JP2004055917A - 半導体レーザ、電子交換機及び半導体レーザの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型薄型化が可能であり、安定した所定の波長の光を出力することでき、しかも省電力化にも寄与する半導体レーザ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】この半導体レーザ1は、ヒートパイプとしての冷却機能を有し、しかもこのような機能を基板の張り合わせで実現しているので、小型薄型化が可能であり、安定した所定の波長の光を出力することでき、しかも省電力化にも寄与することになる。また、特に半導体レーザ本体2の温度を検出し、検出結果に基づきヒートパイプの内圧を制御して、半導体レーザ本体2の温度を制御しているので、半導体レーザの温度を極めて精密に一定に維持することができる。これにより、安定した所定の波長の光を出力することできる。
【選択図】 図1
【解決手段】この半導体レーザ1は、ヒートパイプとしての冷却機能を有し、しかもこのような機能を基板の張り合わせで実現しているので、小型薄型化が可能であり、安定した所定の波長の光を出力することでき、しかも省電力化にも寄与することになる。また、特に半導体レーザ本体2の温度を検出し、検出結果に基づきヒートパイプの内圧を制御して、半導体レーザ本体2の温度を制御しているので、半導体レーザの温度を極めて精密に一定に維持することができる。これにより、安定した所定の波長の光を出力することできる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子交換機の送信部に用いられる半導体レーザ及びその製造方法に関する。また、本発明は、このような半導体レーザを搭載する電子交換機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子交換機の送信部(電光変換部)には、半導体レーザが使われている。このような半導体レーザには、送受信を確実に行うために出力される光の波長を安定化することが求められている。そのためには、半導体レーザの温度を精密に制御することが重要であり、この種の半導体レーザは例えばペルチェ素子を使って温度を制御することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ペルチェ素子を使って半導体レーザの温度を制御する構成では、冷却機構を含めた送信部が非常に大きくなってしまう、という問題がある。特に、ペルチェ素子を使った場合には、冷却用のフィンが必要な場合多く、その場合には更に送信部が大型化する、という問題がある。また、ペルチェ素子を使った冷却方法は、電力を消費する、という問題もある。
【0004】
本発明はこのような事情に基づきなされたもので、小型薄型化が可能であり、安定した所定の波長の光を出力することでき、しかも省電力化にも寄与する半導体レーザ及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、本発明の主たる観点に係る半導体レーザは、半導体レーザ本体と、ヒートパイプを構成する少なくともエバポレータが前記半導体レーザ本体に近接して配置された冷却装置とを具備するものである。
【0006】
ここで、ヒートパイプとは、例えば管の内壁に毛細管構造を持たせた金属製パイプであり、内部は真空で、少量の水もしくは代替フロンなどが封入されている。ヒートパイプの一端(気化部)を熱源に接触させて加熱すると、内部の液体が蒸発して気化し、このとき潜熱(気化熱)として、熱が取り込まれる。そして、低温部(液化部)へ高速に(ほぼ音速で)移動し、そこで、冷やされてまた液体に戻り、熱を放出する(凝縮潜熱による熱放出)。液体は毛細管構造を通って(もしくは重力によって)元の場所へ戻るので、連続的に効率よく熱を移動させることができる。
【0007】
本発明に係るヒートパイプは、冷却効率、小型薄型化及び製造面を考慮すると、複数の基板を張り合わせて上記構成のものと同等の機能を実現したものが好適である。しかしながら、他の形態であっても勿論構わない。
【0008】
本発明では、半導体レーザ本体をヒートパイプにより冷却するように構成したので、小型薄型化が可能であり、安定した所定の波長の光を出力することでき、しかも省電力化にも寄与することになる。
【0009】
本発明に係る半導体レーザは、前記半導体レーザ本体の温度を検出する手段と、前記検出された温度に基づき、前記ヒートパイプの内圧を制御する手段とを具備することがより好ましい。
【0010】
内圧を制御することで作動液の沸点を制御し、冷却装置の冷却能を制御できる。そして、半導体レーザ本体の温度検出結果に応じて冷却能のフィーバックループを構成することで、半導体レーザの温度を一定に維持することができる。これにより、安定した所定の波長の光を出力することできる。
【0011】
ここで、内圧制御手段は、前記ヒートパイプを構成するリザーバから前記ヒートパイプを構成する所定の第1の流路に向けて気化された作動液を圧送するポンプを具備する形態が好ましく、その場合に、前記ポンプは、前記リザーバと前記第1の流路との間を接続し、前記リザーバから前記第1の流路に向けて幅広となる幅広部を有する第2の流路と、前記幅広部に配置されたヒータとを有し、前記温度検出手段により検出された温度に応じて前記ヒータに供給する電力を制御する構成が更に好ましい。これにより、小型薄型化を維持したまま内圧の制御が可能となる。
【0012】
本発明に係る前記冷却装置は、前記ヒートパイプを構成するウイックの溝が第1の表面に設けられた第1の基板と、前記第1の表面に接合される第2の表面を有し、前記第2の表面に前記ヒートパイプを構成する所定の第1の流路が形成された第2の基板とを具備することを特徴とする。
【0013】
冷却効率、小型薄型化及び製造面を考慮すると極めて有利な構成である。
【0014】
この場合、前記第1の基板は、前記半導体レーザ本体を構成する基板からなる構成がより好ましい形態である。そして、前記第2の表面には、前記ヒートパイプを構成するリザーバと、前記リザーバと前記第1の流路との間を接続し、前記リザーバから前記第1の流路に向けて幅広となる幅広部を有する第2の流路とが設けられ、前記第1の表面の前記幅広部と対面する位置には、ヒータを構成するパターンが設けられている形態がより好ましい。
【0015】
これにより、部品点数を減らし、更に冷却効率の向上をも図ることが可能である。
【0016】
本発明の別の観点に係る電子交換機は、半導体レーザを使った送信部と、ヒートパイプを構成する少なくともエバポレータが前記半導体レーザに近接して配置された冷却装置とを具備するものである。
【0017】
電子交換機の送信部に使われる半導体レーザをヒートパイプにより構成される冷却装置で冷却する構成としたので、安定した波長での光通信が可能であり、しかも小型薄型化及び省電力化を図ることができる。
【0018】
本発明の更に別の観点に係る半導体レーザの製造方法は、ヒートパイプを構成するウイックの溝が第1の表面に設けられた半導体レーザ本体を形成する工程と、前記第2の表面に前記ヒートパイプを構成する所定の流路が形成された基板を形成する工程と、前記第1の表面と前記第2の表面とを接合する工程とを具備するもんであり、またヒートパイプを構成するウイックの溝が第1の表面に設けられた第1の基板を形成する工程と、前記第2の表面に前記ヒートパイプを構成する所定の流路が形成された第2の基板を形成する工程と、前記第1の表面と前記第2の表面とを接合する工程と、前記第1の表面の反対面を半導体レーザに近接して配置する工程とを具備するものである。
【0019】
本発明の製造方法によれば、基板の形成と接合工程により製造することができるので、冷却効率が良好な半導体レーザを効率よく製造することが可能である。
【0020】
本発明のより具体的な構成例とそれに伴う作用効果は以下に示す実施形態によってより明らかにされるが、本発明はそれらの実施形態に限定されるものではない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施形態に係る半導体レーザの分解斜視図、図2(a)、(b)はその平面図、図3はその断面図である。
【0023】
これらの図に示す半導体レーザ1は、例えば電子交換機の送信部(電光変換部)に用いられるもので、半導体レーザ本体2と、ヒートパイプを構成する流路が形成された基板3と、コンデンサ部10を塞ぐ基板4とを接合して一体化した構造を有する。
【0024】
半導体レーザ本体2は、シリコンやガリウム砒素等からなる矩形状の基材からなり、端部5から光を出力する。
【0025】
基板3は、例えばパイレックス(登録商標)ガラスからなる矩形状の基材からなる。基板3の半導体レーザ本体2と対向する第1の面6には、エバポレータ部7を構成する液体供給溝8及び気体回収溝9、コンデンサ部10からエバポレータ部7に例えば水である作動液(液体の状態)が流通する流路である液体流路溝12、エバポレータ部7からコンデンサ部10に気化された作動液(気体の状態)を流通する流路である気体流通溝13、液体流路溝12と気体流通溝13との間に介在してこれらの間で断熱効果を持たせるための断熱用の溝14、リザーバ部15を構成するリザーバ溝16、リザーバ部15とエバポレータ部7とを繋ぐ流路である溝17が設けられている。
【0026】
溝17は、リザーバ部15からエバポレータ部7に向けて一旦流路が狭くなる幅狭部18を有し、幅狭部18に連続して幅広部19を有し、更に幅広部19に連続して2本の溝20が液体供給溝8及び気体回収溝9を挟むように設けられている。
【0027】
また、基板3の第1の面6には、半導体レーザ本体2の温度を検出するための熱電対のパターン21が設けられている。
【0028】
基板3のコンデンサ部10を塞ぐ基板4と対向する面22には、コンデンサ部10を構成する凹状のコンデンサ溝11が設けられている。
【0029】
半導体レーザ本体2の基板3と対向する面23には、エバポレータ部7を構成するウイック溝24、幅狭部18と対面する位置にヒータパターン25が設けられている。
【0030】
ウイック溝24は、第1の深さの矩形の凹部26を有し、第1の深さよりも更に深い第2の深さを有する帯状の溝27が凹部26を跨ぐように並列に複数設けられている。帯状の溝27は、半導体レーザ本体2と基板3とが接合されたときに、液体供給溝8及び気体回収溝9、更にはリザーバ部15における溝20を連通するようになっている。
【0031】
ヒータパターン25は発熱抵抗体により構成され、その両端は半導体レーザ本体2の面23の端部に設けられた一対の端子28、28と線路29、29を介して接続されている。
【0032】
コンデンサ部10を塞ぐ基板4は、例えば矩形でカーボングラファイトシートからなり、この基板4の基板3と対向する面30には、帯状のコンデンサ溝31が複数設けられている。
【0033】
この半導体レーザ1は、基板3と基板4とを接合することで凹状のコンデンサ溝11と複数の帯状のコンデンサ溝31との間でコンデンサ部10が構成され、半導体レーザ本体2と基板3とを接合することで液体供給溝8及び気体回収溝9とウイック溝24との間でエバポレータ部7が構成され、またリザーバ溝16及び溝17とヒータパターン25との間でマイクロポンプ機能を有するリザーバ部15が構成されるようになっている。
【0034】
以上の構成によってこの半導体レーザ1は、ループ状のヒートパイプとして機能(冷却機能)を有する。以下、その作用を説明する。
【0035】
まず、作動液がコンデンサ部10から液体流路溝12を介してエバポレータ部7に流通すると、エバポレータ部7において作動液は半導体レーザ本体2からの熱よって加熱されて沸騰し、気化する。より詳細には、液体供給溝8にある作動液は毛細管現象によってウイック溝24を伝わって気体回収溝9側に流出しようとする。その際に、作動液はウイック溝24及び気体回収溝9で上記の加熱より気化する。この気化する際にエバポレータ部7が半導体レーザ本体2からの熱を奪うことになり、この結果半導体レーザ本体2が冷却されることになる。
【0036】
気体回収溝9で回収された気体は、気体流通溝13を介してコンデンサ部10に流通し、この気体はコンデンサ部10において再び液体に凝縮される。この凝縮された液体(作動液)は、コンデンサ部10から液体流路溝12を介してエバポレータ部7に再度循環される。
【0037】
図4はこのように構成された半導体レーザ1における温度制御系の構成を示す図である。
【0038】
図4に示すように、半導体レーザ1におけるヒータパターン25に連通する一対の端子28、28には、ヒータパターン25に電力を供給するための電力供給部32が接続されている。温度制御部33は、半導体レーザ1における熱電対のパターン21と接続され、半導体レーザ1の温度を検出している。温度制御部33は、この検出した温度に応じて電力供給部32からヒータパターン25に供給される電力を制御している。例えば、半導体レーザ1の温度は、常に25.6℃となるように制御されており、これにより半導体レーザ1から出力される光の波長が安定するようになっている。
【0039】
このようにヒータパターン25へ供給される電力を制御することで半導体レーザ1の温度を制御するメカニズムについて図5に基づき説明する。
【0040】
半導体レーザ1における作動液(気体/液体)のループ状の流路34の圧力P1(初期値としての飽和蒸気圧)は例えば1/4気圧の386hPaに設定されているため作動液は75℃で沸騰熱輸送されるようになっている。
【0041】
ヒータパターン25に電力を供給してリザーバ部15のおける幅狭部18を加熱すると、リザーバ部15がこのリザーバ部15からループ状の流路34に対して気泡により加圧する気泡式マイクロポンプとして作用する。
【0042】
ここで、気泡を発生させてリザーバ部15の内部の圧力P2が例えばP1に対して4kPa差がプラスにでたとする。例えば、通常の飽和蒸気圧1013hPaのとき沸点は100℃、386hPaのとき沸点は75℃、123hPaのとき沸点は50℃である。このためP1は386hPa=38.6kPaなので、40kPaにリザーバ部15からループ状の流路34が押圧される。このときの沸騰温度はPV=nRTの基本式より78℃で沸騰することになる。これにより微妙に温度の制御が可能になる。
【0043】
図6は上述したリザーバ部15におけるマイクロポンプ機能を説明するための図である。
【0044】
上記したように、リザーバ部15は、このリザーバ部15からエバポレータ部7に向けて一旦流路が狭くなる幅狭部18を有し、幅狭部18に連続して幅広部19を有している。ここで、幅狭部18の内径をR1、幅広部19の内径をR2としたときに、幅狭部18が加熱されると幅狭部18で気泡が連続的に発生し、幅狭部18から幅広部19に向けて流出し、即ちリザーバ部15からエバポレータ部7への圧力Pmaxが、
Pmax=2σ(1/R1−1/R2)
となる。従って、リザーバ部15におけるマイクロポンプ機能を有することになる。しかも、このような構成では、幅狭部18から幅広部19に向けて気泡が連続的に流出するので、方向性があり、弁は不要となる。
【0045】
このように本実施形態における半導体レーザ1は、ヒートパイプとしての冷却機能を有し、しかもこのような機能を基板の張り合わせで実現しているので、小型薄型化が可能であり、安定した所定の波長の光を出力することでき、しかも省電力化にも寄与することになる。また、特に半導体レーザ本体2の温度を検出し、検出結果に基づきヒートパイプの内圧を制御して、半導体レーザ本体2の温度を制御しているので、半導体レーザの温度を極めて精密に一定に維持することができる。これにより、安定した所定の波長の光を出力することできる。
【0046】
次に、本発明に係る半導体レーザ1の製造方法を説明する。図7はその製造工程を示したフロー図である。
【0047】
まず、半導体レーザ本体2の面23上にヒートパイプを構成するウイック溝24、ヒータパターン25、端子28及び線路29を形成する(ステップ701)。具体的には、例えばフォトリソグラフィー工程とエッチング工程とを繰り返すことでこれらのパターンを形成することができる。
【0048】
また、パイレックス(登録商標)ガラスからなる基板3の第1の面6及び第2の面22に、ヒートパイプを構成する各種の溝を形成する(ステップ702)。具体的には、例えばフォトリソグラフィー工程とサンドブラスト工程とを繰り返すことでこれらのパターンを形成することができる。
【0049】
また、カーボングラファイトシートからなり、コンデンサ溝31を有する基板4を形成する(ステップ703)。具体的には、例えば型による成型でこのような形態の基板25を形成する。
【0050】
そして、半導体レーザ本体2と基板3と基板4とを接合する(ステップ704)。これらの接合は、例えば接着面に所定の接着層を形成した後に熱圧着により行うことができる。
【0051】
以上の製造方法により、半導体レーザ1を効率よく製造することができる。
【0052】
次に、上記構成の半導体レーザ1を電子交換機に適用した例を図8に示す。
【0053】
図8に示すように、電子交換機41は、回路部42と、送信部43とを備えている。この電子交換機41では、送信部43における電光変換手段として半導体レーザ1が用いられ、この半導体レーザ1には光ファイバー44が接続されている。
【0054】
このように構成された電子交換機41では、半導体レーザ1の温度が安定しているため、出力される光の波長が安定している。よって、光を使った送受信を確実に行うことができる。
【0055】
本発明は以上の実施形態には限定されず、その技術思想の範囲内で様々な形態が考えられる。
【0056】
例えば、上記の実施形態では、ヒートパイプ内の流路の圧力を制御する手段として幅狭部の流路を加熱する構成でマイクロポンプとしての機能を実現していたが、EDH型マイクロポンプ、超音波型マイクロポンプ、相変化型マイクロポンプ、表面張力差型マイクロポンプ、電気浮動電気浸透型マイクロポンプ、電磁駆動型マイクロポンプ、圧電駆動型マイクロポンプ等の様々なポンプを用いることが可能である。
【0057】
また、半導体レーザ51におけるヒートパイプはマイクロポンプとしての機能を必ずしも持たなくてもよい。図9及び図10はそのような形態の半導体レーザ51の構成を示す図である。これらの図に示す半導体レーザ51は上記の実施形態における半導体レーザ1から幅狭部やヒータ等を取り去ったものである。このように構成された半導体レーザ51は小型化という観点で有利である。
【0058】
更に、上記実施形態における半導体レーザはウイックを半導体レーザ本体に設けたものであったが、ウイックを別の基板に形成し、この基板を半導体レーザ本体に接合するような構成であっても勿論かまわない。
【0059】
また更に、ヒートパイプを基板によって構成したが、例えばエバポレータ部だけを基板形状(板状)としてもよいし、全体を基板(板状)で構成しなくてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、小型薄型化が可能であり、安定した所定の波長の光を出力することでき、しかも省電力化も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体レーザの分解斜視図である。
【図2】図1に示した半導体レーザの平面図である。
【図3】図1に示した半導体レーザの断面図である。
【図4】一実施形態に係る半導体レーザにおける温度制御系の構成を示す図である。
【図5】一実施形態に係る温度制御カニズムを説明するための図である。
【図6】一実施形態に係るリザーバ部におけるポンプ機能を説明するための図である。
【図7】一実施形態に係る半導体レーザの製造工程を示したフロー図である。
【図8】本発明に係る半導体レーザを電子交換機に適用した例を示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る半導体レーザの構成を示す平面図である。
【図10】図9に示した半導体レーザの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ
2 半導体レーザ本体
3 ヒートパイプを構成する流路が形成された基板
4 コンデンサ部を塞ぐ基板
7 エバポレータ部
10 コンデンサ部
15 リザーバ部
18 幅狭部
21 熱電対のパターン
24 ウイック溝
25 ヒータパターン
31 コンデンサ溝
32 電力供給部
33 温度制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子交換機の送信部に用いられる半導体レーザ及びその製造方法に関する。また、本発明は、このような半導体レーザを搭載する電子交換機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子交換機の送信部(電光変換部)には、半導体レーザが使われている。このような半導体レーザには、送受信を確実に行うために出力される光の波長を安定化することが求められている。そのためには、半導体レーザの温度を精密に制御することが重要であり、この種の半導体レーザは例えばペルチェ素子を使って温度を制御することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ペルチェ素子を使って半導体レーザの温度を制御する構成では、冷却機構を含めた送信部が非常に大きくなってしまう、という問題がある。特に、ペルチェ素子を使った場合には、冷却用のフィンが必要な場合多く、その場合には更に送信部が大型化する、という問題がある。また、ペルチェ素子を使った冷却方法は、電力を消費する、という問題もある。
【0004】
本発明はこのような事情に基づきなされたもので、小型薄型化が可能であり、安定した所定の波長の光を出力することでき、しかも省電力化にも寄与する半導体レーザ及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、本発明の主たる観点に係る半導体レーザは、半導体レーザ本体と、ヒートパイプを構成する少なくともエバポレータが前記半導体レーザ本体に近接して配置された冷却装置とを具備するものである。
【0006】
ここで、ヒートパイプとは、例えば管の内壁に毛細管構造を持たせた金属製パイプであり、内部は真空で、少量の水もしくは代替フロンなどが封入されている。ヒートパイプの一端(気化部)を熱源に接触させて加熱すると、内部の液体が蒸発して気化し、このとき潜熱(気化熱)として、熱が取り込まれる。そして、低温部(液化部)へ高速に(ほぼ音速で)移動し、そこで、冷やされてまた液体に戻り、熱を放出する(凝縮潜熱による熱放出)。液体は毛細管構造を通って(もしくは重力によって)元の場所へ戻るので、連続的に効率よく熱を移動させることができる。
【0007】
本発明に係るヒートパイプは、冷却効率、小型薄型化及び製造面を考慮すると、複数の基板を張り合わせて上記構成のものと同等の機能を実現したものが好適である。しかしながら、他の形態であっても勿論構わない。
【0008】
本発明では、半導体レーザ本体をヒートパイプにより冷却するように構成したので、小型薄型化が可能であり、安定した所定の波長の光を出力することでき、しかも省電力化にも寄与することになる。
【0009】
本発明に係る半導体レーザは、前記半導体レーザ本体の温度を検出する手段と、前記検出された温度に基づき、前記ヒートパイプの内圧を制御する手段とを具備することがより好ましい。
【0010】
内圧を制御することで作動液の沸点を制御し、冷却装置の冷却能を制御できる。そして、半導体レーザ本体の温度検出結果に応じて冷却能のフィーバックループを構成することで、半導体レーザの温度を一定に維持することができる。これにより、安定した所定の波長の光を出力することできる。
【0011】
ここで、内圧制御手段は、前記ヒートパイプを構成するリザーバから前記ヒートパイプを構成する所定の第1の流路に向けて気化された作動液を圧送するポンプを具備する形態が好ましく、その場合に、前記ポンプは、前記リザーバと前記第1の流路との間を接続し、前記リザーバから前記第1の流路に向けて幅広となる幅広部を有する第2の流路と、前記幅広部に配置されたヒータとを有し、前記温度検出手段により検出された温度に応じて前記ヒータに供給する電力を制御する構成が更に好ましい。これにより、小型薄型化を維持したまま内圧の制御が可能となる。
【0012】
本発明に係る前記冷却装置は、前記ヒートパイプを構成するウイックの溝が第1の表面に設けられた第1の基板と、前記第1の表面に接合される第2の表面を有し、前記第2の表面に前記ヒートパイプを構成する所定の第1の流路が形成された第2の基板とを具備することを特徴とする。
【0013】
冷却効率、小型薄型化及び製造面を考慮すると極めて有利な構成である。
【0014】
この場合、前記第1の基板は、前記半導体レーザ本体を構成する基板からなる構成がより好ましい形態である。そして、前記第2の表面には、前記ヒートパイプを構成するリザーバと、前記リザーバと前記第1の流路との間を接続し、前記リザーバから前記第1の流路に向けて幅広となる幅広部を有する第2の流路とが設けられ、前記第1の表面の前記幅広部と対面する位置には、ヒータを構成するパターンが設けられている形態がより好ましい。
【0015】
これにより、部品点数を減らし、更に冷却効率の向上をも図ることが可能である。
【0016】
本発明の別の観点に係る電子交換機は、半導体レーザを使った送信部と、ヒートパイプを構成する少なくともエバポレータが前記半導体レーザに近接して配置された冷却装置とを具備するものである。
【0017】
電子交換機の送信部に使われる半導体レーザをヒートパイプにより構成される冷却装置で冷却する構成としたので、安定した波長での光通信が可能であり、しかも小型薄型化及び省電力化を図ることができる。
【0018】
本発明の更に別の観点に係る半導体レーザの製造方法は、ヒートパイプを構成するウイックの溝が第1の表面に設けられた半導体レーザ本体を形成する工程と、前記第2の表面に前記ヒートパイプを構成する所定の流路が形成された基板を形成する工程と、前記第1の表面と前記第2の表面とを接合する工程とを具備するもんであり、またヒートパイプを構成するウイックの溝が第1の表面に設けられた第1の基板を形成する工程と、前記第2の表面に前記ヒートパイプを構成する所定の流路が形成された第2の基板を形成する工程と、前記第1の表面と前記第2の表面とを接合する工程と、前記第1の表面の反対面を半導体レーザに近接して配置する工程とを具備するものである。
【0019】
本発明の製造方法によれば、基板の形成と接合工程により製造することができるので、冷却効率が良好な半導体レーザを効率よく製造することが可能である。
【0020】
本発明のより具体的な構成例とそれに伴う作用効果は以下に示す実施形態によってより明らかにされるが、本発明はそれらの実施形態に限定されるものではない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施形態に係る半導体レーザの分解斜視図、図2(a)、(b)はその平面図、図3はその断面図である。
【0023】
これらの図に示す半導体レーザ1は、例えば電子交換機の送信部(電光変換部)に用いられるもので、半導体レーザ本体2と、ヒートパイプを構成する流路が形成された基板3と、コンデンサ部10を塞ぐ基板4とを接合して一体化した構造を有する。
【0024】
半導体レーザ本体2は、シリコンやガリウム砒素等からなる矩形状の基材からなり、端部5から光を出力する。
【0025】
基板3は、例えばパイレックス(登録商標)ガラスからなる矩形状の基材からなる。基板3の半導体レーザ本体2と対向する第1の面6には、エバポレータ部7を構成する液体供給溝8及び気体回収溝9、コンデンサ部10からエバポレータ部7に例えば水である作動液(液体の状態)が流通する流路である液体流路溝12、エバポレータ部7からコンデンサ部10に気化された作動液(気体の状態)を流通する流路である気体流通溝13、液体流路溝12と気体流通溝13との間に介在してこれらの間で断熱効果を持たせるための断熱用の溝14、リザーバ部15を構成するリザーバ溝16、リザーバ部15とエバポレータ部7とを繋ぐ流路である溝17が設けられている。
【0026】
溝17は、リザーバ部15からエバポレータ部7に向けて一旦流路が狭くなる幅狭部18を有し、幅狭部18に連続して幅広部19を有し、更に幅広部19に連続して2本の溝20が液体供給溝8及び気体回収溝9を挟むように設けられている。
【0027】
また、基板3の第1の面6には、半導体レーザ本体2の温度を検出するための熱電対のパターン21が設けられている。
【0028】
基板3のコンデンサ部10を塞ぐ基板4と対向する面22には、コンデンサ部10を構成する凹状のコンデンサ溝11が設けられている。
【0029】
半導体レーザ本体2の基板3と対向する面23には、エバポレータ部7を構成するウイック溝24、幅狭部18と対面する位置にヒータパターン25が設けられている。
【0030】
ウイック溝24は、第1の深さの矩形の凹部26を有し、第1の深さよりも更に深い第2の深さを有する帯状の溝27が凹部26を跨ぐように並列に複数設けられている。帯状の溝27は、半導体レーザ本体2と基板3とが接合されたときに、液体供給溝8及び気体回収溝9、更にはリザーバ部15における溝20を連通するようになっている。
【0031】
ヒータパターン25は発熱抵抗体により構成され、その両端は半導体レーザ本体2の面23の端部に設けられた一対の端子28、28と線路29、29を介して接続されている。
【0032】
コンデンサ部10を塞ぐ基板4は、例えば矩形でカーボングラファイトシートからなり、この基板4の基板3と対向する面30には、帯状のコンデンサ溝31が複数設けられている。
【0033】
この半導体レーザ1は、基板3と基板4とを接合することで凹状のコンデンサ溝11と複数の帯状のコンデンサ溝31との間でコンデンサ部10が構成され、半導体レーザ本体2と基板3とを接合することで液体供給溝8及び気体回収溝9とウイック溝24との間でエバポレータ部7が構成され、またリザーバ溝16及び溝17とヒータパターン25との間でマイクロポンプ機能を有するリザーバ部15が構成されるようになっている。
【0034】
以上の構成によってこの半導体レーザ1は、ループ状のヒートパイプとして機能(冷却機能)を有する。以下、その作用を説明する。
【0035】
まず、作動液がコンデンサ部10から液体流路溝12を介してエバポレータ部7に流通すると、エバポレータ部7において作動液は半導体レーザ本体2からの熱よって加熱されて沸騰し、気化する。より詳細には、液体供給溝8にある作動液は毛細管現象によってウイック溝24を伝わって気体回収溝9側に流出しようとする。その際に、作動液はウイック溝24及び気体回収溝9で上記の加熱より気化する。この気化する際にエバポレータ部7が半導体レーザ本体2からの熱を奪うことになり、この結果半導体レーザ本体2が冷却されることになる。
【0036】
気体回収溝9で回収された気体は、気体流通溝13を介してコンデンサ部10に流通し、この気体はコンデンサ部10において再び液体に凝縮される。この凝縮された液体(作動液)は、コンデンサ部10から液体流路溝12を介してエバポレータ部7に再度循環される。
【0037】
図4はこのように構成された半導体レーザ1における温度制御系の構成を示す図である。
【0038】
図4に示すように、半導体レーザ1におけるヒータパターン25に連通する一対の端子28、28には、ヒータパターン25に電力を供給するための電力供給部32が接続されている。温度制御部33は、半導体レーザ1における熱電対のパターン21と接続され、半導体レーザ1の温度を検出している。温度制御部33は、この検出した温度に応じて電力供給部32からヒータパターン25に供給される電力を制御している。例えば、半導体レーザ1の温度は、常に25.6℃となるように制御されており、これにより半導体レーザ1から出力される光の波長が安定するようになっている。
【0039】
このようにヒータパターン25へ供給される電力を制御することで半導体レーザ1の温度を制御するメカニズムについて図5に基づき説明する。
【0040】
半導体レーザ1における作動液(気体/液体)のループ状の流路34の圧力P1(初期値としての飽和蒸気圧)は例えば1/4気圧の386hPaに設定されているため作動液は75℃で沸騰熱輸送されるようになっている。
【0041】
ヒータパターン25に電力を供給してリザーバ部15のおける幅狭部18を加熱すると、リザーバ部15がこのリザーバ部15からループ状の流路34に対して気泡により加圧する気泡式マイクロポンプとして作用する。
【0042】
ここで、気泡を発生させてリザーバ部15の内部の圧力P2が例えばP1に対して4kPa差がプラスにでたとする。例えば、通常の飽和蒸気圧1013hPaのとき沸点は100℃、386hPaのとき沸点は75℃、123hPaのとき沸点は50℃である。このためP1は386hPa=38.6kPaなので、40kPaにリザーバ部15からループ状の流路34が押圧される。このときの沸騰温度はPV=nRTの基本式より78℃で沸騰することになる。これにより微妙に温度の制御が可能になる。
【0043】
図6は上述したリザーバ部15におけるマイクロポンプ機能を説明するための図である。
【0044】
上記したように、リザーバ部15は、このリザーバ部15からエバポレータ部7に向けて一旦流路が狭くなる幅狭部18を有し、幅狭部18に連続して幅広部19を有している。ここで、幅狭部18の内径をR1、幅広部19の内径をR2としたときに、幅狭部18が加熱されると幅狭部18で気泡が連続的に発生し、幅狭部18から幅広部19に向けて流出し、即ちリザーバ部15からエバポレータ部7への圧力Pmaxが、
Pmax=2σ(1/R1−1/R2)
となる。従って、リザーバ部15におけるマイクロポンプ機能を有することになる。しかも、このような構成では、幅狭部18から幅広部19に向けて気泡が連続的に流出するので、方向性があり、弁は不要となる。
【0045】
このように本実施形態における半導体レーザ1は、ヒートパイプとしての冷却機能を有し、しかもこのような機能を基板の張り合わせで実現しているので、小型薄型化が可能であり、安定した所定の波長の光を出力することでき、しかも省電力化にも寄与することになる。また、特に半導体レーザ本体2の温度を検出し、検出結果に基づきヒートパイプの内圧を制御して、半導体レーザ本体2の温度を制御しているので、半導体レーザの温度を極めて精密に一定に維持することができる。これにより、安定した所定の波長の光を出力することできる。
【0046】
次に、本発明に係る半導体レーザ1の製造方法を説明する。図7はその製造工程を示したフロー図である。
【0047】
まず、半導体レーザ本体2の面23上にヒートパイプを構成するウイック溝24、ヒータパターン25、端子28及び線路29を形成する(ステップ701)。具体的には、例えばフォトリソグラフィー工程とエッチング工程とを繰り返すことでこれらのパターンを形成することができる。
【0048】
また、パイレックス(登録商標)ガラスからなる基板3の第1の面6及び第2の面22に、ヒートパイプを構成する各種の溝を形成する(ステップ702)。具体的には、例えばフォトリソグラフィー工程とサンドブラスト工程とを繰り返すことでこれらのパターンを形成することができる。
【0049】
また、カーボングラファイトシートからなり、コンデンサ溝31を有する基板4を形成する(ステップ703)。具体的には、例えば型による成型でこのような形態の基板25を形成する。
【0050】
そして、半導体レーザ本体2と基板3と基板4とを接合する(ステップ704)。これらの接合は、例えば接着面に所定の接着層を形成した後に熱圧着により行うことができる。
【0051】
以上の製造方法により、半導体レーザ1を効率よく製造することができる。
【0052】
次に、上記構成の半導体レーザ1を電子交換機に適用した例を図8に示す。
【0053】
図8に示すように、電子交換機41は、回路部42と、送信部43とを備えている。この電子交換機41では、送信部43における電光変換手段として半導体レーザ1が用いられ、この半導体レーザ1には光ファイバー44が接続されている。
【0054】
このように構成された電子交換機41では、半導体レーザ1の温度が安定しているため、出力される光の波長が安定している。よって、光を使った送受信を確実に行うことができる。
【0055】
本発明は以上の実施形態には限定されず、その技術思想の範囲内で様々な形態が考えられる。
【0056】
例えば、上記の実施形態では、ヒートパイプ内の流路の圧力を制御する手段として幅狭部の流路を加熱する構成でマイクロポンプとしての機能を実現していたが、EDH型マイクロポンプ、超音波型マイクロポンプ、相変化型マイクロポンプ、表面張力差型マイクロポンプ、電気浮動電気浸透型マイクロポンプ、電磁駆動型マイクロポンプ、圧電駆動型マイクロポンプ等の様々なポンプを用いることが可能である。
【0057】
また、半導体レーザ51におけるヒートパイプはマイクロポンプとしての機能を必ずしも持たなくてもよい。図9及び図10はそのような形態の半導体レーザ51の構成を示す図である。これらの図に示す半導体レーザ51は上記の実施形態における半導体レーザ1から幅狭部やヒータ等を取り去ったものである。このように構成された半導体レーザ51は小型化という観点で有利である。
【0058】
更に、上記実施形態における半導体レーザはウイックを半導体レーザ本体に設けたものであったが、ウイックを別の基板に形成し、この基板を半導体レーザ本体に接合するような構成であっても勿論かまわない。
【0059】
また更に、ヒートパイプを基板によって構成したが、例えばエバポレータ部だけを基板形状(板状)としてもよいし、全体を基板(板状)で構成しなくてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、小型薄型化が可能であり、安定した所定の波長の光を出力することでき、しかも省電力化も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体レーザの分解斜視図である。
【図2】図1に示した半導体レーザの平面図である。
【図3】図1に示した半導体レーザの断面図である。
【図4】一実施形態に係る半導体レーザにおける温度制御系の構成を示す図である。
【図5】一実施形態に係る温度制御カニズムを説明するための図である。
【図6】一実施形態に係るリザーバ部におけるポンプ機能を説明するための図である。
【図7】一実施形態に係る半導体レーザの製造工程を示したフロー図である。
【図8】本発明に係る半導体レーザを電子交換機に適用した例を示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る半導体レーザの構成を示す平面図である。
【図10】図9に示した半導体レーザの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ
2 半導体レーザ本体
3 ヒートパイプを構成する流路が形成された基板
4 コンデンサ部を塞ぐ基板
7 エバポレータ部
10 コンデンサ部
15 リザーバ部
18 幅狭部
21 熱電対のパターン
24 ウイック溝
25 ヒータパターン
31 コンデンサ溝
32 電力供給部
33 温度制御部
Claims (10)
- 半導体レーザ本体と、
ヒートパイプを構成する少なくともエバポレータが前記半導体レーザ本体に近接して配置された冷却装置と
を具備することを特徴とする半導体レーザ。 - 請求項1に記載の半導体レーザにおいて、
前記半導体レーザ本体の温度を検出する手段と、
前記検出された温度に基づき、前記ヒートパイプの内圧を制御する手段と
を具備することを特徴とする半導体レーザ。 - 請求項2に記載の半導体レーザにおいて、
前記内圧制御手段は、前記ヒートパイプを構成するリザーバから前記ヒートパイプを構成する所定の第1の流路に向けて気化された作動液を圧送するポンプを具備することを特徴とする半導体レーザ。 - 請求項3に記載の半導体レーザにおいて、
前記ポンプは、前記リザーバと前記第1の流路との間を接続し、前記リザーバから前記第1の流路に向けて幅広となる幅広部を有する第2の流路と、前記幅広部に配置されたヒータとを有し、
前記温度検出手段により検出された温度に応じて前記ヒータに供給する電力を制御する手段を更に具備することを特徴とする半導体レーザ。 - 請求項1に記載の半導体レーザにおいて、
前記冷却装置は、
前記ヒートパイプを構成するウイックの溝が第1の表面に設けられた第1の基板と、
前記第1の表面に接合される第2の表面を有し、前記第2の表面に前記ヒートパイプを構成する所定の第1の流路が形成された第2の基板と
を具備することを特徴とする半導体レーザ。 - 請求項5に記載の半導体レーザにおいて、
前記第1の基板は、前記半導体レーザ本体を構成する基板からなることを特徴とする半導体レーザ。 - 請求項6に記載の半導体レーザにおいて、
前記第2の表面には、前記ヒートパイプを構成するリザーバと、前記リザーバと前記第1の流路との間を接続し、前記リザーバから前記第1の流路に向けて幅広となる幅広部を有する第2の流路とが設けられ、
前記第1の表面の前記幅広部と対面する位置には、ヒータを構成するパターンが設けられている
ことを特徴とする半導体レーザ。 - 半導体レーザを使った送信部と、
ヒートパイプを構成する少なくともエバポレータが前記半導体レーザに近接して配置された冷却装置と
を具備することを特徴とする電子交換機。 - ヒートパイプを構成するウイックの溝が第1の表面に設けられた半導体レーザ本体を形成する工程と、
前記第2の表面に前記ヒートパイプを構成する所定の流路が形成された基板を形成する工程と、
前記第1の表面と前記第2の表面とを接合する工程と
を具備することを特徴とする半導体レーザの製造方法。 - ヒートパイプを構成するウイックの溝が第1の表面に設けられた第1の基板を形成する工程と、
前記第2の表面に前記ヒートパイプを構成する所定の流路が形成された第2の基板を形成する工程と、
前記第1の表面と前記第2の表面とを接合する工程と、
前記第1の表面の反対面を半導体レーザに近接して配置する工程と
を具備することを特徴とする半導体レーザの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002212904A JP2004055917A (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | 半導体レーザ、電子交換機及び半導体レーザの製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004055917A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007120399A (ja) * | 2005-10-27 | 2007-05-17 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | マイクロ流体チップおよびマイクロ総合分析システム |
JP2007514299A (ja) * | 2003-10-31 | 2007-05-31 | インテル コーポレイション | 集積回路を冷却する電気浸透流ポンプによる外部ラジエータの使用 |
JP2013516076A (ja) * | 2010-01-01 | 2013-05-09 | 中山偉強科技有限公司 | 発光ダイオードのパッケージ構造 |
-
2002
- 2002-07-22 JP JP2002212904A patent/JP2004055917A/ja active Pending
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