル、表乾密度;2.59g/立方センチメートル)を使用した。又、軽量ポーラスコンクリートには、例えばアサノライト(商品名:太平洋マテリアル株式会社製)、メサライト(商品名:日本メサライト工業株式会社製)等の人工軽量骨材(粒径;5〜10ミリメートル、絶乾密度;0.81g/立方センチメートル)を使用した。内側型枠パネル24及び外側型枠パネル25の厚さ寸法は、2.1ミリメートルとして補強リブ37の有るものと無いものとの2種類を用意した。
【0018】
図5は側壁14を平板状に展開した供試体14Aを示す。コンクリートの打設後、21日間湿布養生を行い、供試体14Aについて載荷試験を行った。この試験においては、図5に示すようにモーメントスパンd、せん断スパン2dの4点載荷とし、荷重と載荷点変位を計測した。
【0019】
図6は、三種類のコンクリート単体の強度試験結果を示す。図6には3種類のコンクリートの空隙率(%)も示されている。この試験結果から明らかなように、圧縮強度(MPa)、引張強度(MPa)、曲げ強度(MPa)及び弾性強度(GPa)において、砕石ポーラスコンクリート及び軽量ポーラスコンクリートは、普通のコンクリートよりも低いことが分かった。
【0020】
図7のグラフは補強リブ37が有る供試体14Aの厚さ寸法が20センチメートルの前述した3種類のコンクリートの強度試験結果を示す。同様に、図8のグラフは補強リブ37が無い供試体14Aの厚さ寸法が20センチメートルの3種類のコンクリートのそれぞれの強度試験結果を示す。これらの強度試験結果から明らかなように、補強リブ37が有る場合には、補強リブ37が無い場合と比較して強度上優れていることが分かる。
【0021】
補強リブ37が有る供試体14Aにおいても供試体14Aの厚さ寸法の違いによらず、母材となるコンクリートの強度が大きくなるほど、最大荷重が大きくなった。通常のコンクリートでは、コンクリートに曲げひび割れが発生した後、せん断ひび割れが発生した。しかし、ひび割れ発生後も圧縮側及び引張側のコンクリートが補強リブ37により拘束され、パネル24,25が降伏した。供試体14Aの厚さ寸法が30センチメートルの補強リブ37の有る供試体14Aにおいては、いずれの場合にも、最大荷重付近にてせん断ひび割れが発生し、急激に荷重が低下した。
【0022】
内側型枠パネル24及び外側型枠パネル25とポーラスコンクリートとの付着が良好な場合には、ひび割れが分散し、最大荷重並びに終局時の変位が大きくなった。
【0023】
次に、前記のようにした蓄熱タンク11についてその動作を説明する。
前記蓄熱タンク11は例えば地域冷暖房システムの貯水槽として用いられる。又、ビルや旅館等の近傍の地上や地下に装設され、空調用の貯水槽として、あるいは冷温水を浴槽あるいはプール等に供給する貯水槽として用いられる。
【0024】
前記蓄熱タンク11の内部には図示しない給水配管から貯留流体としての水が供給されて貯留される。この水は前記ポーラスコンクリート27,30及び断熱材層35によって断熱され、外部への熱の伝達あるいは外部からタンク内に貯留した貯水への熱の伝達が抑制され、保温効果が高められる。
【0025】
(1)前記実施形態では、内側及び外側型枠パネル24,25の間に断熱材としてのポーラスコンクリート27を充填して側壁14を構成し、ベースコンクリート12と底板31との間にポーラスコンクリート30を充填した。このため、比較的安価な材料によりタンク本体13内の貯水の断熱効果を向上することができる。
【0026】
(2)前記実施形態では、屋根16を内側パネル34、断熱材層35及び外側パネル36により構成したので、屋根から外部に熱が放散されるのを抑制し、断熱効果を向上することができる。
【0027】
なお、前記実施形態は以下のように変更することもできる。
・ 図9に示すようにタンク本体13の内部空間を空洞のままに保持し、空気による断熱作用を利用するようにしてもよい。又、屋根16の内部を空洞にし、この空気により断熱作用を持たせるようにしてもよい。
【0028】
・ 図9に示すように前記タンク本体13の内部に加熱手段としてのヒータ41を設け、貯留された水等の液体を加熱するようにしてもよい。又、水中ポンプ42を設け、屋根16に対し水を汲み上げて供給し、加熱手段としての太陽熱ヒータにより水を加熱するようにしてもよい。この場合、太陽熱ヒータ43を屋根16の上面に装設する。
【0029】
・ 蓄熱タンク11の内部に冷却手段としてのクーラーを設置してもよい。
・ 蓄熱タンク11に貯留した水を加熱する加熱手段と、水を冷却する冷却手段をそれぞれ設け、必要に応じて両手段を切り換えて使用するようにしてもよい。加熱手段と冷却手段の設置場所は、タンク本体13でも屋根16でもよい。
【0030】
・ 前記支持板22を断熱材により形成してもよい。
・ 前記断熱材として、発泡樹脂、発泡ゴムを用いたり、空気、水、オイル等を用いたりしてもよい。
【0031】
・ 地上設置型の蓄熱タンクとしたり、半地下埋設型のタンクとして具体化したりしてもよい。
・ 蓄熱タンク11の内部に収容する蓄熱材として、温水或いは冷水以外に氷等の固体蓄熱材を用いてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜9記載の発明は、蓄熱タンクの貯留蓄熱材の外部との断熱効果を向上し、熱損失を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した蓄熱タンクの一実施形態を示す半縦断面図。
【図2】図1の蓄熱タンクの水平断面図。
【図3】要部の拡大断面図。
【図4】3種類のコンクリートの材料の示方配合を示す表。
【図5】供試体の強度試験方法を説明するための図。
【図6】3種類のコンクリートの強度試験結果を示す表。
【図7】3種類のコンクリートの強度試験結果を示すグラフ。
【図8】3種類のコンクリートの強度試験結果を示すグラフ。
【図9】この発明の別例を示す蓄熱タンクの略体縦断面図。
【符号の説明】
11…蓄熱タンク、13…タンク本体、14…側壁、15…底壁、16…屋根、24,25…内側(外側)型枠パネル、27,30…断熱材としてのポーラスコンクリート、31…底板、34,36…内側(外側)屋根パネル、35…断熱材層、41…加熱手段としてのヒータ。
Claims (9)
- タンク本体を構成する側壁と底壁の内部に断熱材を充填した蓄熱タンク。
- 請求項1において、前記側壁は外側パネルと内側パネルを所定の間隔で保持し、両パネル間に断熱材を充填して構成されている蓄熱タンク。
- 請求項1又は2において、前記底壁は地下に打設されたベースコンクリートの上面に支持された断熱材層と、該断熱材層の上面に支持された底板とにより構成されている蓄熱タンク。
- 請求項2又は3において、前記両パネルの間の空間は密閉状に構成され、該密閉空間に断熱材が充填されている蓄熱タンク。
- 請求項2〜4のいずれか一項において、前記タンク本体を覆う屋根の内部には断熱材が設けられている蓄熱タンク。
- 請求項1〜5のいずれか一項において、前記断熱材はポーラスコンクリート、砕石ポーラスコンクリート、軽量ポーラスコンクリート、発泡樹脂、発泡ゴム、空気、水及びオイルの群のなかから少なくとも一種類選択したものである蓄熱タンク。
- 請求項1〜6のいずれか一項において、外側パネルと内側パネルの内面には、補強部材が取り付けられ、該補強部材はポーラスコンクリート、砕石ポーラスコンクリート又は軽量ポーラスコンクリートに埋設されている蓄熱タンク。
- 請求項1〜7のいずれか一項において、前記タンク本体又は屋根は、貯留流体の加熱手段を備えている蓄熱タンク。
- 請求項1〜7のいずれか一項において、前記タンク本体又は屋根は、貯留流体の冷却手段を備えている蓄熱タンク。
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---|---|---|---|---|
KR100896531B1 (ko) * | 2008-10-30 | 2009-05-08 | (주)삼원테크 | 저장탱크 |
JP2010255969A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Nishimatsu Constr Co Ltd | 空調システム |
JP2013092356A (ja) * | 2011-10-05 | 2013-05-16 | Takasago Thermal Eng Co Ltd | 製氷安定方法及び氷製造装置 |
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-
2002
- 2002-07-29 JP JP2002220130A patent/JP2004060995A/ja active Pending
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