JP2004011761A - オイルポンプ用玉軸受 - Google Patents

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ball bearing
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Takeshi Nakamura
中村 剛
Fusasuke Goshima
五島 房輔
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2240/00Specified values or numerical ranges of parameters; Relations between them
    • F16C2240/40Linear dimensions, e.g. length, radius, thickness, gap
    • F16C2240/70Diameters; Radii
    • F16C2240/76Osculation, i.e. relation between radii of balls and raceway groove

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  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)
  • Details Of Reciprocating Pumps (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

【課題】玉軸受8aにより支持する駆動軸が振れ回り運動し易い状態で使用する場合でも、耐久性を十分に確保すると共に、異音の発生を抑える。
【解決手段】外輪13の内周面に形成した外輪軌道12aの曲率半径をRとし、内輪11の外周面に形成した内輪軌道10aの曲率半径をRとし、各玉14の直径をDとした場合に、R≧Rで、且つ、R/D≧0.515を満たす様に規制する。これら各玉14を保持する保持器32を、合成樹脂を射出成形する事により、主部35の片面に複数の弾性片37を設けた構造とする。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のパワーステアリング装置に組み込まれて、このパワーステアリング装置の補助動力源となる油圧を発生させる為のオイルポンプに組み込み、ケーシングに対し駆動軸を回転自在に支持する為のオイルポンプ用玉軸受の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のパワーステアリング装置は、油圧又は電力を補助駆動源として、運転者がステアリングを操作する際に要する力を軽減する。この補助駆動源のうちの油圧を発生させる為に、従来から各種のオイルポンプが使用されている。
【0003】
図4〜5は、この様に従来から使用されているオイルポンプのうち、複数枚のベーンを使用するベーンポンプの1例を示している。このベーンポンプは、ケーシング1と、このケーシング1に回転自在に支持した駆動軸2とを備える。このうちのケーシング1は、有底円筒状に形成したケーシング本体3を、1対の端板4a、4bにより軸方向両側から挟持した状態で、これら各部材3、4a、4b同士を複数本のボルト20により結合固定して成る。又、上記ケーシング本体3の外周面に、吸入口5の上流端と吐出口6の下流端とを、それぞれ開口させている。
【0004】
又、このケーシング本体3の底板部33の中心部と、上記1対の端板4a、4bのうち、この底板部33側の一方(図4の左方)の端板4aの中心部とに、それぞれ通孔30、31を形成しており、これら各通孔30、31に前記駆動軸2を挿通している。そして、上記底板部33に設けた通孔30の内周面とこの駆動軸2の中間部外周面との間に、玉軸受8を設けている。又、この駆動軸2の一端部(図4の右端部)を、上記1対の端板4a、4bのうちの他方(図4の左方)の端板4bの中心部に設けた凹孔19内に挿入しており、この凹孔19内に挿入した上記駆動軸2の一端部外周面と、この凹孔19の内周面との間に、滑り軸受9を設けている。そして、この滑り軸受9と上記玉軸受8とにより、上記ケーシング1に対し上記駆動軸2を、回転自在に支持している。
【0005】
又、上記玉軸受8は、図6に詳示する様に、外周面に深溝型の内輪軌道10を有する内輪11と、内周面に深溝型の外輪軌道12を有する外輪13と、これら内輪軌道10と外輪軌道12との間に転動自在に設けられた複数個の玉14と、これら各玉14を保持する保持器15とを備える。このうちの保持器15は、波形プレス保持器と呼ばれるもので、それぞれが鋼板製で、全周に亙って波形に形成した1対の円環状の素子16、16を、それぞれの片面の円周方向複数個所同士を突き合わせた状態で互いに結合する事により造っている。そして、上記保持器15の円周方向複数個所に、上記各玉14をそれぞれ1個ずつ保持する為のポケット17を設けている。又、これら各玉14の直径Dに対する上記内輪軌道10の曲率半径Rの比R/Dを、0.505以上で0.515未満としている(0.505≦R/D<0.515)。
【0006】
又、上記外輪13の両端部内周面に1対のシールリング18a、18bの外周縁部を係止すると共に、これら各シールリング18a、18bの内周縁を上記内輪11の両端部外周面に、摺接若しくは微小隙間39を介して近接対向させている。この様な玉軸受8は、上記駆動軸2の中間部に上記内輪11を、締り嵌め等により外嵌固定すると共に、上記ケーシング本体3の底板部33に設けた通孔30に上記外輪13を、やはり締り嵌め等により内嵌固定している。尚、上記各シールリング18a、18bは、各玉14を設置した空間内に塵芥等の異物が侵入するのを防止すると共に、玉軸受8の内部に封入したグリースが外部に漏れ出すのを防止する役目を果たす。又、図示の例の場合には、上記1対のシールリング18a、18bのうちの片側(図4、6の右側)のシールリング18bの内周縁を、上記内輪11の一端部(図4、6の右端部)外周面から離隔させているが、この内周縁を、他側(図4、6の左側)のシールリング18aと同様に、この内輪11の一端部外周面に摺接させ、玉軸受8の軸方向両端部に接触シール構造を設ける事もできる。
【0007】
一方、上記ケーシング本体3の内側に、内周面に略楕円状のカム面7を有するカムリング29を内嵌固定している。又、前記駆動軸2の中間部外周面で、このカムリング29の内側に位置する部分に、ロータ21を外嵌している。そして、このロータ21の内周面と上記駆動軸2の外周面とをスプライン係合させる事により、このロータ21をこの駆動軸2と共に回転自在としている。又、このロータ21の外周面の円周方向複数個所に、このロータ21の径方向に凹入する凹溝22、22を、それぞれ形成しており、これら各凹溝22、22に板状のベーン23、23を、それぞれロータ21の径方向に関する変位自在に嵌装している。又、上記カムリング29の内周面に形成したカム面7と、上記ロータ21の外周面との間の径方向反対側2個所位置に、円周方向両端に向かう程容積が減少する断面円弧状の空間24、24を、それぞれ設けている。
【0008】
又、上記ケーシング本体3の一部に、それぞれが1対ずつの吸入通路25a、25bと吐出通路26a、26bとを設けている。このうち、各吸入通路25a、25bの上流端は、前記吸入口5の下流端に通じさせている。これに対して、上記各吐出通路26a、26bの下流端は、前記吐出口6の上流端に通じさせている。又、上記各吸入通路25a、25bの下流端と、上記各吐出通路26a、26bの上流端とを、それぞれ上記空間24、24の一部に通じさせている。更に、図示の例の場合には、上記各凹溝22、22の内側で、上記各ベーン23、23の内径側面に対向する部分に、上記各吐出通路26a、26bの一部を通じさせている。この構成により、上記各ベーン23、23の内径側面に、これら各ベーン23、23を外径側に変位させる方向の油圧が作用する。又、上記ケーシング本体3の底板部33に設けた通孔30の内周面で、前記玉軸受8よりもロータ21寄りの部分にシールリング34を設けて、この通孔30の周辺部に送り込まれた油がこの通孔30を通じて外部に漏れ出すのを防止している。
【0009】
一方、前記駆動軸2の他端部(図4の左端部)で前記ケーシング1外に突出した部分に、従動プーリ27を固定している。エンジンの組み付け状態では、この従動プーリ27に無端ベルトを掛け渡し、エンジンのクランクシャフトにより、上記駆動軸2を回転駆動する。
【0010】
上述の様に構成するベーンポンプの場合、駆動軸2の回転に伴って、ロータ21が、図5の時計方向に回転すると、各ベーン23、23に作用する遠心力と油圧とにより、これら各ベーン23、23がカム面5に押し付けられつつ、各凹溝22、22内を変位する。この為、上記ロータ21の外周面と、カム面7と、隣り合うベーン23、23の側面とで囲まれる空間のうち、各吸入通路25a、25bの下流端に通じる2個の空間で容積が大きくなるのと同時に、各吐出通路26a、26bの上流端に通じる別の2個の空間で容積が小さくなる。この結果、吸入口5を通じて内部に吸入された油が、吐出口6を通じて外部に吐出される。
【0011】
尚、図示の例の場合には、1対の端板4a、4bのうちの他方の端板4bに設けた凹孔19の内周面と、駆動軸2の一端部外周面との間に、滑り軸受9を設けているが、この滑り軸受9の代わりにニードル軸受を使用する場合もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様なベーンポンプの場合、ケーシング1に対し駆動軸2を回転自在に支持する為に、玉軸受8と、滑り軸受9(又はニードル軸受)とを使用している。但し、滑り軸受9又はニードル軸受をベーンポンプに組み込んだ状態で、この滑り軸受9又はニードル軸受のラジアル隙間を、上記玉軸受8のラジアル隙間と同等に小さくする事は、構造上難しい。この為、上記滑り軸受9又はニードル軸受のラジアル隙間は、一般的に、上記玉軸受9のラジアル隙間の最大値に対して、3〜6倍程度大きくなっている。例えば、玉軸受8のラジアル隙間が0〜15μm程度である場合には、滑り軸受9又はニードル軸受のラジアル隙間は、約45〜100μm程度になっている。
【0013】
更に、上述したベーンポンプの場合、従動プーリ27に掛け渡した無端ベルトからこの従動プーリ27に大きな張力が加わったり、駆動軸2の一部に、円周方向に関して不均一に油圧が作用する為、この駆動軸2の軸方向に離れた位置に、径方向に関する複雑な力が作用する。
【0014】
この結果、使用時に、上記駆動軸2が振れ回り運動し易い状態となる。特に、ベーンポンプの構成各部品の寸法誤差や組み付け誤差が大きくなった場合には、この駆動軸2が、更に振れ回り運動し易い状態となる。そして、この様な理由で、駆動軸2が振れ回り運動した場合には、次の▲1▼〜▲2▼に述べる様な不都合が生じる。
【0015】
▲1▼ 玉軸受8を構成する各玉14が、内輪、外輪各軌道10、12上を、蛇行しつつ転動する為、これら各玉14の転動面と内輪、外輪各軌道10、12との接触部に形成される接触楕円が、これら各軌道輪10、12からはみ出し易くなる。言い換えれば、内輪11の外周面及び外輪13の内周面の両端部にそれぞれ設けた肩部28a、28bに、上記各玉14の転動面が乗り上げ易くなる。この様な状態では、これら各玉14の転動面に、エッジロードに基づく過大面圧が加わる為、玉軸受8の寿命を十分に確保する事が難しくなる。特に、ベーンポンプをパワーステアリング装置用として使用する場合には、内部で8MPa程度の高い油圧を発生させる為、この高い油圧が、駆動軸2の一部(図4の右端面)に軸方向に加わる可能性がある。この様に、駆動軸2の軸方向に高い油圧が加わった場合には、この駆動軸2が軸方向に大きな力で押されて、上記玉軸受8に過大なアキシアル荷重が加わる。この場合には、玉軸受8の寿命を十分に確保する事が、更に難しくなる。
【0016】
▲2▼ 駆動軸2が振れ回り運動する事により、上記玉軸受8を構成する各玉14から鋼板製の保持器15の一部に無理な力が加わり、この保持器15に破損を生じ易くなる。
【0017】
又、玉軸受8の内部空間の容積が小さい為、十分量のグリースを内部に封入する事が難しい。この為、使用時に潤滑不足を生じて、異音や、軸受ロックと呼ばれる回転不能状態を、早期に生じ易い。
本発明のオイルポンプ用玉軸受は、上述の様な事情に鑑みて、玉軸受により支持する駆動軸が振れ回り運動し易い状態で使用する場合でも、耐久性を十分に確保すると共に、異音の発生を抑えるべく発明したものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明のオイルポンプ用玉軸受は、前述の図4〜6に示した従来構造と同様に、外周面に深溝型の内輪軌道を有し、使用時にオイルポンプの駆動軸に外嵌固定される内輪と、内周面に深溝型の外輪軌道を有し、使用時にこのオイルポンプのケーシングに内嵌固定される外輪と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の玉と、これら各玉を保持する保持器とを備える。
【0019】
特に、本発明のオイルポンプ用玉軸受に於いては、上記外輪軌道の曲率半径をR、上記内輪軌道の曲率半径をR、上記各玉の直径をDとした場合に、R≧Rで、且つ、R/D≧0.515を満たしており、且つ、上記保持器が、合成樹脂等の弾性材製である。更に、好ましくは、R/D≧0.520を満たす様にする。
【0020】
【作用】
上述の様に構成する本発明のオイルポンプ用玉軸受の場合、各玉の直径Dに対する内輪軌道の曲率半径Rの比R/Dを、従来構造の場合よりも大きくすると共に、外輪軌道の曲率半径Rをこの内輪軌道の曲率半径R以上としている(R≧R)。この為、玉軸受により支持する駆動軸が振れ回り運動し易い状態で使用する場合でも、内輪及び外輪の肩部に各玉の転動面が乗り上げにくくなると共に、内、外輪各軌道からこれら各玉の転動面に過大な面圧が作用しにくくなり、耐久性を十分に確保できる。
【0021】
又、本発明の場合には、内輪、外輪各軌道と各玉の転動面との間にグリースを供給し易くなり、潤滑不良や異音を生じにくくできる。しかも、本発明の場合には、保持器を合成樹脂等の弾性材製としている為、内部空間の容積を大きくできる構造を実現し易くなる。この為、十分量のグリースを封入し易くでき、潤滑不良や異音を、より生じにくくできる。
【0022】
更に、本発明の場合には、保持器を弾性材製としている為、この保持器が弾性変形し易くなり、この保持器に破損を生じにくくできる。この結果、本発明のオイルポンプ用玉軸受によれば、玉軸受により支持する駆動軸が振れ回り運動し易い状態で使用する場合でも、耐久性を十分に確保すると共に、異音の発生を抑える事ができる。又、上記保持器を合成樹脂製とした場合には、この保持器を安価に造り易くなる。更に、好ましい構成によれば、耐久性をより向上できると共に、異音の発生をより抑える事ができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明の実施の形態の1例を示している。本発明のオイルポンプ用玉軸受である、玉軸受8aの特徴は、内輪11の外周面に形成した内輪軌道10aと、外輪13の内周面に形成した外輪軌道12aとの曲率半径R、Rを、各玉14の直径Dとの関係で規制すると共に、保持器32の構造を工夫した点にある。上記玉軸受8aのその他の部分の構造は、前述の図4〜6に示した従来構造の場合と同様である為、重複する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0024】
本発明の場合、玉軸受8aを構成する保持器32を、弾性材である合成樹脂により造っている。即ち、この保持器32は、冠型保持器と呼ばれるもので、ポリイミド等の合成樹脂を射出成形する事により、図3に詳示する様に、全体を一体に造っている。この保持器32は、円環状の主部35と、この主部35の軸方向片面に等間隔に設けられた複数のポケット36、36とを備える。これら各ポケット36、36は、上記主部35の片面に互いに間隔をあけて配置した1対ずつの弾性片37、37と、上記主部35の片面でこれら1対ずつの弾性片37、37の間部分に設けた凹面部38とから構成している。この様に構成する各ポケット36、36の内面は、その全体を単一の曲率半径を有する球状凹面としている。又、この球状凹面の曲率半径は、上記各玉14(図1、2)の転動面の曲率半径(D/2)よりも僅かに大きくしている。
【0025】
そして、上記各玉14を、上記各ポケット36、36を構成する1対ずつの弾性片37、37の先端縁同士の間隔を弾性的に押し広げつつ、これら1対の弾性片37、37の間に押し込んでいる。上記保持器32は、この様にして上記各ポケット36、36内に玉14を1個ずつ抱き込む事により、これら各玉14を転動自在に保持している。
【0026】
又、本発明の場合には、上記各玉14の直径D(図1)に対する前記内輪軌道10aの曲率半径R(図1)の比R/Dを、0.515以上(R/D≧0.515)で、好ましくは0.520以上(R/D≧0.520)と、前述した従来構造の場合よりも大きくしている。尚、上記比R/Dの上限値は転がり接触部の面圧との関係で規制し、約0.56以下とする。又、上記各玉14の直径Dに対する前記外輪軌道12aの曲率半径Rの比R/Dも、同様に約0.56以下とする。又、この曲率半径Rは、上記内輪軌道10aの曲率半径R以上としている。例えば、上記比R/Dを、0.520とすると共に、上記各玉14の直径Dに対する上記外輪軌道12aの曲率半径Rの比R/Dを、0.540とする。尚、図2に示した鎖線部分は、前述の図4〜6に示した従来の玉軸受8での内輪軌道10を表している。上述の様に、各玉14の直径Dに対する内輪軌道10aの曲率半径Rの比R/Dを従来構造の場合よりも大きくする為には、例えば、従来品の玉軸受8での内輪軌道10に研削加工を施す事により不要な材料を除去して、上記内輪軌道10aを、所定の形状及び寸法に形成する。又、玉軸受8aの内部には、グリースを封入している。
【0027】
上述の様に構成する玉軸受8aの使用時には、前述した従来構造の場合と同様に、オイルポンプのケーシング本体3の底板部33に設けた通孔30(図4参照)に外輪13を、締り嵌め等により内嵌固定すると共に、駆動軸2(図4、5参照)の中間部に内輪11を、やはり締り嵌め等により外嵌固定する。又、上記ケーシング本体3に結合固定した1対の端板4a、4bのうち、他方の端板4bに設けた凹孔19の内周面と、上記駆動軸2の一端部外周面との間に、滑り軸受9或はニードル軸受(図4参照)を設ける。この為、本例のオイルポンプ用玉軸受は、使用時に、上記駆動軸2が振れ回り運動し易い状態となる。
【0028】
上述の様に構成する本発明のオイルポンプ用玉軸受の場合、各玉14の直径Dに対する内輪軌道10aの曲率半径Rの比R/Dを、従来構造の場合よりも大きくすると共に、外輪軌道12aの曲率半径Rをこの内輪軌道10aの曲率半径R以上としている(R≧R)。この為、本例の場合の様に、玉軸受8aにより支持する駆動軸2が振れ回り運動し易い状態で使用する場合でも、内輪11及び外輪13の肩部28a、28bに各玉14の転動面が乗り上げにくくなって、内、外輪各軌道10a、12aの縁部からこれら各玉14の転動面に、エッジロードに基づく過大な面圧が作用しにくくなり、耐久性を十分に確保できる。
【0029】
又、本発明の場合には、上記内輪、外輪各軌道10a、12aと各玉14の転動面との間の隙間が大きくなる為、この隙間内にグリースを供給し易くなり、潤滑不良や異音を生じにくくできる。しかも、本発明の場合には、保持器32を、弾性材である合成樹脂により造っている為、玉軸受8aの内部空間の容積を大きくできる構造を実現し易くなる。即ち、保持器32を弾性材により造った場合には、前述の図4〜6に示した従来構造の様に鋼板製とする場合と異なり、保持器の一部を各玉14の両側に設けた構造とする必要がなくなる。即ち、保持器32を弾性材により造った場合には、本例の場合の様に、各玉14の軸方向片側(図1の右側)にのみ主部35を設けた、冠型の構造とする事ができる。この様な本例の場合でも、保持器32の一部に設けた弾性片37、37の先端縁同士の間隔を弾性的に押し広げて、各玉14を押し込む事により、各ポケット36内に玉14を保持させる事が、容易に行なえる。この為、本発明の場合には、玉軸受8aの内部空間の容積を大きくでき、十分量のグリースを封入し易くできる。従って、潤滑不良や異音を、より生じにくくできる。
【0030】
又、本発明の場合には、保持器32を弾性材製の冠型保持器としている為、この保持器32が弾性変形し易くなり、この保持器32に破損を生じにくくできる。この結果、本発明のオイルポンプ用玉軸受によれば、玉軸受8aにより支持する駆動軸2が振れ回り運動し易い状態で使用する場合でも、耐久性を十分に確保すると共に、異音の発生を抑える事ができる。特に、本例の場合には、上記各玉14の直径Dに対する前記内輪軌道10aの曲率半径Rの比R/Dを、0.520としている為、耐久性をより向上できると共に、異音の発生をより抑える事ができる。又、本例の場合には、上記保持器32を合成樹脂製としている為、この保持器32を安価に造る事が容易に行なえる。
【0031】
【発明の効果】
本発明のオイルポンプ用玉軸受は、以上に述べた通り構成され作用するので、玉軸受により支持する駆動軸が振れ回り運動し易い状態で使用する場合でも、耐久性を十分に確保すると共に、異音の発生を抑える事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す部分断面図。
【図2】図1から玉及び内輪のみを取り出して示す部分拡大断面図。
【図3】保持器の斜視図。
【図4】本発明の対象となるオイルポンプ用玉軸受を組み込んだベーンポンプの1例を示す、図5のA−B−C−O−D−E−F断面図。
【図5】図4のG−H−I−J−K−L断面図。
【図6】一部を省略して示す、図4のM部拡大図。
【符号の説明】
1  ケーシング
2  駆動軸
3  ケーシング本体
4a、4b 端板
5  吸入口
6  吐出口
7  カム面
8、8a 玉軸受
9  滑り軸受
10、10a 内輪軌道
11  内輪
12  外輪軌道
13  外輪
14  玉
15  保持器
16  素子
17  ポケット
18a、18b シールリング
19  凹孔
20  ボルト
21  ロータ
22  凹溝
23  ベーン
24  空間
25a、25b 吸入通路
26a、26b 吐出通路
27  従動プーリ
28a、28b 肩部
29  カムリング
30  通孔
31  通孔
32  保持器
33  底板部
34  シールリング
35  主部
36  ポケット
37  弾性片
38  凹面部
39  微小隙間

Claims (1)

  1. 外周面に深溝型の内輪軌道を有し、使用時にオイルポンプの駆動軸に外嵌固定される内輪と、内周面に深溝型の外輪軌道を有し、使用時にこのオイルポンプのケーシングに内嵌固定される外輪と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の玉と、これら各玉を保持する保持器とを備えたオイルポンプ用玉軸受に於いて、上記外輪軌道の曲率半径をR、上記内輪軌道の曲率半径をR、上記各玉の直径をDとした場合に、R≧Rで、且つ、R/D≧0.515を満たしており、且つ、上記保持器が弾性材製である事を特徴とするオイルポンプ用玉軸受。
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JP (1) JP2004011761A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009062782A1 (de) * 2007-11-14 2009-05-22 Robert Bosch Gmbh Lagereinheit einer flüssigkeitspumpe
JP2012207757A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Keihin Corp 圧縮機

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