JP2004040384A - リンク状態公告装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】IPプロトコルにより制御されたネットワークで、予備回線の設定に必要とされる設備量を効果的に抑制しつつ、耐設備故障に対しても安定的な動作を実現する自律分散制御ネットワークを構築する。
【解決手段】自己が管理対象とするリンクの帯域割当状態と共用予備帯域がバックアップする現用パスが通過するリンクのSRLGとから当該リンクでバックアップ可能なSRLGおよびバックアップ不可能なSRLGを検索し、このSRLG情報を他ノードに公告する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自律分散的に制御されるルータもしくは光ルータネットワークの信頼性を高める予備回線設定技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネット等のデータ通信トラヒックの増大により、現状でTbit/s、近い将来には10〜100Tbit/s以上のスループットを有するノード装置の導入が進められようとしている。インターネットで主流の通信プロトコルは、TCP/IPプロトコルである。IPプロトコルは、基本的に通信データを分割しパケット化する機能と、分割されたパケットに送信元と送信先アドレスを付与する機能のみを有し、品質の保証されない、いわゆるベストエフォートサービスを提供するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、インターネットの普及に伴い、ユーザ側から画像や音声等のリアルタイムデータを高品質に転送する能力をインターネットが有することが求められ始めている。一方、インターネットサービス事業者も、半年で2倍といわれる急激な通信トラヒックの増大に対応しながら、高品質なインターネットサービスを提供する必要が高まってきている。
【0004】
しかし、図16に示すように現在のIPプロトコルにより制御されたネットワークは、転送する通信トラヒックの接続性に対する保証は厳格ではなく、設備故障に対する信頼性は極めて低いのが現状であり、電話網の中継系で必ず設定される予備回線を定義する機能、さらには定義する予備回線設備量を効率的に削減する手段として、複数の現用回線を1本の予備回線で共用する共用予備回線を自動的に設定する機能はまだ実現されていない。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決する手段を与えるもので、IPプロトコルにより制御されたネットワークで、予備回線の設定に必要とされる設備量を効果的に抑制しつつ、耐設備故障に対しても安定的な動作を実現する自律分散制御ネットワークを構築することができるリンク状態公告装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図1に示すように、IPプロトコルにより制御されたネットワークで、各ノードが現用回線のみならず、予備回線の経路を自律分散的に設定する機能を加えるものである。
【0007】
その手段として、本発明は、以下の二つの技術を適用する。一つ目がSRLG(Shared Risk Link Group(参考文献:IETFインターネットドラフトdraft−ietf−ipo−framework−01.txt))である。本明細書では、SRLGを危険分類番号と称する。これは、各リンクもしくはノード装置の故障をシナリオ番号として管理し、各故障シナリオ毎に現用回線を救済するバックアップ回線の設定経路を事前に取り決めておく技術である。
【0008】
二つ目が、バックアップ回線の設定経路を決定するに必要となるリンク情報の公告技術である。例えば、OSPFやIS−ISプロトコルは、ネットワークエリアに存在する各リンク状態をネットワークエリア全体に公告する機能を有している(参考文献:マスタリングTCP/IP応用編Phillip Miller著 オーム社 ISBN4−274−06256−2)。
【0009】
本発明は、上記二つの技術を基本とし、OSPFやIS−ISプロトコルといったルーティングプロトコルの機能を拡張する。本発明の拡張機能は、図2に示すように、各リンク毎に設定するバックアップ回線の設定可能帯域、すなわちバックアップ回線の設定が可能なリンクリソース量を公告する技術であり、各危険分類番号毎にバックアップ可能なリソース量を公告するものである。特に、本発明は、その公告情報量を抑制しつつ適切なバックアップ回線の設定を実現することを目指すものである。
【0010】
さらに詳しくは、自ノードが管理対象とするリンクの帯域割当状態と共用予備帯域がバックアップする現用パスが通過するリンクのSRLGとから当該リンクでバックアップ可能なSRLGおよびバックアップ不可能なSRLGを検索し、このSRLG情報を他ノードに公告することにより、各ノードがネットワーク全体にわたるSRLG情報を把握することができ、把握した当該SRLG情報に基づき予備回線を設定することにより、予備回線の設定に必要とされる設備量を効果的に抑制しつつ、耐設備故障に対しても安定的な動作を実現する自律分散制御ネットワークを構築することができる。
【0011】
すなわち、本発明はリンク状態公告装置であって、本発明の特徴とするところは、他ノードからの公告に基づきネットワークトポロジおよびリンクの利用状態を把握し、この把握した前記ネットワークトポロジおよびリンクの利用状態に基づき自己を経由する通信トラヒックの転送経路を選択するノードに設けられ、前記公告に基づき自己が管理対象とするリンクの帯域割当状態を管理するリンク帯域割当管理データベースと、このリンク帯域割当管理データベースより当該リンクに設定されている複数リンクを共通にバックアップ可能な予備帯域である共用予備帯域の情報を入力し、この共用予備帯域がバックアップする現用パスが通過するリンクのSRLGを管理するバックアップ危険分類番号管理データベースと、前記二者のデータベースより当該リンクでバックアップ可能なSRLGおよびバックアップ不可能なSRLGを検索し登録管理するバックアップ可否危険分類番号管理データベースと、このバックアップ可否危険分類番号管理データベースに登録されたSRLG情報を他ノードに公告するSRLG公告手段とを備えたところにある。
【0012】
このようにして、SRLGである危険分類番号を他ノードに公告することにより、ネットワーク内の各ノードは、ネットワーク全体のSRLGを把握することができる。前述したように、SRLGは、各リンクもしくはノード装置の故障をシナリオ番号として管理し、各故障シナリオ毎に現用回線を救済するバックアップ回線の設定経路を事前に取り決めておく技術であるから、このSRLGに基づき予備回線を設定することにより、予備回線の設定に必要とされる設備量を効果的に抑制しつつ、耐設備故障に対しても安定的な動作を実現する自律分散制御ネットワークを構築することができる。
【0013】
前記SRLG公告手段は、前記バックアップ可否危険分類番号管理データベースから入力される情報のうちバックアップ可能なSRLGを検索する手段と、この検索する手段の検索結果をバックアップ可能なSRLG情報であることを示す識別情報を付加して公告する手段とを備えたり、あるいは、前記SRLG公告手段は、前記バックアップ可否危険分類番号管理データベースから入力される情報のうちバックアップ不可能なSRLGを検索する手段と、この検索する手段の検索結果をバックアップ不可能なSRLG情報であることを示す識別情報を付加して公告する手段とを備えることが望ましい。
【0014】
前者の場合には、予備回線の収容に適するリンクのみで予備回線の経路計算を行うことにより、予備回線の経路計算を容易にすることができるとともに、バックアップ可能であるSRLGのみを公告することにより、必要最小限の情報量の交換により適切な予備経路の探索が可能となる。後者の場合には、予備回線の収容に適さないリンクを予備回線の経路計算から除外することにより、予備回線の経路計算を容易にすることができるとともに、バックアップ不可能であるSRLGのみを公告することにより、必要最小限の情報量の交換により適切な予備経路の探索が可能となる。
【0015】
前記三者のデータベースは、ネットワークトポロジおよびリンクの利用状態が変更される度に更新され、前記SRLG公告手段は、前記バックアップ可否危険分類番号管理データベースの登録内容に変更が生じる度に当該データベースに登録されたSRLG情報を他ノードに公告する手段を備えることが望ましい。
【0016】
このように、リンクの利用状態およびネットワークトポロジの変更に伴うデータベースの更新の度に公告をやり直すことにより、精度の高いSRLG情報に基づき的確な予備回線の設定を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明実施例のリンク状態公告装置の構成を図3を参照して説明する。図3は本実施例のリンク状態公告装置のブロック構成図である。
【0018】
本実施例はリンク状態公告装置であって、本実施例の特徴とするところは、図3に示すように、他ノードからの公告に基づきネットワークトポロジおよびリンクの利用状態を把握し、この把握した前記ネットワークトポロジおよびリンクの利用状態に基づき自己を経由する通信トラヒックの転送経路を選択するノードのノード制御部8に設けられ、前記公告に基づき自己が管理対象とするリンクの帯域割当状態を管理するリンク帯域割当管理データベース1と、このリンク帯域割当管理データベース1より当該リンクに設定されている複数リンクを共通にバックアップ可能な予備帯域である共用予備帯域の情報を入力し、この共用予備帯域がバックアップする現用パスが通過するリンクのSRLGを管理するバックアップ危険分類番号管理データベース2と、リンク帯域割当管理データベース1およびバックアップ危険分類番号管理データベース2より当該リンクでバックアップ可能なSRLGおよびバックアップ不可能なSRLGを検索し登録管理するバックアップ可否危険分類番号管理データベース3と、このバックアップ可否危険分類番号管理データベース3に登録されたSRLG情報を他ノードに公告する公告機能部4とを備えたところにある。
【0019】
経路計算部5は、バックアップ可否危険分類番号管理データベース3に記録されたSRLGである危険分類番号を参照して現用回線および予備回線の経路を計算する。パス設定部6は、経路計算部5の経路計算結果に基づき光/電気スイッチハードウェア7を制御することによりパス設定を行う。
【0020】
公告機能部4は、バックアップ可否危険分類番号管理データベース3から入力される情報のうちバックアップ可能なSRLGを検索し、この検索結果をバックアップ可能なSRLG情報であることを示す識別情報を付加して公告する。あるいは、公告機能部4は、バックアップ可否危険分類番号管理データベース3から入力される情報のうちバックアップ不可能なSRLGを検索し、この検索結果をバックアップ不可能なSRLG情報であることを示す識別情報を付加して公告する。
【0021】
リンク帯域割当管理データベース1、バックアップ危険分類番号管理データベース2、バックアップ可否危険分類番号管理データベース3は、ネットワークトポロジおよびリンクの利用状態が変更される度に更新され、公告機能部4は、バックアップ可否危険分類番号管理データベース3の登録内容に変更が生じる度に当該データベースに登録されたSRLG情報である危険分類番号情報を他ノードに公告する。
【0022】
以下では、本実施例をさらに詳細に説明する。
【0023】
(第一実施例)
第一実施例を図3〜図11を参照して説明する。本実施例のネットワークにおいて、各ノードはOSPFまたはIS−ISプロトコルと呼ばれるリンクステート型ルーティングプロトコルを実装しており、各ノードが自律分散的に通信トラヒックの転送経路を選択する機能を有している。前述のルーティングプロトコルを実装した各ノードは、自ノードに接続された各リンクの状態(ステート)情報を隣接ノードに公告する機能を有し、このような動作がネットワーク内の各ノードで実現されている。
【0024】
つまり、ネットワーク内の各ノードは、各々の隣接ノード間で繰り返し公告されたリンクステート情報を収集することにより、ネットワーク全体のネットワーク構成とリンクステート状態を把握することが可能となる。本実施例のネットワークにおいて、各リンクは光ファイル、各ノードは光ルータであり波長チャネル単位で転送処理される。
【0025】
本実施例のネットワークにおいて特徴的であるのは、各リンクに単数もしくは複数の危険分類番号を割り当て、リンク毎に設備故障、リンク切断といったリスクに対する管理を行う。本発明のリンク状態公告装置は、上述のようなネットワークに配備された各ノードの一部に組み込まれて適用される。
【0026】
本実施例のリンク状態公告装置は、図3に示すように、管理対象とするリンクの利用状況を管理するリンク帯域割当管理データベース1と、前記リンクに設定されている共用予備帯域がバックアップする現用パスが通過するリンクの危険分類番号を管理するバックアップ危険分類番号管理データベース2と、前記二者のデータベースより当該リンクでバックアップ可能な危険分類番号およびバックアップ不能な危険分類番号を検索し登録管理するバックアップ可否危険分類番号管理データベース3と、バックアップ可否危険分類番号管理データベース3に登録された危険分類番号を入力とし他ノードに公告する公告機能部4とで構成され、このような装置機能が各ノードに実装されている。以下の説明は、ノード番号#1に実装されたリンク状態公告装置の動作を説明する。
【0027】
リンク帯域割当管理データベース1は、当該ノードに収容される各リンクの帯域利用状況を管理する。図4および図5はリンク#4の管理状態情報である。帯域利用状況は現用、予備、共用予備、空き、予約の状態が定義されて管理されている。図5に示すように、本実施例においては、波長チャネル単位で帯域が管理されており、λ1〜λ5、λ8が現用帯域、λ6、λ7が予備帯域、λ9〜λ12が共用予備帯域、λ13が予約帯域、λ14〜λ32が空き帯域である。
【0028】
予備帯域は現用回線に対して1:1対応で定義され、資源予約が行われている帯域である。それに対して共用予備帯域とは、N本の複数現用回線に対して、Mチャネル分の共用予備帯域を資源予約するバックアップ方式に用いられる。また、予約帯域とは、現在新規に設定途中もしくは削除途中の光パスが収容されている帯域である。
【0029】
バックアップ危険分類番号管理データベース2は、管理対象とするリンクに定義される共用予備帯域を故障復旧手段として用いる現用光パスが通過するリンクの危険分類番号を保有する。すなわち、各ノードは、自ノードに収容される各リンクにおいて設定された共用予備帯域が、どのような危険分類番号に所属する現用パスをバックアップしているかを管理している。その様子を図6〜図8に示す。
【0030】
上述のとおりリンク#4に設定された共用予備帯域の全帯域は2.5Gbit/s光パス4波長チャネルであるが、この共用予備帯域を用いて危険分類番号{12,18,21}のリンクを通過する帯域2.5Gbit/sの現用光パス#A,B,C、危険分類番号{12,15}のリンクを通過する帯域2.5Gbit/sの現用光パス#D、危険分類番号{11,12}のリンクを通過する帯域2.5Gbit/sの現用光パス#Eもバックアップしている。
【0031】
この状態にあるリンク#4は、危険分類番号{12}のリンクを通過する現用光パス#Fを新規にバックアップすることは不適切である。既に危険分類番号{12}を通過する現用光パス#A〜#Eをバックアップしており、危険分類番号{12}のリンクが故障した場合には、これら現用光パスをバックアップするだけで、リンク#4の共用予備帯域を使い切ってしまう。危険分類番号{12}のリンクが故障した場合には、リンク#4において現用光パス#Fを収容することが事実上不可能である。したがって、現用光パス#Fをバックアップ可能な別経路を探索する必要がある。公告機能部4は、このような機能を実現させる鍵となる機能を提供している。
【0032】
すなわち、管理対象とするリンクがバックアップ不可能となった危険分類番号を他ノードに対して公告する機能を有する。すなわち公告機能部4は、バックアップ危険分類番号管理データベース2で管理されている図9のような管理データを参照することにより、バックアップ不可能となった危険分類番号を抽出し、当該抽出情報である危険分類番号がバックアップ可能危険分類番号リスト列であることを意味する識別情報を加えて隣接ノード#2、#3に対して公告する。
【0033】
この情報は、各ノードをホップしてネットワーク全体に通知される。これとは逆に、同様の情報が隣接ノードから通知される。図10に他ノードに対して公告する情報のフォーマット例を示す。情報を公告する対象となるLinkID等の情報を含んだオーバーヘッドと、このリンクでバックアップ不可能な危険分類番号を格納していることを明示するFlagおよび危険分類番号を格納したペイロードで構成される。
【0034】
このような情報交換を通じて、危険分類番号{12,18,21}を通過する現用パス#Fの予備光パスを設定する際には、図11のようなネットワークトポロジをベースに経路計算することになる。危険分類番号{12}は収容できないとの旨の公告があったリンク#4は、経路計算の対象外とする。同様に、他ノードから通知された情報に、リンク#5は危険分類番号{18,21}のリンクを通過する現用光パスのバックアップが不可能であるとの旨の通知があったため、リンク#5も経路計算の対象外とする。このように、本発明は予備光パスの収容に適さないリンクを予備光パス経路計算から除外することにより、予備光パス経路計算が極めて容易になる。本実施例においては、現用光パス#Fの予備経路は、#1−#2−#5−#7−#8となる。同時にバックアップ不可能になった危険分類番号のみを公告することにより、必要最小限の情報量の交換により適切な予備経路の探索が可能となる。
【0035】
(第二実施例)
第二実施例を図9〜図15を参照して説明する。第二実施例のリンク状態公告装置の構成は第一実施例と同様であり、各ノードはOSPFまたはIS−ISプロトコルと呼ばれるリンクステート型ルーティングプロトコルを実装しており、各ノードが自律分散的に通信トラヒックの転送経路を選択する機能を有している。第一実施例との違いは適用されるノードとネットワークとにあり、ノードがマルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)機能を搭載したIPルータであることと、リンクが10Gbit/s光リンクであることである。
【0036】
第二実施例のリンク帯域割当管理データベース1も、当該ノードに収容される各リンクの帯域利用状況を管理する。図13は、図12に示すリンク#5の管理状態情報である。帯域利用状況は現用、予備、共用予備、空き、予約の状態が定義されて管理されている。図13に示すように、第二実施例におけるリンク帯域割当管理データベース1は、自ノードに接続された帯域幅10Gbit/sの光リンクを管理対象としている。図13に示すように、4.0Gbit/sが現用帯域、2.0Gbit/sが予備帯域、3.0Gbit/sが共用予備帯域、0.1Gbit/sが予約帯域(設定途中の新規LSP)、0.9Gbit/sが空き帯域である。
【0037】
予備帯域は現用回線に対して1:1対応で定義され、資源予約が行われている帯域である。ここで回線とは、マルチプロトコルラベルスイッチング技術の枠組みで定義されるラベルスイッチドパス(LSP)を示す。すなわち、物理回線ではなくMPLSルータ間で定義された論理回線である。
【0038】
バックアップ可否危険分類番号管理データベース3は、第一実施例の場合と同様に、管理対象とするリンクに定義される共用予備帯域を故障復旧手段として用いる現用光パスが通過するリンクの危険分類番号を保有する。図14および図15はバックアップ可否危険分類番号管理データベース3で管理する情報の例を示す。図14に示すように帯域幅3.0Gbit/sの現用LSP#1および#2がNode#2−#3、Node#2−#4に、帯域幅1.4Gbit/sの現用LSP#3がNode#3−#5に、現用LSP#4がNode#1−#4−#5に設定されている。
【0039】
図15に示されているように、Link#5の共用予備帯域は、危険分類番号{101}、{102}、{106}の危険分類番号を有するリンクのみを通過する現用回線を共用予備帯域に収容可能であり、3.0Gbit/sの帯域の全てを使う危険分類番号{103}、{104}のバックアップは不可能である状態になっている。
【0040】
この実施例では、管理対象とするリンクがバックアップ可能である危険分類番号を他ノードに対して公告する。すなわち、公告機能部4は、バックアップ危険分類番号管理データベース2で管理されている図15のような管理データを参照することにより、バックアップ可能である危険分類番号のみを抽出し、当該抽出情報である危険分類番号がバックアップ可能危険分類番号リスト列であることを意味する識別情報を加えて、隣接ノード#1、#2、#5に対して公告する。この情報は、各ノードをホップしてネットワーク全体に通知される。
【0041】
このような情報交換を通じて、予備光パスの収容したリンクのみで予備光パス経路計算を行うことにより、予備光パス経路計算が極めて容易になる。同時に、バックアップ可能である危険分類番号のみを公告することにより、必要最小限の情報量の交換により適切な予備経路の探索が可能となる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、予備回線の設定に必要とされる設備量を効果的に抑制しつつ、耐設備故障に対しても安定的な動作を実現する自律分散制御ネットワークを構築することが可能となる。同時に、予備パス経路探索に必要とされるノード間での交換情報量も適度に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実現技術を説明する図。
【図2】本発明が解決しようとする問題の解決手段を説明する図。
【図3】本実施例のリンク状態公告装置のブロック構成図。
【図4】第一実施例の管理状態情報を説明するためのネットワーク構成例を示す図。
【図5】第一実施例の管理状態情報を示す図。
【図6】第一実施例のバックアップ危険分類番号管理を説明するためのネットワーク構成例を示す図。
【図7】第一実施例のバックアップ危険分類番号管理を説明するためのリンクの例を示す図。
【図8】第一実施例のバックアップLSP_IDとバックアップ危険分類番号との対応関係を示す図。
【図9】第一実施例のバックアップ危険分類番号管理テーブルで管理する情報の例を示す図。
【図10】第一実施例の他ノードに対して公告する情報のフォーマット例を示す図。
【図11】第一実施例の経路計算を説明するためのネットワークトポロジの例を示す図。
【図12】第二実施例の管理状態情報を説明するためのネットワーク構成例を示す図。
【図13】第二実施例の管理状態情報を示す図。
【図14】第二実施例のバックアップ可否危険番号分類管理データベースで管理する情報の例を説明するためのネットワーク構成例を示す図。
【図15】第二実施例のバックアップ可否危険番号分類管理データベースで管理する情報の例を示す図。
【図16】従来の技術を説明する図。
【符号の説明】
1 リンク帯域割当管理データベース
2 バックアップ危険分類番号管理データベース
3 バックアップ可否危険分類番号管理データベース
4 公告機能部
5 経路計算部
6 パス設定部
7 光/電気スイッチハードウェア

Claims (4)

  1. 他ノードからの公告に基づきネットワークトポロジおよびリンクの利用状態を把握し、この把握した前記ネットワークトポロジおよびリンクの利用状態に基づき自己を経由する通信トラヒックの転送経路を選択するノードに設けられ、
    前記公告に基づき自己が管理対象とするリンクの帯域割当状態を管理するリンク帯域割当管理データベースと、
    このリンク帯域割当管理データベースより当該リンクに設定されている複数リンクを共通にバックアップ可能な予備帯域である共用予備帯域の情報を入力し、この共用予備帯域がバックアップする現用パスが通過するリンクのSRLG(Shared Risk Link Group)を管理するバックアップ危険分類番号管理データベースと、
    前記二者のデータベースより当該リンクでバックアップ可能なSRLGおよびバックアップ不可能なSRLGを検索し登録管理するバックアップ可否危険分類番号管理データベースと、
    このバックアップ可否危険分類番号管理データベースに登録されたSRLG情報を他ノードに公告するSRLG公告手段と
    を備えたことを特徴とするリンク状態公告装置。
  2. 前記SRLG公告手段は、
    前記バックアップ可否危険分類番号管理データベースから入力される情報のうちバックアップ可能なSRLGを検索する手段と、
    この検索する手段の検索結果をバックアップ可能なSRLG情報であることを示す識別情報を付加して公告する手段と
    を備えた請求項1記載のリンク状態公告装置。
  3. 前記SRLG公告手段は、
    前記バックアップ可否危険分類番号管理データベースから入力される情報のうちバックアップ不可能なSRLGを検索する手段と、
    この検索する手段の検索結果をバックアップ不可能なSRLG情報であることを示す識別情報を付加して公告する手段と
    を備えた請求項1記載のリンク状態公告装置。
  4. 前記三者のデータベースは、ネットワークトポロジおよびリンクの利用状態が変更される度に更新され、
    前記SRLG公告手段は、前記バックアップ可否危険分類番号管理データベースの登録内容に変更が生じる度に当該データベースに登録されたSRLG情報を他ノードに公告する手段を備えた請求項1ないし3のいずれかに記載のリンク状態公告装置。
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