JP2004003732A - 冷凍・空調装置の遠隔監視システム及び遠隔監視方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常通報判定値の人手による設定作業を不要とし得て、作業負荷を軽減することができ、しかも、異常通報判定値の人為的な設定ミスや設定忘れを防止することができる冷凍・空調装置の遠隔監視システムを提供する。
【解決手段】冷媒回路を構成する冷凍・空調装置1に関する計測部位の変調情報を電気通信回線6を通じて監視装置7で監視する際、計測部位の変調検出のためのしきい値が演算部によって計測部位の計測データの推移に基づいて自動設定される。
【選択図】 図1
【解決手段】冷媒回路を構成する冷凍・空調装置1に関する計測部位の変調情報を電気通信回線6を通じて監視装置7で監視する際、計測部位の変調検出のためのしきい値が演算部によって計測部位の計測データの推移に基づいて自動設定される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍機器や空気調和装置等の冷凍・空調装置、特に、その異常を電気通信回線を通じて遠隔監視する遠隔監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、冷凍機器や空気調和装置等の冷凍・空調装置で異常が発生した場合に、その異常を電気通信回線を通じて監視センター等に報知することでメンテナンス等を行うようにした遠隔監視システムが知られている。
【0003】
図4は、このような遠隔監視システムの一例を示すシステム概略図である。
【0004】
図4において、熱源側ユニット101と利用側負荷ユニット102とで現地側の冷凍・空調装置103を構成している。
【0005】
一方、冷凍・空調装置103の運転状態情報などを遠隔監視する監視センター側の監視装置104は、冷凍・空調装置103と監視装置104との間での通信インターフェイスとなる監視用モデム105と、監視用モデム105と監視装置104との間での情報伝送手段である電話回線などの電気通信回線106とによって冷凍・空調装置103とネットワーク接続されている。
【0006】
このような冷凍・空調装置の遠隔監視システムでは、冷凍・空調装置103にて異常が発生し、例えば、冷凍・空調機能が停止した状態となった場合、その異常発生通報を冷凍・空調装置103から監視装置104が受け、サービスマン等に復旧作業のための出動指令が出される。
【0007】
復旧作業のための出動命令を受けたサービスマンは、異常発生現場にて原因を究明し、その復旧作業を行った後、冷凍・空調装置103の機能が完全に復旧したかの確認作業(試運転等)を行った上で、本格的な運転再開となる。
【0008】
一方、冷凍・空調装置103を遠隔監視する際には、冷凍・空調装置103の圧力や温度、或いは、各種構成機器(例えば、アクチュエータ)の制御値等の計測項目・監視項目に対して上限しきい値並びに下限しきい値を設定すると共に、計測項目・監視項目に応じた許容範囲(誤差等を含む)を予め設定しておき、実際にはその許容範囲を超えた場合に情報遠隔監視システムに対して異常通報を行っている。
【0009】
例えば、冷凍・空調装置103の圧力や温度などの運転データの運転管理は、その運転管理をすべき計測部位に圧力センサーや温度センサー等を設け、これら各種センサーを警報機付き計測装置や監視装置に接続して、その計測装置や監視装置に予め設定された基準値(=許容範囲)を越えた際(変調を検出した際)に監視装置104に異常通報を発信する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の如く構成された冷凍・空調装置の遠隔監視システムにあっては、異常通報判定値、即ち、実際に異常通報を発生させるための値は許容範囲であるが、上述した復旧の場合のみならず、冷凍・空調装置103を新規に設置する場合や既存の冷凍・空調装置103に監視システムを追加する場合等、異常通報判定値としての許容範囲を設定するためには、各種の計測項目・監視項目に対して上限しきい値並びに下限しきい値を人手(例えば、キーボードなどの適宜の入力装置)によって割り当て設定する必要がある。
【0011】
この際、各種の計測項目・監視項目に対して上限しきい値並びに下限しきい値を割り当て設定するには、作業者の冷凍・空調装置103に対する保守管理作業の経験と知識により決定されるため、熟練を要し、その設定作業にかかる作業負荷が大きいという問題が生じていた。
【0012】
また、例えば、高層ビルや大型店舗などの大型な冷凍・空調システムでは、各種の計測項目・監視項目が膨大なものとなってしまうことから、異常通報判定値の設定ミスや設定忘れ等が発生し易いという問題が生じていた。
【0013】
そして、このような設定ミスや設定忘れがあると、試運転時に依然として異常発生通報が残存してしまい、復旧作業負荷がさらに増してしまうという問題も生じていた。
【0014】
本発明は、上記問題を解決するため、異常通報判定値の人手による設定作業を不要とし得て、作業負荷を軽減することができ、しかも、異常通報判定値の人為的な設定ミスや設定忘れを防止することができる冷凍・空調装置の遠隔監視システムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
その目的を達成するため、本発明の冷凍・空調装置の遠隔監視システムは、冷媒回路を構成する冷凍・空調装置に関する計測部位の変調情報を電気通信回線を通じて監視装置で監視する冷凍・空調装置の遠隔監視システムにおいて、
前記計測部位の変調検出のためのしきい値を前記計測部位の計測データの推移に基づいて自動設定する演算部を備えていることを特徴とする。
【0016】
これにより、異常通報判定対象となる各種計測部位の計測データの推移に基づいて異常通報判定のためのしきい値を自動設定することができ、異常通報判定値の人手による設定作業を不要とし得て、作業負荷を軽減することができるうえ、異常通報判定値の人為的な設定ミスや設定忘れを防止することができる。
【0017】
また、本発明の冷凍・空調装置の遠隔監視システムは、前記演算部は、前記冷凍・空調装置の正常運転状態における計測データの推移傾向に基づいて自動設定することを特徴とする。
【0018】
これにより、異常通報判定値の適正化を図ることができ、信頼性を向上することができる。
【0019】
また、本発明の冷凍・空調装置の遠隔監視システムにおける遠隔監視方法は、冷媒回路を構成する冷凍・空調装置に関する計測部位の計測データに対して仮しきい値の割り当て設定をおこなうステップと、計測データの演算処理開始から時系列の現時点の平均値を求めるステップと、計測データの更新の度に仮しきい値の時系列データに基づいて仮しきい値の自動修正を行うステップと、仮しきい値の修正の度に修正前後の仮しきい値が所定値以下となるまで比計算を繰り返すステップと、最新の仮しきい値と最新の計測データの平均値との大小比較を実施した後に仮しきい値>平均値の場合には仮しきい値を再修正時点での最新計測データが所定値となるまで仮しきい値を下げ且つ仮しきい値<平均値の場合には仮しきい値を再修正時点での最新計測データが所定値となるまで仮しきい値を上げるステップとを備えていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の冷凍・空調装置の遠隔監視システムの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係わる冷凍・空調装置の遠隔監視システムのシステムブロック図である。
【0022】
図1において、1は測定・監視対象となる冷凍・空調装置、2はこの冷凍・空調装置2に設けられて圧力や温度などを検出するセンサー、3はセンサー2から出力された検出結果が入力されるA/D変換器、4はA/D変換器3から出力された圧力値や温度などの検出値が入力される内部監視装置、5は内部監視装置4の監視結果を電気通信回線6を通じて監視装置7に出力する通信制御装置である。尚、センサー2は冷凍・空調装置1の運転管理をすべき計測部位に個々に設けられている。
【0023】
図2は、このような冷凍・空調装置1の遠隔監視システムにおける異常通報判定値の自動設定処理ルーチンのフロー図である。
【0024】
このフロー図では、異常通報判定用の上下限しきい値決定の対象となる計測部位の計測データをDとしたとき、その計測データDの時系列のデータDNを、
DN={D1、D2、D3、…、Dn}
とする。
【0025】
(ステップ1)
ステップ1では、計測装置若しくは監視装置が計測データDの統計的処理などの演算処理を用い、計測データDが定常状態に落ち着いていることを確認した後に、計測データDに対して仮しきい値X,Yの割り当てを行ってステップ2へと移行する。尚、ここでは、仮しきい値の上限値(仮上限しきい値)をX0、仮しきい値の下限値(仮下限しきい値)をY0とする。このX0、Y0は、想定される計測データDの範囲よりも大きくかけ離れた値とするよう、仮上限しきい値X0から仮下限しきい値Y0の範囲は広めに設定する。
【0026】
(ステップ2)
ステップ2では、計測データDの演算処理開始から現時点(D1、D2、D3、…、Dn)までの平均値ANを、下記の式(1)、
【数1】
で求めてステップ3へと移行する。
【0027】
(ステップ3)
ステップ3では、計測データDの更新の都度、仮しきい値X,Yの時系列データXN,YNを、
XN={X1、X2、X3、…、Xn}
YN={Y1、Y2、Y3、…、Yn}
としたとき、下記の式(2)、
【数2】
に基づいて仮しきい値X,Yの自動修正を行い、ステップ4へと移行する。
【0028】
(ステップ4)
ステップ4では、上記式(2)に基づく仮しきい値X,Yの修正の都度、以下の式(3)、
【数3】
に従って、修正前後の仮しきい値の比計算を実施し、その比計算結果が1.2以下となるまで繰り返され、比計算結果が1.2を越えた時点でステップ5へと移行する。
【0029】
ここで、修正の都度の比計算は、例えば、仮上限しきい値Xの場合には、
X1/X2、X2/X3、X3/X4、…、Xn−1/Xnの時系列で比計算を行い、
仮下限しきい値Yの場合には、
Y1/Y2、Y2/Y3、Y3/Y4、…、Yn−1/Ynの時系列で比計算を行う。
【0030】
(ステップ5)
ステップ5では、仮しきい値Xn,Ynと最新の計測データDnの平均値Anとの大小比較を実施して、仮しきい値Xn>平均値Anの場合にはステップ6へと移行し、仮しきい値Xn<平均値Anの場合にはステップ7へと移行する。
【0031】
(ステップ6)
ステップ6では、仮しきい値Xn>平均値Anであったことから、仮しきい値Xを再修正時点での最新計測データDn+Zdeg℃となるまで仮しきい値を下げ、以下、仮しきい値の再修正を行う。
【0032】
(ステップ7)
ステップ7では、仮しきい値Xn<平均値Anであったことから、仮しきい値Xを再修正時点での最新計測データDn+Zdeg℃となるまで仮しきい値を上げ、以下、仮しきい値の再修正を行う。
【0033】
なお、上記ステップ6,7において、数値Zは冷凍・空調装置1若しくは計測部位固有の値であり、一義的には決定されるものではなく、計測データDの変化特性や計測部位固有の保護装置の作動値等に基づいて決定される(例えば、5℃など)。
【0034】
また、上記ステップ5〜ステップ7においては、仮しきい値Xに関してのみ説明したが、仮しきい値Yについても同様であるため、その説明は省略した。
【0035】
仮しきい値の修正には、修正終了の限界点を求めておき、その限界点を超えた場合(下回った場合)には修正終了とする。
【0036】
図3は、このような処理ルーチンに基づくしきい値決定のグラフ図である。
【0037】
このグラフ図において、線分Dは元の計測データ、線分Aは平均値データ、線分Xは上限しきい値、線分Yは下限しきい値を示す。
【0038】
このグラフ図においては、X1(Y1はグラフ図外)で仮しきい値が設定(ステップ1に相当)され、X2(Y2はグラフ図外)で仮しきい値が修正(ステップ3に相当)され、X6及びY6で比計算結果(X5/X6、Y5/Y6)が1.2以下となった(ステップ4に相当)ことから修正が終了(X6=X0、Y6=Y0とする)していることを示す。
【0039】
また、ポイントPにおいて、仮しきい値X0が超えたことから、上限しきい値Xに関して再度修正を開始していることを示す。
【0040】
尚、上述したしきい値修正の演算部は、冷凍・空調装置1側に設けてもよいし(例えば、内部監視装置4)、監視装置7に設けてもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明の冷凍・空調装置の遠隔監視システムにあっては、以上説明したように構成したことにより、異常通報判定値の人手による設定作業を不要とし得て、作業負荷を軽減することができ、しかも、異常通報判定値の人為的な設定ミスや設定忘れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる冷凍・空調装置の遠隔監視システムのシステムブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる冷凍・空調装置の遠隔監視システムにおける異常通報判定値の自動設定処理ルーチンのフロー図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる冷凍・空調装置の遠隔監視システムにおけるD、A、X、Y各値の変化の一例のグラフ図である。
【図4】従来の冷凍・空調装置の遠隔監視システムを示すシステム概略図である。
【符号の説明】
1 冷凍・空調装置、6 電気通信回線、7 監視装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍機器や空気調和装置等の冷凍・空調装置、特に、その異常を電気通信回線を通じて遠隔監視する遠隔監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、冷凍機器や空気調和装置等の冷凍・空調装置で異常が発生した場合に、その異常を電気通信回線を通じて監視センター等に報知することでメンテナンス等を行うようにした遠隔監視システムが知られている。
【0003】
図4は、このような遠隔監視システムの一例を示すシステム概略図である。
【0004】
図4において、熱源側ユニット101と利用側負荷ユニット102とで現地側の冷凍・空調装置103を構成している。
【0005】
一方、冷凍・空調装置103の運転状態情報などを遠隔監視する監視センター側の監視装置104は、冷凍・空調装置103と監視装置104との間での通信インターフェイスとなる監視用モデム105と、監視用モデム105と監視装置104との間での情報伝送手段である電話回線などの電気通信回線106とによって冷凍・空調装置103とネットワーク接続されている。
【0006】
このような冷凍・空調装置の遠隔監視システムでは、冷凍・空調装置103にて異常が発生し、例えば、冷凍・空調機能が停止した状態となった場合、その異常発生通報を冷凍・空調装置103から監視装置104が受け、サービスマン等に復旧作業のための出動指令が出される。
【0007】
復旧作業のための出動命令を受けたサービスマンは、異常発生現場にて原因を究明し、その復旧作業を行った後、冷凍・空調装置103の機能が完全に復旧したかの確認作業(試運転等)を行った上で、本格的な運転再開となる。
【0008】
一方、冷凍・空調装置103を遠隔監視する際には、冷凍・空調装置103の圧力や温度、或いは、各種構成機器(例えば、アクチュエータ)の制御値等の計測項目・監視項目に対して上限しきい値並びに下限しきい値を設定すると共に、計測項目・監視項目に応じた許容範囲(誤差等を含む)を予め設定しておき、実際にはその許容範囲を超えた場合に情報遠隔監視システムに対して異常通報を行っている。
【0009】
例えば、冷凍・空調装置103の圧力や温度などの運転データの運転管理は、その運転管理をすべき計測部位に圧力センサーや温度センサー等を設け、これら各種センサーを警報機付き計測装置や監視装置に接続して、その計測装置や監視装置に予め設定された基準値(=許容範囲)を越えた際(変調を検出した際)に監視装置104に異常通報を発信する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の如く構成された冷凍・空調装置の遠隔監視システムにあっては、異常通報判定値、即ち、実際に異常通報を発生させるための値は許容範囲であるが、上述した復旧の場合のみならず、冷凍・空調装置103を新規に設置する場合や既存の冷凍・空調装置103に監視システムを追加する場合等、異常通報判定値としての許容範囲を設定するためには、各種の計測項目・監視項目に対して上限しきい値並びに下限しきい値を人手(例えば、キーボードなどの適宜の入力装置)によって割り当て設定する必要がある。
【0011】
この際、各種の計測項目・監視項目に対して上限しきい値並びに下限しきい値を割り当て設定するには、作業者の冷凍・空調装置103に対する保守管理作業の経験と知識により決定されるため、熟練を要し、その設定作業にかかる作業負荷が大きいという問題が生じていた。
【0012】
また、例えば、高層ビルや大型店舗などの大型な冷凍・空調システムでは、各種の計測項目・監視項目が膨大なものとなってしまうことから、異常通報判定値の設定ミスや設定忘れ等が発生し易いという問題が生じていた。
【0013】
そして、このような設定ミスや設定忘れがあると、試運転時に依然として異常発生通報が残存してしまい、復旧作業負荷がさらに増してしまうという問題も生じていた。
【0014】
本発明は、上記問題を解決するため、異常通報判定値の人手による設定作業を不要とし得て、作業負荷を軽減することができ、しかも、異常通報判定値の人為的な設定ミスや設定忘れを防止することができる冷凍・空調装置の遠隔監視システムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
その目的を達成するため、本発明の冷凍・空調装置の遠隔監視システムは、冷媒回路を構成する冷凍・空調装置に関する計測部位の変調情報を電気通信回線を通じて監視装置で監視する冷凍・空調装置の遠隔監視システムにおいて、
前記計測部位の変調検出のためのしきい値を前記計測部位の計測データの推移に基づいて自動設定する演算部を備えていることを特徴とする。
【0016】
これにより、異常通報判定対象となる各種計測部位の計測データの推移に基づいて異常通報判定のためのしきい値を自動設定することができ、異常通報判定値の人手による設定作業を不要とし得て、作業負荷を軽減することができるうえ、異常通報判定値の人為的な設定ミスや設定忘れを防止することができる。
【0017】
また、本発明の冷凍・空調装置の遠隔監視システムは、前記演算部は、前記冷凍・空調装置の正常運転状態における計測データの推移傾向に基づいて自動設定することを特徴とする。
【0018】
これにより、異常通報判定値の適正化を図ることができ、信頼性を向上することができる。
【0019】
また、本発明の冷凍・空調装置の遠隔監視システムにおける遠隔監視方法は、冷媒回路を構成する冷凍・空調装置に関する計測部位の計測データに対して仮しきい値の割り当て設定をおこなうステップと、計測データの演算処理開始から時系列の現時点の平均値を求めるステップと、計測データの更新の度に仮しきい値の時系列データに基づいて仮しきい値の自動修正を行うステップと、仮しきい値の修正の度に修正前後の仮しきい値が所定値以下となるまで比計算を繰り返すステップと、最新の仮しきい値と最新の計測データの平均値との大小比較を実施した後に仮しきい値>平均値の場合には仮しきい値を再修正時点での最新計測データが所定値となるまで仮しきい値を下げ且つ仮しきい値<平均値の場合には仮しきい値を再修正時点での最新計測データが所定値となるまで仮しきい値を上げるステップとを備えていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の冷凍・空調装置の遠隔監視システムの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係わる冷凍・空調装置の遠隔監視システムのシステムブロック図である。
【0022】
図1において、1は測定・監視対象となる冷凍・空調装置、2はこの冷凍・空調装置2に設けられて圧力や温度などを検出するセンサー、3はセンサー2から出力された検出結果が入力されるA/D変換器、4はA/D変換器3から出力された圧力値や温度などの検出値が入力される内部監視装置、5は内部監視装置4の監視結果を電気通信回線6を通じて監視装置7に出力する通信制御装置である。尚、センサー2は冷凍・空調装置1の運転管理をすべき計測部位に個々に設けられている。
【0023】
図2は、このような冷凍・空調装置1の遠隔監視システムにおける異常通報判定値の自動設定処理ルーチンのフロー図である。
【0024】
このフロー図では、異常通報判定用の上下限しきい値決定の対象となる計測部位の計測データをDとしたとき、その計測データDの時系列のデータDNを、
DN={D1、D2、D3、…、Dn}
とする。
【0025】
(ステップ1)
ステップ1では、計測装置若しくは監視装置が計測データDの統計的処理などの演算処理を用い、計測データDが定常状態に落ち着いていることを確認した後に、計測データDに対して仮しきい値X,Yの割り当てを行ってステップ2へと移行する。尚、ここでは、仮しきい値の上限値(仮上限しきい値)をX0、仮しきい値の下限値(仮下限しきい値)をY0とする。このX0、Y0は、想定される計測データDの範囲よりも大きくかけ離れた値とするよう、仮上限しきい値X0から仮下限しきい値Y0の範囲は広めに設定する。
【0026】
(ステップ2)
ステップ2では、計測データDの演算処理開始から現時点(D1、D2、D3、…、Dn)までの平均値ANを、下記の式(1)、
【数1】
で求めてステップ3へと移行する。
【0027】
(ステップ3)
ステップ3では、計測データDの更新の都度、仮しきい値X,Yの時系列データXN,YNを、
XN={X1、X2、X3、…、Xn}
YN={Y1、Y2、Y3、…、Yn}
としたとき、下記の式(2)、
【数2】
に基づいて仮しきい値X,Yの自動修正を行い、ステップ4へと移行する。
【0028】
(ステップ4)
ステップ4では、上記式(2)に基づく仮しきい値X,Yの修正の都度、以下の式(3)、
【数3】
に従って、修正前後の仮しきい値の比計算を実施し、その比計算結果が1.2以下となるまで繰り返され、比計算結果が1.2を越えた時点でステップ5へと移行する。
【0029】
ここで、修正の都度の比計算は、例えば、仮上限しきい値Xの場合には、
X1/X2、X2/X3、X3/X4、…、Xn−1/Xnの時系列で比計算を行い、
仮下限しきい値Yの場合には、
Y1/Y2、Y2/Y3、Y3/Y4、…、Yn−1/Ynの時系列で比計算を行う。
【0030】
(ステップ5)
ステップ5では、仮しきい値Xn,Ynと最新の計測データDnの平均値Anとの大小比較を実施して、仮しきい値Xn>平均値Anの場合にはステップ6へと移行し、仮しきい値Xn<平均値Anの場合にはステップ7へと移行する。
【0031】
(ステップ6)
ステップ6では、仮しきい値Xn>平均値Anであったことから、仮しきい値Xを再修正時点での最新計測データDn+Zdeg℃となるまで仮しきい値を下げ、以下、仮しきい値の再修正を行う。
【0032】
(ステップ7)
ステップ7では、仮しきい値Xn<平均値Anであったことから、仮しきい値Xを再修正時点での最新計測データDn+Zdeg℃となるまで仮しきい値を上げ、以下、仮しきい値の再修正を行う。
【0033】
なお、上記ステップ6,7において、数値Zは冷凍・空調装置1若しくは計測部位固有の値であり、一義的には決定されるものではなく、計測データDの変化特性や計測部位固有の保護装置の作動値等に基づいて決定される(例えば、5℃など)。
【0034】
また、上記ステップ5〜ステップ7においては、仮しきい値Xに関してのみ説明したが、仮しきい値Yについても同様であるため、その説明は省略した。
【0035】
仮しきい値の修正には、修正終了の限界点を求めておき、その限界点を超えた場合(下回った場合)には修正終了とする。
【0036】
図3は、このような処理ルーチンに基づくしきい値決定のグラフ図である。
【0037】
このグラフ図において、線分Dは元の計測データ、線分Aは平均値データ、線分Xは上限しきい値、線分Yは下限しきい値を示す。
【0038】
このグラフ図においては、X1(Y1はグラフ図外)で仮しきい値が設定(ステップ1に相当)され、X2(Y2はグラフ図外)で仮しきい値が修正(ステップ3に相当)され、X6及びY6で比計算結果(X5/X6、Y5/Y6)が1.2以下となった(ステップ4に相当)ことから修正が終了(X6=X0、Y6=Y0とする)していることを示す。
【0039】
また、ポイントPにおいて、仮しきい値X0が超えたことから、上限しきい値Xに関して再度修正を開始していることを示す。
【0040】
尚、上述したしきい値修正の演算部は、冷凍・空調装置1側に設けてもよいし(例えば、内部監視装置4)、監視装置7に設けてもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明の冷凍・空調装置の遠隔監視システムにあっては、以上説明したように構成したことにより、異常通報判定値の人手による設定作業を不要とし得て、作業負荷を軽減することができ、しかも、異常通報判定値の人為的な設定ミスや設定忘れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる冷凍・空調装置の遠隔監視システムのシステムブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる冷凍・空調装置の遠隔監視システムにおける異常通報判定値の自動設定処理ルーチンのフロー図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる冷凍・空調装置の遠隔監視システムにおけるD、A、X、Y各値の変化の一例のグラフ図である。
【図4】従来の冷凍・空調装置の遠隔監視システムを示すシステム概略図である。
【符号の説明】
1 冷凍・空調装置、6 電気通信回線、7 監視装置。
Claims (3)
- 冷媒回路を構成する冷凍・空調装置に関する計測部位の変調情報を電気通信回線を通じて監視装置で監視する冷凍・空調装置の遠隔監視システムにおいて、
前記計測部位の変調検出のためのしきい値を前記計測部位の計測データの推移に基づいて自動設定する演算部を備えていることを特徴とする冷凍・空調装置の遠隔監視システム。 - 前記演算部は、前記冷凍・空調装置の正常運転状態における計測データの推移傾向に基づいて自動設定することを特徴とする請求項1に記載の冷凍・空調装置の遠隔監視システム。
- 冷媒回路を構成する冷凍・空調装置に関する計測部位の計測データに対して仮しきい値の割り当て設定をおこなうステップと、計測データの演算処理開始から時系列の現時点の平均値を求めるステップと、計測データの更新の度に仮しきい値の時系列データに基づいて仮しきい値の自動修正を行うステップと、仮しきい値の修正の度に修正前後の仮しきい値が所定値以下となるまで比計算を繰り返すステップと、最新の仮しきい値と最新の計測データの平均値との大小比較を実施した後に仮しきい値>平均値の場合には仮しきい値を再修正時点での最新計測データが所定値となるまで仮しきい値を下げ且つ仮しきい値<平均値の場合には仮しきい値を再修正時点での最新計測データが所定値となるまで仮しきい値を上げるステップとを備えていることを特徴とする冷凍・空調装置の遠隔監視システムにおける遠隔監視方法。
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JP2002159397A JP2004003732A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | 冷凍・空調装置の遠隔監視システム及び遠隔監視方法 |
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JP (1) | JP2004003732A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8089090B2 (en) | 2004-07-27 | 2012-01-03 | Cree, Inc. | Ultra-thin ohmic contacts for p-type nitride light emitting devices |
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2002
- 2002-05-31 JP JP2002159397A patent/JP2004003732A/ja active Pending
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