JP2004011788A - Camshaft - Google Patents

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JP2004011788A
JP2004011788A JP2002166873A JP2002166873A JP2004011788A JP 2004011788 A JP2004011788 A JP 2004011788A JP 2002166873 A JP2002166873 A JP 2002166873A JP 2002166873 A JP2002166873 A JP 2002166873A JP 2004011788 A JP2004011788 A JP 2004011788A
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JP
Japan
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cam lobe
mass
density
camshaft
less
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Pending
Application number
JP2002166873A
Other languages
Japanese (ja)
Inventor
Koji Koyanagi
小▲柳▼ 貢士
Yutaka Mabuchi
馬渕 豊
Akira Fujiki
藤木 章
Yukihiro Maekawa
前川 幸広
Kimio Nishimura
西村 公男
Yoshio Okada
岡田 義夫
Yasushi Takayama
高山 康
Koichi Fukagawa
深川 浩一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Powdered Metals Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To reduce processing cost, and to secure quality of a cam lobe in expanding a shaft part to fix the cam lobe. <P>SOLUTION: This camshaft is provided with the shaft part 4 in a cylindrical form and the cam lobe 1 having a shaft inserting hole 3, and by expanding the shaft part 4 as the shaft part 4 is inserted into the shaft inserting hole 3, the cam lobe 1 is fixed to the shaft part 4. With sintering density set at ρg/cm<SP>3</SP>, and diametric thickness at a base circle part 2 set at tmm, a relational expression of ρ≥(-3/8)t+8.9g/cm<SP>3</SP>is satisfied, with quantity of C at 0.3mass% or more and 0.8% or less, Mo at 0.5mass% or more and 2.5mass% or less, and Fe for the rest as components in iron-based sintered alloy to be used for material for the cam lobe 1. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車のレシプロ式エンジンにおいてインテ−クバルブやエキゾーストバルブを往復運動させるのに利用されるカムシャフトに係わり、とくに、鉄系焼結合金からなるカムロブを有するカムシャフトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記したようなカムシャフトのカムロブに鉄系焼結合金を用いる構想は、従来からいくつかなされており、最近では、例えば、特開平9−31612号公報に記載されたものがある。このように、焼結体からなるカムロブは、一般的に焼結後の成形精度が高いため、カムシャフトの加工コストにおいて大きなウエイトを占めるカムロブの研削工程を大幅に短縮することができ、カムシャフトのコスト低減化を図るうえで非常に有効である。
【0003】
また、比較的安価な組み立て式のカムシャフトにおいて、カムロブのシャフト挿通孔にシャフト部を挿通し、この状態でマンドレル治具によってシャフト部を拡管することにより、シャフト部にカムロブを固定するトリントン方式が採用されるが、この方式では、シャフト部を拡管してカムロブを固定する際のカムロブの歪量が大きいことから、カムロブに割れが発生しないようにするために、カムロブの材料特性やカムロブおよびシャフト部の各寸法を詳細に規定する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カムロブに焼結体を用いてカムシャフトの加工コストの低減を図ったうえで、シャフト部にカムロブを固定する際の品質をも保証しつつトリントン方式によって組み立てるカムシャフトは、従来から現在に至るまで未だに提案されておらず、これを解決することが従来の課題となっている。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、このような従来の課題にかんがみてなされたものであって、加工コストの低減を実現することができるのは勿論のこと、シャフト部を拡管してカムロブを固定する際のカムロブの品質をも確保することが可能であるカムシャフトを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、鋭意研究を重ねてきた結果、シャフト部を拡管してカムロブを固定する際の品質を保証することが可能なカムロブ材としての鉄系焼結合金の材料仕様を見出すに至った。
【0007】
本発明に係るカムシャフトにおいて、カムロブの材質として、焼結密度をρg/cm、ベースサークル部における径方向の肉厚をtmmとした場合、ρ≧(−3/8)×t+8.9g/cmの関係式を満たし、C量が0.3質量%以上0.8質量%以下,Mo量が0.5質量%以上2.5質量%以下,残部をFeとした成分の鉄系焼結合金を用いていることを特徴としている。
【0008】
【発明の効果】
本発明によるカムシャフトでは、上記した構成としたことにより、カムロブの研削工程を大幅に短縮することができ、その結果、加工コストの低減化を実現することが可能であり、加えて、シャフト部を拡管してカムロブを固定する際のカムロブの品質を保つことができるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に係るカムシャフトにおいて、カムロブの材質、および、焼結後の密度ρg/cm、カムロブのベースサークル部における径方向の肉厚tmmの関係式の規定を行っている。
【0010】
これは、シャフト部を拡管してカムロブを固定する際に、カムロブ内の歪を詳細に計測して解析した結果、シャフト部の拡管時にカムロブが割れるか否かは、カムロブに生じる歪に対して材料の伸びが追従できるか否かにかかっていることを見出したからである。
【0011】
材料の伸びについては、材料組成および密度の影響が大きく関与していることが解析から明確になり、これらの2つの因子を規定することで、カムロブの割れ性を大幅に改善できることが判った。
【0012】
また、カムロブの各部位の寸法の中で、ベースサークル部における径方向の肉厚がカムロブに生じる歪に最も影響を及ぼす因子であることを見出し、全体の寸法の制約を受けて、ベースサークル部の肉厚を薄くしなければならない状況になっても、材料組成を固定して、材料密度をベースサークル部の肉厚の関係式から算出する所定値以上とすることで、割れの生じない領域が存在することを実験的に見出した。以下、規定した数値を具体的に説明する。
【0013】
材料組成については、通常の焼結条件で所定の密度が得られる成分である必要がある。例えば、2P2S法や焼結鍛造法によれば、成分によらず、所定以上の密度が得られるものの、これらの工法ではコストが大幅に増加してしまうのでメリットが少ない。
【0014】
この際、以下に示す成分範囲であれば、標準的な1120℃の焼結条件で所定の密度を得ることが可能である。すなわち、C量が0.3質量%以上0.8質量%以下,Mo量が0.5質量%以上2.5質量%以下,残部をFeとした成分の鉄系焼結合金をカムロブの材質として規定すれば、Mo,C,Ni,Cuなどの成分を多く含む従来のカムロブ材料よりも経済的に有利な方法でかつ拡管時の割れに耐え得る伸びを確保することができる。
【0015】
つまり、C量を0.3質量%以上とすることで、耐摩耗性を確保し、C量を0.8質量%以下とすることで、材料の脆化による耐割れ性の悪化を回避するようにしている。また、Mo量を0.5質量%以上とすることで、材料の基地強度を確保して耐割れ性を確保し、Mo量を2.5質量%以下とすることで、コスト的なメリットがなくならないようにしている。この意味で、Mo量を1.2質量%以上1.8質量%以下とすることがより好ましい。なお、Moはその効果を基地全体に及ぼすため、Fe−Mo合金粉の形態で付与することが好ましい。
【0016】
上記材料組成において密度を規定する式として、ρ≧(−3/8)×t+8.9g/cmの関係式を規定したが、この関係式を満たす密度であれば、必要以上にコストをかけて高密度にすることなく拡管時のカムロブの割れを防ぐことができ、すなわち、品質を確保しつつ低コストのカムシャフトを提供可能となる。なお、カムロブ材の密度が6g/cm以上であると、カムシャフト円管部外径を確保しつつカムシャフト全体寸法の増大を抑えるうえで、より好ましい。
【0017】
また、焼結温度、あるいは、金型温度を上昇させずに所定の密度が得られる手段について解析した結果、Niを添加すると、焼結が促進されて基地強度が強くなって、所定の密度が得られることを見出した。より好ましくは、1.7質量%以上である。この手法によれば、金型温度を必要以上に上げることなく、コストの上昇を抑えられ、一方、2.3質量%を越えるNiを添加すると、コストの増加に加えて、材料中に残留オーステナイトが分散するようになって耐摩耗性が悪化してしまうので、請求項2に係るカムシャフトにおいては、C量が0.3質量%以上0.8質量%以下、Ni量が0質量%超2.3質量%以下、Mo量が0.5質量%以上2.5質量%以下、残部をFeとした成分の鉄系焼結合金をカムロブの材質として用いている。なお、NiはNi粉末として与えてもよいが、鉄粉または鉄合金粉に部分的に拡散して結合させた部分拡散合金粉の形態で付与すると、Niの拡散が促進されて好ましい。
【0018】
さらに、上記鉄系焼結合金からなるカムロブの外周面の表面硬度を熱処理によって60HRA以上とすることで、耐摩耗性が著しく向上することを見出し、請求項3では、カムロブの外周面における表面硬度の規定を行っている。
【0019】
さらにまた、焼結材のフリクションと相関のある係数について解析した結果、従来の溶製材にはRaが用いられてきたのに対して、焼結材の場合には、空孔を除いた接触部分中心の表面粗さパラメータRpkを用いると相関が強いことが見出された。この際、表面粗さパラメータRpkを0.1μm以下とすることで、カムロブとリフタとの間の摺動部のフリクションを低減させることが可能になることを見出した。また、表面粗さパラメータRpkを用いることによって、軸にカム研磨を行う従来の手法に対して、加工費の増大を防げることから、請求項4では、表面粗さパラメータRpkを0.1μm以下と規定している。
【0020】
さらにまた、カムロブの密度とフリクションとの関係について解析を行った結果、材料内部の空孔が開空孔であるか閉空孔であるかによって、フリクションが大幅に変化することを見出した。すなわち、密度7.25g/cm以上の閉空孔の場合、摺動面直下の空孔に油が保持されることで接触部の油圧が保たれて、良好な潤滑機能が保持される。一方、開空孔の場合、摺動面直下の空孔に油が保持されないため、接触部において金属接触が増加して潤滑性能が悪化する。その結果、請求項5では、閉空孔となるカムロブの密度を7.25g/cm以上としている。
【0021】
さらにまた、請求項6では、密度を高めることなく、著しいフリクション低減効果を得る手段について規定している。すなわち、カムロブの外周面に露出する空孔に樹脂を含浸することで、密度を7.25g/cm以上にしなくても、潤滑油が材料内部に浸透するのを阻止して、接触部分の油圧を保持することができるのを見出したため、上記規定を行った。具体的には、アクリル樹脂、および、さらに潤滑性の高いPAIなどの樹脂の含浸が有効であることを見出したため、上記規定を行った。
【0022】
さらにまた、請求項7では、カムロブへの固体潤滑剤の適用について規定した。請求項1〜6の発明に加えて、さらにフリクション特性を向上させる手段について解析した結果、カムロブの外周面に露出する空孔に固体潤滑剤が分散させてある樹脂を含浸することで、潤滑油が材料内部に浸透するのを阻止する効果と合わせて、フリクションを大幅に低減する効果が得られることを見出した。具体的には、MoS,PTFE,グラファイトなどの固体潤滑剤の分散が有効である。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例について詳細な説明をするが、本発明はこのような実施例のみに限定されないことはいうまでもない。
【0024】
[実施例1]
この実施例では、Fe+1.5Mo+0.6C材を粉末および金型を130℃に加熱して温間成形した後、ブタン変性ガス雰囲気にて焼結温度1120℃で焼結を行い、900℃の浸炭焼入れを行うのに続いて、180℃の焼戻し処理を行って、実体密度を7.25g/cmとしたカムロブの材質を得た。
【0025】
また、この実施例では、熱処理を施すことでカムロブの外周面における表面硬度を73HRA(60HRA以上)にまで高めてあると共に、カムロブの表面粗さRpkを0.048μm(0.1μm以下)としている。
【0026】
この実施例において、図1に示すように、カムロブ1のベースサークル部2における径方向の肉厚tを4.5mmとした場合、カムロブ1のシャフト挿通孔3に円管状のシャフト部4を挿通した状態でこのシャフト部4を拡管するに際して、カムロブ1の割れを阻止するρ≧(−3/8)×t+8.9g/cmの関係式を満たす理論密度下限は7.21g/cmである。したがって、肉厚tと実体密度ρとの関係式が満たされる結果、この場合において、シャフト部4の拡管時には割れが生じなかった。
【0027】
この場合、シャフト部4を拡管する際のカムロブ1の割れ確認試験は、図2に示すように、カムロブ1を挟持固定可能なホルダ10を用い、このホルダ10にセットしたシャフト部4およびカムロブ1をマンドレル11によって拡管して、この際のカムロブ1の割れの有無を実体顕微鏡で確認するようにした。
【0028】
また、フリクショントルク、摩耗試験は、図3に示すように、シャフト部4およびカムロブ1にバルブスプリング12およびバルブリフタ13を介して130kgfの荷重を負荷し、この状態でシャフト部4およびカムロブ1を回転数300rpmで回転させてフリクショントルクを測定し、1時間の試験における平均値で示した。なお、試験中、カムロブ1とシム14との接触部分には5W−30のエンジンオイルを常時供給することとし、カムロブ1の相手材としてのシム14には、SCM420材に浸炭焼入れ焼戻し処理を施し、さらに、ガス軟窒化させたものを用いた。
【0029】
[実施例2]
この実施例では、Fe+2Ni+1.5Mo+0.6C材を粉末および金型を100℃に加熱して温間成形した後、ブタン変性ガス雰囲気にて焼結温度1120℃で焼結を行い、900℃の浸炭焼入れを行うのに続いて、180℃の焼戻し処理を行って、実体密度を7.33g/cmとしたカムロブの材質を得た。
【0030】
また、この実施例においても、熱処理を施すことでカムロブの外周面における表面硬度を75HRA(60HRA以上)にまで高めてあると共に、カムロブの表面粗さRpkを0.034μm(0.1μm以下)としている。
【0031】
この実施例において、ベースサークル部2における径方向の肉厚tを4.5mmとした場合、シャフト部4の拡管時におけるカムロブ1の割れを阻止するρ≧(−3/8)×t+8.9g/cmの関係式を満たす理論密度下限は7.21g/cmであるから、この場合も前記関係式が満たされる結果、シャフト部4の拡管時には割れが生じることがなかった。加えて、この実施例では、Niを添加したことによって材料の収縮率が上がり、温間成形時の加熱温度を100℃(実施例1では130℃)に下げても、到達密度に著しい低下がなく、したがって、実施例1よりもコスト面で有利である。
【0032】
[実施例3]
この実施例において、Fe+2Ni+1.5Mo+0.6C材を粉末および金型を100℃に加熱して温間成形した後、ブタン変性ガス雰囲気にて焼結温度1120℃で焼結を行い、900℃の浸炭焼入れを行うのに続いて、180℃の焼戻し処理を行って、実体密度を7.17g/cmとしたカムロブの材質を得た。
【0033】
また、この実施例においても、熱処理を施すことでカムロブの外周面における表面硬度を73HRA(60HRA以上)にまで高めてあると共に、カムロブの表面粗さRpkを0.062μm(0.1μm以下)としている。
【0034】
この実施例において、ベースサークル部2における径方向の肉厚tを5.6mmとすると、シャフト部4の拡管時におけるカムロブ1の割れを阻止するρ≧(−3/8)×t+8.9g/cmの関係式を満たす理論密度下限は6.80g/cmとなるので、この場合も前記関係式が満たされる結果、シャフト部4の拡管時には割れが生じることがなかった。加えて、この実施例においても、実施例2と同じくNiを添加したことで、温間成形時の加熱温度を100℃に下げても、到達密度に著しい低下がなく、したがって、実施例1よりもコスト面で有利である。但し、この実施例では、実体密度を7.17g/cmとしているので、実体密度を7.25g/cm以上としている実施例1,2に比してフリクショントルクが若干高くなっている。
【0035】
[実施例4]
この実施例において、Fe+2Ni+1.5Mo+0.6C材を粉末および金型を100℃に加熱して温間成形した後、ブタン変性ガス雰囲気にて焼結温度1120℃で焼結を行い、900℃の浸炭焼入れを行うのに続いて、180℃の焼戻し処理を行って、実体密度を7.30g/cmとしたカムロブの材質を得た。
【0036】
また、この実施例においても、熱処理を施すことでカムロブの外周面における表面硬度を75HRA(60HRA以上)にまで高めてあると共に、カムロブの表面粗さRpkを0.033μm(0.1μm以下)としており、加えて、この実施例では、カムロブの外周面に露出する空孔にアクリル樹脂(ヘンケル社製、商品名:レジノール90C)を含浸させてある。
【0037】
この実施例において、ベースサークル部2における径方向の肉厚tを5.6mmとすると、シャフト部4の拡管時におけるカムロブ1の割れを阻止するρ≧(−3/8)×t+8.9g/cmの関係式を満たす理論密度下限は6.80g/cmとなるので、この場合も前記関係式が満たされる結果、シャフト部4の拡管時には割れが生じることがなかった。加えて、この実施例においても、実施例2,3と同じくNiを添加したことで、温間成形時の加熱温度を100℃に下げても、到達密度に著しい低下がなく、したがって、実施例1よりもコスト面で有利であり、さらに、カムロブの空孔にアクリル樹脂を含浸させた分だけ、良好な耐摩耗性が得られることとなる。
【0038】
[実施例5]
この実施例において、先の実施例4と異なるところは、カムロブの表面粗さRpkを0.045μm(0.1μm以下)とした点、および、カムロブの外周面に露出する空孔に固体潤滑剤としてMoSを40体積%分散させたPAI(ポリアミドイミド)樹脂を含浸させた点にあり、他の構成は先の実施例4と同じである。
【0039】
この実施例において、ベースサークル部2における径方向の肉厚tを5.6mmとすると、シャフト部4の拡管時におけるカムロブ1の割れを阻止するρ≧(−3/8)×t+8.9g/cmの関係式を満たす理論密度下限は6.80g/cmとなるので、この場合も前記関係式が満たされる結果、シャフト部4の拡管時には割れが生じることがなかった。加えて、この実施例においても、実施例2,3,4と同じくNiを添加したことで、温間成形時の加熱温度を100℃に下げても、到達密度に著しい低下がなく、したがって、実施例1よりもコスト面で有利であり、さらに、カムロブの空孔に固体潤滑剤を分散させた樹脂を含浸させてあるので、実施例1〜5および後述する比較例1〜3の中で最高のフリクション特性が得られる。
【0040】
[比較例1]
実施例1に対して、この実施例1と同じ材料でかつ実体密度を7.01g/cmとした比較例1のカムロブを作成した。この比較例1のカムロブのベースサークル部における径方向の肉厚tを4.5mmとした場合、上記理論密度下限の7.21g/cmに達していないので、前記関係式が満たされておらず、その結果、シャフト部の拡管時に割れが生じた。
【0041】
[比較例2]
実施例2,3に対して、これらの実施例2,3と同じ材料でかつ実体密度を7.17g/cmとした比較例2のカムロブを作成した。この比較例2のカムロブのベースサークル部における径方向の肉厚tを4.5mmとした場合、上記理論密度下限の7.21g/cmに達していないので、前記関係式が満たされておらず、その結果、シャフト部の拡管時に割れが生じた。
【0042】
[比較例3]
実施例1〜3に対する比較例3として、Fe+3Cu+0.6C材を粉末および金型を130℃に加熱して温間成形した後、ブタン変性ガス雰囲気にて焼結温度1120℃で焼結を行い、900℃の浸炭焼入れを行うのに続いて、180℃の焼戻し処理を行って、実体密度を7.01g/cmとしたカムロブの材質を得た。
【0043】
この比較例3において、カムロブの外周面における表面硬度を65HRAとしていると共に、カムロブの表面粗さRpkを0.111μmとしている。
【0044】
実施例1〜3は、いずれも比較例3に対して良好な耐摩耗性を示し、いずれも比較例3よりもフリクショントルクが低いものとなっている。
【0045】
実施例1〜5および比較例1〜3の各成分,含浸処理の有無,実体密度,ベースサークル部の肉厚,理論密度,表面硬度,到達粗さ,シャフト部の拡管時における割れの有無,フリクショントルクおよび摩耗試験による摩耗量を表1に示す。
【0046】
【表1】

Figure 2004011788
【0047】
表1から、実施例1〜5のカムロブが比較例1〜3のカムロブに対して、いずれも優れた拡管時割れ性,耐摩耗性およびフリクション特性を有していることが確認できた。
【0048】
上記の実施例・比較例に加えて、さらに、合金成分・実体密度ρ・ベースサークル部の径方向肉厚tを変化させ、拡管時割れの有無との関係を調べた。その結果を図4に示す。図4より、合金成分が請求項1に合致し、かつ、直線ρ≧(−3/8)×t+8.9g/cmの関係を満足すれば、拡管時割れは発生しないことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカムシャフトの断面説明図である。
【図2】実施例および比較例による各カムシャフトに対して行うカムロブの割れ確認試験のシャフト部拡管要領説明図である。
【図3】実施例および比較例による各カムシャフトに対して行うフリクショントルク、摩耗試験の試験要領説明図である。
【図4】合金成分・実体密度・ベースサークル部の径方向肉厚を変化させた際の実体密度・ベースサークル部の径方向肉厚と拡管時割れの有無との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 カムロブ
2 ベースサークル部
3 シャフト挿通孔
4 シャフト部
t ベースサークル部の肉厚[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a camshaft used for reciprocating an intake valve or an exhaust valve in, for example, a reciprocating engine of an automobile, and more particularly to a camshaft having a cam lobe made of an iron-based sintered alloy. .
[0002]
[Prior art]
There have been several ideas for using an iron-based sintered alloy for the cam lobe of the camshaft as described above, and recently, for example, there is one described in JP-A-9-31612. As described above, since the cam lobe made of a sintered body generally has high molding accuracy after sintering, the grinding process of the cam lobe, which occupies a large weight in the processing cost of the cam shaft, can be greatly reduced, and the cam shaft can be reduced. This is very effective in reducing the cost of the device.
[0003]
Also, in a relatively inexpensive assembled camshaft, the Torrington method that fixes the cam lobe to the shaft by inserting the shaft into the shaft insertion hole of the cam lobe and expanding the shaft with a mandrel jig in this state However, in this method, since the amount of distortion of the cam lobe when expanding the shaft portion and fixing the cam lobe is large, in order to prevent the cam lobe from cracking, the material characteristics of the cam lobe, the cam lobe and the shaft Each dimension of the part must be defined in detail.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, using a sintered body for the cam lobe to reduce the processing cost of the cam shaft, while assuring the quality of fixing the cam lobe to the shaft part, the camshaft assembled by the Torrington method has been conventionally used today. Until now, it has not been proposed yet, and solving this is a conventional problem.
[0005]
[Object of the invention]
The present invention has been made in view of such a conventional problem, and not only can the processing cost be reduced, but also the cam lobe at the time of fixing the cam lobe by expanding the shaft portion. It is an object of the present invention to provide a camshaft capable of ensuring quality.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, as a result of diligent research, we have found material specifications of iron-based sintered alloy as a cam lobe material that can guarantee the quality when fixing the cam lobe by expanding the shaft part. Reached.
[0007]
In the camshaft according to the present invention, ρ ≧ (−3/8) × t + 8.9 g /, where the sintered density is ρg / cm 3 and the radial thickness at the base circle portion is tmm, as the material of the cam lobe. meet cm 3 of relationship, C amount is 0.8 mass% or more than 0.3 mass%, Mo amount is 0.5 wt% to 2.5 wt% or less, ferrous sintered components the remainder was Fe It is characterized by using binding gold.
[0008]
【The invention's effect】
In the camshaft according to the present invention, by adopting the above-described configuration, the grinding process of the cam lobe can be significantly reduced, and as a result, it is possible to reduce the machining cost. When the tube is expanded and the cam lobe is fixed, the quality of the cam lobe can be kept extremely high.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the camshaft according to claim 1 of the present invention, the relational expression of the material of the cam lobe, the density ρg / cm 3 after sintering, and the radial thickness tmm of the base circle portion of the cam lobe is defined.
[0010]
This is because, when the shaft part is expanded and the cam lobe is fixed, the distortion in the cam lobe is measured and analyzed in detail. This is because it has been found that the elongation of the material depends on whether or not it can follow.
[0011]
The analysis clearly revealed that the influence of the material composition and the density greatly affected the elongation of the material, and it was found that by defining these two factors, the crackability of the cam lobe could be significantly improved.
[0012]
In addition, among the dimensions of each part of the cam lobe, it has been found that the radial thickness of the base circle part is the most influential factor for the distortion generated in the cam lobe. Even when it becomes necessary to reduce the thickness of the base circle, the material composition is fixed, and the material density is set to a predetermined value or more calculated from the relational expression of the thickness of the base circle portion. Was found experimentally. Hereinafter, the specified numerical values will be specifically described.
[0013]
As for the material composition, it is necessary that the material be a component that can obtain a predetermined density under ordinary sintering conditions. For example, according to the 2P2S method or the sintering forging method, a density higher than a predetermined value can be obtained irrespective of the components, but the cost is greatly increased in these methods, so that there is little merit.
[0014]
At this time, within the following component range, it is possible to obtain a predetermined density under standard sintering conditions of 1120 ° C. That is, an iron-based sintered alloy having a C content of 0.3% by mass or more and 0.8% by mass or less, a Mo amount of 0.5% by mass or more and 2.5% by mass or less, and a balance of Fe is used as a material for the cam lobe. By defining as, it is possible to secure elongation that is more economically advantageous than a conventional cam lobe material containing a large amount of components such as Mo, C, Ni, and Cu and that can withstand cracking during pipe expansion.
[0015]
That is, by setting the C content to 0.3% by mass or more, wear resistance is secured, and by setting the C amount to 0.8% by mass or less, deterioration of crack resistance due to embrittlement of the material is avoided. Like that. Further, by setting the Mo amount to 0.5% by mass or more, the matrix strength of the material is secured and the crack resistance is secured. By setting the Mo amount to 2.5% by mass or less, there is a merit in cost. I try not to lose. In this sense, it is more preferable that the Mo amount be 1.2% by mass or more and 1.8% by mass or less. Since Mo exerts its effect on the entire matrix, it is preferable to add it in the form of Fe-Mo alloy powder.
[0016]
In the above-mentioned material composition, a relational expression of ρ ≧ (−3/8) × t + 8.9 g / cm 3 has been specified as an expression for defining the density. It is possible to prevent the cam lobe from cracking at the time of expanding the tube without increasing the density, that is, it is possible to provide a low-cost camshaft while ensuring the quality. In addition, it is more preferable that the density of the cam lobe material is 6 g / cm 3 or more in order to keep the outer diameter of the camshaft circular tube portion and to suppress an increase in the overall size of the camshaft.
[0017]
Also, as a result of analyzing the means for obtaining a predetermined density without increasing the sintering temperature or the mold temperature, when Ni is added, sintering is promoted and the matrix strength is increased, and the predetermined density is reduced. It was found that it could be obtained. More preferably, the content is 1.7% by mass or more. According to this method, the increase in cost can be suppressed without unnecessarily increasing the mold temperature. On the other hand, when Ni exceeding 2.3% by mass is added, in addition to the increase in cost, the residual austenite in the material is increased. In the camshaft according to claim 2, the C content is 0.3% by mass or more and 0.8% by mass or less, and the Ni amount exceeds 0% by mass. As the material of the cam lobe, an iron-based sintered alloy having a component of 2.3% by mass or less, a Mo amount of 0.5% by mass or more and 2.5% by mass or less, and the balance being Fe is used. Although Ni may be given as Ni powder, it is preferable to give Ni in the form of a partially diffused alloy powder which is partially diffused and bonded to iron powder or iron alloy powder, because the diffusion of Ni is promoted.
[0018]
Furthermore, it has been found that by setting the surface hardness of the outer peripheral surface of the cam lobe made of the iron-based sintered alloy to 60 HRA or more by heat treatment, the wear resistance is significantly improved. The provisions of.
[0019]
Furthermore, as a result of analyzing the coefficient having a correlation with the friction of the sintered material, Ra was used in the conventional ingot material, whereas in the case of the sintered material, the contact portion excluding the pores was used. It was found that the correlation was strong when using the center surface roughness parameter Rpk. At this time, it has been found that by setting the surface roughness parameter Rpk to 0.1 μm or less, it is possible to reduce the friction of the sliding portion between the cam lobe and the lifter. Further, by using the surface roughness parameter Rpk, it is possible to prevent an increase in processing cost as compared with the conventional method of performing cam polishing on the shaft. Therefore, according to claim 4, the surface roughness parameter Rpk is set to 0.1 μm or less. Stipulates.
[0020]
Furthermore, as a result of analyzing the relationship between the density of cam lobes and friction, it was found that friction greatly changed depending on whether the holes inside the material were open or closed. That is, in the case of a closed hole having a density of 7.25 g / cm 3 or more, the oil is held in the hole immediately below the sliding surface, so that the oil pressure of the contact portion is maintained, and a good lubrication function is maintained. On the other hand, in the case of an open hole, since oil is not retained in the hole immediately below the sliding surface, metal contact increases at the contact portion, and lubrication performance deteriorates. As a result, in claim 5, the density of the cam lobes that form closed holes is set to 7.25 g / cm 3 or more.
[0021]
Furthermore, claim 6 defines a means for obtaining a remarkable friction reduction effect without increasing the density. In other words, by impregnating the resin into the holes exposed on the outer peripheral surface of the cam lobe, it is possible to prevent the lubricating oil from penetrating into the material without increasing the density to 7.25 g / cm 3 or more. Since it was found that the hydraulic pressure could be maintained, the above provisions were made. Specifically, it has been found that impregnation with an acrylic resin and a resin such as PAI having a higher lubricity is effective, and thus the above-mentioned provisions have been made.
[0022]
Furthermore, claim 7 specifies the application of the solid lubricant to the cam lobe. In addition to the invention of claims 1 to 6, as a result of analyzing the means for further improving the friction characteristics, the lubricating oil is impregnated with the resin in which the solid lubricant is dispersed in the holes exposed on the outer peripheral surface of the cam lobe. It has been found that the effect of significantly reducing friction can be obtained in addition to the effect of preventing the permeation into the material. Specifically, it is effective to disperse a solid lubricant such as MoS 2 , PTFE, and graphite.
[0023]
【Example】
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail, but it goes without saying that the present invention is not limited to only such embodiments.
[0024]
[Example 1]
In this example, the powder of Fe + 1.5Mo + 0.6C was warm-formed by heating a powder and a mold to 130 ° C., and then sintered at a sintering temperature of 1120 ° C. in a butane-modified gas atmosphere and carburized at 900 ° C. Subsequent to the quenching, a tempering treatment at 180 ° C. was performed to obtain a cam lobe material having a substantial density of 7.25 g / cm 3 .
[0025]
In this embodiment, the surface hardness of the outer peripheral surface of the cam lobe is increased to 73 HRA (60 HRA or more) by performing the heat treatment, and the surface roughness Rpk of the cam lobe is set to 0.048 μm (0.1 μm or less). .
[0026]
In this embodiment, as shown in FIG. 1, when the radial thickness t of the base circle portion 2 of the cam lobe 1 is 4.5 mm, the cylindrical shaft portion 4 is inserted into the shaft insertion hole 3 of the cam lobe 1. When the shaft portion 4 is expanded in this state, the theoretical density lower limit satisfying the relational expression ρ ≧ (−3/8) × t + 8.9 g / cm 3 for preventing the crack of the cam lobe 1 is 7.21 g / cm 3 . is there. Therefore, as a result of satisfying the relational expression between the wall thickness t and the body density ρ, no crack was generated when the shaft portion 4 was expanded in this case.
[0027]
In this case, as shown in FIG. 2, the crack confirmation test of the cam lobe 1 when expanding the shaft portion 4 uses a holder 10 capable of holding and fixing the cam lobe 1, and the shaft portion 4 and the cam lobe 1 set on the holder 10. Was expanded by a mandrel 11, and the presence or absence of cracks in the cam lobe 1 at this time was checked with a stereoscopic microscope.
[0028]
In the friction torque and wear test, as shown in FIG. 3, a load of 130 kgf is applied to the shaft portion 4 and the cam lobe 1 via the valve spring 12 and the valve lifter 13, and the shaft portion 4 and the cam lobe 1 are rotated in this state. The friction torque was measured by rotating at a speed of several 300 rpm, and the average value in a one-hour test was shown. During the test, 5W-30 engine oil was always supplied to the contact portion between the cam lobe 1 and the shim 14, and the shim 14 as the mating material of the cam lobe 1 was subjected to carburizing, quenching and tempering of the SCM420 material. Further, a gas nitrocarburized gas was used.
[0029]
[Example 2]
In this example, the powder of the Fe + 2Ni + 1.5Mo + 0.6C material was warm-formed by heating the powder and the mold to 100.degree. C., and then sintered at a sintering temperature of 1120.degree. Subsequent to the quenching, a tempering treatment at 180 ° C. was performed to obtain a material for the cam lobe having a body density of 7.33 g / cm 3 .
[0030]
Also in this embodiment, the surface hardness of the outer peripheral surface of the cam lobe is increased to 75 HRA (60 HRA or more) by performing heat treatment, and the surface roughness Rpk of the cam lobe is set to 0.034 μm (0.1 μm or less). I have.
[0031]
In this embodiment, when the radial thickness t of the base circle portion 2 is set to 4.5 mm, a crack ρ ≧ (−3/8) × t + 8.9 g for preventing the cam lobe 1 from cracking when the shaft portion 4 is expanded. / theoretical density limit that satisfies the relational expression of cm 3 is because it is 7.21 g / cm 3, results in this case also the relation is satisfied, the tube expansion of the shaft portion 4 had never cracking occurs. In addition, in this example, the addition of Ni increases the shrinkage of the material, and even if the heating temperature during warm forming is reduced to 100 ° C. (130 ° C. in Example 1), the ultimate density decreases significantly. Therefore, it is more advantageous in cost than the first embodiment.
[0032]
[Example 3]
In this example, Fe + 2Ni + 1.5Mo + 0.6C material was warmed by heating a powder and a mold to 100 ° C., then sintering at a sintering temperature of 1120 ° C. in a butane-modified gas atmosphere, and carburizing at 900 ° C. Subsequent to the quenching, a tempering treatment at 180 ° C. was performed to obtain a material for the cam lobe having a body density of 7.17 g / cm 3 .
[0033]
Also in this embodiment, the surface hardness of the outer peripheral surface of the cam lobe is increased to 73 HRA (60 HRA or more) by heat treatment, and the surface roughness Rpk of the cam lobe is set to 0.062 μm (0.1 μm or less). I have.
[0034]
In this embodiment, assuming that the radial thickness t of the base circle portion 2 is 5.6 mm, ρ ≧ (−3/8) × t + 8.9 g /, which prevents the cam lobe 1 from cracking when the shaft portion 4 is expanded. Since the theoretical density lower limit that satisfies the relational expression of cm 3 is 6.80 g / cm 3 , the relational expression is satisfied also in this case. As a result, no crack was generated when the shaft portion 4 was expanded. In addition, in this example, Ni was added in the same manner as in Example 2, so that even if the heating temperature at the time of warm forming was reduced to 100 ° C., there was no significant decrease in the attained density. Is also advantageous in terms of cost. However, in this embodiment, since the entity density 7.17 g / cm 3, the friction torque as compared with Examples 1 and 2 that the entity density 7.25 g / cm 3 or more is slightly higher.
[0035]
[Example 4]
In this example, Fe + 2Ni + 1.5Mo + 0.6C material was warmed by heating a powder and a mold to 100 ° C., then sintering at a sintering temperature of 1120 ° C. in a butane-modified gas atmosphere, and carburizing at 900 ° C. Subsequent to the quenching, a tempering treatment at 180 ° C. was performed to obtain a material for the cam lobe having a body density of 7.30 g / cm 3 .
[0036]
Also in this embodiment, the surface hardness of the outer peripheral surface of the cam lobe is increased to 75 HRA (60 HRA or more) by performing the heat treatment, and the surface roughness Rpk of the cam lobe is set to 0.033 μm (0.1 μm or less). In addition, in this embodiment, in addition, the holes exposed on the outer peripheral surface of the cam lobe are impregnated with an acrylic resin (trade name: Resinol 90C, manufactured by Henkel Co.).
[0037]
In this embodiment, assuming that the radial thickness t of the base circle portion 2 is 5.6 mm, ρ ≧ (−3/8) × t + 8.9 g /, which prevents the cam lobe 1 from cracking when the shaft portion 4 is expanded. Since the theoretical density lower limit that satisfies the relational expression of cm 3 is 6.80 g / cm 3 , the relational expression is satisfied also in this case. As a result, no crack was generated when the shaft portion 4 was expanded. In addition, in this example, Ni was added in the same manner as in Examples 2 and 3, so that even if the heating temperature during warm forming was lowered to 100 ° C., there was no significant decrease in the attained density. This is more cost-effective than that of No. 1, and good abrasion resistance can be obtained as much as the acrylic resin is impregnated into the holes of the cam lobe.
[0038]
[Example 5]
This embodiment is different from the fourth embodiment in that the surface roughness Rpk of the cam lobe is set to 0.045 μm (0.1 μm or less), and the solid lubricant is added to the holes exposed on the outer peripheral surface of the cam lobe. Another point is that it is impregnated with a PAI (polyamide imide) resin in which MoS 2 is dispersed by 40% by volume.
[0039]
In this embodiment, assuming that the radial thickness t of the base circle portion 2 is 5.6 mm, ρ ≧ (−3/8) × t + 8.9 g /, which prevents the cam lobe 1 from cracking when the shaft portion 4 is expanded. Since the theoretical density lower limit that satisfies the relational expression of cm 3 is 6.80 g / cm 3 , the relational expression is satisfied also in this case. As a result, no crack was generated when the shaft portion 4 was expanded. In addition, also in this example, by adding Ni as in Examples 2, 3, and 4, even if the heating temperature during warm forming was reduced to 100 ° C., there was no significant decrease in the attained density. It is more cost-effective than Example 1, and furthermore, since the resin in which the solid lubricant is dispersed is impregnated into the cavities of the cam lobe, it is used in Examples 1 to 5 and Comparative Examples 1 to 3 described later. The best friction characteristics are obtained.
[0040]
[Comparative Example 1]
Compared to Example 1, a cam lobe of Comparative Example 1 was made of the same material as that of Example 1 and the actual density was 7.01 g / cm 3 . When the thickness t in the radial direction of the base circle portion of the cam lobe of Comparative Example 1 was 4.5 mm, the relational expression was not satisfied because the theoretical density lower limit did not reach 7.21 g / cm 3. However, as a result, cracks occurred when the shaft portion was expanded.
[0041]
[Comparative Example 2]
With respect to Examples 2 and 3 , a cam lobe of Comparative Example 2 was formed using the same material as those of Examples 2 and 3 and having a body density of 7.17 g / cm 3 . When the thickness t in the radial direction of the base circle portion of the cam lobe of Comparative Example 2 was 4.5 mm, the theoretical density did not reach the lower limit of 7.21 g / cm 3. However, as a result, cracks occurred when the shaft portion was expanded.
[0042]
[Comparative Example 3]
As Comparative Example 3 with respect to Examples 1 to 3, the powder of the Fe + 3Cu + 0.6C material and the mold were heated to 130 ° C. and warm-formed, and then sintered at a sintering temperature of 1120 ° C. in a butane-modified gas atmosphere. After performing carburizing and quenching at 900 ° C., tempering treatment was performed at 180 ° C. to obtain a cam lobe material having a body density of 7.01 g / cm 3 .
[0043]
In Comparative Example 3, the surface hardness of the outer peripheral surface of the cam lobe was set to 65 HRA, and the surface roughness Rpk of the cam lobe was set to 0.111 μm.
[0044]
Examples 1 to 3 all show better wear resistance than Comparative Example 3, and all have lower friction torque than Comparative Example 3.
[0045]
Ingredients of Examples 1 to 5 and Comparative Examples 1 to 3, presence / absence of impregnation treatment, actual density, thickness of base circle portion, theoretical density, surface hardness, ultimate roughness, presence / absence of cracks at the time of expanding the shaft portion, Table 1 shows the friction torque and the wear amount obtained by the wear test.
[0046]
[Table 1]
Figure 2004011788
[0047]
From Table 1, it was confirmed that the cam lobes of Examples 1 to 5 had excellent cracking properties at the time of expansion, abrasion resistance, and friction characteristics with respect to the cam lobes of Comparative Examples 1 to 3.
[0048]
In addition to the above Examples and Comparative Examples, the relationship between the alloy component, the actual body density ρ, and the radial thickness t of the base circle portion was changed, and the relationship with the presence or absence of cracks during pipe expansion was examined. The result is shown in FIG. From FIG. 4, it was confirmed that if the alloy component conforms to claim 1 and the relationship of the straight line ρ ≧ (−3/8) × t + 8.9 g / cm 3 is satisfied, no cracking occurs during pipe expansion. .
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory sectional view of a camshaft according to the present invention.
FIG. 2 is an explanatory diagram of a procedure for expanding a shaft portion in a cam lobe crack confirmation test performed on each camshaft according to an example and a comparative example.
FIG. 3 is an explanatory view of a test procedure of a friction torque and a wear test performed on each camshaft according to an example and a comparative example.
FIG. 4 is a graph showing a relationship between the body density, the body wall thickness in the radial direction of the base circle portion, and the presence or absence of cracks at the time of pipe expansion when the alloy component, the body density, and the radial thickness of the base circle portion are changed.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Cam lobe 2 Base circle part 3 Shaft insertion hole 4 Shaft part t Thickness of base circle part

Claims (7)

円管状のシャフト部と、シャフト挿通孔を有するカムロブを備え、カムロブのシャフト挿通孔にシャフト部を挿通した状態でシャフト部を拡管することでシャフト部にカムロブを固定してなるカムシャフトにおいて、カムロブの材質には、焼結密度をρg/cm、ベースサークル部における径方向の肉厚をtmmとした場合、ρ≧(−3/8)×t+8.9g/cmの関係式を満たし、C量が0.3質量%以上0.8質量%以下,Mo量が0.5質量%以上2.5質量%以下,残部をFeとした成分の鉄系焼結合金を用いていることを特徴とするカムシャフト。A camshaft comprising a tubular shaft portion and a cam lobe having a shaft insertion hole, wherein the cam portion is fixed to the shaft portion by expanding the shaft portion in a state where the shaft portion is inserted into the shaft insertion hole of the cam lobe. For the material of, when the sintering density is ρg / cm 3 and the radial thickness in the base circle portion is tmm, the relational expression of ρ ≧ (−3/8) × t + 8.9 g / cm 3 is satisfied, It is necessary to use an iron-based sintered alloy having a C content of 0.3% by mass to 0.8% by mass, a Mo amount of 0.5% by mass to 2.5% by mass, and the balance Fe. A characteristic camshaft. C量が0.3質量%以上0.8質量%以下,Ni量が0質量%超2.3質量%以下,Mo量が0.5質量%以上2.5質量%以下,残部をFeとした成分の鉄系焼結合金をカムロブの材質として用いている請求項1に記載のカムシャフト。C content is 0.3% by mass or more and 0.8% by mass or less, Ni amount is more than 0% by mass and 2.3% by mass or less, Mo amount is 0.5% by mass or more and 2.5% by mass or less, and the balance is Fe. 2. The camshaft according to claim 1, wherein the iron-based sintered alloy having the above composition is used as a material for the cam lobe. 熱処理を施すことでカムロブの外周面における表面硬度を60HRA以上に高めてある請求項1または2に記載のカムシャフト。The camshaft according to claim 1 or 2, wherein the heat treatment increases the surface hardness of the outer peripheral surface of the cam lobe to 60 HRA or more. カムロブの表面粗さを粗さパラメータRpkで0.1μm以下とした請求項1ないし3のいずれかに記載のカムシャフト。4. The camshaft according to claim 1, wherein the surface roughness of the cam lobe is 0.1 μm or less in terms of a roughness parameter Rpk. カムロブの密度を7.25g/cm以上とした請求項1ないし4のいずれかに記載のカムシャフト。Camshaft according to any one of claims 1 to 4 the density of the cam lobe was 7.25 g / cm 3 or more. カムロブの外周面に露出する空孔に樹脂が含浸してある請求項1ないし5のいずれかに記載のカムシャフト。The camshaft according to any one of claims 1 to 5, wherein a resin is impregnated into a hole exposed on an outer peripheral surface of the cam lobe. 樹脂に固体潤滑剤が分散させてある請求項6に記載のカムシャフト。The camshaft according to claim 6, wherein a solid lubricant is dispersed in the resin.
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KR100822713B1 (en) * 2007-07-05 2008-04-17 안광복 The double cam

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