JP2004015868A - 電気所の保護制御システム及び差動保護継電器 - Google Patents

電気所の保護制御システム及び差動保護継電器 Download PDF

Info

Publication number
JP2004015868A
JP2004015868A JP2002163166A JP2002163166A JP2004015868A JP 2004015868 A JP2004015868 A JP 2004015868A JP 2002163166 A JP2002163166 A JP 2002163166A JP 2002163166 A JP2002163166 A JP 2002163166A JP 2004015868 A JP2004015868 A JP 2004015868A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
protection
real
time
signals
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002163166A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Takahashi
高橋 正雄
Kinichi Sasaki
佐々木 欣一
Kiyohisa Terai
寺井 清寿
Kenichi Nojima
野嶋 健一
Katsumi Suzuki
鈴木 克巳
Nobumitsu Kobayashi
小林 伸光
Yasuhiro Noro
野呂 康宏
Yoshitomi Sameda
鮫田 芳富
Yukihiko Maede
前出 幸彦
Tateji Tanaka
田中 立二
Junichi Arai
荒井 純一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2002163166A priority Critical patent/JP2004015868A/ja
Publication of JP2004015868A publication Critical patent/JP2004015868A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y04INFORMATION OR COMMUNICATION TECHNOLOGIES HAVING AN IMPACT ON OTHER TECHNOLOGY AREAS
    • Y04SSYSTEMS INTEGRATING TECHNOLOGIES RELATED TO POWER NETWORK OPERATION, COMMUNICATION OR INFORMATION TECHNOLOGIES FOR IMPROVING THE ELECTRICAL POWER GENERATION, TRANSMISSION, DISTRIBUTION, MANAGEMENT OR USAGE, i.e. SMART GRIDS
    • Y04S10/00Systems supporting electrical power generation, transmission or distribution
    • Y04S10/16Electric power substations

Landscapes

  • Remote Monitoring And Control Of Power-Distribution Networks (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

【課題】信号伝達時間を短縮化して信頼性・安全性を向上させると共に、機器増設時の作業性が高く小形で拡張性に優れた電気所の保護制御システムを提供する。
【解決手段】母線保護用変流器14からの電流信号は、リアルタイム信号と非リアルタイム信号とに分けられ、光ファイバー28に伝送される。このうち、非リアルタイム信号はネットワーク19に伝送され、リアルタイム信号は母線保護装置21へと伝送される。この時、リアルタイム信号は非リアルタイム信号と波長を異にしているため信号同士が衝突することなく、波長の異なる光を一本の光ファイバー28で伝送できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークを構築した電気所の保護制御技術に係り、特に、信号伝達を光化した電気所の保護制御システム及び差動保護継電器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発電所、変電所、開閉所等の電気所には電源系統、受電系統あるいは送電系統等が設けられているが、これらの系統に事故が発生した場合、他の系統に及ぼす事故の影響を最小限に抑え、電圧を一定に保って電力の安定供給を続けることが重要である。このためには、系統に発生した事故点を迅速に検出し、これを取り除くことが必要である。これを実現するシステムとして電気所には保護制御システムが採用されている。
【0003】
ここで、図7を参照して保護制御システムの従来例について説明する。図7は変電所の保護制御システムの回路図である。図7において、11,12は変電所内の甲母線及び乙母線である。これら両母線11,12間には電力の入出力点に対応させて各々一対の断路器4が直列接続されており、その各直列接続間に遮断器3を介して負荷系統及び受電系統がそれぞれ接続されている。また、各母線11,12には電圧を変換する変圧器10を介して送電系統が接続されている。
【0004】
5は現場盤である。現場盤5は電力の入出力点に対応させて設けられている。現場盤5には電流・電圧の検出装置として、計測器である変流器1及び計器用変圧器2が接続されており、これらの機器より計測信号として電流検出信号及び電圧検出信号が入力される。
6は制御装置である。制御装置6は現場盤5に収集された変流器1及び計器用変圧器2からの計測信号と、断路器4の入り・切り状態を示す入り・切り信号を信号線8を介して取込む装置であり、変圧器10の巻線比の制御や無効電力を用いた電圧安定化装置の制御を行うための制御信号を送出する機能を有している。
7は保護装置である。保護装置7は現場盤5に収集された変流器1及び計器用変圧器2からの計測信号を信号線8を介して取込む装置であり、各点の電圧及び電流信号から事故点を求め、この事故点を元に該当する系統の両側の遮断器3に遮断指令を送出する機能を有している。
【0005】
このような構成の変電所の保護制御システムにおいて、保護装置7に変流器1から電流検出信号が、計器用変圧器2から電圧検出信号がそれぞれ入力されると、保護装置7では各点の電流信号及び電圧信号から事故点を求め、事故点を元に事故点の両側の遮断器3に遮断指令を送出する。遮断器3は遮断指令を受けて遮断動作を行い、事故点を取り除くことができる。上記は事故点を取除く場合であるが、点検作業を行う場合には、その区間に該当する系統の遮断器3を遮断すると共に、断路器4を切る。これにより、点検作業を行う系統以外の系統には安定して電力を送ることが可能である。また、制御装置6は、変圧器10の巻線比の制御や無効電力を用いた電圧安定化装置の制御を行う必要がある場合、変流器1からの電流検出信号や計器用変圧器2からの電圧検出信号を元に電圧の安定化や、送電損失を最小化した送電系統の運用を行うための制御信号を各変圧器や電圧安定化装置等に送っている。
【0006】
また、以上の変電所の保護制御システムにおいては、変流器1や計器用変圧器2からの計測信号の他に、パレット信号も、変電所の保護及び制御を行う上で重要な情報である。パレット信号とは、遮断器3の位置が遮断側にあるか、投入側にあるのか、あるいは、断路器4が投入されているのか、切れているのかといったことを示す信号である。これらの信号に関してもそれぞれ1対の信号線8で伝送されている。なお、各計測信号及び断路器4の入り・切り信号は一旦現場盤5に集積されるものの、現場盤5と保護装置7及び制御装置6との間は、測定対象と制御対象の数だけの信号線8が設置されている。
【0007】
このように多数の信号線を設置する代わりに、変電所内にネットワークを配設置し、ネットワーク上にすべての信号線を載せようとする試みも行われている。しかし、ネットワーク上で伝送できる信号容量には限界がある。また、ネットワークの容量一杯に信号を伝送させようとすると、信号の衝突を回避するために信号の待ち時間を設ける必要があり、伝送時間がどうしても長くなる。そこで、特開2000−175359号に示す保護制御システム技術が提案されている。この技術では伝送時間の遅れの許されない電圧・電流信号のようなリアルタイム信号と、伝送時間の遅れを許容する非リアルタイム信号とに分け、このうち瞬時性を要求されない非リアルタイム信号だけをネットワーク上に伝送させることを特徴としている。
【0008】
図8に示すように、変電所内の甲母線11及び乙母線12間に電力の入出力点に対応させて一対の断路器4が直列接続され、この断路器4の接続間には遮断器3を介して図示しない系統が接続されている。このような構成の系統において、遮断器3の入力側に対応させて保護用変流器13aと、出力側に対応させて保護用変流器13bと計測用変流器15とがそれぞれ設けられると共に、計器用変圧器2が接続されている。また、遮断器3と一対の断路器4にそれぞれ対応させて補助接点16a〜16cがそれぞれ設けられている。これら補助接点16a〜16cは遮断器3の投入または遮断、あるいは断路器4の入り、切りに連動してオン、オフするものである。
【0009】
保護用変流器13a,13bで計測された電流はインターフェース17a,17bに入力され、また、計測用変流器14で計測された電流は1入力に対して2出力のインターフェース17cに入力される。同様に計器用変圧器2で検出された電圧は1入力に対して2出力のインターフェース17dに入力され、さらに各補助接点16a〜16cのオン、オフ信号はインターフェース17eにそれぞれ入力される。
【0010】
これらインターフェース17a〜17eは、電流、電圧信号とマッチングのとれた光信号を出力する機能をそれぞれ有している。インターフェース17aとインターフェース17eより出力される光信号は光ファイバー23を通して合波器24aに伝送され、インターフェース17bより出力される光信号は光ファイバー23を通して直接、保護装置7に伝送される。また、インターフェース17cより出力される2つの光信号は光ファイバー23を通して合波器24bに伝送され、インターフェース17dより出力される光信号は合波器24cに伝送される。
【0011】
合波器24a〜24cはそれぞれ2つの光信号を合波し、その光信号は光ファイバー24を通して分波器18a〜18cにそれぞれ伝送される。分波器18a〜18cは合波された光信号を再び元の2つの光信号に分波し、一方の光信号は光ファイバー24を通して保護装置7にそれぞれ伝送され、他方の光信号はデータバスからなるネットワーク19を通して制御装置6に伝送される。
【0012】
ここで上記の構成を有する変電所の保護システムの特徴と作用効果について説明する。測定対象として保護用変流器13a,13b、計測用変流器14、遮断器3の投入または遮断、あるいはや断路器4の入り、切りの状態を示すための補助接点16a〜16cからの各信号は全て、インターフェース17a〜17eを介して保護装置7、制御装置6へと送られる。この時の各計測器の信号を瞬時値のデータがリアルタイムで必要なリアルタイム信号と、多少のデータ遅延があっても差し支えのない非リアルタイム信号とに分けることができる。すなわち、保護用変流器13a,13bや計測用変流器14の瞬時値、あるいは遮断器3への制御信号はリアルタイム信号に該当する。一方、電圧安定化の元データとするための計器用変圧器2の実効値信号や位相差情報、計測用変流器14の実効値信号や位相差情報、各補助接点15a〜15cのオン、オフなどは多少の時間遅れがあっても、制御に支障がなく、非リアルタイム信号とすることができる。
【0013】
これらの信号のうち、リアルタイム信号については専用の光ファイバー23を設置して信号を伝送しなくてはならない。これは従来のネットワーク19における標準の伝送方式を用いてリアルタイム信号を伝送すると、信号間の衝突の問題があり、伝達速度が追い付かないためである。一方、非リアルタイム信号については各計測対象辺りのデータ数も少なく、遅延時間の発生も問題にならないことから、専用の光ファイバーを設置する必要がなく、直接ネットワーク19に繋ぎ込むことが可能である。
【0014】
しかし、これら2種類の信号を別々に機器近傍で2つのファイバーに分けて伝送することは、無用に配線数を増やすばかりではなく、システムの複雑化による信頼性の低下を招くおそれがある。そこで上記従来例では合波器24a〜24cおよび分波器18a〜18cを各光ファイバー23で光学的に接続し、各機器単位で、例えば変流器の瞬時値情報と実効値情報を波長多重化して1本のファイバーで伝達している。つまり、リアルタイム信号は光ファイバー23を通して直接保護装置7にデータ入力し、非リアルタイム信号はネットワーク19を構築するデータバスへと流している。この時、各機器に接続されているには1本の光ファイバーであり、メンテナンスも容易である。
【0015】
ところで、保護装置7には様々なタイプが従来より提案されており、具体的には距離継電器や差動保護継電器等が採用されている。図9は差動保護継電器の構成図である。差動保護継電器とは、2つの計器用変流器の指示電流値の差を求め、その値から事故地点を推測して保護動作を行う機器である。
【0016】
図9に示す差動保護継電器では、第1の計器用変流器35の出力電流は抵抗器37によって電圧信号に変換され、更にV/Fコンバータ38で周波数の信号に変換される。周波数に変換された信号は、電圧の正側は正側出力39から、電圧の負側は負側出力40から信号が出力される。第2の計器用変流器36の出力電流も同様に抵抗器37、V/Fコンバータ38により周波数信号に変換され、正側出力39、負側出力40に出力される。正側の信号線41、負側の信号線42はそれぞれ第1の計器用変流器35、第2の計器用変流器36の信号を保護継電器まで伝送する。このときに、信号線は第1の計器用変流器35、第2の計器用変流器36の信号はパルス信号として伝達されたわけであるから、保護継電器側ではこのパルス数をカウントすれば、2つの計器用変流器35,36の指示電流値の差を求めることができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示した従来の電気所の保護制御システムにおいては、以下に述べるような解決すべき課題があった。すなわち、各測定対象及び制御対象と制御装置6及び保護装置7間が全て金属の信号線8で接続されるため、機器近傍の高電圧や雑音が入り込み易かった。耐雑音性を向上させるには大電力での信号伝送が必要となるが、この場合、変流器1や計器用変圧器2等の検出装置、制御装置6及び保護装置7の全てが大型化・複雑化した。これにより、電気所設置面積の増大を招いていた。電気所の保護制御システムを構成する装置に関しては、その簡略化が常に望まれており、図9に示した差動保護継電器についてもその改良が待たれている。
【0018】
また、機器の増設時には配線の増設作業が不可欠であるが、この時に機器から保護装置6及び保護装置7まで全てが必要作業区域となる。そのため、工事期間中は変電所を全停電させなくてはならなかった。そこで従来より機器の拡張に際して柔軟に対応することが求められている。このニーズに応えるべく、変電所内に通信用のネットワークを張り巡らせ、ネットワークに全ての信号を載せる試みが行われている。しかし、ネットワークに流れる情報が膨大となり、信号伝達時間が増大するといった問題があった。
【0019】
このような問題点を解決すべく図8に示すシステムが提案されているものの、分波器によって分割されたリアルタイム信号は1信号に対して1本の伝送線が不可欠である。このため、電気所の拡張性を確保する面で、更なる改善が望まれている。
【0020】
本発明は、上記のような従来技術の欠点を解消するために提案されたものであり、その目的は、信号伝達時間を短縮化して信頼性・安全性を向上させると共に、機器増設時の作業性が高く小形で拡張性に優れた電気所の保護制御システムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、簡単な構成で信頼性の高い差動保護継電器を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は信号伝達に際して波長を多重にする技術を導入したもので、次のような構成上の特徴を有している。
請求項1〜6の発明は電気所の保護制御システムに係り、電流・電圧または各機器の動作状態を検出して検出信号を送出する検出装置と、電流のon/offを行う遮断器と、各電流・電圧または各機器の動作状態から事故点を検出して前記遮断器の開閉を指示する命令信号を送出する保護装置と、各電流・電圧または各機器の動作状態から電圧の安定化や潮流制御を行うための制御信号を送出する制御装置とが設けられ、前記検出装置、前記遮断器、前記保護装置及び前記制御装置間には信号伝達のためのネットワークが構築された電気所の保護制御システムにおいて、以下に述べるような特徴がある。
【0022】
請求項1の発明は、前記検出装置、前記保護装置及び制御装置間の通信には光ファイバーが用いられ、前記光ファイバーに伝送される通信信号は、リアルタイム信号と非リアルタイム信号とに分けられ、これら2つの信号の伝送には少なくとも2つの異なった波長光が使用され、前記非リアルタイム信号は前記ネットワークの全てに伝送可能とし、前記リアルタイム信号は瞬時値のデータがリアルタイムで要求される前記各装置にのみ伝送可能とすることを特徴としている。
【0023】
このような請求項1の発明においては、検出装置、保護装置及び制御装置間の通信には光ファイバーを用いることにより、サージ等の過電圧から保護、制御機能を守ることができ、信頼性を高めることができる。また、この光ファイバー中に流れる情報を、瞬時伝送が必要なリアルタイム信号と、時間遅れの許される非リアルタイム信号という2つの信号に分け、これら2つの信号の伝送には少なくとも2つの異なった波長光を使用している。このような環境下で非リアルタイム信号のみをネットワークに接続することで、ネットワークによる情報の共有化を行うことができる。
【0024】
また、時間遅れの許されないリアルタイム信号については、非リアルタイム信号と波長を異にして同一の光ファイバー中に伝送することが可能である。これにより、一本の光ファイバーですべての情報を必要な伝達時間内で伝送することができる。このとき、リアルタイム信号については、非リアルタイム信号と波長を異にしていることを利用して瞬時値のデータがリアルタイムで要求される各装置にのみ信号を伝達することが可能である。したがって、ネットワークへの負担及びメンテナンス作業を軽減させるとともに、リアルタイム信号の伝達時間を低減させることができ、信頼性の向上を図ることができる。
【0025】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電気所の保護制御システムにおいて、前記リアルタイム信号には少なくとも2つ以上の異なる波長が使用され、波長の異なる前記リアルタイム信号は異なる前記各装置に分配するように接続されたことを特徴としている。
以上の請求項2の発明では、リアルタイム信号に少なくとも2つ以上の波長を使用することによって、リアルタイム信号が要求される各装置への信号分配を電子回路を介さずに実現することができ、構成の簡略化を図ると共に、信号伝達時間をさらに低減させることができる。
【0026】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の電気所の保護制御システムにおいて、前記リアルタイム信号の1つは、母線保護または変圧器保護のための変流器・計器用変圧器信号であることを特徴としている。
このような請求項3の発明では、瞬時の伝送が必要で、且つ複数の検出装置からの入力情報が必要な母線保護、変圧器保護のための変流器・計器用変圧器信号を、リアルタイム信号として高速な伝達手段を確保することにより、信号伝達時間の低減を図ることが可能である。
【0027】
請求項4の発明は、前記変流器・計器用変圧器信号をその使用目的毎に分け、それぞれ別の波長を割り当てたことを特徴としている。
上記請求項4の発明によれば、変流器・計器用変圧器信号を、例えば母線保護用や、変圧器保護用、あるいは線路保護用等、その使用目的毎に分け、それぞれ別の波長を割り当てたことにより、信号が必要な各装置への電子回路を介さない信号分配を迅速且つ確実に実現することができる。
【0028】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気所の保護制御システムにおいて、前記リアルタイム信号の1つは、前記遮断器の開閉を指示する命令信号であることを特徴としている。
以上の請求項5の発明では、複数の遮断器への高速な操作指令が要求される遮断器の命令信号をリアルタイム信号の1つとして高速な伝達手段を確保することにより、信号伝達時間の低減が図れる。
【0029】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気所の保護制御システムにおいて、前記光ファイバー中に波長分配器が設けられ、前記波長分配器は前記リアルタイム信号及び前記非リアルタイム信号の分離及び前記リアルタイム信号を伝送する前記各装置への分岐を行うように構成されたことを特徴としている。
以上の構成を有する請求項6の発明においては、光ファイバー中に波長分配器を設け、リアルタイム信号と非リアルタイム信号との分離、ならびにリアルタイム信号の必要な各装置への分岐を行うことにより、信号分配のためのリピーターやルーターと呼ばれる電子回路を用いることなく、光信号のまま、信号の分配ができ、高速な信号伝達が可能となる。
【0030】
請求項7、8の発明は差動保護継電器に係り、電力機器の保護用等で用いられている差動保護継電器において、次の特徴を有している。
請求項7の発明は、前記検出装置の検出信号を周波数信号に変換し、差動対象の前記検出装置からの周波数信号を合成して差動保護のための信号としたことを特徴としている。
このような請求項7の発明では、異なる波長を多重化させる方式を用いることにより、検出装置からの周波数信号を合わせるだけでパルス数をカウントすることができる。したがって、任意の差動演算をネットワーク上で実施可能であり、簡単な構成で信頼性の高い差動保護継電器が得られる。
【0031】
請求項8の発明は、請求項7に記載の差動保護継電器において、前記検出装置からの検出信号を送り出す際に他の検出装置からの信号と衝突しないようにタイミング制御したことを特徴としている。
このような請求項8の発明では、送出される検出信号同士が重ならないようにあらかじめタイミングを定めて同期をとることによって、差動演算をいっそう確実に行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例について、図面を参照して具体的に説明する。
(1)第1の実施の形態
[1−1.構成]
第1の実施の形態は変電所の保護制御システムであり、請求項1及び64の発明を包含している。図1は第1の実施の形態の構成図であり、図7と同一構成部分に関しては同一符号を付して説明は省略する。この図は変電所の回線入力部1回線分についての信号伝達を示したものである。
【0033】
図1に示すように、遮断器3の母線側に対応させて線路保護用変流器13が設けられ、遮断器3の線路側に対応させて母線保護用変流器14及び計測用変流器15が設けられている。さらに、遮断器3の線路側には計器用変圧器2が接続されている。また、遮断器3と一対の断路器4にそれぞれ対応させて補助接点16a〜16cがそれぞれ設けられている。これら各補助接点16a〜16cは遮断器3の投入または遮断、及び断路器4の入り、切りに連動してオン、オフするものである。
【0034】
第1の実施の形態では、制御装置6に加えて、2つの保護装置、すなわち線路保護装置20及び母線保護装置21が設けられている。上段で述べた測定対象である線路保護用変流器13、母線保護用変流器14、計測用変流器15、計器用変圧器2、遮断器3や断路器4の入り、切りの状態を示すための補助接点16a〜16cからの各信号は、全てインターフェース17a〜17eを介して保護装置20,21、制御装置6へと信号が送られる。
【0035】
この時に各計測器の信号は、瞬時値のデータがリアルタイムで必要なリアルタイム信号と、多少のデータ遅延があっても差し支えのない非リアルタイム信号に分けられる。具体的には、保護用変流器13,14や計器用変圧器2の瞬時値や遮断器3への命令信号がリアルタイム信号に該当する。一方、電圧安定化の元データとするための計器用変圧器2の実効値信号や位相差情報、計測用変流器15の実効値信号や位相差情報、各補助接点16a〜16cのオン、オフ信号等、多少の時間遅れがあっても制御に差し障りはない信号が、非リアルタイム信号に該当する。これら2つの信号の伝送には少なくとも2つの異なった波長光が使用され、非リアルタイム信号は前記ネットワークの全てに伝送可能とし、リアルタイム信号は瞬時値のデータがリアルタイムで要求される前記各装置にのみ伝送可能としている。
【0036】
次に、線路保護装置20及び母線保護装置21と保護に用いる信号について述べる。[線路保護装置及び線路保護に用いる信号]
線路保護装置20では距離継電器と呼ばれる線路に流れる電流と電圧の値から事故地点を推測して保護する方式を採用した場合を例にとって説明を進める。距離継電器に必要な信号は線路に流れる電流・電圧の一対の信号である。
【0037】
線路保護用変流器13で計測された電流信号はインターフェース17aでデジタル信号に変換され、線路保護装置20に伝送される。この時の伝送線22は線路保護装置20が線路保護用変流器13に対して離れて設置される場合は光ファイバーが望ましいが、極近接して設置される場合は電気信号線、例えばPCIやISAバスであっても構わない。
【0038】
計器用変圧器2で検出された電圧信号はインターフェース17dでデジタル信号に変換され、インターフェース17dに接続された光ファイバー23によって伝送される。計器用変圧器2からの信号は、線路保護に使われる他、送電線の課電状態や電圧を調べ、電圧安定化のための制御や、遮断器3の投入時のインターロックなどにも用いられる。このため、光ファイバー23の端部には分波器18が接続されており、ここで信号がリアルタイム信号と非リアルタイム信号とに2分割される。
【0039】
そして、前者は線路保護装置20に、後者は変電所内に張り巡らせたネットワーク19に伝送される。この時の分波器18は、特に電子回路を用いる必要はなく、光ファイバカップラ等で単に光信号を2分岐するだけでも良い。線路保護装置20はこのようにして得られた電流・電圧信号を元に、線路での短絡・地絡の有無を判断し、リアルタイム信号として遮断器3をON/OFFする命令信号を送出すると共に、短絡・地絡検出時にはその情報をネットワーク19に伝送するようになっている。
【0040】
[母線保護装置及び母線保護に用いる信号]
次に母線保護装置21についてであるが、こちらは当該母線に接続された送電線の送出電流の総和を演算することによって、短絡・地絡の有無を検出するようになっている。このため、母線に接続された送電線の本数分の電流信号が必要となり、また、この電流信号の計測地点が変電所内のあちこちに分散しているので、線路保護のように機器のすぐ近傍に設置するわけには行かなくなる。このため、ネットワーク19によって計測地点が結ばれて信号を伝送されるが、この時にネットワーク19上で信号の衝突を発生させると、信号の同時性が失われ、保護が成り立たなくなる。
【0041】
そこで第1の実施の形態においては、母線保護用変流器14で計測された電流信号はインターフェース17bで光デジタル信号に変換し、光ファイバー28を介してネットワーク19に伝送させる。この時、母線保護信号のみ独立に波長を占有させて他の信号との衝突を避けるように構成される。このため、ネットワーク19への入力部には合波器24が設けられており、波長の異なる光を一本の光ファイバー28で伝送できるようにしている。逆に、ネットワーク19が母線保護装置21へ信号を送り出す際には波長分離カプラ25によって、母線保護信号のみが分離されて母線保護装置21へと入力される。
【0042】
また、計測用変流器15で計測された電流信号はインターフェース17cに入力され、ネットワーク19に直接接続される。同様に各補助スイッチ16a〜16cのオン、オフ信号はインターフェース17eにそれぞれ入力され、こちらもネットワーク19に直接接続される。これらの信号はすでに述べたように非リアルタイム信号である。なお、制御装置6については、保護装置20,21ほどの高速性を要求されない。そのため、ネットワーク19に直接接続可能であり、信号の衝突を避ける対策等は特に考慮する必要はない。
【0043】
[1−2.作用効果]
続いて、上記の構成を有する変電所の保護制御システムの作用効果について、従来例と比較しつつ説明する。
第1の実施の形態では、各計測器の信号を、リアルタイム信号と非リアルタイム信号とに分けている。これらの信号のうち、リアルタイム信号については、従来のネットワークに用いられている標準の伝送方式を用いると、信号間の衝突の問題があって伝達速度が追いつかない。このため、第1の実施の形態においては、専用の光ファイバー23,28を設置してリアルタイム信号を伝送している。一方、非リアルタイム信号については、各計測対象当りのデータ数も少なく、遅延時間の発生も問題にならないことから、直接ネットワーク19に繋ぎ込むことが可能である。
【0044】
ただし、これら2つの信号を別々に機器近傍で2つの光ファイバーに分けて伝送することは無用に配線数を増やすばかりではなく、システムを複雑化させて信頼性の低下を招くおそれがある。この点を回避するために第1の実施の形態では、各機器単位で例えば計測用変流器15においては、リアルタイム信号である瞬時値情報と、非リアルタイム信号である実効値情報を波長多重化し、1本の光ファイバー28で信号伝達を行い、合波器24及び波長分離カプラ25を光学的に接続している。このうち、リアルタイム信号は直接母線保護装置21にデータ入力し、非リアルタイム信号はネットワーク19を構築するデータバスへとデータを流す。
【0045】
以上のような第1の実施の形態によれば、各機器に接続されているのは1本の光ファイバーで済み、この光ファイバーだけですべての情報を必要な伝達時間内で伝送することができる。このとき、リアルタイム信号については、非リアルタイム信号と波長を異にしていることを利用して瞬時値のデータがリアルタイムで要求される各装置にのみ信号を伝達することが可能である。したがって、ネットワーク19への負担を軽くすることができ、メンテナンスも容易となる。しかも、リアルタイム信号の伝達時間を低減させることができ、信頼性の向上を図ることができる。なお、多重化させる波長としては干渉フィルタを用いて容易に分離可能となるよう、波長にして100nm程度以上離れたものが好適である。
【0046】
(2)第2の実施の形態
[2−1.構成]
図2は本発明による変電所の保護制御システムに係る第2の実施の形態を示している。近年、機器の小型化、一体化が進み、遮断器や断路器、計器用変流器、計器用変圧器を一カ所に集約し、一つの機能ユニットとして同一架台上に設置することが行われるようになっている。このような機器形態ではもはや、各信号入力要素(変流器13,14,15、計器用変圧器2、補助接点16a〜16c)毎にインターフェースのための電子回路を設置する必要はなく、集約化された機能ユニット26の中の一カ所にインターフェースを設置すればよい。第2の実施の形態はこのような例に適用したものである。
【0047】
各機器(計器用変圧器2、遮断器3、断路器4、甲母線11、乙母線12、線路保護用変流器13、母線保護用変流器14、計測用変流器15、補助接点16a〜16c)の機能については図1と同一であるので、説明を省略する。制御装置6及び母線保護装置21は上記第1の実施の形態と同様であるが、線路保護装置20については、他の回線の電圧電流信号を必要としないため、機器ユニット26内に設置する。ネットワーク19へのインターフェース17fは線路保護装置20と同じ場所に設置し、電子回路ユニット27を構成する。電子回路ユニット27は光ファイバー28を介してネットワーク19へと接続されるが、この時に母線保護のための電流信号は瞬時性を要求されるため、リアルタイム信号として他の信号とは波長を分けて伝送される。
【0048】
[2−2.作用効果]
以上のような第2の実施の形態によれば、上述した作用効果に加えて、機器ユニット26へ接続する信号線は一本の光ファイバー28だけで足り、機器ユニット26の設置、交換や増設作業の簡単な変電所を実現することができる。
【0049】
(3)第3の実施の形態
[3−1.構成]
例えば、500kVや300kVといった超高圧の変電所について考えると、変電所自体の敷地面積が大きくなり、これに比例してネットワークも大きくなってくる。こうなってくると、母線保護だけでなく、変圧器保護もネットワークを考える上で重要となる。図3は変電所自体の単線結線図の一例を示している。変電所のレイアウトを考える場合、高圧側と低圧側の各機器は、一般に分離して設置されており、変圧器10がその間に接続されている。このため、変圧器10の高圧側に設置された遮断器29aと、変圧器10の低圧側に設置された遮断器29bとはどうしても距離が遠くなりがちであり、両者を集約することが難しい。したがって、両遮断器29a,29b間をネットワークで結ぶことになる。第3の実施の形態はこのような例に適用したものであり、請求項2〜4の発明に対応している。
【0050】
図4は第3の実施の形態の構成図である。この図を用いて、遮断器周りの信号伝達経路を中心に説明する。なお、各機器(遮断器3、断路器4、甲母線11、乙母線12、母線保護用変流器14、計測用変流器15、補助接点16a〜16c)の機能については図1と同一であるので説明を省略する。各補助接点16a〜16cの信号はインターフェース17eよりネットワーク19に送られる。計測用変流器15の信号はインターフェース17cよりネットワーク19に送られる。
【0051】
母線保護用の変流器14からの信号はリアルタイム信号であり、インターフェース17fによって、ネットワーク19中に信号が送られる。この信号は非リアルタイム信号用に割り当てた波長とは別の第2の波長を用いて送出される。この信号は図1と同様に合波器24で他の信号と同一の光ファイバー中に送出され、波長分離カプラ25で分離され、母線保護装置21へと入力される。
【0052】
また、変圧器保護用の変流器30からの信号もリアルタイム信号であり、インターフェース17gによってネットワーク19中に信号が送られる。この信号は非リアルタイム信号用に割り当てた波長及び母線保護用に割り当てたリアルタイム信号の第2の波長とはまた別に、第3の波長を用いて送出される。つまり、第3の実施の形態におけるリアルタイム信号ではその使用目的毎に、異なる波長が使用されていて、波長の異なるリアルタイム信号が異なる装置、ここでは母線保護装置21と変圧器保護装置32とに分配するように接続されている。なお、変圧器保護用の信号もまた合波器24で他の信号と同一の光ファイバー中に送出され、ネットワーク19中に流れるが、他の信号と波長を変えているので、ネットワーク19途中のファイバー分岐をスムーズに通過することができ、第2の波長分離カプラ31で分離され、変圧器保護装置32へと入力される。
【0053】
[3−2.作用効果]
このような第3の実施の形態では、変圧器保護に関しては母線保護とは別の第3の波長を導入してリアルタイム信号をもう一チャンネル用意したことで、光ファイバ一本で接続するメリットと、信号の瞬時性とを同時に満足することができ、2種類のリアルタイム信号を母線保護装置21及び変圧器保護装置32へ分配可能である。しかも、母線保護及び変圧器保護のための信号をリアルタイム信号としたことで、高速な伝達手段を確保したことになり、信号伝達時間の低減を図ることが可能である。さらには、前記リアルタイム信号を、母線保護用と変圧器保護用というように使用目的毎に分け、それぞれ別の波長を割り当てているので、必要なノードへ接続するための電子回路が不要であり、構成の簡略化が容易である。
【0054】
(4)第4の実施の形態
[4−1.構成]
今までの実施の形態では、各機器から保護・制御装置への上り信号を中心に話を進めてきたが、変電所の中では、各保護・制御装置から、実際に機器を操作するための下り信号の伝達も重要となる。この時に、制御に用いられる信号は、瞬時性が要求されず、ネットワーク中での信号衝突による信号遅延は心配する必要がないが、保護に用いられる信号については、やはり瞬時性が要求される。したがって、この信号をいかに早く伝達させるかが信頼性向上を図る上でのポイントになる。保護の場合に使用する機器は遮断器なので、この機器への信号伝達を第1に考える必要がある。このため、図1、図2、図4で示してきたような波長多重の考え方をここでも導入し、遮断器3への操作信号の瞬時性確保を目的とする。すなわち、第4の実施の形態は請求項5の発明に対応し、遮断器3の開閉を指示する命令信号をリアルタイム信号としたことに特徴がある。
【0055】
各機器(計器用変圧器2、遮断器3、断路器4、甲母線11、乙母線12、線路保護用変流器13、母線保護用変流器14、計測用変流器15、補助接点16)の機能については図2と同一であるので、説明を省略する。母線保護装置21より発せられた遮断器3の命令信号は、第3の波長分離カップラ33によって、遮断器コントローラ34へと信号が分離され、遮断器コントロラー34が遮断器3の遮断動作を行う。変圧器保護装置32から発せられた遮断器3の命令信号は、この回線の遮断器3は変圧器保護には用いられないため、第3の波長分離カップラ33は遮断器コントローラ34へと信号が分離しない構成となっている。
【0056】
[4−2.作用効果]
以上のような第4の実施の形態では、複数の遮断器3への高速な操作指令が要求される遮断器3の命令信号をリアルタイム信号の1つとして高速な伝達手段を確保することができ、信号伝達時間を低減化することができる。
【0057】
(5)第5の実施の形態
[5−1.構成]
第5の実施の形態は、請求項7及び8の発明に対応しており、基本構成は図9に示した差動保護継電器と同じであるが、今まで述べて来たような波長多重の考え方を採用した点に特徴がある。すなわち、ネットワークに2種類の波長を流し、周波数信号を合わせて任意の差動演算を実施し、ネットワーク上で差動保護継電器を実現させている。
【0058】
より詳しくは、甲母線11に繋がる変流器の信号をλ1で送出し、乙母線12に繋がる変流器の信号をλ2で送出すると定め、各変流器のインターフェースでは断路器の状態に合わせて送出する波長を定める。そして、甲、乙各母線11,12の保護装置ではλ1、λ2の光を、甲乙主母線の一括保護装置では両波長の光を受信し、パルス数のカウントを行うようになっている。
【0059】
ただし、センサからの計測信号を周波数信号に変換するコンバータが無秩序に信号を発生すると、複数のパルス間が繋がって正確にパルス数をカウントできなくなってしまう。そこで第5の実施の形態では、図6に示すように、各インターフェースから送出される信号が重ならないように、あらかじめインターフェースからのパルス送出のタイミングを定め、同期をとるようになっている。
【0060】
[5−2.作用効果]
以上のような第5の実施の形態によれば、検出装置であるセンサからの周波数信号を合わせるだけでパルス数をカウントすることができる。したがって、任意の差動演算をネットワーク上で実施可能であり、簡単な構成で信頼性の高い差動保護継電器が得られる。しかも、インターフェースからのパルス送出のタイミングを定めて同期をとっているため、検出信号同士が衝突することがなく、演算精度を高めることが可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光ファイバーに伝送される通信信号を、リアルタイム信号と非リアルタイム信号という波長の異なる2つの信号に分け、非リアルタイム信号をネットワークに伝送し、リアルタイム信号を所定の装置にのみ伝送することにより、信号伝達時間を短縮化して信頼性・安全性が向上すると共に、機器増設時の作業性を高めて小形で拡張性に優れた電気所の保護制御システムを提供することができる。
また、本発明によれば、差動対象の前記検出装置からの周波数信号を合成して差動保護のための信号としたことにより、簡単な構成で信頼性の高い差動保護継電器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の構成図。
【図3】本発明の効果を示すための変電所の単線結線図、
【図4】本発明の第3の実施の形態の構成図。
【図5】本発明の第4の実施の形態の構成図。
【図6】本発明の第5の実施の形態による母線保護装置の説明図。
【図7】従来の変電所の保護制御システムの構成図。
【図8】従来の変電所の保護制御システムの構成図。
【図9】従来の母線保護装置の構成図。
【符号の説明】
2…計器用変圧器
3…遮断器
4…断路器
6…制御装置
7…保護装置
8…信号線
11…甲母線
12…乙母線
13…線路保護用変流器
14…母線保護用変流器
15…計測用変流器
16a〜16c…補助接点
17a〜17e…インターフェース
18,18a〜18c…分波器
19…ネットワーク
20…線路保護装置
21…母線保護装置
22…伝送線
23,28…光ファイバー
24,24a〜24c…合波器
25…波長分離カプラ
26…機器ユニット
27…電子回路ユニット
29a…変圧器の高圧側の遮断器
29b…変圧器の低圧側の遮断器
30…変圧器保護用変流器
31…第2の波長分離カプラ
32…変圧器保護装置
33…第3の波長分離カプラ
34…遮断器コントローラ

Claims (8)

  1. 電流・電圧または各機器の動作状態を検出して検出信号を送出する検出装置と、電流のon/offを行う遮断器と、各電流・電圧または各機器の動作状態から事故点を検出して前記遮断器の開閉を指示する命令信号を送出する保護装置と、各電流・電圧または各機器の動作状態から電圧の安定化や潮流制御を行うための制御信号を送出する制御装置とが設けられ、前記検出装置、前記遮断器、前記保護装置及び前記制御装置間には信号伝達のためのネットワークが構築された電気所の保護制御システムにおいて、
    前記検出装置、前記保護装置及び制御装置間の通信には光ファイバーが用いられ、
    前記光ファイバーに伝送される通信信号は、リアルタイム信号と非リアルタイム信号とに分けられ、
    これら2つの信号の伝送には少なくとも2つの異なった波長光が使用され、
    前記非リアルタイム信号は前記ネットワークの全てに伝送可能とし、
    前記リアルタイム信号は瞬時値のデータがリアルタイムで要求される前記各装置にのみ伝送可能とすることを特徴とする電気所の保護制御システム。
  2. 前記リアルタイム信号には少なくとも2つ以上の異なる波長が使用され、
    波長の異なる前記リアルタイム信号は異なる前記各装置に分配するように接続されたことを特徴とする請求項1に記載の電気所の保護制御システム。
  3. 前記リアルタイム信号の1つは、母線保護または変圧器保護のための変流器・計器用変圧器信号であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気所の保護制御システム。
  4. 前記変流器・計器用変圧器信号をその使用目的毎に分け、それぞれ別の波長を割り当てたことを特徴とする請求項3に記載の電気所の保護制御システム。
  5. 前記リアルタイム信号の1つは、前記遮断器の開閉を指示する命令信号であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気所の保護制御システム。
  6. 前記光ファイバー中に波長分配器が設けられ、
    前記波長分配器は前記リアルタイム信号及び前記非リアルタイム信号の分離及び前記リアルタイム信号を伝送する前記各装置への分岐を行うように構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気所の保護制御システム。
  7. 差動対象となる複数の検出装置が設けられ、この検出装置からの検出信号の差によって動作する差動保護継電器において、
    前記検出装置の検出信号を周波数信号に変換し、差動対象の前記検出装置からの周波数信号を合成して差動保護のための信号としたことを特徴とする差動保護継電器。
  8. 前記検出装置からの検出信号を送り出す際に他の検出装置からの信号と衝突しないようにタイミング制御したことを特徴とする請求項7に記載の差動保護継電器。
JP2002163166A 2002-06-04 2002-06-04 電気所の保護制御システム及び差動保護継電器 Pending JP2004015868A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002163166A JP2004015868A (ja) 2002-06-04 2002-06-04 電気所の保護制御システム及び差動保護継電器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002163166A JP2004015868A (ja) 2002-06-04 2002-06-04 電気所の保護制御システム及び差動保護継電器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004015868A true JP2004015868A (ja) 2004-01-15

Family

ID=30431715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002163166A Pending JP2004015868A (ja) 2002-06-04 2002-06-04 電気所の保護制御システム及び差動保護継電器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004015868A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007259518A (ja) * 2006-03-20 2007-10-04 Tokyo Electric Power Co Inc:The 電力系統潮流制御システムおよび電力系統潮流制御プログラム
CN100424965C (zh) * 2006-11-21 2008-10-08 国网南京自动化研究院 无主站分布式微机母线保护的通讯方法
CN100464479C (zh) * 2006-12-12 2009-02-25 赵建青 电网系统及解决电网大面积停电的方法
CN102290868A (zh) * 2011-09-02 2011-12-21 北京新能汇智微电网技术有限公司 微电网智能快速开关
WO2020174657A1 (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 オムロン株式会社 太陽光発電システム
CN111725791A (zh) * 2020-06-18 2020-09-29 广州市扬新技术研究有限责任公司 一种差动光纤传输goose信号实现数字选跳保护方法
CN112803381A (zh) * 2021-03-10 2021-05-14 清华大学 全贯通式柔性牵引供电系统的接触网差动保护方法及装置
JP2022040047A (ja) * 2020-08-26 2022-03-10 陽光電源股▲ふん▼有限公司 光起電力システム、ストリング内の機器の位置決め方法、mlpe機器及びその順序付け方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4721938B2 (ja) * 2006-03-20 2011-07-13 東京電力株式会社 電力系統潮流制御システムおよび電力系統潮流制御プログラム
JP2007259518A (ja) * 2006-03-20 2007-10-04 Tokyo Electric Power Co Inc:The 電力系統潮流制御システムおよび電力系統潮流制御プログラム
CN100424965C (zh) * 2006-11-21 2008-10-08 国网南京自动化研究院 无主站分布式微机母线保护的通讯方法
CN100464479C (zh) * 2006-12-12 2009-02-25 赵建青 电网系统及解决电网大面积停电的方法
CN102290868A (zh) * 2011-09-02 2011-12-21 北京新能汇智微电网技术有限公司 微电网智能快速开关
JPWO2020174657A1 (ja) * 2019-02-28 2021-12-23 オムロン株式会社 太陽光発電システム
WO2020174657A1 (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 オムロン株式会社 太陽光発電システム
JP7176611B2 (ja) 2019-02-28 2022-11-22 オムロン株式会社 太陽光発電システム
CN111725791A (zh) * 2020-06-18 2020-09-29 广州市扬新技术研究有限责任公司 一种差动光纤传输goose信号实现数字选跳保护方法
JP2022040047A (ja) * 2020-08-26 2022-03-10 陽光電源股▲ふん▼有限公司 光起電力システム、ストリング内の機器の位置決め方法、mlpe機器及びその順序付け方法
JP7337126B2 (ja) 2020-08-26 2023-09-01 陽光電源股▲ふん▼有限公司 光起電力システム、ストリング内の機器の位置決め方法、mlpe機器及びその順序付け方法
US11894687B2 (en) 2020-08-26 2024-02-06 Sungrow Power Supply Co., Ltd. Method of ranking MLPE apparatuses and locating devices in a photovoltaic string
CN112803381A (zh) * 2021-03-10 2021-05-14 清华大学 全贯通式柔性牵引供电系统的接触网差动保护方法及装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9048697B2 (en) Intelligent process interface and substation automation system
EP3001535B1 (en) Protection control system for process bus, merging unit, and computation device
EP2086088B1 (en) Determining a bus bar voltage
US20110196627A1 (en) Method and device for evaluating an electrical installation of an electrical power system
CN112117735B (zh) 电弧保护系统及电弧保护系统的控制方法
JP2012005213A (ja) 多端子送電線保護継電システム
JP2004015868A (ja) 電気所の保護制御システム及び差動保護継電器
CN103560585B (zh) 适用于地铁行业的数字化线路保护测控系统
CN100440671C (zh) 一种基于多种保护技术的集成保护系统
Guide REA 10_
KR101054386B1 (ko) 전기철도의 통합형 직류 보호 계전 시스템
Starck et al. Switchgear optimization using IEC 61850-9-2
US11909194B2 (en) Differential protection device and protection system for monitoring objects to be protected in a power supply network
CN207719795U (zh) 一种多角度电弧光综合保护系统
Dolezilek et al. Integration of IEC 61850 GSE and sampled value services to reduce substation wiring
US11513143B2 (en) Loopback testing of electric power protection systems
CA2253512C (en) Ground fault protection circuit for a multiple source system
Tanaka et al. Development of process bus for busbar protection and voltage selection scheme
US11079436B2 (en) Multiple merging unit testing system
JP5381415B2 (ja) 配電線の保護システム及び保護継電器
RU2189680C2 (ru) Комплектное распределительное устройство
WO2023112352A1 (ja) 保護制御端末及び分散型保護制御システム
JP2000175359A (ja) 電気所とその保護制御システム及び位置センサ
Tanaka et al. Development of process bus for busbar protection
CN100448132C (zh) 一种基于电流原理的集成保护系统

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040804