JP2004052021A - Galvanized steel sheet and method of producing the same - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は亜鉛系めっき鋼板の改良に関するもので、特にプレス成形性、化成処理性及び接着剤適合性に優れた亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
亜鉛系めっき鋼板は種々の優れた特徴を有するために、各種の防錆鋼板として広く使用されている。この亜鉛系めっき鋼板を例えば自動車用防錆鋼板として使用するためには、耐食性や塗装適合性等のほかに、車体製造工程において要求される性能として、プレス成形性、スポット溶接性、接着性及び化成処理性に優れていることが要求される。
しかし、一般に亜鉛系めっき鋼板は、冷延鋼板に比べてプレス成形性が劣るという欠点がある。これは亜鉛系めっき鋼板とプレス金型との摺動抵抗が、冷延鋼板の場合に比較して高いことが原因であり、この摺動抵抗が大きいと、プレス時にビード部近傍の鋼板部分がプレス金型に流入しにくくなり、鋼板の破断が起こりやすくなる。
【0003】
亜鉛系めっき鋼板のプレス成形性を向上させる方法としては、一般に、高粘度の潤滑油を塗布する方法が広く行われている。しかし、この方法では、潤滑油が高粘度であるために、次の塗装工程で脱脂不良による塗装欠陥が発生したり、また油切れによりプレス性能が不安定になる等の問題がある。したがって、亜鉛系めっき鋼板のプレス成形性の改善要求度は高い。
また、亜鉛系めっき鋼板はめっき表面がZn、A1等の酸化物で覆われているため、接着剤の接着強度が低下するなどの問題もある。
【0004】
従来、上記のような問題を解決するため、例えば以下のような提案がなされている。
1)Mn、Mo、Co、Ni、Ca、Cr、V、W、Ti、Al、Znの1種又は2種以上の金属酸化物及び/又は水酸化物を主体とした層と、P、Bの酸素酸及び/又はSi、Al、Tiの1種又は2種以上の酸化物コロイドを主体とする皮膜を有する亜鉛系めっき鋼板(特開平4−176878号)
2)亜鉛系めっき鋼板の表面を活性化させた後、Mn、Mo、Co、Ni、Ca、V、W、P、Bの1種又は2種以上の無機系酸化物皮膜を生成させる亜鉛系めっき鋼板の製造法(特開平8−296058号)
3)めっき層表面にリンと亜鉛との非晶質反応生成物を有する亜鉛めっき鋼板及びその製造法(特開平9−170084号)
【0005】
4)めっき層表面にアモルファス状のP酸化物を被覆したプレス成形性及び化成処理性に優れた亜鉛系めっき鋼板(特開平4−88196号)
5)めっき層表面にMn−Zn−OH−PO4酸化物を有する潤滑性、化成処理性、接着剤適合性及び溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼板(特開平8−296017号)
6)アクリル樹脂皮膜を0.5〜5μmの膜厚で形成した接着性に優れたアルカリ可溶型有機被覆亜鉛系めっき鋼板(特開平9−170059号)
7)亜鉛系めっき鋼板表面に、樹脂固形分中に20〜90重量%の変性エポキシ樹脂を含む皮膜を形成した接着性及び耐カジリ性に優れたアルカリ可溶型有機皮膜被覆鋼板(特開2000−167981)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの技術には以下のような問題がある。
上記1)の技術は、硫酸等のエッチング補助剤や、硝酸イオン、過マンガン酸カリウム等のような酸化剤を含む水溶液により処理する技術である。このような水溶液を亜鉛系めっき層と接触させると、めっき成分の亜鉛が溶解するため、皮膜に亜鉛が取り込まれやすい。この結果、形成される被覆層(皮膜)はめっき層との界面での密着性が確保され、めっき層の変形に追随してその被覆を維持できる機能を有することになる。しかし、皮膜が亜鉛系めっき層を被覆しているため、通常、自動車の塗装前処理で行われる化成処理(リン酸塩処理。以下、単に「化成処理」という。)において、化成処理液と亜鉛との反応が十分に生じず、結晶が粗大化したり或いは結晶が形成されなくなる等の問題が生じる。一般に化成処理液には、皮膜のエッチング性を高めるためにフッ素イオン等が添加されているが、このような添加成分が含まれていない場合や、不純物の存在によりエッチング性の劣化等が生じた場合に、化成処理工程で皮膜が十分に溶解しないか或いは脱離しないため、特に上記現象が顕著になる。
【0007】
また、上記2)〜7)の技術も同様の問題を有している。
上記2)の技術は、めっき層表面の反応性を高め、めっき層とその表面に形成させる無機系酸化物皮膜との結合力を高める点、上記3)の技術はリン酸と亜鉛との非晶質反応生成物を形成させる点、上記4)、5)の技術は脱脂工程でも溶解しないアモルファス状のP酸化物を被覆する点、にそれぞれ特徴を有している。このため、いずれもエッチング性が劣る化成処理条件では化成処理工程において皮膜が脱離し難く、上述したような化成処理不良が生じ易い。
【0008】
さらに、上記1)〜5)の技術は、いずれも亜鉛をエッチングさせ、皮膜に亜鉛を取り込むことを前提としている。通常、リン酸イオンと亜鉛イオンが共存すると不溶性のリン酸塩結晶が生じ易い。亜鉛系めっき鋼板にリン酸を含み且つ亜鉛を溶解させるようなエッチング性のある水溶液を接触させた場合、結晶成分である亜鉛が皮膜から常に供給されるため、リン酸塩結晶の核がいったん形成されると結晶が成長しやすい。このような結晶が存在する皮膜では、プレス成形の際にこれら結晶成分が剥離して金型との間に堆積し、この堆積物が摺動性を阻害する結果、型カジリなどを生じ、ひいては材料破断に至る場合もある。
【0009】
また、上記5)の技術は、接着剤とリン系酸化物層との界面及びリン系酸化物層内の強度を高め、エポキシ系接着剤との適合性を向上させているが、接着剤の種類によっては必ずしも接着性(接着剤適合性)が良好ではない。特にゴム系の接着剤との接着性が悪く、リン系酸化物層と接着剤の界面での剥離が生じやすくなる。
また、上記6)、7)の技術は、アルカリ可溶型樹脂を用いて接着性及び化成処理性を向上させているが、プレス成形時には材料が高温となるため、樹脂成分が金型や鋼板に固着しやすい。この固着した樹脂成分は鋼板表面に残留しやすく、プレス後の脱脂によっても容易に脱離しない。このため化成処理性に悪影響を及ぼす。
【0010】
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、優れたプレス成形性、化成処理性及び接着剤適合性を有する亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、亜鉛系めっき層の表面に、皮膜構成成分として特定のカップリング剤と特定の金属成分等とP成分とを含有する複合皮膜を形成することにより、プレス成形性、化成処理性及び接着剤適合性がともに優れた亜鉛系めっき鋼板が得られることを見出した。
【0012】
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである。
[1]亜鉛系めっき層表面に、皮膜構成成分として、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤の中から選ばれる1種又は2種以上のカップリング剤と、Mg、Al、Ca、Ti、Fe、Co、Cu、Mo、Ni、Mn、NH4の中から選ばれる1種又は2種以上の金属元素又は/及びN成分と、P成分とを含み、前記金属元素又は/及びN成分の合計モル量(α)と前記P成分のモル量(β)の比(α)/(β)(但し、P成分はP2O5換算)が0.2〜6.0であり、且つ前記カップリング剤の含有量(γ)と前記P成分の含有量(δ)の質量比(γ)/(δ)(但し、P成分はP2O5換算)が0.002〜2.0であり、皮膜付着量がP量として5〜300mg/m2である複合皮膜を形成したことを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
【0013】
[2]上記[1]の亜鉛系めっき鋼板において、複合皮膜が金属元素として少なくともFeを含有することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
[3]上記[1]または[2]の亜鉛系めっき鋼板において、複合皮膜が金属元素としてFeを含有し、該Feのモル量(α)とP成分のモル量(β)の比(α)/(β)が(但し、P成分はP2O5換算)0.2〜1.0であることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの亜鉛系めっき鋼板において、複合皮膜に含まれるカップリング剤がシランカップリング剤であることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの亜鉛系めっき鋼板において、シランカップリング剤がSH基を有することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
【0014】
[6]亜鉛系めっき鋼板のめっき層表面に、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤の中から選ばれる1種又は2種以上のカップリング剤と、Mg、Al、Ca、Ti、Fe、Co、Cu、Mo、Ni、Mn、NH4 +の中から選ばれる1種又は2種以上のカチオン成分と、リン酸成分とを含み、前記カチオン成分の合計モル量(α)と前記リン酸成分のモル量(β)の比(α)/(β)(但し、リン酸成分はP2O5換算)が0.2〜6.0であり、且つ前記カップリング剤の含有量(γ)と前記リン酸成分の含有量(δ)の質量比(γ)/(δ)(但し、リン酸成分はP2O5換算)が0.002〜2.0である皮膜形成用水溶液を、皮膜付着量がP量として5〜300mg/m2となるように塗布し、引き続き水洗することなく、乾燥させることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
【0015】
[7]上記[6]の製造方法において、皮膜形成用水溶液が金属カチオンとして少なくともFeを含有することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
[8]上記[6]又は[7]の製造方法において、皮膜形成用水溶液が金属カチオンとしてFeを含有し、該Feのモル量(α)とリン酸成分のモル量(β)の比(α)/(β)(但し、リン酸成分はP2O5換算)が0.2〜1.0であることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
[9]上記[6]〜[8]のいずれかの製造方法において、水溶液に含まれるカップリング剤がシランカップリング剤であることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
[10]上記[6]〜[9]のいずれかの製造方法において、シランカップリング剤がSH基を有することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明が対象とする亜鉛系めっき鋼板は、母材である鋼板の表面に、溶融めっき法、電気めっき法又は気相めっき法等により亜鉛系めっき層を形成した鋼板であるが、亜鉛系めっき層の組成としては、純亜鉛からなるめっき層のほか、Fe、Ni、Co、Mn、Cr、Al、Mo、Ti、Si、W、Sn、Pb、Nb、Ta等の金属の1種以上と亜鉛とからなる亜鉛合金めっき層、上記金属の1種以上を含む酸化物(例えば、Si、O2、Al2O3等の酸化物微粒子)、各種の有機物(例えば、有機樹脂粒子)の中から選ばれる1種以上を含有する亜鉛系めっき層(純亜鉛めっき層や上記各種亜鉛合金めっき層)であってもよい。また、めっき組成が異なる複数のめっき層を有する複層めっき鋼板でもよい。また、めっき層の組成を層厚方向で変化させた複層めっき鋼板や亜鉛系機能傾斜めっき鋼板等を使用することもできる。
【0017】
具体例としては、溶融亜鉛めっき鋼板、蒸着亜鉛めっき鋼板、鉄−亜鉛合金化溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム系合金溶融めっき鋼板(例えば、Zn−5%A1系合金溶融めっき鋼板、Zn−55%A1系合金溶融めっき鋼板)、めっき層のうち母材鋼板に近い層のみが合金化されている合金化溶融亜鉛めっき鋼板(一般にハーフアロイと呼ばれる)、片面が鉄−亜鉛合金化溶融亜鉛めっき層、他面が溶融亜鉛めっき層からなるめっき鋼板、或いはこれらのめっき層の上層に、さらに電気めっき、蒸着めっき等により亜鉛めっき層又は亜鉛主体の合金めっき層を施しためっき鋼板、亜鉛をマトリックスとし、シリカ等の分散粒子を含むめっき層を有する分散めっき鋼板等が挙げられる。
【0018】
本発明は、上記のような母材亜鉛系めっき鋼板の表面に、皮膜構成成分として、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤の中から選ばれる1種又は2種以上のカップリング剤と、Mg、Al、Ca、Ti、Fe、Co、Cu、Mo、Ni、Mn、NH4の中から選ばれる1種又は2種以上の金属元素又は/及びN成分と、P成分とを含有する複合皮膜を形成することにより、化成処理性、プレス成形性及び接着剤適合性を向上させたものである。
【0019】
一般に従来の亜鉛系めっき鋼板は、プレス成形性が冷延鋼板に比較して劣る。その原因は、高面圧下において低融点且つ軟質の亜鉛と金型とが凝着現象を起こすために、摺動抵抗が増大することにある。これを防ぐためには、亜鉛系めっき鋼板のめっき層の表面に、亜鉛系めっき層よりも硬質で且つ高融点の皮膜を形成することが有効である。一方、塗装前処理として行われる化成処理での処理性を高めるためには、化成処理工程が完了した段階で上記皮膜がほぼ完全に除去されている必要がある。これは、上記皮膜がほぼ完全に除去された状態で化成処理がなされることにより、めっき面に健全なリン酸塩結晶が形成されるからである。本発明ではこのような要求を実現するために、亜鉛系めっき層表面に上記特定の複合皮膜を形成したものである。
【0020】
本発明の亜鉛系めっき鋼板において、複合皮膜中に含まれるカップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤の中から選ばれる1種以上又は2種以上を用いる。これらのカップリング剤は、いずれも低級アルコキシ基を有し、無機物表面等に存在するOH基等の官能基と反応する点で共通する特徴がある。
上記カップリング剤は、主に無機物と有機物の界面において両者を密着させる機能を有しており、このため後述するように接着剤適合性(特に、ゴム系接着剤の接着性)を高める効果がある。また、このカップリング剤は、脱脂工程や化成処理工程での皮膜の溶解性(脱膜性)の向上にもある程度寄与する。
複合皮膜中でのカップリング剤の存在状態(分布状態)は特に限定されるものではなく、必ずしも皮膜中に均一に分散していなくてもよい。したがって、例えば、カップリング剤が複合皮膜の表層に濃化した状態や島状に分布したような状態であってもよい。
【0021】
ここで、シランカップリング剤としては、例えば、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメエキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−(ビニルベンジルアミン)−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0022】
また、チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルフォスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス−(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等を挙げることができ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0023】
また、アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等を挙げることができる。
また、ジルコニウム系カップリング剤としては、例えば、テトラプロピルジルコネート、テトラブチルジルコネート、テトラキス(アセチルアセトネート)ジルコニウム、モノブトキシトリス(アセチルアセトネート)ジルコニウム、ジブトキシビス(アセチルアセトネート)ジルコニウム、トリブトキシアセチルアセトネートジルコニウム、テトラ(エチルアセチルアセテート)ジルコニウム、モノブトキシトリス(エチルアセチルアセテート)ジルコニウム、ジブトキシビス(エチルアセチルアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルラクトネート)ジルコニウム、ビス(ビスアセチルアセトネート)ビス(エチルアセチルアセトネート)ジルコニウム、モノアセチルアセトネートトリス(エチルアセチルアセトネート)ジルコニウム、モノブトキシモノアセチルアセトネートビス(エチルアセチルアセトネート)ジルコニウム等を挙げることができ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0024】
複合皮膜中に含まれるP成分の存在形態は特に限定しないが、通常は主としてリン系酸化物の形態で存在する。したがって、この場合には複合皮膜は特定のカップリング剤及び金属元素等を含むリン系酸化物皮膜となる。そして、この皮膜は、P成分に対して特定の金属元素又は/及びN成分を特定の組成比で含むため、亜鉛系めっき層表面を非常に均一に被覆し、薄膜であっても亜鉛と金型の直接的な接触を効果的に抑制することができる。
【0025】
複合皮膜中に含まれる金属元素又はN成分は、Mg、Al、Ca、Ti、Fe、Co、Cu、Mo、Ni、Mn、NH4の中から選ばれる1種又は2種以上である。これらの成分が皮膜中に含まれることにより、脱脂工程や化成処理工程での皮膜の溶解性が高まるとともに、健全なリン酸塩結晶が形成され、皮膜の均一被覆性を高めることができる。通常、化成処理工程の前処理としてプレス油を除去するための脱脂工程があるが、本発明の複合皮膜は上記金属元素又はN成分を含有しているため、脱脂工程でその大部分が除去(脱膜)されるとともに、続く化成処理工程において皮膜がほぼ完全に溶解するため、健全なリン酸塩結晶が形成される。さらに、脱脂液の劣化が生じたり、或いは脱脂液が十分回り込まない部位等で脱脂工程での脱膜が十分行われなくとも、本発明の亜鉛系めっき鋼板の場合には良好な化成処理性を得ることができる。これは、上記複合皮膜の溶解性が脱脂液のみならず、化成処理液中でも適切に生じるためである。
【0026】
皮膜形成のためにリン酸のみを含む水溶液を用いた場合には、リン酸がめっき表面をエッチングして、亜鉛を多く取り込んだ不溶性の皮膜になるとともに、結晶質の均一性が低下し、薄膜の状態でめっき層表面を完全に被覆することが困難になると考えられる。これに対して、上記金属元素やNH4 +がイオンとして水溶液に存在することにより処理液の反応性が抑えられ、この結果、リン酸によるめっき表面のエッチングが抑制されて皮膜中への亜鉛の取り込みが少なくなるため不溶性の皮膜になりにくく、また一方において、上記金属元素やNH4とP成分がネットワークを形成してめっき層表面を均一に被覆する皮膜が形成されるものと考えられる。
【0027】
上記金属元素の皮膜中での存在状態は特に限定されるものではなく、金属状態、酸化物、リン酸との化合物等のいずれの状態で存在していてもよい。
また、上記NH4の皮膜中での存在形態も特に限定されるものではなく、窒素系酸化物(例えば、リン酸アンモニウムなど)、窒素・リン系化合物(ZnNH4PO4)など、いずれの形態で存在してもよい。
【0028】
次に、上記各皮膜構成成分の含有量について説明すると、まず、皮膜中にカップリング剤が過剰に存在すると、化成処理工程で皮膜成分が残留し、これがリン酸塩結晶の形成を阻害するため、化成処理性が低下する。このためカップリング剤の含有量(γ)と前記P成分の含有量(δ)の質量比(γ)/(δ)(但し、P成分はP2O5換算)は、化成処理性の観点から2.0以下とする。一方、(γ)/(δ)が0.002未満ではカップリング剤添加による接着剤適合性(特に、ゴム系接着剤の接着性)の向上効果が十分に得られないため、(γ)/(δ)は0.002以上とする。また、上記の観点から(γ)/(δ)の特に好ましい範囲は0.002〜1.0である。
【0029】
また、前記金属元素(Mg、Al、Ca、Ti、Fe、Co、Cu、Mo、Ni、Mnの1種又は2種以上)又は/及びN成分(NH4)の合計モル量(α)と前記P成分のモル量(β)の比(α)/(β)(但し、P成分はP2O5換算)は0.2〜6.0とする。(α)/(β)が0.2未満では、金属成分等に対してP成分が過剰に存在するため皮膜が不溶性となりやすく、化成処理性が低下するとともに、結晶成分が形成されやすいため皮膜の均一被覆性も低下する。一方、(α)/(β)が6.0を超えると、金属元素成分等が過剰となるため皮膜の均一性が低下し、プレス成形性の改善効果が小さい。さらに、皮膜の安定性が低いために、湿潤環境において保管された場合や結露環境におかれた場合等に、皮膜の一部が溶解して電解質として作用し、亜鉛系めっき鋼板の腐食をもたらす。
【0030】
また、上記(α)/(β)のより好ましい範囲は0.2〜1.0である。(α)/(β)が1.0以上の皮膜は、金属元素成分とP成分が結晶質になりやすいため、均一な皮膜形成に不利となり、プレス成形性が若干劣る。
なお、本発明の複合皮膜は、上述した皮膜構成成分を含有することにより優れた化成処理性(脱膜性)が得られるため、複合皮膜中に亜鉛系めっき鋼板から供給されるZnが存在してもよい。
【0031】
次に、接着剤適合性の観点から、複合皮膜の作用及び皮膜組成の好ましい条件について説明する。
通常、自動車や家電分野では、溶接部の補強や耐食性の強化などの目的で、接着剤による鋼板どうしの接合が行われる。工業的には様々な接着剤が使用されており、自動車や家電分野では主にエポキシ系、塩ビ系、ゴム系の各接着剤が使用されている。このような接着剤による鋼板どうしの接合の際、潤滑特性を高めるために付与された皮膜の存在が、接着接合性を著しく低下させることがある。従来の潤滑性皮膜は特にこの傾向が高く、その改善が望まれていた。
【0032】
エポキシ系接着剤の場合、接着剤自身の濡れ性が良好で鋼板表面の間隙に良く回り込み、且つエポキシ樹脂自体の強度が大きいため、鋼板の表面状態の影響は小さい。ところが、塩ビ系接着剤やゴム系接着剤の場合、プレス成形時の摺動性改善のために付与された皮膜との相性が必ずしも良くないため、接着性が良好でない場合がある。そこで、このような接着剤に有効な皮膜成分を検討した結果、以下のような点が明らかとなった。
【0033】
まず、塩ビ系接着剤を用いる場合は、皮膜中に表面電位が低い金属を含有させることによって、接着面に存在するこれら金属成分と接着剤との結合力が向上し、接着強度が上昇することが判った。表面電位が低い金属としてはPt、Au、Ag、Fe、Ti等が挙げられるが、その中で特にFeが有効であることが判明した。したがって、塩ビ系接着剤を用いる場合には、皮膜中に含有させる金属元素としてはFeを用いることが好ましい。この場合にも、先に述べたと同様の理由により、Fe(α)のモル量とP成分(β)のモル量の比(α)/(β)(但し、P成分はP2O5換算)は0.2〜6.0、好ましくは0.2〜1.0とする。
Feの存在形態については特に特定されるものではなく、金属状態、酸化物、リン酸成分との化合物などのいずれの状態であってもよい。
【0034】
一方、ゴム系接着剤の接着性に関しては、複合皮膜中に含まれているカップリング剤が非常に有効に作用することが判った。すなわち、本発明の複合皮膜のようにP成分(主としてリン系酸化物)とカップリング剤を含有する皮膜では、ゴム系接着剤による接着性が著しく改善されることが判明した。その理由は必ずしも明らかでないが、複合皮膜表層において皮膜と接着剤に対して高い結合性を有する官能基(例えばSH基、COOH基、OH基)が接着剤成分と化学的に結合することや、SH基、COOH基、OH基が接着剤中の樹脂と高い相溶性を有することにより接着強度が向上するものと考えられる。
【0035】
また、カップリング剤の中でも特にシランカップリング剤が反応性に優れているため好ましい。
さらに、シランカップリング剤のなかでも、特に官能基としてSH基を有するシランカップリング剤を用いた場合、特に優れた接着性が得られる。これは、SH基のS成分がゴム系接着剤の加硫を促進させる効果により、複合皮膜と接着剤の界面に反応層が形成されるためであると考えられる。
【0036】
本発明の複合皮膜の皮膜付着量は、P量として5〜300mg/m2であり、特に好ましい付着量は30〜150mg/m2である。皮膜付着量がP量として5mg/m2未満ではプレス成形性の改善効果が十分に得られず、一方、300mg/m2を超えると化成処理性が低下する。なお、皮膜自体の付着量は皮膜成分によりP付着量と皮膜付着量の比率が異なるため、一義的には特定されないが、一般には300〜1500mg/m2程度が適当である。
また、本発明の複合皮膜の形態は、基本的には結晶質、非晶質のいずれであってもよいが、均一な皮膜形成や化成処理時の脱膜性の観点からは非晶質を主体とし、極く一部が結晶質である形態がより好ましい。また、皮膜中に結晶成分に付随する結晶水としてのH2O成分、非晶質皮膜に混在するH2O成分などが含まれていてもよい。
【0037】
次に、本発明の亜鉛系めっき鋼板の製造方法について説明する。
本発明の製造方法では、亜鉛系めっき鋼板のめっき層表面に、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤の中から選ばれる1種又は2種以上のカップリング剤と、Mg、Al、Ca、Ti、Fe、Co、Cu、Mo、Ni、Mn、NH4 +の中から選ばれる1種又は2種以上の金属元素成分又は/及びNH4 +と、リン酸成分とを含む皮膜形成用水溶液を塗布し、引き続き水洗することなく、乾燥させる。
このような製造方法によれば、亜鉛系めっき層の表面に硬質且つ高融点で、しかも溶解性(脱膜性)の高い皮膜が緻密且つ均一に形成された亜鉛系めっき鋼板が得られる。
【0038】
通常、リン酸塩処理皮膜等のリンを含有する皮膜を形成させるためには、リン酸イオンを含有する水溶液に浸漬させるなどの処理が行われる。一般にアルカリ金属以外のカチオンを含有するリン酸塩は、中性又はアルカリ性領域で不溶性であるため、その水溶液は酸性となる。また、これらのカチオン成分とリン酸の混合水溶液は沈殿し易く、通常はカチオンに対してリン酸イオンが過剰に存在する場合に水溶液として安定に存在できる。 このようなリン酸過剰の水溶液では亜鉛はエッチングされやすく、溶出した亜鉛はリン酸イオンと反応し、結晶を形成するか或いは界面に亜鉛を含む反応層を形成しやすい。先に述べたように、皮膜に結晶質の成分が多く存在すると、プレス成形の際にこれら結晶成分が剥離して金型との間に堆積し、摺動性を阻害する結果、型カジリなどを生じやすい。また、亜鉛と皮膜が反応層を形成するため、化成処理工程での皮膜の脱離が生じ難く、化成処理性が十分でない。これに対して本発明で用いる皮膜形成用水溶液は、後述するようにカチオン成分とリン酸成分の比率を規定し、カチオンに対するリン酸イオン濃度を低くすることにより処理液の反応性を抑え、めっき層中の亜鉛のエッチングを極力抑制している点に特徴がある。
【0039】
本発明の製造法において、皮膜形成用水溶液を塗布する対象となる母材亜鉛系めっき鋼板は先に述べた通りであるが、この亜鉛系めっき鋼板に皮膜形成用水溶液を塗布する前に、めっき表面の活性化処理等の処理を行ってもよい。この活性化処理としては、アルカリ性水溶液、酸性水溶液への浸漬やスプレー処理が挙げられる。
皮膜形成用水溶液中には、先に述べたカップリング剤に加えて、リン酸成分と、カチオン成分としてMg、Al、Ca、Ti、Fe、Co、Cu、Mo、Ni、Mn、NH4 +の中から選ばれる1種又は2種以上が添加される。これらのうち、リン酸成分は複合皮膜中のP成分の供給源として、またカチオン成分は同じく金属元素等の供給源として、それぞれ水溶液中に添加される。
【0040】
カップリング剤や上記カチオン成分の詳細は先に述べた通りである。また、本発明で使用する皮膜形成用水溶液は、カップリング剤がリン酸成分やカチオン成分と共存してもゲル化せず、溶液が安定に存在する。これは、カップリング剤の添加量が適正であるために液のpHが大幅に上昇しないためであると考えられる。また、これらカップリング剤は水溶性が良好であり、さらに、リン酸をはじめとする無機成分と共存しても安定な化合物を形成しないこともその理由として考えられる。
また、本発明の製造方法では、皮膜形成用水溶液に添加されたカップリング剤の作用により、水溶液の亜鉛系めっき層に対する濡れ性が改善され、めっき層表面への均一な皮膜形成が容易になるという利点もある。
【0041】
また、鋼板同士の接合にゴム系接着剤を用いる場合には、先に述べたようにカップリング剤としてシランカップリング剤を用いることが好ましい。また、シランカップリング剤のなかでも、官能基としてSH基を有するものが好ましい。このようなシランカップリング剤を用いることにより、ゴム系接着剤を用いる場合に特に優れた接着剤適合性が得られる。
【0042】
皮膜形成用水溶液に含まれるリン酸成分(リン酸イオン)は、水溶液のpHや添加するリン酸の重合度、酸化状態等によりその状態が変化するため、その存在形態については特に規定されず、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ヘキサメタリン酸等の縮合リン酸、亜リン酸、次亜リン酸等のすべてのリン酸を含む。
【0043】
皮膜形成用水溶液中でのカップリング剤の含有量(γ)とリン酸成分の含有量(δ)の質量比(γ)/(δ)(但し、リン酸成分はP2O5換算)は0.002〜2.0とする。(γ)/(δ)が2.0を超えると、形成される皮膜中のカップリング剤量が過剰となるため、化成処理工程で皮膜成分が残留し、これがリン酸塩結晶の形成を阻害するため、化成処理性が低下する。一方、(γ)/(δ)が0.002未満ではカップリング剤添加による接着剤適合性の向上効果が十分に得られない。また、上記の観点から(γ)/(δ)の特に好ましい範囲は0.002〜1.0である。
【0044】
また、カチオン成分である金属カチオン(Mg、Al、Ca、Ti、Fe、Co、Cu、Mo、Ni、Mnの1種又は2種以上)又は/及びNH4 +の合計モル量(α)とリン酸成分のモル量(β)の比(α)/(β)(但し、リン酸成分はP2O5換算)は0.2〜6.0とする。(α)/(β)が0.2未満では、リン酸成分が過剰に存在するため結晶成分が形成されやすく、このため皮膜の均一被覆性が低下してプレス成形時の優れた摺動性が得られにくい。さらに、皮膜が脱離しにくくなるため、化成処理性も低下する。一方、(α)/(β)が6.0を超えると、金属成分が過剰となるため皮膜の均一性が低下し、プレス成形性の改善効果が小さい。
【0045】
また、上記(α)/(β)のより好ましい範囲は0.2〜1.0である。(α)/(β)が1.0以上の皮膜形成用水溶液で形成される皮膜は、金属元素成分とP成分が結晶質になりやすいため、均一な皮膜形成に不利となり、プレス成形性が若干劣る。
また、先に述べたように、鋼板同士の接合に塩ビ系接着剤を用いる場合は、皮膜形成用水溶液中に含有させる金属カチオンとしてはFeを用いることが好ましい。この場合にも、Fe(α)のモル量とリン酸成分(β)モル量の比(α)/(β)(リン酸成分はP2O5換算)は0.2〜6.0、好ましくは0.2〜1.0とする。
【0046】
亜鉛系めっき鋼板表面に皮膜形成用水溶液を塗布する方法としては、塗布法、浸漬法、スプレー法等の任意の方法を採用できる。塗布法としては、ロールコーター(3ロール方式、2ロール方式等)、スクイズコーター、ダイコーター等のいずれの方法を用いてもよい。また、スクイズコーター等による塗布処理、浸漬処理又はスプレー処理の後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。
【0047】
皮膜形成用水溶液の塗布後、水洗することなく加熱乾燥を行う。加熱乾燥処理には、ドライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉等を用いることができる。加熱処理は到達板温で50〜200℃、好ましくは50〜140℃の範囲で行うことが望ましい。加熱温度が50℃未満では皮膜中の水分が多量に残存し、シミ状の欠陥を発生し易い。また、加熱温度が200℃を超えると非経済的である。
【0048】
皮膜形成用水溶液の温度は特に規定されないが、20〜70℃程度が好適である。水溶液の温度が20℃未満では液の安定性が低下し、一方、70℃を超えると、水溶液を高温に保持するための設備や熱エネルギーを要し、製造コストの上昇を招き不経済である。
なお、本発明の亜鉛めっき鋼板の製造方法としては、以上述べた製造方法以外に、例えば、Mg、Al、Ca、Ti、Fe、Co、Cu、Mo、Ni、Mn、NH4 +の中から選ばれる1種又は2種以上のカチオン成分と、リン酸成分とを含む水溶液を塗布した後乾燥させ、その上に、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤の中から選ばれる1種又は2種以上のカップリング剤を含む水溶液を塗布した後、乾燥させる方法を採ってもよい。なお、この場合には、一般にカップリング剤が表層に濃化した複合皮膜が形成される。
【0049】
【実施例】
下記の母材めっき鋼板を用いて、本発明例及び比較例の亜鉛系めっき鋼板を製造した。
GA:合金化溶融亜鉛めっき鋼板(めっき皮膜組成:10mass%Fe,残部Zn)、片面当たりのめっき付着量:45g/m2
GI:溶融亜鉛めっき鋼板、片面当たりのめっき付着量:90g/m2
EG:電気亜鉛めっき鋼板、片面当たりのめっき付着量:50g/m2
【0050】
上記母材めっき鋼板は、皮膜形成用水溶液を塗布する前に、トルエンを用いた溶剤脱脂処理を施して防錆油を除去した。
使用した皮膜形成用水溶液は、下記(1)又は(2)の水溶液をベースとして表1〜表4に示した組成となるように成分を調整した。
(1) 各種カチオン成分を含む酸化物又は水酸化物とオルトリン酸を所定の比率で脱イオン水に混合して調整したリン酸塩水溶液
(2) 各種カチオン成分を含む金属塩とオルトリン酸を所定の比率で脱イオン水に混合して調整したリン酸水溶液
【0051】
表1〜表4に示した皮膜形成用水溶液(室温)を、上記母材めっき鋼板面に室温にてロールコーター又はバーコーターにより塗布し、加熱乾燥(到達板温:80℃)して皮膜を形成させた。皮膜付着量は、水溶液中の添加成分の濃度及び塗布条件(ロールの圧下力、回転速度、バーコーターの番手等)により適宜調整した。
製造された亜鉛めっき系鋼板の複合皮膜の皮膜付着量は以下のようにして測定した。
皮膜付着量を変えた亜鉛系めっき鋼板の複合皮膜をめっき層ごと希塩酸により溶解剥離し、溶解液中のP濃度をICP分析により定量した。別に、剥離溶解を行った位置の中央部におけるPの蛍光X線強度を測定した。両者の値よりICPで得られたP付着量とPの蛍光X線強度の関係(関係式)を求めた。製造された各供試材についてPの蛍光X線強度を測定し、先に求めた関係式よりP付着量を求めた。また、(α)/(β)、(γ)/(δ)に関するP成分量についても、上記P付着量を基にして求めた。
【0052】
また、複合皮膜中に存在する金属元素量は以下のようにして求めた。まず、複合皮膜をめっき皮膜とともに塩酸水溶液に溶解した後、この溶解した皮膜構成元素を定量した。一方、複合皮膜形成前の亜鉛系めっき鋼板のめっき層を塩酸水溶液で溶解して同じく皮膜構成元素を定量し、これを先に述べた複合皮膜をめっき層ごと溶解して得られた金属元素成分量から差し引き、これを皮膜構成元素量とした。また、複合皮膜に存在するNH4量は以下のようにして求めた。まず、複合皮膜をめっき皮膜とともに塩酸水溶液に溶解した後、溶解液中のアンモニウムを蒸留により遊離してアルカリ性水溶液に吸収し、この液中のアンモニウム濃度をインドフェノール青吸光光度法により定量し、皮膜中のNH4量を求めた。
また、複合皮膜中のカップリング剤の含有量は、赤外分光法を用いて皮膜表面のSH基又はエポキシ基を定量するか、若しくはTi、Al又はZrを定量して求めた。
【0053】
製造された亜鉛系めっき鋼板について、以下のような性能評価試験を行った。その結果を、亜鉛系めっき鋼板の製造条件とともに表5〜表16に示す。
(a) プレス成形性
プレス成形性を評価するために、図1の摩擦係数測定装置を用い、各試料の摩擦係数を次のようにして測定した。図1に示すように、供試体から採取した摩擦係数測定用試料1を試料台2に固定する。この試料台2は、水平移動可能なスライドテーブル3の上面に固定されている。このスライドテーブル3の下面には、これに接したローラ4を有する上下動可能なスライドテーブル支持台5が設けられ、これを押上げた際のビード6による摩擦係数測定用試料1への押付荷重Nを測定するための第1ロードセル7が、前記スライドテーブル支持台5に取付けられている。上記押付力を作用させた状態でスライドテーブル3を水平方向へ移動さた際の摺動抵抗力Fを測定するための第2ロードセル8が、スライドテーブル3の一方の端部に取付けられている。なお、潤滑油としてパーカー興産(株)製の「ノックスラスト550HN」を試料1の表面に塗布して試験を行った。試料1とビード6との間の摩擦係数μは、式:μ=F/Nで算出した。但し、押付荷重N:400kgf、試料の引き抜き速度(スライドテーブル3の水平移動速度):100cm/minとした。図2に、使用したビード6の形状・寸法を示す。このビード6は、その下面が試料1の表面に押しつけられた状態で摺動する。ビード6の形状は、幅10mm、試料の摺動方向長さ69mmであり、摺動方向両端の下部は曲率4.5mmRの曲面で構成され、試料が押付けられるビード下面は幅10mm、摺動方向長さ60mmの平面を有する。
【0054】
(b) 化成処理性
プレス成形後の試料状態を想定し、試料に潤滑油(パーカー興産(株)製の「ノックスラスト550HN」)を塗布した後、下記条件で脱脂→水洗→乾燥→表面調整処理→化成処理→水洗→乾燥を行うことにより化成処理を施した。
(i) 脱脂:日本パーカライジング(株)製の「FC−4460」による脱脂処理、スプレー120秒(スプレー圧1kgf/cm2)、温度43℃
(ii) 表面調整処理:日本パーカライジング(株)製の「PL−Z」による表面調整処理、1.5g/l、浸漬20秒、室温
(iii) 化成処理:日本パーカライジング(株)製の「PB−3080」による化成処理、浸漬時間120秒、43℃
【0055】
化成処理後の試料のリン酸塩結晶形態をSEMにて観察し、以下のように評価した。
◎:平均のリン酸塩結晶サイズが8μm未満であり、スケが無く緻密に形成されている。
○:平均のリン酸塩結晶サイズが8μm以上12μm未満であり、スケが無く緻密に形成されている。
○−:平均のリン酸塩結晶サイズが12μm以上であるが、スケが認められない。
△:平均のリン酸塩結晶サイズが12μm未満であり、スケもなく緻密に形成されている部分と、リン酸塩結晶が全く形成されていない部分とが混在している。
×:平均のリン酸塩結晶が粗大化(12μm以上)し、スケが多く認められる。或いは、リン酸塩結晶が全く成長していない。
【0056】
(c) 接着性(接着剤適合性)
1. 試験片の作成
1.1. 塩ビ系接着剤を用いた試験片
25mm×200mmの試料の防錆油を溶剤脱脂により除去した後、潤滑油(パーカー興産(株)製の「ノックスラスト550HN」)を塗布した。この試料を2枚一組とし、塩ビ系のヘミング用接着剤を25mm×140mmの範囲に塗布し(試料の端から50mmは接着剤を塗布せず)、図3(a)に示すように0.15mm厚のスペーサーを介して貼り合わせ、これを160℃×10分で焼付した後、24〜72時間の間、常温にて放置した。その後、各試料の端部を外側に直角に折り曲げて図3(b)に示す試験片を作成した。
1.2. エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤を用いた試験片
25mm×100mmの試料の防錆油を溶剤脱脂により除去した後、潤滑油(スギムラ化学(株)製の「プレトンR352L」)を塗布した。この試料を2枚一組とし、エポキシ系のヘミング用接着剤又はゴム系のスポットシーラー用接着剤を25mm×25mmの範囲に塗布し、1mm厚のスペーサーを介して貼り合わせ、これを180℃×20分で焼付した後、24〜72時間の間、常温にて放置し、図4に示す試験片を作成した。
【0057】
2. 引張り試験による強度測定
2.1. 塩ビ系接着剤を用いた試験片
各試験片について、引張り試験機を用いてT型接着試験を行った。このT型接着試験では、接着剤で接着された試験片の2枚の試料を接着面に垂直な方向に引っ張り、接着面が剥離するまでの平均強度を測定した。
2.2. エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤を用いた試験片
各試験片について、引張り試験機を用いて剪断接着試験を行った。この剪断接着試験では、接着剤で接着された試験片の2枚の試料を接着面と同一平面方向に引張り、接着面が剪断剥離するまでの最大強度を測定した。
【0058】
3. 剥離界面の評価
3.1. 塩ビ系接着剤、エポキシ系接着剤を用いた試験片
接着面が剥離した各試験片について、その剥離界面を観察して凝集剥離した部分の面積率を求め、以下のように評価した。
◎:剥離面の100%が凝集剥離である。
○:剥離面の70%以上100%未満が凝集破壊で、残部が界面剥離である。○−:剥離面の50%以上70%未満が凝集破壊で、残部が界面剥離である。
△:剥離面の30%以上50%未満が凝集破壊で、残部が界面剥離である。
×:剥離面のすべてが界面剥離である。
3.2. ゴム系接着剤を用いた試験片
接着面が剥離した各試験片について、その剥離界面を観察して凝集剥離した部分の面積率を求めた。
【0059】
(d) 液安定性
皮膜形成用水溶液を容量100ccの内部が観察できる密閉式の透明容器中に充填し、40℃の恒温槽に静置した。一日一回溶液を観察し、沈殿が発生するのに要する日数を評価した。
◎:塗布液を建浴してから30日経過しても沈殿が発生しない。
○:塗布液を建浴してから7日〜29日後に沈殿が発生する。
△:塗布液を建浴してから3日〜6日後に沈殿が発生する。
×:塗布液を建浴してから1日〜2日後に沈殿が発生する。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】
【表8】
【0068】
【表9】
【0069】
【表10】
【0070】
【表11】
【0071】
【表12】
【0072】
【表13】
【0073】
【表14】
【0074】
【表15】
【0075】
【表16】
【0076】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、優れたプレス成形性、化成処理性及び接着剤適合性を有する亜鉛系めっき鋼板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩擦係数測定装置を示す正面図
【図2】図1中のビードの形状・寸法を示す説明図
【図3】T型接着試験で用いる試験片の形状・寸法を示す説明図
【図4】剪断接着試験で用いる試験片の形状・寸法を示す説明図
【符号の説明】
1…摩擦係数測定用試料、2…試料台、3…スライドテーブル、4…ローラ、5…スライドテーブル支持台、6…ビード、7…第1ロードセル、8…第2ロードセル[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to an improvement of a galvanized steel sheet, and more particularly to a galvanized steel sheet having excellent press formability, chemical conversion property, and adhesive compatibility, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Zinc-based plated steel sheets are widely used as various rust-preventive steel sheets because they have various excellent features. In order to use this galvanized steel sheet as, for example, a rust-preventive steel sheet for automobiles, in addition to corrosion resistance and paint compatibility, the performance required in the vehicle body manufacturing process includes press formability, spot weldability, adhesion and It is required to have excellent chemical conversion property.
However, galvanized steel sheets generally have a drawback that press formability is inferior to cold-rolled steel sheets. This is because the sliding resistance between the galvanized steel sheet and the press die is higher than that of the cold-rolled steel sheet. It becomes difficult to flow into the press die, and the steel sheet is easily broken.
[0003]
As a method for improving the press formability of a galvanized steel sheet, generally, a method of applying a high-viscosity lubricating oil is widely used. However, in this method, since the lubricating oil has a high viscosity, there are problems such as occurrence of a coating defect due to poor degreasing in the next coating step, and instability in press performance due to lack of oil. Therefore, there is a high demand for improvement in press formability of zinc-based plated steel sheets.
In addition, since the zinc-coated steel sheet has a plating surface covered with an oxide such as Zn or A1, there is a problem that the adhesive strength of the adhesive is reduced.
[0004]
Conventionally, for example, the following proposals have been made to solve the above problems.
1) a layer mainly composed of one or more metal oxides and / or hydroxides of Mn, Mo, Co, Ni, Ca, Cr, V, W, Ti, Al, Zn; -Based zinc-plated steel sheet having a coating mainly composed of an oxygen acid and / or one or more oxide colloids of Si, Al and Ti (Japanese Patent Laid-Open No. 4-176878)
2) A zinc-based material that activates the surface of a zinc-based plated steel sheet and then forms one or more inorganic oxide films of Mn, Mo, Co, Ni, Ca, V, W, P, and B. Manufacturing method of plated steel sheet (JP-A-8-296058)
3) Galvanized steel sheet having an amorphous reaction product of phosphorus and zinc on the surface of a plating layer and a method for producing the same (Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 9-170084)
[0005]
4) A zinc-coated steel sheet having excellent press formability and chemical conversion treatment properties in which the surface of a plating layer is coated with an amorphous P oxide (JP-A-4-88196).
5) Mn-Zn-OH-PO on the plating layer surface4Oxide-containing galvanized steel sheet excellent in lubricity, chemical conversion property, adhesive compatibility and weldability (Japanese Patent Laid-Open No. Hei 8-296017)
6) An alkali-soluble organic-coated zinc-based plated steel sheet having excellent adhesion and having an acrylic resin film formed in a thickness of 0.5 to 5 μm (Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-170059).
7) An alkali-soluble organic-coated steel sheet having excellent adhesion and galling resistance in which a film containing 20 to 90% by weight of a modified epoxy resin in a resin solid content is formed on the surface of a zinc-based plated steel sheet (Japanese Patent Laid-Open No. 2000-2000). -167981)
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, these techniques have the following problems.
The technique 1) is a technique of treating with an aqueous solution containing an etching aid such as sulfuric acid or an oxidizing agent such as nitrate ions or potassium permanganate. When such an aqueous solution is brought into contact with a zinc-based plating layer, zinc as a plating component dissolves, so that zinc is easily taken into the film. As a result, the formed coating layer (coating) has a function of securing the adhesion at the interface with the plating layer and maintaining the coating following the deformation of the plating layer. However, since the coating coats the zinc-based plating layer, the chemical conversion treatment solution and zinc are usually used in the chemical conversion treatment (phosphate treatment; hereinafter, simply referred to as “chemical conversion treatment”) performed in the pre-painting treatment of automobiles. Does not sufficiently occur, causing problems such as crystal coarsening or no crystal formation. Generally, the chemical conversion treatment liquid is added with fluorine ions or the like in order to enhance the etching property of the film. However, when such an additional component is not included, or the presence of impurities, the etching property is deteriorated. In this case, the above phenomenon is particularly remarkable since the film is not sufficiently dissolved or desorbed in the chemical conversion treatment step.
[0007]
The techniques 2) to 7) have the same problem.
The technique of the above 2) is that the reactivity of the plating layer surface is increased and the bonding force between the plating layer and the inorganic oxide film formed on the surface is increased. The features of forming a crystalline reaction product and the techniques of 4) and 5) above are characterized in that they coat an amorphous P oxide which does not dissolve even in the degreasing step. For this reason, under any chemical conversion treatment conditions in which the etching properties are inferior, the film is not easily detached in the chemical conversion treatment step, and the above-mentioned chemical conversion treatment failure is likely to occur.
[0008]
Further, the above techniques 1) to 5) are all based on the premise that zinc is etched and zinc is incorporated into the film. Usually, when phosphate ions and zinc ions coexist, insoluble phosphate crystals tend to be generated. When a galvanized steel sheet is brought into contact with an aqueous solution that contains phosphoric acid and has an etching property that dissolves zinc, zinc, which is a crystal component, is always supplied from the coating, so that phosphate crystal nuclei form once. Then, crystals grow easily. In a film in which such crystals are present, these crystal components are peeled off during press molding and are deposited on a mold, and this deposit impairs slidability, resulting in mold galling and the like. In some cases, the material may break.
[0009]
In the technique 5), the strength of the interface between the adhesive and the phosphorus-based oxide layer and the strength of the phosphorus-based oxide layer are increased, and the compatibility with the epoxy-based adhesive is improved. Depending on the type, the adhesiveness (adhesive compatibility) is not always good. In particular, adhesion to a rubber-based adhesive is poor, and peeling at the interface between the phosphorus-based oxide layer and the adhesive is likely to occur.
In the techniques of 6) and 7), the adhesiveness and the chemical conversion property are improved by using an alkali-soluble resin. However, since the material is heated at the time of press molding, the resin component becomes a mold or a steel plate. Easy to stick to. The adhered resin component easily remains on the surface of the steel sheet and is not easily detached by degreasing after pressing. This adversely affects the chemical conversion property.
[0010]
Accordingly, an object of the present invention is to solve the above-mentioned problems of the prior art, and to provide a galvanized steel sheet having excellent press formability, chemical conversion property and adhesive compatibility, and a method for producing the same.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to solve the above-mentioned problems, and as a result, the surface of the zinc-based plating layer contains a specific coupling agent, a specific metal component, etc., and a P component as a film constituent component. It has been found that by forming a composite film, a galvanized steel sheet having excellent press formability, chemical conversion property and adhesive compatibility can be obtained.
[0012]
The present invention has been made based on such findings, and the features thereof are as follows.
[1] One or two or more coupling agents selected from silane coupling agents, titanate coupling agents, aluminum coupling agents, and zirconium coupling agents on the surface of a zinc-based plating layer as film components. , Mg, Al, Ca, Ti, Fe, Co, Cu, Mo, Ni, Mn, NH4And at least one metal element or / and N component selected from the following, and a P component, and the total molar amount (α) of the metal element and / or N component and the molar amount of the P component ( β) ratio (α) / (β) (where P component is P2O5(Converted) is 0.2 to 6.0, and the mass ratio (γ) / (δ) of the content (γ) of the coupling agent and the content (δ) of the P component (where P component is P2O5(Converted) is 0.002 to 2.0, and the film adhesion amount is 5 to 300 mg / m2A galvanized steel sheet characterized by forming a composite film as described above.
[0013]
[2] The galvanized steel sheet according to [1], wherein the composite coating contains at least Fe as a metal element.
[3] In the galvanized steel sheet of the above [1] or [2], the composite film contains Fe as a metal element, and the ratio (α) of the molar amount of the Fe (α) to the molar amount of the P component (β) ) / (Β) (where P component is P2O5(Converted) 0.2 to 1.0.
[4] The galvanized steel sheet according to any one of [1] to [3], wherein the coupling agent contained in the composite film is a silane coupling agent.
[5] The galvanized steel sheet according to any one of [1] to [4], wherein the silane coupling agent has an SH group.
[0014]
[6] One or more coupling agents selected from a silane coupling agent, a titanate coupling agent, an aluminum coupling agent, a zirconium coupling agent, and Mg , Al, Ca, Ti, Fe, Co, Cu, Mo, Ni, Mn, NH4 +One or two or more cation components selected from the group consisting of: and a phosphoric acid component, wherein the ratio (α) / to the total molar amount (α) of the cation component and the molar amount (β) of the phosphoric acid component (Β) (However, the phosphoric acid component is P2O5(Converted) is 0.2 to 6.0, and the mass ratio (γ) / (δ) of the content (γ) of the coupling agent and the content (δ) of the phosphoric acid component (provided that phosphoric acid The component is P2O5(Converted) is 0.002 to 2.0, and the coating amount is 5 to 300 mg / m2 as P amount.2A method for producing a galvanized steel sheet, characterized in that it is applied so as to be dried, and then dried without being washed with water.
[0015]
[7] The method for producing a galvanized steel sheet according to the above [6], wherein the aqueous solution for film formation contains at least Fe as a metal cation.
[8] In the method of the above-mentioned [6] or [7], the aqueous solution for forming a film contains Fe as a metal cation, and a ratio of a molar amount of the Fe (α) to a molar amount of the phosphoric acid component (β) ( α) / (β) (where the phosphate component is P2O5(Converted) is 0.2 to 1.0.
[9] The method for producing a galvanized steel sheet according to any one of the above [6] to [8], wherein the coupling agent contained in the aqueous solution is a silane coupling agent.
[10] The method for producing a galvanized steel sheet according to any one of the above [6] to [9], wherein the silane coupling agent has an SH group.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The zinc-based plated steel sheet targeted by the present invention is a steel sheet in which a zinc-based plating layer is formed on a surface of a base steel sheet by a hot-dip plating method, an electroplating method or a vapor phase plating method. The composition of the layer is, in addition to a plating layer made of pure zinc, one or more metals such as Fe, Ni, Co, Mn, Cr, Al, Mo, Ti, Si, W, Sn, Pb, Nb, and Ta. A zinc alloy plating layer composed of zinc and an oxide containing at least one of the above metals (for example, Si, O2, Al2O3Or a zinc-based plating layer (pure zinc plating layer or various zinc alloy plating layers) containing at least one selected from various organic substances (eg, organic resin particles). . Further, a multi-layer plated steel sheet having a plurality of plating layers having different plating compositions may be used. Further, a multi-layer plated steel sheet or a zinc-based functionally graded plated steel sheet in which the composition of the plating layer is changed in the layer thickness direction can also be used.
[0017]
Specific examples include a hot-dip galvanized steel sheet, a vapor-deposited galvanized steel sheet, an iron-zinc alloyed hot-dip galvanized steel sheet, a zinc-aluminum alloy hot-dip coated steel sheet (for example, a Zn-5% Al alloy hot-dip coated steel sheet, Zn-55 % A1 alloy hot-dip galvanized steel sheet), an alloyed hot-dip galvanized steel sheet in which only the layer near the base steel sheet is alloyed (generally called half-alloy), and one side is hot-dip galvanized with an iron-zinc alloy Layer, the other side is a hot-dip galvanized layer, or a galvanized steel sheet in which a zinc-plated layer or a zinc-based alloy-plated layer is further applied to the upper layer of these plated layers by electroplating, vapor deposition plating, etc. And a dispersion-plated steel sheet having a plating layer containing dispersed particles such as silica.
[0018]
The present invention provides, on the surface of a base material zinc-based steel sheet as described above, one or more selected from silane coupling agents, titanate coupling agents, aluminum coupling agents, and zirconium coupling agents as film constituents. Two or more coupling agents, Mg, Al, Ca, Ti, Fe, Co, Cu, Mo, Ni, Mn, NH4By forming a composite film containing one or more metal elements or / and N components selected from among the above and an N component and a P component, it is possible to improve the chemical conversion treatment property, press formability and adhesive compatibility. It is a thing.
[0019]
In general, conventional zinc-based plated steel sheets are inferior in press formability to cold-rolled steel sheets. The cause is that the sliding resistance increases because of the adhesion phenomenon between the low melting point and soft zinc and the mold under a high surface pressure. In order to prevent this, it is effective to form a harder and higher-melting film than the zinc-based plating layer on the surface of the plating layer of the zinc-based plated steel sheet. On the other hand, in order to enhance the processability in the chemical conversion treatment performed as a pre-coating treatment, it is necessary that the above-mentioned film is almost completely removed at the stage when the chemical conversion treatment step is completed. This is because a chemical conversion treatment is performed in a state where the above-mentioned film is almost completely removed, so that a healthy phosphate crystal is formed on the plated surface. In the present invention, in order to fulfill such a demand, the above-mentioned specific composite film is formed on the surface of a zinc-based plating layer.
[0020]
In the galvanized steel sheet of the present invention, as the coupling agent contained in the composite film, at least one selected from silane coupling agents, titanate coupling agents, aluminum coupling agents, and zirconium coupling agents, or 2 or more. Use more than seeds. These coupling agents all have a lower alkoxy group and have a common feature in that they react with a functional group such as an OH group present on the surface of an inorganic substance.
The coupling agent mainly has a function of adhering the inorganic substance and the organic substance at the interface thereof, and therefore has an effect of enhancing the adhesive compatibility (particularly, the adhesiveness of the rubber adhesive) as described later. is there. The coupling agent also contributes to some extent to the improvement of the solubility (delamination property) of the film in the degreasing step or the chemical conversion step.
The presence state (distribution state) of the coupling agent in the composite film is not particularly limited, and may not necessarily be uniformly dispersed in the film. Therefore, for example, the coupling agent may be in a state of being concentrated on the surface layer of the composite coating or in a state of being distributed in an island shape.
[0021]
Here, examples of the silane coupling agent include vinylmethoxysilane, vinylethoxysilane, vinyltrichlorosilane, vinyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, β- (3,4 epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane, and γ-silane. Glycidoxypropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane, γ-glycidoxypropyltriethoxysilane, N-β (aminoethyl) γ-aminopropylmethyldimethoxysilane, N-β (aminoethyl ) Γ-aminopropyltrimethoxysilane, N-β (aminoethyl) γ-aminopropyltrimethoxysilane, γ-aminopropyltrimethoxysilane, γ-aminopropyltriethoxysilane, γ-methacryloxypropylmethyldimethoxysilane, γ -Methacryloxypropyltrimethoxysilane, γ-methacryloxypropylmethyldiethoxysilane, γ-methacryloxypropyltriethoxysilane, γ-mercaptopropylmethyldimethoxysilane, γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, p-styryltrimethoxysilane, γ-acryloxypropyltrimethoxysilane, N-phenyl-γ-aminopropyltrimethoxysilane, γ-ureidopropyltriethoxysilane, γ-chloropropyltrimethoxysilane, bis (triethoxysilylpropyl) tetrasulfide, γ-isocyanate Propyltriethoxysilane, γ-triethoxysilyl-N- (1,3-dimethyl-butylidene) propylamine, N- (vinylbenzylamine) -β-aminoethyl-γ-aminopropyl Can be mentioned trimethoxysilane, etc., can use these alone or in combination of two or more.
[0022]
Examples of the titanate coupling agent include isopropyl triisostearoyl titanate, isopropyl tris (dioctyl pyrophosphate) titanate, isopropyl tri (N-aminoethyl-aminoethyl) titanate, isopropyl tridecylbenzenesulfonyl titanate, and tetraoctyl bis. (Ditridecyl phosphite) titanate, bis (dioctyl pyrophosphate) oxyacetate titanate, isopropyltridodecylbenzenesulfonyl titanate, tetraisopropylbis (dioctylphosphite) titanate, tetra (2,2-diallyloxymethyl-1-butyl) Bis- (ditridecyl) phosphite titanate, bis (dioctyl pyrophosphate) ethylene titanate, Propyltrioctanoyl titanate, isopropyl dimethacrylisostearoyl titanate, isopropyl isostearoyl diacryl titanate, isopropyl tri (dioctyl phosphate) titanate, isopropyl tricumyl phenyl titanate, dicumyl phenyloxy acetate titanate, diisostearoyl ethylene titanate, etc. These can be used alone or in combination of two or more.
[0023]
In addition, examples of the aluminum-based coupling agent include acetoalkoxyaluminum diisopropylate and the like.
Examples of the zirconium-based coupling agent include tetrapropyl zirconate, tetrabutyl zirconate, tetrakis (acetylacetonate) zirconium, monobutoxytris (acetylacetonate) zirconium, dibutoxybis (acetylacetonate) zirconium, and tributoxy. Zirconium acetylacetonate, zirconium tetra (ethylacetylacetate), zirconium monobutoxytris (ethylacetylacetate), zirconium dibutoxybis (ethylacetylacetate), zirconium tetrakis (ethyllactonate), bis (bisacetylacetonate) bis (ethylacetyl) Acetonate) zirconium, monoacetylacetonate tris (ethylacetylacetonate) zirconium Beam, can be exemplified monobutoxy monoacetylacetonate bis (ethyl acetylacetonate) zirconium, can use these alone or in combination of two or more.
[0024]
The form in which the P component is contained in the composite film is not particularly limited, but usually exists mainly in the form of a phosphorus-based oxide. Therefore, in this case, the composite film is a phosphorus-based oxide film containing a specific coupling agent, a metal element, and the like. And, since this film contains a specific metal element and / or an N component at a specific composition ratio with respect to the P component, it covers the surface of the zinc-based plating layer very uniformly. Direct contact of the mold can be effectively suppressed.
[0025]
The metal elements or N components contained in the composite coating are Mg, Al, Ca, Ti, Fe, Co, Cu, Mo, Ni, Mn, NH4Or one or more selected from the group consisting of When these components are contained in the film, the solubility of the film in the degreasing step or the chemical conversion step is increased, and sound phosphate crystals are formed, so that the uniform coverage of the film can be enhanced. Usually, there is a degreasing step for removing press oil as a pretreatment of the chemical conversion treatment step. However, since the composite coating of the present invention contains the above-mentioned metal element or N component, most of it is removed in the degreasing step ( In addition, the film is almost completely dissolved in the subsequent chemical conversion treatment step, so that sound phosphate crystals are formed. Furthermore, even if the degreasing solution is deteriorated, or the degreasing process is not sufficiently performed in a portion where the degreasing solution does not sufficiently flow in, etc., the zinc-based plated steel sheet of the present invention has good chemical conversion treatment properties. Obtainable. This is because the solubility of the composite film appropriately occurs not only in the degreasing solution but also in the chemical conversion treatment solution.
[0026]
When an aqueous solution containing only phosphoric acid is used to form the film, the phosphoric acid etches the plating surface to form an insoluble film containing a large amount of zinc, and the uniformity of crystallinity decreases. It is considered that it becomes difficult to completely cover the surface of the plating layer in the state described above. On the other hand, the above metal elements and NH4 +Is present in the aqueous solution as ions, the reactivity of the treatment solution is suppressed, and as a result, etching of the plating surface by phosphoric acid is suppressed, and the incorporation of zinc into the film is reduced, so that it is difficult to form an insoluble film, On the other hand, the metal element or NH4It is considered that the P and P components form a network to form a film that uniformly covers the plating layer surface.
[0027]
The state in which the metal element is present in the film is not particularly limited, and may exist in any state such as a metal state, an oxide, and a compound with phosphoric acid.
In addition, the above NH4There is no particular limitation on the form in which the film is present, and nitrogen-based oxides (eg, ammonium phosphate) and nitrogen / phosphorus-based compounds (ZnNH4PO4) May exist in any form.
[0028]
Next, the content of each of the above-mentioned film components will be described. First, if the coupling agent is excessively present in the film, the film components remain in the chemical conversion treatment step, which hinders the formation of phosphate crystals. In addition, the chemical conversion property decreases. Therefore, the mass ratio (γ) / (δ) of the content (γ) of the coupling agent and the content (δ) of the P component (where P component is P2O5Conversion) is set to 2.0 or less from the viewpoint of chemical conversion treatment. On the other hand, if (γ) / (δ) is less than 0.002, the effect of improving the adhesive compatibility (particularly, the adhesiveness of the rubber-based adhesive) by the addition of the coupling agent cannot be sufficiently obtained. (Δ) is 0.002 or more. From the above viewpoint, a particularly preferable range of (γ) / (δ) is 0.002 to 1.0.
[0029]
Further, the metal element (one or more of Mg, Al, Ca, Ti, Fe, Co, Cu, Mo, Ni, and Mn) and / or an N component (NH4) And the molar amount (β) of the P component (α) / (β) (where the P component is P2O5Conversion) is set to 0.2 to 6.0. If (α) / (β) is less than 0.2, the film is likely to be insoluble due to the excess of the P component relative to the metal component and the like, and the chemical conversion property is lowered, and the crystal component is easily formed. And the uniform covering property is also reduced. On the other hand, when (α) / (β) exceeds 6.0, the metal element component and the like become excessive, so that the uniformity of the film is reduced and the effect of improving press formability is small. Furthermore, due to the low stability of the film, when stored in a humid environment or in a dew environment, a part of the film dissolves and acts as an electrolyte, causing corrosion of the galvanized steel sheet. .
[0030]
The more preferable range of (α) / (β) is 0.2 to 1.0. A film having (α) / (β) of 1.0 or more is disadvantageous in forming a uniform film because the metal element component and the P component tend to be crystalline, and the press formability is slightly inferior.
In addition, since the composite coating of the present invention has excellent chemical conversion treatment properties (film removal properties) by containing the above-mentioned coating components, Zn supplied from the zinc-based plated steel sheet is present in the composite coating. You may.
[0031]
Next, from the viewpoint of adhesive compatibility, the operation of the composite coating and preferable conditions for the coating composition will be described.
Normally, in the field of automobiles and home electric appliances, steel sheets are joined to each other with an adhesive for the purpose of reinforcing a welded portion or enhancing corrosion resistance. Various adhesives are used industrially, and epoxy, PVC, and rubber adhesives are mainly used in the field of automobiles and home appliances. When joining steel plates with such an adhesive, the presence of a film provided to enhance lubrication properties may significantly reduce the adhesive joining properties. This tendency is particularly high in a conventional lubricating film, and improvement thereof has been desired.
[0032]
In the case of an epoxy adhesive, the wettability of the adhesive itself is good, the adhesive wraps well into the gap on the surface of the steel sheet, and the strength of the epoxy resin itself is large, so that the influence of the surface state of the steel sheet is small. However, in the case of a PVC-based adhesive or a rubber-based adhesive, the compatibility with a film provided for improving the slidability at the time of press molding is not always good, so that the adhesiveness may not be good. Then, as a result of examining a film component effective for such an adhesive, the following points became clear.
[0033]
First, when using a PVC-based adhesive, by including a metal with a low surface potential in the film, the bonding strength between these metal components present on the bonding surface and the adhesive is improved, and the bonding strength is increased. I understood. Examples of the metal having a low surface potential include Pt, Au, Ag, Fe, and Ti. Among them, it has been found that Fe is particularly effective. Therefore, when a PVC-based adhesive is used, Fe is preferably used as the metal element contained in the film. Also in this case, for the same reason as described above, the ratio (α) / (β) of the molar amount of Fe (α) to the molar amount of P component (β) (where P component is P2O5Conversion) is set to 0.2 to 6.0, preferably 0.2 to 1.0.
The form in which Fe is present is not particularly specified, and may be in any state such as a metal state, an oxide, and a compound with a phosphoric acid component.
[0034]
On the other hand, with regard to the adhesiveness of the rubber-based adhesive, it was found that the coupling agent contained in the composite film worked very effectively. That is, it has been found that in a film containing a P component (mainly a phosphorus-based oxide) and a coupling agent as in the composite film of the present invention, the adhesiveness of the rubber-based adhesive is significantly improved. Although the reason is not necessarily clear, functional groups having a high binding property to the film and the adhesive (for example, SH group, COOH group, and OH group) on the surface of the composite film chemically bond to the adhesive component, It is considered that the bonding strength is improved by the SH group, COOH group, and OH group having high compatibility with the resin in the adhesive.
[0035]
Further, among the coupling agents, a silane coupling agent is particularly preferred because of its excellent reactivity.
Further, among silane coupling agents, particularly when a silane coupling agent having an SH group as a functional group is used, particularly excellent adhesiveness can be obtained. This is considered to be because the SH component of the SH group promotes vulcanization of the rubber-based adhesive to form a reaction layer at the interface between the composite film and the adhesive.
[0036]
The coating amount of the composite coating of the present invention is 5 to 300 mg / m as P amount.2And the particularly preferable adhesion amount is 30 to 150 mg / m2It is. 5 mg / m of P as P2If less than 300 mg / m, the effect of improving press formability cannot be sufficiently obtained.2If it exceeds 300, the chemical conversion property will decrease. In addition, since the ratio of the P adhesion amount to the film adhesion amount differs depending on the film components, the adhesion amount of the film itself is not specified uniquely, but is generally 300 to 1500 mg / m 2.2The degree is appropriate.
The form of the composite film of the present invention may be basically either crystalline or amorphous.However, from the viewpoint of uniform film formation and film removal during chemical conversion treatment, amorphous is preferred. A form in which the main component is a part of which is crystalline is more preferable. In addition, H as crystallization water accompanying crystal components in the film2O component, H mixed in amorphous film2O components and the like may be contained.
[0037]
Next, a method for producing the zinc-based plated steel sheet of the present invention will be described.
In the production method of the present invention, one or more couplings selected from a silane coupling agent, a titanate coupling agent, an aluminum coupling agent, and a zirconium coupling agent are applied to the surface of the plating layer of the zinc-based plated steel sheet. Agent, Mg, Al, Ca, Ti, Fe, Co, Cu, Mo, Ni, Mn, NH4 +One or more metal element components selected from and / or NH4 +And an aqueous solution for film formation containing a phosphoric acid component, and then dried without washing with water.
According to such a manufacturing method, a zinc-based plated steel sheet in which a hard and high-melting-point film having high solubility (removability) is densely and uniformly formed on the surface of the zinc-based plating layer can be obtained.
[0038]
Usually, in order to form a phosphorus-containing film such as a phosphate treatment film, a treatment such as immersion in an aqueous solution containing phosphate ions is performed. In general, a phosphate containing a cation other than an alkali metal is insoluble in a neutral or alkaline region, so that an aqueous solution thereof is acidic. In addition, a mixed aqueous solution of these cation components and phosphoric acid easily precipitates, and usually, when phosphate ions are present in excess with respect to cations, they can stably exist as an aqueous solution.で は In such an aqueous solution containing excess phosphoric acid, zinc is easily etched, and the eluted zinc reacts with phosphate ions to easily form crystals or to form a reaction layer containing zinc at the interface. As described above, if there are many crystalline components in the coating, these crystalline components peel off during press molding and accumulate between the mold and inhibit the slidability. Tends to occur. Further, since the zinc and the film form a reaction layer, the film is hardly detached in the chemical conversion treatment step, and the chemical conversion property is not sufficient. On the other hand, the aqueous solution for film formation used in the present invention regulates the ratio of the cation component and the phosphate component as described later, suppresses the reactivity of the treatment solution by lowering the phosphate ion concentration with respect to the cation, and performs plating. The feature is that the etching of zinc in the layer is suppressed as much as possible.
[0039]
In the production method of the present invention, the base material zinc-coated steel sheet to which the film-forming aqueous solution is applied is as described above, but before applying the film-forming aqueous solution to the zinc-coated steel sheet, plating is performed. A treatment such as a surface activation treatment may be performed. Examples of the activation treatment include dipping in an alkaline aqueous solution and an acidic aqueous solution and spraying.
In the aqueous solution for film formation, in addition to the above-mentioned coupling agent, a phosphoric acid component, and Mg, Al, Ca, Ti, Fe, Co, Cu, Mo, Ni, Mn, NH4 +One or more selected from the above are added. Among these, the phosphoric acid component is added to the aqueous solution as a source of the P component in the composite coating, and the cation component is also added to the aqueous solution as a source of the metal element or the like.
[0040]
The details of the coupling agent and the cationic component are as described above. Further, the aqueous solution for forming a film used in the present invention does not gel even when the coupling agent coexists with the phosphoric acid component and the cationic component, and the solution exists stably. It is considered that this is because the pH of the solution does not increase significantly because the amount of the coupling agent added is appropriate. Further, it is considered that these coupling agents have good water solubility and do not form a stable compound even when they coexist with an inorganic component such as phosphoric acid.
Further, in the production method of the present invention, the action of the coupling agent added to the aqueous solution for film formation improves the wettability of the aqueous solution with respect to the zinc-based plating layer, and facilitates uniform film formation on the surface of the plating layer. There is also an advantage.
[0041]
When a rubber-based adhesive is used for joining steel plates, it is preferable to use a silane coupling agent as the coupling agent as described above. Among the silane coupling agents, those having an SH group as a functional group are preferable. By using such a silane coupling agent, particularly excellent adhesive compatibility can be obtained when a rubber-based adhesive is used.
[0042]
The state of the phosphate component (phosphate ion) contained in the aqueous solution for film formation varies depending on the pH of the aqueous solution, the degree of polymerization of phosphoric acid to be added, the oxidation state, and the like. It includes all phosphoric acids such as condensed phosphoric acid such as orthophosphoric acid, pyrophosphoric acid, tripolyphosphoric acid, tetrapolyphosphoric acid, and hexametaphosphoric acid, and phosphorous acid and hypophosphorous acid.
[0043]
The mass ratio (γ) / (δ) of the content of the coupling agent (γ) and the content of the phosphoric acid component (δ) in the aqueous solution for film formation (where the phosphoric acid component is P2O5Conversion) is set to 0.002 to 2.0. When (γ) / (δ) exceeds 2.0, the amount of the coupling agent in the formed film becomes excessive, so that the film components remain in the chemical conversion treatment step, which inhibits the formation of phosphate crystals. Therefore, the chemical conversion property is reduced. On the other hand, if (γ) / (δ) is less than 0.002, the effect of improving the adhesive compatibility by the addition of the coupling agent cannot be sufficiently obtained. From the above viewpoint, a particularly preferable range of (γ) / (δ) is 0.002 to 1.0.
[0044]
Further, metal cations (one or more of Mg, Al, Ca, Ti, Fe, Co, Cu, Mo, Ni, and Mn) as a cation component or / and NH4 +Ratio (α) / (β) of the total molar amount (α) and the molar amount (β) of the phosphoric acid component (where the phosphoric acid component is P2O5Conversion) is set to 0.2 to 6.0. If (α) / (β) is less than 0.2, a phosphoric acid component is excessively present, so that a crystal component is easily formed, and therefore, the uniform covering property of the film is reduced, and excellent slidability during press molding is obtained. Is difficult to obtain. Further, since the film is less likely to be detached, the chemical conversion property is also reduced. On the other hand, when (α) / (β) exceeds 6.0, the metal component becomes excessive, so that the uniformity of the film is reduced and the effect of improving the press formability is small.
[0045]
The more preferable range of (α) / (β) is 0.2 to 1.0. A coating formed with a coating forming aqueous solution having (α) / (β) of 1.0 or more is disadvantageous for forming a uniform coating because the metal element component and the P component are likely to be crystalline, and the press formability is poor. Somewhat inferior.
In addition, as described above, when a PVC-based adhesive is used for joining steel sheets, Fe is preferably used as the metal cation to be contained in the aqueous solution for film formation. Also in this case, the ratio of the molar amount of Fe (α) to the molar amount of the phosphoric acid component (β) (α) / (β) (the phosphoric acid component is P2O5Conversion) is set to 0.2 to 6.0, preferably 0.2 to 1.0.
[0046]
As a method of applying the aqueous solution for forming a film on the surface of the zinc-based plated steel sheet, any method such as an application method, an immersion method, and a spray method can be adopted. As a coating method, any method such as a roll coater (three-roll method, two-roll method, etc.), a squeeze coater, a die coater, and the like may be used. In addition, after the coating, dipping, or spraying with a squeeze coater or the like, it is also possible to adjust the coating amount, uniform the appearance, and uniform the film thickness by an air knife method or a roll drawing method.
[0047]
After the application of the aqueous solution for film formation, heating and drying are performed without washing with water. For the heating and drying treatment, a dryer, a hot-blast furnace, a high-frequency induction heating furnace, an infrared furnace, or the like can be used. The heat treatment is desirably performed at the ultimate plate temperature of 50 to 200C, preferably 50 to 140C. If the heating temperature is lower than 50 ° C., a large amount of moisture in the film remains, and stain-like defects are likely to occur. If the heating temperature exceeds 200 ° C., it is uneconomical.
[0048]
The temperature of the aqueous solution for film formation is not particularly limited, but is preferably about 20 to 70 ° C. When the temperature of the aqueous solution is lower than 20 ° C., the stability of the liquid decreases. On the other hand, when the temperature exceeds 70 ° C., equipment and heat energy for maintaining the aqueous solution at a high temperature are required, which increases the production cost and is uneconomical. .
In addition, as a manufacturing method of the galvanized steel sheet of the present invention, in addition to the manufacturing method described above, for example, Mg, Al, Ca, Ti, Fe, Co, Cu, Mo, Ni, Mn, NH4 +An aqueous solution containing one or more cation components selected from the group consisting of a cation component and a phosphoric acid component is applied and dried, and then a silane coupling agent, a titanate coupling agent, an aluminum coupling agent, a zirconium A method may be employed in which an aqueous solution containing one or more coupling agents selected from the coupling agents is applied and then dried. In this case, a composite film in which the coupling agent is concentrated on the surface layer is generally formed.
[0049]
【Example】
Using the following base material plated steel sheets, zinc-based plated steel sheets of the present invention examples and comparative examples were produced.
GA: alloyed hot-dip galvanized steel sheet (plating film composition: 10 mass% Fe, balance Zn), coating weight per side: 45 g / m2
GI: hot-dip galvanized steel sheet, coating weight per side: 90 g / m2
EG: Electrogalvanized steel sheet, coating weight per side: 50 g / m2
[0050]
The base material-plated steel sheet was subjected to a solvent degreasing treatment using toluene before applying an aqueous solution for forming a film to remove rust-preventive oil.
The aqueous solution for film formation used was adjusted to have the components shown in Tables 1 to 4 based on the aqueous solution of the following (1) or (2).
(1) A phosphate aqueous solution prepared by mixing an oxide or hydroxide containing various cationic components and orthophosphoric acid in a predetermined ratio with deionized water.
(2) A phosphoric acid aqueous solution prepared by mixing a metal salt containing various cationic components and orthophosphoric acid in a predetermined ratio with deionized water.
[0051]
An aqueous solution for forming a film (room temperature) shown in Tables 1 to 4 was applied to the surface of the base material-plated steel sheet at room temperature by a roll coater or a bar coater, and dried by heating (attained plate temperature: 80 ° C.) to form a film. Formed. The amount of the film adhered was appropriately adjusted according to the concentration of the added component in the aqueous solution and the coating conditions (roll rolling force, rotation speed, bar coater count, etc.).
The coating weight of the composite coating of the manufactured galvanized steel sheet was measured as follows.
The composite film of the zinc-based plated steel sheet with different film adhesion was dissolved and peeled off with the diluted hydrochloric acid together with the plating layer, and the P concentration in the solution was quantified by ICP analysis. Separately, the fluorescent X-ray intensity of P was measured at the center of the position where the dissolution was performed. From these values, the relationship (relational expression) between the amount of P attached obtained by ICP and the X-ray fluorescence intensity of P was determined. The fluorescent X-ray intensity of P was measured for each of the manufactured test materials, and the amount of P attached was obtained from the relational expression obtained above. Further, the amounts of P components related to (α) / (β) and (γ) / (δ) were also determined based on the P adhesion amount.
[0052]
Further, the amount of metal element present in the composite coating was determined as follows. First, after dissolving the composite film together with the plating film in an aqueous hydrochloric acid solution, the dissolved film constituting elements were quantified. On the other hand, the metal layer component obtained by dissolving the plating layer of the zinc-based plated steel sheet before the formation of the composite coating with an aqueous hydrochloric acid solution and quantifying the coating constituent elements in the same manner and dissolving the composite coating together with the plating layer described above. The amount was subtracted from the amount, and this was defined as the amount of the element constituting the film. In addition, NH present in the composite film4The amount was determined as follows. First, after dissolving the composite film together with the plating film in an aqueous hydrochloric acid solution, ammonium in the solution is released by distillation and absorbed in an alkaline aqueous solution, and the ammonium concentration in this solution is quantified by indophenol blue absorption spectrophotometry. NH in4The amount was determined.
The content of the coupling agent in the composite film was determined by quantifying SH groups or epoxy groups on the film surface using infrared spectroscopy, or by quantifying Ti, Al or Zr.
[0053]
The following performance evaluation tests were performed on the manufactured galvanized steel sheets. The results are shown in Tables 5 to 16 together with the manufacturing conditions of the zinc-based plated steel sheet.
(A) Press formability
In order to evaluate press formability, the friction coefficient of each sample was measured as follows using the friction coefficient measuring device of FIG. As shown in FIG. 1, a sample 1 for measuring a friction coefficient collected from a specimen is fixed to a sample table 2. The sample table 2 is fixed to an upper surface of a horizontally movable slide table 3. On the lower surface of the slide table 3, there is provided a vertically movable
[0054]
(B) Chemical conversion treatment
Assuming the state of the sample after press molding, after applying a lubricating oil (“NOXLAST 550HN” manufactured by Parker Kosan Co., Ltd.) to the sample, degreasing → water washing → drying → surface conditioning → chemical conversion → water washing under the following conditions → A chemical conversion treatment was performed by drying.
(I) Degreasing: Degreasing treatment with “FC-4460” manufactured by Nippon Parkerizing Co., Ltd., spraying for 120 seconds (spray pressure 1 kgf / cm)2), Temperature 43 ° C
(Ii) Surface treatment: Surface treatment using “PL-Z” manufactured by Nippon Parkerizing Co., Ltd., 1.5 g / l, immersion for 20 seconds, room temperature
(Iii) Chemical conversion treatment: Chemical conversion treatment using “PB-3080” manufactured by Nippon Parkerizing Co., Ltd., immersion time 120 seconds, 43 ° C.
[0055]
The phosphate crystal morphology of the sample after the chemical conversion treatment was observed by SEM and evaluated as follows.
A: The average phosphate crystal size is less than 8 μm, and there is no invisibility and densely formed.
:: The average phosphate crystal size is 8 μm or more and less than 12 μm, and there is no invisibility and densely formed.
−-: Average phosphate crystal size is 12 μm or more, but no scalability is observed.
Δ: An average phosphate crystal size is less than 12 μm, and a portion where no phosphate crystals are formed densely and a portion where no phosphate crystals are formed are mixed.
X: The average phosphate crystal is coarsened (12 μm or more), and a lot of scars are observed. Alternatively, no phosphate crystals have grown.
[0056]
(C) Adhesion (adhesive compatibility)
1. Preparation of test piece
1.1.試 験 Test piece using PVC adhesive
After removing the rust preventive oil of the sample of 25 mm × 200 mm by solvent degreasing, lubricating oil (“NOXLAST 550HN” manufactured by Parker Kosan Co., Ltd.) was applied. This sample was made into a pair, and a PVC-based hemming adhesive was applied in a range of 25 mm × 140 mm (no adhesive was applied to 50 mm from the end of the sample), and as shown in FIG. The pieces were bonded via a spacer having a thickness of .15 mm, baked at 160 ° C. for 10 minutes, and then left at room temperature for 24 to 72 hours. Thereafter, the end of each sample was bent outward at a right angle to prepare a test piece shown in FIG.
1.2.試 験 Test specimen using epoxy adhesive or rubber adhesive
After removing the rust-preventive oil of the sample of 25 mm × 100 mm by solvent degreasing, lubricating oil (“Preton R352L” manufactured by Sugimura Chemical Co., Ltd.) was applied. This sample was made into a pair, and an epoxy-based hemming adhesive or a rubber-based spot sealer adhesive was applied in a range of 25 mm × 25 mm, and bonded together via a 1 mm-thick spacer. After baking for 20 minutes, it was left at room temperature for 24 to 72 hours to prepare a test piece shown in FIG.
[0057]
2.強度 Measurement of strength by tensile test
2.1.試 験 Specimen using PVC adhesive
Each test piece was subjected to a T-type adhesion test using a tensile tester. In this T-type adhesion test, two samples of a test piece bonded with an adhesive were pulled in a direction perpendicular to the bonding surface, and the average strength until the bonding surface was peeled was measured.
2.2.試 験 Test specimen using epoxy adhesive or rubber adhesive
Each test piece was subjected to a shear adhesion test using a tensile tester. In this shear adhesion test, two samples of a test piece bonded with an adhesive were pulled in the same plane direction as the bonding surface, and the maximum strength until the bonding surface was peeled off was measured.
[0058]
3. Evaluation of peel interface
3.1.試 験 Specimen using PVC adhesive or epoxy adhesive
With respect to each test piece from which the adhesive surface was peeled off, the peeling interface was observed to determine the area ratio of the cohesively peeled portion, and the evaluation was made as follows.
◎: 100% of the peeled surface is cohesive peeling.
Good: 70% or more and less than 100% of the peeled surface is cohesive failure, and the rest is interfacial peeling. −-: 50% or more and less than 70% of the peeled surface is cohesive failure, and the remainder is interfacial peeling.
B: 30% or more and less than 50% of the peeled surface is cohesive failure, and the remainder is interfacial peeling.
X: All of the peeled surfaces are interfacial peeled.
3.2.試 験 Specimen using rubber adhesive
For each test piece from which the adhesive surface was peeled off, the peeling interface was observed to determine the area ratio of the part where the cohesive peeling was carried out.
[0059]
(D) Liquid stability
The aqueous solution for forming a film was filled in a sealed transparent container having a capacity of 100 cc in which the inside could be observed, and the container was allowed to stand in a constant temperature bath at 40 ° C. The solution was observed once a day to evaluate the number of days required for precipitation to occur.
A: No precipitation occurs even after 30 days from bathing of the coating solution.
:: Precipitation occurs 7 to 29 days after bathing the coating solution.
Δ: Precipitation occurs 3 to 6 days after bathing the coating solution.
×: Precipitation occurs one to two days after bathing the coating solution.
[0060]
[Table 1]
[0061]
[Table 2]
[0062]
[Table 3]
[0063]
[Table 4]
[0064]
[Table 5]
[0065]
[Table 6]
[0066]
[Table 7]
[0067]
[Table 8]
[0068]
[Table 9]
[0069]
[Table 10]
[0070]
[Table 11]
[0071]
[Table 12]
[0072]
[Table 13]
[0073]
[Table 14]
[0074]
[Table 15]
[0075]
[Table 16]
[0076]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a galvanized steel sheet having excellent press formability, chemical conversion property, and adhesive compatibility can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view showing a friction coefficient measuring device.
FIG. 2 is an explanatory view showing the shape and dimensions of a bead in FIG.
FIG. 3 is an explanatory diagram showing the shape and dimensions of a test piece used in a T-type adhesion test.
FIG. 4 is an explanatory view showing the shape and dimensions of a test piece used in a shear adhesion test.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Sample for friction coefficient measurement, 2 ... Sample stand, 3 ... Slide table, 4 ... Roller, 5 ... Slide table support, 6 ... Bead, 7 ... First load cell, 8 ... Second load cell
Claims (10)
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JP2008208393A (en) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Jfe Steel Kk | Surface treated galvanized steel sheet excellent in corrosion resistance and surface appearance after being subjected to continuous high-speed press forming, and its production method |
JP2009185366A (en) * | 2008-02-08 | 2009-08-20 | Nippon Paint Co Ltd | Water base surface treating composition |
CN115613022A (en) * | 2022-09-28 | 2023-01-17 | 湖南金裕环保科技有限公司 | Chromium-free natural color passivating agent for aluminum and aluminum alloy and preparation method thereof |
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2002
- 2002-07-17 JP JP2002208869A patent/JP2004052021A/en active Pending
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