JP2004044880A - 伝熱体並びにこの伝熱体を使用した熱交換器 - Google Patents
伝熱体並びにこの伝熱体を使用した熱交換器 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】流体が内部を流動可能な伝熱管3の内周壁に、複数個の内壁突起4を一定の間隔を介して突出した伝熱体1、及びこの伝熱体1を一定間隔で複数本組付けた多管式熱交換器もしくは上記伝熱体1を、熱交換部に配置したラジエーター組込式オイルクーラーである。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、EGRガス冷却装置等の多管式の熱交換器や、プレート式の熱交換器等にて、冷却水、冷却風、カーエアコン用冷媒、その他の冷却媒体と、EGRガス、オイル等との熱交換を行うために用いる、伝熱体並びにこの伝熱体を使用した熱交換器に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のエンジン等では、排気ガスの一部を排気ガス系から取り出して、再びエンジンの吸気系に戻し、混合気や吸入空気に加えるEGRシステムが、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンともに用いられていた。EGRシステム、特にディーゼルエンジンの高EGR率のクールドEGRシステムでは、排気ガス中のNOxを低減し、燃費の悪化を防止するとともに、過剰な温度上昇によるEGRバルブの機能低下や耐久性の低下を防止するため、高温化したEGRガスを冷却水、冷却風、冷媒、その他の冷却媒体で冷却する装置を設けている。
【0003】
このEGRガス冷却装置は、図3に示す如く、EGRガスが内部を流通可能な複数の細径の伝熱体を配置し、この伝熱体の外側に冷却水や冷却風、冷媒等の冷却媒体を流通させる事により、伝熱体を介してEGRガスと冷却媒体との熱交換を行うものである。
【0004】
この伝熱体は、流体の流通する内周面が平滑なものであると、流動抵抗を殆ど受けないため、EGRガスが伝熱体内に於いて乱流となりにくく、伝熱体の中心付近を管軸方向に流動するEGRガスが、径方向の位置をあまり変化する事なく高速に流動する。そのため、この中心付近を流動するEGRガスは、冷却媒体との熱交換が殆ど行われない。
【0005】
この不具合を解消するため、特開平11−108578号公報記載の従来技術では、伝熱管の内部に、この伝熱管の全長に渡る長尺な螺旋状の突条を設けて伝熱体を形成し、この伝熱体内に、螺旋状に形成した平板状のフィンを挿入配置している。また、特開平2001−289583号公報記載の従来技術では、伝熱体の断面形状を二葉状乃至四葉状の形状として伝熱管の内部の略全長に渡って螺旋状のなだらかな突条が形成されるように伝熱体を構成している。
【0006】
上述の如く伝熱体に設けた螺旋状の突条やフィンにより、伝熱体内を直線的に高速通過しようとするEGRガスを撹拌して、流れを強制的に乱流化している。この乱流化により、EGRガスの伝熱体内の流動距離を長くし、伝熱体との接触時間を長くして、EGRガスと伝熱体との接触頻度を高めて、伝熱体外表面を介してEGRガスと冷却媒体との熱交換を効率的に行おうとするものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、EGRガスと伝熱体との接触頻度を多くして、伝熱体でのEGRガスの滞在時間を長くすると、熱交換効率が向上する反面、伝熱体を通過する際のEGRガスへの流動抵抗が大きくなる。したがって、結果として得られる管内流量が低下し、期待したほど伝熱性能を向上することができない。また、熱伝達率を向上させても伝熱面積はそれほど増加させられないため、熱伝達率と伝熱面積の積で与えられる熱通過率若しくは熱抵抗を余り改善することができない。また、伝熱体のガス側に堆積するカーボン等の汚れ物質によりこれらの突起又は溝が埋まり、長時間の使用による伝熱性能の低下が著しくなることがある。そのため、伝熱体通過後のEGRガスの圧力損失も大きく、EGRガス冷却装置からインテークマニホール側にEGRガスを円滑に戻しにくいものであった。
【0008】
本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、伝熱体の熱伝達性を高めて、伝熱体内部を流動する流体と、該伝熱体の外部を流動する流体との熱交換を効率的に行うだけでなく、伝熱体内を流動する流体の圧力損失の増加を良好に緩和可能とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の如き課題を解決するため、第1の発明は、流体が内部を流動可能な伝熱管の内周壁に、複数個の内壁突起を一定の間隔を介して突出して成る伝熱体である。
【0010】
第2の発明は、流体が内部を流動可能な伝熱管の内周壁に、複数個の内壁突起を一定の間隔を介して突出した伝熱体を、複数本組付けて成る多管式熱の交換器である。
【0011】
第3の発明は、流体の流動が可能な間隔を介して対向するプレートの流通経路方向に、複数個の内壁突起を一定の間隔を介して突出して成るプレート式の熱交換器である。
【0012】
また、複数個の内壁突起は、伝熱管の内周壁に、周方向及び軸方向に間隔を設けて突設したものであっても良い。
【0013】
また、複数個の内壁突起の突出量は、伝熱管の内壁に付着する事が予想される汚れ物質の体積高さ以上であって、伝熱管の半径以下であっても良い。
【0014】
【作用】
本発明の伝熱体は上述の如く構成したものであり、第1の発明の伝熱体内を、冷却水、EGRガス、オイル等の流体が流動すると、この伝熱体の外表面を介して、内部の流体と外部の流体との熱交換が行われる。この内部の流体と外部の流体との熱交換は、複数個の内壁突起を一定の間隔を介して突設した伝熱管の内部を、冷却対象であるガスが通過していく際に、流れ方向の複数の内壁突起間の隙間が圧力損失の増加を緩和させ、かつ周方向の複数の内壁突起が、通過していくガスの乱流促進を促すことにより熱伝達率の向上に寄与する。
【0015】
また、複数の内壁突起により伝熱面積を著しく増加させることができる。これらの作用により、伝熱性能が良く、圧力損失の小さい伝熱体が実現できる。その結果、動作点での流速を向上させ、かつ流速あたりの伝熱性能を向上させた伝熱管が得られ、熱交換器のボトルネックであるガス側の熱通過率を上げることにより全体の熱通過率を、ひいては熱交換器効率を著しく改善することができる。
【0016】
また、内壁突起の先端は伝熱管の内周面に対して、更にガス側に近い温度になるためにカーボン等の汚れ物質が堆積しにくくなる。更に内壁突起の高さを、予想されるカーボン等の汚れ物質の堆積高さよりも高くすることで前記効果が経時変化により損なわれることがなくなる。
【0017】
また、流体が伝熱体内を流動する際に、この内壁突起により流通経路の断面積が狭くなり、流体の流れが絞られる。従来の伝熱体に於いて、流体は中央の流動速度に比較して伝熱体の内表面付近では流体の流動速度が遅く境界層が厚いものであったが、本発明においては、内壁突起による流れの絞り作用により、内表面付近に於いても流動速度が高速化する。従って、流体の境界層が薄くなり、流体から伝熱体内表面への熱伝達性が向上する。更に、伝熱体内表面に付着した汚れ物質の剥離が促進され、熱伝達性の向上に寄与するとともに、汚れ物質の塊化を防止し、目詰まり等による装置のトラブルを防ぐ事もできる。
【0018】
そして、伝熱体には内壁突起を一定間隔で複数個設けているので、上記流れの絞り作用と流通経路の復元による乱流化を繰り返すものとなり、伝熱体の全長に渡って熱伝達性が向上する。そして、伝熱体内部を流動する流体と伝熱体外部の流体との熱交換が促進され、温度効率が向上するとともに、伝熱体内表面及び中央を流通する流体の全体が、ムラ無く均一に冷却又は加熱されるものとなる。また、温度効率が向上するだけでなく、伝熱体内を流動する流体の流動速度が衰えず、伝熱体内を流動する事による流体の圧力損失の増加を良好に緩和する事ができる。
【0019】
また、上記伝熱体は、自動車のエンジン、その他内燃機関、冷暖房等、熱交換を行う何れの装置にも用いる事ができる。そして、上記第1発明の伝熱体を、エンジンのEGRガス冷却装置、その他の多管式熱交換器に組付ければ、EGRガスの冷却を効率的に行う事ができる。従って、EGRシステム、特にディーゼルエンジンの高EGR率のクールドEGRシステムに放いて、排気ガス中のNOxを低減できるとともに、燃費の悪化も防止する事ができる。また、過剰な温度上昇を防止して、EGRバルブの劣化や機能低下も確実に防止する事ができる。更に、EGRガスの圧力損失の増加も良好に緩和して、各装置内でのEGRガスの円滑な流通が可能となる。
【0020】
また、プレート式の熱交換器の第3の発明に於いて、流体の流動が可能な間隔を介して対向するプレートの流通経路方向に、複数個の内壁突起を一定の間隔を介して突出した場合にも、上記の伝熱管に複数個の内壁突起を突出した場合と同様の技術効果を得る事が可能となる。すなわち、プレートの流通経路を、流体が流動すると、内部の流体と外部の流体との熱交換は、複数個の内壁突起の隙間が圧力損失の増加を緩和させ、かつ通過していくガスの乱流促進を促すことにより熱伝達率の向上に寄与するとともに内壁突起により伝熱面積を著しく増加させることができる。また、内壁突起はカーボン等の汚れ物質を堆積しにくくするとともに内壁突起により流通経路の断面積が狭くなり、流体の流れが絞られ内表面付近に於いても流動速度が高速化し、流体の境界層が薄くなり、流体から伝熱体内表面への熱伝達性が向上し、内表面に付着した汚れ物質の剥離が促進される。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の伝熱体を、自動車のクールドEGRシステムに於けるEGRガス冷却装置に使用した一実施例を図面に於て詳細に説明すれば、(1)は伝熱体で、内部の流通経路(2)をEGRガスが流通可能な細径の金属製の伝熱管(3)で形成している。この伝熱管(3)は、図1、図2に示す如く、円筒状に形成し外径D’7.Omm、肉厚tO.4mm、内径D6.2mm、長さ200mmとしている。そして、この伝熱管(3)の内部には、高さhが1mm、周方向の幅wt及び流れ方向の幅wlが各1mmの円柱状の内壁突起(4)を突出している。この内壁突起(4)の突出は、周方向に6列均等間隔で配置され、流れ方向のスペースsは4mmとしている。
【0022】
また、他の異なる第2実施例の伝熱体(1)は、第1実施例と同様に、伝熱管(3)を円筒状に形成し長さ200mm、外径D’7.Omm、肉厚tO.4mm、内径D6.2mmとし、内部には、高さhが1mm、周方向の幅wt及び流れ方向の幅wlが各1mmの円柱状の内壁突起(4)を突出している。しかし、この第2実施例では図4に示す如く、内壁突起(4)に対応する伝熱管(3)の外面に、内壁突起(4)ど同一寸法の外壁突起(5)を突出固定している。この外壁突起(5)の突出により、伝熱管(3)の外周を流通する流体との熱交換効率を高いものとすることができる。
【0023】
また、図10に示す伝熱体(1)は第2実施例に対する比較例であって、伝熱管(3)の外面に、内壁突起(4)を形成せずに、外壁突起(5)のみを突出固定したものである。この方法に於いても、伝熱管(3)のみで形成した伝熱体(1)に比較すれば、伝熱管(3)の外周を流通する流体との熱交換効率を優れたものとすることができるが、伝熱管(3)の内部に内壁突起(4)を突出した場合に比較すると、通過していくガスの乱流促進を促す事ができないとか、カーボン等の汚れ物質の付着による種々の弊害を防止できない等、本発明の前述の技術効果を得ることができないものである。
【0024】
また、上記第1、第2実施例では、伝熱管(3)を円筒状に形成したが、他の異なる第3実施例では、図5に示す如く、伝熱管(3)を断面正方形の筒状に形成する。内壁突起(4)の寸法、形成数等は上記の第1、第2実施例と同様である。このように伝熱管(3)を断面正方形に形成することにより、内壁突起(4)相互の間隔を一定としながら密度を高く配置する事が可能である。特に、矩形断面の伝熱管(3)内に配置する場合好都合なものである。
【0025】
また、更に、他の異なる第4実施例では、図6に示す如く、伝熱管(3)を断面長方形の筒状に形成する。内壁突起(4)の寸法は、上記の第1、第2実施例と同様であるが、形成数は長方形の長辺に多くの内壁突起(4)を配置し、短辺を少ないものとしている。図6に示す実施例では、長方形の長辺に片側3個の内壁突起(4)を配置し、短辺には片側1個の内壁突起(4)を配置している。このように構成する事により、第3実施例と同様に、内壁突起(4)相互の間隔を一定としながら密度を高く配置する事が可能であり、矩形断面の伝熱管(3)内に配置する場合好都合なものになる。また、長方形の長辺に多くの内壁突起(4)を配置し、短辺を少ないものとすることにより、エンジンなどからの振動による加振力に対する方向性を備える事が出来、高い耐振、耐久信頼性を得る事が可能となる。
【0026】
上述の如き伝熱体(1)を使用したEGRガス冷却装置(6)を、図3に示す。このEGRガス冷却装置(6)は、円筒状若しくは非円筒状の胴管(7)の両端に、内部を密閉可能にチューブシート(8)を一対、接続している。そして、この一対のチューブシート(8)間に、本実施例の伝熱体(1)を複数本、チューブシート(8)を貫通して接続配置している。また、胴管(7)の両端には、EGRガスの導入口(10)と導出口(11)とを設けたボンネット(12)を接続している。
【0027】
更に、胴管(7)の外周には、エンジン冷却水、冷却風、カーエアコン用冷媒等の冷却媒体の流入口(13)と流出口(14)を設ける事により、一対のチューブシート(8)で仕切られた気密空間内を、冷却媒体が流通可能な冷却部(15)としている。また、この冷却部(15)内に、複数の支持板(16)を接合配置し、この支持板(16)に設けた挿通孔(17)に、伝熱体(1)を挿通する事により、バッフルプレートとして伝熱体(1)を安定的に支持するとともに、冷却部(15)内を流動する冷却媒体の流れを蛇行化している。
【0028】
そして、上述の如きEGRガス冷却装置(6)に於いて、導入口(10)から胴管(7)内に高温化したEGRガスを導入すると、このEGRガスは胴管(7)内に複数配置した伝熱体(1)内に流入する。この伝熱体(1)を配置した冷却部(15)では、予め伝熱体(1)の外部にエンジン冷却水等の冷却媒体を流通しているので、伝熱体(1)の外表面を介してEGRガスと冷却媒体とで熱交換が行われる。
【0029】
そして、従来の伝熱体では、内部を流動するEGRガスは、中央の流動速度に比較して伝熱体の内表面付近では流体の流動速度が遅く境界層が厚くなり、熱交換率が低下し、汚れ物質の剥離作用も乏しかった。しかし、本発明では、伝熱体(1)内を、冷却水、EGRガス、オイル等の流体が流動すると、この伝熱体(1)の外表面を介して、内部の流体と外部の流体との熱交換が行われ、この熱交換は、複数個の内壁突起(4)を一定の間隔を介して突設した伝熱管(3)の内部を、冷却対象であるガスが通過していく際に行われる。そして、流れ方向の複数の内壁突起(4)間の隙間が圧力損失の増加を緩和させ、かつ周方向の複数の内壁突起(4)が通過していくガスの乱流促進を促すことにより熱伝達率の向上に寄与する。
【0030】
また、複数の内壁突起(4)により伝熱面積を著しく増加させることができる。これらの作用により、伝熱性能が良く圧力損失の増加を緩和する伝熱体(1)が実現できる。その結果動作点での流速を向上させ、かつ流速あたりの伝熱性能を向上させた伝熱体(1)が得られ、熱交換器のボトルネックであるガス側の熱通過率を上げることにより全体の熱通過率を、ひいては熱交換器効率を著しく改善することができる。
【0031】
また、内壁突起(4)の先端は伝熱管(3)の内周面に対して、更にガス側に近い温度になるためにカーボン等の汚れ物質(9)が堆積しにくくなる。さらに、内壁突起(4)の高さを、予想される汚れ物質(9)の堆積高さよりも高くすることで上記効果が経時変化により損なわれることがなくなる。
【0032】
そして、流体が伝熱体(1)内を流動する際に、この内壁突起(4)により流通経路の断面積が狭くなり、流体の流れが絞られる。そして、流体は中央の流動速度に比較して伝熱体(1)の内表面付近では流体の流動速度が遅く境界層が厚いものであったが、内壁突起(4)による流れの絞り作用により、内表面付近に於いても流動速度が高速化する。従って、流体の境界層が薄くなり、流体から伝熱体(1)の内表面への熱伝達性が向上する。更に、伝熱体(1)の内表面に付着した汚れ物質(9)の剥離が促進され、熱伝達性の向上に寄与するとともに、汚れ物質(9)の塊化を防止し、目詰まり等による装置のトラブルを防ぐ事もできる。
【0033】
そして、伝熱体(1)には、内壁突起(4)を一定間隔で複数個設けているので、上記流れの絞り作用と流通経路(2)の復元による乱流化を繰り返すものとなり、伝熱体(1)の全長に渡って熱伝達性が向上する。そして、伝熱体(1)内部を流動する流体と伝熱体(1)外部の流体との熱交換が促進され、温度効率が向上するとともに、伝熱体(1)内表面及び中央を流通する流体の全体がムラ無く均一に冷却又は加熱されるものとなる。また、温度効率が向上するだけでなく、伝熱体(1)内を流動する流体の流動速度が衰えず、伝熱体(1)内を流動する事による流体の圧力損失の増加を良好に緩和する事ができる。
【0034】
このような良好な冷却効果と圧力損失の増加を緩和する効果により、EGRガスは、導出口(11)を介してEGRガス冷却装置(6)から流出し、インテークマニホールド側に高速かつ円滑に戻される。従って、EGRバルブの高温化を防止して、EGRバルブの優れた機能性と耐久性を得る事ができるとともに、吸入空気の温度を低下するのでNOxの低減と良好な燃費が可能となる。また、伝熱体(1)内での汚れ物質(9)の剥離が促進されて、大きな塊となるのを防ぐ事ができるから、インテークマニホールドから吸引される、汚れ物質(9)によるエンジントラブルを防ぐ事も可能となる。
【0035】
また、上記第1〜第4実施例では、EGRガス冷却装置(6)に伝熱体(1)を組付けているが、エンジンオイル、ミッションオイル、ATF、パワステオイル等の高温オイルを内部に流通させて、この高温オイルをエンジン冷却水で冷却するラジエーターへの組込式オイルクーラーの熱交換部に、本発明の伝熱体(1)を配置する事もできる。このオイルクーラー(18)は、第5実施例に於いて、図7に示す如く、ラジエーター(20)に、内部をエンジン冷却水が流通するロアータンク(21)を取り付け、このロアータンク(21)内の胴管(7)に、オイル流入口(22)とオイル流出口(図示せずを設けて、胴管(7)内部の冷却部(15)内を被冷却オイルが流通可能としている。
【0036】
また、胴管(7)は、壁面に螺旋状の凸溝(23)を設ける事により、冷却部(15)を流通する被冷却オイルを乱流化し、熱交換効率を高めている。そして、この冷却部(15)内に、内部をエンジン冷却水が流通する伝熱体(1)を挿入配置している。この伝熱体(1)を介して、伝熱体(1)内を流通するエンジン冷却水と伝熱体(1)外部を流通する被冷却オイルとの熱交換を行い、被冷却オイルを冷却するものである。そして、伝熱体(1)の優れた熱交換効果により、伝熱特性の高いオイルクーラー(18)を得る事ができる。尚、冷却部(15)内には、タービュレーターを設けると、熱交換効果が更に良好なものとなる。
【0037】
また、上記の各実施例では伝熱体(1)を断面円形、断面正方形、断面長方形等の筒型に形成した。しかし、異なる第6実施例では、図8、図9に示す如く、プレート式の熱交換器(24)に本発明を用いるものである。そして、流体の流動が可能な間隔を介して対向するプレート(25)の流通経路(2)方向に、複数個の内壁突起(4)を一定の間隔を介して突出することにより構成する。
【0038】
この第6実施例に於いても、上記の断面円形、断面正方形、断面長方形等の筒型に形成した伝熱管(1)に複数個の内壁突起(4)を突出した場合と同様の技術効果を得る事が可能となる。すなわち、プレート(25)の流通経路(2)を、流体が流動すると、内部の流体と外部の流体との熱交換は、複数個の内壁突起(4)の隙間が圧力損失の増加を緩和させ、かつ通過していくガスの乱流促進を促すことにより熱伝達率の向上に寄与するとともに内壁突起(4)により伝熱面積を著しく増加させることができる。また、内壁突起(4)はカーボン等の汚れ物質を堆積しにくくするとともに内壁突起(4)により流通経路(2)の断面積が狭くなり、流体の流れが絞られ内表面付近に於いても流動速度が高速化し、流体の境界層が薄くなり、流体から伝熱体内表面への熱伝達性が向上し、内表面に付着した汚れ物質の剥離が促進される。
【0039】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成したもので、複数個の内壁突起を一定の間隔を介して突設した伝熱管の内部を、冷却対象であるガスが通過していく際に、流れ方向の複数の内壁突起間の隙間が圧力損失の増加を緩和させ、かつ周方向の複数の内壁突起が通過していくガスの乱流促進を促すことにより熱伝達率の向上に寄与する。また、複数の内壁突起により伝熱面積を著しく増加させることができる。これらの作用により、伝熱性能が良く圧力損失の小さい伝熱体が実現できる。
【0040】
その結果動作点での流速を向上させ、かつ流速あたりの伝熱性能を向上させた伝熱体が得られ、熱交換器のボトルネックであるガス側の熱通過率を上げることにより全体の熱通過率を、ひいては熱交換器効率を著しく改善することができる。また、内壁突起の先端は伝熱管の内周面に対して、更にガス側に近い温度になるためにカーボン等の汚れ物質(9)が堆積しにくくなる。
【0041】
また、流体の流動が可能な間隔を介して対向するプレートの流通経路方向に、複数個の内壁突起を一定の間隔を介して突出したプレート式の熱交換器に本発明を適用した場合も、上記の伝熱管と同様の技術効果を得る事が出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図。
【図2】第1図のA−A線断面図。
【図3】本発明の伝熱体を複数本組み付けた、EGRガス冷却装置の断面図。
【図4】本発明の第2実施例を示す断面図。
【図5】本発明の第3実施例を示す断面図。
【図6】本発明の第4実施例を示す断面図。
【図7】本発明の第5実施例を示す断面図。
【図8】本発明の第6実施例を示す断面図。
【図9】図8のB−B線拡大断面図。
【図10】比較例の断面図。
【符号の説明】
1 伝熱体
3 伝熱管
4 内壁突起
24 プレート式の熱交換器
25 プレート
Claims (7)
- 流体が内部を流動可能な伝熱管の内周壁に、複数個の内壁突起を一定の間隔を介して突出した事を特徴とする伝熱体。
- 流体が内部を流動可能な伝熱管の内周壁に、複数個の内壁突起を一定の間隔を介して突出した伝熱体を、複数本組付けた事を特徴とする多管式の熱交換器。
- 流体の流動が可能な間隔を介して対向するプレートの流通経路方向に、複数個の内壁突起を一定の間隔を介して突出した事を特徴とするプレート式の熱交換器。
- 複数個の内壁突起は、伝熱管の内周壁に、周方向及び軸方向に間隔を設けて突設したことを特徴とする請求項1の伝熱体。
- 複数個の内壁突起は、伝熱管の内周壁に、周方向及び軸方向に間隔を設けて突設したことを特徴とする請求項2の多管式熱交換器。
- 複数個の内壁突起の突出量は、伝熱管の内壁に付着する事が予想される汚れ物質の体積高さ以上であって、伝熱管の半径以下であることを特徴とする請求項1の伝熱体。
- 複数個の内壁突起の突出量は、伝熱管の内壁に付着する事が予想される汚れ物質の体積高さ以上であって、伝熱管の半径以下であることを特徴とする請求項2の多管式熱交換器。
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