【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円形物体の識別方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、円形物体が有する凹凸形状を検出し、この結果を用いて円形物体の種別や真偽を判定する円形物体の識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動販売機、自動券売機、ATM等のような硬貨を取り扱う各種装置には、硬貨搬送路内に投入された硬貨の金種および真偽を識別するための硬貨識別装置が装着されている。近年、硬貨の偽造や変造犯罪が多発し、社会問題化する中で硬貨識別装置に対する高機能化ニーズは益々高まってきている。
【0003】
硬貨識別装置では、検出すべき硬貨を摺動可能に支持する硬貨搬送路が設けられていると共に、その硬貨搬送路上にある硬貨の金種と真偽とを識別するコインセンサが設けられている。コインセンサとしては、渦電流損失型の磁気センサを用いて硬貨の外径および材質を検出するようにしたもの、重量センサを用いて硬貨の重さを検出するようにしたもの、CCD等の光学センサを用いて硬貨の光学的模様を検出するようにしたもの等が採用されている。
【0004】
各種コインセンサから得られた硬貨に関する検出データは、予め記憶されたマスターパターンと比較され、その比較結果に基づいて検出すべき硬貨の金種および真偽を判別するようにしているが、そのような硬貨の検知および判別を安価な構造で高精度に行わせることを目的とした装置が従来から種々提案されている。例えば、硬貨表面の凹凸パターンを検知して、予め記憶された基準となる凹凸パターンと比較して金種または真偽を判定する方式の硬貨識別装置がある(特開昭62−245495号公報参照)。これは硬貨の中心を通過する位置に配置されたセンサを利用して硬貨の凹凸形状を検出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した硬貨識別装置では、センサが硬貨を読み取る角度によって得られる凹凸情報の量が異なるため、凹凸が少ない部分をスキャンしたときに基準パターンとの照合精度が低下して誤認識し易くなってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、円形物体の識別を高精度かつ低コストで実現可能な円形物体の識別方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載の発明は、検出すべき円形物体を、その円形物体の表面の特徴を検出する検出センサの出力に基づいて円形物体の識別をする円形物体の識別方法において、円形物体の表面の特徴を、予め入射角度別に識別用の基準データを設定しておくと共に、予め入射角度別に識別判定の基準となる閾値を設定しておき、円形物体の表面の特徴を検出センサにより検出してデータ化し、予め入射角度別に設定された閾値に基づいて円形物体の識別をするようにしている。
【0008】
したがって、入射角度に関わらず一律の閾値を使用する場合に比べて、識別の精度を高めることができる。すなわち、図2に示すように、一律の閾値(同図中A)を使用する場合は正円形物体の類似度の最低値よりも低く設定しなければならないので、入射角度によっては偽円形物体の類似度が閾値を超えてしまうおそれがある。これに対して、本発明のように閾値を入射角度別に設定できるようにすれば、各入射角度ごとに正円形物体の類似度の最低値よりも低く、かつ偽円形物体の類似度が閾値を超えないようにできる(同図中B)。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の円形物体の識別方法において、閾値は、識別しようとする正円形物体の類似度分布と偽円形物体の類似度分布とに基づいて、入射角度別に設定されたものとしている。
【0010】
したがって、類似度分布に基づいて、正円形物体の類似度の最低値よりも十分い低いと共に偽円形物体の類似度の最高値よりも十分に高い最適な閾値を設定することができる。
【0011】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の円形物体の識別方法において、円形物体はコインであり、該コインの凹凸形状を検出センサにより検出するようにしている。したがって、コインの真偽や金種を高精度に判断することができる。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3までのいずれか記載の円形物体の識別方法において、検出センサは、渦電流損失検知型の磁気センサであるようにしている。したがって、円形物体の検出精度を高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1〜図2に本発明の円形物体の識別方法の実施形態の一例を示す。この円形物体の識別方法は、検出すべき円形物体2を、その円形物体2の表面の特徴を検出する検出センサ7の出力に基づいて円形物体2の識別をするものである。そして、円形物体2の表面の特徴を、予め入射角度別に識別用の基準データを設定しておくと共に、予め入射角度別に識別判定の基準となる閾値を設定しておき、円形物体2の表面の特徴を検出センサ7により検出してデータ化し、予め入射角度別に設定された閾値に基づいて円形物体2の識別をするようにしている。このため、入射角度に関わらず一律の閾値を使用する場合(図2中A)に比べて、識別の精度を高めることができる。
【0015】
また、閾値は、識別しようとする正円形物体2の類似度分布と偽円形物体の類似度分布とに基づいて、入射角度別に設定されたものとしている。このため、図2に示すように、正円形物体2の類似度の最低値よりも十分い低いと共に偽円形物体の類似度の最高値よりも十分に高い最適な閾値(同図中B)を設定することができる。
【0016】
一般に円形物体2の類似度は一定ではなく、同種の円形物体2であっても個体差で変動するが、最も大きく依存するのは円形物体2が検出センサ7を通過するときの角度である。本願発明者らは500円硬貨について正貨と偽貨とを読み取らせ、正貨の基準データとパターンマッチングさせたときの類似度(最大相関係数)を調べて、図2に示す結果を得た。
【0017】
投入された硬貨が正貨であるか否かの判定は類似度を予め設定した閾値と比較することで行われる。ここでは、各角度ごとに正貨群の最小値と偽貨群の最大値との中間値を閾値としている。あるいは、各角度における類似度実現値の分布から統計的距離を計算し、統計的な中間値を採用するようにしても良い。これにより、排除率の角度依存性を抑制すると共に、閾値設定を最適化することができるので、鑑別性能を高めることができる。
【0018】
図3〜図14に本発明の円形物体の識別方法を採用した円形物体の識別装置40の実施形態の一例を示す。この円形物体の識別装置40は、検出すべき円形物体2を搬送路1の所定のガイド4に沿って搬送する搬送路1と、その搬送路1上にある円形物体2を検出する検出センサ7とを有し、検出センサ7からの検出信号により円形物体2の識別をするものとしている。具体的には、円形物体2は硬貨であり、該硬貨2の凹凸形状を検出センサ7により検出するようにしている。したがって、硬貨2の真偽や金種を高精度に判断することができる。
【0019】
本実施形態の円形物体の識別装置40の全体構成を図4に示す。本実施形態では、識別装置40は図5および図6に示すように、水平面内でく字形状に曲げられた形状の硬貨搬送路1を備えている。この硬貨搬送路1は、底面摺動板1bと搬送ベルト3とを備えている。底面摺動板1bは、検出すべき硬貨2を搬送入り口部1aから図中左方向に向かって送る際に支持する。搬送ベルト3は、底面摺動板1bの直上に設けられると共に、片側の下側ベルト部分3aが底面摺動板1bとの間に硬貨2の厚さ分に相当する隙間を介して平行に対面するように配置されている。搬送ベルト3と底面摺動板1bとの間に硬貨2を狭持しながら図中左側に搬送する。
【0020】
底面摺動板1bの一側部には、当該底面摺動板1bの縁部に沿うようにしてガイド4が設けられている。そして、硬貨搬送路1の折れ曲がり部分では、ガイド4に対して硬貨2を押し付ける硬貨規制レバー5がピン5aによって回転可能に支持されている。この硬貨規制レバー5は、底面摺動板1bに支持されながら送られてくる硬貨2を付勢手段(図示せず)によってガイド4に押し付ける。硬貨規制レバー5よりも搬送方向下流側に向かって送り出された硬貨2は、ガイド4に対して外周面部を接触させた状態を維持しながら順次搬送される。
【0021】
硬貨搬送路1の下流側部分には、硬貨2の凹凸形状を検出する検出センサ7が埋設により取り付けられている。検出センサ7は、図7に示す渦電流損失検知型の磁気センサとしている。よって、硬貨2の検出精度を高めることができる。この検出センサ7は、磁束変化を利用するもので、硬貨2側に対向する一対の検出用磁極部22,22を備えると共に検出用磁極部22,22と反対側に向かって突出する一対の参照用磁極部23,23を備えている。
【0022】
これら検出用磁極部22と参照用磁極部23とは、平面略π形状に形成された一体のコア体により構成されていて、検出用磁極部22および参照用磁極部23の各基部22a,23aの双方に跨るようにして励磁コイル24が共通に巻回されている。励磁コイル24には、図8に示す回路の交流電源31から常時一定の正弦波形の励磁信号が供給されている。この励磁信号に対応した磁束φ1,φ2が参照用磁極部23と検出用磁極部22とにそれぞれ形成される。また、検出用磁極部22および参照用磁極部23の各基部22a,23aには、検出コイル25,26がそれぞれ巻回されている。
【0023】
このとき、検出用磁極部22は、硬貨2の識別面2aに対して検出用空隙部S1を介して対向するように配置されている。そして、図7中矢印方向に硬貨2が平行移動したときに硬貨2の識別面2aに形成された模様などの凹凸形状にしたがって凸形状部分2bを含む識別面2aに対する検出用空隙部S1の隙間寸法も変化する。一方、検出用磁極部22に発生している磁束φ2の影響によって硬貨2の識別面2aには渦電流が生ずるが、その渦電流の大きさは凸形状部分2bを含む識別面2aが通過するときの検出用空隙部S1の隙間寸法変化にしたがって増減する。
【0024】
具体的には、検出用磁極部22が識別面2aの凸形状部分2bに対向した状態になっているときは、検出用空隙部S1の隙間寸法が小さくなるため、渦電流値が大きくなり磁束φ2が低下し、その分、検出コイル25からの出力が低下する。一方、検出用磁極部22が硬貨2の凹形状部分に対向することによって検出用空隙部S1の隙間寸法が大きくなると、渦電流値が小さくなり磁束φ2が増大し、その分、検出コイル25からの出力が増大する。このように、検出用磁極部22に設けられた検出コイル25からの出力は、硬貨2の識別面2aにおける模様などの凹凸形状に完全に対応して変化する。
【0025】
一方、参照用磁極部23は、硬貨2とは別個に形成および配置された基準金属体27の参照用検出面27aに対して隙間寸法が一定に保持された参照用空隙部S2を介して対向するように配置されている。より具体的には、基準金属体27は参照用磁極部23に対して固定した関係になるようにコア側に取り付けられていると共に基準金属体27に設けられた参照用検出面27aが平坦面状に形成されている。その結果、図7中矢印方向に硬貨2が移動したときでも参照用空隙部S2の隙間寸法は一定に維持される。ここでの基準金属体27の材質としては硬貨2と比抵抗が同一になるもの、具体的には500円硬貨に対しては銅や白銅などの金属を選択する。
【0026】
硬貨2の移動に関わらず参照用磁極部23における参照用空隙部S2は常時一定に維持されるため、参照用磁極部23による磁束φ1によって基準金属体27に生ずる渦電流も一定状態になっている。よって、参照用磁極部23における磁束φ1が常に一定状態に維持されることになり、参照用磁極部23側の検出コイル26からの出力も常時一定に維持される。
【0027】
また、検出コイル25,26からの出力を処理する検出回路19は、検波器32,33と、ローパスフィルタ34,35と、差動増幅器36とを備えている。そして、検出コイル25,26からの各出力は、それぞれ検波器32,33およびローパスフィルタ34,35を通して差動増幅器36に入力され、差動増幅器36から差動出力として出力される。
【0028】
このような構成を有する検出センサ7では、検出用磁極部22が硬貨2の識別面2aにおける凹凸形状に沿って相対移動することから、検出用磁極部22における検出出力は識別面2aの凹凸形状にしたがって変動する。一方、参照用磁極部23は、参照面27aと一定の対向配置関係を維持することから一定の検出出力状態になっている。このため、検出用磁極部22における検出出力の変動分が差動増幅器36から忠実に抽出されることになり、図9に示すように硬貨2の識別面2aにおける凹凸形状に沿った検出出力Aを忠実に得ることができる。
【0029】
上述した円形物体の識別装置40を用いて硬貨2の識別を行う手順を以下に説明する。
【0030】
図10に示すように、まず金種の仮決定を行って(ステップ1)、それから金種の本決定を行う(ステップ2)。仮決定では、硬貨2の直径および穴の有無を求めて金種を仮に決定する。
【0031】
硬貨2の直径については、検出センサ7により読み取られた凹凸波形について硬貨2の縁部分が検出センサ7を通過するときに発生する相対的に大きいピークを検出してピーク点間隔Lを求め、検出センサ7でのピーク点間隔Lを予め決めておいた基準値と比較することにより硬貨の種類を識別するようにしている。このため、硬貨2の直径を求めるための別個のセンサを不要にすることができるので、装置の簡素化を図ることができる。
【0032】
具体的には仮決定では、各検出センサ7により硬貨2の表面の凹凸形状に対応する信号を得る。その例を図11に示す。波形で硬貨2のエッジに相当する部分に比較的大きなピークP1,P2,P3,P4が存在する。ここではピークP2,P3の間隔に着目し、その実測値をLとする。ここで、Lは投入された硬貨2の金種によって固有の値を示すので、金種を仮に特定することができる。
【0033】
次に、硬貨2に穴があるか否かを判定する。すなわち、検出センサ7により読み取られた凹凸波形について硬貨2の穴部分が検出センサ7を通過するときに発生するピークを検出できるか否かで穴の有無を判断することにより硬貨2の種類を識別するようにしている。よって、金種の識別制度を高めることができる。
【0034】
具体的には硬貨中心部近傍のピークを検出する。これは、検出センサ7で得られた波形において中心部近傍にピークP5,P6を検出する。図11に示すように、ピークP5,P6が検出され、各ピークの出力値が閾値以上であると共にピークP5,P6の間隔長Lhが所定の範囲内であれば、硬貨2に穴が存在すると判断する。閾値は、穴の縁に相当する信号出力をその周囲の一般の凹凸模様に相当する信号出力と区別できる値に設定する。
【0035】
ここで、硬貨2の直径が近い金種同士ではLだけでの分離が困難な場合がある。例えば100円硬貨と5円硬貨が該当する。そこで、Lhを併用して判断することにより誤認識のおそれを低減できる。よって、LおよびLhから金種を仮決めすることができる。
【0036】
次に、仮決めした金種について本決定処理を行う(図10中、ステップ2)。この本決定処理を図1に示すフローチャートに沿って説明する。
【0037】
最初に評価対象硬貨の凹凸パターンデータを切り出す(ステップ3)。例えば図12に示す矢印線上を検出センサ7が通過したとする。このとき、図13に示す凹凸パターン波形が得られる。この波形をサンプリングして得られる凹凸パターンデータからパターン比較部分を切り出す。このとき、硬貨2の縁部分が検出センサ7を通過するときに発生する相対的に大きいピークP1,P2,P3,P4を検索し、切り出し範囲の基準にする。これにより、対象データと基準データとの間の位置ずれを防止することができる。切り出し範囲は、例えばP2とP3から硬貨中心位置Pcを求め、中心位置Pcがマッチング範囲の中心になるように選べば良い。切り出したデータは凹凸パターンのレベル値を要素とするベクトルであり、これをFとする。
【0038】
一方、基準データは、図12(A)および(B)に示すように切り出し処理を一定の角度間隔で行って得られる総数nの凹凸パターンデータの集合体Tnである。スキャンラインの角度間隔が5度であれば基準データは片面だけで72パターン存在する。
【0039】
さらに、Fを第1の基準パターンT1と照合する。類似性の尺度としては正規化相関係数を用いることができる。角度θにおける正規化相関係数をrθとすると、rθは数式1により定義される。
【数1】
【0040】
次にFとT2とのパターンマッチングを行い相関値r2を得る。以下、同様にこの操作をn回繰り返すと図14に示すように相関値の系列{r1,r2,…,rn}が得られる(ステップ4〜7)。
【0041】
n個の相関値のうちで最大のものを類似度rとする(ステップ8)。このとき、選択したパターンから読み取り角度i0を求める。rが予め定めた閾値rt(i0)よりも大きいか判断する(ステップ9)。ここで、閾値rt(i0)は、図2に示すように読み取り角度i0に依存するものとしている。rが閾値rt(i0)より大きければ(ステップ9;Yes)、評価中の硬貨2は仮決定された金種に一致すると判定しこれを正式な金種として採択する(ステップ10)。小さければ(ステップ9;No)、仮金種を棄却する(ステップ11)。
【0042】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では円形物体を硬貨2としたが遊戯用コインやゲームトークン、商品としてのメダル、あるいはビンの王冠や円形ラベルなど、円形物体の全般に適用することができる。
【0043】
また、上述した実施形態では検出センサ7は図7に示すように硬貨2側に対向する一対の検出用磁極部22,22と反対側に向かって突出する一対の参照用磁極部23,23とを備えたものを使用しているが、これには限られない。例えば図15に示すように、一対の検出用磁極部11,12が硬貨2の識別面2aと対向しつつ相対移動するように配置されたものとしても良い。
【0044】
この場合、各検出用磁極部11,12には、検出コイル14,15がそれぞれ巻回されている。また、検出用磁極部11,12の間部分に配置された補助磁極部16には、励磁コイル17が巻回されていて、その励磁コイル17への通電によって検出用磁極部11,12に所定の磁束φ1,φ2が形成されると、各磁束φ1,φ2に対応した検出信号が検出コイル14,15から出力される。
【0045】
このとき、硬貨2の識別面2aには、磁束φ1,φ2に基づいて渦電流が発生し、各渦電流が磁束φ1,φ2を制限するように作用する。この渦電流は、硬貨2の表面である識別面2aと両検出用磁極部11,12との対向隙間の大きさに対応している。つまり、硬貨2の識別面2aが平坦面である場合には、両検出用磁極部11,12の双方が共に識別面2aと同一の対向隙間になっているため、上述した渦電流による磁束φ1,φ2の制限量も同一になり、両検出コイル14,15からは同一大きさの出力信号が得られる。従って、この場合においては両検出コイル14,15による差動出力が0に維持される。
【0046】
一方、硬貨2の識別面2aが凹凸形状に変化している場合には、硬貨2と検出用磁極部11,12とを相対移動させると、識別面2aの凹凸形状に対応して検出用磁極部11,12と識別面2aとの対向隙間の寸法が連続的に減少または拡大するように変化する。この対向隙間の寸法の変化に伴って、識別面2aに生ずる渦電流も変化する。
【0047】
具体的には、検出用磁極部11が識別面2aの凸形状部分2bに対向した状態になっているときは、検出用磁極部11との対向隙間が狭くなって渦電流が大きくなり、その分、検出コイル14からの出力が低下する。一方、検出用磁極部12では識別面2aの対向隙間が広い状態になっていることから、渦電流は小さく、検出コイル15は大きい出力となる。その結果、両検出コイル14,15からの差動出力は増大し、凸部を含む出力波形が得られ、これによって硬貨2の識別面2aに凸形状部分2bが存在することが検出される。
【0048】
また、上述した実施形態では、検出センサ7として渦電流損失検知型の磁気センサを使用しているが、これには限られず他の種類のセンサを使用できることは勿論である。
【0049】
さらに、上述した実施形態では、図8に示すように差動増幅器36の前段側に検波器32,33およびローパスフィルタ34,35を備える検出回路19を使用しているが、これには限られず図16に示すように差動増幅器36の後段側に検波器32およびローパスフィルタ34を備える検出回路19としても良い。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の円形物体の識別方法によれば、入射角度に関わらず一律の閾値を使用する場合に比べて、識別の精度を高めることができる。
【0051】
また、請求項2記載の円形物体の識別方法によれば、類似度分布に基づいて、正円形物体の類似度の最低値よりも十分い低いと共に偽円形物体の類似度の最高値よりも十分に高い最適な閾値を設定することができる。よって、識別の精度を高めることができる。
【0052】
さらに、請求項3記載の円形物体の識別方法によれば、コインの真偽や金種を高精度に判断することができる。
【0053】
また、請求項4記載の円形物体の識別方法によれば、円形物体の局所的な凹凸情報を検出することが可能になり、円形物体の表面の全体を巨視的にしか検出できない従来のセンサに比べて円形物体の識別精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円形物体の識別方法により硬貨を本決定するときのフローチャートである。
【図2】正貨と偽貨の読み取り角度と類似度との関係を示すグラフである。
【図3】円形物体の識別装置を示す縦断面正面図である。
【図4】円形物体の識別装置の概略を示すブロック図である。
【図5】円形物体の搬送路の検出センサ付近を示す平面図である。
【図6】搬送ベルトを示す側面図である。
【図7】検出センサを示す正面図である。
【図8】検出回路を示す回路図である。
【図9】検出回路により検出された電気信号を示す模式図である。
【図10】円形物体の識別装置により硬貨を識別するときの全体の流れを示すフローチャートである。
【図11】円形物体の識別装置により読み取った硬貨の凹凸形状を検出信号として示すグラフである。
【図12】硬貨を読み取るときの読み取り部分の一例を示す図であり、(A)は表、(B)は裏の場合をそれぞれ示す。
【図13】円形物体の識別装置により読み取った硬貨の凹凸形状を検出信号として示すグラフであり、エッジを検出したものである。
【図14】基準パターンの角度と類似度との関係を示すグラフである。
【図15】検出センサの他の実施形態を示す正面図である。
【図16】検出回路の他の実施形態を示す回路図である。
【符号の説明】
2 硬貨(円形物体)
7 検出センサ
40 円形物体の識別装置[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for identifying a circular object. More specifically, the present invention relates to a method of identifying a circular object, which detects the uneven shape of the circular object and uses the result to determine the type and authenticity of the circular object.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Various devices that handle coins, such as vending machines, automatic ticket vending machines, and ATMs, are equipped with a coin identification device for identifying the denomination and authenticity of coins inserted into a coin transport path. 2. Description of the Related Art In recent years, forgery and falsification of coins has frequently occurred, and as social problems have arisen, the need for more sophisticated coin identification devices has been increasing.
[0003]
In the coin identification device, a coin transport path that slidably supports a coin to be detected is provided, and a coin sensor that identifies the denomination and authenticity of a coin on the coin transport path is provided. . Coin sensors include those that detect the outer diameter and material of the coin using an eddy current loss type magnetic sensor, those that detect the weight of the coin using a weight sensor, and optical sensors such as CCDs. A device that detects an optical pattern of a coin by using a sensor is employed.
[0004]
Detection data on coins obtained from various coin sensors is compared with a master pattern stored in advance, and the type and authenticity of coins to be detected are determined based on the comparison result. Various devices have been proposed for the purpose of detecting and discriminating various coins with low cost and high accuracy. For example, there is a coin discriminating apparatus of a method of detecting a concavo-convex pattern on a coin surface and comparing it with a reference concavo-convex pattern stored in advance to determine a denomination or authenticity (see Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-245495). ). In this method, a concave / convex shape of a coin is detected by using a sensor disposed at a position passing through the center of the coin.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described coin identification device, the amount of unevenness information obtained varies depending on the angle at which the sensor reads the coin. Therefore, when a portion having a small amount of unevenness is scanned, the accuracy of collation with the reference pattern is reduced, and erroneous recognition is likely. Would.
[0006]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a method for identifying a circular object that can realize the identification of a circular object with high accuracy and at low cost.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a first aspect of the present invention is a method for identifying a circular object to be detected, based on an output of a detection sensor for detecting a surface characteristic of the circular object. In, the characteristics of the surface of the circular object, in advance, the reference data for identification is set for each incident angle in advance, and a threshold that is a reference for identification determination is set in advance for each incident angle, and the characteristics of the surface of the circular object are set. The data is detected by a detection sensor and converted into data, and a circular object is identified based on a threshold value set in advance for each incident angle.
[0008]
Therefore, the accuracy of identification can be improved as compared with the case where a uniform threshold is used regardless of the incident angle. That is, as shown in FIG. 2, when a uniform threshold value (A in FIG. 2) is used, the threshold value must be set lower than the minimum value of the similarity of a regular circular object. The similarity may exceed the threshold. On the other hand, if the threshold can be set for each incident angle as in the present invention, the similarity of a false circular object is lower than the minimum value of the similarity of a regular circular object for each incident angle, and It cannot be exceeded (B in the figure).
[0009]
According to a second aspect of the present invention, in the method for identifying a circular object according to the first aspect, the threshold value is set based on a similarity distribution of a regular circular object to be identified and a similarity distribution of a false circular object. It is assumed that it is set for each angle.
[0010]
Therefore, based on the similarity distribution, it is possible to set an optimal threshold sufficiently lower than the lowest similarity of the regular circular object and sufficiently higher than the highest similarity of the false circular object.
[0011]
According to a third aspect of the present invention, in the method for identifying a circular object according to the first or second aspect, the circular object is a coin, and the uneven shape of the coin is detected by a detection sensor. Therefore, the authenticity and denomination of the coin can be determined with high accuracy.
[0012]
According to a fourth aspect of the present invention, in the method for identifying a circular object according to any one of the first to third aspects, the detection sensor is an eddy current loss detection type magnetic sensor. Therefore, the detection accuracy of a circular object can be improved.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the configuration of the present invention will be described in detail based on the best mode shown in the drawings.
[0014]
1 and 2 show an embodiment of a method for identifying a circular object according to the present invention. In the method for identifying a circular object, the circular object 2 to be detected is identified based on the output of a detection sensor 7 that detects a surface characteristic of the circular object 2. Then, with respect to the characteristics of the surface of the circular object 2, reference data for identification is set in advance for each incident angle, and a threshold value as a reference for identification determination is set in advance for each incident angle, and The feature is detected by the detection sensor 7 and converted into data, and the circular object 2 is identified based on a threshold value set in advance for each incident angle. Therefore, the accuracy of identification can be improved as compared with the case where a uniform threshold is used regardless of the incident angle (A in FIG. 2).
[0015]
The threshold value is set for each incident angle based on the similarity distribution of the regular circular object 2 to be identified and the similarity distribution of the false circular object. Therefore, as shown in FIG. 2, an optimal threshold (B in FIG. 2) that is sufficiently lower than the lowest similarity of the regular circular object 2 and sufficiently higher than the highest similarity of the false circular object 2 is set. Can be set.
[0016]
In general, the degree of similarity of the circular object 2 is not constant. Even if the circular object 2 is of the same kind, it fluctuates depending on the individual difference. However, the angle that the circular object 2 passes through the detection sensor 7 most greatly depends on. The inventors of the present application read a genuine coin and a counterfeit coin with respect to a 500-yen coin, examined the similarity (maximum correlation coefficient) when pattern matching was performed with reference data of the genuine coin, and obtained the results shown in FIG. Was.
[0017]
The determination as to whether or not the inserted coin is a genuine coin is made by comparing the similarity with a preset threshold value. Here, the threshold value is an intermediate value between the minimum value of the true coin group and the maximum value of the false coin group for each angle. Alternatively, a statistical distance may be calculated from the distribution of the similarity realization value at each angle, and a statistical intermediate value may be employed. Thereby, the angle dependence of the exclusion rate can be suppressed, and the threshold setting can be optimized, so that the discrimination performance can be improved.
[0018]
3 to 14 show an example of an embodiment of a circular object identification device 40 adopting the circular object identification method of the present invention. The device 40 for identifying a circular object includes a transport path 1 for transporting a circular object 2 to be detected along a predetermined guide 4 of the transport path 1 and a detection sensor 7 for detecting the circular object 2 on the transport path 1. And the discrimination of the circular object 2 is performed based on the detection signal from the detection sensor 7. Specifically, the circular object 2 is a coin, and the unevenness of the coin 2 is detected by the detection sensor 7. Therefore, the authenticity and denomination of the coin 2 can be determined with high accuracy.
[0019]
FIG. 4 shows the overall configuration of the circular object identification device 40 of the present embodiment. In this embodiment, as shown in FIGS. 5 and 6, the identification device 40 includes the coin transport path 1 that is bent in a rectangular shape in a horizontal plane. The coin transport path 1 includes a bottom slide plate 1b and a transport belt 3. The bottom slide plate 1b supports the coin 2 to be detected when the coin 2 to be detected is sent from the transport entrance 1a to the left in the drawing. The conveyor belt 3 is provided immediately above the bottom slide plate 1b, and the lower belt portion 3a on one side faces the bottom slide plate 1b in parallel with a gap corresponding to the thickness of the coin 2 therebetween. It is arranged to be. The coin 2 is conveyed to the left in the figure while holding the coin 2 between the conveyance belt 3 and the bottom slide plate 1b.
[0020]
A guide 4 is provided on one side of the bottom slide plate 1b along the edge of the bottom slide plate 1b. In a bent portion of the coin transport path 1, a coin regulating lever 5 for pressing the coin 2 against the guide 4 is rotatably supported by a pin 5a. The coin regulating lever 5 presses the coin 2 sent while being supported by the bottom slide plate 1b against the guide 4 by an urging means (not shown). The coins 2 sent out toward the downstream side in the transport direction from the coin regulating lever 5 are sequentially transported while keeping the outer peripheral surface portion in contact with the guide 4.
[0021]
At the downstream side of the coin transport path 1, a detection sensor 7 for detecting the concave and convex shape of the coin 2 is buried and attached. The detection sensor 7 is an eddy current loss detection type magnetic sensor shown in FIG. Therefore, the detection accuracy of the coin 2 can be improved. The detection sensor 7 uses a change in magnetic flux, and includes a pair of detection magnetic pole portions 22 facing the coin 2 and a pair of reference protrusions protruding toward the opposite side to the detection magnetic pole portions 22. Magnetic pole portions 23, 23.
[0022]
The detection magnetic pole portion 22 and the reference magnetic pole portion 23 are formed by an integral core body formed in a substantially π shape on a plane, and the base portions 22a, 23a of the detection magnetic pole portion 22 and the reference magnetic pole portion 23 are formed. The excitation coil 24 is wound commonly so as to straddle both sides. The excitation coil 24 is supplied with an excitation signal having a constant sinusoidal waveform from the AC power supply 31 of the circuit shown in FIG. Magnetic fluxes φ1 and φ2 corresponding to the excitation signal are formed on the reference magnetic pole part 23 and the detection magnetic pole part 22, respectively. Detection coils 25 and 26 are wound around the bases 22a and 23a of the detection magnetic pole section 22 and the reference magnetic pole section 23, respectively.
[0023]
At this time, the detection magnetic pole portion 22 is arranged to face the identification surface 2a of the coin 2 via the detection gap S1. Then, when the coin 2 moves in parallel in the direction of the arrow in FIG. 7, the gap of the detection gap S1 with respect to the identification surface 2a including the convex portion 2b according to the uneven shape such as the pattern formed on the identification surface 2a of the coin 2. The dimensions also change. On the other hand, an eddy current is generated on the identification surface 2a of the coin 2 due to the effect of the magnetic flux φ2 generated in the detection magnetic pole portion 22, and the size of the eddy current passes through the identification surface 2a including the convex portion 2b. It increases or decreases according to the change in the gap size of the detection gap S1 at that time.
[0024]
Specifically, when the magnetic pole portion 22 for detection faces the convex portion 2b of the identification surface 2a, the gap size of the gap portion S1 for detection becomes small, so that the eddy current value increases and the magnetic flux φ2 decreases, and the output from the detection coil 25 decreases accordingly. On the other hand, when the gap size of the detection gap S1 increases due to the detection magnetic pole portion 22 facing the concave portion of the coin 2, the eddy current value decreases and the magnetic flux φ2 increases. Output increases. As described above, the output from the detection coil 25 provided in the detection magnetic pole portion 22 changes completely corresponding to the uneven shape such as the pattern on the identification surface 2a of the coin 2.
[0025]
On the other hand, the reference magnetic pole portion 23 is opposed to the reference detection surface 27a of the reference metal body 27 formed and arranged separately from the coin 2 via the reference gap portion S2 in which the gap size is kept constant. It is arranged to be. More specifically, the reference metal body 27 is attached to the core side so as to have a fixed relation to the reference magnetic pole portion 23, and the reference detection surface 27a provided on the reference metal body 27 has a flat surface. It is formed in a shape. As a result, even when the coin 2 moves in the direction of the arrow in FIG. 7, the gap size of the reference gap S2 is kept constant. Here, as the material of the reference metal body 27, a material having the same specific resistance as the coin 2 is selected, and specifically, a metal such as copper or white copper is selected for a 500 yen coin.
[0026]
Regardless of the movement of the coin 2, the reference gap portion S2 in the reference magnetic pole portion 23 is always kept constant, so that the eddy current generated in the reference metal body 27 by the magnetic flux φ1 by the reference magnetic pole portion 23 also becomes constant. I have. Therefore, the magnetic flux φ1 in the reference magnetic pole portion 23 is always kept constant, and the output from the detection coil 26 on the reference magnetic pole portion 23 side is also always kept constant.
[0027]
The detection circuit 19 that processes the outputs from the detection coils 25 and 26 includes detectors 32 and 33, low-pass filters 34 and 35, and a differential amplifier 36. The outputs from the detection coils 25 and 26 are input to the differential amplifier 36 through the detectors 32 and 33 and the low-pass filters 34 and 35, respectively, and output from the differential amplifier 36 as differential outputs.
[0028]
In the detection sensor 7 having such a configuration, since the detection magnetic pole portion 22 relatively moves along the uneven shape on the identification surface 2a of the coin 2, the detection output from the detection magnetic pole portion 22 is the uneven shape of the identification surface 2a. Fluctuates according to On the other hand, the reference magnetic pole portion 23 is in a constant detection output state since it maintains a constant facing arrangement relationship with the reference surface 27a. For this reason, the variation of the detection output in the detection magnetic pole portion 22 is faithfully extracted from the differential amplifier 36, and the detection output A along the concave and convex shape on the identification surface 2a of the coin 2 as shown in FIG. Can be obtained faithfully.
[0029]
A procedure for identifying the coin 2 using the above-described circular object identification device 40 will be described below.
[0030]
As shown in FIG. 10, first, a denomination is temporarily determined (step 1), and then a final denomination is determined (step 2). In the tentative determination, the denomination is temporarily determined by obtaining the diameter of the coin 2 and the presence or absence of a hole.
[0031]
As for the diameter of the coin 2, the peak point interval L is obtained by detecting a relatively large peak generated when the edge portion of the coin 2 passes through the detection sensor 7 in the uneven waveform read by the detection sensor 7. The type of coin is identified by comparing the peak point interval L at the sensor 7 with a predetermined reference value. For this reason, a separate sensor for determining the diameter of the coin 2 can be dispensed with, and the apparatus can be simplified.
[0032]
Specifically, in the provisional determination, a signal corresponding to the uneven shape of the surface of the coin 2 is obtained by each detection sensor 7. An example is shown in FIG. Relatively large peaks P1, P2, P3, and P4 are present at portions corresponding to the edges of the coin 2 in the waveform. Here, attention is paid to the interval between the peaks P2 and P3, and the measured value is set to L. Here, since L indicates a unique value depending on the denomination of the coin 2 inserted, the denomination can be temporarily specified.
[0033]
Next, it is determined whether or not the coin 2 has a hole. That is, the type of the coin 2 is identified by judging the presence or absence of the hole based on whether or not a peak generated when the hole portion of the coin 2 passes through the detection sensor 7 can be detected in the uneven waveform read by the detection sensor 7. I am trying to do it. Therefore, the denomination identification system can be improved.
[0034]
Specifically, a peak near the center of the coin is detected. This detects peaks P5 and P6 near the center of the waveform obtained by the detection sensor 7. As shown in FIG. 11, if the peaks P5 and P6 are detected and the output value of each peak is equal to or greater than the threshold value and the interval Lh between the peaks P5 and P6 is within a predetermined range, it is determined that a hole exists in the coin 2. to decide. The threshold value is set to a value that allows a signal output corresponding to the edge of the hole to be distinguished from a signal output corresponding to a general uneven pattern around the hole.
[0035]
Here, there is a case where it is difficult to separate coins 2 having a diameter close to each other only by L. For example, a 100 yen coin and a 5 yen coin correspond. Therefore, the risk of erroneous recognition can be reduced by making a determination using Lh together. Therefore, the denomination can be provisionally determined from L and Lh.
[0036]
Next, this determination processing is performed for the provisionally determined denomination (step 2 in FIG. 10). The main determination process will be described with reference to the flowchart shown in FIG.
[0037]
First, concave and convex pattern data of a coin to be evaluated is cut out (step 3). For example, it is assumed that the detection sensor 7 has passed on the arrow line shown in FIG. At this time, the concavo-convex pattern waveform shown in FIG. 13 is obtained. A pattern comparison portion is cut out from the concavo-convex pattern data obtained by sampling this waveform. At this time, relatively large peaks P1, P2, P3, and P4 generated when the edge portion of the coin 2 passes through the detection sensor 7 are searched and used as a reference of the cutout range. Accordingly, it is possible to prevent a positional shift between the target data and the reference data. For example, the cut-out range may be determined such that the coin center position Pc is obtained from P2 and P3, and the center position Pc is located at the center of the matching range. The extracted data is a vector having the level value of the concave / convex pattern as an element, and this is F.
[0038]
On the other hand, the reference data is a set Tn of the total number n of the concavo-convex pattern data obtained by performing the cutout processing at a constant angular interval as shown in FIGS. 12A and 12B. If the angle interval between scan lines is 5 degrees, there are 72 patterns of reference data on one side only.
[0039]
Further, F is compared with the first reference pattern T1. As a measure of similarity, a normalized correlation coefficient can be used. If the normalized correlation coefficient at the angle θ is rθ, rθ is defined by Equation 1.
(Equation 1)
[0040]
Next, pattern matching between F and T2 is performed to obtain a correlation value r2. Hereinafter, similarly, when this operation is repeated n times, a sequence of correlation values {r1, r2,..., Rn} is obtained as shown in FIG. 14 (steps 4 to 7).
[0041]
The largest one of the n correlation values is set as the similarity r (step 8). At this time, the reading angle i0 is obtained from the selected pattern. It is determined whether r is greater than a predetermined threshold value rt (i0) (step 9). Here, the threshold rt (i0) depends on the reading angle i0 as shown in FIG. If r is greater than the threshold value rt (i0) (Step 9; Yes), it is determined that the coin 2 under evaluation matches the provisionally determined denomination, and this is adopted as a formal denomination (Step 10). If it is smaller (Step 9; No), the temporary denomination is rejected (Step 11).
[0042]
The above-described embodiment is an example of a preferred embodiment of the present invention, but is not limited thereto, and various modifications can be made without departing from the spirit of the present invention. For example, in the present embodiment, the circular object is the coin 2. However, the present invention can be applied to all types of circular objects such as game coins and game tokens, medals as products, and crowns and circular labels of bottles.
[0043]
In the above-described embodiment, the detection sensor 7 includes a pair of reference magnetic pole portions 23 and 23 projecting toward the opposite side to the pair of detection magnetic pole portions 22 and 22 facing the coin 2 as shown in FIG. Is used, but is not limited to this. For example, as shown in FIG. 15, the pair of detection magnetic pole portions 11 and 12 may be arranged so as to relatively move while facing the identification surface 2 a of the coin 2.
[0044]
In this case, detection coils 14 and 15 are wound around the detection magnetic pole portions 11 and 12, respectively. An excitation coil 17 is wound around the auxiliary magnetic pole portion 16 disposed between the detection magnetic pole portions 11 and 12, and a predetermined voltage is applied to the detection magnetic pole portions 11 and 12 by energizing the excitation coil 17. When the magnetic fluxes φ1 and φ2 are formed, detection signals corresponding to the magnetic fluxes φ1 and φ2 are output from the detection coils 14 and 15.
[0045]
At this time, an eddy current is generated on the identification surface 2a of the coin 2 based on the magnetic fluxes φ1 and φ2, and each eddy current acts to limit the magnetic fluxes φ1 and φ2. The eddy current corresponds to the size of the opposing gap between the identification surface 2a, which is the surface of the coin 2, and the magnetic pole portions 11 and 12 for detection. That is, when the identification surface 2a of the coin 2 is a flat surface, both of the two detection magnetic pole portions 11 and 12 are in the same facing gap as the identification surface 2a, so that the magnetic flux φ1 due to the eddy current described above. , Φ2 are also the same, and output signals of the same magnitude are obtained from both detection coils 14 and 15. Therefore, in this case, the differential output by the two detection coils 14 and 15 is maintained at zero.
[0046]
On the other hand, when the identification surface 2a of the coin 2 has changed into an uneven shape, when the coin 2 and the detection magnetic pole portions 11 and 12 are relatively moved, the detection magnetic pole corresponds to the uneven shape of the identification surface 2a. The dimension of the facing gap between the portions 11 and 12 and the identification surface 2a changes so as to be continuously reduced or enlarged. With the change of the size of the facing gap, the eddy current generated on the identification surface 2a also changes.
[0047]
Specifically, when the detection magnetic pole portion 11 faces the convex portion 2b of the identification surface 2a, the gap between the detection magnetic pole portion 11 and the detection magnetic pole portion 11 becomes narrow, and the eddy current increases. Accordingly, the output from the detection coil 14 decreases. On the other hand, in the detection magnetic pole portion 12, since the facing gap between the identification surfaces 2a is wide, the eddy current is small and the detection coil 15 has a large output. As a result, the differential outputs from the two detection coils 14 and 15 increase, and an output waveform including a convex portion is obtained. As a result, the presence of the convex portion 2b on the identification surface 2a of the coin 2 is detected.
[0048]
Further, in the above-described embodiment, an eddy current loss detection type magnetic sensor is used as the detection sensor 7, but it is needless to say that other types of sensors can be used without being limited to this.
[0049]
Further, in the above-described embodiment, as shown in FIG. 8, the detection circuit 19 including the detectors 32 and 33 and the low-pass filters 34 and 35 is used in the preceding stage of the differential amplifier 36, but is not limited thereto. As shown in FIG. 16, the detection circuit 19 may include the detector 32 and the low-pass filter 34 on the subsequent stage of the differential amplifier 36.
[0050]
【The invention's effect】
As described above, according to the method for identifying a circular object according to the first aspect, the accuracy of identification can be improved as compared with the case where a uniform threshold is used regardless of the incident angle.
[0051]
Further, according to the method for identifying a circular object according to the second aspect, based on the similarity distribution, it is sufficiently lower than the minimum value of the similarity of the regular circular object and sufficiently higher than the maximum value of the similarity of the false circular object. , A high optimal threshold can be set. Therefore, the accuracy of identification can be improved.
[0052]
Further, according to the method for identifying a circular object according to the third aspect, it is possible to determine the authenticity and denomination of a coin with high accuracy.
[0053]
Further, according to the method for identifying a circular object according to the fourth aspect, it is possible to detect local unevenness information of the circular object, and the conventional sensor which can detect only the entire surface of the circular object macroscopically. In comparison, the accuracy of discriminating a circular object can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flowchart when a coin is finally determined by a method for identifying a circular object according to the present invention.
FIG. 2 is a graph showing a relationship between reading angles and similarities of true and false coins.
FIG. 3 is a longitudinal sectional front view showing a device for identifying a circular object.
FIG. 4 is a block diagram schematically illustrating a device for identifying a circular object.
FIG. 5 is a plan view showing the vicinity of a detection sensor on a conveyance path of a circular object.
FIG. 6 is a side view showing a transport belt.
FIG. 7 is a front view showing a detection sensor.
FIG. 8 is a circuit diagram showing a detection circuit.
FIG. 9 is a schematic diagram illustrating an electric signal detected by a detection circuit.
FIG. 10 is a flowchart illustrating an overall flow when coins are identified by the circular object identification device.
FIG. 11 is a graph showing, as a detection signal, an uneven shape of a coin read by a discriminating apparatus for a circular object.
12A and 12B are diagrams illustrating an example of a reading portion when reading coins, wherein FIG. 12A illustrates a front side and FIG. 12B illustrates a back side;
FIG. 13 is a graph showing, as a detection signal, a concave and convex shape of a coin read by a discriminating apparatus for a circular object, in which an edge is detected.
FIG. 14 is a graph showing the relationship between the angle of the reference pattern and the degree of similarity.
FIG. 15 is a front view showing another embodiment of the detection sensor.
FIG. 16 is a circuit diagram showing another embodiment of the detection circuit.
[Explanation of symbols]
2 coins (circular objects)
7 Detection sensor 40 Discrimination device for circular objects