JP2004032210A - 基地局装置及び回線接続制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信中の回線の回線品質を安定化すること。
【解決手段】通信中の複数チャネルの回線品質に関する物理量をそれぞれ測定する測定部22と、移動局から通信要求を受け付けたときに、物理量に基づいて移動局にチャネルを新規に割り当てることの可否を判別する制御部4とを具備している。一般に、基地局装置1が移動局に新規にチャネルを割り当てると、通信中の複数のチャネルの干渉が増加する。制御部4は、新規にチャネルを割り当てた場合に通信中のチャネルに要求される回線品質を保証できないときに、割り当てを拒否する。この結果、通信中のチャネルの回線品質の低下と通信中のチャネルの切断とが防止される。
【選択図】図1
【解決手段】通信中の複数チャネルの回線品質に関する物理量をそれぞれ測定する測定部22と、移動局から通信要求を受け付けたときに、物理量に基づいて移動局にチャネルを新規に割り当てることの可否を判別する制御部4とを具備している。一般に、基地局装置1が移動局に新規にチャネルを割り当てると、通信中の複数のチャネルの干渉が増加する。制御部4は、新規にチャネルを割り当てた場合に通信中のチャネルに要求される回線品質を保証できないときに、割り当てを拒否する。この結果、通信中のチャネルの回線品質の低下と通信中のチャネルの切断とが防止される。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基地局装置及び回線接続制御方法に関し、特に、W−CDMA方式による移動通信システムに適用される基地局装置及び回線接続制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動通信システムでは、基地局装置と移動局(携帯電話機、自動車電話機など)との通信の回線品質を向上させ、移動局が基地局装置に割り当てられたチャネル資源を高能率に共有することが望まれている。図7は、公知のW−CDMA方式による移動通信システムに適用される基地局装置を示している。その基地局装置100は、直交検波部101、相関検出部102、逆拡散部103、レイク合成部104、誤り訂正復号部105、誤り検出測定部106、目標品質生成部107、回線品質比較部108、目標SIR生成部109、SIR測定部110、SIR比較部111、TPCビット生成部112、データ多重部113、QPSKマッピング部114、拡散部115、符号多重部116および直交変調部117を備えている。このうち、相関検出部102、逆拡散部103、レイク合成部104、誤り訂正復号部105、誤り検出測定部106、目標品質生成部107、回線品質比較部108、目標SIR生成部109、SIR測定部110、SIR比較部111およびTPCビット生成部112は、基地局装置100に割り当てられているチャネルの数だけ設けられている。
【0003】
直交検波部101は、移動局から電波を介して送信された受信信号を直交検波する。相関検出部102は、直交検波された受信信号と拡散符号系列とを相関処理して受信信号のパスを検出する。逆拡散部103は、パスと拡散符号とを用いて受信信号を逆拡散する。レイク合成部104は、逆拡散された受信信号をパス毎に推定位相から補正し、同位相で合成する。誤り訂正復号部105は、レイク合成された受信信号を復号する。
【0004】
誤り検出測定部106は、復号された受信信号のビット誤り率を測定する。目標品質生成部107は、ビット誤り率の目標である目標ビット誤り率を生成する。回線品質比較部108は、測定されたビット誤り率と目標ビット誤り率とを比較する。目標SIR生成部109は、回線品質比較部108による比較結果に基づいて目標SIRを生成する。SIR測定部110は、レイク合成部104された受信信号のSIR(希望波受信信号電力対干渉波電力比)を測定する。SIR比較部111は、測定されたSIRと目標SIRとを比較する。TPCビット生成部112は、SIR比較部111による比較結果に基づいてTPCビットを生成する。
【0005】
データ多重部113は、通信網からの送信データとTPCビットとを多重化する。QPSKマッピング部114は、多重化された信号をQPSKマッピングする。拡散部115は、QPSKマッピングされた信号を拡散符号により直接拡散する。符号多重部116は、複数のチャネルの拡散された信号を多重する。直交変調部117は、多重化された信号を直交変調して送信信号を生成する。その送信信号は、電波を介して移動局に送信される。
【0006】
図8は、チャネルが割り当てられた移動局から基地局装置100に送信される上り回線信号のフレームを示している。上り回線信号は、パイロットビット、送信データおよびTPCビットから形成されるスロットを単位として送信される。パイロットビットは、既知のビットパターンであり、上り回線信号を同期検波するために使用され、SIRを測定するために使用される。送信データは、その移動局から通信網に接続されている他の端末に伝送される情報を示している。TPCビットは、基地局装置100により出力される電波の強度を制御するコマンドである。基地局装置100は、TPCビットに基づいて移動局に出力する電波の送信電力を変更する。
【0007】
図9は、基地局装置100からチャネルが割り当てられた移動局に送信される下り回線信号のフレームを示している。上り回線信号は、送信データ、パイロットビットおよびTPCビットから形成されるスロットを単位として送信される。パイロットビットは、既知のビットパターンであり、下り回線信号を同期検波するために使用され、SIRを測定するために使用される。送信データは、通信網に接続されている他の端末からその移動局に伝送される情報を示している。TPCビットは、移動局により出力される電波の強度(送信電力)を制御するコマンドである。すなわち、TPCビットは、測定されたSIRが目標SIRより大きいときに、送信電力を小さくするコマンドであり、測定されたSIRが目標SIRより小さいときに、送信電力を大きくするコマンドである。移動局は、受信したTPCビットに基づいて基地局装置100に出力する電波の送信電力を変更する。
【0008】
このような移動通信システムでは、要求される回線品質に対して送信電力を最小にすることができ、収容可能である回線容量を大きくすることができる。
【0009】
移動通信システムでは、すべての移動局が通信網に通信するためのチャネルが常時に設定されていない。このため、基地局装置1は、チャネルが割り当てられていない移動局からの通信の要求(呼)の都度、その移動局に基地局装置1に割り当てられた複数のチャネル資源のうち空いているチャネルを割り当てる。基地局装置100が収容可能である回線以上に回線接続要求を受け付けると、基地局装置100が受信する上り回線信号の干渉が増加して、通信中のチャネルの回線品質の劣化、通信中のチャネルの切断を招く。通常、回線容量は、品質を上げようとすると、小さくなり、品質を落とせば、上げることができる。通信中のチャネルの回線品質の低下を防止し、通信中のチャネルの信頼性を向上させる移動通信システムが望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、通信中の回線の信頼性を向上する基地局装置及び回線接続制御方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、通信中の回線の回線品質を安定化する基地局装置及び回線接続制御方法を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、通信中の回線の回線品質の低下を防止する基地局装置及び回線接続制御方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を括弧()付きで用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであり、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0012】
本発明による基地局装置(1)は、通信中の複数チャネルの回線品質に関する物理量をそれぞれ測定する測定部(22)と、移動局から通信要求を受け付けたときに、物理量に基づいて移動局にチャネルを新規に割り当てることの可否を判別する制御部(4)とを具備している。一般に、基地局装置(1)が移動局に新規にチャネルを割り当てると、通信中の複数のチャネルの干渉が増加する。制御部(4)は、新規にチャネルを割り当てた場合に通信中のチャネルに要求される回線品質を保証できないときに、割り当てを拒否する。この結果、通信中のチャネルの回線品質の低下と通信中のチャネルの切断とを防止する。
【0013】
物理量は、複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商、いわゆるSIR(希望波受信信号電力対干渉波電力比)であり、制御部(4)は、複数チャネルの商の最小値が閾値より小さいときに、移動局にチャネルを割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0014】
物理量は、複数チャネルのビット誤り率であり、制御部(4)は、複数チャネルのビット誤り率の最大値が閾値より大きいときに、移動局にチャネルを割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0015】
物理量は、複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商、いわゆるSIR(希望波受信信号電力対干渉波電力比)と、複数チャネルの各チャネルにおけるビット誤り率とを含んでいる。制御部(4)は、複数チャネルの商の最小値が第1閾値より小さいときに、または、複数チャネルのビット誤り率の最大値が第2閾値より大きいときに、移動局にチャネルを割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0016】
物理量は、複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商、いわゆるSIR(希望波受信信号電力対干渉波電力比)であり、制御部(4)は、商と商の目標値との差が所定の時間以上だけ所定の閾値以上であるときに、移動局にチャネルを新規に割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0017】
複数チャネルは、通話チャネルと,通話チャネルより良い回線品質が要求されるデータ通信チャネルとを含んでいる。制御部(4)は、データ通信チャネルの物理量にのみ基づいて可否を判別することが好ましい。
【0018】
通信中の複数チャネルの拡散率は、要求される伝送速度と回線品質とに基づいて導出される。移動局に新規に割り当てられるチャネルの拡散率は、その複数チャネルと同様にして導出された拡散率より大きい。このような拡散率の制御は、通信中の複数チャネルへの干渉が小さく、複数チャネルの回線品質の劣化が小さい点で好ましい。
【0019】
制御部(4)は、回線品質が劣化しないように、複数チャネルの拡散率を大きくして移動局にチャネルを新規に割り当てることを許可する。各チャネルの帯域を狭くして、移動局にチャネルを新規に割り当てることが好ましい。
【0020】
本発明による回線接続制御方法は、基地局装置(1)を用いて実行され、通信中の複数チャネルの回線品質に関する物理量をそれぞれ測定するステップと、移動局から通信要求を受け付けたときに、物理量に基づいて移動局にチャネルを新規に割り当てることの可否を判別するステップとを具備している。一般に、基地局装置(1)が移動局に新規にチャネルを割り当てると、通信中の複数のチャネルの干渉が増加する。基地局装置(1)は、新規にチャネルを割り当てた場合に通信中のチャネルに要求される回線品質を保証できないときに、割り当てを拒否する。この結果、通信中のチャネルの回線品質の低下と通信中のチャネルの切断とを防止する。
【0021】
物理量は、複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商、いわゆるSIR(希望波受信信号電力対干渉波電力比)であり、判別するステップは、複数チャネルの商の最小値が閾値より小さいときに、移動局にチャネルを割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0022】
物理量は、複数チャネルの各チャネルにおけるビット誤り率であり、判別するステップは、複数チャネルのビット誤り率の最大値が閾値より大きいときに、移動局にチャネルを割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0023】
物理量は、複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商、いわゆるSIR(希望波受信信号電力対干渉波電力比)と、複数チャネルの各チャネルにおけるビット誤り率とを含んでいる。判別するステップは、複数チャネルの商の最小値が第1閾値より小さいときに、または、複数チャネルのビット誤り率の最大値が第2閾値より大きいときに、移動局にチャネルを割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0024】
物理量は、複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商、いわゆるSIR(希望波受信信号電力対干渉波電力比)であり、判別するステップは、商と商の目標値との差が所定の時間以上だけ所定の閾値以上であるときに、移動局にチャネルを新規に割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0025】
複数チャネルは、通話チャネルと,通話チャネルより良い回線品質が要求されるデータ通信チャネルとを含んでいる。判別するステップは、データ通信チャネルの物理量にのみ基づいて可否を判別することが好ましい。
【0026】
通信中の複数チャネルの拡散率は、要求される伝送速度と回線品質とに基づいて導出される。移動局に新規に割り当てられるチャネルの拡散率は、その複数チャネルと同様にして導出された拡散率より大きい。このような拡散率の制御は、通信中の複数チャネルへの干渉が小さく、複数チャネルの回線品質の劣化が小さい点で好ましい。
【0027】
判別するステップは、回線品質が劣化しないように、複数チャネルの拡散率を大きくして移動局にチャネルを新規に割り当てることを許可することが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明による基地局装置の実施の形態を説明する。その基地局装置1は、W−CDMA方式による移動通信システムに適用され、図1に示されているように、直交検波器2、複数のチャネルユニット3−1〜3−n(n=2,3,4,…)、制御器4、直交変調器5および上位レイヤーの制御部6を備えている。チャネルユニット3−1〜3−nは、基地局装置1に割り当てられている複数(n個)のチャネル毎に設けられている。そのチャネルは、基地局装置1と移動局との間で通信するために設けられる無線通信路のことであり、W−CDMA方式では符号系列を示している。
【0029】
直交検波器2は、チャネルユニット3−1〜3−nに接続されている。チャネルユニット3−1〜3−nは、制御器4に双方向に接続され、直交変調器5に接続されている。制御器4は、上位レイヤーの制御部6に接続されている。チャネルユニット3−1〜3−nは、さらに、図示されていない通信網に接続されている。
【0030】
直交検波器2は、チャネルが割り当てられている移動局から電波を介して受信される受信信号10を直交検波し、または、準同期直交検波する。直交検波器2は、その直交検波により生成されたベースバンド信号11−1〜11−nをチャネルユニット3−1〜3−nにそれぞれ分配する。
【0031】
各チャネルユニット3−i(i=1,2,3,…,n)は、対応するチャネルに割り当てられた移動局と、通信網との通信を仲介する。すなわち、チャネルユニット3−iは、その移動局により送信される情報をベースバンド信号11−iから抽出して通信網に伝送し、ベースバンド信号11−iに基づいてそのチャネルのSIRとビット誤り率とを導出し、そのSIRを示すSIR信号12−iを制御器4に出力し、そのビット誤り率を示す誤り率信号13−iを制御器4に出力する。チャネルユニット3−iは、さらに、通信網から伝送される情報を示す信号を符号多重して符号多重信号15−iを生成して直交変調器5に出力する。その情報としては、通話に用いられる音声情報または電子メールなどのデータ通信に用いられる文字情報が例示される。
【0032】
SIRは、通信中の1つのチャネルの希望波受信信号電力を、通信中の他のチャネルの干渉電力と熱雑音電力との和で除した値である。ビット誤り率は、単位時間内に発生した誤りのビット数を、単位時間内に受信したビットの総数で除した値である。なお、誤り率信号13−iは、ブロック誤り率を示すこともできる。すべての信号は、複数ビットからなるブロックを1つの単位として伝送される。ブロック誤り率は、単位時間内に発生した誤りのブロック数を、単位時間内に受信したビットの総数で除した値である。
【0033】
制御器4は、チャネルユニット3−1〜3−nからSIR信号12−1〜12−nと誤り率信号13−1〜13−nとをそれぞれ受信し、制御信号14−1〜14−nを生成してチャネルユニット3−1〜3−nにそれぞれ出力する。制御器4は、さらに、各チャネルに対する制御内容を示す制御信号16を上位レイヤーの制御部6に出力する。
【0034】
制御器4は、ゾーン内のチャネル資源を管理している。すなわち、制御器4は、チャネルが割り当てられていない移動局から通信要求(呼)を受信して、SIR信号12−1〜12−nと誤り率信号13−1〜13−nとに基づいてその移動局にチャネルを割り当てるかどうかを判別し、割り当てるチャネルの拡散率を導出する。制御器4は、さらに、各チャネルの通信の種類を判別し、その種類に基づいて導出される最適な伝送速度に基づいてチャネルの拡散率を導出し、その拡散率を示す制御信号14−1〜14−nを生成する。チャネルの種類には、通話に用いられる通話チャネル、電子メールの伝送などのデータ通信に用いられるデータ通信チャネルの2種類がある。データ通信チャネルは、通話チャネルより厳しい(より良い)回線品質が要求されている。
【0035】
直交変調器5は、符号多重信号15−1〜15−nのキャリアの位相と振幅とを直交変調して送信信号17を生成し、送信信号17を出力する。送信信号17は、電波を介してチャネルが割り当てられている移動局に送信される。
【0036】
図2は、チャネルユニット3−iを詳細に示している。チャネルユニット3−iは、受信信号処理部21、測定制御部22、送信データ生成部23および送信信号処理部24を備えている。
【0037】
受信信号処理部21は、ベースバンド信号11−iに基づいて復号信号31とレイク合成信号32とを生成して測定制御部22に出力する。復号信号31は、さらに、通信網に出力される。
【0038】
測定制御部22は、復号信号31に基づいてビット誤り率を示す誤り率信号34を生成し、レイク合成信号32に基づいてSIRを示すSIR信号33を生成する。誤り率信号34はチャネルユニット3−iが出力する誤り率信号13−iと一致し、SIR信号33はチャネルユニット3−iが出力するSIR信号12−iと一致している。測定制御部22は、さらに、復号信号31とレイク合成信号32とに基づいてTPCビットを示すTPCビット信号35を生成して送信信号処理部24に出力する。TPCビットは、送信電力制御のコマンドとして使用され、移動局は、TPCビットに基づいて送信電力を大きくし、または、小さくする。
【0039】
送信データ生成部23は、通信網を介して通信網に接続されている他の端末から伝送された送信データと、送受信処理に必要なシンボルとを示す送信データ信号36を送信信号処理部24に出力する。送信信号処理部24は、TPCビット信号35と送信データ信号36とを制御信号14−iに基づいて符号多重化して符号多重信号37を生成して出力する。符号多重信号37は、チャネルユニット3−iが出力する符号多重信号15−iと一致している。
【0040】
図3は、チャネルユニット3−iに属する受信信号処理部21を詳細に示している。受信信号処理部21は、相関検出器41、逆拡散器42、レイク合成器43および誤り訂正復号器44を備えている。
【0041】
相関検出器41は、ベースバンド信号11−iと予め設定されている拡散符号系列を相関処理してパスを検出し、そのパスを示すパス信号51を逆拡散器42に出力する。逆拡散器42は、パス信号51に基づいて拡散符号を用いてベースバンド信号11−iを逆拡散して逆拡散信号52を生成し、逆拡散信号52をレイク合成部43に出力する。レイク合成器43は、逆拡散信号52を各パス毎にパイロットシンボルなどを用いてチャネル推定し、フェージング変動などによる位相の変動を補正して、同位相で合成してレイク合成信号53を生成し、レイク合成信号53を誤り訂正復号器44に出力する。レイク合成信号53は、受信信号処理部21が出力するレイク合成信号32と一致している。誤り訂正復号器44は、レイク合成信号53を誤り訂正復号して復号信号54を生成し、復号信号を出力する。復号信号54は、受信信号処理部21が出力する復号信号31と一致している。
【0042】
図4は、チャネルユニット3−iに属する測定制御部22を詳細に示している。測定制御部22は、誤り検出測定部61、目標品質生成部62、回線品質比較回路63、SIR測定部64、目標SIR生成部65、SIR比較回路66およびTPCビット生成部67を備えている。
【0043】
誤り検出測定部61は、再符号化、CRCを用いて復号信号31から誤りを検出してビット誤り率を測定し、そのビット誤り率を示す誤り率信号71を回線品質比較回路63に出力する。誤り率信号71は、測定制御部22が出力する誤り率信号34に一致している。目標品質生成部62は、目標であるビット誤り率を示す目標ビット誤り率を設定し、その目標ビット誤り率を示す目標誤り率信号72を回線品質比較回路63に出力する。その目標ビット誤り率は、そのチャネルの種類により導出される。回線品質比較回路63は、誤り率信号71と目標誤り率信号71とに基づいてビット誤り率と目標ビット誤り率とを比較し、比較結果を示す品質比較信号73を目標SIR生成部65に出力する。
【0044】
SIR測定部64は、レイク合成信号32に基づいてSIRを測定し、そのSIRを示すSIR信号74をSIR比較回路66に出力する。目標SIR生成部65は、品質比較信号73に基づいて目標SIRを導出し、その目標SIRを示す目標SIR信号75をSIR比較回路に出力する。すなわち、目標SIR生成部65は、ビット誤り率の測定値が目標ビット誤り率より小さいときに、目標SIRを大きく設定し、ビット誤り率の測定値が目標ビット誤り率より小さいときに、目標SIRを小さく設定する。SIR比較回路66は、SIR信号74と目標SIR信号75とに基づいてSIRと目標SIRとを比較し、比較結果を示すSIR比較信号76をTPCビット生成部67に出力する。
【0045】
TPCビット生成部67は、SIR比較信号76に基づいてTPCビットを生成し、TPCビットを示すTPCビット信号77を出力する。すなわち、TPCビットは、SIRの測定値が目標SIRより大きいときに、移動局の送信電力を小さくする指示を示し、SIRの測定値が目標SIRより小さいときに、移動局の送信電力を大きくする指示を示している。TPCビット信号77は、測定制御部22が出力するTPCビット信号35と一致している。
【0046】
図5は、制御器4を詳細に示している。制御器4は、最小値検出器81、最大検出器82および回線接続制御回路83を備えている。最小値検出器81は、SIR信号12−1〜12−nに基づいてSIRの最小値を導出し、その最小値を示す最小値信号86を回線接続制御回路83に出力する。最大値検出器82は、誤り率信号13−1〜13−nに基づいてビット誤り率の最大値を導出し、その最大値を示す最大値信号87を回線接続制御回路83に出力する。なお、最小値検出器81は、データ通信チャネルに関するSIRの最小値を導出して、その最小値を示す最小値信号86を回線接続制御回路83に出力することもできる。最大値検出器82は、データ通信チャネル誤り率信号13−1〜13−nに基づいてビット誤り率の最大値を導出し、その最大値を示す最大値信号87を回線接続制御回路83に出力することもできる。
【0047】
回線接続制御回路83は、最小値信号86と最大値信号87とに基づいて拡散率を示す制御信号88−1〜88−nを生成して出力する。制御信号88−1〜88−nは、制御器4が出力する制御信号14−1〜14−nと一致している。回線接続制御回路83は、さらに、制御信号89を生成して出力する。制御信号89は、制御器4が出力する制御信号16と一致している。回線接続制御装置83は、さらに、チャネルが割り当てられていない移動局から通信要求(呼)を受信して、その移動局にチャネルを割り当てるかどうかを判別している。
【0048】
図6は、チャネルユニット3−iに属する送信信号処理部24を詳細に示している。送信信号処理部24は、データ多重器91、QPSKマッピング92、拡散器93および符号多重器94を備えている。
【0049】
データ多重器91は、TPCビット信号35と送信データ信号36とに基づいて、送信データ、TPCビットおよび受信処理に必要なシンボルを多重化してデータ多重信号96を生成し、データ多重信号96をQPSKマッピング92に出力する。QPSKマッピング92は、データ多重信号96をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)の位相にマッピングしてQPSK変調信号97を生成し、QPSK変調信号97を拡散器93に出力する。
【0050】
拡散器93は、拡散符号を用いて制御信号14−iに基づいてQPSK変調信号97を直接拡散して拡散信号98を生成し、拡散信号98を符号多重器94に出力する。符号多重器94は、拡散信号98を多重して符号多重信号99を生成して出力する。符号多重信号99は、送信信号処理部24が出力する符号多重信号37と一致している。
【0051】
本発明による回線接続制御方法の実施の形態は、基地局装置1を用いて実行され、チャネルが割り当てられている移動局の送信電力を制御する動作と、チャネルが割り当てられていない移動局にチャネルを新規に割り当てることを制御する動作とを含んでいる。
【0052】
チャネルが割り当てられている移動局の送信電力を制御する動作は、基地局装置1により常時に実行される。基地局装置1は、通信中の複数の移動局に割り当てられている各々のチャネルのSIRとビット誤り率とを測定する。基地局装置1は、測定されるビット誤り率が要求される目標誤り率より大きいときに、小さい値である目標SIRを生成し、測定されるビット誤り率が要求される目標誤り率より大きいときに、大きい値である目標SIRを生成する。
【0053】
基地局装置1は、測定されたSIRが目標SIRより大きいときに、送信電力を小さくするTPCビットを生成し、測定されたSIRが目標SIRより小さいときに、送信電力を大きくするTPCビットを生成する。移動局は、受信したTPCビットに基づいて基地局装置100に出力する電波の送信電力を変更する。このような動作は、移動局が送信する信号の干渉を低減させて、保証されるチャネルのビット誤り率を保持して回線品質を安定化させる。
【0054】
チャネルが割り当てられていない移動局にチャネルを新規に割り当てることを制御する動作は、その移動局が基地局装置1に新規にチャネルの割り当てを要求するときに実行される。移動通信では、すべての移動局が通信網の間で通信するチャネルが常時に割り当てられていない。移動局は、通信網を介して通信するときに、基地局装置1に電波を介して通信要求(呼)を送信して、チャネルの割り当てを要求する。
【0055】
基地局装置1は、その呼に応答して、通信中のデータ通信チャネルのSIRとビット誤り率とを測定し、そのSIRの最小値を導出し、そのビット誤り率の最大値を導出する。基地局装置1は、SIRの最小値が所定の値より小さいときに、または、ビット誤り率の最大値が所定の値より大きいときに、その移動局にチャネルを新規に割り当てない。基地局装置1は、SIRの最小値が所定の値より小さく、ビット誤り率の最大値が所定の値より大きく、かつ、基地局装置1に割り当てられているチャネルのうち空いているチャネルがあるときに、その空いているチャネルをその移動局に割り当てる。通信中のチャネルは、一般に、基地局装置が移動局に新規にチャネルを割り当てたときに、SIRが低下して、または、ビット誤り率が増大して、回線品質が劣化する。すなわち、基地局装置1は、新規にチャネルを割り当てた場合に通信中のチャネルに要求される回線品質を保証できないときに、割り当てを拒否する。
【0056】
基地局装置1は、SIRの最小値が所定の値より小さいときに、または、ビット誤り率の最大値が所定の値より大きいときに、通信中のチャネルに要求される回線品質を保証しつつ拡散率が要求される通信品質に基づいて導出されるものより大きいチャネルを新規に移動局に割り当てられるかを判別する。基地局装置1は、拡散率が大きいチャネルを割り当てることができるときに、その移動局に拡散率が大きいチャネルを新規に割り当てる。
【0057】
基地局装置1は、さらに、SIRの最小値が所定の値より小さいときに、または、ビット誤り率の最大値が所定の値より大きいときに、通信中のチャネルに要求される回線品質を保証しつつ拡散率を大きくすることができるかどうかを判別する。基地局装置1は、拡散率を大きくすることができるときに、他のチャネルの拡散率を大きくしてその移動局にチャネルを新規に割り当てる。
【0058】
一般に、基地局装置1が移動局に新規にチャネルを割り当てると、基地局装置1のゾーン内の通信中の複数のチャネルの干渉が増加する。本発明による回線接続制御方法は、通信中のチャネルの回線品質の低下と通信中のチャネルの切断とを防止することができる。
【0059】
なお、基地局装置1は、データ通信チャネルのみではなく、すべての通信中のチャネルのSIRとビット誤り率とを測定して、そのSIRとビット誤り率とに基づいて割り当てるか割り当てないかを判別することもできる。このときも、同様に、本発明による回線接続制御方法は、通信中のチャネルの回線品質の低下と通信中のチャネルの切断とを防止することができる。
【0060】
【発明の効果】
本発明による基地局装置及び回線接続制御方法は、通信中の回線の回線品質を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による基地局装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図2は、チャネルユニットを示すブロック図である。
【図3】図3は、受信信号処理部を示すブロック図である。
【図4】図4は、測定制御部を示すブロック図である。
【図5】図5は、制御器を示すブロック図である。
【図6】図6は、送信信号処理部を示すブロック図である。
【図7】図7は、公知の基地局装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図8】図8は、上り回線のフレームを示す図である。
【図9】図9は、下り回線のフレームを示す図である。
【符号の説明】
1 :基地局装置
2 :直交検波器
3−1〜3−n:チャネルユニット
4 :制御器
5 :直交変調器
6 :上位レイヤーの制御部
10:受信信号
11−1〜11−n:ベースバンド信号
12−1〜12−n:SIR信号
13−1〜13−n:誤り率信号
14−1〜14−n:制御信号
15−1〜15−n:符号多重信号
16:制御信号
17:送信信号
21:受信信号処理部
22:測定制御部
23:送信データ生成部
24:送信信号処理部
31:復号信号
32:レイク合成信号
33:SIR信号
34:誤り率信号
35:TPCビット信号
36:送信データ信号
37:符号多重信号
41:相関検出器
42:逆拡散器
43:レイク合成部
44:誤り訂正復号器
51:パス信号
52:逆拡散信号
53:レイク合成信号
54:復号信号
61:誤り検出測定部
62:目標品質生成部
63:回線品質比較回路
64:SIR測定部
65:目標SIR生成部
66:SIR比較回路
67:TPCビット生成部
71:誤り率信号
72:目標誤り率信号
73:誤り率比較信号
74:SIR信号
75:目標SIR信号
76:SIR比較信号
77:TPCビット信号
81:最小値検出器
82:最大値検出器
83:回線接続制御回路
86:最小値信号
87:最大値信号
88−1〜88−n:制御信号
89:制御信号
91:データ多重器
92:QPSKマッピング
93:拡散器
94:符号多重器
96:データ多重信号
97:QPSK変調信号
98:拡散信号
99:符号多重信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、基地局装置及び回線接続制御方法に関し、特に、W−CDMA方式による移動通信システムに適用される基地局装置及び回線接続制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動通信システムでは、基地局装置と移動局(携帯電話機、自動車電話機など)との通信の回線品質を向上させ、移動局が基地局装置に割り当てられたチャネル資源を高能率に共有することが望まれている。図7は、公知のW−CDMA方式による移動通信システムに適用される基地局装置を示している。その基地局装置100は、直交検波部101、相関検出部102、逆拡散部103、レイク合成部104、誤り訂正復号部105、誤り検出測定部106、目標品質生成部107、回線品質比較部108、目標SIR生成部109、SIR測定部110、SIR比較部111、TPCビット生成部112、データ多重部113、QPSKマッピング部114、拡散部115、符号多重部116および直交変調部117を備えている。このうち、相関検出部102、逆拡散部103、レイク合成部104、誤り訂正復号部105、誤り検出測定部106、目標品質生成部107、回線品質比較部108、目標SIR生成部109、SIR測定部110、SIR比較部111およびTPCビット生成部112は、基地局装置100に割り当てられているチャネルの数だけ設けられている。
【0003】
直交検波部101は、移動局から電波を介して送信された受信信号を直交検波する。相関検出部102は、直交検波された受信信号と拡散符号系列とを相関処理して受信信号のパスを検出する。逆拡散部103は、パスと拡散符号とを用いて受信信号を逆拡散する。レイク合成部104は、逆拡散された受信信号をパス毎に推定位相から補正し、同位相で合成する。誤り訂正復号部105は、レイク合成された受信信号を復号する。
【0004】
誤り検出測定部106は、復号された受信信号のビット誤り率を測定する。目標品質生成部107は、ビット誤り率の目標である目標ビット誤り率を生成する。回線品質比較部108は、測定されたビット誤り率と目標ビット誤り率とを比較する。目標SIR生成部109は、回線品質比較部108による比較結果に基づいて目標SIRを生成する。SIR測定部110は、レイク合成部104された受信信号のSIR(希望波受信信号電力対干渉波電力比)を測定する。SIR比較部111は、測定されたSIRと目標SIRとを比較する。TPCビット生成部112は、SIR比較部111による比較結果に基づいてTPCビットを生成する。
【0005】
データ多重部113は、通信網からの送信データとTPCビットとを多重化する。QPSKマッピング部114は、多重化された信号をQPSKマッピングする。拡散部115は、QPSKマッピングされた信号を拡散符号により直接拡散する。符号多重部116は、複数のチャネルの拡散された信号を多重する。直交変調部117は、多重化された信号を直交変調して送信信号を生成する。その送信信号は、電波を介して移動局に送信される。
【0006】
図8は、チャネルが割り当てられた移動局から基地局装置100に送信される上り回線信号のフレームを示している。上り回線信号は、パイロットビット、送信データおよびTPCビットから形成されるスロットを単位として送信される。パイロットビットは、既知のビットパターンであり、上り回線信号を同期検波するために使用され、SIRを測定するために使用される。送信データは、その移動局から通信網に接続されている他の端末に伝送される情報を示している。TPCビットは、基地局装置100により出力される電波の強度を制御するコマンドである。基地局装置100は、TPCビットに基づいて移動局に出力する電波の送信電力を変更する。
【0007】
図9は、基地局装置100からチャネルが割り当てられた移動局に送信される下り回線信号のフレームを示している。上り回線信号は、送信データ、パイロットビットおよびTPCビットから形成されるスロットを単位として送信される。パイロットビットは、既知のビットパターンであり、下り回線信号を同期検波するために使用され、SIRを測定するために使用される。送信データは、通信網に接続されている他の端末からその移動局に伝送される情報を示している。TPCビットは、移動局により出力される電波の強度(送信電力)を制御するコマンドである。すなわち、TPCビットは、測定されたSIRが目標SIRより大きいときに、送信電力を小さくするコマンドであり、測定されたSIRが目標SIRより小さいときに、送信電力を大きくするコマンドである。移動局は、受信したTPCビットに基づいて基地局装置100に出力する電波の送信電力を変更する。
【0008】
このような移動通信システムでは、要求される回線品質に対して送信電力を最小にすることができ、収容可能である回線容量を大きくすることができる。
【0009】
移動通信システムでは、すべての移動局が通信網に通信するためのチャネルが常時に設定されていない。このため、基地局装置1は、チャネルが割り当てられていない移動局からの通信の要求(呼)の都度、その移動局に基地局装置1に割り当てられた複数のチャネル資源のうち空いているチャネルを割り当てる。基地局装置100が収容可能である回線以上に回線接続要求を受け付けると、基地局装置100が受信する上り回線信号の干渉が増加して、通信中のチャネルの回線品質の劣化、通信中のチャネルの切断を招く。通常、回線容量は、品質を上げようとすると、小さくなり、品質を落とせば、上げることができる。通信中のチャネルの回線品質の低下を防止し、通信中のチャネルの信頼性を向上させる移動通信システムが望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、通信中の回線の信頼性を向上する基地局装置及び回線接続制御方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、通信中の回線の回線品質を安定化する基地局装置及び回線接続制御方法を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、通信中の回線の回線品質の低下を防止する基地局装置及び回線接続制御方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を括弧()付きで用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであり、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0012】
本発明による基地局装置(1)は、通信中の複数チャネルの回線品質に関する物理量をそれぞれ測定する測定部(22)と、移動局から通信要求を受け付けたときに、物理量に基づいて移動局にチャネルを新規に割り当てることの可否を判別する制御部(4)とを具備している。一般に、基地局装置(1)が移動局に新規にチャネルを割り当てると、通信中の複数のチャネルの干渉が増加する。制御部(4)は、新規にチャネルを割り当てた場合に通信中のチャネルに要求される回線品質を保証できないときに、割り当てを拒否する。この結果、通信中のチャネルの回線品質の低下と通信中のチャネルの切断とを防止する。
【0013】
物理量は、複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商、いわゆるSIR(希望波受信信号電力対干渉波電力比)であり、制御部(4)は、複数チャネルの商の最小値が閾値より小さいときに、移動局にチャネルを割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0014】
物理量は、複数チャネルのビット誤り率であり、制御部(4)は、複数チャネルのビット誤り率の最大値が閾値より大きいときに、移動局にチャネルを割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0015】
物理量は、複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商、いわゆるSIR(希望波受信信号電力対干渉波電力比)と、複数チャネルの各チャネルにおけるビット誤り率とを含んでいる。制御部(4)は、複数チャネルの商の最小値が第1閾値より小さいときに、または、複数チャネルのビット誤り率の最大値が第2閾値より大きいときに、移動局にチャネルを割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0016】
物理量は、複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商、いわゆるSIR(希望波受信信号電力対干渉波電力比)であり、制御部(4)は、商と商の目標値との差が所定の時間以上だけ所定の閾値以上であるときに、移動局にチャネルを新規に割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0017】
複数チャネルは、通話チャネルと,通話チャネルより良い回線品質が要求されるデータ通信チャネルとを含んでいる。制御部(4)は、データ通信チャネルの物理量にのみ基づいて可否を判別することが好ましい。
【0018】
通信中の複数チャネルの拡散率は、要求される伝送速度と回線品質とに基づいて導出される。移動局に新規に割り当てられるチャネルの拡散率は、その複数チャネルと同様にして導出された拡散率より大きい。このような拡散率の制御は、通信中の複数チャネルへの干渉が小さく、複数チャネルの回線品質の劣化が小さい点で好ましい。
【0019】
制御部(4)は、回線品質が劣化しないように、複数チャネルの拡散率を大きくして移動局にチャネルを新規に割り当てることを許可する。各チャネルの帯域を狭くして、移動局にチャネルを新規に割り当てることが好ましい。
【0020】
本発明による回線接続制御方法は、基地局装置(1)を用いて実行され、通信中の複数チャネルの回線品質に関する物理量をそれぞれ測定するステップと、移動局から通信要求を受け付けたときに、物理量に基づいて移動局にチャネルを新規に割り当てることの可否を判別するステップとを具備している。一般に、基地局装置(1)が移動局に新規にチャネルを割り当てると、通信中の複数のチャネルの干渉が増加する。基地局装置(1)は、新規にチャネルを割り当てた場合に通信中のチャネルに要求される回線品質を保証できないときに、割り当てを拒否する。この結果、通信中のチャネルの回線品質の低下と通信中のチャネルの切断とを防止する。
【0021】
物理量は、複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商、いわゆるSIR(希望波受信信号電力対干渉波電力比)であり、判別するステップは、複数チャネルの商の最小値が閾値より小さいときに、移動局にチャネルを割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0022】
物理量は、複数チャネルの各チャネルにおけるビット誤り率であり、判別するステップは、複数チャネルのビット誤り率の最大値が閾値より大きいときに、移動局にチャネルを割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0023】
物理量は、複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商、いわゆるSIR(希望波受信信号電力対干渉波電力比)と、複数チャネルの各チャネルにおけるビット誤り率とを含んでいる。判別するステップは、複数チャネルの商の最小値が第1閾値より小さいときに、または、複数チャネルのビット誤り率の最大値が第2閾値より大きいときに、移動局にチャネルを割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0024】
物理量は、複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商、いわゆるSIR(希望波受信信号電力対干渉波電力比)であり、判別するステップは、商と商の目標値との差が所定の時間以上だけ所定の閾値以上であるときに、移動局にチャネルを新規に割り当てることを拒絶することが好ましい。
【0025】
複数チャネルは、通話チャネルと,通話チャネルより良い回線品質が要求されるデータ通信チャネルとを含んでいる。判別するステップは、データ通信チャネルの物理量にのみ基づいて可否を判別することが好ましい。
【0026】
通信中の複数チャネルの拡散率は、要求される伝送速度と回線品質とに基づいて導出される。移動局に新規に割り当てられるチャネルの拡散率は、その複数チャネルと同様にして導出された拡散率より大きい。このような拡散率の制御は、通信中の複数チャネルへの干渉が小さく、複数チャネルの回線品質の劣化が小さい点で好ましい。
【0027】
判別するステップは、回線品質が劣化しないように、複数チャネルの拡散率を大きくして移動局にチャネルを新規に割り当てることを許可することが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明による基地局装置の実施の形態を説明する。その基地局装置1は、W−CDMA方式による移動通信システムに適用され、図1に示されているように、直交検波器2、複数のチャネルユニット3−1〜3−n(n=2,3,4,…)、制御器4、直交変調器5および上位レイヤーの制御部6を備えている。チャネルユニット3−1〜3−nは、基地局装置1に割り当てられている複数(n個)のチャネル毎に設けられている。そのチャネルは、基地局装置1と移動局との間で通信するために設けられる無線通信路のことであり、W−CDMA方式では符号系列を示している。
【0029】
直交検波器2は、チャネルユニット3−1〜3−nに接続されている。チャネルユニット3−1〜3−nは、制御器4に双方向に接続され、直交変調器5に接続されている。制御器4は、上位レイヤーの制御部6に接続されている。チャネルユニット3−1〜3−nは、さらに、図示されていない通信網に接続されている。
【0030】
直交検波器2は、チャネルが割り当てられている移動局から電波を介して受信される受信信号10を直交検波し、または、準同期直交検波する。直交検波器2は、その直交検波により生成されたベースバンド信号11−1〜11−nをチャネルユニット3−1〜3−nにそれぞれ分配する。
【0031】
各チャネルユニット3−i(i=1,2,3,…,n)は、対応するチャネルに割り当てられた移動局と、通信網との通信を仲介する。すなわち、チャネルユニット3−iは、その移動局により送信される情報をベースバンド信号11−iから抽出して通信網に伝送し、ベースバンド信号11−iに基づいてそのチャネルのSIRとビット誤り率とを導出し、そのSIRを示すSIR信号12−iを制御器4に出力し、そのビット誤り率を示す誤り率信号13−iを制御器4に出力する。チャネルユニット3−iは、さらに、通信網から伝送される情報を示す信号を符号多重して符号多重信号15−iを生成して直交変調器5に出力する。その情報としては、通話に用いられる音声情報または電子メールなどのデータ通信に用いられる文字情報が例示される。
【0032】
SIRは、通信中の1つのチャネルの希望波受信信号電力を、通信中の他のチャネルの干渉電力と熱雑音電力との和で除した値である。ビット誤り率は、単位時間内に発生した誤りのビット数を、単位時間内に受信したビットの総数で除した値である。なお、誤り率信号13−iは、ブロック誤り率を示すこともできる。すべての信号は、複数ビットからなるブロックを1つの単位として伝送される。ブロック誤り率は、単位時間内に発生した誤りのブロック数を、単位時間内に受信したビットの総数で除した値である。
【0033】
制御器4は、チャネルユニット3−1〜3−nからSIR信号12−1〜12−nと誤り率信号13−1〜13−nとをそれぞれ受信し、制御信号14−1〜14−nを生成してチャネルユニット3−1〜3−nにそれぞれ出力する。制御器4は、さらに、各チャネルに対する制御内容を示す制御信号16を上位レイヤーの制御部6に出力する。
【0034】
制御器4は、ゾーン内のチャネル資源を管理している。すなわち、制御器4は、チャネルが割り当てられていない移動局から通信要求(呼)を受信して、SIR信号12−1〜12−nと誤り率信号13−1〜13−nとに基づいてその移動局にチャネルを割り当てるかどうかを判別し、割り当てるチャネルの拡散率を導出する。制御器4は、さらに、各チャネルの通信の種類を判別し、その種類に基づいて導出される最適な伝送速度に基づいてチャネルの拡散率を導出し、その拡散率を示す制御信号14−1〜14−nを生成する。チャネルの種類には、通話に用いられる通話チャネル、電子メールの伝送などのデータ通信に用いられるデータ通信チャネルの2種類がある。データ通信チャネルは、通話チャネルより厳しい(より良い)回線品質が要求されている。
【0035】
直交変調器5は、符号多重信号15−1〜15−nのキャリアの位相と振幅とを直交変調して送信信号17を生成し、送信信号17を出力する。送信信号17は、電波を介してチャネルが割り当てられている移動局に送信される。
【0036】
図2は、チャネルユニット3−iを詳細に示している。チャネルユニット3−iは、受信信号処理部21、測定制御部22、送信データ生成部23および送信信号処理部24を備えている。
【0037】
受信信号処理部21は、ベースバンド信号11−iに基づいて復号信号31とレイク合成信号32とを生成して測定制御部22に出力する。復号信号31は、さらに、通信網に出力される。
【0038】
測定制御部22は、復号信号31に基づいてビット誤り率を示す誤り率信号34を生成し、レイク合成信号32に基づいてSIRを示すSIR信号33を生成する。誤り率信号34はチャネルユニット3−iが出力する誤り率信号13−iと一致し、SIR信号33はチャネルユニット3−iが出力するSIR信号12−iと一致している。測定制御部22は、さらに、復号信号31とレイク合成信号32とに基づいてTPCビットを示すTPCビット信号35を生成して送信信号処理部24に出力する。TPCビットは、送信電力制御のコマンドとして使用され、移動局は、TPCビットに基づいて送信電力を大きくし、または、小さくする。
【0039】
送信データ生成部23は、通信網を介して通信網に接続されている他の端末から伝送された送信データと、送受信処理に必要なシンボルとを示す送信データ信号36を送信信号処理部24に出力する。送信信号処理部24は、TPCビット信号35と送信データ信号36とを制御信号14−iに基づいて符号多重化して符号多重信号37を生成して出力する。符号多重信号37は、チャネルユニット3−iが出力する符号多重信号15−iと一致している。
【0040】
図3は、チャネルユニット3−iに属する受信信号処理部21を詳細に示している。受信信号処理部21は、相関検出器41、逆拡散器42、レイク合成器43および誤り訂正復号器44を備えている。
【0041】
相関検出器41は、ベースバンド信号11−iと予め設定されている拡散符号系列を相関処理してパスを検出し、そのパスを示すパス信号51を逆拡散器42に出力する。逆拡散器42は、パス信号51に基づいて拡散符号を用いてベースバンド信号11−iを逆拡散して逆拡散信号52を生成し、逆拡散信号52をレイク合成部43に出力する。レイク合成器43は、逆拡散信号52を各パス毎にパイロットシンボルなどを用いてチャネル推定し、フェージング変動などによる位相の変動を補正して、同位相で合成してレイク合成信号53を生成し、レイク合成信号53を誤り訂正復号器44に出力する。レイク合成信号53は、受信信号処理部21が出力するレイク合成信号32と一致している。誤り訂正復号器44は、レイク合成信号53を誤り訂正復号して復号信号54を生成し、復号信号を出力する。復号信号54は、受信信号処理部21が出力する復号信号31と一致している。
【0042】
図4は、チャネルユニット3−iに属する測定制御部22を詳細に示している。測定制御部22は、誤り検出測定部61、目標品質生成部62、回線品質比較回路63、SIR測定部64、目標SIR生成部65、SIR比較回路66およびTPCビット生成部67を備えている。
【0043】
誤り検出測定部61は、再符号化、CRCを用いて復号信号31から誤りを検出してビット誤り率を測定し、そのビット誤り率を示す誤り率信号71を回線品質比較回路63に出力する。誤り率信号71は、測定制御部22が出力する誤り率信号34に一致している。目標品質生成部62は、目標であるビット誤り率を示す目標ビット誤り率を設定し、その目標ビット誤り率を示す目標誤り率信号72を回線品質比較回路63に出力する。その目標ビット誤り率は、そのチャネルの種類により導出される。回線品質比較回路63は、誤り率信号71と目標誤り率信号71とに基づいてビット誤り率と目標ビット誤り率とを比較し、比較結果を示す品質比較信号73を目標SIR生成部65に出力する。
【0044】
SIR測定部64は、レイク合成信号32に基づいてSIRを測定し、そのSIRを示すSIR信号74をSIR比較回路66に出力する。目標SIR生成部65は、品質比較信号73に基づいて目標SIRを導出し、その目標SIRを示す目標SIR信号75をSIR比較回路に出力する。すなわち、目標SIR生成部65は、ビット誤り率の測定値が目標ビット誤り率より小さいときに、目標SIRを大きく設定し、ビット誤り率の測定値が目標ビット誤り率より小さいときに、目標SIRを小さく設定する。SIR比較回路66は、SIR信号74と目標SIR信号75とに基づいてSIRと目標SIRとを比較し、比較結果を示すSIR比較信号76をTPCビット生成部67に出力する。
【0045】
TPCビット生成部67は、SIR比較信号76に基づいてTPCビットを生成し、TPCビットを示すTPCビット信号77を出力する。すなわち、TPCビットは、SIRの測定値が目標SIRより大きいときに、移動局の送信電力を小さくする指示を示し、SIRの測定値が目標SIRより小さいときに、移動局の送信電力を大きくする指示を示している。TPCビット信号77は、測定制御部22が出力するTPCビット信号35と一致している。
【0046】
図5は、制御器4を詳細に示している。制御器4は、最小値検出器81、最大検出器82および回線接続制御回路83を備えている。最小値検出器81は、SIR信号12−1〜12−nに基づいてSIRの最小値を導出し、その最小値を示す最小値信号86を回線接続制御回路83に出力する。最大値検出器82は、誤り率信号13−1〜13−nに基づいてビット誤り率の最大値を導出し、その最大値を示す最大値信号87を回線接続制御回路83に出力する。なお、最小値検出器81は、データ通信チャネルに関するSIRの最小値を導出して、その最小値を示す最小値信号86を回線接続制御回路83に出力することもできる。最大値検出器82は、データ通信チャネル誤り率信号13−1〜13−nに基づいてビット誤り率の最大値を導出し、その最大値を示す最大値信号87を回線接続制御回路83に出力することもできる。
【0047】
回線接続制御回路83は、最小値信号86と最大値信号87とに基づいて拡散率を示す制御信号88−1〜88−nを生成して出力する。制御信号88−1〜88−nは、制御器4が出力する制御信号14−1〜14−nと一致している。回線接続制御回路83は、さらに、制御信号89を生成して出力する。制御信号89は、制御器4が出力する制御信号16と一致している。回線接続制御装置83は、さらに、チャネルが割り当てられていない移動局から通信要求(呼)を受信して、その移動局にチャネルを割り当てるかどうかを判別している。
【0048】
図6は、チャネルユニット3−iに属する送信信号処理部24を詳細に示している。送信信号処理部24は、データ多重器91、QPSKマッピング92、拡散器93および符号多重器94を備えている。
【0049】
データ多重器91は、TPCビット信号35と送信データ信号36とに基づいて、送信データ、TPCビットおよび受信処理に必要なシンボルを多重化してデータ多重信号96を生成し、データ多重信号96をQPSKマッピング92に出力する。QPSKマッピング92は、データ多重信号96をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)の位相にマッピングしてQPSK変調信号97を生成し、QPSK変調信号97を拡散器93に出力する。
【0050】
拡散器93は、拡散符号を用いて制御信号14−iに基づいてQPSK変調信号97を直接拡散して拡散信号98を生成し、拡散信号98を符号多重器94に出力する。符号多重器94は、拡散信号98を多重して符号多重信号99を生成して出力する。符号多重信号99は、送信信号処理部24が出力する符号多重信号37と一致している。
【0051】
本発明による回線接続制御方法の実施の形態は、基地局装置1を用いて実行され、チャネルが割り当てられている移動局の送信電力を制御する動作と、チャネルが割り当てられていない移動局にチャネルを新規に割り当てることを制御する動作とを含んでいる。
【0052】
チャネルが割り当てられている移動局の送信電力を制御する動作は、基地局装置1により常時に実行される。基地局装置1は、通信中の複数の移動局に割り当てられている各々のチャネルのSIRとビット誤り率とを測定する。基地局装置1は、測定されるビット誤り率が要求される目標誤り率より大きいときに、小さい値である目標SIRを生成し、測定されるビット誤り率が要求される目標誤り率より大きいときに、大きい値である目標SIRを生成する。
【0053】
基地局装置1は、測定されたSIRが目標SIRより大きいときに、送信電力を小さくするTPCビットを生成し、測定されたSIRが目標SIRより小さいときに、送信電力を大きくするTPCビットを生成する。移動局は、受信したTPCビットに基づいて基地局装置100に出力する電波の送信電力を変更する。このような動作は、移動局が送信する信号の干渉を低減させて、保証されるチャネルのビット誤り率を保持して回線品質を安定化させる。
【0054】
チャネルが割り当てられていない移動局にチャネルを新規に割り当てることを制御する動作は、その移動局が基地局装置1に新規にチャネルの割り当てを要求するときに実行される。移動通信では、すべての移動局が通信網の間で通信するチャネルが常時に割り当てられていない。移動局は、通信網を介して通信するときに、基地局装置1に電波を介して通信要求(呼)を送信して、チャネルの割り当てを要求する。
【0055】
基地局装置1は、その呼に応答して、通信中のデータ通信チャネルのSIRとビット誤り率とを測定し、そのSIRの最小値を導出し、そのビット誤り率の最大値を導出する。基地局装置1は、SIRの最小値が所定の値より小さいときに、または、ビット誤り率の最大値が所定の値より大きいときに、その移動局にチャネルを新規に割り当てない。基地局装置1は、SIRの最小値が所定の値より小さく、ビット誤り率の最大値が所定の値より大きく、かつ、基地局装置1に割り当てられているチャネルのうち空いているチャネルがあるときに、その空いているチャネルをその移動局に割り当てる。通信中のチャネルは、一般に、基地局装置が移動局に新規にチャネルを割り当てたときに、SIRが低下して、または、ビット誤り率が増大して、回線品質が劣化する。すなわち、基地局装置1は、新規にチャネルを割り当てた場合に通信中のチャネルに要求される回線品質を保証できないときに、割り当てを拒否する。
【0056】
基地局装置1は、SIRの最小値が所定の値より小さいときに、または、ビット誤り率の最大値が所定の値より大きいときに、通信中のチャネルに要求される回線品質を保証しつつ拡散率が要求される通信品質に基づいて導出されるものより大きいチャネルを新規に移動局に割り当てられるかを判別する。基地局装置1は、拡散率が大きいチャネルを割り当てることができるときに、その移動局に拡散率が大きいチャネルを新規に割り当てる。
【0057】
基地局装置1は、さらに、SIRの最小値が所定の値より小さいときに、または、ビット誤り率の最大値が所定の値より大きいときに、通信中のチャネルに要求される回線品質を保証しつつ拡散率を大きくすることができるかどうかを判別する。基地局装置1は、拡散率を大きくすることができるときに、他のチャネルの拡散率を大きくしてその移動局にチャネルを新規に割り当てる。
【0058】
一般に、基地局装置1が移動局に新規にチャネルを割り当てると、基地局装置1のゾーン内の通信中の複数のチャネルの干渉が増加する。本発明による回線接続制御方法は、通信中のチャネルの回線品質の低下と通信中のチャネルの切断とを防止することができる。
【0059】
なお、基地局装置1は、データ通信チャネルのみではなく、すべての通信中のチャネルのSIRとビット誤り率とを測定して、そのSIRとビット誤り率とに基づいて割り当てるか割り当てないかを判別することもできる。このときも、同様に、本発明による回線接続制御方法は、通信中のチャネルの回線品質の低下と通信中のチャネルの切断とを防止することができる。
【0060】
【発明の効果】
本発明による基地局装置及び回線接続制御方法は、通信中の回線の回線品質を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による基地局装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図2は、チャネルユニットを示すブロック図である。
【図3】図3は、受信信号処理部を示すブロック図である。
【図4】図4は、測定制御部を示すブロック図である。
【図5】図5は、制御器を示すブロック図である。
【図6】図6は、送信信号処理部を示すブロック図である。
【図7】図7は、公知の基地局装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図8】図8は、上り回線のフレームを示す図である。
【図9】図9は、下り回線のフレームを示す図である。
【符号の説明】
1 :基地局装置
2 :直交検波器
3−1〜3−n:チャネルユニット
4 :制御器
5 :直交変調器
6 :上位レイヤーの制御部
10:受信信号
11−1〜11−n:ベースバンド信号
12−1〜12−n:SIR信号
13−1〜13−n:誤り率信号
14−1〜14−n:制御信号
15−1〜15−n:符号多重信号
16:制御信号
17:送信信号
21:受信信号処理部
22:測定制御部
23:送信データ生成部
24:送信信号処理部
31:復号信号
32:レイク合成信号
33:SIR信号
34:誤り率信号
35:TPCビット信号
36:送信データ信号
37:符号多重信号
41:相関検出器
42:逆拡散器
43:レイク合成部
44:誤り訂正復号器
51:パス信号
52:逆拡散信号
53:レイク合成信号
54:復号信号
61:誤り検出測定部
62:目標品質生成部
63:回線品質比較回路
64:SIR測定部
65:目標SIR生成部
66:SIR比較回路
67:TPCビット生成部
71:誤り率信号
72:目標誤り率信号
73:誤り率比較信号
74:SIR信号
75:目標SIR信号
76:SIR比較信号
77:TPCビット信号
81:最小値検出器
82:最大値検出器
83:回線接続制御回路
86:最小値信号
87:最大値信号
88−1〜88−n:制御信号
89:制御信号
91:データ多重器
92:QPSKマッピング
93:拡散器
94:符号多重器
96:データ多重信号
97:QPSK変調信号
98:拡散信号
99:符号多重信号
Claims (16)
- 通信中の複数チャネルの回線品質に関する物理量をそれぞれ測定する測定部と、
移動局から通信要求を受け付けたときに、前記物理量に基づいて前記移動局にチャネルを新規に割り当てることの可否を判別する制御部
とを具備する基地局装置。 - 請求項1において、
前記物理量は、前記複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と前記複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商であり、
前記制御部は、前記複数チャネルの前記商の最小値が閾値より小さいときに、前記移動局に前記チャネルを割り当てることを拒絶する
基地局装置。 - 請求項1において、
前記物理量は、前記複数チャネルの各チャネルにおけるビット誤り率であり、前記制御部は、前記ビット誤り率の最大値が閾値より大きいときに、前記移動局に前記チャネルを割り当てることを拒絶する
基地局装置。 - 請求項1において、
前記物理量は、
前記複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と前記複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商と、
前記複数チャネルの各チャネルにおけるビット誤り率とを含み、
前記制御部は、前記複数チャネルの前記商の最小値が第1閾値より小さいときに、または、前記ビット誤り率の最大値が第2閾値より大きいときに、前記移動局に前記チャネルを割り当てることを拒絶する
基地局装置。 - 請求項1において、
前記物理量は、複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と前記複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商であり、
前記制御部は、前記商と前記商の目標値との差が所定の時間以上だけ所定の閾値以上であるときに、前記移動局にチャネルを新規に割り当てることを拒絶する
基地局装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれかにおいて、
前記複数チャネルは、通話チャネルと,前記通話チャネルより良い回線品質が要求されるデータ通信チャネルとを含み、
前記制御部は、前記データ通信チャネルの前記物理量にのみ基づいて前記可否を判別する
基地局装置。 - 請求項2〜請求項6のいずれかにおいて、
前記複数チャネルの拡散率は、要求される伝送速度と回線品質とに基づいて導出され、
前記移動局に新規に割り当てられるチャネルの拡散率は、前記複数チャネルと同様にして導出された拡散率より大きい
基地局装置。 - 請求項2〜請求項6のいずれかにおいて、
前記制御部は、前記回線品質が劣化しないように、前記複数チャネルの拡散率を大きくして前記移動局にチャネルを新規に割り当てることを許可する
基地局装置。 - 通信中の複数チャネルの回線品質に関する物理量をそれぞれ測定するステップと、
移動局から通信要求を受け付けたときに、前記物理量に基づいて前記移動局にチャネルを新規に割り当てることの可否を判別するステップ
とを具備する回線接続制御方法。 - 請求項9において、
前記物理量は、前記複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と前記複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商であり、
前記判別するステップは、前記複数チャネルの前記商の最小値が閾値より小さいときに、前記移動局に前記チャネルを割り当てることを拒絶する
回線接続制御方法。 - 請求項9において、
前記物理量は、前記複数チャネルの各チャネルにおけるビット誤り率であり、前記判別するステップは、前記ビット誤り率の最大値が閾値より大きいときに、前記移動局に前記チャネルを割り当てることを拒絶する
回線接続制御方法。 - 請求項9において、
前記物理量は、
前記複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と前記複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商と、
前記複数チャネルの各チャネルにおけるビット誤り率とを含み、
前記判別するステップは、前記複数チャネルの前記商の最小値が第1閾値より小さいときに、または、前記ビット誤り率の最大値が第2閾値より大きいときに、前記移動局に前記チャネルを割り当てることを拒絶する
回線接続制御方法。 - 請求項9において、
前記物理量は、複数チャネルのうちの1つのチャネルの希望波受信信号電力を熱雑音電力と前記複数チャネルのうちの他のチャネルの干渉電力との和で除算した商であり、
前記判別するステップは、前記商と前記商の目標値との差が所定の時間以上だけ所定の閾値以上であるときに、前記移動局にチャネルを新規に割り当てることを拒絶する
回線接続制御方法。 - 請求項9〜請求項13のいずれかにおいて、
前記複数チャネルは、通話チャネルと,前記通話チャネルより良い回線品質が要求されるデータ通信チャネルとを含み、
前記判別するステップは、前記データ通信チャネルの前記物理量にのみ基づいて前記可否を判別する
回線接続制御方法。 - 請求項10〜請求項14のいずれかにおいて、
前記複数チャネルの拡散率は、要求される伝送速度と回線品質とに基づいて導出され、
前記移動局に新規に割り当てられるチャネルの拡散率は、前記複数チャネルと同様にして導出された拡散率より大きい
回線接続制御方法。 - 請求項10〜請求項14のいずれかにおいて、
前記判別するステップは、前記回線品質が劣化しないように、前記複数チャネルの拡散率を大きくして前記移動局にチャネルを新規に割り当てることを許可する
回線接続制御方法。
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