JP2004044029A - 発光型衣服及び衣服発光データ供給方法並びにその方法をコンピュータにより実行するためのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】衣服の所定の箇所で所定の発光量だけの光を発し、さらに、ユーザの意志や衣服の統合的なデザイン及びファッション性を考慮した発光パターンを得ることが可能な発光型衣服及び衣服発光データ供給方法並びにその方法をコンピュータにより実行するためのプログラムを提供する。
【解決手段】衣服本体１３に取り付けられ、内部を光が伝導可能であり、かつ、所定の発光箇所１２Ａ、１２Ｂ、１４Ａ、１４Ｂ、１６で外部に発光することにより、衣服本体の一部からの発光を可能とするライトガイド１１と、ライトガイド内部に光を供給する光供給手段５０と、光供給手段を制御して、ライトガイドの所定の発光箇所から発せられる光量を制御し、衣服本体の所望の箇所から所望の発光量を得るための制御手段（制御手段１８及び制御装置２０）とを設けた。
【選択図】 図１
【解決手段】衣服本体１３に取り付けられ、内部を光が伝導可能であり、かつ、所定の発光箇所１２Ａ、１２Ｂ、１４Ａ、１４Ｂ、１６で外部に発光することにより、衣服本体の一部からの発光を可能とするライトガイド１１と、ライトガイド内部に光を供給する光供給手段５０と、光供給手段を制御して、ライトガイドの所定の発光箇所から発せられる光量を制御し、衣服本体の所望の箇所から所望の発光量を得るための制御手段（制御手段１８及び制御装置２０）とを設けた。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光型衣服及び衣服発光データ供給方法並びにその方法をコンピュータにより実行するためのプログラムに関し、特に、衣服のデザインの管理に関する発光型衣服及び衣服発光データ供給方法並びにその方法をコンピュータにより実行するためのプログラムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
衣服の商品価値は、そのデザインやファッション性などにより左右されるが、衣服を着用する個人ユーザの好みに応じて、そのデザインやファッション性を変化させたいという要望が高まってきている。かかる要望に対し、衣服の一部にパットやワイヤを装着することによって所望の形状とする技術、金糸や銀糸（通常、ラメと呼ばれる）などを織り込んだり、カラフルな色彩に染色したりすることによって所望の色彩とする技術などが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の衣服では、色彩や形状のデザインやファッション性を変えても、特に、さらに奇抜な衣服を着用したいという個人ユーザの好みを十分に反映させることはできなかった。また、色彩や形状を変えても、例えば、夜などの暗い時間帯や屋内などの暗い場所では目立たず、衣服のデザインやファッション性を十分に周囲にアピールすることができなかった。また、衣服から光が発せられるようにして、衣服を着用しているユーザの個性を表現したり、ユーザの感情や気持ちの表現を行ったりする方法はほとんどなく、わずかに、歌手などの芸能人が、人目を集めるために、衣服にあらかじめ電球やＬＥＤなどを取り付けておき、この電球やＬＥＤを無闇に発光させるものしかなかった。すなわち、ユーザの意志や衣服の統合的なデザイン及びファッション性を考慮して、衣服の所定の箇所に所望の発光を的確に得て、さらに、衣服全体の統合的なデザインとして、所望の発光パターンを的確に得ることは困難であった。
【０００４】
上記問題に鑑み、本発明は、ユーザの意志や衣服の統合的なデザイン及びファッション性を考慮して、衣服の所望の箇所から光を発することが可能であり、さらに、衣服全体とのバランスを考慮した所望の発光パターンを得ることが可能な発光型衣服及び衣服発光データ供給方法並びにその方法をコンピュータにより実行するためのプログラムを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の発光型衣服を、衣服本体に取り付けられ、内部を光が伝導可能であり、かつ、所定の発光箇所で外部に発光することにより、衣服本体の一部からの発光を可能とするライトガイドと、ライトガイド内部に光を供給する光供給手段と、光供給手段を制御して、ライトガイドの所定の発光箇所から発せられる光量を制御し、衣服本体の所望の箇所から所望の発光量を得るための制御手段とにより構成する。
この構成により、衣服の所定の箇所で所定の発光量だけ、光を発することが可能となる。
【０００６】
さらに、上記本発明において、制御手段が、光供給手段を制御して、ライトガイドの所定の発光箇所から発せられる光の色を制御し、衣服本体の所望の箇所から所望の色の光を得ることが可能な構成とする。
この構成により、衣服の所定の箇所で所定の色の光を発することが可能となる。
【０００７】
さらに、上記本発明において、制御手段が、光供給手段を制御して、ライトガイドの所定の発光箇所から発せられる光の発光タイミング及び／又は発光時間を制御し、衣服本体の所望の箇所から所望のタイミング及び所望の時間、光を得ることが可能な構成とする。
この構成により、衣服の所定の箇所で所定の発光タイミング及び／又は発光時間量だけ、光を発することが可能となる。
【０００８】
さらに、上記本発明において、ライトガイドの所定の発光箇所が、衣服本体の複数の箇所に設けられ、複数の箇所からの発光によって所望の発光パターンを得ることが可能な構成とする。
この構成により、ユーザの意志や衣服の統合的なデザイン及びファッション性を考慮した発光パターンを衣服上に得ることが可能となる。
【０００９】
さらに、上記本発明において、ライトガイドが、ライトガイドの周面から発光可能な部材によって構成され、ライトガイドの所定の発光箇所が、ライトガイドの周面である構成とする。
この構成により、ライトガイドに沿って、所定の発光箇所を設定することが可能となる。
【００１０】
さらに、上記本発明において、ライトガイドが、光供給手段から光が供給される一端とは異なる別の一端から発光可能な部材によって構成され、ライトガイドの所定の発光箇所が、ライトガイドの別の一端である構成とする。
この構成により、ライトガイドの端部に、所定の発光箇所を定めることが可能となる。
【００１１】
さらに、上記本発明において、制御手段が、手動の光供給調整手段を有している構成とする。
この構成により、この発光型衣服を着用しているユーザが、自分の好み、感情や気持ちに応じて、発光の制御を行うことが可能となる。
【００１２】
さらに、上記本発明において、制御手段が、所定のプログラムに従って、ライトガイドの所定の発光箇所を所定光量だけ発光させることが可能な構成とする。
この構成により、あらかじめ所定のプログラムによって定められた発光量の制御を行うことが可能となる。
【００１３】
さらに、上記本発明において、制御手段が、所定のプログラムに従って、ライトガイドの所定の発光箇所を所定の色に発光させることが可能な構成とする。
この構成により、あらかじめ所定のプログラムによって定められた発光の色の制御を行うことが可能となる。
【００１４】
さらに、上記本発明において、制御手段が、所定のプログラムに従って、ライトガイドの所定の発光箇所を所定の発光タイミング及び／又は発光時間だけ発光させることが可能な構成とする。
この構成により、あらかじめ所定のプログラムによって定められた発光タイミング及び／又は発光時間の制御を行うことが可能となる。
【００１５】
さらに、上記本発明において、所定のプログラムが、着脱可能な記憶媒体から供給される構成とする。
この構成により、あらかじめ記憶媒体に記憶された所定のプログラムを用いて、発光の制御を行うことが可能となる。
【００１６】
さらに、上記本発明において、制御手段が通信手段を有し、所定のプログラムが通信手段を介して外部から供給される構成とする。
この構成により、ネットワークなどを介して、外部から供給される所定のプログラムを用いて、発光の制御を行うことが可能となる。
【００１７】
また、本発明では、衣服本体と、衣服本体に取り付けられ、内部を光が伝導可能であり、かつ、所定の発光箇所で外部に発光することにより、衣服本体の一部からの発光を可能とするライトガイドと、ライトガイド内部に光を供給する光供給手段と、所定のプログラムに従って、光供給手段を制御してライトガイドの所定の発光箇所から発せられる光量を変化させ、衣服本体の所望の箇所から所望の発光量を得るための制御手段とを有する発光型衣服を用いて、発光型衣服を販売するショップ側がその発光型衣服を購入したユーザに対して、当該ユーザの好みに応じて、所望の衣服発光データを含む所定のプログラムを供給するようにしている。
これにより、発光型衣服を販売するショップ側が、ユーザに対して、ユーザの好みに応じた発光を可能とする所定のプログラムを供給することが可能となる。また、本発明は、上記の方法をコンピュータにより実行するためのプログラムとして実現可能である。
【００１８】
さらに、上記本発明において、所定のプログラムが、着脱可能な記憶媒体から供給されるようにしている。
これにより、ショップ側からユーザに対して、あらかじめ所定のプログラムが記憶された記憶媒体が供給され、ユーザはこの所定のプログラムを用いて、発光の制御を行うことが可能となる。また、本発明は、上記の方法をコンピュータにより実行するためのプログラムとして実現可能である。
【００１９】
さらに、上記本発明において、制御手段が通信手段を有し、所定のプログラムが通信手段を介して外部から供給される構成とする。
この構成により、ショップ側からユーザに対して、ネットワークなどを介して、所定のプログラムが供給され、ユーザはこの所定のプログラムを用いて、発光の制御を行うことが可能となる。また、本発明は、上記の方法をコンピュータにより実行するためのプログラムとして実現可能である。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の発光型衣服及び衣服発光データ供給方法の好ましい実施の形態について説明する。図１は、本発明に係る発光型衣服及びこれを含むシステムの好ましい実施の形態の概略構成を示す図である。本発明に係る発光型衣服１０は、衣装本体１３、これに取り付けられた複数の可塑性を有するライトガイド１１、ライトガイド１１に設けられた発光箇所１２Ａ、１２Ｂ、１４Ａ、１４Ｂ、１６から光が発せられるようライトガイド１１内部に光を供給するための光供給手段５０、後述の制御装置２０からの制御信号を受けて、光供給手段５０による光の供給の制御を行う制御手段１８を有している。なお、光供給手段５０は、ライトガイド１１内部に光を供給する光量や光の色などを変化させることが可能である。
【００２１】
図１に示す発光型衣服１０では、発光箇所１２Ａ、１２Ｂ、１４Ａ、１４Ｂ、１６が、衣服本体１３の両肩部、左右胸部、下腹部に設けられている。図２（ａ）〜（ｃ）は、本発明に係る発光型衣服に取り付けられるライトガイドの第１及び第３の例を示す模式図である。
【００２２】
例えば、図２（ａ）には、光供給手段５０からライトガイド１１内部に供給された光が、ライトガイド１１の端部５１で放射される様子が描かれている。このようなライトガイド１１を用いて、衣服本体１３上の発光させたい箇所にその端部５１を取り付けることにより、発光型衣服１０の一部を発光させることが可能となる。なお、図２（ａ）に示すライトガイド１１は、例えば、高純度石英ファイバや、被膜を有する高分子樹脂ファイバなどによって実現可能である。
【００２３】
また、図２（ｂ）には、光供給手段５０からライトガイド１１内部に供給された光が、ライトガイド１１の周面５２全体から放射される様子が描かれている。このようなライトガイド１１を用いて、衣服本体１３上の発光させたい箇所にその周面５２が配置されるよう取り付けることにより、発光型衣服１０の一部を発光させることが可能となる。なお、図２（ｂ）に示すライトガイド１１は、例えば、被膜が除去された高純度石英ファイバ、純度の低い石英ファイバ、高分子樹脂ファイバ（プラスチックファイバ）などによって実現可能である。
【００２４】
また、図２（ｃ）には、光供給手段５０からライトガイド１１内部に供給された光が、ライトガイド１１の所定の箇所で放射される様子が描かれている。このようなライトガイド１１を用いて、衣服本体１３上の発光させたい箇所にその所定の箇所が配置されるよう取り付けることにより、発光型衣服１０の一部を発光させることが可能となる。なお、図２（ｃ）に示すライトガイド１１の所定の箇所は、例えば、ライトガイド１１の被膜を部分的に除去した被膜除去部５３や、内部の光の一部が外部に放出されるよう、２本のライトガイド１１が接着されたライトガイド結合部５４などによって実現可能である。なお、図２（ａ）〜（ｃ）のライトガイド１１は一例であり、光を供給及び発光することが可能なその他の光伝送媒体を用いることも可能である。また、複数のライトガイド１１を束ねて用いることも可能である。
【００２５】
上記のように、ライトガイド１１の種類やその配置箇所によって、発光型衣服１０上の所望の箇所から光が発せられるようにすることが可能となる。すなわち、発光型衣服１０上の所望の箇所に発光箇所１２Ａ、１２Ｂ、１４Ａ、１４Ｂ、１６を設けることによって、衣服全体とのバランスを考慮した所望の発光パターンや、所定の記号や文字などの形状、模様などを浮かび上がらせる発光パターンなどを作ることが可能となる。なお、本明細書では、複数の発光箇所１２Ａ、１２Ｂ、１４Ａ、１４Ｂ、１６の配置によって衣服上に浮かび上がる形状や模様などを発光パターンと呼ぶ。
【００２６】
また、発光型衣服１０は、さらに、光供給手段５０からライトガイド１１に供給される光量や供給する光の色などを制御する制御信号を生成する制御手段２０を有している。制御装置２０は、インターフェイス（Ｉ／Ｆ）２２、３２、ＣＰＵ（中央演算処理装置）２４、通信手段２６、操作手段２８、記憶手段としてのメモリ３０、外部記憶手段３４を受け入れるスロット３６を有している。
【００２７】
ＣＰＵ２４は、制御装置２０における処理及び制御を行うための処理手段である。また、通信手段２６は、インターネット４０を介してショップ４２のサーバや端末と通信するためのものであり、図示省略のアンテナなどを有する。なお、図１では、通信手段２６がインターネット４０と通信可能なように図示されているが、図示省略の無線ＬＡＮなどを介してインターネットに接続するよう構成することも可能である。また、操作手段２８は、ライトガイド１１に光を供給する光供給手段５０の操作や、その他の操作を行うことが可能となるボタンを有している。また、メモリ３０は、ＣＰＵ２４を動作させる制御プログラムやデータなどがあらかじめ格納されているＲＯＭ部分と、ＣＰＵ２４の動作上データなどを一時保存するＲＡＭ部分を有している。
【００２８】
また、インターフェイス２２は、制御手段１８に対して、制御装置２０で生成された制御信号の伝送を可能とする手段である。なお、制御装置２０から制御手段１８への制御信号の伝送は、有線通信又は無線通信のどちらを用いることも可能である。すなわち、制御装置２０から制御手段１８にケーブルなどの伝送媒体を介して制御信号を供給できるようにすることも可能であり、また、制御装置２０から制御手段１８に無線通信によって制御信号を供給し、制御装置２０を用いて、光供給手段５０を遠隔制御（リモートコントロール）できるようにすることも可能である。また、制御装置２０を衣服本体１３に取り付けることも可能である。
【００２９】
次に、図１における発光型衣服及びこれを含むシステムの動作について、図３のフローチャートに沿って説明する。図３のフローチャートは、制御装置２０内のＣＰＵ２４の動作を示すもので、あらかじめ、図３のフローチャートに相当するプログラムがメモリ３０に格納されており、ＣＰＵ２４は、このプログラムに従って動作するものとする。電源が投入された場合、イニシャライズ動作によって、ＣＰＵ２４内のレジスタのクリア、及び、メモリ３０の所定領域のクリアが行われる（ステップＳ１）。次いで、通信手段２６が最新のデータを受信したか否かを判断する（ステップＳ２）。最新か否かは、受信の日時をチェックするか、あるいは、データにバージョン情報が含まれている場合には、このバージョン情報をチェックすることによって行われる。なお、このデータは、例えば、各発光箇所１２Ａ他における発光の光量、色、発光タイミング、発光時間など、発光型衣服１０における発光に係る様々な情報を含むものであり、制御手段１８は、このデータに基づいて、光供給手段５０における動作の制御を行う。
【００３０】
ステップＳ２で最新のデータを受信したと判断された場合、このデータを用いて、制御装置２０は、光供給手段５０からライトガイド１１に供給される光の光量、色、供給タイミングなどを制御する制御信号を生成し、この制御信号を光供給手段５０に送信して、光供給手段の制御を行う（ステップＳ３）。なお、上述のように、制御装置２０から光供給手段５０への制御信号の送信は、有線通信又は無線通信を介して行われる。
【００３１】
また、図１では、発光箇所１２Ａ他が合計５個設けられているが、これらの発光箇所１２Ａ他における発光を制御するため、発光箇所１２Ａ他のそれぞれに導光する各ライトガイド１１への光の供給の制御を行うことも可能であり、また、一括して全ての発光箇所１２Ａ他への光の供給の制御を行うことも可能である。なお、この実施の形態では、個々の発光箇所１２Ａ他への光の供給の制御が可能なものとする。光供給手段５０の制御の結果、通信手段２６を介して受信した最新のデータに基づいて、各発光箇所１２Ａ他における発光量、色、発光タイミング、発光時間などを制御し、その結果、発光型衣服１０の所定の箇所からの発光が行われる。
【００３２】
さらに、操作手段２８のメモリボタン（図示省略）が操作されたか否かを判断する（ステップＳ７）。このメモリボタンは、ユーザが、個々の発光箇所１２Ａ他の発光量、色、発光タイミング、発光時間などが最適であると判断した場合に、その状態をメモリ３０に記憶させるためのものである。なお、メモリ３０は、不揮発性メモリであり、電源がオフとなっても記憶内容は保存される。したがって、ステップＳ７がＹＥＳとなると、現在の制御状態（発光状態及び発光パターンの状態）を内蔵メモリであるメモリ３０に記憶する（ステップＳ８）。
【００３３】
一方、ステップＳ２でＮＯと判断された場合には、外部記憶手段３４にデータが存在するか否かが判断される（ステップＳ４）。データが存在する場合には、外部記憶手段３４からのデータを用いて、前述のステップＳ３における制御と同様の制御を行い（ステップＳ５）、データが存在しない場合には、メモリ３０に記憶されているデータを用いて、前述のステップＳ３における制御と同様の制御を行う（ステップＳ６）。なお、ステップＳ３、ステップＳ５、ステップＳ６のいずれかを終了すると、前述のステップＳ７を実行する。
【００３４】
このように、図２のフローチャートによれば、光供給手段５０を制御して各発光箇所１２Ａ他における発光量、色、発光タイミング、発光時間などを制御するためのデータに関して、外部からの受信データ、外部記憶手段３４からのデータ、メモリ３０からのデータの順で優先順位が付けられることとなる。なお、優先順位は上記の例に限定されず、優先順位を変更することは自由である。特に、現在の状態をメモリ３０に記憶し、このデータを最優先したい場合には、そのようにフローチャートを変更することが可能であることは自明である。また、操作手段２８には、各ライトガイド１１又は発光箇所１２Ａ他毎に手動制御するボタンを設けることによって、個々の発光箇所１２Ａ他毎に、最適な発光状態となるよう手動で制御することが可能であり、その最適に制御された状態を記憶して、次回から用いることが可能である。
【００３５】
図１の制御装置２０及び光供給手段５０などは、全て発光型衣服１０の内部やポケットの中などに目立たないように装着可能である。また、制御信号が、制御装置２０から光供給手段５０に、無線通信によって送信可能とすることにより、制御装置２０を遠隔制御装置（いわゆるリモコン）として利用することも可能である。このように、制御装置２０による遠隔制御を可能とすることによって、ユーザは、簡単に発光制御を行うことが可能となり、また、発光型衣服１０を着用しているユーザ以外の第３者による発光制御も容易となる。また、ライトガイド１１は、衣服本体１３の表面に接着されて取り付けられることも可能であり、衣服本体１３の繊維に織り込まれるように取り付けられることも可能である。
【００３６】
なお、操作手段２８のボタンを操作することにより、様々な発光制御を行うことができ、所望の発光箇所１２Ａ他のみを発光させたり、所望の発光タイミング及び発光時間で発光させたり、所望の色で発光させたりすることが可能である。この操作により、衣服の一部のみリズミカルに発光させたり、様々な色に変化させたりすることができる。このような発光制御によって、衣服を着用しているユーザの人目を集めたいという欲求を満足させることができるのに加えて、衣服を着用しているユーザが、自分の感情や気持ちを周囲に伝えたり表現したりすることも可能となる。
【００３７】
図１では、衣服を販売したショップから発光制御に係る衣服発光データが送信される例を説明したが、ショップのホームページなどに種々のデータを保持しておき、ユーザの希望などの情報を提供することにより、最適の衣服発光データ、又は、ユーザが保有する衣服発光データの補正データである衣服発光補正データを取得するようにすることもできる。特に、この発光型衣服を購入したユーザがショップに対して会員登録するシステムとし、アパレルやスタイリスト、衣服関連雑誌などのホームページから最新の衣服発光データ又は衣服発光補正データをダウンロードできるよう構成することは、本発明の好ましい態様である。
【００３８】
このような衣服発光データ又は衣服発光補正データとしては、衣服を着用する時間と場所との関係やユーザの好みなどに応じたものとすることが可能である。したがって、上品な派手さを演出するデータや、大胆な迫力を演出するデータなどのように、ユーザのＴＰＯに合わせたデータを供給することも可能である。また、時間による制御を行うため、タイマーと連動させて、所定時刻から一定時間だけ所定の演出を行うよう構成することも可能である。また、本発明は、女性用衣服、スカート、ズボン、パンタロン、キュロット、男性用背広の上下、下着などのインナー、舞台衣装、運動用衣服、その他の衣服及び帽子やブーツ、身につける装飾品などに適用可能である。
【００３９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、衣服本体に取り付けられ、内部を光が伝導可能であり、かつ、所定の発光箇所で外部に発光することにより、衣服本体の一部からの発光を可能とするライトガイドと、ライトガイド内部に光を供給する光供給手段と、光供給手段を制御して、ライトガイドの所定の発光箇所から発せられる光量を制御し、衣服本体の所望の箇所から所望の発光量を得るための制御手段とにより構成したので、衣服の所定の箇所で所定の発光量だけ、光を発することが可能となり、ユーザの意志や衣服の統合的なデザイン及びファッション性を考慮して、衣服の所望の箇所から光を発することや、衣服全体とのバランスを考慮した所望の発光パターンを得ることが可能な発光型衣服及び衣服発光データ供給方法並びにその方法をコンピュータにより実行するためのプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る発光型衣服及びこれを含むシステムの好ましい実施の形態の概略構成を示す図
【図２】本発明に係る発光型衣服に取り付けられるライトガイドの例を示す模式図
（ａ） 本発明に係る発光型衣服に取り付けられるライトガイドの第１の例を示す模式図
（ｂ） 本発明に係る発光型衣服に取り付けられるライトガイドの第２の例を示す模式図
（ｃ） 本発明に係る発光型衣服に取り付けられるライトガイドの第３の例を示す模式図
【図３】図１の実施の形態における制御装置のＣＰＵ（中央演算処理装置）の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
１０ 発光型衣服
１１ ライトガイド
１２Ａ、１２Ｂ、１４Ａ、１４Ｂ、１６ 発光箇所
１３ 衣服本体
１８ 制御手段
２０ 制御装置（制御手段１８と共に、光供給手段５０における発光の制御を行う）
２２、３２ インターフェイス（Ｉ／Ｆ）
２４ ＣＰＵ（中央演算処理装置）
２６ 通信手段
２８ 操作手段
３０ メモリ（内蔵メモリ）
３４ 外部記憶手段（記憶媒体）
３６ スロット
４０ インターネット
４２ ショップ
５０ 光供給手段
５１ ライトガイドの端部
５２ ライトガイドの周面
５３ 被膜除去部
５４ ライトガイド結合部
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光型衣服及び衣服発光データ供給方法並びにその方法をコンピュータにより実行するためのプログラムに関し、特に、衣服のデザインの管理に関する発光型衣服及び衣服発光データ供給方法並びにその方法をコンピュータにより実行するためのプログラムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
衣服の商品価値は、そのデザインやファッション性などにより左右されるが、衣服を着用する個人ユーザの好みに応じて、そのデザインやファッション性を変化させたいという要望が高まってきている。かかる要望に対し、衣服の一部にパットやワイヤを装着することによって所望の形状とする技術、金糸や銀糸（通常、ラメと呼ばれる）などを織り込んだり、カラフルな色彩に染色したりすることによって所望の色彩とする技術などが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の衣服では、色彩や形状のデザインやファッション性を変えても、特に、さらに奇抜な衣服を着用したいという個人ユーザの好みを十分に反映させることはできなかった。また、色彩や形状を変えても、例えば、夜などの暗い時間帯や屋内などの暗い場所では目立たず、衣服のデザインやファッション性を十分に周囲にアピールすることができなかった。また、衣服から光が発せられるようにして、衣服を着用しているユーザの個性を表現したり、ユーザの感情や気持ちの表現を行ったりする方法はほとんどなく、わずかに、歌手などの芸能人が、人目を集めるために、衣服にあらかじめ電球やＬＥＤなどを取り付けておき、この電球やＬＥＤを無闇に発光させるものしかなかった。すなわち、ユーザの意志や衣服の統合的なデザイン及びファッション性を考慮して、衣服の所定の箇所に所望の発光を的確に得て、さらに、衣服全体の統合的なデザインとして、所望の発光パターンを的確に得ることは困難であった。
【０００４】
上記問題に鑑み、本発明は、ユーザの意志や衣服の統合的なデザイン及びファッション性を考慮して、衣服の所望の箇所から光を発することが可能であり、さらに、衣服全体とのバランスを考慮した所望の発光パターンを得ることが可能な発光型衣服及び衣服発光データ供給方法並びにその方法をコンピュータにより実行するためのプログラムを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の発光型衣服を、衣服本体に取り付けられ、内部を光が伝導可能であり、かつ、所定の発光箇所で外部に発光することにより、衣服本体の一部からの発光を可能とするライトガイドと、ライトガイド内部に光を供給する光供給手段と、光供給手段を制御して、ライトガイドの所定の発光箇所から発せられる光量を制御し、衣服本体の所望の箇所から所望の発光量を得るための制御手段とにより構成する。
この構成により、衣服の所定の箇所で所定の発光量だけ、光を発することが可能となる。
【０００６】
さらに、上記本発明において、制御手段が、光供給手段を制御して、ライトガイドの所定の発光箇所から発せられる光の色を制御し、衣服本体の所望の箇所から所望の色の光を得ることが可能な構成とする。
この構成により、衣服の所定の箇所で所定の色の光を発することが可能となる。
【０００７】
さらに、上記本発明において、制御手段が、光供給手段を制御して、ライトガイドの所定の発光箇所から発せられる光の発光タイミング及び／又は発光時間を制御し、衣服本体の所望の箇所から所望のタイミング及び所望の時間、光を得ることが可能な構成とする。
この構成により、衣服の所定の箇所で所定の発光タイミング及び／又は発光時間量だけ、光を発することが可能となる。
【０００８】
さらに、上記本発明において、ライトガイドの所定の発光箇所が、衣服本体の複数の箇所に設けられ、複数の箇所からの発光によって所望の発光パターンを得ることが可能な構成とする。
この構成により、ユーザの意志や衣服の統合的なデザイン及びファッション性を考慮した発光パターンを衣服上に得ることが可能となる。
【０００９】
さらに、上記本発明において、ライトガイドが、ライトガイドの周面から発光可能な部材によって構成され、ライトガイドの所定の発光箇所が、ライトガイドの周面である構成とする。
この構成により、ライトガイドに沿って、所定の発光箇所を設定することが可能となる。
【００１０】
さらに、上記本発明において、ライトガイドが、光供給手段から光が供給される一端とは異なる別の一端から発光可能な部材によって構成され、ライトガイドの所定の発光箇所が、ライトガイドの別の一端である構成とする。
この構成により、ライトガイドの端部に、所定の発光箇所を定めることが可能となる。
【００１１】
さらに、上記本発明において、制御手段が、手動の光供給調整手段を有している構成とする。
この構成により、この発光型衣服を着用しているユーザが、自分の好み、感情や気持ちに応じて、発光の制御を行うことが可能となる。
【００１２】
さらに、上記本発明において、制御手段が、所定のプログラムに従って、ライトガイドの所定の発光箇所を所定光量だけ発光させることが可能な構成とする。
この構成により、あらかじめ所定のプログラムによって定められた発光量の制御を行うことが可能となる。
【００１３】
さらに、上記本発明において、制御手段が、所定のプログラムに従って、ライトガイドの所定の発光箇所を所定の色に発光させることが可能な構成とする。
この構成により、あらかじめ所定のプログラムによって定められた発光の色の制御を行うことが可能となる。
【００１４】
さらに、上記本発明において、制御手段が、所定のプログラムに従って、ライトガイドの所定の発光箇所を所定の発光タイミング及び／又は発光時間だけ発光させることが可能な構成とする。
この構成により、あらかじめ所定のプログラムによって定められた発光タイミング及び／又は発光時間の制御を行うことが可能となる。
【００１５】
さらに、上記本発明において、所定のプログラムが、着脱可能な記憶媒体から供給される構成とする。
この構成により、あらかじめ記憶媒体に記憶された所定のプログラムを用いて、発光の制御を行うことが可能となる。
【００１６】
さらに、上記本発明において、制御手段が通信手段を有し、所定のプログラムが通信手段を介して外部から供給される構成とする。
この構成により、ネットワークなどを介して、外部から供給される所定のプログラムを用いて、発光の制御を行うことが可能となる。
【００１７】
また、本発明では、衣服本体と、衣服本体に取り付けられ、内部を光が伝導可能であり、かつ、所定の発光箇所で外部に発光することにより、衣服本体の一部からの発光を可能とするライトガイドと、ライトガイド内部に光を供給する光供給手段と、所定のプログラムに従って、光供給手段を制御してライトガイドの所定の発光箇所から発せられる光量を変化させ、衣服本体の所望の箇所から所望の発光量を得るための制御手段とを有する発光型衣服を用いて、発光型衣服を販売するショップ側がその発光型衣服を購入したユーザに対して、当該ユーザの好みに応じて、所望の衣服発光データを含む所定のプログラムを供給するようにしている。
これにより、発光型衣服を販売するショップ側が、ユーザに対して、ユーザの好みに応じた発光を可能とする所定のプログラムを供給することが可能となる。また、本発明は、上記の方法をコンピュータにより実行するためのプログラムとして実現可能である。
【００１８】
さらに、上記本発明において、所定のプログラムが、着脱可能な記憶媒体から供給されるようにしている。
これにより、ショップ側からユーザに対して、あらかじめ所定のプログラムが記憶された記憶媒体が供給され、ユーザはこの所定のプログラムを用いて、発光の制御を行うことが可能となる。また、本発明は、上記の方法をコンピュータにより実行するためのプログラムとして実現可能である。
【００１９】
さらに、上記本発明において、制御手段が通信手段を有し、所定のプログラムが通信手段を介して外部から供給される構成とする。
この構成により、ショップ側からユーザに対して、ネットワークなどを介して、所定のプログラムが供給され、ユーザはこの所定のプログラムを用いて、発光の制御を行うことが可能となる。また、本発明は、上記の方法をコンピュータにより実行するためのプログラムとして実現可能である。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の発光型衣服及び衣服発光データ供給方法の好ましい実施の形態について説明する。図１は、本発明に係る発光型衣服及びこれを含むシステムの好ましい実施の形態の概略構成を示す図である。本発明に係る発光型衣服１０は、衣装本体１３、これに取り付けられた複数の可塑性を有するライトガイド１１、ライトガイド１１に設けられた発光箇所１２Ａ、１２Ｂ、１４Ａ、１４Ｂ、１６から光が発せられるようライトガイド１１内部に光を供給するための光供給手段５０、後述の制御装置２０からの制御信号を受けて、光供給手段５０による光の供給の制御を行う制御手段１８を有している。なお、光供給手段５０は、ライトガイド１１内部に光を供給する光量や光の色などを変化させることが可能である。
【００２１】
図１に示す発光型衣服１０では、発光箇所１２Ａ、１２Ｂ、１４Ａ、１４Ｂ、１６が、衣服本体１３の両肩部、左右胸部、下腹部に設けられている。図２（ａ）〜（ｃ）は、本発明に係る発光型衣服に取り付けられるライトガイドの第１及び第３の例を示す模式図である。
【００２２】
例えば、図２（ａ）には、光供給手段５０からライトガイド１１内部に供給された光が、ライトガイド１１の端部５１で放射される様子が描かれている。このようなライトガイド１１を用いて、衣服本体１３上の発光させたい箇所にその端部５１を取り付けることにより、発光型衣服１０の一部を発光させることが可能となる。なお、図２（ａ）に示すライトガイド１１は、例えば、高純度石英ファイバや、被膜を有する高分子樹脂ファイバなどによって実現可能である。
【００２３】
また、図２（ｂ）には、光供給手段５０からライトガイド１１内部に供給された光が、ライトガイド１１の周面５２全体から放射される様子が描かれている。このようなライトガイド１１を用いて、衣服本体１３上の発光させたい箇所にその周面５２が配置されるよう取り付けることにより、発光型衣服１０の一部を発光させることが可能となる。なお、図２（ｂ）に示すライトガイド１１は、例えば、被膜が除去された高純度石英ファイバ、純度の低い石英ファイバ、高分子樹脂ファイバ（プラスチックファイバ）などによって実現可能である。
【００２４】
また、図２（ｃ）には、光供給手段５０からライトガイド１１内部に供給された光が、ライトガイド１１の所定の箇所で放射される様子が描かれている。このようなライトガイド１１を用いて、衣服本体１３上の発光させたい箇所にその所定の箇所が配置されるよう取り付けることにより、発光型衣服１０の一部を発光させることが可能となる。なお、図２（ｃ）に示すライトガイド１１の所定の箇所は、例えば、ライトガイド１１の被膜を部分的に除去した被膜除去部５３や、内部の光の一部が外部に放出されるよう、２本のライトガイド１１が接着されたライトガイド結合部５４などによって実現可能である。なお、図２（ａ）〜（ｃ）のライトガイド１１は一例であり、光を供給及び発光することが可能なその他の光伝送媒体を用いることも可能である。また、複数のライトガイド１１を束ねて用いることも可能である。
【００２５】
上記のように、ライトガイド１１の種類やその配置箇所によって、発光型衣服１０上の所望の箇所から光が発せられるようにすることが可能となる。すなわち、発光型衣服１０上の所望の箇所に発光箇所１２Ａ、１２Ｂ、１４Ａ、１４Ｂ、１６を設けることによって、衣服全体とのバランスを考慮した所望の発光パターンや、所定の記号や文字などの形状、模様などを浮かび上がらせる発光パターンなどを作ることが可能となる。なお、本明細書では、複数の発光箇所１２Ａ、１２Ｂ、１４Ａ、１４Ｂ、１６の配置によって衣服上に浮かび上がる形状や模様などを発光パターンと呼ぶ。
【００２６】
また、発光型衣服１０は、さらに、光供給手段５０からライトガイド１１に供給される光量や供給する光の色などを制御する制御信号を生成する制御手段２０を有している。制御装置２０は、インターフェイス（Ｉ／Ｆ）２２、３２、ＣＰＵ（中央演算処理装置）２４、通信手段２６、操作手段２８、記憶手段としてのメモリ３０、外部記憶手段３４を受け入れるスロット３６を有している。
【００２７】
ＣＰＵ２４は、制御装置２０における処理及び制御を行うための処理手段である。また、通信手段２６は、インターネット４０を介してショップ４２のサーバや端末と通信するためのものであり、図示省略のアンテナなどを有する。なお、図１では、通信手段２６がインターネット４０と通信可能なように図示されているが、図示省略の無線ＬＡＮなどを介してインターネットに接続するよう構成することも可能である。また、操作手段２８は、ライトガイド１１に光を供給する光供給手段５０の操作や、その他の操作を行うことが可能となるボタンを有している。また、メモリ３０は、ＣＰＵ２４を動作させる制御プログラムやデータなどがあらかじめ格納されているＲＯＭ部分と、ＣＰＵ２４の動作上データなどを一時保存するＲＡＭ部分を有している。
【００２８】
また、インターフェイス２２は、制御手段１８に対して、制御装置２０で生成された制御信号の伝送を可能とする手段である。なお、制御装置２０から制御手段１８への制御信号の伝送は、有線通信又は無線通信のどちらを用いることも可能である。すなわち、制御装置２０から制御手段１８にケーブルなどの伝送媒体を介して制御信号を供給できるようにすることも可能であり、また、制御装置２０から制御手段１８に無線通信によって制御信号を供給し、制御装置２０を用いて、光供給手段５０を遠隔制御（リモートコントロール）できるようにすることも可能である。また、制御装置２０を衣服本体１３に取り付けることも可能である。
【００２９】
次に、図１における発光型衣服及びこれを含むシステムの動作について、図３のフローチャートに沿って説明する。図３のフローチャートは、制御装置２０内のＣＰＵ２４の動作を示すもので、あらかじめ、図３のフローチャートに相当するプログラムがメモリ３０に格納されており、ＣＰＵ２４は、このプログラムに従って動作するものとする。電源が投入された場合、イニシャライズ動作によって、ＣＰＵ２４内のレジスタのクリア、及び、メモリ３０の所定領域のクリアが行われる（ステップＳ１）。次いで、通信手段２６が最新のデータを受信したか否かを判断する（ステップＳ２）。最新か否かは、受信の日時をチェックするか、あるいは、データにバージョン情報が含まれている場合には、このバージョン情報をチェックすることによって行われる。なお、このデータは、例えば、各発光箇所１２Ａ他における発光の光量、色、発光タイミング、発光時間など、発光型衣服１０における発光に係る様々な情報を含むものであり、制御手段１８は、このデータに基づいて、光供給手段５０における動作の制御を行う。
【００３０】
ステップＳ２で最新のデータを受信したと判断された場合、このデータを用いて、制御装置２０は、光供給手段５０からライトガイド１１に供給される光の光量、色、供給タイミングなどを制御する制御信号を生成し、この制御信号を光供給手段５０に送信して、光供給手段の制御を行う（ステップＳ３）。なお、上述のように、制御装置２０から光供給手段５０への制御信号の送信は、有線通信又は無線通信を介して行われる。
【００３１】
また、図１では、発光箇所１２Ａ他が合計５個設けられているが、これらの発光箇所１２Ａ他における発光を制御するため、発光箇所１２Ａ他のそれぞれに導光する各ライトガイド１１への光の供給の制御を行うことも可能であり、また、一括して全ての発光箇所１２Ａ他への光の供給の制御を行うことも可能である。なお、この実施の形態では、個々の発光箇所１２Ａ他への光の供給の制御が可能なものとする。光供給手段５０の制御の結果、通信手段２６を介して受信した最新のデータに基づいて、各発光箇所１２Ａ他における発光量、色、発光タイミング、発光時間などを制御し、その結果、発光型衣服１０の所定の箇所からの発光が行われる。
【００３２】
さらに、操作手段２８のメモリボタン（図示省略）が操作されたか否かを判断する（ステップＳ７）。このメモリボタンは、ユーザが、個々の発光箇所１２Ａ他の発光量、色、発光タイミング、発光時間などが最適であると判断した場合に、その状態をメモリ３０に記憶させるためのものである。なお、メモリ３０は、不揮発性メモリであり、電源がオフとなっても記憶内容は保存される。したがって、ステップＳ７がＹＥＳとなると、現在の制御状態（発光状態及び発光パターンの状態）を内蔵メモリであるメモリ３０に記憶する（ステップＳ８）。
【００３３】
一方、ステップＳ２でＮＯと判断された場合には、外部記憶手段３４にデータが存在するか否かが判断される（ステップＳ４）。データが存在する場合には、外部記憶手段３４からのデータを用いて、前述のステップＳ３における制御と同様の制御を行い（ステップＳ５）、データが存在しない場合には、メモリ３０に記憶されているデータを用いて、前述のステップＳ３における制御と同様の制御を行う（ステップＳ６）。なお、ステップＳ３、ステップＳ５、ステップＳ６のいずれかを終了すると、前述のステップＳ７を実行する。
【００３４】
このように、図２のフローチャートによれば、光供給手段５０を制御して各発光箇所１２Ａ他における発光量、色、発光タイミング、発光時間などを制御するためのデータに関して、外部からの受信データ、外部記憶手段３４からのデータ、メモリ３０からのデータの順で優先順位が付けられることとなる。なお、優先順位は上記の例に限定されず、優先順位を変更することは自由である。特に、現在の状態をメモリ３０に記憶し、このデータを最優先したい場合には、そのようにフローチャートを変更することが可能であることは自明である。また、操作手段２８には、各ライトガイド１１又は発光箇所１２Ａ他毎に手動制御するボタンを設けることによって、個々の発光箇所１２Ａ他毎に、最適な発光状態となるよう手動で制御することが可能であり、その最適に制御された状態を記憶して、次回から用いることが可能である。
【００３５】
図１の制御装置２０及び光供給手段５０などは、全て発光型衣服１０の内部やポケットの中などに目立たないように装着可能である。また、制御信号が、制御装置２０から光供給手段５０に、無線通信によって送信可能とすることにより、制御装置２０を遠隔制御装置（いわゆるリモコン）として利用することも可能である。このように、制御装置２０による遠隔制御を可能とすることによって、ユーザは、簡単に発光制御を行うことが可能となり、また、発光型衣服１０を着用しているユーザ以外の第３者による発光制御も容易となる。また、ライトガイド１１は、衣服本体１３の表面に接着されて取り付けられることも可能であり、衣服本体１３の繊維に織り込まれるように取り付けられることも可能である。
【００３６】
なお、操作手段２８のボタンを操作することにより、様々な発光制御を行うことができ、所望の発光箇所１２Ａ他のみを発光させたり、所望の発光タイミング及び発光時間で発光させたり、所望の色で発光させたりすることが可能である。この操作により、衣服の一部のみリズミカルに発光させたり、様々な色に変化させたりすることができる。このような発光制御によって、衣服を着用しているユーザの人目を集めたいという欲求を満足させることができるのに加えて、衣服を着用しているユーザが、自分の感情や気持ちを周囲に伝えたり表現したりすることも可能となる。
【００３７】
図１では、衣服を販売したショップから発光制御に係る衣服発光データが送信される例を説明したが、ショップのホームページなどに種々のデータを保持しておき、ユーザの希望などの情報を提供することにより、最適の衣服発光データ、又は、ユーザが保有する衣服発光データの補正データである衣服発光補正データを取得するようにすることもできる。特に、この発光型衣服を購入したユーザがショップに対して会員登録するシステムとし、アパレルやスタイリスト、衣服関連雑誌などのホームページから最新の衣服発光データ又は衣服発光補正データをダウンロードできるよう構成することは、本発明の好ましい態様である。
【００３８】
このような衣服発光データ又は衣服発光補正データとしては、衣服を着用する時間と場所との関係やユーザの好みなどに応じたものとすることが可能である。したがって、上品な派手さを演出するデータや、大胆な迫力を演出するデータなどのように、ユーザのＴＰＯに合わせたデータを供給することも可能である。また、時間による制御を行うため、タイマーと連動させて、所定時刻から一定時間だけ所定の演出を行うよう構成することも可能である。また、本発明は、女性用衣服、スカート、ズボン、パンタロン、キュロット、男性用背広の上下、下着などのインナー、舞台衣装、運動用衣服、その他の衣服及び帽子やブーツ、身につける装飾品などに適用可能である。
【００３９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、衣服本体に取り付けられ、内部を光が伝導可能であり、かつ、所定の発光箇所で外部に発光することにより、衣服本体の一部からの発光を可能とするライトガイドと、ライトガイド内部に光を供給する光供給手段と、光供給手段を制御して、ライトガイドの所定の発光箇所から発せられる光量を制御し、衣服本体の所望の箇所から所望の発光量を得るための制御手段とにより構成したので、衣服の所定の箇所で所定の発光量だけ、光を発することが可能となり、ユーザの意志や衣服の統合的なデザイン及びファッション性を考慮して、衣服の所望の箇所から光を発することや、衣服全体とのバランスを考慮した所望の発光パターンを得ることが可能な発光型衣服及び衣服発光データ供給方法並びにその方法をコンピュータにより実行するためのプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る発光型衣服及びこれを含むシステムの好ましい実施の形態の概略構成を示す図
【図２】本発明に係る発光型衣服に取り付けられるライトガイドの例を示す模式図
（ａ） 本発明に係る発光型衣服に取り付けられるライトガイドの第１の例を示す模式図
（ｂ） 本発明に係る発光型衣服に取り付けられるライトガイドの第２の例を示す模式図
（ｃ） 本発明に係る発光型衣服に取り付けられるライトガイドの第３の例を示す模式図
【図３】図１の実施の形態における制御装置のＣＰＵ（中央演算処理装置）の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
１０ 発光型衣服
１１ ライトガイド
１２Ａ、１２Ｂ、１４Ａ、１４Ｂ、１６ 発光箇所
１３ 衣服本体
１８ 制御手段
２０ 制御装置（制御手段１８と共に、光供給手段５０における発光の制御を行う）
２２、３２ インターフェイス（Ｉ／Ｆ）
２４ ＣＰＵ（中央演算処理装置）
２６ 通信手段
２８ 操作手段
３０ メモリ（内蔵メモリ）
３４ 外部記憶手段（記憶媒体）
３６ スロット
４０ インターネット
４２ ショップ
５０ 光供給手段
５１ ライトガイドの端部
５２ ライトガイドの周面
５３ 被膜除去部
５４ ライトガイド結合部
Claims (16)
- 衣服本体と、
前記衣服本体に取り付けられ、内部を光が伝導可能であり、かつ、所定の発光箇所で外部に発光することにより、前記衣服本体の一部からの発光を可能とするライトガイドと、
前記ライトガイド内部に前記光を供給する光供給手段と、
前記光供給手段を制御して、前記ライトガイドの前記所定の発光箇所から発せられる光量を制御し、前記衣服本体の所望の箇所から所望の発光量を得るための制御手段とを、
有する発光型衣服。 - 前記制御手段が、前記光供給手段を制御して、前記ライトガイドの前記所定の発光箇所から発せられる光の色を制御し、前記衣服本体の所望の箇所から所望の色の光を得ることが可能な請求項１に記載の発光型衣服。
- 前記制御手段が、前記光供給手段を制御して、前記ライトガイドの前記所定の発光箇所から発せられる光の発光タイミング及び／又は発光時間を制御し、前記衣服本体の所望の箇所から所望のタイミング及び所望の時間、光を得ることが可能な請求項１又は２に記載の発光型衣服。
- 前記ライトガイドの前記所定の発光箇所が、前記衣服本体の複数の箇所に設けられ、前記複数の箇所からの発光によって所望の発光パターンを得ることが可能である請求項１から３のいずれか１つに記載の発光型衣服。
- 前記ライトガイドが、前記ライトガイドの周面から発光可能な部材によって構成され、前記ライトガイドの前記所定の発光箇所が、前記ライトガイドの前記周面である請求項１から４のいずれか１つに記載の発光型衣服。
- 前記ライトガイドが、光供給手段から光が供給される一端とは異なる別の一端から発光可能な部材によって構成され、前記ライトガイドの前記所定の発光箇所が、前記ライトガイドの前記別の一端である請求項１から４のいずれか１つに記載の発光型衣服。
- 前記制御手段が、手動の光供給調整手段を有している請求項１から６のいずれか１つに記載の発光型衣服。
- 前記制御手段が、所定のプログラムに従って、前記ライトガイドの前記所定の発光箇所を所定光量だけ発光させることが可能である請求項１から７のいずれか１つに記載の発光型衣服。
- 前記制御手段が、所定のプログラムに従って、前記ライトガイドの前記所定の発光箇所を所定の色に発光させることが可能である請求項１から７のいずれか１つに記載の発光型衣服。
- 前記制御手段が、所定のプログラムに従って、前記ライトガイドの前記所定の発光箇所を所定の発光タイミング及び／又は発光時間だけ発光させることが可能である請求項１から７のいずれか１つに記載の発光型衣服。
- 前記所定のプログラムが、着脱可能な記憶媒体から供給される請求項８から１０のいずれか１つに記載の発光型衣服。
- 前記制御手段が通信手段を有し、前記所定のプログラムが前記通信手段を介して外部から供給される請求項８から１０のいずれか１つに記載の発光型衣服。
- 衣服本体と、
前記衣服本体に取り付けられ、内部を光が伝導可能であり、かつ、所定の発光箇所で外部に発光することにより、前記衣服本体の一部からの発光を可能とするライトガイドと、
前記ライトガイド内部に前記光を供給する光供給手段と、
所定のプログラムに従って、前記光供給手段を制御して前記ライトガイドの前記所定の発光箇所から発せられる光量を変化させ、前記衣服本体の所望の箇所から所望の発光量を得るための制御手段とを、
有する発光型衣服を用いた衣服発光データ供給方法であって、
前記発光型衣服を販売するショップ側が前記発光型衣服を購入したユーザに対して、当該ユーザの好みに応じて、所望の衣服発光データを含む前記所定のプログラムを供給する衣服発光データ供給方法。 - 前記所定のプログラムが、着脱可能な記憶媒体から供給される請求項１３に記載の衣服発光データ供給方法。
- 前記制御手段が通信手段を有し、前記所定のプログラムが前記通信手段を介して前記ショップ側から供給される請求項１３に記載の衣服発光データ供給方法。
- 衣服本体と、
前記衣服本体に取り付けられ、内部を光が伝導可能であり、かつ、所定の発光箇所で外部に発光することにより、前記衣服本体の一部からの発光を可能とするライトガイドと、
前記ライトガイド内部に前記光を供給する光供給手段と、
所定のプログラムに従って、前記光供給手段を制御して前記ライトガイドの前記所定の発光箇所から発せられる光量を変化させ、前記衣服本体の所望の箇所から所望の発光量を得るための制御手段とを、
有する発光型衣服を用いた衣服発光データ供給方法をコンピュータにより実行するためのプログラムであって、
前記発光型衣服を販売するショップ側が前記発光型衣服を購入したユーザに対して、当該ユーザの好みに応じて、所望の衣服発光データを含む前記所定のプログラムを供給する衣服発光データ供給方法をコンピュータにより実行するためのプログラム。
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Cited By (2)
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|---|---|---|---|---|
| JP2006299457A (ja) * | 2005-04-20 | 2006-11-02 | Hideo Hirose | 発光布帛または発光紐 |
| JP2013525835A (ja) * | 2010-04-16 | 2013-06-20 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 照明機能を持つ布地製品及びその製造のための方法 |
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2002
- 2002-07-15 JP JP2002204990A patent/JP2004044029A/ja active Pending
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