【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、初期筆記でインキ切れしやすいインキを使用したボールペン、インキに種々のフィラーが混入されたボールペン、紙面に筆記した筆跡が消しゴムでの擦過により容易に消去できるインキが充填されたボールペン、誤記等を白色のインキで隠蔽することで修正可能とする加圧式のボールペンに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、誤記等を修正するために白色顔料を用いた液体塗布具が知られている。又、白色顔料と溶剤が分離しやすい為にこの種の液体塗布具は可撓性のある容器にインキとボール等が封入されており、使用に際して振って攪拌する必要がある。又、インキを吐出する為に容器の側面を押圧して行うが、インキ残量が少なくなった時には容器の側壁を強く押してもインキが吐出されないという苛立たしさがある。又、初期筆記（塗布）でインキがとぎれやすい問題がある。
又、使用する度にキャップを着脱する煩わしさがある。
【０００３】
一般に粘性の低いインキ又は剪断減粘性を有したインキを使用したボールペンは、インキの流出量が多く（筆記濃度を上げるため）インキ収容管の径を太くしてインキの搭載量を多くしている。又、インキの粘度は油性ボールペンのインキに比べて小さいのでインキ収容管に対する流動抵抗は小さい。従って、インキの自重や落下あるいはノック衝撃が加わることによりインキ漏れ（インキ収容管の後端にインキが逆流する）が生じやすい。その為に、通常はインキの後端に筆記時のインキの消耗に追随して移動するが、インキの自重や衝撃に対してインキの逆流を抑制するグリース状のフォロアが、又、必要によりフォロア棒がフォロア内に浸漬されて設けられている。しかしながら、フォロアを設けても上向き筆記をした時にはチップのボール背面のインキが無くなると、インキのヘッドが直に加わる為に顕著な逆流が生じて手や衣服を汚す危険がある。又、インキの粘度が低く流出量が多いが故に、チップ側を下向きにした場合に先端ボールとチップ抱持部の隙間が生じるとインキが滲みでる（直流）問題が存在する。
特に、誤記等を修正するために白色顔料を用いた液体塗布具の場合には、インキの流量を多くすることや、乾燥による目詰まり排除などの理由で、筆圧によって先端ボールが後退する寸法が大きくとってあり、先端ボールの周面とチップのボール抱持部の内面との間の隙間が大きい。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、初期筆記でインキがとぎれやすいインキを使用したボールペン、インキに種々のフィラーが混入されたボールペン、紙面に筆記した筆跡が消しゴムでの擦過により容易に消去できるインキが充填されたボールペン、誤記等を白色のインキで隠蔽することで修正可能とするボールペンなどを加圧作用で支援して筆記可能とする。主として、酸化チタン、高分子中空微粒子等の白色顔料とゲル化剤を含み、顔料の沈降が防止されると共に流動性が損なわれないように配合された白色顔料インキと、ポンピングによる加圧機構を設けることによって、従来のように白色顔料と溶剤とが分離するような問題がなく、従ってインキを攪拌する必要がなく、筆記に際して容器の側面を押圧するようなこともない使い勝手の良い加圧式のボールペンを適正な加圧力を容易に設定して提供可能とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成する為に以下の構成を有する。
請求項１に記載の発明に係る加圧式のボールペンは、先端にボールペンのチップと後方にインキ収容管を備え、インキ収容管にインキとインキの後端にインキと追随するフォロアが充填されて、更にその後方のインキ収容管またはインキ収容管の後端に一体となるように設けられた筒体の内孔にポンピング式の加圧機構が設けられてなる加圧式のボールペンに於いて、ポンピング式の加圧機構は、フォロアの後端に対面する位置に、前端の底面に通気口となるスリ割り部を有した筒状体が設けられ、常時はスリ割り部が密閉されてフォロアの後端部が密室状態となり、外力により筒体が拡開されることによってスリ割り部が開放状態となる弁機構部と、その弁機構部の後方に、ノックスプリングによって常時後方に附勢された状態で前後退可能にノック棒が設けられて、前進させた時に通気口とノック棒の前端との間に形成される空間部が圧縮されてなるノック機構部とで構成され、またノック棒の前端には凸部が設けられており、ノック棒を前進して空間部を適宜圧縮した状態で、凸部による外力によって前記筒状体が拡開されて、スリ割り部が開放状態となるように構成されたことを特徴とする。
【０００６】
請求項２に記載の発明に係る加圧式のボールペンは、請求項１に記載の加圧式のボールペンに於いて、先端ボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に密接するように先端ボールの背面にバネ圧が付与されると共に、インキ収容管には、酸化チタン、高分子中空微粒子等の白色顔料とゲル化剤を含み、顔料の沈降が防止されると共に流動性が極力損なわれないように配合された白色顔料インキが充填されてなる。
【０００７】
【実施例】
図１乃至図５は、実施例１であるボールペン５をリフィールとしてノック式筆記具に搭載した状態を示している。このノック式筆記具は、前端及び後端を開口して側面の円周上の一部に後端縁から所要距離前方位置まで連通した軸方向の長い窓孔１ｄを穿設した軸筒１と、軸筒１の窓孔１ｄに対向する位置に上方向及び横方向に弾性変位可能な玉部１ｂを有して当該玉部１ｂには係止段部１ｃを設け、又後端部には軸筒１と接合した基部１ｅを有するクリップ１ａを樹脂により一体成形し、又前端を開口したコの字状の基部１ｅの上端にはスリットに囲まれた箇所を弾性片１ｆとなし、当該弾性片１ｆの下端には適宜傾斜面１ｇが形成されている。又、軸筒１の前端には先軸２が螺合などの手段により着脱可能で固定されている。
【０００８】
また一方、詳細は後述するが、ボールペンの継ぎ手６の前軸部６ａにリターンスプリング４を嵌装した状態で軸筒１の後端開口部から軸筒１の内部に挿入して、リターンスプリング４の前端は先軸２の内段部２ｃに当接させ、後端は継ぎ手６の段部６ｅに当接させている。
【０００９】
またノック筒３は、前端開口、後端閉塞上の筒体で、外周部の同軸線上に前方から係止突起３ａ、リブ３ｂ、セーフティ片３ｃが一体に形成されている。
ノック筒３は、その内孔に上記ボールペン５のインキ収容管１０を嵌挿させた状態で軸筒１の後端から挿入されて、係止突起３ａ、リブ３ｂ、セーフティ片３ｃが軸筒１の窓孔１ｄに嵌装し、セーフティ片３ｃの後端が上記クリップ１ａの基部１ｅに設けた弾性片１ｆの前端の段部１ｈに当接して抜け止め係止されている。
【００１０】
以上により、ノック筒３の後端を前方へ押圧すると係止突起３ａがクリップ１ａの玉部１ｂを押し上げてその前方に移動して係止段部１ｃと係合する状態に位置したときにボールペン５のチップ７が先軸２の先端孔２ａから突出する。（図２参照）と共にクリップ１ａの先端部を僅かに上方へ又は横方向へ弾性変位させて係止段部１ｃと係止突起３ａの係合を解除してリターンスプリング４によってボールペン５をセーフティ片３ｃが弾性片１ｆの段部１ｈに衝合するまで後退せしめた状態でボールペン５のチップ７が先軸２内部に没入するように各部の寸法を適宜に設定して構成している。尚、ボールペン５の交換は軸筒１から先軸２を外して行うが、ボールペン５の交換をしない使い捨ての場合には、軸筒１と先軸２は一体に形成することができる。
【００１１】
図３乃至図５は上述したボールペン５を示している。
先ず図３に示すように、ボールペン５のインキ収容管１０内には、低粘度のインキや剪断減粘性を有したインキ、主として白色顔料インキ１１が充填され、そのインキの後端にインキの消耗と共にインキと追随するグリース状のフォロア１２が充填されている。又、フォロア１２はインキと相溶性が無く又インキの蒸発を防止する性能を有している。又、必要に応じてフォロア１２内にフォロアと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒が浸漬される。尚、フォロアは例えばシリコンゴム等の追従体とすることも可能である。
【００１２】
白色顔料インキ１１は、少なくとも酸化チタン、高分子中空微粒子等の白色顔料とゲル化剤を含み、顔料の沈降が防止されると共に流動性が極力損なわれないように配合された白色顔料インキである。又、インキは剪断減粘性を有しているので先端ボールの回転で粘度が低下するのと相まって隠蔽性の高い塗布が可能である。
【００１３】
継ぎ手６は、鍔部６ｂの前方に前軸部６ａが、後方に後軸部６ｃが形成され、前軸部６ａ先端のチップ嵌着孔６ｈに先端ボール８を抱持したチップ７の軸部７ａが固着されている。
また、チップ７はインキ流入可能なチャンネルを有した座に先端ボール８が略当接した状態で、先端ボール８が回転自在に抱持されるようカシメられている。また、チップ７の内孔部にスプリング９が内挿され、チップの軸部７ａの後端が適宜カシメられてスプリング９の後端が抜出不能となされている。
【００１４】
また、スプリング９の先方には直線状の棒軸部９ａが形成され、当該棒軸部９ａの先端が先端ボール８の背面に押圧状態に当接している。また、先端ボール８はその押圧でチップ７のボール抱持部（カシメ等で形成）の内縁に密接状態と成されている。
尚、スプリングの前面に先端ボール８の背面を押圧する押し部材を設けることも、また、上記棒軸部を極細巻きのコイル状となすことも可能である。
また更に、チップを耐磨耗性やインキのシール性能に優れた樹脂成形品となして、先端ボールの背面を押圧するバネ座を一体又は別体のバネ座を設けて構成することも可能である。
【００１５】
また、先端ボール８がボール抱持部の内面に密接することはインキが高粘度であっても筆記先端の乾燥、インキの直流防止に対し極めて重要である。
即ち、本願のような主に誤記修正塗布用のボールペンは、インキの吐出量を多くする為に、筆記用のボールペンに比較して先端ボールの後退する寸法が大きく設定されている。また、必要に応じて先端ボール８を抱持するチップ内面の表面粗さ、カシメによる密接精度を改善する為に内面の研削仕上げ、カシメ精度を上げる為の二次的な塑性加工などが配慮される。また、必要によっては先端ボールとの密接面に表面処理などが配慮される。
【００１６】
またインキの逆流防止を完璧と成すために、上記チップ嵌着孔６ｄの後方に弁室を設け、弁室の後部にテーパー状又は球面状の弁体受け座と後方に連通する導孔を形成して、その弁室内に球状の弁体が遊嵌されると共に、チップ７を上向きにした状態で導孔を閉塞してインキの逆流を防止し、下向きにした状態では弁体がチップの後端孔を閉塞しない状態に規制してインキがチップ内孔部に流入するように構成することができる。尚、弁体は弁体受け座に密接する側をテーパー状又は球面状に成した軸状体とすることも可能である。
【００１７】
また、継ぎ手６の鍔部６ｂの後方には後軸部６ｃが延設され、後軸部６ｃの外周には筒状のインキ収容管１０がその前端を鍔部６ｂの後端に当接して圧入固着されている。尚、インキ収容管１０は一例として透明のＰＰ樹脂やナイロン樹脂成形品等が使用される。また、実施例は継ぎ手とインキ収容管が別部材で形成されているが、両者を一体の樹脂成形品で形成することも可能である。
【００１８】
また、インキ収容管１０の後端にはポンピング式の加圧機構が設けられる。その構成については以下に説明する。
【００１９】
ポンピング式の加圧機構は、インキ収容管内部が密室状態と成される弁機構部と、その弁機構部の後方に形成される空間部を圧縮するように設けられたノック機構部とで構成されている。
先ず、弁機構部は、インキの後端に接触してインキの消耗と共に追随するよう配設されたフォロアの後端に位置して配設される。
【００２０】
実施例に於いて弁機構部は以下の様に構成されている。
先ず、ブッシュ１３は、前端が閉塞された底面１３ｄとなった筒状体でインキ収容管１０の内孔所定位置に固定されている。また、筒状体には底面１３ｄから後方周面の軸方向にかけて、所要箇所にスリ割り部１３ｃが設けられている。
また、ブッシュ１３の内孔１３ａには段部１３ｂ（テーパー状など）が形成され、筒状部の前方外周には例えばゴムのような弾性体１４が嵌着されている。
【００２１】
また、弁機構部の後方にノック機構部が配設される。
インキ収容管１０の後端部側面に、後端側から先方に向かって細くなるテーパー状のスリット部１０ｂが形成され、その前端に段部１０ｃを有して軸方向前方所定長さのスリット部１０ａが形成されている。
また、ノック棒１５は、後端に鍔部とその前方に軸部が形成され、鍔部の前端に段部１６ｂが設けられ、軸部外周の略中間に突部１５ａと軸部外周の略前端に周状の溝部１５ｃが設けられて、その溝部１５ｃに一例としてゴム等の弾性体や弾性のある成形樹脂などより成るシールリング１６が止着されている。尚、シールリング１６は、気密性、滑り性のよいものが選択される。また、他潤滑剤を介在させるなど配慮される。また、シールリング部は軸部外周に一体に形成することも可能である。
【００２２】
またノック棒１５は、インキ収容管１０の後端から挿入され、上記段部１５ｂとインキ収容管１０の後端との間にノックスプリング１７が敷設されると共に、突部１５ａが上記テーパー状のスリット部１０ｂを弾性的に拡開して、突部１５ａが段部１０ｃの前面に係止され、ノックスプリング１７によってインキ収容管１０に対しノック棒１５は常時後方に附勢される。また、ノック棒の軸部前方がインキ収容管１０の後端孔に嵌入し、シールリング１６の外周部が後端孔の内周部に摺接する。そのとき、シールリング１６は、スリット部１０ａの略前端にかかる直前の状態に位置しており、従って、シール部材１４の後端とノック棒１５の前端との間に形成される空間部１８は外気と連通している。即ち、ノック棒１５の前進作動の直前において、インキ収容管１０の空間部１８は外気と連通され、ノック棒１５が適宜前進した直後においてシールリング１６の外周部がインキ収容管１０の内周部に密接することで外気と遮断され、空間部１８の縮小と共に加圧されるようになされている。ノック機構部は以上のように構成される。
【００２３】
また、ノック棒１５を前進して空間部１８を適宜圧縮した状態で、ノック棒１５の前端に設けられた凸部１５ｄがブッシュ１３の内孔に形成された段部１３ｂに当接し、更に前進することによって弾性体１４に抗して筒状体の前方を拡開させ、底面１３ｄのスリ割り部１３ｃが開口することにより通気口が形成されて、（図５参照）圧縮された空気がフォロア１２の後端に流入する。
【００２４】
また、図６乃至図９は実施例２及び実施例３であるボールペンを示している。先ず、図６及び図７に示すボールペン１９は、軸筒２０、チップ２５、弁体２４、受け座部材２２、インキ２８、フォロア２９、フォロア棒３０、軸筒後端に設けられるポンピング式の加圧機構で構成され、また、図８及び図９に示すボールペン３７は、弁体と受け座部材及びフォロア棒が除かれて構成されており、いずれも筆記具の最終形態としては先軸部２１に被嵌するキャップ（図示せず）が設けられる。
【００２５】
軸筒２０は樹脂成形品（通常は透明樹脂）で、先方に先細状の先軸部２１を一体に有している。又、先端より内孔２１ａが形成され、内孔の後端には拡開した孔（弁室２３となる）があり、その孔の前端に複数箇所でリブ２１ｃが放射状に設けられている。
【００２６】
一方、受け座部材２２は、前面にテーパー状または球面状の弁体受け座２２ａを有し、弁体受け座２２ａの中心から後端に貫通した導孔２２ｄが設けられている。また、外周部の前方に円周状に凸部２２ｂが、後方に円周状又は突条の係止部２２ｃが形成されている。
受け座部材２２は、軸筒２０の後端から挿入され、軸筒内孔先方の段部２０ａに当接して位置決めされると共に、その前方の内孔面に上記凸部２２ｂが密接し、更に係止部２２ｃが後方の内孔面に食い付き状に係止される。
尚、軸筒２０の内孔面と受け座部材２２の外周部の相互間に溝部と突部を設けて、弾性変形を利用して係止することも可能である。
【００２７】
以上で、リブ２１ｃの後端となる受け座２１ｄと受け座部材２２の前端となる弁体受け座２２ａとの間に弁室２３が形成される。尚、受け座部材２２を係止する前に球状の弁体２４が挿入されて、弁室２３内に弁体２４が遊嵌される。
尚、弁体は球状に限らず棒状のコマであってもよい。その場合、弁体の前方外周にインキを流通可能とする溝を形成すれ弁室の前端に上記のリブ２１ｃを特に設ける必要はない。
【００２８】
またチップ２５は、インキ流入可能なチャンネルを有した座に先端ボール２６が略当接した状態で先端ボール２６が回転自在に抱持されるようカシメられている。また、チップ内孔２５ａにスプリング２７が内挿され、チップ後方の軸部２５ｂの後端が適宜カシメられて、スプリング２７の後端が抜出不能に設けられている。また、スプリング２７の先方には直立状の棒軸部２７ａが形成され、当該棒軸部２７ａの先端が先端ボール２６の背面に押圧状に当接している。
尚、先端ボール２６はその押圧でチップ２５のボール抱持部の内縁に密接状態と成される。
また、チップ２５は先軸部２１先端の内孔２１ａに圧着される。
尚、スプリングの前面に先端ボール２６の背面を押圧する押し部材を設けることも、又、上記棒軸部を極細巻きのコイル状となすことも可能である。
また更に、チップを耐磨耗性やインキのシール性能に優れた樹脂成形品となして、先端ボールの背面を押圧するバネ座を一体又は別体のバネ座を設けて構成することも可能である。
【００２９】
以上により、チップ側が下向きの時に弁体２４が受け座２１ｄに当接して、インキが導孔２２ｄ、弁室２３、リブとリブとの間に形成される溝を通じてチップ内孔２５ａから先端ボール２６の背面まで導通する。
【００３０】
軸筒２０は、上記導孔２２ｄの後方にインキ収容部を有しており、そのインキ収容部内に低粘度のインキや剪断減粘性を有するインキ、主として白色顔料インキ２８が充填され、そのインキの後端にインキの消耗と共にインキと追随するグリース状のフォロア２９が充填されている。また、フォロアはインキと相溶性が無く又インキの蒸発を防止する性能を有している。また、必要に応じてフォロア内にフォロアと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒３０が浸漬される。尚、フォロアは例えばシリコンゴム等の追従体とすることも可能である。
【００３１】
また、白色顔料インキ２８は、少なくとも酸化チタン、高分子中空微粒子等の白色顔料とゲル化剤を含み、顔料の沈降が防止されると共に流動性が極力損なわれないように配合された白色顔料インキである。また、インキは剪断減粘性を有しているので先端ボールの回転で粘度が低下するのと相まって隠蔽性の高い塗布が可能である。
【００３２】
また、軸筒２０の後端にはポンピング式の加圧機構が設けられる。加圧機構の構成については基本的には上述した実施例１とほぼ同じである。当該実施例の場合にはブッシュ３１の筒状部前方に前端の底面３２ａにスリ割り部３２ｂを有した筒状の弾性体３２が嵌着されてなり、ノック棒３３の前進によって、凸部３３ｄがブッシュ３１の段部３１ｂに当接し、更に前進することによって、ブッシュ前３１の筒状体の前方が拡開され、弾性体３２が拡開されて、スリ割り部３２ｂが開口する。
【００３３】
また、上述した弁機構部は、剛性を有したブッシュの筒状体前方に弾性体を嵌着して構成しているが、全体を一体の弾性体で形成することも可能である。
【００３４】
【作用】
先ず、図１はノック式筆記具の携帯時を示すものである。この状態から、ノック筒３の後端を前方へ押圧すると係止突起３ａがクリップ１ａの玉部１ｂを押し上げてその前方に移動して係止段部１ｃと係合したときにボールペンリフィール５のチップ７が先軸２の先端孔２ａから突出する。（図２参照）
この状態では、インキ収容管１０略後端の空間部１８はスリット部１０ａを通じて外気と連通しており、リターンスプリング４とノックスプリング１７の設定力はそのようにバランスがとられている。
また、再びノック式筆記具を携帯する時には、クリップ１ａの先端部を僅かに上方へ又は横方向へ弾性変位させて係止段部１ｃと係止突起３ａの係合を解除すると、リターンスプリング４によってボールペンリフィール５が後退し、チップ７が先軸２内部に没入する。
【００３５】
次に、ポンピング式の加圧機構の作用を以下に説明する。
図２に示す状態からノック筒３の後端を押圧して前進すると、継ぎ手６の前端６ｆが先軸２に設けた段部２ｂに当接してその前進が阻止されると共に、インキ収容管１０に対しノック棒１５が前進を開始する。図５に示すように、シールリング１６の外周部がインキ収容管１０の内周部全周に密接した時点でインキ収容管略後端の空間部１８が外気と遮断されると共に、ノック棒１５が更に前進することによってシールリング１６の外周部がインキ収容管の内周部に密接して摺動し、空間部１８の縮小と共に内圧が上昇する。また、ノック棒１５を前進して空間部１８を適宜圧縮した状態で、ノック棒１５の前端に設けられた凸部１５ｄがブッシュ１３の内孔に形成された段部１３ｂに当接し、更に前進することによって弾性体１４に抗して筒状体の前方を拡開させ、底面１３ｄのスリ割り部１３ｃが開口することにより通気口が形成されて、圧縮された空気が前方に押し込まれることによって、フォロア１２の後端が加圧されてインキのチップ側への流動性が支援される。
【００３６】
そのことは、落下衝撃やインキの流動性の悪さ等に起因して先端ボールの周面からインキが離れてしまい連続的なインキの流出がとぎれるのを防止する作用ととぎれた時に回復する作用となる。
また、インキの特性などによって適正な加圧力が設定される。その場合、シールリング１６の外周部がインキ収容管１０の内周部全周に密接する時の空間部１８の容積とノック棒１５の前端に設けられた凸部１５ｄがブッシュ１３内孔の段部１３ｂに当接し、スリ割り部１３ｃを開放した時の空間部１８の容積を幾らにするか、シール部（シールリング部、スリ割り部に於ける）のリーク値などを勘案して設定することが可能となる。
【００３７】
次に、ボールペン５の機能について説明する。
先ず、筆記しない状態ではスプリング９の押圧で先端ボール８がチップ抱持部の内縁に密接されるのでインキ１１の直流及び逆流が防止される。また、筆圧により先端ボール８が微小に後退するので隙間を生じてインキが流出可能となり、筆記により先端ボール８の回転でインキが流出されて筆記される。
スプリング９の押圧が無い場合でも、インキの粘度があまり低く過ぎたり、あるいはインキの充填量が多過ぎたり、インキ収容管が太過ぎたりしない場合には、フォロアの後端が加圧されるのでインキが直流や逆流が防止できる。
しかしながら、チップ７を上向きにして筆記したり、ノック式筆記具に搭載した場合のノック衝撃の繰り返しなどを考慮するとインキの直流及び逆流防止のためにスプリング９で押圧することが望ましい。
【００３８】
また、フォロア棒は、インキ収容管が大径である場合に使用される。
即ち、グリース状のフォロアは、インキ収容部が大径の場合に衝撃などの影響で変形を受け破壊されやすいという問題がある。フォロア内にフォロアと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒を浸漬させることにより剛性を上げることが可能となる。
【００３９】
また、インキの直流及び逆流はスプリングによる先端ボールへの押圧で果たされるが、先端ボールをボール抱持部の内縁にスプリングの押圧によって密接させると共に、その後方に弁体を遊嵌した弁室を設けてチップ上向きで弁体が導孔を閉塞するように併設して設けることで、ボール抱持部の加工バラツキによる先端ボールとの密接不完全状態や、ボール抱持部と先端ボールとの隙間に固形物が付着した場合の密接不完全状態が生じてもインキの逆流が確実に防止できる。
【００４０】
上述したフォロア棒や弁体を有したインキの逆流防止構造は、インキ収容部が大径で逆流しやすい場合や、上向き筆記を繰り返した時や衝撃が掛かった時に性能を発揮するものであって構成要素として必須のものではなく、特に誤記修正用のボールペンは上向きに使用されることはまず無いので必ずしも必要としない。
【００４１】
尚、上述した加圧式のボールペンの作用は、実施例１に沿って説明したが、実施例２及び実施例３の作用もほぼ同じなので説明は省略する。
【００４２】
【発明の効果】
本発明の加圧式のボールペンの構成及び作用は以上の如くであり、
初期筆記でインキ切れしやすいインキを使用したボールペンが加圧作用に支援されて筆記可能となる。また、酸化チタン、高分子中空微粒子等の白色顔料とゲル化剤を含み、顔料の沈降が防止されると共に流動性が損なわれないように配合された白色顔料インキと、ポンピングによる加圧機構を設けることによって、従来のように白色顔料と溶剤とが分離するような問題がなく、従ってインキを攪拌する必要がなく、筆記に際して容器の側面を押圧するようなこともなく、更に煩わしいキャップの着脱もない使い勝手の良い誤記修正用のノック式筆記具が提供可能となる。また、ノック棒１５の前端に設けられた凸部１５ｄをブッシュ１３の段部１３ｂに当接させることによってインキの特性などに応じて適正な加圧力が設定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例１である加圧式のボールペンをノック式筆記具に搭載した一部非断面の縦断面図で、筆記先端が没入した状態を示している。
【図２】ノックして、筆記先端を突出した状態に於ける一部非断面の縦断面図である。
【図３】実施例１である加圧式のボールペンの前半を示す縦断面図である。
【図４】実施例１である加圧式のボールペンの後半を示す縦断面図である。
【図５】実施例１である加圧式のボールペンのポンピング式の加圧機構を拡大して示した断面図である。
【図６】実施例２である加圧式のボールペンの前半を示した縦断面図である。
【図７】実施例２である加圧式のボールペンの後半を示した縦断面図である。
【図８】実施例３である加圧式のボールペンの前半を示した縦断面図である。
【図９】実施例３である加圧式のボールペンの後半を示した縦断面図である。
【符号の説明】
１ 軸筒
１ａ クリップ
１ｂ 玉部
１ｃ 係止段部
１ｄ 窓孔
１ｅ 基部
１ｆ 弾性片
１ｇ 傾斜面
１ｈ 段部
２ 先軸
２ａ 先端孔
２ｂ 段部
２ｃ 内段部
３ ノック筒
３ａ 係止突起
３ｂ リブ
３ｃ セーフティ片
４ リターンスプリング
５ ボールペン
６ 継ぎ手
６ａ 前軸部
６ｂ 鍔部
６ｃ 後軸部
６ｄ チップ嵌着孔
６ｅ 段部
６ｆ 前端
７ チップ
８ 先端ボール
９ スプリング
９ａ 棒軸部
１０ インキ収容管
１０ａ スリット部
１０ｂ テーパー状のスリット部
１０ｃ 段部
１１ インキ
１２ フォロア
１３ ブッシュ
１３ａ 内孔
１３ｂ 段部
１３ｃ スリ割り部
１３ｄ 底面
１４ 弾性体
１５ ノック棒
１５ａ 突部
１５ｂ 段部
１５ｃ 溝部
１５ｄ 凸部
１６ シールリング
１７ ノックスプリング
１８ 空間部
１９ ボールペン
２０ 軸筒
２０ａ 段部
２０ｂ 円周部
２０ｃ スリット部
２０ｄ テーパー状のスリット部
２０ｅ 段部
２１ 先軸部
２１ａ 内孔
２１ｂ 孔部
２１ｃ リブ
２１ｄ 前受け座
２２ 受け座部材
２２ａ 弁体受け座
２２ｂ 凸部
２２ｃ 係止部
２２ｄ 導孔
２３ 弁室
２４ 弁体
２５ チップ
２５ａ チップ内孔
２５ｂ 軸部
２５ｃ カシメ部
２６ 先端ボール
２７ スプリング
２７ａ 棒軸部
２８ インキ
２９ フォロア
３０ フォロア棒
３１ ブッシュ
３１ａ 内孔
３１ｂ 段部
３１ｃ スリ割り部
３２ 弾性体
３２ａ 底面
３２ｂ スリ割り部
３３ ノック棒
３３ａ 突部
３３ｂ 段部
３３ｃ 溝部
３３ｄ 突部
３４ シールリング
３５ ノックスプリング
３６ 空間部
３７ ボールペン
３８ 先軸部
３９ 軸筒
４０ フォロア[0001]
[Industrial applications]
The present invention is a ballpoint pen using ink that is easy to run out of ink in the initial writing, a ballpoint pen mixed with various fillers in the ink, a ballpoint pen filled with ink that can be easily erased by handwriting written on the paper surface by rubbing with an eraser, The present invention relates to a pressure-type ballpoint pen that can be corrected by concealing erroneous writing or the like with white ink.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, there has been known a liquid applicator using a white pigment in order to correct a mistake or the like. In addition, since a white pigment and a solvent are easily separated from each other, this type of liquid applicator has an ink, a ball, and the like sealed in a flexible container, and it is necessary to shake and agitate the liquid applicator before use. Further, the ink is ejected by pressing the side surface of the container. However, when the remaining amount of the ink becomes small, even if the side wall of the container is strongly pushed, the ink is not ejected. In addition, there is a problem that the ink is easily broken at the initial writing (application).
In addition, there is the trouble of attaching and detaching the cap each time it is used.
[0003]
In general, ballpoint pens using low-viscosity ink or ink having shear thinning have a large amount of outflow of ink (to increase the writing density), and have a large diameter of the ink storage tube to increase the amount of loaded ink. . Further, since the viscosity of the ink is smaller than that of the oil-based ball-point pen ink, the flow resistance to the ink storage tube is small. Accordingly, ink leakage (ink flows backward at the rear end of the ink storage tube) is likely to occur due to the ink's own weight, dropping, or knock impact. For this reason, the ink usually moves following the ink consumption at the time of writing at the rear end of the ink, but a grease-like follower that suppresses the backflow of the ink against its own weight or impact, and if necessary, a follower A rod is provided immersed in the follower. However, even when the follower is provided, if the ink on the back surface of the ball of the chip is depleted when writing upward, there is a danger that the ink or the head will be added directly, causing a remarkable backflow and soiling the hands and clothes. Further, since the viscosity of the ink is low and the amount of the ink flowing out is large, there is a problem that the ink bleeds (direct current) when a gap is formed between the tip ball and the tip holding portion when the tip side is directed downward.
In particular, in the case of a liquid applicator that uses a white pigment to correct mistakes, etc., the size at which the tip ball recedes due to pen pressure due to increasing the flow rate of ink or eliminating clogging due to drying. The gap between the peripheral surface of the tip ball and the inner surface of the ball holding portion of the chip is large.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention is a ballpoint pen that uses ink that is easy to break off during initial writing, a ballpoint pen that is mixed with various fillers in the ink, a ballpoint pen that is filled with ink that can be easily erased by rubbing the handwriting written on the paper with an eraser, A pen and the like that can be corrected by concealing erroneous writing and the like by concealing them with white ink can be written by assisting with a pressure action. Mainly a white pigment ink containing a white pigment such as titanium oxide and polymer hollow fine particles and a gelling agent, and is formulated so that sedimentation of the pigment is prevented and fluidity is not impaired. By providing, there is no problem that the white pigment and the solvent are separated as in the prior art, and therefore, there is no need to stir the ink, and there is no need to press the side surface of the container during writing. A ballpoint pen can be provided by easily setting an appropriate pressing force.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has the following configurations to achieve the above object.
The pressurized ballpoint pen according to the invention according to claim 1 is provided with a tip of the ballpoint pen at the tip and an ink storage tube at the rear, and the ink storage tube is filled with ink and a follower that follows the ink at the rear end of the ink, Further, in a pressurized ballpoint pen having a pumping type pressurizing mechanism provided in an inner hole of a cylinder provided integrally with the rear end of the ink storing tube or the ink storing tube, a pumping type The pressurizing mechanism is provided at the position facing the rear end of the follower with a cylindrical body having a slit portion serving as a vent on the bottom surface of the front end, and the slit portion is always sealed and the rear end of the follower is always provided. The valve part is in a closed room state, and the slit is opened by the cylindrical body being expanded by external force, and the valve mechanism is behind the valve mechanism, and is always urged rearward by a knock spring. Back and forth A knock mechanism provided by compressing a space formed between the ventilation port and the front end of the knock rod when the knock rod is advanced, and a protrusion at the front end of the knock rod. The tubular body is expanded by an external force by the convex portion in a state where the knock rod is advanced and the space portion is appropriately compressed, so that the slit portion is opened. It is characterized by.
[0006]
A pressure-type ballpoint pen according to a second aspect of the present invention is the pressure-type ballpoint pen according to the first aspect, wherein the front end ball is in close contact with the inner edge of the ball holding portion at the tip end of the tip. In addition to applying spring pressure, the ink containing tube contains a white pigment such as titanium oxide and polymer hollow fine particles and a gelling agent so that sedimentation of the pigment is prevented and fluidity is not impaired as much as possible. The compounded white pigment ink is filled.
[0007]
【Example】
1 to 5 show a state in which the ballpoint pen 5 according to the first embodiment is mounted as a refill on a knock-type writing instrument. This knock-type writing instrument comprises a shaft cylinder 1 having a front end and a rear end opened, and a long axial window hole 1d formed in a part of the circumference of the side surface and communicating with the rear end edge from the rear end edge to a required position forward. A ball portion 1b that can be elastically displaced upward and laterally is provided at a position facing the window hole 1d of the shaft cylinder 1, and the ball portion 1b is provided with a locking step portion 1c, and a shaft is provided at a rear end portion. A clip 1a having a base 1e joined to the tube 1 is integrally formed of resin, and a portion surrounded by a slit is formed as an elastic piece 1f at the upper end of the U-shaped base 1e having an open front end. An inclined surface 1g is appropriately formed at the lower end of 1f. A front shaft 2 is detachably fixed to the front end of the shaft cylinder 1 by means such as screwing.
[0008]
On the other hand, as will be described in detail later, the return spring 4 is inserted into the barrel 1 from the rear end opening of the barrel 1 in a state where the return spring 4 is fitted to the front shaft portion 6a of the joint 6 of the ballpoint pen. Has a front end abutting against an inner step 2c of the front shaft 2, and a rear end abutting against a step 6e of the joint 6.
[0009]
The knock cylinder 3 is a tubular body on the front end opening and the rear end closing, on which a locking projection 3a, a rib 3b, and a safety piece 3c are integrally formed from the front on a coaxial line of an outer peripheral portion.
The knock cylinder 3 is inserted from the rear end of the shaft cylinder 1 in a state where the ink storage tube 10 of the ballpoint pen 5 is inserted into the inner hole of the knock cylinder 3, and the locking projection 3a, the rib 3b, and the safety piece 3c And the rear end of the safety piece 3c abuts on the step 1h at the front end of the elastic piece 1f provided on the base 1e of the clip 1a and is locked.
[0010]
As described above, when the rear end of the knock cylinder 3 is pressed forward, the locking projection 3a pushes up the ball portion 1b of the clip 1a and moves forward to engage with the locking step portion 1c. A tip 7 protrudes from the distal end hole 2a of the front shaft 2. 2 (see FIG. 2), the tip of the clip 1a is elastically displaced slightly upward or in the lateral direction to release the engagement between the locking step 1c and the locking projection 3a, and the return spring 4 moves the ballpoint pen 5 to the safety piece. The size of each part is appropriately set so that the tip 7 of the ballpoint pen 5 is immersed in the inside of the front shaft 2 in a state where the tip 7 of the ballpoint pen 5 is retracted until the 3c abuts on the step 1h of the elastic piece 1f. The replacement of the ballpoint pen 5 is performed by removing the tip shaft 2 from the barrel 1. However, in the case of disposable without replacement of the ballpoint pen 5, the barrel 1 and the tip shaft 2 can be integrally formed.
[0011]
3 to 5 show the ballpoint pen 5 described above.
First, as shown in FIG. 3, an ink container 10 of a ball-point pen 5 is filled with a low-viscosity ink or an ink having a shear-thinning viscosity, mainly a white pigment ink 11, and the ink is consumed at the rear end of the ink. At the same time, a grease-like follower 12 that follows the ink is filled. The follower 12 is not compatible with the ink and has a function of preventing the evaporation of the ink. A follower rod made of resin having a specific gravity substantially equal to that of the follower 12 is immersed in the follower 12 as necessary. The follower may be a follower such as a silicone rubber.
[0012]
The white pigment ink 11 is a white pigment ink containing at least a white pigment such as titanium oxide and polymer hollow fine particles and a gelling agent, and is blended so that sedimentation of the pigment is prevented and fluidity is not impaired as much as possible. . In addition, since the ink has a shear thinning property, the viscosity can be reduced by the rotation of the tip ball, so that coating with high concealing property can be performed.
[0013]
The joint 6 has a front shaft portion 6a formed in front of the flange portion 6b and a rear shaft portion 6c formed in the rear, and the shaft portion of the tip 7 holding the tip ball 8 in the tip fitting hole 6h at the tip of the front shaft portion 6a. 7a is fixed.
The tip 7 is caulked so that the tip ball 8 is rotatably held with the tip ball 8 substantially in contact with a seat having a channel into which ink can flow. The spring 9 is inserted into the inner hole of the chip 7, the rear end of the shaft 7a of the chip is appropriately caulked, and the rear end of the spring 9 cannot be pulled out.
[0014]
A linear rod portion 9 a is formed in front of the spring 9, and the distal end of the rod portion 9 a contacts the back surface of the tip ball 8 in a pressed state. The tip ball 8 is brought into close contact with the inner edge of the ball holding portion (formed by caulking or the like) of the chip 7 by the pressing.
In addition, it is possible to provide a pressing member for pressing the back surface of the tip ball 8 on the front surface of the spring, or to form the rod shaft portion into an extremely fine coil shape.
Further, it is also possible to make the tip into a resin molded article having excellent wear resistance and ink sealing performance, and to provide a spring seat for pressing the back surface of the tip ball as an integral or separate spring seat. is there.
[0015]
Further, it is extremely important that the tip ball 8 is in close contact with the inner surface of the ball holding portion, even if the ink has a high viscosity, for drying the writing tip and preventing direct current of the ink.
That is, in order to increase the discharge amount of ink, the ball pen for mainly correcting erroneous writing as in the present application is set to have a larger retreating size of the tip ball than the ball pen for writing. Also, if necessary, the surface roughness of the inner surface of the chip holding the tip ball 8, grinding of the inner surface to improve the close contact accuracy by caulking, and secondary plastic working to increase the caulking accuracy are considered. You. In addition, if necessary, a surface treatment or the like is taken into consideration for the surface in close contact with the tip ball.
[0016]
Further, in order to completely prevent the backflow of the ink, a valve chamber is provided behind the tip fitting hole 6d, and a tapered or spherical valve body receiving seat is formed at the rear of the valve chamber with a conducting hole communicating with the rear. Then, a spherical valve element is loosely fitted into the valve chamber, and the guide hole is closed with the chip 7 facing upward to prevent backflow of ink. The ink can flow into the chip inner hole by regulating the end holes so as not to be closed. Note that the valve body may be a shaft-like body having a tapered or spherical surface on the side close to the valve body receiving seat.
[0017]
Further, a rear shaft portion 6c extends behind the flange portion 6b of the joint 6, and a cylindrical ink storage tube 10 is provided on the outer periphery of the rear shaft portion 6c with its front end abutting on the rear end of the flange portion 6b. Press fit. The ink storage tube 10 is made of, for example, a transparent PP resin or nylon resin molded product. Further, in the embodiment, the joint and the ink storage tube are formed by separate members, but both can be formed by an integral resin molded product.
[0018]
Further, a pumping-type pressurizing mechanism is provided at the rear end of the ink storage tube 10. The configuration will be described below.
[0019]
The pumping-type pressurizing mechanism is composed of a valve mechanism that forms a closed chamber inside the ink storage tube, and a knock mechanism that is provided to compress the space formed behind the valve mechanism. Have been.
First, the valve mechanism is disposed at the rear end of a follower disposed so as to contact the rear end of the ink and follow the ink as it is consumed.
[0020]
In the embodiment, the valve mechanism is configured as follows.
First, the bush 13 is fixed to a predetermined position of an inner hole of the ink storage tube 10 by a cylindrical body having a bottom surface 13d whose front end is closed. Further, a slot 13c is provided at a required portion of the cylindrical body from the bottom surface 13d to the axial direction of the rear peripheral surface.
A step 13b (tapered or the like) is formed in the inner hole 13a of the bush 13, and an elastic body 14 such as rubber is fitted on the outer periphery in front of the cylindrical portion.
[0021]
Further, a knock mechanism is disposed behind the valve mechanism.
A tapered slit portion 10b tapering from the rear end side toward the front is formed on the side surface of the rear end portion of the ink storage tube 10, and has a step portion 10c at its front end and a slit portion having a predetermined length in the axial front direction. 10a are formed.
In addition, the knock bar 15 has a flange at the rear end and a shaft in front of the flange, a step 16b at the front end of the flange, and a projection 15a and a substantially outer periphery of the shaft at almost the middle of the outer periphery of the shaft. A circumferential groove 15c is provided at the front end, and a seal ring 16 made of, for example, an elastic body such as rubber or an elastic molding resin is fixed to the groove 15c. The seal ring 16 is selected to have good airtightness and slipperiness. Also, consideration is given to interposing other lubricants. Further, the seal ring portion can be formed integrally with the outer periphery of the shaft portion.
[0022]
The knock rod 15 is inserted from the rear end of the ink storage tube 10, a knock spring 17 is laid between the step portion 15b and the rear end of the ink storage tube 10, and the projection 15a has the tapered shape. The slit portion 10b is elastically expanded, the protrusion 15a is locked on the front surface of the step portion 10c, and the knock bar 15 is constantly urged rearward with respect to the ink containing tube 10 by the knock spring 17. Further, the front portion of the shaft of the knock bar is fitted into the rear end hole of the ink storage tube 10, and the outer peripheral portion of the seal ring 16 is slidably in contact with the inner peripheral portion of the rear end hole. At this time, the seal ring 16 is located in a state immediately before the front end of the slit portion 10a, so that the space 18 formed between the rear end of the seal member 14 and the front end of the knock bar 15 Communicates with outside air. That is, immediately before the knock rod 15 moves forward, the space 18 of the ink storage tube 10 is communicated with the outside air, and immediately after the knock rod 15 advances appropriately, the outer peripheral portion of the seal ring 16 becomes the inner peripheral portion of the ink storage tube 10. When the space 18 is in close contact with the outside air, the space 18 is compressed and pressurized. The knock mechanism is configured as described above.
[0023]
Further, in a state where the knock rod 15 is advanced and the space 18 is appropriately compressed, the projection 15d provided at the front end of the knock rod 15 abuts on the step 13b formed in the inner hole of the bush 13, and further advances. By doing so, the front of the cylindrical body is expanded against the elastic body 14, and the slit 13 c on the bottom surface 13 d is opened to form a ventilation hole (see FIG. 5). 12 flows into the rear end.
[0024]
6 to 9 show ballpoint pens according to the second and third embodiments. First, a ball-point pen 19 shown in FIGS. 6 and 7 includes a shaft cylinder 20, a chip 25, a valve body 24, a receiving seat member 22, an ink 28, a follower 29, a follower rod 30, and a pumping type provided at the rear end of the shaft cylinder. The ballpoint pen 37 shown in FIGS. 8 and 9 is configured by excluding a valve element, a receiving seat member, and a follower rod. A cap (not shown) to be fitted is provided.
[0025]
The shaft cylinder 20 is a resin molded product (usually a transparent resin), and integrally has a tapered front shaft portion 21 at the front. Further, an inner hole 21a is formed from the front end, and an expanded hole (which becomes the valve chamber 23) is provided at the rear end of the inner hole, and ribs 21c are radially provided at a plurality of places at the front end of the hole.
[0026]
On the other hand, the receiving seat member 22 has a tapered or spherical valve body receiving seat 22a on the front surface, and a guide hole 22d penetrating from the center of the valve body receiving seat 22a to the rear end. Further, a convex portion 22b is formed circumferentially in front of the outer peripheral portion, and a circumferentially or ridged locking portion 22c is formed rearward.
The receiving seat member 22 is inserted from the rear end of the barrel 20 and is positioned in contact with the stepped portion 20a on the forward side of the bore of the barrel, and the protruding portion 22b comes into close contact with the inner bore surface in front of it. The locking portion 22c is bitely locked to the rear inner hole surface.
In addition, it is also possible to provide a groove and a protrusion between the inner hole surface of the shaft cylinder 20 and the outer peripheral portion of the receiving seat member 22, and to lock them using elastic deformation.
[0027]
As described above, the valve chamber 23 is formed between the receiving seat 21d serving as the rear end of the rib 21c and the valve body receiving seat 22a serving as the front end of the receiving seat member 22. Before the receiving seat member 22 is locked, the spherical valve element 24 is inserted, and the valve element 24 is loosely fitted in the valve chamber 23.
Note that the valve body is not limited to a spherical shape, and may be a rod-shaped top. In this case, it is not necessary to provide the rib 21c at the front end of the valve chamber by forming a groove through which ink can flow in the front outer periphery of the valve body.
[0028]
The tip 25 is caulked so that the tip ball 26 is rotatably held with the tip ball 26 substantially in contact with a seat having a channel into which ink can flow. The spring 27 is inserted into the chip inner hole 25a, the rear end of the shaft portion 25b behind the chip is appropriately caulked, and the rear end of the spring 27 is provided so as not to be pulled out. An upright bar shaft 27a is formed in front of the spring 27, and the tip of the bar shaft 27a is pressed against the back surface of the tip ball 26.
The tip ball 26 is brought into close contact with the inner edge of the ball holding portion of the chip 25 by the pressing.
The tip 25 is pressed into the inner hole 21 a at the tip of the tip 21.
In addition, it is possible to provide a pressing member for pressing the back surface of the tip ball 26 on the front surface of the spring, or to make the rod shaft portion into an extremely fine coil shape.
Further, it is also possible to make the tip into a resin molded article having excellent wear resistance and ink sealing performance, and to provide a spring seat for pressing the back surface of the tip ball as an integral or separate spring seat. is there.
[0029]
As described above, when the tip side is downward, the valve body 24 comes into contact with the receiving seat 21d, and ink flows from the tip inner hole 25a through the groove formed between the guide hole 22d, the valve chamber 23, and the ribs to the tip ball 26. Conduction to the back of
[0030]
The barrel 20 has an ink container behind the conducting hole 22d. The ink container is filled with a low-viscosity ink or an ink having a shear-thinning viscosity, mainly a white pigment ink 28, and the ink is filled with the ink. The rear end is filled with a grease-like follower 29 that follows the ink as the ink is consumed. In addition, the follower is not compatible with the ink and has a function of preventing the evaporation of the ink. A follower rod 30 made of resin having a specific gravity substantially equal to that of the follower is immersed in the follower as needed. The follower may be a follower such as a silicone rubber.
[0031]
Further, the white pigment ink 28 contains at least a white pigment such as titanium oxide and polymer hollow fine particles and a gelling agent, and is blended so that sedimentation of the pigment is prevented and the fluidity is minimized. It is. In addition, since the ink has a shear thinning property, it is possible to perform coating with a high concealing property in combination with a decrease in the viscosity as the tip ball rotates.
[0032]
A pumping type pressurizing mechanism is provided at the rear end of the barrel 20. The configuration of the pressing mechanism is basically the same as that of the first embodiment. In the case of this embodiment, a tubular elastic body 32 having a slit 32b on the bottom surface 32a of the front end is fitted in front of the tubular portion of the bush 31, and the protrusion 33d Abuts on the step portion 31b of the bush 31, and further advances, the front of the tubular body at the front of the bush 31 is expanded, the elastic body 32 is expanded, and the slit portion 32b is opened.
[0033]
Further, the above-described valve mechanism section is configured by fitting an elastic body to the front of the cylindrical body of the bush having rigidity, but it is also possible to form the whole by an integral elastic body.
[0034]
[Action]
First, FIG. 1 shows a state in which a knock-type writing instrument is carried. When the rear end of the knock cylinder 3 is pressed forward from this state, the locking projection 3a pushes up the ball portion 1b of the clip 1a and moves forward to engage with the locking step portion 1c. The tip 7 protrudes from the distal end hole 2 a of the front shaft 2. (See Fig. 2)
In this state, the space 18 substantially at the rear end of the ink storage tube 10 communicates with the outside air through the slit 10a, and the setting force of the return spring 4 and the knock spring 17 is balanced as such.
When carrying the knock-type writing instrument again, the distal end portion of the clip 1a is elastically displaced slightly upward or laterally to release the engagement between the locking step portion 1c and the locking projection 3a. The ball-point pen refill 5 retreats, and the tip 7 enters the inside of the front shaft 2.
[0035]
Next, the operation of the pumping type pressurizing mechanism will be described below.
When the rear end of the knock cylinder 3 is pushed forward from the state shown in FIG. 2, the front end 6 f of the joint 6 abuts on the step 2 b provided on the front shaft 2 to prevent the forward movement, and the ink storage tube 10 The knock bar 15 starts to move forward. As shown in FIG. 5, when the outer peripheral portion of the seal ring 16 comes into close contact with the entire inner peripheral portion of the ink storage tube 10, the space 18 substantially at the rear end of the ink storage tube is shut off from the outside air and the knock rod 15 is formed. Is further advanced, the outer peripheral portion of the seal ring 16 slides in close contact with the inner peripheral portion of the ink storage tube, and the internal pressure increases as the space 18 is reduced. Further, in a state where the knock rod 15 is advanced and the space 18 is appropriately compressed, the projection 15d provided at the front end of the knock rod 15 abuts on the step 13b formed in the inner hole of the bush 13, and further advances. As a result, the front of the cylindrical body is expanded against the elastic body 14, and the slit 13c of the bottom surface 13d is opened to form a ventilation hole, and compressed air is pushed forward. Then, the rear end of the follower 12 is pressurized, and the fluidity of the ink to the tip side is supported.
[0036]
This has the effect of preventing ink from separating from the peripheral surface of the tip ball due to drop impact and poor ink fluidity, etc. Become.
Further, an appropriate pressure is set according to the characteristics of the ink. In this case, the volume of the space portion 18 when the outer peripheral portion of the seal ring 16 is in close contact with the entire inner peripheral portion of the ink storage tube 10 and the convex portion 15d provided at the front end of the knock rod 15 are formed at the step of the inner hole of the bush 13. The volume of the space 18 when it comes into contact with the portion 13b and the slot 13c is opened is set in consideration of the leak value of the seal portion (in the seal ring portion and the slot), and the like. It becomes possible.
[0037]
Next, the function of the ballpoint pen 5 will be described.
First, in a state where writing is not performed, the tip ball 8 is brought into close contact with the inner edge of the chip holding portion by the pressing of the spring 9, so that direct current and backflow of the ink 11 are prevented. Further, since the tip ball 8 is slightly retracted by the writing pressure, a gap is generated and ink can flow out. By writing, the ink flows out and is written by the rotation of the tip ball 8.
Even when the spring 9 is not pressed, if the viscosity of the ink is too low, if the ink filling amount is too large, or if the ink storage tube is not too thick, the rear end of the follower is pressurized. DC and backflow of the ink can be prevented.
However, in consideration of writing with the tip 7 facing upward or repetition of knock impact when mounted on a knock-type writing instrument, it is desirable to press with the spring 9 in order to prevent direct current and backflow of ink.
[0038]
The follower rod is used when the ink storage tube has a large diameter.
That is, there is a problem that the grease-like follower is easily broken due to deformation due to impact or the like when the ink storage portion has a large diameter. The rigidity can be increased by immersing a resin follower rod having a specific gravity substantially equal to that of the follower in the follower.
[0039]
In addition, the direct current and the reverse flow of the ink are fulfilled by the pressing of the tip ball by the spring, and the tip ball is brought into close contact with the inner edge of the ball holding portion by the pressing of the spring, and the valve chamber in which the valve body is loosely fitted is provided behind the same. By providing the valve with the valve facing upward so that the valve plug closes the guide hole, the state of incomplete close contact with the tip ball due to processing variations in the ball holding portion and the gap between the ball holding portion and the tip ball are provided. Even if the solid matter adheres to the ink, an incomplete state may occur, and the backflow of the ink can be reliably prevented.
[0040]
The above-described ink backflow prevention structure having a follower rod and a valve element exhibits performance when the ink storage section is large in diameter and easily backflows, or when repeated upward writing or when an impact is applied. It is not indispensable as a component, and in particular, a ballpoint pen for correcting erroneous writing is not necessarily required because it is rarely used upward.
[0041]
Although the operation of the above-mentioned pressurized ballpoint pen has been described in accordance with the first embodiment, the operation of the second and third embodiments is also substantially the same, and a description thereof will be omitted.
[0042]
【The invention's effect】
The configuration and operation of the pressurized ballpoint pen of the present invention are as described above,
A ballpoint pen using ink that easily runs out of ink during initial writing can be written with the aid of a pressurizing action. In addition, a white pigment ink containing a white pigment such as titanium oxide and polymer hollow fine particles and a gelling agent, and is formulated so that sedimentation of the pigment is prevented and fluidity is not impaired. By providing, there is no problem that the white pigment and the solvent are separated as in the prior art, so that there is no need to agitate the ink, there is no need to press the side of the container during writing, and more troublesome attachment and detachment of the cap. It is possible to provide an easy-to-use knock-type writing instrument for correcting erroneous writing. Further, by making the convex portion 15d provided at the front end of the knock bar 15 abut on the step portion 13b of the bush 13, an appropriate pressing force can be set according to the characteristics of the ink.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially non-sectional vertical cross-sectional view showing a press-type ballpoint pen according to a first embodiment of the present invention mounted on a knock-type writing instrument, showing a state in which a writing tip is immersed.
FIG. 2 is a partially non-sectional vertical sectional view in a state where a writing tip is knocked out and a writing tip is projected.
FIG. 3 is a longitudinal sectional view showing the first half of a pressurized ballpoint pen according to the first embodiment.
FIG. 4 is a longitudinal sectional view showing the latter half of the pressurized ballpoint pen according to the first embodiment.
FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view of a pumping type pressurizing mechanism of the pressurizing ballpoint pen according to the first embodiment.
FIG. 6 is a longitudinal sectional view showing a first half of a pressurized ballpoint pen according to a second embodiment.
FIG. 7 is a longitudinal sectional view showing the latter half of the pressure-type ballpoint pen according to the second embodiment.
FIG. 8 is a longitudinal sectional view showing the first half of a pressurized ballpoint pen according to a third embodiment.
FIG. 9 is a longitudinal sectional view showing the latter half of the pressurized ballpoint pen according to the third embodiment.
[Explanation of symbols]
1 Shaft tube 1a Clip 1b Ball portion 1c Lock step 1d Window hole 1e Base 1f Elastic piece 1g Inclined surface 1h Step 2 Front shaft 2a Tip hole 2b Step 2c Inner step 3 Knock tube 3a Lock protrusion 3b Rib 3c Safety piece 4 Return spring 5 Ballpoint pen 6 Joint 6a Front shaft 6b Flange 6c Rear shaft 6d Tip fitting hole 6e Step 6f Front end 7 Chip 8 Tip ball 9 Spring 9a Rod shaft 10 Ink tube 10a Slit 10b Taper Slit 10c Step 11 Ink 12 Follower 13 Bush 13a Inner hole 13b Step 13c Slot 13d Bottom 14 Elastic body 15 Knock rod 15a Projection 15b Step 15c Groove 15d Convex 16 Seal ring 17 Knock spring 18 Space Department 9 Ballpoint pen 20 Shaft barrel 20a Step 20b Circumference 20c Slit 20d Tapered slit 20e Step 21 Front shaft 21a Inner hole 21b Hole 21c Rib 21d Front receiving seat 22 Receiving seat member 22a Valve body receiving seat 22b Convex part 22c Lock part 22d Guide hole 23 Valve chamber 24 Valve body 25 Chip 25a Chip inner hole 25b Shaft part 25c Caulking part 26 Tip ball 27 Spring 27a Rod shaft part 28 Ink 29 Follower 30 Follower rod 31 Bush 31a Inner hole 31b Step Part 31c slit part 32 elastic body 32a bottom surface 32b slit part 33 knock bar 33a protrusion 33b step 33c groove 33d protrusion 34 seal ring 35 knock spring 36 space part 37 ballpoint pen 38 tip shaft part 39 barrel cylinder 40 follower
