【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般的な燃料噴射弁において、燃料噴射を開始する時には開弁アクチュエータによって弁体を開弁させ、燃料噴射を停止する時には閉弁用バネによって弁体を閉弁させる。燃料噴射弁により噴射される燃料が、例えば、１２ＭＰａ程度の高圧であれば、この高圧を閉弁用バネの付勢力に加えて弁体の閉弁維持に有効に利用することができる。しかしながら、このような高圧燃料を噴射するためには、燃料を加圧するための大型の高圧ポンプが必要となり、筒内噴射式内燃機関においても噴射燃料圧力を、例えば、２ＭＰａ程度に低下させることが望まれている。
【０００３】
噴射燃料圧力をこのように低く設定すると、弁体の閉弁維持に燃料圧力を有効に利用することができず、弁体の閉弁維持は主に閉弁用バネによる弾性的な付勢力だけに依存することとなる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
それにより、筒内噴射式内燃機関において、このように噴射燃料圧力を低く設定しようとすると、爆発行程における非常に高圧の燃焼ガスが燃料噴射弁の弁体に直接的に作用するために、閉弁用バネの付勢力を高めて燃焼ガスの燃料噴射弁への流入を防止しなければならない。しかしながら、閉弁用バネの付勢力を高めると、開弁アクチュエータによって弁体を開弁させる際に、大きな開弁付勢力を発生させなければならず、開弁アクチュエータが大型化したり、又は、開弁アクチュエータの構造を複雑化させることとなる。こうして、実際的には閉弁用バネの付勢力を高めることは難しく、筒内噴射式内燃機関において、通常では噴射燃料圧力を低く設定することはできない。
【０００５】
従って、本発明の目的は、燃料噴射圧力を低く設定可能な筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置を提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明による請求項１に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置は、噴孔を開閉するための弁体と、前記弁体を開弁させるための開弁用アクチュエータと、前記弁体を閉弁方向に付勢する閉弁用弾性付勢手段と、前記閉弁用弾性付勢手段による第一閉弁付勢力に加えて前記弁体を閉弁方向に付勢する第二閉弁付勢力を発生可能な第二閉弁付勢力発生手段とを具備し、前記第二閉弁付勢力発生手段は、気筒内での燃焼開始時以降において前記第二閉弁付勢力を発生していることを特徴とする。
【０００７】
また、本発明による請求項２に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置は、請求項１に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置において、前記第二閉弁付勢力発生手段は、圧縮行程での燃料噴射終了時以降において前記第二閉弁付勢力を発生していることを特徴とする。
【０００８】
また、本発明による請求項３に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置は、請求項１に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置において、前記第二閉弁付勢力発生手段は、吸気弁の閉弁時において前記第二閉弁付勢力の発生を開始し、前記開弁用アクチュエータにより前記弁体へ開弁方向の開弁付勢力が作用している間は、前記第閉弁二付勢力の発生を中止することを特徴とする。
【０００９】
また、本発明による請求項４に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置は、請求項１から３のいずれか一項に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置において、前記第二閉弁付勢力発生手段は、排気弁の開弁時に前記二閉弁付勢力の発生を停止することを特徴とする。
【００１０】
また、本発明による請求項５に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置は、請求項１から３のいずれか一項に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置において、前記第二閉弁付勢力発生手段は、燃料噴射量が設定量より少ない時又はフューエルカット時には、前記第二閉弁付勢力の発生を開始しないことを特徴とする。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１は本発明による筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置を示す断面図である。本燃料噴射装置は、内燃機関の気筒内へ直接的に燃料を噴射するために、蓄圧室（図示せず）で加圧された燃料を噴射するものである。蓄圧室内において、燃料は、例えば、２ＭＰａ程度の比較的低い圧力にしか加圧されず、それにより、加圧ポンプは、機関始動時のクランキング中でも高い吐出効率を有する電気駆動式とすることができ、また、機関駆動式としてもポンプを小型化することができる。こうして、本燃料噴射装置は、この低い圧力で気筒内へ燃料を噴射することとなる。筒内噴射式内燃機関は、成層燃焼及び均質燃焼の少なくとも一方を実施する筒内噴射式火花点火内燃機関でも良く、また、ディーゼルエンジンでも良い。
【００１２】
以下、本燃料噴射弁の構成を説明する。１は噴孔１ａを有する本体先端部であり、噴孔１ａの反対側において本体中央部を構成する管部材２が取り付けられている。また、管部材２の本体先端部１とは反対側には、本体基端部３が取り付けられている。
【００１３】
こうして、本体先端部１の内部空間と、管部材２の内部空間と、本体基端部の内部空間とは、互いに連通される。特に、管部材２は、鉄等の磁性材料によって形成されており、その内部空間には、やはり磁性材料から形成された開弁用コア４及び閉弁用コア５が軸線方向に離間して固定されている。閉弁用コア５は、開弁用コア４より噴孔１ａ側に位置している。これら二つのコア４，５の間には、これらの間の設定寸法より小さな幅を有して筒状の可動部材６が管部材２内を摺動可能に配置されている。
【００１４】
可動部材６は、閉弁用コア５の内部空間を通り延在する弁部材７が取り付けられて弁体を構成し、この弁部材７の先端によって本体先端部１の噴孔１ａが閉鎖可能とされている。また、開弁用コア４の内部空間には、筒状の押さえ部材８が配置されており、この押さえ部材８によって支持されたスプリング９により、弁体は閉弁方向に弾性的に付勢されている。弁部材７は、可動部材６内に位置する部分において中空とされており、可動部材６外に位置する部分において中空とされた内部空間を外部と連通する穴が形成されている。こうして、管部材２内には、前述した複数の部材が配置されているが、本体先端部１の内部空間と、管部材２の内部空間と、本体基端部の内部空間とは、十分に連通が維持され、燃料通路を構成するようになっている。
【００１５】
管部材２の外側において、開弁用コア４の回りには開弁用ソレノイド１０が配置され、また、閉弁用コア５の回りには閉弁用ソレノイド１１が配置されている。開弁用ソレノイド１０を径方向及び軸線方向に取り囲むケース１２が、管部材２に取り付けられており、また、閉弁用ソレノイド１１は、本体先端部１の延長部分によって径方向及び軸線方向に取り囲まれている。ケース１２及び本体先端部１の閉弁ソレノイド１１近傍は、それぞれ磁性材料から比較的厚肉に形成されている。
【００１６】
管部材２内に配置された可動部材６も磁性材料から形成されており、可動部材６の外面には凹部６ａが形成されている。こうして、可動部材６は、凹部６ａより区画された開弁用ソレノイド１０側に位置するドーナツ状の第一部分６ｂと、凹部６ａより閉弁用ソレノイド１１側に位置するドーナツ状の第二部分６ｃとを有している。
【００１７】
このように構成された燃料噴射装置において、開弁用ソレノイド１０の回りに位置して磁性材料から形成された開弁用コア４、ケース１２、及び可動部材６の第一部分６ｂは、開弁用ソレノイド１０への通電により磁束が発生する第一磁気回路を構成する。また、閉弁用ソレノイド１１の回りに位置して磁性材料から形成された閉弁用コア５、本体先端部１の延長部分、及び可動部材６の第二部分６ｃは、閉弁用ソレノイド１１への通電により磁束が発生する第二磁気回路を構成する。このような第一磁気回路及び第二磁気回路を確実に構成するために、磁性材料から形成された管部材２自身とケース１２又は本体先端部１の延長部分とだけによって磁気回路が構成されないように、管部材２には非磁性部分２ａ，２ｂが設けられている。非磁性部分２ａ，２ｂは、管部材２の一部を非磁性化して形成しても良いし、また、管部材２の一部を非磁性材料によって置換して形成しても良い。１３は本燃料噴射弁を蓄圧室又は蓄圧室への配管へ接続する際のシール部として機能するＯリングである。
【００１８】
開弁用ソレノイド１０及び閉弁用ソレノイド１１がいずれも非通電状態とされていると、可動部材６及び弁部材７により構成された弁体は、スプリング９による閉弁付勢力によって閉弁方向に押圧されて噴孔１ａを閉鎖する。こうして、噴孔１ａが閉鎖される。
【００１９】
燃料噴射を開始する時には、開弁用ソレノイド１０への通電を開始する。それにより、第一磁気回路には磁束が発生し、第一磁気回路はその磁気抵抗を最小にするために、第一磁気回路の一部を構成する可動部材６の第一部分６ｂと開弁用コア４との間に磁気吸引力を発生させる。こうして、可動部材６は開弁用コア４に吸引され、それと同時に弁部材７が噴孔１ａを解放するために、燃料通路内の燃料は噴孔１ａを介して噴射される。
【００２０】
一方、燃料噴射を終了する時には、開弁用の開弁用ソレノイド１０への通電を停止すると共に閉弁用の閉弁用ソレノイド１１への通電を開始する。この時、第一磁気回路には磁束が残留しているが、前述したように第二磁気回路は第一磁気回路と独立して形成されているために、第二磁気回路には直ぐに磁束が発生し、第二磁気回路はその磁気抵抗を最小にするために、第二磁気回路の一部を構成する可動部材６の第二部分６ｃと閉弁用コア５との間に磁気吸引力を発生させる。こうして、応答良く可動部材６は閉弁用コア４に吸引され、それと同時に弁体が噴孔１ａを閉鎖するために、燃料噴射が終了される。
【００２１】
可動部材６及び弁部材７により構成される弁体には、前述したように、閉弁用弾性付勢手段としてのスプリング９により閉弁付勢力が作用しているために、開弁用アクチュエータとしての開弁用ソレノイド１０への通電を停止して弁体へ開弁方向の付勢力を作用させないようにすれば、閉弁用ソレノイド１１へ通電しなくても、弁体は閉弁して燃料噴射を停止することができる。しかしながら、本実施形態のように、閉弁用ソレノイド１１による閉弁方向の磁気吸引力を弁体へ作用させれば、弁体の閉弁応答性を高めることができる。
【００２２】
こうして、燃料噴射が終了すれば、ディーゼルエンジンでは圧縮行程末期等に自着火して、また、筒内噴射式火花点火内燃機関では点火プラグによる着火によって燃焼が開始され、気筒内では非常に高圧の燃焼ガスが発生する。この燃焼ガスの高圧は、燃料噴射弁の噴孔１ａを介して弁体に作用する。本燃料噴射弁は、前述したように、比較的低圧で燃料を噴射するものであるために、噴孔１ａの断面積を比較的大きくして燃料噴射率を高め、要求された燃料噴射期間で必要量の燃料を噴射可能としている。それにより、燃焼ガスの高圧が作用する弁体の受圧面積は比較的大きくなり、もし、弁体へスプリング９による閉弁付勢力だけしか作用していないと、弁体は容易に開弁させられ、燃焼ガスが燃料噴射弁内へ侵入してしまう。燃焼ガスの高圧に対して弁体の閉弁を維持するように、スプリング９の閉弁付勢力を高めることが考えられるが、開弁用ソレノイドは、この高められた閉弁付勢力に逆らって弁体を開弁させる必要があり、大型化して燃料噴射弁へ搭載することが困難となってしまう。
【００２３】
本燃料噴射弁において、閉弁用ソレノイド１１は、開弁している弁体を閉弁させる閉弁中に作動させることを必ずしも必要とされていないが、気筒内で燃焼が開始した以降は、必ず通電されていて弁体の閉弁を維持するための磁気吸引力による閉弁付勢力を発生するようになっている。それにより、弁体には、スプリング９による第一閉弁付勢力に加えて閉弁用ソレノイド１１による第二閉弁付勢力が作用しているために、噴孔１ａを介して燃焼ガスの高圧が作用しても弁体の開弁を防止することができる。
【００２４】
このように、閉弁用ソレノイド１１は、弁体１１の閉弁を維持するための第二閉弁付勢力を発生させるための第二閉弁付勢力発生手段として機能するものであり、開弁用ソレノイド１０に比較してインダクスタンスを小さくしても良く、コイル巻数を少なくすることが可能である。
【００２５】
本燃料噴射弁において、閉弁用ソレノイド１１は、遅くとも気筒内での燃焼開始時点で第二閉弁付勢力を発生していれば良いが、燃焼開始時点を正確に検出又は推定することは困難であるために、燃焼開始に先立つ圧縮行程の燃料噴射終了時から第二閉弁付勢力を発生させても良い。例えば、ディーゼルエンジンでは、主燃料噴射前にポスト燃料噴射が実施されることがあるが、この場合には、燃焼開始に先立つ燃料噴射としては主燃料噴射である。また、機関排気系に配置された触媒装置のために排気ガスの温度を高めたり、又は、排気ガスの空燃比をリッチにするために、主燃料噴射後に膨張行程又は排気行程において燃料が噴射されることがあるが、この場合においても、燃焼開始に先立つ燃料噴射としては主燃料噴射である。
【００２６】
また、筒内噴射式火花点火内燃機関において均質燃焼を実施するために吸気行程で燃料が噴射されても、吸気弁の閉弁以前に燃焼が開始されることはなく、吸気弁の閉弁時から閉弁用ソレノイド１１によって第二閉弁付勢力を発生させても良い。この場合において、弁体を開弁させるために開弁用ソレノイド１０によって弁体へ開弁付勢力が作用している間、すなわち、閉弁用ソレノイド１０への通電を開始してから通電を停止するまでの間は、閉弁用ソレノイド１１の大型化を防止するために、閉弁用ソレノイド１１による第二閉弁付勢力の発生を中止することが好ましい。
【００２７】
いずれにしても、排気弁が開弁されて気筒内の燃焼ガスの圧力が低下すれば、閉弁用ソレノイド１１によって第二閉弁付勢力を発生させる必要はなく、閉弁ソレノイド１１への通電は停止され第二閉弁付勢力の発生を停止する。前述したように、排気行程で燃料が噴射されて気筒内で燃焼が開始されても、排気弁が開弁された時には気筒内の圧力が急激に低下し、それ以降は気筒内の燃焼ガスの圧力が燃料噴射弁の弁体を開弁させるほど高くなっていることはない。
【００２８】
本燃料噴射弁において、前述したように、閉弁用ソレノイド１１は、気筒内の燃焼ガスが弁体を開弁させて燃料噴射弁内へ侵入することを防止するために、弁体へ第二閉弁付勢力を発生させるためのものである。それにより、気筒内の燃焼ガスの圧力が低い時、すなわち、燃料噴射量が設定量より少ない時には、気筒内の燃焼ガスの圧力が作用しても、スプリング９による第一閉弁付勢力だけによって十分に弁体は開弁されないために、第二閉弁付勢力を発生させなくても良い。もちろん、燃焼が実施されないフューエルカット時には、第二閉弁付勢力を発生させる必要はない。
【００２９】
本燃料噴射弁では、弁体に第一閉弁付勢力をもたらす閉弁用弾性付勢手段として、コイルスプリング９を使用したが、これは本発明を限定するものではなく、皿バネ又は板バネ等の他の種類のバネや、ゴム等の任意の弾性部材が使用可能である。また、開弁用アクチュエータとして弁体を磁気吸引力により開弁させる開弁ソレノイド１０を使用したが、これも本発明を限定するものではない。例えば、開弁用アクチュエータとして、電歪素子の伸張を利用して弁体を開弁させるものでも良く、又は、弁体の閉弁方向に作用する燃料圧力を低下させて弁体を開弁させるものでも良い。また、第二付勢力発生手段として閉弁ソレノイド１１を使用したが、これも本発明を限定するものではなく、やはり、電歪素子等が使用可能である。
【００３０】
【発明の効果】
本発明による筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置は、弁体を開弁させるための開弁用アクチュエータと、弁体を閉弁方向に付勢する閉弁用弾性付勢手段と、閉弁用弾性付勢手段による第一閉弁付勢力に加えて弁体を閉弁方向に付勢する第二閉弁付勢力を発生可能な第二閉弁付勢力発生手段とを具備し、第二閉弁付勢力発生手段は、気筒内での燃焼開始以降において第二閉弁付勢力を発生している。それにより、燃料噴射圧力が低く設定されても、気筒内の燃焼開始時には、弁体の閉弁維持のために、閉弁弾性付勢手段による第一閉弁付勢力が弁体に作用していることに加えて第二閉弁付勢力発生手段により第二閉弁付勢力が発生しているために、非常に高圧の燃焼ガスが弁体へ開弁方向に作用しても、弁体が開弁されて燃焼ガスが燃料噴射弁内へ流入することはない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置の断面図である。
【符号の説明】
１…本体先端部
１ａ…噴孔
２…管部材
３…本体基端部
６…可動部材
７…弁部材
９…スプリング
１０…開弁用ソレノイド
１１…閉弁用ソレノイド[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a fuel injection device for a direct injection internal combustion engine.
[0002]
[Prior art]
In a general fuel injection valve, a valve element is opened by a valve-opening actuator when fuel injection is started, and the valve element is closed by a valve-closing spring when fuel injection is stopped. If the fuel injected by the fuel injection valve has a high pressure of, for example, about 12 MPa, the high pressure can be effectively used for maintaining the valve body closed by adding the high pressure to the urging force of the valve closing spring. However, in order to inject such high-pressure fuel, a large-scale high-pressure pump for pressurizing the fuel is required, and even in a direct injection internal combustion engine, the injection fuel pressure can be reduced to, for example, about 2 MPa. Is desired.
[0003]
If the injection fuel pressure is set to such a low value, the fuel pressure cannot be used effectively to maintain the valve body closed, and the valve body is maintained only by the elastic biasing force of the valve closing spring. It depends on.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Thus, in the cylinder injection type internal combustion engine, when the injection fuel pressure is set to be low as described above, since the extremely high pressure combustion gas in the explosion stroke directly acts on the valve body of the fuel injection valve, it is closed. The urging force of the valve spring must be increased to prevent the combustion gas from flowing into the fuel injection valve. However, when the urging force of the valve-closing spring is increased, a large valve urging force must be generated when the valve element is opened by the valve-opening actuator. This complicates the structure of the valve actuator. Thus, it is actually difficult to increase the urging force of the valve-closing spring, and in a cylinder injection type internal combustion engine, it is usually impossible to set the injection fuel pressure low.
[0005]
SUMMARY OF THE INVENTION Accordingly, an object of the present invention is to provide a fuel injection device for a direct injection internal combustion engine that can set a low fuel injection pressure.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The fuel injection device for an in-cylinder injection internal combustion engine according to claim 1, according to the present invention, includes a valve element for opening and closing an injection hole, a valve opening actuator for opening the valve element, and the valve element. Resilient urging means for urging the valve body in the valve closing direction, and a second closing valve for urging the valve body in the valve closing direction in addition to the first valve closing urging force of the valve closing elastic urging means. A second valve closing urging force generating means capable of generating an urging force, wherein the second valve closing urging force generating means generates the second valve closing urging force after the start of combustion in the cylinder. It is characterized by having.
[0007]
According to a second aspect of the present invention, there is provided a fuel injection system for an in-cylinder injection type internal combustion engine according to the first aspect, wherein the second valve-closing biasing force generating means is provided. Is characterized in that the second valve closing urging force is generated after the end of fuel injection in the compression stroke.
[0008]
According to a third aspect of the present invention, there is provided a fuel injection system for an in-cylinder injection type internal combustion engine according to the first aspect, wherein the second valve-closing biasing force generating means is provided. Starts generating the second valve closing urging force when the intake valve is closed, and while the valve opening actuator is applying the valve opening urging force in the valve opening direction to the valve body, the second valve closing urging force is generated. It is characterized in that the generation of the urging force of the valve closing two is stopped.
[0009]
The fuel injection device for a direct injection internal combustion engine according to claim 4 of the present invention is the fuel injection device for a direct injection internal combustion engine according to any one of claims 1 to 3, wherein The double closing urging force generating means stops generating the double closing urging force when the exhaust valve is opened.
[0010]
According to a fifth aspect of the present invention, there is provided a fuel injection device for a direct injection internal combustion engine according to any one of the first to third aspects. The second closing urging force generating means does not start generating the second closing urging force when the fuel injection amount is smaller than the set amount or when the fuel is cut.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1 is a sectional view showing a fuel injection device for a direct injection internal combustion engine according to the present invention. The present fuel injection device injects fuel pressurized in a pressure accumulator (not shown) in order to directly inject fuel into a cylinder of an internal combustion engine. In the accumulator, the fuel is pressurized only to a relatively low pressure of, for example, about 2 MPa, so that the pressurized pump can be an electric drive type having a high discharge efficiency even during cranking at the time of starting the engine. Also, the pump can be downsized even if it is of an engine driven type. Thus, the present fuel injection device injects fuel into the cylinder at this low pressure. The direct injection internal combustion engine may be a direct injection spark ignition internal combustion engine that performs at least one of stratified combustion and homogeneous combustion, or may be a diesel engine.
[0012]
Hereinafter, the configuration of the fuel injection valve will be described. Reference numeral 1 denotes a main body end portion having an injection hole 1a, and a tube member 2 constituting a central portion of the main body is attached to the opposite side of the injection hole 1a. A main body base end 3 is attached to the tube member 2 on the side opposite to the main body front end 1.
[0013]
In this way, the internal space of the main body distal end portion 1, the internal space of the tube member 2, and the internal space of the main body proximal end portion communicate with each other. In particular, the pipe member 2 is formed of a magnetic material such as iron, and a valve-opening core 4 and a valve-closing core 5 also formed of a magnetic material are fixed in the internal space so as to be spaced apart in the axial direction. Have been. The valve closing core 5 is located closer to the injection hole 1a than the valve opening core 4. A cylindrical movable member 6 having a width smaller than the set dimension between the two cores 4 and 5 is slidably disposed in the tube member 2.
[0014]
The movable member 6 is provided with a valve member 7 extending through the internal space of the valve-closing core 5 to form a valve body. The tip of the valve member 7 can close the injection hole 1a of the main body front end portion 1. Have been. A cylindrical pressing member 8 is disposed in the internal space of the valve opening core 4, and the valve body is elastically urged in a valve closing direction by a spring 9 supported by the pressing member 8. ing. The valve member 7 is hollow at a portion located inside the movable member 6, and a hole is formed at a portion located outside the movable member 6 to communicate the hollow internal space with the outside. In this way, the plurality of members described above are arranged in the tube member 2. However, the internal space of the main body distal end portion 1, the internal space of the tube member 2, and the internal space of the main body base end portion are sufficiently adjusted. The communication is maintained and a fuel passage is formed.
[0015]
Outside the pipe member 2, a valve opening solenoid 10 is arranged around the valve opening core 4, and a valve closing solenoid 11 is arranged around the valve closing core 5. A case 12 surrounding the valve-opening solenoid 10 in the radial and axial directions is attached to the pipe member 2, and the valve-closing solenoid 11 is radially and axially surrounded by an extension of the main body tip 1. Have been. The case 12 and the vicinity of the valve closing solenoid 11 of the main body front end portion 1 are each formed relatively thick from a magnetic material.
[0016]
The movable member 6 arranged in the tube member 2 is also formed of a magnetic material, and a concave portion 6a is formed on the outer surface of the movable member 6. Thus, the movable member 6 includes a donut-shaped first portion 6b located on the valve-opening solenoid 10 side partitioned by the recess 6a, and a donut-shaped second portion 6c located on the valve-closing solenoid 11 side from the recess 6a. have.
[0017]
In the fuel injection device configured as described above, the valve-opening core 4, the case 12, and the first portion 6b of the movable member 6, which are located around the valve-opening solenoid 10 and are made of a magnetic material, The first magnetic circuit generates a magnetic flux by energizing the solenoid 10. The valve-closing core 5, which is located around the valve-closing solenoid 11 and is made of a magnetic material, the extended portion of the main body front end 1, and the second portion 6 c of the movable member 6 are moved to the valve-closing solenoid 11. Constitutes a second magnetic circuit in which a magnetic flux is generated by energization. In order to reliably form the first magnetic circuit and the second magnetic circuit, the magnetic circuit is not formed only by the tube member 2 itself formed of a magnetic material and the extension of the case 12 or the main body front end portion 1. The tube member 2 is provided with non-magnetic portions 2a and 2b. The non-magnetic portions 2a and 2b may be formed by demagnetizing a part of the tube member 2 or by substituting a part of the tube member 2 with a non-magnetic material. Reference numeral 13 denotes an O-ring that functions as a seal when connecting the fuel injection valve to a pressure accumulation chamber or a pipe to the pressure accumulation chamber.
[0018]
When the valve-opening solenoid 10 and the valve-closing solenoid 11 are both in a non-energized state, the valve body constituted by the movable member 6 and the valve member 7 moves in the valve-closing direction by the valve-closing biasing force of the spring 9. It is pressed to close the injection hole 1a. Thus, the injection hole 1a is closed.
[0019]
When fuel injection is started, energization of the valve opening solenoid 10 is started. As a result, a magnetic flux is generated in the first magnetic circuit, and the first magnetic circuit is connected to the first portion 6b of the movable member 6 constituting a part of the first magnetic circuit in order to minimize the magnetic resistance. A magnetic attraction force is generated between the core 4. Thus, the movable member 6 is sucked by the valve-opening core 4, and at the same time, the valve member 7 releases the injection hole 1a, so that the fuel in the fuel passage is injected through the injection hole 1a.
[0020]
On the other hand, when terminating the fuel injection, the power supply to the valve-opening solenoid 10 for valve opening is stopped and the power supply to the valve-closing solenoid 11 for valve closing is started. At this time, the magnetic flux remains in the first magnetic circuit, but as described above, the second magnetic circuit is formed independently of the first magnetic circuit, so the magnetic flux is immediately applied to the second magnetic circuit. The second magnetic circuit generates a magnetic attraction force between the second portion 6c of the movable member 6 constituting a part of the second magnetic circuit and the valve closing core 5 in order to minimize the magnetic resistance. generate. In this way, the movable member 6 is sucked into the valve closing core 4 with good response, and at the same time, the valve body closes the injection hole 1a, so that the fuel injection is terminated.
[0021]
As described above, the valve body constituted by the movable member 6 and the valve member 7 is subjected to the valve closing biasing force by the spring 9 as the valve closing elastic biasing means. If the energizing of the valve-opening solenoid 10 is stopped so that no urging force in the valve-opening direction is applied to the valve body, the valve body can be closed and the fuel can be supplied without energizing the valve-closing solenoid 11. Injection can be stopped. However, by applying a magnetic attraction force in the valve closing direction by the valve closing solenoid 11 to the valve body as in the present embodiment, the valve closing response of the valve body can be improved.
[0022]
In this way, when fuel injection is completed, self-ignition occurs at the end of the compression stroke or the like in a diesel engine, and combustion starts due to ignition by a spark plug in a direct injection type spark ignition internal combustion engine, and extremely high pressure is generated in a cylinder. Combustion gas is generated. The high pressure of the combustion gas acts on the valve body via the injection hole 1a of the fuel injection valve. As described above, since the present fuel injection valve injects fuel at a relatively low pressure, the cross-sectional area of the injection hole 1a is relatively large to increase the fuel injection rate. The required amount of fuel can be injected. As a result, the pressure receiving area of the valve body to which the high pressure of the combustion gas acts becomes relatively large, and if only the closing biasing force by the spring 9 acts on the valve body, the valve body can be easily opened. Then, the combustion gas enters the fuel injection valve. It is conceivable to increase the urging force of the spring 9 so as to maintain the valve body closed against the high pressure of the combustion gas. However, the valve-opening solenoid is opposed to the increased urging force of the valve. It is necessary to open the valve body, which increases the size and makes it difficult to mount the fuel injection valve.
[0023]
In the present fuel injection valve, the valve-closing solenoid 11 is not necessarily required to be operated during valve closing for closing the valve body that is open, but after combustion starts in the cylinder, The valve is always energized and generates a valve-closing biasing force by magnetic attraction for maintaining the valve body closed. Accordingly, since the second valve closing urging force of the valve closing solenoid 11 acts on the valve body in addition to the first valve closing urging force of the spring 9, the high pressure of the combustion gas is increased through the injection hole 1a. Can prevent the valve from opening.
[0024]
As described above, the valve-closing solenoid 11 functions as second valve-closing urging force generating means for generating a second valve-closing urging force for maintaining the valve body 11 closed. The inductance may be smaller than that of the solenoid for use 10 and the number of coil turns can be reduced.
[0025]
In the present fuel injection valve, the valve-closing solenoid 11 only needs to generate the second valve-closing biasing force at the latest at the start of combustion in the cylinder, but it is difficult to accurately detect or estimate the start of combustion. Therefore, the second valve closing urging force may be generated from the end of fuel injection in the compression stroke prior to the start of combustion. For example, in a diesel engine, post fuel injection may be performed before main fuel injection. In this case, the main fuel injection is used as fuel injection prior to the start of combustion. Further, in order to increase the temperature of the exhaust gas for the catalyst device arranged in the engine exhaust system or to make the air-fuel ratio of the exhaust gas rich, fuel is injected in the expansion stroke or the exhaust stroke after the main fuel injection. However, even in this case, the fuel injection prior to the start of combustion is the main fuel injection.
[0026]
Further, even if fuel is injected in the intake stroke in order to perform homogeneous combustion in the in-cylinder injection spark ignition internal combustion engine, combustion does not start before the intake valve closes, and when the intake valve closes. The second valve closing urging force may be generated by the valve closing solenoid 11 from above. In this case, while the urging force is being applied to the valve body by the valve-opening solenoid 10 to open the valve body, that is, the power supply to the valve-closing solenoid 10 is started and then the power supply is stopped. In the meantime, it is preferable to stop the generation of the second valve urging force by the valve closing solenoid 11 in order to prevent the valve closing solenoid 11 from being enlarged.
[0027]
In any case, when the exhaust valve is opened and the pressure of the combustion gas in the cylinder decreases, it is not necessary to generate the second valve closing biasing force by the valve closing solenoid 11, and power is supplied to the valve closing solenoid 11. Is stopped, and the generation of the second valve closing urging force is stopped. As described above, even if fuel is injected in the exhaust stroke and combustion starts in the cylinder, the pressure in the cylinder drops sharply when the exhaust valve is opened, and thereafter the combustion gas in the cylinder The pressure is not high enough to open the valve body of the fuel injection valve.
[0028]
In the present fuel injection valve, as described above, the valve-closing solenoid 11 applies a second force to the valve body in order to prevent combustion gas in the cylinder from opening the valve body and entering the fuel injection valve. This is for generating a valve closing biasing force. Accordingly, when the pressure of the combustion gas in the cylinder is low, that is, when the fuel injection amount is smaller than the set amount, even if the pressure of the combustion gas in the cylinder acts, only the first valve closing urging force by the spring 9 acts. Since the valve body is not sufficiently opened, it is not necessary to generate the second valve closing urging force. Of course, it is not necessary to generate the second valve biasing force during fuel cut in which combustion is not performed.
[0029]
In the present fuel injection valve, the coil spring 9 is used as the valve-closing elastic urging means for applying the first valve-closing urging force to the valve body. However, this is not limited to the present invention, and is not limited to a disc spring or a plate spring. Other kinds of elastic members such as springs and rubber can be used. Further, the valve opening solenoid 10 that opens the valve body by magnetic attraction is used as the valve opening actuator, but this does not limit the present invention. For example, as the valve-opening actuator, a valve may be opened by utilizing the extension of the electrostrictive element, or the valve may be opened by reducing the fuel pressure acting in the valve closing direction of the valve. It may be something. Further, although the valve closing solenoid 11 is used as the second urging force generating means, the present invention is not limited to this, and an electrostrictive element or the like can also be used.
[0030]
【The invention's effect】
A fuel injection device for a direct injection internal combustion engine according to the present invention includes a valve opening actuator for opening a valve, an elastic urging means for urging the valve in a valve closing direction, and a valve closing. A second valve closing urging force generating means capable of generating a second valve closing urging force for urging the valve body in the valve closing direction in addition to the first valve closing urging force by the elastic elastic urging means. The valve closing urging force generating means generates a second valve closing urging force after the start of combustion in the cylinder. Thereby, even when the fuel injection pressure is set low, at the start of combustion in the cylinder, the first valve closing urging force by the valve closing elastic urging means acts on the valve body to maintain the valve body closed. In addition to the fact that the second valve closing urging force is generated by the second valve closing urging force generating means, even if very high pressure combustion gas acts on the valve in the valve opening direction, the valve is The combustion gas does not flow into the fuel injection valve when the valve is opened.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a fuel injection device for a direct injection internal combustion engine according to the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Top part 1a of a main body ... Injection hole 2 ... Tube member 3 ... Base end part 6 of a main body ... Movable member 7 ... Valve member 9 ... Spring 10 ... Solenoid for valve opening 11 ... Solenoid for valve closing
