【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レンズ鏡筒、詳しくは像倍率を自在に変更し得る光学系を構成するためのズームレンズ鏡筒の構成部材の材質に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、写真撮影等を行なうカメラ等においては、被写体からの光束を受けて光学像を形成するための撮影光学系を備えて構成されるのが一般である。また、近年のカメラ等においては、像倍率を自在に変更し得るように構成される変倍光学系を備えたものが一般的に広く普及している。
【0003】
このような変倍光学系は、複数の光学レンズ等によって構成されるものであり、各光学レンズ群は、それぞれが筒形状又は枠形状のレンズ群保持部材によって保持されるようになっている。そして、これらのレンズ群保持部材は、例えばカム手段等を利用した所定の移動機構及びその駆動手段によって、当該変倍光学系の光軸に沿う方向にそれぞれ移動させることで、所望の光学像の倍率変化を得ることができるように構成されている。
【0004】
このように、変倍光学系(撮影光学系)とこれを保持する複数のレンズ群保持部材及びその移動機構等によって構成されるユニットは、いわゆるレンズ鏡筒(変倍光学系を備えたものについては特にズームレンズ鏡筒)と呼ばれ、通常の一般的なカメラ等において具備されているのが普通である。
【0005】
通常の場合、ズームレンズ鏡筒における撮影光学系は、これを構成する各レンズ群の位置関係が、その撮影光学系の光学的性能や像形成能力に影響を及ぼすことは周知である。つまり、ズームレンズ鏡筒における撮影光学系の光学的性能や像形成能力の所定の基準を維持するためには、撮影光学系を構成する各レンズ群のそれぞれを所定のときに所定の位置に配置し、かつ各レンズ群のそれぞれの光軸が常に一致した状態となるように構成されるのが望ましい。
【0006】
そのために、例えば所定の変倍動作(ズーミング動作ともいう)がなされて、各レンズ群が光軸に沿う方向に移動するときには、各レンズ群のそれぞれが相対的に回転しないような構成のいわゆる繰り出し方式のレンズ群移動機構が広く採用されている。
【0007】
また、このような繰り出し方式のレンズ群移動機構を採用したズームレンズ鏡筒においては、当該レンズ群移動機構が、各レンズ群(を保持するレンズ群保持部材)を光軸に沿う方向へと移動させる役目をすると共に、各レンズ群(各レンズ群保持部材)を所定のときにそれぞれの所定の位置に規定する位置決め手段の役目もすることになる。したがって、各レンズ群の光軸を一致させると共に各レンズ群の光軸に沿う方向における位置を正確に維持するためには、レンズ群移動機構を構成する部材には、高い部品精度が要求されることになる。
【0008】
さらに、ズームレンズ鏡筒において、所定のズーミング動作等が実行されたときには、その構成部材の所定の位置に対して所定の負荷(力量)が加わることがある。この場合において、高い精度で作製された構成部材であっても、その強度や剛性が充分に備わっていない場合には、加えられた負荷(力量)によっては、当該構成部材が変形してしまうことも考えられる。このような場合には、その構成部材によって保持され移動させられる撮影光学系の各レンズ群の位置関係に狂いが生じてしまうことも考えられる。
【0009】
したがって、ズームレンズ鏡筒を構成する部材に必要な強度や剛性を維持することもまた重要な課題となっている。
【0010】
ところで、従来の一般的な小型カメラ等においては、携帯性等を考慮して、より一層の小型化及び軽量化が望まれているのと同時に、その製造コストの低減化の要求が常にある。
【0011】
このような理由から、従来におけるいわゆるコンパクトカメラと呼ばれる一般的な小型カメラ等のズームレンズ鏡筒においては、例えば樹脂射出成形法を用いて、その構成部材が作製されるのが普通である。
【0012】
一方、いわゆる一眼レフレックス方式を採用した高機能カメラ等に用いられるズームレンズ鏡筒においては、所定のより高い基準を満たすべく高い光学性能を維持する必要があり、そのためには充分に高い精度を必要とし、また高い強度や剛性を確保した構成部材とする必要がある。
【0013】
このことを考慮して、このような高機能カメラ等に用いられるズームレンズ鏡筒の構成部材は、例えば金属素材の削り出し加工等によって作製されることが一般である。
【0014】
そして、金属素材による構成部材を作製する手段としては、上述した金属素材の削り出し加工等による手段とは別に、例えば金属射出成形による手段によってレンズ群保持部材等の構成部材を成形し、これに対して二次的な加工を施すことで、高精度のカム手段等を形成するという製法も一般的に採用されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、例えば樹脂射出成形法等によって作製される樹脂製の構成部材は、金属素材によって作製される構成部材と比較して、その強度や剛性が弱い傾向にあり、所定の位置に所定の力量が集中して加わるような場合には、その部位が弾性変形してしまう場合もあり得るという問題点がある。
【0016】
例えば、樹脂製の構成部材によって構成されたズームレンズ鏡筒において、所定のズーミング動作、即ちレンズ繰り出し動作やレンズ繰り込み動作等が行なわれるときには、各構成部材の所定の部位に対して所定方向への回転トルク(捻れの力量)が加わるので、各構成部材が変形してしまうこともある。特に、各レンズ群保持部材を移動させるためのカム手段を形成した部材であれば、例えば有底のカム溝や、貫通したカム溝孔等が複数形成されるのが普通であることから、このようなカム溝やカム溝孔等が形成されている部位に所定の力量以上の捻じれの力量が加わった場合には、その部材のその部位が充分な強度や剛性を備わっていないと、当該構成部材の当該部位に変形が生じてしまうこともあり得る。
【0017】
このように、ズームレンズ鏡筒を構成する部材に変形が生じると、これらの部材によって保持される各レンズ群等が規定の位置に配置されず、これにより光学的性能や像形成性能等を低下させる要因になる。
【0018】
この点を考慮して、従来のズームレンズ鏡筒においては、その構成部材の肉厚寸法を多くとることで、必要な強度や剛性を確保し部材の変形を防ぐようにしているのが一般である。しかしながら、部材の肉厚寸法を多くとると、ズームレンズ鏡筒自体が大型化してしまうという問題が生じる。
【0019】
したがって、樹脂射出成形法によって作製される構成部材では、必要な強度や剛性を確保し得るように、構成部材の肉厚寸法のできる限りの薄肉化を施すことによって、鏡筒自体の大型化を抑えるようにしている。しかし、そのような手段にも限界がある。
【0020】
したがって、ズームレンズ鏡筒の構成部材を作製するに当たっては、樹脂射出成形法に代えて金属素材の削り出し加工等を行なうことで、構成部材を作製する手段が利用されることがある。
【0021】
しかし、このような金属削り出し加工等による手段では、その製造コストを低く抑えることは困難になる傾向があることから、上述したように例えば一眼レフレックス方式の高機能カメラ等のズームレンズ鏡筒を作製する際に利用されるのみであって、製造コストのできる限りの抑制が望まれており、安価に供給すべきコンパクトカメラ等の小型カメラ等のレンズ鏡筒を作製するのに際して、金属削り出し加工等による手段が採用されることは極めて少ない。
【0022】
さらに、例えば金属射出成形によって作製した構成部材に対して切削加工等の二次的加工を施してカム溝やカム溝孔等を形成する手段もあるが、この手段によっても、上述の金属削り出し加工による手段と同様の理由によって、一般的ないわゆるコンパクトカメラ等の小型カメラ等のズームレンズ鏡筒を作製するに際して採用されることは少ない。
【0023】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、コンパクトカメラ等の小型カメラのズームレンズ鏡筒において、所望の変倍動作を確実に実行するのに必要となる充分な強度を確保しながら、各構成部材の一層の薄肉化を実現し、かつこれにより各構成部材及びズームレンズ鏡筒自体の小型化を実現しながら、製造コストの低減化をも容易に実現し得るズームレンズ鏡筒を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明によるレンズ鏡筒は、円周上に貫通又は有底のカム部を有する筒状のカム筒を備えたレンズ鏡筒において、上記カム筒をチクソ射出成形法によって成形したことを特徴とする。
【0025】
また、第2の発明は、上記第1の発明によるレンズ鏡筒において、上記カム筒は、射出成形時における筒形状形成段階と同時に上記カム部が形成されることを特徴とする。
【0026】
そして、第3の発明によるレンズ鏡筒は、円周上に貫通又は有底のカム部を有する筒状のカム筒を備えたレンズ鏡筒において、上記カム筒は、射出成形時において筒形状部と上記カム部とを略同時に形成可能な金属射出成形法によって成形され、これによる射出成形後において上記カム部の二次加工を不要とすることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
図1・図2は、本発明の一実施形態のズームレンズ鏡筒の構成を示す図であって、図1は当該ズームレンズ鏡筒を分解して示す分解斜視図であり、図2は当該ズームレンズ鏡筒の縦断面図である。なお、図2は図面の繁雑化を避けるために光軸Oより上半部のみを示している。
【0028】
本実施形態のズームレンズ鏡筒は、図に示すように複数の筒形状又は枠形状の構成部材、即ち固定筒1・貫通カム筒2・回転筒3・直進枠4・有底カム筒5・第1レンズ群保持筒6・第2レンズ群保持筒7等と、モータ等の駆動部材(図示せず)からの駆動力を回転筒3へと伝達する繰出ギヤー8(図1参照。図2では図示せず)等によって構成されている。
【0029】
本ズームレンズ鏡筒の撮影光学系は、複数の光学レンズ等からなる2つのレンズ群(第1レンズ群6a・第2レンズ群7a)によって構成されている。このうち第1レンズ群6aは、第1レンズ群保持筒6に固設されることで保持されている。また、第2レンズ群7aは、第2レンズ群保持筒7に固設されることで保持されている。
【0030】
そして、第1レンズ群保持筒6及び第2レンズ群保持筒7は、所定のカム手段によってそれぞれが独立して光軸Oに沿う方向に進退自在となるように構成されている。
【0031】
この場合において、第1レンズ群保持筒6と第2レンズ群保持筒7とが直進繰り出し動作をするように、両レンズ群保持筒6・7は、それぞれがいわゆる二重環構造となるように構成されている。
【0032】
以下に、本ズームレンズ鏡筒を構成する各構成部材についての詳細を説明する。
まず、本ズームレンズ鏡筒は、固定筒1によって当該ズームレンズ鏡筒を使用するカメラ本体(図示せず)の前面側に対して例えばねじ等を用いて連結されるようになっている。そのために、当該固定筒1の基端部には、連結部1aが形成されている。
【0033】
固定筒1の内周面の略全面には、当該固定筒1の内側に配設される回転筒3の外周面の後端縁部に形成されるオスヘリコイド3bに噛合するメスヘリコイド1cが形成されている。つまり、固定筒1の内側には、回転筒3が配設されることになるが、このとき固定筒1と回転筒3とはヘリコイド結合するようになっている。
【0034】
また、固定筒1の内周面の一部には、光軸Oに沿う方向に長辺を有する直進溝1bが形成されている。この直進溝1bには、貫通カム筒2の後端縁部において外方に向けて突設される3つの凸部2cが摺動自在に係合するようになっている。そのために、当該直進溝1bも3つの凸部2cに合わせて同数が対応する位置に形成されている。このように、直進溝1bに対して凸部2cが摺動自在に係合することで、貫通カム筒2は固定筒1に対して直進係合し、これにより当該貫通カム筒2の回転が規制されている。
【0035】
また、固定筒1の外周側の所定の位置には、繰り出しギアー8を回動自在に収納するギアーハウジング1d(図1参照。図2には図示せず)が形成されている。このギアーハウジング1dの配設されている部位に対応する位置には、切欠孔部1eが穿設されている。そして、当該ギアーハウジング1dの内部に繰り出しギアー8が収納されると、そのギアー部8aが当該固定筒1の内側に突設されるようになっている。
【0036】
したがって、この繰り出しギアー8のギアー部8aは、固定筒1の内部でヘリコイド結合している回転筒3の後端縁部に形成される外周ギアー部3aに噛合するようになっている。
【0037】
上述したように、固定筒1の内側には、回転筒3が回動自在に配設されるようになっている。この回転筒3には、その外周面側の後端縁部近傍の部位に外周ギアー部3aとオスヘリコイド3bとが形成されている。
【0038】
そして、上述したように外周ギアー部3aには、繰り出しギアー8のギアー部8aが噛合するようになっており、かつオスヘリコイド3bには、固定筒1のメスヘリコイド1cがヘリコイド結合している。
【0039】
また、回転筒3の内周面側の先端縁部近傍には、その内周面に沿う方向に周溝3dが形成されており、かつこの周溝3dに連設して3つの直進溝3cが光軸Oに沿う方向に向けてそれぞれ所定の位置に形成されている。そして、周溝3dには、貫通カム筒2の外周面側の先端縁部に形成される3つの凸部2aが嵌合するようになっている。
【0040】
つまり、貫通カム筒2は、回転筒3の内側に配設されるようになっている。この場合において、貫通カム筒2を回転筒3の内部に配設するには、まず貫通カム筒2の凸部2a(3つ)を回転筒3の直進溝3c(3つ)にそれぞれ係合させる。この状態では、貫通カム筒2は回転筒3の内部において、直進溝3cに沿って光軸Oに沿う方向に摺動する。そして、凸部2aが周溝3dに到達した時点で貫通カム筒2を回転させると、凸部2aは周溝3dに沿って回転する。したがってこれにより、貫通カム筒2は、回転筒3に対して回動自在となり、かつ光軸Oに沿う方向への移動は規制されるようになる。つまり、貫通カム筒2と回転筒3とはバヨネット結合し、貫通カム筒2と回転筒3とは、光軸方向には一体的に移動可能に、かつ回動方向には相対的に回動自在に配設されることになる。
【0041】
次に、貫通カム筒2の周面上には、所定の角度に設定された3つのカム部である貫通カム溝2bが形成されている。この貫通カム溝2bは、当該貫通カム筒2の周面上において内周側から外周側に貫通した溝孔となっている。
【0042】
貫通カム筒2の貫通カム溝2bには、有底カム筒5の外周面上の後端縁部近傍に植設されているカムピン5bが貫通して配設され、さらに当該カムピン5bは、回転筒3の内周面に形成される直進溝3cにカム係合するようになっている。これにより、有底カム筒5は、貫通カム筒2の貫通カム溝2bに沿う方向に摺動するようになっている。
【0043】
また、貫通カム筒2の外周面上の後端縁部には、3つの凸部2cが外周側に向けて突設されている。この3つの凸部2cは、固定筒1の内周側の直進溝1bに摺動自在に係合するようになっている。したがってこれにより、貫通カム筒2は、固定筒1に対する回転が規制され光軸Oに沿う方向にのみ摺動自在となっている。
【0044】
さらに、貫通カム筒2の外周面上の先端縁部には、3つの凸部2aが外周側に向けて突設されている。この3つの凸部2aは、上述したように回転筒3の内周側の直進溝3cを経て周溝3dに対してバヨネット結合するようになっている。したがってこれにより、貫通カム筒2と回転筒3とは、光軸方向には一体的に移動可能に、かつ回動方向には相対的に回動自在に配設されることになる。
【0045】
貫通カム筒2の内側には、直進枠4が配設されるようになっている。この直進枠4は、円環形状からなる円環部4bと、この円環部4bから光軸Oに沿う方向に延出するように形成される3つの腕部4cとによって形成されている。
【0046】
直進枠4の3つの腕部4cは、第2レンズ群保持筒7の外溝部7cと第1レンズ群保持筒6の内溝部6cとに係合し、両レンズ群保持筒6・7を光軸Oに沿う方向に摺動自在に案内するのと同時に、両レンズ群保持筒6・7が回転するのを規制している。
【0047】
また、直進枠4の円環部4bには、外方に向けて突出するように形成される突起4d・4eがそれぞれ3つ形成されている。このうち、3つの突起4dは、貫通カム筒2の内周面の直進溝2dに摺動自在に係合している。一方、3つの突起4eは、有底カム筒5の内周面側の後端縁部近傍に形成される周溝5eに対してバヨネット結合するようになっている。したがってこれにより、直進枠4は、有底カム筒5に対して一体的に配設されることになる。
【0048】
有底カム筒5は、回転筒3の内側に配設されるようになっている。この有底カム筒5の外周面側の後端縁部近傍には、3つのカムピン5bが外方に向けて突出するように圧入等の手段によって植設されている。この3つのカムピン5bは、上述したように貫通カム筒2の貫通カム溝2bを介して回転筒3の内周側の直進溝3cにカム係合している。したがってこれにより、有底カム筒5は、貫通カム筒2上の貫通カム溝2bに沿ってカム摺動されると共に、回転筒3に対しては相対的に回転を規制され光軸Oに沿う方向にのみ摺動するようになっている。
【0049】
一方、有底カム筒5の内側には、第1レンズ群保持筒6と第2レンズ群保持筒7と直進枠4とが配設されるようになっている。そして、当該有底カム筒5の内周面には、第1レンズ群保持筒6の外周面上の後端縁部近傍に植設されるカムピン6b及び第2レンズ群保持筒7の外周面上の後端縁部近傍に植設されるカムピン7bがそれぞれカム係合し各レンズ群保持筒6・7の変倍位置を設定するためのカム部である変倍用カム溝5c・5dが形成されている。したがってこれにより、有底カム筒5は、第1レンズ群保持筒6及び第2レンズ群保持筒7のそれぞれを所定の方向に移動させ、所定の位置に配置するようになっている。
【0050】
さらに、有底カム筒5の内周側の後端縁部近傍には、上述したように周溝5eが形成されていて、この周溝5eには、直進枠4の突起4eがバヨネット結合するようになっている。したがってこれにより、直進枠4は、有底カム筒5に対して光軸方向には一体的に移動し、かつ回動方向には相対的に回動自在に配設され、さらに光軸Oに沿う方向へ直進移動するようになっている。
【0051】
第1レンズ群保持筒6の先端部近傍には、複数の光学レンズからなる第1レンズ群6aが固設されている。この第1レンズ群保持筒6の内周面には、直進枠4の腕部4cが係合する直進溝6cが形成されている。したがってこれにより、第1レンズ群保持筒6は、直進枠4の腕部4cに沿って光軸Oに沿う方向に進退自在に配設されることになる。
【0052】
さらに、第1レンズ群保持筒6の外周側の後端縁部には、3つのカムピン6bが植設されている。このカムピン6bは、有底カム筒5の内周側に形成される変倍用カム溝5cに係合するようになっている。したがってこれにより、第1レンズ群保持筒6は、有底カム筒5の変倍用カム溝5cに沿って移動するようになっている。つまり、第1レンズ群保持筒6と有底カム筒5とはカム嵌合している。
【0053】
一方、第2レンズ群保持筒7には、複数の光学レンズからなる第2レンズ群7aが固設されている。この第2レンズ群保持筒7の外周面には、直進枠4の腕部4cが係合する直進溝7cが形成されている。したがってこれにより、第2レンズ群保持筒7は、直進枠4の腕部4cに沿って光軸Oに沿う方向に進退自在に配設されることになる。
【0054】
さらに、第2レンズ群保持枠7の外周側の後端縁部には、3つのカムピン7bが植設されている。このカムピン7bは、有底カム筒5の内周側に形成される変倍用カム溝5dに係合するようになっている。したがってこれにより、第2レンズ群保持枠7は、有底カム筒5の変倍用カム溝5dに沿って移動するようになっている。つまり、第2レンズ群保持筒7と有底カム筒5とはカム嵌合している。
【0055】
以上のように構成されるズームレンズ鏡筒の構成部材のうち、固定筒1・回転筒3・直進枠4・第1レンズ群保持筒6・第2レンズ群保持筒7は、例えば樹脂射出成形法による一体成形品となっている。一方、貫通カム筒2と有底カム筒5とは、チクソ射出成形部材による一体成形品であって、素材としては例えばマグネシウム合金等が用いられる。
【0056】
ここで、チクソ射出成形法とは、原理的には樹脂(プラスチック)成形と同様の原理からなる製造手段であって、例えばマグネシウム(Mg)合金を樹脂射出成形法と類似の射出成形装置によって、高温軟化(加熱半溶融化;ダイカストよりも低温溶融である)させて金型内に注入し(射出し)て凝固させ所望の形状の部品を成形する製造手段である。
【0057】
シリンダー内のマグネシウム(Mg)合金の溶融状態は、液状と固層の混じった状態にあり(チクソトロピー状態)、この加熱溶融部分がシリンダー内に密閉されている。このため、製造上において安全性の高い製法である。
【0058】
このチクソ射出成形法によって成形される部材は、従来の樹脂射出成形品に対して、高強度・高剛性・耐熱性・放熱性・寸法安定性・電磁波遮蔽(シールド)性・再生利用性等に優れているという特徴がある。
【0059】
また、従来のアルミニウム合金や鉄鋼品に対しては、軽量・高減衰能・精密成形性等において有利であるという特徴がある。
【0060】
さらに、従来のダイカスト(die−casting;鋳造)品に対しては、寸法精度の向上やガス欠陥の低減・金型寿命の向上等の点において勝れているという特徴がある。
【0061】
このような特徴を有するチクソ射出成形法によって、貫通カム筒2と有底カム筒5とを成形した場合には、部品強度や剛性等を考慮すると各カム筒2・5のそれぞれの筒部分の肉厚は、およそ0.6mm程度の寸法で形成することができる。
【0062】
一方、貫通カム筒2と有底カム筒5について、従来の樹脂射出成形法によって成形した場合において、必要な強度を確保するためには、筒部分の肉厚をおよそ0.8〜1mm程度で形成する必要がある。
【0063】
このように、チクソ射出成形法を採用することによって、貫通カム筒2と有底カム筒5との筒部分の肉厚を、従来の樹脂射出成形品に比べて約0.2〜0.4mmの薄肉化とすることができることになる。
【0064】
即ち、マグネシウム合金の素材剛性自体が樹脂製品に比べておよそ5倍程度高剛性であることから、これを用いて形成されるカム筒自体の強度も、従来の樹脂製品に比べてその筒部分の肉厚を薄肉化したにも関らず、およそ二倍の強度を確保することができることになる。
【0065】
また、上述したように有底カム筒5をチクソ射出成形法により形成したことから、当該有底カム筒5の内周側に形成される変倍用カム溝5c・5dのカム溝底の肉厚をおよそ0.2mm程度にすることができる。
【0066】
一般的に、有底カム筒のカム溝底の肉厚は、樹脂射出成形法によって形成される従来の有底カム筒の場合、成形性及び強度等を考慮して少なくとも0.4mm程度が必要である。また、金属切削加工によって形成される従来の有底カム筒の場合においても、カム溝底の肉厚を薄くすると、当該カム溝の反対側の面、例えばカム溝を内周側に形成する場合にはカム筒の外周側の面が変形してしまう等の影響が生じるために、カム溝底の肉厚は少なくとも0.4mm程度が必要である。
【0067】
一方、本実施形態の有底カム筒5においては、チクソ射出成形法によって形成することによって、成形性や成形精度等を考慮してもカム溝底の肉厚を0.2mmと薄肉化することが可能である。
【0068】
図3は、有底カム筒におけるカム溝の部位を拡大して示す縦断面図であって、上半部は従来の樹脂射出成形法等によって形成した場合の有底カム筒のカム溝を示し、下半部は本実施形態のチクソ射出成形法によって形成した場合の有底カム筒のカム溝を示している。
【0069】
図3の上半部に示すように、樹脂射出成形法や金属切削加工等の従来の工法によって形成した有底カム筒105において、変倍用カム溝105c・105dの深さ寸法D=0.4mmとする場合には、
筒部分の肉厚寸法t1=0.8mm
カム溝底の肉厚寸法D1=0.4mm
となる。
【0070】
一方、本実施形態のチクソ射出成形法によって形成した有底カム筒5において、変倍用カム溝5c・5dの深さ寸法を同様のD=0.4mmとする場合には、図3の下半部に示すように、
筒部分の肉厚寸法t2=0.6mm
カム溝底の肉厚寸法D2=0.2mm
とすることができる。
【0071】
このように、カム溝底の肉厚寸法を薄くするということは(図3において、D1−D2=0.2mmの薄型化)、カム溝深さ寸法Dを従来と同寸法で設定する場合(図3においてD=0.4mm)、有底カム筒5の筒部分の肉厚寸法D2をも薄くすることができ(図3において、t1−t2=0.2mmの薄型化)、よって有底カム筒5自体の外径寸法R2の小径化をも実現できることになる。即ち、図3において、
従来品における有底カム筒105の外径寸法=R1
本実施形態における有底カム筒5の外径寸法=R2
とした場合、両者の関係は、
R1>R2
となり、その差は、
(D1−D2)×2=0.4mm
となり、チクソ射出成形法を用いることによりカム筒5の外径寸法において0.4mmの小径化を実現することができることになる。
【0072】
また、従来の金属切削加工によってカム溝を形成する場合においては、そのカム溝底の肉厚を薄く加工するような高精度加工は極めて困難な加工技術を必要とするが、本実施形態におけるチクソ射出成形法を用いれば、極めて容易にカム溝底の薄肉化を実現することができることになる。
【0073】
ところで、本実施形態のズームレンズ鏡筒において、カム溝を有する部材、即ち貫通カム筒2及び有底カム筒5は、上述したようにチクソ射出成形法を用いて形成するようにしている。したがって、この場合においては、その筒形状部位を成形する工程において、各カム部(カム溝2b・5c・5d)も同時に形成されるようになっている。
【0074】
したがって、従来の金属加工等によってカム溝を形成する従来の工法に比べて、本実施形態におけるチクソ射出成形法を用いれば、二次的な切削加工等の追加工程が不要となっている。
【0075】
このように構成された本実施形態のズームレンズ鏡筒の繰り出し作用について、以下に説明する。
【0076】
まず、本ズームレンズ鏡筒が適用されるカメラの所定の操作部材(図示せず)が操作され、変倍動作を指示する指示信号が発生すると変倍用のモータ等の駆動手段が駆動を開始する。その駆動力は、所定の減速ギアー等の駆動力伝達手段(図示せず)を介して繰り出し用ギアー8を所定の方向へ回転させる。
【0077】
この繰り出し用ギアー8のギアー部8aは、固定筒1のギアーハウジング1dの内部の切欠孔部1eを介して回転筒3の外周ギアー部3aに噛合していることから、当該繰り出し用ギアー8の回転は、回転筒3を所定の方向に回転させる。
【0078】
この回転筒3の外周のオスヘリコイド3bは、固定筒1の内周のメスヘリコイド1cにヘリコイド結合していることから、回転筒3が回転すると当該回転筒3は、ヘリコイドに沿って回転しながら前進し、回転筒3が光軸Oに沿う方向に繰り出される。
【0079】
回転筒3と貫通カム筒2とは、バヨネット結合していることから、回転筒3の繰り出し動作に伴って貫通カム筒2も同時に繰り出される。
【0080】
ここで、貫通カム筒2は、固定筒1に対しては回転が規制されているので、回転筒3は、回転しながら繰り出される一方、貫通カム筒2は、回転することなく前方に向けて光軸Oに沿う方向で直進することになる。したがって、回転筒3と貫通カム筒2とは、相対的に回転する関係となっている。
【0081】
さらに、有底カム筒5のカムピン5bが、貫通カム筒2の貫通カム溝2bを介して回転筒3の内周側の直進溝3cにカム係合していることから、有底カム筒5は、貫通カム筒2に対する相対回転する回転筒3の回転繰り出し動作に伴って、カムピン5bとカム溝2bとのカム作用により貫通カム溝2bの傾斜に沿って繰り出される。
【0082】
このとき回転筒3は固定筒1に対して回転しながら繰り出され、貫通カム筒2は直進のみの繰り出し動作がなされる。そして、有底カム筒5は、固定筒1に対して回転しながら繰り出される。
【0083】
こうして、有底カム筒5が繰り出されると、これに伴って、当該有底カム筒5にバヨネット結合している直進枠4も有底カム筒5と共に繰り出される。
【0084】
ここで、固定筒1に対して有底カム筒5は回転するが、直進枠4は、貫通カム筒2に対して回転が規制されており(突起4dと直進溝2dとの係合)、この貫通カム筒2は、固定筒1に対して回転が規制されている(凸部2cと直進溝1bとの係合)。したがって、直進枠4は、固定筒1に対して回転せずに繰り出し動作のみがなされる。そして、有底カム筒5と直進枠4とは相対的に回転することになる。
【0085】
有底カム筒5と直進枠4とが相対的に回転すると、直進枠4に対して回転が規制され繰り出し動作を行なうと同時に、有底カム筒5に対してカム嵌合している第1レンズ群保持筒6及び第2レンズ群保持枠7は、直進枠4によって直進方向(光軸Oに沿う方向)に案内されながら、有底カム筒5の内周側の変倍用カム溝5c・5dに沿って繰り出される。
【0086】
この場合において、第1レンズ群保持筒6及び第2レンズ群保持枠7は、直進枠4に対しては、回転が規制されており、光軸Oに沿う方向にのみ繰り出される。したがって、第1レンズ群保持筒6及び第2レンズ群保持筒7は、固定筒1に対しても同方向に直進繰り出しがなされる。
【0087】
以上のように、ズームレンズ鏡筒の繰り出し動作が行なわれる。なお、本ズームレンズ鏡筒における繰り込み動作については、上述の繰り出し動作と逆の作用によって行なわれる。したがって、その詳しい説明は省略する。
【0088】
ところで、ズームレンズ鏡筒においては、上述したように貫通カム筒2は固定筒1に係合しており、これにより、その変倍動作時、即ち繰り出し動作又は繰り込み動作が行なわれる際には、貫通カム筒2は固定筒1によりその回転が規制されている。その一方で、貫通カム筒2は有底カム筒5にカム係合しており、これにより、その変倍動作時には、貫通カム筒2は有底カム筒5を回転させるように構成されている。したがって、変倍動作時においては、貫通カム筒2に対して光軸Oの軸周りの捻れの力量が働くような構成となっている。
【0089】
また、有底カム筒5は、回転筒3に直進係合しており、ズームレンズ鏡筒の変倍動作時には、有底カム筒5は回転筒3によりその回転が規制されている。その一方で、有底カム筒5は、第1レンズ群保持筒6にカム係合しており、これにより、その変倍動作時には、有底カム筒5は第1レンズ群保持筒6を回転させるように構成されている。したがって、変倍動作時においては、有底カム筒5に対して光軸Oの軸周りの捻れの力量が働くような構成となっている。
【0090】
しかしながら、本実施形態のズームレンズ鏡筒における両カム筒2・5は、マグネシウム素材を用いたチクソ射出成形法によって形成されていることから、樹脂射出成形品に比べて高剛性となっている。このため本実施形態においては、捻れの力量が加わる部材である貫通カム筒2及び有底カム筒5の筒部分の肉厚を、従来の樹脂射出成形品におけるものよりも薄肉化しても、その剛性を維持することができることになる。
【0091】
例えば、貫通カム筒2の筒部分の肉厚については、従来の樹脂射出成形品の筒部分の肉厚=1.2mmとした場合に対して、チクソ射出成形品の筒部分の肉厚=0.6mmとしても、後者は前者に対して約二倍の強度を備えていることを、本出願は実験により確認している。
【0092】
また、同様に有底カム筒5の筒部分の肉厚については、従来の樹脂射出成形品の筒部分の肉厚=1.0mmとした場合に対して、チクソ射出成形品の筒部分の肉厚=0.6mmとしても、後者は前者に対して約二倍の強度を備えていることが確認されている。
【0093】
即ち、チクソ射出成形品においては、筒状部材(カム筒)の筒部分の肉厚を従来の樹脂射出成形品に対して約半分に設定したとしても、約二倍の強度を確保することができることがわかる。
【0094】
したがってこのことから、チクソ射出成形品では、筒部分の肉厚の薄肉化を行なっても必要充分な強度を維持することができ、よって変倍動作時に加わる捻れの力量による部材の変形等の心配もない。
【0095】
特に、貫通カム筒2においては、貫通カム溝2bが形成されていることから、強度的に不利な形状であるので、その筒部分の薄肉化を施すことは困難な問題である。
【0096】
しかしながら、チクソ射出成形品では、薄肉化によっても必要な強度を容易に維持することができるので、変倍動作時における変形等の問題も容易に解消されることは必然である。
【0097】
以上説明したように、上記一実施形態のズームレンズ鏡筒によれば、チクソ射出成形法によって貫通カム筒2と有底カム筒5とを成形したことから、筒部分の肉厚寸法を従来の樹脂製品に対して薄肉化することができる。そして、筒部分の肉厚寸法を薄肉化したにも関らず、ズーム動作時にカム筒2・5に加わる力量に対しては充分な強度を確保することができるので、各カム筒2・5が変形することもなく、スムーズな動作を実行することができる。
【0098】
これと同時に、カム筒2・5の薄肉化によって、カム筒2・5自体の小径化をも実現できることから、これを適用するズームレンズ鏡筒自体の小径化及び小型軽量化をも実現することができる。
【0099】
また、カム溝底の肉厚寸法を薄くすることが容易に可能であるので、カム溝深さ寸法を従来と同寸法で設定する場合には、有底カム筒5の筒部分の肉厚寸法を薄くすることができる。このことから、有底カム筒5自体の外径寸法の小径化を容易に実現することができ、ズームレンズ鏡筒自体の外径の小径化にも寄与することができる。
【0100】
さらに、従来品に比べても高剛性を確保できるので、ズーム動作時にカム筒2・5が変形することもなくスムーズな動作を実行でき、筒部材の変形等に起因する光学的な芯ずれ等を生じる心配がない。したがってこれにより、良好な像形成性能を確保し、安定動作を確保することが容易にできる。
【0101】
そしてまた、本実施形態においては、チクソ射出成形法によってズームレンズ鏡筒を作製するようにしているので、カム溝を形成するための二次的な加工工程、即ち追加の切削加工等を不要とすることができる。
【0102】
一般的に、金属切削等の二次的加工工程においては、部材を所定の加工治具等に固定して加工が行なわれるわけであるが、その場合におけるチャッキング等によって加工対象の部材を変形させてしまう虞もある。しかし、本実施形態におけるようにチクソ射出成形を用いれば、二次的加工工程を排除することができるので、部材を変形させてしまうという心配が無くなる。
【0103】
これと同時に、チクソ射出成形法による成形品は、高精度に形成することができるので、成形後において例えば二次的切削加工等を施して形状修正するようなことも不要であり、極めて寸法精度の高いカム筒2・5を作製することができる。したがってこのことから、より安定した光学性能を確保したズームレンズ鏡筒を供給することができる。
【0104】
さらにまた、部材製造時における二次的加工工程によって発生する費用及び時間等が不要となることから、部品の調達を迅速化することができ、よって製造コストの低減化に寄与することができる。
【0105】
また、上述したように本実施形態においては、チクソ射出成形法を用いることで、薄肉化を実現しながら必要な部材強度を維持することができ、その部材変形に対する問題をも解消している。
【0106】
このように、部材変形の問題が無く、高精度に部材を形成することができるので、各カム筒2・5の各カム溝2b・5c・5d等によって位置決めがなされる各レンズ群(第1レンズ群6a・第2レンズ群7a)の光軸ずれの発生をも抑えることができる。したがってこれにより、変倍動作によらず安定した光学的性能を確保することが容易にできる。
【0107】
なお、本実施形態のズームレンズ鏡筒においては、貫通カム筒2と有底カム筒5とは、共にチクソ射出成形法によって作製するものとしているが、これに限ることはなく、貫通カム筒2と有底カム筒5とのいずれか一方をチクソ射出成形法によって作製するようにしたものでも、上述の一実施形態と略同様の効果を得ることは充分に可能である。
【0108】
[付記]
上記発明の実施形態により、以下のような構成の発明を得ることができる。
【0109】
(1) 円周上にカム溝を有する筒状のカム筒を備えたレンズ鏡筒において、
上記カム筒をチクソ射出成形法によって成形すると共に、カム溝底部の肉厚が0.3mm以下で形成されているレンズ鏡筒。
【0110】
(2) 付記(1)において、
上記カム筒は、射出成形時における筒形状形成段階と同時に上記カム溝が形成される。
【0111】
(3) 円周上にカム溝を有する筒状のカム筒を備えたレンズ鏡筒において、
上記カム筒は、射出成形時において筒形状部と上記カム溝とを略同時に形成可能な金属射出成形方法によって成形され、この射出成形後において上記カム溝の二次加工が不要であると共に、カム溝底部の肉厚が0.3mm以下で形成されているレンズ鏡筒。
【0112】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、小型カメラのズームレンズ鏡筒において、所望の変倍動作を確実に実行するのに必要となる充分な強度を確保しながら、各構成部材の一層の薄肉化を実現し、かつこれにより各構成部材及びズームレンズ鏡筒自体の小型化を実現しながら製造コストの低減化をも容易に実現し得るズームレンズ鏡筒を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のズームレンズ鏡筒を分解して示す分解斜視図。
【図2】図1のズームレンズ鏡筒において上半部のみを示す縦断面図。
【図3】図1のズームレンズ鏡筒の構成部材のうち有底カム筒のカム溝の部位を拡大して示し、上半部に従来の樹脂射出成形品等のカム溝部位を、下半部に図1のチクソ射出成形品のカム溝部位を示す縦断面図。
【符号の説明】
1……固定筒
2……貫通カム筒
2b……貫通カム溝
3……回転筒
4……直進枠
5・105……有底カム筒
5b……カムピン
5c・5d・105c・105d……変倍用カム溝
6……b第1レンズ群保持筒
6a……第1レンズ群
6b……カムピン
7……第2レンズ群保持筒
7a……第2レンズ群
7b……カムピン
8……繰出ギヤー[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a lens barrel, and more particularly, to a material of constituent members of a zoom lens barrel for forming an optical system capable of freely changing an image magnification.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a camera or the like that performs photographing or the like generally includes a photographing optical system for receiving a light beam from a subject and forming an optical image. In recent years, cameras and the like having a variable power optical system configured to freely change the image magnification are generally widely used.
[0003]
Such a variable power optical system includes a plurality of optical lenses and the like, and each optical lens group is held by a cylindrical or frame-shaped lens group holding member. These lens group holding members are respectively moved in a direction along the optical axis of the variable magnification optical system by a predetermined moving mechanism using a cam unit or the like and a driving unit thereof, thereby forming a desired optical image. It is configured such that a change in magnification can be obtained.
[0004]
As described above, a unit constituted by a variable power optical system (photographing optical system), a plurality of lens group holding members for holding the same, and a moving mechanism thereof is called a so-called lens barrel (one having a variable power optical system). Is particularly referred to as a zoom lens barrel, and is usually provided in a general camera or the like.
[0005]
It is well known that, in a normal case, the positional relationship of each lens group constituting the photographing optical system in the zoom lens barrel affects the optical performance and image forming ability of the photographing optical system. That is, in order to maintain a predetermined standard of the optical performance and image forming ability of the photographing optical system in the zoom lens barrel, each of the lens groups constituting the photographing optical system is arranged at a predetermined position at a predetermined time. In addition, it is preferable that the optical axes of the respective lens groups are always aligned.
[0006]
Therefore, for example, when a predetermined zooming operation (also referred to as a zooming operation) is performed and each lens group moves in a direction along the optical axis, each of the lens groups does not rotate relatively, so-called “extending”. A lens group moving mechanism of the type is widely adopted.
[0007]
In a zoom lens barrel employing such an extension type lens group moving mechanism, the lens group moving mechanism moves each lens group (a lens group holding member holding the lens group) in a direction along the optical axis. In addition to serving as a positioning unit, it also serves as a positioning means for defining each lens group (each lens group holding member) at a predetermined position at a predetermined time. Accordingly, in order to make the optical axes of the lens groups coincide with each other and to accurately maintain the position of each lens group in the direction along the optical axis, the components constituting the lens group moving mechanism require high component precision. Will be.
[0008]
Further, when a predetermined zooming operation or the like is performed in the zoom lens barrel, a predetermined load (amount of force) may be applied to a predetermined position of the constituent member. In this case, even if the component is manufactured with high accuracy, if the strength and rigidity are not sufficiently provided, the component may be deformed depending on the applied load (force). Is also conceivable. In such a case, it is conceivable that the positional relationship between the lens groups of the photographing optical system held and moved by the constituent members may be deviated.
[0009]
Therefore, maintaining the strength and rigidity required for the members constituting the zoom lens barrel is also an important issue.
[0010]
By the way, in a conventional general small camera or the like, further reduction in size and weight is desired in consideration of portability and the like, and at the same time, there is always a demand for reduction in manufacturing cost.
[0011]
For this reason, in a conventional zoom lens barrel of a general small camera called a so-called compact camera, its constituent members are usually manufactured by using, for example, a resin injection molding method.
[0012]
On the other hand, in a zoom lens barrel used for a high-performance camera or the like employing a so-called single-lens reflex system, it is necessary to maintain high optical performance in order to satisfy a predetermined higher standard. It is necessary to use a component that has high strength and rigidity.
[0013]
In consideration of this, the constituent members of the zoom lens barrel used for such a high-performance camera or the like are generally manufactured by, for example, shaving a metal material.
[0014]
Then, as a means for producing a constituent member made of a metal material, apart from the above-described means for cutting out a metal material or the like, a constituent member such as a lens group holding member is formed by means of, for example, metal injection molding. On the other hand, a manufacturing method in which high-precision cam means and the like are formed by performing secondary processing is generally adopted.
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
However, for example, a resin component produced by a resin injection molding method or the like tends to have a lower strength or rigidity than a component produced by a metal material. There is a problem in that, when concentrated addition occurs, the portion may be elastically deformed.
[0016]
For example, when a predetermined zooming operation, that is, a lens extending operation or a lens retracting operation, is performed in a zoom lens barrel formed of resin-made components, a predetermined portion of each component is moved in a predetermined direction. Since the rotation torque (the amount of twisting force) is applied, each component may be deformed. In particular, if the member is formed with a cam means for moving each lens group holding member, for example, a plurality of cam grooves having a bottom and a plurality of penetrated cam grooves are usually formed. When a torsion force equal to or more than a predetermined force is applied to a portion where such a cam groove or a cam groove hole is formed, if the portion of the member does not have sufficient strength and rigidity, Deformation may occur in the relevant part of the component.
[0017]
As described above, when the members constituting the zoom lens barrel are deformed, the lens groups and the like held by these members are not arranged at predetermined positions, thereby deteriorating optical performance, image forming performance, and the like. It becomes a factor to make it.
[0018]
In consideration of this point, in a conventional zoom lens barrel, it is general to secure necessary strength and rigidity and prevent deformation of the members by increasing the thickness of the constituent members. is there. However, when the thickness of the member is increased, there is a problem that the zoom lens barrel itself becomes large.
[0019]
Therefore, in a component manufactured by a resin injection molding method, the thickness of the thickness of the component is reduced as much as possible so that necessary strength and rigidity can be secured. I try to keep it down. However, such measures have their limitations.
[0020]
Therefore, in manufacturing the constituent members of the zoom lens barrel, there is a case where a means for manufacturing the constituent members by performing a shaving process of a metal material or the like instead of the resin injection molding method is used.
[0021]
However, it is difficult to reduce the manufacturing cost of such a means using a metal shaving process or the like, and as described above, for example, a zoom lens barrel of a single-lens reflex type high-performance camera or the like as described above. It is only used when manufacturing a lens, and it is desired to reduce the manufacturing cost as much as possible.When manufacturing a lens barrel of a small camera such as a compact camera to be supplied at a low cost, metal shaving is required. It is extremely rare that a means such as a drawing process is employed.
[0022]
Further, for example, there is a means for forming a cam groove or a cam groove hole by performing a secondary processing such as a cutting process on a constituent member manufactured by metal injection molding. For the same reason as the processing means, it is rarely employed when manufacturing a zoom lens barrel of a small camera such as a general so-called compact camera.
[0023]
The present invention has been made in view of the above points, and an object of the present invention is to provide a zoom lens barrel of a compact camera such as a compact camera, which is required to reliably perform a desired zoom operation. The thickness of each component is further reduced while ensuring sufficient strength, and the size of each component and the zoom lens barrel itself can be reduced, and manufacturing costs can be reduced easily. It is an object of the present invention to provide a zoom lens barrel that can be realized at the same time.
[0024]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a lens barrel according to a first aspect of the present invention is a lens barrel having a cylindrical cam barrel having a penetrating or bottomed cam portion on a circumference. It is characterized by being molded by a molding method.
[0025]
According to a second aspect of the present invention, in the lens barrel according to the first aspect, the cam portion is formed at the same time as a step of forming a cylinder shape during injection molding.
[0026]
The lens barrel according to a third aspect of the present invention is a lens barrel having a cylindrical cam barrel having a penetrated or bottomed cam portion on a circumference, wherein the cam barrel has a cylindrical shape during injection molding. And the cam portion are formed by a metal injection molding method capable of being formed substantially simultaneously, so that the secondary processing of the cam portion is not required after the injection molding.
[0027]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described with reference to the illustrated embodiments.
1 and 2 are views showing the configuration of a zoom lens barrel according to an embodiment of the present invention. FIG. 1 is an exploded perspective view showing the zoom lens barrel in an exploded manner, and FIG. FIG. 2 is a longitudinal sectional view of a zoom lens barrel. FIG. 2 shows only the upper half of the optical axis O in order to avoid complication of the drawing.
[0028]
The zoom lens barrel according to the present embodiment has a plurality of cylindrical or frame-shaped components as shown in the figure, namely, a fixed cylinder 1, a penetrating cam cylinder 2, a rotary cylinder 3, a rectilinear frame 4, a bottomed cam cylinder 5, The first lens group holding cylinder 6, the second lens group holding cylinder 7, etc., and a delivery gear 8 (see FIG. 1) for transmitting a driving force from a driving member (not shown) such as a motor to the rotating cylinder 3. (Not shown)).
[0029]
The photographing optical system of the present zoom lens barrel includes two lens groups (a first lens group 6a and a second lens group 7a) including a plurality of optical lenses and the like. The first lens group 6 a is held by being fixed to the first lens group holding cylinder 6. The second lens group 7a is held by being fixed to the second lens group holding cylinder 7.
[0030]
The first lens group holding cylinder 6 and the second lens group holding cylinder 7 are configured to be independently movable in a direction along the optical axis O by predetermined cam means.
[0031]
In this case, the two lens group holding cylinders 6 and 7 each have a so-called double ring structure so that the first lens group holding cylinder 6 and the second lens group holding cylinder 7 perform a straight forward operation. It is configured.
[0032]
Hereinafter, details of each component constituting the present zoom lens barrel will be described.
First, the zoom lens barrel is connected to the front side of a camera body (not shown) using the zoom lens barrel by, for example, screws using a fixed barrel 1. For this purpose, a connecting portion 1 a is formed at the base end of the fixed cylinder 1.
[0033]
A female helicoid 1c meshing with a male helicoid 3b formed on the rear end of the outer peripheral surface of the rotary cylinder 3 disposed inside the fixed cylinder 1 is formed on substantially the entire inner peripheral surface of the fixed cylinder 1. Have been. In other words, the rotating cylinder 3 is disposed inside the fixed cylinder 1, and at this time, the fixed cylinder 1 and the rotating cylinder 3 are helicoid-coupled.
[0034]
A straight groove 1b having a long side in a direction along the optical axis O is formed in a part of the inner peripheral surface of the fixed cylinder 1. Three projections 2c projecting outward at the rear end edge of the penetrating cam cylinder 2 are slidably engaged with the rectilinear grooves 1b. Therefore, the straight groove 1b is also formed at a position corresponding to the same number in accordance with the three convex portions 2c. As described above, the protrusion 2c is slidably engaged with the rectilinear groove 1b, so that the penetrating cam cylinder 2 linearly engages with the fixed cylinder 1, whereby the rotation of the penetrating cam cylinder 2 is prevented. Regulated.
[0035]
Further, a gear housing 1d (see FIG. 1; not shown in FIG. 2) for rotatably housing the feed-out gear 8 is formed at a predetermined position on the outer peripheral side of the fixed cylinder 1. A cutout hole 1e is formed at a position corresponding to the portion where the gear housing 1d is provided. When the feeding gear 8 is housed inside the gear housing 1d, the gear portion 8a is provided to protrude inside the fixed cylinder 1.
[0036]
Therefore, the gear portion 8a of the feed-out gear 8 meshes with the outer peripheral gear portion 3a formed at the rear end edge of the rotary cylinder 3 that is helicoid-coupled inside the fixed cylinder 1.
[0037]
As described above, the rotating cylinder 3 is rotatably disposed inside the fixed cylinder 1. The rotary cylinder 3 has an outer peripheral gear portion 3a and a male helicoid 3b formed in a portion near the rear end edge on the outer peripheral surface side.
[0038]
As described above, the gear portion 8a of the feeding gear 8 meshes with the outer peripheral gear portion 3a, and the female helicoid 1c of the fixed cylinder 1 is helicoid-coupled to the male helicoid 3b.
[0039]
Further, a peripheral groove 3d is formed in the vicinity of the front end edge on the inner peripheral surface side of the rotary cylinder 3 in a direction along the inner peripheral surface, and the three rectilinear grooves 3c are provided continuously with the peripheral groove 3d. Are formed at predetermined positions in the direction along the optical axis O. And three convex parts 2a formed in the peripheral groove 3d at the front end edge on the outer peripheral surface side of the penetrating cam cylinder 2 are fitted.
[0040]
That is, the penetrating cam cylinder 2 is arranged inside the rotary cylinder 3. In this case, in order to dispose the penetrating cam cylinder 2 inside the rotary cylinder 3, first, the protrusions 2 a (three) of the penetrating cam cylinder 2 are respectively engaged with the rectilinear grooves 3 c (three) of the rotary cylinder 3. Let it. In this state, the penetrating cam cylinder 2 slides in the direction along the optical axis O along the straight groove 3c inside the rotary cylinder 3. When the penetrating cam cylinder 2 is rotated when the convex portion 2a reaches the peripheral groove 3d, the convex portion 2a rotates along the peripheral groove 3d. Accordingly, the penetrating cam cylinder 2 is thereby rotatable with respect to the rotary cylinder 3 and movement in the direction along the optical axis O is restricted. That is, the penetrating cam cylinder 2 and the rotary cylinder 3 are bayonet-coupled, and the penetrating cam cylinder 2 and the rotary cylinder 3 can move integrally in the optical axis direction and relatively rotate in the rotation direction. It will be arranged freely.
[0041]
Next, on the peripheral surface of the penetrating cam cylinder 2, there are formed penetrating cam grooves 2b, which are three cam portions set at a predetermined angle. The penetrating cam groove 2 b is a groove penetrating from the inner peripheral side to the outer peripheral side on the peripheral surface of the penetrating cam cylinder 2.
[0042]
A cam pin 5b planted near the rear edge on the outer peripheral surface of the bottomed cam cylinder 5 penetrates the penetrating cam groove 2b of the penetrating cam cylinder 2, and the cam pin 5b rotates. The cam engages with a rectilinear groove 3c formed on the inner peripheral surface of the cylinder 3. Thus, the bottomed cam cylinder 5 slides in a direction along the through cam groove 2b of the through cam cylinder 2.
[0043]
In addition, at the rear end edge on the outer peripheral surface of the penetrating cam cylinder 2, three convex portions 2c are provided so as to project toward the outer peripheral side. The three convex portions 2c are slidably engaged with the rectilinear grooves 1b on the inner peripheral side of the fixed cylinder 1. Accordingly, the rotation of the penetrating cam cylinder 2 with respect to the fixed cylinder 1 is thereby restricted, and the penetrating cam cylinder 2 is slidable only in the direction along the optical axis O.
[0044]
Further, three convex portions 2a are provided on the outer peripheral surface of the penetrating cam cylinder 2 at the distal end edge thereof so as to project toward the outer peripheral side. The three convex portions 2a are configured to be bayonet-coupled to the circumferential groove 3d via the rectilinear groove 3c on the inner circumferential side of the rotary cylinder 3 as described above. Accordingly, the penetrating cam cylinder 2 and the rotary cylinder 3 are thus arranged so as to be integrally movable in the optical axis direction and relatively rotatable in the rotation direction.
[0045]
A rectilinear frame 4 is arranged inside the penetrating cam cylinder 2. The rectilinear frame 4 is formed by an annular portion 4b having an annular shape and three arm portions 4c formed to extend from the annular portion 4b in a direction along the optical axis O.
[0046]
The three arms 4c of the rectilinear frame 4 are engaged with the outer groove 7c of the second lens group holding cylinder 7 and the inner groove 6c of the first lens group holding cylinder 6, and the two lens group holding cylinders 6 At the same time as the guides are slidably guided in the direction along the axis O, the rotation of both lens group holding cylinders 6 and 7 is restricted.
[0047]
The annular portion 4b of the rectilinear frame 4 has three projections 4d and 4e formed so as to project outward. Of these, the three protrusions 4d are slidably engaged with the rectilinear grooves 2d on the inner peripheral surface of the through cam cylinder 2. On the other hand, the three projections 4e are configured to be bayonet-coupled to a peripheral groove 5e formed near the rear end edge of the inner peripheral surface side of the bottomed cam cylinder 5. Accordingly, the rectilinear frame 4 is thereby integrally disposed with the bottomed cam cylinder 5.
[0048]
The bottomed cam cylinder 5 is arranged inside the rotary cylinder 3. In the vicinity of the rear end edge of the outer peripheral surface side of the bottomed cam cylinder 5, three cam pins 5b are implanted by means such as press fitting so as to project outward. The three cam pins 5b are cam-engaged with the rectilinear grooves 3c on the inner peripheral side of the rotary cylinder 3 via the penetrating cam grooves 2b of the penetrating cam cylinder 2 as described above. Accordingly, the bottomed cam barrel 5 is slid along the penetrating cam groove 2 b on the penetrating cam barrel 2, and is also restricted from rotating relative to the rotary barrel 3, so that the bottomed cam barrel 5 is along the optical axis O. It slides only in the direction.
[0049]
On the other hand, inside the bottomed cam barrel 5, the first lens group holding barrel 6, the second lens group holding barrel 7, and the rectilinear frame 4 are arranged. On the inner peripheral surface of the bottomed cam cylinder 5, a cam pin 6 b implanted near the rear end edge on the outer peripheral surface of the first lens group holding cylinder 6 and the outer peripheral surface of the second lens group holding cylinder 7 The cam pins 7b implanted in the vicinity of the upper rear edge engage with the respective cams, and the variable power cam grooves 5c and 5d, which are the cam portions for setting the variable power positions of the lens group holding cylinders 6 and 7, respectively. Is formed. Accordingly, the bottomed cam barrel 5 moves the first lens group holding barrel 6 and the second lens group holding barrel 7 in a predetermined direction, and is arranged at a predetermined position.
[0050]
Further, the peripheral groove 5e is formed in the vicinity of the rear end edge on the inner peripheral side of the bottomed cam cylinder 5 as described above, and the projection 4e of the rectilinear frame 4 is bayonet-coupled to the peripheral groove 5e. It has become. Therefore, the rectilinear frame 4 is thereby integrally moved with respect to the bottomed cam barrel 5 in the optical axis direction and is relatively rotatably disposed in the rotation direction. It moves straight along the direction.
[0051]
A first lens group 6a including a plurality of optical lenses is fixedly provided near the distal end of the first lens group holding cylinder 6. A rectilinear groove 6c with which the arm 4c of the rectilinear frame 4 engages is formed on the inner peripheral surface of the first lens group holding cylinder 6. Accordingly, the first lens group holding cylinder 6 is thereby disposed so as to be able to advance and retreat in the direction along the optical axis O along the arm 4c of the rectilinear frame 4.
[0052]
Further, three cam pins 6b are implanted at the rear end edge of the outer peripheral side of the first lens group holding cylinder 6. The cam pin 6b is adapted to engage with a variable power cam groove 5c formed on the inner peripheral side of the bottomed cam cylinder 5. Accordingly, the first lens group holding cylinder 6 moves along the variable power cam groove 5c of the bottomed cam cylinder 5. That is, the first lens group holding cylinder 6 and the bottomed cam cylinder 5 are cam-fitted.
[0053]
On the other hand, a second lens group 7a composed of a plurality of optical lenses is fixed to the second lens group holding cylinder 7. A rectilinear groove 7c with which the arm 4c of the rectilinear frame 4 engages is formed on the outer peripheral surface of the second lens group holding cylinder 7. Accordingly, the second lens group holding cylinder 7 is thereby disposed so as to be able to advance and retreat in the direction along the optical axis O along the arm 4c of the rectilinear frame 4.
[0054]
Further, three cam pins 7b are implanted at the rear end edge on the outer peripheral side of the second lens group holding frame 7. The cam pin 7b is adapted to engage with a variable power cam groove 5d formed on the inner peripheral side of the bottomed cam cylinder 5. Accordingly, the second lens group holding frame 7 moves along the variable power cam groove 5d of the bottomed cam cylinder 5. That is, the second lens group holding cylinder 7 and the bottomed cam cylinder 5 are cam-fitted.
[0055]
Among the constituent members of the zoom lens barrel configured as described above, the fixed barrel 1, the rotating barrel 3, the rectilinear frame 4, the first lens group holding barrel 6, and the second lens group holding barrel 7 are made, for example, by resin injection molding. It is an integral molded product by the method. On the other hand, the penetrating cam cylinder 2 and the bottomed cam cylinder 5 are integrally formed from a thixo-injection molded member, and a magnesium alloy or the like is used as a material.
[0056]
Here, the thixo-injection molding method is a production means based on the same principle as resin (plastic) molding, and for example, a magnesium (Mg) alloy is formed by an injection molding apparatus similar to the resin injection molding method. This is a production means for softening at a high temperature (semi-melting by heating; melting at a lower temperature than die casting), injecting (injecting) into a mold, and solidifying to form a part having a desired shape.
[0057]
The molten state of the magnesium (Mg) alloy in the cylinder is in a state where a liquid and a solid layer are mixed (thixotropic state), and the heated and melted portion is sealed in the cylinder. For this reason, it is a manufacturing method with high safety in manufacturing.
[0058]
The members molded by this thixo-injection molding method have high strength, high rigidity, heat resistance, heat dissipation, dimensional stability, electromagnetic wave shielding (shielding) properties, recyclability, etc. compared to conventional resin injection molded products. There is a feature that is excellent.
[0059]
In addition, conventional aluminum alloys and steel products are advantageous in light weight, high damping ability, precision formability, and the like.
[0060]
Further, the conventional die-casting is superior in terms of improvement in dimensional accuracy, reduction of gas defects, improvement of mold life, and the like.
[0061]
When the penetrating cam cylinder 2 and the bottomed cam cylinder 5 are formed by the thixo-injection molding method having such features, when the strength, rigidity, etc. of parts are taken into consideration, the respective cylinder portions of the respective cam cylinders 2 and 5 are formed. The wall thickness can be formed with a dimension of about 0.6 mm.
[0062]
On the other hand, in the case where the penetrating cam cylinder 2 and the bottomed cam cylinder 5 are molded by the conventional resin injection molding method, in order to secure necessary strength, the wall thickness of the cylinder portion should be about 0.8 to 1 mm. Need to be formed.
[0063]
As described above, by adopting the thixo-injection molding method, the wall thickness of the cylindrical portion of the penetrating cam cylinder 2 and the bottomed cam cylinder 5 is about 0.2 to 0.4 mm as compared with the conventional resin injection molded product. Can be made thinner.
[0064]
That is, since the material rigidity of the magnesium alloy itself is about five times higher than that of the resin product, the strength of the cam cylinder itself formed using the same is smaller than that of the conventional resin product. Although the thickness is reduced, it is possible to secure about twice the strength.
[0065]
Further, since the bottomed cam cylinder 5 is formed by the thixo-injection molding method as described above, the thickness of the cam groove bottom of the variable power cam grooves 5c and 5d formed on the inner peripheral side of the bottomed cam cylinder 5 is formed. The thickness can be about 0.2 mm.
[0066]
Generally, the thickness of the bottom of the cam groove of the bottomed cam cylinder needs to be at least about 0.4 mm in the case of a conventional bottomed cam cylinder formed by a resin injection molding method in consideration of moldability and strength. It is. Also, in the case of a conventional bottomed cam cylinder formed by metal cutting, when the thickness of the cam groove bottom is reduced, the surface on the opposite side of the cam groove, for example, when the cam groove is formed on the inner peripheral side. In this case, the bottom surface of the cam groove needs to have a thickness of at least about 0.4 mm because the outer surface of the cam cylinder is deformed.
[0067]
On the other hand, in the bottomed cam cylinder 5 of the present embodiment, the thickness of the bottom of the cam groove is reduced to 0.2 mm by taking the formability and the molding accuracy into consideration by forming it by the thixo-injection molding method. Is possible.
[0068]
FIG. 3 is an enlarged longitudinal sectional view showing a portion of a cam groove in a bottomed cam cylinder, and an upper half portion shows a cam groove of the bottomed cam cylinder when formed by a conventional resin injection molding method or the like. And the lower half shows the cam groove of the bottomed cam cylinder when formed by the thixo-injection molding method of the present embodiment.
[0069]
As shown in the upper half of FIG. 3, in the bottomed cam cylinder 105 formed by a conventional method such as resin injection molding or metal cutting, the depth dimension D = 0. In the case of 4 mm,
Thickness t1 of the cylinder part = 0.8 mm
Thickness dimension of cam groove bottom D1 = 0.4mm
It becomes.
[0070]
On the other hand, in the bottomed cam cylinder 5 formed by the thixo-injection molding method of the present embodiment, when the depth dimension of the variable power cam grooves 5c and 5d is the same D = 0.4 mm, the lower part of FIG. As shown in the half,
Thickness t2 = 0.6 mm of the cylindrical part
Thickness dimension D2 of cam groove bottom = 0.2mm
It can be.
[0071]
As described above, reducing the thickness of the bottom of the cam groove (in FIG. 3, reducing the thickness to D1-D2 = 0.2 mm) means that the cam groove depth D is set to the same size as the conventional one ( In FIG. 3, D = 0.4 mm), and the thickness D2 of the cylindrical portion of the bottomed cam cylinder 5 can also be reduced (in FIG. 3, the thickness is reduced to t1-t2 = 0.2 mm). The outer diameter R2 of the cam cylinder 5 itself can be reduced. That is, in FIG.
Outer diameter of conventional bottomed cam cylinder 105 = R1
Outer diameter of bottomed cam cylinder 5 in this embodiment = R2
Then the relationship between the two is
R1> R2
And the difference is
(D1-D2) × 2 = 0.4 mm
By using the thixo-injection molding method, the outer diameter of the cam cylinder 5 can be reduced to 0.4 mm.
[0072]
Further, in the case of forming a cam groove by conventional metal cutting, high-precision processing such as thinning the bottom of the cam groove requires extremely difficult processing technology. If the injection molding method is used, the bottom of the cam groove can be thinned very easily.
[0073]
In the zoom lens barrel according to the present embodiment, the members having the cam grooves, that is, the penetrating cam cylinder 2 and the bottomed cam cylinder 5 are formed by using the thixo-injection molding method as described above. Therefore, in this case, in the step of forming the cylindrical portion, each cam portion (cam groove 2b, 5c, 5d) is also formed at the same time.
[0074]
Therefore, when the thixo-injection molding method according to the present embodiment is used, an additional step such as secondary cutting is not required, as compared with the conventional method of forming a cam groove by conventional metal processing or the like.
[0075]
The extension operation of the thus configured zoom lens barrel according to the present embodiment will be described below.
[0076]
First, when a predetermined operation member (not shown) of the camera to which the present zoom lens barrel is applied is operated and an instruction signal for instructing a zooming operation is generated, a driving unit such as a motor for zooming starts driving. I do. The driving force rotates the feeding gear 8 in a predetermined direction via a driving force transmitting means (not shown) such as a predetermined reduction gear.
[0077]
Since the gear portion 8a of the feeding gear 8 meshes with the outer peripheral gear portion 3a of the rotary cylinder 3 through the cutout hole 1e inside the gear housing 1d of the fixed barrel 1, the gear portion 8a of the feeding gear 8 The rotation rotates the rotary cylinder 3 in a predetermined direction.
[0078]
Since the male helicoid 3b on the outer periphery of the rotating cylinder 3 is helicoidally coupled to the female helicoid 1c on the inner periphery of the fixed cylinder 1, when the rotating cylinder 3 rotates, the rotating cylinder 3 rotates while rotating along the helicoid. Moving forward, the rotary cylinder 3 is extended in a direction along the optical axis O.
[0079]
Since the rotating cylinder 3 and the penetrating cam cylinder 2 are bayonet-coupled, the penetrating cam cylinder 2 is simultaneously extended with the extending operation of the rotating cylinder 3.
[0080]
Here, since rotation of the penetrating cam cylinder 2 is restricted with respect to the fixed cylinder 1, the rotating cylinder 3 is fed out while rotating, while the penetrating cam cylinder 2 is directed forward without rotating. The light travels straight in the direction along the optical axis O. Therefore, the rotary cylinder 3 and the penetrating cam cylinder 2 have a relation of relatively rotating.
[0081]
Further, since the cam pin 5b of the bottomed cam cylinder 5 is cam-engaged with the rectilinear groove 3c on the inner peripheral side of the rotary cylinder 3 via the penetrating cam groove 2b of the penetrating cam cylinder 2, Is fed out along the inclination of the penetrating cam groove 2b by the cam action of the cam pin 5b and the cam groove 2b in accordance with the rotational feeding operation of the rotating cylinder 3 that rotates relative to the penetrating cam cylinder 2.
[0082]
At this time, the rotary cylinder 3 is extended while being rotated with respect to the fixed cylinder 1, and the penetrating cam cylinder 2 is extended only linearly. Then, the bottomed cam cylinder 5 is fed out while rotating with respect to the fixed cylinder 1.
[0083]
When the bottomed cam cylinder 5 is extended in this manner, the rectilinear frame 4 that is bayonet-coupled to the bottomed cam cylinder 5 is also extended along with the bottomed cam cylinder 5.
[0084]
Here, the bottomed cam cylinder 5 rotates with respect to the fixed cylinder 1, but the rotation of the rectilinear frame 4 is restricted with respect to the penetrating cam cylinder 2 (engagement between the protrusion 4 d and the rectilinear groove 2 d), The rotation of the penetrating cam cylinder 2 is restricted with respect to the fixed cylinder 1 (engagement between the convex portion 2c and the rectilinear groove 1b). Therefore, the straight-moving frame 4 performs only the extending operation without rotating with respect to the fixed cylinder 1. Then, the bottomed cam cylinder 5 and the rectilinear frame 4 rotate relatively.
[0085]
When the bottomed cam barrel 5 and the rectilinear frame 4 rotate relative to each other, the rotation is restricted with respect to the rectilinear frame 4 and the feeding operation is performed. The lens group holding cylinder 6 and the second lens group holding frame 7 are guided by the rectilinear frame 4 in the rectilinear direction (the direction along the optical axis O), and the zoom cam groove 5 c on the inner peripheral side of the bottomed cam cylinder 5.・ It is paid out along 5d.
[0086]
In this case, the rotation of the first lens group holding cylinder 6 and the second lens group holding frame 7 with respect to the rectilinear frame 4 is restricted, and the first lens group holding cylinder 6 and the second lens group holding frame 7 are extended only in the direction along the optical axis O. Therefore, the first lens group holding barrel 6 and the second lens group holding barrel 7 are also straight forwardly extended in the same direction with respect to the fixed barrel 1.
[0087]
As described above, the operation of extending the zoom lens barrel is performed. The retracting operation in the present zoom lens barrel is performed by an operation reverse to the above-described extending operation. Therefore, the detailed description is omitted.
[0088]
By the way, in the zoom lens barrel, as described above, the penetrating cam barrel 2 is engaged with the fixed barrel 1, so that at the time of the variable power operation, that is, when the extending operation or the retracting operation is performed, The rotation of the penetrating cam cylinder 2 is restricted by the fixed cylinder 1. On the other hand, the penetrating cam cylinder 2 is cam-engaged with the bottomed cam cylinder 5, whereby the penetrating cam cylinder 2 is configured to rotate the bottomed cam cylinder 5 during the variable power operation. . Therefore, at the time of the variable power operation, the configuration is such that the amount of twisting force around the optical axis O acts on the penetrating cam cylinder 2.
[0089]
Further, the bottomed cam barrel 5 is engaged linearly with the rotary barrel 3, and the rotation of the bottomed cam barrel 5 is regulated by the rotary barrel 3 during zooming operation of the zoom lens barrel. On the other hand, the bottomed cam barrel 5 is cam-engaged with the first lens group holding barrel 6, whereby the bottomed cam barrel 5 rotates the first lens group holding barrel 6 during the zooming operation. It is configured to be. Therefore, at the time of the variable power operation, the configuration is such that the amount of twisting force around the optical axis O acts on the bottomed cam cylinder 5.
[0090]
However, since both cam barrels 2 and 5 in the zoom lens barrel of the present embodiment are formed by a thixo-injection molding method using a magnesium material, they have higher rigidity than a resin injection-molded product. For this reason, in this embodiment, even if the wall thicknesses of the cylindrical portions of the through cam cylinder 2 and the bottomed cam cylinder 5, which are members to which the torsional force is applied, are made thinner than those of the conventional resin injection molded product, The rigidity can be maintained.
[0091]
For example, regarding the thickness of the cylindrical portion of the through cam cylinder 2, the thickness of the cylindrical portion of the thixo-injection molded product is 0 compared to the case where the thickness of the cylindrical portion of the conventional resin injection molded product is 1.2 mm. The present application has confirmed by experiment that the latter has about twice the strength of the former even at 0.6 mm.
[0092]
Similarly, the thickness of the cylindrical portion of the bottomed cam cylinder 5 is smaller than that of the conventional resin injection molded product when the thickness of the cylindrical portion is 1.0 mm. It has been confirmed that the latter has about twice the strength of the former even when the thickness is 0.6 mm.
[0093]
That is, in the thixo-injection molded product, even if the thickness of the cylindrical portion of the cylindrical member (cam cylinder) is set to about half that of the conventional resin injection-molded product, it is possible to secure about twice the strength. We can see that we can do it.
[0094]
Therefore, from this, in the thixo-injection molded product, it is possible to maintain the necessary and sufficient strength even if the wall thickness of the cylindrical portion is reduced, and therefore, there is a concern that the member is deformed due to the amount of torsional force applied at the time of the variable power operation. Nor.
[0095]
In particular, in the penetrating cam cylinder 2, since the penetrating cam groove 2 b is formed, it has a disadvantageous shape in terms of strength, and thus it is difficult to reduce the thickness of the cylinder part.
[0096]
However, in the thixo-injection molded product, the required strength can be easily maintained even by reducing the wall thickness, so that it is inevitable that problems such as deformation at the time of the variable power operation are easily eliminated.
[0097]
As described above, according to the zoom lens barrel of the above-described embodiment, since the penetrating cam cylinder 2 and the bottomed cam cylinder 5 are formed by the thixo-injection molding method, the thickness of the cylindrical portion is reduced to the conventional thickness. It can be thinner than resin products. Although the thickness of the cylinder portion is reduced, sufficient strength can be secured against the amount of force applied to the cam cylinders 2.5 during the zoom operation. Can be executed smoothly without deformation.
[0098]
At the same time, by reducing the thickness of the cam barrels 2 and 5, the diameter of the cam barrels 2 and 5 itself can be reduced, so that the zoom lens barrel itself to which the cam barrels 2 and 5 are applied can also be reduced in size and weight. Can be.
[0099]
Further, since the thickness of the bottom of the cam groove can be easily reduced, when the depth of the cam groove is set to the same size as the conventional one, the thickness of the cylinder portion of the bottomed cam cylinder 5 is set. Can be made thinner. Thus, the outer diameter of the bottomed cam barrel 5 itself can be easily reduced, and the outer diameter of the zoom lens barrel itself can be reduced.
[0100]
Further, since higher rigidity can be ensured as compared with conventional products, smooth operation can be performed without deformation of the cam cylinders 2 and 5 during zoom operation, and optical misalignment due to deformation of the cylinder members and the like. There is no need to worry. Therefore, this makes it possible to easily secure good image forming performance and secure stable operation.
[0101]
Further, in the present embodiment, since the zoom lens barrel is manufactured by the thixo-injection molding method, a secondary processing step for forming the cam groove, that is, an additional cutting processing is unnecessary. can do.
[0102]
Generally, in a secondary processing step such as metal cutting, processing is performed by fixing a member to a predetermined processing jig or the like, but the member to be processed is deformed by chucking or the like in that case. There is a possibility that it will be done. However, if thixo-injection molding is used as in the present embodiment, the secondary processing step can be eliminated, and there is no need to worry about deforming the member.
[0103]
At the same time, a molded article by the thixo-injection molding method can be formed with high precision, so that it is not necessary to modify the shape by performing, for example, secondary cutting after molding, and to achieve extremely high dimensional accuracy. Can be manufactured. Therefore, from this, it is possible to supply a zoom lens barrel that secures more stable optical performance.
[0104]
Furthermore, since the cost and time, etc., generated by the secondary processing steps at the time of manufacturing the member are not required, the procurement of parts can be speeded up, which can contribute to the reduction of the manufacturing cost.
[0105]
Further, as described above, in the present embodiment, by using the thixo-injection molding method, it is possible to maintain the required member strength while realizing the thinning, and to solve the problem of the member deformation.
[0106]
As described above, since the members can be formed with high accuracy without the problem of the member deformation, each lens group (the first lens group) which is positioned by the respective cam grooves 2b, 5c, 5d of the respective cam cylinders 2, 5 can be formed. The occurrence of the optical axis shift of the lens group 6a and the second lens group 7a) can also be suppressed. Therefore, it is possible to easily secure stable optical performance regardless of the zooming operation.
[0107]
In the zoom lens barrel according to the present embodiment, the penetrating cam barrel 2 and the bottomed cam barrel 5 are both manufactured by the thixo-injection molding method. However, the present invention is not limited thereto. Even if one of the cam cylinder 5 and the bottomed cam cylinder 5 is manufactured by the thixo-injection molding method, it is sufficiently possible to obtain substantially the same effect as in the above-described embodiment.
[0108]
[Appendix]
According to the embodiment of the present invention, an invention having the following configuration can be obtained.
[0109]
(1) In a lens barrel provided with a cylindrical cam barrel having a cam groove on the circumference,
A lens barrel in which the cam barrel is formed by a thixo-injection molding method and the bottom of the cam groove has a thickness of 0.3 mm or less.
[0110]
(2) In Appendix (1),
In the cam cylinder, the cam groove is formed at the same time as the step of forming the cylinder at the time of injection molding.
[0111]
(3) In a lens barrel having a cylindrical cam barrel having a cam groove on the circumference,
The above-mentioned cam cylinder is formed by a metal injection molding method capable of forming a cylindrical portion and the above-mentioned cam groove substantially simultaneously at the time of injection molding. A lens barrel formed with a groove bottom having a thickness of 0.3 mm or less.
[0112]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in the zoom lens barrel of a small camera, the thickness of each constituent member is further reduced while ensuring sufficient strength necessary for reliably executing a desired zooming operation. Accordingly, it is possible to provide a zoom lens barrel that can easily realize reduction in manufacturing cost while realizing miniaturization of each constituent member and the zoom lens barrel itself.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an exploded perspective view showing an exploded zoom lens barrel according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view showing only the upper half of the zoom lens barrel shown in FIG. 1;
FIG. 3 is an enlarged view of a cam groove portion of a bottomed cam barrel among constituent members of the zoom lens barrel shown in FIG. 1; a cam groove portion of a conventional resin injection molded product is shown in an upper half; FIG. 2 is a longitudinal sectional view showing a cam groove portion of the thixo-injection molded product of FIG.
[Explanation of symbols]
1 ... fixed tube
2 ... penetrating cam cylinder
2b ... penetrating cam groove
3. Rotating cylinder
4 …… Straight frame
5.105 ... Cam barrel with bottom
5b ... Cam pin
5c ・ 5d ・ 105c ・ 105d ... Cam groove for zooming
6 ... b First lens group holding cylinder
6a: First lens group
6b ... Cam pin
7. Second lens group holding cylinder
7a: second lens group
7b ... Cam pin
8 ... Extending gear