【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネットを利用したＩＰ電話装置で、特にユーザの状況に応じて快適な音声品質を確保できるＩＰ電話装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、インターネットの利用分野として、電子メールをはじめとする様々なサービスが提供されている。パケット通信を利用したＩＰ電話装置もその一つである。ＩＰ電話装置においては、ＰＣを用い互いのＩＰアドレスを交換した後で、インターネット回線にお互いが接続した後に電話として利用する方法が一般的である。
【０００３】
また、ユーザの操作を軽減させるための別の方式として、電話機により、一旦、通常回線を用い、お互いのＩＰアドレスを自動的に交換し、相互に接続することによって、見かけ上、通常の電話と何ら違和感なくインターネット電話として通信確立を行う方法がある。
【０００４】
前者の一般的な方法では、お互いのＩＰアドレスを手動、自動のいずれかの方法で取得した後で、端末Ａと端末Ｂをインターネット回線に接続した上で、パケット通信を相互に確立することで、インターネット電話としての動作を行う。また、これを改善した、後者の方法においては、ユーザの設定を軽減し、違和感のない電話機として動作させるため、一旦、通常回線を用いるものである。
【０００５】
以下、後者の場合について、図５、図６を用いて詳しく説明する。図５は、従来のＩＰ電話装置とそのネットワーク構成図である。
【０００６】
図５において、１および２は従来のＩＰ電話装置である。これはＰＣを主体として、電話機能を追加するためのインターフェイスボードを追加した形の場合も多い。３および４は加入者電話回線である。５はローカルの電話局、６は広域の電話局である。７は前記電話局５、６を含む形での通常電話回線網であり、インターネット電話ではない通常の電話回線を確立した場合にはこの経路を通る。８はインターネット網を形成している要素の一つであるプロバイダであり、９はインターネット網である。通常、インターネット網９には複数のプロバイダ８が接続されており、インターネット網９で接続されたプロバイダ８の大型コンピュータは、随時、データを次のコンピュータに渡していくことでネットワークを確立している。
【０００７】
なお、説明の便宜上、簡単な接続図になっているが、実際のインターネット網はこの図より複雑な接続となっている。
【０００８】
図６は、従来のＩＰ電話装置のハードウェアを示すブロック図を示す。
【０００９】
図６において、１０は外部電話回線に接続している電話線である。１１は、回線の切り替えを行い回線の電気的インターフェイスを含む回路部である。１２は、パケット通信コーデックであり、音声データや他の制御データがきた場合にはここでデコードされ、送信時にはここでエンコードされる。通常の電話回線を使用する場合には、パケット通信コーデック１２の実質的な部分を通ることがなく、音声処理部１３へ渡される。１４は電話線１０〜音声処理部１３までを実際に制御している電話制御回路部及び電話周辺回路部であり、制御のためにメモリなどの記憶装置も包含している回路である。なお、この電話制御回路部及び電話周辺回路部１４はマイコンを使用している場合も多く、また、電話機としての付加機能を実現するために、タイマなどを内蔵されているケースも多い。
【００１０】
図７は、前記各部を備えて構成されたＩＰ電話装置のシーケンスチャートである。図５のＩＰ電話装置とそのネットワーク構成図、図６のハード構成図を併用して、インターネット電話として回線を確立するまでの手順を以下に説明する。
【００１１】
まず、図５のネットワーク構成図に従った構成において、通常の電話と同じ方法でインターネット電話として電話を掛ける場合を考える。説明の便宜上、インターネット回線の確立まで、ＩＰ電話装置１は送信（発呼）側の端末Ａ、ＩＰ電話装置２は受信（呼び出される）側の端末Ｂとする。
【００１２】
このとき、端末Ａ１は最初に発呼動作を行う。これは、図７での３０１に相当するシーケンスにある。このときの通信経路は、通常電話回線網７を通る加入者電話回線３，ローカルの電話局５，広域の電話局６，通常電話回線網７を経由する回線を使用している。
【００１３】
端末Ｂが発呼に応じたところで端末Ａは、インターネット回線に接続するためのＩＰアドレスなどのデータを端末Ｂに対して要求する。これは、図７での３０２−３０３のシーケンスの動作である。その後、図７の３０４−３０６のシーケンスの動作を行い、互いにデータを受け取ったところで、端末Ａと端末Ｂは相互にインターネットに接続する。このとき、端末Ａと端末Ｂは互いのＩＰアドレスを知っているので、スムーズにインターネット回線での接続が完了する。この後は、図７の３０７のシーケンスに至っているので、互いに通話できる状態にある。
【００１４】
このときに確立している通信回線は、加入者電話回線３，プロバイダ８，広域の電話局６を通るインターネット網９を使用している。この回線経路が確立した時点で、端末Ａと端末Ｂは通話可能な状態となり、インターネットのパケット通信を利用した音声の送受信が行える。
【００１５】
このように、ユーザは、通常の電話を掛ける感覚で、ＩＰ電話装置が自動的にインターネット回線を確立してインターネット電話として活用できる。
【００１６】
つぎに、図７のシーケンスチャートと図６のハード構成図を使って、シーケンスに関連するハードウェアの説明を補足しておく。図７の３０３と３０４のシーケンスで互いに選られたＩＰアドレスなどの情報は、図６における電話制御回路部及び電話周辺回路部１４で処理され、この中に存在するメモリなどの記憶装置に一時保存されている。
【００１７】
【発明が解決しようとする課題】
現在のＩＰ電話装置において、パケットディレイによる音声品質の劣化の問題については周知の事実であり、様々な手法を用いて音声のディレイを軽減する手法が考えられている。一例を挙げると、特開０９−１７２４５９公報には、ネットワークの状況に応じて音声圧縮回路のサンプリング周波数や音声圧縮の方式を変更することで快適な通話を実施する例を示してあり、この方法によって、パケットディレイが生じた場合にも音声の途切れが無い通話を目論んでいる。
【００１８】
しかしながら、この場合にもパケット通信を利用している以上、他のトラフィックに依存した遅延が依然として存在するため、そのときに選択された音声圧縮の方法によっては、通話が途切れることは無くとも音声の品質が大きく劣化することも避けられず、また、ある限度値を超えたディレイが発生した場合には、音切れさえも避けられない場合も存在する。
【００１９】
このことから、実用上では、通話中に相手方と重要な話しに発展した場合にも、通話品質の低下により聞き逃しをしてしまうことや音切れにより、通話に不快感をもって話しを続けなければならない状況も十分予想される。
【００２０】
前述のように、従来のＩＰ電話装置においては、パケットディレイというインターネットのパケット通信を使用する上で不可避であり、かつ、外部環境に依存して音声品質が劣化するという課題があった。
【００２１】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の従来の技術での課題を解決するために、パケットディレイの検知手段を有し、そのパケットディレイの遅延が設定値を超えた場合には自動的に通常回線へ移行することにより、通話品質を確保する、あるいは、ユーザの指示により現在通話中の回線をインターネット回線と通常回線から相互に切り替えることによって、ユーザに意図する選択を可能にしたＩＰ電話装置とする。
【００２２】
本発明によれば、自動的もしくはユーザが意図して、任意の時刻においてインターネット回線から通常電話回線に切り替えることで、音声品質を絶対的に確保、もしくはユーザの好みに応じてインターネット回線か通常回線の選択を行い、音声品質と通話コストのトレードオフを行うことができることとなる。
【００２３】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項１に記載の発明は、エントリーを通常通話回線で一旦行った後、インターネットのパケット通信を利用して音声の送受信が行われるＩＰ電話装置であって、一定時間のパケットディレイを検知したときにインターネット電話としてではなく、通常回線に切り替えるようにしたＩＰ電話装置であり、音声品質と通話コストのトレードオフを行うことができるという作用を有する。
【００２４】
本発明の請求項２に記載の発明は、請求項１に記載のＩＰ電話装置において、パケットディレイ値を検出し、ユーザ閾値の設定値により、インターネット回線と通常回線に切り替えることを可能としたものであり、ユーザの好みに応じてパケットディレイの許容できる限度値を設定し、ユーザによりカスタマイズ可能とするという作用を有する。
【００２５】
本発明の請求項３に記載の発明は、請求項１に記載のＩＰ電話装置において、回線の切り替えを、ユーザの指示によりインターネット回線と通常電話回線に切り替えることを可能としたものであり、通話中にユーザがその状況に応じて人為的に使用する回線を選択して、通話コストと通話品質のどちらかを優先的に選択できるという作用を有する。
【００２６】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【００２７】
（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１、２、３のＩＰ電話装置とそのネットワーク構成図である。このネットワーク構成そのものは、図５で示される従来の技術の場合と特に変わっているところはない。ただし、ＩＰ電話装置そのものは、回線を任意に選択するために従来とは異なったＩＰ電話装置である。なお、ネットワーク上の構成は従来のものと同じであるため、その説明は割愛する。
【００２８】
図２は、本発明の実施の形態１のＩＰ電話装置ののハードウェアを示すブロック図である。
【００２９】
図２において、電話回線１０、回線切り替え制御回路及び回線インターフェイス回路１１、パケット通信コーデック１２、音声処理部１３および電話制御回路部及び電話周辺回路部１４までは、従来のものと構成が同じであるため、その説明は割愛する。
【００３０】
本実施の形態１のＩＰ電話装置は、図５のＩＰ電話装置に制御用マイコン及びその周辺回路１５と、パケットディレイを測定するためのタイマ１６と、自分や相手の電話装置のＩＰアドレスや設定値などを記憶しておく記憶部１７を追加したことを特徴とする。
【００３１】
なお、説明の便宜上、追加する機能を明確にするために、マイコンを含む１５−１７の回路を追加した形になっているが、既存のＩＰ電話装置においてもマイコンを使用している場合も多く、また、タイマなども内蔵されているケースも多いため、実際には既存のハードウェア構成とて１５のマイコンなどを追加する必要が無いケースも多い。
【００３２】
図３は、本発明の実施の形態１のＩＰ電話装置におけるシーケンスチャートである。なお、従来の技術の説明と重複する部分も多いが、シーケンスが重要となるため詳しく説明する。
【００３３】
まず、通常の電話と同じ方法でインターネット電話として電話を掛ける場合を考える。このとき、ＩＰ電話装置１、すなわち端末Ａは最初に発呼動作を行う。これは、１０１のシーケンスでの動作である。ＩＰ電話装置２、すなわち端末Ｂが発呼に応じたところで、端末Ａはインターネット回線に接続するためのＩＰアドレスなどのデータを端末Ｂに対して要求する。これは、１０２，１０３シーケンスでの動作である。データを受け取ったところで、端末Ａと端末Ｂは相互にインターネットに接続する。これは、１０６のシーケンスでの動作である。このとき、端末Ａと端末Ｂは互いのＩＰアドレスを知っているので、スムーズにインターネット回線での接続が完了する。
【００３４】
インターネット回線への接続が確立した時点で、端末Ａはパケットディレイを調べるために、端末Ｂに対して少量のパケットデータを送出する。これは、１０７のシーケンスでの動作である。ここでは便宜上、パケットデータ＃１と呼ぶことにするが、このデータは実体を持った特定パターンのデータを意味する。端末Ａにおいては、パケットデータ＃１を送出した直後から図２におけるタイマ１６を起動させ、応答のデータが到着するまでタイマ１６によるカウント動作を行っている。端末Ｂはパケットデータ＃１を受け取ったら、速やかにパケットデータ＃２を端末Ａに送出する。端末Ａはパケットデータ＃２が到着したところで、タイマを停止し、パケットを送出してから応答のパケットが到着するまでの時間を算出する。これは、１０８のシーケンスでの動作である。
【００３５】
つぎに、端末Ａは、予め設定されているパケットディレイの許容値と、前記のタイマで取得した値を比較する。これは、１０９のシーケンスでの動作である。ここで、もし、許容値を下回っていたら、そのままインターネット回線を確立したままの状態で、音声のパケット通信を開始する。もし、許容値を上回っていたら、インターネットの回線を破棄する旨のデータを端末Ｂに送出し、インターネット回線から一旦切り離し、再度、端末Ｂに対して通常の電話回線を用いて発呼し、今度はインターネット回線の確立を行わないまま、通常の電話回線のままで通話できるように動作する。これは、１１３のシーケンスでの動作である。
【００３６】
（実施の形態２）
本実施の形態２のＩＰ電話装置は、前記実施の形態１のＩＰ電話装置において、ユーザの好みに応じてパケットディレイの許容できる限度値を設定し、ユーザによりカスタマイズ可能としたものである。なお、ＩＰ電話装置については特にハードの追加は必要でないため、図２を用いて簡単に説明する。
【００３７】
本実施の形態２のＩＰ電話装置は、その基本的なシステムに関する構成や役割は前記実施の形態１の場合と同じである。ただし、ユーザがボタン操作などで入力した許容できる設定値を、マイコン１５が電話制御回路部及び電話周辺回路部１４からデータを貰って記憶部１７に格納する点に違いがある。ボタン入力に関するプロセスについては、モード設定などで一般に行われる処理であるため、ここでは説明を割愛する。
【００３８】
また、通信確立に至る基本的な流れは、前記実施の形態１と殆ど変わらないため、先の図３のシーケンスチャートを用いて説明する。
【００３９】
本実施の形態２で変更されている部分は、１０９でのシーケンスでの動作で、ディレイ値の許容値として比較される対象がユーザの設定値であることである。これによって通信確立の選択が決定されるため、ユーザが入力した限度値で通常回線を選択するか、インターネット回線を選択するかが決まる。したがって、音声品質を重視しないユーザは、設定値を高くしておくことで、もしパケットディレイが大きくなって通話品質に影響が出ても、そのままコストの安いインターネット回線を通じて話しを続けることができる。一方、通話の音声品質を重視するユーザは、設定値を低くしておくことで、通話品質が劣化するディレイが生じたときには、自動的に、かつ、速やかに通常の電話回線での通話が確立される。
【００４０】
（実施の形態３）
本実施の形態３のＩＰ電話装置は、先に述べた実施の形態１のＩＰ電話装置において、ユーザの好みに応じ、かつ、任意の時刻において、使用する回線をインターネット回線か通常回線かに選択可能としたことに特徴を有する。
【００４１】
この実施の形態３のＩＰ電話装置によれば、先の実施の形態１や２のＩＰ電話装置のように、予め設定したディレイ値で回線切り替えを行うのではなく、通話中にユーザがその状況に応じて人為的に使用する回線を選択することにより、通話コストと通話品質のどちらかを優先的に選択できる。
【００４２】
本実施の形態３のＩＰ電話装置は、そのハード構成が図２に示す先の実施の形態１、２と変わらない。したがって、実施の形態１、２の場合と異なるシーケンスでの動作を中心に説明する。
【００４３】
図４は、本発明の実施の形態３のＩＰ電話装置におけるシーケンスチャートである。
【００４４】
ユーザは、２０１でのシーケンスでの動作でインターネット回線を使用して通話中である。ここで、パケットディレイによる音声品質の低下が生じて不快感を感じたため、通常回線に戻したい要求が生じたとする。ユーザは電話機のボタン操作などで、機器に通常回線への移行の指示を行う。指示された機器は２０２のシーケンスでの動作で、通常回線に戻すことを意味する「切り替え要求」のパケット＃３を端末Ｂへ送出する。２０３のシーケンスでの動作で確認を終えた端末Ａと端末Ｂの双方は、それぞれが２０４のシーケンスでの動作でインターネット回線から切断する。２０５のシーケンスでの動作で端末Ａは再び発呼を行い、通常回線で確立する。この後は、２０６のシーケンスでの動作で通話できる状態となる。なお、端末Ａは、インターネット回線の確立動作は行わない。
【００４５】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明によるＩＰ電話装置は、通話コストと通話品質のトレードオフを自動的、手動的に行うことにより、従来の方式でのネットワークやプロバイダの機器などを変更することなく、既存の方式をそのまま利用できた上で、パケットディレイによる音声品質の劣化を自動的、もしくは人為的に回線を切り替え、快適な通話が可能となるものであり、本発明の効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態１、２、３のＩＰ電話装置とそのネットワーク構成図
【図２】同ＩＰ電話装置のハードウェアを示すブロック図
【図３】本発明の実施の形態１、２のＩＰ電話装置におけるシーケンスチャート
【図４】本発明の実施の形態３のＩＰ電話装置におけるシーケンスチャート
【図５】従来のＩＰ電話装置とそのネットワーク構成図
【図６】同ＩＰ電話装置のハードウェアを示すブロック図
【図７】同ＩＰ電話装置におけるシーケンスチャート
【符号の説明】
１ ＩＰ電話装置（発信側の端末Ａ）
２ ＩＰ電話装置（受信側の端末Ｂ）
３ 加入者電話回線（発信側）
４ 加入者電話回線（受信側）
５ 電話局（ローカル）
６ 電話局（広域）
７ 通常電話回線網
８ プロバイダ
９ インターネット網
１０ 電話回線
１１ 回線切り替え制御回路及び回線インターフェイス回路
１２ パケット通信コーデック
１３ 音声処理部
１４ 電話制御回路部及び電話周辺回路部
１５ 制御用マイコン及びその周辺回路
１６ タイマ
１７ 記憶部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an IP telephone device using the Internet, and more particularly to an IP telephone device that can ensure comfortable voice quality according to the situation of a user.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, various services such as electronic mail have been provided as a field of use of the Internet. An IP telephone device using packet communication is one of them. In an IP telephone apparatus, a method is generally used in which a PC is used to exchange IP addresses with each other and then connected to an Internet line and used as a telephone.
[0003]
Also, as another method for reducing the user's operation, a telephone temporarily exchanges the IP address of each other automatically using a normal line, and is connected to each other, so that the telephone appears to be a normal telephone. There is a method of establishing communication as an Internet telephone without any discomfort.
[0004]
In the former general method, after acquiring each other's IP address by either manual or automatic method, terminal A and terminal B are connected to the Internet line, and packet communication is mutually established. Perform the operation as an Internet phone. In the latter method in which this is improved, a normal line is used once in order to reduce user settings and operate as a telephone having no uncomfortable feeling.
[0005]
Hereinafter, the latter case will be described in detail with reference to FIGS. FIG. 5 is a diagram showing a conventional IP telephone device and its network configuration.
[0006]
In FIG. 5, 1 and 2 are conventional IP telephone devices. In many cases, this is a form in which an interface board for adding a telephone function is added mainly to a PC. 3 and 4 are subscriber telephone lines. 5 is a local central office, and 6 is a wide area central office. Reference numeral 7 denotes a normal telephone line network including the telephone offices 5 and 6, which pass through this route when a normal telephone line other than an Internet telephone is established. Reference numeral 8 denotes a provider which is one of the elements forming the Internet network, and 9 denotes the Internet network. Usually, a plurality of providers 8 are connected to the Internet network 9, and a large computer of the provider 8 connected to the Internet network 9 establishes a network by passing data to the next computer as needed. .
[0007]
Although a simple connection diagram is shown for convenience of explanation, the actual Internet network has a more complicated connection than this diagram.
[0008]
FIG. 6 is a block diagram showing hardware of a conventional IP telephone device.
[0009]
In FIG. 6, reference numeral 10 denotes a telephone line connected to an external telephone line. Reference numeral 11 denotes a circuit unit that switches the line and includes an electric interface of the line. Reference numeral 12 denotes a packet communication codec, which decodes voice data and other control data when they arrive, and encodes them when transmitting. When a normal telephone line is used, the packet is passed to the voice processing unit 13 without passing through a substantial part of the packet communication codec 12. Reference numeral 14 denotes a telephone control circuit unit and a telephone peripheral circuit unit which actually control the telephone line 10 to the voice processing unit 13, and is a circuit including a storage device such as a memory for control. The telephone control circuit unit and the telephone peripheral circuit unit 14 often use a microcomputer, and in many cases incorporate a timer or the like in order to realize additional functions as a telephone.
[0010]
FIG. 7 is a sequence chart of an IP telephone device including the above-described units. A procedure for establishing a line as an Internet telephone using the IP telephone apparatus of FIG. 5, its network configuration diagram, and the hardware configuration diagram of FIG. 6 will be described below.
[0011]
First, in the configuration according to the network configuration diagram of FIG. 5, a case is considered in which a telephone call is made as an Internet telephone in the same manner as a normal telephone. For convenience of description, it is assumed that the IP telephone device 1 is a terminal A on the transmitting (calling) side and the IP telephone device 2 is a terminal B on the receiving (called) side until the Internet line is established.
[0012]
At this time, the terminal A1 performs a calling operation first. This is a sequence corresponding to 301 in FIG. The communication path at this time uses a subscriber telephone line 3 passing through the normal telephone line network 7, a local telephone station 5, a wide area telephone station 6, and a line passing through the normal telephone line network 7.
[0013]
When the terminal B responds to the call, the terminal A requests the terminal B for data such as an IP address for connecting to the Internet line. This is the operation of the sequence 302-303 in FIG. Thereafter, the operation of the sequence of 304 to 306 in FIG. 7 is performed, and when data is received from each other, the terminal A and the terminal B mutually connect to the Internet. At this time, since the terminal A and the terminal B know each other's IP addresses, the connection via the Internet line is completed smoothly. Thereafter, since the sequence of 307 in FIG. 7 has been reached, it is possible to communicate with each other.
[0014]
The communication line established at this time uses the Internet network 9 passing through the subscriber's telephone line 3, the provider 8, and the wide area telephone office 6. When this line route is established, the terminal A and the terminal B are in a communicable state, and can transmit and receive voice using packet communication on the Internet.
[0015]
In this manner, the user can automatically establish an Internet line and use it as an Internet telephone as if the user were making a normal telephone call.
[0016]
Next, the description of the hardware related to the sequence will be supplemented with reference to the sequence chart of FIG. 7 and the hardware configuration diagram of FIG. The information such as the IP address selected in the sequence of 303 and 304 in FIG. 7 is processed by the telephone control circuit unit and the telephone peripheral circuit unit 14 in FIG. 6 and temporarily stored in a storage device such as a memory existing therein. Have been.
[0017]
[Problems to be solved by the invention]
In the current IP telephone apparatus, the problem of voice quality deterioration due to packet delay is a well-known fact, and various techniques have been considered to reduce voice delay. As an example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 09-172559 discloses an example in which a comfortable call is performed by changing the sampling frequency and the audio compression method of the audio compression circuit according to the network conditions. The purpose of this is to make a call without interruption of voice even when a packet delay occurs.
[0018]
However, even in this case, since packet communication is used, there is still a delay depending on other traffic, and therefore, depending on the voice compression method selected at that time, the voice is not interrupted even if the call is not interrupted. It is unavoidable that the quality is greatly degraded, and when a delay exceeding a certain limit occurs, there is a case where even a sound break is unavoidable.
[0019]
From a practical point of view, even if the conversation develops with the other party during the call, it is necessary to continue talking with the discomfort of the call due to the loss of the call quality or the lack of sound due to the loss of call quality. It is anticipated that this will not be the case.
[0020]
As described above, in the conventional IP telephone device, there is a problem that the packet delay is inevitable in using the Internet packet communication, and the voice quality is deteriorated depending on the external environment.
[0021]
[Means for Solving the Problems]
The present invention, in order to solve the above-mentioned problem in the conventional technology, has a packet delay detecting means, and when the delay of the packet delay exceeds a set value, automatically shifts to a normal line. Thus, an IP telephone device that allows the user to make an intended selection by ensuring the communication quality or by switching the line currently in communication between the Internet line and the normal line in accordance with a user's instruction.
[0022]
According to the present invention, the voice quality is absolutely ensured by switching from the Internet line to the normal telephone line at an arbitrary time automatically or intentionally by the user, or the Internet line or the normal line is selected according to the user's preference. Is selected, and a trade-off between voice quality and call cost can be made.
[0023]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
An invention according to claim 1 of the present invention is an IP telephone device in which voice is transmitted and received by using packet communication of the Internet after an entry is made once through a normal telephone line. This is an IP telephone device that switches to a normal line instead of an Internet telephone when detected, and has an effect that a trade-off between voice quality and call cost can be made.
[0024]
According to a second aspect of the present invention, in the IP telephone apparatus according to the first aspect, a packet delay value is detected, and it is possible to switch between an Internet line and a normal line according to a set value of a user threshold value. This has the effect of setting a permissible limit value of the packet delay according to the user's preference and allowing the user to customize it.
[0025]
According to a third aspect of the present invention, in the IP telephone apparatus according to the first aspect, the line can be switched between an Internet line and a normal telephone line according to a user's instruction. In this case, the user can select a line to be used artificially according to the situation, and can preferentially select either the call cost or the call quality.
[0026]
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0027]
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a diagram showing an IP telephone device according to Embodiments 1, 2, and 3 of the present invention and a network configuration thereof. This network configuration itself is not particularly different from the case of the conventional technique shown in FIG. However, the IP telephone device itself is different from the conventional IP telephone device in order to arbitrarily select a line. Note that the configuration on the network is the same as that of the related art, and the description is omitted.
[0028]
FIG. 2 is a block diagram showing hardware of the IP telephone device according to the first embodiment of the present invention.
[0029]
In FIG. 2, the configuration of a telephone line 10, a line switching control circuit and a line interface circuit 11, a packet communication codec 12, a voice processing unit 13, a telephone control circuit unit and a telephone peripheral circuit unit 14 is the same as that of the conventional one. Therefore, the explanation is omitted.
[0030]
The IP telephone device according to the first embodiment is different from the IP telephone device of FIG. 5 in that a control microcomputer and its peripheral circuit 15, a timer 16 for measuring a packet delay, the IP address and setting of the telephone device of the user and the other party are provided. A storage unit 17 for storing values and the like is added.
[0031]
For clarity of explanation, 15-17 circuits including a microcomputer are added in order to clarify the function to be added. However, a microcomputer is often used in an existing IP telephone device in many cases. In many cases, a timer or the like is built in, and in many cases, it is not necessary to add 15 microcomputers or the like in the existing hardware configuration.
[0032]
FIG. 3 is a sequence chart in the IP telephone device according to the first embodiment of the present invention. Although there are many parts that overlap with the description of the related art, the sequence is important and will be described in detail.
[0033]
First, consider a case where a telephone call is made as an Internet telephone in the same manner as a normal telephone. At this time, the IP telephone device 1, that is, the terminal A performs a calling operation first. This is the operation in the sequence of 101. When the IP telephone device 2, that is, the terminal B responds to the call, the terminal A requests the terminal B for data such as an IP address for connecting to the Internet line. This is an operation in the 102, 103 sequence. Upon receiving the data, terminal A and terminal B mutually connect to the Internet. This is the operation in the sequence of 106. At this time, since the terminal A and the terminal B know each other's IP addresses, the connection via the Internet line is completed smoothly.
[0034]
When the connection to the Internet line is established, the terminal A sends a small amount of packet data to the terminal B to check the packet delay. This is the operation in the sequence of 107. Here, it is referred to as packet data # 1 for convenience, but this data means data of a specific pattern having substance. In the terminal A, the timer 16 in FIG. 2 is started immediately after transmitting the packet data # 1, and the timer 16 performs the counting operation until the response data arrives. When receiving the packet data # 1, the terminal B immediately sends the packet data # 2 to the terminal A. The terminal A stops the timer when the packet data # 2 arrives, and calculates the time from when the packet is transmitted until the response packet arrives. This is an operation in the sequence of 108.
[0035]
Next, the terminal A compares the preset packet delay allowable value with the value acquired by the timer. This is an operation in the sequence of 109. Here, if the value is below the allowable value, voice packet communication is started while the Internet line is still established. If the value exceeds the allowable value, data indicating that the Internet line is to be discarded is sent to the terminal B, disconnected from the Internet line, and a call is made to the terminal B again using a normal telephone line. Operates so that a telephone call can be made with a normal telephone line without establishing an Internet line. This is the operation in the sequence of 113.
[0036]
(Embodiment 2)
The IP telephone device according to the second embodiment is different from the IP telephone device according to the first embodiment in that an allowable limit value of the packet delay is set according to the user's preference, so that the user can customize it. It should be noted that no additional hardware is required for the IP telephone device, and thus the IP telephone device will be briefly described with reference to FIG.
[0037]
The configuration and role of the IP telephone device according to the second embodiment regarding the basic system are the same as those in the first embodiment. However, there is a difference in that the microcomputer 15 receives data from the telephone control circuit unit and the telephone peripheral circuit unit 14 and stores in the storage unit 17 an allowable set value input by the user through a button operation or the like. The process related to button input is a process generally performed in mode setting and the like, and thus the description is omitted here.
[0038]
Since the basic flow leading to the establishment of communication is almost the same as that of the first embodiment, the description will be made with reference to the sequence chart of FIG.
[0039]
The part changed in the second embodiment is that, in the operation in the sequence in 109, the target to be compared as the allowable value of the delay value is the set value of the user. Thus, the selection of the establishment of communication is determined, so that it is determined whether to select the normal line or the Internet line based on the limit value input by the user. Therefore, a user who does not attach importance to voice quality can keep talking through an inexpensive Internet line by setting a high value even if the packet delay increases and the call quality is affected. On the other hand, a user who places importance on the voice quality of a call can set a lower value to automatically and promptly establish a call on a normal telephone line when a delay that deteriorates the call quality occurs. Is done.
[0040]
(Embodiment 3)
The IP telephone device according to the third embodiment differs from the IP telephone device according to the first embodiment in that the line to be used is selected from the Internet line or the normal line at an arbitrary time according to the user's preference. The feature is that it is made possible.
[0041]
According to the IP telephone of the third embodiment, the user does not switch the line with a preset delay value as in the IP telephones of the first and second embodiments, By selecting a line to be used artificially in accordance with, it is possible to preferentially select either the call cost or the call quality.
[0042]
The IP telephone device according to the third embodiment has the same hardware configuration as the first and second embodiments shown in FIG. Therefore, the following description focuses on operations in a sequence different from those in the first and second embodiments.
[0043]
FIG. 4 is a sequence chart in the IP telephone device according to the third embodiment of the present invention.
[0044]
The user is in a call using the Internet line in the operation in the sequence in 201. Here, it is assumed that a request to return to the normal line occurs because the voice quality is deteriorated due to the packet delay and the user feels discomfort. The user instructs the device to switch to a normal line by operating a telephone button or the like. The designated device transmits to the terminal B a "switch request" packet # 3, which means returning to the normal line, in the operation in the sequence of 202. Both the terminal A and the terminal B that have been confirmed in the operation in the sequence of 203 disconnect from the Internet line in the operation in the sequence of 204, respectively. In the operation in the sequence of 205, the terminal A makes a call again and establishes a normal line. Thereafter, a call can be made by the operation in the sequence of 206. Note that the terminal A does not perform the operation of establishing the Internet line.
[0045]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, the IP telephone apparatus according to the present invention automatically and manually trades off the call cost and the call quality to change the network or provider equipment in the conventional method. In addition, the existing system can be used as it is, and the deterioration of the voice quality due to the packet delay is automatically or artificially switched to enable a comfortable call, and the effect of the present invention is great.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing IP telephone apparatuses according to Embodiments 1, 2, and 3 of the present invention and a network configuration thereof. FIG. 2 is a block diagram showing hardware of the IP telephone apparatuses. FIG. FIG. 4 is a sequence chart of the IP telephone device according to the third embodiment of the present invention. FIG. 5 is a diagram of a conventional IP telephone device and its network configuration. FIG. FIG. 7 is a block diagram showing hardware. FIG. 7 is a sequence chart in the IP telephone apparatus.
1 IP telephone equipment (terminal A on the calling side)
2 IP telephone equipment (terminal B on the receiving side)
3 subscriber telephone line (calling side)
4 subscriber telephone line (receiving side)
5. Telephone office (local)
6 telephone offices (wide area)
7 ordinary telephone line network 8 provider 9 Internet network 10 telephone line 11 line switching control circuit and line interface circuit 12 packet communication codec 13 voice processing unit 14 telephone control circuit unit and telephone peripheral circuit unit 15 control microcomputer and its peripheral circuit 16 timer 17 Memory
