JP2004039052A - Magnetic recording medium - Google Patents

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JP2004039052A JP2002192349A JP2002192349A JP2004039052A JP 2004039052 A JP2004039052 A JP 2004039052A JP 2002192349 A JP2002192349 A JP 2002192349A JP 2002192349 A JP2002192349 A JP 2002192349A JP 2004039052 A JP2004039052 A JP 2004039052A
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Katsuhiko Meguro
目黒 克彦
Masatoshi Takahashi
高橋 昌敏
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a high-density magnetic recording medium wherein an error rate is made low by suppressing the influence on the magnetic layer of a non-magnetic support surface, and greatly reducing dropouts on the magnetic layer. <P>SOLUTION: In the magnetic recording medium which has a smoothed layer and a magnetic layer containing ferromagnetic powders and a binder in this order on at least one surface of a non-magnetic support, and the smoothed layer, a non-magnetic layer containing non-magnetic powder and a binder, and a magnetic layer containing ferromagnetic powder and a binder in this order, the thickness of a filler contained in the non-magnetic support is 0.5 to 5 nm, an aspect ratio between the thickness of the filler and an average particle size is 50 to 10,000, and the thickness of the smoothed layer is 0.3 to 3 μm. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布型の磁気記録媒体に関し、ドロップアウトが少なく、低エラーレートを実現できる磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気記録の分野では、従来のアナログ記録から記録の劣化の少ないデジタル記録の実用化が進展している。デジタル記録に使用される記録再生装置および磁気記録媒体は、高画質・高音質であることが要求されるとともに、小型化・省スペース化のニーズも高まっている。しかし、一般にデジタル記録ではアナログ記録よりも多くの信号記録が必要とされる。このため、デジタル記録に使用される磁気記録媒体には、より一層の高密度記録が要求される。
【0003】
上記高密度記録を達成するためには、記録信号の短波長化や記録軌跡の狭トラック化が不可欠である。したがって、これまでに強磁性粉体の微粒子化、高充填化のための技術や磁気記録媒体表面の平滑化のための技術に加えて、体積密度を向上させる磁気記録媒体の薄層化のための技術も開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記磁気記録媒体の薄層化のための技術として、これまでに非磁性支持体を薄くする方法、または非磁性層を薄くする方法が知られている。しかしながら、非磁性支持体を薄くする方法では、所定の厚さ以下になると非磁性支持体の耐久性が低下してしまうという問題があった。
【0005】
一方、非磁性層を薄くする方法では、磁性層が非磁性支持体の表面の影響を受けやすくなるため、出力の低下、ドロップアウトの増加、エラーレートの上昇等の問題があった。すなわち、記録密度上昇のための磁気記録媒体の薄層化が進むと、磁性層では非磁性支持体に対する充分なレベリング効果が得られず、磁性層または非磁性層の下に設けられた非磁性支持体の表面状態が磁性層の表面に大きく影響し、磁性層表面に突起が形成され、エラーレート等の原因になるという問題があった。特にリニア記録方式では、磁気テープがヘッドに対しほぼ平行に走行して磁気ヘッドに接触するため、磁性層表面上にある突起によるドロップアウトが生じやすい。
【0006】
上記磁気記録媒体の薄層化における問題を解決するためには、非磁性支持体の耐久性を保持した状態で、非磁性支持体の表面の影響を抑える必要があった。そのような観点から、これまでに非磁性支持体に種々のフィラーを含有させて非磁性支持体の表面状態の影響を抑えた記録媒体用ベースフィルムも知られている(特開昭60−127523号公報、特開昭60−246919号公報、特開2000−57558号公報等)。
しかしながら、これらのフィラーを非磁性支持体に含有させるだけでは非磁性支持体の表面状態の磁性層への影響を充分に抑えることはできず、中には非磁性支持体の特性を大きく変化させてしまうものもあり、非磁性支持体の耐久性を保持する観点からは有効な手段とはいえなかった。
【0007】
一方、非磁性支持体と磁性層または非磁性支持体と非磁性層の間に下塗層を設けて非磁性支持体表面状態の磁性層への影響を抑えた磁気記録媒体も開発されている(特公昭57−42890号公報、特公昭60−38767号公報等)。
しかしながら、これらの下塗層ではポリエステル系樹脂が使用されるため、ポリエステル系樹脂のオリゴマーが下塗層表面に経時的に析出され、磁性層に悪影響を及ぼして記録再生時のエラーの原因となる等の問題が指摘されていた。
したがって、予ねてから非磁性支持体に含まれるフィラーを変更しても非磁性支持体の特性が大きく変化せず、かつ非磁性支持体表面の磁性層への影響を抑えて、磁性層におけるドロップアウトを低減できる磁気記録媒体の開発が要望されていた。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、高密度の磁気記録媒体であって、非磁性支持体表面の磁性層への影響を抑えて、磁性層におけるドロップアウトを大幅に低減し、エラーレートの低い磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、磁気記録媒体の薄層化により発生するドロップアウトの主な原因が非磁性支持体の表面上に散在する非常に小さい突起(いわゆるフィッシュアイ)であると考えた。すなわち、本発明者らは、このフィッシュアイがアンチブロッキングフィラーとなって磁性層表面を持ち上げて突起を形成し、この磁性層上の突起がドロップアウトの主原因であると考えた。
【0010】
本発明者らは、上記の想定に基づき、非磁性支持体に含まれるフィラーの厚さおよび該フィラーの厚さと平均粒径とのアスペクト比が非磁性支持体の表面性に及ぼす影響について鋭意検討した。さらに本発明者らは、非磁性支持体上に設けられる平滑化層が磁性層表面性に及ぼす影響についても鋭意検討した。その結果、本発明者らは、非磁性支持体上のフィッシュアイに起因するドロップアウトを大幅に低減し、エラーレートを低くすることができる手段を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の目的は、非磁性支持体の少なくとも一方の面に平滑化層と強磁性粉末および結合剤を含む磁性層とをこの順に有し、または前記平滑化層と非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層と強磁性粉末および結合剤を含む磁性層とをこの順に有する磁気記録媒体であって、前記非磁性支持体に含まれるフィラーの厚さが0.5〜5nmであり、かつ前記フィラーの厚さと平均粒径とのアスペクト比が50〜10000であり、さらに前記平滑化層の厚さが0.3〜3μmであることを特徴とする磁気記録媒体により達成される。
【0012】
本発明の磁気記録媒体では、非磁性支持体に含まれるフィラーの厚さおよびアスペクト比を調整し、かつ非磁性支持体上に所定の厚さの平滑化層を設けることにより、これまで制御が困難であると言われていたH1フィッシュアイ(高さ約0.273μmの突起)に起因するドロップアウトを最小限に抑えられる。その結果、本発明の磁気記録媒体であれば、非磁性支持体の特性を大きく変化させることなしに、磁性層におけるドロップアウトを低減でき、低エラーレートを実現できる。
【0013】
本発明の磁気記録媒体の好ましい態様は、次のとおりである。
(1)前記平滑化層が放射線硬化型化合物を含有し、かつ前記放射線硬化型化合物が放射線照射されている前記磁気記録媒体。
(2)前記非磁性支持体の表面が、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理および電子線照射のいずれかで昜接着処理されている前記磁気記録媒体。
(3)磁気記録された信号を磁気抵抗ヘッド(MRヘッド)で再生するために用いる前記磁気記録媒体。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の磁気記録媒体についてさらに詳細に説明する。
【0015】
[非磁性支持体]
本発明で用いられる非磁性支持体は、例えば、二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾール等の公知のものが使用できる。好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリアミドなどを使用して構成できる。これらの非磁性支持体は、予めコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理等を行ったものであってもよい。
【0016】
本発明で用いられる非磁性支持体の磁性層塗布面側の中心面平均粗さ(JISB0660−1998、ISO4287−1997)は、カットオフ値0.25mmにおいて2〜10nmの範囲であり、3〜9nmの範囲であることが好ましく、非磁性支持体の両面の粗さは異なっていてもよい。本発明で用いられる非磁性支持体の好ましい厚さは3〜80μmである。
【0017】
本発明で用いられる非磁性支持体に含まれるフィラーの厚さは0.5〜5nmである。フィラーの厚さが0.5nm以上であれば、板状粒子として非磁性支持体中で機能し、フィラーの厚さが5nm以下であれば非磁性支持体の表面を粗面化することもない。フィラーの厚さは、好ましくは0.7〜4nmであり、さらに好ましくは0.8〜2nmである。
【0018】
本発明で用いられる非磁性支持体に含まれるフィラーの厚さとフィラーの平均粒径とのアスペクト比は50〜10000である。
ここで、本明細書において「アスペクト比」とは、フィラーの厚さに対するフィラー平均粒径の比(平均粒径/厚さ)をいう。
前記アスペクト比が50以上であれば板状粒子としての効果が得られ、またフィラーの前記アスペクト比が10000以下であれば非磁性支持体の表面を粗面化することもない。前記アスペクト比は、好ましくは60〜5000であり、さらに好ましくは70〜1000である。
上記フィラーは、板状粒子としての効果を得、かつ表面平滑性に優れた非磁性支持体を得る観点から、平均粒径は25〜10000nmの範囲であることが好ましい。
【0019】
本発明の非磁性支持体に含まれるフィラーの種類は、上記厚さとアスペクト比を満たすものであれば特に限定はない。具体的には、上記厚さとアスペクト比を満たす粘土化合物、膨潤性鉱物等をそのまま、あるいは有機化合物で被覆したものを用いることができる。特にフィラーは、粘土化合物、膨潤性鉱物等に有機オニウムイオンを作用させて得られるものが好ましい。有機化合物で被覆された粘土化合物、膨潤性鉱物等の構造は、有機化合物処理前における粘土化合物、膨潤性鉱物等が有している層が多層積層したμmサイズの凝集構造とは全く異なる。すなわち、樹脂との親和性を有する有機オニウムイオンが層間に導入されることによって層間が拡大し、有機化合物で被覆された粘土化合物、膨潤性鉱物等は樹脂中で非常に細かく互いに独立した薄片状に分散している。
【0020】
上記の粘土化合物、膨潤性鉱物等は、主として酸化ケイ素の四面体シートと、主として金属水酸化物の八面体シートからなり、スメクタイト族粘土および膨潤性雲母、膨潤性バーミキュライト等が挙げられる。
前記スメクタイト族粘土は、下記の一般式で表され、天然または合成されたものである。
一般式:X0.2 0.6 10(OH)・nH
(但し、上記一般式のXはK、Na、1/2Ca、及び1/2Mgからなる群より選ばれる1種以上であり、YはMg、Fe、Mn、Ni、Zn、Li、Al、及びCrからなる群より選ばれる1種以上であり、ZはSi及びAlから選ばれる1種以上である。なお、HOは層間イオンと結合している水分子を表すが、nは層間イオンおよび相対湿度に応じて著しく変動する。)
【0021】
前記スメクタイト族粘土の具体例としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト、及びベントナイト等、またはこれらの置換体、誘導体、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
【0022】
また、膨潤性雲母としては、下記の一般式で表され、天然または合成されたものである。
一般式:X0.5 1.0 (Z10)(F,OH)
(但し、上記一般式のXはLi、Na、K、Rb、Ca、Ba及びSrからなる群より選ばれる1種以上であり、YはMg、Fe、Ni、Mn、Al及びLiからなる群より選ばれる1種以上であり、ZはSi、Ge、Al、Fe及びBからなる群より選ばれる1種以上である。)
【0023】
これらは、水、水と任意の割合で相溶する極性溶媒および水と該極性溶媒の混合溶媒中で膨潤する性質を有するものであり、例えば、Li型テニオライト、Na型テニオライト、Li型四ケイ素雲母、及びNa型四ケイ素雲母等、またはこれらの置換体、誘導体、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
【0024】
さらに、膨潤性バーミキュライトには3八面体型と2八面体型があり、下記の一般式で表される。
一般式:(Mg,Fe,Al) (Si4−XAl)O10(OH)・(M,M2+ 1/2・nH
(但し、MはNa及びMg等のアルカリまたはアルカリ土類金属の交換性陽イオン、X=0.6〜0.9、n=3.5〜5である)。
【0025】
前記層状珪酸塩化合物は、単独または2種以上組み合わせて使用される。層状珪酸塩化合物の結晶構造は、c軸方向に規則正しく積み重なった純粋度が高いものが望ましいが、結晶周期が乱れ、複数種の結晶構造が混じり合った、いわゆる混合層状鉱物も使用され得る。
【0026】
本発明の非磁性支持体で用いられる有機オニウムイオンは、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、複素芳香族環由来のオニウムイオンに代表される構造を有するものである。有機オニウムイオンを存在させることにより負に帯電した上記層状珪酸塩化合物の層間に分子間力の小さい有機構造を導入し、層状珪酸塩化合物と樹脂との親和性を高めることができる。
有機オニウムイオンとしては、例えば、ラウリルアミンイオンやミリスチルアミンイオン等のアルキルアミンイオンやジエチルメチル(ポリプロピレンオキサイド)アンモニウムイオンや、ジメチルビス(ポリエチレングリコール)アンモニウムイオン等のアルキル基とグリコール鎖を併有したアンモニウムイオン等が挙げられる。
このような有機化合物で被覆された粘土化合物は、有機オニウムイオンを負の層格子及び交換可能なカチオンを含有する層状粘土鉱物と反応させる公知の技術により製造される。
【0027】
本発明の範囲内にあるフィラーの厚さとアスペクト比は、粘土化合物等のフィラーを有機オニウム塩等の有機化合物を使用して被覆する際に、例えば、ホモミキサーのような高剪断が掛けられる分散機で粒子を分散することにより得ることができる。
また、本発明の非磁性支持体の強度を調整する方法は特に限定されないが、長手方向と幅方向の両方向の力学的強度を調整することが好ましい。具体的には上述した樹脂をフィルム状に形成(製膜)する際に、長手方向、幅方向を適度に延伸する方法を用いることが好ましい。本発明で用いられる非磁性支持体のヤング率は、長手方向、横方向ともに4400〜15000MPa、好ましくは5500〜11000MPaであることが好ましく、長手方向、横方向のヤング率はそれぞれ異なっていてもよい。
【0028】
[平滑化層]
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の少なくとも一方の面に平滑化層を有する。本発明における平滑化層には、例えば、下記の結合剤または/および放射線硬化型化合物が含まれる。
【0029】
<結合剤>
本発明における平滑化層で用いられる結合剤としては、従来公知の有機溶剤可溶性の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が挙げられる。具体的には、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂が挙げられる。また、平滑化層形成後に非磁性層および/または磁性層を塗布する際には非磁性層および磁性層に含まれる溶剤により平滑層が膨潤し、あるいは溶解して表面性が低下することがあり、そのような場合には非磁性層および磁性層に含まれる溶剤には溶解せず、他の有機溶剤に溶解するものが好ましい。
【0030】
結合剤のガラス転移温度については、0〜120℃であることが好ましく、10〜80℃であることがより好ましい。0℃以上であれば端面でのブロッキングを生じることもなく、また、120℃以下であれば平滑化層内の内部応力を緩和することができ、かつ密着力にも優れている。また、結合剤の分子量については、質量平均分子量1,000〜100,000の範囲内にあるものを用いることができるが、特に5,000〜50,000の範囲のものが好ましい。1,000以上であれば、端面でのブロッキング等を生じることもなく、また質量平均分子量が100,000以下であれば、有機溶剤への溶解性も良好であり、平滑化層の塗布することも充分可能である。
【0031】
<放射線硬化型化合物>
本発明における平滑化層に含まれる「放射線硬化型化合物」とは、紫外線または電子線などの放射線を照射すると重合または架橋を開始し、高分子化して硬化する性質を有する化合物をいう。放射線硬化型化合物は、外部からエネルギー(紫外線または放射線)を与えない限り反応が進行しない。このため、放射線硬化型化合物を含む塗布液は、紫外線または放射線を照射しない限り粘度が安定しており、高い塗膜平滑性を得ることができる。また、紫外線または放射線による高いエネルギーにより瞬時に反応が進むため、放射線硬化型化合物を含む塗布液では高い塗膜強度を得ることができる。
なお、本発明で用いられる放射線には、X線、α線、β線、γ線などの各種の放射線が含まれる。
【0032】
本発明で使用される放射線硬化型化合物の分子量は、200〜2,000の範囲であることが好ましい。分子量が上記範囲であると、塗液が流動しやすく平滑な塗膜を実現することができる。
放射線硬化型化合物の具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等を挙げることができる。なお、ここでいう「(メタ)アクリル」とは、アクリルとメタクリルの総称である。
【0033】
2官能の放射線硬化型化合物の具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールFやこれらのアルキレンオキサイド付加物に(メタ)アクリル酸、を付加させたものや、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の環状構造を有するものが挙げられる。
【0034】
3官能の放射線硬化型化合物の具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変成トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変成トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変成ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0035】
4官能以上の放射線硬化型化合物の具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変成ヘキサ(メタ)アクリレート等を用いることができる。
【0036】
上記の放射線硬化型化合物の中でも、具体例として好ましいものは、分子量200〜2,000の2官能の(メタ)アクリレート化合物であり、さらに好ましいものは、ジメチロールトリシクロデカン、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールF等の脂環族化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールFやこれらのアルキレンオキサイド付加物に(メタ)アクリル酸を付加させたものである。
本発明の磁気記録媒体の平滑化層で用いられる放射線硬化型化合物は、上記結合剤と併用してもよい。
【0037】
上記放射線硬化型化合物を重合させるために紫外線を用いる場合、重合開始剤を併用することが好ましい。重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤および光アミン発生剤等を用いることができる。
【0038】
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類;ベンゾイン等のアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸等のチオキサントン類;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;ミヒラーケトン類、アセトフェノン、2−(4−トルエンスルホニルオキシ)−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α, α’−ジメトキシアセトキシベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類、アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類、フェナシルクロライド、トリハロメチルフェニルスルホン、トリス(トリハロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン化合物;アシルホスフィンオキシド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物などが挙げられる。
【0039】
また光ラジカル重合開始剤の具体的な例としては、例えば、IRGACURE−184、同261、同369、同500、同651、同907(チバ−ガイギー社製)、Darocur−1173、同1116、同2959、同1664、同4043(メルクジャパン社製)、KAYACURE−DETX、同MBP、同DMBI、同EPA、同OA(日本化薬(株)製)、VICURE−10、同55(STAUFFER Co.LTD製)、TRIGONALP1(AKZOCo.LTD製)、SANDORAY1000(SANDOZ Co.LTD製)、DEAP(APJOHN Co.LTD製)、QUANTACURE−PDO、同ITX、同EPD(WARD BLEKINSOP Co.LTD製)等の市販品を挙げることができる。
【0040】
光カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩類、トリフェニルスルホニウム塩類、メタロセン化合物類、ジアリールヨードニウム塩類、ニトロベンジルスルホナート類、α−スルホニロキシケトン類、ジフェニルジスルホン類、イミジルスルホナート類が挙げられる。
光カチオン重合開始剤の具体的な例としては、アデカウルトラセットPP−33、OPTMER SP−150、同170(旭電化工業(株)製)(ジアゾニウム塩)、OPTOMER SP−150、170(旭電化工業(株)製)(スルホニウム塩)、IRGACURE261(チバ−ガイギー(株)製)(メタロセン化合物)等の市販品を挙げることができる。
【0041】
光アミン発生剤としては、例えば、ニトロベンジカーバミメート類、イミノスルホナート類が挙げられる。これらの光重合開始剤は、露光条件(たとえば酸素雰囲気下であるか、無酸素雰囲気下であるか)等によって適宜選択され用いられる。またこれらの光重合開始剤は、2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0042】
上記放射線硬化型化合物を重合させるために電子線を用いる場合、電子線の加速器としてはバンデグラーフ型のススキャニング方式、ダブルスキャニング方式、またはカーテンビーム方式を採用できるが、好ましくは比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式である。電子線特性としては、加速電圧が10〜1,000kV、好ましくは50〜300kVである。加速電圧が10kV以上であれば、エネルギーの透過量としては充分である。また加速電圧が1,000kV以下であれば、重合に使われるエネルギー効率が低下することもない。吸収線量は0.5〜20Mrad、好ましくは1〜10Mradである。吸収線量が0.5Mrad以上であれば、硬化反応により充分な強度が得られ、また20Mrad以下であれば、硬化に使用されるエネルギー効率が低下することがなく、さらに被照射体が発熱することもないため、非磁性支持体の変形を防止できる。
【0043】
一方、上記放射線硬化型化合物を重合させるために紫外線を用いる場合、その量は10〜100mJ/cmが好ましい。10mJ/cm以上であれば、硬化反応により充分な強度が得られ、100mJ/cm以下であれば硬化に使用されるエネルギー効率の低下、被照射体の発熱を防ぐことができるため、非磁性支持体が変形することはない。紫外線(UV)および電子線(EB)照射装置、照射条件などについては、「UV・EB硬化技術」((株)総合技術センター発行)や「低エネルギー電子線照射の応用技術」(2000(株)シーエムシー発行)などに記載されている公知のものを用いることができる。
【0044】
本発明の平滑化層で用いられる結合剤および放射線硬化型化合物は、単独または両者を組み合わせて使用することができる。結合剤および放射線硬化型化合物の添加量は、導電性粉末の添加量に応じて適宜決定される。結合剤と放射線硬化型化合物を混合して使用する場合、例えば、結合剤100質量部に対して放射線硬化型化合物105〜2,000質量部、好ましくは110〜1,000質量部、さらに好ましくは120〜800質量部の範囲で添加する平滑化層に添加する。結合剤に対する放射線硬化型化合物の混合量が上記範囲内であれば、平滑化に有利なレベリング性が確保できると共に、架橋による硬化収縮が抑えられるため好ましい。
【0045】
本発明の平滑化層には、その他、静電気の発生を未然に防ぎ、磁気記録媒体が帯電しないようにするための導電性粉末やイオン性界面活性剤を含めることができる。導電性粉末としては、例えば、導電性の金属、金属化合物、カーボンブラック等が挙げられる。具体的には、金、銀、白金、パラジウム、ニッケル等の金属粉末;チタン酸カリウム、酸化錫、アンチモン含有酸化錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、錫含有酸化インジウム、TiB、ZrB、TiC、TiN等の金属化合物;ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックが単独あるいは2種類以上を組み合せたものが挙げられる。また、イオン性界面活性剤としては、例えば、低分子型のイオン性界面活性剤として、スルホン酸塩基や硫酸塩基、リン酸塩基等を有する長鎖アルキル化合物等のアニオン系界面活性剤型、4級化された窒素化合物を有するカチオン系界面活性剤型のイオン性界面活性剤が挙げられる。また高分子型のイオン性界面活性剤として、主鎖にイオン化された窒素原子を有するポリマーや、スルホン酸塩変性ポリスチレン等が挙げられる。
【0046】
本発明の平滑化層に含まれる結合剤、放射線硬化型化合物および光重合開始剤、さらには必要に応じて添加される導電性粉末やイオン性界面活性剤からなる組成物は、それらを溶解できる溶媒で塗布液とされるが、その溶媒は従来公知の有機溶剤を使用でき、特に限定されるものではない。本発明の平滑化層の乾燥は、自然乾燥および加熱乾燥のいずれであってもよい。また、平滑化層が放射線硬化型化合物を含む場合、非磁性支持体上に上記の塗布液を塗布して乾燥した後に上記の放射線を塗布層に照射する。
【0047】
<平滑化層の厚さ>
本発明における平滑化層の厚さは0.3〜3.0μmの範囲であれば特に制限はないが、好ましくは0.35〜2.0μmの範囲であり、さらに好ましくは0.4〜1.5μmの範囲である。平滑化層の厚さは、平滑塗布層の構成成分等によるが、平滑塗布層の表面性、物理強度が確保されるのであれば、高容量化には薄い程好ましい。
【0048】
次に、本発明の磁気記録媒体の磁性層、非磁性層、バックコート層、下塗層、層構成、製造方法、物理的特性について述べる。
【0049】
[磁性層]
<強磁性粉末>
本発明における磁性層に含まれる強磁性粉末は、強磁性金属粉末および強磁性六方晶フェライト粉末のいずれも用いることができる。
(強磁性金属粉末)
本発明における磁性層に用いられる強磁性金属粉末は、Feを主成分とするもの(合金も含む)であれば特に限定されないが、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末であることが好ましい。この強磁性金属粉末は、所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。前記α−Fe以外にAl、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの群から選ばれる少なくとも1つを含むものが好ましく、特に、Co、Al、Yが含まれるのが好ましい。さらに具体的には、CoがFeに対して10〜40原子%、Alが2〜20原子%、Yが1〜15原子%含まれるのが好ましい。
【0050】
これらの強磁性粉末には、後述する分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物または酸化物を含むものであってもよい。強磁性粉末の含水率は0.01〜2%とするのが好ましい。結合剤の種類によって強磁性粉末の含水率は最適化するのが好ましい。結晶子サイズは、8〜20nm、好ましくは10〜18nmであり、特に好ましくは12〜16nmである。結晶子サイズは、X線回折装置(理学電機製RINT2000)を使用し線源CuKα1、管電圧50kV、管電流300mAの条件で回折ピークの半値幅からScherrer法により求めた平均値を用いる。強磁性金属粉末の平均長軸長は、20〜100nmであり、好ましくは30〜90nmであり、特に好ましくは40〜80nmである。平均長軸長が20nm以上であれば、熱揺らぎにより磁気特性の低下を有効に抑えることができる。また、平均長軸長が100nm以下であれば、低ノイズを維持したまま良好なS/Nを得ることができる。平均長軸長は、透過型電子顕微鏡写真を撮影し、その写真から強磁性粉末の短軸長と長軸長とを直接読みとる方法と画像解析装置カールツァイス社製IBASSIで透過型電子顕微鏡写真トレースして読みとる方法を併用して求められる。
【0051】
本発明における磁性層に使用される強磁性粉末のBET法による比表面積(SBET)は30m/g以上50m/g未満が好ましく、38〜48m/gであることが好ましい。これにより、良好な表面性と低いノイズの両立が可能となる。強磁性金属粉末のpHは、用いる結合剤との組み合せにより最適化することが好ましい。その範囲はpH4〜12であるが、好ましくはpH7〜10の範囲である。強磁性粉末は必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であり、表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m以下になり好ましい。
【0052】
上記強磁性金属粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合があるが、200ppm以下であれば特に特性に影響を与えることは少ない。また、本発明における磁性層で用いられる強磁性金属粉末は、空孔が少ない方が好ましく、その値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。また形状については、先に示した粒子サイズについての特性を満足すれば、針状、粒状、米粒状、あるいは板状いずれであっても構わないが、特に針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。針状強磁性金属粉末の場合、針状比は4〜12であることが好ましく、さらには5〜12であることが好ましい。
【0053】
強磁性金属粉末の抗磁力Hcは、159.2〜238.8kA/mであることが好ましく、167.2〜230.8kA/mであることがさらに好ましい、飽和磁束密度は、150〜300T・mであることが好ましく、160〜290T・mであることがさらに好ましい。飽和磁化σsは140〜170A・m/kgであることが好ましく、145〜160A・m/kgであることがさらに好ましい。
【0054】
磁性体自体のSFD(switching field distribution)は小さい方が好ましく、0.8以下であることが好ましい。SFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また磁化反転がシャープでピークシフトが小さくなり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hc分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を良くする、単分散α−Feを使用する、粒子間の焼結を防止する等の方法がある。
【0055】
強磁性金属粉末は、公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。焼結防止処理を行った含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeまたはFe−Co粒子などを得る方法、複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このようにして得られた強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理する。含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元し、酸素含有ガスと不活性ガスの分圧、温度、時間を制御して表面に酸化皮膜を形成する方法が、減磁量が少なく好ましい。
【0056】
(強磁性六方晶フェライト粉末)
本発明の磁性層に含まれる強磁性六方晶フェライト強磁性粉末には、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等がある。より具体的には、マグネトプランバイト型のバリウムフェライトおよびストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部にスピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライトおよびストロンチウムフェライト等が挙げられる。その他、所定の原子以外にAl、Si、S,Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般には、Co−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用できる。また原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
【0057】
強磁性六方晶フェライト強磁性粉末の平均板径は、5〜40nmの範囲であり、10〜38nmであることが好ましく、15〜36nmであることがさらに好ましい。トラック密度を上げるため、磁気抵抗ヘッド(MRヘッド)で再生する場合には低ノイズにする必要があり、板径は40nm以下であることが好ましい。また、平均板径が5nm以下であれば、熱揺らぎの影響を受けずに安定した磁化が望める。
強磁性六方晶フェライト強磁性粉末の板状比(板径/板厚)は、1〜15であることが好ましく、1〜7であることがさらに好ましい。板状比が小さいと磁性層中の充填性は高くなり好ましいが、小さすぎると十分な配向性が得られないため、1以上であることが好ましい。また板状比が15以下であれば、粒子間のスタッキングによりノイズを抑えることができる。この粒子サイズ範囲のBET法による比表面積は10〜200m/gを示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符合する。粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。数値化は困難であるが粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定する事で比較できる。分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。例えば、酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
【0058】
強磁性六方晶フェライト粒子の抗磁力(Hc)は、39.8〜398kA/m(500〜5000 Oe)程度まで作成できる。抗磁力(Hc)は、高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で制限される。本発明では抗磁力(Hc)は、159.2〜238.8kA/m程度であるが、好ましくは175.1kA/m〜222.9kA/mである。ヘッドの飽和磁化が1.4テスラーを越える場合は、159.2kA/m以上にすることが好ましい。抗磁力(Hc)は、粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。飽和磁化(σs)は、40〜80A・m/kgである。飽和磁化(σs)は高い方が好ましいが、微粒子になるほど小さくなる傾向がある。飽和磁化(σs)改良のためマグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合すること、含有元素の種類と添加量を選択する等の公知の方法を用いることができる。また本発明における磁性層ではW型六方晶フェライトを用いることも可能である。
【0059】
強磁性六方晶フェライト粉末を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。表面処理材は無機化合物、有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P、等の化合物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。量は磁性体に対して0.1〜10%である。磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜11程度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。
【0060】
強磁性六方晶フェライト粉末の製法としては、▲1▼酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法、▲2▼バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、▲3▼バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等を挙げられるが、本発明の強磁性六方晶フェライト粉末の製法は特に限定されず、いずれの製法を用いてもよい。強磁性六方晶フェライト強磁性粉末は、必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m以下になり好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的にない方が好ましいが、200ppm以下であれば特に特性に影響を与えることは少ない。
【0061】
<結合剤>
本発明の磁性層で用いられる結合剤としては、従来公知のポリウレタン樹脂および塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル等を構成単位として含む重合体または共重合体等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物を挙げることができる。
【0062】
中でもポリウレタン樹脂が好ましく、更には水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのポリプロピレンオキサイド付加物等の環状構造およびアルキレンオキサイド鎖を有する分子量500〜5,000のポリオールと鎖延長剤として環状構造を有する分子量200〜500のポリオールと有機ジイソシアネートを反応させ、かつ親水性極性基を有するポリウレタン樹脂もしくはコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族二塩基酸と2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等のアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールからなるポリエステルポリオールと鎖延長剤として、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の炭素数が3以上の分岐アルキル側鎖をもつ脂肪族ジオールと有機ジイソシアネート化合物を反応させかつ親水性極性基を有するポリウレタン樹脂もしくはダイマージオール等の環状構造および長鎖アルキル鎖を有するポリオール化合物と有機ジイソシアネートを反応させかつ親水性極性基を有するポリウレタン樹脂が好ましい。
【0063】
本発明で使用される極性基含有ポリウレタン系樹脂の平均分子量は、5,000〜100,000であることが好ましく、10,000〜50,000であることがさらに好ましい。平均分子量が5,000以上であれば、得られる磁性塗膜が脆くなるなど物理的強度が低下するという欠点もなく、磁気記録媒体の耐久性を維持できる。また平均分子量が100,000以下であれば、溶剤への溶解性と分散性を維持できる。また、平均分子量が上記範囲内であれば、適度の塗料粘度が得られ、作業性がよく、取扱いも容易である。
【0064】
上記ポリウレタン系樹脂に含まれる極性基としては、例えば、−COOM、−SOM、−OSOM、−P=O(OM)、−O−P=O(OM)(以上につき、Mは水素原子またはアルカリ金属塩基)、−OH、−NR、−N(Rは炭化水素基)、エポキシ基、−SH、−CNなどが挙げられ、これらの極性基の少なくとも1つ以上を共重合または付加反応で導入したものを用いることができる。また、この極性基含有ポリウレタン系樹脂がOH基を有する場合、分岐OH基を有することが硬化性、耐久性の面から好ましく、1分子当たり2〜40個の分岐OH基を有することが好ましく、1分子当たり3〜20個有することがさらに好ましい。また、このような極性基の量は10−1〜10−8モル/gであり、好ましくは10−2〜10−6モル/gである。
【0065】
結合剤の具体例としては、例えば、ユニオンカーバイト社製VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業社製MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000W、DX80、DX81、DX82、DX83、100FD、日本ゼオン社製MR−104、MR−105、MR110、MR100、MR555、400X−110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バーノックD−400、D−210−80、クリスボン6109、7209、東洋紡社製バイロンUR8200、UR8300、UR−8700、RV530、RV280、大日精化社製ダイフェラミン4020、5020、5100、5300、9020、9022、7020、三菱化成社製MX5004、三洋化成社製サンプレンSP−150、旭化成社製サランF310、F210などを挙げることができる。
【0066】
本発明の磁性層に用いられる結合剤の添加量は、六方晶フェライト強磁性粉末の質量に対して5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲である。また、強磁性金属粉末の質量に対しては5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%の範囲である。また、ポリウレタン樹脂合を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネートは2〜20質量%の範囲でこれらを組み合せて用いることが好ましいが、例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合には、ポリウレタンのみまたはポリウレタンとイソシアネートのみを使用することも可能である。その他の樹脂として塩化ビニル系樹脂を用いる場合には5〜30質量%の範囲であることが好ましい。本発明において、ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が−50〜150℃、好ましくは0〜100℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.49〜98MPa(0.05〜10kg/mm)、降伏点は0.49〜98MPa(0.05〜10kg/mm)が好ましい。
【0067】
本発明で用いられる結合剤は、添加量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート、あるいはそれ以外の樹脂量、磁性層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは含有する樹脂の物理特性などを必要に応じて、磁性層と後述する非磁性層の間で変更することはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきであり、多層磁性層に関する公知技術を適用できる。例えば、各層で結合剤量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには磁性層の結合剤量を増量することが有効であり、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にするためには、非磁性層の結合剤量を多くして柔軟性を持たせることができる。
【0068】
本発明で使用可能なポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4−4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を挙げることができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製コロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMRミリオネートMTL、武田薬品社製タケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202、住友バイエル社製デスモジュールL,デスモジュールIL、デスモジュールNデスモジュールHL等がありこれらを単独または硬化反応性の差を利用して2つ若しくはそれ以上の組み合せで各層とも用いることができる。
【0069】
本発明における磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。
これら添加剤としては、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸基、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸およびこれらの金属塩、またはステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸と炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよいアルコキシアルコールまたはアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステルまたは多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基およびF、Cl、Br、CF、CCl、CBr等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
【0070】
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
【0071】
上記分散剤、潤滑剤等は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
【0072】
これらの添加物の具体例としては、例えば、日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジエルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオンアーマー社製:アーマイドP、ライオン社製:デュオミンTDO、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロフアン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等が挙げられる。
【0073】
本発明の磁性層で用いられる有機溶剤は、公知のものが使用できる。有機溶剤は、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。
【0074】
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は磁性層と非磁性層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には上層溶剤組成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
【0075】
本発明の磁性層で用いられるこれらの分散剤、潤滑剤、界面活性剤は磁性層および後述する非磁性層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、無論ここに示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性基で吸着もしくは結合する性質を有しており、磁性層においては主に強磁性粉末の表面に、また後述する非磁性層においては主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着もしくは結合し、一度吸着した有機リン化合物は金属あるいは金属化合物等の表面から脱着しがたいと推察される。したがって、本発明の強磁性粉末表面あるいは後述する非磁性粉末表面は、アルキル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるので、強磁性粉末あるいは非磁性粉末の結合剤樹脂成分に対する親和性が向上し、さらに強磁性粉末あるいは非磁性粉末の分散安定性も改善される。また、潤滑剤としては遊離の状態で存在するため非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられる。また本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層あるいは非磁性層用塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
【0076】
また、本発明における磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。本発明の磁気記録媒体においてカーボンブラックを添加する場合、磁性層にπ電子共役系の導電性高分子を含むため、従来の磁気記録媒体における添加量よりも少量で済ませることができる。本発明の磁性層に使用可能なカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。比表面積は5〜500m/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5〜300mμ、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
【0077】
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、905、800、700、VULCAN XC−72、旭カーボン社製#80、#60、#55、#50、#35、三菱化成工業社製#2400B、#2300、#900、#1000、#30、#40、#10B、コロンビアンカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN150、50、40、15、RAVEN−MT−P、日本EC社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用したりしてもかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独または組み合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、磁性体の質量に対して0.1〜30質量%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層および非磁性層でその種類、量、組み合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、PHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。
本発明の磁性層で使用できるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編を参考にすることができる。
【0078】
[非磁性層]
次に非磁性層に関する詳細な内容について説明する。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に結合剤および非磁性粉末を含む非磁性層を有する。非磁性層に使用できる非磁性粉体は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。
【0079】
具体的には二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO、SiO、Cr、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO、CaCO、BaCO、SrCO、BaSO、炭化珪素、炭化チタンなどが単独または2種類以上を組み合せて使用される。好ましいのは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
【0080】
非磁性粉体の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれでもあってもよい。非磁性粉末の結晶子サイズ は、4nm〜1μmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。結晶子サイズが4nm〜1μmの範囲であれば、分散が困難になることもなく、また好適な表面粗さを有するため好ましい。これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合せたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10〜200nmである。5nm〜2μmの範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有するため好ましい。
【0081】
非磁性粉末の比表面積は、1〜100m/gであり、好ましくは5〜70m/gであり、さらに好ましくは10〜65m/gである。比表面積が1〜100m/gの範囲内にあれば、好適な表面粗さを有し、かつ、所望の結合剤量で分散できるため好ましい。ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、さらに好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が0.05〜2g/mlの範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなる傾向がある。非磁性粉末のpHは2〜11であることが好ましいが、pHは6〜9の間が特に好ましい。pHが2〜11の範囲にあれば、高温、高湿下または脂肪酸の遊離により摩擦係数が大きくなることはない。非磁性粉末の含水率は、0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%である。含水量が0.1〜5質量%の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。強熱減量は、20質量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
【0082】
また、非磁性粉体が無機粉体である場合には、モース硬度は4〜10のものが好ましい。モース硬度が4〜10の範囲であれば耐久性を確保することができる。非磁性粉体のステアリン酸吸着量は、1〜20μmol/mであり、さらに好ましくは2〜15μmol/mである。非磁性粉体の25℃での水への湿潤熱は、200〜600erg/cmの範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは、3〜9の間にあることが好ましい。これらの非磁性粉末の表面にはAl、SiO、TiO、ZrO、SnO、Sb、ZnOで表面処理することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl、SiO、TiO、ZrOであるが、さらに好ましいのはAl、SiO、ZrOである。これらは組み合せて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
【0083】
本発明の非磁性層で用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、例えば、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPB−550BX、DPN−550RX 石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、MJ−7、α−酸化鉄E270、E271、E300、チタン工業製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、T−600B、T−100F、T−500HDなどが挙げられる。堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2P25、宇部興産製100A、500A、チタン工業製Y−LOPおよびそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉体は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
【0084】
非磁性層には非磁性粉体と共に、必要に応じてカーボンブラックを混合し表面電気抵抗を下げ、光透過率を小さくすると共に、所望のマイクロビッカース硬度を得ることができる。本発明の磁気記録媒体では非磁性層にπ電子共役系の導電性高分子を含ませることができるため、従来の磁気記録媒体における添加量よりも少量にすることができる。非磁性層のマイクロビッカース硬度は、通常25〜60kg/mm、好ましくはヘッド当りを調整するために、30〜50kg/mmであり、薄膜硬度計(日本電気製 HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。光透過率は一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
【0085】
本発明の非磁性層に使用可能なカーボンブラックの比表面積は100〜500m/g、好ましくは150〜400m/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は5〜80nm、好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
【0086】
本発明の非磁性層に使用可能なカーボンブラックの具体的な例としては、例えば、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製#3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどが挙げることができる。
【0087】
また、カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用したり、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50質量%を越えない範囲、非磁性層総質量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、または組み合せで使用することができる。本発明の非磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
【0088】
また非磁性層には目的に応じて有機質粉末を添加することもできる。このような有機質粉末としては、例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は、特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
【0089】
非磁性層の結合剤樹脂、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤樹脂量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
【0090】
[バックコート層、昜接着層]
一般に、コンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して繰り返し走行性が強く要求される。このような高い走行耐久性を維持させるために、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層が設けられた面とは反対の面にバックコート層を設けることもできる。
バックコート層用塗料は、研磨剤、帯電防止剤等と結合剤とを有機溶媒に分散させる。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができる。また、結合剤としては、例えばニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独又はこれらを混合して使用することができる。
【0091】
本発明の非磁性支持体は、平滑化層および/またはバックコート層との接着力向上のため易接着層を設けてもよい。易接着層としては、溶剤可溶性の例えば以下の物質が挙げられる。ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、デンプン、変性デンプン化合物、アルギン酸化合物、カゼイン、ゼラチン、プルラン、デキストラン、キチン、キトサン、ゴムラッテクス、アラビアゴム、フノリ、天然ガム、デキストリン、変性セルロース樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸系樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリビニルエーテル、ポリマレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、アルキド樹脂等が挙げられる。昜接着層は厚さとして1μm以下のものが用いられる。
【0092】
上記易接着層で使用される樹脂のガラス転移温度については、30〜120℃であることが好ましく、40〜80℃であることがより好ましい。0℃以上であれば端面でのブロッキングを生じることもなく、また、120℃以下であれば易接着層内の内部応力を緩和することができ、かつ、密着力にも優れている。
【0093】
本発明の磁気記録媒体は、さらに磁性層とバックコート層との間に上記昜接着層を設けてもよい。
【0094】
[層構成]
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の少なくとも一方の面に、1層または2層の塗膜、すなわち、磁性層、または非磁性層とこの非磁性層上に磁性層とが設けられており、前記の磁性層は必要に応じて二層以上の層としてもよい。また、非磁性支持体の反対側の面には、必要に応じてバックコート層が設けられる。さらに本発明の磁気記録媒体は、磁性層上に潤滑剤塗膜や磁性層保護用の各種塗膜等を必要に応じて設けてもよい。さらに非磁性支持体と非磁性層との間には、塗膜と非磁性支持体との接着性の向上等を目的として、易接着層を設けることもできる。
【0095】
本発明の磁気記録媒体は、磁性層または非磁性層及び磁性層を非磁性支持体の一方の面に有すればよいが、両面に設けることもできる。非磁性層(下層)と磁性層(上層)とを有する場合、下層を塗布後、下層が湿潤状態のうちでも、乾燥した後にでも上層磁性層を設けることができる。生産得率の点から同時または逐次湿潤塗布が好ましいが、ディスク状の場合は乾燥後塗布でも充分使用できる。本発明の重層構成で同時、又は逐次湿潤塗布では上層/下層が同時に形成できるため、カレンダ工程等の表面処理工程を有効に活用でき、超薄層でも上層磁性層の表面粗さを良化できる。
【0096】
本発明で用いられる磁気記録媒体の厚さ構成は、平滑化層の厚さは、上述のとおり0.3〜3μmの範囲である。また、非磁性支持体の好ましい厚さが3〜80μmである。コンピュータテープの非磁性支持体は、3.5〜7.5μm(好ましくは3〜7μm)の範囲の厚さのものが使用される。また、非磁性支持体と非磁性層又は磁性層の間に昜接着層を設けた場合、昜接着層の厚さは、0.01〜0.8μm、好ましくは0.02〜0.6μmである。また、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層が設けられた面とは反対側の面に設けられたバックコート層の厚さは、0.1〜1μm、好ましくは0.2〜0.8μmである。
【0097】
磁性層の厚さは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、一般には10〜100nmであり、好ましくは20〜80nmであり、さらに好ましくは30〜80nmである。また、磁性層の厚さ変動率は±50%以内が好ましく、さらに好ましくは±40%以内である。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
【0098】
本発明の非磁性層の厚さは、0.02〜3μmであり、0.05〜2.5μmであることが好ましく、0.1〜2μmであることがさらに好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10T・m(100G)以下、または抗磁力が7.96kA/m(10 Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
【0099】
[製造方法]
本発明で用いられる磁気記録媒体の磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる六方晶フェライト強磁性粉体または強磁性金属粉末、非磁性粉体、ベンゼンスルホン酸誘導体、π電子共役系の導電性高分子、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる場合は磁性粉末または非磁性粉末と結合剤のすべてまたはその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい)および磁性体100質量部に対し15〜500質量部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用液および非磁性層用液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
【0100】
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層用塗布液を所定の膜厚となるように塗布する。ここで複数の磁性層用塗布液を逐次あるいは同時に重層塗布してもよく、下層の磁性層用塗布液と上層の磁性層用塗布液とを逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性層用塗布液もしくは下層の磁性層用塗布液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
【0101】
磁性層塗布液の塗布層は、磁気テープの場合、磁性層塗布液の塗布層中に含まれる強磁性粉末にコバルト磁石やソレノイドを用いて長手方向に磁場配向処理を施す。ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属微粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。六方晶フェライトの場合は一般的に面内および垂直方向の3次元ランダムになりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可能である。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用いて円周配向としてもよい。
【0102】
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できるようにすることが好ましく、塗布速度は20〜1000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい。また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
【0103】
乾燥された後、塗布層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
カレンダ処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。本発明の磁気記録媒体は、表面の中心面平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜4.0nm、好ましくは0.5〜3.0nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダ処理を施すことにより行われる。カレンダ処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は100〜500kg/cmの範囲、好ましくは200〜450kg/cmの範囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cmの範囲の条件で作動させることによって行われることが好ましい。
【0104】
熱収縮率低減手段として、低テンションでハンドリングしながらウエッブ状で熱処理する方法と、バルクまたはカセットに組み込んだ状態などテープが積層した形態で熱処理する方法(サーモ処理)があり、両者が利用できる。前者は、バックコート層表面の突起写りの影響が少ないが、熱収縮率を大きく下げることができない。一方、後者のサーモ処理は、熱収縮率を大幅に改善できるが、バックコート層表面の突起写りの影響を強く受けるため、磁性層が面荒れし、出力低下およびノイズ増加を引き起こす。特に、サーモ処理を伴う磁気記録媒体で、高出力、低ノイズの磁気記録媒体を供給することができる。得られた磁気記録媒体は、裁断機、打抜機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
【0105】
[物理特性]
本発明に用いられる磁気記録媒体の磁性層の飽和磁束密度は、100〜300T・mである。また磁性層の抗磁力(Hr)は、143.3〜318.4kA/mであるが、好ましくは159.2〜278.6kA/mである。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFDおよびSFDrは0.6以下、さらに好ましくは0.2以下である。
【0106】
本発明で用いられる磁気記録媒体のヘッドに対する摩擦係数は、温度−10〜40℃、湿度0〜95%の範囲において0.5以下であり、好ましくは0.3以下である。また、表面固有抵抗は、好ましくは磁性面10〜1012Ω/sq、帯電位は−500V〜+500V以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜19.6GPa、破断強度は、好ましくは98〜686MPa、磁気記録媒体の弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜14.7GPa、残留のびは、好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.2%以下である。
【0107】
磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50〜180℃が好ましく、非磁性層のそれは0〜180℃が好ましい。損失弾性率は1×10〜8×10Paの範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向において10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
【0108】
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m以下、さらに好ましくは10mg/m以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が保存安定性は好ましいことが多い。
【0109】
磁性層のTOPO−3Dのmirau法で測定した中心面表面粗さRaは、4.0nm以下であり、好ましくは3.0nm以下であり、さらに好ましくは2.0nm以下である。磁性層の最大高さSRmaxは、0.5μm以下、十点平均粗さSRzは0.3μm以下、中心面山高さSRpは0.3μm以下、中心面谷深さSRvは0.3μm以下、中心面面積率SSrは20〜80%、平均波長Sλaは5〜300μmが好ましい。磁性層の表面突起は0.01〜1μmの大きさのものを0〜2000個の範囲で任意に設定することが可能であり、これにより電磁変換特性、摩擦係数を最適化することが好ましい。これらは支持体のフィラーによる表面性のコントロールや磁性層に添加する粉体の粒径と量、カレンダ処理のロール表面形状などで容易にコントロールすることができる。カールは±3mm以内とすることが好ましい。
【0110】
本発明の磁気記録媒体における非磁性層と磁性層と間では、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高くし保存安定性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りをよくするなどである。
【0111】
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録媒体に磁気記録された信号を再生するヘッドについては特に制限はないが、MRヘッドのために用いることが好ましい。本発明の磁気記録媒体の再生にMRヘッドを用いる場合、MRヘッドには特に制限はなく、例えばGMRヘッドやTMRヘッドを用いることもできる。また、磁気記録に用いるヘッドは特に制限されないが、飽和磁化量が1.0T以上であり、1.5T以上であることが好ましい。
【0112】
【実施例】
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、ここに示す成分、割合、操作、順序等は本発明の精神から逸脱しない範囲で変更し得るものであり、下記の実施例に制限されるべきものではない。また、実施例中の「部」特に示さない限り質量部を示す。
【0113】
(実施例1)
1.非磁性支持体の調製
(調製例1)
モンモリロナイト(クニミネ工業(株)製クニピアF)4gを200mlの水に分散させ、これにn−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド2.5gを加え、ホモミキサーで1時間分散した。これを水で充分洗浄しながらメンブレンフィルターを用いて吸引濾過し、100℃で24時間真空乾燥し、有機アンモニウム塩で被覆したモンモリロナイト(A)を得た。
テレフタル酸1モルに対してエチレングリコールを1.6モルの割合で仕込み、さらに上記有機化合物で被覆したモンモリロナイト(クニミネ工業(株)製クニピアF)を理論生成ポリマー量100質量部に対して2質量部となるように仕込んだ。255℃で2時間反応を行い、ビスヒドロキシエチルテレフタレートを主成分とするオリゴマーを生成した。その後、触媒として三酸化アンチモンをテレフタル酸のモル数に対して100ppm添加し、減圧下、275℃で4時間反応を行い、取り出し口から溶融ポリマーを排出し、これを冷却してカットしペレットとした。このペレットを80℃で10時間乾燥後、押出機に投入し、270℃で加熱溶融した後、Tダイのダイオリフィスからシート状に押し出し、表面温度10℃の冷却ドラムに巻きつけて冷却し、厚さ600μmの未延伸フィルムを調製した。
次に、未延伸フィルムを延伸温度90℃で縦方向に3倍、ロール延伸した後、テンターで横方向に3.3倍延伸し、次いで5%の弛緩率で、230℃で熱処理し、厚さ62μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET−A)を得た。
【0114】
調整例1において、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド添加後のホモミキサーでの分散時間をPET−Bでは、1.5時間、PET−Cでは4時間と変更した以外は、調整例1と同様の方法でポリエチレンテレフタレートフィルム(PET−B、PET−C)を得た。
【0115】
調整例1のモンモリロナイトを平均粒径0.1μmのコロイダルシリカ(扶桑化学社製)に変更した以外は、調整例1と同様の方法でポリエチレンテレフタレートフィルム(PET−d)を得た。
【0116】
(調製例2)
調製例1のテレフタル酸の代わりに2,6−ナフタレン酸を使用してポエチレン−2,6−ナフタレートのペレットを作成し、調製例1の溶融温度を290℃に変更し、添加フィラーおよびその他の条件は調製例1と同様にして厚さ6μmのポリエチレンナフタレートフィルム(PEN−A)を得た。
【0117】
調整例2において、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド添加後のホモミキサーでの分散時間をPEN−Bでは、1.5時間、PEN−Cでは4時間と変更した以外は、調整例2と同様の方法でポリエチレンナフタレートフィルム(PEN−B、PEN−C)を得た。
【0118】
調整例2のモンモリロナイトを平均粒径0.1μmのコロイダルシリカ(扶桑化学社製)に変更した以外は、調整例2と同様の方法でポリエチレンなフタレートフィルム(PEN−d)を得た。
【0119】
2.平滑化層形成用塗料の調製
下記の組成物をディスパーで3時間分散して平滑化層形成用塗液を調製した。
ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート           15部
メチルエチルケトン                      100部
【0120】
3.磁性層(上層)塗料液の調製
強磁性板状六方晶フェライト粉末                        100部
組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/0.8,
抗磁力(Hc):191kA/m
平均板径:30nm
板状比:3
BET比表面積(SBET):50m/g
飽和磁化(σs):60A・m/kg
ポリウレタン樹脂                                               12部
分岐側鎖含有ホ゜リエステルホ゜リオール/シ゛フェニルメタンシ゛イソシアネート系、
親水性極性基:−SONa=70eq/ton含有
フェニルホスホン酸                        3部
α−Al(粒子サイズ0.15μm)             2部
カーボンブラック(粒子サイズ20nm)              2部
シクロヘキサノン                       110部
メチルエチルケトン                      100部
トルエン                           100部
ブチルステアレート                        2部
ステアリン酸                           1部
【0121】
3.非磁性層(下層)用塗料液の調製
非磁性無機質粉末                                               85部
α−酸化鉄
表面処理剤:Al,SiO
長軸径:0.15μm
タップ密度:0.8g/ml
針状比:7
BET比表面積(SBET):52m/g
pH8
DBP吸油量:33g/100g
カーボンブラック                             20部
DBP吸油量:120ml/100g
pH:8
BET比表面積(SBET):250m/g
揮発分:1.5%
ポリウレタン樹脂                                               12部
分岐側鎖含有ホ゜リエステルホ゜リオール/シ゛フェニルメタンシ゛イソシアネート系、
親水性極性基:−SONa=70eq/ton含有
アクリル樹脂                                                     6部
ベンジルメタクリレート/ダイアセトンアクリルアミド系、
親水性極性基:−SONa=60eq/ton含有
フェニルホスホン酸                         3部
α−Al(平均粒径0.2μm)               1部
シクロヘキサノン                       140部
メチルエチルケトン                                       170部
ブチルステアレート                        2部
ステアリン酸                           1部
【0122】
上記磁性層(上層)用塗料組成物および非磁性層(下層)用塗料組成物のそれぞれについて、各成分をオープンニーダで60分間混練した後、サンドミルで120分間分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を6部加え、さらに20分間撹拌混合した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層用塗料および非磁性層用塗料を調製した。
【0123】
調製例1で作成したポリエステルテレフタレートフィルム支持体上(PET−A)に上記平滑化層形成用塗液を乾燥後の厚さが0.5μmになるように塗布、乾燥した後、加速電圧160kVで吸収線量が5Mradとなるように電子線照射を行い、次いで上記非磁性塗料を乾燥後の厚さが1.8μmになるように塗布し、さらにその直後に磁性層用塗料を乾燥後の厚さが0.2μmになるように同時重層塗布した。このとき、両層がまだ湿潤状態にあるうちに周波数50Hz、磁場強度25T・m及び周波数50Hz、磁場強度12T・mの2つの磁場強度交流磁場発生装置中を通過させランダム配向処理を行い、さらに乾燥後、7段のカレンダで温度90℃、線圧300kg/cmで処理を行い、70℃で48時間加熱処理を行い、3.7インチに打ち抜き表面研磨処理施した後、ライナーが内側に設置済のZip−diskカートリッジに入れ、所定の機構部品を付加し、3.7インチフレキシブルディスク(磁気ディスク)を得た。
【0124】
(実施例2〜5)
非磁性支持体調製時に添加するフィラーの分散時間および乾燥後の平滑化層の厚さを表1に示すように変更したことを除き、実施例1と同様の方法で磁気ディスクを作製した。
【0125】
(比較例1)
非磁性支持体調製時に添加するフィラーを平均粒径0.1μmのコロイダルシリカに変更したことを除き、実施例1と同様の方法で磁気ディスクを作製した。
【0126】
(比較例2)
平滑化層の乾燥厚さ0.2μmに変更したことを除き、実施例1と同様の方法で磁気ディスクを作製した。
【0127】
(実施例6)
磁性層(上層)用塗料液の調製
強磁性針状金属粉末                                      100部
組成:Fe/Co/Al/Y=68/20/7/5
表面処理剤:Al,Y
抗磁力(Hc):183kA/m
結晶子サイズ:13nm(130Å)
長軸径:40nm
針状比:6
BET比表面積(SBET):46m/g
飽和磁化(σs):150A・m/kg
ポリウレタン樹脂                        12部
分岐側鎖含有ホ゜リエステルホ゜リオール/シ゛フェニルメタンシ゛イソシアネート系、
親水性極性基:−SONa=70eq/ton含有
フェニルホスホン酸                        3部
α−Al(粒子サイズ0.15μm)                          2部
カーボンブラック(粒子サイズ 20nm)              2部
シクロヘキサノン                       110部
メチルエチルケトン                                            100部
トルエン                           100部
ブチルステアレート                        2部
ステアリン酸                           1部
【0128】
上記組成の各成分を実施例1と同様の方法で磁性層用塗料を調製した。調製例2で作成したポリエチレンナフタレートフィルム支持体(PEN−A)上に前記平滑化層形成用塗液を乾燥後の厚さが0.5μmになるように塗布し、乾燥した後、加速電圧160kVで吸収線量が5Mradとなるように電子線照射を行った。さらに実施例1と同様、非磁性層用塗料を乾燥後の厚さが2μmになるように塗布し、その直後に上記磁性層用塗料を乾燥後の厚さが0.08μmになるように同時重層塗布した。このとき磁性層と非磁性層がまだ湿潤状態にあるうちに300T・mの磁石で磁場配向を行い、さらに乾燥した後に金属ロールのみから構成される7段のカレンダで速度100m/min、線圧300kg/cm、温度90℃で表面平滑化処理を行った後、70℃で48時間加熱処理を行い、1/2インチ幅にスリットし磁気テープを作成した。
【0129】
(実施例7〜10)
非磁性支持体調製時に添加するフィラーの分散時間および乾燥後の平滑化層厚さを表2に示されるように変更したことを除き、実施例6と同様の方法で磁気テープを作製した。
【0130】
(比較例3)
非磁性支持体調製時に添加するフィラーを平均粒径0.1μmのコロイダルシリカに変更したことを除き、実施例6と同様の方法で磁気テープを作製した。
【0131】
(比較例4)
平滑化層の乾燥厚さを0.2μmに変更したことを除き、実施例6と同様の方法で磁気テープを作製した。
【0132】
<測定方法>
1.フィルム中の粒子の厚さおよびアスペクト比の測定
測定する粒子を含み、かつ縦横方向の少なくともどちらかに3.2倍以上延伸したフィルムをミクロトームでスライスし、切片を日立製作所製透過型電子顕微鏡(TEM H−800型)を用いて20,000〜30,000倍で観察した。その切片に見える少なくとも30個以上の粒子の長径と厚さを測定し、厚さに対する粒子の長径の比をアスペクト比とした。
2.エラーレート(初期、高湿高温下)の測定
記録信号を23℃,50%RHにおいてテープ状記録媒体では8−10変換PR1等化方式、ディスク状記録媒体では信号を(2,7)RLL変調方式で記録し、23℃,50%RHおよび50℃,80%RHの各環境下で各々測定した。その結果を表1および2に示す。
【0133】
【表1】

Figure 2004039052
【0134】
【表2】
Figure 2004039052
【0135】
表1より磁気記録媒体が磁気ディスクである場合、実施例1〜5のように非磁性支持体に含まれるフィラー粒子の厚さ、アスペクト比および平滑化層の厚さが本発明の範囲内にあるものは、室温標準湿度(23℃、50%)および高温多湿(50℃,80%)のいずれの環境下であっても低エラーレートであった。これに対して、非磁性支持体に含まれるフィラーの厚さが5nmを超え、かつアスペクト比が50未満の場合(比較例1)、および平滑化層の厚さが0.3μm未満の場合(比較例2)には、いずれも高エラーレートであった。
【0136】
表2より磁気記録媒体が磁気テープである場合には、磁気ディスクの場合と同様、非磁性支持体に含まれるフィラー粒子の厚さ、アスペクト比および平滑化層の厚さが本発明の範囲内にあるもの(実施例6〜10)は、室温標準湿度(23℃、50%)および高温多湿(50℃,80%)のいずれの環境下でも低エラーレートであった。これに対して、非磁性支持体に含まれるフィラーの厚さが5nmを超え、かつアスペクト比が50未満の場合(比較例3)、および平滑化層の厚さが0.3μm未満の場合(比較例4)には、いずれも高エラーレートであった。
以上のことから非磁性支持体に含まれるフィラーの厚さ、アスペクト比および平滑化層の厚さのいずれも本発明の範囲内にある磁気記録媒体であれば、平滑化層のフィッシュアイに起因したドロップアウトを減少でき、低エラーレートとすることができることが分かる。
【0137】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体に含まれるフィラーの厚さが0.5〜5nm、アスペクト比が50〜10000であり、かつ、非磁性支持体の少なくとも一方の面に厚さ0.3〜3μmの平滑化層を有することにより、非磁性支持体表面に散在する突起に起因したドロップアウトを低減できる。その結果、本発明の磁気記録媒体であれば、ノイズが低下し、S/Nが優れ、ひいては低いエラーレートの磁気記録媒体を提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a coating-type magnetic recording medium, and more particularly to a magnetic recording medium that can realize a low error rate with little dropout.
[0002]
[Prior art]
In recent years, in the field of magnetic recording, practical use of digital recording with less recording deterioration has progressed from conventional analog recording. Recording / reproducing apparatuses and magnetic recording media used for digital recording are required to have high image quality and high sound quality, and there is an increasing need for miniaturization and space saving. However, in general, digital recording requires more signal recording than analog recording. For this reason, magnetic recording media used for digital recording are required to have higher density recording.
[0003]
In order to achieve the above-mentioned high-density recording, it is indispensable to shorten the recording signal wavelength and narrow the recording track. Therefore, in addition to the technology for finer and higher filling of ferromagnetic powder and the technology for smoothing the surface of magnetic recording media, the magnetic recording media can be made thinner to improve the volume density. Technology has also been developed.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
As a technique for thinning the magnetic recording medium, a method of thinning a nonmagnetic support or a method of thinning a nonmagnetic layer has been known so far. However, the method of thinning the non-magnetic support has a problem that the durability of the non-magnetic support decreases when the thickness is less than a predetermined thickness.
[0005]
On the other hand, the method of thinning the nonmagnetic layer has problems such as a decrease in output, an increase in dropout, and an increase in error rate because the magnetic layer is easily affected by the surface of the nonmagnetic support. That is, when the magnetic recording medium is thinned to increase the recording density, the magnetic layer cannot obtain a sufficient leveling effect on the nonmagnetic support, and the magnetic layer or the nonmagnetic layer provided under the nonmagnetic layer is not provided. There is a problem that the surface state of the support greatly affects the surface of the magnetic layer, and protrusions are formed on the surface of the magnetic layer, causing an error rate and the like. In particular, in the linear recording system, the magnetic tape travels substantially parallel to the head and comes into contact with the magnetic head.
[0006]
In order to solve the problem in thinning the magnetic recording medium, it is necessary to suppress the influence of the surface of the nonmagnetic support while maintaining the durability of the nonmagnetic support. From this point of view, a recording medium base film in which various fillers are contained in a nonmagnetic support to suppress the influence of the surface state of the nonmagnetic support is also known (Japanese Patent Laid-Open No. 60-127523). No., JP-A-60-246919, JP-A-2000-57558, etc.).
However, the inclusion of these fillers in the nonmagnetic support cannot sufficiently suppress the influence of the surface state of the nonmagnetic support on the magnetic layer, and some of the characteristics of the nonmagnetic support are greatly changed. From the viewpoint of maintaining the durability of the nonmagnetic support, it was not an effective means.
[0007]
On the other hand, magnetic recording media in which an undercoat layer is provided between the nonmagnetic support and the magnetic layer or between the nonmagnetic support and the nonmagnetic layer to suppress the influence of the surface state of the nonmagnetic support on the magnetic layer have been developed. (Japanese Patent Publication No. 57-42890, Japanese Patent Publication No. 60-38767, etc.).
However, since polyester resins are used in these undercoat layers, polyester resin oligomers are deposited over time on the surface of the undercoat layer, adversely affecting the magnetic layer and causing errors during recording and reproduction. Etc. were pointed out.
Therefore, even if the filler contained in the non-magnetic support is changed in advance, the characteristics of the non-magnetic support do not change greatly, and the influence on the magnetic layer on the surface of the non-magnetic support is suppressed. There has been a demand for the development of a magnetic recording medium that can reduce dropout.
[0008]
The present invention has been made in view of the above problems, and is a high-density magnetic recording medium that suppresses the influence on the magnetic layer on the surface of the non-magnetic support, greatly reducing the dropout in the magnetic layer, An object is to provide a magnetic recording medium having a low error rate.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors considered that the main cause of dropout generated by thinning of the magnetic recording medium is very small protrusions (so-called fish eyes) scattered on the surface of the nonmagnetic support. That is, the present inventors considered that the fish eye became an anti-blocking filler and lifted the surface of the magnetic layer to form a protrusion, and the protrusion on the magnetic layer was the main cause of dropout.
[0010]
Based on the above assumptions, the present inventors have conducted intensive studies on the influence of the thickness of the filler contained in the nonmagnetic support and the surface ratio of the nonmagnetic support with the aspect ratio between the thickness of the filler and the average particle size. did. Furthermore, the present inventors have also intensively studied the influence of the smoothing layer provided on the nonmagnetic support on the surface properties of the magnetic layer. As a result, the present inventors have found a means capable of greatly reducing dropout due to fish eyes on the nonmagnetic support and lowering the error rate, and have completed the present invention.
[0011]
That is, an object of the present invention is to have a smoothing layer and a magnetic layer containing a ferromagnetic powder and a binder in this order on at least one surface of a nonmagnetic support, or the smoothing layer and a nonmagnetic powder and a bond. A magnetic recording medium having a nonmagnetic layer containing an agent and a magnetic layer containing a ferromagnetic powder and a binder in this order, wherein the filler contained in the nonmagnetic support has a thickness of 0.5 to 5 nm, And the aspect ratio of the thickness of the said filler and average particle diameter is 50-10000, and also the thickness of the said smoothing layer is 0.3-3 micrometers, It achieves with the magnetic recording medium characterized by the above-mentioned.
[0012]
In the magnetic recording medium of the present invention, control is achieved so far by adjusting the thickness and aspect ratio of the filler contained in the nonmagnetic support and providing a smoothing layer having a predetermined thickness on the nonmagnetic support. Dropout caused by the H1 fish eye (protrusion having a height of about 0.273 μm) that has been said to be difficult can be minimized. As a result, with the magnetic recording medium of the present invention, dropout in the magnetic layer can be reduced and a low error rate can be realized without greatly changing the characteristics of the nonmagnetic support.
[0013]
Preferred embodiments of the magnetic recording medium of the present invention are as follows.
(1) The magnetic recording medium in which the smoothing layer contains a radiation curable compound and the radiation curable compound is irradiated with radiation.
(2) The magnetic recording medium in which the surface of the non-magnetic support is subjected to scissor adhesion treatment by any one of corona treatment, plasma treatment, flame treatment and electron beam irradiation.
(3) The magnetic recording medium used for reproducing a magnetically recorded signal by a magnetoresistive head (MR head).
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the magnetic recording medium of the present invention will be described in more detail.
[0015]
[Non-magnetic support]
As the non-magnetic support used in the present invention, known ones such as biaxially stretched polyethylene naphthalate, polyethylene terephthalate, polyamide, polyimide, polyamideimide, aromatic polyamide, polybenzoxydazole and the like can be used. Preferably, it can be constructed using polyethylene terephthalate, polyethylene naphthalate, aromatic polyamide or the like. These non-magnetic supports may have been previously subjected to corona discharge, plasma treatment, easy adhesion treatment, heat treatment and the like.
[0016]
The center surface average roughness (JISB0660-1998, ISO4287-1997) on the magnetic layer coating surface side of the nonmagnetic support used in the present invention is in the range of 2 to 10 nm at a cutoff value of 0.25 mm, and 3 to 9 nm. Preferably, the roughness of both surfaces of the nonmagnetic support may be different. The preferred thickness of the nonmagnetic support used in the present invention is 3 to 80 μm.
[0017]
The filler contained in the nonmagnetic support used in the present invention has a thickness of 0.5 to 5 nm. If the filler thickness is 0.5 nm or more, it functions as a plate-like particle in the nonmagnetic support, and if the filler thickness is 5 nm or less, the surface of the nonmagnetic support is not roughened. . The thickness of the filler is preferably 0.7 to 4 nm, and more preferably 0.8 to 2 nm.
[0018]
The aspect ratio between the thickness of the filler contained in the nonmagnetic support used in the present invention and the average particle diameter of the filler is from 50 to 10,000.
Here, the “aspect ratio” in this specification refers to the ratio of the filler average particle diameter to the filler thickness (average particle diameter / thickness).
If the aspect ratio is 50 or more, an effect as a plate-like particle is obtained, and if the aspect ratio of the filler is 10,000 or less, the surface of the nonmagnetic support is not roughened. The aspect ratio is preferably 60 to 5000, and more preferably 70 to 1000.
The filler preferably has an average particle size in the range of 25 to 10,000 nm from the viewpoint of obtaining the effect as plate-like particles and obtaining a nonmagnetic support excellent in surface smoothness.
[0019]
The type of filler contained in the nonmagnetic support of the present invention is not particularly limited as long as it satisfies the above thickness and aspect ratio. Specifically, a clay compound, a swellable mineral or the like satisfying the above thickness and aspect ratio can be used as it is or with an organic compound. In particular, the filler is preferably obtained by allowing an organic onium ion to act on a clay compound, a swellable mineral, or the like. The structure of a clay compound, a swellable mineral, etc. coated with an organic compound is completely different from an aggregate structure of μm size in which layers of the clay compound, swellable mineral, etc. before the organic compound treatment are laminated. That is, by introducing organic onium ions having affinity with the resin between the layers, the layers expand, and the clay compound coated with the organic compound, the swellable mineral, etc. are in the form of flakes that are very finely independent from each other in the resin. Are distributed.
[0020]
The above clay compounds, swellable minerals and the like are mainly composed of a tetrahedral sheet of silicon oxide and an octahedral sheet of mainly metal hydroxide, and examples thereof include smectite group clay, swellable mica, and swellable vermiculite.
The smectite clay is represented by the following general formula and is natural or synthesized.
General formula: X0.2 ~ 0.6Y2 ~ 3Z4O10(OH)2・ NH2O
(However, X in the general formula is one or more selected from the group consisting of K, Na, 1 / 2Ca, and 1 / 2Mg, and Y is Mg, Fe, Mn, Ni, Zn, Li, Al, and One or more selected from the group consisting of Cr, and Z is one or more selected from Si and Al.2O represents water molecules bonded to interlayer ions, while n varies significantly depending on interlayer ions and relative humidity. )
[0021]
Specific examples of the smectite group clay include, for example, montmorillonite, beidellite, nontronite, saponite, iron saponite, hectorite, sauconite, stevensite, bentonite, and the like, or substitutions, derivatives, or mixtures thereof. It is done.
[0022]
The swellable mica is represented by the following general formula and is natural or synthesized.
General formula: X0.5 ~ 1.0Y2 ~ 3(Z4O10) (F, OH)2
(However, X in the general formula is one or more selected from the group consisting of Li, Na, K, Rb, Ca, Ba and Sr, and Y is a group consisting of Mg, Fe, Ni, Mn, Al and Li. Z is one or more selected from the group consisting of Si, Ge, Al, Fe and B.)
[0023]
These have a property of swelling in water, a polar solvent compatible with water at an arbitrary ratio, and a mixed solvent of water and the polar solvent. For example, Li-type teniolite, Na-type teniolite, Li-type tetrasilicon Examples thereof include mica, Na-type tetrasilicon mica, and the like, or substituted products, derivatives, or mixtures thereof.
[0024]
Further, the swellable vermiculite is classified into three octahedron type and two octahedron type, which are represented by the following general formula.
General formula: (Mg, Fe, Al)2 ~ 3(Si4-XAlX) O10(OH)2・ (M+, M2+ 1/2)X・ NH2O
(Wherein M is an exchangeable cation of an alkali or alkaline earth metal such as Na and Mg, X = 0.6 to 0.9, and n = 3.5 to 5).
[0025]
The said layered silicate compound is used individually or in combination of 2 or more types. The crystal structure of the layered silicate compound is preferably high in purity, which is regularly stacked in the c-axis direction, but so-called mixed layered minerals in which the crystal period is disturbed and a plurality of types of crystal structures are mixed can also be used.
[0026]
The organic onium ion used in the nonmagnetic support of the present invention has a structure represented by ammonium ions, phosphonium ions, sulfonium ions, and onium ions derived from heteroaromatic rings. An organic structure having a small intermolecular force can be introduced between the negatively charged layered silicate compounds by the presence of organic onium ions, and the affinity between the layered silicate compound and the resin can be increased.
As organic onium ions, for example, alkylamine ions such as laurylamine ions and myristylamine ions, diethylmethyl (polypropylene oxide) ammonium ions, and alkyl groups such as dimethylbis (polyethylene glycol) ammonium ions and glycol chains were used together. An ammonium ion etc. are mentioned.
Clay compounds coated with such organic compounds are produced by known techniques of reacting organic onium ions with layered clay minerals containing negative layer lattices and exchangeable cations.
[0027]
The filler thickness and aspect ratio within the scope of the present invention are such that when a filler such as a clay compound is coated with an organic compound such as an organic onium salt, a high shear such as a homomixer is applied. It can be obtained by dispersing the particles with a machine.
The method for adjusting the strength of the nonmagnetic support of the present invention is not particularly limited, but it is preferable to adjust the mechanical strength in both the longitudinal direction and the width direction. Specifically, it is preferable to use a method in which the longitudinal direction and the width direction are appropriately stretched when the above-described resin is formed into a film (film formation). The Young's modulus of the nonmagnetic support used in the present invention is 4400-15000 MPa, preferably 5500-11000 MPa in both the longitudinal direction and the transverse direction, and the Young's modulus in the longitudinal direction and the transverse direction may be different from each other. .
[0028]
[Smoothing layer]
The magnetic recording medium of the present invention has a smoothing layer on at least one surface of the nonmagnetic support. The smoothing layer in the present invention includes, for example, the following binders and / or radiation curable compounds.
[0029]
<Binder>
Examples of the binder used in the smoothing layer in the present invention include conventionally known organic solvent-soluble thermoplastic resins, thermosetting resins, reactive resins, and mixtures thereof. Specific examples include polyamide resins, polyamideimide resins, polyester resins, polyurethane resins, vinyl chloride resins, and acrylic resins. In addition, when a nonmagnetic layer and / or a magnetic layer is applied after the smoothing layer is formed, the smoothing layer may swell or dissolve due to the solvent contained in the nonmagnetic layer and the magnetic layer, and the surface properties may deteriorate. In such a case, those which do not dissolve in the solvent contained in the nonmagnetic layer and the magnetic layer but dissolve in other organic solvents are preferable.
[0030]
About the glass transition temperature of a binder, it is preferable that it is 0-120 degreeC, and it is more preferable that it is 10-80 degreeC. If it is 0 degreeC or more, it will not block at an end surface, and if it is 120 degrees C or less, the internal stress in a smoothing layer can be relieve | moderated and it is excellent also in adhesive force. Moreover, about the molecular weight of a binder, what is in the range of a mass average molecular weight 1,000-100,000 can be used, The thing of the range of 5,000-50,000 is especially preferable. If it is 1,000 or more, blocking at the end face does not occur, and if the mass average molecular weight is 100,000 or less, the solubility in an organic solvent is good, and a smoothing layer is applied. Is also possible.
[0031]
<Radiation curable compound>
The “radiation curable compound” contained in the smoothing layer in the present invention refers to a compound having a property of starting to polymerize or crosslink when irradiated with radiation such as ultraviolet rays or an electron beam, to be polymerized and cured. The reaction of the radiation curable compound does not proceed unless energy (ultraviolet rays or radiation) is applied from the outside. For this reason, the coating liquid containing the radiation curable compound has a stable viscosity unless irradiated with ultraviolet rays or radiation, and can obtain high coating smoothness. In addition, since the reaction proceeds instantaneously due to high energy by ultraviolet rays or radiation, high coating strength can be obtained with a coating solution containing a radiation curable compound.
The radiation used in the present invention includes various types of radiation such as X-rays, α rays, β rays, and γ rays.
[0032]
The molecular weight of the radiation curable compound used in the present invention is preferably in the range of 200 to 2,000. When the molecular weight is in the above range, the coating liquid can easily flow and a smooth coating film can be realized.
Specific examples of radiation curable compounds include (meth) acrylic acid esters, (meth) acrylamides, (meth) acrylic acid amides, allyl compounds, vinyl ethers, vinyl esters and the like. In addition, "(meth) acryl" here is a general term for acrylic and methacrylic.
[0033]
Specific examples of the bifunctional radiation curable compound include, for example, ethylene glycol di (meth) acrylate, propylene glycol di (meth) acrylate, butanediol di (meth) acrylate, hexanediol di (meth) acrylate, diethylene glycol di ( (Meth) acrylate, triethylene glycol di (meth) acrylate, tetraethylene glycol di (meth) acrylate, neopentyl glycol di (meth) acrylate, tripropylene glycol di (meth) acrylate, polyether (meth) acrylate, polyether ( (Meth) acrylate, polyester (meth) acrylate, polyester (meth) acrylate, polyurethane (meth) acrylate, polyurethane (meth) acrylate, bisphenol , Bisphenol F, hydrogenated bisphenol A, hydrogenated bisphenol F and these alkylene oxide adducts with (meth) acrylic acid added, isocyanuric acid alkylene oxide modified di (meth) acrylate, tricyclodecane dimethanol The thing which has cyclic structures, such as di (meth) acrylate, is mentioned.
[0034]
Specific examples of the trifunctional radiation curable compound include, for example, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, trimethylolethane tri (meth) acrylate, trimethylolpropane alkylene oxide-modified tri (meth) acrylate, pentaerythritol tri ( (Meth) acrylate, dipentaerythritol tri (meth) acrylate, isocyanuric acid alkylene oxide modified tri (meth) acrylate, dipentaerythritol tri (meth) acrylate propionate, hydroxypivalaldehyde modified dimethylolpropane tri (meth) acrylate, etc. Can be mentioned.
[0035]
Specific examples of the radiation curable compound having four or more functional groups include, for example, pentaerythritol tetra (meth) acrylate, ditrimethylolpropane tetra (meth) acrylate, dipentaerythritol penta (meth) acrylate, dipentaerythritol tetrapropionate (meth) ) Acrylate, dipentaerythritol hexa (meth) acrylate, phosphazene alkylene oxide modified hexa (meth) acrylate, and the like.
[0036]
Among the above-mentioned radiation curable compounds, preferred as specific examples are bifunctional (meth) acrylate compounds having a molecular weight of 200 to 2,000, and more preferred are dimethylol tricyclodecane, hydrogenated bisphenol A, (Meth) acrylic acid is added to an alicyclic compound such as hydrogenated bisphenol F, bisphenol A, bisphenol F, and these alkylene oxide adducts.
The radiation curable compound used in the smoothing layer of the magnetic recording medium of the present invention may be used in combination with the above binder.
[0037]
When ultraviolet rays are used to polymerize the radiation curable compound, it is preferable to use a polymerization initiator in combination. As the polymerization initiator, a radical photopolymerization initiator, a cationic photopolymerization initiator, a photoamine generator, and the like can be used.
[0038]
Examples of the photo radical polymerization initiator include α-diketones such as benzyl and diacetyl; acyloins such as benzoin; acyloin ethers such as benzoin methyl ether, benzoin ethyl ether and benzoin isopropyl ether; thioxanthone, 2,4- Thioxanthones such as diethylthioxanthone and thioxanthone-4-sulfonic acid; Benzophenones such as benzophenone, 4,4′-bis (dimethylamino) benzophenone and 4,4′-bis (diethylamino) benzophenone; Michler's ketones, acetophenone, 2- (4-Toluenesulfonyloxy) -2-phenylacetophenone, p-dimethylaminoacetophenone, α, α′-dimethoxyacetoxybenzophenone, 2,2′-dimethoxy-2-phenylacetone Enone, p-methoxyacetophenone, 2-methyl [4- (methylthio) phenyl] -2-morpholino-1-propanone, 2-benzyl-2-dimethylamino-1- (4-morpholinophenyl) -butane-1- Acetophenones such as ON, quinones such as anthraquinone and 1,4-naphthoquinone, halogen compounds such as phenacyl chloride, trihalomethylphenylsulfone, tris (trihalomethyl) -s-triazine; acylphosphine oxides, di-t- Examples thereof include peroxides such as butyl peroxide.
[0039]
Specific examples of the radical photopolymerization initiator include, for example, IRGACURE-184, 261, 369, 500, 651, 907 (manufactured by Ciba-Geigy), Darocur-1173, 1116, 2959, 1664, 4043 (manufactured by Merck Japan), KAYACURE-DETX, MBP, DMBI, EPA, OA (manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd.), VICURE-10, 55 (STAUFFER Co. LTD) ), TRIGONALP1 (manufactured by AKZOCo.LTD), SANDORAY1000 (manufactured by SANDOZ Co.LTD), DEAP (manufactured by APJOHN Co.LTD), QUANTACURE-PDO, the same ITX, the same EPD (manufactured by WARD BLEKINSOP Co.LTD, etc.) To mention It can be.
[0040]
Examples of the cationic photopolymerization initiator include diazonium salts, triphenylsulfonium salts, metallocene compounds, diaryl iodonium salts, nitrobenzyl sulfonates, α-sulfonyloxy ketones, diphenyl disulfones, and imidyl sulfonates. Can be mentioned.
Specific examples of the cationic photopolymerization initiator include Adeka Ultra Set PP-33, OPTMER SP-150, 170 (Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.) (diazonium salt), OPTOMER SP-150, 170 (Asahi Denka). Commercial products such as Kogyo Co., Ltd. (sulfonium salt), IRGACURE 261 (Ciba-Geigy Co., Ltd.) (metallocene compound), and the like can be mentioned.
[0041]
Examples of the photoamine generator include nitrobenzyl dicarbamates and iminosulfonates. These photopolymerization initiators are appropriately selected and used depending on exposure conditions (for example, in an oxygen atmosphere or an oxygen-free atmosphere). These photopolymerization initiators can be used in combination of two or more.
[0042]
When an electron beam is used to polymerize the radiation curable compound, the electron beam accelerator can employ a van de Graff type scanning method, a double scanning method, or a curtain beam method, but is preferably relatively inexpensive and large. This is a curtain beam system that provides output. As the electron beam characteristics, the acceleration voltage is 10 to 1,000 kV, preferably 50 to 300 kV. If the acceleration voltage is 10 kV or more, the amount of transmitted energy is sufficient. In addition, if the acceleration voltage is 1,000 kV or less, the energy efficiency used for polymerization does not decrease. The absorbed dose is 0.5 to 20 Mrad, preferably 1 to 10 Mrad. If the absorbed dose is 0.5 Mrad or more, sufficient strength can be obtained by the curing reaction, and if it is 20 Mrad or less, the energy efficiency used for curing does not decrease, and the irradiated object generates heat. Therefore, deformation of the nonmagnetic support can be prevented.
[0043]
On the other hand, when ultraviolet rays are used to polymerize the radiation curable compound, the amount is 10 to 100 mJ / cm.2Is preferred. 10 mJ / cm2If it is above, sufficient strength is obtained by the curing reaction, 100 mJ / cm2If it is below, it is possible to prevent a decrease in energy efficiency used for curing and heat generation of the irradiated body, so that the nonmagnetic support is not deformed. Regarding UV (UV) and electron beam (EB) irradiation equipment, irradiation conditions, etc., "UV / EB curing technology" (published by General Technology Center Co., Ltd.) and "Applied technology of low energy electron beam irradiation" (2000 Co., Ltd.) The well-known thing described in (CMC issuance) etc. can be used.
[0044]
The binder and the radiation curable compound used in the smoothing layer of the present invention can be used alone or in combination. The addition amount of the binder and the radiation curable compound is appropriately determined according to the addition amount of the conductive powder. When a binder and a radiation curable compound are mixed and used, for example, the radiation curable compound is 105 to 2,000 parts by weight, preferably 110 to 1,000 parts by weight, more preferably 100 parts by weight of the binder. It adds to the smoothing layer added in 120-800 mass parts. If the amount of the radiation curable compound mixed with the binder is within the above range, leveling properties advantageous for smoothing can be ensured and curing shrinkage due to crosslinking can be suppressed.
[0045]
In addition, the smoothing layer of the present invention can contain a conductive powder or an ionic surfactant for preventing the generation of static electricity and preventing the magnetic recording medium from being charged. Examples of the conductive powder include conductive metals, metal compounds, and carbon black. Specifically, metal powders such as gold, silver, platinum, palladium, nickel; potassium titanate, tin oxide, antimony-containing tin oxide, zinc oxide, antimony oxide, tin-containing indium oxide, TiB2, ZrB2Metal compounds such as TiC, TiN, etc .; carbon blacks such as furnace black, acetylene black, channel black, ketjen black and the like may be used singly or in combination of two or more. Examples of the ionic surfactant include anionic surfactant types such as long-chain alkyl compounds having a sulfonate group, a sulfate group, a phosphate group, etc. as low molecular weight type ionic surfactants. Examples thereof include cationic surfactant type ionic surfactants having classified nitrogen compounds. Examples of the polymer type ionic surfactant include a polymer having an ionized nitrogen atom in the main chain, sulfonate-modified polystyrene, and the like.
[0046]
The composition comprising the binder, the radiation curable compound and the photopolymerization initiator contained in the smoothing layer of the present invention, as well as the conductive powder and ionic surfactant added as necessary, can dissolve them. A solvent is used as a coating solution, and a known organic solvent can be used as the solvent, and is not particularly limited. The smoothing layer of the present invention may be dried by either natural drying or heat drying. When the smoothing layer contains a radiation curable compound, the coating layer is irradiated with the radiation after the coating liquid is coated on the nonmagnetic support and dried.
[0047]
<Thickness of smoothing layer>
The thickness of the smoothing layer in the present invention is not particularly limited as long as it is in the range of 0.3 to 3.0 μm, but is preferably in the range of 0.35 to 2.0 μm, more preferably 0.4 to 1. The range is 5 μm. The thickness of the smoothing layer depends on the components of the smooth coating layer and the like. However, if the surface property and physical strength of the smooth coating layer are ensured, the thickness is preferably as thin as possible to increase the capacity.
[0048]
Next, the magnetic layer, nonmagnetic layer, backcoat layer, undercoat layer, layer structure, production method, and physical characteristics of the magnetic recording medium of the present invention will be described.
[0049]
[Magnetic layer]
<Ferromagnetic powder>
As the ferromagnetic powder contained in the magnetic layer in the present invention, either a ferromagnetic metal powder or a ferromagnetic hexagonal ferrite powder can be used.
(Ferromagnetic metal powder)
The ferromagnetic metal powder used in the magnetic layer in the present invention is not particularly limited as long as it contains Fe as a main component (including an alloy), but may be a ferromagnetic alloy powder containing α-Fe as a main component. preferable. This ferromagnetic metal powder includes Al, Si, S, Sc, Ca, Ti, V, Cr, Cu, Y, Mo, Rh, Pd, Ag, Sn, Sb, Te, Ba, Ta, other than the predetermined atoms. It may contain atoms such as W, Re, Au, Hg, Pb, Bi, La, Ce, Pr, Nd, P, Co, Mn, Zn, Ni, Sr, and B. In addition to the α-Fe, those containing at least one selected from the group consisting of Al, Si, Ca, Y, Ba, La, Nd, Co, Ni, and B are preferable. In particular, Co, Al, and Y are included. Is preferred. More specifically, it is preferable that Co is contained in an amount of 10 to 40 atomic%, Fe is contained in an amount of 2 to 20 atomic%, and Y is contained in an amount of 1 to 15 atomic%.
[0050]
These ferromagnetic powders may be previously treated with a dispersant, a lubricant, a surfactant, an antistatic agent or the like, which will be described later. Further, the ferromagnetic metal powder may contain a small amount of water, hydroxide or oxide. The moisture content of the ferromagnetic powder is preferably 0.01-2%. It is preferable to optimize the moisture content of the ferromagnetic powder depending on the type of binder. The crystallite size is 8 to 20 nm, preferably 10 to 18 nm, and particularly preferably 12 to 16 nm. As the crystallite size, an average value obtained by a Scherrer method from a half-value width of a diffraction peak using an X-ray diffractometer (RINT2000 manufactured by Rigaku Corporation) under the conditions of a radiation source CuKα1, a tube voltage of 50 kV, and a tube current of 300 mA is used. The average major axis length of the ferromagnetic metal powder is 20 to 100 nm, preferably 30 to 90 nm, and particularly preferably 40 to 80 nm. If the average major axis length is 20 nm or more, it is possible to effectively suppress a decrease in magnetic properties due to thermal fluctuation. Moreover, if the average major axis length is 100 nm or less, a good S / N can be obtained while maintaining low noise. The average major axis length is obtained by taking a transmission electron microscope photograph, and directly reading the minor axis length and the major axis length of the ferromagnetic powder from the photograph and tracing the transmission electron microscope photograph with the image analysis apparatus Carl Zeiss IBASSI. It is required to use the method of reading.
[0051]
Specific surface area (S) of the ferromagnetic powder used in the magnetic layer in the present invention by the BET methodBET) Is 30m2/ G or more 50m2/ G is preferable, 38 to 48 m2/ G is preferable. This makes it possible to achieve both good surface properties and low noise. The pH of the ferromagnetic metal powder is preferably optimized by combination with the binder used. The range is pH 4-12, but is preferably in the range of pH 7-10. The ferromagnetic powder may be surface-treated with Al, Si, P, or an oxide thereof as required. The amount is 0.1 to 10% with respect to the ferromagnetic powder, and when surface treatment is performed, the adsorption of a lubricant such as a fatty acid is 100 mg / m.2The following is preferable.
[0052]
The ferromagnetic metal powder may contain soluble inorganic ions such as Na, Ca, Fe, Ni, and Sr. However, if it is 200 ppm or less, the properties are not particularly affected. Further, the ferromagnetic metal powder used in the magnetic layer in the present invention preferably has fewer vacancies, and its value is 20% by volume or less, more preferably 5% by volume or less. In addition, the shape may be acicular, granular, rice granular, or plate-like as long as it satisfies the above-mentioned characteristics regarding the particle size, but in particular, acicular ferromagnetic powder should be used. Is preferred. In the case of acicular ferromagnetic metal powder, the acicular ratio is preferably 4 to 12, and more preferably 5 to 12.
[0053]
The coercive force Hc of the ferromagnetic metal powder is preferably 159.2 to 238.8 kA / m, more preferably 167.2 to 230.8 kA / m. The saturation magnetic flux density is 150 to 300 T · m is preferable, and 160 to 290 T · m is more preferable. The saturation magnetization σs is 140 to 170 A · m.2/ Kg, preferably 145 to 160 A · m2More preferably, it is / kg.
[0054]
The SFD (switching field distribution) of the magnetic material itself is preferably small, and is preferably 0.8 or less. When the SFD is 0.8 or less, the electromagnetic conversion characteristics are good, the output is high, the magnetization reversal is sharp, the peak shift is small, and it is suitable for high-density digital magnetic recording. In order to reduce the Hc distribution, monodisperse α-Fe which improves the particle size distribution of goethite in the ferromagnetic metal powder.2O3There is a method of preventing sintering between particles.
[0055]
As the ferromagnetic metal powder, those obtained by a known production method can be used, and the following methods can be mentioned. Reduction of hydrous iron oxide and iron oxide with anti-sintering treatment with iron or other reducing gas to obtain Fe or Fe-Co particles, reduction of complex organic acid salt (mainly oxalate) and hydrogen A method of reducing with a reactive gas, a method of thermally decomposing a metal carbonyl compound, a method of reducing by adding a reducing agent such as sodium borohydride, hypophosphite or hydrazine to an aqueous solution of a ferromagnetic metal, a metal at a low pressure For example, a fine powder is obtained by evaporation in an inert gas. The ferromagnetic metal powder thus obtained is subjected to a known slow oxidation treatment. A method of reducing the amount of demagnetization by reducing the hydrous iron oxide and iron oxide with a reducing gas such as hydrogen and controlling the partial pressure, temperature and time of the oxygen-containing gas and inert gas to form an oxide film on the surface. preferable.
[0056]
(Ferromagnetic hexagonal ferrite powder)
Examples of the ferromagnetic hexagonal ferrite ferromagnetic powder contained in the magnetic layer of the present invention include barium ferrite, strontium ferrite, lead ferrite, calcium ferrite substitutes, and Co substitutes. More specifically, magnetoplumbite type barium ferrite and strontium ferrite, magnetoplumbite type ferrite whose particle surface is coated with spinel, and magnetoplumbite type barium ferrite and strontium ferrite partially containing a spinel phase, etc. Is mentioned. In addition to predetermined atoms, Al, Si, S, Sc, Ti, V, Cr, Cu, Y, Mo, Rh, Pd, Ag, Sn, Sb, Te, Ba, Ta, W, Re, Au, Hg , Pb, Bi, La, Ce, Pr, Nd, P, Co, Mn, Zn, Ni, Sr, B, Ge, and Nb may be included. In general, elements such as Co—Zn, Co—Ti, Co—Ti—Zr, Co—Ti—Zn, Ni—Ti—Zn, Nb—Zn—Co, Sb—Zn—Co, and Nb—Zn are added. You can use things. Some raw materials and production methods contain specific impurities.
[0057]
The average plate diameter of the ferromagnetic hexagonal ferrite ferromagnetic powder is in the range of 5 to 40 nm, preferably 10 to 38 nm, and more preferably 15 to 36 nm. In order to increase the track density, when reproducing with a magnetoresistive head (MR head), it is necessary to reduce the noise, and the plate diameter is preferably 40 nm or less. Further, if the average plate diameter is 5 nm or less, stable magnetization can be expected without being affected by thermal fluctuation.
The plate ratio (plate diameter / plate thickness) of the ferromagnetic hexagonal ferrite ferromagnetic powder is preferably from 1 to 15, and more preferably from 1 to 7. When the plate-like ratio is small, the filling property in the magnetic layer is preferably high, but when it is too small, sufficient orientation cannot be obtained, and it is preferably 1 or more. If the plate ratio is 15 or less, noise can be suppressed by stacking particles. The specific surface area of this particle size range by the BET method is 10 to 200 m.2/ G. The specific surface area roughly agrees with the arithmetic calculation value from the particle plate diameter and plate thickness. The distribution of the particle plate diameter and plate thickness is generally preferably as narrow as possible. Although numerical conversion is difficult, it can be compared by randomly measuring 500 particles from a particle TEM photograph. In many cases, the distribution is not a normal distribution, but when calculated and expressed as a standard deviation with respect to the average size, σ / average size = 0.1 to 2.0. In order to sharpen the particle size distribution, the particle generation reaction system is made as uniform as possible, and the generated particles are subjected to a distribution improvement process. For example, a method of selectively dissolving ultrafine particles in an acid solution is also known.
[0058]
The coercive force (Hc) of the ferromagnetic hexagonal ferrite particles can be made up to about 39.8 to 398 kA / m (500 to 5000 Oe). A higher coercive force (Hc) is advantageous for high-density recording, but is limited by the capacity of the recording head. In the present invention, the coercive force (Hc) is about 159.2 to 238.8 kA / m, preferably 175.1 kA / m to 222.9 kA / m. When the saturation magnetization of the head exceeds 1.4 Tessler, it is preferably 159.2 kA / m or more. The coercive force (Hc) can be controlled by the particle size (plate diameter / plate thickness), the type and amount of the contained element, the substitution site of the element, the particle generation reaction conditions, and the like. The saturation magnetization (σs) is 40 to 80 A · m2/ Kg. Higher saturation magnetization (σs) is preferable, but tends to be smaller as the particles become finer. In order to improve the saturation magnetization (σs), a known method such as composite of magnetoplumbite ferrite with spinel ferrite or selection of the type and amount of elements contained can be used. In the present invention, W-type hexagonal ferrite can be used in the magnetic layer.
[0059]
When dispersing the ferromagnetic hexagonal ferrite powder, the surface of the magnetic particles is also treated with a material suitable for the dispersion medium and polymer. As the surface treatment material, an inorganic compound or an organic compound is used. Typical examples of the main compound include compounds such as Si, Al, and P, various silane coupling agents, and various titanium coupling agents. The amount is 0.1 to 10% with respect to the magnetic substance. The pH of the magnetic material is also important for dispersion. Usually, about 4 to 12 has optimum values depending on the dispersion medium and polymer, but about 6 to 11 is selected from the chemical stability and storage stability of the medium. Water contained in the magnetic material also affects the dispersion. Although there is an optimum value depending on the dispersion medium and the polymer, 0.01 to 2.0% is usually selected.
[0060]
As a method for producing ferromagnetic hexagonal ferrite powder, (1) a metal oxide replacing barium oxide, iron oxide, iron and boron oxide as a glass forming material are mixed so as to have a desired ferrite composition and then melted. A glass crystallization method in which a barium ferrite crystal powder is obtained by rapid cooling to an amorphous body, followed by reheating treatment, washing and pulverization, and (2) neutralizing a barium ferrite composition metal salt solution with an alkali. After removing the product, liquid phase heating at 100 ° C. or higher, followed by washing, drying and grinding to obtain a barium ferrite crystal powder, (3) neutralizing the barium ferrite composition metal salt solution with alkali, Examples include coprecipitation methods in which by-products are removed, dried, treated at 1100 ° C. or lower, and pulverized to obtain barium ferrite crystal powder. It not is not particularly limited, and may be either of the method. The ferromagnetic hexagonal ferrite ferromagnetic powder may be subjected to a surface treatment with Al, Si, P, or an oxide thereof if necessary. The amount is 0.1 to 10% with respect to the ferromagnetic powder, and when surface treatment is performed, the adsorption of a lubricant such as a fatty acid is 100 mg / m.2The following is preferable. The ferromagnetic powder may contain inorganic ions such as soluble Na, Ca, Fe, Ni, and Sr. Although it is preferable that these are essentially not present, if they are 200 ppm or less, they do not particularly affect the characteristics.
[0061]
<Binder>
As the binder used in the magnetic layer of the present invention, conventionally known polyurethane resins and vinyl chloride, vinyl acetate, vinyl alcohol, maleic acid, acrylic acid, acrylic ester, vinylidene chloride, acrylonitrile, methacrylic acid, methacrylic ester, Thermoplastic resins such as polymers or copolymers containing styrene, butadiene, ethylene, vinyl butyral, vinyl acetal, vinyl ether, etc. as structural units, phenol resins, epoxy resins, polyurethane curable resins, urea resins, melamine resins, alkyd resins , Acrylic reaction resin, formaldehyde resin, silicone resin, epoxy-polyamide resin, mixture of polyester resin and isocyanate prepolymer, mixture of polyester polyol and polyisocyanate, polyurethane It can be exemplified mixtures thermosetting resin polyisocyanate, the reactive resins and mixtures thereof.
[0062]
Among them, polyurethane resin is preferable, and further, a polyol having a cyclic structure such as hydrogenated bisphenol A and a polypropylene oxide adduct of hydrogenated bisphenol A and a molecular weight of 500 to 5,000 having an alkylene oxide chain and a molecular weight having a cyclic structure as a chain extender. 200-500 polyols and organic diisocyanates are reacted, and polyurethane resins having hydrophilic polar groups or aliphatic dibasic acids such as succinic acid, adipic acid and sebacic acid and 2,2-dimethyl-1,3-propanediol Polyester polyol and chain comprising an aliphatic diol having no cyclic structure having an alkyl branched side chain such as 2-ethyl-2-butyl-1,3-propanediol and 2,2-diethyl-1,3-propanediol As an extender, 2-ethyl-2-butyl It has a hydrophilic polar group by reacting an aliphatic didiol having a branched alkyl side chain having 3 or more carbon atoms such as 1,3-propanediol and 2,2-diethyl-1,3-propanediol with an organic diisocyanate compound. A polyurethane resin having a hydrophilic polar group obtained by reacting a polyol compound having a cyclic structure such as polyurethane resin or dimer diol and a long alkyl chain with an organic diisocyanate is preferred.
[0063]
The average molecular weight of the polar group-containing polyurethane resin used in the present invention is preferably 5,000 to 100,000, and more preferably 10,000 to 50,000. If the average molecular weight is 5,000 or more, the durability of the magnetic recording medium can be maintained without the disadvantage that the physical strength is lowered, such as the resulting magnetic coating film becomes brittle. If the average molecular weight is 100,000 or less, solubility and dispersibility in a solvent can be maintained. Moreover, if the average molecular weight is within the above range, an appropriate coating viscosity can be obtained, workability is good, and handling is easy.
[0064]
Examples of the polar group contained in the polyurethane resin include -COOM and -SO.3M, -OSO3M, -P = O (OM)2, -OP = O (OM)2(Where M is a hydrogen atom or an alkali metal base), -OH, -NR2, -N+R3(R is a hydrocarbon group), an epoxy group, —SH, —CN, and the like, and at least one of these polar groups introduced by copolymerization or addition reaction can be used. Moreover, when this polar group-containing polyurethane-based resin has an OH group, it preferably has a branched OH group from the viewpoint of curability and durability, and preferably has 2 to 40 branched OH groups per molecule. It is more preferable to have 3 to 20 molecules per molecule. The amount of such polar groups is 10-1-10-8Mol / g, preferably 10-2-10-6Mol / g.
[0065]
Specific examples of the binder include, for example, VAGH, VYHH, VMCH, VAGF, VAGD, VROH, VYES, VYNC, VMCC, XYHL, XYSG, PKHH, PKHJ, PKHC, PKFE, Nissin Chemical Industry Co., Ltd. MPR-TA, MPR-TA5, MPR-TAL, MPR-TSN, MPR-TMF, MPR-TS, MPR-TM, MPR-TAO, Denki Kagaku 1000W, DX80, DX81, DX82, DX83, 100FD, Japan MR-104, MR-105, MR110, MR100, MR555, 400X-110A manufactured by ZEON CORPORATION, NIPPOLAN N2301, N2302, N2304 manufactured by Nippon Polyurethane, Pandex T-5105, T-R3080, T-5201 manufactured by Dainippon Ink, Inc. , Barnock D 400, D-210-80, Crisbon 6109, 7209, Byron UR8200, UR8300, UR-8700, RV530, RV280, Toyobo Co., Ltd. Daiferamin 4020, 5020, 5100, 5300, 9020, 9022, 7020, Mitsubishi Examples include MX5004 manufactured by Kasei Co., Ltd., Sanprene SP-150 manufactured by Sanyo Kasei Co., Ltd., and Saran F310 and F210 manufactured by Asahi Kasei.
[0066]
The addition amount of the binder used in the magnetic layer of the present invention is in the range of 5 to 50% by mass, preferably in the range of 10 to 30% by mass with respect to the mass of the hexagonal ferrite ferromagnetic powder. Moreover, it is 5-50 mass% with respect to the mass of a ferromagnetic metal powder, Preferably it is the range of 10-30 mass%. Moreover, when using a polyurethane resin combination, it is preferable to use a combination of 2 to 20% by mass and polyisocyanate within a range of 2 to 20% by mass. For example, when head corrosion occurs due to a small amount of dechlorination. It is also possible to use only polyurethane or only polyurethane and isocyanate. When using a vinyl chloride resin as the other resin, it is preferably in the range of 5 to 30% by mass. In the present invention, when polyurethane is used, the glass transition temperature is −50 to 150 ° C., preferably 0 to 100 ° C., the breaking elongation is 100 to 2000%, and the breaking stress is 0.49 to 98 MPa (0.05 to 10 kg / mm).2), Yield point is 0.49 to 98 MPa (0.05 to 10 kg / mm)2) Is preferred.
[0067]
The binder used in the present invention is added in an amount, vinyl chloride resin, polyurethane resin, polyisocyanate, or other resin amount in the binder, molecular weight of each resin forming the magnetic layer, polar group amount, or Of course, it is possible to change the physical properties of the resin contained between the magnetic layer and the non-magnetic layer described later as needed. Rather, it should be optimized for each layer. it can. For example, when changing the amount of binder in each layer, it is effective to increase the amount of binder in the magnetic layer in order to reduce scratches on the surface of the magnetic layer. The amount of binder in the magnetic layer can be increased to provide flexibility.
[0068]
Examples of the polyisocyanate usable in the present invention include tolylene diisocyanate, 4-4′-diphenylmethane diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, xylylene diisocyanate, naphthylene-1,5-diisocyanate, o-toluidine diisocyanate, isophorone diisocyanate, triol. Examples thereof include isocyanates such as phenylmethane triisocyanate, products of these isocyanates and polyalcohols, and polyisocyanates generated by condensation of isocyanates. Commercially available product names of these isocyanates include: Coronate L, Coronate HL, Coronate 2030, Coronate 2031, Millionate MR Millionate MTL, Takeda Pharmaceutical Taketake D-102, Takenate D-110N, Takenate There are D-200, Takenate D-202, Death Module L, Death Module IL, Death Module N Death Module HL, etc. manufactured by Sumitomo Bayer, and these are used alone or in combination of two or more using the difference in curing reactivity It can be used for each layer.
[0069]
Additives can be added to the magnetic layer in the present invention as necessary. Examples of the additive include an abrasive, a lubricant, a dispersant / dispersion aid, an antifungal agent, an antistatic agent, an antioxidant, a solvent, and carbon black.
Examples of these additives include molybdenum disulfide, tungsten disulfide, graphite, boron nitride, graphite fluoride, silicone oil, silicone having a polar group, fatty acid-modified silicone, fluorine-containing silicone, fluorine-containing alcohol, fluorine-containing ester, Polyolefin, polyglycol, polyphenyl ether, phenylphosphonic acid, benzylphosphonic acid group, phenethylphosphonic acid, α-methylbenzylphosphonic acid, 1-methyl-1-phenethylphosphonic acid, diphenylmethylphosphonic acid, biphenylphosphonic acid, benzylphenylphosphon Acid, α-cumylphosphonic acid, toluylphosphonic acid, xylylphosphonic acid, ethylphenylphosphonic acid, cumenylphosphonic acid, propylphenylphosphonic acid, butylphenylphosphonic acid, heptyl Aromatic ring-containing organic phosphonic acids such as phenylphosphonic acid, octylphenylphosphonic acid, nonylphenylphosphonic acid and alkali metal salts thereof, octylphosphonic acid, 2-ethylhexylphosphonic acid, isooctylphosphonic acid, isononylphosphonic acid, isodecyl Alkylphosphonic acids such as phosphonic acid, isoundecylphosphonic acid, isododecylphosphonic acid, isohexadecylphosphonic acid, isooctadecylphosphonic acid, isoeicosylphosphonic acid and alkali metal salts thereof, phenyl phosphate, benzyl phosphate, phosphorus Phenethyl phosphate, α-methylbenzyl phosphate, 1-methyl-1-phenethyl phosphate, diphenylmethyl phosphate, biphenyl phosphate, benzylphenyl phosphate, α-cumyl phosphate, toluyl phosphate, xylyl phosphate, phosphate Ethylpheny , Phenyl ester phosphate, propylphenyl phosphate, butylphenyl phosphate, heptylphenyl phosphate, octylphenyl phosphate, nonylphenyl phosphate, and alkali metal salts thereof, octyl phosphate, phosphate 2 -Ethylhexyl, isooctyl phosphate, isononyl phosphate, isodecyl phosphate, isoundecyl phosphate, isododecyl phosphate, isohexadecyl phosphate, isooctadecyl phosphate, isoeicosyl phosphate, and alkali metal salts thereof, alkyl Sulfonic acid esters and alkali metal salts thereof, fluorine-containing alkyl sulfates and alkali metal salts thereof, lauric acid, myristic acid, palmitic acid, stearic acid, behenic acid, butyl stearate, oleic acid, linoleic acid, linoleic acid Monobasic fatty acids which may contain or be branched, such as acids, elaidic acid, erucic acid and the like, and their metal salts, or butyl stearate, octyl stearate, amyl stearate, Contains 10 to 24 carbon unsaturated bonds such as isooctyl stearate, octyl myristate, butyl laurate, butoxyethyl stearate, anhydrosorbitan monostearate, anhydrosorbitan distearate, anhydrosorbitan tristearate However, it may be branched even if it contains a monobasic fatty acid that may be branched, an unsaturated bond having 2 to 22 carbon atoms or a 1 to 6-valent alcohol that may be branched, or an unsaturated bond having 12 to 22 carbon atoms. Monoalkoxy of alkoxy alcohol or alkylene oxide polymer which may be Mono-fatty acid esters consisting of any one of ether, di-fatty acid esters or polyvalent fatty acid esters, fatty acid amides having 2 to 22 carbon atoms, and aliphatic amines having 8 to 22 carbon atoms can be used. In addition to the above hydrocarbon groups, nitro groups and F, Cl, Br, CF3, CCl3, CBr3It may have an alkyl group, an aryl group, or an aralkyl group substituted with a group other than a hydrocarbon group such as a halogen-containing hydrocarbon.
[0070]
In addition, nonionic surfactants such as alkylene oxide, glycerin, glycidol, and alkylphenol ethylene oxide adducts, cyclic amines, ester amides, quaternary ammonium salts, hydantoin derivatives, heterocycles, phosphonium or sulfoniums, etc. Amphoteric interfaces such as cationic surfactants, anionic surfactants containing acidic groups such as carboxylic acid, sulfonic acid, and sulfate ester groups, amino acids, aminosulfonic acids, sulfuric or phosphate esters of aminoalcohols, and alkylbetaines An activator or the like can also be used. These surfactants are described in detail in “Surfactant Handbook” (published by Sangyo Tosho Co., Ltd.).
[0071]
The dispersant, lubricant, and the like are not necessarily pure, and may contain impurities such as isomers, unreacted materials, side reaction products, decomposition products, and oxides in addition to the main components. These impurities are preferably 30% by mass or less, more preferably 10% by mass or less.
[0072]
Specific examples of these additives include, for example, manufactured by NOF Corporation: NAA-102, castor oil hardened fatty acid, NAA-42, cation SA, Naimine L-201, Nonion E-208, Anon BF, Anon LG, Takemoto Oil and fat: FAL-205, FAL-123, Shin Nippon Chemical Co., Ltd .: NJ Lube OL, Shin-Etsu Chemical: TA-3, Lion Armor: Armide P, Lion: Duomin TDO, Nisshin Oil : BA-41G, Sanyo Kasei Co., Ltd .: Profan 2012E, New Pole PE61, Ionette MS-400, and the like.
[0073]
Known organic solvents can be used in the magnetic layer of the present invention. The organic solvent is an arbitrary ratio of ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, diisobutyl ketone, cyclohexanone, isophorone and tetrahydrofuran, alcohols such as methanol, ethanol, propanol, butanol, isobutyl alcohol, isopropyl alcohol and methylcyclohexanol. , Esters such as methyl acetate, butyl acetate, isobutyl acetate, isopropyl acetate, ethyl lactate, glycol acetate, glycol ethers such as glycol dimethyl ether, glycol monoethyl ether, dioxane, benzene, toluene, xylene, cresol, chlorobenzene, etc. Aromatic hydrocarbons, methylene chloride, ethylene chloride, carbon tetrachloride, chloroform, ethylene chlorohydrin Chlorinated hydrocarbons such as dichlorobenzene, N, N- dimethylformamide, may be used hexane.
[0074]
These organic solvents are not necessarily 100% pure, and may contain impurities such as isomers, unreacted materials, side reaction products, decomposition products, oxides, and moisture in addition to the main components. These impurities are preferably 30% or less, more preferably 10% or less. The organic solvent used in the present invention is preferably the same in the magnetic layer and the nonmagnetic layer. The amount added may be changed. Use non-magnetic layers with high surface tension solvents (cyclohexanone, dioxane, etc.) to increase coating stability. Specifically, the arithmetic average value of the upper layer solvent composition may not fall below the arithmetic average value of the nonmagnetic layer solvent composition. It is essential. In order to improve dispersibility, it is preferable that the polarity is somewhat strong, and it is preferable that 50% or more of a solvent having a dielectric constant of 15 or more is included in the solvent composition. Moreover, it is preferable that a solubility parameter is 8-11.
[0075]
These dispersants, lubricants, and surfactants used in the magnetic layer of the present invention can be properly used in the magnetic layer and the nonmagnetic layer described later as needed. For example, of course, the dispersant is not limited to the example shown here, but the dispersant has a property of adsorbing or binding with a polar group, and in the magnetic layer, mainly on the surface of the ferromagnetic powder, as will be described later. In the nonmagnetic layer, it is presumed that the organophosphorus compound adsorbed or bonded to the surface of the nonmagnetic powder mainly by the polar group and once adsorbed is difficult to desorb from the surface of metal or metal compound. Accordingly, the surface of the ferromagnetic powder of the present invention or the nonmagnetic powder surface described later is in a state of being coated with an alkyl group, an aromatic group, etc., so the affinity of the ferromagnetic powder or nonmagnetic powder for the binder resin component And the dispersion stability of the ferromagnetic powder or non-magnetic powder is also improved. In addition, since it exists in a free state as a lubricant, the non-magnetic layer and the magnetic layer use fatty acids with different melting points to control the bleeding to the surface, and use esters with different boiling points and polarities to bleed to the surface. It is conceivable that the stability of coating is improved by controlling the amount of the surfactant, and the lubricating effect is improved by increasing the amount of lubricant added in the nonmagnetic layer. All or a part of the additives used in the present invention may be added in any step during the production of the coating solution for the magnetic layer or nonmagnetic layer. For example, when mixing with a ferromagnetic powder before the kneading step, adding at a kneading step with a ferromagnetic powder, a binder and a solvent, adding at a dispersing step, adding after dispersing, adding just before coating, etc. There is.
[0076]
In addition, carbon black can be added to the magnetic layer in the present invention as necessary. When carbon black is added to the magnetic recording medium of the present invention, since the magnetic layer contains a π-electron conjugated conductive polymer, the amount can be smaller than that of the conventional magnetic recording medium. Examples of the carbon black that can be used in the magnetic layer of the present invention include a furnace for rubber, a thermal for rubber, a black for color, and acetylene black. Specific surface area is 5-500m2/ G, DBP oil absorption is preferably 10 to 400 ml / 100 g, particle diameter is 5 to 300 mμ, pH is 2 to 10, water content is 0.1 to 10%, and tap density is preferably 0.1 to 1 g / ml.
[0077]
Specific examples of carbon black used in the present invention include Cabot's BLACKPEARLS 2000, 1300, 1000, 900, 905, 800, 700, VULCAN XC-72, Asahi Carbon Corporation # 80, # 60, # 55. # 50, # 35, Mitsubishi Chemical Industries # 2400B, # 2300, # 900, # 1000, # 30, # 40, # 10B, Colombian Carbon Corporation CONDUCTEX SC, RAVEN150, 50, 40, 15, RAVEN -MT-P, Ketchen Black EC manufactured by Japan EC Co., etc. Carbon black may be surface-treated with a dispersant, or may be used after being grafted with a resin, or may be obtained by graphitizing a part of the surface. Carbon black may be dispersed with a binder in advance before being added to the magnetic coating. These carbon blacks can be used alone or in combination. When using carbon black, it is preferable to use 0.1-30 mass% with respect to the mass of a magnetic body. Carbon black functions to prevent the magnetic layer from being charged, reduce the coefficient of friction, impart light-shielding properties, and improve the film strength. These differ depending on the carbon black used. Therefore, these carbon blacks used in the present invention have different types, amounts, and combinations in the magnetic layer and the nonmagnetic layer, and are based on the above-described characteristics such as particle size, oil absorption, conductivity, and PH. Of course, it is possible to use them properly according to the purpose, but rather they should be optimized in each layer.
The carbon black that can be used in the magnetic layer of the present invention can be referred to, for example, “Carbon Black Handbook” edited by Carbon Black Association.
[0078]
[Nonmagnetic layer]
Next, detailed contents regarding the nonmagnetic layer will be described.
The magnetic recording medium of the present invention has a nonmagnetic layer containing a binder and a nonmagnetic powder on a nonmagnetic support. The nonmagnetic powder that can be used in the nonmagnetic layer may be an inorganic substance or an organic substance. Carbon black or the like can also be used. Examples of the inorganic substance include metals, metal oxides, metal carbonates, metal sulfates, metal nitrides, metal carbides, and metal sulfides.
[0079]
Specifically, titanium oxide such as titanium dioxide, cerium oxide, tin oxide, tungsten oxide, ZnO, ZrO2, SiO2, Cr2O3Α-alumina, β-alumina, γ-alumina, α-iron oxide, goethite, corundum, silicon nitride, titanium carbide, magnesium oxide, boron nitride, molybdenum disulfide, copper oxide, MgCO3, CaCO3, BaCO3, SrCO3, BaSO4Silicon carbide, titanium carbide, etc. are used alone or in combination of two or more. Preferable are α-iron oxide and titanium oxide.
[0080]
The shape of the nonmagnetic powder may be any of acicular, spherical, polyhedral, and plate shapes. The crystallite size of the nonmagnetic powder is preferably 4 nm to 1 μm, and more preferably 40 to 100 nm. A crystallite size in the range of 4 nm to 1 μm is preferred because it does not become difficult to disperse and has a suitable surface roughness. The average particle size of these non-magnetic powders is preferably 5 nm to 2 μm. However, if necessary, non-magnetic powders having different average particle sizes may be combined, or even a single non-magnetic powder may have a wide particle size distribution. It can also have an effect. The average particle size of the particularly preferred nonmagnetic powder is 10 to 200 nm. The range of 5 nm to 2 μm is preferable because the dispersion is good and the surface roughness is suitable.
[0081]
Specific surface area of non-magnetic powder is 1-100m2/ G, preferably 5 to 70 m2/ G, more preferably 10 to 65 m2/ G. Specific surface area of 1-100m2/ G is preferable because it has a suitable surface roughness and can be dispersed in a desired amount of binder. The oil absorption using dibutyl phthalate (DBP) is 5 to 100 ml / 100 g, preferably 10 to 80 ml / 100 g, and more preferably 20 to 60 ml / 100 g. The specific gravity is 1 to 12, preferably 3 to 6. The tap density is 0.05 to 2 g / ml, preferably 0.2 to 1.5 g / ml. When the tap density is in the range of 0.05 to 2 g / ml, there are few particles to be scattered, the operation is easy, and there is a tendency that it is difficult to adhere to the apparatus. The pH of the nonmagnetic powder is preferably 2 to 11, but the pH is particularly preferably between 6 and 9. When the pH is in the range of 2 to 11, the friction coefficient does not increase due to high temperature, high humidity, or liberation of fatty acids. The moisture content of the nonmagnetic powder is 0.1 to 5% by mass, preferably 0.2 to 3% by mass, and more preferably 0.3 to 1.5% by mass. A water content in the range of 0.1 to 5% by mass is preferable because the dispersion is good and the viscosity of the paint after dispersion is stable. The ignition loss is preferably 20% by mass or less, and the ignition loss is preferably small.
[0082]
When the nonmagnetic powder is an inorganic powder, the Mohs hardness is preferably 4-10. If the Mohs hardness is in the range of 4 to 10, durability can be ensured. The stearic acid adsorption amount of the non-magnetic powder is 1-20 μmol / m2And more preferably 2 to 15 μmol / m2It is. The heat of wetting of nonmagnetic powder into water at 25 ° C. is 200 to 600 erg / cm.2It is preferable that it exists in the range. Moreover, the solvent which exists in the range of this heat of wetting can be used. The amount of water molecules on the surface at 100 to 400 ° C. is suitably 1 to 10 / 100Å. The pH of the isoelectric point in water is preferably between 3 and 9. The surface of these nonmagnetic powders is Al.2O3, SiO2TiO2, ZrO2, SnO2, Sb2O3It is preferable to perform surface treatment with ZnO. Particularly preferred for dispersibility is Al.2O3, SiO2TiO2, ZrO2More preferred is Al2O3, SiO2, ZrO2It is. These may be used in combination or may be used alone. Further, a surface-treated layer co-precipitated according to the purpose may be used, or a method of treating the surface layer with silica after first treating with alumina, or vice versa may be employed. The surface treatment layer may be a porous layer depending on the purpose, but it is generally preferable that the surface treatment layer is homogeneous and dense.
[0083]
Specific examples of the non-magnetic powder used in the non-magnetic layer of the present invention include, for example, Showa Denko Nanotite, Sumitomo Chemical HIT-100, ZA-G1, Toda Kogyo DPN-250, DPN-250BX, DPN-245, DPN-270BX, DPB-550BX, DPN-550RX Ishihara Sangyo Titanium oxide TTO-51B, TTO-55A, TTO-55B, TTO-55C, TTO-55S, TTO-55D, SN-100, MJ- 7, α-iron oxide E270, E271, E300, STT-4D, STT-30D, STT-30, STT-65C manufactured by Titanium Industry, MT-100S, MT-100T, MT-150W, MT-500B, T manufactured by Teica -600B, T-100F, T-500HD, etc. are mentioned. FINEX-25, BF-1, BF-10, BF-20, ST-M, Dowa Mining DEFIC-Y, DEFIC-R, Nippon Aerosil AS2BM, TiO2P25, Ube Industries 100A, 500A, Titanium Industry Y-LOP manufactured and the thing which baked it are mentioned. Particularly preferred nonmagnetic powders are titanium dioxide and α-iron oxide.
[0084]
Carbon black can be mixed in the nonmagnetic layer together with nonmagnetic powder, if necessary, to reduce the surface electrical resistance, to reduce the light transmittance, and to obtain a desired micro Vickers hardness. In the magnetic recording medium of the present invention, a non-magnetic layer can contain a π-electron conjugated conductive polymer, so that the amount can be made smaller than that of the conventional magnetic recording medium. The micro Vickers hardness of the nonmagnetic layer is usually 25-60 kg / mm2, Preferably 30-50kg / mm to adjust per head2Using a thin film hardness tester (NEC HMA-400), a diamond triangular pyramid needle with a ridge angle of 80 degrees and a tip radius of 0.1 μm can be used for the indenter tip. It is standardized that the light transmittance is generally 3% or less for absorption of infrared rays having a wavelength of about 900 nm, for example, 0.8% or less for a VHS magnetic tape. For this purpose, rubber furnace, rubber thermal, color black, acetylene black and the like can be used.
[0085]
The specific surface area of carbon black that can be used in the nonmagnetic layer of the present invention is 100 to 500 m.2/ G, preferably 150-400m2/ G, DBP oil absorption is 20 to 400 ml / 100 g, preferably 30 to 200 ml / 100 g. The particle size of carbon black is 5 to 80 nm, preferably 10 to 50 nm, and more preferably 10 to 40 nm. Carbon black preferably has a pH of 2 to 10, a water content of 0.1 to 10%, and a tap density of 0.1 to 1 g / ml.
[0086]
Specific examples of carbon black that can be used in the nonmagnetic layer of the present invention include, for example, BLACKPEARLS 2000, 1300, 1000, 900, 800, 880, 700, VULCAN XC-72, manufactured by Mitsubishi Kasei Kogyo Co., Ltd., manufactured by Cabot Corporation. # 3050B, # 3150B, # 3250B, # 3750B, # 3950B, # 950, # 650B, # 970B, # 850B, MA-600, Columbia Carbon's CONDUCTEX SC, RAVEN8800, 8000, 7000, 5750, 5250, 3500, Examples thereof include 2100, 2000, 1800, 1500, 1255, 1250, and Ketjen Black EC manufactured by Akzo Corporation.
[0087]
Carbon black may be surface-treated with a dispersant, grafted with a resin, or a part of the surface may be graphitized. Moreover, before adding carbon black to a coating material, you may disperse | distribute with a binder beforehand. These carbon blacks can be used in a range not exceeding 50% by mass with respect to the inorganic powder and in a range not exceeding 40% of the total mass of the nonmagnetic layer. These carbon blacks can be used alone or in combination. The carbon black that can be used in the nonmagnetic layer of the present invention can be referred to, for example, “Carbon Black Handbook” edited by Carbon Black Association.
[0088]
Further, an organic powder can be added to the nonmagnetic layer according to the purpose. Examples of such organic powder include acrylic styrene resin powder, benzoguanamine resin powder, melamine resin powder, and phthalocyanine pigment, but polyolefin resin powder, polyester resin powder, polyamide resin powder, polyimide resin, and the like. Resin powder and polyfluorinated ethylene resin can also be used. As the production method, those described in JP-A Nos. 62-18564 and 60-255827 can be used.
[0089]
As the binder resin, lubricant, dispersant, additive, solvent, dispersion method and the like of the nonmagnetic layer, those of the magnetic layer can be applied. In particular, with respect to the binder resin amount, type, additive, and dispersant addition amount and type, known techniques relating to the magnetic layer can be applied.
[0090]
[Back coat layer, adhesive layer]
In general, a magnetic tape for recording computer data is strongly required to have repeated running characteristics as compared with a video tape and an audio tape. In order to maintain such high running durability, a backcoat layer can be provided on the surface of the nonmagnetic support opposite to the surface on which the nonmagnetic layer and the magnetic layer are provided.
In the coating material for the backcoat layer, an abrasive, an antistatic agent, and a binder are dispersed in an organic solvent. Various inorganic pigments and carbon black can be used as the particulate component. Moreover, as a binder, resin, such as a nitrocellulose, a phenoxy resin, a vinyl chloride resin, a polyurethane, can be used individually or in mixture, for example.
[0091]
The nonmagnetic support of the present invention may be provided with an easy-adhesion layer for improving the adhesion with the smoothing layer and / or the backcoat layer. Examples of the easy adhesion layer include the following substances that are soluble in a solvent. Polyester resin, polyamide resin, polyamideimide resin, polyurethane resin, vinyl chloride resin, vinylidene chloride resin, phenol resin, epoxy resin, urea resin, melamine resin, formaldehyde resin, silicone resin, starch, modified starch compound, alginic acid compound, casein , Gelatin, pullulan, dextran, chitin, chitosan, rubber latex, gum arabic, funori, natural gum, dextrin, modified cellulose resin, polyvinyl alcohol resin, polyethylene oxide, polyacrylic acid resin, polyvinyl pyrrolidone, polyethylene imine, polyvinyl ether , Polymaleic acid copolymer, polyacrylamide, alkyd resin and the like. The adhesive layer having a thickness of 1 μm or less is used.
[0092]
About the glass transition temperature of resin used by the said easily bonding layer, it is preferable that it is 30-120 degreeC, and it is more preferable that it is 40-80 degreeC. If it is 0 degreeC or more, it will not block at an end surface, and if it is 120 degreeC or less, the internal stress in an easily bonding layer can be relieve | moderated and it is excellent also in adhesive force.
[0093]
In the magnetic recording medium of the present invention, the heel adhesive layer may be further provided between the magnetic layer and the backcoat layer.
[0094]
[Layer structure]
In the magnetic recording medium of the present invention, one or two coating films, that is, a magnetic layer or a nonmagnetic layer, and a magnetic layer on the nonmagnetic layer are provided on at least one surface of the nonmagnetic support. The magnetic layer may be formed of two or more layers as necessary. In addition, a back coat layer is provided on the opposite surface of the nonmagnetic support as necessary. Furthermore, the magnetic recording medium of the present invention may be provided with a lubricant coating or various coatings for protecting the magnetic layer on the magnetic layer as required. Further, an easy adhesion layer can be provided between the nonmagnetic support and the nonmagnetic layer for the purpose of improving the adhesion between the coating film and the nonmagnetic support.
[0095]
The magnetic recording medium of the present invention may have the magnetic layer or the nonmagnetic layer and the magnetic layer on one surface of the nonmagnetic support, but may be provided on both surfaces. In the case of having a nonmagnetic layer (lower layer) and a magnetic layer (upper layer), the upper magnetic layer can be provided after the lower layer is applied, whether the lower layer is wet or dried. From the viewpoint of production yield, simultaneous or sequential wet application is preferable, but in the case of a disk, application after drying can be used sufficiently. In the multilayer structure of the present invention, the upper layer / lower layer can be formed simultaneously in the simultaneous or sequential wet coating, so that the surface treatment process such as a calendar process can be effectively used, and the surface roughness of the upper magnetic layer can be improved even with an ultra-thin layer. .
[0096]
In the thickness structure of the magnetic recording medium used in the present invention, the thickness of the smoothing layer is in the range of 0.3 to 3 μm as described above. Moreover, the preferable thickness of a nonmagnetic support body is 3-80 micrometers. The non-magnetic support of the computer tape has a thickness in the range of 3.5 to 7.5 μm (preferably 3 to 7 μm). Further, when a heel adhesive layer is provided between the nonmagnetic support and the nonmagnetic layer or the magnetic layer, the thickness of the heel adhesive layer is 0.01 to 0.8 μm, preferably 0.02 to 0.6 μm. is there. The thickness of the backcoat layer provided on the surface opposite to the surface on which the nonmagnetic layer and the magnetic layer of the nonmagnetic support are provided is 0.1 to 1 μm, preferably 0.2 to 0. 8 μm.
[0097]
The thickness of the magnetic layer is optimized depending on the saturation magnetization amount, head gap length, and recording signal band of the magnetic head to be used, but is generally 10 to 100 nm, preferably 20 to 80 nm. Preferably it is 30-80 nm. The thickness variation rate of the magnetic layer is preferably within ± 50%, more preferably within ± 40%. There may be at least one magnetic layer, and the magnetic layer may be separated into two or more layers having different magnetic characteristics, and a configuration related to a known multilayer magnetic layer can be applied.
[0098]
The thickness of the nonmagnetic layer of the present invention is 0.02 to 3 μm, preferably 0.05 to 2.5 μm, and more preferably 0.1 to 2 μm. The non-magnetic layer of the magnetic recording medium of the present invention exhibits its effect if it is substantially non-magnetic. For example, even if it contains a small amount of magnetic material as an impurity or intentionally, This shows the effect of the invention and can be regarded as substantially the same configuration as the magnetic recording medium of the invention. “Substantially the same” means that the residual magnetic flux density of the nonmagnetic layer is 10 T · m (100 G) or less, or the coercive force is 7.96 kA / m (10 Oe) or less, preferably the residual magnetic flux density. It means that there is no coercive force.
[0099]
[Production method]
The process for producing the magnetic layer coating liquid for the magnetic recording medium used in the present invention comprises at least a kneading process, a dispersing process, and a mixing process provided before and after these processes as necessary. Each process may be divided into two or more stages. Hexagonal ferrite ferromagnetic powder or ferromagnetic metal powder, non-magnetic powder, benzenesulfonic acid derivative, π-electron conjugated conductive polymer, binder, carbon black, abrasive, antistatic agent used in the present invention All raw materials such as lubricants and solvents may be added at the beginning or middle of any process. In addition, individual raw materials may be added in two or more steps. For example, polyurethane may be divided and added in a kneading step, a dispersing step, and a mixing step for adjusting the viscosity after dispersion. In order to achieve the object of the present invention, a conventional known manufacturing technique can be used as a partial process. In the kneading step, it is preferable to use a kneading force such as an open kneader, a continuous kneader, a pressure kneader, or an extruder. In the case of using a kneader, the magnetic powder or non-magnetic powder and all or a part of the binder (however, preferably 30% or more of the total binder) and 100 parts by mass of the magnetic material are kneaded in the range of 15 to 500 parts by mass. It is processed. Details of these kneading treatments are described in JP-A-1-106338 and JP-A-1-79274. Further, glass beads can be used to disperse the liquid for the magnetic layer and the liquid for the nonmagnetic layer. Such glass beads are preferably zirconia beads, titania beads, and steel beads, which are high specific gravity dispersion media. The particle diameter and filling rate of these dispersion media are optimized. A well-known thing can be used for a disperser.
[0100]
In the method for producing a magnetic recording medium of the present invention, for example, a magnetic layer coating solution is applied to the surface of a nonmagnetic support under running so as to have a predetermined film thickness. Here, a plurality of coating solutions for magnetic layers may be applied sequentially or simultaneously, and a lower magnetic layer coating solution and an upper magnetic layer coating solution may be applied sequentially or simultaneously. As a coating machine for applying the magnetic layer coating liquid or the lower magnetic layer coating liquid, an air doctor coat, blade coat, rod coat, extrusion coat, air knife coat, squeeze coat, impregnation coat, reverse roll coat, transfer roll A coat, a gravure coat, a kiss coat, a cast coat, a spray coat, a spin coat and the like can be used. As for these, for example, “Latest Coating Technology” (May 31, 1983) issued by General Technology Center Co., Ltd. can be referred to.
[0101]
In the case of a magnetic tape, the magnetic layer coating liquid coating layer is formed by subjecting the ferromagnetic powder contained in the magnetic layer coating liquid coating layer to a magnetic field orientation process in the longitudinal direction using a cobalt magnet or a solenoid. In the case of a disk, a sufficiently isotropic orientation may be obtained even without non-orientation without using an orientation device, but known random methods such as alternately arranging cobalt magnets obliquely and applying an alternating magnetic field with a solenoid. It is preferable to use an alignment device. In the case of a ferromagnetic metal fine powder, the isotropic orientation is generally preferably in-plane two-dimensional random, but can also be three-dimensional random with a vertical component. In the case of hexagonal ferrite, in general, it tends to be in-plane and vertical three-dimensional random, but in-plane two-dimensional random is also possible. Further, isotropic magnetic characteristics can be imparted in the circumferential direction by using a well-known method such as a counter-polarized magnet and making it vertically oriented. In particular, when performing high density recording, vertical alignment is preferable. Moreover, it is good also as circumferential orientation using a spin coat.
[0102]
It is preferable that the drying position of the coating film can be controlled by controlling the temperature, air volume, and coating speed of the drying air, the coating speed is preferably 20 to 1000 m / min, and the temperature of the drying air is preferably 60 ° C. or higher. Moreover, moderate preliminary drying can also be performed before entering a magnet zone.
[0103]
After being dried, the coating layer is subjected to a surface smoothing treatment. For the surface smoothing process, for example, a super calendar roll or the like is used. By performing the surface smoothing treatment, voids generated by removing the solvent during drying disappear and the filling rate of the ferromagnetic powder in the magnetic layer is improved, so that a magnetic recording medium having high electromagnetic conversion characteristics can be obtained. it can.
As the calendering roll, a heat-resistant plastic roll such as epoxy, polyimide, polyamide, polyamideimide or the like is used. Moreover, it can also process with a metal roll. The magnetic recording medium of the present invention has a very excellent smoothness with a center surface average roughness of 0.1 to 4.0 nm, preferably 0.5 to 3.0 nm, at a cutoff value of 0.25 mm. It is preferable that it is the surface which has. As the method, for example, as described above, a magnetic layer formed by selecting a specific ferromagnetic powder and a binder is subjected to the calendar treatment. As calendering conditions, the temperature of the calender roll is in the range of 60 to 100 ° C., preferably in the range of 70 to 100 ° C., particularly preferably in the range of 80 to 100 ° C., and the pressure is in the range of 100 to 500 kg / cm, preferably Is in the range of 200 to 450 kg / cm, particularly preferably carried out by operating under conditions in the range of 300 to 400 kg / cm.
[0104]
As heat shrinkage reduction means, there are a method of heat treatment in a web shape while handling at low tension, and a method of heat treatment in a form in which a tape is laminated such as a state of being incorporated in a bulk or a cassette (thermo treatment), both of which can be used. The former is less affected by protrusions on the surface of the backcoat layer, but the heat shrinkage rate cannot be greatly reduced. On the other hand, the latter thermo-treatment can greatly improve the heat shrinkage ratio, but is strongly affected by the projection of the projection on the surface of the backcoat layer, so that the magnetic layer becomes rough and causes a decrease in output and an increase in noise. In particular, a high-output, low-noise magnetic recording medium can be supplied as a magnetic recording medium with a thermo process. The obtained magnetic recording medium can be cut into a desired size using a cutting machine, a punching machine, or the like.
[0105]
[Physical properties]
The saturation magnetic flux density of the magnetic layer of the magnetic recording medium used in the present invention is 100 to 300 T · m. The coercive force (Hr) of the magnetic layer is 143.3 to 318.4 kA / m, and preferably 159.2 to 278.6 kA / m. The coercive force distribution is preferably narrow, and SFD and SFDr are 0.6 or less, more preferably 0.2 or less.
[0106]
The friction coefficient with respect to the head of the magnetic recording medium used in the present invention is 0.5 or less, preferably 0.3 or less in the range of temperature -10 to 40 ° C. and humidity 0 to 95%. The surface resistivity is preferably the magnetic surface 10.4-1012Ω / sq and the charging position are preferably within −500V to + 500V. The elastic modulus at 0.5% elongation of the magnetic layer is preferably 0.98 to 19.6 GPa in each in-plane direction, the breaking strength is preferably 98 to 686 MPa, and the elastic modulus of the magnetic recording medium is in-plane. Preferably in the direction of 0.98 to 14.7 GPa, the residual spread is preferably 0.5% or less, and the thermal shrinkage rate at any temperature of 100 ° C. or less is preferably 1% or less, more preferably 0.5%. Hereinafter, it is most preferably 0.2% or less.
[0107]
The glass transition temperature of the magnetic layer (maximum point of loss elastic modulus measured by dynamic viscoelasticity measured at 110 Hz) is preferably 50 to 180 ° C, and that of the nonmagnetic layer is preferably 0 to 180 ° C. Loss modulus is 1 × 107~ 8x108It is preferably in the range of Pa, and the loss tangent is preferably 0.2 or less. If the loss tangent is too large, adhesion failure is likely to occur. These thermal characteristics and mechanical characteristics are preferably almost equal within 10% in each in-plane direction of the medium.
[0108]
The residual solvent contained in the magnetic layer is preferably 100 mg / m2Or less, more preferably 10 mg / m2It is as follows. The porosity of the coating layer is preferably 30% by volume or less, more preferably 20% by volume or less for both the nonmagnetic layer and the magnetic layer. The porosity is preferably small in order to achieve high output, but it may be better to ensure a certain value depending on the purpose. For example, in the case of a disk medium in which repeated use is important, the storage stability is often preferable when the porosity is large.
[0109]
The center surface roughness Ra of the magnetic layer measured by the TOPO-3D mirau method is 4.0 nm or less, preferably 3.0 nm or less, and more preferably 2.0 nm or less. Maximum height SR of magnetic layermaxIs 0.5 μm or less, the ten-point average roughness SRz is 0.3 μm or less, the center surface mountain height SRp is 0.3 μm or less, the center surface valley depth SRv is 0.3 μm or less, and the center surface area ratio SSr is 20 to 20 μm. 80% and the average wavelength Sλa are preferably 5 to 300 μm. The surface protrusions of the magnetic layer can be arbitrarily set within the range of 0.01 to 1 [mu] m in the range of 0 to 2000, and it is preferable to optimize the electromagnetic conversion characteristics and the friction coefficient. These can be easily controlled by controlling the surface properties by the filler of the support, the particle size and amount of the powder added to the magnetic layer, the roll surface shape of the calendering process, and the like. The curl is preferably within ± 3 mm.
[0110]
It is easily estimated that these physical characteristics can be changed between the nonmagnetic layer and the magnetic layer in the magnetic recording medium of the present invention depending on the purpose. For example, the elastic modulus of the magnetic layer is increased to improve the storage stability, and at the same time, the elastic modulus of the nonmagnetic layer is made lower than that of the magnetic layer to improve the contact of the magnetic recording medium with the head.
[0111]
The magnetic recording medium of the present invention is not particularly limited with respect to a head for reproducing a signal magnetically recorded on the magnetic recording medium, but is preferably used for an MR head. When the MR head is used for reproducing the magnetic recording medium of the present invention, the MR head is not particularly limited, and for example, a GMR head or a TMR head can be used. The head used for magnetic recording is not particularly limited, but the saturation magnetization is 1.0 T or more, preferably 1.5 T or more.
[0112]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. It should be noted that the components, ratios, operations, order, and the like shown here can be changed without departing from the spirit of the present invention, and should not be limited to the following examples. Further, “parts” in the examples means parts by mass unless otherwise indicated.
[0113]
Example 1
1.Preparation of non-magnetic support
(Preparation Example 1)
4 g of montmorillonite (Kunimine Industry Co., Ltd. Kunipia F) was dispersed in 200 ml of water, 2.5 g of n-dodecyltrimethylammonium chloride was added thereto, and the mixture was dispersed with a homomixer for 1 hour. This was suction filtered using a membrane filter while thoroughly washing with water, and vacuum-dried at 100 ° C. for 24 hours to obtain montmorillonite (A) coated with an organic ammonium salt.
2 mol of montmorillonite (Kunimine F Co., Ltd. manufactured by Kunimine Industry Co., Ltd.) coated with the above-mentioned organic compound was charged at a ratio of 1.6 mol with respect to 1 mol of terephthalic acid. I was prepared to be a part. Reaction was performed at 255 ° C. for 2 hours to produce an oligomer mainly composed of bishydroxyethyl terephthalate. Thereafter, 100 ppm of antimony trioxide as a catalyst is added to the number of moles of terephthalic acid, and the reaction is carried out under reduced pressure at 275 ° C. for 4 hours. The molten polymer is discharged from the outlet, cooled, cut and pelletized. did. The pellets were dried at 80 ° C. for 10 hours, put into an extruder, heated and melted at 270 ° C., then extruded into a sheet shape from a die orifice of a T die, wound around a cooling drum having a surface temperature of 10 ° C., and cooled. An unstretched film having a thickness of 600 μm was prepared.
Next, the unstretched film was stretched 3 times in the machine direction at a stretching temperature of 90 ° C., then stretched 3.3 times in the transverse direction with a tenter, and then heat treated at 230 ° C. with a relaxation rate of 5%. A polyethylene terephthalate film (PET-A) having a thickness of 62 μm was obtained.
[0114]
In Preparation Example 1, the same method as in Adjustment Example 1 except that the dispersion time in the homomixer after addition of n-dodecyltrimethylammonium chloride was changed to 1.5 hours for PET-B and 4 hours for PET-C. A polyethylene terephthalate film (PET-B, PET-C) was obtained.
[0115]
A polyethylene terephthalate film (PET-d) was obtained in the same manner as in Adjustment Example 1 except that the montmorillonite of Preparation Example 1 was changed to colloidal silica (manufactured by Fuso Chemical Co., Ltd.) having an average particle size of 0.1 μm.
[0116]
(Preparation Example 2)
Polyethylene-2,6-naphthalate pellets were prepared using 2,6-naphthalene acid in place of the terephthalic acid of Preparation Example 1, the melting temperature of Preparation Example 1 was changed to 290 ° C. The conditions were the same as in Preparation Example 1 to obtain a polyethylene naphthalate film (PEN-A) having a thickness of 6 μm.
[0117]
In Preparation Example 2, the same method as in Adjustment Example 2 except that the dispersion time in the homomixer after addition of n-dodecyltrimethylammonium chloride was changed to 1.5 hours for PEN-B and 4 hours for PEN-C. A polyethylene naphthalate film (PEN-B, PEN-C) was obtained.
[0118]
A polyethylene phthalate film (PEN-d) was obtained in the same manner as in Preparation Example 2, except that the montmorillonite of Preparation Example 2 was changed to colloidal silica (manufactured by Fuso Chemical Co., Ltd.) having an average particle size of 0.1 μm.
[0119]
2.Preparation of paint for smoothing layer formation
The following composition was dispersed with a disper for 3 hours to prepare a coating solution for forming a smoothing layer.
Dimethylol tricyclodecane diacrylate 15 parts
Methyl ethyl ketone 100 copies
[0120]
3.Preparation of magnetic layer (upper layer) coating liquid
Ferromagnetic plate hexagonal ferrite powder 100 parts
Composition (molar ratio): Ba / Fe / Co / Zn = 1/9 / 0.2 / 0.8,
Coercive force (Hc): 191 kA / m
Average plate diameter: 30 nm
Plate ratio: 3
BET specific surface area (SBET: 50m2/ G
Saturation magnetization (σs): 60 A · m2/ Kg
Polyurethane resin 12 parts for 12 parts of the polyurethane resin
Branched side chain-containing polyester polyol / diphenylmethane diisocyanate,
Hydrophilic polar group: -SO3Contains Na = 70 eq / ton
Phenylphosphonic acid 3 parts
α-Al2O3(Particle size 0.15 μm) 2 parts
Carbon black (particle size 20 nm) 2 parts
Cyclohexanone 110 copies
Methyl ethyl ketone 100 copies
Toluene 100 copies
Butyl stearate 2nd part
Stearic acid part 1 part
[0121]
3.Preparation of coating liquid for non-magnetic layer (lower layer)
Nonmagnetic inorganic powder, 85 parts, 85 parts
α-iron oxide
Surface treatment agent: Al2O3, SiO2
Long axis diameter: 0.15 μm
Tap density: 0.8g / ml
Needle ratio: 7
BET specific surface area (SBET): 52m2/ G
pH 8
DBP oil absorption: 33g / 100g
Carbon black 20 parts
DBP oil absorption: 120ml / 100g
pH: 8
BET specific surface area (SBET): 250m2/ G
Volatile content: 1.5%
Polyurethane resin 12 parts for 12 parts of the polyurethane resin
Branched side chain-containing polyester polyol / diphenylmethane diisocyanate,
Hydrophilic polar group: -SO3Contains Na = 70 eq / ton
Acrylic resin part, 6 parts, and 18 parts of acrylic resin
Benzyl methacrylate / diacetone acrylamide system,
Hydrophilic polar group: -SO3Contains Na = 60 eq / ton
Phenylphosphonic acid 3 parts
α-Al2O3(Average particle size 0.2 μm) 1 part of the service
Cyclohexanone 140 parts 140 parts
Methyl ethyl ketone, 170 parts, 170 parts
Butyl stearate 2nd part
Stearic acid part 1 part
[0122]
For each of the magnetic layer (upper layer) coating composition and the nonmagnetic layer (lower layer) coating composition, each component was kneaded with an open kneader for 60 minutes and then dispersed with a sand mill for 120 minutes. To the obtained dispersion, 6 parts of a trifunctional low molecular weight polyisocyanate compound (Coronate 3041 manufactured by Nippon Polyurethane) was added and stirred for 20 minutes, followed by filtration using a filter having an average pore size of 1 μm for the magnetic layer Paints and paints for nonmagnetic layers were prepared.
[0123]
The smoothing layer forming coating solution was applied on the polyester terephthalate film support (PET-A) prepared in Preparation Example 1 and dried so that the thickness after drying was 0.5 μm, and then the acceleration voltage was 160 kV. Electron beam irradiation is performed so that the absorbed dose is 5 Mrad, and then the non-magnetic paint is applied so that the thickness after drying is 1.8 μm. Was simultaneously coated so that the thickness was 0.2 μm. At this time, while both layers are still in a wet state, random orientation treatment is performed by passing through two magnetic field strength alternating current magnetic field generators having a frequency of 50 Hz, a magnetic field strength of 25 T · m, a frequency of 50 Hz, and a magnetic field strength of 12 T · m. After drying, it is treated with a seven-stage calendar at a temperature of 90 ° C and a linear pressure of 300 kg / cm, heat-treated at 70 ° C for 48 hours, punched to 3.7 inches, surface-polished, and then the liner installed inside It was put into a finished Zip-disk cartridge, and predetermined mechanical parts were added to obtain a 3.7 inch flexible disk (magnetic disk).
[0124]
(Examples 2 to 5)
A magnetic disk was produced in the same manner as in Example 1 except that the dispersion time of the filler added during preparation of the nonmagnetic support and the thickness of the smoothed layer after drying were changed as shown in Table 1.
[0125]
(Comparative Example 1)
A magnetic disk was produced in the same manner as in Example 1 except that the filler added during preparation of the nonmagnetic support was changed to colloidal silica having an average particle size of 0.1 μm.
[0126]
(Comparative Example 2)
A magnetic disk was produced in the same manner as in Example 1 except that the dry thickness of the smoothing layer was changed to 0.2 μm.
[0127]
(Example 6)
Preparation of coating liquid for magnetic layer (upper layer)
Ferromagnetic needle-shaped metal powder, 100 parts, 100 parts
Composition: Fe / Co / Al / Y = 68/20/7/5
Surface treatment agent: Al2O3, Y2O3
Coercive force (Hc): 183 kA / m
Crystallite size: 13 nm (130 cm)
Long axis diameter: 40 nm
Needle ratio: 6
BET specific surface area (SBET): 46m2/ G
Saturation magnetization (σs): 150 A · m2/ Kg
Polyurethane resin 12 parts
Branched side chain-containing polyester polyol / diphenylmethane diisocyanate,
Hydrophilic polar group: -SO3Contains Na = 70 eq / ton
Phenylphosphonic acid 3 parts
α-Al2O3(Particle size 0.15 μm) 2 parts of the service section
Carbon black (particle size 20 nm) 2 parts
Cyclohexanone 110 copies
Methyl ethyl ketone, 100 parts, and 100 parts of methyl ethyl ketone
Toluene 100 copies
Butyl stearate 2nd part
Stearic acid part 1 part
[0128]
A magnetic layer coating was prepared for each component of the above composition in the same manner as in Example 1. The smoothing layer forming coating solution is applied on the polyethylene naphthalate film support (PEN-A) prepared in Preparation Example 2 so that the thickness after drying is 0.5 μm, and after drying, an acceleration voltage is applied. Electron beam irradiation was performed so that the absorbed dose was 5 Mrad at 160 kV. Further, as in Example 1, the nonmagnetic layer coating material was applied so that the thickness after drying was 2 μm, and immediately after that, the magnetic layer coating material was simultaneously coated so that the thickness after drying was 0.08 μm. Multi-layer coating was applied. At this time, while the magnetic layer and the nonmagnetic layer are still wet, magnetic orientation is performed with a magnet of 300 T · m, and after drying, a seven-stage calendar composed of only metal rolls is used, and the speed is 100 m / min and the linear pressure. A surface smoothing treatment was performed at 300 kg / cm and a temperature of 90 ° C., followed by a heat treatment at 70 ° C. for 48 hours, and slitting to a 1/2 inch width to prepare a magnetic tape.
[0129]
(Examples 7 to 10)
A magnetic tape was produced in the same manner as in Example 6 except that the dispersion time of the filler added during the preparation of the nonmagnetic support and the smoothed layer thickness after drying were changed as shown in Table 2.
[0130]
(Comparative Example 3)
A magnetic tape was produced in the same manner as in Example 6 except that the filler added when preparing the nonmagnetic support was changed to colloidal silica having an average particle size of 0.1 μm.
[0131]
(Comparative Example 4)
A magnetic tape was produced in the same manner as in Example 6 except that the dry thickness of the smoothing layer was changed to 0.2 μm.
[0132]
<Measurement method>
1.Measurement of grain thickness and aspect ratio in film
A film containing particles to be measured and stretched 3.2 times or more in at least one of the vertical and horizontal directions is sliced with a microtome, and the slice is 20,000 using a Hitachi transmission electron microscope (TEM H-800 type). Observed at 30,000 times. The major axis and thickness of at least 30 particles visible in the section were measured, and the ratio of the major axis of the particles to the thickness was defined as the aspect ratio.
2.Error rate (initial, high humidity, high temperature) measurement
A recording signal is recorded at 23 ° C. and 50% RH in a tape-like recording medium with an 8-10 conversion PR1 equalization method, and on a disk-like recording medium, a signal is recorded in a (2,7) RLL modulation method, Each measurement was performed under each environment of 50 ° C. and 80% RH. The results are shown in Tables 1 and 2.
[0133]
[Table 1]
Figure 2004039052
[0134]
[Table 2]
Figure 2004039052
[0135]
From Table 1, when the magnetic recording medium is a magnetic disk, the thickness of the filler particles contained in the nonmagnetic support, the aspect ratio, and the thickness of the smoothing layer are within the scope of the present invention as in Examples 1 to 5. Some had a low error rate under either room temperature standard humidity (23 ° C., 50%) or high temperature and humidity (50 ° C., 80%). On the other hand, when the thickness of the filler contained in the nonmagnetic support exceeds 5 nm and the aspect ratio is less than 50 (Comparative Example 1), and when the thickness of the smoothing layer is less than 0.3 μm ( In Comparative Example 2), all had high error rates.
[0136]
From Table 2, when the magnetic recording medium is a magnetic tape, the thickness of the filler particles contained in the non-magnetic support, the aspect ratio, and the thickness of the smoothing layer are within the scope of the present invention as in the case of the magnetic disk. (Examples 6 to 10) had low error rates under both the room temperature standard humidity (23 ° C., 50%) and the high temperature and high humidity (50 ° C., 80%). On the other hand, when the thickness of the filler contained in the nonmagnetic support exceeds 5 nm and the aspect ratio is less than 50 (Comparative Example 3), and when the thickness of the smoothing layer is less than 0.3 μm ( In Comparative Example 4), all had high error rates.
From the above, if the magnetic recording medium in which the thickness of the filler, the aspect ratio, and the thickness of the smoothing layer included in the non-magnetic support are all within the scope of the present invention, it is caused by the fish eye of the smoothing layer. It can be seen that the dropout can be reduced and the error rate can be reduced.
[0137]
【The invention's effect】
As described above, in the magnetic recording medium of the present invention, the filler included in the nonmagnetic support has a thickness of 0.5 to 5 nm, an aspect ratio of 50 to 10,000, and at least one of the nonmagnetic support. By having a smoothing layer having a thickness of 0.3 to 3 μm on the surface, dropout caused by protrusions scattered on the surface of the nonmagnetic support can be reduced. As a result, the magnetic recording medium of the present invention can provide a magnetic recording medium with reduced noise, excellent S / N, and thus a low error rate.

Claims (1)

非磁性支持体の少なくとも一方の面に平滑化層と強磁性粉末および結合剤を含む磁性層とをこの順に有し、または前記平滑化層と非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層と強磁性粉末および結合剤を含む磁性層とをこの順に有する磁気記録媒体であって、
前記非磁性支持体に含まれるフィラーの厚さが0.5〜5nmであり、かつ前記フィラーの厚さと平均粒径とのアスペクト比が50〜10000であり、さらに前記平滑化層の厚さが0.3〜3μmであることを特徴とする磁気記録媒体。
A smoothing layer and a magnetic layer containing ferromagnetic powder and a binder are provided in this order on at least one surface of the nonmagnetic support, or the smoothing layer, the nonmagnetic layer containing nonmagnetic powder and a binder, and a strong magnetic layer. A magnetic recording medium having a magnetic layer containing a magnetic powder and a binder in this order,
The thickness of the filler contained in the nonmagnetic support is 0.5 to 5 nm, the aspect ratio between the thickness of the filler and the average particle diameter is 50 to 10,000, and the thickness of the smoothing layer is A magnetic recording medium having a thickness of 0.3 to 3 μm.
JP2002192349A 2002-07-01 2002-07-01 Magnetic recording medium Pending JP2004039052A (en)

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US7485379B2 (en) 2004-07-23 2009-02-03 Fujifilm Corporation Magnetic recording medium

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