JP2004002293A - Diaminodicarboxylic acid and its intermediate - Google Patents

Diaminodicarboxylic acid and its intermediate Download PDF

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JP2004002293A JP2002368663A JP2002368663A JP2004002293A JP 2004002293 A JP2004002293 A JP 2004002293A JP 2002368663 A JP2002368663 A JP 2002368663A JP 2002368663 A JP2002368663 A JP 2002368663A JP 2004002293 A JP2004002293 A JP 2004002293A
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Shigeyoshi Mita
三田  成良
Mitsuaki Senda
千田 光昭
Soro Isogawa
礒川 素朗
Kozo Kato
加藤  高蔵
Sunao Nagai
永井  直
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a new diaminodicarboxylic acid and its salt, a carbamoyl compound and an isocyanate compound being its synthetic intermediate and to provide a method for producing the diaminodicarboxylic acid. <P>SOLUTION: The new diaminodicarboxylic acid is represented by formula (1) (A is a 2-20C tetrafunctional aliphatic group and may contain at least one selected from a halogen atom, an oxygen atom and a sulfur atom; one of R<SP>1</SP>and R<SP>2</SP>is a carboxy group and the other is an amino group, a carbamoyl group or an isocyanato group; one of R<SP>3</SP>and R<SP>4</SP>is a carboxy group and the other is an amino group, a carbamoyl group or an isocyanate group). The new diaminodicarboxylic acid represented by formula (1) is produced by reacting an acid dianhydride represented by the formula with ammonia and subjecting the reaction product to Hofmann rearrangement. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂原料、樹脂添加剤として有用な新規なジアミノジカルボン酸とその塩に関する。さらに、本発明は、ジアミノジカルボン酸の合成中間体および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高度情報化社会の実現に向け、半導体分野、光通信分野、表示装置分野、航空宇宙分野等の技術進歩は著しく、使用される材料もより高性能化や高機能化が求められている。それに応えるべく、耐熱性や光学特性、力学的特性、電気的特性、化学的安定性、低吸湿性、高い成形加工性などの物性を与える樹脂原料や添加剤などの開発が進められているが、いまだ満足のいく化合物は見出されていない。
【0003】
例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により得られるポリイミド樹脂は、その優れた耐熱性、難燃性、力学的強度、電気絶縁性などから広く基礎材料として用いられている。しかしながら、電子材料用樹脂用途や電子情報材料用樹脂用途において、光学特性をはじめとする諸特性が新たに要求されているが、既存のポリイミドでは、十分に対応しきれていないのが現状である。従って、これらの諸要求を満たすことが可能な新規ポリイミド原料が切望されている。
【0004】
一方、芳香族ジアミノジカルボン酸については、非特許文献1等に合成例が示されているが、樹脂原料や添加剤などに有用な鎖状脂肪族や環状脂肪族のジアミノジカルボン酸についての合成例は、これまでに報告されていない。
【0005】
【非特許文献1】
Bull.Chem.Soc.Jpn.,40,2429(1967)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、樹脂原料、樹脂添加剤として用いることにより、耐熱性や光学特性、力学的特性、電気的特性、化学的安定性、吸湿性、成形加工性などを改善し、特にポリイミド原料として有用な新規なジアミノジカルボン酸を提供すること、さらにその合成中間体および製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成すべく鋭意検討した結果、脂肪族基を有する新規なジアミノジカルボン酸を見出し、さらにその合成中間体となる新規なジカルバモイルジカルボン酸とジイソシアナトジカルボン酸、およびジアミノジカルボン酸の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
[1] 一般式(1):
【0009】
【化12】

Figure 2004002293
【0010】
(式中、Aは炭素数2〜20の4価の脂肪族基を示し、ハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる少なくとも一つを含有しても良く、またRとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアミノ基、カルバモイル基(−CONH)またはイソシアナト基(−NCO)を示し、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアミノ基、カルバモイル基またはイソシアナト基を示す。)
で表される化合物およびその塩、
【0011】
[2] 一般式(1)において、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がアミノ基であり、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がアミノ基である[1]記載の化合物およびその塩、
[3] 一般式(1)において、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がカルバモイル基であり、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がカルバモイル基である[1]記載の化合物およびその塩、
[4] 一般式(1)において、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がイソシアナト基であり、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がイソシアナト基である[1]記載の化合物およびその塩、
[5] 一般式(1)において、
【0012】
【化13】
Figure 2004002293
【0013】
で表される基が、下記一般式(2):
【0014】
【化14】
Figure 2004002293
【0015】
(式中、RとRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、RとRは連結して2価の炭化水素基を形成しても良く、アルキル基および2価の炭化水素基はハロゲン原子で置換されていても良い。pは1〜3の整数を示す。)、
下記一般式(3):
【0016】
【化15】
Figure 2004002293
【0017】
(式中、RとRは、一般式(2)で定義したとおり。)、
または下記一般式(4):
【0018】
【化16】
Figure 2004002293
【0019】
(式中、Bは単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基、酸素原子、硫黄原子、または−B−として−CO−,−SO−を示し、2価の炭化水素基はハロゲン原子で置換されていても良い。)
から選ばれるいずれかの基であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物およびその塩、
[6] 一般式(5):
【0020】
【化17】
Figure 2004002293
【0021】
(式中、Aは炭素数2〜20の4価の脂肪族基を示し、ハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる少なくとも一つを含有しても良い。)
で表される酸二無水物をアンモニアと反応させた後、ホフマン(Hofmann)転位させることを特徴とする一般式(6)のジアミノジカルボン酸およびその塩の製造方法、
【0022】
【化18】
Figure 2004002293
【0023】
(式中、Aは一般式(5)と同じ基であり、RとRのいずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアミノ基を示し、RとR10のいずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアミノ基を示す。)
[7] 一般式(7):
【0024】
【化19】
Figure 2004002293
【0025】
(式中、Aは炭素数2〜20の4価の脂肪族基を示し、ハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる少なくとも一つを含有しても良く、またR11とR12は、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がカルバモイル基を示し、R13とR14は、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がカルバモイル基を示す。)で表されるアミド体、または一般式(8):
【0026】
【化20】
Figure 2004002293
【0027】
(式中、Aは一般式(7)で定義した通り。)
で表されるイミド体をホフマン転位させた後、下記一般式(9):
【0028】
【化21】
Figure 2004002293
【0029】
(式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)
で表されるハロゲン化水素を用い、pHを5以下にして処理を行なうことを特徴とする下記一般式(10):
【0030】
【化22】
Figure 2004002293
【0031】
(式中、Aは一般式(7)と同じ基であり、RとRのいずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアミノ基を示し、RとR10のいずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアミノ基を示す。Xは一般式(9)で定義した通り。nは0.5から2までの数を示す。)
で表されるジアミノジカルボン酸ハロゲン化水素塩を製造する方法である。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に本発明について詳細に説明する。
一般式(1)で表される化合物において、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアミノ基、カルバモイル基またはイソシアナト基を示し、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアミノ基、カルバモイル基またはイソシアナト基を示す。
【0033】
一般式(1)、(5)、(6)、(7)、(8)、(10)中、Aで表される炭素数2〜20の4価の脂肪族基には、飽和脂肪族基および不飽和脂肪族基が包含され、また直鎖状、分岐鎖状および環状脂肪族基が包含される。これらの脂肪族基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる少なくとも一つを含有しても良い。
【0034】
Aの好ましい基として、前記一般式(2)、(3)、(4)で表される基が挙げられる。これらの基を有する一般式(1)の化合物は、より具体的にはそれぞれ下記一般式(11)、(12)、(13)で表される。
【0035】
【化23】
Figure 2004002293
【0036】
一般式(2)、(3)において、RおよびRのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を挙げることができる。
【0037】
およびRの炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状および環状のものが包含され、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基などを挙げることができる。
【0038】
およびRのハロゲン原子で置換されたアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基などを挙げることができる。
【0039】
また、RおよびRが連結して形成される2価の炭化水素基には、直鎖状および分岐鎖状のものが包含され、たとえばエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基などを挙げることができる。これらの2価の炭化水素基がハロゲン原子で置換されている場合には、ハロゲン原子の置換位置は特に限定されない。
一般式(2)中、pは、1〜3の整数であり、好ましくは1〜2である。
【0040】
一般式(4)中、Bの炭素数1〜12の2価の炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状および環状のものが包含され、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ジメチルメチレン基、シクロヘキシレン基などを挙げることができる。
【0041】
また、Bのハロゲン原子で置換された2価の炭化水素基としては、例えば、ジフルオロメチレン基、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基などを挙げることができる。
また、Bは単結合であっても良い。
【0042】
一般式(1)で表される化合物には、R、R、RおよびRの立体的な位置関係に基づく立体異性体が存在するが、一種類の立体異性体から構成されていても、あるいは複数の立体異性体の混合物から構成されていても良い。
【0043】
一般式(1)で表される化合物の塩としては、該化合物がジアミノジカルボン酸である場合は、ジアミノジカルボン酸のアミノ基と酸との反応により生成したアンモニウム塩、およびジアミノジカルボン酸のカルボキシル基と塩基との反応により生成したカルボン酸塩が包含される。一方、一般式(1)の化合物がジカルバモイルジカルボン酸およびジイソシアナトジカルボン酸である場合は、ジカルバモイルジカルボン酸またはジイソシアナトジカルボン酸のカルボキシル基と塩基との反応により生成したカルボン酸塩が包含される。
【0044】
アンモニウム塩としては、無機酸および有機酸との塩が包含される。
この場合の無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、炭酸、りん酸などを挙げることができる。
また有機酸としては、光学活性な有機酸、光学活性でない有機酸のいずれでも良く、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、マンデル酸などのカルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸;アミノ酸およびその誘導体などを挙げることができる。
【0045】
また、一般式(1)で表される化合物のカルボキシル基と塩基との反応により生成したカルボン酸塩としては、カルボン酸の金属塩および非金属塩が包含される。
金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、銀塩、銅塩、水銀塩などを挙げることができる。
また非金属塩としては、アンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、ピリジニウム塩などを挙げることができる。
【0046】
前記塩を形成させる場合の、本発明化合物と酸又は塩基との組成比は、当量もしくは任意の値であっても良い。
【0047】
[ジカルバモイルジカルボン酸およびその塩の製造方法]
ジカルバモイルジカルボン酸(一般式(1)中、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がカルバモイル基であり、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がカルバモイル基である化合物)およびその塩の製造方法について説明する。
【0048】
なお、一般式(7)で定義されるジカルバモイルジカルボン酸は、上記ジカルバモイルジカルボン酸と同じ化合物を意味する。
本発明のジカルバモイルジカルボン酸は、一般式(5)で表される酸二無水物をアンモニアと反応させることにより製造できる。
アンモニアとしては、アンモニア水、アンモニアガス、液体アンモニアを挙げることができる。
アンモニア水を使用する場合は、市販されているアンモニア含量が10質量%、25〜28質量%および28〜30質量%のもののほか、1質量%〜反応温度における飽和濃度までの範囲で適宜濃度調製したものを使用することができる。
【0049】
アンモニアガスを使用する場合は反応溶媒を使用し、溶媒中にアンモニアガスを導入して用いることが好ましいが、アンモニア雰囲気(気流下)にて反応を行っても良い。アンモニアガスは、市販されている99.9〜100%のもののほか、窒素、アルゴンあるいは空気などとの混合物の形で用いても良い。
アンモニア水および液体アンモニアを使用する場合は、有機溶媒を反応溶媒として併用しても良いし、有機溶媒を使用せずにそれぞれを溶媒として用いても良い。
アンモニアの使用量は、一般式(5)で表される酸二無水物に対して、2倍モル以上あれば良く、好ましくは5倍モル以上である。
【0050】
酸二無水物とアンモニアの反応に用いる溶媒としては、反応に影響しない溶媒であれば良く、例えば、水;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。
【0051】
これらの溶媒は単独あるいは混合物として使用され、混合物として用いる場合、任意の比で使用できる。なお、原料の酸二無水物は、反応溶媒に溶解させて反応しても良いし、スラリー状態で反応させても良い。
反応溶媒の使用量は特に限定されないが、原料の酸二無水物1gに対して、1〜1000g、好ましくは1〜500g、より好ましくは1〜100gの範囲である。
【0052】
水と相溶しない有機溶媒と水との混合物を反応溶媒として選択した場合は、テトラブチルアンモニウム塩(例えば硫酸水素テトラブチルアンモニウム)などの相間移動触媒を共存させても良い。
反応温度は、液体アンモニアを溶媒として使用する場合は−77〜−33℃であり、液体アンモニアとその他の溶媒を組み合わせて使用する場合は、−77℃〜溶媒の沸点までの範囲である。
【0053】
アンモニア水およびアンモニアガスを使用する場合は、本反応は、−20℃から溶媒の沸点までの温度範囲で実施される。アンモニアガスを反応溶媒に吹き込んで反応させる場合、予め−20〜50℃にてアンモニアを反応溶媒に吸収させた後、反応温度まで昇温して反応させても良いし、反応温度でアンモニアを反応溶媒に吸収させても良い。またこれらの操作を組み合わせて実施しても良い。
【0054】
なお、オートクレーブ中で反応する場合は、いずれの形態のアンモニアを使用する場合でも、上記の温度範囲に限定されず、−20〜200℃、好ましくは−20〜150℃の範囲で実施される。
反応時間は特に限定されず、原料、反応条件等に応じて適宜決められるが、通常10分〜48時間である。
本反応では、一般式(8):
【0055】
【化24】
Figure 2004002293
【0056】
(式中、Aは前記と同様の基を示す。)
で表されるイミド体またはその塩を生成することがある。その場合は、イミド体を常法に従って加水分解することにより、本発明のジカルバモイルジカルボン酸に導くことができる。
【0057】
本発明のジカルバモイルジカルボン酸の単離方法については特に限定されないが、生成物が反応溶媒から析出した場合は、濾取もしくは遠心分離することによって単離が可能であり、反応溶媒に溶解している場合は、減圧下溶媒を留去する方法や適当な溶媒を加えて析出させ、濾取もしくは遠心分離する方法が採用可能である。また適当な塩基と処理することにより、カルボン酸塩を形成させて前記操作を行っても良く、これらの方法を組み合わせて実施しても良い。
本発明のジカルバモイルジカルボン酸について精製を必要とする場合は、常法として良く知られている方法が採用でき、例えば、蒸留精製法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー法、スラッジ処理および活性炭処理などを挙げることができる。
【0058】
再結晶法、カラムクロマトグラフィー法、スラッジ処理および活性炭処理に用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ギ酸、酢酸などのカルボン酸類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。
【0059】
なお、水としては、アンモニア水、塩酸、酢酸などの水溶液類を用いても良い。
これらの溶媒は単独あるいは混合物として使用され、混合物として用いる場合、任意の比で使用できる。
再結晶、スラッジ処理および活性炭処理時の溶媒の使用量は、ジカルバモイルジカルボン酸1gに対して、1〜1000g、好ましくは1〜300gの範囲である。
【0060】
また本発明のジカルバモイルジカルボン酸を、カルボキシル基を保護した誘導体に導いた後、上記の精製を行い、脱保護しても良い。カルボキシル基を保護した誘導体としては、例えば、ジメチルエステル体、ジエチルエステル体、ジベンジルエステル体などのエステル体が挙げられる。
【0061】
[ジイソシアナトジカルボン酸およびその塩の製造方法]
ジイソシアナトジカルボン酸(一般式(1)中、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がイソシアナト基であり、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がイソシアナト基である化合物)およびその塩の製造方法について説明する。
【0062】
本発明のジイソシアナトジカルボン酸は、一般式(5)で表される酸二無水物を、ヒドロキサム酸またはそのアルカリ塩あるいはそのアシル誘導体類に誘導し、ロッセン(Lossen)転位させることにより製造できる。
ここでロッセン転位とは、ヒドロキサム酸またはそのアルカリ塩あるいはそのアシル誘導体類を加熱し、炭素の1個少ない第一級アミン、またはイソシアン酸エステルを得る反応である。アルキル基またはアリール基が炭素から窒素に転位して進行することを特徴とする。
【0063】
ロッセン転位におけるヒドロキサム酸またはそのアルカリ塩あるいはそのアシル誘導体類は、一般式(21)、(22)、(23)および(24)
【0064】
【化25】
Figure 2004002293
【0065】
(ここでR21は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または芳香族基を示す。アルキル基および芳香族基はハロゲン原子で置換されていてもよい。またR22はハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基または芳香族基を示す。アルキル基および芳香族基はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
で表されるヒドロキシルアミン類またはその塩と、前記一般式(5)で表される酸二無水物を反応させて得られる生成物である。
【0066】
一般式(21)、(22)、(23)および(24)において、R21およびR22のハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を挙げることができる。
21およびR22のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状および環状のものが包含され、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基などを挙げることができる。
【0067】
21およびR22の芳香族基として、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基などを挙げることができる。
21およびR22のハロゲン原子で置換されたアルキル基および芳香族基としては、例えば、トリフルオロメチル基、4−クロロフェニル基などを挙げることができる。
【0068】
一般式(21)で表されるヒドロキシルアミン類またはその塩としては、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン塩酸塩、ヒドロキシルアミン硫酸塩、ヒドロキシルアミンりん酸塩などが挙げられる。
一般式(22)のヒドロキシルアミン類としては、ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸などが挙げられる。
一般式(23)のヒドロキシルアミン類としては、ヒドロキシルアミン−O−りん酸などが挙げられる。
一般式(24)のヒドロキシルアミン類としては、ヒドロキシルアミン−O−ジメチルホスフェートなどが挙げられる。
【0069】
ヒドロキサム酸あるいはそのアシル誘導体類は単離してもよいし、次の反応にそのまま用いてもよい。
また、ヒドロキサム酸のアシル誘導体類は、ヒドロキシルアミンまたはその塩と一般式(5)で表される酸二無水物を反応させた化合物を、常法に従いアシルハライド類と反応させて調製してもよい。
【0070】
ここでアシルハライド類とは、下記一般式(25)または(26)
【0071】
【化26】
Figure 2004002293
【0072】
(式中、R23は炭素数1〜10のアルキル基または芳香族基を示し、Yはハロゲン原子を示す。アルキル基および芳香族基はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
で表わされる。
【0073】
23のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状および環状のものが包含され、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基などを挙げることができる。
23の芳香族基として、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基などを挙げることができる。
【0074】
23のハロゲン原子で置換されたアルキル基および芳香族基としては、例えば、トリフルオロメチル基、4−クロロフェニル基などを挙げることができる。
Yのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
一般式(25)で表されるアシルハライド類としては、アセチルクロリド、クロロアセチルクロリドなどが挙げられる。
一般式(26)のアシルハライド類としては、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリドなどが挙げられる。
【0075】
(ヒドロキサム酸またはそのアルカリ塩あるいはそのアシル誘導体類の製造方法)
本反応に用いるヒドロキシルアミン類の使用量は、一般式(5)で表される酸二無水物に対して、1〜20倍モル、好ましくは1.4〜10倍モル、より好ましくは1.5〜5倍モルの範囲である。
【0076】
本反応に用いる溶媒としては、原料および生成物に対して不活性な溶媒であれば良く、例えば、水;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。
【0077】
なお、水としては、塩酸水溶液や、硫酸水溶液などの酸性水溶液を用いてもよい。
これらの溶媒は単独あるいは混合物として使用され、混合物として用いる場合、任意の比で使用できる。なお原料の酸二無水物は、反応溶媒に溶解させて反応してもよいし、スラリー状態で反応させてもよい。
反応溶媒の使用量は特に限定されないが、原料の酸二無水物1gに対して、1〜1000g、好ましくは1〜100gの範囲である。
【0078】
水と相溶しない有機溶媒と水溶液を反応溶媒として選択した場合は、テトラブチルアンモニウム塩(例えば硫酸水素テトラブチルアンモニウム)などの相間移動触媒を共存させても良い。
反応温度は、通常−20℃から溶媒の沸点までの温度範囲で実施される。
反応時間は特に限定されず、原料、反応条件等に応じて適宜決められるが、通常10分〜48時間である。
【0079】
(ロッセン転位によるジイソシアナトジカルボン酸の製造方法)
ロッセン転位反応における反応溶媒は、原料および生成物に対して不活性な溶媒であれば良く、例えば、水;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。
【0080】
なお、水としては、塩酸水溶液や、硫酸水溶液などの酸性水溶液を用いてもよい。
これらの溶媒は単独あるいは混合物として使用され、混合物として用いる場合、任意の比で使用できる。なお原料のヒドロキサム酸もしくはそのアルカリ塩、またはヒドロキサム酸のアシル誘導体類は、反応溶媒に溶解させて反応してもよいし、スラリー状態で反応させてもよい。
【0081】
溶媒の使用量は、特に限定されないが、原料のヒドロキサム酸もしくはそのアルカリ塩、またはヒドロキサム酸のアシル誘導体類1gに対して、1〜1000g、好ましくは1〜100gの範囲である。
水と相溶しない有機溶媒と水溶液を反応溶媒として選択した場合は、テトラブチルアンモニウム塩(例えば硫酸水素テトラブチルアンモニウム)などの相間移動触媒を共存させても良い。
【0082】
反応温度は、通常−20℃から溶媒の沸点までの温度範囲で実施される。
反応時間は、特に限定されず、原料、反応条件等に応じて適宜決められるが、通常10分〜48時間である。
【0083】
本発明においては、ヒドロキサム酸もしくはそのアルカリ塩、またはヒドロキサム酸のアシル誘導体類をいったん単離した後にロッセン転位を行ってもよく、また、前記一般式(5)で表される酸二無水物とヒドロキシルアミン類またはその塩とを反応させた後、引き続き生成物を単離することなくロッセン転位を行うこともできる。
【0084】
本発明のジイソシアナトジカルボン酸の単離方法および精製方法については特に限定されないが、上述した本発明のジカルバモイルジカルボン酸の場合と同様の方法が採用できる。
また本発明のジイソシアナトジカルボン酸を、カルボキシル基を保護した誘導体に導いた後、精製を行い、脱保護しても良い。カルボキシル基を保護した誘導体としては、例えば、ジメチルエステル体、ジエチルエステル体、ジベンジルエステル体などのエステル体が挙げられる。
【0085】
(ホフマン転位によるジイソシアナトジカルボン酸の製造方法)
一般式(7)で表されるジカルバモイルジカルボン酸または一般式(8)で表されるイミド体を、ホフマン転位することによってもジイソシアナトジカルボン酸を合成できる。その方法は、以下のジアミノジカルボン酸およびその塩の製造方法に記載したとおりである。
【0086】
[ジアミノジカルボン酸およびその塩の製造方法]
次に、ジアミノジカルボン酸(一般式(1)中、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がアミノ基であり、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がアミノ基である化合物)およびその塩の製造方法について説明する。
【0087】
なお、一般式(6)で定義されるジアミノジカルボン酸は、上記ジアミノジカルボン酸と同じ化合物を意味する。
本発明のジアミノジカルボン酸は、一般式(5)で表される酸二無水物をアンモニアと反応させた後、ホフマン転位させることにより製造できる。
ここでホフマン転位とは、アミド体またはイミド体から炭素原子の1個少ない第一級アミンが生成する反応で、アルキル基またはアリール基が炭素から窒素に転位して進行することを特徴とする。
【0088】
第一段階目の酸二無水物とアンモニアの反応は、ジカルバモイルジカルボン酸およびその塩の製造方法に記した方法にて実施され、一般式(1)で表されるジカルバモイルジカルボン酸(アミド体)または一般式(8)で表されるイミド体が得られる。なお、これらの塩(例えばナトリウム塩やカリウム塩など)として単離された場合、次の反応にそのまま用いても良いし、常法により一旦脱塩してから用いても良い。
【0089】
第二段階目のホフマン転位において、使用される反応試剤としては、ホフマン転位を生起させる試剤であれば良く、従来公知のもの例えば、次亜塩素酸塩、次亜臭素酸塩および(I,I−ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン、(I,I−ビスアセトキシヨード)ベンゼンなどの有機ヨード化合物を挙げることができる。
【0090】
次亜塩素酸塩および次亜臭素酸塩としては、例えば次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウムなどが挙げられる。これらは、塩素と水酸化ナトリウム、塩素とナトリウムメトキシド、塩素と水酸化カリウム、臭素と水酸化ナトリウム、臭素とナトリウムメトキシド、臭素と水酸化カリウムなどから反応液中で調製して使用しても良い。
【0091】
反応試剤の使用量は、一般式(1)で表されるアミド体もしくは一般式(8)で表されるイミド体に対して、1〜20倍モル、好ましくは1.4から10倍モル、より好ましくは1.5〜5倍モルの範囲である。なお次亜塩素酸塩水溶液を使用する場合は、この範囲に限定されず、反応溶媒として使用しても良い。
【0092】
ホフマン転位反応に用いる溶媒としては、原料および生成物に対して不活性な溶媒であれば良く、例えば、水;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。
【0093】
なお、水としては、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などの塩基性水溶液を用いても良い。
これらの溶媒は単独あるいは混合物として使用され、混合物として用いる場合、各溶媒は任意の比で混合して使用できる。なお原料のアミド体およびイミド体は、反応溶媒に溶解させて反応しても良いし、スラリー状態で反応させても良い。
反応溶媒の使用量は特に限定されないが、原料のアミド体またはイミド体1gに対して、1〜1000g、好ましくは1〜100gの範囲である。
【0094】
水と相溶しない有機溶媒と水の混合物を反応溶媒として選択した場合は、テトラブチルアンモニウム塩(例えば硫酸水素テトラブチルアンモニウム)などの相間移動触媒を共存させても良い。
【0095】
反応温度は、通常−20℃から溶媒の沸点までの温度範囲で実施される。
反応時間は特に限定されず、原料、反応条件等に応じて適宜決められるが、通常10分〜48時間である。
【0096】
ホフマン転位反応では、一般式(27):
【0097】
【化27】
Figure 2004002293
【0098】
(式中、Aは前記と同様の意味を示し、またR31とR32は、いずれか一方がイソシアナト基を示し、もう一方がカルボキシル基を示し、R33とR34は、いずれか一方がイソシアナト基を示し、もう一方がカルボキシル基を示す。)
で表されるイソシアン酸エステル(ジイソシアナトジカルボン酸)が中間体として生成するが、これは一旦単離しても良い。反応溶媒として水が含まれていない場合は、このイソシアン酸エステルが生成物となる。なお反応溶媒に水が含まれている場合でも、イソシアン酸エステルが生成することがある。
【0099】
得られた一般式(27)のイソシアン酸エステルは、塩酸、硫酸、りん酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸などの酸、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基、および水の存在下、室温〜100℃にて、10分〜120時間攪拌することにより、本発明のジアミノジカルボン酸に導くことができる。
【0100】
この場合溶媒として、ホフマン転位反応の説明中に列挙した有機溶媒を併用しても良く、水と相溶しない有機溶媒と水の混合物を選択した場合は、テトラブチルアンモニウム塩(例えば硫酸水素テトラブチルアンモニウム)などの相間移動触媒を共存させても良い。またオートクレーブ中での反応により、100〜200℃で反応を実施しても良い。
【0101】
さらに、Tetrahedron Letters,36,8859(1995)に記載の酢酸水銀(II)を使用する方法やジメチルジオキシランを反応試剤とする方法などによっても、同様にジアミノジカルボン酸に導くことが可能である。
【0102】
本発明のジアミノジカルボン酸の単離方法は特に限定されないが、生成物が反応溶媒から析出した場合は、濾取もしくは遠心分離することによって単離が可能であり、反応溶媒に溶解している場合は、減圧下溶媒を留去する方法や適当な溶媒を加えて析出させ、濾取もしくは遠心分離する方法が採用可能である。また常法に従って、適当な酸または塩基と処理することにより、カルボキシル基がプロトンを放出して−COOとなり、アミノ基がプロトンと結合して−NH となった双性イオン(zwitterion)体、または前記酸もしくは塩基との塩を形成させて上記の操作を行っても良く、これらの方法を組み合わせて実施しても良い。
【0103】
さらに精製を必要とする場合は、常法として良く知られている方法が採用でき、例えば、蒸留精製法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー法、スラッジ処理および活性炭処理などを挙げることができる。
【0104】
再結晶法、カラムクロマトグラフィー法、スラッジ処理および活性炭処理に用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ギ酸、酢酸などのカルボン酸類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。
【0105】
なお、水としては、アンモニア水、塩酸、酢酸などの水溶液類を用いても良い。
これらの溶媒は単独あるいは混合物として使用され、混合物として用いる場合、任意の比で使用できる。
再結晶、スラッジ処理および活性炭処理時の溶媒の使用量は、ジアミノジカルボン酸1gに対して、1〜1000g、好ましくは1〜300gの範囲である。
【0106】
また、本発明のジアミノジカルボン酸を、カルボキシル基を保護した誘導体もしくはアミノ基を保護した誘導体に導いた後、上記の精製を行い、脱保護しても良い。カルボキシル基を保護した誘導体としては、例えば、ジメチルエステル体、ジエチルエステル体、ジベンジルエステル体などのエステル体が挙げられる。またアミノ基を保護した誘導体としては、ビス(ベンジルオキシカルボニルアミノ)体、ビス(tert−ブトキシカルボニルアミノ)体などを挙げることができる。
【0107】
本発明のジアミノジカルボン酸は、一般式(5)の酸二無水物をヒドロキサム酸またはそのアルカリ塩あるいはそのアシル誘導体類に誘導したのち、ロッセン(Lossen)転位させることによっても製造することができる。例えば、Synthetic Communication,22,3067(1992)に記載のヒドロキシルアミンとp−トルエンスルホニルクロリドを反応試剤とする方法、Synthesis,1143(1990)に記載のヒドロキシルアミン−O−スルホン酸を反応試剤とする方法などを挙げることができる。
【0108】
[ジアミノジカルボン酸ハロゲン化水素塩の製造方法]
本発明のジアミノジカルボン酸ハロゲン化水素塩は、ジアミノジカルボン酸を、常法により一般式(9)で表されるハロゲン化水素と処理することによって製造できる。
【0109】
また以下に記載したホフマン転位反応の後処理を施すと、危険が伴う酸化剤が残存した反応液の濃縮乾固、還元剤(たとえばチオ硫酸ナトリウムや重亜硫酸ナトリウムなど)の使用による生成物の着色や複数の無機塩の副生を回避して、ジアミノジカルボン酸ハロゲン化水素塩を製造することができる。本後処理方法を以下に詳述する。
【0110】
ホフマン転位の後処理に用いる一般式(9)で表されるハロゲン化水素としては、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素が挙げられる。これらは気体として反応液に導入しても良いし、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類等の溶媒に溶解させ、ハロゲン化水素酸溶液の形で添加しても良い。
【0111】
ハロゲン化水素を気体として導入する場合には、ハロゲン化水素に対して不活性な気体、例えば、窒素、アルゴンなどの不活性ガスと混合してもよく、ハロゲン化水素と不活性ガスの混合比率も任意である。
またハロゲン化水素の水溶液として用いる場合、市販の36%塩酸、48%臭化水素酸、57%よう化水素酸のほか、任意に濃度調製したものが使用される。なお希釈のための共溶媒として、有機溶媒を用いても良い。
【0112】
共溶媒として使用される有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ギ酸、酢酸などのカルボン酸類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。
【0113】
ハロゲン化水素の使用量は特に限定はされないが、ホフマン転位に使用した反応試剤に対して0.2〜10000倍モル、好ましくは0.2〜3000倍モルの範囲である。
ハロゲン化水素の添加時間は特に限定はされないが、一般的に1分から12時間、好ましくは10分から3時間の範囲である。
ハロゲン化水素を添加した後の熟成時間は特に限定はされないが、一般的には1分から10時間であり、好ましくは5分から7時間の範囲であり、より好ましくは、5分から5時間の範囲である。
【0114】
ハロゲン化水素の添加温度は、一般的には−20℃から反応に用いた溶媒の沸点の間であるが、好ましくは−10℃から50℃である。
ハロゲン化水素により反応後処理した後のpHは5以下にすることが好ましく、より好ましくは4以下である。
ハロゲン化水素の選択は、ホフマン転位を行う時の反応試剤に含まれるハロゲン元素とハロゲン化水素のハロゲン元素をそろえるのが好ましい。例えば、反応試剤に次亜塩素酸ナトリウムを用いた場合、反応処理には塩化水素を用いることによって、反応終了時に生成する副生物を塩化ナトリウムのみとすることができる。
【0115】
生成物の単離方法および生成方法は、特に限定はされないが、上記のジアミノジカルボン酸の製造方法と同様の方法によって実施できる。
単離されたジアミノジカルボン酸ハロゲン化水素塩は、言うまでもなく、常法により本発明のジアミノジカルボン酸およびその他の塩に変換できる。
【0116】
[ジアミノジカルボン酸(塩)を用いる樹脂原料、樹脂添加剤]
次に,本発明のジアミノジカルボン酸およびその塩を用いる樹脂原料、樹脂添加剤について説明する。
本発明のジアミノジカルボン酸およびその塩は、主にポリイミド、ポリイソイミド、ポリアミドなどの樹脂原料や樹脂添加剤として使用される。
【0117】
ポリイミド、ポリイソイミドは、本発明のジアミノジカルボン酸と芳香族酸無水物あるいは脂肪族酸無水物と反応させることにより製造できる。
また、熱硬化性樹脂組成物の原料モノマーとして、本発明のジアミノジカルボン酸を下記一般式(31)で表されるビスマレイミド類と共に用いても良い。
【0118】
【化28】
Figure 2004002293
【0119】
(式中、Eは二価の基を示す。)
一般式(31)のEは、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、または−E−として、
【0120】
【化29】
Figure 2004002293
【0121】
(式中、Gは、酸素原子、硫黄原子、または−G−として−CH−、−C(CH−、−SO−、−CO−、−NHCO−、−C(CF−を示す。)などであるが、これらに限定されるものではない。当該熱硬化性樹脂組成物に、有機または無機の充填剤を分布させて強度を上げた充填剤入り熱硬化性樹脂組成物として用いても良い。また、当該熱硬化性樹脂組成物を有機または無機繊維布に含浸させることにより、プリプレグ樹脂として用いても良い。
【0122】
上記のとおり、本発明のジアミノジカルボン酸は単独で種々の用途に用いられるほか、様々な他の有機化合物、無機化合物あるいは樹脂などと組み合わせて、樹脂を形成させることが可能である。
本発明のジアミノジカルボン酸またはその塩を樹脂原料、樹脂添加剤として用いた場合、従来公知のアミン類に比べ,耐熱性や光学特性、力学的特性、電気的特性、化学的安定性、低吸湿性、高い成形加工性などの優れた物性を樹脂に与える。
【0123】
[ジイソシアナトジカルボン酸(塩)を用いる樹脂原料、樹脂添加剤]
本発明のジイソシアナトジカルボン酸およびその塩は、本発明のジアミノジカルボン酸の合成中間体として使用されるほか、ウレタン樹脂原料やアクリル系塗料の硬化剤としても使用する事ができる。
ウレタン樹脂は、本発明化合物とポリエーテルポリオールと反応させることにより製造できる。
【0124】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、ハイドロキノン、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ソルビトールなどが挙げられる。
【0125】
アクリル系塗料の硬化剤は、本発明化合物とアクリルポリオールを反応させることにより製造できる。
アクリルポリオールとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリル酸、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリル酸、アクリルアマイド、N−メチロールアクリルアマイド、ジアセトンアクリルアマイド、グリシジルアクリルアマイドなどが挙げられる。
【0126】
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0127】
【実施例】
(実施例1) ジアミノビシクロ[2.2.2]オクト−7−エンジカルボン酸二塩酸塩(一般式(12)において、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がアミノ基であり、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がアミノ基であり、RとRが水素原子である化合物の二塩酸塩。)の製造
【0128】
(1)ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボキシジイミドの合成
ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物124.10gのN,N−ジメチルホルムアミド(500g)懸濁液に、アンモニアガスを90℃で45分間かけて導入した。同温度で30分間攪拌し、冷却してから酢酸エチル300gを加えて析出物を濾取した。これを1mol/L塩酸300g中で30分間攪拌し、濾取物をメタノール洗浄後減圧乾燥して、目的物98.53gを白色結晶として得た。
H NMR(DMSO−d)δ2.96−3.08(4H,m),3.19−3.32(2H,m),6.05−6.15(2H,m).
融点300℃以上
【0129】
(2)ジアミノビシクロ[2.2.2]オクト−7−エンジカルボン酸 二塩酸塩の合成
ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボキシジイミド12.31gと30質量%水酸化ナトリウム水溶液30gの混合物に、氷冷下1時間かけて次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度5質量%)150gを滴下した。同温度で3時間攪拌後、チオ硫酸ナトリウム3.95gを加えてから水を留去した。これに1mol/L塩酸100gを加えて攪拌し、水を留去してから熱イソプロピルアルコールを加えた。不溶物を濾去後、濾液を濃縮乾固して、目的物8.33gを淡黄色固体として得た。
H NMR(DO)δ3.03−4.10(6H,m),6.20−6.75(2H,m).
融点 120℃(分解)
【0130】
(実施例2) ジカルバモイルビシクロヘキシルジカルボン酸(一般式(13)において、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がカルバモイル基であり、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がカルバモイル基であり、Bが単結合である化合物。)の製造
ビシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物3.1gのN,N−ジメチルホルムアミド(20g)懸濁液に、アンモニアガスを氷冷下30分間かけて導入した。同温度で30分間攪拌し、さらに室温で2時間攪拌した。氷冷した後析出物を濾取し、これに1mol/L塩酸12gを加えて30分間攪拌した。濾過により得た固体を水およびメタノールにて洗浄し、減圧乾燥して目的物2.03gを白色結晶として得た。
H NMR(DMSO−d)δ0.88−1.22(4H,m),1.35−1.65(6H,m),1.70−1.93(2H,m),1.95−2.12(2H,m),2.12−2.26(2H,m),2.96(2H,s),6.70−6.94(2H,m),7.09(2H,s),12.07(2H,s).
融点 225℃
【0131】
(実施例3) ジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸(一般式(13)において、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がアミノ基であり、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がアミノ基であり、Bが単結合である化合物。)の製造
ジカルバモイルビシクロヘキシルジカルボン酸16.90gを7質量%水酸化ナトリウム水溶液184.42gに溶解させ、これに次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度5質量%)105.60gを10℃以下で30分かけて滴下した。その後35℃で6時間、室温で17時間攪拌した。次に15℃まで冷却し、濃塩酸23.02gを加えて、溶液のpHを6.8に調整した。析出した固体を濾取し、水で洗浄して減圧乾燥することにより、目的物6.78gを白色固体として得た。
H NMR(DO、DCl含有)δ0.80−1.00(2H,m),1.20−1.65(8H,m),1.66−1.89(2H,m),2.00−2.26(2H,m),2.90−3.10(2H,m),3.20−3.45(2H,m).
MS(ESI) (positive):285 [M+H]
(negative):283 [M−H]
融点 275℃以上
【0132】
(実施例4) ジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸の製造
ジカルバモイルビシクロヘキシルジカルボン酸1.70g、(I,I−ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン4.3g、アセトニトリル5gおよび水5gの混合物を60℃で1時間撹拌した。室温まで冷却後、濃塩酸10mlを加えて析出物を濾去した。濾液の濃縮残渣に水5gを加え、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pHを5.7に調整した。水を留去後、エタノールを加えて析出した固体を濾去した。得られた濾液を濃縮乾固・減圧乾燥して目的物0.10gを白色固体として得た。
H NMR(DMSO−d)δ0.80−1.50(10H,m),1.60−2.38(4H,m),2.77(2H,m),3.07(2H,m).
【0133】
(実施例5) ジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸 二塩酸塩の製造
ジカルバモイルビシクロヘキシルジカルボン酸20.42gを5.7質量%水酸化ナトリウム水溶液273.68gに溶解させ、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度5質量%)127.61gを10℃以下で1時間かけて滴下した。その後35℃に昇温して1時間撹拌した。10℃まで冷却後、濃塩酸60.77gを加えて析出物を濾去した。濾液の濃縮残渣にエタノールを加えて析出した固体を濾去し、この固体をエタノールでスラッジ後、濾過により濾液を得た。濾取して得た固体について同様の処理をさらに5回行なった。各濾液を一つにまとめて、濃縮乾固・減圧乾燥することにより、目的物4.52gを白色固体として得た。
H NMR(DMSO−d) δ0.80−1.00(2H,m),1.20−1.65(8H,m),1.66−1.89(2H,m),2.00−2.22(2H,m),3.00−3.25(4H,m),8.25(6H,s),12.9(2H,s).
融点 330℃
MS(ESI) (positive):285 [M+H]
(negative):283 [M−H]
【0134】
(実施例6)ジイソシアナト[2.2.2]オクト−7−エンジカルボン酸(一般式(12)においてRとRは、いずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がイソシアナト基であり、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がイソシアナト基であり、RとRが水素原子である化合物。)の製造
ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物130.63gとヒドロキシルアミン−O−スルホン酸122.42g、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン574.25gの混合物を、100℃で2時間攪拌の後室温に冷却し、酢酸エチルを投入して析出してきた結晶を濾取した。これを酢酸エチルで洗浄後、乾燥させた粗結晶を水にて再結晶後、減圧乾燥し、目的物76.24gを白色結晶として得た。
1H NMR(DMSO−d6)δ3.03−3.25(4H,m),3.26−3.46(2H,m),6.00−6.13(2H,m),10.76(2H,s)
FD−MS:278[M]
m.p.300℃以上
【0135】
(実施例7) ジイソシアナトビシクロヘキシルジカルボン酸(一般式(13)において、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がイソシアナト基であり、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がイソシアナト基であり、Bが単結合である化合物。)の製造
ジカルバモイルビシクロヘキシルジカルボン酸1.70g、[I,I−ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン4.3g、アセトニトリル5gおよび水5gの混合物を室温で5時間攪拌の後60℃まで昇温し、冷却後、濃塩酸10mLを加えて析出物を濾取した。これを塩酸水溶液、メタノールで洗浄、減圧乾燥して目的物0.61gを白色固体として得た。
1H NMR(DMSO−d6)δ0.65−2.90(12H,m),2.08−2.25(2H,m),3.10−3.45(4H,m),8.63−8.65(2H,br).
FD−MS:337[M+H]
m.p.300℃以上
【0136】
(実施例8)  ジアミノビシクロ[2.2.2]オクト−7−エンジカルボン酸 二塩酸塩の製造
ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボキシジイミド12.01gと30質量%水酸化ナトリウム水溶液40gの混合物に、氷冷下1時間かけて次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度5質量%)160gを滴下した。同温度で1時間攪拌後、さらに室温で2時間攪拌した。その後36質量%塩酸29.11gを加えてpH2以下にした後、水を溜去し、残渣をエタノールスラッジした。濾過して得た濾液を濃縮乾固し、目的物9.01gを淡黄色固体として得た。
1H NMR(DO)δ3.03−4.10(6H,m),6.20−6.75(2H,m).
融点 120℃(分解)
【0137】
(実施例9) ジアミノビシクロヘキシルジカルボン酸 二塩酸塩の製造
ジカルバモイルビシクロヘキシルジカルボン酸11.39gと30質量%水酸化ナトリウム水溶液の混合物に、氷冷下1時間かけて次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度5質量%)66.8gを滴下した。同温度で1時間攪拌後、さらに室温で2時間攪拌した。その後36質量%塩酸24.00gを加えて、pHを2以下にした。次に水を溜去し、残渣をエタノールスラッジの後、濾過した濾液を濃縮乾固して目的物6.69gを白色固体として得た。
1H NMR(DMSO−d6)δ0.80−1.00(2H,m),1.20−1.65(8H,m),1.66−1.89(2H,m),2.00−2.22(2H,m),3.00−3.25(4H,m),8.25(6H,s),12.9(2H,s).
MS(ESI)(positive):285[M+H]
(negative):283[M−H]
【0138】
【発明の効果】
本発明により、樹脂原料、樹脂添加剤として有用な新規なジアミノジカルボン酸、その合成中間体、およびジアミノジカルボン酸の製造方法を提供できる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel diaminodicarboxylic acid and a salt thereof useful as a resin raw material and a resin additive. Furthermore, the present invention relates to a synthetic intermediate of diaminodicarboxylic acid and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
In order to realize a highly information-oriented society, technological advances in the semiconductor field, optical communication field, display device field, aerospace field and the like are remarkable, and materials used are required to have higher performance and higher functions. In order to respond to this, development of resin raw materials and additives that provide physical properties such as heat resistance, optical properties, mechanical properties, electrical properties, chemical stability, low moisture absorption, high moldability, etc. are being promoted. No satisfactory compound has been found yet.
[0003]
For example, a polyimide resin obtained by a reaction between a tetracarboxylic dianhydride and a diamine is widely used as a basic material because of its excellent heat resistance, flame retardancy, mechanical strength, electrical insulation, and the like. However, in the resin application for electronic materials and the resin application for electronic information materials, various properties including optical properties are newly required, but the current situation is that existing polyimides cannot sufficiently cope with them. . Accordingly, there is a strong need for a new polyimide raw material that can satisfy these requirements.
[0004]
On the other hand, synthesis examples of aromatic diaminodicarboxylic acids are shown in Non-Patent Document 1 and the like, but synthesis examples of linear aliphatic and cycloaliphatic diaminodicarboxylic acids useful as resin raw materials and additives. Has not been reported before.
[0005]
[Non-patent document 1]
Bull. Chem. Soc. Jpn. , 40, 2429 (1967).
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to improve heat resistance, optical properties, mechanical properties, electrical properties, chemical stability, moisture absorption, moldability, etc. To provide a novel diaminodicarboxylic acid useful as a compound, and to provide a synthetic intermediate and a production method thereof.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to achieve the above object, and as a result, have found a novel diaminodicarboxylic acid having an aliphatic group, and further have novel dicarbamoyldicarboxylic acids and diisocyanatodicarboxylic acids as intermediates for the synthesis thereof, The present inventors have found a method for producing diaminodicarboxylic acid and completed the present invention.
[0008]
That is, the present invention
[1] General formula (1):
[0009]
Embedded image
Figure 2004002293
[0010]
(Wherein, A represents a tetravalent aliphatic group having 2 to 20 carbon atoms, and may contain at least one selected from a halogen atom, an oxygen atom, and a sulfur atom.1And R2Represents one of which represents a carboxyl group and the other represents an amino group or a carbamoyl group (-CONH2) Or an isocyanato group (-NCO);3And R4Represents one of a carboxyl group and the other represents an amino group, a carbamoyl group or an isocyanato group. )
A compound represented by the formula:
[0011]
[2] In the general formula (1), R1And R2Is a carboxyl group and the other is an amino group,3And R4Wherein one of the above is a carboxyl group and the other is an amino group;
[3] In the general formula (1), R1And R2Is a carboxyl group and the other is a carbamoyl group;3And R4Wherein at least one of the group is a carboxyl group and the other is a carbamoyl group;
[4] In the general formula (1), R1And R2Is one of a carboxyl group and the other is an isocyanato group;3And R4Wherein one of the two is a carboxyl group and the other is an isocyanato group;
[5] In the general formula (1),
[0012]
Embedded image
Figure 2004002293
[0013]
Is a group represented by the following general formula (2):
[0014]
Embedded image
Figure 2004002293
[0015]
(Where R5And R6Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms;5And R6May be linked to form a divalent hydrocarbon group, and the alkyl group and the divalent hydrocarbon group may be substituted with a halogen atom. p shows the integer of 1-3. ),
The following general formula (3):
[0016]
Embedded image
Figure 2004002293
[0017]
(Where R5And R6Is as defined in the general formula (2). ),
Or the following general formula (4):
[0018]
Embedded image
Figure 2004002293
[0019]
(Wherein B is a single bond or a divalent hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms, an oxygen atom, a sulfur atom, or -B- as -CO-, -SO2Indicates-, and the divalent hydrocarbon group may be substituted with a halogen atom. )
A compound according to any one of [1] to [4], and a salt thereof,
[6] General formula (5):
[0020]
Embedded image
Figure 2004002293
[0021]
(In the formula, A represents a tetravalent aliphatic group having 2 to 20 carbon atoms, and may contain at least one selected from a halogen atom, an oxygen atom, and a sulfur atom.)
A method for producing a diaminodicarboxylic acid of the general formula (6) and a salt thereof, wherein the acid dianhydride represented by the formula is reacted with ammonia, and then subjected to Hoffmann rearrangement.
[0022]
Embedded image
Figure 2004002293
[0023]
(Wherein A is the same group as in the general formula (5);7And R8One represents a carboxyl group, the other represents an amino group,9And R10One represents a carboxyl group, and the other represents an amino group. )
[7] General formula (7):
[0024]
Embedded image
Figure 2004002293
[0025]
(Wherein, A represents a tetravalent aliphatic group having 2 to 20 carbon atoms, and may contain at least one selected from a halogen atom, an oxygen atom, and a sulfur atom.11And R12Represents one of which represents a carboxyl group, the other represents a carbamoyl group,13And R14Represents one of a carboxyl group and the other represents a carbamoyl group. Or an amide represented by the general formula (8):
[0026]
Embedded image
Figure 2004002293
[0027]
(In the formula, A is as defined in the general formula (7).)
After Huffman rearrangement of the imide compound represented by the following formula (9),
[0028]
Embedded image
Figure 2004002293
[0029]
(In the formula, X represents a chlorine atom, a bromine atom or an iodine atom.)
Wherein the treatment is carried out at a pH of 5 or less using a hydrogen halide represented by the following general formula (10):
[0030]
Embedded image
Figure 2004002293
[0031]
(Wherein A is the same group as in the general formula (7);7And R8One represents a carboxyl group, the other represents an amino group,9And R10One represents a carboxyl group, and the other represents an amino group. X is as defined in the general formula (9). n represents a number from 0.5 to 2. )
This is a method for producing a diaminodicarboxylic acid hydrogen halide represented by the formula:
[0032]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Next, the present invention will be described in detail.
In the compound represented by the general formula (1), R1And R2Represents one of a carboxyl group and the other represents an amino group, a carbamoyl group or an isocyanato group;3And R4Represents one of a carboxyl group and the other represents an amino group, a carbamoyl group or an isocyanato group.
[0033]
In the general formulas (1), (5), (6), (7), (8), and (10), a tetravalent aliphatic group having 2 to 20 carbon atoms represented by A is a saturated aliphatic group. Groups and unsaturated aliphatic groups, as well as linear, branched and cyclic aliphatic groups. These aliphatic groups may contain at least one selected from a halogen atom such as a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom and an iodine atom, an oxygen atom and a sulfur atom.
[0034]
Preferred groups for A include groups represented by the general formulas (2), (3) and (4). The compounds of the general formula (1) having these groups are more specifically represented by the following general formulas (11), (12) and (13), respectively.
[0035]
Embedded image
Figure 2004002293
[0036]
In the general formulas (2) and (3), R5And R6Examples of the halogen atom include a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom and an iodine atom.
[0037]
R5And R6Examples of the alkyl group having 1 to 6 carbon atoms include linear, branched and cyclic alkyl groups such as methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl, n-butyl and isobutyl. , Sec-butyl group, tert-butyl group, pentyl group, hexyl group, cyclopentyl group and cyclohexyl group.
[0038]
R5And R6Examples of the alkyl group substituted with a halogen atom include a trifluoromethyl group.
[0039]
Also, R5And R6The divalent hydrocarbon group formed by linking includes linear and branched ones, and examples thereof include an ethylene group, a trimethylene group, a tetramethylene group, and a pentamethylene group. When these divalent hydrocarbon groups are substituted with a halogen atom, the position of substitution of the halogen atom is not particularly limited.
In the general formula (2), p is an integer of 1 to 3, and preferably 1 or 2.
[0040]
In the general formula (4), the divalent hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms of B includes linear, branched and cyclic ones, for example, a methylene group, an ethylene group, a trimethylene group, Examples thereof include a tetramethylene group, a dimethylmethylene group, and a cyclohexylene group.
[0041]
Examples of the divalent hydrocarbon group substituted with a halogen atom for B include a difluoromethylene group and a bis (trifluoromethyl) methylene group.
B may be a single bond.
[0042]
The compound represented by the general formula (1) includes R1, R2, R3And R4There are stereoisomers based on the stereoscopic positional relationship of, but may be composed of one kind of stereoisomer or a mixture of a plurality of stereoisomers.
[0043]
Examples of the salt of the compound represented by the general formula (1) include, when the compound is diaminodicarboxylic acid, an ammonium salt formed by a reaction between an amino group of diaminodicarboxylic acid and an acid, and a carboxyl group of diaminodicarboxylic acid. And a carboxylate formed by the reaction of a salt with a base. On the other hand, when the compound of the general formula (1) is dicarbamoyldicarboxylic acid or diisocyanatodicarboxylic acid, the carboxylate formed by the reaction between the carboxyl group of dicarbamoyldicarboxylic acid or diisocyanatodicarboxylic acid and a base is used. Included.
[0044]
Ammonium salts include salts with inorganic and organic acids.
In this case, examples of the inorganic acid include hydrochloric acid, hydrogen bromide, hydrogen iodide, sulfuric acid, carbonic acid, and phosphoric acid.
The organic acid may be any of an optically active organic acid and an optically inactive organic acid, for example, carboxylic acids such as formic acid, acetic acid, propionic acid, benzoic acid, trifluoroacetic acid, tartaric acid, and mandelic acid; methanesulfonic acid Sulfonic acids such as ethanesulfonic acid, benzenesulfonic acid and p-toluenesulfonic acid; amino acids and derivatives thereof.
[0045]
The carboxylate formed by the reaction between the carboxyl group of the compound represented by the general formula (1) and the base includes metal salts and nonmetal salts of carboxylic acids.
Examples of the metal salt include a lithium salt, a sodium salt, a potassium salt, a magnesium salt, a calcium salt, an aluminum salt, an iron salt, a silver salt, a copper salt, and a mercury salt.
Examples of the nonmetal salt include an ammonium salt, a dimethylammonium salt, a trimethylammonium salt, a triethylammonium salt, and a pyridinium salt.
[0046]
When forming the salt, the composition ratio of the compound of the present invention and the acid or base may be equivalent or an arbitrary value.
[0047]
[Method for producing dicarbamoyldicarboxylic acid and salt thereof]
Dicarbamoyl dicarboxylic acid (in the general formula (1), R1And R2Is a carboxyl group and the other is a carbamoyl group;3And R4Is a carboxyl group and the other is a carbamoyl group) and a method for producing a salt thereof.
[0048]
The dicarbamoyldicarboxylic acid defined by the general formula (7) means the same compound as the above dicarbamoyldicarboxylic acid.
The dicarbamoyldicarboxylic acid of the present invention can be produced by reacting an acid dianhydride represented by the general formula (5) with ammonia.
Examples of the ammonia include ammonia water, ammonia gas, and liquid ammonia.
In the case of using aqueous ammonia, commercially available ammonia content of 10% by mass, 25 to 28% by mass, and 28 to 30% by mass, as well as appropriately adjusting the concentration in the range of 1% by mass to the saturation concentration at the reaction temperature. Can be used.
[0049]
When using ammonia gas, it is preferable to use a reaction solvent and introduce ammonia gas into the solvent. However, the reaction may be performed in an ammonia atmosphere (under a gas stream). Ammonia gas may be used in the form of a mixture with 99.9 to 100% of commercially available gas, nitrogen, argon, air, or the like.
When ammonia water and liquid ammonia are used, an organic solvent may be used in combination as a reaction solvent, or each may be used as a solvent without using an organic solvent.
The amount of ammonia used may be at least 2 times, preferably at least 5 times the molar amount of the acid dianhydride represented by the general formula (5).
[0050]
The solvent used in the reaction between the acid dianhydride and ammonia may be any solvent that does not affect the reaction, such as water; saturated hydrocarbons such as pentane, hexane, heptane, and cyclohexane; benzene, toluene, xylene, and ethylbenzene. Aromatic hydrocarbons; halogenated hydrocarbons such as dichloromethane, chloroform, carbon tetrachloride, dichloroethane, chlorobenzene and dichlorobenzene; lower alcohols such as methanol, ethanol, 1-propanol, isopropyl alcohol and tert-butyl alcohol; Glycols such as ethylene glycol, diethylene glycol and propylene glycol; ethylene glycol dimethyl ether, 1,3-dioxane, 1,4-dioxane, tetrahydrofuran, dimethyl ether, diethyl Ethers such as ether, diisopropyl ether and dibutyl ether; amides such as formamide and N, N-dimethylformamide; nitriles such as acetonitrile; ketones such as acetone and methyl ethyl ketone; esters such as methyl acetate and ethyl acetate; dimethyl Sulfur-containing solvents such as sulfoxide; and 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone.
[0051]
These solvents are used alone or as a mixture, and when used as a mixture, they can be used in any ratio. The raw acid dianhydride may be dissolved in the reaction solvent and reacted, or may be reacted in a slurry state.
The amount of the reaction solvent used is not particularly limited, but is in the range of 1 to 1000 g, preferably 1 to 500 g, more preferably 1 to 100 g, based on 1 g of the raw acid dianhydride.
[0052]
When a mixture of water and an organic solvent that is not compatible with water is selected as the reaction solvent, a phase transfer catalyst such as a tetrabutylammonium salt (for example, tetrabutylammonium hydrogen sulfate) may be used together.
The reaction temperature is −77 to −33 ° C. when liquid ammonia is used as a solvent, and ranges from −77 ° C. to the boiling point of the solvent when liquid ammonia and another solvent are used in combination.
[0053]
When using aqueous ammonia and ammonia gas, the reaction is carried out in a temperature range from -20 ° C to the boiling point of the solvent. When the reaction is performed by blowing ammonia gas into the reaction solvent, the ammonia may be absorbed in the reaction solvent at -20 to 50 ° C. in advance, and then the reaction may be performed by raising the temperature to the reaction temperature. It may be absorbed in a solvent. Further, these operations may be performed in combination.
[0054]
When the reaction is carried out in an autoclave, the temperature is not limited to the above-mentioned temperature range, and the reaction is carried out at a temperature in the range of -20 to 200C, preferably -20 to 150C, regardless of the form of ammonia used.
The reaction time is not particularly limited and is appropriately determined depending on the starting materials, reaction conditions, and the like, and is usually 10 minutes to 48 hours.
In this reaction, general formula (8):
[0055]
Embedded image
Figure 2004002293
[0056]
(In the formula, A represents the same group as described above.)
The imide body represented by these or its salt may be produced. In that case, the dicarbamoyldicarboxylic acid of the present invention can be obtained by hydrolyzing the imide compound according to a conventional method.
[0057]
The method for isolating the dicarbamoyldicarboxylic acid of the present invention is not particularly limited.If the product precipitates from the reaction solvent, it can be isolated by filtration or centrifugation, and can be dissolved in the reaction solvent. In this case, a method of distilling off the solvent under reduced pressure or a method of adding an appropriate solvent to precipitate the solution, followed by filtration or centrifugation can be adopted. Further, the above operation may be performed by forming a carboxylate by treating with an appropriate base, or a combination of these methods may be performed.
When purification is required for the dicarbamoyldicarboxylic acid of the present invention, well-known methods can be employed, for example, distillation purification, recrystallization, column chromatography, sludge treatment and activated carbon treatment. Can be mentioned.
[0058]
Solvents used for the recrystallization method, column chromatography method, sludge treatment and activated carbon treatment are not particularly limited, and include, for example, water; saturated hydrocarbons such as pentane, hexane, heptane, and cyclohexane; benzene, toluene, xylene, and ethylbenzene. Aromatic hydrocarbons such as dichloromethane, chloroform, carbon tetrachloride, dichloroethane, chlorobenzene, dichlorobenzene and the like; lower alcohols such as methanol, ethanol, 1-propanol, isopropyl alcohol and tert-butyl alcohol Glycols such as ethylene glycol, diethylene glycol and propylene glycol; ethylene glycol dimethyl ether, 1,3-dioxane, 1,4-dioxane, tetrahydrofuran; Ethers such as methyl ether, diethyl ether, diisopropyl ether and dibutyl ether; amides such as formamide and N, N-dimethylformamide; nitriles such as acetonitrile; ketones such as acetone and methyl ethyl ketone; carboxylic acids such as formic acid and acetic acid Esters such as methyl acetate and ethyl acetate; sulfur-containing solvents such as dimethyl sulfoxide; and 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone.
[0059]
In addition, you may use aqueous solutions, such as ammonia water, hydrochloric acid, and acetic acid, as water.
These solvents are used alone or as a mixture, and when used as a mixture, they can be used in any ratio.
The amount of the solvent used in the recrystallization, sludge treatment and activated carbon treatment is in the range of 1 to 1000 g, preferably 1 to 300 g, per 1 g of dicarbamoyldicarboxylic acid.
[0060]
Further, after the dicarbamoyldicarboxylic acid of the present invention is converted into a derivative having a protected carboxyl group, the above-mentioned purification may be carried out, followed by deprotection. Examples of the derivative having a protected carboxyl group include esters such as dimethyl ester, diethyl ester and dibenzyl ester.
[0061]
[Method for producing diisocyanatodicarboxylic acid and salt thereof]
Diisocyanatodicarboxylic acid (in the general formula (1), R1And R2Is one of a carboxyl group and the other is an isocyanato group;3And R4Is a carboxyl group and the other is an isocyanato group) and a method for producing a salt thereof.
[0062]
The diisocyanatodicarboxylic acid of the present invention can be produced by deriving an acid dianhydride represented by the general formula (5) into hydroxamic acid or an alkali salt thereof or an acyl derivative thereof and subjecting it to Lossen rearrangement. .
Here, the Rossen rearrangement is a reaction in which hydroxamic acid or an alkali salt thereof or an acyl derivative thereof is heated to obtain a primary amine having one less carbon atom or an isocyanate ester. It is characterized in that an alkyl group or an aryl group is rearranged from carbon to nitrogen and proceeds.
[0063]
Hydroxamic acids or alkali salts thereof or acyl derivatives thereof in the Rossen rearrangement are represented by the general formulas (21), (22), (23) and (24)
[0064]
Embedded image
Figure 2004002293
[0065]
(Where R21Represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms or an aromatic group. The alkyl group and the aromatic group may be substituted with a halogen atom. Also R22Represents a halogen atom, an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms or an aromatic group. The alkyl group and the aromatic group may be substituted with a halogen atom. )
A product obtained by reacting a hydroxylamine represented by the formula or a salt thereof with an acid dianhydride represented by the general formula (5).
[0066]
In the general formulas (21), (22), (23) and (24), R21And R22Examples of the halogen atom include a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom and an iodine atom.
R21And R22Examples of the alkyl group include linear, branched and cyclic alkyl groups, for example, a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group, an n-butyl group, an isobutyl group, a sec-butyl group, Examples include a tert-butyl group, a pentyl group, a hexyl group, a cyclopentyl group, and a cyclohexyl group.
[0067]
R21And R22Examples of the aromatic group include a phenyl group, a 4-methylphenyl group, and a 4-methoxyphenyl group.
R21And R22Examples of the alkyl group and aromatic group substituted with a halogen atom include a trifluoromethyl group and a 4-chlorophenyl group.
[0068]
Examples of the hydroxylamines represented by the general formula (21) and salts thereof include hydroxylamine, hydroxylamine hydrochloride, hydroxylamine sulfate, and hydroxylamine phosphate.
Examples of the hydroxylamine of the general formula (22) include hydroxylamine-O-sulfonic acid.
Examples of the hydroxylamines of the general formula (23) include hydroxylamine-O-phosphoric acid.
Examples of the hydroxylamine of the general formula (24) include hydroxylamine-O-dimethyl phosphate.
[0069]
Hydroxamic acid or its acyl derivative may be isolated or used as it is in the next reaction.
Further, acyl derivatives of hydroxamic acid can be prepared by reacting a compound obtained by reacting hydroxylamine or a salt thereof with an acid dianhydride represented by the general formula (5) with an acyl halide according to a conventional method. Good.
[0070]
Here, acyl halides are represented by the following general formula (25) or (26)
[0071]
Embedded image
Figure 2004002293
[0072]
(Where R23Represents an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms or an aromatic group, and Y represents a halogen atom. The alkyl group and the aromatic group may be substituted with a halogen atom. )
Is represented by
[0073]
R23Examples of the alkyl group include linear, branched and cyclic alkyl groups, for example, a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group, an n-butyl group, an isobutyl group, a sec-butyl group, Examples include a tert-butyl group, a pentyl group, a hexyl group, a cyclopentyl group, and a cyclohexyl group.
R23Examples of the aromatic group include a phenyl group, a 4-methylphenyl group, and a 4-methoxyphenyl group.
[0074]
R23Examples of the alkyl group and aromatic group substituted with a halogen atom include a trifluoromethyl group and a 4-chlorophenyl group.
Examples of the halogen atom for Y include a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom, and an iodine atom.
As the acyl halides represented by the general formula (25), acetyl chloride, chloroacetyl chloride and the like can be mentioned.
Examples of the acyl halides of the general formula (26) include benzenesulfonyl chloride, p-toluenesulfonyl chloride and the like.
[0075]
(Method for producing hydroxamic acid or an alkali salt thereof or acyl derivative thereof)
The amount of the hydroxylamine to be used in this reaction is 1 to 20 moles, preferably 1.4 to 10 moles, more preferably 1.10 moles relative to the acid dianhydride represented by the general formula (5). It is in the range of 5 to 5 moles.
[0076]
The solvent used in this reaction may be any solvent that is inert to the raw materials and products, such as water; saturated hydrocarbons such as pentane, hexane, heptane, and cyclohexane; benzene, toluene, xylene, and ethylbenzene. Aromatic hydrocarbons; halogenated hydrocarbons such as dichloromethane and dichlorobenzene; lower alcohols such as methanol, ethanol, 1-propanol, isopropyl alcohol and tert-butyl alcohol; glycols such as ethylene glycol, diethylene glycol and propylene glycol Ethers such as ethylene glycol dimethyl ether, 1,3-dioxane, 1,4-dioxane, tetrahydrofuran, dimethyl ether, diethyl ether, diisopropyl ether and dibutyl ether Amides such as formamide and N, N-dimethylformamide; nitriles such as acetonitrile; ketones such as acetone and methyl ethyl ketone; esters such as methyl acetate and ethyl acetate; sulfur-containing solvents such as dimethyl sulfoxide; -Dimethyl-2-imidazolidinone.
[0077]
As the water, an acidic aqueous solution such as a hydrochloric acid aqueous solution or a sulfuric acid aqueous solution may be used.
These solvents are used alone or as a mixture, and when used as a mixture, they can be used in any ratio. The raw acid dianhydride may be reacted by dissolving it in a reaction solvent, or may be reacted in a slurry state.
The amount of the reaction solvent used is not particularly limited, but is in the range of 1 to 1000 g, preferably 1 to 100 g, based on 1 g of the raw acid dianhydride.
[0078]
When an organic solvent and an aqueous solution that are not compatible with water are selected as the reaction solvent, a phase transfer catalyst such as a tetrabutylammonium salt (for example, tetrabutylammonium hydrogen sulfate) may be used together.
The reaction is usually carried out in a temperature range from -20 ° C to the boiling point of the solvent.
The reaction time is not particularly limited and is appropriately determined depending on the starting materials, reaction conditions, and the like, and is usually 10 minutes to 48 hours.
[0079]
(Method for producing diisocyanatodicarboxylic acid by Rossen rearrangement)
The reaction solvent in the Rossen rearrangement reaction may be any solvent that is inert to the raw materials and products, for example, water; saturated hydrocarbons such as pentane, hexane, heptane, and cyclohexane; benzene, toluene, xylene, and ethylbenzene. Aromatic hydrocarbons; halogenated hydrocarbons such as dichloromethane and dichlorobenzene; lower alcohols such as methanol, ethanol, 1-propanol, isopropyl alcohol and tert-butyl alcohol; glycols such as ethylene glycol, diethylene glycol and propylene glycol And the like: ethylene glycol dimethyl ether, 1,3-dioxane, 1,4-dioxane, tetrahydrofuran, dimethyl ether, diethyl ether, diisopropyl ether, dibutyl ether, etc. Amides such as formamide and N, N-dimethylformamide; nitriles such as acetonitrile; ketones such as acetone and methyl ethyl ketone; esters such as methyl acetate and ethyl acetate; sulfur-containing solvents such as dimethyl sulfoxide; Examples thereof include 3-dimethyl-2-imidazolidinone.
[0080]
As the water, an acidic aqueous solution such as a hydrochloric acid aqueous solution or a sulfuric acid aqueous solution may be used.
These solvents are used alone or as a mixture, and when used as a mixture, they can be used in any ratio. The raw material hydroxamic acid or an alkali salt thereof, or an acyl derivative of hydroxamic acid may be dissolved in a reaction solvent and reacted, or may be reacted in a slurry state.
[0081]
The amount of the solvent to be used is not particularly limited, but is in the range of 1 to 1000 g, preferably 1 to 100 g, per 1 g of the raw material hydroxamic acid or an alkali salt thereof, or 1 g of the acyl derivative of hydroxamic acid.
When an organic solvent and an aqueous solution that are not compatible with water are selected as the reaction solvent, a phase transfer catalyst such as a tetrabutylammonium salt (for example, tetrabutylammonium hydrogen sulfate) may be used together.
[0082]
The reaction is usually carried out in a temperature range from -20 ° C to the boiling point of the solvent.
The reaction time is not particularly limited and is appropriately determined depending on the starting materials, reaction conditions, and the like, and is usually 10 minutes to 48 hours.
[0083]
In the present invention, hydroxamic acid or an alkali salt thereof, or acyl derivatives of hydroxamic acid may be subjected to Rossen rearrangement after isolation, and the acid dianhydride represented by the general formula (5) may be used. After the reaction with hydroxylamines or a salt thereof, Rossen rearrangement can be carried out without isolating the product.
[0084]
The method for isolating and purifying the diisocyanatodicarboxylic acid of the present invention is not particularly limited, and the same method as that for the dicarbamoyldicarboxylic acid of the present invention described above can be employed.
Further, after the diisocyanatodicarboxylic acid of the present invention is converted into a derivative having a protected carboxyl group, the derivative may be purified and deprotected. Examples of the derivative having a protected carboxyl group include esters such as dimethyl ester, diethyl ester and dibenzyl ester.
[0085]
(Method for producing diisocyanatodicarboxylic acid by Hoffman rearrangement)
Diisocyanatodicarboxylic acid can also be synthesized by subjecting a dicarbamoyldicarboxylic acid represented by the general formula (7) or an imide derivative represented by the general formula (8) to Hoffmann rearrangement. The method is as described in the following methods for producing diaminodicarboxylic acid and salts thereof.
[0086]
[Method for producing diaminodicarboxylic acid and salt thereof]
Next, diaminodicarboxylic acid (in the general formula (1), R1And R2Is a carboxyl group and the other is an amino group,3And R4A compound in which either one is a carboxyl group and the other is an amino group) and a salt thereof.
[0087]
The diaminodicarboxylic acid defined by the general formula (6) means the same compound as the above diaminodicarboxylic acid.
The diaminodicarboxylic acid of the present invention can be produced by reacting an acid dianhydride represented by the general formula (5) with ammonia and then performing Hoffman rearrangement.
Here, the Hoffman rearrangement is a reaction in which a primary amine having one less carbon atom is generated from an amide compound or an imide compound, and is characterized in that an alkyl group or an aryl group is transferred from carbon to nitrogen and proceeds.
[0088]
The first-stage reaction between the acid dianhydride and ammonia is carried out by the method described in the method for producing dicarbamoyldicarboxylic acid and a salt thereof, and the dicarbamoyldicarboxylic acid (amide compound) represented by the general formula (1) ) Or the imide represented by the general formula (8) is obtained. When these salts are isolated as a salt (for example, a sodium salt or a potassium salt), they may be used as they are in the next reaction, or may be used after being desalted by a conventional method.
[0089]
In the second stage of the Hoffmann rearrangement, the reaction reagent used may be any reagent that causes Hoffmann rearrangement, and may be a conventionally known one such as hypochlorite, hypobromite and (I, I And organic iodo compounds such as -bis (trifluoroacetoxy) iodo) benzene and (I, I-bisacetoxyiodo) benzene.
[0090]
Examples of hypochlorite and hypobromite include sodium hypochlorite, potassium hypochlorite, sodium hypobromite, potassium hypobromite, and the like. These are prepared and used in a reaction solution from chlorine and sodium hydroxide, chlorine and sodium methoxide, chlorine and potassium hydroxide, bromine and sodium hydroxide, bromine and sodium methoxide, and bromine and potassium hydroxide. Is also good.
[0091]
The amount of the reaction reagent to be used is 1 to 20 times, preferably 1.4 to 10 times, the mol of the amide represented by the general formula (1) or the imide represented by the general formula (8). More preferably, it is in the range of 1.5 to 5 moles. In addition, when using a hypochlorite aqueous solution, it is not limited to this range, and may be used as a reaction solvent.
[0092]
The solvent used in the Hoffman rearrangement reaction may be any solvent that is inert to the raw materials and products, for example, water; saturated hydrocarbons such as pentane, hexane, heptane, and cyclohexane; benzene, toluene, xylene, and ethylbenzene. Aromatic hydrocarbons such as dichloromethane, chloroform, carbon tetrachloride, dichloroethane, chlorobenzene and dichlorobenzene; lower alcohols such as methanol, ethanol, 1-propanol, isopropyl alcohol and tert-butyl alcohol; Glycols such as ethylene glycol, diethylene glycol and propylene glycol; ethylene glycol dimethyl ether, 1,3-dioxane, 1,4-dioxane, tetrahydrofuran, dimethyl ether, Ethers such as tyl ether, diisopropyl ether and dibutyl ether; amides such as formamide and N, N-dimethylformamide; nitriles such as acetonitrile; ketones such as acetone and methyl ethyl ketone; esters such as methyl acetate and ethyl acetate; Sulfur-containing solvents such as sulfoxide; and 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone.
[0093]
As the water, a basic aqueous solution such as an aqueous solution of sodium hydroxide or an aqueous solution of potassium hydroxide may be used.
These solvents are used alone or as a mixture. When used as a mixture, the solvents can be used in a mixture at any ratio. The amide compound and the imide compound as the raw materials may be dissolved in a reaction solvent and reacted, or may be reacted in a slurry state.
The amount of the reaction solvent used is not particularly limited, but is in the range of 1 to 1000 g, preferably 1 to 100 g, per 1 g of the amide or imide compound as the raw material.
[0094]
When a mixture of water and an organic solvent that is incompatible with water is selected as a reaction solvent, a phase transfer catalyst such as a tetrabutylammonium salt (for example, tetrabutylammonium hydrogen sulfate) may be coexisted.
[0095]
The reaction is usually carried out in a temperature range from -20 ° C to the boiling point of the solvent.
The reaction time is not particularly limited and is appropriately determined depending on the starting materials, reaction conditions, and the like, and is usually 10 minutes to 48 hours.
[0096]
In the Hoffman rearrangement reaction, the general formula (27):
[0097]
Embedded image
Figure 2004002293
[0098]
(Wherein A has the same meaning as described above, and R31And R32Is one of which represents an isocyanato group, the other represents a carboxyl group,33And R34Represents one of isocyanato groups and the other represents a carboxyl group. )
Isocyanate (diisocyanatodicarboxylic acid) is produced as an intermediate, which may be isolated once. When water is not contained as a reaction solvent, this isocyanate is a product. Note that even when water is contained in the reaction solvent, an isocyanate ester may be generated.
[0099]
The obtained isocyanate of the general formula (27) can be prepared from an acid such as hydrochloric acid, sulfuric acid, phosphoric acid, acetic acid, trifluoroacetic acid or p-toluenesulfonic acid, or a base such as sodium hydroxide or potassium hydroxide, and water By stirring at room temperature to 100 ° C. for 10 minutes to 120 hours in the presence of, the diaminodicarboxylic acid of the present invention can be obtained.
[0100]
In this case, the organic solvents listed in the description of the Huffman rearrangement reaction may be used in combination, and when a mixture of an organic solvent and water that is incompatible with water is selected, a tetrabutylammonium salt (for example, tetrabutyl hydrogen sulfate) is used. Phase transfer catalyst such as ammonium). Further, the reaction may be carried out at 100 to 200 ° C. by a reaction in an autoclave.
[0101]
Further, diaminodicarboxylic acid can be similarly derived by a method using mercury (II) acetate described in Tetrahedron @ Letters, 36, 8859 (1995) or a method using dimethyldioxirane as a reaction reagent.
[0102]
The method for isolating the diaminodicarboxylic acid of the present invention is not particularly limited, but when the product precipitates from the reaction solvent, it can be isolated by filtration or centrifugation, and when the product is dissolved in the reaction solvent. A method of distilling off the solvent under reduced pressure or a method of adding an appropriate solvent to precipitate the solution, followed by filtration or centrifugation can be adopted. In addition, by treatment with an appropriate acid or base according to a conventional method, the carboxyl group releases a proton to form -COO.And the amino group is bonded to a proton to form -NH3 +The above operation may be performed by forming a zwitterion form or a salt with the acid or the base, or a combination of these methods.
[0103]
When further purification is required, a method well-known as a conventional method can be employed, and examples thereof include a distillation purification method, a recrystallization method, a column chromatography method, a sludge treatment, and an activated carbon treatment.
[0104]
Solvents used for the recrystallization method, column chromatography method, sludge treatment and activated carbon treatment are not particularly limited, and include, for example, water; saturated hydrocarbons such as pentane, hexane, heptane, and cyclohexane; benzene, toluene, xylene, and ethylbenzene. Aromatic hydrocarbons such as dichloromethane, chloroform, carbon tetrachloride, dichloroethane, chlorobenzene, dichlorobenzene and the like; lower alcohols such as methanol, ethanol, 1-propanol, isopropyl alcohol and tert-butyl alcohol Glycols such as ethylene glycol, diethylene glycol and propylene glycol; ethylene glycol dimethyl ether, 1,3-dioxane, 1,4-dioxane, tetrahydrofuran; Ethers such as methyl ether, diethyl ether, diisopropyl ether and dibutyl ether; amides such as formamide and N, N-dimethylformamide; nitriles such as acetonitrile; ketones such as acetone and methyl ethyl ketone; carboxylic acids such as formic acid and acetic acid Esters such as methyl acetate and ethyl acetate; sulfur-containing solvents such as dimethyl sulfoxide; and 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone.
[0105]
In addition, you may use aqueous solutions, such as ammonia water, hydrochloric acid, and acetic acid, as water.
These solvents are used alone or as a mixture, and when used as a mixture, they can be used in any ratio.
The amount of the solvent used in the recrystallization, sludge treatment and activated carbon treatment is in the range of 1 to 1000 g, preferably 1 to 300 g, based on 1 g of diaminodicarboxylic acid.
[0106]
Further, after the diaminodicarboxylic acid of the present invention is converted into a derivative having a carboxyl group protected or a derivative having an amino group protected, the above-mentioned purification may be carried out, followed by deprotection. Examples of the derivative having a protected carboxyl group include esters such as dimethyl ester, diethyl ester and dibenzyl ester. Examples of the derivative having an amino group protected include bis (benzyloxycarbonylamino) and bis (tert-butoxycarbonylamino).
[0107]
The diaminodicarboxylic acid of the present invention can also be produced by deriving an acid dianhydride of the general formula (5) into hydroxamic acid or an alkali salt thereof or an acyl derivative thereof, and then subjecting the acid dianhydride to Lossen rearrangement. For example, a method using hydroxylamine and p-toluenesulfonyl chloride described in Synthetic @ Communication, 22, 3067 (1992) as a reaction reagent, and a method using hydroxylamine-O-sulfonic acid described in Synthesis, 1143 (1990) as a reaction reagent. Methods and the like can be mentioned.
[0108]
[Method for producing diaminodicarboxylic acid hydrohalide salt]
The diaminodicarboxylic acid hydrogen halide of the present invention can be produced by treating diaminodicarboxylic acid with a hydrogen halide represented by the general formula (9) by a conventional method.
[0109]
In addition, when the post-treatment of the Hoffman rearrangement reaction described below is performed, the reaction solution in which the oxidizing agent with danger remains is concentrated to dryness, and the product is colored by using a reducing agent (for example, sodium thiosulfate or sodium bisulfite). In addition, a diaminodicarboxylic acid hydrohalide salt can be produced while avoiding by-products of a plurality of inorganic salts. This post-processing method will be described in detail below.
[0110]
Examples of the hydrogen halide represented by the general formula (9) used for the post-treatment of the Hoffman rearrangement include hydrogen chloride, hydrogen bromide, and hydrogen iodide. These may be introduced into the reaction solution as a gas, or water; alcohols such as methanol, ethanol and isopropyl alcohol; amides such as formamide and N, N-dimethylformamide; ethers such as 1,4-dioxane and tetrahydrofuran. And the like, and may be added in the form of a hydrohalic acid solution.
[0111]
When the hydrogen halide is introduced as a gas, the gas may be mixed with a gas inert to the hydrogen halide, for example, an inert gas such as nitrogen or argon, or a mixture ratio of the hydrogen halide and the inert gas. Is also optional.
When used as an aqueous solution of hydrogen halide, commercially available 36% hydrochloric acid, 48% hydrobromic acid, 57% hydroiodic acid, and those whose concentration is arbitrarily adjusted are used. Note that an organic solvent may be used as a cosolvent for dilution.
[0112]
Examples of the organic solvent used as a co-solvent include saturated hydrocarbons such as pentane, hexane, heptane, and cyclohexane; aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, xylene, and ethylbenzene; dichloromethane, chloroform, carbon tetrachloride, dichloroethane, Halogenated hydrocarbons such as chlorobenzene and dichlorobenzene; lower alcohols such as methanol, ethanol, 1-propanol, isopropyl alcohol and tert-butyl alcohol; glycols such as ethylene glycol, diethylene glycol and propylene glycol; ethylene glycol dimethyl ether; , 3-dioxane, 1,4-dioxane, tetrahydrofuran, dimethyl ether, diethyl ether, diisopropyl ether, dibutyl ether, etc. Amides such as formamide and N, N-dimethylformamide; nitriles such as acetonitrile; ketones such as acetone and methyl ethyl ketone; carboxylic acids such as formic acid and acetic acid; esters such as methyl acetate and ethyl acetate; dimethyl sulfoxide And a sulfur-containing solvent such as 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone.
[0113]
The amount of the hydrogen halide used is not particularly limited, but is in the range of 0.2 to 10000 times, preferably 0.2 to 3000 times the mol of the reactant used for the Hoffman rearrangement.
The addition time of the hydrogen halide is not particularly limited, but is generally in the range of 1 minute to 12 hours, preferably 10 minutes to 3 hours.
The aging time after the addition of the hydrogen halide is not particularly limited, but is generally 1 minute to 10 hours, preferably 5 minutes to 7 hours, more preferably 5 minutes to 5 hours. is there.
[0114]
The temperature at which the hydrogen halide is added is generally between -20 ° C and the boiling point of the solvent used in the reaction, but is preferably between -10 ° C and 50 ° C.
The pH after the post-reaction treatment with hydrogen halide is preferably 5 or less, more preferably 4 or less.
As for the selection of hydrogen halide, it is preferable that the halogen element contained in the reaction reagent and the halogen element of hydrogen halide in the Hoffman rearrangement are aligned. For example, when sodium hypochlorite is used as the reaction reagent, hydrogen chloride is used for the reaction treatment, so that the by-product generated at the end of the reaction can be only sodium chloride.
[0115]
The method for isolating and producing the product is not particularly limited, but can be carried out by the same method as the above-mentioned method for producing diaminodicarboxylic acid.
The isolated diaminodicarboxylic acid hydrohalide salt can, of course, be converted to the diaminodicarboxylic acid and other salts of the present invention by a conventional method.
[0116]
[Resin raw material and resin additive using diaminodicarboxylic acid (salt)]
Next, resin raw materials and resin additives using the diaminodicarboxylic acid and its salt of the present invention will be described.
The diaminodicarboxylic acid and the salt thereof of the present invention are mainly used as a resin raw material such as polyimide, polyisoimide and polyamide, and as a resin additive.
[0117]
Polyimide and polyisoimide can be produced by reacting the diaminodicarboxylic acid of the present invention with an aromatic acid anhydride or an aliphatic acid anhydride.
Further, as a raw material monomer of the thermosetting resin composition, the diaminodicarboxylic acid of the present invention may be used together with bismaleimides represented by the following general formula (31).
[0118]
Embedded image
Figure 2004002293
[0119]
(In the formula, E represents a divalent group.)
E in the general formula (31) is, for example, a p-phenylene group, an m-phenylene group, an o-phenylene group, or -E-
[0120]
Embedded image
Figure 2004002293
[0121]
(Wherein G represents an oxygen atom, a sulfur atom, or -CH2-, -C (CH3)2-, -SO2-, -CO-, -NHCO-, -C (CF3)2Indicates-. ), But are not limited to these. The thermosetting resin composition may be used as a filler-containing thermosetting resin composition in which an organic or inorganic filler is distributed to increase the strength. Further, the thermosetting resin composition may be used as a prepreg resin by impregnating an organic or inorganic fiber cloth.
[0122]
As described above, the diaminodicarboxylic acid of the present invention can be used alone for various purposes, and can be used in combination with various other organic compounds, inorganic compounds, resins, and the like to form a resin.
When the diaminodicarboxylic acid or a salt thereof of the present invention is used as a resin raw material or a resin additive, heat resistance, optical properties, mechanical properties, electrical properties, chemical stability, and low moisture absorption are compared with conventionally known amines. Gives resin excellent properties such as properties and high moldability.
[0123]
[Resin raw material and resin additive using diisocyanatodicarboxylic acid (salt)]
The diisocyanatodicarboxylic acid and the salt thereof of the present invention can be used not only as a synthetic intermediate of the diaminodicarboxylic acid of the present invention but also as a urethane resin raw material or a curing agent for acrylic paint.
The urethane resin can be produced by reacting the compound of the present invention with a polyether polyol.
[0124]
Examples of the polyether polyol include ethylene glycol, propylene glycol, bisphenol A, hydroquinone, glycerin, trimethylolpropane, hexanetriol, triethanolamine, pentaerythritol, ethylenediamine, diethylenetriamine, and sorbitol.
[0125]
A curing agent for an acrylic paint can be produced by reacting the compound of the present invention with an acrylic polyol.
Examples of the acrylic polyol include 2-hydroxyethyl methacrylic acid, hydroxypropyl acrylate, 2-hydroxyethyl acrylic acid, acrylamide, N-methylol acrylamide, diacetone acrylamide, glycidyl acrylamide, and the like.
[0126]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples, but the present invention is not limited thereto.
[0127]
【Example】
(Example 1) {Diaminobicyclo [2.2.2] oct-7-enedicarboxylic acid dihydrochloride (in the general formula (12), R1And R2Has one of a carboxyl group and the other an amino group,3And R4Has one of a carboxyl group and the other an amino group,5And R6Is a hydrogen atom. )Manufacturing of
[0128]
(1) Synthesis of bicyclo [2.2.2] oct-7-ene-2,3,5,6-tetracarboxydiimide
Ammonia gas was added to a suspension of 124.10 g of bicyclo [2.2.2] oct-7-ene-2,3,5,6-tetracarboxylic dianhydride in 500 g of N, N-dimethylformamide. Introduced at 45 ° C over 45 minutes. After stirring at the same temperature for 30 minutes and cooling, 300 g of ethyl acetate was added and the precipitate was collected by filtration. This was stirred in 300 g of 1 mol / L hydrochloric acid for 30 minutes, and the collected matter was washed with methanol and dried under reduced pressure to obtain 98.53 g of the desired product as white crystals.
1H NMR (DMSO-d6) Δ 2.96-3.08 (4H, m), 3.19-3.32 (2H, m), 6.05-6.15 (2H, m).
Melting point 300 ° C or more
[0129]
(2) Synthesis of diaminobicyclo [2.2.2] oct-7-enedicarboxylic acid dihydrochloride
To a mixture of 12.31 g of bicyclo [2.2.2] oct-7-ene-2,3,5,6-tetracarboxydiimide and 30 g of a 30% by mass aqueous sodium hydroxide solution was added hypoxia over 1 hour under ice cooling. 150 g of sodium chlorate (effective chlorine concentration 5% by mass) was added dropwise. After stirring at the same temperature for 3 hours, 3.95 g of sodium thiosulfate was added, and water was distilled off. 100 g of 1 mol / L hydrochloric acid was added thereto, and the mixture was stirred. After water was distilled off, hot isopropyl alcohol was added. After filtering off the insoluble matter, the filtrate was concentrated to dryness to obtain 8.33 g of the desired product as a pale yellow solid.
1H NMR (D2O) δ 3.03-4.10 (6H, m), 6.20-6.75 (2H, m).
Melting point 120 ° C (decomposition)
[0130]
Example 2 Dicarbamoylbicyclohexyldicarboxylic acid (in the general formula (13), R1And R2Is one of which is a carboxyl group and the other is a carbamoyl group;3And R4Is a compound in which either one is a carboxyl group, the other is a carbamoyl group and B is a single bond. )Manufacturing of
Ammonia gas was introduced into a suspension of 3.1 g of bicyclohexyl-3,3 ', 4,4'-tetracarboxylic dianhydride in N, N-dimethylformamide (20 g) over 30 minutes under ice cooling. The mixture was stirred at the same temperature for 30 minutes, and further stirred at room temperature for 2 hours. After cooling with ice, the precipitate was collected by filtration, and 12 g of 1 mol / L hydrochloric acid was added thereto, followed by stirring for 30 minutes. The solid obtained by filtration was washed with water and methanol, and dried under reduced pressure to obtain 2.03 g of the desired product as white crystals.
1H NMR (DMSO-d6) 0.88-1.22 (4H, m), 1.35-1.65 (6H, m), 1.70-1.93 (2H, m), 1.95-2.12 (2H, m) m), 2.12-2.26 (2H, m), 2.96 (2H, s), 6.70-6.94 (2H, m), 7.09 (2H, s), 12.07 (2H, s).
Melting point 225 ° C
[0131]
Example 3 Diaminobicyclohexyldicarboxylic acid (in the general formula (13), R1And R2Has one of a carboxyl group and the other an amino group,3And R4Is a compound in which either one is a carboxyl group, the other is an amino group and B is a single bond. )Manufacturing of
16.90 g of dicarbamoylbicyclohexyldicarboxylic acid was dissolved in 184.42 g of a 7% by mass aqueous sodium hydroxide solution, and 105.60 g of an aqueous solution of sodium hypochlorite (effective chlorine concentration: 5% by mass) was added at 10 ° C. or lower for 30 minutes. The solution was dropped. Thereafter, the mixture was stirred at 35 ° C. for 6 hours and at room temperature for 17 hours. Next, the mixture was cooled to 15 ° C., and 23.02 g of concentrated hydrochloric acid was added to adjust the pH of the solution to 6.8. The precipitated solid was collected by filtration, washed with water, and dried under reduced pressure to obtain 6.78 g of the desired product as a white solid.
1H NMR (D2O, DCI) [delta] 0.80-1.00 (2H, m), 1.20-1.65 (8H, m), 1.66-1.89 (2H, m), 2.00-2. 26 (2H, m), 2.90-3.10 (2H, m), 3.20-3.45 (2H, m).
MS (ESI) {(positive): 285} [M + H]+
(Negative): 283 [MH]
Melting point 275 ° C or higher
[0132]
Example 4 Production of diaminobicyclohexyldicarboxylic acid
A mixture of 1.70 g of dicarbamoylbicyclohexyldicarboxylic acid, 4.3 g of (I, I-bis (trifluoroacetoxy) iodo) benzene, 5 g of acetonitrile and 5 g of water was stirred at 60 ° C. for 1 hour. After cooling to room temperature, 10 ml of concentrated hydrochloric acid was added, and the precipitate was filtered off. 5 g of water was added to the concentrated residue of the filtrate, and a 0.1 mol / L aqueous sodium hydroxide solution was added to adjust the pH to 5.7. After evaporating water, ethanol was added and the precipitated solid was filtered off. The obtained filtrate was concentrated to dryness and dried under reduced pressure to obtain 0.10 g of the desired product as a white solid.
1H NMR (DMSO-d6) 0.80-1.50 (10H, m), 1.60-2.38 (4H, m), 2.77 (2H, m), 3.07 (2H, m).
[0133]
Example 5 Production of {diaminobicyclohexyldicarboxylic acid} dihydrochloride
Dissolve 20.42 g of dicarbamoylbicyclohexyldicarboxylic acid in 273.68 g of a 5.7 mass% aqueous sodium hydroxide solution and add 127.61 g of an aqueous sodium hypochlorite solution (effective chlorine concentration 5 mass%) at 10 ° C. or lower for 1 hour The solution was dropped. Thereafter, the temperature was raised to 35 ° C., and the mixture was stirred for 1 hour. After cooling to 10 ° C., 60.77 g of concentrated hydrochloric acid was added, and the precipitate was filtered off. Ethanol was added to the concentrated residue of the filtrate, and the precipitated solid was removed by filtration. This solid was sludged with ethanol, and the filtrate was obtained by filtration. The same treatment was further performed 5 times on the solid obtained by filtration. The filtrates were combined, concentrated and dried under reduced pressure and dried under reduced pressure to obtain 4.52 g of the desired product as a white solid.
1H NMR (DMSO-d6) Δ 0.80-1.00 (2H, m), 1.20-1.65 (8H, m), 1.66-1.89 (2H, m), 2.00-2.22 (2H, m) m), 3.00-3.25 (4H, m), 8.25 (6H, s), 12.9 (2H, s).
Melting point 330 ° C
MS (ESI) {(positive): 285} [M + H]+
(Negative): 283 [MH]
[0134]
(Example 6) Diisocyanato [2.2.2] oct-7-enedicarboxylic acid (in the general formula (12), R1And R2Has one of a carboxyl group and the other is an isocyanato group;3And R4Has one of a carboxyl group and the other is an isocyanato group;5And R6Is a compound wherein is a hydrogen atom. )Manufacturing of
130.63 g of bicyclo [2.2.2] oct-7-ene-2,3,5,6-tetracarboxylic dianhydride, 122.42 g of hydroxylamine-O-sulfonic acid, 1,3-dimethyl-2 A mixture of 574.25 g of imidazolidinone was stirred at 100 ° C. for 2 hours, cooled to room temperature, and charged with ethyl acetate to collect precipitated crystals by filtration. This was washed with ethyl acetate, and the dried crude crystals were recrystallized from water and then dried under reduced pressure to obtain 76.24 g of the desired product as white crystals.
1H NMR (DMSO-d6) δ 3.03-3.25 (4H, m), 3.26-3.46 (2H, m), 6.00-6.13 (2H, m), 10.76 ( 2H, s)
FD-MS: 278 [M]+
m. p. 300 ℃ or more
[0135]
(Example 7) diisocyanatobicyclohexyldicarboxylic acid (in the general formula (13), R1And R2Has one of a carboxyl group and the other is an isocyanato group;3And R4Is a compound in which one is a carboxyl group, the other is an isocyanato group and B is a single bond. )Manufacturing of
A mixture of 1.70 g of dicarbamoylbicyclohexyldicarboxylic acid, 4.3 g of [I, I-bis (trifluoroacetoxy) iodo] benzene, 5 g of acetonitrile and 5 g of water was stirred at room temperature for 5 hours and then heated to 60 ° C. After cooling, 10 mL of concentrated hydrochloric acid was added, and the precipitate was collected by filtration. This was washed with an aqueous hydrochloric acid solution and methanol and dried under reduced pressure to obtain 0.61 g of the desired product as a white solid.
1H NMR (DMSO-d6) [delta] 0.65-2.90 (12H, m), 2.08-2.25 (2H, m), 3.10-3.45 (4H, m), 8.63- 8.65 (2H, br).
FD-MS: 337 [M + H]+
m. p. 300 ℃ or more
[0136]
Example 8 Production of {Diaminobicyclo [2.2.2] oct-7-enedicarboxylic acid} dihydrochloride
To a mixture of 12.01 g of bicyclo [2.2.2] oct-7-ene-2,3,5,6-tetracarboxydiimide and 40 g of a 30% by mass aqueous sodium hydroxide solution was added hypoxia over 1 hour under ice cooling. 160 g of sodium chlorate (effective chlorine concentration 5% by mass) was added dropwise. After stirring at the same temperature for 1 hour, the mixture was further stirred at room temperature for 2 hours. After that, 29.11 g of 36% by mass hydrochloric acid was added to adjust the pH to 2 or less, then water was distilled off, and the residue was sludge ethanol. The filtrate obtained by filtration was concentrated to dryness to obtain 9.01 g of the desired product as a pale yellow solid.
1H NMR (D2O) δ 3.03-4.10 (6H, m), 6.20-6.75 (2H, m).
Melting point 120 ° C (decomposition)
[0137]
Example 9 Production of diaminobicyclohexyldicarboxylic acid dihydrochloride
To a mixture of 11.39 g of dicarbamoylbicyclohexyldicarboxylic acid and a 30% by mass aqueous solution of sodium hydroxide, 66.8 g of sodium hypochlorite (effective chlorine concentration: 5% by mass) was added dropwise over 1 hour under ice cooling. After stirring at the same temperature for 1 hour, the mixture was further stirred at room temperature for 2 hours. Thereafter, 24.00 g of 36% by mass hydrochloric acid was added to adjust the pH to 2 or less. Next, water was distilled off, the residue was subjected to ethanol sludge, and the filtered filtrate was concentrated to dryness to obtain 6.69 g of the desired product as a white solid.
1H NMR (DMSO-d6) δ 0.80-1.00 (2H, m), 1.20-1.65 (8H, m), 1.66-1.89 (2H, m), 2.00- 2.22 (2H, m), 3.00-3.25 (4H, m), 8.25 (6H, s), 12.9 (2H, s).
MS (ESI) (positive): 285 [M + H]+
(Negative): 283 [M-H]
[0138]
【The invention's effect】
According to the present invention, a novel diaminodicarboxylic acid useful as a resin raw material and a resin additive, a synthetic intermediate thereof, and a method for producing diaminodicarboxylic acid can be provided.

Claims (7)

一般式(1):
Figure 2004002293
(式中、Aは炭素数2〜20の4価の脂肪族基を示し、ハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる少なくとも一つを含有しても良く、またRとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアミノ基、カルバモイル基またはイソシアナト基を示し、RとRは、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアミノ基、カルバモイル基またはイソシアナト基を示す。)
で表される化合物およびその塩。
General formula (1):
Figure 2004002293
(Wherein, A represents a tetravalent aliphatic group having 2 to 20 carbon atoms, and may contain at least one selected from a halogen atom, an oxygen atom and a sulfur atom, and R 1 and R 2 are One of them represents a carboxyl group, the other represents an amino group, a carbamoyl group or an isocyanato group, and one of R 3 and R 4 represents a carboxyl group and the other represents an amino group, a carbamoyl group or an isocyanato group. Is shown.)
And a salt thereof.
一般式(1)において、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がアミノ基であり、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がアミノ基である請求項1記載の化合物およびその塩。In the general formula (1), one of R 1 and R 2 is a carboxyl group, the other is an amino group, one of R 3 and R 4 is a carboxyl group, and the other is an amino group. A compound according to claim 1 and a salt thereof. 一般式(1)において、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がカルバモイル基であり、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がカルバモイル基である請求項1記載の化合物およびその塩。In the general formula (1), one of R 1 and R 2 is a carboxyl group, the other is a carbamoyl group, one of R 3 and R 4 is a carboxyl group, and the other is a carbamoyl group. A compound according to claim 1 and a salt thereof. 一般式(1)において、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がイソシアナト基であり、RとRのいずれか一方がカルボキシル基で、もう一方がイソシアナト基である請求項1記載の化合物およびその塩。In the general formula (1), one of R 1 and R 2 is a carboxyl group, the other is an isocyanato group, one of R 3 and R 4 is a carboxyl group, and the other is an isocyanato group. A compound according to claim 1 and a salt thereof. 一般式(1)において、
Figure 2004002293
で表される基が、下記一般式(2):
Figure 2004002293
(式中、RとRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、RとRは連結して2価の炭化水素基を形成しても良く、アルキル基および2価の炭化水素基はハロゲン原子で置換されていても良い。pは1〜3の整数を示す。)、
下記一般式(3):
Figure 2004002293
(式中、RとRは、一般式(2)で定義したとおり。)、
または下記一般式(4):
Figure 2004002293
(式中、Bは単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基、酸素原子、硫黄原子、または−B−として−CO−,−SO−を示し、2価の炭化水素基はハロゲン原子で置換されていても良い。)
から選ばれるいずれかの基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物およびその塩。
In the general formula (1),
Figure 2004002293
Is a group represented by the following general formula (2):
Figure 2004002293
(Wherein, R 5 and R 6 each independently represent a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms, and R 5 and R 6 are linked to form a divalent hydrocarbon group; And the alkyl group and the divalent hydrocarbon group may be substituted with a halogen atom, and p represents an integer of 1 to 3.)
The following general formula (3):
Figure 2004002293
(Wherein R 5 and R 6 are as defined in the general formula (2).)
Or the following general formula (4):
Figure 2004002293
(Wherein, divalent hydrocarbon group of B is a single bond or 1 to 12 carbon atoms, an oxygen atom, a sulfur atom -CO or as -B-, -, - SO 2 - indicates a divalent hydrocarbon group May be substituted with a halogen atom.)
The compound according to any one of claims 1 to 4, wherein the compound is a group selected from the group consisting of:
一般式(5):
Figure 2004002293
(式中、Aは炭素数2〜20の4価の脂肪族基を示し、ハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる少なくとも一つを含有しても良い。)
で表される酸二無水物をアンモニアと反応させた後、ホフマン(Hofmann)転位させることを特徴とする一般式(6)のジアミノジカルボン酸およびその塩の製造方法。
Figure 2004002293
(式中、Aは一般式(5)と同じ基であり、RとRのいずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアミノ基を示し、RとR10のいずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアミノ基を示す。)
General formula (5):
Figure 2004002293
(In the formula, A represents a tetravalent aliphatic group having 2 to 20 carbon atoms, and may contain at least one selected from a halogen atom, an oxygen atom, and a sulfur atom.)
A method for producing a diaminodicarboxylic acid of the general formula (6) and a salt thereof, comprising reacting the acid dianhydride represented by the formula (1) with ammonia, followed by Hoffmann rearrangement.
Figure 2004002293
(Wherein A is the same group as in the general formula (5), one of R 7 and R 8 represents a carboxyl group, the other represents an amino group, and one of R 9 and R 10 represents (Indicating a carboxyl group and the other an amino group.)
一般式(7):
Figure 2004002293
(式中、Aは炭素数2〜20の4価の脂肪族基を示し、ハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる少なくとも一つを含有しても良く、またR11とR12は、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がカルバモイル基を示し、R13とR14は、いずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がカルバモイル基を示す。)
で表されるアミド体、または一般式(8):
Figure 2004002293
(式中、Aは一般式(7)で定義した通り。)
で表されるイミド体をホフマン転位させた後、下記一般式(9):
Figure 2004002293
(式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)
で表されるハロゲン化水素を用い、pHを5以下にして処理を行なうことを特徴とする下記一般式(10):
Figure 2004002293
(式中、Aは一般式(7)と同じ基であり、RとRのいずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアミノ基を示し、RとR10のいずれか一方がカルボキシル基を示し、もう一方がアミノ基を示す。Xは一般式(9)で定義した通り。nは0.5から2までの数を示す。)
で表されるジアミノジカルボン酸ハロゲン化水素塩を製造する方法。
General formula (7):
Figure 2004002293
(Wherein, A represents a tetravalent aliphatic group having 2 to 20 carbon atoms, and may contain at least one selected from a halogen atom, an oxygen atom and a sulfur atom, and R 11 and R 12 are either it represents a carboxyl group, the other represents a carbamoyl group, R 13 and R 14 are either represents a carboxyl group, the other represents a carbamoyl group.)
An amide form represented by the following formula or general formula (8):
Figure 2004002293
(In the formula, A is as defined in the general formula (7).)
After Huffman rearrangement of the imide compound represented by the following formula (9),
Figure 2004002293
(In the formula, X represents a chlorine atom, a bromine atom or an iodine atom.)
Wherein the treatment is carried out at a pH of 5 or less using a hydrogen halide represented by the following general formula (10):
Figure 2004002293
(Wherein A is the same group as in the general formula (7), one of R 7 and R 8 represents a carboxyl group, the other represents an amino group, and one of R 9 and R 10 represents (X represents a carboxyl group and the other represents an amino group, X is as defined in the general formula (9), and n represents a number from 0.5 to 2)
A method for producing a diaminodicarboxylic acid hydrogen halide represented by the formula:
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