JP2004023184A - 電子透かし埋め込み装置及びそのプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】電子透かしの埋め込みによる画質の劣化を知覚され難くし、また、画像の改変によってもマーカの判別に悪影響を与えない電子透かしの埋め込みを行う。
【解決手段】電子透かしの埋め込み単位である画像ブロックを当該ブロック内の画素の特徴により、隣接する画素間の輝度の変化が激しい領域である高周波部分、隣接する画素間の輝度の変化が少ない領域である平坦部分、輪郭部分、角や頂点、線分や曲線の連結部を含む画像が二次元的に著しく変化する留意部分の少なくとも4つの種別に区分することで、画像ブロックから留意部分を検出し、当該検出された留意部分の情報を用いて高周波部分、平坦部分、輪郭部分、留意部分のそれぞれにおける電子透かし埋め込み強度を決定する識別部13を備える。また、留意部分をマーカとして用いる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子透かしの埋め込み対象となる画像コンテンツを読み出し、当該画像コンテンツを構成する全てのブロックに対し、その種別と埋め込み強度に基づき適当な手法を用いて電子透かしを埋め込む、電子透かし埋め込み装置及びそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子透かしは、画像等のコンテンツデータに肉眼ではわからない加工を施すことにより、コンテンツデータの不正利用防止や著作権管理に活用されている。
例えば、画像を周波数成分に分解し、特定の帯域のみに修正信号を添加する方法が代表的である。肉眼では違和感がないが、対応ソフトウェアで分析することにより、各種情報が埋め込まれているのがわかる。また、この電子透かしは、トリミングや拡大縮小といった加工後も有効であり、WWW(World・Wide・Web)の一般化と共に目立ちはじめた画像の不正転用に広く対抗できるため注目されている。
【0003】
従来、電子透かし埋め込み後の画質劣化を見かけ上回避するために、マスキング効果(強い信号の近くに存在する弱い信号は人間に知覚され難いという視覚効果のこと)を利用して、人間に知覚され難い高周波部分に情報を多く、強く埋め込んでいた。このことは、E.T.Lin and E.J.Delp,“A Review of Data Hiding in Digital Images,”Proceedings of the Image Processing,Image Quality,Image Capture Systems Conference,PICS. ’99,April 25−28,1999,Savannah,Georgia(文献1)に開示されている。
なお、ここで「高周波部分」とは、隣接する画素間の輝度の変化が激しい領域のことをいう。これに対し、変化が微小である領域のことを「平坦部分」という。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術によれば、平坦部分や被写体の輪郭への埋め込み強度の制御を考慮していなかったために、平坦部分や輪郭にノイズが生じる恐れがあった。
また、人間が物を認識する際に、その輪郭を特に注視するという視覚特性を利用して、ブロックに分割された画像の各ブロックを輪郭と平坦部分に区別し、その区別に応じて電子透かしを埋め込む強度を変化させることにより、電子透かしを埋め込んだ後の画質の劣化を抑えていた。このことは、特開2001−8019号公報(文献2)、越前功、吉浦裕、安細康介、田口順一、黒須裕、佐々木良一、手塚悟、[輪郭保存に基づく電子透かしの画質維持方式]、情報処理学会論文集、Vol.41,No.6,June,2000.(文献3)のそれぞれに開示されている。
しかしながらこの場合、留意部分への埋め込み強度の制御を考慮していなかったため、留意部分にノイズが生じ、画質の劣化を容易に知覚される恐れがあった。
【0005】
高周波部分、平坦部分、輪郭については上記した文献2、文献3に開示された技術を用いて検出することが可能であるが、それらの手法では留意部分を精度よく検出することは一般的に困難である。ここで、「留意部分」とは、人間がものの形を認識する際に意識する、ものの輪郭上の目立つ箇所、例えば、角や、線分あるいは曲線が連結している部位のことをいう。
従って、高周波部分、平坦部分、輪郭を検出するためには文献2、文献3に示す従来手法を用い、また、留意部分を検出するためには、例えば、C.Harris and M.Stephens,“A combined cornerand edge detector”Alvey Vision Conference,pp147−151,1988(文献4)に示す従来手法を用いらなければならず、処理量、処理時間、及びコストの観点からあまり有益であるとはいえない。
また、上記した従来手法(文献4)では、人間が見ても留意部分とは言えないような所も留意部分として数多く検出されてしまう。
【0006】
一方、田中宏征、中嶋正臣「幾何学的改変に関する周波数変換利用型電子透かしの耐性強化法」、情報処理研究報告,vol.98,No.108,Nov,1998(文献5)に開示されるように、従来、電子透かしで用いるマーカは、画素のビットパターンを用いていたため、拡大縮小、回転等の改変により、あるいはJPEGやMPEG等の符号圧縮を施すと、画素値のビットパターンが変化してしまうため、マーカを特定できなきなり、その結果、埋め込まれた情報を読み出すことができなくなるといった問題があった。
【0007】
本発明は上記諸々の事情に鑑みてなされたものであり、電子透かしの埋め込み対象である画像の各ブロックを高周波部分、輪郭部分、平坦部分、留意部分の4種類に分類することで、電子透かしの埋め込みによる画質の劣化を知覚され難くする、電子透かし埋め込み装置及びそのプログラムを提供することを目的とする。
また、画像から留意部分を検出するための手法を用いて留意部分を精度良く検出し、検出された留意部分の情報を用い、高周波部分、平坦部分、輪郭部分、留意部分を決定することにより、処理量、時間及びコスト増を防止した、電子透かし埋め込み装置及びそのプログラムを提供することも目的とする。
【0008】
更に、文献4に開示された技術に基づき求めた留意部分に対して判別分析を適用することで、人間が見ても適当であるように留意部分の決定を行い、同時に高周波部分、平坦部分、輪郭部分の分類も行い、必要に応じて適宜判別関数の学習を行い精度の向上を図ることのできる、電子透かし埋め込み装置及びそのプログラムを提供することも目的とする。
また、電子透かしが埋め込まれた画像に対して拡大縮小、回転等の幾何学的改変、及びJPEGやMPEG等の符号化による圧縮を施した際にも画像の角等の留意部分(インタレストポイント)が改変に対する耐性が高いことを利用してマーカの特定が可能な、電子透かし埋め込み装置及びそのプログラムを提供することも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために本発明は、電子透かしの埋め込み対象となる画像コンテンツを読み出し、当該画像コンテンツを構成する全てのブロックに対し、その種別と埋め込み強度に基づき適当な手法を用いて電子透かしを埋め込む、電子透かし埋め込み装置であって、前記電子透かしの埋め込み単位である画像ブロックを当該ブロック内の画素の特徴により、隣接する画素間の輝度の変化が激しい領域である高周波部分、隣接する画素間の輝度の変化が少ない領域である平坦部分、輪郭部分、角や頂点、線分や曲線の連結部を含む画像が二次元的に著しく変化する留意部分の少なくとも4つの種別に区分し、前記画像ブロックから留意部分を検出し、当該検出された留意部分の情報を用いて前記高周波部分、平坦部分、輪郭部分、留意部分のそれぞれにおける電子透かし埋め込み強度を決定する識別手段、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、識別手段が、電子透かしの埋め込み単位である画像ブロックを当該ブロック内の画素の特徴により、高周波部分、平坦部分、輪郭部分、留意部分の少なくとも4つの種別に区分し、画像ブロックから留意部分を検出し、当該検出された留意部分の情報を用いて高周波部分、平坦部分、輪郭部分、留意部分のそれぞれにおける電子透かし埋め込み強度を決定することにより、電子透かしの埋め込みによる画質の劣化を知覚され難くし、かつ、処理量、時間及びコスト増を防止した電子透かし埋め込み装置を提供することができる。
なお、「高周波部分」とは、隣接する画素間の輝度の変化が激しい領域、「平坦部分」とは、隣接する画素間の輝度の変化が少ない領域、「留意部分」とは、角や頂点、線分や曲線の連結部を含む画像が二次元的に著しく変化する領域のそれぞれをいう。
【0011】
また、本発明において、前記留意部分の検出は、前記電子透かし埋め込みの対象となる画像の各点における平均化自己相関行列の行列式と跡を用いて各点毎にインタレストポイントの候補点の強度を計算し、適当な領域毎にあらかじめ設定した閾値よりも大きいものをインタレストポイントとして決定すること、を特徴とする。
【0012】
本発明によれば、コンテナの位置を示すマーカとして、電子透かしの埋め込み対象となる画像中に存在するインタレストポイントを利用することで、拡大、縮小や回転等の幾何学的改変によりマーカが特定できなくなるといった不都合が解消でき、またJPEG(Joint・Photographic・Expert・Group)やMPEG(Moving・Picture・Expert・Group)等の符号化による圧縮に対しても効果が得られる。なお、「インタレストポイント」とは、角や頂点、線分や曲線の連結部分等の、画像信号が二次元的に著しく変化する箇所の総称をいう。C.Schmid,R.Mohr,and C.Bauckhage,“Evaaluation of Interest Point Detectors,”IJComp.Vis,37(2),151−172,2000(文献5)にインタレストポイントの詳細が示されており、幾何学的改変に対する再現性の高いことが示されている。
【0013】
また、本発明において、前記埋め込み強度の決定は、ブロック単位に算出された前記留意部分の強度の統計情報に基づき、例えば強度の平均値が、予め定められた幾つかの範囲内のどこに属するかを判定することで、そのブロック単位に埋め込み強度を決定することを特徴とする。
【0014】
上記した課題を解決するために本発明は、電子透かしの埋め込み対象となる画像コンテンツを読み出し、当該画像コンテンツを構成する全てのブロックに対し、その種別と埋め込み強度に基づき適当な手法を用いて電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み装置に用いられる電子透かし埋め込みプログラムであって、前記電子透かしの埋め込み単位である画像ブロックを当該ブロック内の画素の特徴により、隣接する画素間の輝度の変化が激しい領域である高周波部分、隣接する画素間の輝度の変化が少ない領域である平坦部分、輪郭部分、角や頂点、線分や曲線の連結部を含む画像が二次元的に著しく変化する留意部分の少なくとも4つの種別に区分する第1のステップと、前記画像ブロックから留意部分を検出し、当該検出された留意部分の情報を用いて前記高周波部分、平坦部分、輪郭部分、留意部分のそれぞれにおける電子透かし埋め込み強度を決定する第2のステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明において、前記第2のステップは、画像を任意の大きさのブロックに分割し、当該ブロック単位に前記留意部分の強度の平均、分散等の統計量の組を当該ブロックの特徴量として算出するステップと、判別分析によりあらかじめ学習された判別関数群で構成された識別ツールを用いて前記各ブロックを高周波部分、平坦部分、輪郭部分、留意部分に識別するステップと、前記ブロック単位に算出された前記留意部分の強度の統計情報に基づいて、例えば強度の平均値が、あらかじめ定められた幾つかの範囲内のどこに属するかを判定することで、ブロック単位に埋め込み強度を決定するステップとを含み、前記各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の電子透かし埋め込み装置の内部構成を機能展開して示したブロック図である。
本発明の電子透かし埋め込み装置は、画像入力部11と、画像処理部12と、識別部13と、情報埋め込み部14と、画像出力部15で構成される。
【0017】
画像入力部11は、図示せぬ画像蓄積部から処理を行いたい画像を選択し、その画像から輝度データを取り出して画像処理部12へ輝度データを渡す。画像処理部12は、画像入力部11から得られる輝度データに基づき演算を行うことで各点毎の強度を算出する機能を持つ。
識別部13は、ブロック単位に特徴量を抽出して当該ブロックを後述する4つのカテゴリ別に識別し、ブロック単位に埋め込み強度を算出する機能を持つ。具体的には、電子透かしの埋め込み単位である画像ブロックを当該ブロック内の画素の特徴により、隣接する画素間の輝度の変化が激しい領域である高周波部分、隣接する画素間の輝度の変化が少ない領域である平坦部分、輪郭部分、角や頂点、線分や曲線の連結部を含む画像が二次元的に著しく変化する留意部分の少なくとも4つの種別に区分し、これら画像ブロックから留意部分を検出し、当該検出された留意部分の情報を用いて高周波部分、平坦部分、輪郭部分、留意部分のそれぞれにおける電子透かし埋め込み強度を決定するものである。詳細は後述する。
【0018】
情報埋め込み部14は、全てのブロックに対してその種別と埋め込み強度の値に基づき、例えば、標本値直接操作型、あるいは周波数成分操作型等、適当な手法を用いて電子透かしを埋め込む機能を持つ。
また、画像出力部15は、情報が埋め込まれた画像を図示せぬディスプレイや画像蓄積部へ出力する。
【0019】
図2、図3は、図1に示す本発明実施形態の動作を説明するために引用したフローチャートである。
以下、図2、図3に示すフローチャートを参照しながら本発明実施形態の動作について詳細に説明する。
【0020】
図2は、留意部分の例として角を利用した電子透かしの埋め込み強度の決定手順を示している。
図2において、まず、画像入力部11は、図示せぬ画像蓄積部から処理を行いたい画像を選択し、その画像から輝度データを取り出して画像処理部12に対してその輝度データを引き渡す(S21)。画像処理部12では、画像入力部11を介して得られる輝度データのX方向およびY方向の一次微分係数を各々算出し(S22)、画像の各点において、X方向およびY方向の一次微分係数の組(x、y)から自己相関行列を求め、注目点を含む適当な領域内で平均化処理を行い、平均化自己相関行列を求める(S23)。そして、画像の各点における平均化自己相関行列の行列式と跡を用いて各点ごとに電子透かしの埋め込み強度を算出する(S24)。ここでは、留意部分が例示されているため、角の強度を算出することとし、上記のように画像処理した結果を識別部13に引き渡す。
【0021】
次に識別部13では、画像を適当な大きさのブロックに分割し、ブロック単位に角の強度の平均、分散の組を当該ブロックの特徴量として算出する(S25)。そして、判別分析により予め学習された判別関数群で構成された識別ツールを用いて、各ブロックを高周波ブロック、平坦ブロック、輪郭ブロック、角ブロックに識別する(S26)。
ここで、ブロック単位に算出された角の強度の平均値が、予め定められた幾つかの範囲の内、どこに属するかを判定することで、ブロック単位に埋め込み強度を決定する(S27)。即ち、予め用意された閾値の範囲との比較チェックを行うことにより、例えば、電子透かしの埋め込み強度を大、中、小に区分けを行う。そして、情報埋め込み部14を介して全てのブロックに対し、その種別(高周波、平坦、輪郭、角)と埋め込み強度の値に基づき、標本値直接操作型電子透かし埋め込み、あるいは周波数成分操作型電子透かし埋め込み等いずれかの手法により、電子透かし情報を埋め込む(S28)。
【0022】
以上の動作は、画像を構成する全てのブロックに対して連続的に行われ、画像出力部15を介してディスプレイもしくは画像蓄積部に出力される。
【0023】
なお、上記した「標本値直接操作型」とは、画素毎の輝度値やRGB値など、サンプリングされた情報を操作することで情報を埋め込む方式である。電子透かしの存在を知覚されないようにするために、情報の埋め込み位置等の選択にはマスキング効果など、人間の視覚や知覚の特性に関する知見が用いられている。あるいは、ランダムな位置に情報を分散して埋め込み、復号時には統計的な偏りを利用して検出するといった手法が用いられる。一般に、周波数成分操作型電子透かし方式に比べ、拡大・縮小や一部切り出し等の幾何学的改変に対する耐性が優れるが、画質の劣化は大きくなる傾向にある。
また、上記した「周波数成分操作型」とは、フーリエ変換、離散コサイン変換、ウェーブレット変換等の直交変換によって、情報の埋め込み先である画像の標本値(輝度値や、RGB値など)から得られた周波数成分の値を操作することで情報を埋め込む。埋め込み後の周波数成分は逆変換によって画像の状態に戻すことで透かし入りのコンテンツを生成する。一般に、標本値直接操作型電子透かし方式に比べ、階調変換、非可逆圧縮等の非幾何学的改変に対する耐性に優れ、画質の劣化を小さく抑えることが出来るが、直交変換・逆変換の処理が加わることになるため、埋め込みや抽出のための処理に時間がかかるという欠点がある。
標本値直接操作型、あるいは周波数成分操作型のいずれも周知の電子透かし埋め込み手法である。
【0024】
図3に、インタレストポイントを用いた情報埋め込みの例として、上記した文献4と、文献5の手法を用いた電子透かしの埋め込み手順が示されている。
ここでも図2同様、画像入力部11は、図示せぬ画像蓄積部から処理を行いたい画像を選択し、その画像から輝度データを取り出して画像処理部12へ輝度データを渡す(S31)。そして、画像処理部12では、画像入力部11を介して得られる輝度データのX方向およびY方向の一次微分係数を各々算出し(S32)、画像の各点において、X方向およびY方向の一次微分係数の組(x、y)から自己相関行列を求め、注目点を含む適当な領域内で平均化処理を行い、平均化自己相関行列を求める(S33)。
【0025】
そして、画像の各点における平均化自己相関行列の行列式と跡を用いて各点ごとにインタレストポイントの候補点の強度を算出し、適当な領域毎にあらかじめ設定した閾値よりも大きなものをインタレストポイントとして決定する(S34)。
そして、情報埋め込み部14を介して全てのブロックに対し、標本値直接操作型電子透かし埋め込み、あるいは周波数成分操作型電子透かし埋め込み等いずれかの手法により、電子透かし情報を埋め込む(S35)。
以上の動作は、画像を構成する全てのブロックに対して連続的に行われ、画像出力部15を介して図示せぬディスプレイもしくは画像蓄積部に出力される。
【0026】
上記のように、コンテナの位置を示すマーカとして、電子透かしの埋め込み対象となる画像中に存在するインタレストポイントを利用することで、拡大、縮小や回転等の幾何学的改変によりマーカが特定できなくなるといった不都合が解消できる。インタレストポイントが幾何学的改変に対する再現性を持つことはC.Schmid,R.Mohr,and C.Bauckhage,“Comparing and Evaluating Interest Points,International Conference on ComputerVision,Bombay,January,1998.(文献6)に示されている。この性質を利用すれば、JPEGやMPEG等の符号化による圧縮に対しても効果が得られる。
【0027】
なお、図1に示す画像入力部11、画像処理部12、識別部13、情報埋め込み部14、画像出力部15のそれぞれが持つ機能を実現するためのプログラムを、それぞれコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませ、当該コンピュータが上記プログラムを逐次読み出し実行することによって、本発明の電子透かし埋め込み装置が構築される。また、ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺機器等のハードウアを含むものとする。
【0028】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0029】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0030】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明のように本発明によれば、人間の視覚特性を利用して、画像中で人間が特に注意を払う部分を特定し、そのような場所には電子透かしによる情報の埋め込み強度を弱く、あまり注意を払わない部分には強く決定することができるため、電子透かしで情報を埋め込んだことによる画質の劣化が従来の方式よりも知覚され難い。
その結果、従来は画質劣化の恐れから敬遠されがちであった電子透かしによるディジタルコンテンツへの識別情報や属性情報の埋め込みが促進され、さらには、著作権の保護や処理が可能であるようなディジタルコンテンツの流通市場の形成をも促進することができる。
また、電子透かしを用いて画像に情報を埋め込む際の強度に関する指針を与えるだけで、埋め込みに利用する電子透かし方式の種類を問わないため、電子透かしに限らず、情報埋め込みの幅広い用途に適用することが可能である。
【0032】
更に本発明によれば、電子透かしが埋め込まれた画像に対して、拡大、縮小や回転等の幾何学的改変、及びJPEGやMPEG等の符号化による圧縮を施してもコンテナの位置を精度よく特定できるため、そのような攻撃が行われた場合でも、埋め込まれた情報を読み出す精度が向上する。
その結果、従来、上記攻撃に対する脆弱性の観点から敬遠されがちであった電子透かしによるディジタルコンテンツへの識別情報や属性情報の埋め込みが促進され、更には、著作権保護や処理が可能であるようなディジタルコンテンツの流通市場の形成をも促進する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子透かし埋め込み装置の内部構成を機能展開して示したブロック図である。
【図2】本発明実施形態の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図3】本発明実施形態の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【符号の説明】
11…画像入力部、12…画像処理部、13…識別部、14…情報埋め込み部、15…画像出力部

Claims (5)

  1. 電子透かしの埋め込み対象となる画像コンテンツを読み出し、当該画像コンテンツを構成する全てのブロックに対し、その種別と埋め込み強度に基づき適当な手法を用いて電子透かしを埋め込む、電子透かし埋め込み装置であって、
    前記電子透かしの埋め込み単位である画像ブロックを当該ブロック内の画素の特徴により、隣接する画素間の輝度の変化が激しい領域である高周波部分、隣接する画素間の輝度の変化が少ない領域である平坦部分、輪郭部分、角や頂点、線分や曲線の連結部を含む画像が二次元的に著しく変化する留意部分の少なくとも4つの種別に区分し、前記画像ブロックから留意部分を検出し、当該検出された留意部分の情報を用いて前記高周波部分、平坦部分、輪郭部分、留意部分のそれぞれにおける電子透かし埋め込み強度を決定する識別手段、
    を備えたことを特徴とする電子透かし埋め込み装置。
  2. 前記留意部分の検出は、
    前記電子透かし埋め込みの対象となる画像の各点における平均化自己相関行列の行列式と跡を用いて各点毎にインタレストポイントの候補点の強度を計算し、適当な領域毎にあらかじめ設定した閾値よりも大きいものをインタレストポイントとして決定すること、
    を特徴とする請求項1に記載の電子透かし埋め込み装置。
  3. 前記埋め込み強度の決定は、
    ブロック単位に算出された前記留意部分の強度の統計情報に基づいて、例えば強度の平均値が予め定められた幾つかの範囲内のどこに属するかを判定することで、そのブロック単位に埋め込み強度を決定することを特徴とする請求項1に記載の電子透かし埋め込み装置。
  4. 電子透かしの埋め込み対象となる画像コンテンツを読み出し、当該画像コンテンツを構成する全てのブロックに対し、その種別と埋め込み強度に基づき適当な手法を用いて電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み装置に用いられる電子透かし埋め込みプログラムであって、
    前記電子透かしの埋め込み単位である画像ブロックを当該ブロック内の画素の特徴により、隣接する画素間の輝度の変化が激しい領域である高周波部分、隣接する画素間の輝度の変化が少ない領域である平坦部分、輪郭部分、角や頂点、線分や曲線の連結部を含む画像が二次元的に著しく変化する留意部分の少なくとも4つの種別に区分する第1のステップと、
    前記画像ブロックから留意部分を検出し、当該検出された留意部分の統計情報を用いて前記高周波部分、平坦部分、輪郭部分、留意部分のそれぞれにおける電子透かし埋め込み強度を決定する第2のステップと、
    をコンピュータに実行させる電子透かし埋め込みプログラム。
  5. 前記第2のステップは、画像を任意の大きさのブロックに分割し、当該ブロック単位に前記留意部分の強度の平均、分散等の統計量の組を当該ブロックの特徴量として算出するステップと、
    判別分析によりあらかじめ学習された判別関数群で構成された識別ツールを用いて前記各ブロックを高周波部分、平坦部分、輪郭部分、留意部分に識別するステップと、
    前記ブロック単位に算出された前記留意部分の統計情報に基づいて、例えば強度の平均値が、あらかじめ定められた幾つかの範囲内のどこに属するかを判定することで、ブロック単位に埋め込み強度を決定するステップとを含み、
    前記各ステップをコンピュータに実行させる請求項4に記載の電子透かし埋め込みプログラム。
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