JP2004027015A - Method for manufacturing polyvinyl amine - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビニルアミン単位を含有する重合体(以下、単にポリビニルアミンと略称する場合がある)の製造方法に関する。詳しくは、水処理分野、特に廃水処理での凝集剤、製紙工業での抄紙薬剤などとして有用な高分子量のポリビニルアミンを、工業的に効率よく、かつ高い品質で得るための製造方法及びそれに用いるN−ビニルカルボン酸アミド単位を含有する重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリビニルアミンは、凝集剤、製紙用薬剤、繊維処理剤、塗料添加剤などとして広く利用されている有用な物質である。特に廃水処理での凝集剤、製紙工業での抄紙薬剤などとして用いる場合には、高分子量のポリビニルアミンが有効であるとされる。
一般にポリビニルアミンは、N−ビニルカルボン酸アミドの重合体や共重合体[以下、両者をまとめて(共)重合体と表記する]を、酸またはアルカリの存在下に、全部または一部を加水分解することによって得られている。ところが、加水分解工程においてアルデヒド類が混入している場合、これがポリビニルアミン中のアミノ基と反応して架橋が生じ、水不溶性のゲルを生成する。問題となるアルデヒドは主として、(共)重合体の重合工程において残存したモノマーのN−ビニルカルボン酸アミドから、(共)重合体の乾燥工程や加水分解工程で生じたアルデヒド、例えばアセトアルデヒドである。
【0003】
このような残存モノマーによる架橋反応を防止するために、さまざまな方法が提案されている。これらの方法は基本的には、加水分解反応前、反応中あるいは反応後に、ゲル化防止剤として酸化剤、還元剤、アルデヒド捕捉剤を添加するものである。例えば、特開平5−117313号公報には、油中水型乳化重合によって得られたN−ビニルホルムアミド重合体の逆相エマルジョンに、ゲル化防止剤を添加する方法が提案されており、特開平5−125109号公報には、シクロヘキサン等の有機溶媒中でN−ビニルホルムアミドの逆相懸濁重合を行った後、ゲル化防止剤を添加する方法が提案されている。又特開平5−86127号公報には、シクロヘキサン中でN−ビニルホルムアミド共重合体の逆相懸濁重合を行った後、ゲル化防止剤としてヒドロキシルアミンを添加する方法が開示されている。
【0004】
更に、特開平6−122712号公報には、(共)重合体をゲル状態で取得し、次いでこれを解砕してゲル粒子の状態で加水分解を行うが、その際ゲル化防止剤を添加する方法が提案されている。これらの方法に共通する点として、ゲル化防止剤は乳化状、懸濁状、粒状の重合体に添加されるので、比較的容易に反応系に混和することが可能である。また加水分解やゲル化防止剤の添加はいずれも酸性条件下で実施されている。さらに所望のポリビニルアミンとしては、エマルジョンのような不均一液体、もしくは粉末状態として得られることが挙げられる。
【0005】
N−ビニルカルボン酸アミド(共)重合体のポリビニルアミンへの加水分解は、酸またはアルカリのいずれによっても行うことが出来る。しかしながら、酸性加水分解においては、製造、輸送、貯蔵、使用に関わる装置配管類すべてに耐食性が要求されるのに対して、アルカリ性条件では通常の鉄鋼やステンレス製の装置配管類を使用することが可能であるので、工業的にはアルカリ性条件で行うのが有利である。
【0006】
またポリビニルアミンの製品形態としては溶液が有利である。粉末製品の製造においては、湿潤ポリビニルアミン粉末の乾燥工程が必須であるが、乾燥の際、部分的に過熱されてその品質が劣化し、溶解性が悪化することがある。このような劣化は特に、高い溶解性が要求される抄紙薬剤において、極めて重要な問題である。上記の理由から、アルカリ性加水分解で得られるアルカリ性でかつ均一状態の溶液が、製品として使用に供される形態であることが望ましい。
【0007】
特開昭61−118406号公報には、アルカリ性加水分解によるポリビニルアミン溶液の製造法が開示され、加水分解に当たりゲル化防止剤としてアンモニア、アミン等を使用することが有効であるとしている。しかしながら、N−ビニルカルボン酸アミド(共)重合体、特に高分子量の(共)重合体から高分子量のポリビニルアミンを得ようとする場合には、これらのゲル化防止剤の効果は充分ではなくゲル化することがあった。
【0008】
一般に、高分子量のN−ビニルカルボン酸アミド(共)重合体やポリビニルアミン溶液は、粘度が極めて高いため、ゲル化防止剤を添加しても、操作上均一に混合することが難しく、時としてゲル化防止剤が偏在化し、不十分な効果しか達せられない場合があった。
また、ポリビニルアミン製造に対し有効であるとされる多くのゲル化防止剤、例えば、ヒドロキシルアミン塩、アミノグアニジン、フェニルヒドラジン等は、酸性側でのみアルデヒド捕捉効果を示す。従って、これらのゲル化防止剤を使用して、アルカリ加水分解するには、一旦、酸性側でアルデヒド捕捉処理を実施した後に、加水分解のためのアルカリを混合する必要がある。しかしながら、高粘度溶液へのアルカリの添加は、均一に混合溶解することが難しく、溶解に長時間を要したり、アルカリが偏在化するなどにより、生成物の品質が安定しないという問題があった。更にまた、中和反応熱の除去など、操作が煩雑になる欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高分子量のN−ビニルカルボン酸アミド(共)重合体をアルカリ性条件下で加水分解することによりポリビニルアミン溶液を製造する、工業的に有利に製造方法を提供するものであり、更に、ポリビニルアミン溶液を使用場所、時期に対応して製造するために有用な加水分解用のN−ビニルカルボン酸アミド(共)重合体組成物を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記のような問題点に鑑み鋭意検討した結果、特定のゲル化防止剤の存在下、アルカリ性条件下で加水分解することにより、高分子量のポリビニルアミン溶液を工業的に効率よく製造する方法を見出し本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、N−ビニルカルボン酸アミドを重合単位として含有する重合体の粉末を、還元性ゲル化防止剤の存在下にアルカリ水性媒体に溶解し、次いで生成溶液を加熱して該重合体を加水分解することを特徴とするビニルアミン単位含有重合体溶液の製造方法に存し、本発明の他の要旨は、N−ビニルカルボン酸アミドを重合単位として含有する重合体の乾燥粉末と還元性ゲル化防止剤とを含むことを特徴とするビニルアミン単位含有重合体の製造用組成物に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
[N−ビニルカルボン酸アミド(共)重合体]
本発明において用いられるN−ビニルカルボン酸アミドは、一般式CH2=CH−NHCORで示される。式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。具体的にはN−ビニルホルムアミド(R=H)やN−ビニルアセトアミド(R=CH3)、その他N−ビニルプロピオン酸アミド、N−ビニル酪酸アミド等が例示されるが、ポリビニルアミンへの誘導のし易さからN−ビニルホルムアミドが好ましい。
【0012】
N−ビニルカルボン酸アミドは、必要に応じエチレン性不飽和結合を有する任意のモノマーと共重合させることが可能である。共重合させ得るモノマーとしては、具体的には(メタ)アクリル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸のC1〜C4アルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−C1〜C4アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジC1〜C4アルキル(メタ)アクリルアミド、ジC1〜C4アルキルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびその塩あるいは4級化物、ジC1〜C4アルキルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびその塩あるいは4級化物、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル等が例示される。
【0013】
本発明のN−ビニルカルボン酸アミド(共)重合体を製造するためのモノマー組成物におけるN−ビニルカルボン酸アミドの含有割合は、目的とする(共)重合体にもよるが、通常、N−ビニルカルボン酸アミドは少なくとも5モル%であり、好ましくは10モル%以上、より好ましくは50モル%以上、更に好ましくは90モル〜100モル%である。
【0014】
モノマー組成物の重合においては公知の任意の方法を使用しうる。例えば、特開平5−97931号公報に示されるような逆相懸濁重合、特開昭63−165412号公報に示されるような沈殿重合、特開平5−117313号公報に示されるような逆相乳化重合、特開昭61−118406号公報に示されるような水溶液重合、WO2000/58378に示されるような水溶液断熱重合、特公平6−804号公報に示されるような光シート重合等が挙げられる。特に、高分子量の製品が生産性よく得られる光シート重合や水溶液断熱重合が好ましい。中でも、光シート重合はモノマー濃度を高くすることができ、高分子量のものが容易に得られ、また後の乾燥工程での負荷が少なく有利である。
【0015】
重合後の残存N−ビニルカルボン酸アミド量が多いと、後の工程でよりゲル化しやすいため好ましくない。モノマー残存量が多い場合は、適切な溶媒等で抽出除去することも可能であるが、歩留の点から考えると、重合転化率をより高くする方が好ましい。N−ビニルカルボン酸アミドの転化率は、少なくとも90%が必要であり、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上である。
【0016】
得られた(共)重合体はその重合法に応じて水やその他の有機溶媒を含有しているが、本発明で使用する場合は、これを任意の方法で乾燥し粉末化することが好ましい。乾燥粉末化することにより、取り扱い性よく安定に保存、輸送することができる。また、加水分解において粉末(共)重合体を水性媒体に溶解させる際、比表面積が大きいので短時間で均一に溶解することが可能である。乳化重合、懸濁重合、沈殿重合によって得られた重合体は粒子状であり、そのまま、あるいは粉砕後、乾燥することによって粉末を得ることができる。また水溶液重合や光シート重合では通常、ゲル状の重合体塊として得られるので、ゲルを粉砕し、乾燥することによって粉末を得ることができる。
【0017】
乾燥条件は粉末として扱える限り任意に定めうるが、粉末中における揮発分量が0.1〜15(重量)%であるのが好ましく、より好ましくは1〜10(重量)%、さらに好ましくは2〜8(重量)%である。揮発分量が多いと粉末が固着しやすく、また粒子が柔らかく粉砕しにくい場合がある。逆に揮発分量を減らしすぎると乾燥に過大な熱量と時間が必要であることに加え、過熱による重合体の劣化が懸念される。
【0018】
重合体粉末の粒度は任意に定めうるが、大きすぎると溶解に時間がかかり、小さすぎると溶解時にいわゆるママコの発生や微粉による作業環境の悪化の原因となるので好ましくない。4メッシュパス〜500メッシュオンであることが好ましく、更に好ましくは10メッシュパス〜100メッシュオンの範囲に80%以上、より好ましくは90%以上入っていることが好ましい。
【0019】
本発明で適用するN−ビニルカルボン酸アミド(共)重合体は高分子量であることが望ましい。該(共)重合体の分子量は、1規定の食塩水中、25℃における0.1g/dl水溶液の還元粘度(以下ηsp/Cと記載する)の値を指標とした場合、還元粘度(ηsp/C)は7以上が望ましく、好ましくは8以上、さらに好ましくは9以上である。
【0020】
[加水分解]
N−ビニルカルボン酸アミド(共)重合体の一部または全部を加水分解し、ポリビニルアミンに転換する。
本発明では、加水分解反応はアルカリの存在下で行うことが必須である。アルカリの種類はN−ビニルカルボン酸アミド(共)重合体を加水分解しうるものであれば制限はないが、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が例示される。これらのアルカリは単独でも混合物として用いてもよい。アルカリの量は所望の加水分解率によって異なり、画一的に決められないが、目的とするポリビニルアミン中のビニルアミン重合単位(ユニット)に対して10〜1倍当量用いるのがよい。
【0021】
加水分解反応系中にN−ビニルカルボン酸アミドよりも加水分解されやすい物質が共存する場合は、当然それを相殺する量を過剰に用いる必要がある。
これらのアルカリは、(共)重合体粉末を水性媒体に溶解するより前に、予め溶解しておくことが好ましい。後から溶解したり追加したりすることも勿論可能だが、重合体溶液は粘度が極めて大きいので、アルカリを後から加えると均一な混合・溶解に長時間を要し非効率的である。
【0022】
水性媒体としては水が適しているが、(共)重合体の組成によって溶解性が異なるので、場合により(共)重合体の溶解性を調節するために水と相溶性のある他の有機溶媒を含有する水性媒体を使用しても差し支えない。このような有機溶媒としては具体的に、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル等が挙げられる。
また、水性媒体中には、溶液粘度を調整する作用がある中性塩類を含有していても良い。塩類として具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛等の塩化物、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム等の硫酸塩、燐酸ナトリウム、燐酸アンモニウム等の燐酸塩、酢酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム等の有機酸塩類等が挙げられる。これらの塩の水性媒体中における濃度は、通常1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%程度である。
【0023】
本発明におけるゲル化防止剤としては公知の任意の化合物を使用しうるが、還元性を有し、アルカリ性条件下において安定で、かつアルデヒド捕捉能を有するものを使用することが必要である。このような還元性ゲル化防止剤として具体的には、亜二チオン酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、二亜硫酸塩、ロンガリット(スルホキシル酸塩ホルムアルデヒド付加物)、二酸化チオ尿素、水素化ホウ素ナトリウム等が例示される。ゲル化防止剤が塩の場合、対塩の種類は任意に選ぶことができ、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が例示される。これらのゲル化防止剤は任意の一種類以上を混合物として使用しうる。又、簡便にはこれらのゲル化防止剤は、市販品の中かれ適宜選択使用しても良い。
【0024】
これらの還元性ゲル化防止剤の中で、アルデヒドの捕捉能力の点では亜二チオン酸塩、ロンガリット、二酸化チオ尿素、水素化ホウ素ナトリウムが特に優れている。亜硫酸塩、重亜硫酸塩、二亜硫酸塩はアルデヒド捕捉能力が他のゲル化防止剤に比べてやや弱いので、幾分多く使用する必要がある。また、亜二チオン酸塩は空気中でやや不安定であるので、取り扱いに注意を要し、水素化ホウ素ナトリウムは、反応中および製品保存中に水素気泡を発生することがあり注意を要する。従って、比較的安定性が高いロンガリット、二酸化チオ尿素がより好ましく、最も安定性の高い二酸化チオ尿素が更に好ましい。
【0025】
還元性ゲル化防止剤の添加量は、(共)重合体中の残存モノマー量にもよるが、(共)重合体に対して通常0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜5重量%である。
【0026】
還元性ゲル化防止剤は、(共)重合体粉末を水性媒体に溶解する以前に、予め溶解しておくことが好ましい。後から溶解したり追加したりすることも勿論可能だが、(共)重合体溶液は粘度が極めて大きいので、ゲル化防止剤を後から加えると均一な混合・溶解が難しい。
還元性ゲル化防止剤はまた、(共)重合体粉末とともに同時に水性媒体に溶解させてもよい。
【0027】
本発明で使用するゲル化防止剤は通常、粉末として市販されているので、(共)重合体粉末に配合して組成物とすることができる。本発明で用いるゲル化防止剤の中で比較的安定なゲル化防止剤を用いることにより、組成物として長期間保存することができ有利である。この組成物は簡便に取り扱い可能であり、(共)重合体に対するゲル化防止剤の配合比率もその種類によりほぼ一定しているので、組成物をそのままアルカリ水溶液に溶解し、加水分解に供することができる。
従って、ポリビニルアミンの使用場所、時期に応じて組成物をその場で加水分解し所望のポリビニルアミン溶液を取得することが出来るので、高粘性の加水分解液の輸送、貯蔵等の問題を回避出来、取扱性、経済性の観点からも有利である。
【0028】
(共)重合体粉末の均一な加水分解を行うためには、水性媒体に均一に溶解してから反応を行う必要がある。溶液中の重合体濃度は溶解装置の能力と製造効率、輸送費等の経済性との兼ね合いで決められるが、通常は0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは1〜15重量%である。
【0029】
溶解装置の形式は特に限定されないが、高粘度液体を効果的に攪拌できることが必須である。具体的には、攪拌槽式、ポンプ式、押出機式、捏和式などの固液混合装置が使用しうる。また、高分子の均一溶解に適した装置として、特開平8−229378号公報や特開平11−262645号公報に示されたような装置や、コミトロール(アーシェル社製:商品名)のように、スクリーンを通して溶解液を透過できる装置を使用するとより均一に溶解することができ、好適である。
【0030】
(共)重合体を溶解した後、溶解液を加熱して加水分解を行う。加水分解の条件は重合体濃度、アルカリ濃度によって異なるが、反応温度は、通常30〜180℃であり、好ましくは40〜140℃、さらに好ましくは50〜100℃である。加熱時間は所望の加水分解率に応じて定めればよいが、高温で長時間加熱すると劣化を促進するおそれがあるので48時間以内が望ましく、好ましくは24時間以内、さらに好ましくは12時間以内である。ゲル化防止をより効果的に行うために、初期はやや低温で反応を行うことは好適である。初期反応の条件は通常30〜60℃において、0.5〜24時間行うことが好ましい。その後、加水分解に適した温度に昇温して反応を継続する。
【0031】
加水分解に使用する装置は、重合体溶液を加熱できるものであれば特に制限されない。通常は、攪拌槽式、ポンプ式、押出機式、捏和式などの高粘度液体の攪拌に適した装置を用い、外部から温水、蒸気、熱オイル等の熱媒によって加熱する方法が取られる。重合体の溶解を行った装置で、引き続き反応を行ってもよい。
一方、反応温度を高くすれば、ごく短い加熱時間でも加水分解は可能であり、その場合は装置の選択がより幅広くなる。例えば多管式、プレート式、濡壁式、薄膜式等の熱交換器や、マイクロウエーブ、赤外線等による加熱が挙げられる。
【0032】
加水分解反応は、上記のような加熱装置を用いて、ポリビニルアミンの使用場所、すなわち製紙工場や、廃水処理施設において行うことが可能である。すなわち、(共)重合体を粉末で搬入し、ゲル化防止剤と共に溶解液を調整した後、要時に加熱加水分解し、使用機器、すなわち抄紙装置や廃水処理装置に直接導入することが可能である。(共)重合体とゲル化防止剤は別々に搬送し、溶解液を調整してもよいが、所定割合のゲル化防止剤を配合した本発明のN−ビニルカルボン酸アミド組成物を使用すれば、更に有利である。ポリビニルアミンの使用場所における要時製造は、希薄なポリビニルアミン水溶液の製造、貯蔵のための大きな設備を保有する必要がない。また、使用場所までは重合体粉末として固体輸送できるので、希薄な溶液を輸送する必要がなく、輸送コストを低減でき経済的に有利である。さらに劣化しやすいポリビニルアミン水溶液を長期保存する必要がないので、品質的にも有利である。このように要時調製したポリビニルアミン水溶液は、使用機器への導入直前にさらに希釈、pH調整、他の薬剤の添加等を行っても良い。
【0033】
特に製紙工業での抄紙薬剤、廃水処理での凝集剤などとして用いる場合には、高分子量のポリビニルアミンが有効であるとされている。ポリビニルアミンの分子量は、1規定の食塩水中、25℃における0.1g/dl水溶液(塩酸塩として)の還元粘度(以下ηsp/Cと記載する)の値を指標とした場合、還元粘度(ηsp/C)は4以上が望ましく、好ましくは5以上、さらに好ましくは6以上が望ましい。
【0034】
本発明によれば、高分子量のポリビニルアミン溶液を、アルカリ性条件下で工業的に効率よく製造することができる。アルカリ条件での合成は、製品の製造、輸送、貯蔵、使用における装置上の制約が少なく有利である。また装置の選択の余地が幅広くなる結果、加水分解反応を製紙工場や廃水処理施設において行うことも可能となり、経済的、品質的に有利である。
また、N−ビニルカルボン酸アミド含有重合体粉末と、ゲル化防止剤を含有する組成物は、長期間保存することができ、簡便に取り扱い可能であり、そのままアルカリ水溶液に溶解し、加熱することでポリビニルアミン水溶液を得ることができる。この方法によればポリビニルアミンを使用場所において要時に製造可能であり、希薄なポリビニルアミン水溶液の製造、貯蔵のための大きな設備を保有する必要がなく、さらに輸送コストも低減でき経済的に有利である。また劣化しやすいポリビニルアミン水溶液を長期保存する必要がないので、品質的にも有利である。
【0035】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において重合体の物性は、以下の方法により測定した。
【0036】
<還元粘度の測定>
重合体サンプルを1規定の食塩水中に、純分0.1g/dlの濃度に溶解し、25℃において、オストワルド粘度計を用いて流下時間を測定した。同様に、1規定食塩水の流下時間を測定し、次式によって還元粘度を求めた。
【数1】
還元粘度(ηsp/C)=(t−t0)/t0/0.1 [dl/g]
t:サンプル溶液の流下時間(秒)
t0:1規定食塩水の流下時間(秒)
【0037】
<重合転化率の測定>
重合体粉末をメタノール水で抽出し、抽出液を液体クロマトグラフィーを用いて分析した。主たる不純物として、N−ビニルカルボン酸アミドと、N−ビニルカルボン酸アミドの水付加体が検出され、これらの合計をN−ビニルカルボン酸アミド換算で求めて残存モノマー量とし、後述の方法で別途求めた揮発分量を補正して転化率を算出した。
【0038】
<揮発分量>
重合体粉末を105℃で90分加熱し、減少分を重量法で求めた。
【0039】
<カチオン当量の測定>
ポリビニルアミンサンプルを脱塩水に溶解し、pH=2.5において、トルイジンブルーを指示薬として、1/400規定のPVSK溶液により滴定した。
<ポリビニルアミンの還元粘度の測定>
ポリビニルアミン溶液に、6規定の塩酸を加えて酸性とした後、アセトンを加えてポリマーを再沈した。さらに、アセトンで脱水後、乾燥粉砕してポリビニルアミン粉末を回収した。
ポリビニルアミン粉末の還元粘度の測定は、重合体の還元粘度の測定と同様、1規定の食塩水中に、純分0.1g/dlの濃度に溶解し、25℃において、オストワルド粘度計を用いて流下時間を測定して求めた。
【0040】
[重合体の合成例]
合成例1:重合体Aの合成
モノマーとしてN−ビニルホルムアミド333.3g(純度99%)、開始剤としてジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド0.11g、塩化アンモニウム5.5g、サニゾールB50(商品名;(株)花王製;塩化ベンザルコニウム系界面活性剤、純度50%)0.55g、AF108(商品名;東邦化学(株)製;界面活性剤)0.055g、脱塩水210.5gを均一に溶解してモノマー溶液を調製し、窒素ガスを通気して溶存酸素を除去した。
【0041】
底面がステンレス製のトレー状容器(底面235mm×235mm)の底面に、ポリエチレンテレフタレートフィルム(ベースフィルム12μm厚、PVDCコート4μm厚)を敷き、ここに前記モノマー溶液を入れ、上部をポリエチレンテレフタレートフィルムでカバーした。上方より蛍光ケミカルランプを照射面で3W/m2の強度になるように照射した。照射期間中は、容器のステンレス面に10℃の冷水を噴霧して重合熱を除熱した。照射前に15℃であった温度は、90分後に最高42℃に達した。照射開始後から120分後、照射強度を6.5W/m2に上げ、さらに60分間重合を継続した。N−ビニルホルムアミド重合体である無色透明なゲルが得られた。
【0042】
ゲルをミートチョッパで粉砕し、粒径が約4〜5mmの粒子とした後、80℃の通風乾燥機で2時間乾燥した。その後、1mmφのスクリーンを有する回転式粉砕器で再粉砕し、N−ビニルホルムアミド重合体の粉末を得た。揮発分量は4.7%、重合転化率は98.7%であった。また還元粘度は11.6[dl/g]であった。この生成重合体を重合体Aとした。
【0043】
合成例2:重合体Bの合成
上記合成例1において、開始剤としてイルガキュア1700(商品名:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.275gを用いた以外は合成例1と同様にして、モノマー溶液を調整し、重合操作を行った。6.5W/m2の照射強度で80分、60W/m2の照射強度で10分重合した。照射前に13℃であった温度は、57分後に70℃に達した。得られたゲルを粉砕、乾燥、再粉砕し、N−ビニルホルムアミド重合体の粉末を得た。揮発分量は6.0%、重合転化率は99.9%であった。また還元粘度は10.8[dl/g]であった。この生成重合体を重合体Bとした。
【0044】
(実施例1)
攪拌機を有するガラス製セパラブルフラスコに、脱塩水275.2gを入れ、水酸化ナトリウム8.45gを溶解した。ここに上記合成例1で合成した重合体A15.7g(純分として15g)と、ゲル化防止剤として亜二チオン酸ナトリウム0.75gを加えた。室温で30分攪拌後、50℃に昇温した。2時間後、さらに80℃に昇温し、80℃で2時間保持して加水分解を行った。冷却後、内容物を取り出した。生成物は均一な溶液(ポリビニルアミン水溶液)で、流動性に優れたものであった。生成物の物性を表1に示す。
【0045】
(実施例2〜5)
ゲル化防止剤として亜二チオン酸ナトリウムの代わりに、表1に示す化合物を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って生成物を得た。生成物の物性を表1に示す。
【0046】
(比較例1)
ゲル化防止剤を用いない以外は実施例1と同様の操作を行った。50℃に昇温した段階で内容物はゲル化し攪拌不可能であり、さらに80℃に昇温してもゲルのままであった。
【0047】
(比較例2)
攪拌機を有するガラス製セパラブルフラスコに、脱塩水271.7gを入れ、塩化アンモニウム2.36gと水酸化ナトリウム1.76gを溶解して系中でアンモニア(理論量0.75g)を発生させた。ついで水酸化ナトリウム8.45gを溶解した。ここに重合体A15.7g(純分として15g)を加えた。室温で30分攪拌後、50℃に昇温した。内容物の粘度は急激に上昇してゲル化し、攪拌不可能であった。2時間後、さらに80℃に昇温したが、内容物はゲルのままであった。従って、アンモニアのゲル化防止効果は不十分であることがわかった。
【0048】
【表1】
【0049】
尚、表1に於いて、製品粘度に差異が生じるのは、その詳細は必ずしも明らかではないが、ゲル化防止剤の性能の違いにより加水分解後の生成液は、外見上均一液相で流動性は保持されているが、加水分解時に架橋反応等の何らかの副次的反応が生じたことによるものと推測される。
【0050】
(実施例5)
攪拌機を有するガラス製セパラブルフラスコに、脱塩水275.4gを入れ、水酸化ナトリウム8.45gを溶解し、ここに上記合成例2で合成した重合体B16g(純分として15g)と、ゲル化防止剤として亜二チオン酸ナトリウム0.15gを加えた。室温で3時間攪拌後、80℃に昇温し、80℃で2時間保持して加水分解を行った。冷却後、内容物を取り出した。生成物は均一な溶液で、流動性に優れたものであった。生成物の物性を表2に示す。
【0051】
(実施例6)
ゲル化防止剤として亜二チオン酸ナトリウムに代えて、二酸化チオ尿素を用いた以外は実施例5と同様の操作を行って生成物を得た。生成物の物性を表2に示す。
【0052】
(実施例7)
重合体B16gと二酸化チオ尿素0.15gを混合し、重合体粉末組成物を調整した。該組成物を、空気中、50℃で48時間加熱した。
攪拌機を有するガラス製セパラブルフラスコに、脱塩水275.4gを入れ、水酸化ナトリウム8.45gを溶解し、ここに上記重合体粉末組成物全量を加えた。室温で3時間攪拌後、80℃に昇温し、80℃で2時間保持して加水分解を行った。冷却後、内容物を取り出した。生成物は均一な溶液で、流動性に優れたものであった。生成物の物性を表2に示す。この結果は、重合体粉末とゲル化防止剤との組成物は安定に保存しうることを示す。
【0053】
(比較例3)
ゲル化防止剤を用いない以外は、実施例5と同様の操作を行った。生成物の粘度は高く一部不均一であり、部分的にゲル化していると推定された。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、高分子量のポリビニルアミン溶液をアルカリ性条件下で工業的に効率よく製造することができる。このような高分子量のポリビニルアミンは、水処理分野、特に廃水処理での凝集剤、製紙工業での抄紙薬剤などの各種分野で広い応用が可能であり有用である。
また、N−ビニルカルボン酸アミド含有重合体粉末と、ゲル化防止剤を含有する組成物は、長期間保存することができ、簡便に取り扱い可能であり、そのままアルカリ水溶液に溶解し、加熱することでポリビニルアミン水溶液を得ることができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a polymer containing a vinylamine unit (hereinafter sometimes simply referred to as polyvinylamine). Specifically, in the water treatment field, particularly a flocculant in wastewater treatment, a high molecular weight polyvinylamine useful as a papermaking agent in the papermaking industry, etc., is industrially efficiently used, and a production method for obtaining high quality and used therefor. The present invention relates to a polymer composition containing an N-vinylcarboxylic acid amide unit.
[0002]
[Prior art]
Polyvinylamine is a useful substance widely used as a flocculant, a papermaking agent, a fiber treatment agent, a paint additive, and the like. In particular, when used as a flocculant in wastewater treatment, a papermaking chemical in the papermaking industry, etc., high molecular weight polyvinylamine is considered to be effective.
In general, polyvinylamine is obtained by converting a polymer or copolymer of N-vinylcarboxylic acid amide (hereinafter, both are collectively referred to as a (co) polymer) in the presence of an acid or an alkali in whole or in part. Obtained by decomposition. However, when an aldehyde is mixed in the hydrolysis step, the aldehyde reacts with an amino group in polyvinylamine to form a crosslink, thereby producing a water-insoluble gel. The aldehyde in question is mainly an aldehyde, for example, acetaldehyde, generated from the N-vinylcarboxylic amide of the monomer remaining in the polymerization step of the (co) polymer in the drying step or hydrolysis step of the (co) polymer.
[0003]
Various methods have been proposed to prevent the crosslinking reaction due to such residual monomers. These methods basically include adding an oxidizing agent, a reducing agent, and an aldehyde scavenger as a gelling inhibitor before, during, or after the hydrolysis reaction. For example, JP-A-5-117313 proposes a method in which a gelling inhibitor is added to a reverse phase emulsion of an N-vinylformamide polymer obtained by water-in-oil emulsion polymerization. JP-A-5-125109 proposes a method in which N-vinylformamide is subjected to reverse phase suspension polymerization in an organic solvent such as cyclohexane, and then a gelling inhibitor is added. JP-A-5-86127 discloses a method in which N-vinylformamide copolymer is subjected to reverse phase suspension polymerization in cyclohexane, and then hydroxylamine is added as a gelling inhibitor.
[0004]
Furthermore, JP-A-6-122712 discloses that a (co) polymer is obtained in a gel state, which is then crushed and hydrolyzed in the form of gel particles, in which case an anti-gelling agent is added. A way to do that has been proposed. A common feature of these methods is that the anti-gelling agent is added to the emulsified, suspended or granular polymer, so that it can be mixed with the reaction system relatively easily. In addition, hydrolysis and addition of an anti-gelling agent are all carried out under acidic conditions. Desirable polyvinylamines include those obtained as a heterogeneous liquid such as an emulsion or a powder.
[0005]
The hydrolysis of the N-vinylcarboxylic acid amide (co) polymer to polyvinylamine can be carried out with either an acid or an alkali. However, in acid hydrolysis, corrosion resistance is required for all equipment piping related to production, transportation, storage, and use, whereas under alkaline conditions, ordinary steel or stainless steel equipment piping can be used. Since it is possible, it is industrially advantageous to carry out the reaction under alkaline conditions.
[0006]
As a product form of polyvinylamine, a solution is advantageous. In the production of a powder product, a step of drying a wet polyvinylamine powder is essential. However, during drying, the quality is deteriorated due to partial heating, and the solubility may be deteriorated. Such deterioration is a very important problem particularly in paper chemicals that require high solubility. For the above reasons, it is desirable that the alkaline and homogeneous solution obtained by alkaline hydrolysis be in a form to be used as a product.
[0007]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-118406 discloses a method for producing a polyvinylamine solution by alkaline hydrolysis, stating that it is effective to use ammonia, amine or the like as a gelling inhibitor in the hydrolysis. However, when an attempt is made to obtain a high molecular weight polyvinylamine from an N-vinylcarboxylic acid amide (co) polymer, particularly a high molecular weight (co) polymer, the effects of these gelling inhibitors are not sufficient. It may gel.
[0008]
In general, a high-molecular-weight N-vinylcarboxylic acid amide (co) polymer or polyvinylamine solution has an extremely high viscosity, so that even if an anti-gelling agent is added, it is difficult to mix uniformly even in operation. In some cases, the gelling inhibitor was unevenly distributed, and only an insufficient effect could be achieved.
In addition, many gelling inhibitors considered to be effective for the production of polyvinylamine, for example, hydroxylamine salts, aminoguanidine, phenylhydrazine, etc., exhibit an aldehyde-trapping effect only on the acidic side. Therefore, in order to carry out alkali hydrolysis using these gelling inhibitors, it is necessary to once carry out an aldehyde scavenging treatment on the acidic side and then mix an alkali for hydrolysis. However, the addition of an alkali to a high-viscosity solution has a problem that it is difficult to uniformly mix and dissolve, and it takes a long time for the dissolution, and there is a problem that the quality of the product is not stable due to uneven distribution of the alkali. . Further, there is a disadvantage that the operation becomes complicated such as removal of heat of the neutralization reaction.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides an industrially advantageous method for producing a polyvinylamine solution by hydrolyzing a high-molecular-weight N-vinylcarboxylic acid amide (co) polymer under alkaline conditions. The present invention provides an N-vinylcarboxylic acid amide (co) polymer composition for hydrolysis useful for producing a polyvinylamine solution according to the place and time of use.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies in view of the above problems, and as a result, produced a high-molecular-weight polyvinylamine solution industrially and efficiently by hydrolysis under alkaline conditions in the presence of a specific anti-gelling agent. The present inventors have found a method for performing the method and have arrived at the present invention.
That is, the gist of the present invention is to dissolve a polymer powder containing N-vinyl carboxylic acid amide as a polymerized unit in an alkaline aqueous medium in the presence of a reducing gelling inhibitor, and then heat the resulting solution to form a solution. The present invention resides in a method for producing a vinylamine unit-containing polymer solution characterized by hydrolyzing a polymer, and another gist of the present invention is to provide a dry powder of a polymer containing N-vinylcarboxylic acid amide as a polymer unit. A composition for producing a vinylamine unit-containing polymer, comprising a reducing gelation inhibitor.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
[N-vinylcarboxylic acid amide (co) polymer]
The N-vinylcarboxylic acid amide used in the present invention has the general formula CH 2 = CH-NHCOR. In the formula, R represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms, and examples of the alkyl group include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, and a butyl group. Specifically, N-vinylformamide (R = H) and N-vinylacetamide (R = CH 3 ), N-vinylpropionic amide, N-vinylbutyric amide, etc., and N-vinylformamide is preferred because of easy induction into polyvinylamine.
[0012]
The N-vinylcarboxylic acid amide can be copolymerized with any monomer having an ethylenically unsaturated bond, if necessary. Specific examples of the monomer that can be copolymerized include (meth) acrylic acid and salts thereof, and C (meth) acrylic acid. 1 ~ C 4 Alkyl ester, (meth) acrylonitrile, (meth) acrylamide, N-C 1 ~ C 4 Alkyl (meth) acrylamide, N, N-di C 1 ~ C 4 Alkyl (meth) acrylamide, di-C 1 ~ C 4 Alkylaminoethyl (meth) acrylamide and its salts or quaternary compounds, di-C 1 ~ C 4 Examples thereof include alkylaminopropyl (meth) acrylamide and a salt or quaternary compound thereof, diacetone acrylamide, N-vinylpyrrolidone, N-vinylcaprolactam, and vinyl acetate.
[0013]
Although the content ratio of N-vinylcarboxylic acid amide in the monomer composition for producing the N-vinylcarboxylic acid amide (co) polymer of the present invention depends on the target (co) polymer, it is usually N -Vinylcarboxylic acid amide is at least 5 mol%, preferably 10 mol% or more, more preferably 50 mol% or more, and still more preferably 90 mol to 100 mol%.
[0014]
In the polymerization of the monomer composition, any known method can be used. For example, reverse-phase suspension polymerization as described in JP-A-5-99731, precipitation polymerization as described in JP-A-63-165412, and reverse-phase suspension polymerization as described in JP-A-5-117313. Examples include emulsion polymerization, aqueous solution polymerization as described in JP-A-61-118406, adiabatic aqueous solution polymerization as described in WO2000 / 58378, and optical sheet polymerization as described in JP-B-6-804. . In particular, optical sheet polymerization or aqueous solution thermal polymerization, which can produce a high molecular weight product with high productivity, is preferable. Above all, the light sheet polymerization is advantageous because the monomer concentration can be increased, a high molecular weight one can be easily obtained, and the load in the subsequent drying step is small.
[0015]
It is not preferable that the amount of residual N-vinylcarboxylic acid amide after polymerization is large, because gelation is more likely to occur in a subsequent step. When the residual amount of the monomer is large, it is possible to extract and remove it with an appropriate solvent or the like, but from the viewpoint of yield, it is preferable to increase the polymerization conversion rate. The conversion of N-vinylcarboxylic acid amide must be at least 90%, preferably 95% or more, more preferably 98% or more, and further preferably 99% or more.
[0016]
The obtained (co) polymer contains water and other organic solvents depending on the polymerization method, but when used in the present invention, it is preferable to dry and powder it by any method. . By dry powdering, it can be stably stored and transported with good handleability. In addition, when the powder (co) polymer is dissolved in the aqueous medium in the hydrolysis, the powder (co) polymer can be uniformly dissolved in a short time because of its large specific surface area. The polymer obtained by emulsion polymerization, suspension polymerization, or precipitation polymerization is in the form of particles, and a powder can be obtained as it is or by pulverizing and then drying. In addition, in the case of aqueous solution polymerization or light sheet polymerization, since a gel-like polymer mass is usually obtained, a powder can be obtained by crushing and drying the gel.
[0017]
The drying condition can be arbitrarily determined as long as it can be handled as a powder. However, the volatile content in the powder is preferably 0.1 to 15 (weight)%, more preferably 1 to 10 (weight)%, and still more preferably 2 to 10 (weight)%. 8% by weight. If the volatile matter content is large, the powder is likely to adhere, and the particles may be soft and difficult to grind. Conversely, if the amount of volatile components is excessively reduced, excessive heat and time are required for drying, and the polymer may be deteriorated due to overheating.
[0018]
The particle size of the polymer powder can be arbitrarily determined. However, if the particle size is too large, it takes a long time to dissolve. It is preferably 4 mesh passes to 500 mesh on, more preferably 80% or more, more preferably 90% or more in the range of 10 mesh pass to 100 mesh on.
[0019]
The N-vinylcarboxylic acid amide (co) polymer used in the present invention desirably has a high molecular weight. The molecular weight of the (co) polymer is the reduced viscosity of a 0.1 g / dl aqueous solution at 25 ° C. in 1N saline (hereinafter referred to as η). sp / C) as an index, the reduced viscosity (η sp / C) is desirably 7 or more, preferably 8 or more, and more preferably 9 or more.
[0020]
[Hydrolysis]
A part or all of the N-vinylcarboxylic acid amide (co) polymer is hydrolyzed and converted to polyvinylamine.
In the present invention, it is essential that the hydrolysis reaction be performed in the presence of an alkali. The type of alkali is not limited as long as it can hydrolyze the N-vinylcarboxylic acid amide (co) polymer, and specific examples thereof include sodium hydroxide, potassium hydroxide, lithium hydroxide, and calcium hydroxide. Illustrative are hydroxides of alkali metals or alkaline earth metals. These alkalis may be used alone or as a mixture. The amount of the alkali varies depending on the desired hydrolysis rate and cannot be determined uniformly, but it is preferably used in an amount of 10 to 1 times equivalent to the intended vinylamine polymerization unit in the polyvinylamine.
[0021]
When a substance which is more easily hydrolyzed than N-vinylcarboxylic acid amide coexists in the hydrolysis reaction system, it is naturally necessary to use an excess amount to offset it.
These alkalis are preferably dissolved in advance before dissolving the (co) polymer powder in the aqueous medium. It is of course possible to dissolve or add later, but since the polymer solution has an extremely high viscosity, if alkali is added later, it takes a long time for uniform mixing and dissolution, which is inefficient.
[0022]
Water is suitable as the aqueous medium, but since the solubility varies depending on the composition of the (co) polymer, another organic solvent compatible with water may be used to adjust the solubility of the (co) polymer in some cases. May be used. Specific examples of such organic solvents include methanol, ethanol, isopropanol, acetone, and acetonitrile.
Further, the aqueous medium may contain neutral salts having an effect of adjusting the solution viscosity. Specific examples of the salts include sodium chloride, potassium chloride, ammonium chloride, calcium chloride, chlorides such as zinc chloride, nitrates such as sodium nitrate and potassium nitrate, sulfates such as sodium sulfate and ammonium sulfate, sodium phosphate, ammonium phosphate and the like. Organic acid salts such as phosphate, sodium acetate, sodium formate and the like can be mentioned. The concentration of these salts in an aqueous medium is usually about 1 to 20% by weight, preferably about 2 to 10% by weight.
[0023]
As the gelling inhibitor in the present invention, any known compound can be used. However, it is necessary to use a compound which has a reducing property, is stable under alkaline conditions, and has an aldehyde scavenging ability. Specific examples of such a reducing gelation inhibitor include dithionites, sulfites, bisulfites, disulfites, Rongalite (sulfoxylate formaldehyde adduct), thiourea dioxide, and sodium borohydride. Etc. are exemplified. When the gelling agent is a salt, the type of counter salt can be arbitrarily selected, for example, alkali metal salts such as sodium, potassium and lithium, alkaline earth metal salts such as calcium, magnesium and zinc, and ammonium salts. Is exemplified. Any one or more of these gelling inhibitors may be used as a mixture. In addition, these gelling inhibitors may be conveniently selected from commercially available products.
[0024]
Among these reducing gelling inhibitors, dithionite, Rongalite, thiourea dioxide, and sodium borohydride are particularly excellent in terms of the ability to capture aldehydes. Sulfites, bisulfites, and disulfites need to be used somewhat more because their aldehyde scavenging capacity is somewhat weaker than other gelling inhibitors. In addition, dithionite is slightly unstable in the air, so care must be taken in handling it, and sodium borohydride may generate hydrogen bubbles during the reaction and during storage of the product, so care must be taken. Therefore, Rongalit and thiourea dioxide having relatively high stability are more preferable, and thiourea dioxide having the highest stability is further more preferable.
[0025]
The amount of the reducing gelation inhibitor added depends on the amount of residual monomers in the (co) polymer, but is usually 0.01 to 20% by weight, preferably 0.1 to 10% by weight, based on the (co) polymer. %, More preferably 0.2 to 5% by weight.
[0026]
It is preferable that the reducing gelation inhibitor is dissolved in advance before dissolving the (co) polymer powder in the aqueous medium. It is, of course, possible to dissolve or add it later, but since the (co) polymer solution has an extremely high viscosity, it is difficult to uniformly mix and dissolve it when the gelling inhibitor is added later.
The reducing gelling inhibitor may also be dissolved in the aqueous medium simultaneously with the (co) polymer powder.
[0027]
Since the gelling inhibitor used in the present invention is generally commercially available as a powder, it can be mixed with a (co) polymer powder to form a composition. By using a relatively stable anti-gelling agent among the anti-gelling agents used in the present invention, the composition can be advantageously stored for a long period of time. This composition can be easily handled, and the compounding ratio of the gelling inhibitor to the (co) polymer is almost constant depending on the type. Therefore, the composition is directly dissolved in an aqueous alkali solution and subjected to hydrolysis. Can be.
Therefore, the composition can be hydrolyzed in situ according to the place and time of use of polyvinylamine to obtain a desired polyvinylamine solution, so that problems such as transportation and storage of a highly viscous hydrolysis solution can be avoided. It is also advantageous from the viewpoints of handling efficiency and economy.
[0028]
In order to perform uniform hydrolysis of the (co) polymer powder, it is necessary to carry out the reaction after uniformly dissolving in an aqueous medium. The concentration of the polymer in the solution is determined depending on the capacity of the dissolution apparatus and the economic efficiency such as production efficiency and transportation cost, but is usually 0.1 to 30% by weight, preferably 0.5 to 20% by weight, and more preferably 0.5 to 20% by weight. Preferably it is 1 to 15% by weight.
[0029]
The type of the dissolution apparatus is not particularly limited, but it is essential that the high-viscosity liquid can be effectively stirred. Specifically, a solid-liquid mixing device such as a stirring tank type, a pump type, an extruder type, and a kneading type can be used. Apparatuses suitable for the uniform dissolution of a polymer include apparatuses such as those disclosed in JP-A-8-229378 and JP-A-11-262645, and Commitrol (trade name, manufactured by Earthchel Corporation). It is preferable to use a device that allows the dissolution liquid to pass through the screen, because the dissolution can be performed more uniformly.
[0030]
After dissolving the (co) polymer, the solution is heated to effect hydrolysis. The hydrolysis conditions vary depending on the polymer concentration and the alkali concentration, but the reaction temperature is usually 30 to 180 ° C, preferably 40 to 140 ° C, more preferably 50 to 100 ° C. The heating time may be determined according to the desired hydrolysis rate, but if heated at a high temperature for a long time, deterioration may be promoted. Therefore, the heating time is preferably within 48 hours, preferably within 24 hours, more preferably within 12 hours. is there. In order to more effectively prevent gelation, it is preferable to carry out the reaction at a slightly lower temperature in the initial stage. Preferably, the initial reaction is carried out usually at 30 to 60 ° C. for 0.5 to 24 hours. Thereafter, the temperature is raised to a temperature suitable for hydrolysis, and the reaction is continued.
[0031]
The apparatus used for the hydrolysis is not particularly limited as long as it can heat the polymer solution. Usually, a method of heating with a heating medium such as hot water, steam, hot oil or the like from outside using a device suitable for stirring a high viscosity liquid such as a stirring tank type, a pump type, an extruder type, and a kneading type is used. . The reaction may be subsequently carried out in an apparatus in which the polymer has been dissolved.
On the other hand, if the reaction temperature is increased, the hydrolysis can be performed even with a very short heating time, and in that case, the choice of the apparatus becomes wider. For example, a heat exchanger of a multi-tube type, a plate type, a wet wall type, a thin film type, or the like, or heating by microwave, infrared ray, or the like can be used.
[0032]
The hydrolysis reaction can be performed at the place where polyvinylamine is used, that is, at a paper mill or a wastewater treatment facility, using the above-described heating device. That is, the (co) polymer is carried in a powder form, and after adjusting the dissolution solution together with the gelling inhibitor, it is heated and hydrolyzed as needed, and can be directly introduced into the equipment used, that is, a papermaking apparatus or a wastewater treatment apparatus. is there. The (co) polymer and the anti-gelling agent may be separately transported to adjust the solution, but the N-vinylcarboxylic acid amide composition of the present invention containing a predetermined ratio of the anti-gelling agent may be used. It is even more advantageous if: The on-demand production of polyvinylamine at the place of use does not require large equipment for producing and storing a dilute aqueous solution of polyvinylamine. In addition, since the solid solution can be transported as a polymer powder to the place of use, there is no need to transport a dilute solution, and the transportation cost can be reduced, which is economically advantageous. Further, since it is not necessary to store the aqueous solution of polyvinylamine which easily deteriorates for a long period of time, it is advantageous in terms of quality. The aqueous polyvinylamine solution thus prepared as needed may be further diluted, pH-adjusted, or added with other chemicals immediately before introduction into the equipment to be used.
[0033]
In particular, high-molecular-weight polyvinylamine is said to be effective when used as a papermaking chemical in the papermaking industry, a flocculant in wastewater treatment, and the like. The molecular weight of polyvinylamine is determined by measuring the reduced viscosity (hereinafter referred to as η) of a 0.1 g / dl aqueous solution (as a hydrochloride) at 25 ° C. in 1 N saline. sp / C) as an index, the reduced viscosity (η sp / C) is desirably 4 or more, preferably 5 or more, and more preferably 6 or more.
[0034]
According to the present invention, a polyvinylamine solution having a high molecular weight can be industrially efficiently produced under alkaline conditions. Synthesis under alkaline conditions is advantageous because there are fewer restrictions on equipment in the production, transportation, storage and use of the product. Further, as a result of having a wider choice of equipment, the hydrolysis reaction can be performed in a paper mill or a wastewater treatment facility, which is economically and quality-effective.
Further, the composition containing the N-vinylcarboxylic acid amide-containing polymer powder and the gelling agent can be stored for a long period of time, can be easily handled, and can be dissolved in an aqueous alkali solution and heated as it is. Thus, an aqueous solution of polyvinylamine can be obtained. According to this method, polyvinylamine can be produced at the place of use as needed, and there is no need to have a large facility for producing and storing a dilute aqueous solution of polyvinylamine, and furthermore, the transportation cost can be reduced and the method is economically advantageous. is there. Further, since it is not necessary to store the aqueous solution of polyvinylamine which is easily deteriorated for a long period of time, it is advantageous in terms of quality.
[0035]
【Example】
Next, the present invention will be described in more detail with reference to examples, but the present invention is not limited to the following examples unless it exceeds the gist of the present invention.
In Examples and Comparative Examples, the physical properties of the polymers were measured by the following methods.
[0036]
<Measurement of reduced viscosity>
The polymer sample was dissolved in a 1N saline solution to a concentration of 0.1 g / dl of pure component, and the flow time was measured at 25 ° C. using an Ostwald viscometer. Similarly, the flow time of a 1N saline solution was measured, and the reduced viscosity was determined by the following equation.
(Equation 1)
Reduced viscosity (η sp / C) = (t−t) 0 ) / T 0 /0.1 [dl / g]
t: Flow time of sample solution (second)
t 0 : 1 Flowdown time of normal saline (seconds)
[0037]
<Measurement of polymerization conversion>
The polymer powder was extracted with aqueous methanol, and the extract was analyzed using liquid chromatography. As main impurities, N-vinyl carboxylic acid amide and a water-adduct of N-vinyl carboxylic acid amide were detected, and the total thereof was determined in terms of N-vinyl carboxylic acid amide to obtain a residual monomer amount, which was separately determined by a method described later. The conversion rate was calculated by correcting the obtained volatile content.
[0038]
<Volatile content>
The polymer powder was heated at 105 ° C. for 90 minutes, and the decrease was determined by a gravimetric method.
[0039]
<Measurement of cation equivalent>
A polyvinylamine sample was dissolved in demineralized water, and titrated with a 1/400 normal PVSK solution at pH = 2.5 using toluidine blue as an indicator.
<Measurement of reduced viscosity of polyvinylamine>
6N hydrochloric acid was added to the polyvinylamine solution to make it acidic, and then acetone was added to reprecipitate the polymer. Furthermore, after dehydration with acetone, it was dried and pulverized to collect polyvinylamine powder.
The measurement of the reduced viscosity of the polyvinylamine powder is performed in the same manner as in the measurement of the reduced viscosity of the polymer, by dissolving it in a 1N saline solution to a concentration of 0.1 g / dl of pure components, and using an Ostwald viscometer at 25 ° C. The flow time was measured and determined.
[0040]
[Synthesis example of polymer]
Synthesis Example 1: Synthesis of Polymer A
333.3 g (purity: 99%) of N-vinylformamide as a monomer, 0.11 g of diphenyl (2,4,6-trimethylbenzoyl) phosphine oxide as an initiator, 5.5 g of ammonium chloride, Sanizole B50 (trade name; Co., Ltd.) 0.55 g of benzalkonium chloride-based surfactant (purity: 50%), 0.055 g of AF108 (trade name; manufactured by Toho Chemical Co., Ltd .; surfactant) and 210.5 g of demineralized water are uniformly dissolved. To prepare a monomer solution, and nitrogen gas was passed to remove dissolved oxygen.
[0041]
A polyethylene terephthalate film (base film 12 μm thick, PVDC coat 4 μm thick) is spread on the bottom of a tray-shaped container (bottom 235 mm × 235 mm) made of stainless steel, the monomer solution is placed here, and the top is covered with the polyethylene terephthalate film. did. Fluorescent chemical lamp is applied from above to 3W / m on the irradiated surface 2 Irradiation. During the irradiation period, 10 ° C. cold water was sprayed on the stainless steel surface of the container to remove the heat of polymerization. The temperature, which was 15 ° C. before irradiation, reached a maximum of 42 ° C. after 90 minutes. 120 minutes after the start of irradiation, the irradiation intensity was 6.5 W / m. 2 And polymerization was continued for another 60 minutes. A colorless and transparent gel, which is an N-vinylformamide polymer, was obtained.
[0042]
The gel was pulverized with a meat chopper to obtain particles having a particle size of about 4 to 5 mm, and then dried for 2 hours using a ventilation dryer at 80 ° C. Thereafter, the powder was re-pulverized with a rotary pulverizer having a 1 mmφ screen to obtain N-vinylformamide polymer powder. The volatile content was 4.7%, and the polymerization conversion was 98.7%. The reduced viscosity was 11.6 [dl / g]. This produced polymer was designated as polymer A.
[0043]
Synthesis Example 2: Synthesis of polymer B
In the above Synthesis Example 1, a monomer solution was prepared and polymerization was carried out in the same manner as in Synthesis Example 1 except that 0.275 g of Irgacure 1700 (trade name: manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was used as an initiator. . 6.5W / m 2 80 minutes at an irradiation intensity of 60 W / m 2 At an irradiation intensity of 10 minutes. The temperature, which was 13 ° C. before irradiation, reached 70 ° C. after 57 minutes. The obtained gel was pulverized, dried and re-pulverized to obtain N-vinylformamide polymer powder. The volatile content was 6.0%, and the polymerization conversion was 99.9%. The reduced viscosity was 10.8 [dl / g]. This produced polymer was designated as polymer B.
[0044]
(Example 1)
275.2 g of demineralized water was placed in a glass separable flask having a stirrer, and 8.45 g of sodium hydroxide was dissolved. Here, 15.7 g (15 g as a pure component) of the polymer A synthesized in Synthesis Example 1 above and 0.75 g of sodium dithionite as a gelling inhibitor were added. After stirring at room temperature for 30 minutes, the temperature was raised to 50 ° C. After 2 hours, the temperature was further raised to 80 ° C., and the mixture was kept at 80 ° C. for 2 hours to perform hydrolysis. After cooling, the contents were removed. The product was a homogeneous solution (aqueous solution of polyvinylamine) with excellent fluidity. Table 1 shows the physical properties of the product.
[0045]
(Examples 2 to 5)
A product was obtained by performing the same operation as in Example 1 except that the compounds shown in Table 1 were used instead of sodium dithionite as a gelling inhibitor. Table 1 shows the physical properties of the product.
[0046]
(Comparative Example 1)
The same operation as in Example 1 was performed except that no gelling agent was used. At the stage when the temperature was raised to 50 ° C, the contents gelled and could not be stirred, and even when the temperature was raised to 80 ° C, the gel remained.
[0047]
(Comparative Example 2)
271.7 g of demineralized water was placed in a glass separable flask having a stirrer, and 2.36 g of ammonium chloride and 1.76 g of sodium hydroxide were dissolved to generate ammonia (theoretical amount: 0.75 g) in the system. Then, 8.45 g of sodium hydroxide was dissolved. To this was added 15.7 g of polymer A (15 g as a pure component). After stirring at room temperature for 30 minutes, the temperature was raised to 50 ° C. The viscosity of the contents rapidly increased and gelled, and stirring was impossible. After 2 hours, the temperature was further raised to 80 ° C., but the contents remained a gel. Therefore, it was found that the effect of preventing ammonia from gelling was insufficient.
[0048]
[Table 1]
[0049]
The difference in product viscosity in Table 1 is not always clear, but due to the difference in the performance of the anti-gelling agent, the product solution after hydrolysis flows in an apparently uniform liquid phase. It is supposed that some side reaction such as a cross-linking reaction occurred during the hydrolysis, although the property was maintained.
[0050]
(Example 5)
In a glass separable flask having a stirrer, 275.4 g of demineralized water was added, and 8.45 g of sodium hydroxide was dissolved. Then, 16 g of the polymer B synthesized in Synthesis Example 2 described above (15 g as a pure component) was gelled. 0.15 g of sodium dithionite was added as an inhibitor. After stirring at room temperature for 3 hours, the temperature was raised to 80 ° C., and the mixture was kept at 80 ° C. for 2 hours to perform hydrolysis. After cooling, the contents were removed. The product was a homogeneous solution with excellent fluidity. Table 2 shows the physical properties of the product.
[0051]
(Example 6)
A product was obtained by performing the same operation as in Example 5 except that thiourea dioxide was used instead of sodium dithionite as a gelling inhibitor. Table 2 shows the physical properties of the product.
[0052]
(Example 7)
16 g of polymer B and 0.15 g of thiourea dioxide were mixed to prepare a polymer powder composition. The composition was heated in air at 50 ° C. for 48 hours.
275.4 g of demineralized water was put into a glass separable flask having a stirrer, and 8.45 g of sodium hydroxide was dissolved. The whole amount of the polymer powder composition was added thereto. After stirring at room temperature for 3 hours, the temperature was raised to 80 ° C., and the mixture was kept at 80 ° C. for 2 hours to perform hydrolysis. After cooling, the contents were removed. The product was a homogeneous solution with excellent fluidity. Table 2 shows the physical properties of the product. This result indicates that the composition of the polymer powder and the anti-gelling agent can be stored stably.
[0053]
(Comparative Example 3)
The same operation as in Example 5 was performed except that the gelling inhibitor was not used. It was assumed that the viscosity of the product was high, partially non-uniform, and partially gelled.
[0054]
[Table 2]
[0055]
【The invention's effect】
According to the present invention, a polyvinylamine solution having a high molecular weight can be industrially efficiently produced under alkaline conditions. Such a high molecular weight polyvinylamine is widely applicable and useful in various fields such as a water treatment field, in particular, a flocculant in wastewater treatment and a papermaking chemical in the paper industry.
Further, the composition containing the N-vinylcarboxylic acid amide-containing polymer powder and the gelling agent can be stored for a long period of time, can be easily handled, and can be dissolved in an aqueous alkali solution and heated as it is. Thus, an aqueous solution of polyvinylamine can be obtained.
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