JP2004059824A - 研磨用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】銅膜とタンタル化合物を有する半導体デバイスのCMP加工プロセスにおいて、銅の研磨レートは大きいがタンタル化合物の研磨レートが小さいという選択性の高い研磨用組成物であり、銅膜表面の平滑性にも優れたCMP加工用の研磨用組成物を提供する。
【解決手段】(A)研磨材が、平均粒径5〜500nm、23℃、24時間の吸水率0.10〜2.0%である有機高分子化合物;1〜30重量%、(B)酸化防止剤が、ベンゾトリアゾール又はその誘導体;0.01〜5重量%、(C)有機酸が、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸及びアミノ酸から選択された1種以上;0.01〜5重量%、(D)過酸化水素;0.03〜5重量%、である研磨用組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)研磨材が、平均粒径5〜500nm、23℃、24時間の吸水率0.10〜2.0%である有機高分子化合物;1〜30重量%、(B)酸化防止剤が、ベンゾトリアゾール又はその誘導体;0.01〜5重量%、(C)有機酸が、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸及びアミノ酸から選択された1種以上;0.01〜5重量%、(D)過酸化水素;0.03〜5重量%、である研磨用組成物。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、各種メモリーハードディスク用基板等の研磨に使用される研磨用組成物に関し、特に半導体のデバイスウエハーの表面平坦化加工に好適に用いられる研磨用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロニクス業界の最近の著しい発展により、トランジスター、IC、LSI、超LSIと進化してきており、これら半導体素子に於ける回路の集積度が急激に増大するに伴って半導体デバイスのデザインルールは年々微細化が進み、デバイス製造プロセスでの焦点深度は浅くなり、パターン形成面の平坦性はますます厳しくなってきている。
【0003】
一方で配線の微細化による配線抵抗の増大をカバーするために、配線材料としてアルミニウムやタングステンからより電気抵抗の小さな銅配線が検討されてきている。しかしながら銅を配線層や配線間の相互接続に用いる場合には、絶縁膜上に配線溝や孔を形成した後、スパッタリングやメッキによって銅膜を形成して不要な部分を化学的機械的研磨法(CMP)によって絶縁膜上の不要な銅が取り除かれる。
【0004】
かかるプロセスでは銅が絶縁膜中に拡散してデバイス特性を低下させるので、通常は銅の拡散防止のために絶縁膜上にバリア層としてタンタルやタンタルナイトライドの層を設けることが一般的になっている。
【0005】
このようにして最上層に銅膜を形成させたデバイスの平坦化CMPプロセスにおいては、初めに不要な部分の銅膜を絶縁層上に形成されたタンタル化合物の表面層まで研磨し、次のステップでは絶縁膜上のタンタル化合物の層を研磨しSiO2面が出たところで研磨が終了していなければならない。このようなプロセスを図1に示したが、かかるプロセスにおけるCMP研磨では銅、タンタル化合物、SiO2などの異種材料に対して研磨レートに選択的性があることが必要である。
【0006】
即ちステップ1では銅に対する研磨レートが高く、タンタル化合物に対してはほとんど研磨能力がない程度の選択性が必要である。さらにステップ2ではタンタル化合物に対する研磨レートは大きいがSiO2に対する研磨レートが小さいほどSiO2の削りすぎを防止できるので好ましい。
【0007】
このプロセスを理想的には一つの研磨材で研磨できることが望まれるが、異種材料に対する研磨レートの選択比をプロセスの途中で変化させることはできないのでプロセスを2ステップに分けて異なる選択性を有する2つのスラリーでそれぞれのCMP工程を実施する。通常溝や孔の銅膜の削りすぎ(ディッシング、リセス、エロージョン)を防ぐためにステップ1ではタンタル化合物上の銅膜は少し残した状態で研磨を終了させる。ついでステップ2ではSiO2層をストッパーとして残ったわずかな銅とタンタル化合物を研磨除去する。
【0008】
ステップ1に用いられる研磨用組成物に対しては、ステップ2でリカバーできないような表面上の欠陥(スクラッチ)を発生させることなく銅膜に対してのみ大きい研磨レートを有することが必要である。
【0009】
このような銅膜用の研磨用組成物としては、アミノ酢酸およびアミド硫酸から選ばれる少なくとも1種類の有機酸と酸化剤と水とを含有する研磨用組成物が、特開平7−233485号公報に示されている。銅に対して比較的大きな研磨レートが得られているがこれは酸化剤によってイオン化された銅が上記の有機酸とキレートを形成して機械的に研磨されやすくなったためと推定できる。
【0010】
しかしながら前記研磨用組成物を用いて、銅膜およびタンタル化合物を有する半導体デバイスを研磨すると、銅とタンタル化合物の研磨選択比が充分でなかったり、銅に対する選択比を高めると配線溝や孔の銅膜が削られ過ぎたり、銅膜表面の平滑性が損なわれる等の問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、銅膜とタンタル化合物を有する半導体デバイスのCMP加工プロセスにおいて、銅の研磨レートは大きいがタンタル化合物の研磨レートが小さいという選択性の高い研磨用組成物を提供することにあり、更に銅膜表面の平滑性にも優れたCMP加工用の研磨用組成物である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は(A)研磨材、(B)酸化防止剤、(C)有機酸、(D)過酸化水素、および(E)水を含有する研磨用組成物において、(A)研磨材が、平均粒径5〜500nmの範囲にある有機高分子化合物であってその粒子の23℃、24時間の吸水率が0.10〜2.0%であり、研磨材の研磨用組成物中の濃度が1〜30重量%であり、(B)酸化防止剤がベンゾトリアゾールまたはその誘導体であり、研磨用組成物中の濃度が0.01〜5重量%であり、(C)有機酸がシュウ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸及びアミノ酸からなる群より選択された少なくとも一つ以上の酸であり、研磨組成物中の濃度が0.01〜5重量%であり、(D)過酸化水素の研磨用組成物中の濃度が0.03〜5重量%であることを特徴とする研磨用組成物である。
【0013】
本発明はかかる上記の問題点を解決するために種々検討した結果、特定の有機微粒子砥粒と特定の化合物および水を含有する研磨用組成物を用いることにより、銅膜に対する研磨レートが大きく、タンタル化合物に対する研磨レートが小さい、高い選択性を得ることができ、銅膜表面の平滑性にも優れた結果が得られることを見いだし、発明を完成するに至ったものである。
【0014】
本発明に用いられる研磨材は、有機高分子化合物であり、例えば、ビニルモノマーの乳化重合などによって得られる有機高分子化合物の微粒子やポリエステル,ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールなど重縮合によって得られる有機子分子の微粒子やフェノール樹脂、メラミン樹脂などの付加縮合によって得られる有機高分子の微粒子をあげることができ、単独或いは任意に組み合わせ用いることができる。好ましくは比較的安価で粒径の揃った極性の低いビニル系高分子である。その有機高分子化合物は、微粒子形状で用いられ、その平均粒径は5〜500nmの範囲にある有機高分子化合物からなるものである。
【0015】
さらにはこの微粒子の23℃における吸水率が0.10〜2.0%の範囲にあることが好ましい。吸水率が0.10%未満であると銅の研磨速度が極端に低下するので好ましくなく2.0%を超えると銅膜表面にスクラッチ入りやすくなったり、タンタルとの研磨選択比が小さくなるので好ましくない。吸水率の測定は公知の方法で測定可能である。例を挙げると、成型加工してフィルム化し、JIS K6911に準じて23℃における蒸留水への浸漬前後の重量増加分から算出して求められる。
【0016】
研磨材の一次粒子平均径は走査型電子顕微鏡によって観察することができるが、平均粒径は5nm〜50nmの範囲にあることがより好ましい。5nmより小さいと研磨レートが大きくなりにくいので好ましくなく、500nmを越えると被研磨物表面にスクラッチを発生しやすくなったり、タンタル化合物の研磨レートを押さえることが難しくなるので好ましくない。また特性を損なわない程度でコロイダルシリカ等の無機微粒子を研磨剤として併用することももちろん可能である。
【0017】
研磨材の研磨用組成物中の濃度は1〜30重量%であることが望ましい。研磨材の濃度が小さくなりすぎると機械的な研磨能力が減少し研磨レートが低下するので好ましくなく、濃度が高すぎると機械的研磨能力が増大してタンタル化合物の研磨レートをおさえることができなくなり、選択性が低下するので好ましくない。
【0018】
本発明の研磨用組成物は酸化防止剤としてベンゾトリアゾール又はその誘導体を含有する。研磨用組成物中の濃度は0.01〜5重量%であることが望ましい。0.01重量%未満であると銅膜の研磨レートが過度に大きくなり制御できなくなるので好ましくなく、5.0重量%を超えると研磨レートが極端に低下するので好ましくない。
【0019】
本発明の研磨用組成物は有機酸が含まれる。本発明における有機酸は銅とのキレートを形成し、銅の研磨速度を制御しやすくなるので好ましい。具体的な例を挙げるとシュウ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、アミノ酸の中から選ばれた少なくとも一つの有機酸である。添加量については研磨組成物中、0.01〜5重量%の範囲で使用する。0.01重量%未満ではキレート形成効果が不十分であり、5重量%を越えると研磨速度が制御できなくなり過研磨になるので好ましくない。
【0020】
本発明の研磨用組成物は過酸化水素を含有する。本発明における研磨用組成物において過酸化水素は酸化剤として作用しているものである。過酸化水素は銅膜に対して酸化作用を発揮し、イオン化を促進することによって銅膜の研磨レートを高める働きがあるが、研磨用組成物中の濃度は0.03〜5重量%であることが望ましい。この範囲の濃度から高くなっても低くなり過ぎても銅膜の研磨レートが低下するので好ましくない。
【0021】
本発明の研磨用組成物の媒体は水であり、イオン性不純物や金属イオンを極力減らしたものであることが望ましい。
【0022】
本発明の研磨用組成物は上記の各成分、研磨材、酸化防止剤、有機酸を水に混合、溶解、分散させて製造する。過酸化水素は、研磨直前に前記の混合液に添加、混合するが予め混合しておくことも可能である。それらの混合方法は、任意の装置で行うことができる。例えば、翼式回転攪拌機、超音波分散機、ビーズミル分散機、ニーダー、ボールミルなどが適用可能である。
【0023】
また上記成分以外に種々の研磨助剤を配合してもよい。このような研磨助剤の例としては、分散助剤、防錆剤、消泡剤、pH調整剤、防かび剤等が挙げられるが、これらはスラリーの分散貯蔵安定性、研磨速度の向上の目的で加えられる。分散助剤としてはヘキサメタリン酸ソーダ等が挙げられる。もちろん各種界面活性剤や水溶性高分子などを添加して分散性を向上させることができることは言うまでもない。pH調整剤としてはアンモニアなどの塩基性化合物や酢酸、塩酸、硝酸等の酸性化合物が挙げられる。消泡剤としては流動パラフィン、ジメチルシリコーンオイル、ステアリン酸モノ、ジグリセリド混合物、ソルビタンモノパルミチエート、等が挙げられる。
【0024】
【実施例】
本発明を実施例で具体的に説明する。
<実施例1〜8、比較例1〜6>
研磨材として、平均粒径30nmでJIS K6911により測定された23℃、24時間の吸水率が0.28%のポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子、ベンゾトリアゾール、過酸化水素、有機酸が表1に示された濃度になるように0.5μmのカートリッジフィルターで濾過されたイオン交換水に混合し、高速ホモジナイザーで攪拌して均一に分散させて実施例1の研磨用組成物を得た。
【0025】
<研磨評価>
被研磨物は6インチのシリコンウエハー上にスパッタリングで2000Åのタンタル(Ta)並びに電解メッキで10000Åの銅を製膜したものを準備し、銅、Ta面を研磨した。
研磨は定盤径600mmの片面研磨機を用いた。研磨機の定盤にはロデール社製(米国)のポリウレタン製研磨パッドIC−1000/Suba400を専用の両面テープで張り付け、研磨液組成物(スラリー)を流しながら1分間、銅、タンタル膜を研磨した。研磨条件としては加重を300g/cm2、定盤の回転数を40rpm、ウエハー回転数40rpm、研磨材組成物の流量を200ml/minとした。
【0026】
ウエハーを洗浄、乾燥後減少した膜厚を求めることにより研磨速度(Å/mi
n)を求めた。タンタルの研磨速度に対する銅の研磨速度の比を選択比とした。また光学顕微鏡で研磨面を観察して研磨状態を調べ以下のランク分けをした。
◎:良好、○:ごく一部にやや平滑不足があるも全般に良好、×:平滑不足
、
××:著しく腐食され平滑性NG
【0027】
<実施例2〜8、比較例1〜6>
研磨材C1〜C5、ベンゾトリアゾール、過酸化水素、有機酸が表1に示された濃度になるように0.5μmのカートリッジフィルターで濾過されたイオン交換水に混合し、高速ホモジナイザーで攪拌して均一に分散させて実施例1と同様に研磨用組成物を調整し、実施例1と同様に研磨性評価を行った。
評価結果を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば銅膜、タンタル膜を含む半導体デバイスのCMP加工プロセスにおいて銅膜を優先的に研磨可能な研磨液組成物が得られ、半導体デバイスを効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】銅膜を形成させたデバイスの研磨プロセスの模式図
【符号の説明】
1.Cu
2.Ta
3.SiO2
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、各種メモリーハードディスク用基板等の研磨に使用される研磨用組成物に関し、特に半導体のデバイスウエハーの表面平坦化加工に好適に用いられる研磨用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロニクス業界の最近の著しい発展により、トランジスター、IC、LSI、超LSIと進化してきており、これら半導体素子に於ける回路の集積度が急激に増大するに伴って半導体デバイスのデザインルールは年々微細化が進み、デバイス製造プロセスでの焦点深度は浅くなり、パターン形成面の平坦性はますます厳しくなってきている。
【0003】
一方で配線の微細化による配線抵抗の増大をカバーするために、配線材料としてアルミニウムやタングステンからより電気抵抗の小さな銅配線が検討されてきている。しかしながら銅を配線層や配線間の相互接続に用いる場合には、絶縁膜上に配線溝や孔を形成した後、スパッタリングやメッキによって銅膜を形成して不要な部分を化学的機械的研磨法(CMP)によって絶縁膜上の不要な銅が取り除かれる。
【0004】
かかるプロセスでは銅が絶縁膜中に拡散してデバイス特性を低下させるので、通常は銅の拡散防止のために絶縁膜上にバリア層としてタンタルやタンタルナイトライドの層を設けることが一般的になっている。
【0005】
このようにして最上層に銅膜を形成させたデバイスの平坦化CMPプロセスにおいては、初めに不要な部分の銅膜を絶縁層上に形成されたタンタル化合物の表面層まで研磨し、次のステップでは絶縁膜上のタンタル化合物の層を研磨しSiO2面が出たところで研磨が終了していなければならない。このようなプロセスを図1に示したが、かかるプロセスにおけるCMP研磨では銅、タンタル化合物、SiO2などの異種材料に対して研磨レートに選択的性があることが必要である。
【0006】
即ちステップ1では銅に対する研磨レートが高く、タンタル化合物に対してはほとんど研磨能力がない程度の選択性が必要である。さらにステップ2ではタンタル化合物に対する研磨レートは大きいがSiO2に対する研磨レートが小さいほどSiO2の削りすぎを防止できるので好ましい。
【0007】
このプロセスを理想的には一つの研磨材で研磨できることが望まれるが、異種材料に対する研磨レートの選択比をプロセスの途中で変化させることはできないのでプロセスを2ステップに分けて異なる選択性を有する2つのスラリーでそれぞれのCMP工程を実施する。通常溝や孔の銅膜の削りすぎ(ディッシング、リセス、エロージョン)を防ぐためにステップ1ではタンタル化合物上の銅膜は少し残した状態で研磨を終了させる。ついでステップ2ではSiO2層をストッパーとして残ったわずかな銅とタンタル化合物を研磨除去する。
【0008】
ステップ1に用いられる研磨用組成物に対しては、ステップ2でリカバーできないような表面上の欠陥(スクラッチ)を発生させることなく銅膜に対してのみ大きい研磨レートを有することが必要である。
【0009】
このような銅膜用の研磨用組成物としては、アミノ酢酸およびアミド硫酸から選ばれる少なくとも1種類の有機酸と酸化剤と水とを含有する研磨用組成物が、特開平7−233485号公報に示されている。銅に対して比較的大きな研磨レートが得られているがこれは酸化剤によってイオン化された銅が上記の有機酸とキレートを形成して機械的に研磨されやすくなったためと推定できる。
【0010】
しかしながら前記研磨用組成物を用いて、銅膜およびタンタル化合物を有する半導体デバイスを研磨すると、銅とタンタル化合物の研磨選択比が充分でなかったり、銅に対する選択比を高めると配線溝や孔の銅膜が削られ過ぎたり、銅膜表面の平滑性が損なわれる等の問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、銅膜とタンタル化合物を有する半導体デバイスのCMP加工プロセスにおいて、銅の研磨レートは大きいがタンタル化合物の研磨レートが小さいという選択性の高い研磨用組成物を提供することにあり、更に銅膜表面の平滑性にも優れたCMP加工用の研磨用組成物である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は(A)研磨材、(B)酸化防止剤、(C)有機酸、(D)過酸化水素、および(E)水を含有する研磨用組成物において、(A)研磨材が、平均粒径5〜500nmの範囲にある有機高分子化合物であってその粒子の23℃、24時間の吸水率が0.10〜2.0%であり、研磨材の研磨用組成物中の濃度が1〜30重量%であり、(B)酸化防止剤がベンゾトリアゾールまたはその誘導体であり、研磨用組成物中の濃度が0.01〜5重量%であり、(C)有機酸がシュウ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸及びアミノ酸からなる群より選択された少なくとも一つ以上の酸であり、研磨組成物中の濃度が0.01〜5重量%であり、(D)過酸化水素の研磨用組成物中の濃度が0.03〜5重量%であることを特徴とする研磨用組成物である。
【0013】
本発明はかかる上記の問題点を解決するために種々検討した結果、特定の有機微粒子砥粒と特定の化合物および水を含有する研磨用組成物を用いることにより、銅膜に対する研磨レートが大きく、タンタル化合物に対する研磨レートが小さい、高い選択性を得ることができ、銅膜表面の平滑性にも優れた結果が得られることを見いだし、発明を完成するに至ったものである。
【0014】
本発明に用いられる研磨材は、有機高分子化合物であり、例えば、ビニルモノマーの乳化重合などによって得られる有機高分子化合物の微粒子やポリエステル,ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールなど重縮合によって得られる有機子分子の微粒子やフェノール樹脂、メラミン樹脂などの付加縮合によって得られる有機高分子の微粒子をあげることができ、単独或いは任意に組み合わせ用いることができる。好ましくは比較的安価で粒径の揃った極性の低いビニル系高分子である。その有機高分子化合物は、微粒子形状で用いられ、その平均粒径は5〜500nmの範囲にある有機高分子化合物からなるものである。
【0015】
さらにはこの微粒子の23℃における吸水率が0.10〜2.0%の範囲にあることが好ましい。吸水率が0.10%未満であると銅の研磨速度が極端に低下するので好ましくなく2.0%を超えると銅膜表面にスクラッチ入りやすくなったり、タンタルとの研磨選択比が小さくなるので好ましくない。吸水率の測定は公知の方法で測定可能である。例を挙げると、成型加工してフィルム化し、JIS K6911に準じて23℃における蒸留水への浸漬前後の重量増加分から算出して求められる。
【0016】
研磨材の一次粒子平均径は走査型電子顕微鏡によって観察することができるが、平均粒径は5nm〜50nmの範囲にあることがより好ましい。5nmより小さいと研磨レートが大きくなりにくいので好ましくなく、500nmを越えると被研磨物表面にスクラッチを発生しやすくなったり、タンタル化合物の研磨レートを押さえることが難しくなるので好ましくない。また特性を損なわない程度でコロイダルシリカ等の無機微粒子を研磨剤として併用することももちろん可能である。
【0017】
研磨材の研磨用組成物中の濃度は1〜30重量%であることが望ましい。研磨材の濃度が小さくなりすぎると機械的な研磨能力が減少し研磨レートが低下するので好ましくなく、濃度が高すぎると機械的研磨能力が増大してタンタル化合物の研磨レートをおさえることができなくなり、選択性が低下するので好ましくない。
【0018】
本発明の研磨用組成物は酸化防止剤としてベンゾトリアゾール又はその誘導体を含有する。研磨用組成物中の濃度は0.01〜5重量%であることが望ましい。0.01重量%未満であると銅膜の研磨レートが過度に大きくなり制御できなくなるので好ましくなく、5.0重量%を超えると研磨レートが極端に低下するので好ましくない。
【0019】
本発明の研磨用組成物は有機酸が含まれる。本発明における有機酸は銅とのキレートを形成し、銅の研磨速度を制御しやすくなるので好ましい。具体的な例を挙げるとシュウ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、アミノ酸の中から選ばれた少なくとも一つの有機酸である。添加量については研磨組成物中、0.01〜5重量%の範囲で使用する。0.01重量%未満ではキレート形成効果が不十分であり、5重量%を越えると研磨速度が制御できなくなり過研磨になるので好ましくない。
【0020】
本発明の研磨用組成物は過酸化水素を含有する。本発明における研磨用組成物において過酸化水素は酸化剤として作用しているものである。過酸化水素は銅膜に対して酸化作用を発揮し、イオン化を促進することによって銅膜の研磨レートを高める働きがあるが、研磨用組成物中の濃度は0.03〜5重量%であることが望ましい。この範囲の濃度から高くなっても低くなり過ぎても銅膜の研磨レートが低下するので好ましくない。
【0021】
本発明の研磨用組成物の媒体は水であり、イオン性不純物や金属イオンを極力減らしたものであることが望ましい。
【0022】
本発明の研磨用組成物は上記の各成分、研磨材、酸化防止剤、有機酸を水に混合、溶解、分散させて製造する。過酸化水素は、研磨直前に前記の混合液に添加、混合するが予め混合しておくことも可能である。それらの混合方法は、任意の装置で行うことができる。例えば、翼式回転攪拌機、超音波分散機、ビーズミル分散機、ニーダー、ボールミルなどが適用可能である。
【0023】
また上記成分以外に種々の研磨助剤を配合してもよい。このような研磨助剤の例としては、分散助剤、防錆剤、消泡剤、pH調整剤、防かび剤等が挙げられるが、これらはスラリーの分散貯蔵安定性、研磨速度の向上の目的で加えられる。分散助剤としてはヘキサメタリン酸ソーダ等が挙げられる。もちろん各種界面活性剤や水溶性高分子などを添加して分散性を向上させることができることは言うまでもない。pH調整剤としてはアンモニアなどの塩基性化合物や酢酸、塩酸、硝酸等の酸性化合物が挙げられる。消泡剤としては流動パラフィン、ジメチルシリコーンオイル、ステアリン酸モノ、ジグリセリド混合物、ソルビタンモノパルミチエート、等が挙げられる。
【0024】
【実施例】
本発明を実施例で具体的に説明する。
<実施例1〜8、比較例1〜6>
研磨材として、平均粒径30nmでJIS K6911により測定された23℃、24時間の吸水率が0.28%のポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子、ベンゾトリアゾール、過酸化水素、有機酸が表1に示された濃度になるように0.5μmのカートリッジフィルターで濾過されたイオン交換水に混合し、高速ホモジナイザーで攪拌して均一に分散させて実施例1の研磨用組成物を得た。
【0025】
<研磨評価>
被研磨物は6インチのシリコンウエハー上にスパッタリングで2000Åのタンタル(Ta)並びに電解メッキで10000Åの銅を製膜したものを準備し、銅、Ta面を研磨した。
研磨は定盤径600mmの片面研磨機を用いた。研磨機の定盤にはロデール社製(米国)のポリウレタン製研磨パッドIC−1000/Suba400を専用の両面テープで張り付け、研磨液組成物(スラリー)を流しながら1分間、銅、タンタル膜を研磨した。研磨条件としては加重を300g/cm2、定盤の回転数を40rpm、ウエハー回転数40rpm、研磨材組成物の流量を200ml/minとした。
【0026】
ウエハーを洗浄、乾燥後減少した膜厚を求めることにより研磨速度(Å/mi
n)を求めた。タンタルの研磨速度に対する銅の研磨速度の比を選択比とした。また光学顕微鏡で研磨面を観察して研磨状態を調べ以下のランク分けをした。
◎:良好、○:ごく一部にやや平滑不足があるも全般に良好、×:平滑不足
、
××:著しく腐食され平滑性NG
【0027】
<実施例2〜8、比較例1〜6>
研磨材C1〜C5、ベンゾトリアゾール、過酸化水素、有機酸が表1に示された濃度になるように0.5μmのカートリッジフィルターで濾過されたイオン交換水に混合し、高速ホモジナイザーで攪拌して均一に分散させて実施例1と同様に研磨用組成物を調整し、実施例1と同様に研磨性評価を行った。
評価結果を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば銅膜、タンタル膜を含む半導体デバイスのCMP加工プロセスにおいて銅膜を優先的に研磨可能な研磨液組成物が得られ、半導体デバイスを効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】銅膜を形成させたデバイスの研磨プロセスの模式図
【符号の説明】
1.Cu
2.Ta
3.SiO2
Claims (1)
- (A)研磨材、(B)酸化防止剤、(C)有機酸、(D)過酸化水素、および(E)水を含有する研磨用組成物において、(A)研磨材が、平均粒径5〜500nmの範囲にある有機高分子化合物であってその粒子の23℃、24時間の吸水率が0.10〜2.0%であり、研磨材の研磨用組成物中の濃度が1〜30重量%であり、(B)酸化防止剤がベンゾトリアゾールまたはその誘導体であり、研磨用組成物中の濃度が0.01〜5重量%であり、(C)有機酸がシュウ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸及びアミノ酸からなる群より選択された少なくとも一つ以上の酸であり、研磨組成物中の濃度が0.01〜5重量%であり、(D)過酸化水素の研磨用組成物中の濃度が0.03〜5重量%であることを特徴とする研磨用組成物。
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-
2002
- 2002-07-31 JP JP2002222410A patent/JP2004059824A/ja active Pending
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