JP2004014953A - 処理装置および処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】雰囲気の高速な切り換えの可能な、信頼性の高い処理装置を提供する。
【解決手段】第1および第2の給排気口18、19が互いに対向するように設けられた処理容器12を、ウェハWの中心を中心として回転させる。処理容器12の周囲には、給気ノズル21a〜21dおよび排気ノズル22a〜22dが略等間隔に配置されている。給気ノズル21a〜21dからは常にそれぞれ所定のガスが供給されている。処理容器12の自転に応じて、第1および第2の給排気口18、19は、給気ノズル21a〜21dおよび排気ノズル22a〜22dに順に接続され、処理容器12内は所定のガス雰囲気に順に切り換えられる。
【選択図】 図3
【解決手段】第1および第2の給排気口18、19が互いに対向するように設けられた処理容器12を、ウェハWの中心を中心として回転させる。処理容器12の周囲には、給気ノズル21a〜21dおよび排気ノズル22a〜22dが略等間隔に配置されている。給気ノズル21a〜21dからは常にそれぞれ所定のガスが供給されている。処理容器12の自転に応じて、第1および第2の給排気口18、19は、給気ノズル21a〜21dおよび排気ノズル22a〜22dに順に接続され、処理容器12内は所定のガス雰囲気に順に切り換えられる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハ等の被処理体の表面に所定の処理を施す処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、半導体集積回路の微細化、高集積化が進行した結果、基板等の基板表面に形成される配線溝等のパターンの微細化が進行している。これにより、配線金属の下地膜として薄膜を形成する場合など、微細な配線溝内に極めて薄い膜を均一に、良好なカバレッジで形成することが求められる。このため、近年、微細な溝内にも、良好な膜質で、原子層レベルの極薄膜を形成可能な方法として、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition:ALD)と呼ばれる方法が開発されている。
【0003】
ALDは、例えば、以下のような工程から構成される。以下に示す例では、配線パターン(配線溝)が形成された基板の表面に、四塩化チタンガスおよびアンモニアガスを用いて、窒化チタンからなる下地膜を形成する場合について説明する。
【0004】
まず、チャンバ内に基板を収容し、チャンバ内を真空引きする。続いて、チャンバ内に四塩化チタンガスを所定時間導入する。このとき、基板は四塩化チタンの吸着に適した温度に加熱されている。これにより、基板の表面に四塩化チタン分子が多層に吸着する。その後、チャンバ内を不活性ガスでパージし、これにより、基板表面に吸着したほぼ1層分の四塩化チタン分子を除いて、チャンバ内から四塩化チタンを除去する。
【0005】
パージ後、チャンバ内にアンモニアガスを所定時間導入する。このとき、基板はアンモニアの吸着に適した温度に加熱されている。これにより、基板の表面に吸着した四塩化チタン分子とアンモニア分子とが反応して、基板の表面にほぼ1原子層分の窒化チタン層が形成される。このとき、形成された窒化チタン層の上には、アンモニア分子が多層に吸着している。その後、チャンバ内を不活性ガスでパージし、窒化チタン層上に吸着したほぼ1層分のアンモニア分子を除いて、チャンバ内からアンモニア分子を除去する。
【0006】
続いて、再び、基板を四塩化チタンガスの吸着に適した温度として四塩化チタンガスをチャンバ内に所定時間導入する。これにより、吸着したアンモニア分子と四塩化チタンとが反応して新たな窒化チタン層が形成される。すなわち、この状態ではほぼ2原子層の窒化チタン層が形成されていることになる。
【0007】
また、このとき、窒化チタン層上には四塩化チタン分子が多層に吸着している。その後、チャンバ内を不活性ガスでパージすることにより、窒化チタン層上にほぼ1層分の四塩化チタンが吸着した状態となる。その後、上記のように、アンモニアガスの導入、パージ、四塩化チタンガスの導入、パージ、…、というように、チャンバ内の雰囲気を切り替えることにより、所定原子層分、すなわち、所定厚さの窒化チタン層を形成することができる。
【0008】
このように、2種の反応ガスを、不活性ガスによるパージを挟んで繰り返し導入して、ほぼ1原子層ずつ吸着させ、形成することにより、微細な配線溝の内部においても均一性が高く、品質の高い極薄の膜を形成することができる。
【0009】
上記したALDでは、ウェハが曝されるガス雰囲気を多数回、例えば、数百回、数千回切り替えて所望の厚さ、例えば、数nm〜数十nmの膜を形成する。従って、高いスループットを得るには、ガス雰囲気の切り替えを高速に行う必要がある。
【0010】
ガス供給の高速な切り替えには、ガス供給系の応答性、すなわち、マスフローコントローラ等の流量制御装置やバルブの応答性が問題となる。しかし、流量制御装置やバルブの応答性には限界がある。この点において、プロセス中にプロセスガス(およびパージガス)を流し続けることにより、応答性の問題は回避され、また、高頻度での開閉等によるバルブ等の耐久性についても考慮する必要はなくなる。
【0011】
プロセス中にガスを流し続けた状態でALDプロセスを行うことが可能な装置として、例えば、特公平8−24191号公報、特開平7−321045号公報、特開2001−254181号公報等に開示されているものがある。
【0012】
特公平8−24191号公報に開示されている装置は、扇形のチャンバと、扇形の両端に設けられたそれぞれ異なる種のガスを導入するための2つのガス導入口と、扇形の中央部に設けられた不活性ガスが噴出されるバリアガス出口と、扇形の要の部分に設けられた吸気口と、基板が載置され前記チャンバ内で扇形の左右を移動可能な機構と、から構成される。プロセス中は、同一のチャンバ内に、扇形の中心に噴出される不活性ガスのバリアを境に2つのプロセス雰囲気が形成され、基板が扇形の左右に交互に移動する。
【0013】
また、特開平7−321045号公報に開示されている装置は、円筒部と、円筒部の上流側端部をふさぐ端面と、を有する。端面にはそれぞれ異なる種の原料ガスを導入するための2つのガス導入口が設けられ、円筒部の下流側には排気管が設けられている。円筒部内には端面に対向するように、円板状の基板ホルダが設けられ、基板がその一面上に載置される。円筒部内には、円筒部内をほぼ半分に分離するように、端面および基板ホルダに垂直な平板状のガス分離手段が設けられている。ガス分離手段により、円筒部内には、2つの原料ガス供給領域が形成される。基板ホルダは、駆動手段によって回転可能となっており、駆動手段の回転により、基板は異なる原料ガス供給領域に交互に移動する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の構成は、同一のチャンバ内に不活性ガスを用いたエアカーテンあるいは板状の分離手段を設けて、複数の異なるガス雰囲気を形成するものである。しかし、このような構成では、基板が複数のガス雰囲気内を移動することなどから、ガス雰囲気同士は高精度に分離することは難しい。また、このような構成では、上記したALD工程における、不要な吸着分子の除去のためのパージを十分に行うことは難しい。このため、吸着状態が悪く品質の高い膜が形成されないなど、信頼性の高い処理が行われないおそれがあった。
【0015】
上記事情を鑑みて、本発明は、信頼性の高い処理装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、雰囲気を高精度に切り換え可能な、信頼性の高い処理装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る処理装置は、
被処理体に所定の処理を施す処理装置であって、
その内部に前記被処理体が収容され、給気口を備える中空の処理容器と、
複数のガス供給ノズルを備え、前記複数のガス供給ノズルからそれぞれガスを供給するガス供給機構と、
前記給気口と前記複数のガス供給ノズルとが順に接続され、前記処理容器内に前記複数のガスが所定の順に供給されるように、前記処理容器と前記ガス供給機構とを相対的に移動させる移動機構と、
を備える、ことを特徴とする。
【0017】
上記第1の観点に係る処理装置において、
前記処理容器は排気口を備えてもよく、
前記給気口が前記ガス供給ノズルに接続された状態で、前記排気口に接続可能な複数のガス排気ノズルを備えてもよく、
前記ガス排気ノズルに接続され、前記排気口を介して前記処理容器内を排気する排気機構をさらに備えてもよい。
【0018】
上記構成において、前記複数のガス供給ノズルは、例えば、略等間隔に設けられている。
【0019】
上記構成において、前記複数のガス供給ノズルのうちの少なくとも1つは不活性ガスを供給し、前記不活性ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、前記不活性ガス以外の前記ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、は交互に配置されていることが望ましい。
【0020】
上記構成において、さらに、隣接する前記ガス供給ノズルの間に配置され、前記処理容器の近傍の前記ガス供給ノズルの間のガス雰囲気を吸引可能な吸引ノズルを備えてもよい。
【0021】
上記構成において、前記給気口と前記ガス供給ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられていてもよい。
また、前記排気口と前記ガス排気ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられていてもよい。
また、前記摺動部材は、例えば、フッ素樹脂から構成されている。
【0022】
上記構成において、前記処理容器は前記被処理体の主面に垂直な方向から見て略円形の断面を有し、かつ、その側壁に前記給気口を備えてもよく、
前記複数のガス供給ノズルは、前記処理容器の外周に沿うように環状に設けられ、前記給気口を介して前記被処理体の主面に略水平な方向から前記ガスを供給してもよい。
【0023】
上記構成において、前記移動機構は、例えば、前記被処理体の中心を中心として前記処理容器を回転させる。
【0024】
上記構成において、前記給気口と前記排気口とは、互いに対向するように設けられていてもよい。
また、前記給気口と前記排気口とは実質的に同一の開口から構成され、前記処理容器の回転に応じて前記給気口は前記排気口として、前記排気口は前記給気口として機能するようにしてもよい。
【0025】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る処理装置は、
被処理体に所定の処理を施す処理装置であって、
その内部に前記被処理体が収容され、給気管を備える中空の処理容器と、
その内部に前記処理容器を収容する外部容器と、
前記外部容器に固定されかつ前記給気管に接続可能な複数のガス供給ノズルを備え、前記複数のガス供給ノズルから前記被処理体の主面に略垂直に前記ガスをそれぞれ供給可能なガス供給機構と、
前記給気管と前記複数のガス供給ノズルとが順に接続され、前記処理容器内に前記複数のガスが所定の順に供給されるように、前記外部容器内に収容された前記処理容器を前記被処理体の主面に略平行な方向に回転可能な回転駆動機構と、
を備える。
【0026】
上記構成において、前記外部容器は複数の前記処理容器を収容し、前記回転駆動機構は複数の前記処理容器の重心を中心として、前記複数の処理容器を回転させるようにしてもよい。
【0027】
上記構成において、前記処理容器は排気管を備えてもよく、
前記給気管が前記ガス供給ノズルに接続された状態で、前記排気管に接続可能な複数のガス排気ノズルを備え、
前記ガス排気ノズルに接続され、前記排気管を介して前記処理容器内を排気可能な排気機構をさらに備えてもよい。
【0028】
上記構成において、前記複数のガス供給ノズルは、例えば、前記外部容器に環状に固定されている。
また、前記複数のガス供給ノズルは、例えば、略等間隔に配置されている。
【0029】
上記構成において、前記複数のガス供給ノズルのうちの少なくとも1つは不活性ガスを供給し、前記不活性ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、前記不活性ガス以外の前記ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、は交互に配置されていてもよい。
【0030】
上記構成において、さらに、隣接する前記ガス供給ノズルの間に配置されてもよく、前記処理容器の近傍の前記ガス供給ノズルの間のガス雰囲気を吸引可能な吸引ノズルを備えてもよい。
【0031】
上記構成において、前記給気管と前記ガス供給ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられていてもよい。
また、前記排気管と前記ガス排気ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられていてもよい。
また、前記摺動部材は、例えば、フッ素樹脂から構成されている。
【0032】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る処理装置は、
被処理体に所定の処理を施す処理装置であって、
その内部に前記被処理体が収容され、給気管を備える中空の処理容器と、
略直線状に配置された複数のガス供給ノズルを備え、前記複数のガス供給ノズルからそれぞれガスを供給するガス供給機構と、
前記給気管と前記複数のガス供給ノズルとが順に接続され、前記処理容器内に前記複数のガスが所定の順に供給されるように、前記処理容器と前記ガス供給機構とを相対的に移動させる移動機構と、
を備える、ことを特徴とする。
【0033】
上記構成において、前記移動機構は、例えば、前記処理容器を前記複数のガス供給ノズルに沿って略直線状に移動させる。
また、前記ガス供給ノズルは、例えば、前記処理容器内に前記複数種のガスが所定の順序で繰り返し供給されるように配置されている。
【0034】
上記構成において、前記処理容器は排気管を備えてもよく、
前記給気管が前記ガス供給ノズルに接続された状態で、前記排気管に接続可能な複数のガス排気ノズルを備えてもよく、
前記ガス排気ノズルに接続され、前記排気管を介して前記処理容器内を排気可能な排気機構をさらに備えてもよい。
また、前記複数のガス供給ノズルは、略等間隔に配置されていてもよい。
【0035】
上記構成において、前記複数のガス供給ノズルのうちの少なくとも1つは不活性ガスを供給し、前記不活性ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、前記不活性ガス以外の前記ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、は交互に配置されていてもよい。
【0036】
上記構成において、さらに、隣接する前記ガス供給ノズルの間に配置されてもよく、前記処理容器の近傍の前記ガス供給ノズルの間のガス雰囲気を吸引可能な吸引ノズルを備えてもよい。
【0037】
上記構成において、前記給気管と前記ガス供給ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられていてもよい。
また、前記排気管と前記ガス排気ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられていてもよい。
また、前記摺動部材は、例えば、フッ素樹脂から構成されている。
【0038】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る処理方法は、
被処理体に所定の処理を施す処理方法であって、
その内部に前記被処理体が収容され、給気口または給気管を備える中空の処理容器と、
複数のガス供給ノズルを備え、前記複数のガス供給ノズルからそれぞれガスを供給するガス供給機構と、を備える処理装置を用いた処理方法であって、
前記処理容器と前記ガス供給機構とを互いに相対的に移動させて前記給気口または給気管と前記複数のガス供給ノズルと順に接続させ、前記処理容器内に前記複数種のガスを所定の順に供給する工程を備える、ことを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態にかかる処理装置について、以下図面を参照して説明する。本実施の形態では、四塩化チタン(TiCl4)とアンモニア(NH3)とを用いて半導体ウェハ(以下、ウェハW)の表面に窒化チタン(TiN)膜を形成する処理装置を例として説明する。
【0040】
(第1の実施の形態)
図1に、第1実施の形態にかかる処理装置11の断面構成を示す。図1に示すように、処理装置11は、略円筒状の処理容器12を備える。処理容器12は、例えば、ステンレススチールから構成される。処理容器12の底部には、円盤状のステージ13が設けられている。ステージ13の上面には、被処理体であるウェハWが載置される。ステージ13には抵抗体等のヒータ14が埋設され、ステージ13上のウェハWを加熱可能に構成されている。
【0041】
処理容器12は、回転テーブル15上に支持されている。回転テーブル15は、シャフト16を介して駆動機構17に接続されている。これにより、処理容器12は、ウェハWの主面に略平行に回転可能に構成されている。
【0042】
処理容器12の側壁には、第1および第2の給排気口18、19が設けられている。第1および第2の給排気口18、19は、それぞれ略同径に形成され、互いに対向するように設けられている。
【0043】
処理容器12の外壁には、処理容器12を包囲するように帯状の摺動部20が設けられている。摺動部20は、例えば、摩擦係数の小さいフッ素樹脂、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)から構成されている。摺動部20は、処理容器12外壁の、第1および第2の給排気口18、19の高さに、これと重なるように設けられている。摺動部20には、第1および第2の給排気口18、19と通じる、これらと略同径の開口が形成されている。
【0044】
摺動部20の構成を、図2に示す。図2に示すように、摺動部20の外側の面には、開口20a、20aの直径よりもやや大きい幅の溝20bが、開口と重なるように、帯状に形成されている。
【0045】
処理容器12の近傍には、図1に示すように、給気ノズル21と、排気ノズル22と、が配置されている。給気ノズル21は、後述するように、所定のガス源に流量制御装置等を介して接続され、所定のガスを供給可能に構成されている。また、排気ノズル22は、後述するように真空ポンプ等の排気装置に接続されている。給気ノズル21と排気ノズル22とは、共通の環状の支持部材23によって支持、固定されている。ここで、上記のように処理容器12は駆動機構17によって回転可能であり、図1は、給気ノズル21と第1の給排気口18とが接続され、排気ノズル22と第2の給排気口19とが接続された状態を示している。
【0046】
給気ノズル21および排気ノズル22の先端には、摺動部材24、25が設けられている。摺動部材24、25はPTFE等から構成されている。摺動部材24、25の先端は、摺動部20の溝20bの幅とほぼ同じ直径を有し、溝20bと嵌合可能に構成されている。
【0047】
ここで、摺動部20は処理容器12の外壁に固定されており、処理容器12とともに回転する。処理容器12の回転時、固定部材により固定された給気ノズル21および排気ノズル22は、摺動部20の溝20bに沿って相対的に動く。このとき、給気ノズル21および排気ノズル22の先端の摺動部材24、25は摺動部20の溝20bの底部と接触し、低抵抗状態である程度の気密性を保ちつつ摺動可能となっている。
【0048】
処理容器12の回転とともに、第1および第2の給排気口18、19の位置が、図1に示すように、給気ノズル21および排気ノズル22の先端の位置と重なった際には、給気ノズル21から処理容器12内に所定のガスが供給される一方で、このガスは排気ノズル22から排気される。従って、第1および第2の給排気口18、19と、給気ノズル21および排気ノズル22と、の配置が重なったこのとき、処理容器12内に所定のガスの流れが形成され、処理容器12内は所定のガス雰囲気とされる。
【0049】
図3に、処理装置11の平面図を示す。図3に示すように、処理容器12の外壁には、上述した摺動部20が形成されている。また、摺動部20の外側には、これを包囲するように、給気ノズル21および排気ノズル22が支持された環状の支持部材が設けられている。支持部材23は、脚部23aによって処理容器12の外部に固定されている。
【0050】
支持部材23には、上述した給気ノズル21および排気ノズル22のセットが、4セット支持されている。給気ノズル21a〜21dおよび排気ノズル22a〜22dは、それぞれ略等間隔に、例えば、互いに45°の角度をなすように設けられている。給気ノズル21aはマスフローコントローラ(MFC)26aを介してTiCl4供給源27に接続されている。給気ノズル21bおよび給気ノズル21dはMFC26bを介して窒素(N2)供給源28に接続されている。給気ノズル21cはMFC26cを介してNH3供給源29に接続されている。
【0051】
排気ノズル22a〜22dは、共通の排気ラインに接続され、排気ラインの一端には排気装置30が設けられている。また、排気装置30に接続された排気ラインには、図示しない圧力調整装置等が設けられている。
【0052】
処理容器12内での成膜処理の間、給気ノズル21a〜21dからは常にガス供給が行われており、排気ノズル22a〜22dからの排気も常に行われている。これにより、第1および第2の給排気口18、19の位置が、給気ノズル21a〜21dおよび排気ノズル22a〜22dの先端のいずれかの位置と重なる状態では、重なった給気ノズル21a〜21dの1つから供給される所定ガスの流れが処理容器12内に形成され、処理容器12内には、所定のガス雰囲気が形成される。
【0053】
処理容器12は、駆動機構17により反時計回りに回転する。図3に示すように、処理容器12の周囲には給気ノズル21a〜21d、および、排気ノズル22a〜22dが、反時計回りに配置されている。従って、処理容器12の回転に応じて、第1および第2の給排気口18、19は、給気ノズル21a〜21dと排気ノズル22a〜22dとの各セットに順に接続される。これにより、処理容器12内には、TiCl4ガス雰囲気、N2ガス雰囲気、NH3ガス雰囲気、N2ガス雰囲気というように、所定のガス雰囲気が順に形成される。
【0054】
さらに、第1の給排気口18が給気ノズル21dに、第2の給排気口19が排気ノズル22dに接続された状態から、さらに処理容器12が回転すると、第1の給排気口18は排気ノズル22aに、第2の給排気口19が給気ノズル21aに接続される。第1および第2の給排気口18、19は、実質的に同一の開口であり、第1の給排気口18が排気口として、第2の給排気口19が給気口として機能する。これにより、再び、処理容器12内には、TiCl4ガス雰囲気が形成される。
【0055】
このように、処理容器12の回転(自転)に応じて、第1および第2の給排気口18、19は、給気ノズル21と排気ノズル22とのセットに連続的に接続される。給気ノズル21からは常に所定ガスが供給されており、処理容器12内の雰囲気は処理容器12の回転に応じて制御性良く切り換えられる。このため、ガス供給系(MFC、バルブ等)の応答性、耐久性に制限されることなく、雰囲気の高速な切り換えが可能となる。
【0056】
また、処理容器12内に供給されるガスは常に1種類であり、ウェハWの表面への所定分子の吸着およびパージによる除去を高精度で行うことができる。これにより、ALDにより形成される膜は品質の高いものとなり、信頼性の高い処理が可能となる。
【0057】
次に、上記のように構成された処理装置11を用い、ウェハW表面にTiN膜を成膜する方法について、図面を参照して説明する。図4に、処理装置11内のガス雰囲気の変化プロファイルの一例を示す。なお、以下に示す処理は一例であり、同様の結果が得られれば、どのような構成であってもよい。
【0058】
まず、処理容器12内のステージ13上にウェハWを載置する。続いて、給気ノズル21aからTiCl4ガス、給気ノズル21b、21dからN2ガス、給気ノズル21cからNH3ガスの供給をそれぞれ開始する。また、これと同時に、排気装置による排気ノズル22a〜22dからの排気を開始する。また、ガスの供給の開始とともに、駆動機構17により処理容器12を所定回転数で回転させ始める。
【0059】
ここで、各給気ノズル21a〜21dからのガス供給、および、各排気ノズル22a〜22dによる排気は、成膜処理の間、常に行われている。すなわち、処理容器12の回転に応じて、第1および第2の給排気口18、19が、給気ノズル21および排気ノズル22の各セットと接続されたと同時に、処理容器12内へのガスの供給および排気が開始される。また、逆に、互いの配置がずれて、互いに非接続状態となった時点で、ガスの供給および排気は停止される。
【0060】
回転開始の際、例えば、第1の給排気口18は、排気ノズル22dに接続され、第2の給排気口19はN2供給源28に接続された給気ノズル21dに接続されている。従って、処理が開始されてガス供給および排気が開始されると、処理容器12内はN2ガスによってパージされる。
【0061】
その後、処理容器12の回転により、第2の給排気口19と給気ノズル21dとの互いの位置がずれて非接続状態となると、N2ガスの処理容器12内への供給、および、処理容器12内からの排気は停止する。
【0062】
さらに回転して、第1の給排気口18はTiCl4供給源27に接続された給気ノズル21aに、第2の給排気口19は排気ノズル22aに接続される。これにより、処理容器12内にTiCl4ガスの流れが形成され、処理容器12内はTiCl4ガス雰囲気とされる。このとき、ウェハWの表面には、TiCl4分子が多層に吸着する。その後、処理容器12の回転により、第1および第2の給排気口18、19と、給気ノズル21a〜21dおよび排気ノズル22a〜22dと、は非接続状態となり、処理容器12内へのTiCl4ガスの供給は絶たれる。
【0063】
次いで、さらなる回転により、第1の給排気口18はN2供給源28に接続された給気ノズル21bに接続され、第2の給排気口19は排気ノズル22bに接続される。これにより、処理容器12内に、N2ガスの流れが形成され、処理容器12内はN2ガスによりパージされる。このとき、処理容器12内に残った、または、ウェハWの表面に吸着したTiCl4分子は、ウェハWの表面に吸着したほぼ1原子層を除いて、排気、除去される。また、このとき、ヒータ14により、ウェハWはNH3分子の吸着に適した温度、例えば、300℃程度に加熱される。その後、第1の給排気口18と給気ノズル21bとは非接続状態となり、処理容器12内におけるN2ガスの供給は絶たれる。
【0064】
次いで、さらなる回転により、第1の給排気口18は、NH3供給源29に接続された排気ノズル22cへと至る。これにより、処理容器12内にはNH3ガスが供給され、ウェハWはNH3ガス雰囲気に曝される。このとき、NH3分子は、ウェハW上に吸着したTiCl4分子と接触して反応し、ウェハW上には、ほぼ1原子層分のTiN層が形成される。また、形成されたTiN層の上には、NH3分子が多層に吸着する。その後、処理容器12の回転とともに、処理容器12内へのNH3ガスの供給は絶たれる。
【0065】
次いで、さらなる回転により、第1の給排気口18はN2供給源28に接続された給気ノズル21dに接続される。これにより、処理容器12内はN2ガスの供給によりパージされる。これにより、処理容器12内に残った、または、ウェハW上に吸着したNH3分子は、TiN層上に吸着したほぼ1分子層を除いて、排気、除去される。このとき、ヒータ14により、ウェハWは、TiCl4分子の吸着に適した温度に加熱される。その後、処理容器12の回転とともに、処理容器12内へのN2ガスの供給は絶たれる。
【0066】
次いで、さらなる回転により、これまで排気ノズル22a〜22dと接続していた第2給排気口19が、TiCl4供給源27に接続された給気ノズル21aに接続される。一方、これまで給気口として機能していた第1の給排気口18は、給気ノズル21aに接続される。これにより、再び、処理容器12内にTiCl4ガスが供給される。これにより、TiN層上に吸着したNH3分子とTiCl4分子とが反応して新たなTiN層が形成される。従って、この時点で、ほぼ2原子層分のTiN層が形成されることとなる。また、TiN層の上には、TiCl4分子が多層に吸着している。その後、処理容器12の回転に伴い、TiCl4ガスの供給は絶たれる。
【0067】
以降、処理容器12の回転により、第2の給排気口19は給気ノズル21b、21c、21dに順に接続され、処理容器12内には、N2ガス雰囲気、NH3ガス雰囲気、N2ガス雰囲気が順に形成される。これにより、TiCl4分子およびNH3分子の吸着が、N2ガスによるパージを挟んで繰り返され、ウェハW上にはTiN層がほぼ1原子層ずつ形成されてゆく。このように、処理容器12を所定回数回転させることにより、所定厚さ(所定原子層分)のTiN層が形成される。
【0068】
以上説明したように、第1の実施の形態においては、処理容器12の自転により、処理容器12の第1および第2の給排気口18、19が、給気ノズル21および排気ノズル22の4つのセットに順に接続される。給気ノズル21a、21b、21c、21dからはTiCl4ガス、N2ガス、NH3ガス、N2ガスがそれぞれ常に供給されており、処理容器12内は回転に応じてN2ガスによるパージを挟んで、TiCl4ガス雰囲気とNH3ガス雰囲気とに交互に切り換えられる。
【0069】
上記構成では、給排気口18、19と給気ノズル21および排気ノズル22とがそれぞれ一対一で接続されるため、処理容器12内には常に1種類のガスが供給される。従って、処理容器12内に高精度で所定のガス雰囲気を形成することができ、ウェハW表面への分子の吸着およびパージによる不要な分子の除去を高精度で行うことができる。これにより、品質の高い成膜処理が可能となるなど、信頼性の高い処理が可能となる。
【0070】
また、上記構成では、各給気ノズル21からガスを常に供給した状態で雰囲気の切り換えを行うことができる。従って、成膜処理中にガス供給のオン・オフを頻繁に開閉する必要はなく、ガス供給系のMFC26a〜26c、バルブ等の開閉機構の応答性、耐久性等を考慮する必要はない。ガス雰囲気の切り換え速度は、処理容器12の回転数によって律速され、処理容器12の回転数を高く設定することにより、スループットを可能な限り高めることができる。
【0071】
さらに、処理容器12を自転させる上記構成では、枚葉式の処理が可能であり、比較的小さい装置構成とすることができる。従って、処理容器12の容積も小さく設定することができ、使用するガスの量を比較的少なくすることができるなど、低コストでの製造が可能となる。
【0072】
第1の実施の形態において、さらに、図5に示すように、隣接する給気ノズル21同士の間に吸引ノズル31a〜31cを設けた構成としてもよい。図5に示す構成では、吸引ノズル31a〜31cは隣接する給気ノズル21a〜21dの間に、3本設けられている。吸引ノズル31a〜31cは、給気ノズル21a〜21dと同じ支持部材23に支持されており、給気ノズル21a〜21dと略同一平面上にあるように配置されている。
【0073】
吸引ノズル31a〜31cは排気装置32に接続されている。また、吸引ノズル31a〜31cの先端は、処理容器12外部の摺動部20とは接しない程度に隣接して設けられている。吸引ノズル31a〜31cは、隣接する給気ノズル21同士の間を吸気し、これらを互いに分離する機能と有する。このような吸引ノズル31a〜31cを設けることにより、処理容器12の外部でのガスの混合は低減される。
【0074】
なお、吸引ノズル31a〜31cに接続された排気装置32は、排気ノズル22a〜22dに接続された排気装置30と同一であってもよいが、高い排気圧は必要でないのでドライポンプ等として別に配置してもよい。
【0075】
上記第1の実施の形態では、TiCl4ガス、N2ガス、NH3ガス、N2ガスの供給に合わせて、4つの給気ノズル21および排気ノズル22のセットを設けた。しかし、これに限らず、処理容器12内に、TiCl4ガスとNH3ガスとが、N2ガスによるパージを挟んで交互に供給される構成であればよい。従って、4の倍数個、例えば、8つの給気ノズル21と排気ノズル22のセットを用いてもよい。
【0076】
また、給気ノズル21と排気ノズル22とは、互いに対向するように配置され、ガス流が直線的に形成されるものとしたが、これに限られない。例えば、図6に示すように、給気ノズル21および/または排気ノズル22を、その先端が処理容器12壁に対して斜めに向かうように配置し、例えば、第1の給排気口18から供給されるガスの流れが、直接第2の給排気口19に向かわないように構成してもよい。
【0077】
また、処理容器12は、第1および第2の給排気口18、19という、2つの開口を備える構成としたが、これに限られない。例えば、第1および第2の給排気口18、19をそれぞれ上下に複数個、例えば、2つ形成する構成としてもよい。これにより、処理容器12内のガス雰囲気の切り換え速度がさらに高められる。このとき、図6に示すような斜め供給排気構造を用い、例えば、上下2つの開口からそれぞれ時計回りおよび反時計回りにガスを供給するようにしてもよい。さらには、ウェハWの主面に平行な方向だけでなく、所定の角度で上下方向にガスが供給されるように給気ノズル21を設置してもよい。
【0078】
上記第1の実施の形態では、ウェハWは、ステージ13に埋設されたヒータ14によって加熱するものとした。しかし、これに限らず、図7に示すようにランプ33を用いて加熱する、高周波を用いて加熱する等の構成としてもよい。
【0079】
上記第1の実施の形態において、ウェハWを下向きに配置する構成としてもよい。この場合、駆動機構を処理容器12の上方に配置する構成とすればよい。
また、処理容器12およびガス給排気系の一部を収容する、所定圧力に設定可能な外部容器を用いた構成としてもよい。このような外部容器を用いることにより、ガスによる処理容器12周辺の汚染は防がれる。
【0080】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態に係る処理装置11について説明する。第2の実施の形態に係る処理装置11の構成を図8に示す。なお、図8中、理解を容易にするため、図1〜図3と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0081】
図8に示す処理装置11は、その内部に処理容器12が2つ収容された外部容器35を備える。外部容器35は、上下に端面35a、35bを有する円筒形状を有し、例えば、ステンレススチールから構成されている。
【0082】
外部容器35の中心には、その下端面35bを貫通してシャフト36が起立している。シャフト36の上端は、処理容器12内部の略中央まで伸びており、その上端には、ステンレススチール等からなる棒状の支持体37が取り付けられている。支持体37は、その略中心がシャフト36の上端に接続されている。支持体37の両端には、処理容器12がそれぞれ支持されている。
【0083】
シャフト36は、外部容器35の外部で駆動機構38に接続され、2つの処理容器12の重心(シャフト36の延伸方向)を中心として回転可能に構成されている。これにより、支持体37に支持された処理容器12は、外部容器35の内部で回転(公転)する。
【0084】
また、外部容器35の上端面には、これを貫通するように4つの給気ノズル孔39a〜39dが形成されている。供給ノズル孔39a〜39dは、略同心円上に略等間隔(約90°間隔)で形成されている。各供給ノズル孔39a〜39dには、給気ノズル21a〜21dが接続されている。給気ノズル21a〜21dと供給ノズル孔39a〜39dとは接合され、ガスを略垂直に吹き出し可能に固定されている。給気ノズル21a〜21dは、反時計回りに順に配置されている。
【0085】
略同心円上に隣接する供給ノズル孔39a〜39dの間には、これと略同心円上に吸引ノズル孔40a〜40dが形成されている。各吸引ノズル孔40a〜40dは、隣接する2つの供給ノズル孔39から略等距離(約45°間隔)に設けられている。吸引ノズル孔40a〜40dには、吸引ノズル31a〜31dが接合されている。吸引ノズル31a〜31dは、図示しない排気装置に接続されている。吸引ノズル31a〜31dは、隣接する給気ノズル21から供給されるガスが処理容器12の外部で混合することを防ぐ機能を有する。
【0086】
外部容器35の下端面35bには、これを貫通するように4つの排気ノズル孔41a〜41dが形成されている。排気ノズル孔41a〜41dは、略同心円上に略等間隔(約90°間隔)で形成されている。各排気ノズル孔41a〜41dには、排気ノズル22a〜22dが接合されている。排気ノズル22a〜22dは、図示しない排気装置に接続されている。
【0087】
図9に、図8に示す処理装置11の断面構成を示す。図9に示す処理装置11は、図1に示すものと同様に構成されているが、第1および第2の給排気口18、19の代わりに、給気管42が処理容器12の天井部に、排気管43が処理容器12の底部にそれぞれ接続されている点で異なっている。給気管42と排気管43とは、ウェハWの主面に対して略垂直に起立するようにそれぞれ設けられている。
【0088】
給気管42および排気管43の先端には、第1の実施の形態と同様の、PTFE等から構成される摺動部材44、45が設けられている。
【0089】
外部容器35の上端面には、その内部側に、PTFE等のフッ素樹脂等から構成される上方摺動部46が設けられている。上方摺動部46は、図10に示すように、所定の幅および厚さを有して、環状の帯状に形成されている。上方摺動部46は8つの開口46a、…、46aを有し、各開口46a、…、46aが供給ノズル孔39a〜39dおよび吸引ノズル孔40a〜40dと連通するように、外部容器35に接着されている。
【0090】
上方摺動部46は、給気管42の摺動部材44と接するように配置されている。上方摺動部46には、処理容器12に向かう面(図10の下面)に図示しない溝が形成されており、処理容器12の回転時には、給気管42の摺動部材44はこの溝に嵌合した状態で摺動する。
【0091】
また、外部容器35の下端面の内部側には、図10に示すものと同様の下方摺動部47が設けられている。下方摺動部47は、上方摺動部46よりも小径に形成され、排気ノズル孔41と連通する開口が形成されている。下方摺動部47は、排気管43の摺動部材45の先端と嵌合する溝47aが形成されている。処理容器12の回転時には、排気管43の摺動部材45は溝47aに接した状態で摺動する。
【0092】
処理容器12の回転(公転)の際、排気管43および給気管42は、外部容器35に固定された給気ノズル21および排気ノズル22と接続可能に設けられている。すなわち、処理容器12の公転時の給気管42の軌跡が、供給ノズル孔39a〜39dが形成する円と略同心の円を描くように構成されている。これにより、図9に示すような給気ノズル21と給気管42とが接続され、かつ、排気ノズル22と排気管43とが接続された状態で、処理容器12内には所定のガス雰囲気が形成される。
【0093】
また、処理容器12の回転に伴い、給気管42は処理容器12の上端面35aと上方摺動部46とを介して、4つの給気ノズル21a〜21dに順に接続される。このとき、同時に、排気管43は、処理容器12の下端面35bと下方摺動部47を介して4つの排気ノズル22a〜22dに順に接続される。成膜処理の間給気ノズル21a〜21dからは常にガスが供給されており、処理容器12内には、例えば、TiCl4ガス、N2ガス、NH3ガス、N2ガスの雰囲気が順に形成される。
【0094】
また、駆動機構38は処理容器12を所定回数回転させ、処理容器12内には上記雰囲気が所定回数繰り返して形成される。このように、処理容器12内は、N2ガスによるパージを挟んでTiCl4ガス雰囲気とNH3ガス雰囲気とに交互に切り換えられ、処理容器12内に収容されたウェハWには、ALD処理が施される。このように、処理容器12内の雰囲気は、その内部に複数のガスが供給されることなく、高精度に切り換えられる。従って、品質の高い膜が形成可能となるなど、信頼性の高い処理が可能となる。
【0095】
また、処理装置11内の雰囲気の切り換えには、ガス供給系は関与しておらず、よって、MFC、バルブ等の応答性、耐久性等を考慮することなく、雰囲気の切り換えの高速化、すなわち、スループットの向上が図れる。
【0096】
さらに、外部容器35内には、処理容器12が2つ設けられ、2つの処理容器12ではその内部に形成されるガス雰囲気の順序は異なるものの、TiCl4ガスをNH3ガスがN2ガスによるパージを挟んで交互に供給される。これにより、2枚のウェハWを同時に処理することができ、高いスループットが得られる。
【0097】
以上説明したように、第2の実施の形態では、処理容器12の公転により、給気管42および排気管43が、給気ノズル21a〜21dおよび排気ノズル22a〜22dにそれぞれ順に接続される。従って、処理容器12内での複数種のガスの混合を防ぎつつ、処理容器12内のガス雰囲気を高精度に切り換えることができる。従って、特に、多数回のプロセス雰囲気の切り換えが必要なALD処理において、信頼性の高い処理が可能となる。また、処理容器12内の雰囲気の切り換えは、ガス供給系のMFC、バルブ等の応答性、耐久性に制約されず、高い切り換え速度、高い生産性が得られる。
【0098】
上記第2の実施の形態では、外部容器35内に2つの処理容器12を収容して処理を行うものとした。しかし、スループットの向上のため、外部容器35内に3つ以上、例えば、4つの処理容器12を収容した状態で処理を行う構成も可能である。
また、勿論、外部容器35内に処理容器12を1つ収容し、処理容器12の中心(あるいはウェハW)の中心を中心として回転させる構成としてもよい。
【0099】
また、外部容器35内の清浄度を高めるため、吸引ノズル31を5つ以上設けてもよい。さらに、吸引ノズル31を、外部容器35の上端面35a以外に、側壁および/または下端面35bに設けてもよい。
【0100】
上記第2の実施の形態では、給気ノズル21は4つ設けるものとした。しかし、これに限らず、同心円上に等間隔に4つ以上、例えば、8つ設けた構成としてもよい。すなわち、処理容器12内にTiCl4ガスとNH3ガスとが、N2ガスによるパージを挟んで交互に供給可能な構成であればよい。
【0101】
(第3の実施の形態)
以下、第3の実施の形態に係る処理装置11について図面を参照して説明する。第3の実施の形態に係る処理装置11の構成を図11および図12に示す。図11は、処理装置11の断面図を示し、図12は、断面構成を示す。なお、図11および図12中、理解を容易にするため、図1〜図10と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0102】
第3の実施の形態に係る処理装置11は、図11に示すように、多数の給気ノズル21a〜21dおよび吸引ノズル31と、排気ノズル22と、がそれぞれ対向するように配置された構成を有する。給気ノズル21は、略直線状に延伸する囲い部材50に接続され、固定されている。
【0103】
囲い部材50は、図12に示すように、その側部が開放された方形の断面形状を有する。囲い部材50は、その内側に処理容器12を収容可能に構成されている。囲い部材50は、開放部分から囲い部材50の内側に進入する支持体51によって支持されている。
【0104】
支持体51は、囲い部材50の延伸方向(図12中の紙面に垂直な方向)に延びる搬送部材52に接続されている。搬送部材52は、図示しない搬送機構に接続され、搬送機構によりその延伸方向、例えば、図11中の紙面右側に進行可能となっている。搬送部材52に支持体51を介して支持された処理容器12は、囲い部材50の内側をその延伸方向に搬送される。
【0105】
処理容器12は図9に示す第2の実施の形態のものと同様の構成を有し、その天井部と底部とにそれぞれ給気管42と排気管43とを備える。また、図11および図12に示すように、給気管42および排気管43は、囲い部材50の天井部および底部に接するように設けられている。
【0106】
給気管42および排気管43の先端には、第2の実施の形態のものと同様のフッ素樹脂等からなる摺動部材53、54がそれぞれ設けられている。また、囲い部材50の天井部および底部の、給気管42および排気管43と接する部分には、第1および第2の実施の形態と同様のフッ素樹脂等からなる摺動部55、56が設けられている。これにより、給気管42および排気管43は、囲い部材50の天井部および底部を低摩擦状態で摺動可能となっている。
【0107】
上述したように、給気ノズル21および排気ノズル22は、囲い部材50に接続されている。囲い部材50の天井部および底部の、給気ノズル21および排気ノズル22との接続部分には、開口57、58が形成されている。また、開口57、58は摺動部55、56を貫通するように形成されており、これにより、給気ノズル21および排気ノズル22から、囲い部材50および摺動部55、56を介して、ガスを給気および排気可能となっている。ここで、給気管42が給気ノズル21と接続した状態では、同時に排気管43は排気ノズル22と接続するように構成されている。
また、吸引ノズル31も同様に囲い部材50の天井部に接続されており、囲い部材50の内側を吸引排気可能となっている。
【0108】
図11に戻り、給気ノズル21a〜21dは、いずれも図示しないTiCl4供給源、N2供給源、NH3供給源、N2供給源にそれぞれ接続されている。給気ノズル21a〜21dは、図11に示すように、この順序で、図中右方向に多数繰り返し配置されている。また、給気ノズル21の間には、吸引ノズル31が配置されている。吸引ノズル31は図示しない排気装置に接続されて給気ノズル21の間のガスを吸引し、処理容器12外部におけるガスの混合を低減する。
【0109】
囲い部材50の内側は、複数の処理容器12を搬送可能に構成されている。搬送機構は、複数の処理容器12を所定間隔をおいて、囲い部材50の内側をその延伸方向に搬送する。このとき、処理容器12の給気管42は、囲い部材50に接続された給気ノズル21a〜21dに順に接続される。一方で、このとき排気管43は排気ノズル22に接続されている。給気ノズル21a〜21dからは成膜処理の間常に所定のガスが供給されており、処理容器12内には順次所定のガス雰囲気が、例えば、TiCl4ガス、N2ガス、NH3ガス、N2ガス、TiCl4ガス、N2ガス、…、というように形成される。このようにして、処理容器12内のガス雰囲気は高精度かつ高速に切り換えられ、品質の高い膜が形成可能となるなど、信頼性の高い処理が可能となる。
【0110】
以上説明したように、第3の実施の形態では、給気ノズル21および排気ノズル22がそれぞれ対向するように多数配置された囲い部材50の内側を処理容器12が搬送させる。このとき、処理容器12の給気管42および排気管43は、給気ノズル21a〜21dおよび排気ノズル22にそれぞれ順に接続される。給気ノズル21a〜21dは所定の順で繰り返し配置されており、処理容器12の進行とともに処理容器12内は複数種のガス雰囲気に繰り返し高精度に切り換えられる。従って、特に、多数回のプロセス雰囲気の切り換えが必要なALD処理において、信頼性の高い処理が可能となる。また、処理容器12内の雰囲気の切り換えは、ガス供給系のMFC、バルブ等の応答性、耐久性に制約されず、高い切り換え速度、高い生産性が得られる。
【0111】
上記第3の実施の形態では、給気ノズル21および排気ノズル22は略直線状に配置されるものとした。しかし、これに限らず、円弧状、S字状など、他のいかなる構造であってもよい。
【0112】
また、上記第3の実施の形態では、処理容器12の天井部および底部に給気管42および排気管43を設けた構成とした。しかし、図13に示すように、処理容器12の側部に給気管42および排気管43を設けた構成としてもよい。この場合、給気ノズル21および排気ノズル22が、ウェハWの主面に略平行な方向からガスを供給および排気するように構成すればよい。
【0113】
また、上記第2および第3の実施の形態では、処理容器12は、給気管42および排気管43をそれぞれ1つを備える構成としたが、これに限られない。例えば、給気管42および/または排気管43をそれぞれ複数個設ける構成としてもよい。これにより、コンダクタンスの上昇により、処理容器12内の雰囲気の切り換え速度を一層高めることができる。
【0114】
上記第1〜第3の実施の形態では、TiCl4とNH3とを用いて、ウェハWの表面にTiN膜を形成するものとした。しかし、用いる物質、および、成膜する膜の種類は、これに限られない。TiN膜の他に、Al2O3、ZrO2、TaN、SiO2、SiN、SiON、WN、WSi、RuO2等、他の金属膜や金属酸化物膜であってもよい。また、この場合、使用するガス種は、TiCl4の代わりに、TaBr5、Ta(OC2H5)5、SiCl4、SiH4、Si2H6、SiH2Cl2、WF6等のいずれか1種を用い、NH3の代わりに、N2、O2、O3、NO、N2O、N2O3、N2O5等のいずれか1種を用いることができる。
また、パージガスは、不活性なガスであればよく、N2に限らず、アルゴン、ネオン等を用いてもよい。
【0115】
また、本実施の形態に係る処理装置11は、アニール等の他の処理を行う処理装置11と、インラインで接続され、または、クラスタリングされてもよい。
【0116】
また、本発明は、成膜処理に限らず、酸化処理、エッチング処理等、複数種のガスを用い、プロセス雰囲気を高速に切り替える必要のあるすべての処理に適用することができる。また、本発明は、半導体ウェハに限らず、液晶表示装置用の基板にも適用することができる。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、信頼性の高い処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる処理装置の断面構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる摺動部の構成を示す図である。
【図3】図1に示す処理装置の平面図である。
【図4】処理工程におけるガス雰囲気の変化プロファイルを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の変形例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の変形例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の変形例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態にかかる処理装置の構成を示す図である。
【図9】図8に示す処理装置の断面構成を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る摺動部の構成を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態にかかる処理装置の断面構成を示す図である。
【図12】図11に示す処理装置の断面構成を示す図である。
【図13】
本発明の第3の実施の形態の変形例を示す図である。
【符号の説明】
11 処理装置
12 処理容器
17 駆動機構
18 第1の給排気口
19 第2の給排気口
20 摺動部
21 給気ノズル
22 排気ノズル
24、25 摺動部材
31 吸引ノズル
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハ等の被処理体の表面に所定の処理を施す処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、半導体集積回路の微細化、高集積化が進行した結果、基板等の基板表面に形成される配線溝等のパターンの微細化が進行している。これにより、配線金属の下地膜として薄膜を形成する場合など、微細な配線溝内に極めて薄い膜を均一に、良好なカバレッジで形成することが求められる。このため、近年、微細な溝内にも、良好な膜質で、原子層レベルの極薄膜を形成可能な方法として、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition:ALD)と呼ばれる方法が開発されている。
【0003】
ALDは、例えば、以下のような工程から構成される。以下に示す例では、配線パターン(配線溝)が形成された基板の表面に、四塩化チタンガスおよびアンモニアガスを用いて、窒化チタンからなる下地膜を形成する場合について説明する。
【0004】
まず、チャンバ内に基板を収容し、チャンバ内を真空引きする。続いて、チャンバ内に四塩化チタンガスを所定時間導入する。このとき、基板は四塩化チタンの吸着に適した温度に加熱されている。これにより、基板の表面に四塩化チタン分子が多層に吸着する。その後、チャンバ内を不活性ガスでパージし、これにより、基板表面に吸着したほぼ1層分の四塩化チタン分子を除いて、チャンバ内から四塩化チタンを除去する。
【0005】
パージ後、チャンバ内にアンモニアガスを所定時間導入する。このとき、基板はアンモニアの吸着に適した温度に加熱されている。これにより、基板の表面に吸着した四塩化チタン分子とアンモニア分子とが反応して、基板の表面にほぼ1原子層分の窒化チタン層が形成される。このとき、形成された窒化チタン層の上には、アンモニア分子が多層に吸着している。その後、チャンバ内を不活性ガスでパージし、窒化チタン層上に吸着したほぼ1層分のアンモニア分子を除いて、チャンバ内からアンモニア分子を除去する。
【0006】
続いて、再び、基板を四塩化チタンガスの吸着に適した温度として四塩化チタンガスをチャンバ内に所定時間導入する。これにより、吸着したアンモニア分子と四塩化チタンとが反応して新たな窒化チタン層が形成される。すなわち、この状態ではほぼ2原子層の窒化チタン層が形成されていることになる。
【0007】
また、このとき、窒化チタン層上には四塩化チタン分子が多層に吸着している。その後、チャンバ内を不活性ガスでパージすることにより、窒化チタン層上にほぼ1層分の四塩化チタンが吸着した状態となる。その後、上記のように、アンモニアガスの導入、パージ、四塩化チタンガスの導入、パージ、…、というように、チャンバ内の雰囲気を切り替えることにより、所定原子層分、すなわち、所定厚さの窒化チタン層を形成することができる。
【0008】
このように、2種の反応ガスを、不活性ガスによるパージを挟んで繰り返し導入して、ほぼ1原子層ずつ吸着させ、形成することにより、微細な配線溝の内部においても均一性が高く、品質の高い極薄の膜を形成することができる。
【0009】
上記したALDでは、ウェハが曝されるガス雰囲気を多数回、例えば、数百回、数千回切り替えて所望の厚さ、例えば、数nm〜数十nmの膜を形成する。従って、高いスループットを得るには、ガス雰囲気の切り替えを高速に行う必要がある。
【0010】
ガス供給の高速な切り替えには、ガス供給系の応答性、すなわち、マスフローコントローラ等の流量制御装置やバルブの応答性が問題となる。しかし、流量制御装置やバルブの応答性には限界がある。この点において、プロセス中にプロセスガス(およびパージガス)を流し続けることにより、応答性の問題は回避され、また、高頻度での開閉等によるバルブ等の耐久性についても考慮する必要はなくなる。
【0011】
プロセス中にガスを流し続けた状態でALDプロセスを行うことが可能な装置として、例えば、特公平8−24191号公報、特開平7−321045号公報、特開2001−254181号公報等に開示されているものがある。
【0012】
特公平8−24191号公報に開示されている装置は、扇形のチャンバと、扇形の両端に設けられたそれぞれ異なる種のガスを導入するための2つのガス導入口と、扇形の中央部に設けられた不活性ガスが噴出されるバリアガス出口と、扇形の要の部分に設けられた吸気口と、基板が載置され前記チャンバ内で扇形の左右を移動可能な機構と、から構成される。プロセス中は、同一のチャンバ内に、扇形の中心に噴出される不活性ガスのバリアを境に2つのプロセス雰囲気が形成され、基板が扇形の左右に交互に移動する。
【0013】
また、特開平7−321045号公報に開示されている装置は、円筒部と、円筒部の上流側端部をふさぐ端面と、を有する。端面にはそれぞれ異なる種の原料ガスを導入するための2つのガス導入口が設けられ、円筒部の下流側には排気管が設けられている。円筒部内には端面に対向するように、円板状の基板ホルダが設けられ、基板がその一面上に載置される。円筒部内には、円筒部内をほぼ半分に分離するように、端面および基板ホルダに垂直な平板状のガス分離手段が設けられている。ガス分離手段により、円筒部内には、2つの原料ガス供給領域が形成される。基板ホルダは、駆動手段によって回転可能となっており、駆動手段の回転により、基板は異なる原料ガス供給領域に交互に移動する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の構成は、同一のチャンバ内に不活性ガスを用いたエアカーテンあるいは板状の分離手段を設けて、複数の異なるガス雰囲気を形成するものである。しかし、このような構成では、基板が複数のガス雰囲気内を移動することなどから、ガス雰囲気同士は高精度に分離することは難しい。また、このような構成では、上記したALD工程における、不要な吸着分子の除去のためのパージを十分に行うことは難しい。このため、吸着状態が悪く品質の高い膜が形成されないなど、信頼性の高い処理が行われないおそれがあった。
【0015】
上記事情を鑑みて、本発明は、信頼性の高い処理装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、雰囲気を高精度に切り換え可能な、信頼性の高い処理装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る処理装置は、
被処理体に所定の処理を施す処理装置であって、
その内部に前記被処理体が収容され、給気口を備える中空の処理容器と、
複数のガス供給ノズルを備え、前記複数のガス供給ノズルからそれぞれガスを供給するガス供給機構と、
前記給気口と前記複数のガス供給ノズルとが順に接続され、前記処理容器内に前記複数のガスが所定の順に供給されるように、前記処理容器と前記ガス供給機構とを相対的に移動させる移動機構と、
を備える、ことを特徴とする。
【0017】
上記第1の観点に係る処理装置において、
前記処理容器は排気口を備えてもよく、
前記給気口が前記ガス供給ノズルに接続された状態で、前記排気口に接続可能な複数のガス排気ノズルを備えてもよく、
前記ガス排気ノズルに接続され、前記排気口を介して前記処理容器内を排気する排気機構をさらに備えてもよい。
【0018】
上記構成において、前記複数のガス供給ノズルは、例えば、略等間隔に設けられている。
【0019】
上記構成において、前記複数のガス供給ノズルのうちの少なくとも1つは不活性ガスを供給し、前記不活性ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、前記不活性ガス以外の前記ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、は交互に配置されていることが望ましい。
【0020】
上記構成において、さらに、隣接する前記ガス供給ノズルの間に配置され、前記処理容器の近傍の前記ガス供給ノズルの間のガス雰囲気を吸引可能な吸引ノズルを備えてもよい。
【0021】
上記構成において、前記給気口と前記ガス供給ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられていてもよい。
また、前記排気口と前記ガス排気ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられていてもよい。
また、前記摺動部材は、例えば、フッ素樹脂から構成されている。
【0022】
上記構成において、前記処理容器は前記被処理体の主面に垂直な方向から見て略円形の断面を有し、かつ、その側壁に前記給気口を備えてもよく、
前記複数のガス供給ノズルは、前記処理容器の外周に沿うように環状に設けられ、前記給気口を介して前記被処理体の主面に略水平な方向から前記ガスを供給してもよい。
【0023】
上記構成において、前記移動機構は、例えば、前記被処理体の中心を中心として前記処理容器を回転させる。
【0024】
上記構成において、前記給気口と前記排気口とは、互いに対向するように設けられていてもよい。
また、前記給気口と前記排気口とは実質的に同一の開口から構成され、前記処理容器の回転に応じて前記給気口は前記排気口として、前記排気口は前記給気口として機能するようにしてもよい。
【0025】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る処理装置は、
被処理体に所定の処理を施す処理装置であって、
その内部に前記被処理体が収容され、給気管を備える中空の処理容器と、
その内部に前記処理容器を収容する外部容器と、
前記外部容器に固定されかつ前記給気管に接続可能な複数のガス供給ノズルを備え、前記複数のガス供給ノズルから前記被処理体の主面に略垂直に前記ガスをそれぞれ供給可能なガス供給機構と、
前記給気管と前記複数のガス供給ノズルとが順に接続され、前記処理容器内に前記複数のガスが所定の順に供給されるように、前記外部容器内に収容された前記処理容器を前記被処理体の主面に略平行な方向に回転可能な回転駆動機構と、
を備える。
【0026】
上記構成において、前記外部容器は複数の前記処理容器を収容し、前記回転駆動機構は複数の前記処理容器の重心を中心として、前記複数の処理容器を回転させるようにしてもよい。
【0027】
上記構成において、前記処理容器は排気管を備えてもよく、
前記給気管が前記ガス供給ノズルに接続された状態で、前記排気管に接続可能な複数のガス排気ノズルを備え、
前記ガス排気ノズルに接続され、前記排気管を介して前記処理容器内を排気可能な排気機構をさらに備えてもよい。
【0028】
上記構成において、前記複数のガス供給ノズルは、例えば、前記外部容器に環状に固定されている。
また、前記複数のガス供給ノズルは、例えば、略等間隔に配置されている。
【0029】
上記構成において、前記複数のガス供給ノズルのうちの少なくとも1つは不活性ガスを供給し、前記不活性ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、前記不活性ガス以外の前記ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、は交互に配置されていてもよい。
【0030】
上記構成において、さらに、隣接する前記ガス供給ノズルの間に配置されてもよく、前記処理容器の近傍の前記ガス供給ノズルの間のガス雰囲気を吸引可能な吸引ノズルを備えてもよい。
【0031】
上記構成において、前記給気管と前記ガス供給ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられていてもよい。
また、前記排気管と前記ガス排気ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられていてもよい。
また、前記摺動部材は、例えば、フッ素樹脂から構成されている。
【0032】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る処理装置は、
被処理体に所定の処理を施す処理装置であって、
その内部に前記被処理体が収容され、給気管を備える中空の処理容器と、
略直線状に配置された複数のガス供給ノズルを備え、前記複数のガス供給ノズルからそれぞれガスを供給するガス供給機構と、
前記給気管と前記複数のガス供給ノズルとが順に接続され、前記処理容器内に前記複数のガスが所定の順に供給されるように、前記処理容器と前記ガス供給機構とを相対的に移動させる移動機構と、
を備える、ことを特徴とする。
【0033】
上記構成において、前記移動機構は、例えば、前記処理容器を前記複数のガス供給ノズルに沿って略直線状に移動させる。
また、前記ガス供給ノズルは、例えば、前記処理容器内に前記複数種のガスが所定の順序で繰り返し供給されるように配置されている。
【0034】
上記構成において、前記処理容器は排気管を備えてもよく、
前記給気管が前記ガス供給ノズルに接続された状態で、前記排気管に接続可能な複数のガス排気ノズルを備えてもよく、
前記ガス排気ノズルに接続され、前記排気管を介して前記処理容器内を排気可能な排気機構をさらに備えてもよい。
また、前記複数のガス供給ノズルは、略等間隔に配置されていてもよい。
【0035】
上記構成において、前記複数のガス供給ノズルのうちの少なくとも1つは不活性ガスを供給し、前記不活性ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、前記不活性ガス以外の前記ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、は交互に配置されていてもよい。
【0036】
上記構成において、さらに、隣接する前記ガス供給ノズルの間に配置されてもよく、前記処理容器の近傍の前記ガス供給ノズルの間のガス雰囲気を吸引可能な吸引ノズルを備えてもよい。
【0037】
上記構成において、前記給気管と前記ガス供給ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられていてもよい。
また、前記排気管と前記ガス排気ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられていてもよい。
また、前記摺動部材は、例えば、フッ素樹脂から構成されている。
【0038】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る処理方法は、
被処理体に所定の処理を施す処理方法であって、
その内部に前記被処理体が収容され、給気口または給気管を備える中空の処理容器と、
複数のガス供給ノズルを備え、前記複数のガス供給ノズルからそれぞれガスを供給するガス供給機構と、を備える処理装置を用いた処理方法であって、
前記処理容器と前記ガス供給機構とを互いに相対的に移動させて前記給気口または給気管と前記複数のガス供給ノズルと順に接続させ、前記処理容器内に前記複数種のガスを所定の順に供給する工程を備える、ことを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態にかかる処理装置について、以下図面を参照して説明する。本実施の形態では、四塩化チタン(TiCl4)とアンモニア(NH3)とを用いて半導体ウェハ(以下、ウェハW)の表面に窒化チタン(TiN)膜を形成する処理装置を例として説明する。
【0040】
(第1の実施の形態)
図1に、第1実施の形態にかかる処理装置11の断面構成を示す。図1に示すように、処理装置11は、略円筒状の処理容器12を備える。処理容器12は、例えば、ステンレススチールから構成される。処理容器12の底部には、円盤状のステージ13が設けられている。ステージ13の上面には、被処理体であるウェハWが載置される。ステージ13には抵抗体等のヒータ14が埋設され、ステージ13上のウェハWを加熱可能に構成されている。
【0041】
処理容器12は、回転テーブル15上に支持されている。回転テーブル15は、シャフト16を介して駆動機構17に接続されている。これにより、処理容器12は、ウェハWの主面に略平行に回転可能に構成されている。
【0042】
処理容器12の側壁には、第1および第2の給排気口18、19が設けられている。第1および第2の給排気口18、19は、それぞれ略同径に形成され、互いに対向するように設けられている。
【0043】
処理容器12の外壁には、処理容器12を包囲するように帯状の摺動部20が設けられている。摺動部20は、例えば、摩擦係数の小さいフッ素樹脂、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)から構成されている。摺動部20は、処理容器12外壁の、第1および第2の給排気口18、19の高さに、これと重なるように設けられている。摺動部20には、第1および第2の給排気口18、19と通じる、これらと略同径の開口が形成されている。
【0044】
摺動部20の構成を、図2に示す。図2に示すように、摺動部20の外側の面には、開口20a、20aの直径よりもやや大きい幅の溝20bが、開口と重なるように、帯状に形成されている。
【0045】
処理容器12の近傍には、図1に示すように、給気ノズル21と、排気ノズル22と、が配置されている。給気ノズル21は、後述するように、所定のガス源に流量制御装置等を介して接続され、所定のガスを供給可能に構成されている。また、排気ノズル22は、後述するように真空ポンプ等の排気装置に接続されている。給気ノズル21と排気ノズル22とは、共通の環状の支持部材23によって支持、固定されている。ここで、上記のように処理容器12は駆動機構17によって回転可能であり、図1は、給気ノズル21と第1の給排気口18とが接続され、排気ノズル22と第2の給排気口19とが接続された状態を示している。
【0046】
給気ノズル21および排気ノズル22の先端には、摺動部材24、25が設けられている。摺動部材24、25はPTFE等から構成されている。摺動部材24、25の先端は、摺動部20の溝20bの幅とほぼ同じ直径を有し、溝20bと嵌合可能に構成されている。
【0047】
ここで、摺動部20は処理容器12の外壁に固定されており、処理容器12とともに回転する。処理容器12の回転時、固定部材により固定された給気ノズル21および排気ノズル22は、摺動部20の溝20bに沿って相対的に動く。このとき、給気ノズル21および排気ノズル22の先端の摺動部材24、25は摺動部20の溝20bの底部と接触し、低抵抗状態である程度の気密性を保ちつつ摺動可能となっている。
【0048】
処理容器12の回転とともに、第1および第2の給排気口18、19の位置が、図1に示すように、給気ノズル21および排気ノズル22の先端の位置と重なった際には、給気ノズル21から処理容器12内に所定のガスが供給される一方で、このガスは排気ノズル22から排気される。従って、第1および第2の給排気口18、19と、給気ノズル21および排気ノズル22と、の配置が重なったこのとき、処理容器12内に所定のガスの流れが形成され、処理容器12内は所定のガス雰囲気とされる。
【0049】
図3に、処理装置11の平面図を示す。図3に示すように、処理容器12の外壁には、上述した摺動部20が形成されている。また、摺動部20の外側には、これを包囲するように、給気ノズル21および排気ノズル22が支持された環状の支持部材が設けられている。支持部材23は、脚部23aによって処理容器12の外部に固定されている。
【0050】
支持部材23には、上述した給気ノズル21および排気ノズル22のセットが、4セット支持されている。給気ノズル21a〜21dおよび排気ノズル22a〜22dは、それぞれ略等間隔に、例えば、互いに45°の角度をなすように設けられている。給気ノズル21aはマスフローコントローラ(MFC)26aを介してTiCl4供給源27に接続されている。給気ノズル21bおよび給気ノズル21dはMFC26bを介して窒素(N2)供給源28に接続されている。給気ノズル21cはMFC26cを介してNH3供給源29に接続されている。
【0051】
排気ノズル22a〜22dは、共通の排気ラインに接続され、排気ラインの一端には排気装置30が設けられている。また、排気装置30に接続された排気ラインには、図示しない圧力調整装置等が設けられている。
【0052】
処理容器12内での成膜処理の間、給気ノズル21a〜21dからは常にガス供給が行われており、排気ノズル22a〜22dからの排気も常に行われている。これにより、第1および第2の給排気口18、19の位置が、給気ノズル21a〜21dおよび排気ノズル22a〜22dの先端のいずれかの位置と重なる状態では、重なった給気ノズル21a〜21dの1つから供給される所定ガスの流れが処理容器12内に形成され、処理容器12内には、所定のガス雰囲気が形成される。
【0053】
処理容器12は、駆動機構17により反時計回りに回転する。図3に示すように、処理容器12の周囲には給気ノズル21a〜21d、および、排気ノズル22a〜22dが、反時計回りに配置されている。従って、処理容器12の回転に応じて、第1および第2の給排気口18、19は、給気ノズル21a〜21dと排気ノズル22a〜22dとの各セットに順に接続される。これにより、処理容器12内には、TiCl4ガス雰囲気、N2ガス雰囲気、NH3ガス雰囲気、N2ガス雰囲気というように、所定のガス雰囲気が順に形成される。
【0054】
さらに、第1の給排気口18が給気ノズル21dに、第2の給排気口19が排気ノズル22dに接続された状態から、さらに処理容器12が回転すると、第1の給排気口18は排気ノズル22aに、第2の給排気口19が給気ノズル21aに接続される。第1および第2の給排気口18、19は、実質的に同一の開口であり、第1の給排気口18が排気口として、第2の給排気口19が給気口として機能する。これにより、再び、処理容器12内には、TiCl4ガス雰囲気が形成される。
【0055】
このように、処理容器12の回転(自転)に応じて、第1および第2の給排気口18、19は、給気ノズル21と排気ノズル22とのセットに連続的に接続される。給気ノズル21からは常に所定ガスが供給されており、処理容器12内の雰囲気は処理容器12の回転に応じて制御性良く切り換えられる。このため、ガス供給系(MFC、バルブ等)の応答性、耐久性に制限されることなく、雰囲気の高速な切り換えが可能となる。
【0056】
また、処理容器12内に供給されるガスは常に1種類であり、ウェハWの表面への所定分子の吸着およびパージによる除去を高精度で行うことができる。これにより、ALDにより形成される膜は品質の高いものとなり、信頼性の高い処理が可能となる。
【0057】
次に、上記のように構成された処理装置11を用い、ウェハW表面にTiN膜を成膜する方法について、図面を参照して説明する。図4に、処理装置11内のガス雰囲気の変化プロファイルの一例を示す。なお、以下に示す処理は一例であり、同様の結果が得られれば、どのような構成であってもよい。
【0058】
まず、処理容器12内のステージ13上にウェハWを載置する。続いて、給気ノズル21aからTiCl4ガス、給気ノズル21b、21dからN2ガス、給気ノズル21cからNH3ガスの供給をそれぞれ開始する。また、これと同時に、排気装置による排気ノズル22a〜22dからの排気を開始する。また、ガスの供給の開始とともに、駆動機構17により処理容器12を所定回転数で回転させ始める。
【0059】
ここで、各給気ノズル21a〜21dからのガス供給、および、各排気ノズル22a〜22dによる排気は、成膜処理の間、常に行われている。すなわち、処理容器12の回転に応じて、第1および第2の給排気口18、19が、給気ノズル21および排気ノズル22の各セットと接続されたと同時に、処理容器12内へのガスの供給および排気が開始される。また、逆に、互いの配置がずれて、互いに非接続状態となった時点で、ガスの供給および排気は停止される。
【0060】
回転開始の際、例えば、第1の給排気口18は、排気ノズル22dに接続され、第2の給排気口19はN2供給源28に接続された給気ノズル21dに接続されている。従って、処理が開始されてガス供給および排気が開始されると、処理容器12内はN2ガスによってパージされる。
【0061】
その後、処理容器12の回転により、第2の給排気口19と給気ノズル21dとの互いの位置がずれて非接続状態となると、N2ガスの処理容器12内への供給、および、処理容器12内からの排気は停止する。
【0062】
さらに回転して、第1の給排気口18はTiCl4供給源27に接続された給気ノズル21aに、第2の給排気口19は排気ノズル22aに接続される。これにより、処理容器12内にTiCl4ガスの流れが形成され、処理容器12内はTiCl4ガス雰囲気とされる。このとき、ウェハWの表面には、TiCl4分子が多層に吸着する。その後、処理容器12の回転により、第1および第2の給排気口18、19と、給気ノズル21a〜21dおよび排気ノズル22a〜22dと、は非接続状態となり、処理容器12内へのTiCl4ガスの供給は絶たれる。
【0063】
次いで、さらなる回転により、第1の給排気口18はN2供給源28に接続された給気ノズル21bに接続され、第2の給排気口19は排気ノズル22bに接続される。これにより、処理容器12内に、N2ガスの流れが形成され、処理容器12内はN2ガスによりパージされる。このとき、処理容器12内に残った、または、ウェハWの表面に吸着したTiCl4分子は、ウェハWの表面に吸着したほぼ1原子層を除いて、排気、除去される。また、このとき、ヒータ14により、ウェハWはNH3分子の吸着に適した温度、例えば、300℃程度に加熱される。その後、第1の給排気口18と給気ノズル21bとは非接続状態となり、処理容器12内におけるN2ガスの供給は絶たれる。
【0064】
次いで、さらなる回転により、第1の給排気口18は、NH3供給源29に接続された排気ノズル22cへと至る。これにより、処理容器12内にはNH3ガスが供給され、ウェハWはNH3ガス雰囲気に曝される。このとき、NH3分子は、ウェハW上に吸着したTiCl4分子と接触して反応し、ウェハW上には、ほぼ1原子層分のTiN層が形成される。また、形成されたTiN層の上には、NH3分子が多層に吸着する。その後、処理容器12の回転とともに、処理容器12内へのNH3ガスの供給は絶たれる。
【0065】
次いで、さらなる回転により、第1の給排気口18はN2供給源28に接続された給気ノズル21dに接続される。これにより、処理容器12内はN2ガスの供給によりパージされる。これにより、処理容器12内に残った、または、ウェハW上に吸着したNH3分子は、TiN層上に吸着したほぼ1分子層を除いて、排気、除去される。このとき、ヒータ14により、ウェハWは、TiCl4分子の吸着に適した温度に加熱される。その後、処理容器12の回転とともに、処理容器12内へのN2ガスの供給は絶たれる。
【0066】
次いで、さらなる回転により、これまで排気ノズル22a〜22dと接続していた第2給排気口19が、TiCl4供給源27に接続された給気ノズル21aに接続される。一方、これまで給気口として機能していた第1の給排気口18は、給気ノズル21aに接続される。これにより、再び、処理容器12内にTiCl4ガスが供給される。これにより、TiN層上に吸着したNH3分子とTiCl4分子とが反応して新たなTiN層が形成される。従って、この時点で、ほぼ2原子層分のTiN層が形成されることとなる。また、TiN層の上には、TiCl4分子が多層に吸着している。その後、処理容器12の回転に伴い、TiCl4ガスの供給は絶たれる。
【0067】
以降、処理容器12の回転により、第2の給排気口19は給気ノズル21b、21c、21dに順に接続され、処理容器12内には、N2ガス雰囲気、NH3ガス雰囲気、N2ガス雰囲気が順に形成される。これにより、TiCl4分子およびNH3分子の吸着が、N2ガスによるパージを挟んで繰り返され、ウェハW上にはTiN層がほぼ1原子層ずつ形成されてゆく。このように、処理容器12を所定回数回転させることにより、所定厚さ(所定原子層分)のTiN層が形成される。
【0068】
以上説明したように、第1の実施の形態においては、処理容器12の自転により、処理容器12の第1および第2の給排気口18、19が、給気ノズル21および排気ノズル22の4つのセットに順に接続される。給気ノズル21a、21b、21c、21dからはTiCl4ガス、N2ガス、NH3ガス、N2ガスがそれぞれ常に供給されており、処理容器12内は回転に応じてN2ガスによるパージを挟んで、TiCl4ガス雰囲気とNH3ガス雰囲気とに交互に切り換えられる。
【0069】
上記構成では、給排気口18、19と給気ノズル21および排気ノズル22とがそれぞれ一対一で接続されるため、処理容器12内には常に1種類のガスが供給される。従って、処理容器12内に高精度で所定のガス雰囲気を形成することができ、ウェハW表面への分子の吸着およびパージによる不要な分子の除去を高精度で行うことができる。これにより、品質の高い成膜処理が可能となるなど、信頼性の高い処理が可能となる。
【0070】
また、上記構成では、各給気ノズル21からガスを常に供給した状態で雰囲気の切り換えを行うことができる。従って、成膜処理中にガス供給のオン・オフを頻繁に開閉する必要はなく、ガス供給系のMFC26a〜26c、バルブ等の開閉機構の応答性、耐久性等を考慮する必要はない。ガス雰囲気の切り換え速度は、処理容器12の回転数によって律速され、処理容器12の回転数を高く設定することにより、スループットを可能な限り高めることができる。
【0071】
さらに、処理容器12を自転させる上記構成では、枚葉式の処理が可能であり、比較的小さい装置構成とすることができる。従って、処理容器12の容積も小さく設定することができ、使用するガスの量を比較的少なくすることができるなど、低コストでの製造が可能となる。
【0072】
第1の実施の形態において、さらに、図5に示すように、隣接する給気ノズル21同士の間に吸引ノズル31a〜31cを設けた構成としてもよい。図5に示す構成では、吸引ノズル31a〜31cは隣接する給気ノズル21a〜21dの間に、3本設けられている。吸引ノズル31a〜31cは、給気ノズル21a〜21dと同じ支持部材23に支持されており、給気ノズル21a〜21dと略同一平面上にあるように配置されている。
【0073】
吸引ノズル31a〜31cは排気装置32に接続されている。また、吸引ノズル31a〜31cの先端は、処理容器12外部の摺動部20とは接しない程度に隣接して設けられている。吸引ノズル31a〜31cは、隣接する給気ノズル21同士の間を吸気し、これらを互いに分離する機能と有する。このような吸引ノズル31a〜31cを設けることにより、処理容器12の外部でのガスの混合は低減される。
【0074】
なお、吸引ノズル31a〜31cに接続された排気装置32は、排気ノズル22a〜22dに接続された排気装置30と同一であってもよいが、高い排気圧は必要でないのでドライポンプ等として別に配置してもよい。
【0075】
上記第1の実施の形態では、TiCl4ガス、N2ガス、NH3ガス、N2ガスの供給に合わせて、4つの給気ノズル21および排気ノズル22のセットを設けた。しかし、これに限らず、処理容器12内に、TiCl4ガスとNH3ガスとが、N2ガスによるパージを挟んで交互に供給される構成であればよい。従って、4の倍数個、例えば、8つの給気ノズル21と排気ノズル22のセットを用いてもよい。
【0076】
また、給気ノズル21と排気ノズル22とは、互いに対向するように配置され、ガス流が直線的に形成されるものとしたが、これに限られない。例えば、図6に示すように、給気ノズル21および/または排気ノズル22を、その先端が処理容器12壁に対して斜めに向かうように配置し、例えば、第1の給排気口18から供給されるガスの流れが、直接第2の給排気口19に向かわないように構成してもよい。
【0077】
また、処理容器12は、第1および第2の給排気口18、19という、2つの開口を備える構成としたが、これに限られない。例えば、第1および第2の給排気口18、19をそれぞれ上下に複数個、例えば、2つ形成する構成としてもよい。これにより、処理容器12内のガス雰囲気の切り換え速度がさらに高められる。このとき、図6に示すような斜め供給排気構造を用い、例えば、上下2つの開口からそれぞれ時計回りおよび反時計回りにガスを供給するようにしてもよい。さらには、ウェハWの主面に平行な方向だけでなく、所定の角度で上下方向にガスが供給されるように給気ノズル21を設置してもよい。
【0078】
上記第1の実施の形態では、ウェハWは、ステージ13に埋設されたヒータ14によって加熱するものとした。しかし、これに限らず、図7に示すようにランプ33を用いて加熱する、高周波を用いて加熱する等の構成としてもよい。
【0079】
上記第1の実施の形態において、ウェハWを下向きに配置する構成としてもよい。この場合、駆動機構を処理容器12の上方に配置する構成とすればよい。
また、処理容器12およびガス給排気系の一部を収容する、所定圧力に設定可能な外部容器を用いた構成としてもよい。このような外部容器を用いることにより、ガスによる処理容器12周辺の汚染は防がれる。
【0080】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態に係る処理装置11について説明する。第2の実施の形態に係る処理装置11の構成を図8に示す。なお、図8中、理解を容易にするため、図1〜図3と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0081】
図8に示す処理装置11は、その内部に処理容器12が2つ収容された外部容器35を備える。外部容器35は、上下に端面35a、35bを有する円筒形状を有し、例えば、ステンレススチールから構成されている。
【0082】
外部容器35の中心には、その下端面35bを貫通してシャフト36が起立している。シャフト36の上端は、処理容器12内部の略中央まで伸びており、その上端には、ステンレススチール等からなる棒状の支持体37が取り付けられている。支持体37は、その略中心がシャフト36の上端に接続されている。支持体37の両端には、処理容器12がそれぞれ支持されている。
【0083】
シャフト36は、外部容器35の外部で駆動機構38に接続され、2つの処理容器12の重心(シャフト36の延伸方向)を中心として回転可能に構成されている。これにより、支持体37に支持された処理容器12は、外部容器35の内部で回転(公転)する。
【0084】
また、外部容器35の上端面には、これを貫通するように4つの給気ノズル孔39a〜39dが形成されている。供給ノズル孔39a〜39dは、略同心円上に略等間隔(約90°間隔)で形成されている。各供給ノズル孔39a〜39dには、給気ノズル21a〜21dが接続されている。給気ノズル21a〜21dと供給ノズル孔39a〜39dとは接合され、ガスを略垂直に吹き出し可能に固定されている。給気ノズル21a〜21dは、反時計回りに順に配置されている。
【0085】
略同心円上に隣接する供給ノズル孔39a〜39dの間には、これと略同心円上に吸引ノズル孔40a〜40dが形成されている。各吸引ノズル孔40a〜40dは、隣接する2つの供給ノズル孔39から略等距離(約45°間隔)に設けられている。吸引ノズル孔40a〜40dには、吸引ノズル31a〜31dが接合されている。吸引ノズル31a〜31dは、図示しない排気装置に接続されている。吸引ノズル31a〜31dは、隣接する給気ノズル21から供給されるガスが処理容器12の外部で混合することを防ぐ機能を有する。
【0086】
外部容器35の下端面35bには、これを貫通するように4つの排気ノズル孔41a〜41dが形成されている。排気ノズル孔41a〜41dは、略同心円上に略等間隔(約90°間隔)で形成されている。各排気ノズル孔41a〜41dには、排気ノズル22a〜22dが接合されている。排気ノズル22a〜22dは、図示しない排気装置に接続されている。
【0087】
図9に、図8に示す処理装置11の断面構成を示す。図9に示す処理装置11は、図1に示すものと同様に構成されているが、第1および第2の給排気口18、19の代わりに、給気管42が処理容器12の天井部に、排気管43が処理容器12の底部にそれぞれ接続されている点で異なっている。給気管42と排気管43とは、ウェハWの主面に対して略垂直に起立するようにそれぞれ設けられている。
【0088】
給気管42および排気管43の先端には、第1の実施の形態と同様の、PTFE等から構成される摺動部材44、45が設けられている。
【0089】
外部容器35の上端面には、その内部側に、PTFE等のフッ素樹脂等から構成される上方摺動部46が設けられている。上方摺動部46は、図10に示すように、所定の幅および厚さを有して、環状の帯状に形成されている。上方摺動部46は8つの開口46a、…、46aを有し、各開口46a、…、46aが供給ノズル孔39a〜39dおよび吸引ノズル孔40a〜40dと連通するように、外部容器35に接着されている。
【0090】
上方摺動部46は、給気管42の摺動部材44と接するように配置されている。上方摺動部46には、処理容器12に向かう面(図10の下面)に図示しない溝が形成されており、処理容器12の回転時には、給気管42の摺動部材44はこの溝に嵌合した状態で摺動する。
【0091】
また、外部容器35の下端面の内部側には、図10に示すものと同様の下方摺動部47が設けられている。下方摺動部47は、上方摺動部46よりも小径に形成され、排気ノズル孔41と連通する開口が形成されている。下方摺動部47は、排気管43の摺動部材45の先端と嵌合する溝47aが形成されている。処理容器12の回転時には、排気管43の摺動部材45は溝47aに接した状態で摺動する。
【0092】
処理容器12の回転(公転)の際、排気管43および給気管42は、外部容器35に固定された給気ノズル21および排気ノズル22と接続可能に設けられている。すなわち、処理容器12の公転時の給気管42の軌跡が、供給ノズル孔39a〜39dが形成する円と略同心の円を描くように構成されている。これにより、図9に示すような給気ノズル21と給気管42とが接続され、かつ、排気ノズル22と排気管43とが接続された状態で、処理容器12内には所定のガス雰囲気が形成される。
【0093】
また、処理容器12の回転に伴い、給気管42は処理容器12の上端面35aと上方摺動部46とを介して、4つの給気ノズル21a〜21dに順に接続される。このとき、同時に、排気管43は、処理容器12の下端面35bと下方摺動部47を介して4つの排気ノズル22a〜22dに順に接続される。成膜処理の間給気ノズル21a〜21dからは常にガスが供給されており、処理容器12内には、例えば、TiCl4ガス、N2ガス、NH3ガス、N2ガスの雰囲気が順に形成される。
【0094】
また、駆動機構38は処理容器12を所定回数回転させ、処理容器12内には上記雰囲気が所定回数繰り返して形成される。このように、処理容器12内は、N2ガスによるパージを挟んでTiCl4ガス雰囲気とNH3ガス雰囲気とに交互に切り換えられ、処理容器12内に収容されたウェハWには、ALD処理が施される。このように、処理容器12内の雰囲気は、その内部に複数のガスが供給されることなく、高精度に切り換えられる。従って、品質の高い膜が形成可能となるなど、信頼性の高い処理が可能となる。
【0095】
また、処理装置11内の雰囲気の切り換えには、ガス供給系は関与しておらず、よって、MFC、バルブ等の応答性、耐久性等を考慮することなく、雰囲気の切り換えの高速化、すなわち、スループットの向上が図れる。
【0096】
さらに、外部容器35内には、処理容器12が2つ設けられ、2つの処理容器12ではその内部に形成されるガス雰囲気の順序は異なるものの、TiCl4ガスをNH3ガスがN2ガスによるパージを挟んで交互に供給される。これにより、2枚のウェハWを同時に処理することができ、高いスループットが得られる。
【0097】
以上説明したように、第2の実施の形態では、処理容器12の公転により、給気管42および排気管43が、給気ノズル21a〜21dおよび排気ノズル22a〜22dにそれぞれ順に接続される。従って、処理容器12内での複数種のガスの混合を防ぎつつ、処理容器12内のガス雰囲気を高精度に切り換えることができる。従って、特に、多数回のプロセス雰囲気の切り換えが必要なALD処理において、信頼性の高い処理が可能となる。また、処理容器12内の雰囲気の切り換えは、ガス供給系のMFC、バルブ等の応答性、耐久性に制約されず、高い切り換え速度、高い生産性が得られる。
【0098】
上記第2の実施の形態では、外部容器35内に2つの処理容器12を収容して処理を行うものとした。しかし、スループットの向上のため、外部容器35内に3つ以上、例えば、4つの処理容器12を収容した状態で処理を行う構成も可能である。
また、勿論、外部容器35内に処理容器12を1つ収容し、処理容器12の中心(あるいはウェハW)の中心を中心として回転させる構成としてもよい。
【0099】
また、外部容器35内の清浄度を高めるため、吸引ノズル31を5つ以上設けてもよい。さらに、吸引ノズル31を、外部容器35の上端面35a以外に、側壁および/または下端面35bに設けてもよい。
【0100】
上記第2の実施の形態では、給気ノズル21は4つ設けるものとした。しかし、これに限らず、同心円上に等間隔に4つ以上、例えば、8つ設けた構成としてもよい。すなわち、処理容器12内にTiCl4ガスとNH3ガスとが、N2ガスによるパージを挟んで交互に供給可能な構成であればよい。
【0101】
(第3の実施の形態)
以下、第3の実施の形態に係る処理装置11について図面を参照して説明する。第3の実施の形態に係る処理装置11の構成を図11および図12に示す。図11は、処理装置11の断面図を示し、図12は、断面構成を示す。なお、図11および図12中、理解を容易にするため、図1〜図10と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0102】
第3の実施の形態に係る処理装置11は、図11に示すように、多数の給気ノズル21a〜21dおよび吸引ノズル31と、排気ノズル22と、がそれぞれ対向するように配置された構成を有する。給気ノズル21は、略直線状に延伸する囲い部材50に接続され、固定されている。
【0103】
囲い部材50は、図12に示すように、その側部が開放された方形の断面形状を有する。囲い部材50は、その内側に処理容器12を収容可能に構成されている。囲い部材50は、開放部分から囲い部材50の内側に進入する支持体51によって支持されている。
【0104】
支持体51は、囲い部材50の延伸方向(図12中の紙面に垂直な方向)に延びる搬送部材52に接続されている。搬送部材52は、図示しない搬送機構に接続され、搬送機構によりその延伸方向、例えば、図11中の紙面右側に進行可能となっている。搬送部材52に支持体51を介して支持された処理容器12は、囲い部材50の内側をその延伸方向に搬送される。
【0105】
処理容器12は図9に示す第2の実施の形態のものと同様の構成を有し、その天井部と底部とにそれぞれ給気管42と排気管43とを備える。また、図11および図12に示すように、給気管42および排気管43は、囲い部材50の天井部および底部に接するように設けられている。
【0106】
給気管42および排気管43の先端には、第2の実施の形態のものと同様のフッ素樹脂等からなる摺動部材53、54がそれぞれ設けられている。また、囲い部材50の天井部および底部の、給気管42および排気管43と接する部分には、第1および第2の実施の形態と同様のフッ素樹脂等からなる摺動部55、56が設けられている。これにより、給気管42および排気管43は、囲い部材50の天井部および底部を低摩擦状態で摺動可能となっている。
【0107】
上述したように、給気ノズル21および排気ノズル22は、囲い部材50に接続されている。囲い部材50の天井部および底部の、給気ノズル21および排気ノズル22との接続部分には、開口57、58が形成されている。また、開口57、58は摺動部55、56を貫通するように形成されており、これにより、給気ノズル21および排気ノズル22から、囲い部材50および摺動部55、56を介して、ガスを給気および排気可能となっている。ここで、給気管42が給気ノズル21と接続した状態では、同時に排気管43は排気ノズル22と接続するように構成されている。
また、吸引ノズル31も同様に囲い部材50の天井部に接続されており、囲い部材50の内側を吸引排気可能となっている。
【0108】
図11に戻り、給気ノズル21a〜21dは、いずれも図示しないTiCl4供給源、N2供給源、NH3供給源、N2供給源にそれぞれ接続されている。給気ノズル21a〜21dは、図11に示すように、この順序で、図中右方向に多数繰り返し配置されている。また、給気ノズル21の間には、吸引ノズル31が配置されている。吸引ノズル31は図示しない排気装置に接続されて給気ノズル21の間のガスを吸引し、処理容器12外部におけるガスの混合を低減する。
【0109】
囲い部材50の内側は、複数の処理容器12を搬送可能に構成されている。搬送機構は、複数の処理容器12を所定間隔をおいて、囲い部材50の内側をその延伸方向に搬送する。このとき、処理容器12の給気管42は、囲い部材50に接続された給気ノズル21a〜21dに順に接続される。一方で、このとき排気管43は排気ノズル22に接続されている。給気ノズル21a〜21dからは成膜処理の間常に所定のガスが供給されており、処理容器12内には順次所定のガス雰囲気が、例えば、TiCl4ガス、N2ガス、NH3ガス、N2ガス、TiCl4ガス、N2ガス、…、というように形成される。このようにして、処理容器12内のガス雰囲気は高精度かつ高速に切り換えられ、品質の高い膜が形成可能となるなど、信頼性の高い処理が可能となる。
【0110】
以上説明したように、第3の実施の形態では、給気ノズル21および排気ノズル22がそれぞれ対向するように多数配置された囲い部材50の内側を処理容器12が搬送させる。このとき、処理容器12の給気管42および排気管43は、給気ノズル21a〜21dおよび排気ノズル22にそれぞれ順に接続される。給気ノズル21a〜21dは所定の順で繰り返し配置されており、処理容器12の進行とともに処理容器12内は複数種のガス雰囲気に繰り返し高精度に切り換えられる。従って、特に、多数回のプロセス雰囲気の切り換えが必要なALD処理において、信頼性の高い処理が可能となる。また、処理容器12内の雰囲気の切り換えは、ガス供給系のMFC、バルブ等の応答性、耐久性に制約されず、高い切り換え速度、高い生産性が得られる。
【0111】
上記第3の実施の形態では、給気ノズル21および排気ノズル22は略直線状に配置されるものとした。しかし、これに限らず、円弧状、S字状など、他のいかなる構造であってもよい。
【0112】
また、上記第3の実施の形態では、処理容器12の天井部および底部に給気管42および排気管43を設けた構成とした。しかし、図13に示すように、処理容器12の側部に給気管42および排気管43を設けた構成としてもよい。この場合、給気ノズル21および排気ノズル22が、ウェハWの主面に略平行な方向からガスを供給および排気するように構成すればよい。
【0113】
また、上記第2および第3の実施の形態では、処理容器12は、給気管42および排気管43をそれぞれ1つを備える構成としたが、これに限られない。例えば、給気管42および/または排気管43をそれぞれ複数個設ける構成としてもよい。これにより、コンダクタンスの上昇により、処理容器12内の雰囲気の切り換え速度を一層高めることができる。
【0114】
上記第1〜第3の実施の形態では、TiCl4とNH3とを用いて、ウェハWの表面にTiN膜を形成するものとした。しかし、用いる物質、および、成膜する膜の種類は、これに限られない。TiN膜の他に、Al2O3、ZrO2、TaN、SiO2、SiN、SiON、WN、WSi、RuO2等、他の金属膜や金属酸化物膜であってもよい。また、この場合、使用するガス種は、TiCl4の代わりに、TaBr5、Ta(OC2H5)5、SiCl4、SiH4、Si2H6、SiH2Cl2、WF6等のいずれか1種を用い、NH3の代わりに、N2、O2、O3、NO、N2O、N2O3、N2O5等のいずれか1種を用いることができる。
また、パージガスは、不活性なガスであればよく、N2に限らず、アルゴン、ネオン等を用いてもよい。
【0115】
また、本実施の形態に係る処理装置11は、アニール等の他の処理を行う処理装置11と、インラインで接続され、または、クラスタリングされてもよい。
【0116】
また、本発明は、成膜処理に限らず、酸化処理、エッチング処理等、複数種のガスを用い、プロセス雰囲気を高速に切り替える必要のあるすべての処理に適用することができる。また、本発明は、半導体ウェハに限らず、液晶表示装置用の基板にも適用することができる。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、信頼性の高い処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる処理装置の断面構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる摺動部の構成を示す図である。
【図3】図1に示す処理装置の平面図である。
【図4】処理工程におけるガス雰囲気の変化プロファイルを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の変形例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の変形例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の変形例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態にかかる処理装置の構成を示す図である。
【図9】図8に示す処理装置の断面構成を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る摺動部の構成を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態にかかる処理装置の断面構成を示す図である。
【図12】図11に示す処理装置の断面構成を示す図である。
【図13】
本発明の第3の実施の形態の変形例を示す図である。
【符号の説明】
11 処理装置
12 処理容器
17 駆動機構
18 第1の給排気口
19 第2の給排気口
20 摺動部
21 給気ノズル
22 排気ノズル
24、25 摺動部材
31 吸引ノズル
Claims (33)
- 被処理体に所定の処理を施す処理装置であって、
その内部に前記被処理体が収容され、給気口を備える中空の処理容器と、
複数のガス供給ノズルを備え、前記複数のガス供給ノズルからそれぞれガスを供給するガス供給機構と、
前記給気口と前記複数のガス供給ノズルとが順に接続され、前記処理容器内に前記複数のガスが所定の順に供給されるように、前記処理容器と前記ガス供給機構とを相対的に移動させる移動機構と、
を備える、ことを特徴とする処理装置。 - 前記処理容器は排気口を備え、
前記給気口が前記ガス供給ノズルに接続された状態で、前記排気口に接続可能な複数のガス排気ノズルを備え、
前記ガス排気ノズルに接続され、前記排気口を介して前記処理容器内を排気する排気機構をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の処理装置。 - 前記複数のガス供給ノズルは、略等間隔に設けられている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の処理装置。
- 前記複数のガス供給ノズルのうちの少なくとも1つは不活性ガスを供給し、前記不活性ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、前記不活性ガス以外の前記ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、は交互に配置されている、ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の処理装置。
- さらに、隣接する前記ガス供給ノズルの間に配置され、前記処理容器の近傍の前記ガス供給ノズルの間のガス雰囲気を吸引可能な吸引ノズルを備える、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記給気口と前記ガス供給ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記排気口と前記ガス排気ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記摺動部材は、フッ素樹脂から構成されている、ことを特徴とする請求項6または7に記載の処理装置。
- 前記処理容器は前記被処理体の主面に垂直な方向から見て略円形の断面を有し、かつ、その側壁に前記給気口を備え、
前記複数のガス供給ノズルは、前記処理容器の外周に沿うように環状に設けられ、前記給気口を介して前記被処理体の主面に略水平な方向から前記ガスを供給する、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の処理装置。 - 前記移動機構は、前記被処理体の中心を中心として前記処理容器を回転させる、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記給気口と前記排気口とは、互いに対向するように設けられている、ことを特徴とする請求項2乃至10のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記給気口と前記排気口とは実質的に同一の開口から構成され、前記処理容器の回転に応じて前記給気口は前記排気口として、前記排気口は前記給気口として機能する、ことを特徴とする請求項2乃至11のいずれか1項に記載の処理装置。
- 被処理体に所定の処理を施す処理装置であって、
その内部に前記被処理体が収容され、給気管を備える中空の処理容器と、
その内部に前記処理容器を収容する外部容器と、
前記外部容器に固定されかつ前記給気管に接続可能な複数のガス供給ノズルを備え、前記複数のガス供給ノズルから前記被処理体の主面に略垂直に前記ガスをそれぞれ供給可能なガス供給機構と、
前記給気管と前記複数のガス供給ノズルとが順に接続され、前記処理容器内に前記複数のガスが所定の順に供給されるように、前記外部容器内に収容された前記処理容器を前記被処理体の主面に略平行な方向に回転可能な回転駆動機構と、
を備える、ことを特徴とする処理装置。 - 前記外部容器は複数の前記処理容器を収容し、前記回転駆動機構は複数の前記処理容器の重心を中心として、前記複数の処理容器を回転させる、ことを特徴とする請求項13に記載の処理装置。
- 前記処理容器は排気管を備え、
前記給気管が前記ガス供給ノズルに接続された状態で、前記排気管に接続可能な複数のガス排気ノズルを備え、
前記ガス排気ノズルに接続され、前記排気管を介して前記処理容器内を排気可能な排気機構をさらに備える、ことを特徴とする請求項13または14に記載の処理装置。 - 前記複数のガス供給ノズルは、前記外部容器に環状に固定されている、ことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記複数のガス供給ノズルは、略等間隔に配置されている、ことを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記複数のガス供給ノズルのうちの少なくとも1つは不活性ガスを供給し、前記不活性ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、前記不活性ガス以外の前記ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、は交互に配置されている、ことを特徴とする請求項13乃至17のいずれか1項に記載の処理装置。
- さらに、隣接する前記ガス供給ノズルの間に配置され、前記処理容器の近傍の前記ガス供給ノズルの間のガス雰囲気を吸引可能な吸引ノズルを備える、ことを特徴とする請求項13乃至18のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記給気管と前記ガス供給ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする請求項13乃至19のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記排気管と前記ガス排気ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする請求項15乃至20のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記摺動部材は、フッ素樹脂から構成されている、ことを特徴とする請求項20または21に記載の処理装置。
- 被処理体に所定の処理を施す処理装置であって、
その内部に前記被処理体が収容され、給気管を備える中空の処理容器と、
略直線状に配置された複数のガス供給ノズルを備え、前記複数のガス供給ノズルからそれぞれガスを供給するガス供給機構と、
前記給気管と前記複数のガス供給ノズルとが順に接続され、前記処理容器内に前記複数種のガスが所定の順に供給されるように、前記処理容器と前記ガス供給機構とを相対的に移動させる移動機構と、
を備える、ことを特徴とする処理装置。 - 前記移動機構は、前記処理容器を前記複数のガス供給ノズルに沿って略直線状に移動させる、ことを特徴とする請求項23に記載の処理装置。
- 前記ガス供給ノズルは、前記処理容器内に前記複数種のガスが所定の順序で繰り返し供給されるように配置されている、ことを特徴とする請求項23または24に記載の処理装置。
- 前記処理容器は排気管を備え、
前記給気管が前記ガス供給ノズルに接続された状態で、前記排気管に接続可能な複数のガス排気ノズルを備え、
前記ガス排気ノズルに接続され、前記排気管を介して前記処理容器内を排気可能な排気機構をさらに備える、ことを特徴とする請求項23乃至25のいずれか1項に記載の処理装置。 - 前記複数のガス供給ノズルは、略等間隔に配置されている、ことを特徴とする請求項23乃至26のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記複数のガス供給ノズルのうちの少なくとも1つは不活性ガスを供給し、前記不活性ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、前記不活性ガス以外の前記ガスを供給する前記ガス供給ノズルと、は交互に配置されている、ことを特徴とする請求項23乃至27のいずれか1項に記載の処理装置。
- さらに、隣接する前記ガス供給ノズルの間に配置され、前記処理容器の近傍の前記ガス供給ノズルの間のガス雰囲気を吸引可能な吸引ノズルを備える、ことを特徴とする請求項23乃至28のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記給気管と前記ガス供給ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする請求項23乃至29のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記排気管と前記ガス排気ノズルとの接触部分には、気密に摺動可能な摺動部材がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする請求項26乃至30のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記摺動部材は、フッ素樹脂から構成されている、ことを特徴とする請求項30または31に記載の処理装置。
- 被処理体に所定の処理を施す処理方法であって、
その内部に前記被処理体が収容され、給気口または給気管を備える中空の処理容器と、
複数のガス供給ノズルを備え、前記複数のガス供給ノズルからそれぞれガスを供給するガス供給機構と、を備える処理装置を用いた処理方法であって、
前記処理容器と前記ガス供給機構とを互いに相対的に移動させて前記給気口または給気管と前記複数のガス供給ノズルと順に接続させ、前記処理容器内に前記複数種のガスを所定の順に供給する工程を備える、ことを特徴とする処理方法。
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JP2002169325A JP2004014953A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | 処理装置および処理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
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