JP2004020672A - Polarizing plate and its manufacturing method - Google Patents

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Hiroe Maeda
前田 洋恵
Shuji Yano
矢野 周治
Akihiro Nishida
西田 昭博
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Nitto Denko Corp
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a polarizing plate having favorable reliability at high temperature or high humidity in a polarizing plate using a PVA (polyvinyl alchol) polarizer, and to provide a method for manufacturing the plate. <P>SOLUTION: The polarizing plate comprising at least a polyvinyl alcohol-based polarizer and two protective films holding the polarizer is characterized in that: the protective film comprises (A) a thermoplastic resin having a substituted and/or unsubstituted imide group in the side chain and (B) a thermoplastic resin having a substituted and/or unsubstituted phenyl group and a nitrile group in the side chain; and the water content of the polarizing plate is ≤3 wt.%. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は偏光板およびその製造方法に関する。本発明の偏光板は、高温下ないしは高湿下のような過酷な環境下でも光線透過率、偏光度、画像の色相などの変化が少なく環境耐久性に優れる。本発明の偏光板は単独で、または他の光学層を積層した光学フィルムとして、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP、CRT等の画像表示装置に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピューター、卓上電子計算機、電子時計、ワードプロセツサ−、自動車や機械類の計器類等に液晶表示装置が用いられ、これに伴い高偏光性能を有する偏光板の需要も増大している。特に、近年はあらゆる分野で液晶表示装置が使用されるため、過酷な条件で使用される場合も想定しておく必要があり、高温ないしは高湿下においても光線透過率、偏光度、画像の色相などの特性の変化が少なく耐久性に優れた偏光板が要請されている。
【0003】
従来より偏光板としては、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させたボリビニルアルコール(PVA)系フィルムを偏光子として用い、前記偏光子の表裏両面側を、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムなどの保護フィルムで挟持した偏光板が比較的安価でしかも偏光性能が優れており、汎用されている。
【0004】
即ち、PVA系フィルムを、二色性を有するヨウ素又は二色性染料で染色する染色工程、ほう酸や、ほう砂等で架橋する架橋工程、および一軸延伸する延伸工程(染色、架橋、延伸の各工程は、別々に行う必要はなく同時に行ってもよく、また、各工程の順番も特に規定するものではない。)の後に、乾燥し、TAC等の保護フィルムと貼り合わせて製造されている。しかし、屋外用や車載用など、高湿ないし高温における熱信頼性が高く要求される分野においては、TACフィルムは透湿度、吸水率が高いため、過剰な水分の浸入による偏光板の特性の劣化が大きいことが問題となってきた。そこで、偏光子としてヨウ素又は二色性染料を吸着させたポリビニルアルコール系フィルム(以下、PVA系偏光子と略称する)を用いた偏光板において、保護層として透明で透湿率や吸水率の低いフィルムを用いることが検討されている(特開平6−51117号公報、特開平7−77608号公報、特開平11−142645号公報)。
【0005】
しかし、PVA偏光子は親水性のため、もともと偏光子自身の吸湿性が高い。そのため、ただ単に、保護フィルムとして前述したような透湿率や吸水率の低いフィルムを用いたのでは、PVA系偏光子から発散される水分の透過が妨げられ、高温環境下などでは、偏光板自体の内部が高温高湿状態となってしまう。その結果、光線透過率(以下、単に透過率と言う。)、偏光度などの変化量が大きくなり、偏光板としての信頼性は低いものとなっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来例のような問題点を解決し、PVA系偏光子を用いた偏光板において、高温ないし高湿下での信頼性が良好な偏光板およびその製造方法を提供することを目的とする。また、当該偏光板を用いた光学フィルム、さらには画像表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記偏光板およびその製造方法を見出し、前記目的を達成した。
【0008】
すなわち本発明は、少なくともポリビニルアルコール系偏光子とそれを挟持する2枚の保護フィルムからなる偏光板において、前記保護フィルムが、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有してなり、かつ偏光板の水分率が3重量%以下であることを特徴とする偏光板、に関する。
【0009】
上記本発明は、PVA系偏光子の保護フィルムとして、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有してなる。前記熱可塑性樹脂(A)、(B)の混合物を主成分として含有する保護フィルムは、高温度下や高湿度下において環境耐久性がよく、特性変化の少ない偏光板を得ることができる。
【0010】
本発明の保護フィルムは、TACフィルムに比して優れるほかに、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノルボルネン系樹脂やポリオレフィン系樹脂を用いた保護フィルムに比しても、環境耐久性に優れる。すなわち、ポリエステル系樹脂フィルムでは、透湿度が高いため加湿熱下での耐久性が悪く、透過率の面内バランスが大きいため班模様となり、表示品位が低下する。また位相差が大きいので偏光板における視角が悪い。ポリイミド系樹脂フィルムでは、透湿度が低いため加熱下での耐久性が悪く、偏光子を良好な状態に維持できない。ノルボルネン系樹脂では、透湿度が低いため加熱下での耐久性が悪く、偏光子を良好な状態に維持できない。また位相差が大きいので偏光板における視角が悪い。ポリオレフィン系樹脂では、透湿度が低いため加熱下での耐久性が悪く、偏光子を良好な状態に維持できない。またフィルム強度が低く、裂け易い。
【0011】
また、PVA系偏光子両側に前記保護フィルムを積層した本発明の偏光板は、水分率が3重量%以下(以下、単に水分率重量%を水分率%として表示する。)に調整されており、偏光子の水分率を極力低下させた状態で、透湿性の低い保護フィルムを貼り合わせることにより信頼性が高く耐久性の優れた偏光板が得られる。更により耐久性の良い偏光板とするには、偏光板の水分率が1%以下であることが好ましい。偏光板の水分率が3%より大きい場合には、高温ないし高湿環境下での透過率変化量、偏光度変化量あるいは色相変化量が大きくなり耐久性の良い偏光板を得ることができない。
【0012】
また本発明は、ポリビニルアルコール系偏光子を挟持するように2枚の保護フィルムを貼り合わせる偏光板の製造方法において、前記保護フィルムが、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有してなり、かつ、前記ポリビニルアルコール系偏光子の水分率を15%以下に調整した状態で保護フィルムを貼り合わせることを特徴とする偏光板の製造方法、に関する。
【0013】
本発明の偏光板の製造方法は特に制限されないが、たとえば、前記PVA系偏光子の水分率を15%以下に調整した状態で保護フィルムを貼り合わせることによって得られる。保護フィルムを貼り合わせる際の、前記PVA系偏光子の水分率は、5%以下に調整した状態とするのがより好ましい。なお、前PVA系偏光子の水分率が15%より大きい状態で保護フィルムを貼り合わせた場合には、偏光板の水分率を3%以下、より好ましくは1%以下にすることは困難である。
【0014】
前記偏光板およびその製造方法において、保護フィルムの透湿度が、40℃×90%R.H.で5〜300(g/m ・24h)であることが好ましい。
【0015】
透明保護フィルムとして、前記透湿度が5(g/m ・24h)以上のフィルムを用いることにより、偏光子中に残っていた水分が光学耐久性を低下を抑えた偏光板を提供でき、また、前記透湿度が300(g/m ・24h)以下であるフィルムを用いることにより、偏光板の周囲雰囲気からの水分の侵入による光学耐久性の低下を防止でき好ましい。前記透湿度は40〜200(g/m ・24h)、さらには60〜160(g/m ・24h)であるのが好ましい。
【0016】
また本発明は、前記偏光板を少なくとも1枚用いた光学フィルムに関する。さらには、前記偏光板または光学フィルムを用いたことを特徴とする画像表示装置、に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明による偏光板は、PVA系偏光子との両側に、前記熱可塑性樹脂(A)、(B)を含有する保護フィルムが積層されている。
【0018】
PVA系偏光子は、PVA系フィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させる染色工程、ほう酸や,ほう砂等の棚素化合物で架橋する架橋工程、および一軸延伸する延伸工程(染色、架橋、延伸の各工程は、別々に行う必要はなく同時に行ってもよく、また、各工程の順番も特に規定するものではない。)の後、乾燥し製造される。次いで、得られたPVA系偏光子は、保護フィルムと貼り合わせて偏光板が製造される。
【0019】
PVA系フィルムの製造法としては、ポリビニルアルコールを水又は有機溶媒に溶解した原液を流延製膜して、浴中で延伸(湿式延伸)してヨウ素染色又はアゾ系、アントラキノン系、テトラジン系等の二色性染色で染色するか、延伸と染色を同時に行うか、染色して延伸した後、ホウ素化合物処理する方法が挙げられる。原液調製に際し使用される溶媒としては、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロバン等の多価アルコール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類及びこれらの混合物が用いられる。延伸は一軸方向に3.5倍以上、好ましくは4 .5 倍以上延伸することが望ましい。この際、前記と直角方向にも延伸(幅方向の収縮を防止する程度或いはそれ以上の延伸)を行っても差し支えない。延伸温度は、30〜130℃の範囲が適当である。なお、PVA系フィルムの延伸は、上記に示した例は湿式延伸の代表的な一例を示したが、これに限定されるものではなく、前記湿式浴に浸潰する前に延伸する乾式延伸方法など適宜の他の延伸方法を採用してもよい。
【0020】
PVA系フィルムへの二色性染料ないしヨウ素による染色つまり二色性染料ないしヨウ素の吸着は、PVA系フィルムにこれらを含有する液体を接触させることによって行われる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液、又はアゾ系、アントラキノン系、テトラジン系等の二色性染料の水溶液が用いられる。ヨウ素の濃度は0.1〜2.0g/l、ヨウ化カリウムの濃度は10〜50g/l、ヨウ素/ヨウ化カリウムの重量比は20〜100が適当であり、二色性染料の濃度は、0.1〜3.0g/lが適当である。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。
【0021】
PVA系偏光子の水分率を前述のような小さい範囲に調整する方法については特に限定するものではないが、例えば次のような方法が挙げられる。
(1)偏光子の乾燥温度を高温にする。特に限定するものではないが、例えば乾燥温度を30℃〜80℃とする。
(2)偏光子の乾燥時間を長時間にする。特に限定するものではないが、例えば乾燥時間を10分〜1時間とする。
(3)偏光子を一旦巻き取り、20〜50℃で1〜24時間乾燥後、保護フィルムと貼り合わせる。
(4)乾式延伸にて偏光子を作製する。例えば、PVA系フィルムを70〜150℃の加熱雰囲気下で1.5〜5倍に乾式延伸した後、二色性染料またはヨウ素で染色して偏光子を作製する方法など。
【0022】
かくして得られる低い水分率のPVA系偏光子は、加熱信頼性試験時に水分の発散を抑え、偏光板中が高湿雰囲気になることを抑制し、偏光板の加熱耐久性を向上させることができる。
【0023】
PVA系偏光子を挟持する透明保護フィルムとしては、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニル基およびニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有してなるもの使用する。かかる熱可塑性樹脂(A)、(B)を含有する透明保護フィルムは、たとえば、WO01/37007に記載されている。なお、透明保護フィルムは、熱可塑性樹脂(A)、(B)を主成分とする場合にも他の樹脂を含有することもできる。
【0024】
熱可塑性樹脂(A)は、側鎖に置換および/または非置換イミド基を有するものであり、主鎖は任意の熱可塑性樹脂である。主鎖は、例えば、炭素のみからなる主鎖であってもよく、または炭素以外の原子が炭素間に挿入されていてもよい。また炭素以外の原子からなっていてもよい。主鎖は好ましく炭化水素またはその置換体である。主鎖は、例えば付加重合により得られる。具体的には例えば、ポリオレフィンまたはポリビニルである。また主鎖は縮合重合により得られる。例えばエステル結合、アミド結合などで得られる。主鎖は好ましくは置換ビニルモノマーを重合させて得られるポリビニル骨格である。
【0025】
熱可塑性樹脂(A)に置換および/または非置換のイミド基を導入する方法としては、従来公知の任意の方法を採用できる。例えば、前記イミド基を有するモノマーを重合する方法、各種モノマーを重合して主鎖を形成した後、前記イミド基を導入する方法、前記イミド基を有する化合物を側鎖にグラフトさせる方法等があげられる。イミド基の置換基としては、イミド基の水素を置換し得る従来公知の置換基が使用可能である。例えば、アルキル基などがあげられる。
【0026】
熱可塑性樹脂(A)は、少なくとも1種のオレフィンから誘導される繰り返し単位と少なくとも1種の置換および/または非置換マレイミド構造を有する繰り返し単位とを含有する二元またはそれ以上の多元共重合体であるのが好ましい。上記オレフィン・マレイミド共重合体は、オレフィンとマレイミド化合物から、公知の方法で合成できる。合成法は、例えば、特開平5−59193号公報、特開平5−195801号公報、特開平6−136058号公報および特開平9−328523号公報に記載されている。
【0027】
オレフィンとしては、たとえば、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−へキセン、2−メチル−1−ヘプテン、2−メチル−1−へプテン、1−イソオクテン、2−メチル−1−オクテン、2−エチル−1−ペンテン、2−エチル−2−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、2−メチル−2−へキセン等があげられる。これらのなかでもイソブテンが好ましい。これらのオレフィンは単独で用いてもよく、2種以上を組合せてもよい。
【0028】
マレイミド化合物としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−s−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−へプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド等があげられる。これらのなかでもN−メチルマレイミドが好ましい。これらマレイミド化合物は単独で用いてもよく、または2種以上を組み合わせてもよい。
【0029】
オレフィン・マレイミド共重合体において、オレフィンの繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、熱可塑性樹脂(A)の総繰り返し単位の20〜70モル%程度、好ましくは40〜60モル%、さらに好ましくは45〜55モル%である。マレイミド構造の繰り返し単位の含有量は30〜80モル%程度、好ましくは40〜60モル%、さらに好ましくは45〜55モル%である。
【0030】
熱可塑性樹脂(A)は前記オレフィンの繰り返し単位とマレイミド構造の繰り返し単位を含有し、これらの単位のみにより形成することができる。また前記以外に、他のビニル系単量体の繰り返し単位を50モル%以下の割合で含んでいてもよい。他のビニル系単量体としてはアクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸系単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸系単量体、酢酸ビニル等のビニルエステル単量体、メチルビニルエーテル等のビニルエーテル単量体、無水マレイン酸のような酸無水物、スチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等のスチレン系単量体等があげられる。
【0031】
熱可塑性樹脂(A)の重量平均分子量は特に制限されないが、1×10 〜5×10 程度である。前記重量平均分子量は1×10 以上が好ましく、5×10 以下が好ましい。熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度は80℃以上、好ましくは100℃以上、さらに好ましくは130℃以上である。
【0032】
また熱可塑性樹脂(A)としては、グルタルイミド系熱可塑性樹脂を用いることができる。グルタルイミド系樹脂は、特開平2−153904号公報等に記載されている。グルタルイミド系樹脂は、グルタルイミド構造単位とアクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチル構造単位を有する。グルタルイミド系樹脂中にも前記他のビニル系単量体を導入できる。
【0033】
熱可塑性樹脂(B)は、置換および/または非置換フェニル基とニトリル基とを側鎖に有する熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂(B)の主鎖は、熱可塑性樹脂(A)と同様のものを例示できる。
【0034】
熱可塑性樹脂(B)に前記フェニル基を導入する方法としては、例えば、前記フェニル基を有するモノマーを重合する方法、各種モノマーを重合して主鎖を形成した後、フェニル基を導入する方法、フェニル基を有する化合物を側鎖にグラフトする方法等があげられる。フェニル基の置換基としては、フェニル基の水素を置換し得る従来公知の置換基が使用可能である。例えば、アルキル基などがあげられる。熱可塑性樹脂(B)にニトリル基を導入する方法もフェニル基の導入法と同様の方法を採用できる。
【0035】
熱可塑性樹脂(B)は、不飽和ニトリル化合物から誘導される繰り返し単位(ニトリル単位)とスチレン系化合物から誘導される繰り返し単位(スチレン系単位)とを含む二元または三元以上の多元共重合体であるのが好ましい。たとえばアクリロニトリル・スチレン系の共重合体を好ましく用いることができる。
【0036】
不飽和ニトリル化合物としては、シアノ基および反応性二重結合を有する任意の化合物があげられる。例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα−置換不飽和ニトリル、フマロニトリル等のα,β−二置換オレフィン性不飽和結合を有するニトリル化合物等があげられる。
【0037】
スチレン系化合物としては、フェニル基および反応性二重結合を有する任意の化合物があげられる。例えば、スチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン、クロロスチレン等の非置換または置換スチレン系化合物、α−メチルスチレン等のα−置換スチレン系化合物があげられる。
【0038】
熱可塑性樹脂(B)中のニトリル単位の含有量は特に制限されないが、総繰り返し単位を基準として、10〜70重量%程度、好ましくは20〜60重量%、さらに好ましくは20〜50重量%である。特に20〜40重量%、20〜30重量%が好ましい。スチレン系単位は、30〜70重量%程度、好ましくは40〜80重量%、さらに好ましくは50〜80重量%である。特に60〜80重量%、70〜80重量%が好ましい。
【0039】
熱可塑性樹脂(B)は前記ニトリル単位とスチレン系単位を含有し、これらの単位のみにより形成することができる。また前記以外に他のビニル系単量体の繰り返し単位を50モル%以下の割合で含んでいてもよい。他のビニル系単量体としては熱可塑性樹脂(A)に例示したもの、オレフィンの繰り返し単位、マレイミド、置換マレイミドの繰り返し単位等があげられる。かかる熱可塑性樹脂(B)としてはAS樹脂、ABS樹脂、ASA樹脂等があげられる。
【0040】
熱可塑性樹脂(B)の重量平均分子量は特に制限されないが、1×10 〜5×10 程度である。好ましくは1×10 以上、5×10 以下である。
【0041】
熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の比率は、透明保護フィルムに求められる位相差に応じて調整される。前記配合比は、一般的には熱可塑性樹脂(A)の含有量がフィルム中の樹脂の総量のうちの50〜95重量%であることが好ましく、60〜95重量%であることがより好ましく、さらに好ましくは、65〜90重量%である。熱可塑性樹脂(B)の含有量は、フィルム中の樹脂の総量のうちの5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜40重量%であり、さらに好ましくは、10〜35重量%である。熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)はこれらを熱溶融混練することにより混合される。
【0042】
前記保護フィルムの偏光子を接着させない面(前記塗布層を設けない面)には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
【0043】
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
【0044】
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜20μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜70重量部程度であり、5〜50重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
【0045】
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
【0046】
前記偏光子と透明保護フィルムとの接着処理には、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリエステル等が用いられる。
【0047】
保護フィルムの積層法は特に制限されないが、前記保護フィルムとPVA系偏光子とを貼り合わせる場合には、接着剤ないし粘着剤が用いられる。接着剤ないし粘着剤の種類は、偏光板の水分率や特性変化の点より、揮発分の少ない組成で硬化時ないし乾燥時に高温を要せず、短時間での処理が可能なものが好ましい。接着剤ないし粘着剤の具体例としては、例えばポリビニルアルコール系(PVA系)接着剤、アクリル系粘着剤、ポリエステル−イソシアネート系接着剤等、あるいは、ホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸などのビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤を含む接着剤などが用いられる。
【0048】
なお、PVA系偏光子の厚みは特に限定するものではないが、通常、10〜40μm程度の厚みであるのが好ましい。一方、保護フィルムの厚みとしては、特に限定するものではないが、通常25〜80μm、より好ましくは25〜60μm程度の厚みであるのが好ましい。
【0049】
本発明の偏光板は、実用に際して他の光学層と積層した光学フイルムとして用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板、位相差板(1/2 や1/4等の波長板を含む)、視角補償フイルムなどの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、本発明の偏光板に更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板、偏光板に更に視角補償フイルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フイルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
【0050】
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行うことができる。
【0051】
反射型偏光板の具体例としては、必要に応じマット処理した透明保護フイルムの片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成したものなどがあげられる。また前記透明保護フイルムに微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有する。また微粒子含有の透明保護フイルムは、入射光及びその反射光がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制しうる利点なども有している。透明保護フイルムの表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を透明保護層の表面に直接付設する方法などにより行うことができる。
【0052】
反射板は前記の偏光板の透明保護フイルムに直接付与する方式に代えて、その透明フイルムに準じた適宜なフイルムに反射層を設けてなる反射シートなどとして用いることもできる。なお反射層は、通常、金属からなるので、その反射面が透明保護フイルムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別途付設の回避の点などより好ましい。
【0053】
なお、半透過型偏光板は、上記において反射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得ることができる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用である。
【0054】
偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板について説明する。直線偏光を楕円偏光または円偏光に変えたり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向を変える場合に、位相差板などが用いられる。特に、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える位相差板としては、いわゆる1 /4 波長板(λ/4 板とも言う)が用いられる。1 /2 波長板(λ/2 板とも言う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
【0055】
楕円偏光板はスーパーツイストネマチック(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じた着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色のない白黒表示する場合などに有効に用いられる。更に、三次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)することができて好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有する。上記した位相差板の具体例としては、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレフィン、ポリアリレート、ポリアミドの如き適宜なポリマーからなるフイルムを延伸処理してなる複屈折性フイルムや液晶ポリマーの配向フイルム、液晶ポリマーの配向層をフイルムにて支持したものなどがあげられる。位相差板は、例えば各種波長板や液晶層の複屈折による着色や視角等の補償を目的としたものなどの使用目的に応じた適宜な位相差を有するものであってよく、2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御したものなどであってもよい。
【0056】
また上記の楕円偏光板や反射型楕円偏光板は、偏光板又は反射型偏光板と位相差板を適宜な組合せで積層したものである。かかる楕円偏光板等は、(反射型)偏光板と位相差板の組合せとなるようにそれらを液晶表示装置の製造過程で順次別個に積層することによっても形成しうるが、前記の如く予め楕円偏光板等の光学フイルムとしたものは、品質の安定性や積層作業性等に優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させうる利点がある。
【0057】
視角補償フイルムは、液晶表示装置の画面を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるためのフイルムである。このような視角補償位相差板としては、例えば位相差フイルム、液晶ポリマー等の配向フイルムや透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を支持したものなどからなる。通常の位相差板は、その面方向に一軸に延伸された複屈折を有するポリマーフイルムが用いられるのに対し、視角補償フイルムとして用いられる位相差板には、面方向に二軸に延伸された複屈折を有するポリマーフイルムとか、面方向に一軸に延伸され厚さ方向にも延伸された厚さ方向の屈折率を制御した複屈折を有するポリマーや傾斜配向フイルムのような二方向延伸フイルムなどが用いられる。傾斜配向フイルムとしては、例えばポリマーフイルムに熱収縮フイルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフイルムを延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリマーを斜め配向させたものなどが挙げられる。位相差板の素材原料ポリマーは、先の位相差板で説明したポリマーと同様のものが用いられ、液晶セルによる位相差に基づく視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大などを目的とした適宜なものを用いうる。
【0058】
また良視認の広い視野角を達成する点などより、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をトリアセチルセルロースフイルムにて支持した光学補償位相差板が好ましく用いうる。
【0059】
偏光板と輝度向上フイルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フイルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フイルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フイルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フイルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フイルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。すなわち、輝度向上フイルムを使用せずに、バックライトなどで液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くなる。輝度向上フイルムは、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フイルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フイルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フイルムは透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
【0060】
輝度向上フィルムと上記反射層等の間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、すなわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にもどす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の明るい表示画面を提供することができたものと考えられる。
【0061】
前記の輝度向上フィルムとしては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの(3M社製、D−BEF等)、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの(日東電工社製、PCF350やMerck社製、Transmax等)如き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用いうる。
【0062】
従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フイルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を投下するタイプの輝度向上フイルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
【0063】
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの単色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フイルムの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
【0064】
なお、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
【0065】
また、偏光板は、上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
【0066】
偏光板に前記光学層を積層した光学フィルムは、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたのものは、品質の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着層等の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光板やその他の光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
【0067】
前述した偏光板や、偏光板を少なくとも1層積層されている光学フイルムには、液晶セル等の他部材と接着するための粘着層を設けることもできる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
【0068】
また上記に加えて、吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層が好ましい。
【0069】
粘着層は、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤などの粘着層に添加されることの添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などであってもよい。
【0070】
偏光板や光学フィルムの片面又は両面への粘着層の付設は、適宜な方式で行いうる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で偏光板上または光学フィルム上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着層を形成してそれを偏光板上または光学フィルム上に移着する方式などがあげられる。
【0071】
粘着層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さ等の粘着層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
【0072】
粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフイルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
【0073】
なお本発明において、上記した偏光板を形成する偏光子や透明保護フイルムや光学フイルム等、また粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やべンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
【0074】
本発明の偏光板または光学フイルムは液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光板または光学フイルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光板または光学フイルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
【0075】
液晶セルの片側又は両側に偏光板または光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による偏光板または光学フイルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に偏光板または光学フイルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
【0076】
次いで有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
【0077】
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
【0078】
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
【0079】
このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
【0080】
電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光板との間に位相差板を設けることができる。
【0081】
位相差板および偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板を1 /4 波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向のなす角をπ/4 に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
【0082】
すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光となるが、とくに位相差板が1 /4 波長板でしかも偏光板と位相差板との偏光方向のなす角がπ/4 のときには円偏光となる。
【0083】
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
【0084】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0085】
実施例1
(偏光子)
株式会社クラレ製の厚さ75μmの長尺ポリビニルアルコールフィルム(9P75R)をガイドロールを介して連続搬送しつつ、ヨウ素とヨウ化カリウム配合の染色浴(30℃)に浸漬して染色処理と2.5倍の延伸処理を施した。次いで、ホウ酸とヨウ化カリウムを添加した酸性浴(60℃)中でトータルで5倍となる延伸処理と架橋処理を施した。次いで、得られたヨウ素−PVA系偏光子を乾燥機中で50℃で30分間乾燥させて、水分率4.9%、厚み約30μmのヨウ素−PVA系偏光子を得た。
【0086】
(保護フィルム)
イソブテンおよびN−メチルマレイミドからなる交互共重合体(N−メチルマレイミド含有量50モル%)75重量部と、アクリロニトリルの含有量が28重量%であるアクリロニトリル−スチレン共重合体25重量部とを塩化メチレンに溶解し、固形分濃度15重量%の溶液を得た。この溶液をガラス板状に敷いたポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延し、室温で60分放置した後、当該フィルムから剥がした。100℃で10分間乾燥後に、140℃で10分間、さらに160℃で30分間乾燥して、厚さ50μmの保護フィルムを得た。
【0087】
(偏光板)
前記保護フィルム上に接着層となるPVA系接着剤を塗布乾燥した後、偏光子の両面に貼り合わせて偏光板を作製した。
【0088】
実施例2
実施例1(偏光子)において、ヨウ素−PVA系偏光子の乾燥を、乾燥機中で50℃で3分間行ったこと以外は、実施例1(偏光子)と同様にして、厚み30μm、水分率10%のヨウ素−PVA系偏光子を得た。また、当該偏光子を用い、実施例1と同様の保護フィルムを用いて、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
【0089】
比較例1
実施例1(偏光子)において、ヨウ素−PVA系偏光子の乾燥を、乾燥機中で25℃で2分間行ったこと以外は、実施例1(偏光子)と同様にして、厚み30μm、水分率19.5%のヨウ素−PVA系偏光子を得た。また、当該偏光子を用い、実施例1と同様の保護フィルムを用いて、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
【0090】
比較例2
実施例1(偏光子)において、ヨウ素−PVA系偏光子の乾燥を、乾燥機中で25℃で2分間行ったこと以外は、実施例1(偏光子)と同様にして、厚み30μm、水分率19.5%のヨウ素−PVA系偏光子を得た。次いで、保護フィルムとして使用する厚さ80μmのTAC(トリアセチルセルロース)フィルムで上記偏光子の両面を挟み込んだフィルム間にPVA系接着剤を滴下し貼り合わせて偏光板を作製した。
【0091】
比較例3
実施例1(偏光子)と同様にして、厚み30μm、水分率4.9%のヨウ素−PVA系偏光子を得た。また、保護フィルムとして使用する厚さ80μmのTAC(トリアセチルセルロース)フィルム上に接着層となるPVA系接着剤を塗布乾燥した後、前記偏光子の両面に貼り合わせ偏光板を作製した。
【0092】
比較例4
実施例1(偏光子)と同様にして、厚み30μm、水分率4.9%のヨウ素−PVA系偏光子を得た。また、保護フィルムとして使用する厚さ80μmのポリオレフィン系フィルム上に接着層となるPVA系接着剤を塗布乾燥した後、前記偏光子の両面に貼り合わせ偏光板を作製した。
【0093】
比較例5
実施例1(偏光子)と同様にして、厚み30μm、水分率4.9%のヨウ素−PVA系偏光子を得た。また、保護フィルムとして使用する厚さ80μmのポリエステル系フィルム上に接着層となるPVA系接着剤を塗布乾燥した後、前記偏光子の両面に貼り合わせ偏光板を作製した。
【0094】
実施例、比較例で得られた偏光子および偏光板について以下の特性の評価を行った。
【0095】
(保護フィルムの透湿度の測定方法)
JIS Z 0208に準じた方法で、40℃/90%R.H(相対湿度)の試験条件で測定した。
【0096】
(水分率測定)
偏光子の水分率:保護フィルムとの貼り合せ直前の偏光子の一部を切断した(サンプルサイズ10mm×30mm)。大気中の水分の影響を避けるために、すばやく150℃に調整したカールフィッシャー水分計に付属している加熱炉に入れ、窒素ガスを200ml/minで流入させた。この窒素ガスをカールフィッシャー水分計の滴定セル溶液中にバブリングさせることにより偏光子の水分率を測定した。
【0097】
偏光板の水分率:作製された偏光板をサイズ10mm×30mmに切断し、35℃/80%R.Hで、48時間保存した後、偏光子と同様の方法で偏光板の水分率を測定した。
【0098】
(耐熱性試験)
サイズ25mm×50mmの大きさに切断した偏光板をスライドガラスにアクリル系粘着剤を用いて貼り付け、光学特性(初期の光学特性)を測定した後、90℃の前記乾燥機に入れ、240時間投入した後の光学特性(試験後の光学特性)を測定した。
【0099】
(耐湿性試験)
サイズ25mm×50mmの大きさに切断した偏光板をスライドガラスにアクリル系粘着剤を用いて貼り付け、光学特性(初期の光学特性)を測定した後、60℃/95%R.Hの前記乾燥機に入れ、240時間に投入した後の光学特性(試験後の光学特性)を測定した。
【0100】
(光学特性の測定)
(1)光線透過率変化量
JIS Z−8701に準じ、視感度補正を行い光線透過率(以下、透過率と略称する)を求め、これらの値から下記式により透過率変化量を求めた。
透過率変化量=試験後透過率−初期透過率
【0101】
(2)偏光度変化量
偏光度を、次の式により求めた。
偏光度={√((H −H90)/(H −H90))}×100(%)
ここで、H :平行透過率、H90:直交透過率である。
これらの値から下記式により偏光度変化量を求めた。
偏光度変化量=試験後偏光度−初期偏光度
【0102】
(3):色相変化量
色相a、色相b:JIS Z−8701に準じ、視感度補正を行い色相a、色相bを求めた。これらの値から下記式により色相変化量を求めた。
【0103】
色相a変化量=試験後色相a−初期色相a
色相b変化量=試験後色相b−初期色相b
【0104】
【表1】

Figure 2004020672
本発明の偏光板は、高温ないし高湿下においても光学特性変化量が小さく、信頼性が良好な耐久性の優れた偏光板が得られていることが認められる。比較例5の偏光板は耐熱性試験、耐湿性試験は良好であったが、面内に偏光ヌケが生じ、光学特性に問題があった。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a polarizing plate and a method for manufacturing the same. The polarizing plate of the present invention has little change in light transmittance, degree of polarization, image hue and the like even under severe environment such as high temperature or high humidity, and is excellent in environmental durability. The polarizing plate of the present invention is used alone or as an optical film in which another optical layer is laminated on an image display device such as a liquid crystal display device, an organic EL display device, a PDP, and a CRT.
[0002]
[Prior art]
In recent years, liquid crystal display devices have been used in personal computers, desk-top computers, electronic watches, word processors, instruments for automobiles and machinery, and the demand for polarizing plates having high polarization performance has been increased accordingly. . In particular, since liquid crystal display devices are used in all fields in recent years, it is necessary to assume that the devices will be used under severe conditions, and even at high temperatures or high humidity, the light transmittance, the degree of polarization, and the hue of images There is a demand for a polarizing plate that has little change in properties such as the above and has excellent durability.
[0003]
Conventionally, as a polarizing plate, a polyvinyl alcohol (PVA) -based film obtained by adsorbing iodine or a dichroic dye on a polyvinyl alcohol-based film is used as a polarizer, and triacetyl cellulose (TAC) is used on both sides of the polarizer. 2.) Polarizing plates sandwiched between protective films such as films are relatively inexpensive and have excellent polarization performance, and are widely used.
[0004]
That is, a dyeing step of dyeing a PVA-based film with iodine or a dichroic dye having dichroism, a crosslinking step of crosslinking with boric acid or borax, and a stretching step of uniaxially stretching (each of dyeing, crosslinking, and stretching) The steps need not be performed separately and may be performed simultaneously, and the order of each step is not particularly specified.), Followed by drying and bonding with a protective film such as TAC. However, in fields where high thermal reliability at high humidity or high temperature is required, such as for outdoor use and on-vehicle use, the TAC film has high moisture permeability and high water absorption, so that the deterioration of the characteristics of the polarizing plate due to excessive moisture penetration Has become a problem. Therefore, in a polarizing plate using a polyvinyl alcohol-based film (hereinafter abbreviated as a PVA-based polarizer) on which iodine or a dichroic dye is adsorbed as a polarizer, the protective layer is transparent and has low moisture permeability and low water absorption. Use of a film has been studied (JP-A-6-51117, JP-A-7-77608, and JP-A-11-142645).
[0005]
However, since the PVA polarizer is hydrophilic, the polarizer itself originally has high hygroscopicity. Therefore, simply using a film having a low moisture permeability or low water absorption as described above as a protective film impedes the permeation of moisture emanating from the PVA-based polarizer, and in a high-temperature environment, the polarizing plate The inside of itself becomes in a state of high temperature and high humidity. As a result, the amount of change in light transmittance (hereinafter, simply referred to as transmittance), degree of polarization, and the like becomes large, and the reliability as a polarizing plate is low.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the problems as in the prior art, and to provide a polarizing plate using a PVA-based polarizer, which has good reliability under high temperature or high humidity, and a method for manufacturing the same. And Another object is to provide an optical film using the polarizing plate, and further provide an image display device.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to solve the above-mentioned problems, and as a result, have found the following polarizing plate and a method for producing the same, and have achieved the above object.
[0008]
That is, the present invention provides a polarizing plate comprising at least a polyvinyl alcohol-based polarizer and two protective films sandwiching the polarizer, wherein the protective film comprises (A) a thermoplastic resin having a substituted and / or unsubstituted imide group in a side chain. Polarized light, comprising: a resin; and (B) a thermoplastic resin having a substituted and / or unsubstituted phenyl group and a nitrile group in a side chain, and a polarizing plate having a water content of 3% by weight or less. Board.
[0009]
The present invention provides, as a protective film for a PVA-based polarizer, (A) a thermoplastic resin having a substituted and / or unsubstituted imide group in a side chain; (B) a substituted and / or unsubstituted phenyl group in a side chain; It contains a thermoplastic resin having a nitrile group. The protective film containing the mixture of the thermoplastic resins (A) and (B) as a main component has good environmental durability under high temperature and high humidity, and can obtain a polarizing plate with little characteristic change.
[0010]
The protective film of the present invention is excellent in environmental durability, in addition to being superior to the TAC film, in addition to the protective film using a polyester resin, a polyimide resin, a norbornene resin, or a polyolefin resin. That is, the polyester resin film has high moisture permeability, so that the durability under humidification heat is poor, and the in-plane balance of the transmittance is large, so that a pattern is formed and the display quality is deteriorated. Further, since the phase difference is large, the viewing angle of the polarizing plate is poor. Polyimide-based resin films have low moisture permeability and thus have poor durability under heating, so that the polarizer cannot be maintained in a good state. Norbornene-based resins have low moisture permeability and thus have poor durability under heating, and cannot maintain the polarizer in a good state. Further, since the phase difference is large, the viewing angle of the polarizing plate is poor. Polyolefin-based resins have poor moisture permeability due to low moisture permeability, and cannot maintain the polarizer in a good state. Also, the film strength is low and the film is easily torn.
[0011]
In addition, the polarizing plate of the present invention in which the protective film is laminated on both sides of the PVA-based polarizer is adjusted to have a moisture content of 3% by weight or less (hereinafter, the moisture content is simply referred to as the moisture content% by weight). By attaching a protective film having low moisture permeability while keeping the water content of the polarizer as low as possible, a polarizing plate having high reliability and excellent durability can be obtained. In order to make the polarizing plate more durable, the water content of the polarizing plate is preferably 1% or less. If the water content of the polarizing plate is more than 3%, the change in transmittance, the change in degree of polarization, or the change in hue in a high-temperature or high-humidity environment increases, so that a polarizing plate with good durability cannot be obtained.
[0012]
Further, the present invention provides a method for producing a polarizing plate, wherein two protective films are attached so as to sandwich a polyvinyl alcohol-based polarizer, wherein the protective film comprises (A) a substituted and / or unsubstituted imide group in a side chain. And (B) a thermoplastic resin having a substituted and / or unsubstituted phenyl group and a nitrile group in a side chain, and the polyvinyl alcohol-based polarizer has a water content of 15% or less. And a method of manufacturing a polarizing plate, comprising bonding a protective film in an adjusted state.
[0013]
The method for producing the polarizing plate of the present invention is not particularly limited. For example, it can be obtained by laminating a protective film in a state where the water content of the PVA-based polarizer is adjusted to 15% or less. It is more preferable to adjust the moisture content of the PVA-based polarizer to 5% or less when attaching the protective film. When the protective film is bonded in a state where the moisture content of the pre-PVA-based polarizer is greater than 15%, it is difficult to reduce the moisture content of the polarizing plate to 3% or less, more preferably 1% or less. .
[0014]
In the polarizing plate and the method for manufacturing the same, the protective film has a moisture permeability of 40 ° C. × 90% RH. H. 5 to 300 (g / m 2 24h).
[0015]
As a transparent protective film, the moisture permeability is 5 (g / m2). 2 ・ 24h) By using the above film, it is possible to provide a polarizing plate in which the moisture remaining in the polarizer suppresses a decrease in optical durability, and the moisture permeability is 300 (g / m). 2 (24h) It is preferable to use a film having a thickness of not more than that the optical durability can be prevented from lowering due to intrusion of moisture from the surrounding atmosphere of the polarizing plate. The moisture permeability is 40 to 200 (g / m 2 24 h), and further 60 to 160 (g / m 2 24h).
[0016]
Further, the present invention relates to an optical film using at least one polarizing plate. Further, the present invention relates to an image display device using the polarizing plate or the optical film.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The polarizing plate according to the present invention has a protective film containing the thermoplastic resins (A) and (B) laminated on both sides of the PVA-based polarizer.
[0018]
PVA-based polarizers include a dyeing step of adsorbing iodine or a dichroic dye onto a PVA-based film, a crosslinking step of crosslinking with a shelf element such as boric acid or borax, and a stretching step of uniaxially stretching (dying, crosslinking, stretching). The steps (1) and (2) do not need to be performed separately and may be performed simultaneously, and the order of the steps is not particularly limited. Next, the obtained PVA-based polarizer is bonded to a protective film to produce a polarizing plate.
[0019]
As a method for producing a PVA-based film, a stock solution obtained by dissolving polyvinyl alcohol in water or an organic solvent is cast, and then stretched (wet-stretched) in a bath, and then subjected to iodine dyeing or azo, anthraquinone, or tetrazine. Or a method of performing stretching and dyeing simultaneously, or dyeing and stretching, followed by treatment with a boron compound. Solvents used in preparing the stock solution include water, dimethyl sulfoxide, N-methylpyrrolidone, glycerin, ethylene glycol, propylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, polyhydric alcohols such as trimethylolpropane, ethylenediamine, diethylenetriamine And mixtures thereof. Stretching is 3.5 times or more in the uniaxial direction, preferably 4.times. It is desirable that the film be stretched 5 times or more. At this time, stretching may be performed in a direction perpendicular to the above (stretching to a degree that prevents shrinkage in the width direction or more). The stretching temperature is suitably in the range of 30 to 130 ° C. The stretching of the PVA-based film is a typical example of wet stretching in the above-described example, but is not limited thereto. A dry stretching method of stretching before immersion in the wet bath is described. For example, another appropriate stretching method may be adopted.
[0020]
Dyeing with a dichroic dye or iodine on a PVA-based film, that is, adsorption of the dichroic dye or iodine is performed by bringing a liquid containing these into contact with the PVA-based film. Usually, an aqueous solution of iodine-potassium iodide or an aqueous solution of a dichroic dye such as an azo-based, anthraquinone-based, or tetrazine-based dye is used. The concentration of iodine is 0.1 to 2.0 g / l, the concentration of potassium iodide is 10 to 50 g / l, the weight ratio of iodine / potassium iodide is 20 to 100, and the concentration of dichroic dye is , 0.1 to 3.0 g / l is appropriate. The dyeing time is practically about 30 to 500 seconds.
[0021]
The method for adjusting the water content of the PVA-based polarizer to the above-mentioned small range is not particularly limited, and examples thereof include the following method.
(1) The drying temperature of the polarizer is increased. Although not particularly limited, for example, the drying temperature is 30 ° C to 80 ° C.
(2) Prolong the drying time of the polarizer. Although not particularly limited, for example, the drying time is set to 10 minutes to 1 hour.
(3) The polarizer is once wound, dried at 20 to 50 ° C. for 1 to 24 hours, and then bonded to a protective film.
(4) Produce a polarizer by dry stretching. For example, a method in which a PVA-based film is dry-stretched 1.5 to 5 times in a heating atmosphere at 70 to 150 ° C. and then dyed with a dichroic dye or iodine to produce a polarizer.
[0022]
The thus obtained PVA-based polarizer having a low moisture content can suppress the release of moisture during the heating reliability test, suppress the inside of the polarizing plate from becoming a high humidity atmosphere, and improve the heating durability of the polarizing plate. .
[0023]
The transparent protective film sandwiching the PVA-based polarizer includes (A) a thermoplastic resin having a substituted and / or unsubstituted imide group in a side chain, and (B) a substituted and / or unsubstituted phenyl group and a nitrile in a side chain. Those containing a thermoplastic resin having a group are used. A transparent protective film containing such thermoplastic resins (A) and (B) is described in, for example, WO 01/37007. The transparent protective film may contain other resins even when the thermoplastic resins (A) and (B) are the main components.
[0024]
The thermoplastic resin (A) has a substituted and / or unsubstituted imide group in a side chain, and the main chain is an arbitrary thermoplastic resin. The main chain may be, for example, a main chain composed of only carbon, or an atom other than carbon may be inserted between carbons. It may also be composed of atoms other than carbon. The main chain is preferably a hydrocarbon or a substitute thereof. The main chain is obtained, for example, by addition polymerization. Specifically, for example, it is polyolefin or polyvinyl. The main chain is obtained by condensation polymerization. For example, it can be obtained by an ester bond, an amide bond and the like. The main chain is preferably a polyvinyl skeleton obtained by polymerizing a substituted vinyl monomer.
[0025]
As a method for introducing a substituted and / or unsubstituted imide group into the thermoplastic resin (A), any conventionally known method can be adopted. For example, a method of polymerizing the monomer having the imide group, a method of polymerizing various monomers to form a main chain, and then introducing the imide group, and a method of grafting the compound having the imide group to a side chain are exemplified. Can be As the substituent of the imide group, a conventionally known substituent capable of substituting hydrogen of the imide group can be used. For example, an alkyl group and the like can be mentioned.
[0026]
The thermoplastic resin (A) is a binary or higher multi-component copolymer containing a repeating unit derived from at least one olefin and at least one repeating unit having a substituted and / or unsubstituted maleimide structure. It is preferred that The olefin / maleimide copolymer can be synthesized from an olefin and a maleimide compound by a known method. The synthesis method is described in, for example, JP-A-5-59193, JP-A-5-195801, JP-A-6-136058 and JP-A-9-328523.
[0027]
Examples of the olefin include isobutene, 2-methyl-1-butene, 2-methyl-1-pentene, 2-methyl-1-hexene, 2-methyl-1-heptene, 2-methyl-1-heptene, Examples thereof include 1-isooctene, 2-methyl-1-octene, 2-ethyl-1-pentene, 2-ethyl-2-butene, 2-methyl-2-pentene, and 2-methyl-2-hexene. Of these, isobutene is preferred. These olefins may be used alone or in combination of two or more.
[0028]
As the maleimide compound, maleimide, N-methylmaleimide, N-ethylmaleimide, Nn-propylmaleimide, Ni-propylmaleimide, Nn-butylmaleimide, Ns-butylmaleimide, Nt-butyl Maleimide, Nn-pentylmaleimide, Nn-hexylmaleimide, Nn-heptylmaleimide, Nn-octylmaleimide, N-laurylmaleimide, N-stearylmaleimide, N-cyclopropylmaleimide, N-cyclo Butylmaleimide, N-cyclopentylmaleimide, N-cyclohexylmaleimide, N-cycloheptylmaleimide, N-cyclooctylmaleimide and the like. Among these, N-methylmaleimide is preferred. These maleimide compounds may be used alone or in combination of two or more.
[0029]
In the olefin / maleimide copolymer, the content of the olefin repeating unit is not particularly limited, but is about 20 to 70 mol%, preferably 40 to 60 mol%, more preferably, of the total repeating units of the thermoplastic resin (A). 45 to 55 mol%. The content of the repeating unit having a maleimide structure is about 30 to 80 mol%, preferably 40 to 60 mol%, and more preferably 45 to 55 mol%.
[0030]
The thermoplastic resin (A) contains a repeating unit of the olefin and a repeating unit of a maleimide structure, and can be formed by only these units. In addition to the above, repeating units of other vinyl monomers may be contained at a ratio of 50 mol% or less. Other vinyl monomers include acrylic acid monomers such as methyl acrylate and butyl acrylate, methacrylic acid monomers such as methyl methacrylate and cyclohexyl methacrylate, and vinyl ester monomers such as vinyl acetate. And vinyl ether monomers such as methyl vinyl ether, acid anhydrides such as maleic anhydride, and styrene monomers such as styrene, α-methylstyrene and p-methoxystyrene.
[0031]
The weight average molecular weight of the thermoplastic resin (A) is not particularly limited. 3 ~ 5 × 10 6 It is about. The weight average molecular weight is 1 × 10 4 More preferably, 5 × 10 5 The following is preferred. The glass transition temperature of the thermoplastic resin (A) is at least 80 ° C, preferably at least 100 ° C, more preferably at least 130 ° C.
[0032]
Further, a glutarimide-based thermoplastic resin can be used as the thermoplastic resin (A). The glutarimide resin is described in JP-A-2-153904 and the like. The glutarimide resin has a glutarimide structural unit and a methyl acrylate or methyl methacrylate structural unit. The other vinyl monomer can be introduced into the glutarimide resin.
[0033]
The thermoplastic resin (B) is a thermoplastic resin having a substituted and / or unsubstituted phenyl group and a nitrile group in a side chain. The main chain of the thermoplastic resin (B) can be the same as that of the thermoplastic resin (A).
[0034]
Examples of the method of introducing the phenyl group into the thermoplastic resin (B) include a method of polymerizing a monomer having the phenyl group, a method of polymerizing various monomers to form a main chain, and then introducing a phenyl group; Examples include a method of grafting a compound having a phenyl group to a side chain. As the substituent of the phenyl group, a conventionally known substituent capable of substituting hydrogen of the phenyl group can be used. For example, an alkyl group and the like can be mentioned. The method for introducing a nitrile group into the thermoplastic resin (B) may be the same as the method for introducing a phenyl group.
[0035]
The thermoplastic resin (B) is a binary or ternary or more multi-component copolymer containing a repeating unit (nitrile unit) derived from an unsaturated nitrile compound and a repeating unit (styrene unit) derived from a styrene-based compound. It is preferred that they are united. For example, an acrylonitrile-styrene copolymer can be preferably used.
[0036]
As the unsaturated nitrile compound, any compound having a cyano group and a reactive double bond can be mentioned. Examples thereof include α-substituted unsaturated nitriles such as acrylonitrile and methacrylonitrile, and nitrile compounds having an α, β-disubstituted olefinically unsaturated bond such as fumaronitrile.
[0037]
Styrene compounds include any compound having a phenyl group and a reactive double bond. Examples include unsubstituted or substituted styrene compounds such as styrene, vinyltoluene, methoxystyrene, and chlorostyrene, and α-substituted styrene compounds such as α-methylstyrene.
[0038]
Although the content of the nitrile unit in the thermoplastic resin (B) is not particularly limited, it is about 10 to 70% by weight, preferably 20 to 60% by weight, more preferably 20 to 50% by weight, based on the total repeating units. is there. Particularly, 20 to 40% by weight and 20 to 30% by weight are preferable. The content of the styrene unit is about 30 to 70% by weight, preferably 40 to 80% by weight, and more preferably 50 to 80% by weight. Particularly, 60 to 80% by weight and 70 to 80% by weight are preferable.
[0039]
The thermoplastic resin (B) contains the nitrile unit and the styrene-based unit, and can be formed by only these units. In addition to the above, a repeating unit of another vinyl monomer may be contained in a proportion of 50 mol% or less. Examples of other vinyl monomers include those exemplified for the thermoplastic resin (A), olefin repeating units, maleimide, substituted maleimide repeating units, and the like. Examples of the thermoplastic resin (B) include an AS resin, an ABS resin, and an ASA resin.
[0040]
The weight average molecular weight of the thermoplastic resin (B) is not particularly limited. 3 ~ 5 × 10 6 It is about. Preferably 1 × 10 4 5 × 10 or more 5 It is as follows.
[0041]
The ratio between the thermoplastic resin (A) and the thermoplastic resin (B) is adjusted according to the retardation required for the transparent protective film. In general, the mixing ratio is preferably such that the content of the thermoplastic resin (A) is 50 to 95% by weight, more preferably 60 to 95% by weight, of the total amount of the resin in the film. And more preferably 65 to 90% by weight. The content of the thermoplastic resin (B) is preferably 5 to 50% by weight, more preferably 5 to 40% by weight, and still more preferably 10 to 35% by weight of the total amount of the resin in the film. %. The thermoplastic resin (A) and the thermoplastic resin (B) are mixed by hot melt kneading them.
[0042]
The surface of the protective film on which the polarizer is not adhered (the surface on which the coating layer is not provided) may be subjected to a hard coat layer, an antireflection treatment, an anti-sticking treatment, or a treatment for diffusion or antiglare. Good.
[0043]
The hard coat treatment is performed for the purpose of preventing scratches on the surface of the polarizing plate, for example, by applying a suitable ultraviolet-curable resin such as an acrylic resin or a silicone resin to a cured film having excellent hardness and sliding properties, etc., as a transparent protective film. It can be formed by a method of adding to the surface of. The anti-reflection treatment is performed for the purpose of preventing the reflection of external light on the polarizing plate surface, and can be achieved by forming an anti-reflection film or the like according to the related art. In addition, the anti-sticking treatment is performed for the purpose of preventing adhesion to an adjacent layer.
[0044]
The anti-glare treatment is performed for the purpose of preventing external light from being reflected on the surface of the polarizing plate and hindering the visibility of light transmitted through the polarizing plate, and is, for example, a roughening method using a sand blast method or an embossing method. The transparent protective film can be formed by giving a fine uneven structure to the surface of the transparent protective film by an appropriate method such as a method of mixing transparent fine particles or the like. As the fine particles to be contained in the formation of the surface fine uneven structure, for example, a conductive material composed of silica, alumina, titania, zirconia, tin oxide, indium oxide, cadmium oxide, antimony oxide and the like having an average particle size of 0.5 to 20 μm. Transparent fine particles such as inorganic fine particles which may be used and organic fine particles formed of a crosslinked or uncrosslinked polymer or the like are used. When forming the fine surface unevenness structure, the amount of the fine particles to be used is generally about 2 to 70 parts by weight, preferably 5 to 50 parts by weight, based on 100 parts by weight of the transparent resin forming the fine surface unevenness structure. The anti-glare layer may also serve as a diffusion layer (such as a viewing angle expanding function) for diffusing light transmitted through the polarizing plate to increase the viewing angle or the like.
[0045]
The anti-reflection layer, anti-sticking layer, diffusion layer, anti-glare layer and the like can be provided on the transparent protective film itself, or can be separately provided as an optical layer separately from the transparent protective film.
[0046]
For the bonding treatment between the polarizer and the transparent protective film, an isocyanate-based adhesive, a polyvinyl alcohol-based adhesive, a gelatin-based adhesive, a vinyl-based latex-based, an aqueous-based polyester, or the like is used.
[0047]
The method of laminating the protective film is not particularly limited, but when the protective film and the PVA-based polarizer are bonded, an adhesive or a pressure-sensitive adhesive is used. The type of the adhesive or the pressure-sensitive adhesive is preferably a composition having a low volatile content, which does not require a high temperature at the time of curing or drying and can be processed in a short time, from the viewpoint of the moisture content and the change in characteristics of the polarizing plate. Specific examples of the adhesive or the pressure-sensitive adhesive include a polyvinyl alcohol-based (PVA-based) adhesive, an acrylic pressure-sensitive adhesive, a polyester-isocyanate-based adhesive, or boric acid, borax, glutaraldehyde, melamine, or oxalic acid. For example, an adhesive containing a water-soluble cross-linking agent of a vinyl alcohol-based polymer, such as an adhesive, is used.
[0048]
Although the thickness of the PVA-based polarizer is not particularly limited, it is usually preferable that the thickness is about 10 to 40 μm. On the other hand, the thickness of the protective film is not particularly limited, but is preferably about 25 to 80 μm, more preferably about 25 to 60 μm.
[0049]
The polarizing plate of the present invention can be used as an optical film laminated with another optical layer in practical use. The optical layer is not particularly limited. For example, the optical layer is used for forming a liquid crystal display device such as a reflection plate, a semi-transmission plate, a retardation plate (including a wavelength plate such as 1/2 or 1/4), a viewing angle compensation film, and the like. One or more optical layers that may be used may be used. In particular, a reflective polarizing plate or a transflective polarizing plate in which a reflecting plate or a transflective reflecting plate is further laminated on the polarizing plate of the present invention, an elliptically polarizing plate or a circularly polarized light in which a retardation plate is further laminated on a polarizing plate A wide viewing angle polarizing plate in which a viewing angle compensating film is further laminated on a plate or a polarizing plate, or a polarizing plate in which a brightness enhancement film is further laminated on a polarizing plate is preferable.
[0050]
The reflection type polarizing plate is provided with a reflection layer on a polarizing plate, and is used to form a liquid crystal display device of a type that reflects incident light from a viewing side (display side) and displays the reflected light. There is an advantage that the built-in light source can be omitted, and the liquid crystal display device can be easily made thinner. The reflective polarizing plate can be formed by an appropriate method such as a method in which a reflective layer made of metal or the like is provided on one surface of the polarizing plate via a transparent protective layer or the like as necessary.
[0051]
Specific examples of the reflective polarizing plate include a transparent protective film that has been matted as required, and a reflective layer formed by attaching a foil or a vapor-deposited film made of a reflective metal such as aluminum to one surface of the transparent protective film. Further, there may be mentioned, for example, a transparent protective film in which fine particles are contained to form a fine surface unevenness structure, and a reflective layer having a fine unevenness structure is provided thereon. The reflective layer having the above-mentioned fine uneven structure has an advantage of diffusing incident light by irregular reflection, preventing directivity and glare, and suppressing unevenness in brightness and darkness. Further, the transparent protective film containing fine particles also has an advantage that the incident light and the reflected light thereof are diffused when passing through the film, so that unevenness in brightness and darkness can be further suppressed. The reflective layer having a fine uneven structure reflecting the fine uneven structure on the surface of the transparent protective film can be formed by, for example, making the metal transparent by an appropriate method such as an evaporation method such as a vacuum evaporation method, an ion plating method, or a sputtering method, or a plating method. It can be carried out by a method of directly attaching to the surface of the protective layer.
[0052]
The reflection plate can be used as a reflection sheet or the like in which a reflection layer is provided on an appropriate film according to the transparent film, instead of the method of directly applying the reflection film to the transparent protective film of the polarizing plate. Since the reflective layer is usually made of a metal, the use form in which the reflective surface is covered with a transparent protective film, a polarizing plate, or the like is intended to prevent a decrease in reflectance due to oxidation, and to maintain the initial reflectance over a long period of time. It is more preferable to avoid separately providing a protective layer.
[0053]
The transflective polarizing plate can be obtained by forming a transflective reflective layer such as a half mirror that reflects and transmits light with the reflective layer. A transflective polarizing plate is usually provided on the back side of a liquid crystal cell. When a liquid crystal display device or the like is used in a relatively bright atmosphere, an image is displayed by reflecting incident light from the viewing side (display side). In a relatively dark atmosphere, a liquid crystal display device of a type that displays an image using a built-in light source such as a backlight built in the back side of a transflective polarizing plate can be formed. That is, the transflective polarizing plate can save energy for use of a light source such as a backlight in a bright atmosphere, and is useful for forming a liquid crystal display device of a type that can be used with a built-in light source even in a relatively dark atmosphere. It is.
[0054]
An elliptically polarizing plate or a circularly polarizing plate in which a retardation plate is further laminated on a polarizing plate will be described. When changing linearly polarized light to elliptically or circularly polarized light, changing elliptically or circularly polarized light to linearly polarized light, or changing the polarization direction of linearly polarized light, a phase difference plate or the like is used. In particular, a so-called quarter-wave plate (also referred to as a λ / 4 plate) is used as a retardation plate that converts linearly polarized light into circularly polarized light or converts circularly polarized light into linearly polarized light. A half-wave plate (also referred to as a λ / 2 plate) is usually used to change the polarization direction of linearly polarized light.
[0055]
The elliptically polarizing plate compensates (prevents) coloring (blue or yellow) caused by the birefringence of the liquid crystal layer of a super twisted nematic (STN) type liquid crystal display device, and is effectively used for a black-and-white display without the coloring. Can be Further, the one in which the three-dimensional refractive index is controlled is preferable because coloring which occurs when the screen of the liquid crystal display device is viewed from an oblique direction can be compensated (prevented). The circularly polarizing plate is effectively used, for example, when adjusting the color tone of an image of a reflection type liquid crystal display device that displays an image in color, and also has an antireflection function. Specific examples of the above retardation plate include a birefringent film obtained by stretching a film made of a suitable polymer such as polycarbonate, polyvinyl alcohol, polystyrene, polymethyl methacrylate, polypropylene and other polyolefins, polyarylate and polyamide. And an alignment film of a liquid crystal polymer, and an alignment layer of a liquid crystal polymer supported by a film. The retardation plate may have an appropriate retardation depending on the purpose of use, such as, for example, a color plate due to birefringence of various wave plates or a liquid crystal layer, or a target for compensation of a viewing angle or the like. A retardation plate may be laminated to control optical characteristics such as retardation.
[0056]
Further, the elliptically polarizing plate or the reflection type elliptically polarizing plate is obtained by laminating a polarizing plate or a reflection type polarizing plate and a retardation plate in an appropriate combination. Such an elliptically polarizing plate or the like may be formed by sequentially and separately laminating a (reflection type) polarizing plate and a retardation plate in the process of manufacturing a liquid crystal display device so as to form a combination. An optical film such as a polarizing plate has an advantage that it is excellent in quality stability, laminating workability, and the like, and can improve manufacturing efficiency of a liquid crystal display device and the like.
[0057]
The viewing angle compensation film is a film for widening the viewing angle so that an image can be seen relatively clearly even when the screen of the liquid crystal display device is viewed from a direction not perpendicular to the screen but slightly oblique. Such a viewing angle compensating retardation plate includes, for example, a retardation film, an alignment film such as a liquid crystal polymer, and a transparent substrate on which an alignment layer such as a liquid crystal polymer is supported. A normal retardation plate is a polymer film having birefringence uniaxially stretched in the plane direction, whereas a retardation plate used as a viewing angle compensation film is biaxially stretched in the plane direction. A birefringent polymer film such as a polymer film having birefringence, a birefringent polymer uniaxially stretched in the plane direction, and a birefringent polymer in which the refractive index in the thickness direction is also stretched in the thickness direction, or a tilted oriented film is used. Used. Examples of the inclined alignment film include a film obtained by bonding a heat shrinkable film to a polymer film and subjecting the polymer film to a stretching treatment and / or a shrinking treatment under the action of the shrinkage force caused by heating, and a film obtained by obliquely aligning a liquid crystal polymer. No. As the raw material polymer of the retardation plate, the same polymer as described in the above retardation plate is used to prevent coloring or the like due to a change in the viewing angle based on the phase difference due to the liquid crystal cell and to enlarge the viewing angle for good visibility. Any appropriate one for the purpose can be used.
[0058]
In addition, because of achieving a wide viewing angle with good visibility, the optically compensated retardation, in which an optically anisotropic layer composed of a liquid crystal polymer alignment layer, particularly a discotic liquid crystal polymer tilt alignment layer, is supported by a triacetyl cellulose film A plate can be preferably used.
[0059]
A polarizing plate obtained by laminating a polarizing plate and a brightness enhancement film is usually used by being provided on the back side of a liquid crystal cell. The brightness enhancement film reflects linearly polarized light of a predetermined polarization axis or circularly polarized light of a predetermined direction when natural light enters due to reflection from a backlight or a back side of a liquid crystal display device, and has a characteristic of transmitting other light. A polarizing plate obtained by laminating a brightness enhancement film and a polarizing plate, while receiving light from a light source such as a backlight to obtain transmitted light of a predetermined polarization state, is reflected without transmitting light other than the predetermined polarization state. You. The light reflected on the surface of the brightness enhancement film is further inverted through a reflection layer or the like provided on the rear side thereof and re-entered on the brightness enhancement film, and a part or all of the light is transmitted as light in a predetermined polarization state to thereby improve brightness. The brightness can be improved by increasing the amount of light transmitted through the enhancement film and by increasing the amount of light that can be used for liquid crystal display image display by supplying polarized light that is hardly absorbed by the polarizer. In other words, when light is incident through a polarizer from the back side of a liquid crystal cell with a backlight or the like without using a brightness enhancement film, light having a polarization direction that does not match the polarization axis of the polarizer is almost completely polarized. Is absorbed by the polarizer and does not pass through the polarizer. That is, although it depends on the characteristics of the polarizer used, about 50% of the light is absorbed by the polarizer, and accordingly, the amount of light available for liquid crystal image display and the like decreases, and the image becomes darker. The brightness enhancement film is such that light having a polarization direction that is absorbed by the polarizer is once reflected by the brightness enhancement film without being incident on the polarizer, and further inverted through a reflection layer or the like provided on the rear side thereof. The brightness enhancement film transmits only the polarized light whose polarization direction has been changed so that the polarization direction of the light reflected and inverted between the two can pass through the polarizer. Since light is supplied to the polarizer, light from a backlight or the like can be efficiently used for displaying an image on the liquid crystal display device, and the screen can be brightened.
[0060]
A diffusion plate may be provided between the brightness enhancement film and the above-mentioned reflection layer or the like. The light in the polarization state reflected by the brightness enhancement film goes to the reflection layer and the like, but the diffuser provided uniformly diffuses the light passing therethrough, and at the same time, eliminates the polarization state and becomes a non-polarization state. That is, the diffuser returns the polarized light to the original natural light state. The light in the non-polarized state, that is, the light in the natural light state is repeatedly directed to the reflection layer and the like, reflected through the reflection layer and the like, again passed through the diffusion plate and re-incident on the brightness enhancement film. Thus, while maintaining the brightness of the display screen by providing a diffusion plate that returns polarized light to the original natural light state between the brightness enhancement film and the reflective layer, etc., at the same time, reducing unevenness in the brightness of the display screen, A uniform and bright screen can be provided. It is considered that by providing such a diffusion plate, the number of repetitions of the reflection of the first incident light is moderately increased, and a uniform bright display screen can be provided in combination with the diffusion function of the diffusion plate.
[0061]
The brightness enhancement film has a property of transmitting linearly polarized light having a predetermined polarization axis and reflecting other light, such as a multilayer thin film of a dielectric or a multilayer laminate of thin films having different refractive index anisotropy. Such as those shown (manufactured by 3M, D-BEF, etc.), those having an oriented film of cholesteric liquid crystal polymer and its oriented liquid crystal layer supported on a film substrate (manufactured by Nitto Denko Corporation, PCF350, Merck, Transmax, etc.), Appropriate ones such as those exhibiting the characteristic of reflecting one of the left-handed or right-handed circularly polarized light and transmitting the other light can be used.
[0062]
Therefore, in a brightness enhancement film of the type that transmits linearly polarized light having a predetermined polarization axis, the transmitted light is incident on the polarizing plate as it is with the polarization axis aligned, thereby efficiently transmitting the light while suppressing the absorption loss by the polarizing plate. Can be done. On the other hand, in a brightness enhancement film of the type that emits circularly polarized light, such as a cholesteric liquid crystal layer, it can be directly incident on a polarizer, but from the viewpoint of suppressing absorption loss, the circularly polarized light is linearly polarized through a retardation plate. It is preferable that the light is incident on a polarizing plate. By using a quarter-wave plate as the retardation plate, circularly polarized light can be converted to linearly polarized light.
[0063]
A retardation plate that functions as a quarter-wave plate in a wide wavelength range such as a visible light region exhibits, for example, a retardation layer that functions as a quarter-wave plate with respect to monochromatic light having a wavelength of 550 nm and other retardation characteristics. It can be obtained by a method of superimposing a retardation layer, for example, a retardation layer functioning as a half-wave plate. Therefore, the retardation plate disposed between the polarizing plate and the brightness enhancement film may be composed of one or more retardation layers.
[0064]
The cholesteric liquid crystal layer is also configured such that two or three or more cholesteric liquid crystal layers are superimposed on each other to reflect circularly polarized light in a wide wavelength range such as a visible light region. Based on this, it is possible to obtain circularly polarized light transmitted in a wide wavelength range.
[0065]
Further, the polarizing plate may be formed by laminating a polarizing plate and two or three or more optical layers as in the above-mentioned polarized light separating type polarizing plate. Therefore, a reflective elliptically polarizing plate or a transflective elliptically polarizing plate obtained by combining the above-mentioned reflective polarizing plate, semi-transmissive polarizing plate, and retardation plate may be used.
[0066]
An optical film in which the optical layer is laminated on a polarizing plate can also be formed by a method of sequentially laminating the optical film in a manufacturing process of a liquid crystal display device or the like. It has the advantage of being excellent in stability and assembly work and can improve the manufacturing process of a liquid crystal display device and the like. Appropriate bonding means such as an adhesive layer can be used for lamination. When bonding the polarizing plate and other optical films, their optical axes can be set at an appropriate angle depending on the intended retardation characteristics and the like.
[0067]
The above-described polarizing plate or an optical film in which at least one polarizing plate is laminated may be provided with an adhesive layer for bonding to another member such as a liquid crystal cell. The pressure-sensitive adhesive forming the pressure-sensitive adhesive layer is not particularly limited, and for example, an acrylic polymer, a silicone-based polymer, a polyester, a polyurethane, a polyamide, a polyether, and a polymer having a fluorine-based or rubber-based polymer as a base polymer are appropriately selected. Can be used. In particular, an acrylic adhesive having excellent optical transparency, exhibiting appropriate wettability, cohesiveness and adhesive adhesive properties and having excellent weather resistance and heat resistance can be preferably used.
[0068]
In addition to the above, prevention of foaming and peeling phenomena due to moisture absorption, reduction of optical characteristics due to thermal expansion difference and the like, prevention of warpage of the liquid crystal cell, and, in view of the formability of a liquid crystal display device having high quality and excellent durability, etc. An adhesive layer having low moisture absorption and excellent heat resistance is preferred.
[0069]
The adhesive layer is, for example, a natural or synthetic resin, in particular, a tackifier resin, or a filler, a pigment, a colorant, an antioxidant, or the like made of glass fiber, glass beads, metal powder, other inorganic powder, and the like. May be added to the pressure-sensitive adhesive layer. In addition, an adhesive layer containing fine particles and exhibiting light diffusibility may be used.
[0070]
The attachment of the adhesive layer to one or both surfaces of the polarizing plate or the optical film can be performed by an appropriate method. As an example thereof, for example, an adhesive solution of about 10 to 40% by weight is prepared by dissolving or dispersing a base polymer or a composition thereof in a solvent composed of a single solvent or a mixture of appropriate solvents such as toluene and ethyl acetate, A method of directly attaching it on a polarizing plate or an optical film by an appropriate developing method such as a casting method or a coating method, or forming an adhesive layer on a separator according to the above and forming it on a polarizing plate or an optical film. There is a method of transferring to the top.
[0071]
The pressure-sensitive adhesive layer may be provided on one or both sides of a polarizing plate or an optical film as a superposed layer of different compositions or types. When provided on both surfaces, an adhesive layer having a different composition, type, thickness, etc. may be formed on the front and back of the polarizing plate or the optical film. The thickness of the pressure-sensitive adhesive layer can be appropriately determined depending on the purpose of use, adhesive strength, and the like, and is generally 1 to 500 µm, preferably 5 to 200 µm, particularly preferably 10 to 100 µm.
[0072]
A separator is temporarily attached to the exposed surface of the adhesive layer for the purpose of preventing contamination and the like until the adhesive layer is put to practical use and covered. This can prevent the adhesive layer from coming into contact with the adhesive layer in a normal handling state. Except for the above thickness conditions, the separator may be, for example, a plastic film, a rubber sheet, paper, cloth, a nonwoven fabric, a net, a foamed sheet or a metal foil, a suitable thin body such as a laminate thereof, or a silicone-based material as necessary. Appropriate conventional ones, such as those coated with an appropriate release agent such as a long-chain alkyl-based, fluorine-based, or molybdenum sulfide, may be used.
[0073]
In the present invention, a polarizer, a transparent protective film, an optical film, or the like forming the above-described polarizing plate, and each layer such as an adhesive layer, for example, a salicylate compound, a benzophenol compound, a benzotriazole compound, and a cyanoacrylate. It may be a compound having an ultraviolet absorbing ability by a method such as a method of treating with an ultraviolet absorbent such as a system compound and a nickel complex compound.
[0074]
The polarizing plate or optical film of the present invention can be preferably used for forming various devices such as a liquid crystal display device. The formation of the liquid crystal display device can be performed according to a conventional method. That is, a liquid crystal display device is generally formed by appropriately assembling components such as a liquid crystal cell, a polarizing plate or an optical film, and an illumination system as needed, and incorporating a drive circuit. There is no particular limitation except that a polarizing plate or an optical film according to the present invention is used, and it can be in accordance with the conventional art. As for the liquid crystal cell, any type such as TN type, STN type and π type can be used.
[0075]
An appropriate liquid crystal display device such as a liquid crystal display device in which a polarizing plate or an optical film is arranged on one or both sides of a liquid crystal cell, or a lighting system using a backlight or a reflector can be formed. In that case, the polarizing plate or the optical film according to the present invention can be installed on one side or both sides of the liquid crystal cell. When a polarizing plate or an optical film is provided on both sides, they may be the same or different. Further, when forming the liquid crystal display device, for example, a suitable component such as a diffusion plate, an anti-glare layer, an antireflection film, a protection plate, a prism array, a lens array sheet, a light diffusion plate, a backlight, etc. Two or more layers can be arranged.
[0076]
Next, an organic electroluminescence device (organic EL display device) will be described. In general, in an organic EL display device, a luminous body (organic electroluminescent luminous body) is formed by sequentially laminating a transparent electrode, an organic luminescent layer, and a metal electrode on a transparent substrate. Here, the organic light emitting layer is a laminate of various organic thin films, for example, a laminate of a hole injection layer made of a triphenylamine derivative or the like, and a light emitting layer made of a fluorescent organic solid such as anthracene, Alternatively, a configuration having various combinations such as a stacked body of such a light emitting layer and an electron injection layer made of a perylene derivative, or a stacked body of a hole injection layer, a light emitting layer, and an electron injection layer thereof is known. Has been.
[0077]
In an organic EL display device, holes and electrons are injected into an organic light emitting layer by applying a voltage to a transparent electrode and a metal electrode, and energy generated by recombination of these holes and electrons excites a fluorescent substance. Then, light is emitted on the principle that the excited fluorescent substance emits light when returning to the ground state. The mechanism of recombination on the way is the same as that of a general diode, and as can be expected from this, the current and the emission intensity show strong nonlinearity accompanied by rectification with respect to the applied voltage.
[0078]
In an organic EL display device, at least one of the electrodes must be transparent in order to extract light emitted from the organic light emitting layer. Usually, a transparent electrode formed of a transparent conductor such as indium tin oxide (ITO) is used as an anode. Used as On the other hand, in order to facilitate electron injection and increase luminous efficiency, it is important to use a material having a small work function for the cathode, and usually a metal electrode such as Mg-Ag or Al-Li is used.
[0079]
In the organic EL display device having such a configuration, the organic light emitting layer is formed of a very thin film having a thickness of about 10 nm. Therefore, the organic light emitting layer transmits light almost completely, similarly to the transparent electrode. As a result, when light is incident from the surface of the transparent substrate during non-light emission, light transmitted through the transparent electrode and the organic light-emitting layer and reflected by the metal electrode again exits to the surface side of the transparent substrate, and when viewed from the outside, The display surface of the organic EL display device looks like a mirror surface.
[0080]
In an organic EL display device including an organic electroluminescent luminous body having a transparent electrode on the front side of an organic luminescent layer that emits light by applying a voltage and a metal electrode on the back side of the organic luminescent layer, the surface of the transparent electrode A polarizing plate can be provided on the side, and a retardation plate can be provided between the transparent electrode and the polarizing plate.
[0081]
Since the retardation plate and the polarizing plate have a function of polarizing light incident from the outside and reflected by the metal electrode, there is an effect that the mirror surface of the metal electrode is not visually recognized by the polarizing function. In particular, if the retardation plate is formed of a 1/4 wavelength plate and the angle between the polarization directions of the polarizing plate and the retardation plate is adjusted to π / 4, the mirror surface of the metal electrode can be completely shielded. .
[0082]
That is, as for the external light incident on the organic EL display device, only the linearly polarized light component is transmitted by the polarizing plate. This linearly polarized light is generally converted into elliptically polarized light by the phase difference plate, but becomes circularly polarized light particularly when the phase difference plate is a 1 wavelength plate and the angle between the polarization directions of the polarizing plate and the phase difference plate is π / 4. .
[0083]
This circularly polarized light transmits through the transparent substrate, the transparent electrode, and the organic thin film, is reflected by the metal electrode, passes through the organic thin film, the transparent electrode, and the transparent substrate again, and becomes linearly polarized light again by the phase difference plate. The linearly polarized light cannot pass through the polarizing plate because it is orthogonal to the polarizing direction of the polarizing plate. As a result, the mirror surface of the metal electrode can be completely shielded.
[0084]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0085]
Example 1
(Polarizer)
1. While continuously transporting a long polyvinyl alcohol film (9P75R) manufactured by Kuraray Co., Ltd. with a thickness of 75 μm via a guide roll, it is immersed in a dyeing bath (30 ° C.) containing iodine and potassium iodide, and a dyeing treatment is performed. A 5-fold stretching process was performed. Next, a stretching treatment and a cross-linking treatment were performed in a total of 5 times in an acidic bath (60 ° C.) to which boric acid and potassium iodide were added. Next, the obtained iodine-PVA polarizer was dried in a dryer at 50 ° C. for 30 minutes to obtain an iodine-PVA polarizer having a moisture content of 4.9% and a thickness of about 30 μm.
[0086]
(Protective film)
75 parts by weight of an alternating copolymer of isobutene and N-methylmaleimide (N-methylmaleimide content 50 mol%) and 25 parts by weight of an acrylonitrile-styrene copolymer having an acrylonitrile content of 28% by weight It was dissolved in methylene to obtain a solution having a solid content of 15% by weight. This solution was cast on a polyethylene terephthalate film spread on a glass plate, left at room temperature for 60 minutes, and then peeled from the film. After drying at 100 ° C. for 10 minutes, it was dried at 140 ° C. for 10 minutes and further at 160 ° C. for 30 minutes to obtain a protective film having a thickness of 50 μm.
[0087]
(Polarizer)
After applying and drying a PVA-based adhesive as an adhesive layer on the protective film, the film was bonded to both surfaces of a polarizer to produce a polarizing plate.
[0088]
Example 2
In Example 1 (polarizer), except that the iodine-PVA-based polarizer was dried at 50 ° C. for 3 minutes in a dryer, the thickness was 30 μm, and the water content was 30%. Thus, an iodine-PVA polarizer having a ratio of 10% was obtained. Further, a polarizing plate was produced in the same manner as in Example 1 using the polarizer and the same protective film as in Example 1.
[0089]
Comparative Example 1
In Example 1 (polarizer), the iodine-PVA-based polarizer was dried in a dryer at 25 ° C. for 2 minutes in the same manner as in Example 1 (polarizer). An iodine-PVA polarizer having a rate of 19.5% was obtained. Further, a polarizing plate was produced in the same manner as in Example 1 using the polarizer and the same protective film as in Example 1.
[0090]
Comparative Example 2
In Example 1 (polarizer), the iodine-PVA-based polarizer was dried in a dryer at 25 ° C. for 2 minutes in the same manner as in Example 1 (polarizer). An iodine-PVA polarizer having a rate of 19.5% was obtained. Next, a PVA-based adhesive was dropped and bonded between films sandwiching both surfaces of the polarizer with a TAC (triacetyl cellulose) film having a thickness of 80 μm to be used as a protective film, thereby producing a polarizing plate.
[0091]
Comparative Example 3
In the same manner as in Example 1 (polarizer), an iodine-PVA polarizer having a thickness of 30 μm and a moisture content of 4.9% was obtained. In addition, a PVA-based adhesive serving as an adhesive layer was applied on a TAC (triacetyl cellulose) film having a thickness of 80 μm used as a protective film and dried, and then bonded to both surfaces of the polarizer to produce a polarizing plate.
[0092]
Comparative Example 4
In the same manner as in Example 1 (polarizer), an iodine-PVA polarizer having a thickness of 30 μm and a moisture content of 4.9% was obtained. Further, a PVA-based adhesive to be an adhesive layer was applied on a polyolefin-based film having a thickness of 80 μm used as a protective film and dried, and then bonded to both surfaces of the polarizer to produce a polarizing plate.
[0093]
Comparative Example 5
In the same manner as in Example 1 (polarizer), an iodine-PVA polarizer having a thickness of 30 μm and a moisture content of 4.9% was obtained. In addition, after a PVA-based adhesive serving as an adhesive layer was applied on a polyester-based film having a thickness of 80 μm used as a protective film and dried, it was bonded to both surfaces of the polarizer to produce a polarizing plate.
[0094]
The following characteristics were evaluated for the polarizers and polarizing plates obtained in the examples and comparative examples.
[0095]
(Method of measuring moisture permeability of protective film)
According to a method according to JIS Z 0208, 40 ° C./90% R.C. It was measured under the test condition of H (relative humidity).
[0096]
(Moisture content measurement)
Moisture content of polarizer: A part of the polarizer was cut just before lamination with the protective film (sample size: 10 mm × 30 mm). In order to avoid the influence of moisture in the atmosphere, the mixture was quickly placed in a heating furnace attached to a Karl Fischer moisture meter adjusted to 150 ° C., and nitrogen gas was introduced at 200 ml / min. The nitrogen gas was bubbled into a titration cell solution of a Karl Fischer moisture meter to measure the moisture content of the polarizer.
[0097]
Moisture content of polarizing plate: The produced polarizing plate was cut into a size of 10 mm × 30 mm, and was cut at 35 ° C./80% RH. After storing for 48 hours at H, the water content of the polarizing plate was measured in the same manner as in the polarizer.
[0098]
(Heat resistance test)
A polarizing plate cut into a size of 25 mm × 50 mm is adhered to a slide glass using an acrylic adhesive, and optical characteristics (initial optical characteristics) are measured. Then, the polarizing plate is placed in the dryer at 90 ° C. for 240 hours. The optical characteristics after the introduction (optical characteristics after the test) were measured.
[0099]
(Moisture resistance test)
A polarizing plate cut into a size of 25 mm × 50 mm is attached to a slide glass using an acrylic adhesive, and after measuring optical characteristics (initial optical characteristics), the temperature is 60 ° C./95% R.C. H was placed in the dryer, and the optical characteristics (optical characteristics after the test) after being charged for 240 hours were measured.
[0100]
(Measurement of optical characteristics)
(1) Light transmittance change
Visibility was corrected according to JIS Z-8701 to determine the light transmittance (hereinafter abbreviated as transmittance), and the change in transmittance was determined from these values by the following equation.
Transmittance change = transmittance after test-initial transmittance
[0101]
(2) Polarization change
The degree of polarization was determined by the following equation.
Degree of polarization = {√ ((H 0 -H 90 ) / (H 0 -H 90 ))} × 100 (%)
Where H 0 : Parallel transmittance, H 90 : Orthogonal transmittance.
From these values, the degree of change in the degree of polarization was determined by the following equation.
Polarization degree change = polarization degree after test-initial polarization degree
[0102]
(3): hue change amount
Hue a, Hue b: Visibility was corrected according to JIS Z-8701 to obtain Hue a and Hue b. From these values, the hue change amount was determined by the following equation.
[0103]
Hue a change = hue a after test-initial hue a
Hue b change = hue b after test-initial hue b
[0104]
[Table 1]
Figure 2004020672
It can be seen that the polarizing plate of the present invention has a small amount of change in optical properties even under high temperature or high humidity, and has obtained a highly reliable and highly durable polarizing plate. The polarizing plate of Comparative Example 5 was good in the heat resistance test and the moisture resistance test, but had in-plane polarization drop and had a problem in optical characteristics.

Claims (6)

少なくともポリビニルアルコール系偏光子とそれを挟持する2枚の保護フィルムからなる偏光板において、前記保護フィルムが、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有してなり、かつ偏光板の水分率が3重量%以下であることを特徴とする偏光板。In a polarizing plate comprising at least a polyvinyl alcohol-based polarizer and two protective films sandwiching the polarizer, the protective film comprises: (A) a thermoplastic resin having a substituted and / or unsubstituted imide group in a side chain; A) A polarizing plate comprising a thermoplastic resin having a substituted and / or unsubstituted phenyl group and a nitrile group in a side chain, and having a moisture content of the polarizing plate of 3% by weight or less. 保護フィルムの透湿度が、40℃×90%R.H.で5〜300(g/m ・24h)であることを特徴とする請求項1記載の偏光板。When the moisture permeability of the protective film is 40 ° C. × 90% RH. H. In 5~300 (g / m 2 · 24h ) The polarizing plate of claim 1, wherein the a. ポリビニルアルコール系偏光子を挟持するように2枚の保護フィルムを貼り合わせる偏光板の製造方法において、前記保護フィルムが、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有してなり、かつ、前記ポリビニルアルコール系偏光子の水分率を15%以下に調整した状態で保護フィルムを貼り合わせることを特徴とする偏光板の製造方法。In the method for producing a polarizing plate, in which two protective films are bonded so as to sandwich a polyvinyl alcohol-based polarizer, the protective film may comprise (A) a thermoplastic resin having a substituted and / or unsubstituted imide group in a side chain. And (B) a thermoplastic resin having a substituted and / or unsubstituted phenyl group and a nitrile group in a side chain, and the polyvinyl alcohol-based polarizer is protected in a state where the water content is adjusted to 15% or less. A method for producing a polarizing plate, comprising laminating a film. 保護フィルムの透湿度が、40℃×90%R.H.で5〜300(g/m ・24h)であることを特徴とする請求項3記載の偏光板の製造方法。When the moisture permeability of the protective film is 40 ° C. × 90% RH. H. 3. a method of producing a polarizing plate of, wherein the in is 5~300 (g / m 2 · 24h ). 請求項1または2記載の偏光板を少なくとも1枚用いた光学フィルム。An optical film using at least one polarizing plate according to claim 1. 請求項1もしくは2記載の偏光板または請求項5記載の光学フィルムを用いたことを特徴とする画像表示装置。An image display device comprising the polarizing plate according to claim 1 or the optical film according to claim 5.
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