JP2004002802A - Polyester composition, hollow molding, sheet-like article and stretched film therefrom - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル組成物並びにそれからなる中空成形体、シ−ト状物、及び延伸フィルムに関し、特に、溶融成形時の結晶化コントロ−ル性、長時間連続成形性に優れたポリエステル組成物並びに透明性及び耐熱寸法安定性に優れた成形体、シ−ト状物および延伸フイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル(以下PET樹脂と略称することがある)は、その優れた透明性、機械的強度、耐熱性、ガスバリアー性等の特性により、炭酸飲料、ジュース、ミネラルウォータ等の容器の素材として採用されており、その普及はめざましいものがある。これらの用途において、ポリエステル製ボトルに高温で殺菌した飲料を熱充填したり、また飲料を充填後高温で殺菌したりするが、通常のポリエステル製ボトルでは、このような熱充填処理時等に収縮、変形が起こり問題となる。ポリエステル製ボトルの耐熱性を向上させる方法として、ボトル口栓部を熱処理して結晶化度を高めたり、また延伸したボトルを熱固定させたりする方法が提案されている。特に口栓部の結晶化が不十分であったり、また結晶化度のばらつきが大きい場合にはキャップとの密封性が悪くなり、内容物の漏れが生ずることがある。
【0003】
また、ボトル胴部の耐熱性を向上させるため、例えば、特公昭59−6216号公報に見られる通り、延伸ブロー金型の温度を高温にして熱処理する方法が採られる。高温度での熱殺菌処理を受ける用途に使用されるボトルの場合には、結晶化速度が早いPET樹脂を用いると、透明性が悪く、口栓部の結晶化度変動が大きい熱処理ボトルしか得られない。特に成形工場において発生する不良品や使用済みボトルの回収品をボトル成形材料の一部として再使用する場合には、バ−ジン原料の結晶化特性が問題となる。容量が1.5リットル以上の大型ボトルでは肉厚が厚くなるため、このような問題が頻繁に発生する。
【0004】
また、このような方法によって同一金型を用いて多数のボトル成形を続けると、長時間の運転に伴って得られるボトルが白化して透明性が低下し、商品価値のないボトルしか得られなくなる。これは金型表面にPET樹脂に起因する付着物が付き、その結果金型汚れとなり、この金型汚れがボトルの表面に転写するためであることが分かった。特に、近年では、ボトル生産時のコスト低下を目的として、成形速度が高速化されてきており、生産性の面から金型汚れはより大きな問題となってきている。
【0005】
また、果汁飲料などのように熱充填を必要とする内容液の場合には、プリフォームまたは成形されたボトルの口栓部を熱処理して結晶化する方法が一般的である(特許文献2及び特許文献3参照)。このような方法、すなわち口栓部、肩部を熱処理して耐熱性を向上させる方法は、結晶化処理をする時間・温度が生産性に大きく影響し、低温でかつ短時間で処理できる、結晶化速度が速いPET樹脂であることが好ましい。一方、胴部については充填物の色調を悪化させないように、成形時の熱処理を施しても透明であることが要求されており、口栓部と胴部では相反する特性が必要である。
【0006】
このような問題を解決するために種々の提案がなされている。例えば、ポリエチレンテレフタレートにカオリン、タルク等の無機核剤を添加する方法(特許文献4及び5参照)、モンタン酸ワックス塩等の有機核剤を添加する方法(特許文献6及び7参照)があるが、これらの方法は異物やくもりの発生を伴い実用化には問題がある。また、耐熱性樹脂製ピースを口栓部に挿入する方法(特許文献8及び9参照)が提案されているが、ボトルの生産性が悪く、また、リサイクル性にも問題がある。
【0007】
また、PETチップを流動条件下にポリエチレン部材と接触させることによるPETの結晶化速度の改質法(特許文献10)、同様の条件下にポリプロピレン系樹脂またはポリアミド系樹脂からなる部材と接触させることによるPETの結晶化速度の改質法(特許文献11)、ポリエステル樹脂に0.1〜45ppbのポリエチレンを配合したポリエステル樹脂組成物(特許文献12)などが提案されているが、このような方法や組成物の使用によっても、透明性に優れ、透明性の変動が少なく、かつ安定した結晶化速度を持つ成形体を得るのが非常に難しいことが分かった。
【0008】
またこうした金型汚れの問題に対して、従来から、金型表面への付着物の主成分である環状三量体をあらかじめPET樹脂を固相重合することによって減少させる方法が行われているが、この方法では再溶融してプリフォーム成形する際に環状三量体が再生するためその効果は不十分である。また、ポリエステル樹脂を90〜110℃の水で処理して触媒の活性を抑制し、プリフォーム成形時の環状三量体の生成を制御する方法が開示されている(特許文献13)。しかしながら、成形時の金型汚れを減少させるためには十分な処理が必要であり、コスト高になるという問題がある。また、上記の方法で金型汚れは一応低減されるが、場合によっては透明性が悪いボトルしか得られないという問題があり、解決が待たれている。
【0009】
【特許文献1】
特公昭59−6216号公報
【特許文献2】
特開昭55−79237号公報
【特許文献3】
特開昭58ー110221号公報
【特許文献4】
特開昭56−2342号公報
【特許文献5】
特開昭56−21832号公報
【特許文献6】
特開昭57−125246号公報
【特許文献7】
特開昭57−207639号公報
【特許文献8】
特開昭61−259946号公報
【特許文献9】
特開平2−269638号公報
【特許文献10】
特開平9−71639号公報
【特許文献11】
特開平11−209492号公報
【特許文献12】
特開平9−151308号公報
【特許文献13】
特公平3−47830号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の技術の有する問題点を解決し、透明性に優れ、透明性の変動が少なく、溶融成形時の結晶化コントロ−ル性に優れた成形体を与える、長時間連続成形性に優れたポリエステル組成物並びにそれから得られた透明性が良好で、特に、中空成形体の口栓部収縮率が適正な範囲となり、また得られた成形品に残留異味、異臭が発生しにくい中空成形体、シ−ト状物、及び延伸フィルムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のポリエステル組成物は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレ−トであるポリエステルのチップと、前記ポリエステルのチップと同一組成のポリエステルのファイン0.1〜5000ppm、およびポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタ−ル樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の樹脂0.1ppb〜50000ppmとからなるポリエステル組成物であって、DSC(示差走査熱量計)で測定した前記ポリエステルのファインの降温時結晶化温度(Tc2’)が195℃以下であり、さらに前記ポリエステル組成物を290℃の温度で60分間溶融したときの環状三量体増加量が0.50重量%以下であることを特徴とするポリエステル組成物である。
【0012】
この場合において、前記ポリエステルのチップと同一組成のフイルム状物の含有量が、10ppm以下であることができる。
ここで、ファインとはJIS−Z8801による呼び寸法1.7mmの金網をはった篩いを通過したポリエステルの微粉末を意味し、またフイルム状物とはJIS−Z8801による呼び寸法5.6mmの金網をはった篩い上に残ったポリエステルのうち、2個以上のチップが融着したり、あるいは正常な形状より大きく切断されたチップ状物を除去後の、厚みが約0.5mm以下のフイルム状物を意味し、これらの含有量は下記の測定法によって測定する。
またここで、下記に記載するようにファインの降温時結晶化温度(Tc2’)は、示差走査熱量計(DSC)で測定する。
【0013】
この場合において、290℃の温度で60分間溶融したときの環状3量体増加量が、0.70重量%以下であることができる。
この場合において、環状3量体含有量が、0.5重量%以下であることができる。
この場合において、前記ポリエステルが、溶融重縮合後のチップ化工程において冷却水中のナトリウムの含有量、マグネシウムの含有量、珪素の含有量及びカルシウムの含有量をそれぞれN、M、S、Cとした場合、下記の(1)〜(4)の少なくとも一つを満足する冷却水を使用してチップ化されたポリエステルであることができる。
N ≦ 1.0(ppm) (1)
M ≦ 0.5(ppm) (2)
S ≦ 2.0(ppm) (3)
C ≦ 1.0(ppm) (4)
【0014】
また、この場合において、中空成形体が、前記記載のポリエステル組成物を成形してなるものであることができる。
また、この場合において、シ−ト状物が、前記記載のポリエステル組成物を成形してなるものであることができる。
さらにまた、この場合において、延伸フイルムが、シ−ト状物を少なくとも1方向に延伸してなるものであることができる。
【0015】
上記の本発明のポリエステル組成物は、成形時に金型汚れが発生しにくく、透明性に優れ、透明性の変動が少なく、また成形時の結晶化コントロ−ル性に優れ、かつ優れた耐熱性、機械的特性、残留異味、異臭が少なく保香性の優れた中空成形体、シ−ト状物や延伸フイルムを与える。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリエステル組成物並びにそれからなる中空成形体、シ−ト状物及び延伸フイルムの実施の形態を具体的に説明する。
本発明に係るポリエステルは、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレ−トであるポリエステルであって、好ましくはエチレンテレフタレ−ト単位を85モル%以上含む線状ポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95%モル以上含む線状ポリエステルである。
【0017】
前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としてのジカルボン酸としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ−ル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体などが挙げられる。
【0018】
前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としてのグリコ−ルとしては、ジエチレングリコ−ル、1,3−トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコ−ル、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリブチレングリコ−ル等のポリアルキレングリコ−ルなどが挙げられる。
【0019】
さらに、前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としての多官能化合物としては、酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができ、グリコ−ル成分としてグリセリン、ペンタエリスリト−ルを挙げることができる。以上の共重合成分の使用量は、ポリエステルが実質的に線状を維持する程度でなければならない。また、単官能化合物、例えば安息香酸、ナフトエ酸等を共重合させてもよい。
【0020】
前記のポリエステルは、テレフタ−ル酸とエチレングリコ−ルおよび必要により上記共重合成分を直接反応させて水を留去しエステル化した後、重縮合触媒としてアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、アルミニウム化合物またはチタン化合物から選ばれた1種またはそれ以上の化合物を用いて減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、またはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコ−ルおよび必要により上記共重合成分をエステル交換触媒の存在下で反応させてメチルアルコ−ルを留去しエステル交換させた後、重縮合触媒としてアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物またはアルミニウム化合物から選ばれた1種またはそれ以上の化合物を用いて主として減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。
【0021】
前記の出発原料であるテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸またはエチレングリコールとしては、パラキシレンから誘導されるバージンのジメチルテレフタレート、テレフタル酸あるいはエチレンから誘導されるエチレングリコールは勿論のこと、使用済みPETボトルからメタノール分解やエチレングリコール分解などのケミカルリサイクル法により回収したジメチルテレフタレート、テレフタル酸、ビスヒドロキシエチルテレフタレートあるいはエチレングリコールなどの回収原料も、出発原料の少なくとも一部として利用することが出来る。前記回収原料の品質は、使用目的に応じた純度、品質に精製されていなければならないことは言うまでもない。
【0022】
さらにポリエステル樹脂の分子量を増大させ、アセトアルデヒド含有量を低下させるために固相重合を行ってもよい。固相重合前の結晶化促進のため、溶融重縮合ポリエステルを吸湿させたあと加熱結晶化させたり、また水蒸気を直接ポリエステルチップに吹きつけて加熱結晶化させたりしてもよい。
【0023】
まず固相重合に供される前記のポリエステルは、不活性ガス下または減圧下あるいは水蒸気または水蒸気含有不活性ガス雰囲気下において、100〜210℃の温度で1〜5時間加熱して予備結晶化される。次いで不活性ガス雰囲気下または減圧下に190〜230℃の温度で1〜30時間の固相重合を行う。
【0024】
前記溶融重縮合反応は、回分式反応装置で行っても良いし、また連続式反応装置で行っても良い。これらいずれの方式においても、溶融重縮合反応は1段階で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様、回分式装置や連続式装置で行うことが出来る。溶融重縮合と固相重合は連続で行っても良いし、分割して行ってもよい。
【0025】
本発明に係るポリエステルの製造に使用されるアンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酒石酸アンチモン、酒石酸アンチモンカリ、オキシ塩化アンチモン、アンチモングリコレ−ト、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン等が挙げられる。アンチモン化合物は、生成ポリマ−中のアンチモン残存量として50〜250ppmの範囲になるように添加する。
【0026】
本発明に係るポリエステルの製造に使用されるゲルマニウム化合物としては、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、蓚酸ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシド、亜リン酸ゲルマニウム等が挙げられる。ゲルマニウム化合物を使用する場合、その使用量はポリエステル中のゲルマニウム残存量として5〜150ppm、好ましくは10〜100ppm、更に好ましくは15〜70ppmである。
【0027】
本発明に係るポリエステルの製造に使用されるチタン化合物としては、テトラエチルチタネ−ト、テトライソプロピルチタネ−ト、テトラ−n−プロピルチタネ−ト、テトラ−n−ブチルチタネ−ト等のテトラアルキルチタネ−トおよびそれらの部分加水分解物、酢酸チタン、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルナトリウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸チタニルカルシウム、蓚酸チタニルストロンチウム等の蓚酸チタニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩化チタン、チタンハロゲン化物の加水分解物、シュウ化チタン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリウム、六フッ化チタン酸アンモニウム、六フッ化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マンガン、チタンアセチルアセトナート等が挙げられる。チタン化合物は、生成ポリマ−中のチタン残存量として0.1〜10ppmの範囲になるように添加する。
【0028】
本発明に係るポリエステルの製造に使用されるアルミニウム化合物としては、具体的には、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アクリル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、トリクロロ酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、サリチル酸アルミニウムなどのカルボン酸塩、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸塩、アルミニウムメトキサイド、アルミニウムエトキサイド、アルミニウムn−プロポキサイド、アルミニウムiso−プロポキサイド、アルミニウムn−ブトキサイド、アルミニウムt−ブトキサイドなどアルミニウムアルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテートジiso−プロポキサイドなどのアルミニウムキレート化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物およびこれらの部分加水分解物、酸化アルミニウムなどが挙げられる。これらのうちカルボン酸塩、無機酸塩およびキレート化合物が好ましく、これらの中でもさらに塩基性酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムおよびアルミニウムアセチルアセトネートがとくに好ましい。アルミニウム化合物は、生成ポリマ−中のアルミニウム残存量として5〜200ppmの範囲になるように添加する。
【0029】
これらの触媒化合物は、例えばエチレングリコール溶液としてエステル交換工程中またはエステル交換反応終了後から重縮合反応開始までの任意の段階、あるいはエステル化工程中またはエステル化反応終了後から重縮合反応開始までの任意の段階において添加することができる。
【0030】
また、本発明のポリエステル組成物は、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属化合物を含有してもよい。これらのアルカリ金属、アルカリ土類金属としては、リチウム,ナトリウム、カリウム,ルビジウム,セシウム,ベリリウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウムから選択される少なくとも1種であることが好ましく、アルカリ金属ないしその化合物がより好ましい。アルカリ金属ないしその化合物を使用する場合、特に、リチウム,ナトリウム、カリウムの使用が好ましい。アルカリ金属やアルカリ土類金属の化合物としては、例えば、これら金属のギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸などの飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸塩、乳酸、クエン酸、サリチル酸などのヒドロキシカルボン酸塩、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、炭酸水素、リン酸水素、硫化水素、亜硫酸、チオ硫酸、塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸などの無機酸塩、1−プロパンスルホン酸、1−ペンタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸塩、ラウリル硫酸などの有機硫酸塩、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシなどのアルコキサイド、アセチルアセトネートなどとのキレート化合物、水素化物、酸化物、水酸化物などが挙げられる。アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物は、生成ポリマ−中のこれらの元素の残存量として1〜50ppmの範囲になるように添加する。
【0031】
またこれらのアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物は、重合反応の任意の段階で反応系に添加することができる。例えばエステル化反応もしくはエステル交換反応の開始前および反応途中の任意の段階あるいは重縮合反応の開始直前あるいは重縮合反応途中の任意の段階で反応系への添加することができる。
前記のアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物は、粉体、水溶液、エチレングリコ−ル溶液等として反応系に添加される。
【0032】
さらにまた、本発明のポリエステル組成物は、ケイ素、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ガリウム、ストロンチウム、ジルコニウム、錫、タングステン、鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む金属化合物を含有してもよい。
【0033】
これらの金属化合物としては、これら元素の酢酸塩等の飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸塩などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸塩、乳酸塩などのヒドロキシカルボン酸塩、炭酸塩などの無機酸塩、1−プロパンスルホン酸塩などの有機スルホン酸塩、ラウリル硫酸などの有機硫酸塩、酸化物、水酸化物、塩化物、アルコキサイド、アセチルアセトナ−ト等とのキレ−ト化合物があげられ、粉体、水溶液、エチレングリコ−ル溶液、エチレングリコ−ルのスラリ−等として反応系に添加される。これらの金属化合物は、生成ポリマ−1トン当りのこれらの金属化合物の元素の残存量として0.05〜3.0モルの範囲になるように添加する。
【0034】
また、安定剤として種々のリン化合物を使用することができる。本発明で使用されるリン化合物としては、リン酸系化合物、亜リン酸系化合物、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物が挙げられる。具体例としてはリン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニールエステル、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸モノブチルエステル、リン酸ジブチルエステル、亜リン酸、亜リン酸トリメチルエステル、亜リン酸トリエチルエステル、亜リン酸トリブチルエステル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、エチルホスホン酸ジメチルエステル、フェニールホスホン酸ジメチルエステル、フェニールホスホン酸ジエチルエステル、フェニールホスホン酸ジフェニールエステル、ベンジルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチル、ジフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸メチル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、フェニルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸メチル、フェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィンオキサイド、メチルジフェニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド等であり、これらは単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。リン化合物は、生成ポリマ−中のリン残存量として5〜100ppmの範囲になるように前記のポリエステル生成反応工程の任意の段階で添加する。
【0035】
また、前記以外の金属化合物も、本発明のポリエステル組成物の特性に影響を与えない範囲で用いることができる。具体的な例としては、銅、ホウ素、インジウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、ビスマス、クロム、モリブデン、テルル、ニッケルなどの、酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、アルコキサイドおよび脂肪族又は芳香族カルボン酸塩などが挙げられる。
【0036】
また、本発明に係るポリエステルの製造において、塩基性窒素化合物を用いることができる。塩基性窒素化合物としては、脂肪族、脂環式、芳香族および複素環式窒素化合物のいずれでもかまわない。具体例としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、キノリン、ジメチルベンジルアミン、ピペリジン、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルベンジルアンモニウムハイドロオキサイド、イミダゾール、イミダゾリン等が挙げられる。これらの化合物は遊離形で用いてもよいし、低級脂肪酸やTPAの塩として用いてもよい。またこれらの塩基性窒素化合物の反応系への添加は、初期重縮合反応が終了するまでの任意の段階で適宜選ぶことが出来、単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
【0037】
これらの塩基性窒素化合物の配合量は、ポリエステル当り0.01〜1モル%、好ましくは0.05〜0.7モル%、更に好ましくは0.1〜0.5モル%である。塩基性窒素化合物の配合量が0.01モル%未満では得られたポリエステルからの中空成形体、特に延伸熱固定中空成形体の透明性が非常に悪くなることがある。また、1モル%を超えるとポリエステルの色調が悪くなることがある。
【0038】
本発明のポリエステル組成物は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレ−トであるポリエステルのチップと、前記ポリエステルのチップと同一組成のポリエステルのファイン0.1〜5000ppm、およびポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタ−ル樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の樹脂0.1ppb〜50000ppmとからなるポリエステル組成物であって、DSC(示差走査熱量計)で測定した前記ポリエステルのファインの降温時結晶化温度(Tc2’)が195℃以下であり、さらに前記ポリエステル組成物を290℃の温度で60分間溶融したときの環状三量体増加量が0.50重量%以下であることを特徴とするポリエステル組成物である。
【0039】
ポリエステルの製造工程の中で、溶融重合ポリマーをチップ化する工程、固相重合工程、溶融重合ポリマーチップや固相重合ポリマーチップを輸送する工程等において、本来造粒時に設定した大きさのチップよりかなり小さな粒状体や粉等が発生する。ここでは、このような微細な粒状体や粉等をファイン、また厚みが約0.5mm以下の薄膜状物をフイルム状物と称する。ポリエステルを製造する工程では純度の高い原料や副材料を使用すると共に、溶融重縮合ポリマ−の濾過、ポリエステルチップの冷却水の濾過やイオン交換処理、チップの水処理に系外より導入する水の濾過やイオン交換処理、チップの搬送等に使用する気体の濾過等により使用ポリエステル以外の異物や夾雑物が混入しないような対策を実施するので、前記ファインやフイルム状物にはポリエステル以外の異物や夾雑物を含まないようにすることが出来る。
【0040】
このようなファインやフイルム状物は結晶化を促進させる性質を持っており、多量に存在する場合には、このようなポリエステル組成物から成形した成形体、特にボトルの透明性が非常に悪くなったり、ボトル口栓部結晶化時の収縮量が規定値の範囲内に収まらずキャップで密栓できなくなることがある。特に、降温時結晶化温度(Tc2’)が195℃を超えるファインは結晶化促進効果が非常に大きいので、このようなファインを含まないようにすることが大切である。
【0041】
本発明のポリエステル組成物中での前記のファインの含有量は、0.1〜5000ppm、好ましくは0.1〜3000ppm、より好ましくは0.1〜1000ppm、さらに好ましくは0.1〜500ppm、最も好ましくは0.1〜100ppmである。ファインの含有量が0.1ppm未満の場合は、結晶化速度が非常におそくなり、中空成形体の口栓部の結晶化が不十分となり、このため口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないためキャッピング不良現象が発生したり、また容器成形後の寸法安定性が悪いシ−ト状物を与えることがある。また5000ppmを超える場合は、結晶化速度が早くなると共に、その速度の変動も大きくなる。したがって、シート状物の場合は、透明性や表面状態が悪くなり、これを延伸した場合、厚み斑が悪くなる。また中空成形体の口栓部の結晶化度が過大、かつ変動大となり、このため口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないため口栓部のキャッピング不良となり内容物の漏れが生じたり、また中空成形用予備成形体が白化し、このため正常な延伸が不可能となる。特に、延伸中空成形体用のポリエステル組成物のファイン含有量は、0.1〜500ppmが好ましく、より好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、特に好ましくは30ppm以下、最も好ましくは20ppm以下である。
【0042】
そして、本発明のポリエステル組成物を構成するファインの、DSC(示差走査熱量計)で測定される降温時結晶化温度(Tc2’)が195℃以下、好ましくは193℃以下、さらに好ましくは190℃以下であることが必要である。ポリエステル組成物を構成するファインの降温時結晶化温度(Tc2’)が195℃を超える場合には、得られた中空成形体等の成形体の透明性が悪く、またその変動も大となり、透明性に優れた成形体が得られないことがある。また成形体の結晶化速度が早いために、中空成形体口栓部の加熱時、結晶化速度が早くなるので口栓部の結晶化が過大となることがある。その結果、口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないため口栓部のキャッピング不良となり内容物の漏れが生じたりすることがある。また中空成形用予備成形体が白化し、このため正常な延伸が不可能となり、厚み斑が生じる場合がある。また、得られたシ−ト状物は、透明性が悪く、結晶化速度が早いので、正常な延伸が不可能で、厚み斑の大きな、透明性の悪い延伸フイルムしか得られない場合がある。
【0043】
また、本発明のポリエステル組成物中での前記ポリエステルと同一組成のフイルム状物の含有量は、10ppm以下、好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下である。フイルム状物は、配向結晶化しているためか、ファインよりも結晶化促進効果が高く、そのため悪影響を与えない配合量の限度値は低くなる。配合量が10ppmを超える場合は、結晶化速度が非常に早くなり、中空成形容器の口栓部の結晶化が過大となり、このため口栓部の収縮量が規定値の範囲内に収まらず、口栓部のキャッピング不良となり、内容物の漏れが生じたり、また中空成形用予備成形体が白化し、このため正常な延伸が不可能となる場合がある。またこのフイルム状物の含有量の下限値は経済的な理由などから0.1ppmであることが望ましい。ファインの降温時結晶化温度(Tc2’)が195℃以下のばあいでも、フイルム状物の降温時結晶化温度(Tc2’)は195℃以上であることが多い。
【0044】
また、本発明において、ポリエステルのファインやフイルム状物がポリエステルのチップと同一組成であるとは、ファインやフイルム状物の共重合成分、及び前記共重合成分含有量が、ポリエステルのチップと同一であることを意味する。
【0045】
溶融重縮合されたポリエステルはチップ化されたあと、輸送配管中をサイロ等へ輸送されたり、また固相重合工程や水処理工程などの次の工程に輸送される。
この際、約50〜60℃以上の温度を保持する溶融重縮合チップを、前記チップに大きなせん断力や衝撃力がかかる輸送方法で輸送したり、あるいは、配管中を空気による低密度方式によって高速度で輸送したりすると、前記のような195℃以上の降温時結晶化温度(Tc2’)を持つファインやフイルム状物が発生する。
【0046】
また、このようなファイン等をさらに結晶化処理や固相重合処理時のような約100℃以上の高温の処理に曝したり、あるいは回転式固相重合装置を用いて前記のような高温度下にチップに衝撃力を掛けながら結晶化したり、固相重合すると、ファイン等の降温時結晶化温度(Tc2’)はさらに上昇する。
【0047】
したがって、本発明のポリエステル組成物は、例えば下記のようにしてポリエステルチップに衝撃力やせん断力が出来るだけ掛からないようにして製造することができる。すなわち、溶融重縮合後ダイスより溶融ポリエステルを水中に押出して水中でカットする方式、あるいは大気中に押出した後、直ちに冷却水で冷却しながらカットする方式によってチップ温度が約50〜60℃を越えない温度まで冷却しながらチップ化し、ついでチップ状に形成したポリエステルチップを水切り後、チップ温度が約60℃を超えない条件下で、振動式篩工程や振動篩工程および空気流による気流分級工程によって所定のサイズ以外の形状のチップやファインやフイルム状物を除去したり、またプラグ輸送方式やバケット式コンベヤ−輸送方式により貯蔵用タンクに送る。前記タンクからのチップの抜出はスクリュ−式フィ−ダ−により、次工程へはプラグ輸送方式やバケット式コンベヤ−輸送方式によって輸送し、次工程の直前に空気流による気流分級工程等を設けてファイン等除去処理を行うのが好ましい。
【0048】
また、必要に応じて、引き続き固相重合する場合には、ファインやフイルム状物の除去処理を行った前記の溶融重縮合ポリエステルを再度、固相重合工程直前で空気流による気流分級工程等によってファインやフイルム状物の除去を行い、固相重合工程へ投入する。溶融重縮合したプレポリマ−チップを固相重合設備へ輸送する際や固相重合後のポリエステルチップを篩分工程や貯槽等へ輸送する際には、これらの輸送の大部分はプラグ輸送方式やバケット式コンベヤ輸送方式を採用し、また結晶化装置や固相重合反応器からのチップの抜出しはスクリュ−フィ−ダ−を使用するなどして、チップと工程の機器や輸送配管等との衝撃を出来るだけ抑えることができる装置を使用するのが好ましい。そして、製品として容器に充填する直前において振動篩工程および空気流による気流分級工程によってファイン等の除去処理を行う。
【0049】
次いで、下記で説明するように溶融重縮合ポリエステルや固相重合ポリエステルを水や水蒸気と接触処理を行う場合などにおいては、前記処理直前に空気流による気流分級工程等を設けてファインやフイルム状物の除去を実施し、次工程への輸送にはプラグ輸送方式やバケット式コンベヤ−輸送方式を採用するのが好ましい。そして、前記と同じように、製品として容器に充填する直前において振動篩工程および空気流による気流分級工程によってファイン等の除去処理を行う。
【0050】
本発明において、ポリエステルのファインやフイルム状物の含有量を前記の範囲に調節する方法としては、例えば、篩分工程を通していない、降温時結晶化温度(Tc2’)が195℃以下のファインやフイルム状物の含有量の高いポリエステルチップと篩分工程及び空気流によるファイン等除去工程を通した、降温時結晶化温度 (Tc2’)が195℃以下のファインやフイルム状物の含有量の非常に少ないポリエステルチップを適当な割合で混合する方法によるほか、ファイン等除去工程の篩の目開きを変更することにより調節することもでき、また篩分速度を変更することによるなど任意の方法を用いることができる。
【0051】
また、透明性に優れ、透明性の変動が少なく、また成形時の結晶化コントロ−ル性に優れた成形体を与えるポリエステル組成物を得るためには、ポリエステル組成物からのチップ単独を成形して得た成形体の降温時結晶化温度(Tc2)の値も重要であって、チップ単独からの成形体の降温時結晶化温度(Tc2)は190℃以下であることが望ましい。なお、成形体の降温時結晶化温度(Tc2)は、次のようにして求める。ポリエステル組成物からチップのみを選び、下記の実施例(12)の方法で得た段付成形板の2mm厚みのプレートの中央部からの試料10mgを下記の測定法(8)に記載した装置を用いて、室温から290℃まで20℃/分の速度で昇温し、290℃で3分間保持し、次いで240℃までは10℃/分の速度で降温し、さらに室温までは7℃/分の速度で降温して、降温時に観察される結晶化ピーク温度を求め、これを成形体の降温時結晶化温度(Tc2)とする。
【0052】
また、本発明のポリエステル組成物を290℃の温度で60分間溶融した時の環状三量体の増加量が0.50重量%以下であることが必要である。環状三量体の増加量は好ましくは0.40重量%以下、より好ましくは0.30重量%以下、さらに好ましくは0.20重量%以下であることが好ましい。290℃の温度で60分間溶融した時の環状三量体の増加量が0.50重量%を越えると、成形の樹脂溶融時に環状三量体量が増加し、加熱金型表面へのオリゴマ−付着が急激に増加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化することがある。特に、265℃を越える融解ピ−ク温度のファインを含むポリエステル組成物の場合は、前記の環状三量体の増加量が0.50重量%以下であっても、得られた成形体の透明性は非常に悪化し、商品価値が無くなる場合がある。
【0053】
290℃の温度で60分間溶融した時の環状三量体の増加量が0.50重量%以下である本発明のポリエステル組成物は、溶融重縮合後や固相重合後に得られたポリエステルの重縮合触媒を失活処理することにより製造することができる。
【0054】
ポリエステルの重縮合触媒を失活処理する方法としては、溶融重縮合後や固相重合後にポリエステルチップを水や水蒸気または水蒸気含有気体と接触処理する方法が挙げられる。環状三量体の増加量の程度は、接触処理温度や接触処理時間などの接触処理条件を適宜変更することによって制御することができる。
【0055】
前記の目的を達成するためにポリエステルチップを水や水蒸気または水蒸気含有気体と接触処理する方法を次に述べる。
熱水処理方法としては、水中に浸ける方法やシャワ−でチップ上に水をかける方法等が挙げられる。処理時間としては5分〜2日間、好ましくは10分〜1日間、さらに好ましくは30分〜10時間で、水の温度としては20〜180℃、好ましくは40〜150℃、さらに好ましくは50〜120℃である。
【0056】
以下に水処理を工業的に行う方法を例示するが、これに限定するものではない。また処理方法は連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えないが、工業的に行うためには連続方式の方が好ましい。
ポリエステルのチップをバッチ方式で水処理する場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。すなわちバッチ方式でポリエステルのチップをサイロへ受け入れ水処理を行う。ポリエステルのチップを連続方式で水処理する場合は、塔型の処理槽に継続的又は間欠的にポリエステルのチップを上部より受け入れ、水処理させることができる。
【0057】
そして、水処理方法が連続方式の場合であってもバッチ的の場合であっても、系外から導入する水の中に存在する粒径が1〜25μmの粒子の個数をX、ナトリウムの含有量をN、マグネシウムの含有量をM、カルシウムの含有量Cを、珪素の含有量をSとした場合、下記(5)〜(9)の少なくとも一つ、好ましくはすべてを満足させて水処理を行う。
【0058】
水処理槽に導入する水中の粒子個数、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、珪素の含有量のいずれかを上記範囲に設定することにより、スケールと呼ばれる酸化物や水酸化物等の金属含有物質が処理水中に浮遊、沈殿、さらには処理槽壁や配管壁に付着したりし、これがポリエステルチップに付着、浸透して、成形時での結晶化が促進され、透明性の悪いボトルになることを防ぐことができる。水処理槽に導入する水中の粒子数を50000個/10ml以下にする方法としては、工業用水等の自然水を処理槽に供給するまでの工程の少なくとも1ヶ所以上に粒子を除去する装置を設置する。
【0059】
また水処理槽に導入する水中のナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を低減させるために、工業用水等の自然水を処理槽に供給するまでの工程で少なくとも1ヶ所以上にナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を除去する装置を設置する。これらの装置としてはチップ冷却水の処理に使用するのと同様の装置が挙げられる。
【0060】
またポリエステルのチップと水蒸気または水蒸気含有ガスとを接触させて処理する場合は、50〜150℃、好ましくは50〜110℃の温度の水蒸気または水蒸気含有ガスあるいは水蒸気含有空気を好ましくは粒状ポリエチレンテレフタレ−ト1kg当り、水蒸気として0.5g以上の量で供給させるか、または存在させて粒状ポリエチレンテレフタレ−トと水蒸気とを接触させる。
この、ポリエステルのチップと水蒸気との接触は、通常10分間〜2日間、好ましくは20分間〜10時間行われる。
【0061】
以下に粒状ポリエチレンテレフタレ−トと水蒸気または水蒸気含有ガスとの接触処理を工業的に行なう方法を例示するが、これに限定されるものではない。また処理方法は連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない。
【0062】
ポリエステルのチップをバッチ方式で水蒸気と接触処理をする場合は、サイロタイプの処理装置が挙げられる。すなわちポリエステルのチップをサイロへ受け入れ、バッチ方式で、水蒸気または水蒸気含有ガスを供給し接触処理を行なう。
【0063】
ポリエステルのチップを連続的に水蒸気と接触処理する場合は塔型の処理装置に連続で粒状ポリエチレンテレフタレ−トを上部より受け入れ、並流あるいは向流で水蒸気を連続供給し水蒸気と接触処理させることができる。
【0064】
上記の如く、水又は水蒸気で処理した場合は粒状ポリエチレンテレフタレ−トを必要に応じて振動篩機、シモンカ−タ−などの水切り装置で水切りし、コンベヤ−によって次の乾燥工程へ移送する。
【0065】
水又は水蒸気と接触処理したポリエステルのチップの乾燥は通常用いられるポリエステルの乾燥処理を用いることができる。連続的に乾燥する方法としては、上部よりポリエステルのチップを供給し、下部より乾燥ガスを通気するホッパ−型の通気乾燥機が通常使用される。
バッチ方式で乾燥する乾燥機としては大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥してもよい。
【0066】
乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えないが、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子量低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好ましい。
【0067】
また重縮合触媒を失活させる別の手段として、リン化合物を溶融重縮合後または固相重合後のポリエステルの溶融物に添加、混合して重合触媒を不活性化する方法が挙げられる。
【0068】
溶融重合ポリエステルの場合には、溶融重合反応終了後のポリエステルと、リン化合物を配合したポリエステル樹脂とを溶融状態で混合できるラインミキサ−等の機器中で混合して重縮合触媒を不活性化する方法が挙げられる。
【0069】
また固相重合ポリエステルにリン化合物を配合する方法としては、固相重合ポリエステルにリン化合物をドライブレンドする方法やリン化合物を溶融混練して配合したポリエステルマスタ−バッチチップと固相重合ポリエステルチップを混合する方法によって所定量のリン化合物をポリエステルに配合後、押出機や成形機中で溶融し、重縮合触媒を不活性化する方法等が挙げられる。
【0070】
使用されるリン化合物としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体等が挙げられる。具体例としてはリン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニ−ルエステル、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸モノブチルエステル、リン酸ジブチルエステル、亜リン酸、亜リン酸トリメチルエステル、亜リン酸トリエチルエステル、亜リン酸トリブチルエステル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、エチルホスホン酸ジメチルエステル、フェニ−ルホスホン酸ジメチルエステル、フェニ−ルホスホン酸ジエチルエステル、フェニ−ルホスホン酸ジフェニ−ルエステル等であり、これらは単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0071】
本発明のポリエステル樹脂組成物中には、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタ−ル樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の樹脂を0.1ppb〜50000ppm含むことが必要である。本発明において用いられる前記樹脂のポリエステルへの配合割合は、0.1ppb〜50000ppm、好ましくは0.3ppb〜10000ppm、より好ましくは0.5ppb〜100ppm、さらに好ましくは1.0ppb〜1ppm、特に好ましくは1.0ppb〜45ppbである。配合量が0.1ppb未満の場合は、結晶化速度が非常におそくなり、中空成形体の口栓部の結晶化が不十分となるため、サイクルタイムを短くすると口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないためキャッピング不良となったり、また、耐熱性中空成形体を成形する延伸熱固定金型の汚れが激しく、透明な中空成形体を得ようとすると頻繁に金型掃除をしなければならない場合がある。また50000ppmを超える場合は、結晶化速度が早くなり、中空成形体の口栓部の結晶化が過大となり、このため口栓部の収縮収縮量が規定値範囲内におさまらないためキャッピング不良となり内容物の漏れが生じたり、また中空成形体用予備成形体が白化し、このため正常な延伸が不可能となる場合がある。また、シ−ト状物の場合、50000ppmを越えると透明性が非常に悪くなり、また延伸性もわるくなって正常な延伸が不可能で、厚み斑の大きな、透明性の悪い延伸フイルムしか得られない場合がある。
【0072】
本発明のポリエステル組成物に配合されるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはα−オレフィン系樹脂が挙げられる。またこれらの樹脂は結晶性でも非晶性でもかまわない。
【0073】
本発明のポリエステル組成物に配合されるポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンと、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数2〜20程度の他のα−オレフィンや、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、不飽和エポキシ化合物等のビニル化合物との共重合体等が挙げられる。具体的には、例えば、超低・低・中・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鎖状)のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のエチレン系樹脂が挙げられる。
【0074】
また本発明のポリエステル組成物に配合されるポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンと、エチレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数2〜20程度の他のα−オレフィンや、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン等のビニル化合物との共重合体、あるいはヘキサジエン、オクタジエン、デカジエン、ジシクロペンタジエン等のジエンとの共重合体等が挙げられる。具体的には、例えば、プロピレン単独重合体(アタクチック、アイソタクチック、シンジオタクチックポリプロピレン)、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体等のプロピレン系樹脂が挙げられる。
【0075】
また本発明のポリエステル組成物に配合されるα−オレフィン系樹脂としては、4−メチルペンテン−1等の炭素数2〜8程度のα−オレフィンの単独重合体、それらのα−オレフィンと、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数2〜20程度の他のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。具体的には、例えば、ブテン−1単独重合体、4−メチルペンテン−1単独重合体、ブテン−1−エチレン共重合体、ブテン−1−プロピレン共重合体等のブテン−1系樹脂や4−メチルペンテン−1とC2〜C18のα−オレフィンとの共重合体、等が挙げられる。
【0076】
また、本発明のポリエステル組成物に配合されるポリアミド樹脂としては、例えば、ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタム等のラクタムの重合体、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸の重合体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)等の脂環式ジアミン、m−又はp−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等のジアミン単位と、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等のジカルボン酸単位との重縮合体、及びこれらの共重合体等が挙げられ、具体的には、例えば、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン611、ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロンMXD6、ナイロン6/MXD6、ナイロンMXD6/MXDI、ナイロン6/66、ナイロン6/610、ナイロン6/12、ナイロン6/6T、ナイロン6I/6T等が挙げられる。またこれらの樹脂は結晶性でも非晶性でもかまわない。
【0077】
また、本発明のポリエステル組成物に配合されるポリアセタ−ル樹脂としては、例えばポリアセタ−ル単独重合体や共重合体が挙げられる。ポリアセタ−ル単独重合体としては、ASTM−D792の測定法により測定した密度が1.40〜1.42g/cm3、ASTMD−1238の測定法により、190℃、荷重2160gで測定したメルトフロー比(MFR)が0.5〜50g/10分の範囲のポリアセタ−ルが好ましい。
【0078】
また、ポリアセタ−ル共重合体としては、ASTM−D792の測定法により測定した密度が1.38〜1.43g/cm3、ASTMD−1238の測定法により、190℃、荷重2160gで測定したメルトフロー比(MFR)が0.4〜50g/10分の範囲のポリアセタ−ル共重合体が好ましい。これらの共重合成分としては、エチレンオキサイドや環状エ−テルが挙げられる。
【0079】
本発明における前記のポリオレフィン樹脂等を配合したポリエステル組成物の製造は、前記ポリエステルに前記ポリオレフィン樹脂等の樹脂を、その含有量が前記範囲となるように直接に添加し溶融混練する方法、または、マスタ−バッチとして添加し溶融混練する方法等の慣用の方法によるほか、前記樹脂を、前記ポリエステルの製造段階、例えば、溶融重縮合時、溶融重縮合直後、予備結晶化直後、固相重合時、固相重合直後等のいずれかの段階、または、製造段階を終えてから成形段階に到るまでの工程などで、粉粒体として直接に添加するか、或いは、前記ポリエステルチップを流動条件下に前記樹脂製部材に接触させる等の方法で混入させる方法、または前記の接触処理後、溶融混練する方法等によることもできる。
【0080】
ここで、ポリエステルチップを流動条件下に前記樹脂製の部材に接触させる方法としては、前記樹脂製の部材が存在する空問内で、ポリエステルチップを前記部材に衝突接触させることが好ましく、具体的には、例えば、ポリエステルの溶融重縮合直後、予備結晶化直後、固相重合直後等の製造工程時、また、ポリエステルチップの製品としての輸送段階等での輸送容器充填・排出時、また、ポリエステルチップの成形段階での成形機投入時、等における気力輸送配管、重力輸送配管、サイロ、マグネットキャッチャ−のマグネット部等の一部を前記樹脂製とするか、前記樹脂製フイルム、シート、成形体などを貼り付けるか、または、前記樹脂をライニングするとか、或いは前記移送経路内に棒状又は網状体等の前記樹脂製部材を設置する等して、ポリエステルチップを移送する方法が挙げられる。ポリエステルチップの前記部材との接触時間は、通常、0.01秒〜数分程度の極短時間であるが、ポリエステルに前記樹脂を微量混入させることができる。
【0081】
また本発明のポリエステル組成物の環状三量体の含有量は、0.70重量%以下、好ましくは0.50重量%以下、より好ましくは0.40重量%以下である。本発明のポリエステル組成物から耐熱性の中空成形体等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行うが、環状三量体の含有量が0.70重量%を越える場合には、加熱金型表面へのオリゴマ−付着が急激に増加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する場合がある。
【0082】
また、本発明に係るポリエステルは、チップ化工程の冷却水中のナトリウムの含有量、マグネシウムの含有量、珪素の含有量及びカルシウムの含有量をそれぞれN、M、S、Cとした場合、下記の(1)〜(4)の少なくとも一つ、好ましくはすべてを満足するようにして溶融重縮合後にチップ化されたポリエステルであることが好ましい。
N ≦ 1.0(ppm) (1)
M ≦ 0.5(ppm) (2)
S ≦ 2.0(ppm) (3)
C ≦ 1.0(ppm) (4)
【0083】
冷却水中のナトリウム含有量(N)は、好ましくはN≦0.5ppmであり、さらに好ましくはN≦0.1ppmである。
冷却水中のマグネシウム含有量(M)は、好ましくはM≦0.3ppmであり、さらに好ましくはM≦0.1ppmである。
また、冷却水中の珪素の含有量(S)は、好ましくはS≦0.5ppmであり、さらに好ましくはS≦0.3ppmである。
さらに、冷却水中のカルシウム含有量(C)は、好ましくはC≦0.5ppmであり、さらに好ましくはC≦0.1ppmである。
【0084】
また、冷却水中のナトリウム含有量(N)、マグネシウム含有量(M)、珪素の含有量(S)およびカルシウム含有量(C)の下限値は、N≧0.001ppm、M≧0.001ppm、S≧0.02ppmおよびC≧0.001ppmである。このような下限値以下にするには、莫大な設備投資が必要であり、また運転費用も非常に高くなり経済的な生産は困難となる場合がある。
【0085】
前記の条件を外れる冷却水を用いた場合には、これらの金属含有化合物がポリエステルチップ表面に付着し、得られたポリエステルの結晶化速度が非常に早く、またその変動が大きくなり好ましくない。工業用水中の前記の金属の含有量は1年を通じてかなり変動しており、この変動に応じてポリエステルに付着する金属含有量が変動するからか、前記の(1)〜(4)の少なくとも一つを満足する冷却水を用いた場合に比較して、工業用水をチップ化時の冷却水として用いて得られたポリエステルからの成形体の透明性が悪く、かつその変動が非常に大きい。なお、前記(1)〜(4)はすべてを満足することが好ましい。
【0086】
また、前記の条件を外れる冷却水を用いて冷却しながらチップ化した溶融重縮合ポリエステルを固相重合すると、チップ化工程においてチップ表面に付着して固相重合反応装置に持ち込まれた前記の金属含有物質は、ポリエステルチップの表面層の一部と共に固相重合装置の器壁に固着し、これが約170℃以上の高温度での長時間加熱によって金属含有量の高いスケールとなって器壁に付着していくことがある。そして、これが時々剥離してポリエステルチップ中に混入し、ボトル等成形体中の異物となって商品価値を低下さすという問題が発生する場合がある。
【0087】
また、シ−トを製造する際には、製膜時に前記のスケ−ルが溶融ポリマ−濾過フィルタ−に詰まるためフィルタ−濾過圧の上昇が激しくなり、操業性や生産性が悪くなるという問題も発生することがある。
【0088】
以下にチップの冷却水のナトリウム含有量、マグネシウム含有量、珪素含有量、カルシウム含有量を前記の範囲に抑える方法を例示するが、本発明はこれに限定するものではない。
冷却水のナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を低減させるために、チップ化工程に工業用水が送られるまでの工程で少なくとも1ヶ所以上にナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を除去する装置を設置する。また、粒子状になった二酸化珪素やアルミノ珪酸塩等の粘土鉱物を除去するためにはフィルターを設置する。ナトリウムやマグネシウム、カルシウム、珪素を除去する装置としては、イオン交換装置、限外濾過装置や逆浸透膜装置などが挙げられる。
【0089】
また、系外から導入する導入水の中に存在する粒径が1〜25μmの粒子を50000個/10ml以下にした水を使用することが望ましい。導入水中の粒径1〜25μmの粒子の個数は、好ましくは10000個/10ml以下、さらに好ましくは1000個/10ml以下、特に好ましくは100個/10ml以下である。
【0090】
また、溶融重縮合工程または固相重合工程以降のポリエステルと接触する気体として、粒径0.3〜5μmの粒子が1000000(個/立方フィ−ト)以下の、好ましくは500000(個/立方フィ−ト)以下、さらに好ましくは100000(個/立方フィ−ト)以下の、系外より導入される気体を使用することが望ましい。気体中の粒径5μmを超える粒子は、特に限定するものではないが、好ましくは5(個/立方フィ−ト)以下、さらに好ましくは1(個/立方フィ−ト)以下である。
【0091】
ポリエステルの製造工程において、溶融重縮合工程や固相重合工程等から篩分工程や気流分級工程等の各工程を経由してサイロ、成形機のホッパ−、輸送用コンテナ−等の容器に充填されるが、これらの工程間のポリエステルの輸送や乾燥には、一般に送風機等によって処理設備近辺の空気を工程に採りいれて使用される。従来は、このような空気は、これを未処理のままで使用するか、または、JIS B 9908(1991)で規定される形式3のような低性能フィルタユ
ニットを装着した清浄機によって処理しただけで使用するのが一般的であった。
しかし、このような工程で処理されたポリエステルからは、透明性が悪い成形体しか得られないという問題が生じる場合があった。特に、前記樹脂からなる部材との接触処理工程の前後において、ポリエステルと接触する気体として前記のような品質の空気を用いると、得られた成形体の結晶化速度や透明性等の変動が大となり問題となる可能性が大きい。
【0092】
したがって、本発明のポリエステル組成物の製造方法においては、溶融重縮合後、固相重合後、水処理後あるいは前記樹脂からなる部材との接触処理後のポリエステルのうち、少なくとも一つのポリエステルが、次工程への輸送工程、篩分工程、貯蔵工程、容器充填工程のいづれか一つの工程において接触する気体として、粒径0.3〜5μmの粒子が1000000(個/立方フィ−ト)以下の系外より導入される気体を使用することが望ましい。
【0093】
以下に、系外から導入する気体中の粒径0.3〜5μmの粒子数を1000000(個/立方フィ−ト)以下に制御する方法を例示するが、本発明はこれに限定するものではない。
系外から導入する気体中の粒径0.3〜5μmの粒子数を1000000(個/立方フィ−ト)以下にする方法としては、系外から導入する気体がポリエステルチップと接触するまでの工程中の少なくとも1ケ所以上に前記粒子を除去する清浄化装置を設置する。前記気体が処理設備近辺の空気の場合は、前記空気採りいれ口から送風機によって導入した空気がポリエステルチップと接触するまでの工程中に、JIS B 9908(1991)で規定される形式1又は/及び形式2のフィルタユニットを装着した気体清浄装置を設置し、前記空気中の粒径0.3〜5μmの粒子数を1000000(個/立方フィ−ト)以下にすることが好まし。また、前記空気採りいれ口にJIS B 9908(1991)で規定される形式3のフィルタユニットを装着した気体清浄装置を設置して、前記のフィルタユニットを装着した気体清浄装置と併用することによって前記のフィルタユニットの寿命を延ばすことが可能である。
【0094】
気体中の粒子を除去するJIS B 9908(1991)で規定される形式1の超高性能のフィルタ(以下、HEPAフィルタと略称する)ユニットの素材としては、ガラス繊維からなる濾紙が挙げられる。
また、JIS B 9908(1991)で規定される形式2の高性能フィルタユニットの素材としては、ポリプロピレン繊維からなるフィルタやテフロン(R)フイルムとPET繊維布の積層体からのフィルタ等が挙げられる。
一般には、ポリプロピレン繊維製の静電フィルタが使用される。
【0095】
また、JIS B 9908(1991)で規定される形式3の低性能フィルタユニットの素材としては、PETやポリプロピレンからなる不織布等が挙げられる。
【0096】
本発明のポリエステル組成物の極限粘度は、0.55〜1.50デシリットル/グラムであるのが好ましく、0.58〜1.20デシリットル/グラムであるのがより好ましい。ポリエステルの極限粘度が0.55デシリットル/グラム未満の場合は、本発明のポリエステル組成物を溶融成形して得られた成形体の透明性、耐熱性、機械特性等が充分満足されないことがある。また、極限粘度が1.50デシリットル/グラムを越える場合は、成型機等による溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成形体が黄色に着色する等の問題が起こることがある。
【0097】
また、本発明のポリエステル組成物のアセトアルデヒド含有量は、50ppm以下、好ましくは30ppm以下、より好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下である。アセトアルデヒド含有量が50ppm以上の場合は、このポリエステルから成形された容器等の内容物の風味や臭い等が悪くなることがある。
【0098】
また本発明に係るポリエステル中に共重合されたジエチレングリコ−ル量は、前記ポリエステルを構成するグリコ−ル成分の好ましくは0.5〜5.0モル%、より好ましくは1.0〜4.5モル%、さらに好ましくは1.5〜4.0モル%である。ジエチレングリコ−ル量が5.0モル%を越える場合は、熱安定性が悪くなり、成型時に分子量低下が大きくなったり、またアセトアルデヒド含有量やホルムアルデヒド含有量の増加量が大となり好ましくない。またジエチレングリコ−ル含有量が0.5モル%未満の場合は、得られた成形体の透明性が悪くなることがある。
【0099】
また本発明のポリエステル組成物の環状三量体の含有量は、前記のように、0.70重量%以下、より好ましくは0.50重量%以下、さらに好ましくは0.40重量%以下である。本発明のポリエステル組成物から耐熱性の中空成形体等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行うが、環状三量体の含有量が0.70重量%以上含有する場合には、加熱金型表面へのオリゴマ−付着が急激に増加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化することがある。
【0100】
本発明において、ポリエステルのチップの形状は、シリンダ−型、角型、球状または扁平な板状等の何れでもよい。その平均粒径は通常1.5〜5mm、好ましくは1.6〜4.5mm、さらに好ましくは1.8〜4.0mmの範囲である。例えば、シリンダ−型の場合は、長さは1.5〜4mm、径は1.5〜4mm程度であるのが実用的である。球状粒子の場合は、最大粒子径が平均粒子径の1.1〜2.0倍、最小粒子径が平均粒子径の0.7倍以上であるのが実用的である。また、チップの重量は10〜30mg/個の範囲が実用的である。
【0101】
また、本発明のポリエステル組成物は、これを射出成形して得られた厚さ5mmの成形板のヘイズが15%以下、また射出成形して得た厚さ2mmの成形体からの試験片の昇温時の結晶化温度(以下「Tc1」と称する)が、150〜168℃の範囲であることが望ましい。成形板のヘイズは、好ましくは10%以下、さらに好ましくは8%以下であり、また昇温時の結晶化温度(Tc1)は、好ましくは153〜165℃、さらに好ましくは155〜163℃の範囲である。
【0102】
成形板のヘイズが15%を超える場合は,得られた中空成形体の透明性が悪くなり、特に延伸中空成形体の場合には問題となる。また、Tc1が168℃を越える場合は、加熱結晶化速度が非常に遅くなり中空成形体口栓部の結晶化が不十分となり、内容物の漏れの問題が発生する場合がある。また、Tc1が150℃未満の場合は、中空成形体の透明性が低下し問題となる場合がある。
【0103】
本発明のポリエステル組成物は、使用済みPETボトルをケミカルリサイクル法によって精製し回収したジメチルテレフタレートやテレフタル酸などの原料を少なくとも出発原料の一部として用いて得たPETや、使用済みPETボトルをメカニカルリサイクル法により精製し回収したフレーク状PETやチップ状PETなどと混合して用いることができる。
【0104】
本発明のポリエステル組成物に飽和脂肪酸モノアミド、不飽和脂肪酸モノアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド等を同時に併用することも可能である。
【0105】
飽和脂肪酸モノアミドの例としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド等が挙げられる。不飽和脂肪酸モノアミドの例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドリシノ−ル酸アミド等が挙げられる。飽和脂肪酸ビスアミドの例としては、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド等が挙げられる。また、不飽和脂肪酸ビスアミドの例としては、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド等が挙げられる。好ましいアミド系化合物は、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド等である。このようなアミド化合物の配合量は、10ppb〜1×105ppmの範囲である。
【0106】
また炭素数8〜33の脂肪族モノカルボン酸の金属塩化合物、例えばナフテン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、メリシン酸、オレイン酸、リノ−ル酸等の飽和及び不飽和脂肪酸のリチュウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、及びコバルト塩等を同時に併用することも可能である。これらの化合物の配合量は、10ppb〜300ppmの範囲である。
【0107】
本発明のポリエステル組成物は、中空成形体、トレ−、2軸延伸フイルム等の包装材、金属缶被覆用フイルム等として好ましく用いることが出来る。また、本発明のポリエステル組成物は、多層成形体や多層フイルム等の1構成層としても用いることが出来る。
【0108】
本発明のポリエステル組成物は、一般的に用いられる溶融成形法を用いてフィルム、シート、容器、その他の包装材料を成形することができる。また、本発明のポリエステル組成物からなるシ−ト状物を少なくとも一軸方向に延伸することにより機械的強度を改善することが可能である。本発明のポリエステル組成物からなる延伸フィルムは射出成形もしくは押出成形して得られたシート状物を、通常PETの延伸に用いられる一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸のうちの任意の延伸方法を用いて成形される。また圧空成形、真空成形によリカップ状やトレイ状に成形することもできる。
【0109】
延伸フィルムを製造するに当たっては、延伸温度は通常は80〜130℃である。延伸は一軸でも二軸でもよいが、好ましくはフィルム実用物性の点から二軸延伸である。延伸倍率は一軸の場合であれば通常1.1〜10倍、好ましくは1.5〜8倍の範囲で行い、二軸延伸であれば縦方向および横方向ともそれぞれ通常1.1〜8倍、好ましくは1.5〜5倍の範囲で行えばよい。また、縦方向倍率/横方向倍率は通常0.5〜2、好ましくは0.7〜1.3である。得られた延伸フィルムは、さらに熱固定して、耐熱性、機械的強度を改善することもできる。熱固定は通常緊張下、120℃〜240、好ましくは150〜230℃で、通常数秒〜数時間、好ましくは数十秒〜数分間行われる。
【0110】
中空成形体を製造するにあたっては、本発明のポリエステル組成物から成形したブリフォームを延伸ブロー成形してなるもので、従来PETのブロー成形で用いられている装置を用いることができる。具体的には例えば、射出成形または押出成形で一旦プリフォームを成形し、そのままあるいは口栓部、底部を加工後、それを再加熱し、ホットパリソン法あるいはコールドパリソン法などの二軸延伸ブロー成形法が適用される。この場合の成形温度、具体的には成形機のシリンダー各部およびノズルの温度は通常260〜300℃の範囲である。延伸温度ば通常70〜120℃、好ましくは90〜110℃で、延伸倍率は通常縦方向に1.5〜3.5倍、円周方向に2〜5倍の範囲で行えばよい。得られた中空成形体は、そのまま使用できるが、特に果汁飲料、ウーロン茶などのように熱充填を必要とする飲料の場合には一般的に、さらにブロー金型内で熱固定処理を行い、耐熱性を付与して使用される。熱固定は通常、圧空などによる緊張下、100〜200℃、好ましくは120〜180℃で、数秒〜数時間、好ましくは数秒〜数分間行われる。
【0111】
また、口栓部に耐熱性を付与するために、射出成形または押出成形により得られたプリフォ−ムの口栓部を遠赤外線や近赤外線ヒ−タ設置オ−ブン内で結晶化させたり、あるいはボトル成形後に口栓部を前記のヒ−タで結晶化させる。
【0112】
本発明のポリエステル組成物には、必要に応じて公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、酸素捕獲剤、外部より添加する滑剤や反応中に内部析出させた滑剤、離型剤、核剤、安定剤、帯電防止剤、染料、顔料などの各種の添加剤を配合してもよい。
【0113】
また、本発明のポリエステル組成物をフイルム用途に使用する場合には、滑り性、巻き性、耐ブロッキング性などのハンドリング性を改善するために、ポリエステル組成物中に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等の無機粒子、蓚酸カルシウムやカルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩等の有機塩粒子やジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のビニル系モノマーの単独または共重合体等の架橋高分子粒子などの不活性粒子を含有させることが出来る。
なお、本発明における、主な特性値の測定法を以下に説明する。
【0114】
【実施例】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定させるものではない。なお、本明細書中における主な特性値の測定法を以下に説明する。
【0115】
(1)ポリエステルの極限粘度(IV)
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノ−ル(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。
【0116】
(2)ポリエステルのジエチレングリコ−ル含有量(以下[DEG含有量」という)
メタノ−ルにより分解し、ガスクロマトグラフィ−によりDEG量を定量し、全グリコ−ル成分に対する割合(モル%)で表した。
【0117】
(3)ポリエステルの環状三量体の含有量(以下「CT含有量」という)
試料300mgをヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロフォルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解し、さらにクロロフォルム30mlを加えて希釈する。これにメタノ−ル15mlを加えてポリマ−を沈殿させた後、濾過する。
濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミド10mlで定容とし、高速液体クロマトグラフ法により環状三量体を定量した。
【0118】
(4)ポリエステルのアセトアルデヒド含有量(以下「AA含有量」という)
試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラスアンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感度ガスクロマトグラフィ−で測定し、濃度をppmで表示した。
【0119】
(5)ポリエステルの溶融時の環状三量体増加量(△CT量)
乾燥したポリエステルチップ3gをガラス製試験管に入れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸漬させ溶融させる。溶融時の環状三量体増加量は、次式により求める。
溶融時の環状三量体増加量(重量%)=溶融後の環状三量体含有量(重量%)−溶融前の環状三量体含有量(重量%)
【0120】
(6)ファインの含有量およびフイルム状物含有量の測定
樹脂約0.5kgを、JIS−Z8801による呼び寸法5.6mmの金網をはった篩(A)と呼び寸法1.7mmの金網をはった篩(直径20cm)(B)を2段に組合せた篩の上に乗せ、テラオカ社製揺動型篩い振トウ機SNF−7で1800rpmで1分間篩った。この操作を繰り返し、樹脂を合計20kg篩った。
前記の篩(A)上に、厚みが約0.5mm以下のフイルム状物とは別に、2個以上のチップがお互いに融着したものや正常な形状より大きなサイズに切断されたチップ状物が捕捉されている場合は、これらを除去した残りの、厚みが約0.5mm以下のフイルム状物および篩(B)の下にふるい落とされたファインは、別々にイオン交換水で洗浄し岩城硝子社製G1ガラスフィルターで濾過して集めた。これらをガラスフィルターごと乾燥器内で100℃で2時間乾燥後、冷却して秤量した。再度、イオン交換水で洗浄、乾燥の同一操作を繰り返し、恒量になったことを確認し、この重量からガラスフィルターの重量を引き、ファイン重量およびフイルム状物の重量を求めた。ファイン含有量あるいはフイルム状物含有量は、ファイン重量またはフイルム状物重量/篩いにかけた全樹脂重量、である。これらの値より合計含有量を求める。
【0121】
(7)ファインの降温時結晶化温度(Tc2’)の測定
セイコ−電子工業(株)製の示差走査熱量計(DSC)、RDC−220を用いて測定。(6)において、20kgのポリエステルから集めたファインを25℃で3日間減圧下に乾燥し、これから一回の測定に試料10mgを使用した。室温から290℃まで昇温速度20℃/分の速度で昇温し、290℃で3分間保持した後、液体窒素で急冷する。次いで、再度同様の条件で昇温したあと、290℃で3分間保持し、240℃までは10℃/分の速度で降温し、さらに室温まで7℃/分の速度で降温した。この降温時に観察される結晶化ピ−ク温度を求め、これを降温時結晶化温度(Tc2’)とする。測定は、ファインの試料、最大10ヶについて実施して、これらの降温時結晶化温度(Tc2’)の平均値を求め、これをファインの降温時結晶化温度(Tc2’)とする。
【0122】
(8)成形体の昇温時の結晶化温度(Tc1)
セイコ−電子工業株式会社製の示差熱分析計(DSC)、RDC−220で測定。下記(13)の成形板の2mm厚みのプレ−トの中央部からの試料10mgを使用。昇温速度20度C/分で昇温し、その途中において観察される結晶化ピ−クの頂点温度を測定し、昇温時結晶化温度(Tc1)とする。
【0123】
(9)ポリエステルチップの平均密度およびプリフォ−ム口栓部の密度
硝酸カルシュウム/水混合溶液の密度勾配管で30℃で測定した。
【0124】
(10)ヘイズ(霞度%)およびヘイズ斑
下記(13)の成形体(肉厚5mm)および(14)の中空成形体の胴部(肉厚約0.4mm)より試料を切り取り、日本電色(株)製ヘイズメ−タ−、modelNDH2000で測定。また、10回連続して成形した成形板(肉厚5mm)のヘイズを測定し、ヘイズ斑は下記により求めた。
ヘイズ斑=ヘイズの最大値/ヘイズの最小値
【0125】
(11)プリフォ−ム口栓部の加熱による密度上昇
プリフォ−ム口栓部を自家製の赤外線ヒ−タ−によって180秒間熱処理し、天面から試料を採取し密度を測定した。
【0126】
(12)段付成形板の成形
本特許記載にかかる段付成形板の成形においては、減圧乾燥機を用いて140℃で16時間程度減圧乾燥したポリエステルチップを名機製作所製射出成形機M−150C−DM型射出成形機により図1、図2に示すようにゲート部(G)を有する、2mm〜11mm(A部の厚み=2mm、B部の厚み=3mm、C部の厚み=4mm、D部の厚み=5mm、E部の厚み=10mm、F部の厚み=11mm)の厚さの段付成形板を射出成形した。
【0127】
ヤマト科学製真空乾燥器DP61型を用いて予め減圧乾燥したポリエステルチップを用い、成形中にチップの吸湿を防止するために、成形材料ホッパー内は乾燥不活性ガス(窒素ガス)パージを行った。M−150C−DM射出成形機による可塑化条件としては、フィードスクリュウ回転数=70%、スクリュウ回転数=120rpm、背圧0.5MPa、シリンダー温度はホッパー直下から順に45℃、250℃、以降ノズルを含め290℃に設定した。射出条件は射出速度及び保圧速度は20%、また成形品重量が146±0.2gになるように射出圧力及び保圧を調整し、その際保圧は射出圧力に対して0.5MPa低く調整した。
射出時間、保圧時間はそれぞれ上限を10秒、7秒,冷却時間は50秒に設定し、成形品取出時間も含めた全体のサイクルタイムは概ね75秒程度である。
金型には常時、水温10℃の冷却水を導入し温調するが、成形安定時の金型表面温度は22℃前後である。
【0128】
成形品特性評価用のテストプレートは、成形材料導入し樹脂置換を行った後、成形開始から11〜18ショット目の安定した成形品の中から任意に選ぶものとした。
2mm厚みのプレート(図1のA部)は昇温時の結晶化温度(Tc1)測定、5mm厚みのプレート(図1のD部)はヘイズ(霞度%)測定、に使用する。
【0129】
(13)中空成形体の成形
ポリエステルを脱湿空気を用いた乾燥機で乾燥し、各機製作所製M−150C(DM)射出成形機により樹脂温度290℃でプリフォームを成形した。このプリフォームの口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた。次にこの予備成形体をCORPOPLAST社製のLB−01E成形機で縦方法に約2.5倍、周方向に約3.8倍の倍率に二軸延伸ブローし、引き続き約150℃に設定した金型内で約7秒間熱固定し、容量が2000ccの容器(胴部肉厚0.45mm)を成形した。延伸温度は100℃にコントロールした。
【0130】
(14)中空成形体からの内容物の漏れ評価
前記(13)で成形した中空成形体に90℃の温湯を充填し、キャッピング機によりキャッピングをしたあと容器を倒し放置後、内容物の漏洩を調べた。また、キャッピング後の口栓部の変形状態も調べた。
【0131】
(15)チップ化工程の冷却水および水処理工程の導入水中のナトリウム含有量、カルシウム含有量、マグネシウム含有量および珪素含有量
粒子除去およびイオン交換済みの冷却水または導入水を採取し、岩城硝子社製1G1ガラスフィルタ−で濾過後、濾液を島津製作所製誘導結合プラズマ発光分析装置で測定。
【0132】
(16)チップ化工程の冷却水中、および水処理工程の導入水中およびリサイクル水中の粒子数の測定
チップ化工程の冷却水、粒子除去およびイオン交換済みの導入水、または濾過装置(5)および吸着塔(8)で処理したリサイクル水を光遮断法による粒子測定器である株式会社セイシン企業製のPAC 150を用いて測定し、粒子数を個/10mlで表示した。
【0133】
(17)ポリエステルチップと接触する気体中の粒子数の測定
気体を強制的に送るための送風機等によって送られ、気体清浄装置を通過した気体をチップと接触する前に気体本流と分岐して粒子測定器に導入して測定する。5回測定を繰返し、平均値を求め、気体1立方フィート当たりの個数を計算する。
粒子測定器としては、リオン株式会社製の光散乱式粒子測定器、KC−01Bを用いた。
【0134】
(実施例1)
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグリコ−ルとのスラリ−を連続的に供給し、撹拌下、約250℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反応を行った。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cm2で所定の反応度まで反応を行った。また、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解し、これにエチレングリコ−ルを添加加熱処理した触媒溶液および燐酸のエチレングリコ−ル溶液を、別々にこの第2エステル化反応器に連続的に供給した。このエステル化反応生成物を連続的に第1重縮合反応器に供給し、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次いで第2重縮合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに最終重縮合反応器で撹拌下、約275℃、0.5〜1torrで1時間重縮合させた。溶融重縮合プレポリマ−の極限粘度は0.55dl/gであった。
【0135】
溶融重縮合反応物を冷却水(ナトリウム含有量が0.01ppm、マグネシウム含有量が0.02ppm、カルシウム含有量が0.02ppm、珪素含有量が0.09ppm)で冷却しながらチップ化後、約50℃以下のチップを貯蔵用タンクへ輸送し、次いで振動式篩分工程および気流分級工程によってファインおよびフイルム状物を除去することにより、ファイン含有量を約50ppm以下とした。次いでバケット式コンベヤー輸送方式によって結晶化装置に送り、窒素ガス流通下に約155℃で3時間連続的に結晶化し、次いで塔型固相重合器に投入し、窒素ガス流通下、約207℃で連続的に固相重合し、固相重合ポリエステルを得た。固相重合後、篩分工程およびファイン等除去工程で連続的に処理しファインやフイルム状物を除去し、貯蔵タンクに保管した。
【0136】
得られたPETの極限粘度は0.74デシリットル/グラム、DEG含有量は2.7モル%、環状3量体の含有量は0.31重量%、環状3量体増加量は0.41重量%、平均密度は1.4023g/cm3、AA含有量は3.2ppm、ファイン含有量は約50ppmであった。また、ファインの降温時結晶化温度(Tc2’)は178℃であった。また原子吸光分析により測定したGe残存量は47ppm、またP残存量は28ppmであった。
【0137】
得られたPETに直鎖状低密度ポリエチレン(MFR=約0.9g/10分、密度=約0.923g/cm3)を2軸押出機によって混練りして前記ポリエチレンを微分散させたPETマスタ−(ファイン含有量は約55ppm)を作り、前記のPETにこのマスタ−を前記ポリエチレンが約10ppbになるように混合して得たPET組成物(ファインの含有量は約50ppm、ファインの降温時結晶化温度(Tc2’)は、179℃)について、前記(12)および(13)の方法による成形板及び二軸延伸成形ボトルについての評価を実施した。結果を表1に示す。
【0138】
成形板のヘイズは4.4%、成形板ヘイズ斑は0.2%、成形板のTc1は162℃、口栓部の密度は1.381g/cm3、口栓部密度偏差は0.002g/cm3と問題のない値であった。
【0139】
また、内容物の漏れ試験でも、問題はなく、口栓部の変形もなかった。得られたボトルの胴部ヘイズは1.1%と良好であった。ボトルのAA含有量は22.9ppmと問題のない値であった。
また、5000本以上の連続延伸ブロ−成形を実施したが、金型汚れは認められず、問題がなかった。
【0140】
なお、製造工程における溶融重合プレポリマ−チップや固相重合チップ、水処理チップの輸送は全てバケット式コンベヤー輸送方式により、反応器や貯層からのチップの抜き出しは全てスクリュウ式フィ−ダ−を用いた。実施例2〜5の輸送や抜き出しの方式は、同様の方式を用いた。
また溶融重縮合PETチップや固相重合PETチップを輸送用容器や保管用容器に充填、貯蔵するまでにチップと接触する空気として、JIS B 9908(1991)の形式3のPET不織布製フィルタユニットを装着した空気清浄機及びJIS B 9908(1991)の形式1の粒子捕集率99%以上のHEPAフィルタユニットを装着した空気清浄機で濾過した空気(粒径0.3〜5μmの粒子数は約500個/立方フィ−ト)を使用した。実施例2〜5、および比較例1でも同様にした。
【0141】
(実施例2)
実施例1で得られたPETチップを次のようにして水処理した。処理槽上部の原料チップ供給口(1)、処理槽の処理水上限レベルに位置するオ−バ−フロ−排出口(2)、処理槽下部のポリエステルチップと処理水の混合物の排出口(3)、このオ−バ−フロ−排出口から排出された処理水と、処理槽から排出された処理水と、処理槽下部の排出項から排出された水切り装置(4)を経由した処理水が、濾材が紙製の連続式フィルタ−である微粉除去装置(5)を経由して再び水処理槽へ送られる配管(6)、これらの微粉除去済み処理水の導入口(7)、微粉除去済み処理水中のアセトアルデヒドを吸着処理させる吸着塔(8)、及び新しいイオン交換水の導入口(9)を備えた内容量約50m3の塔型の、図3に示す処理槽を使用した。
【0142】
実施例1の固相重合PETチップを振動式篩分工程および気流分級工程によってファインおよびフイルム状物の除去処理をしたあと、処理水温度95℃にコントロ−ルされた水処理槽へ50kg/時間の速度で処理槽上部の供給口(1)から連続投入して水処理し、処理槽下部の排出口(3)からPETチップとして50kg/時間の速度で処理水と共に連続的に抜き出した。
【0143】
上記処理装置のイオン交換水導入口(9)の手前で採取した導入水中の粒径1〜25μmの粒子含有量は約1900個/10ml、ナトリウム含有量が0.01ppm、マグネシウム含有量が0.01ppm、カルシウム含有量が0.01ppm、珪素含有量が0.06ppmであり、濾過装置(5)および吸着塔(8)で処理後のリサイクル水の粒径1〜40μmの粒子数は約12000個/10mlであった。
水処理後のPETは、振動式篩工程および気流分級工程でファイン等の除去処理を行った。
【0144】
得られたPETの極限粘度は0.74デシリットル/グラム、DEG含有量は2.7モル%、環状3量体の含有量は0.30重量%、環状3量体増加量は0.06重量%、平均密度は1.4023g/cm3、AA含有量は3.3ppm、ファインの含有量は約50ppm、また、ファインの降温時結晶化温度(Tc2’)は、176℃であった。
【0145】
次いで、実施例1と同様にして、本実施例で得られた水処理済みPETに直鎖状低密度ポリエチレン(MFR=約0.9g/10分、密度=約0.923g/cm3)を2軸押出機によって混練りして前記ポリエチレンを微分散させたPETマスタ−(ファイン含有量は約50ppm)を作り、本実施例のPETにこのマスターを前記ポリエチレンが約10ppbになるように混合して得たPET組成物(ファインの含有量は約50ppm、ファインの降温時結晶化温度(Tc2’)は、175℃)について、実施例1と同様にして成形板及び二軸延伸成形ボトルによる評価を実施した。結果を表1に示す。
【0146】
成形板のヘイズは4.5%、成形板のTc1は163℃、口栓部の密度は1.381g/cm3と問題のない値であり、5000本以上の連続延伸ブロー成形を実施したが、金型汚れは認められず、またボトルの透明性も良好であった。
また、内容物の漏れ試験でも、問題はなく、口栓部の変形もなかった。得られたボトルの胴部ヘイズは1.0%と良好であった。ボトルのAA含有量は16.6ppmと問題のない値であった。
【0147】
(実施例3)
予め実施例2で得られた水処理済みPETに実施例2のPETマスタ−を前記ポリエチレンが約15ppbになるように混合して、前記(12)および(13)の方法によって成形板および二軸延伸成形ボトルを得た。なお水処理済みPETはファイン除去を強化し、ファイン含有量20ppmのものを用いた。
結果を表1に示す。結果は問題なかった。
【0148】
(実施例4)
重縮合触媒として、チタン酸テトライソプロピルのエチレングリコ−ル溶液と結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解し、これにエチレングリコ−ルを添加加熱処理した溶液の両者を用いる以外は実施例1と同様の方法で溶融重縮合および固相重合した。次いで、実施例2と同様の方法により、得られたPETチップを水処理した。
【0149】
得られたPETの極限粘度は0.74デシリットル/グラム、DEG含有量は2.7モル%、環状3量体の含有量は0.32重量%、環状3量体増加量は0.32重量%、平均密度は1.4022g/cm3、AA含有量は3.2ppm、ファインの含有量は約50ppm、ファインの降温時結晶化温度(Tc2’)は、171℃であった。原子吸光分析により測定したGe残存量は25ppm、Ti残存量は0.7ppm、またP残存量は10ppmであった。
【0150】
次いで、実施例1と同様にして、本実施例で得られた水処理済みPETに直鎖状低密度ポリエチレン(MFR=約0.9g/10分、密度=約0.923g/cm3)を2軸押出機によって混練りして前記ポリエチレンを微分散させたPETマスタ−(ファイン含有量は約50ppm)を作り、本実施例のPETにこのマスターを前記ポリエチレンが約10ppbになるように混合して得たPET組成物(ファインの含有量は約50ppm、ファインの降温時結晶化温度(Tc2’)は、175℃)について、実施例1と同様にして成形板及び二軸延伸成形ボトルによる評価を実施した。結果を表1に示す。
【0151】
成形板のヘイズは4.9%、成形板のTc1は164℃、口栓部の密度は1.381g/cm3と問題のない値であり、5000本以上の連続延伸ブロー成形を実施したが、金型汚れは認められず、またボトルの透明性も良好であった。
また、内容物の漏れ試験でも、問題はなく、口栓部の変形もなかった。得られたボトルの胴部ヘイズは1.2%と良好であった。ボトルのAA含有量は18.9ppmと問題のない値であった。
【0152】
(実施例5)
重縮合触媒として、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解し、これにエチレングリコ−ルを添加加熱処理した溶液および塩基性酢酸アルミニウムの水/エチレングリコ−ル溶液を用い、これらの触媒溶液と燐酸のエチレングリコ−ル溶液を、別々に第2エステル化反応器に連続的に供給する以外は実施例1と同様の方法で溶融重縮合および固相重合した。次いで、実施例2と同様の方法により、得られたPETチップを水処理した。
【0153】
得られたPETの極限粘度は0.74デシリットル/グラム、DEG含有量は2.7モル%、環状3量体の含有量は0.31重量%、環状3量体増加量は0.33重量%、平均密度は1.4022g/cm3、AA含有量は3.0ppm、ファインの含有量は約50ppm、ファインの降温時結晶化温度(Tc2’)は、176℃であった。
【0154】
次いで、実施例1と同様にして、本実施例で得られた水処理済みPETに直鎖状低密度ポリエチレン(MFR=約0.9g/10分、密度=約0.923g/cm3)を2軸押出機によって混練りして前記ポリエチレンを微分散させたPETマスタ−(ファイン含有量は約50ppm)を作り、本実施例のPETにこのマスターを前記ポリエチレンが約10ppbになるように混合して得たPET組成物(ファインの含有量は約50ppm、ファインの降温時結晶化温度(Tc2’)は、175℃)について、実施例1と同様にして成形板及び二軸延伸成形ボトルによる評価を実施した。結果を表1に示す。
【0155】
成形板のヘイズは5.4%、成形板のTc1は162℃、口栓部の密度は1.382g/cm3と問題のない値であり、5000本以上の連続延伸ブロー成形を実施したが、金型汚れは認められず、またボトルの透明性も良好であった。
また、内容物の漏れ試験でも、問題はなく、口栓部の変形もなかった。得られたボトルの胴部ヘイズは1.4%と良好であった。ボトルのAA含有量は19.5ppmと問題のない値であった。
【0156】
(実施例6)
東洋紡ナイロン樹脂、T600(メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから得られたポリアミド樹脂、Ny−MXD6)と実施例2のPETとを実施例1と同様の方法によって混練してPETマスターを製造した。
前記の実施例2のPETに、このマスタ−を前記ナイロン樹脂が約1重量%になるように混合して得たPET組成物(PETのファイン含有量は約50ppm、フイルム状物は含有せず、またファインのTc2’は180℃)について成形板及び二軸延伸成形ボトルによる評価を実施した。
【0157】
成形板のヘイズは9.7%、成形板ヘイズ斑は1.0%、成形板のTc1は155℃であった。ボトル口栓部の密度は1.382g/cm3、口栓部密度偏差は0.003g/cm3と問題のない値であり、ボトルの胴部ヘイズは2.5%と良好であった。
【0158】
また、内容物の漏れ試験でも、問題はなく、口栓部の変形もなかった。
ボトルのAA含有量は8.8ppmとかなり低い値であった。
【0159】
(実施例7)
異種樹脂製ボトルを選別除去後、ラベル及びキャップを取り外した使用済みポリエチレンテレフタレートボトルを粉砕、水洗して得た回収フレークを解重合触媒の存在下にエチレングリコールで解重合し、次いでメタノールでエステル交換反応して得られた粗テレフタル酸ジメチルを蒸留精製し、この様にして得た精製テレフタル酸ジメチルを加水分解して高純度のテレフタル酸を得た。
【0160】
前記テレフタル酸及びエチレングリコール(バージン品)のスラリー(エチレングリコール/テレフタル酸モル比=1.6)を、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートが仕込まれ、温度250℃、常圧に保持されたエステル化反応槽に供給し、副生する水を系外に溜出させながら4時間でエステル化反応を行い、このエステル化反応生成物の100kgを重縮合槽に移送した。
【0161】
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された前記重縮合槽に、複数の重縮合触媒供給配管より、実施例1で用いたのと同じ結晶性二酸化ゲルマニウムのエチレングリコ−ル溶液および燐酸のエチレングリコ−ル溶液を、添加した後、系内を1時間かけて250℃から275℃まで昇温すると共に、1時間で常圧から350Paとし、引き続き150Paの減圧下、278℃で、得られる樹脂の固有粘度が0.54dl/gとなる時間溶融重縮合させた。
【0162】
重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、実施例1で用いたと同質のイオン交換水で冷却しながらチップ化してチップ温度を約50℃以下とし、次いで振動式篩分機によってファインおよびフイルム状物を除去することにより、ファイン含有量を約50ppm以下とした。
【0163】
引き続いて、前記で得られたポリエステル樹脂チップを、約160℃に保持された攪拌流動式結晶化機で結晶化させた後、充填塔式固相重合塔に移し、窒素流通下208℃で固相重合し、次いで篩分工程およびファイン除去工程で処理しファインを除去し、ファイン含有量を約50ppmとした。Ge残存量は50ppm、またP残存量は30ppmであった。
【0164】
次いで、実施例2と同様にして水処理した。
次いで、実施例1と同一方法により、同じ直鎖状低密度ポリエチレンを約10ppb配合したPET組成物を得た。
得られたPET組成物(PETのIVは0.74デシリットル/グラム、DEG含有量は3.1モル%、AA含有量は4.5ppm、環状3量体の含有量は0.37重量%、ファイン含有量は約50ppm、フイルム状物は含有せず、またファインのTc2’は186℃)について成形板及び二軸延伸成形ボトルによる評価を実施した。
【0165】
成形板のヘイズは10.2%、成形板ヘイズ斑は0.3%、成形板のTc1は156℃であった。ボトル口栓部の密度は1.383g/cm3、口栓部密度偏差は0.003g/cm3と問題のない値であり、ボトルの胴部ヘイズは1.7%と良好であった。
また、内容物の漏れ試験でも、問題はなく、口栓部の変形もなかった。ボトルのAA含有量は23.0ppm、と問題のない値であった。
なお、製造工程における溶融重合プレポリマ−チップや固相重合チップなどの輸送は、実施例1と同様にして行った。
【0166】
(比較例1)
結晶性二酸化ゲルマニウムの添加量を増やす以外は実施例1と同様にして溶融重縮合したプレポリマ−を、同水質の冷却水で冷却しながらチップ化してチップ温度を約65℃とし、ファイン等の除去処理を行わずに低密度輸送方式によって高速度で一時的な貯蔵用サイロに輸送した。次いでこれを回転式タンブラ−に投入し、回転しながら減圧下において140℃で結晶化後、215℃で固相重合した。
【0167】
得られたPET組成物は、ファイン等除去装置で処理を行なわなかった。得られたPET組成物、これを成形した成形板および二軸延伸成形ボトルの特性を表1に示す。
得られたボトルの透明性は悪く、また口栓部の変形、及び内容物の漏洩を調べたが、内容物の漏れが認められた。
【0168】
【表1】
【0169】
【発明の効果】
本発明のポリエステル組成物から得られた中空成形体、シ−ト状物および延伸フイルムは、透明性に優れ、透明性の変動も少なく、また耐熱寸法安定性が優れており、特に、中空成形体の口栓部収縮率が適正な範囲であり、液体容器としたときに残留異味、異臭が発生しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において使用した段付成形板の平面図
【図2】図1の段付成形板の側面図
【図3】実施例で用いた水処理装置の概略図。
【符号の説明】
1 原料チップ供給口
2 オーバーフロー排出口
3 ポリエステルチップと処理水との排出口
4 水切り装置
5 微粉除去装置
6 配管
7 処理水導入口
8 吸着塔
9 イオン交換水導入口[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a polyester composition and a hollow molded article, a sheet-like material, and a stretched film comprising the same, particularly, a polyester composition having excellent crystallization controllability during melt molding and long-term continuous moldability, and The present invention relates to a molded article, a sheet, and a stretched film having excellent transparency and heat-resistant dimensional stability.
[0002]
[Prior art]
Polyesters in which the main repeating unit is ethylene terephthalate (hereinafter sometimes abbreviated as PET resin) are characterized by their excellent transparency, mechanical strength, heat resistance, gas barrier properties, and other properties, and are characterized by carbonated beverages, juices, and mineral water. Is widely used as a material for such containers. In these applications, polyester bottles are hot-filled with beverages that have been sterilized at high temperatures, or beverages are sterilized at high temperatures after filling, but ordinary polyester bottles shrink during such hot-filling processes. However, deformation occurs and becomes a problem. As a method for improving the heat resistance of the polyester bottle, a method has been proposed in which the crystallinity of the bottle is increased by heat treatment of the bottle stopper, or the stretched bottle is heat-fixed. In particular, when the crystallization of the plug portion is insufficient or when the degree of crystallization varies widely, the sealing performance with the cap is deteriorated and the contents may leak.
[0003]
Further, in order to improve the heat resistance of the bottle body, for example, as disclosed in Japanese Patent Publication No. 59-6216, a method of performing heat treatment by setting the temperature of a stretch blow mold to a high temperature is adopted. In the case of bottles used for applications subject to heat sterilization at high temperatures, if a PET resin with a high crystallization rate is used, only a heat-treated bottle with poor transparency and large fluctuations in the crystallinity of the plug will be obtained. I can't. In particular, when a defective product generated in a molding factory or a recovered product of a used bottle is reused as a part of the bottle molding material, the crystallization characteristics of the virgin raw material become a problem. Such a problem frequently occurs in a large-sized bottle having a capacity of 1.5 liters or more because the wall thickness is large.
[0004]
Further, when a large number of bottles are continuously formed using the same mold by such a method, the bottle obtained with long-time operation is whitened and the transparency is reduced, so that only bottles having no commercial value can be obtained. . It has been found that this is because deposits caused by the PET resin adhere to the mold surface, resulting in mold stains, and the mold stains are transferred to the surface of the bottle. In particular, in recent years, the molding speed has been increased for the purpose of cost reduction during bottle production, and mold contamination has become a more serious problem in terms of productivity.
[0005]
Further, in the case of a content liquid that requires hot filling such as a fruit juice beverage, a method of heat-treating the plug portion of a preform or a molded bottle to crystallize is generally used (
[0006]
Various proposals have been made to solve such a problem. For example, there are a method of adding an inorganic nucleating agent such as kaolin and talc to polyethylene terephthalate (see
[0007]
Also, a method of modifying the crystallization rate of PET by bringing a PET chip into contact with a polyethylene member under flowing conditions (Patent Document 10), contacting a member made of a polypropylene resin or a polyamide resin under the same conditions. For improving the crystallization rate of PET (Patent Document 11), a polyester resin composition in which 0.1 to 45 ppb polyethylene is blended with a polyester resin (Patent Document 12), and the like. It was also found that it was very difficult to obtain a molded article having excellent transparency, little fluctuation in transparency, and a stable crystallization rate even by using the composition.
[0008]
In order to solve such a problem of mold contamination, a method of reducing a cyclic trimer, which is a main component of deposits on the mold surface, by solid-phase polymerization of a PET resin in advance has been performed. In this method, however, the effect is insufficient because the cyclic trimer is regenerated when the preform is formed by remelting. Further, a method is disclosed in which a polyester resin is treated with water at 90 to 110 ° C. to suppress the activity of a catalyst and to control the formation of a cyclic trimer during preform molding (Patent Document 13). However, there is a problem that sufficient treatment is required to reduce mold contamination at the time of molding, resulting in an increase in cost. In addition, although the mold contamination is reduced by the above method, there is a problem that only a bottle having poor transparency may be obtained in some cases, and a solution is awaited.
[0009]
[Patent Document 1]
JP-B-59-6216
[Patent Document 2]
JP-A-55-79237
[Patent Document 3]
JP-A-58-110221
[Patent Document 4]
JP-A-56-2342
[Patent Document 5]
JP-A-56-21832
[Patent Document 6]
JP-A-57-125246
[Patent Document 7]
JP-A-57-207639
[Patent Document 8]
JP-A-61-259946
[Patent Document 9]
JP-A-2-26938
[Patent Document 10]
JP-A-9-71639
[Patent Document 11]
JP-A-11-209492
[Patent Document 12]
JP-A-9-151308
[Patent Document 13]
Japanese Patent Publication No. 3-47830
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the above-mentioned problems of the prior art, and provides a molded article having excellent transparency, little change in transparency, and excellent crystallization control during melt molding for a long time. Polyester composition excellent in properties and transparency obtained therefrom is good, particularly, the shrinkage rate of the plug portion of the hollow molded article is in an appropriate range, and the obtained molded article is less likely to have residual off-flavor and off-flavor. An object is to provide a hollow molded article, a sheet-like material, and a stretched film.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the polyester composition of the present invention comprises: a polyester chip whose main repeating unit is ethylene terephthalate; a fine polyester of 0.1 to 5000 ppm having the same composition as the polyester chip; and a polyolefin. A polyester composition comprising 0.1 ppb to 50,000 ppm of at least one resin selected from the group consisting of a resin, a polyamide resin, and a polyacetal resin, wherein the fine polyester composition is measured by DSC (differential scanning calorimeter). The crystallization temperature (Tc2 ′) at the time of cooling is 195 ° C. or less, and the cyclic trimer increase when the polyester composition is melted at a temperature of 290 ° C. for 60 minutes is 0.50% by weight or less. Characteristic polyester composition.
[0012]
In this case, the content of the film having the same composition as that of the polyester chips may be 10 ppm or less.
Here, fine means a fine powder of polyester which has passed through a sieve provided with a wire mesh having a nominal size of 1.7 mm according to JIS-Z8801, and film-like material means a wire mesh having a nominal size of 5.6 mm according to JIS-Z8801. A film having a thickness of about 0.5 mm or less after removing two or more chips from the polyester remaining on the screened sieve or fusing chips that have been cut larger than the normal shape. And their contents are measured by the following measuring methods.
In addition, as described below, the crystallization temperature (Tc2 ′) of the fine at the time of cooling is measured by a differential scanning calorimeter (DSC).
[0013]
In this case, the amount of increase of the cyclic trimer when melted at a temperature of 290 ° C. for 60 minutes can be 0.70% by weight or less.
In this case, the cyclic trimer content can be 0.5% by weight or less.
In this case, in the chipping step after the melt polycondensation, the content of sodium, the content of magnesium, the content of silicon, and the content of calcium in the cooling water were N, M, S, and C, respectively. In this case, the polyester may be a chip formed using cooling water satisfying at least one of the following (1) to (4).
N ≦ 1.0 (ppm) (1)
M ≦ 0.5 (ppm) (2)
S ≦ 2.0 (ppm) (3)
C ≦ 1.0 (ppm) (4)
[0014]
In this case, the hollow molded article may be formed by molding the polyester composition described above.
In this case, the sheet-like material may be obtained by molding the above-described polyester composition.
Furthermore, in this case, the stretched film can be formed by stretching the sheet-like material in at least one direction.
[0015]
The above-mentioned polyester composition of the present invention hardly causes mold stains during molding, is excellent in transparency, has little fluctuation in transparency, is excellent in crystallization control during molding, and has excellent heat resistance. The present invention provides a hollow molded article, a sheet-like material and a stretched film having excellent mechanical properties, residual off-flavors and off-flavors, and excellent in fragrance retention.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the polyester composition of the present invention and hollow molded articles, sheets and stretched films made thereof will be described in detail.
The polyester according to the present invention is a polyester whose main repeating unit is ethylene terephthalate, preferably a linear polyester containing ethylene terephthalate unit in an amount of 85 mol% or more, and more preferably 90 mol% or more. And particularly preferably a linear polyester containing at least 95% mol.
[0017]
Examples of the dicarboxylic acid used as a copolymer component when the polyester is a copolymer include isophthalic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, diphenyl-4,4′-dicarboxylic acid, and diphenoxyethanedicarboxylic acid. Aromatic dicarboxylic acids such as acids and functional derivatives thereof, p-oxybenzoic acid, oxyacids such as oxycaproic acid and functional derivatives thereof, adipic acid, sebacic acid, succinic acid, aliphatic dicarboxylic acids such as glutaric acid and Examples thereof include functional derivatives thereof, aliphatic dicarboxylic acids such as cyclohexanedicarboxylic acid, and functional derivatives thereof.
[0018]
Glycols as copolymer components used when the polyester is a copolymer include diethylene glycol, 1,3-trimethylene glycol, tetramethylene glycol, neopentyl glycol and the like. Aliphatic glycols such as aliphatic glycols and cyclohexanedimethanol, aromatic glycols such as bisphenol A, alkylene oxide adducts of bisphenol A, polyethylene glycol and polybutylene And polyalkylene glycols such as glycols.
[0019]
Examples of the polyfunctional compound as a copolymer component used when the polyester is a copolymer include trimellitic acid and pyromellitic acid as acid components, and glycerin as a glycol component. And pentaerythritol. The amount of the above-mentioned copolymer component to be used must be such that the polyester maintains a substantially linear shape. Further, a monofunctional compound such as benzoic acid or naphthoic acid may be copolymerized.
[0020]
The polyester is obtained by directly reacting terephthalic acid with ethylene glycol and, if necessary, the above-mentioned copolymer component to distill off water and esterify the mixture. Then, as a polycondensation catalyst, an antimony compound, a germanium compound, an aluminum compound or titanium is used. A direct esterification method in which one or more compounds selected from compounds are subjected to polycondensation under reduced pressure, or dimethyl terephthalate and ethylene glycol and, if necessary, the above copolymerization component in the presence of a transesterification catalyst After the methyl alcohol is distilled off and transesterified, one or more compounds selected from an antimony compound, a germanium compound, a titanium compound and an aluminum compound are used as a polycondensation catalyst, mainly under reduced pressure. It is produced by a transesterification method in which polycondensation is performed.
[0021]
Examples of the starting materials dimethyl terephthalate, terephthalic acid or ethylene glycol include dimethyl terephthalate of virgin derived from para-xylene, ethylene glycol derived from terephthalic acid or ethylene, and methanol from used PET bottles. Recovered raw materials such as dimethyl terephthalate, terephthalic acid, bishydroxyethyl terephthalate, or ethylene glycol recovered by a chemical recycling method such as decomposition or ethylene glycol decomposition can also be used as at least a part of the starting materials. It goes without saying that the quality of the recovered material must be purified to a purity and quality according to the purpose of use.
[0022]
Further, solid-state polymerization may be performed to increase the molecular weight of the polyester resin and reduce the acetaldehyde content. In order to promote crystallization before solid-phase polymerization, the molten polycondensed polyester may be heated and then crystallized after moisture absorption, or steam may be directly blown onto the polyester chip to be heated and crystallized.
[0023]
First, the polyester to be subjected to solid-state polymerization is pre-crystallized by heating at a temperature of 100 to 210 ° C. for 1 to 5 hours under an inert gas or under reduced pressure or under an atmosphere of steam or an inert gas containing steam. You. Then, solid-state polymerization is performed at a temperature of 190 to 230 ° C. for 1 to 30 hours under an inert gas atmosphere or under reduced pressure.
[0024]
The melt polycondensation reaction may be performed in a batch reactor or a continuous reactor. In any of these methods, the melt polycondensation reaction may be performed in one stage or may be performed in multiple stages. The solid-state polymerization reaction can be performed in a batch-type apparatus or a continuous-type apparatus as in the melt polycondensation reaction. The melt polycondensation and the solid phase polymerization may be performed continuously or may be performed separately.
[0025]
Examples of the antimony compound used in the production of the polyester according to the present invention include antimony trioxide, antimony acetate, antimony tartrate, antimony tartrate, antimony oxychloride, antimony glycolate, antimony pentoxide, triphenylantimony and the like. Can be The antimony compound is added so that the residual amount of antimony in the resulting polymer is in the range of 50 to 250 ppm.
[0026]
Examples of the germanium compound used for producing the polyester according to the present invention include amorphous germanium dioxide, crystalline germanium dioxide, germanium tetroxide, germanium hydroxide, germanium oxalate, germanium chloride, germanium tetraethoxide, and germanium tetra-n-. Butoxide, germanium phosphite and the like. When a germanium compound is used, the amount of the germanium compound used is 5 to 150 ppm, preferably 10 to 100 ppm, more preferably 15 to 70 ppm as the amount of germanium remaining in the polyester.
[0027]
Examples of the titanium compound used for producing the polyester according to the present invention include tetraalkyl titanates such as tetraethyl titanate, tetraisopropyl titanate, tetra-n-propyl titanate and tetra-n-butyl titanate. -Titanium acetate, titanyl oxalate, titanyl ammonium oxalate, sodium titanyl oxalate, potassium titanyl oxalate, titanyl calcium oxalate, titanyl strontium oxalate, etc., titanyl oxalate compounds, titanium trimellitate, titanium sulfate, chloride Titanium, hydrolyzate of titanium halide, titanium oxalate, titanium fluoride, potassium hexafluorotitanate, ammonium hexafluorotitanate, cobalt hexafluorotitanate, manganese hexafluorotitanate, titanium acetylacetonate And the like. The titanium compound is added so that the amount of titanium remaining in the resulting polymer is in the range of 0.1 to 10 ppm.
[0028]
As the aluminum compound used in the production of the polyester according to the present invention, specifically, aluminum formate, aluminum acetate, basic aluminum acetate, aluminum propionate, aluminum oxalate, aluminum acrylate, aluminum laurate, aluminum stearate Carboxylate such as aluminum benzoate, aluminum trichloroacetate, aluminum lactate, aluminum citrate, aluminum salicylate, aluminum chloride, aluminum hydroxide, aluminum hydroxide chloride, polyaluminum chloride, aluminum nitrate, aluminum sulfate, aluminum carbonate, phosphorus Inorganic acid salts such as aluminum phosphate, aluminum phosphonate, aluminum methoxide, aluminum ethoxide, aluminum n-propoxa , Aluminum iso-propoxide, aluminum n-butoxide, aluminum alkoxide such as aluminum t-butoxide, aluminum acetylacetonate, aluminum acetylacetate, aluminum ethyl acetoacetate, aluminum chelate compounds such as aluminum ethyl acetoacetate diiso-propoxide, Examples thereof include organoaluminum compounds such as trimethylaluminum and triethylaluminum, and partial hydrolysates thereof, and aluminum oxide. Of these, carboxylate, inorganic acid salt and chelate compound are preferred, and among these, basic aluminum acetate, aluminum lactate, aluminum chloride, aluminum hydroxide, aluminum hydroxide chloride, polyaluminum chloride and aluminum acetylacetonate are particularly preferred. preferable. The aluminum compound is added so that the residual amount of aluminum in the resulting polymer is in the range of 5 to 200 ppm.
[0029]
These catalyst compounds can be used, for example, as an ethylene glycol solution during the transesterification step or at any stage from the end of the transesterification reaction to the start of the polycondensation reaction, or during the esterification step or after the end of the esterification reaction to the start of the polycondensation reaction. It can be added at any stage.
[0030]
Further, the polyester composition of the present invention may contain at least one metal compound selected from the group consisting of alkali metal compounds and alkaline earth metal compounds. The alkali metal or alkaline earth metal is preferably at least one selected from lithium, sodium, potassium, rubidium, cesium, beryllium, magnesium, calcium, strontium, and barium. More preferred. When an alkali metal or a compound thereof is used, it is particularly preferable to use lithium, sodium and potassium. Examples of the alkali metal or alkaline earth metal compounds include, for example, saturated aliphatic carboxylate such as formic acid, acetic acid, propionic acid, butyric acid, and oxalic acid, and unsaturated aliphatic carboxylate such as acrylic acid and methacrylic acid. Aromatic carboxylate such as benzoic acid, halogen-containing carboxylate such as trichloroacetic acid, hydroxycarboxylate such as lactic acid, citric acid, salicylic acid, carbonic acid, sulfuric acid, nitric acid, phosphoric acid, phosphonic acid, hydrogen carbonate, phosphorus Inorganic acid salts such as oxyhydrogen, hydrogen sulfide, sulfurous acid, thiosulfuric acid, hydrochloric acid, hydrobromic acid, chloric acid, and bromic acid; and organic sulfonic acid salts such as 1-propanesulfonic acid, 1-pentanesulfonic acid, and naphthalenesulfonic acid , Organic sulfates such as lauryl sulfate, methoxy, ethoxy, n-propoxy, iso-propoxy, n-butoxy, tert-butyl Alkoxides such as alkoxy, chelate compounds and the like acetylacetonate, hydrides, oxides, and hydroxides and the like. The alkali metal compound or alkaline earth metal compound is added so that the residual amount of these elements in the resulting polymer is in the range of 1 to 50 ppm.
[0031]
These alkali metal compounds and alkaline earth metal compounds can be added to the reaction system at any stage of the polymerization reaction. For example, it can be added to the reaction system before the start of the esterification reaction or the transesterification reaction and at any stage during the reaction, immediately before the start of the polycondensation reaction, or at any stage during the polycondensation reaction.
The above alkali metal compound or alkaline earth metal compound is added to the reaction system as a powder, an aqueous solution, an ethylene glycol solution or the like.
[0032]
Furthermore, the polyester composition of the present invention contains a metal compound containing at least one element selected from the group consisting of silicon, manganese, iron, cobalt, zinc, gallium, strontium, zirconium, tin, tungsten, and lead. May be.
[0033]
These metal compounds include saturated aliphatic carboxylate such as acetate of these elements, unsaturated aliphatic carboxylate such as acrylate, aromatic carboxylate such as benzoic acid, and halogen containing such as trichloroacetic acid. Carboxylates, hydroxycarboxylates such as lactates, inorganic salts such as carbonates, organic sulfonates such as 1-propanesulfonate, organic sulfates such as lauryl sulfate, oxides, hydroxides, chlorides And chelate compounds with alkoxide, acetylacetonate and the like, and are added to the reaction system as powder, aqueous solution, ethylene glycol solution, slurry of ethylene glycol and the like. These metal compounds are added so that the residual amount of the elements of these metal compounds per ton of the produced polymer is in the range of 0.05 to 3.0 mol.
[0034]
Also, various phosphorus compounds can be used as stabilizers. Phosphorus compounds used in the present invention include phosphoric acid compounds, phosphorous acid compounds, phosphonic acid compounds, phosphinic acid compounds, phosphine oxide compounds, phosphonous acid compounds, phosphinic acid compounds, and phosphine compounds. System compounds. Specific examples include phosphoric acid, trimethyl phosphate, triethyl phosphate, tributyl phosphate, triphenyl phosphate, monomethyl phosphate, dimethyl phosphate, monobutyl phosphate, dibutyl phosphate, and dibutyl phosphate. Phosphoric acid, trimethyl phosphite, triethyl phosphite, tributyl phosphite, methylphosphonic acid, dimethyl phosphonate methyl, dimethyl ethyl phosphonate, dimethyl phenyl phosphonate, diethyl phenyl phosphonate, phenyl phosphonate Diphenyl ester, dimethyl benzylphosphonate, diethyl benzylphosphonate, diphenylphosphinic acid, methyl diphenylphosphinate, phenyldiphenylphosphinate Phenyl phosphinic acid, methyl phenyl phosphinate, phenyl phenyl phosphinate, diphenyl phosphine oxide, methyl diphenyl phosphine oxide, triphenyl phosphine oxide, etc., which may be used alone or in combination of two or more. Is also good. The phosphorus compound is added at any stage of the polyester production reaction step so that the residual amount of phosphorus in the produced polymer is in the range of 5 to 100 ppm.
[0035]
Further, metal compounds other than those described above can also be used as long as they do not affect the properties of the polyester composition of the present invention. Specific examples include oxides, halides, hydroxides, carbonates, carbonates, sulfates, alkoxides and fats such as copper, boron, indium, hafnium, niobium, tantalum, bismuth, chromium, molybdenum, tellurium, nickel and the like. Group or aromatic carboxylate.
[0036]
In the production of the polyester according to the present invention, a basic nitrogen compound can be used. The basic nitrogen compound may be any of aliphatic, alicyclic, aromatic and heterocyclic nitrogen compounds. Specific examples include triethylamine, tributylamine, dimethylaniline, dimethylaniline, pyridine, quinoline, dimethylbenzylamine, piperidine, tetraethylammonium hydroxide, tetrabutylammonium hydroxide, triethylbenzylammonium hydroxide, imidazole, imidazoline and the like. . These compounds may be used in a free form or as a salt of a lower fatty acid or TPA. The addition of these basic nitrogen compounds to the reaction system can be appropriately selected at any stage until the end of the initial polycondensation reaction, and may be used alone or in combination of two or more. Good.
[0037]
The compounding amount of these basic nitrogen compounds is 0.01 to 1 mol%, preferably 0.05 to 0.7 mol%, more preferably 0.1 to 0.5 mol%, based on polyester. If the amount of the basic nitrogen compound is less than 0.01 mol%, the transparency of the hollow molded article made of the obtained polyester, particularly the stretched heat-set hollow molded article, may be extremely poor. If it exceeds 1 mol%, the color tone of the polyester may be deteriorated.
[0038]
The polyester composition of the present invention comprises a polyester chip whose main repeating unit is ethylene terephthalate, a fine polyester of 0.1 to 5000 ppm having the same composition as the polyester chip, and a polyolefin resin, a polyamide resin, a polyacetate. A polyester composition comprising 0.1 ppb to 50,000 ppm of at least one resin selected from the group consisting of polyester resins, wherein the crystallization temperature (Tc2) of the polyester fine at the time of cooling was measured by DSC (differential scanning calorimeter). ') Is 195 ° C or less, and the amount of the cyclic trimer when the polyester composition is melted at a temperature of 290 ° C for 60 minutes is 0.50% by weight or less. is there.
[0039]
In the polyester production process, in the step of chipping the melt polymerized polymer, the solid phase polymerization step, the step of transporting the melt polymerized polymer chip or the solid state polymerized polymer chip, etc., the chip originally set at the time of granulation is used. Very small particles or powders are generated. Here, such a fine granular material or powder is referred to as fine, and a thin film having a thickness of about 0.5 mm or less is referred to as a film. In the process of producing polyester, high-purity raw materials and secondary materials are used, and water introduced from outside the system is used for filtration of molten polycondensation polymer, filtration of polyester chip cooling water, ion exchange treatment, and chip water treatment. Filtration and ion exchange treatment, measures such as foreign matter and impurities other than the polyester used are carried out by filtering gas used for transporting chips, etc. It can be free from impurities.
[0040]
Such a fine or film-like material has a property of accelerating crystallization, and when present in a large amount, the transparency of a molded product formed from such a polyester composition, particularly a bottle, becomes extremely poor. In some cases, the amount of shrinkage at the time of crystallization of the bottle cap portion does not fall within the specified range, and the cap cannot be sealed with the cap. In particular, fines having a crystallization temperature during cooling (Tc2 ′) exceeding 195 ° C. have a very large crystallization promoting effect, so it is important to exclude such fines.
[0041]
The content of the fines in the polyester composition of the present invention is 0.1 to 5000 ppm, preferably 0.1 to 3000 ppm, more preferably 0.1 to 1000 ppm, still more preferably 0.1 to 500 ppm, and most preferably Preferably it is 0.1-100 ppm. When the fine content is less than 0.1 ppm, the crystallization rate becomes very slow, and the crystallization of the plug portion of the hollow molded article becomes insufficient, so that the shrinkage amount of the plug portion falls within the specified value range. Since it does not fall within the range, a poor capping phenomenon may occur, or a sheet-like material having poor dimensional stability after molding the container may be given. If it exceeds 5000 ppm, the crystallization speed is increased and the fluctuation of the speed is increased. Therefore, in the case of a sheet-like material, the transparency and the surface state are deteriorated, and when it is stretched, the unevenness in thickness is deteriorated. In addition, the crystallinity of the plug part of the hollow molded body becomes excessively large and fluctuates, so that the amount of shrinkage of the plug part does not fall within the specified value range, and the cap part of the plug part becomes defective and leakage of contents occurs. In addition, the preform for hollow molding becomes white, and normal stretching becomes impossible. In particular, the fine content of the polyester composition for a stretched hollow molded article is preferably 0.1 to 500 ppm, more preferably 100 ppm or less, further preferably 50 ppm or less, particularly preferably 30 ppm or less, and most preferably 20 ppm or less. .
[0042]
The fineness of the polyester composition of the present invention has a crystallization temperature (Tc2 ′) of 195 ° C. or lower, preferably 193 ° C. or lower, more preferably 190 ° C., as measured by DSC (differential scanning calorimeter). It must be: When the crystallization temperature (Tc2 ′) of the fines constituting the polyester composition at the time of cooling exceeds 195 ° C., the resulting molded articles such as hollow molded articles have poor transparency, and the fluctuations thereof are large, and the transparency becomes large. In some cases, a molded article having excellent properties may not be obtained. Further, since the crystallization speed of the molded body is high, the crystallization speed is increased when the plug portion of the hollow molded body is heated, so that the crystallization of the plug portion may be excessive. As a result, since the shrinkage amount of the plug portion does not fall within the specified value range, capping failure of the plug portion may occur and leakage of contents may occur. In addition, the preform for hollow molding is whitened, which makes normal stretching impossible, and may cause uneven thickness. Further, the obtained sheet-like material is poor in transparency and has a high crystallization rate, so that normal stretching is impossible, and only a stretched film having large thickness unevenness and poor transparency may be obtained. .
[0043]
The content of the film having the same composition as the polyester in the polyester composition of the present invention is 10 ppm or less, preferably 5 ppm or less, more preferably 1 ppm or less. Since the film-like material is oriented and crystallized, the effect of promoting crystallization is higher than that of fine, and therefore, the limit value of the compounding amount that does not adversely affect is lower. When the compounding amount exceeds 10 ppm, the crystallization rate becomes extremely fast, and the crystallization of the plug portion of the hollow molded container becomes excessive, so that the shrinkage amount of the plug portion does not fall within the specified value range, Poor capping of the plug may result in leakage of the contents or whitening of the preform for hollow molding, which may make normal stretching impossible. The lower limit of the content of the film is desirably 0.1 ppm for economic reasons. Even when the fine crystallization temperature (Tc2 ′) of the film is 195 ° C. or less, the crystallization temperature (Tc2 ′) of the film-like material at the time of cooling is often 195 ° C. or more.
[0044]
Further, in the present invention, the polyester or fine film having the same composition as the polyester chip means that the copolymer component of the fine or film, and the copolymer component content is the same as the polyester chip. It means there is.
[0045]
After the polyester subjected to melt polycondensation is formed into chips, it is transported in a transport pipe to a silo or the like, or is transported to the next step such as a solid phase polymerization step or a water treatment step.
At this time, the molten polycondensation chip which maintains a temperature of about 50 to 60 ° C. or higher is transported by a transportation method in which a large shear force or impact force is applied to the chip, or a high-density method using air in the pipe is used. When transported at a high speed, fine or film-like substances having a crystallization temperature (Tc2 ′) at the time of temperature decrease of 195 ° C. or more as described above are generated.
[0046]
Further, such fines or the like may be further exposed to a high-temperature treatment of about 100 ° C. or more, such as during crystallization treatment or solid-state polymerization treatment, or under a high-temperature condition as described above using a rotary solid-state polymerization apparatus. When the chip is crystallized or subjected to solid-phase polymerization while applying an impact force to the chip, the crystallization temperature (Tc2 ′) at the time of temperature drop of fines or the like further increases.
[0047]
Therefore, the polyester composition of the present invention can be produced, for example, in the following manner so that impact force and shear force are not applied to the polyester chip as much as possible. In other words, after the melt polycondensation, the molten polyester is extruded into water from a die and cut in water, or after being extruded into the atmosphere, immediately cooled and cooled with cooling water so that the chip temperature exceeds about 50-60 ° C. Chipping while cooling to a temperature that does not occur, and then draining the polyester chips formed into chips, under a condition where the chip temperature does not exceed about 60 ° C., by a vibrating sieve process, a vibrating sieve process, and an airflow classification process using an air flow. Chips having a shape other than a predetermined size, fine or film-like materials are removed, and the chips are sent to a storage tank by a plug transport system or a bucket type conveyor transport system. Chips are withdrawn from the tank by a screw type feeder, transported to the next step by a plug transport system or bucket type conveyor transport system, and provided with an air flow classification process by air flow immediately before the next process. It is preferable to perform a fine or the like removing process.
[0048]
Also, if necessary, if the solid-phase polymerization is to be continued, the above-mentioned molten polycondensed polyester which has been subjected to the fine or film-like material removal treatment is again subjected to an airflow classification step by an air flow immediately before the solid-phase polymerization step. Fine and film-like substances are removed, and the solid-state polymerization step is performed. When transporting melt-polycondensed prepolymer chips to solid-state polymerization equipment or transporting polyester chips after solid-phase polymerization to a sieving process or storage tank, the majority of these transportations are carried out by plug transport or buckets. Adopted a conveyor system, and used a screw feeder to extract chips from the crystallization apparatus or solid-state polymerization reactor. It is preferable to use a device that can be suppressed as much as possible. Immediately before the product is filled in the container, fine or the like is removed by a vibrating sieve process and an airflow classification process using an air flow.
[0049]
Then, as described below, in the case where the melt polycondensation polyester or the solid-phase polymerized polyester is subjected to contact treatment with water or steam, a fine air or a film-like material is provided by providing an air flow classification step or the like by an air flow immediately before the treatment. It is preferable to adopt a plug transport system or a bucket-type conveyor transport system for transporting to the next step. In the same manner as described above, the fine or the like is removed by a vibrating sieve process and an airflow classification process using an air flow immediately before filling the product as a product.
[0050]
In the present invention, as a method of adjusting the content of the fine or film-like polyester material to the above range, for example, a fine or film having a crystallization temperature (Tc2 ′) of 195 ° C. or less, which is not subjected to a sieving step, at a temperature lowering temperature. The crystallization temperature (Tc2 ') at the time of cooling is 195 ° C or less, and the content of the fine or film-like material having a high content of the polyester chip and the sieving process and the fine or the like removal process by the air flow is very low. In addition to mixing a small amount of polyester chips at an appropriate ratio, it can also be adjusted by changing the size of the sieve in the fine etc. removal process, and using any method such as changing the sieving speed Can be.
[0051]
Further, in order to obtain a polyester composition which is excellent in transparency, has little variation in transparency, and gives a molded article having excellent crystallization control during molding, a chip alone from the polyester composition is molded. The value of the crystallization temperature during cooling (Tc2) of the obtained compact is also important, and the crystallization temperature at cooling (Tc2) of the compact from the chip alone is desirably 190 ° C. or lower. In addition, the crystallization temperature (Tc2) at the time of cooling of the compact is obtained as follows. Only the chip was selected from the polyester composition, and a 10 mg sample from the center of a 2 mm thick plate of the stepped plate obtained by the method of Example (12) described below was subjected to an apparatus described in the following measurement method (8). The temperature was raised from room temperature to 290 ° C. at a rate of 20 ° C./min, kept at 290 ° C. for 3 minutes, then lowered at a rate of 10 ° C./min to 240 ° C., and further reduced to 7 ° C./min. The temperature is lowered at the rate described above, and the crystallization peak temperature observed at the time of the temperature decrease is determined, and this is defined as the crystallization temperature (Tc2) at the time of temperature reduction of the molded body.
[0052]
Further, when the polyester composition of the present invention is melted at a temperature of 290 ° C. for 60 minutes, the amount of increase of the cyclic trimer needs to be 0.50% by weight or less. The amount of the cyclic trimer increased is preferably 0.40% by weight or less, more preferably 0.30% by weight or less, and further preferably 0.20% by weight or less. If the amount of the cyclic trimer increased by melting at a temperature of 290 ° C. for 60 minutes exceeds 0.50% by weight, the amount of the cyclic trimer increases when the resin for molding is melted, and the oligomer on the surface of the heating mold is reduced. Adhesion may increase rapidly, and the transparency of the obtained hollow molded article or the like may be extremely deteriorated. In particular, in the case of a polyester composition containing a fine having a melting peak temperature exceeding 265 ° C., even if the increase of the cyclic trimer is 0.50% by weight or less, the transparency of the obtained molded article is not affected. The quality is greatly deteriorated and the commercial value may be lost.
[0053]
The polyester composition of the present invention, in which the amount of the cyclic trimer increased by melting at a temperature of 290 ° C. for 60 minutes is 0.50% by weight or less, is obtained by melting the polyester obtained after melt polycondensation or solid phase polymerization. It can be produced by deactivating the condensation catalyst.
[0054]
Examples of the method for deactivating the polyester polycondensation catalyst include a method of subjecting a polyester chip to contact treatment with water, steam or a steam-containing gas after melt polycondensation or after solid-phase polymerization. The degree of the increase of the cyclic trimer can be controlled by appropriately changing the contact treatment conditions such as the contact treatment temperature and the contact treatment time.
[0055]
A method for treating a polyester chip with water, steam or a steam-containing gas to achieve the above object will be described below.
Examples of the hot water treatment method include a method of immersing in water and a method of spraying water on a chip with a shower. The treatment time is 5 minutes to 2 days, preferably 10 minutes to 1 day, more preferably 30 minutes to 10 hours, and the water temperature is 20 to 180 ° C, preferably 40 to 150 ° C, more preferably 50 to 150 ° C. 120 ° C.
[0056]
Hereinafter, a method for industrially performing water treatment will be described, but the method is not limited thereto. The treatment method may be either a continuous method or a batch method, but the continuous method is preferable for industrial use.
In the case of treating the polyester chips with water in a batch system, a silo-type treatment tank may be used. That is, the chips of polyester are received in a silo in a batch system, and water treatment is performed. When the polyester chips are treated with water in a continuous manner, the polyester chips can be continuously or intermittently received in the tower-type treatment tank from above and subjected to water treatment.
[0057]
Regardless of whether the water treatment method is a continuous method or a batch method, the number of particles having a particle size of 1 to 25 μm existing in water introduced from outside the system is represented by X and sodium content. When the amount is N, the content of magnesium is M, the content of calcium is C, and the content of silicon is S, water treatment is performed by satisfying at least one, and preferably all, of the following (5) to (9). I do.
[0058]
By setting any of the number of particles in the water to be introduced into the water treatment tank, and the content of sodium, magnesium, calcium, and silicon in the above range, metal-containing substances such as oxides and hydroxides called scales are treated. Floating and sedimentation, and also adhere to the processing tank wall and piping wall, which adhere to and penetrate the polyester chip, promote crystallization during molding, and prevent bottles with poor transparency Can be. As a method for reducing the number of particles in the water introduced into the water treatment tank to 50,000 or less per 10 ml, an apparatus for removing particles is installed at at least one place in a process until natural water such as industrial water is supplied to the treatment tank. I do.
[0059]
In addition, in order to reduce sodium, magnesium, calcium, and silicon in the water introduced into the water treatment tank, at least one or more places of sodium, magnesium, calcium, and silicon are required in a process until natural water such as industrial water is supplied to the treatment tank. Install a device to remove the water. These devices include devices similar to those used for the treatment of chip cooling water.
[0060]
When the polyester chips are brought into contact with steam or a steam-containing gas for treatment, steam or a steam-containing gas or a steam-containing air at a temperature of 50 to 150 ° C., preferably 50 to 110 ° C. is preferably used as granular polyethylene terephthalate. The granular polyethylene terephthalate is brought into contact with steam in the amount of 0.5 g or more as steam or present in 1 kg of the steam.
The contact between the polyester chips and water vapor is usually performed for 10 minutes to 2 days, preferably for 20 minutes to 10 hours.
[0061]
The method of industrially carrying out the contact treatment between granular polyethylene terephthalate and water vapor or a gas containing water vapor is exemplified below, but the method is not limited thereto. The processing method may be either a continuous method or a batch method.
[0062]
When a polyester chip is subjected to a contact treatment with steam in a batch system, a silo-type treatment device may be used. That is, a polyester chip is received in a silo, and steam or a steam-containing gas is supplied in a batch system to perform a contact treatment.
[0063]
If polyester chips are to be continuously contacted with steam, the granular polyethylene terephthalate should be continuously received in a tower-type treatment device from the top, and steam should be continuously supplied in parallel or countercurrent to contact with steam. Can be.
[0064]
As described above, when treated with water or steam, the granular polyethylene terephthalate is drained by a draining device such as a vibrating sieve or a simmon cutter if necessary, and then transferred to the next drying step by a conveyor.
[0065]
The drying of the polyester chips which have been subjected to the contact treatment with water or steam can be carried out by a commonly used polyester drying treatment. As a method of continuous drying, a hopper-type through-air dryer that supplies polyester chips from the upper portion and allows the drying gas to flow from the lower portion is usually used.
As a dryer for drying by a batch method, drying may be performed under atmospheric pressure while passing a drying gas.
[0066]
As the dry gas, atmospheric air may be used, but dry nitrogen and dehumidified air are preferred from the viewpoint of preventing molecular weight reduction due to hydrolysis or thermal oxidative decomposition of the polyester.
[0067]
As another means for deactivating the polycondensation catalyst, a method of inactivating the polymerization catalyst by adding and mixing a phosphorus compound to a melt of the polyester after the melt polycondensation or after the solid phase polymerization is used.
[0068]
In the case of a melt-polymerized polyester, the polyester after the completion of the melt polymerization reaction and a polyester resin containing a phosphorus compound are mixed in a device such as a line mixer capable of mixing in a molten state to deactivate the polycondensation catalyst. Method.
[0069]
As a method of blending a phosphorus compound into a solid-phase polymerized polyester, a method of dry blending a phosphorus compound with a solid-phase polymerized polyester or a method of mixing a polyester master-batch chip blended by melting and kneading a phosphorus compound with a solid-phase polymerized polyester chip are used. After a predetermined amount of the phosphorus compound is blended into the polyester by the above method, the mixture is melted in an extruder or a molding machine to deactivate the polycondensation catalyst.
[0070]
Examples of the phosphorus compound to be used include phosphoric acid, phosphorous acid, phosphonic acid and derivatives thereof. Specific examples include phosphoric acid, trimethyl phosphate, triethyl phosphate, tributyl phosphate, triphenyl phosphate, monomethyl phosphate, dimethyl phosphate, monobutyl phosphate, dibutyl phosphate, and dibutyl phosphate. Phosphoric acid, trimethyl phosphite, triethyl phosphite, tributyl phosphite, methyl phosphonic acid, methyl dimethyl phosphonate, dimethyl ethyl phosphonate, dimethyl phenyl phosphonate, diethyl phenyl phosphonate, diethyl phenyl -Diphosphonic acid diphenyl ester and the like, which may be used alone or in combination of two or more.
[0071]
It is necessary that the polyester resin composition of the present invention contains 0.1 ppb to 50,000 ppm of at least one resin selected from the group consisting of a polyolefin resin, a polyamide resin, and a polyacetal resin. The mixing ratio of the resin to the polyester used in the present invention is from 0.1 ppb to 50,000 ppm, preferably from 0.3 ppb to 10000 ppm, more preferably from 0.5 ppb to 100 ppm, further preferably from 1.0 ppb to 1 ppm, particularly preferably. It is 1.0 ppb to 45 ppb. If the compounding amount is less than 0.1 ppb, the crystallization speed becomes very slow, and the crystallization of the plug portion of the hollow molded article becomes insufficient. The capping is poor because it does not fall within the value range, and the stretch heat-fixing mold for molding the heat-resistant hollow molded article is heavily contaminated, and the mold must be cleaned frequently to obtain a transparent hollow molded article. May have to be done. If the content exceeds 50,000 ppm, the crystallization rate becomes high, and the crystallization of the plug portion of the hollow molded article becomes excessive. As a result, the amount of shrinkage and shrinkage of the plug portion does not fall within the specified value range, resulting in poor capping. In some cases, leakage of an object occurs, or the preform for a hollow molded body is whitened, so that normal stretching cannot be performed. In the case of a sheet-like material, if it exceeds 50,000 ppm, the transparency becomes extremely poor, and the stretchability becomes poor, so that normal stretching is impossible, and only a stretched film having large thickness unevenness and poor transparency can be obtained. May not be possible.
[0072]
Examples of the polyolefin resin blended in the polyester composition of the present invention include a polyethylene resin, a polypropylene resin, and an α-olefin resin. These resins may be crystalline or amorphous.
[0073]
Examples of the polyethylene resin blended in the polyester composition of the present invention include, for example, ethylene homopolymer, ethylene and propylene, butene-1, 3-methylbutene-1, pentene-1, 4-methylpentene-1, Other α-olefins having about 2 to 20 carbon atoms, such as hexene-1, octene-1, and decene-1, and vinyl acetate, vinyl chloride, acrylic acid, methacrylic acid, acrylic ester, methacrylic ester, styrene, Copolymers with a vinyl compound such as a saturated epoxy compound are exemplified. Specifically, for example, ethylene homopolymer, ethylene-propylene copolymer, ethylene-butene-1 copolymer, ethylene-butene-1 copolymer such as ultra low / low / medium / high density polyethylene (branched or linear) 4-methylpentene-1 copolymer, ethylene-hexene-1 copolymer, ethylene-octene-1 copolymer, ethylene-vinyl acetate copolymer, ethylene-acrylic acid copolymer, ethylene-methacrylic acid copolymer And an ethylene-based resin such as an ethylene-ethyl acrylate copolymer.
[0074]
Examples of the polypropylene resin blended in the polyester composition of the present invention include, for example, propylene homopolymer, propylene, ethylene, butene-1, 3-methylbutene-1, pentene-1, and 4-methylpentene-1. , Hexene-1, octene-1, decene-1, etc., other α-olefins having about 2 to 20 carbon atoms, vinyl acetate, vinyl chloride, acrylic acid, methacrylic acid, acrylate, methacrylate, styrene, etc. And a copolymer with a diene such as hexadiene, octadiene, decadiene and dicyclopentadiene. Specific examples include propylene-based resins such as propylene homopolymer (atactic, isotactic, syndiotactic polypropylene), propylene-ethylene copolymer, and propylene-ethylene-butene-1 copolymer.
[0075]
The α-olefin resin blended in the polyester composition of the present invention includes a homopolymer of an α-olefin having about 2 to 8 carbon atoms, such as 4-methylpentene-1, and those α-olefins and ethylene. And copolymers with other α-olefins having about 2 to 20 carbon atoms, such as propylene, butene-1, 3-methylbutene-1, pentene-1, hexene-1, octene-1, and decene-1. Can be Specifically, for example, butene-1 based resin such as butene-1 homopolymer, 4-methylpentene-1 homopolymer, butene-1-ethylene copolymer, butene-1-propylene copolymer, and the like; -Methylpentene-1 and C 2 ~ C 18 And a copolymer with an α-olefin.
[0076]
Examples of the polyamide resin blended in the polyester composition of the present invention include lactam polymers such as butyrolactam, δ-valerolactam, ε-caprolactam, enantholactam, ω-laurolactam, 6-aminocaproic acid, and 11-aminocaproic acid. Polymers of aminocarboxylic acids such as -aminoundecanoic acid and 12-aminododecanoic acid, hexamethylenediamine, nonamethylenediamine, decamethylenediamine, dodecamethylenediamine, undecamethylenediamine, 2,2,4- or 2,4 Aliphatic diamines such as 1,4-trimethylhexamethylenediamine, alicyclic diamines such as 1,3- or 1,4-bis (aminomethyl) cyclohexane, bis (p-aminocyclohexylmethane), m- or p-xylyl A diamine unit such as an aromatic diamine such as a diamine; Polycondensates with dicarboxylic acid units such as aliphatic dicarboxylic acids such as glutaric acid, adipic acid, suberic acid and sebacic acid, alicyclic dicarboxylic acids such as cyclohexanedicarboxylic acid, and aromatic dicarboxylic acids such as terephthalic acid and isophthalic acid. And copolymers thereof. Specific examples thereof include
[0077]
Examples of the polyacetal resin blended in the polyester composition of the present invention include, for example, polyacetal homopolymers and copolymers. As the polyacetal homopolymer, the density measured by the measuring method of ASTM-D792 is 1.40 to 1.42 g / cm. 3 Polyacetal having a melt flow ratio (MFR) of 0.5 to 50 g / 10 minutes measured at 190 ° C. under a load of 2160 g according to ASTM D-1238 is preferred.
[0078]
The polyacetal copolymer has a density of 1.38 to 1.43 g / cm measured by the method of ASTM-D792. 3 A polyacetal copolymer having a melt flow ratio (MFR) in the range of 0.4 to 50 g / 10 minutes measured at 190 ° C. under a load of 2160 g according to ASTM D-1238 is preferable. Examples of these copolymer components include ethylene oxide and cyclic ether.
[0079]
The production of a polyester composition containing the polyolefin resin or the like in the present invention is a method of directly adding and melting and kneading a resin such as the polyolefin resin to the polyester so that the content falls within the above range, or In addition to a conventional method such as a method of melt-kneading and adding as a master batch, the resin is produced at the polyester production stage, for example, during melt polycondensation, immediately after melt polycondensation, immediately after pre-crystallization, during solid state polymerization, At any stage such as immediately after solid-state polymerization, or in a process from the end of the production stage to the molding stage, for example, directly added as powders or under the flow conditions of the polyester chips It is also possible to adopt a method of mixing by, for example, bringing into contact with the resin member, or a method of melting and kneading after the contact treatment.
[0080]
Here, as a method of bringing the polyester chip into contact with the resin member under flow conditions, it is preferable that the polyester chip be brought into collision with the member within an air gap in which the resin member exists, and specifically, For example, immediately after the melt polycondensation of polyester, immediately after pre-crystallization, during the production process such as immediately after solid-phase polymerization, or when filling and discharging the transport container in the transport stage of the polyester chip as a product, A part of a pneumatic transport pipe, a gravity transport pipe, a silo, a magnet part of a magnet catcher, or the like at the time of inserting a molding machine in a chip molding stage is made of the resin, or the resin film, sheet, or molded body is formed. Affixing the resin, lining the resin, or placing the resin member such as a rod-shaped or net-shaped body in the transfer path. To include a method of transferring the polyester chips. The contact time of the polyester chip with the member is usually very short, such as about 0.01 second to several minutes. However, a small amount of the resin can be mixed into the polyester.
[0081]
The content of the cyclic trimer in the polyester composition of the present invention is 0.70% by weight or less, preferably 0.50% by weight or less, more preferably 0.40% by weight or less. When a heat-resistant hollow molded article or the like is molded from the polyester composition of the present invention, heat treatment is performed in a heating mold. However, when the content of the cyclic trimer exceeds 0.70% by weight, the heating mold is used. Oligomer adhesion to the mold surface may increase rapidly, and the transparency of the obtained hollow molded article or the like may be extremely deteriorated.
[0082]
Further, the polyester according to the present invention, when the content of sodium, the content of magnesium, the content of silicon, and the content of calcium in the cooling water in the chipping step are N, M, S, and C, respectively, It is preferable that the polyester be a chip formed after melt polycondensation so as to satisfy at least one, preferably all of (1) to (4).
N ≦ 1.0 (ppm) (1)
M ≦ 0.5 (ppm) (2)
S ≦ 2.0 (ppm) (3)
C ≦ 1.0 (ppm) (4)
[0083]
The sodium content (N) in the cooling water is preferably N ≦ 0.5 ppm, and more preferably N ≦ 0.1 ppm.
The magnesium content (M) in the cooling water is preferably M ≦ 0.3 ppm, more preferably M ≦ 0.1 ppm.
Further, the content (S) of silicon in the cooling water is preferably S ≦ 0.5 ppm, and more preferably S ≦ 0.3 ppm.
Further, the calcium content (C) in the cooling water is preferably C ≦ 0.5 ppm, and more preferably C ≦ 0.1 ppm.
[0084]
The lower limits of the sodium content (N), magnesium content (M), silicon content (S) and calcium content (C) in the cooling water are N ≧ 0.001 ppm, M ≧ 0.001 ppm, S ≧ 0.02 ppm and C ≧ 0.001 ppm. In order to reduce the amount to less than the lower limit, enormous capital investment is required, and the operating cost becomes extremely high, which may make economic production difficult.
[0085]
If cooling water outside the above-mentioned conditions is used, these metal-containing compounds adhere to the polyester chip surface, and the crystallization speed of the obtained polyester is extremely fast and its fluctuation is undesirably large. The content of the metal in industrial water fluctuates considerably throughout the year, and the metal content adhering to the polyester fluctuates according to this fluctuation, or at least one of the above (1) to (4) Compared with the case where cooling water satisfying the above conditions is used, the molded article made of polyester obtained by using industrial water as cooling water at the time of chipping has poor transparency and its fluctuation is very large. It is preferable that all of the above (1) to (4) are satisfied.
[0086]
In addition, when solid-state polymerization of the melt-polycondensed polyester chipped while cooling using cooling water that deviates from the above-described conditions, the metal adhered to the chip surface in the chip-forming step and brought into the solid-state polymerization reaction device. The contained substance adheres to the vessel wall of the solid-state polymerization apparatus together with a part of the surface layer of the polyester chip, and this becomes a scale with a high metal content by prolonged heating at a high temperature of about 170 ° C. or more, and is formed on the vessel wall. May adhere. Then, there is a case where a problem arises that this peels off from time to time and mixes into the polyester chip, which becomes a foreign matter in a molded product such as a bottle and reduces the commercial value.
[0087]
Further, when producing a sheet, the above-mentioned scale is clogged in the molten polymer filtration filter at the time of film formation, so that the filter-filtration pressure increases sharply, and the operability and productivity are deteriorated. May also occur.
[0088]
A method for controlling the sodium content, magnesium content, silicon content, and calcium content of the cooling water of the chip within the above ranges will be described below, but the present invention is not limited thereto.
In order to reduce the amount of sodium, magnesium, calcium, and silicon in the cooling water, an apparatus for removing sodium, magnesium, calcium, and silicon is installed at at least one or more locations in the chip forming process until industrial water is sent. In addition, a filter is installed in order to remove clay minerals such as silicon dioxide and aluminosilicate which have become particulate. Examples of an apparatus for removing sodium, magnesium, calcium, and silicon include an ion exchange apparatus, an ultrafiltration apparatus, and a reverse osmosis membrane apparatus.
[0089]
Further, it is desirable to use water in which particles having a particle size of 1 to 25 μm existing in the introduced water introduced from outside the system are reduced to 50,000 particles / 10 ml or less. The number of particles having a particle size of 1 to 25 μm in the introduced water is preferably 10,000 particles / 10 ml or less, more preferably 1,000 particles / 10 ml or less, and particularly preferably 100 particles / 10 ml or less.
[0090]
Further, as a gas which comes into contact with the polyester after the melt polycondensation step or the solid phase polymerization step, particles having a particle size of 0.3 to 5 μm are 1,000,000 (pieces / cubic feet) or less, preferably 500,000 pieces (pieces / cubic feet). G), and more preferably 100,000 (pieces / cubic foot) or less of gas introduced from outside the system. Particles having a particle size exceeding 5 μm in the gas are not particularly limited, but are preferably 5 (pieces / cubic) or less, more preferably 1 (pieces / cubic) or less.
[0091]
In the polyester production process, it is filled into containers such as a silo, a hopper of a molding machine, a transport container, etc., from each of a melt polycondensation process, a solid phase polymerization process, etc., through a sieving process, an airflow classification process, etc. However, for transportation and drying of the polyester during these steps, air near the processing equipment is generally taken into the steps by a blower or the like for use. Conventionally, such air is used as is, or a low-performance filter unit such as type 3 specified in JIS B 9908 (1991).
It was common to use it simply by treating it with a knitted purifier.
However, there was a case where a problem occurred that only a molded article having poor transparency could be obtained from the polyester treated in such a step. In particular, when air having the above-mentioned quality is used as the gas that comes into contact with the polyester before and after the contact treatment step with the member made of the resin, fluctuations in the crystallization speed, transparency, and the like of the obtained molded body are large. And there is a high possibility that a problem will occur.
[0092]
Therefore, in the method for producing the polyester composition of the present invention, at least one of the polyesters after melt polycondensation, after solid-phase polymerization, after water treatment or after contact treatment with the member made of the resin, As a gas to be contacted in any one of the transporting step, the sieving step, the storing step, and the container filling step, particles having a particle size of 0.3 to 5 μm having a particle size of 1,000,000 (pieces / cubic feet) or less are out of the system. It is desirable to use more introduced gases.
[0093]
Hereinafter, a method of controlling the number of particles having a particle size of 0.3 to 5 μm in a gas introduced from outside the system to 1,000,000 (pieces / cubic foot) or less will be described, but the present invention is not limited to this. Absent.
As a method of reducing the number of particles having a particle size of 0.3 to 5 μm in the gas introduced from outside the system to 1,000,000 (pieces / cubic foot) or less, a process until the gas introduced from the outside comes into contact with the polyester chip is used. A cleaning device for removing the particles is installed at at least one or more locations. In the case where the gas is air in the vicinity of the processing equipment, during the process until the air introduced from the air intake port by the blower comes into contact with the polyester chip,
[0094]
As a material of an ultra-high-performance filter (hereinafter, abbreviated as HEPA filter) unit of
Examples of the material of the high-performance filter unit of the
Generally, a polypropylene fiber electrostatic filter is used.
[0095]
In addition, as a material of the low-performance filter unit of the type 3 defined in JIS B 9908 (1991), a nonwoven fabric made of PET or polypropylene is exemplified.
[0096]
The intrinsic viscosity of the polyester composition of the present invention is preferably from 0.55 to 1.50 deciliter / gram, more preferably from 0.58 to 1.20 deciliter / gram. When the intrinsic viscosity of the polyester is less than 0.55 deciliter / gram, the transparency, heat resistance, mechanical properties, and the like of the molded product obtained by melt-molding the polyester composition of the present invention may not be sufficiently satisfied. If the intrinsic viscosity exceeds 1.50 deciliters / gram, the resin temperature rises during melting by a molding machine or the like, and the thermal decomposition becomes severe, and free low-molecular-weight compounds that affect the fragrance retention increase. In some cases, problems such as the molded article being colored yellow may occur.
[0097]
The acetaldehyde content of the polyester composition of the present invention is 50 ppm or less, preferably 30 ppm or less, more preferably 10 ppm or less, and further preferably 5 ppm or less. When the content of acetaldehyde is 50 ppm or more, the contents such as containers molded from the polyester may deteriorate in flavor and odor.
[0098]
The amount of diethylene glycol copolymerized in the polyester according to the present invention is preferably 0.5 to 5.0 mol%, more preferably 1.0 to 4.5 mol% of the glycol component constituting the polyester. Mol%, more preferably 1.5 to 4.0 mol%. When the amount of diethylene glycol exceeds 5.0 mol%, thermal stability is deteriorated, the molecular weight is greatly reduced during molding, and the acetaldehyde content and the formaldehyde content are increased, which is not preferable. If the diethylene glycol content is less than 0.5 mol%, the transparency of the obtained molded article may be poor.
[0099]
As described above, the content of the cyclic trimer in the polyester composition of the present invention is 0.70% by weight or less, more preferably 0.50% by weight or less, and further preferably 0.40% by weight or less. . When a heat-resistant hollow molded article or the like is molded from the polyester composition of the present invention, heat treatment is performed in a heating mold. However, when the content of the cyclic trimer is 0.70% by weight or more, heating is performed. The adhesion of the oligomer to the mold surface may increase rapidly, and the transparency of the obtained hollow molded article or the like may be extremely deteriorated.
[0100]
In the present invention, the shape of the polyester chip may be any of a cylinder type, a square type, a spherical shape or a flat plate shape. The average particle size is usually in the range of 1.5 to 5 mm, preferably 1.6 to 4.5 mm, and more preferably 1.8 to 4.0 mm. For example, in the case of a cylinder type, it is practical that the length is about 1.5 to 4 mm and the diameter is about 1.5 to 4 mm. In the case of spherical particles, it is practical that the maximum particle diameter is 1.1 to 2.0 times the average particle diameter and the minimum particle diameter is 0.7 times or more the average particle diameter. The practical weight of the chip is in the range of 10 to 30 mg / piece.
[0101]
Further, the polyester composition of the present invention has a haze of 15% or less of a molded plate having a thickness of 5 mm obtained by injection molding the same, and a test piece from a molded product having a thickness of 2 mm obtained by injection molding. It is desirable that the crystallization temperature (hereinafter referred to as “Tc1”) at the time of the temperature rise be in the range of 150 to 168 ° C. The haze of the molded plate is preferably 10% or less, more preferably 8% or less, and the crystallization temperature (Tc1) at the time of raising the temperature is preferably 153 to 165 ° C, and more preferably 155 to 163 ° C. It is.
[0102]
If the haze of the molded plate exceeds 15%, the transparency of the obtained hollow molded article is deteriorated, and this is a problem particularly in the case of a stretched hollow molded article. On the other hand, when Tc1 exceeds 168 ° C., the heating crystallization rate becomes extremely slow, and crystallization of the plug of the hollow molded article becomes insufficient, which may cause a problem of leakage of the contents. When Tc1 is lower than 150 ° C., the transparency of the hollow molded article may be reduced, which may cause a problem.
[0103]
The polyester composition of the present invention is a PET bottle obtained by using a raw material such as dimethyl terephthalate or terephthalic acid obtained by purifying a used PET bottle by a chemical recycling method and recovering the used PET bottle at least as a part of a starting material. It can be used as a mixture with flake-like PET or chip-like PET that has been purified and recovered by a recycling method.
[0104]
It is also possible to simultaneously use a saturated fatty acid monoamide, an unsaturated fatty acid monoamide, a saturated fatty acid bisamide, an unsaturated fatty acid bisamide, and the like in the polyester composition of the present invention.
[0105]
Examples of the saturated fatty acid monoamide include lauric amide, palmitic amide, stearic amide, behenic amide and the like. Examples of unsaturated fatty acid monoamides include oleic acid amide, erucic acid amido ricinoleic acid amide, and the like. Examples of the saturated fatty acid bisamide include methylenebisstearic acid amide, ethylenebiscapric acid amide, ethylenebislauric acid amide, ethylenebisstearic acid amide, ethylenebisbehenic acid amide, hexamethylenebisstearic acid amide, hexamethylenebisbehenic acid Amides and the like. Examples of the unsaturated fatty acid bisamide include ethylene bisoleic acid amide and hexamethylene bisoleic acid amide. Preferred amide compounds are saturated fatty acid bisamides, unsaturated fatty acid bisamides, and the like. The compounding amount of such an amide compound is 10 ppb to 1 × 10 5 ppm range.
[0106]
Metal salt compounds of aliphatic monocarboxylic acids having 8 to 33 carbon atoms, such as naphthenic acid, caprylic acid, capric acid, lauric acid, myristic acid, palmitic acid, stearic acid, behenic acid, montanic acid, melicic acid, and oleic acid It is also possible to simultaneously use lithium salts, sodium salts, potassium salts, magnesium salts, calcium salts, cobalt salts and the like of saturated and unsaturated fatty acids such as linoleic acid and the like. The compounding amount of these compounds is in the range of 10 ppb to 300 ppm.
[0107]
The polyester composition of the present invention can be preferably used as a packaging material such as a hollow molded article, a tray, a biaxially stretched film, a film for covering a metal can, and the like. Further, the polyester composition of the present invention can also be used as one constituent layer of a multilayer molded article, a multilayer film and the like.
[0108]
The polyester composition of the present invention can be used to form films, sheets, containers, and other packaging materials using commonly used melt molding methods. The mechanical strength can be improved by stretching the sheet-like material comprising the polyester composition of the present invention in at least one direction. The stretched film made of the polyester composition of the present invention is a sheet-like product obtained by injection molding or extrusion molding, and is preferably any one of uniaxial stretching, sequential biaxial stretching, and simultaneous biaxial stretching usually used for PET stretching. It is formed using a stretching method. Also, it can be formed into a reclip shape or a tray shape by pressure forming or vacuum forming.
[0109]
In producing a stretched film, the stretching temperature is usually from 80 to 130 ° C. The stretching may be uniaxial or biaxial, but is preferably biaxial in view of practical physical properties of the film. The stretching ratio is usually 1.1 to 10 times, preferably 1.5 to 8 times in the case of uniaxial stretching. In the case of biaxial stretching, it is usually 1.1 to 8 times in both the longitudinal and transverse directions. , Preferably in the range of 1.5 to 5 times. Further, the ratio of the vertical / horizontal magnification is usually 0.5 to 2, preferably 0.7 to 1.3. The obtained stretched film can be further heat-set to improve heat resistance and mechanical strength. The heat setting is usually performed under tension at 120 ° C. to 240 ° C., preferably 150 ° C. to 230 ° C., usually for several seconds to several hours, preferably for several tens seconds to several minutes.
[0110]
In producing the hollow molded article, a blow-form molded from the polyester composition of the present invention is formed by stretch blow molding, and an apparatus conventionally used for PET blow molding can be used. Specifically, for example, a preform is once molded by injection molding or extrusion molding, and after processing the plug portion and the bottom portion, it is reheated, and biaxial stretch blow molding such as hot parison method or cold parison method is performed. The law applies. In this case, the molding temperature, specifically, the temperature of each cylinder and nozzle of the molding machine is usually in the range of 260 to 300 ° C. The stretching temperature is usually 70 to 120 ° C., preferably 90 to 110 ° C., and the stretching ratio is usually 1.5 to 3.5 times in the longitudinal direction and 2 to 5 times in the circumferential direction. The obtained hollow molded body can be used as it is, but in particular, in the case of beverages requiring heat filling, such as fruit juice beverages, oolong tea, etc., in general, heat-setting treatment is further performed in a blow mold to obtain heat resistant It is used with imparting properties. The heat setting is usually performed at 100 to 200 ° C., preferably 120 to 180 ° C., for several seconds to several hours, preferably for several seconds to several minutes, under tension by compressed air or the like.
[0111]
Also, in order to impart heat resistance to the plug portion, the plug portion of the preform obtained by injection molding or extrusion molding is crystallized in a far infrared or near infrared heater installation oven, Alternatively, the plug portion is crystallized with the heater after the bottle is formed.
[0112]
The polyester composition of the present invention includes a known ultraviolet absorber, an antioxidant, an oxygen scavenger, a lubricant added from the outside or a lubricant internally deposited during the reaction, a release agent, a nucleating agent, Various additives such as an agent, an antistatic agent, a dye, and a pigment may be blended.
[0113]
Further, when the polyester composition of the present invention is used for film applications, calcium carbonate, magnesium carbonate, barium carbonate may be used in the polyester composition in order to improve handling properties such as slipperiness, winding property, and blocking resistance. Inorganic particles such as calcium sulfate, barium sulfate, lithium phosphate, calcium phosphate and magnesium phosphate; organic salt particles such as terephthalate such as calcium and calcium oxalate, calcium, barium, zinc, manganese and magnesium; divinylbenzene, styrene and acrylic Inert particles such as cross-linked polymer particles such as homo- or copolymers of vinyl monomers of acid, methacrylic acid, acrylic acid or methacrylic acid can be contained.
The main method of measuring characteristic values in the present invention will be described below.
[0114]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples, but the present invention is not limited to these Examples. In addition, the measuring method of the main characteristic value in this specification is demonstrated below.
[0115]
(1) Intrinsic viscosity (IV) of polyester
It was determined from the solution viscosity at 30 ° C. in a 1,1,2,2-tetrachloroethane / phenol (2: 3 weight ratio) mixed solvent.
[0116]
(2) Diethylene glycol content of polyester (hereinafter referred to as [DEG content])
It was decomposed by methanol and the amount of DEG was quantified by gas chromatography and expressed as a ratio (mol%) to the total glycol components.
[0117]
(3) Polyester cyclic trimer content (hereinafter referred to as “CT content”)
300 mg of a sample is dissolved in 3 ml of a mixed solution of hexafluoroisopropanol / chloroform (volume ratio = 2/3), and further diluted with 30 ml of chloroform. To this, 15 ml of methanol was added to precipitate a polymer, followed by filtration.
The filtrate was evaporated to dryness, the volume was adjusted to 10 ml with dimethylformamide, and the cyclic trimer was quantified by high performance liquid chromatography.
[0118]
(4) Acetaldehyde content of polyester (hereinafter referred to as "AA content")
A sample / distilled water = 1 g / 2 cc in a glass ampoule purged with nitrogen was sealed and subjected to extraction at 160 ° C. for 2 hours. After cooling, acetaldehyde in the extract was measured by high-sensitivity gas chromatography. The concentration was expressed in ppm.
[0119]
(5) Increase in cyclic trimer when polyester is melted (ΔCT amount)
3 g of the dried polyester chip is placed in a glass test tube, and immersed in a 290 ° C. oil bath for 60 minutes in a nitrogen atmosphere to be melted. The amount of increase of the cyclic trimer at the time of melting is obtained by the following equation.
Cyclic trimer increase during melting (% by weight) = cyclic trimer content after melting (% by weight) -cyclic trimer content before melting (% by weight)
[0120]
(6) Measurement of fine content and film content
Approximately 0.5 kg of the resin is sieved with a wire mesh having a nominal size of 5.6 mm according to JIS-Z8801 (A) and a wire mesh having a nominal size of 1.7 mm (diameter 20 cm) (B) in two stages. It was put on the combined sieve and sieved at 1800 rpm for 1 minute with a rocking sieve shaking tow machine SNF-7 manufactured by Teraoka. This operation was repeated to sieve a total of 20 kg of the resin.
On the above sieve (A), apart from a film-like material having a thickness of about 0.5 mm or less, a chip-like material in which two or more chips are fused together or cut into a size larger than a normal shape. Is removed, the remaining film-like material having a thickness of about 0.5 mm or less and the fines sieved under the sieve (B) are separately washed with ion-exchanged water and washed with Iwaki. The solution was collected by filtration through a glass G1 glass filter. These were dried together with the glass filter in a dryer at 100 ° C. for 2 hours, cooled, and weighed. The same operation of washing and drying with ion-exchanged water was repeated again, and it was confirmed that the weight became constant. The weight of the glass filter was subtracted from the weight to determine the fine weight and the weight of the film. Fine content or film content is the fine weight or film weight / total resin weight sieved. The total content is determined from these values.
[0121]
(7) Measurement of crystallization temperature (Tc2 ') at the time of cooling of fine
Measured using a differential scanning calorimeter (DSC) manufactured by Seiko Electronics Co., Ltd., RDC-220. In (6), fines collected from 20 kg of polyester were dried under reduced pressure at 25 ° C. for 3 days, and 10 mg of a sample was used for one measurement. The temperature is raised from room temperature to 290 ° C. at a rate of 20 ° C./min, maintained at 290 ° C. for 3 minutes, and quenched with liquid nitrogen. Next, after the temperature was raised again under the same conditions, the temperature was maintained at 290 ° C. for 3 minutes, the temperature was lowered to 240 ° C. at a rate of 10 ° C./min, and further lowered to room temperature at a rate of 7 ° C./min. The crystallization peak temperature observed at the time of this temperature decrease is determined, and this is defined as the crystallization temperature at the time of the temperature decrease (Tc2 '). The measurement is performed on a maximum of 10 fine samples, and the average value of the crystallization temperatures at the time of cooling (Tc2 ′) is obtained, and this is defined as the crystallization temperature at the time of the fine cooling (Tc2 ′).
[0122]
(8) Crystallization temperature (Tc1) at the time of temperature rise of molded body
Measured by RDC-220, a differential thermal analyzer (DSC) manufactured by Seiko-Electronic Industry Co., Ltd. A 10 mg sample from the center of a 2 mm thick plate of the molded plate of (13) below was used. The temperature was raised at a temperature rising rate of 20 ° C./min, and the apex temperature of the crystallization peak observed in the course of the heating was measured and defined as the crystallization temperature during temperature rise (Tc1).
[0123]
(9) Average density of polyester chip and density of preform plug
The measurement was performed at 30 ° C. with a density gradient tube of calcium nitrate / water mixed solution.
[0124]
(10) Haze (% haze) and haze spots
A sample was cut out from the body (thickness of about 0.4 mm) of the molded article (
Haze spot = maximum value of haze / minimum value of haze
[0125]
(11) Density increase due to heating of preform plug
The preform plug was heat-treated for 180 seconds with a homemade infrared heater, a sample was taken from the top surface and the density was measured.
[0126]
(12) Forming a stepped plate
In the molding of the stepped molding plate according to the present invention, a polyester chip dried under reduced pressure at 140 ° C. for about 16 hours using a reduced pressure drier is drawn by an M-150C-DM type injection molding machine manufactured by Meiki Seisakusho. 1, 2 mm to 11 mm having a gate portion (G) as shown in FIG. 2 (A portion thickness = 2 mm, B portion thickness = 3 mm, C portion thickness = 4 mm, D portion thickness = 5 mm, E portion (Thickness = 10 mm, thickness of F portion = 11 mm) was injection molded.
[0127]
Dry inert gas (nitrogen gas) purge was performed in the molding material hopper in order to prevent moisture absorption of the chips during molding by using polyester chips which had been dried under reduced pressure using a Yamato Scientific Vacuum Dryer Model DP61. The plasticizing conditions by the M-150C-DM injection molding machine were as follows: feed screw rotation speed = 70%, screw rotation speed = 120 rpm, back pressure 0.5 MPa, cylinder temperature 45 ° C, 250 ° C from immediately below the hopper, and nozzles And 290 ° C. The injection conditions were such that the injection speed and the holding pressure were 20%, and the injection pressure and the holding pressure were adjusted so that the weight of the molded product was 146 ± 0.2 g. At that time, the holding pressure was 0.5 MPa lower than the injection pressure. It was adjusted.
The upper limits of the injection time and the dwell time are set to 10 seconds and 7 seconds, respectively, and the cooling time is set to 50 seconds. The total cycle time including the time for removing the molded product is about 75 seconds.
Cooling water having a water temperature of 10 ° C. is constantly introduced into the mold to control the temperature. The mold surface temperature during stable molding is about 22 ° C.
[0128]
The test plate for evaluating the characteristics of the molded article was arbitrarily selected from among the stable molded articles at the 11th to 18th shots from the start of molding after the introduction of the molding material and the replacement of the resin.
A plate having a thickness of 2 mm (part A in FIG. 1) is used for measurement of the crystallization temperature (Tc1) when the temperature is raised, and a plate having a thickness of 5 mm (part D in FIG. 1) is used for measuring haze (% haze).
[0129]
(13) Molding of hollow molded body
The polyester was dried with a dryer using dehumidified air, and a preform was molded at a resin temperature of 290 ° C. using an M-150C (DM) injection molding machine manufactured by Koki Seisakusho. The plug portion of this preform was heated and crystallized by a home-made plug portion crystallization apparatus. Next, the preformed body was biaxially stretched and blown at a magnification of about 2.5 times in a longitudinal direction and about 3.8 times in a circumferential direction by an LB-01E molding machine manufactured by CORPOPLAST, and was then set at about 150 ° C. It was heat-set in a mold for about 7 seconds to form a container having a capacity of 2000 cc (body thickness 0.45 mm). The stretching temperature was controlled at 100 ° C.
[0130]
(14) Evaluation of leakage of contents from hollow molded body
The hollow molded body molded in the above (13) was filled with hot water at 90 ° C., capped by a capping machine, the container was turned down and left, and then the leakage of the contents was examined. Also, the deformation of the plug after capping was examined.
[0131]
(15) Sodium content, calcium content, magnesium content and silicon content in the cooling water in the chipping process and the water introduced in the water treatment process
Cooling water or introduced water after particle removal and ion exchange was collected, filtered through a 1G1 glass filter manufactured by Iwaki Glass Co., Ltd., and the filtrate was measured with an inductively coupled plasma emission analyzer manufactured by Shimadzu Corporation.
[0132]
(16) Measurement of the number of particles in the cooling water of the chipping process, and the water introduced and recycled in the water treatment process
The cooling water in the chipping process, the introduced water after particle removal and ion exchange, or the recycled water treated in the filtration device (5) and the adsorption tower (8) are manufactured by Seishin Enterprise Co., Ltd. The number of particles was measured using a PAC 150, and the number of particles was expressed in units / 10 ml.
[0133]
(17) Measurement of the number of particles in the gas that comes into contact with the polyester chip
The gas sent by a blower or the like for forcibly sending the gas and having passed through the gas cleaning device is branched into the main gas stream before being brought into contact with the chip, and introduced into the particle measuring device for measurement. The measurement is repeated five times, the average value is calculated, and the number per cubic foot of gas is calculated.
As a particle measuring device, a light scattering type particle measuring device manufactured by Rion Co., Ltd., KC-01B, was used.
[0134]
(Example 1)
A slurry of high-purity terephthalic acid and ethyl glycol is continuously supplied to a first esterification reactor containing a reactant in advance, and is stirred at about 250 ° C., 0.5 kg / cm. 2 The reaction was conducted at G for an average residence time of 3 hours. The reaction was sent to the second esterification reactor and stirred at about 260 ° C., 0.05 kg / cm 2 The reaction was carried out to a predetermined degree of reaction. Also, crystalline germanium dioxide is dissolved in water by heating, ethylene glycol is added thereto, and the heat-treated catalyst solution and phosphoric acid ethylene glycol solution are separately and continuously supplied to the second esterification reactor. did. This esterification reaction product is continuously fed to the first polycondensation reactor, and is stirred at about 265 ° C. and 25 torr for 1 hour, and then is stirred at about 265 ° C. and 3 torr for 1 hour in the second polycondensation reactor. The mixture was polycondensed for 1 hour at about 275 ° C. and 0.5-1 torr while stirring in the final polycondensation reactor. The intrinsic viscosity of the melt polycondensation prepolymer was 0.55 dl / g.
[0135]
After chipping while cooling the melt polycondensation reaction product with cooling water (sodium content: 0.01 ppm, magnesium content: 0.02 ppm, calcium content: 0.02 ppm, silicon content: 0.09 ppm), The chips having a temperature of 50 ° C. or less were transported to a storage tank, and fines and film-like substances were removed by a vibrating sieving step and an airflow classification step, so that the fine content was reduced to about 50 ppm or less. Next, the mixture is sent to a crystallization apparatus by a bucket type conveyor transport system, continuously crystallized at about 155 ° C. for 3 hours under a nitrogen gas flow, and then charged into a column-type solid-state polymerizer, and then at about 207 ° C. under a nitrogen gas flow. Solid phase polymerization was performed continuously to obtain a solid phase polymerized polyester. After the solid phase polymerization, the mixture was continuously treated in a sieving step and a fine removal step to remove fines and film-like substances, and stored in a storage tank.
[0136]
The intrinsic viscosity of the obtained PET is 0.74 deciliter / gram, the content of DEG is 2.7 mol%, the content of the cyclic trimer is 0.31% by weight, and the increase of the cyclic trimer is 0.41% by weight. %, Average density is 1.4023 g / cm 3 , AA content was 3.2 ppm, and fine content was about 50 ppm. The crystallization temperature (Tc2 ′) of the fine at the time of cooling was 178 ° C. In addition, the residual amount of Ge measured by atomic absorption analysis was 47 ppm, and the residual amount of P was 28 ppm.
[0137]
A linear low-density polyethylene (MFR = about 0.9 g / 10 min, density = about 0.923 g / cm) was added to the obtained PET. 3 ) Is kneaded with a twin-screw extruder to prepare a PET master (fine content: about 55 ppm) in which the polyethylene is finely dispersed, and this master is mixed with the PET so that the polyethylene becomes about 10 ppb. (The fine content is about 50 ppm, the crystallization temperature (Tc2 ′) at the time of cooling of the fine is 179 ° C.) obtained by the method of (12) or (13) above, Evaluation of the stretch-formed bottle was performed. Table 1 shows the results.
[0138]
The haze of the formed plate is 4.4%, the haze unevenness of the formed plate is 0.2%, the Tc1 of the formed plate is 162 ° C., the density of the plug is 1.381 g / cm 3, and the density deviation of the plug is 0.002 g / cm. cm3, a value without a problem.
[0139]
Also, there was no problem in the leakage test of the contents, and there was no deformation of the plug portion. The barrel haze of the obtained bottle was as good as 1.1%. The AA content of the bottle was 22.9 ppm, a value without a problem.
In addition, continuous stretch blow molding of 5,000 or more was carried out, but no mold contamination was observed, and there was no problem.
[0140]
In the manufacturing process, all of the melt polymerized prepolymer chips, solid state polymerization chips, and water treatment chips are transported by the bucket type conveyor transport system, and all the chips are extracted from the reactor and the storage tank using the screw type feeder. Was. The same system was used for the transportation and withdrawal in Examples 2 to 5.
In addition, a filter unit made of a PET nonwoven fabric of type 3 of JIS B 9908 (1991) is used as air for contacting the melt polycondensation PET chip or the solid-state polymerization PET chip with the chip before filling and storing the chip in a transport container or a storage container. Air filtered with an attached air purifier and an air purifier equipped with a HEPA filter unit having a particle collection rate of 99% or more of JIS B 9908 (1991) type 1 (the number of particles having a particle size of 0.3 to 5 μm is about (500 pieces / cubic feet) were used. The same applies to Examples 2 to 5 and Comparative Example 1.
[0141]
(Example 2)
The PET chip obtained in Example 1 was treated with water as follows. A raw material chip supply port (1) at the upper part of the processing tank, an overflow discharge port (2) located at the upper limit level of the processing water in the processing tank, and a discharge port (3) of the mixture of the polyester chips and the processing water at the lower part of the processing tank. ), The treated water discharged from the overflow outlet, the treated water discharged from the treatment tank, and the treated water discharged from the discharge section at the bottom of the treatment tank via the draining device (4). A pipe (6) whose filter medium is sent again to a water treatment tank via a fine-powder removing device (5) which is a continuous filter made of paper; an inlet (7) for the treated water from which these fine-powder has been removed; An adsorption tower (8) for adsorbing acetaldehyde in spent treated water and a new ion-exchanged water inlet (9) 3 The processing tank shown in FIG. 3 was used.
[0142]
The solid-phase polymerized PET chips of Example 1 were subjected to fine and film-like material removal treatment by a vibrating sieving process and an airflow classification process, and then 50 kg / hour into a water treatment tank controlled at a treatment water temperature of 95 ° C. The water was continuously supplied from the supply port (1) at the upper part of the processing tank at the speed of 1 and subjected to water treatment, and was continuously extracted from the discharge port (3) at the lower part of the processing tank together with the processing water at a rate of 50 kg / hour as PET chips.
[0143]
The content of particles having a particle diameter of 1 to 25 μm in the introduced water collected before the ion-exchanged water introduction port (9) of the above treatment apparatus is about 1900 particles / 10 ml, the sodium content is 0.01 ppm, and the magnesium content is 0.1 ppm. 01 ppm, calcium content is 0.01 ppm, silicon content is 0.06 ppm, and the number of particles of recycled water having a particle size of 1 to 40 μm after treatment in the filtration device (5) and the adsorption tower (8) is about 12,000. / 10 ml.
PET after the water treatment was subjected to fine or the like removal treatment in a vibrating sieve process and an airflow classification process.
[0144]
The intrinsic viscosity of the obtained PET is 0.74 deciliter / gram, the content of DEG is 2.7 mol%, the content of the cyclic trimer is 0.30% by weight, and the increase of the cyclic trimer is 0.06% by weight. %, Average density is 1.4023 g / cm 3 The AA content was 3.3 ppm, the fine content was about 50 ppm, and the crystallization temperature (Tc2 ′) of the fine at the time of cooling was 176 ° C.
[0145]
Then, in the same manner as in Example 1, the water-treated PET obtained in this example was added to a linear low-density polyethylene (MFR = about 0.9 g / 10 min, density = about 0.923 g / cm). 3 ) Is kneaded with a twin-screw extruder to prepare a PET master (fine content: about 50 ppm) in which the polyethylene is finely dispersed, and this master is added to the PET of this embodiment so that the polyethylene becomes about 10 ppb. For the PET composition obtained by mixing (the content of fines is about 50 ppm, the crystallization temperature (Tc2 ′) at the time of cooling of fines is 175 ° C.), as in Example 1, a molded plate and a biaxially stretched bottle Was evaluated. Table 1 shows the results.
[0146]
The haze of the molded plate is 4.5%, the Tc1 of the molded plate is 163 ° C., and the density of the plug portion is 1.381 g / cm. 3 This was a value that did not cause any problem, and continuous stretch blow molding of 5,000 or more was carried out, but no mold stain was observed and the transparency of the bottle was good.
Also, there was no problem in the leakage test of the contents, and there was no deformation of the plug portion. The barrel haze of the obtained bottle was as good as 1.0%. The AA content of the bottle was 16.6 ppm, a value without a problem.
[0147]
(Example 3)
The water-treated PET previously obtained in Example 2 was mixed with the PET master of Example 2 so that the polyethylene became about 15 ppb, and a molded plate and a biaxially-formed plate were obtained by the methods (12) and (13). A stretch molded bottle was obtained. The water-treated PET used had enhanced fine removal and had a fine content of 20 ppm.
Table 1 shows the results. The result was fine.
[0148]
(Example 4)
The same as Example 1 except that ethylene glycol solution of tetraisopropyl titanate and crystalline germanium dioxide were dissolved in water by heating as a polycondensation catalyst, and ethylene glycol was added thereto and heated. The melt polycondensation and the solid-phase polymerization were carried out by the methods described above. Next, the obtained PET chips were treated with water in the same manner as in Example 2.
[0149]
The intrinsic viscosity of the obtained PET is 0.74 deciliter / gram, the content of DEG is 2.7 mol%, the content of the cyclic trimer is 0.32% by weight, and the increase of the cyclic trimer is 0.32% by weight. %, Average density is 1.4022 g / cm 3 The AA content was 3.2 ppm, the fine content was about 50 ppm, and the crystallization temperature (Tc2 ′) of the fine at the time of cooling was 171 ° C. The residual Ge amount measured by atomic absorption analysis was 25 ppm, the residual Ti amount was 0.7 ppm, and the residual P amount was 10 ppm.
[0150]
Then, in the same manner as in Example 1, the water-treated PET obtained in this example was added to a linear low-density polyethylene (MFR = about 0.9 g / 10 min, density = about 0.923 g / cm). 3 ) Is kneaded with a twin-screw extruder to prepare a PET master (fine content: about 50 ppm) in which the polyethylene is finely dispersed, and this master is added to the PET of this embodiment so that the polyethylene becomes about 10 ppb. For the PET composition obtained by mixing (the content of fines is about 50 ppm, the crystallization temperature (Tc2 ′) at the time of cooling of fines is 175 ° C.), as in Example 1, a molded plate and a biaxially stretched bottle Was evaluated. Table 1 shows the results.
[0151]
The haze of the molded plate is 4.9%, the Tc1 of the molded plate is 164 ° C., and the density of the plug portion is 1.381 g / cm. 3 This was a value that did not cause any problem, and continuous stretch blow molding of 5,000 or more was carried out, but no mold stain was observed and the transparency of the bottle was good.
Also, there was no problem in the leakage test of the contents, and there was no deformation of the plug portion. The barrel haze of the obtained bottle was as good as 1.2%. The AA content of the bottle was 18.9 ppm, which was a problem-free value.
[0152]
(Example 5)
As a polycondensation catalyst, a solution obtained by heating and dissolving crystalline germanium dioxide in water, adding ethylene glycol to the solution, and heating and a water / ethylene glycol solution of basic aluminum acetate are used. Was subjected to melt polycondensation and solid-state polymerization in the same manner as in Example 1 except that the ethylene glycol solution was continuously and separately supplied to the second esterification reactor. Next, the obtained PET chips were treated with water in the same manner as in Example 2.
[0153]
The intrinsic viscosity of the obtained PET is 0.74 deciliter / gram, the content of DEG is 2.7 mol%, the content of the cyclic trimer is 0.31 wt%, and the increase in the cyclic trimer is 0.33 wt. %, Average density is 1.4022 g / cm 3 The AA content was 3.0 ppm, the fine content was about 50 ppm, and the crystallization temperature (Tc2 ′) of the fine at the time of cooling was 176 ° C.
[0154]
Then, in the same manner as in Example 1, the water-treated PET obtained in this example was added to a linear low-density polyethylene (MFR = about 0.9 g / 10 min, density = about 0.923 g / cm). 3 ) Is kneaded with a twin-screw extruder to prepare a PET master (fine content: about 50 ppm) in which the polyethylene is finely dispersed, and this master is added to the PET of this embodiment so that the polyethylene becomes about 10 ppb. For the PET composition obtained by mixing (the content of fines is about 50 ppm, the crystallization temperature (Tc2 ′) at the time of cooling of fines is 175 ° C.), as in Example 1, a molded plate and a biaxially stretched bottle Was evaluated. Table 1 shows the results.
[0155]
The haze of the molded plate is 5.4%, the Tc1 of the molded plate is 162 ° C., and the density of the plug portion is 1.382 g / cm. 3 This was a value that did not cause any problem, and continuous stretch blow molding of 5,000 or more was carried out, but no mold stain was observed and the transparency of the bottle was good.
Also, there was no problem in the leakage test of the contents, and there was no deformation of the plug portion. The barrel haze of the obtained bottle was as good as 1.4%. The AA content of the bottle was 19.5 ppm, which was a problem-free value.
[0156]
(Example 6)
Toyobo nylon resin, T600 (polyamide resin obtained from meta-xylylenediamine and adipic acid, Ny-MXD6) and PET of Example 2 were kneaded by the same method as in Example 1 to produce a PET master.
A PET composition obtained by mixing this master with the PET of Example 2 so that the amount of the nylon resin is about 1% by weight (the fine content of PET is about 50 ppm, and no film-like material is contained. The Tc2 ′ of Fine was 180 ° C.), and evaluation was performed using a molded plate and a biaxially stretched molded bottle.
[0157]
The haze of the formed plate was 9.7%, the haze unevenness of the formed plate was 1.0%, and the Tc1 of the formed plate was 155 ° C. The density of the bottle plug portion was 1.382 g / cm3, the density deviation of the plug portion was 0.003 g / cm3, which was a problem-free value, and the body haze of the bottle was as good as 2.5%.
[0158]
Also, there was no problem in the leakage test of the contents, and there was no deformation of the plug portion.
The AA content of the bottle was a very low value of 8.8 ppm.
[0159]
(Example 7)
After sorting and removing different kinds of resin bottles, the used polyethylene terephthalate bottle with the label and cap removed is crushed and washed, and the recovered flakes obtained are depolymerized with ethylene glycol in the presence of a depolymerization catalyst, and then transesterified with methanol. The crude dimethyl terephthalate obtained by the reaction was purified by distillation, and the purified dimethyl terephthalate thus obtained was hydrolyzed to obtain high-purity terephthalic acid.
[0160]
Esterification reaction of the slurry of terephthalic acid and ethylene glycol (virgin product) (ethylene glycol / terephthalic acid molar ratio = 1.6) with bis (hydroxyethyl) terephthalate charged at 250 ° C. and normal pressure The esterification reaction was carried out for 4 hours while supplying water to the tank and distilling out by-product water out of the system, and 100 kg of the esterification reaction product was transferred to the polycondensation tank.
[0161]
Subsequently, the same ethylene glycol solution of crystalline germanium dioxide and the same ethylene glycol solution as used in Example 1 were supplied from the plurality of polycondensation catalyst supply pipes to the polycondensation tank to which the esterification reaction product was transferred. After the addition of the glycol solution, the temperature of the system is raised from 250 ° C. to 275 ° C. over 1 hour, the pressure is raised from normal pressure to 350 Pa in 1 hour, and the resin obtained at 278 ° C. under a reduced pressure of 150 Pa is continued. Was subjected to melt polycondensation for a time at which the intrinsic viscosity of the product became 0.54 dl / g.
[0162]
It is withdrawn in the form of a strand from a withdrawal port provided at the bottom of the polycondensation tank, and cooled with ion exchange water of the same quality as used in Example 1 to form chips, so that the chip temperature is reduced to about 50 ° C. or less. By removing fines and films, the fine content was reduced to about 50 ppm or less.
[0163]
Subsequently, the polyester resin chip obtained above was crystallized by a stirring fluidized type crystallizer kept at about 160 ° C., and then transferred to a packed column type solid-state polymerization tower, and solidified at 208 ° C. under nitrogen flow. Phase polymerization was carried out, followed by treatment in a sieving step and a fine removing step to remove fines, thereby reducing the fine content to about 50 ppm. The residual amount of Ge was 50 ppm, and the residual amount of P was 30 ppm.
[0164]
Next, water treatment was performed in the same manner as in Example 2.
Next, a PET composition containing the same linear low-density polyethylene at about 10 ppb was obtained in the same manner as in Example 1.
The obtained PET composition (PET IV is 0.74 deciliter / gram, DEG content is 3.1 mol%, AA content is 4.5 ppm, cyclic trimer content is 0.37 wt%, The fine content was about 50 ppm, the film content was not contained, and Tc2 ′ of fine was 186 ° C.).
[0165]
The haze of the molded plate was 10.2%, the haze unevenness of the molded plate was 0.3%, and the Tc1 of the molded plate was 156 ° C. The density of the bottle plug portion was 1.383 g / cm3, the density deviation of the plug portion was 0.003 g / cm3, which was a satisfactory value, and the haze of the bottle was 1.7%, which was good.
Also, there was no problem in the leakage test of the contents, and there was no deformation of the plug portion. The AA content of the bottle was 23.0 ppm, a value that was no problem.
The transportation of the melt-polymerized prepolymer chips and the solid-phase polymerization chips in the manufacturing process was performed in the same manner as in Example 1.
[0166]
(Comparative Example 1)
Except for increasing the amount of crystalline germanium dioxide, the prepolymer melt-polycondensed in the same manner as in Example 1 to form chips while cooling with the same quality of cooling water, to adjust the chip temperature to about 65 ° C., and to remove fines and the like. Without treatment, they were transported at high speed to a temporary storage silo by a low-density transport system. Then, the mixture was put into a rotary tumbler, crystallized at 140 ° C. under reduced pressure while rotating, and then subjected to solid-state polymerization at 215 ° C.
[0167]
The obtained PET composition was not treated with a fine or similar removing apparatus. Table 1 shows the properties of the obtained PET composition, the molded plate obtained by molding the same, and the biaxially stretched bottle.
The transparency of the obtained bottle was poor, and the deformation of the plug and the leakage of the contents were examined, but leakage of the contents was observed.
[0168]
[Table 1]
[0169]
【The invention's effect】
The hollow molded article, the sheet-like material and the stretched film obtained from the polyester composition of the present invention have excellent transparency, little fluctuation in transparency, and excellent heat resistance dimensional stability. The shrinkage rate of the body plug is in an appropriate range, and when used as a liquid container, residual off-flavors and off-flavors are unlikely to occur.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of a stepped plate used in an example.
FIG. 2 is a side view of the stepped plate of FIG. 1;
FIG. 3 is a schematic diagram of a water treatment apparatus used in an example.
[Explanation of symbols]
1 Raw material chip supply port
2 overflow outlet
3 Outlet for polyester chips and treated water
4 Drainer
5 Fine powder removal equipment
6 Piping
7 treated water inlet
8 Adsorption tower
9 Ion exchange water inlet
Claims (7)
N ≦ 1.0(ppm) (1)
M ≦ 0.5(ppm) (2)
S ≦ 2.0(ppm) (3)
C ≦ 1.0(ppm) (4)The polyester, when the content of sodium in the cooling water, the content of magnesium, the content of silicon and the content of calcium in the chipping step after melt polycondensation are N, M, S, and C, respectively, the following: The polyester composition according to any one of claims 1 to 3, wherein the polyester composition is a polyester formed into chips using cooling water satisfying at least one of (1) to (4).
N ≦ 1.0 (ppm) (1)
M ≦ 0.5 (ppm) (2)
S ≦ 2.0 (ppm) (3)
C ≦ 1.0 (ppm) (4)
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