【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、反射膜を備えたゲストホスト反射型液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゲストホスト(GH)液晶モードは、ホストである液晶中に、ゲストである二色性色素を溶解させて用いる液晶モードである。二色性色素の光吸収軸の向きを、液晶で制御することにより、画像を表示する。ただし、二色性色素は、偏光の一成分だけを吸収する。従って、ゲストホスト液晶セルのみでは、充分なコントラスト比が得られない。
ゲストホスト反射型液晶表示素子では、全方位の偏光を吸収して高いコントラスト比を得るために、相転移型(White−Taylor型)、二層型やλ/4型のような各種手段が提案されている。
相転移型は、液晶と二色性色素との混合物にカイラル剤を添加し、コレステリック相と垂直配向との間でスイッチングを行う方式である。この方式は、一つの液晶層で白黒表示ができる。しかし、コントラスト比の改善が充分ではない、駆動電圧が高い、ヒステリシスがあって階調表示が困難であるとの問題がある。
【0003】
二層型は、液晶と二色性色素との混合物の層を二層設ける方式である。二層の液晶は、配向方位を直交させる。この方式は、コントラスト比が高いとの特徴がある。ただし、液晶表示素子としては厚く、視差が生じるとの問題がある。
λ/4型は、液晶と二色性色素との混合物からなる層とλ/4板を組み合わせる方式である。λ/4板を用いて、光が入射する際の偏光方位に対して、反射されてλ/4板から出ていく際の偏光方向を90゜回転させる。λ/4型は、厚さが薄く、視差の問題が解消される。
λ/4板を備えたゲストホスト反射型液晶表示素子については、特開平6−222350号、同6−222351号、同8−36174号、同10−221688号の各公報に記載がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
λ/4板を備えたゲストホスト反射型液晶表示素子では、λ/4板の光軸と、液晶分子の光軸とを厳密に調整する(ほぼ45゜に交差させる)必要がある。
ゲストホスト反射型液晶表示素子では、一般に誘電率異方性が負である液晶を使用する。明表示において充分な明るさを得るためには、誘電率異方性が負である液晶分子をほぼ垂直に配向させる必要がある。そして、電圧を印可する暗表示において、液晶分子が基板に対して水平方向に傾斜するように液晶表示装置を動作させる。
λ/4板を備えたゲストホスト反射型液晶表示素子に電圧を印加する際には、λ/4板の光軸とほぼ45゜の方向に液晶分子を傾けるため、予め液晶分子をその方向に傾斜(プレチルト)させておく必要がある。しかし、液晶分子を大きく傾斜させると、明表示において充分な明るさが得られない。従って、液晶分子のプレチルト角は、87〜88゜のわずかに(2〜3゜)傾く程度に微調整することが望ましい。このような微妙な角度を、液晶表示装置の面内で均一に実現することは極めて難しい。しかし、微妙な角度を均一に実現できないと、しきい特性のムラが生じ、液晶表示装置の表示ムラとなる。
【0005】
本発明の目的は、液晶分子のプレチルトが不要で、表示が均一なゲストホスト反射型液晶表示素子を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記(1)〜(3)のゲストホスト反射型液晶表示素子により達成された。
(1)反射膜を備えたゲストホスト反射型液晶表示素子であって、反射膜が、液晶性分子から形成される少なくとも一つの層からなり、液晶性分子が層内で、キラルスメスチック相(Sm*)の状態に配向しており、液晶性分子から形成される層が、所定の波長の光を選択的に反射し、他の波長の光を選択的に透過する波長選択性を有することを特徴とするゲストホスト反射型液晶表示素子。
(2)キラルスメスチック相において螺旋の周期長(P)と平均屈折率(n)との積(Pn)が210乃至450nmである(1)に記載のゲストホスト反射型液晶表示素子。
【0007】
(3)キラルスメスチック相の螺旋軸方向と、膜平面の法線との角度が45゜未満である(1)に記載のゲストホスト反射型液晶表示素子。
(4)キラルスメスチック相の螺旋軸方向と、液晶性分子の長軸方向との角度が5乃至60゜である(1)に記載のゲストホスト反射型液晶表示素子。
(5)重合により液晶性分子が、キラルスメスチック相の状態で固定されている(1)に記載のゲストホスト反射型液晶表示素子。
【0008】
(6)キラルスメスチック相(Sm*)が、キラルスメスチックC相(Sc*、SmC*)である(1)に記載のゲストホスト反射型液晶表示素子。
(7)液晶性分子から形成される層において、厚み方向に沿って、螺旋の周期長(P)が連続的に変化している(1)に記載のゲストホスト反射型液晶表示素子。
(8)反射膜が、螺旋の周期長(P)が異なる液晶性分子から形成される複数の層からなる(1)に記載のゲストホスト反射型液晶表示素子。
【0009】
【発明の効果】
本発明者の研究の結果、波長選択性反射膜にキラルスメスチック相(Sm*)を示す液晶性分子のフルピッチバンドを使用することにより、全く新しい光学的性質を示す波長選択性反射膜が得られることが判明した。
第1に、特定波長の円偏光を、右円偏光と左円偏光とを問わず全て反射する。従って、従来のコレステリック相を示す液晶性分子から形成される波長選択性反射膜では自然光の半分の光量を反射していたのに対して、本発明に用いる波長選択性反射膜は、自然光の100%を反射できる。
【0010】
第2に、選択反射する光の波長が、光の入射角に依存する。キラルスメスチック相の螺旋軸方向と、膜平面の法線との角度がほぼ0゜であると、膜に垂直に入射した光はほぼ100%透過し、斜めから入射した光は、その入射角度が大きくなるほど反射率が高くなる。そして、入射角度が大きくなると、選択反射波長が短波長側にシフトする。従って、厚み方向に沿って螺旋の周期長を連続的に変化させるか、あるいは、螺旋の周期長が異なる複数の波長選択性反射膜を積層して得られる広帯域波長選択性反射膜には、光の進行方向を限定する光路制御(コリメーション)機能が得られる。この光路制御機能は、光の吸収を伴わないため、反射した光を再利用することができる。
第3に、右円偏光の反射光が左円偏光となり、左円偏光の反射光が右円偏光となる。すなわち、円偏光については、通常の鏡と同じ反射特性を示す。ただし、直線偏光については、通常の鏡と異なり、反射光の偏光面は、入射偏光面に対して90゜回転する。反射光の偏光面を、入射偏光面に対して90゜回転させることは、通常の反射膜とλ/4板との組み合わせでも実現できる。ただし、λ/4板が特定方向の偏光に対してのみ偏光面を回転させる機能を有するのに対して、本発明に用いる波長選択性反射膜は、全ての方向の偏光に対してのみ偏光面を回転させる機能を有している。
【0011】
以上のような特徴を有する波長選択性反射膜を用いると、ゲストホスト反射型液晶表示素子において、液晶分子の光軸方向を調整する必要がなくなる。従って、液晶分子のプレチルトも不要であって、液晶性分子をわずかに(2〜3゜)傾く程度に微調整する難しい処置を実施する必要がない。
従って、本発明に従うゲストホスト反射型液晶表示素子は、特別な処理(プレチルトを実現するための配向処理)を実施することなく、ムラのない均一な画像を表示することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
[キラルスメスチック相]
本発明では、キラルスメスチック相(Sm*)を示す液晶性分子のフルピッチバンドを使用する。
本明細書において「キラルスメスチック相」は、螺旋構造を有するスメスチック相の意味で使用する。螺旋構造を有するためには、光学活性部位は必須ではなく、分子軸のまわりの原子配列に起因するキラリティを有する液晶性分子や、バナナ型液晶性分子(分子キラリティを有していないが、螺旋構造を誘起する分子)でも螺旋構造が得られる。光学活性部位がない螺旋構造については、J. Mat. Chem., vol.7, p.1307(1997)に記載がある。
【0013】
キラルスメスチック相(Sm*)は、キラルスメスチックC相(Sc*、SmC*)、キラルスメスチックI相(Si*、SmI*)およびキラルスメスチックF相(Sf*、SmF*)が好ましく、キラルスメスチックC相(Sc*、SmC*)が特に好ましい。
キラルスメスチックC相は、一般に強誘電性液晶(FLC)に用いる液晶相として研究され、既に実用化されている。
キラルスメスチック相の螺旋構造は、前述したように、光学活性部位は必須ではない。しかし、一般には、液晶性分子に光学活性部位を導入するか、あるいは液晶性分子と光学活性部位を有する化合物(キラル剤)とを併用する。キラルスメスチック相の螺旋構造が、右螺旋になるか、左螺旋になるかは、光学活性部位の掌性で決定できる。
キラルスメスチック相を示す液晶およびキラル剤については、「強誘電性液晶ディスプレイと材料(シーエムシー出版、福田敦夫監修、1992年)」や「液晶便覧(丸善、液晶便覧編集委員会編、2000年)、267〜330頁」に記載がある。
【0014】
キラルスメスチック相に用いる液晶性分子は、一般に棒状である。
液晶性分子は、薄い膜厚で必要な光学的性質を得るために、高い固有複屈折率(Δn)を有することが好ましい。
固有複屈折率が高い棒状液晶性分子としては、ビストラン系化合物およびフェニルピリミジン系化合物が好ましい。
棒状液晶性分子は、重合性基を有することができる。重合性基を有する液晶性分子は、重合によりキラルスメスチック相の状態で固定することができる。また、重合性基を有する棒状液晶性分子を重合して得られる高分子液晶を用いてもよい。
【0015】
重合性基は、光(紫外光、可視光)、電子線や熱によって反応する官能基である。
重合性基の例には、エチレン性不飽和基、エチニル、アジリジニル、エポキシ基、イソシアナート、チオイソシアナート、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アシル基(ホルミルを含む)、ハロカルボニル基およびスルホが含まれる。エチレン性不飽和基、エチニル、アジリジニル、エポキシ基が好ましく、エチレン不飽和基が特に好ましい。
重合性基は、棒状液晶性分子の末端に置換基として存在することが好ましい。液晶性分子は、複数の重合性基を有していてもよい。二つの重合性基が、棒状液晶性分子の両末端に結合していることが特に好ましい。
【0016】
好ましい液晶性分子の例を以下に示す。(1)〜(17)は、アキラルな化合物であって、キラル剤と併用する。(18)および(19)は、キラルな化合物であって、キラル剤なしでもキラルスメスチック相を形成できる。(14)〜(18)は、重合性基(エチレン性不飽和基)を有し、重合によりキラルスメスチック相を固定することができる。(14)〜(18)は、重合した状態で高分子液晶として使用することもできる。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】
【0030】
【化14】
【0031】
【化15】
【0032】
【化16】
【0033】
【化17】
【0034】
二種類以上の液晶性分子を併用してもよい。市販の液晶性分子(例えば、FLC−10854、Rolic 社製)を用いてもよい。
キラルスメスチック相の光学的性質(特に螺旋の周期長)を調整するためには、キラルな液晶性分子のみを使用するよりも、液晶性分子とキラル剤とを併用する方が好ましい。
キラル剤は、一般に光学活性を有する化合物であって、好ましくは不斉炭素原子を有する低分子の有機化合物である。市販のキラル剤、特に強誘電性液晶用のキラル剤を使用してもよい。
【0035】
キラルスメスチック相において螺旋の周期長(P)と平均屈折率(n)との積(Pn)は、210乃至450nmであることが好ましい。平均屈折率(n)は、液晶性分子の種類に応じて決定され、螺旋の周期長(P)は、液晶性分子とキラル剤との混合比で調整できる値である。積(Pn)は、可視光領域で反射スペクトルを得るために必要な値である。積(Pn)は、230乃至410nmであることがさらに好ましく、250乃至390nmであることが最も好ましい。
キラルスメスチック相の螺旋軸方向と、膜平面の法線との角度は、45゜未満であることが好ましく、30゜未満であることがより好ましく、20゜未満であることがさらに好ましく、15゜未満であることがさらにまた好ましく、10゜未満であることが最も好ましい。
【0036】
キラルスメスチック相の螺旋軸方向と液晶性分子の長軸方向との角度(傾き角)は、5乃至60゜であることが好ましく、10乃至55゜であることがさらに好ましく、20乃至50゜が最も好ましい。
コレステリック相では、螺旋軸方向と液晶性分子の長軸方向との角度(傾き角)は、実質的に90゜である。
本発明に従う波長選択性反射膜において、選択反射する光の波長が光の入射角に依存するのは、キラルスメスチック相での傾き角が90゜未満であることによる。
本発明に従う波長選択性反射膜における他の光学特性は、キラルスメスチック相のフルピッチバンドに関する。
【0037】
フルピッチバンドについては、図1を引用して説明する。
図1は、キラルスメスチックC相(Sc*)とコレステリック相(Ch)とのフルピッチバンド(F)およびハーフピッチバンド(H)を示す模式図である。
コレステリック相では、液晶性分子が360゜(フルピッチ)で捩れる間に全く同じ配向状態が二度現れる。これに対して、キラルスメスチックC相(Sc*)では、液晶性分子がフルピッチで捩れる間に全く同じ配向状態が一度しか現れない。
フルピッチバンド(F)を利用したキラルスメスチックC相(Sc*)とハーフピッチバンド(H)を利用したコレステリック相(Ch)との違いによって、前述したような波長選択性反射膜としての反射特性の違いが生じている。
【0038】
[基板および配向膜]
波長選択性反射膜の製造において、基板を用いることが好ましい。波長選択性反射膜は、一枚の基板の上、または二枚の基板の間に形成できる。形成した波長選択性反射膜は、基板から分離して使用してもよい。また、波長選択性反射膜を基板と共に使用することもできる。
基板としては、ガラス板またはポリマーフイルムが好ましく、ポリマーフイルムがさらに好ましい。
基板フイルムを構成するポリマーの例には、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−ペンテン−1)、ポリオレフィン誘導体(例、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル(例、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、エポキシ樹脂)、ポリケトン、ポリスルホン(例、ポリフェニレンスルホン)、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート)、セルロースエステル(セルローストリアセテート)、フェノール樹脂およびこれらの複合ポリマー(例、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンスルホン、ポリエーテルスルホン)が含まれる。また、高分子液晶から基板フイルムを構成してもよい。
【0039】
基板として用いるポリマーフイルムに、ラビング処理を行って配向機能を付与してもよい。基板の上に配向膜を設けることもできる。また、基板(および配向膜)に配向機能のない状態で、波長選択性反射膜を製造することもできる。
配向膜としては、ポリイミド膜、ポリアミド膜、ポリビニルアルコール膜およびシリコーン膜が代表的である。配向膜は、市販の配向膜用塗布液、特に強誘電性液晶用の垂直配向膜(例えば、LQ−1800、日立化成デュポン社製)を用いて形成してもよい。配向膜にラビング処理を行ってもよい。
配向膜以外の被膜を基板に設けてもよい。他の被膜の成分には、シランカップリング剤、金属(例、クロム)錯体、レシチン、CTA(Cetyltrimethylammonium bromide)が含まれる。
【0040】
[波長選択性反射膜の製造]
波長選択性反射膜は、液晶性分子および他の任意成分(例、キラル剤、界面活性剤)を溶媒中に溶解、分散または乳化した液を、基板または配向膜上に塗布し、乾燥することにより形成できる。あるいは、液晶性分子および他の任意成分を溶媒中に溶解、分散または乳化した液を、二枚の基板の間隙に注入しても、波長選択性反射膜を製造できる。
溶媒の例には、ハロゲン化炭化水素(例、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン)、フェノール、ハロゲン化フェノール(例、パラクロロフェノール)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、エーテル(例、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、テトラヒドロフラン)、アルコール(例、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸エチル)、含窒素ヘテロ環化合物(例、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン)、アミン(例、トリエチルアミン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ニトリル(例、アセトニトリル、ブチロニトリル)および二硫化炭素が含まれる。二種類以上の溶媒を併用してもよい。
【0041】
液中の液晶性分子の濃度は、3乃至50質量%が好ましく、5乃至30質量%がさらに好ましい。
塗布方法の例には、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、ディップコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、ドクターブレード法、ナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、オフセットグラビアコート法、リップコート法、スプレーコート法およびエクストルージョンコート法が含まれる。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同350897号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973年)に記載がある。
二枚の基板の間隙に液を注入する方法は、一般的な液晶セルの製造方法と同様である。
波長選択性反射膜の厚さは、0.1乃至50μmが好ましく、0.2乃至25μmがさらに好ましく、0.3乃至15μmが最も好ましい。
【0042】
[キラルスメスチック相の形成]
波長選択性反射膜の製造における温度を調整することにより、塗布または注入するだけで、キラルスメスチック相を形成する場合もある。塗布または注入後に、配向処理を行い、短時間でキラルスメスチック相を形成してもよい。
例えば、塗布または注入後に加熱し、キラルスメスチック相よりも高い温度で発現する相、例えばスメスチックA相(SmA、Sa)、キラルネマチック相(Ch、N*)あるいは等方性相(Iso)としてから、キラルスメスチック相が発現する温度まで冷却してもよい。
塗布後の加熱は、二枚目の基板を塗布層の上に重ね、その状態で二本の加熱ロール間を通過させたり、熱処理炉を通過させることにより実施することもできる。二枚の基板の間隙に液を注入した場合は、そのままの状態で加熱できる。
また、加熱以外の処理を用いて、キラルスメスチック相を形成してもよい。他の処理においては、磁場、電場、ずり応力、流動、延伸あるいは温度勾配を液晶層に作用させる。
【0043】
[キラルスメスチック相の固定]
形成したキラルスメスチック相は、それを固定した状態で使用することが好ましい。配向させた液晶性分子は、冷却してガラス状態として固定するか、あるいは重合反応により固定することができる。
冷却してガラス状態として固定する方法は、ガラス転移温度以上の温度でキラルスメスチック相を示し、冷却することによりガラス状態となる液晶性分子に有効である。ガラス転移温度以上の温度でキラルスメスチック相を示す液晶は、一般に高分子液晶を主成分とする液晶組成物である。冷却は、自然冷却でもよい。また、強制冷却(空冷または水冷)を行ってもよい。
重合反応により固定する方法は、前述した重合性基を有する液晶性分子を用いて実施できる。また、液晶性分子以外の成分(例、モノマー、ポリマーバインダー)に重合性基を導入し、それらの重合反応(あるいは架橋反応)により液晶性分子を固定することもできる。液晶性分子と、他の成分の双方に重合性基を導入してもよい。他の成分に導入する重合性基の例は、前述した液晶性分子の重合性基の例と同様である。
重合反応は、重合性基の種類に応じて決定する。一般には、可視光または紫外光を利用する光重合または電子線重合が好ましい。
【0044】
[広帯域波長選択性反射膜]
螺旋の周期長が異なる複数の波長選択性反射膜を積層し、広帯域波長選択性反射膜として用いることが好ましい。
複数の波長選択性反射膜は、選択波長の中心波長が互いに50nm以上異なることが好ましい。波長選択性反射膜の数は、2乃至6であることが好ましい。波長選択性反射膜を複数積層する場合は、高分子液晶の使用が好ましい。
波長選択性反射膜の製造において、厚み方向に沿って螺旋の周期長を連続的に変化させる(例えば、厚み方向に沿って、キラル剤の濃度を勾配させる)ことによっても、コリメーション機能を有する広帯域波長選択性反射膜が得られる。
広帯域波長選択性反射膜を製造する方法については、従来のコレステリック相を示す液晶性分子から形成される波長選択性反射膜についての方法(特開平9−304770号、同10−54909号、同11−44816号の各公報、およびWO97/16762号、WO00/34808号の各明細書に記載)が、本発明に従うキラルスメスチック相を示す液晶性分子から形成される波長選択性反射膜にも応用できる。
【0045】
[ゲストホスト反射型液晶表示素子]
図2は、ゲストホスト反射型液晶表示素子の代表的な態様を示す断面模式図である。
図2に示すゲストホスト反射型液晶表示素子は、反射膜基板(1)、反射膜(2)、下基板(3)、下透明電極(4)、下配向膜(5)、液晶層(6)、上配向膜(7)、上透明電極(8)および上基板(9)が、この順に積層された構造を有する。
図2に示す反射膜(2)は、螺旋の周期長が異なる複数の液晶層(A、B、C)の積層体からなる。
基板(3および9)は、ガラス板またはプラスチックフイルムからなる。
透明電極(4および8)としては、一般にITOが用いられる。
ゲストホストセルの液晶層(6)は、液晶と二色性色素との混合物からなる。液晶層は、スペーサー(S)により形成されているセルギャップに液晶と二色性色素との混合物を注入して得られる。
【0046】
図3は、ゲストホスト反射型液晶表示素子の別の代表的な態様を示す断面模式図である。
図3に示すゲストホスト反射型液晶表示素子は、下基板(3)、反射膜基板(1)、反射膜(2)、下配向膜(5)、液晶層(6)、上配向膜(7)、上透明電極(8)および上基板(9)が、この順に積層された構造を有する。
図3に示す反射膜(2)も、螺旋の周期長が異なる複数の液晶層(A、B、C)の積層体からなる。
下基板(3)および上基板(9)は、ガラス板またはプラスチックフイルムからなる。
透明電極(8)としては、一般にITOが用いられる。
ゲストホストセル液晶層(6)は、液晶と二色性色素との混合物からなる。液晶層は、スペーサー(S)により形成されているセルギャップに液晶と二色性色素との混合物を注入して得られる。
【0047】
本発明に従う広帯域波長選択性反射膜は、λ/4板を備えたゲストホスト反射型液晶表示素子におけるλ/4板と反射膜に代えて使用できる。
λ/4板を備えたゲストホスト反射型液晶表示素子については、特開平6−222350号、同8−36174号、同10−268300号、同10−292175号、同10−293301号、同10−311976号、同10−319442号、同10−325953号、同10−333138号、同11−38410号の各公報に記載がある。
【0048】
【実施例】
[予備実験1]
(液晶組成物の調製)
液晶性分子(11)、(12)および(13)を同質量混合し、液晶組成物1を調製した。液晶組成物1の相転移温度を、高温側から低温側へ測定したところ、Iso→161℃→N→120℃→Sa(SmA)→110℃→Sc(SmC)であった。
液晶性分子(5)20質量%、(6)20質量%、(7)20質量%および(8)40質量%を混合し、液晶組成物2を調製した。液晶組成物2の相転移温度を、高温側から低温側へ測定したところ、Iso→71℃ →N→64℃→Sa(SmA)→55℃→Sc(SmC)であった。
【0049】
液晶組成物1および液晶組成物2を同質量混合し、液晶組成物3を調製した。液晶組成物3の相転移温度を、高温側から低温側へ測定したところ、Iso→110.2℃→N→95.1℃→Sa(SmA)→89.2℃→Sc(SmC)であった。
液晶組成物3のΔnは、0.20であった。
市販の強誘電性液晶組成物(FLC−10854、Rolic 社製)と液晶組成物3とを、67:33の質量比で混合して、液晶組成物4を調製した。液晶組成物4の相転移は、高温側から低温側へ、Iso→Ch(N*)→Sa(SmA)→Sc*(SmC*)であった。
水平配向処理を施したITO付きガラス基板を対向させ、5μmのギャップを形成した。このギャップに液晶組成物4を注入し、室温で±50Vの直流電流を印加して、螺旋軸方向と液晶分子の長軸方向との角度を測定したところ25゜であった。
【0050】
(波長選択性反射膜の作製)
厚さ0.5mmのガラス基板に、市販の垂直配向膜用塗布液(LQ−1800、日立化成デュポン社製)をスピンコートし、250℃で1時間加熱して、配向膜を形成した。
配向膜を形成した基板二枚を、配向膜が内側となるように配置し、直径が10μmのスペーサーを練り込んだ接着剤を用いて貼り合わせた。二枚の基板の間隙に、液晶組成物4を120℃で注入し、それから毎秒−0.5℃の速度で室温まで冷却した。
螺旋の周期長(P)と平均屈折率(n)との積(Pn)は、300nmであった。
【0051】
(波長選択性反射膜の評価)
作製した波長選択性反射膜は、斜め入射光に対して選択反射色を示した。波長選択性反射膜に垂直に入射する光は、ほぼ波長選択性反射膜を通過し、斜めに入射する光は反射された。次に、斜め入射光に対する透過スペクトルを調べた。
図4は、波長選択性反射膜の透過スペクトルの入射角度依存性を示す測定結果である。
図4に示すように、反射光の波長は、入射角度が大きくなるに従って、短波長側にシフトする。さらに、この反射光の強度は、入射角度が大きくなるに従って強くなる。これらの光学特性の角度依存性が、膜を傾斜させる方位を代えても同じであることから、この膜中での螺旋軸の方向と、膜平面の法線との角度は、ほぼ0゜であることが判った。
液晶組成物4は左螺旋であるが、波長選択性反射膜には円偏光選択性はなく、右円偏光も左円偏光も反射した。また、右円偏光を入射して波長選択性反射膜から反射した光は左円偏光となっており、左円偏光を入射して波長選択性反射膜から反射した光は右円偏光となっていた。さらに、直線偏光を入射して波長選択性反射膜から反射した直線偏光は、その偏光方向が入射光に対して、90゜異なった偏光になっていた。
波長選択性反射膜の上に直線偏光膜を置いたところ、どの方向から見ても、どの方位に直線偏光膜を配置しても、選択反射は全く見えなかった。
【0052】
[予備実験2]
(液晶組成物の調製)
市販の強誘電性液晶組成物(FLC−10854、Rolic 社製)と予備実験1で調製した液晶組成物3とを、73:27の質量比で混合して、液晶組成物5を調製した。液晶組成物5の相転移は、高温側から低温側へ、Iso→Ch(N*)→Sa(SmA)→Sc*(SmC*)であった。
【0053】
(波長選択性反射膜の作製と評価)
液晶組成物4に代えて、液晶組成物5を用いた以外は、予備実験1と同様に波長選択性反射膜を作製して評価した。
螺旋の周期長(P)と平均屈折率(n)との積(Pn)が、275nmであり、反射光波長が予備実験1よりも短波長側であった以外は、予備実験1と同様の結果が得られた。
【0054】
[予備実験3]
(液晶組成物の調製)
市販の強誘電性液晶組成物(FLC−10854、Rolic 社製)と予備実験1で調製した液晶組成物3とを、70:30の質量比で混合して、液晶組成物6を調製した。液晶組成物6の相転移は、高温側から低温側へ、Iso→Ch(N*)→Sa(SmA)→Sc*(SmC*)であった。
【0055】
(波長選択性反射膜の作製と評価)
液晶組成物4に代えて、液晶組成物6を用いた以外は、予備実験1と同様に波長選択性反射膜を作製して評価した。
螺旋の周期長(P)と平均屈折率(n)との積(Pn)が、290nmであり、反射光波長が予備実験1と予備実験2との中間であった以外は、予備実験1と同様の結果が得られた。
【0056】
[予備実験4]
(液晶組成物の調製)
市販の強誘電性液晶組成物(FLC−10854、Rolic 社製)と予備実験1で調製した液晶組成物3とを、64:36の質量比で混合して、液晶組成物7を調製した。液晶組成物7の相転移は、高温側から低温側へ、Iso→Ch(N*)→Sa(SmA)→Sc*(SmC*)であった。
【0057】
(波長選択性反射膜の作製と評価)
液晶組成物4に代えて、液晶組成物7を用いた以外は、予備実験1と同様に波長選択性反射膜を作製して評価した。
螺旋の周期長(P)と平均屈折率(n)との積(Pn)が、315nmであり、反射光波長が予備実験1よりも長波長側であった以外は、予備実験1と同様の結果が得られた。
【0058】
[予備実験5]
(液晶組成物の調製)
市販の強誘電性液晶組成物(FLC−10854、Rolic 社製)と予備実験1で調製した液晶組成物3とを、61:39の質量比で混合して、液晶組成物8を調製した。液晶組成物8の相転移は、高温側から低温側へ、Iso→Ch(N*)→Sa(SmA)→Sc*(SmC*)であった。
【0059】
(波長選択性反射膜の作製と評価)
液晶組成物4に代えて、液晶組成物8を用いた以外は、予備実験1と同様に波長選択性反射膜を作製して評価した。
螺旋の周期長(P)と平均屈折率(n)との積(Pn)が、330nmであり、反射光波長が予備実験4よりも長波長側であった以外は、予備実験1と同様の結果が得られた。
【0060】
[予備実験6]
(液晶組成物の調製)
市販の強誘電性液晶組成物(FLC−10854、Rolic 社製)と予備実験1で調製した液晶組成物3とを、58:42の質量比で混合して、液晶組成物9を調製した。液晶組成物9の相転移は、高温側から低温側へ、Iso→Ch(N*)→Sa(SmA)→Sc*(SmC*)であった。
【0061】
(波長選択性反射膜の作製と評価)
液晶組成物4に代えて、液晶組成物9を用いた以外は、予備実験1と同様に波長選択性反射膜を作製して評価した。
螺旋の周期長(P)と平均屈折率(n)との積(Pn)が、350nmであり、反射光波長が予備実験5よりも長波長側であった以外は、予備実験1と同様の結果が得られた。
【0062】
[予備実験7]
(液晶組成物の調製)
市販の強誘電性液晶組成物(FLC−10854、Rolic 社製)と予備実験1で調製した液晶組成物3とを、55:45の質量比で混合して、液晶組成物10を調製した。液晶組成物10の相転移は、高温側から低温側へ、Iso→Ch(N*)→Sa(SmA)→Sc*(SmC*)であった。
【0063】
(波長選択性反射膜の作製と評価)
液晶組成物4に代えて、液晶組成物10を用いた以外は、予備実験1と同様に波長選択性反射膜を作製して評価した。
螺旋の周期長(P)と平均屈折率(n)との積(Pn)が、365nmであり、反射光波長が予備実験6よりも長波長側であった以外は、予備実験1と同様の結果が得られた。
【0064】
[実施例1]
(広帯域波長選択性反射膜の作製)
予備実験1〜7で作製した波長選択性反射膜を、予備実験2/3/1/4/5/6/7の順序で、光学油を介して重ね合わせ、広帯域波長選択性反射膜を作製した。
【0065】
(ゲストホスト反射型液晶表示素子の作製と評価)
厚さ0.7mmのガラス基板に、ポリアミック酸からなるポリイミド配向膜用塗布液(LQ−1800)をスピンコート法により塗布し、80℃で20分間乾燥した。さらに、250℃で30分間加熱して、ポリアミック酸をイミド化した。
以上のように作製した基板二枚を配向膜が対向するように貼り合わせた。貼り合わせには、直径7μmの球状スペーサーを混合した熱硬化性エポキシ樹脂を使用した。基板の間隙に、二色性色素(NKX−1366、日本感光色素社製)2.0質量%とp型液晶(ZLI−1132、メルクジャパン社製)98.0質量%との混合物を注入して液晶層を形成し、側面を封止した。
ゲストホスト液晶セルの下側に広帯域波長選択性反射膜を配置し、ゲストホスト反射型液晶表示素子を作製した。
作製したゲストホスト反射型液晶表示素子に通電して動作させたところ、極めて均一性が良好でコントラストが高い画像が表示された。
【図面の簡単な説明】
【図1】キラルスメスチックC相(Sc*)とコレステリック相(Ch)とのフルピッチバンド(F)およびハーフピッチバンド(H)を示す模式図である。
【図2】ゲストホスト反射型液晶表示素子の代表的な態様を示す断面模式図である。
【図3】ゲストホスト反射型液晶表示素子の別の代表的な態様を示す断面模式図である。
【図4】波長選択性反射膜の透過スペクトルの入射角度依存性を示す測定結果である。
【符号の説明】
1 反射膜基板
2 反射膜
3 下基板
4 下透明電極
5 下配向膜
6 液晶セルの液晶層
7 上配向膜
8 上透明電極
9 上基板
A〜C 反射膜の液晶層
S スペーサー[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a guest-host reflection type liquid crystal display element provided with a reflection film.
[0002]
[Prior art]
The guest host (GH) liquid crystal mode is a liquid crystal mode in which a dichroic dye as a guest is dissolved in a liquid crystal as a host. An image is displayed by controlling the direction of the light absorption axis of the dichroic dye with liquid crystal. However, the dichroic dye absorbs only one component of polarized light. Therefore, a sufficient contrast ratio cannot be obtained with only the guest-host liquid crystal cell.
For guest-host reflection type liquid crystal display elements, various means such as phase transition type (White-Taylor type), double-layer type, and λ / 4 type are proposed in order to obtain a high contrast ratio by absorbing polarized light in all directions. Has been.
The phase transition type is a system in which a chiral agent is added to a mixture of a liquid crystal and a dichroic dye to switch between a cholesteric phase and a vertical alignment. In this method, monochrome display can be performed with one liquid crystal layer. However, there is a problem that the contrast ratio is not sufficiently improved, the drive voltage is high, and there is a hysteresis so that gradation display is difficult.
[0003]
The two-layer type is a method in which two layers of a mixture of a liquid crystal and a dichroic dye are provided. In the two-layer liquid crystal, the orientation directions are orthogonal. This method is characterized by a high contrast ratio. However, the liquid crystal display element is thick and has a problem that parallax occurs.
The λ / 4 type is a method in which a layer made of a mixture of a liquid crystal and a dichroic dye is combined with a λ / 4 plate. Using the λ / 4 plate, the polarization direction when the light is reflected and leaves the λ / 4 plate is rotated by 90 ° with respect to the polarization azimuth when the light is incident. The λ / 4 type is thin and the parallax problem is solved.
The guest-host reflection type liquid crystal display element provided with the λ / 4 plate is described in JP-A-6-222350, JP-A-6-222351, JP-A-8-36174, and JP-A-10-221688.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the guest-host reflection type liquid crystal display device provided with the λ / 4 plate, it is necessary to strictly adjust the optical axis of the λ / 4 plate and the optical axis of the liquid crystal molecules (intersect at about 45 °).
A guest-host reflective liquid crystal display element generally uses a liquid crystal having a negative dielectric anisotropy. In order to obtain sufficient brightness in bright display, it is necessary to align liquid crystal molecules having negative dielectric anisotropy almost vertically. Then, in the dark display where the voltage is applied, the liquid crystal display device is operated so that the liquid crystal molecules are inclined in the horizontal direction with respect to the substrate.
When a voltage is applied to a guest-host reflection type liquid crystal display device having a λ / 4 plate, the liquid crystal molecules are inclined in a direction substantially 45 ° with respect to the optical axis of the λ / 4 plate. It is necessary to incline (pretilt). However, if the liquid crystal molecules are tilted greatly, sufficient brightness cannot be obtained in bright display. Therefore, it is desirable to finely adjust the pretilt angle of the liquid crystal molecules to a slight (2 to 3 °) inclination of 87 to 88 °. It is extremely difficult to achieve such a subtle angle uniformly in the plane of the liquid crystal display device. However, if the subtle angles cannot be realized uniformly, the threshold characteristics are uneven, which causes display unevenness of the liquid crystal display device.
[0005]
An object of the present invention is to provide a guest-host reflection type liquid crystal display element in which the pretilt of liquid crystal molecules is unnecessary and the display is uniform.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The object of the present invention has been achieved by the following guest-host reflective liquid crystal display elements (1) to (3).
(1) A guest-host reflective liquid crystal display device having a reflective film, wherein the reflective film is composed of at least one layer formed of liquid crystalline molecules, and the liquid crystalline molecules are within the layer and have a chiral smectic phase. A layer formed from liquid crystalline molecules that is oriented in the state of (Sm *) has a wavelength selectivity that selectively reflects light of a predetermined wavelength and selectively transmits light of another wavelength. A guest-host reflective liquid crystal display element.
(2) The guest-host reflective liquid crystal display device according to (1), wherein the product (Pn) of the helical periodic length (P) and the average refractive index (n) in the chiral smectic phase is 210 to 450 nm.
[0007]
(3) The guest-host reflective liquid crystal display device according to (1), wherein the angle between the spiral axis direction of the chiral smectic phase and the normal to the film plane is less than 45 °.
(4) The guest-host reflective liquid crystal display device according to (1), wherein an angle between the spiral axis direction of the chiral smectic phase and the major axis direction of the liquid crystal molecule is 5 to 60 °.
(5) The guest-host reflective liquid crystal display device according to (1), wherein the liquid crystalline molecules are fixed in a state of a chiral smectic phase by polymerization.
[0008]
(6) The guest-host reflective liquid crystal display device according to (1), wherein the chiral smectic phase (Sm *) is a chiral smectic C phase (Sc *, SmC *).
(7) The guest-host reflective liquid crystal display device according to (1), wherein in the layer formed from liquid crystalline molecules, the periodic length (P) of the spiral changes continuously along the thickness direction.
(8) The guest-host reflective liquid crystal display element according to (1), wherein the reflective film is composed of a plurality of layers formed of liquid crystalline molecules having different helical period lengths (P).
[0009]
【The invention's effect】
As a result of the present inventors' research, a wavelength-selective reflective film having completely new optical properties can be obtained by using a full-pitch band of a liquid crystalline molecule exhibiting a chiral smectic phase (Sm *) in the wavelength-selective reflective film. It turned out to be obtained.
First, all the circularly polarized light having a specific wavelength is reflected regardless of whether it is right circularly polarized light or left circularly polarized light. Therefore, the wavelength selective reflecting film formed from liquid crystal molecules exhibiting a cholesteric phase reflects half the amount of natural light, whereas the wavelength selective reflecting film used in the present invention is 100% natural light. % Can be reflected.
[0010]
Second, the wavelength of the selectively reflected light depends on the incident angle of the light. When the angle between the spiral axis direction of the chiral smectic phase and the normal of the film plane is approximately 0 °, light incident perpendicularly to the film is transmitted almost 100%, and light incident obliquely is incident The greater the angle, the higher the reflectivity. When the incident angle increases, the selective reflection wavelength shifts to the short wavelength side. Therefore, a broadband wavelength-selective reflecting film obtained by continuously changing the helical period length along the thickness direction or by laminating a plurality of wavelength-selective reflecting films having different helical period lengths includes light Thus, an optical path control (collimation) function for limiting the traveling direction is obtained. Since this optical path control function does not involve light absorption, the reflected light can be reused.
Third, the right circularly polarized reflected light becomes left circularly polarized light, and the left circularly polarized reflected light becomes right circularly polarized light. That is, circularly polarized light exhibits the same reflection characteristics as a normal mirror. However, with respect to linearly polarized light, unlike a normal mirror, the polarization plane of reflected light is rotated by 90 ° with respect to the incident polarization plane. Rotating the polarization plane of the reflected light by 90 ° with respect to the incident polarization plane can be realized by a combination of a normal reflection film and a λ / 4 plate. However, while the λ / 4 plate has a function of rotating the polarization plane only for polarized light in a specific direction, the wavelength selective reflection film used in the present invention has a polarization plane only for polarized light in all directions. It has a function to rotate.
[0011]
When the wavelength-selective reflective film having the above characteristics is used, it is not necessary to adjust the optical axis direction of the liquid crystal molecules in the guest-host reflective liquid crystal display element. Accordingly, the pretilt of the liquid crystal molecules is not necessary, and it is not necessary to carry out a difficult procedure for fine adjustment of the liquid crystal molecules to a slight (2 to 3 °) tilt.
Therefore, the guest-host reflective liquid crystal display element according to the present invention can display a uniform image without unevenness without performing a special process (alignment process for realizing pretilt).
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[Chiral smectic phase]
In the present invention, a full pitch band of liquid crystalline molecules exhibiting a chiral smectic phase (Sm *) is used.
In this specification, “chiral smectic phase” is used to mean a smectic phase having a helical structure. In order to have a helical structure, an optically active site is not essential, and liquid crystalline molecules having chirality due to atomic arrangement around the molecular axis or banana-type liquid crystalline molecules (which do not have molecular chirality, Spiral structures can also be obtained with molecules that induce structure). For helical structures without optically active sites, see J.A. Mat. Chem. , Vol. 7, p. 1307 (1997).
[0013]
The chiral smectic phase (Sm *) includes chiral smectic C phase (Sc *, SmC *), chiral smectic I phase (Si *, SmI *) and chiral smectic F phase (Sf *, SmF). *) Is preferred, and chiral smectic C phase (Sc *, SmC *) is particularly preferred.
The chiral smectic C phase is generally studied as a liquid crystal phase used for a ferroelectric liquid crystal (FLC) and has already been put into practical use.
As described above, the optically active site is not essential for the helical structure of the chiral smectic phase. However, in general, an optically active site is introduced into a liquid crystalline molecule, or a liquid crystalline molecule and a compound having an optically active site (chiral agent) are used in combination. Whether the helical structure of the chiral smectic phase becomes a right helix or a left helix can be determined by the palm of the optically active site.
For liquid crystals and chiral agents exhibiting a chiral smectic phase, see “Ferroelectric Liquid Crystal Displays and Materials (CMC Publishing Co., Ltd., supervised by Fukuda Yasuo, 1992)” and “Liquid Crystal Handbook (Maruzen, Liquid Crystal Handbook Editorial Committee, 2000). Year) pp. 267-330.
[0014]
The liquid crystal molecules used for the chiral smectic phase are generally rod-shaped.
The liquid crystalline molecules preferably have a high intrinsic birefringence (Δn) in order to obtain necessary optical properties with a thin film thickness.
As rod-like liquid crystalline molecules having a high intrinsic birefringence, bistran compounds and phenylpyrimidine compounds are preferred.
The rod-like liquid crystalline molecule can have a polymerizable group. Liquid crystalline molecules having a polymerizable group can be fixed in the state of a chiral smectic phase by polymerization. Further, a polymer liquid crystal obtained by polymerizing rod-like liquid crystal molecules having a polymerizable group may be used.
[0015]
The polymerizable group is a functional group that reacts with light (ultraviolet light, visible light), electron beam or heat.
Examples of polymerizable groups include ethylenically unsaturated groups, ethynyl, aziridinyl, epoxy groups, isocyanates, thioisocyanates, amino, hydroxyl, mercapto, carboxyl, acyl groups (including formyl), halocarbonyl groups, and sulfo. included. Ethylenically unsaturated groups, ethynyl, aziridinyl and epoxy groups are preferred, with ethylenically unsaturated groups being particularly preferred.
The polymerizable group is preferably present as a substituent at the end of the rod-like liquid crystal molecule. The liquid crystalline molecule may have a plurality of polymerizable groups. It is particularly preferable that two polymerizable groups are bonded to both ends of the rod-like liquid crystal molecule.
[0016]
Examples of preferred liquid crystalline molecules are shown below. (1) to (17) are achiral compounds that are used in combination with a chiral agent. (18) and (19) are chiral compounds and can form a chiral smectic phase without a chiral agent. (14) to (18) have a polymerizable group (ethylenically unsaturated group) and can fix the chiral smectic phase by polymerization. (14) to (18) can also be used as a polymer liquid crystal in a polymerized state.
[0017]
[Chemical 1]
[0018]
[Chemical 2]
[0019]
[Chemical 3]
[0020]
[Formula 4]
[0021]
[Chemical formula 5]
[0022]
[Chemical 6]
[0023]
[Chemical 7]
[0024]
[Chemical 8]
[0025]
[Chemical 9]
[0026]
[Chemical Formula 10]
[0027]
Embedded image
[0028]
Embedded image
[0029]
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[0030]
Embedded image
[0031]
Embedded image
[0032]
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[0033]
Embedded image
[0034]
Two or more kinds of liquid crystal molecules may be used in combination. Commercially available liquid crystalline molecules (for example, FLC-10854, manufactured by Rolic) may be used.
In order to adjust the optical properties of the chiral smectic phase (especially the period length of the helix), it is preferable to use a liquid crystalline molecule and a chiral agent in combination rather than using only a chiral liquid crystalline molecule.
The chiral agent is generally a compound having optical activity, and is preferably a low-molecular organic compound having an asymmetric carbon atom. Commercially available chiral agents, particularly chiral agents for ferroelectric liquid crystals, may be used.
[0035]
In the chiral smectic phase, the product (Pn) of the helical period length (P) and the average refractive index (n) is preferably 210 to 450 nm. The average refractive index (n) is determined according to the type of liquid crystal molecule, and the period length (P) of the helix is a value that can be adjusted by the mixing ratio of the liquid crystal molecule and the chiral agent. The product (Pn) is a value necessary for obtaining a reflection spectrum in the visible light region. The product (Pn) is more preferably 230 to 410 nm, and most preferably 250 to 390 nm.
The angle between the direction of the helical axis of the chiral smectic phase and the normal to the film plane is preferably less than 45 °, more preferably less than 30 °, still more preferably less than 20 °, More preferably, it is less than 15 °, and most preferably less than 10 °.
[0036]
The angle (tilt angle) between the spiral axis direction of the chiral smectic phase and the major axis direction of the liquid crystal molecule is preferably 5 to 60 °, more preferably 10 to 55 °, and more preferably 20 to 50 Is most preferred.
In the cholesteric phase, the angle (inclination angle) between the helical axis direction and the major axis direction of the liquid crystalline molecules is substantially 90 °.
In the wavelength selective reflection film according to the present invention, the wavelength of selectively reflected light depends on the incident angle of light because the tilt angle in the chiral smectic phase is less than 90 °.
Another optical property of the wavelength selective reflection film according to the present invention relates to the full pitch band of the chiral smectic phase.
[0037]
The full pitch band will be described with reference to FIG.
FIG. 1 is a schematic diagram showing a full pitch band (F) and a half pitch band (H) of a chiral smectic C phase (Sc *) and a cholesteric phase (Ch).
In the cholesteric phase, the same alignment state appears twice while the liquid crystal molecules are twisted at 360 ° (full pitch). In contrast, in the chiral smectic C phase (Sc *), the same alignment state appears only once while the liquid crystal molecules are twisted at full pitch.
Reflection as a wavelength selective reflection film as described above due to the difference between the chiral smectic C phase (Sc *) using the full pitch band (F) and the cholesteric phase (Ch) using the half pitch band (H). There is a difference in characteristics.
[0038]
[Substrate and alignment film]
In the production of the wavelength selective reflection film, it is preferable to use a substrate. The wavelength selective reflection film can be formed on one substrate or between two substrates. The formed wavelength selective reflection film may be used separately from the substrate. A wavelength selective reflection film can also be used with the substrate.
As the substrate, a glass plate or a polymer film is preferable, and a polymer film is more preferable.
Examples of the polymer constituting the substrate film include polyolefin (eg, polyethylene, polypropylene, poly-4-methyl-pentene-1), polyolefin derivative (eg, polyacrylic acid, polymethacrylic acid, polyvinyl alcohol), polyamide, polyimide , Polyether (eg, polyphenylene oxide, polyacetal, epoxy resin), polyketone, polysulfone (eg, polyphenylene sulfone), polyester (eg, polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polyethylene naphthalate, polycarbonate), cellulose ester (cellulose triacetate), Phenolic resins and their composite polymers (eg, polyamideimide, polyetherimide, polyetheretherketone, polyetherketone, Sulfones, polyether sulfone) contains. Moreover, you may comprise a board | substrate film from a polymer liquid crystal.
[0039]
A polymer film used as a substrate may be subjected to a rubbing treatment to give an orientation function. An alignment film can also be provided on the substrate. In addition, the wavelength selective reflection film can be manufactured in a state where the substrate (and the alignment film) has no alignment function.
Typical examples of the alignment film include a polyimide film, a polyamide film, a polyvinyl alcohol film, and a silicone film. The alignment film may be formed using a commercially available alignment film coating solution, in particular, a vertical alignment film for ferroelectric liquid crystal (for example, LQ-1800, manufactured by Hitachi Chemical DuPont). A rubbing treatment may be performed on the alignment film.
A film other than the alignment film may be provided on the substrate. Other coating components include silane coupling agents, metal (eg, chromium) complexes, lecithin, and CTA (Cetyltrimethylammonium bromide).
[0040]
[Production of wavelength-selective reflective film]
A wavelength-selective reflective film is obtained by applying a liquid obtained by dissolving, dispersing or emulsifying liquid crystal molecules and other optional components (eg, chiral agent, surfactant) in a solvent onto a substrate or an alignment film, and then drying. Can be formed. Alternatively, the wavelength-selective reflective film can also be produced by injecting a liquid in which liquid crystalline molecules and other optional components are dissolved, dispersed or emulsified in a solvent into the gap between the two substrates.
Examples of solvents include halogenated hydrocarbons (eg, chloroform, dichloromethane, carbon tetrachloride, dichloroethane, tetrachloroethane, trichloroethylene, tetrachloroethylene, chlorobenzene, orthodichlorobenzene), phenols, halogenated phenols (eg, parachlorophenol), aromatics Group hydrocarbons (eg, benzene, toluene, xylene), ethers (eg, methoxybenzene, 1,2-dimethoxybenzene, ethylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol dimethyl ether, ethyl cellosolve, butyl cellosolve, tetrahydrofuran), alcohols (eg, Isopropyl alcohol, tert-butyl alcohol, glycerin, ethylene glycol, triethylene glycol), ketones (eg, acetone, methyl ethyl) Ketone, methyl isobutyl ketone, cyclohexanone), ester (eg, ethyl acetate), nitrogen-containing heterocyclic compound (eg, 2-pyrrolidone, N-methyl-2-pyrrolidone, pyridine), amine (eg, triethylamine), amide (eg, , Dimethylformamide, dimethylacetamide), sulfoxide (eg, dimethyl sulfoxide), nitrile (eg, acetonitrile, butyronitrile) and carbon disulfide. Two or more kinds of solvents may be used in combination.
[0041]
The concentration of liquid crystal molecules in the liquid is preferably 3 to 50% by mass, and more preferably 5 to 30% by mass.
Examples of coating methods include spin coating, roll coating, printing, dip coating, curtain coating, wire bar coating, doctor blade method, knife coating method, die coating method, gravure coating method, and micro gravure coating method. , Offset gravure coating method, lip coating method, spray coating method and extrusion coating method. Two or more layers may be applied simultaneously. The methods of simultaneous application are described in US Pat. Nos. 2,761,791, 2,941,898, 3,508,897 and 3,526,528 and Yuji Harasaki, Coating Engineering, page 253, Asakura Shoten (1973).
The method of injecting the liquid into the gap between the two substrates is the same as a general liquid crystal cell manufacturing method.
The thickness of the wavelength selective reflection film is preferably 0.1 to 50 μm, more preferably 0.2 to 25 μm, and most preferably 0.3 to 15 μm.
[0042]
[Formation of chiral smectic phase]
By adjusting the temperature in the production of the wavelength selective reflection film, a chiral smectic phase may be formed simply by coating or injecting. After coating or pouring, an orientation treatment may be performed to form a chiral smectic phase in a short time.
For example, a phase that is heated after coating or pouring and develops at a higher temperature than the chiral smectic phase, such as a smectic A phase (SmA, Sa), a chiral nematic phase (Ch, N *) or an isotropic phase (Iso) Then, it may be cooled to a temperature at which the chiral smectic phase develops.
Heating after coating can be carried out by stacking a second substrate on the coating layer and passing between the two heating rolls in that state or passing through a heat treatment furnace. When the liquid is injected into the gap between the two substrates, it can be heated as it is.
Moreover, you may form a chiral smectic phase using processes other than a heating. In other processes, a magnetic field, electric field, shear stress, flow, stretching, or temperature gradient is applied to the liquid crystal layer.
[0043]
[Fixing of chiral smectic phase]
The formed chiral smectic phase is preferably used in a fixed state. The aligned liquid crystalline molecules can be cooled and fixed in a glass state, or can be fixed by a polymerization reaction.
The method of cooling and fixing in the glass state is effective for liquid crystalline molecules that exhibit a chiral smectic phase at a temperature equal to or higher than the glass transition temperature and are cooled to a glass state. A liquid crystal exhibiting a chiral smectic phase at a temperature equal to or higher than the glass transition temperature is generally a liquid crystal composition mainly composed of a polymer liquid crystal. The cooling may be natural cooling. Further, forced cooling (air cooling or water cooling) may be performed.
The method of fixing by a polymerization reaction can be performed using the liquid crystalline molecules having a polymerizable group described above. In addition, a polymerizable group can be introduced into a component (eg, monomer, polymer binder) other than the liquid crystalline molecule, and the liquid crystalline molecule can be fixed by their polymerization reaction (or crosslinking reaction). A polymerizable group may be introduced into both the liquid crystal molecule and other components. Examples of the polymerizable group introduced into the other components are the same as the examples of the polymerizable group of the liquid crystal molecule described above.
The polymerization reaction is determined according to the type of polymerizable group. In general, photopolymerization or electron beam polymerization using visible light or ultraviolet light is preferred.
[0044]
[Broadband wavelength selective reflection film]
It is preferable to stack a plurality of wavelength-selective reflective films having different helical lengths and use them as a broadband wavelength-selective reflective film.
The plurality of wavelength-selective reflective films preferably have center wavelengths that are different from each other by 50 nm or more. The number of wavelength selective reflection films is preferably 2 to 6. When laminating a plurality of wavelength selective reflection films, it is preferable to use a polymer liquid crystal.
In the production of a wavelength-selective reflective film, a broadband having a collimation function can be obtained by continuously changing the period length of the spiral along the thickness direction (for example, by increasing the concentration of the chiral agent along the thickness direction). A wavelength selective reflection film is obtained.
As for a method for producing a broadband wavelength-selective reflective film, a conventional method for wavelength-selective reflective films formed from liquid crystalline molecules exhibiting a cholesteric phase (Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 9-304770, 10-54909, 11). No. 44816, as well as WO97 / 16762 and WO00 / 34808) are also used for wavelength-selective reflective films formed from liquid crystalline molecules exhibiting a chiral smectic phase according to the present invention. Can be applied.
[0045]
[Guest host reflection type liquid crystal display element]
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view showing a typical aspect of a guest-host reflective liquid crystal display element.
The guest-host reflective liquid crystal display element shown in FIG. 2 includes a reflective film substrate (1), a reflective film (2), a lower substrate (3), a lower transparent electrode (4), a lower alignment film (5), and a liquid crystal layer (6 ), An upper alignment film (7), an upper transparent electrode (8), and an upper substrate (9) are stacked in this order.
The reflective film (2) shown in FIG. 2 is composed of a laminate of a plurality of liquid crystal layers (A, B, C) having different helical period lengths.
The substrates (3 and 9) are made of a glass plate or a plastic film.
As the transparent electrodes (4 and 8), ITO is generally used.
The liquid crystal layer (6) of the guest host cell is composed of a mixture of liquid crystal and dichroic dye. The liquid crystal layer is obtained by injecting a mixture of a liquid crystal and a dichroic dye into the cell gap formed by the spacer (S).
[0046]
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view showing another typical aspect of the guest-host reflective liquid crystal display element.
3 includes a lower substrate (3), a reflective film substrate (1), a reflective film (2), a lower alignment film (5), a liquid crystal layer (6), and an upper alignment film (7). ), And the upper transparent electrode (8) and the upper substrate (9) are stacked in this order.
The reflective film (2) shown in FIG. 3 is also composed of a laminate of a plurality of liquid crystal layers (A, B, C) having different helical period lengths.
The lower substrate (3) and the upper substrate (9) are made of a glass plate or a plastic film.
As the transparent electrode (8), ITO is generally used.
The guest host cell liquid crystal layer (6) is composed of a mixture of a liquid crystal and a dichroic dye. The liquid crystal layer is obtained by injecting a mixture of a liquid crystal and a dichroic dye into the cell gap formed by the spacer (S).
[0047]
The broadband wavelength selective reflection film according to the present invention can be used in place of the λ / 4 plate and the reflection film in the guest-host reflection type liquid crystal display device having the λ / 4 plate.
Regarding the guest-host reflection type liquid crystal display device having a λ / 4 plate, JP-A-6-222350, JP-A-8-36174, JP-A-10-268300, JP-A-10-292175, JP-A-10-293301, -311976, 10-319442, 10-325953, 10-333138, and 11-38410.
[0048]
【Example】
[Preliminary experiment 1]
(Preparation of liquid crystal composition)
Liquid crystal molecules (11), (12) and (13) were mixed in the same mass to prepare liquid crystal composition 1. When the phase transition temperature of the liquid crystal composition 1 was measured from the high temperature side to the low temperature side, it was Iso → 161 ° C. → N → 120 ° C. → Sa (SmA) → 110 ° C. → Sc (SmC).
Liquid crystal molecule (5) 20 mass%, (6) 20 mass%, (7) 20 mass%, and (8) 40 mass% were mixed, and the liquid crystal composition 2 was prepared. When the phase transition temperature of the liquid crystal composition 2 was measured from the high temperature side to the low temperature side, it was Iso → 71 ° C. → N → 64 ° C. → Sa (SmA) → 55 ° C. → Sc (SmC).
[0049]
Liquid crystal composition 1 and liquid crystal composition 2 were mixed in the same mass to prepare liquid crystal composition 3. When the phase transition temperature of the liquid crystal composition 3 was measured from the high temperature side to the low temperature side, it was Iso → 110.2 ° C. → N → 95.1 ° C. → Sa (SmA) → 89.2 ° C. → Sc (SmC). It was.
Δn of the liquid crystal composition 3 was 0.20.
A commercially available ferroelectric liquid crystal composition (FLC-10854, manufactured by Rolic Co.) and liquid crystal composition 3 were mixed at a mass ratio of 67:33 to prepare liquid crystal composition 4. The phase transition of the liquid crystal composition 4 was Iso → Ch (N *) → Sa (SmA) → Sc * (SmC *) from the high temperature side to the low temperature side.
The glass substrate with ITO which performed the horizontal orientation process was made to oppose, and the 5-micrometer gap was formed. The liquid crystal composition 4 was injected into this gap, a direct current of ± 50 V was applied at room temperature, and the angle between the helical axis direction and the major axis direction of the liquid crystal molecules was measured and found to be 25 °.
[0050]
(Production of wavelength selective reflection film)
A commercially available coating liquid for vertical alignment film (LQ-1800, manufactured by Hitachi Chemical DuPont) was spin coated on a glass substrate having a thickness of 0.5 mm, and heated at 250 ° C. for 1 hour to form an alignment film.
Two substrates on which an alignment film was formed were arranged so that the alignment film was on the inside, and bonded together using an adhesive kneaded with a spacer having a diameter of 10 μm. The liquid crystal composition 4 was injected into the gap between the two substrates at 120 ° C., and then cooled to room temperature at a rate of −0.5 ° C. per second.
The product (Pn) of the helical period length (P) and the average refractive index (n) was 300 nm.
[0051]
(Evaluation of wavelength selective reflection film)
The produced wavelength selective reflection film exhibited a selective reflection color with respect to obliquely incident light. Light incident perpendicularly to the wavelength selective reflection film almost passed through the wavelength selective reflection film, and light incident obliquely was reflected. Next, the transmission spectrum for obliquely incident light was examined.
FIG. 4 is a measurement result showing the incident angle dependence of the transmission spectrum of the wavelength selective reflection film.
As shown in FIG. 4, the wavelength of the reflected light shifts to the short wavelength side as the incident angle increases. Furthermore, the intensity of the reflected light increases as the incident angle increases. Since the angle dependency of these optical characteristics is the same even if the direction in which the film is inclined is changed, the angle between the direction of the spiral axis in the film and the normal of the film plane is approximately 0 °. It turns out that there is.
Although the liquid crystal composition 4 was a left spiral, the wavelength selective reflection film had no circular polarization selectivity, and reflected both right circular polarization and left circular polarization. In addition, the light reflected from the wavelength-selective reflecting film upon entering the right circularly polarized light is left-handed circularly polarized light, and the light reflected from the wavelength-selective reflecting film upon entering the left-handed circularly polarized light is right-handed circularly polarized light It was. Further, the linearly polarized light that was incident on the linearly polarized light and reflected from the wavelength selective reflection film was polarized light whose polarization direction was 90 ° different from that of the incident light.
When a linearly polarizing film was placed on the wavelength-selective reflecting film, no selective reflection was seen at all from any direction, no matter which direction the linearly polarizing film was placed.
[0052]
[Preliminary experiment 2]
(Preparation of liquid crystal composition)
A commercially available ferroelectric liquid crystal composition (FLC-10854, manufactured by Rolic) and the liquid crystal composition 3 prepared in Preliminary Experiment 1 were mixed at a mass ratio of 73:27 to prepare a liquid crystal composition 5. The phase transition of the liquid crystal composition 5 was Iso → Ch (N *) → Sa (SmA) → Sc * (SmC *) from the high temperature side to the low temperature side.
[0053]
(Production and evaluation of wavelength selective reflection film)
A wavelength selective reflection film was prepared and evaluated in the same manner as in Preliminary Experiment 1 except that the liquid crystal composition 5 was used instead of the liquid crystal composition 4.
The product (Pn) of the helical period length (P) and the average refractive index (n) is 275 nm, and the reflected light wavelength is shorter than that of the preliminary experiment 1, and is the same as that of the preliminary experiment 1. Results were obtained.
[0054]
[Preliminary experiment 3]
(Preparation of liquid crystal composition)
A commercially available ferroelectric liquid crystal composition (FLC-10854, manufactured by Rolic) and the liquid crystal composition 3 prepared in the preliminary experiment 1 were mixed at a mass ratio of 70:30 to prepare a liquid crystal composition 6. The phase transition of the liquid crystal composition 6 was Iso → Ch (N *) → Sa (SmA) → Sc * (SmC *) from the high temperature side to the low temperature side.
[0055]
(Production and evaluation of wavelength selective reflection film)
A wavelength selective reflection film was prepared and evaluated in the same manner as in Preliminary Experiment 1 except that the liquid crystal composition 6 was used instead of the liquid crystal composition 4.
The preliminary experiment 1 except that the product (Pn) of the helical period length (P) and the average refractive index (n) is 290 nm and the reflected light wavelength is intermediate between the preliminary experiment 1 and the preliminary experiment 2. Similar results were obtained.
[0056]
[Preliminary experiment 4]
(Preparation of liquid crystal composition)
A commercially available ferroelectric liquid crystal composition (FLC-10854, manufactured by Rolic Co.) and the liquid crystal composition 3 prepared in the preliminary experiment 1 were mixed at a mass ratio of 64:36 to prepare a liquid crystal composition 7. The phase transition of the liquid crystal composition 7 was Iso → Ch (N *) → Sa (SmA) → Sc * (SmC *) from the high temperature side to the low temperature side.
[0057]
(Production and evaluation of wavelength selective reflection film)
A wavelength selective reflection film was prepared and evaluated in the same manner as in Preliminary Experiment 1 except that the liquid crystal composition 7 was used instead of the liquid crystal composition 4.
The product (Pn) of the period length (P) of the spiral and the average refractive index (n) is 315 nm, and the reflected light wavelength is longer than that of the preliminary experiment 1, and is the same as that of the preliminary experiment 1. Results were obtained.
[0058]
[Preliminary experiment 5]
(Preparation of liquid crystal composition)
A commercially available ferroelectric liquid crystal composition (FLC-10854, manufactured by Rolic) and the liquid crystal composition 3 prepared in the preliminary experiment 1 were mixed at a mass ratio of 61:39 to prepare a liquid crystal composition 8. The phase transition of the liquid crystal composition 8 was Iso → Ch (N *) → Sa (SmA) → Sc * (SmC *) from the high temperature side to the low temperature side.
[0059]
(Production and evaluation of wavelength selective reflection film)
A wavelength selective reflection film was prepared and evaluated in the same manner as in Preliminary Experiment 1 except that the liquid crystal composition 8 was used instead of the liquid crystal composition 4.
The product (Pn) of the period length (P) of the spiral and the average refractive index (n) is 330 nm, and the reflected light wavelength is longer than that of the preliminary experiment 4, and is the same as that of the preliminary experiment 1. Results were obtained.
[0060]
[Preliminary Experiment 6]
(Preparation of liquid crystal composition)
A commercially available ferroelectric liquid crystal composition (FLC-10854, manufactured by Rolic) and the liquid crystal composition 3 prepared in the preliminary experiment 1 were mixed at a mass ratio of 58:42 to prepare a liquid crystal composition 9. The phase transition of the liquid crystal composition 9 was Iso → Ch (N *) → Sa (SmA) → Sc * (SmC *) from the high temperature side to the low temperature side.
[0061]
(Production and evaluation of wavelength selective reflection film)
A wavelength selective reflection film was prepared and evaluated in the same manner as in Preliminary Experiment 1 except that the liquid crystal composition 9 was used instead of the liquid crystal composition 4.
The product (Pn) of the period length (P) of the spiral and the average refractive index (n) is 350 nm, and the reflected light wavelength is the same as that of the preliminary experiment 1 except that the reflected light wavelength is longer than that of the preliminary experiment 5. Results were obtained.
[0062]
[Preliminary experiment 7]
(Preparation of liquid crystal composition)
A commercially available ferroelectric liquid crystal composition (FLC-10854, manufactured by Rolic) and the liquid crystal composition 3 prepared in Preliminary Experiment 1 were mixed at a mass ratio of 55:45 to prepare a liquid crystal composition 10. The phase transition of the liquid crystal composition 10 was Iso → Ch (N *) → Sa (SmA) → Sc * (SmC *) from the high temperature side to the low temperature side.
[0063]
(Production and evaluation of wavelength selective reflection film)
A wavelength selective reflection film was prepared and evaluated in the same manner as in Preliminary Experiment 1 except that the liquid crystal composition 10 was used instead of the liquid crystal composition 4.
Similar to Preliminary Experiment 1 except that the product (Pn) of the helical period length (P) and the average refractive index (n) is 365 nm and the reflected light wavelength is longer than that of Preliminary Experiment 6. Results were obtained.
[0064]
[Example 1]
(Preparation of broadband wavelength-selective reflective film)
The wavelength-selective reflective films prepared in preliminary experiments 1 to 7 are superposed with optical oil in the order of preliminary experiment 2/3/1/4/5/6/7 to produce a broadband wavelength-selective reflective film. did.
[0065]
(Production and evaluation of guest-host reflective liquid crystal display devices)
A polyimide alignment film coating solution (LQ-1800) made of polyamic acid was applied to a 0.7 mm thick glass substrate by spin coating, and dried at 80 ° C. for 20 minutes. Furthermore, the polyamic acid was imidized by heating at 250 ° C. for 30 minutes.
The two substrates produced as described above were bonded so that the alignment films face each other. For the bonding, a thermosetting epoxy resin mixed with a spherical spacer having a diameter of 7 μm was used. A mixture of 2.0% by mass of a dichroic dye (NKX-1366, manufactured by Nippon Photosensitive Dye) and 98.0% by mass of p-type liquid crystal (ZLI-1132, manufactured by Merck Japan) is injected into the gap between the substrates. A liquid crystal layer was formed and the side surfaces were sealed.
A broadband wavelength-selective reflective film was placed under the guest host liquid crystal cell to produce a guest host reflective liquid crystal display element.
When the produced guest-host reflective liquid crystal display element was energized and operated, an image with extremely good uniformity and high contrast was displayed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a full pitch band (F) and a half pitch band (H) of a chiral smectic C phase (Sc *) and a cholesteric phase (Ch).
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view showing a typical embodiment of a guest-host reflective liquid crystal display element.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view showing another typical embodiment of a guest-host reflective liquid crystal display element.
FIG. 4 is a measurement result showing an incident angle dependency of a transmission spectrum of a wavelength selective reflection film.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Reflective film substrate 2 Reflective film 3 Lower substrate 4 Lower transparent electrode 5 Lower alignment film 6 Liquid crystal layer 7 of liquid crystal cell Upper alignment film 8 Upper transparent electrode 9 Upper substrate A-C Liquid crystal layer S of reflective film Spacer