JP2004037182A - 三次元計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニーズ応じた計測範囲を確保でき、測定物体の表面性状に影響されにくく、しかも計測精度を著しく高めることの可能な三次元計測装置を提供する。
【解決手段】三次元計測装置1は、測定物体Cを載置するためのテーブル2と、縞状の光パターンを照射するための照明装置3と、測定物体C上の照射された部分を撮像するためのCCDカメラ4とを備える。テーブル2に設けられたモータ5,6によって測定物体Cが適宜スライドさせられる。また、三次元計測装置1は、前記CCDカメラ4、照明装置3、モータ5,6等を駆動制御するとともに、CCDカメラ4により撮像された撮像データに基づき種々の演算を実行するための制御装置7を備える。照明装置3により照射される光パターンは、位置によってピントの合う高さが異なるものであり、制御装置7は、複数の画像データのうち最もピントの合う画像データに基づき高さを演算する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、三次元計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、非接触式の三次元計測の手法として、空間コード法、位相シフト法、光切断法といった種々の方法が提案されている。いずれも手法も、例えば測定物体(計測対象物)に対し、斜めから光を照射して、その反射光を測定物体の上方に配置された撮像手段にて撮像し、その撮像データ基づいて測定物体の高さを計測するものである。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】
しかしながら、上記技術においては、いずれも斜めから光を照射する構成となっているため、測定物体の被計測部位に光の当たらない部位、つまり、死角が生じてしまうおそれがある。その結果、測定物体によっては計測精度の低下を招いてしまうおそれがある。また、上記手法では、計測可能な高さ範囲が限られているのも実状である。
【0004】
さらに、上記各手法は、他の部位との相対関係に基づいて高さが演算されるものであるため、測定物体の表面に相対関係を狂わせるようなもの(例えば色彩の変化や模様等)が存在すると、正確な計測に支障を来すおそれがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ニーズ応じた計測範囲を確保でき、測定物体の表面性状に影響されにくく、しかも計測精度を著しく高めることの可能な三次元計測装置を提供することを主たる目的の一つとしている。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成し得る特徴的手段について以下に説明する。また、各手段につき、特徴的な作用及び効果を必要に応じて記載する。
【0007】
手段1.少なくとも計測対象物に対し、所定の光強度分布を有する光パターンを照射可能な照射手段と、
前記光パターンの照射された計測対象物を撮像可能な撮像手段と、
前記撮像手段にて撮像された複数の画像データに基づき、少なくとも前記計測対象物の所定の高さを演算する演算手段とを備え、
前記照射手段により照射される光パターンは、位置によってピントの合う高さが異なるものであることを特徴とする三次元計測装置。
【0008】
手段1によれば、照射手段によって、少なくとも計測対象物に対し、所定の光強度分布を有する光パターンが照射される。また、撮像手段によって、光パターンの照射された計測対象物が撮像される。撮像手段にて撮像された複数の画像データに基づき、演算手段では、少なくとも計測対象物の所定の高さが演算される。さて、手段1では、照射手段により照射される光パターンは、位置によってピントの合う高さが異なるものであるため、予め光パターンの位置に対するピントの合う高さを把握しておくことで、光パターンに対する計測対象物の相対位置関係を変化させたり、光パターンの態様を異ならせたりすることによって、合焦の程度から前記演算手段による所定の高さの演算が可能となる。このとき、光パターンを計測対象物のほぼ真上から当てて計測することが可能であるため、死角を生じにくくすることができ、結果として、計測精度の向上を図ることができる。また、位置によってピントの合う高さ範囲を予め大きく設定することで、計測可能な高さ範囲が制限されてしまうといった事態を回避できる。しかも、計測対象物の表面に色彩の変化や模様等が存在していたとしても、合焦の程度から高さの演算を行うことによって、そのような表面性状に影響されることなく正確な計測が可能となる。
【0009】
手段2.少なくとも計測対象物に対し、所定の光強度分布を有し、かつ、位置によってピントの合う高さが異なる光パターンを照射可能な照射手段と、
前記光パターンの照射された計測対象物を撮像可能な撮像手段と、
前記計測対象物表面の所定ポイントに関し、前記撮像手段にて撮像された複数の画像データのうち、ピントの最も合う画像データに基づいて少なくとも前記計測対象物表面の所定ポイントの高さを演算する演算手段とを備えたことを特徴とする三次元計測装置。
【0010】
手段2によれば、照射手段によって、少なくとも計測対象物に対し、所定の光強度分布を有する光パターンが照射される。また、撮像手段によって、光パターンの照射された計測対象物が撮像される。照射手段により照射される光パターンは、位置によってピントの合う高さが異なるものであり、予め光パターンの位置に対するピントの合う高さを把握しておくことが可能となる、そして、撮像手段にて撮像された複数の画像データのうち、演算手段では、ピントの最も合う画像データに基づいて少なくとも計測対象物表面の所定ポイントの高さが演算される。換言すれば、合焦の程度から高さの演算が可能となる。このとき、光パターンを計測対象物のほぼ真上から当てて計測することが可能であるため、死角を生じにくくすることができ、結果として、計測精度の向上を図ることができる。また、位置によってピントの合う高さ範囲を予め大きく設定することで、計測可能な高さ範囲が制限されてしまうといった事態を回避できる。しかも、計測対象物の表面に色彩の変化や模様等が存在していたとしても、合焦の程度から高さの演算を行うことによって、そのような表面性状に影響されることなく正確な計測が可能となる。
【0011】
手段3.前記計測対象物を移動させる移動手段を備え、
前記撮像手段にて撮像された複数の画像データは、前記移動手段により移動された互いに異なる位置における前記計測対象物の画像データであることを特徴とする手段1又は2に記載の三次元計測装置。
【0012】
手段3によれば、移動手段により計測対象物が移動される。そして、撮像手段にて撮像された複数の画像データは、移動手段により移動された互いに異なる位置における計測対象物の画像データである。ここで、計測対象物表面の所定ポイントに着目すると、複数の画像データ間でピントが合ったり合わなかったりする。従って、予め光パターンの位置に対するピントの合う高さを把握しておくことで、移動毎に撮像された画像データの合焦の程度・正否(最もピントの合う画像データ)から所定の高さがより確実に演算されることとなる。
【0013】
手段4.計測対象物を移動させる移動手段と、
前記移動手段にて移動される計測対象物に対し、所定の光強度分布を有し、かつ、位置によってピントの合う高さが異なる光パターンを照射可能な照射手段と、
前記光パターンの照射された計測対象物を、少なくとも該計測対象物が移動される毎に撮像可能な撮像手段と、
前記計測対象物表面の所定ポイントに関し、前記計測対象物が移動される毎に前記撮像手段にて撮像された複数の画像データのうち、ピントの最も合う画像データに基づいて、少なくとも前記計測対象物表面の所定ポイントの高さを演算する演算手段とを備えたことを特徴とする三次元計測装置。
【0014】
手段4によれば、移動手段によって移動される計測対象物に対し、所定の光強度分布を有し、かつ、位置によってピントの合う高さが異なる光パターンが、照射手段によって照射される。また、撮像手段によって、光パターンの照射された計測対象物が、少なくとも該計測対象物が移動される毎に撮像される。そして、計測対象物表面の所定ポイントに関し、計測対象物が移動される毎に撮像された複数の画像データのうち、ピントの最も合う画像データに基づいて、少なくとも計測対象物表面の所定ポイントの高さが演算手段によって演算される。ここで、光パターンは、位置によってピントの合う高さが異なるものであるため、予め光パターンの位置に対するピントの合う高さを把握しておくことで前記演算が可能となる。このとき、光パターンを計測対象物のほぼ真上から当てて計測することが可能であるため、死角を生じにくくすることができ、結果として、計測精度の向上を図ることができる。また、位置によってピントの合う高さ範囲を予め大きく設定することで、計測可能な高さ範囲が制限されてしまうといった事態を回避できる。しかも、計測対象物の表面に色彩の変化や模様等が存在していたとしても、合焦の程度から高さの演算を行うことで、そのような表面性状に影響されることなく正確な計測が可能となる。
【0015】
手段5.計測対象物を移動させる移動手段と、
前記移動手段にて移動される計測対象物に対し、所定の光強度分布を有し、かつ、位置によってピントの合う高さが異なる光パターンを照射可能な照射手段と、
前記光パターンの照射された計測対象物を、少なくとも該計測対象物が移動される毎に撮像可能な撮像手段と、
前記計測対象物表面に設定された複数の領域に関し、前記計測対象物が移動される毎に前記撮像手段にて撮像された複数の画像データのうち、ピントの最も合う画像データに基づいて、少なくとも前記計測対象物表面の各領域の高さを演算するとともに、前記演算された各領域の高さに基づいて前記計測対象物の三次元形状を演算する演算手段とを備えたことを特徴とする三次元計測装置。
【0016】
手段5によれば、計測対象物表面に設定された複数の領域に関し、計測対象物が移動される毎に撮像された複数の画像データのうち、ピントの最も合う画像データに基づいて、少なくとも計測対象物表面の各領域の高さが演算手段によって演算されるとともに、演算された各領域の高さに基づいて計測対象物の三次元形状が演算される。ここで、光パターンは、位置によってピントの合う高さが異なるものであるため、予め光パターンの位置に対するピントの合う高さを把握しておくことで前記演算が可能となる。このとき、光パターンを計測対象物のほぼ真上から当てて計測することが可能であるため、死角を生じにくくすることができ、結果として、計測精度の向上を図ることができる。また、位置によってピントの合う高さ範囲を予め大きく設定することで、計測可能な高さ範囲が制限されてしまうといった事態を回避できる。しかも、計測対象物の表面に色彩の変化や模様等が存在していたとしても、合焦の程度から高さの演算を行うことで、そのような表面性状に影響されることなく正確な計測が可能となる。
【0017】
手段6.前記光パターンは、計測対象物の移動方向に直交又はほぼ直交する方向に延び、明暗が等間隔毎に設定された縞状の光パターンであって、かつ、当該縞の幅は、前記撮像手段の2画素分以上3画素分以下に設定されていることを特徴とする手段3乃至5のいずれかに記載の三次元計測装置。
【0018】
手段6によれば、縞状の光パターンの幅が撮像手段の2画素分以上3画素分以下に設定されている。ここで、少なくとも2画素分の幅があることで、少なくとも1つの画素を、1つの「明」又は「暗」の領域(幅)が完全に覆うことができる。一方で、光パターンの縞の幅が太くなってしまうと、所定の画素もその隣の画素も同じ「明」か、又は同じ「暗」となってしまうので、少々ピントがずれてもその影響が現れにくくなる。従って、上記のように設定することで、より正確にピントが合うか合わないかを効率よく判定することができる。
【0019】
手段7.前記光パターンは、計測対象物の移動方向に直交又はほぼ直交する方向に延び、明暗が等間隔毎に設定された縞状の光パターンであって、かつ、前記撮像手段は、前記移動手段により前記縞の幅と同寸法ずつ前記計測対象物が移動する毎に撮像可能であることを特徴とする手段3乃至6のいずれかに記載の三次元計測装置。
【0020】
手段7によれば、移動手段により縞の幅と同寸法ずつ計測対象物が移動する毎に撮像される。従って、より正確にピントの最も合う位置を把握することができ、ひいては、より正確な高さ計測を行うことができる。
【0021】
手段8.前記光パターンは、計測対象物の移動方向に直交又はほぼ直交する方向に延び、明暗が等間隔毎に設定された縞状の光パターンであって、かつ、前記撮像手段は、前記移動手段により前記縞の幅の偶数倍の寸法ずつ前記計測対象物が移動する毎に撮像可能であることを特徴とする手段3乃至6のいずれかに記載の三次元計測装置。
【0022】
手段8によれば、最もピントが合うか否かの判定を、画像データのうちの最も輝度が高い、或いは最も低いものであるか否かによって行うことができる。その結果、判定が比較的容易なものとなる。
【0023】
手段9.前記照射手段は、少なくとも光源と、投光レンズと、前記投光レンズに対し所定角度傾斜した状態で前記光源及び投光レンズ間に設けられ、光パターンを投影するためのフィルタとを具備していることを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の三次元計測装置。
【0024】
手段9によれば、照射手段のフィルタが、投光レンズに対し所定角度傾斜した状態で設けられることで、位置によってピントの合う高さが異なる光パターンが照射可能となる。そのため、照射手段の複雑化を招くことなく比較的簡易に構成することが可能となる。
【0025】
手段10.前記照射手段からの光パターンが、前記計測対象物に対しほぼ真上から照射可能となっていることを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の三次元計測装置。
【0026】
手段11.前記計測対象物は、部位によって高さが相違するものであることを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の三次元計測装置。
【0027】
手段12.前記演算手段は、照射された光パターンの位置に対するピントの合う高さを予め記憶する記憶部を備えていることを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の三次元計測装置。
【0028】
手段13.前記計測対象物は、プリント基板、又は、基板上に設けられたクリームハンダ若しくはハンダバンプのうち少なくとも1つであることを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載の三次元計測装置。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態における三次元計測装置1を模式的に示す概略構成図である。同図に示すように、三次元計測装置1は、測定物体Cを載置するためのテーブル2と、縞状の光パターンを照射するための照明装置3と、測定物体C上の前記照射された部分を撮像するための撮像手段を構成するCCDカメラ4とを備えている。なお、同図における測定物体Cは説明の便宜上平板状をなしているが、その形状については何ら限定されるものではない。テーブル2には、モータ5,6が設けられており、該モータ5,6によって、テーブル2上に載置された測定物体Cが任意の方向(x軸方向及び該x軸に直交するy軸方向)へ適宜スライドさせられるようになっている。また、三次元計測装置1は、前記CCDカメラ4、照明装置3、モータ5,6等を駆動制御するとともに、CCDカメラ4により撮像された撮像データに基づき種々の演算を実行するための制御装置7を備えている。
【0031】
次に、図3を用いて照明装置3の構成について説明するとともに、本実施の形態の基本原理及びその中でも特に重要な「合焦点ライン」の概念について説明する。但し、同図では、光路等がCCDカメラ4と重複するのを避けるべく、便宜上照明装置3をほぼ水平状態に設置した場合についての例が記されている。この場合、ハーフミラー8が用いられた上で光パターンがほぼ真上から照射される。さて、照明装置3は、基端側に設けられた光源11と、光源11からの拡散光をほぼ平行光に偏光させるためのコンデンサレンズ12と、光源11からの光を縞状に透過させるべく、光パターンを投影するためのフィルタを構成する格子板13と、先端側に設けられた投光レンズ14とを具備している。本実施の形態では格子板13は、投光レンズ14に対して傾斜して設置されている。
【0032】
ここで、一定の高さを有する測定物体C1(C)が図中左から右へと位置P1からP9の方向へと搬送させるものとする。また、説明の便宜上照明装置3による照射範囲とCCDカメラ4の撮像視野範囲とは同一とする(測定エリアと称する)。
【0033】
上述のように、格子板13が投光レンズ14に対し傾斜して設置されていることから、格子板13の端点13aと端点13bとでは、測定エリアにおける結像高さが相違する。より詳しくは、端点13aは投光レンズ14に対し比較的遠い位置に存在するため、比較的高い位置で結像(=合焦)する(ここでは平面Bの高さ位置で結像する)。一方、端点13bは投光レンズ14に対し比較的近い位置に存在するため、比較的低い位置で結像する(ここでは平面Aの高さ位置で結像する)。ここで、端点13aから端点13bに向かって連続的に結像する位置を繋いだ線が図に示す合焦点ラインLである。
【0034】
この場合において、測定物体C1の上面が平面Aと平面Bとの間に存在するものとして、測定物体C1が位置P1から位置P9まで移動する間、測定物体C1の上面が合焦点ラインLに一致する位置又は最も近づく位置が存在し、図の場合においては位置P5において合焦点ラインLに一致する。つまり、図において測定物体C1が位置P5に位置するときが最もピントが合う(合焦する)位置となる。従って、位置P1から位置P9までの合焦点ラインLの各高さを予め把握しておくことで、測定物体C1が最も合焦する位置に基づいて、高さの計測が可能となる。すなわち、測定物体C1が測定エリアを通過する間に、断続的にCCDカメラ4を用いて撮像を行い、位置P1からP9のうち、どの位置が最もピントの合う光パターンを反射するかをモニタリングすることで、測定物体C1の高さを求めること、つまり三次元計測が可能となる。
【0035】
以上が本実施の形態における三次元計測の基本原理であるが、次には、前記制御装置7の電気的構成について説明する。図2に示すように、制御装置7は、A/D変換器21、複数の画像メモリ22、合焦判断メモリ23、三次元計測結果メモリ24、外観検査結果及び統計データメモリ25、CPU26、高さ計測用データ判定用メモリ27、入出力インターフェース28、カメラタイミング制御手段29などから構成される。
【0036】
A/D変換器21は、CCDカメラ4で撮像したイメージデータを、アナログ信号からデジタル信号に変換するものである。画像メモリ22は、A/D変換されたイメージデータを順次記憶して、移動する測定物体C(C1)の各位置における二次元イメージデータとして記憶するものである。
【0037】
CPU26は、各種の画像処理プログラム、その他のプログラムを、合焦判断メモリ23や高さ計測用データ判定用メモリ27の記憶内容等を使用しつつ実行するものである。入出力インターフェース28は、モータ5,6に制御信号を送信し又はモータ5,6から動作信号等の各種信号を受信するためのものである。これによって、例えば、測定物体C(C1)の移動量、撮像位置等を適正に制御することができるようになっている。また、入出力インターフェース28は、モニタ30に表示データを送信するためのものであり、二次元化したイメージデータや外観検査結果などを、モニタ30に表示させることができる。
【0038】
外観検査結果及び統計データメモリ25は、連結成分に関する座標等のデータ、外観検査結果データ、該外観検査結果データを確率統計的に処理した統計データ等を記憶するものである。これらの外観検査結果データや統計データは、CPU26の制御に基づき、モニタ30に表示させることができる。
【0039】
カメラタイミング制御手段29は、CCDカメラ4が撮像するイメージデータを、A/D変換器21に取り込むタイミングを制御するものである。かかるタイミングは、モータ5,6に設けられた図示しないエンコーダからの信号に基づいて行われる。
【0040】
続いて、画像メモリ22、合焦判断メモリ23、三次元計測結果メモリ24に記憶されるデータ等の詳細について説明するとともに、具体的な合焦の判断及び高さ計測の手法について図4乃至図6に基づいて説明する。
【0041】
まずその前に照明装置3によって照射される縞状の光パターンについて説明する。本実施の形態における光パターンの縞の幅は、特に限定されるものではないが、合焦状態で撮像したときに受光素子上で2画素乃至3画素毎に「明」と「暗」とが繰り返されるよう設定されているのが望ましい。少なくとも2画素分の幅があることで、少なくとも1つの画素を、1つの「明」又は「暗」の領域(幅)が完全に覆うことができるからである。一方で、合焦しない(ピントがずれた)状態とは、本来所定の画素にくるべき光が隣の画素にいってしまうとともに、本来隣の画素へいくべき光が当該所定の画素にきてしまう状態をいう。従って、光パターンの縞の幅が太くなってしまうと、所定の画素もその隣の画素も同じ「明」か、又は同じ「暗」となってしまうので、少々ピントがずれてもその影響が現れにくくなる。それ故、縞の幅は、2画素分の幅以上であって、例えば3画素分の幅以下であることが望ましく、2画素分の幅を有しているのが最も望ましいといえる。また、「明」の幅と「暗」の幅とはそれぞれ等しいのが、計測が容易になるといった観点からは望ましい。照明装置3の投光レンズ14の絞りは、より狭い領域でピントが合うように、「絞り」を大きく開けておくことが望ましい。
【0042】
また、CCDカメラ4に関しては、そのレンズの絞りは、より広い領域でピントが合うように、「絞り」を絞っておくことが望ましい。
【0043】
さて、図4(a),(b)に示すように、ここでは、部位によって高さの異なる測定物体C2(C)が図中左から右へと移動させるものとして説明する。上述したように、測定物体C2(C)の移動の間に、各位置において、CCDカメラ4により撮像されたイメージデータの取り込みが行われる。その取り込みの回数が上記基本原理で説明したように9回でもよいし、或いは10回でもよいし100回でもよい。前記画像メモリ22は、取り込みの回数分に応じた数だけ用意されている。
【0044】
測定物体C2(C)の上面のうち、所定ポイントに着目すると、測定物体C2(C)の移動量は予め把握されているため、所定ポイントが、所定回数分取り込まれた各イメージデータの中のどの位置にあるのかが把握できる。かかる所定ポイントに着目した輝度データを取得すると、所定回数が10回であれば、10個の輝度データを得ることができる。上記基本原理に基づけば、当該10個の輝度データのなかでどれが最もピントが合っているのかが判断できれば、当該所定ポイントの高さを把握することができる。
【0045】
図6(a)は、光パターンの縞の幅と同寸法ずつ測定物体C2(C)を移動させ、その都度撮像されたイメージデータを取り込んだときの所定ポイントの輝度の例を示す図表である。前記合焦判断メモリ23には、当該所定ポイントを含む各ポイント毎の撮像回数毎の輝度データが記憶される。同図において、輝度が「5」であるときが中程度の明るさであるものとすると、輝度が最大(又は最小)となったのは、5回目の撮像時であることがわかる。従って、当該所定ポイントに関しては、5回目の撮像位置において合焦ラインLに一致するか又は最も近づいたものと判断することができる。そして、当該合焦ラインL及び撮像位置に基づいて高さを演算することができる。
【0046】
なお、上記例では光パターンの縞の幅と同寸法ずつ測定物体C2(C)を移動させた場合について具体化しているが、縞の幅の偶数倍ずつ測定物体C2(C)を移動させることとしてもよい。この場合、その都度撮像されたイメージデータを取り込んだときの所定ポイントの輝度は、例えば図6(b)に示す図表のようになる。このように移動させた場合には、所定ポイントが「明」の縞に対応しているとすると、輝度が最も高いときが合焦した状態となる。逆に、所定ポイントが「暗」の縞に対応しているとすると、輝度が最も低いときが合焦した状態となる。
【0047】
また、図5(a),(b)は、画像メモリ22の概念をわかりやすく説明するために、各画像メモリ22に記憶されるイメージデータのうち、所定回数目(n回目)及び所定回数プラス1回目(n+1回目)のデータであって、所定回数分のデータのうちで最も合焦している座標(計測エリア中における座標)に丸印を付した例を示す図である。
【0048】
図5(a)において、ある座標、例えば座標(x,y)=(0,1)においては、当該n回目(同図2点鎖線で示すように測定物体C2が移動して所定の位置にあるとき)において最も合焦しているため、当該ポイントにおいて丸印が付されている。同様に、別のポイント、例えば座標(x,y)=(5,5)においては、当該n回目において最も合焦しているため、当該ポイントにおいて丸印が付されているし、例えば座標(x,y)=(7,8)においては、当該所定回数目において最も合焦しているため、当該ポイントにおいて丸印が付されている。
【0049】
また、前記所定位置よりもさらに移動したときに相当する図5(b)において、ある座標、例えば座標(x,y)=(0,1)においては、当該n+1回目(同図2点鎖線で示すように測定物体C2がさらに移動した位置にあるとき)において最も合焦しているため、当該ポイントにおいて丸印が付されている。同様に、別のポイント、例えば座標(x,y)=(5,5)においては、当該n+1回目において最も合焦しているため、当該ポイントにおいて丸印が付されているし、例えば座標(x,y)=(7,8)においては、当該n+1回目において最も合焦しているため、当該ポイントにおいて丸印が付されている。
【0050】
そして、当該合焦している座標及び前記合焦点ラインLに基づいて各所定ポイントの高さが求められる。例えば測定物体C2の所定ポイント(図5(a)において星印を付したポイント)に着目すると、当該所定ポイントは、座標(x,y)=(0,1)において、所定回数目(n回目)において最も合焦していることから、合焦点ラインLより高さが例えば「2」とされる。また、測定物体C2の別の所定ポイント(図5(b)において星印を付したポイント)に着目すると、当該所定ポイントは、座標(x,y)=(0,3)において、所定回数プラス1回目(n+1回目)において最も合焦していることから、合焦点ラインLより高さが例えば「2」とされる。
【0051】
このように、所定回数分の各画像メモリ22に記憶されるイメージデータ及び合焦判断メモリ23より、測定物体C2(C)上の全てのポイントにおける高さデータが得られ、当該高さデータが、図5(c)に示すようなかたちで、三次元計測結果メモリ24に記憶され、結果として計測物体C2(C)の三次元形状が計測できる。
【0052】
なお、上記例では、測定物体C(C1,C2)の具体的な事案について特に言及していないが、クリームはんだの三次元形状、プリント基板(略平坦面を有する)の高さ計測、はんだバンプの三次元形状等のプリント基板関係の各種三次元計測をはじめ、各種製品の外観検査、さらに大きくは、自動走行する車両等の三次元計測等、非接触による三次元計測の要請のある各種分野における「もの」の測定が可能であることはいうまでもない。
【0053】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、照明装置3により照射される光パターンは、位置によってピントの合う高さが異なるものであるため、予め光パターンの位置に対するピントの合う高さを把握しておくことで、光パターンに対する測定物体C(C1,C2)を移動させ、その都度撮像することによって、各画像データの合焦の程度から各ポイントの高さの演算が可能となる。このとき、合焦の程度に基づいて高さを演算することとなっているため、光パターンを測定物体C(C1,C2)のほぼ真上から当てて計測することが可能となる。そのため、死角を生じにくくすることができ、結果として、計測精度の向上を図ることができる。
【0054】
また、本実施の形態では、格子板13の傾斜角度を適宜設定することによってピントの合う高さ範囲を任意に調整できる。すなわち、傾斜角度を比較的大きく設定することで、計測可能な高さ範囲を広くすることが可能となる。その結果、高さ範囲が制限されてしまうといった事態を回避することができる。
【0055】
しかも、本実施の形態では、測定物体C(C1,C2)の表面に色彩の変化や模様等が存在していたとしても、そのような表面性状は計測に影響されない。つまり、測定物体C(C1,C2)の表面性状に影響されることなく正確な計測が可能となる。
【0056】
尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されることなく、例えば次のように実施してもよい。
【0057】
(a)上記実施の形態では、光パターンの縞の幅と同寸法ずつ、或いは偶数倍の寸法ずつ測定物体C2(C)を移動させ、その都度撮像する場合について具体化しているが、移動量については特に限定されるものではなく、例えば縞の幅とは異なるピッチで移動させることとしてもよい。
【0058】
(b)また、場合によっては、測定物体を移動させない構成としてもよい。例えば、図7(a),(b)に示すように、位置によってピントの合う高さが異なり、かつ、パターンの相違する縞状の光パターンLP1,LP2を複数照射して、ピントの最も合う撮像データに基づいて、所定ポイントPZの高さを演算することも可能である。
【0059】
(c)縞状の光パターンとしては、白黒の縞が交互に配列されたものであってもよいし、他の色彩を有していてもよいし、正弦波状のものであってもよい。
【0060】
(d)また、光パターンとしては、必ずしも縞状でなくてもよく、例えば図8(a)に示すように、格子状の光パターンLP3であってもよいし、図8(b)に示すように、散点状の光パターンLP4であってもよいし、図8(c)に示すように、同心円状の光パターンLP5であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態における三次元計測装置を模式的に示す概略構成図である。
【図2】制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】三次元計測の基本原理を説明するための構成図である。
【図4】(a)は測定物体の一例を紹介する斜視図であり、(b)はその三次元計測の基本原理を説明するための構成図である。
【図5】(a),(b)は画像メモリに記憶されるイメージデータのうち、所定回数目、所定回数プラス1回目のデータを示す図、(c)は三次元計測結果メモリに記憶されるデータの一例を示す図表である。
【図6】(a)は光パターンの縞の幅と同寸法ずつ測定物体を移動させ、その都度撮像されたイメージデータを取り込んだときの所定ポイントの輝度を示す図表であり、(b)は縞の幅の偶数倍ずつ測定物体を移動させ、その都度撮像されたイメージデータを取り込んだときの所定ポイントの輝度を示す図表である。
【図7】(a),(b)は別の実施の形態における光パターンの例を示す模式図である。
【図8】(a)〜(c)は別の実施の形態における光パターンの例を示す模式図である。
【符号の説明】
1…三次元計測装置、3…照射手段としての照明装置、4…撮像手段としてのCCDカメラ、5,6…移動手段を構成するモータ、7…演算手段、記憶部を構成する制御装置、11…光源、13…格子板、14…投光レンズ、C,C1,C2…計測対象物としての測定物体。

Claims (12)

  1. 少なくとも計測対象物に対し、所定の光強度分布を有する光パターンを照射可能な照射手段と、
    前記光パターンの照射された計測対象物を撮像可能な撮像手段と、
    前記撮像手段にて撮像された複数の画像データに基づき、少なくとも前記計測対象物の所定の高さを演算する演算手段とを備え、
    前記照射手段により照射される光パターンは、位置によってピントの合う高さが異なるものであることを特徴とする三次元計測装置。
  2. 少なくとも計測対象物に対し、所定の光強度分布を有し、かつ、位置によってピントの合う高さが異なる光パターンを照射可能な照射手段と、
    前記光パターンの照射された計測対象物を撮像可能な撮像手段と、
    前記計測対象物表面の所定ポイントに関し、前記撮像手段にて撮像された複数の画像データのうち、ピントの最も合う画像データに基づいて少なくとも前記計測対象物表面の所定ポイントの高さを演算する演算手段とを備えたことを特徴とする三次元計測装置。
  3. 前記計測対象物を移動させる移動手段を備え、
    前記撮像手段にて撮像された複数の画像データは、前記移動手段により移動された互いに異なる位置における前記計測対象物の画像データであることを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元計測装置。
  4. 計測対象物を移動させる移動手段と、
    前記移動手段にて移動される計測対象物に対し、所定の光強度分布を有し、かつ、位置によってピントの合う高さが異なる光パターンを照射可能な照射手段と、
    前記光パターンの照射された計測対象物を、少なくとも該計測対象物が移動される毎に撮像可能な撮像手段と、
    前記計測対象物表面の所定ポイントに関し、前記計測対象物が移動される毎に前記撮像手段にて撮像された複数の画像データのうち、ピントの最も合う画像データに基づいて、少なくとも前記計測対象物表面の所定ポイントの高さを演算する演算手段とを備えたことを特徴とする三次元計測装置。
  5. 計測対象物を移動させる移動手段と、
    前記移動手段にて移動される計測対象物に対し、所定の光強度分布を有し、かつ、位置によってピントの合う高さが異なる光パターンを照射可能な照射手段と、
    前記光パターンの照射された計測対象物を、少なくとも該計測対象物が移動される毎に撮像可能な撮像手段と、
    前記計測対象物表面に設定された複数の領域に関し、前記計測対象物が移動される毎に前記撮像手段にて撮像された複数の画像データのうち、ピントの最も合う画像データに基づいて、少なくとも前記計測対象物表面の各領域の高さを演算するとともに、前記演算された各領域の高さに基づいて前記計測対象物の三次元形状を演算する演算手段とを備えたことを特徴とする三次元計測装置。
  6. 前記光パターンは、計測対象物の移動方向に直交又はほぼ直交する方向に延び、明暗が等間隔毎に設定された縞状の光パターンであって、かつ、当該縞の幅は、前記撮像手段の2画素分以上3画素分以下に設定されていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の三次元計測装置。
  7. 前記光パターンは、計測対象物の移動方向に直交又はほぼ直交する方向に延び、明暗が等間隔毎に設定された縞状の光パターンであって、かつ、前記撮像手段は、前記移動手段により前記縞の幅と同寸法ずつ前記計測対象物が移動する毎に撮像可能であることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の三次元計測装置。
  8. 前記光パターンは、計測対象物の移動方向に直交又はほぼ直交する方向に延び、明暗が等間隔毎に設定された縞状の光パターンであって、かつ、前記撮像手段は、前記移動手段により前記縞の幅の偶数倍の寸法ずつ前記計測対象物が移動する毎に撮像可能であることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の三次元計測装置。
  9. 前記照射手段は、少なくとも光源と、投光レンズと、前記投光レンズに対し所定角度傾斜した状態で前記光源及び投光レンズ間に設けられ、光パターンを投影するためのフィルタとを具備していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の三次元計測装置。
  10. 前記照射手段からの光パターンが、前記計測対象物に対しほぼ真上から照射可能となっていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の三次元計測装置。
  11. 前記計測対象物は、部位によって高さが相違するものであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の三次元計測装置。
  12. 前記演算手段は、照射された光パターンの位置に対するピントの合う高さを予め記憶する記憶部を備えていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の三次元計測装置。
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JP2016166784A (ja) * 2015-03-09 2016-09-15 キヤノン株式会社 計測装置
CN110160466A (zh) * 2019-06-21 2019-08-23 福建师范大学地理研究所 一种植物体三维立体测量装置
JP2021015052A (ja) * 2019-07-12 2021-02-12 株式会社東芝 測定装置

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