JP2004000468A - Plaster, and plastering method - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,ギブスおよびギブス施術方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,ギブスは,人体や動物の肢体の骨折箇所等を保護・固定して,骨折部の好適な接合を促進するために用いられている。かかるギブスは,整形外科の医者などの熟練者によって,手作業で施術されるものであった。
【0003】
一般的にギブスを施術する方法としては,まず,骨折箇所等の患部周辺に羊皮紙やメリヤス編みの布をあてがい,次いで,綿製のギブス用包帯に例えば合成樹脂,焼き石膏などの硬化剤を染み込ませ,硬化剤が固まる前にギブス用包帯をメリヤス編みの布などの周りに螺旋状に積層して巻き付けて静置する。その後,ギブス用包帯に染み込んでいる硬化剤が硬化することにより,ギブス用包帯が硬化して,ギブス体が形成されるという手法であった。さらに,適切なギブスの強度を得るためには,巻かれたギブス用包帯が硬化した後に,さらに別のギブス用包帯の層を同様にして施術することを繰り返していた。
【0004】
近年では,ギブスの施術方法を改善するために,各種のギブス用包帯等が提案されている。例えば,ギブスの端部を改良するための手法および器具や,各種の整形外科用ギブステープ,整形外科用ギブスバンド等が提案されている(例えば,特許文献1,2,3,4参照)。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第3,826,252号公報
【特許文献2】
米国特許第4,381,769号公報
【特許文献3】
米国特許第5,725,487号公報
【特許文献4】
米国特許第5,522,241号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来のギブス,およびその施術方法は,以下のようないくつかの問題点を有していた。
【0007】
第1に,従来のギブスの施術には熟練が求められるという問題があった。特に,ギブスの端部を強固に形成する際,螺旋状に巻くギブス用包帯の間隔を決める際,骨折部位の接合に要する適切なギブス強度を得るためにギブス用包帯の巻き数を判断する際,各層間の段差を無くすために連続した層の表面を磨り減らす際などには,熟練した技術が求められていた。これらの技術の収得は,非常に困難であり,多大な時間も必要であった。
【0008】
第2に,従来のギブスは,通気性が悪いという問題があった。即ち,ギブスが固まってしまうと,ギブスに覆われている皮膚の表面と外部との間で,空気が自由に出入りできない。ギブスの通気性が悪い場合には,皮膚がかゆくなったり,皮膚病になったりすることもあった。
【0009】
第3に,ギブス用包帯を積層して巻き付けることで,ギブスと患部との接触面に凹凸ができやすいという問題があった。ギブス接触面に凹凸がある場合には,皮膚を損傷させて水疱が生じたり,ひどい場合には骨が不適切に接合したりすることもあった。
【0010】
第4に,従来のギブスは,放射線を通さないという問題があった。即ち,X線がギブスを透過できないため,ギブスを介したX線撮像が妨げられていた。よって,ギブスをしたままでは,X線撮像が不可能であるため,治療医が骨折部の治癒状態を把握することができなかった。
【0011】
第5に,従来のギブスは,水に対する適応性に欠けていた。即ち,ギブス内に水が侵入した場合に,排水性が悪いためギブス内側が乾きにくかった。このため,ギブス内側が腐敗したり異臭がしたりするだけでなく,皮膚病などになってしまう場合もあった。このため,ギブスを水と長時間接触させることができないので,ギブス着用者による患部の洗浄,入浴・シャワーに支障が生じていた。また,プール,海等での遊泳等も不可能であった。
【0012】
本発明は,従来のギブスが有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,通気性,水への適応性,X線透過性に優れるとともに,高度の熟練者によらずとも容易に施術することが可能な,新規かつ改良されたギブスおよびその施術方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,大気に触れると硬化する硬化剤が含浸されたメッシュ布から成り,被施術体よりも小径の略スリーブ形状を有するギブス用織物を備えたギブスが提供される。このギブスにおいて,ギブス用織物は,未使用時には,メッシュ布の織糸間が密を成すとともに気密状態に維持されて柔軟性を有し;施術時には,織糸間が疎を成すように拡張されて被施術体に装着され;硬化時には,織糸間が疎を成し通気孔が確保された状態でギブス体を構成することを特徴とする。
【0014】
かかる構成により,ギブス用織物は,未使用時には,硬化剤が大気と接触しないように気密状態に維持されているので,柔軟性と十分な伸縮性を有することができる。さらに。ギブス用織物は,未使用時には,織糸間が密となっているので,硬化剤を十分に含浸することができ,乾きにくい。また,このギブス用織物は,骨折部位等を含む脚部または腕部などの被施術体よりも小径であるスリーブ形状を有するので,施術時において,かかる被施術体に装着されたときには,織糸間が疎となるように伸張,拡張する。このため,メッシュ布の織糸同士が隔離して,かかる織糸間に複数の通気孔が形成される。また,このギブス用織物は,柔軟性,伸縮性を有するメッシュ布で構成されているので,施術時には,装着された被施術体の形状に応じて柔軟に変形して,被施術体に密着することができる。また,上記被施術体に装着されたギブス用織物は,含浸されている硬化剤が所定時間大気に触れることによって硬化するので,装着された被施術体の周囲で硬化する。かかる硬化時には,上記ギブス用織物は,上記織糸間が疎を成して通気孔を形成したままの状態で,被施術体に沿った形状で硬化する。このため,ギブス用織物は,被施術体を好適に保護・固定するギブス体を構成できるとともに,かかるギブス体の表面に通気孔を確保した状態を維持できる。このため,ギブス体の外部と被施術体との間の通気性が高まる。また,ギブス用織物は,従来のように幾層にも巻き付けるギブス用包帯とは異なり,被施術体全体を一度に覆うことができる略スリーブ形状を有するので,例えばストッキングまたは靴下を履くようにして装着できるため装着が容易であるとともに,接合部の凹凸がなく表面が滑らかであり,端部も型くずれしにくい。
【0015】
また,上記ギブス用織物は,施術時には,含水された状態で被施術体に装着されるように構成してもよい。かかる構成により,例えば,硬化剤が含浸したギブス用織物がより柔軟になり,硬化剤がある程度流動的になるため,ギブス用織物が被施術体に沿って好適に密着して,その後,適切に硬化することができる。
【0016】
また,上記メッシュ布は,少なくとも,含浸性を有する糸を伸縮性を有するように略メッシュ状に編成して成るように構成してもよい。かかる構成により,ギブス用織物のメッシュ布は,伸縮性かつ含浸性を有することができる,即ち,ギブス用織物は,例えばギブス用織物の長手方向及び円周方向など任意の方向に自在に伸縮できるとともに,硬化剤を十分に含浸することができる。
【0017】
また,上記メッシュ布は,さらに,収縮力を強化するべく伸縮性を有する糸が編み込まれているように構成してもよい。かかる構成により,ギブス用織物を被施術体に装着した際に,ギブス用織物が被施術体の形状に応じて好適に収縮できるので,被施術体にフィットしてゆるみやズレが生じない。このため,ギブス用織物の硬化したギブス体が,被施術体を好適に固定できるとともに,ギブスの装着感も高まる。
【0018】
また,上記含浸性を有する糸は,ポリエステル系繊維からなる糸,ナイロン系繊維からなる糸,またはポリオレフィン系繊維からなる糸の少なくともいずれかを含む,如く構成すれば,好適な含浸性や強度,耐久性を有する含浸性を有する糸を提供できる。また,上記伸縮性を有する糸は,ナイロンゴム系繊維からなる糸である,如く構成すれば,好適な伸縮性を有する伸縮性を有する糸を提供できる。
【0019】
また,上記ギブスは,さらに,ギブス用織物と被施術体との間に装着される皮膚保護帯を備えるように構成してもよい。かかる構成により,皮膚保護帯が,ギブス用織物と被施術体との間に介在して,ギブス用織物が直接的に被施術体に接触しないようにできる。このため,皮膚保護帯が緩衝材(クッション材)として機能するので,硬化したギブス体が,安定的かつ略均等に被施術体を支持,固定できるとともに,被施術体を傷つけることを防止できる。
【0020】
また,上記皮膚保護帯は,伸縮性を有する保護帯用メッシュ布から成り,略スリーブ形状を有するように構成してもよい。かかる構成により,皮膚保護帯を被施術体に容易に装着できるとともに,皮膚保護帯の通気性が向上する。
【0021】
また,上記保護帯用メッシュ布は,撥水性を有する糸を伸縮性を有するように略メッシュ状に編成して成るように構成してもよい。かかる構成により,皮膚保護帯は,優れた排水性を有することができる。このため,ギブス内の皮膚保護帯が水に濡れたとしても,容易かつ迅速に排水し,乾きやすくなる。
【0022】
また,上記保護帯用メッシュ布は,さらに,収縮力を強化するべく伸縮性を有する糸が編み込まれているように構成してもよい。かかる構成により,被施術体に装着された皮膚保護帯が,被施術体の形状に応じて好適に収縮できるので,被施術体にフィットしてゆるみやズレが生じない。このため,ギブス用織物の硬化したギブス体が,被施術体を好適に固定できるとともに,ギブスの装着感も高まる。
【0023】
また,上記皮膚保護帯は,保護帯用メッシュ布が少なくとも2層構造となっているように構成してもよい。かかる構成により,皮膚保護帯は適度な厚みを有するので,皮膚保護帯は上記緩衝材として好適に機能できるとともに,通気性および速乾性が高まる。
【0024】
また,上記皮膚保護帯は,少なくとも一側端に,略スリーブ形状の径が絞られた袖部を備えるように構成してもよい。かかる構成により,皮膚保護帯の端部の系がより小さくなり被施術体と密着する,このため,ギブス施術中または施術後に,皮膚保護帯の端部から異物が皮膚保護帯の内部に侵入することを防止できる。
【0025】
また,上記撥水性を有する糸は,ポリオレフィン系繊維からなる糸である,如く構成すれば,好適な撥水性を有する撥水性を有する糸を提供できる。また,上記ポリオレフィン系繊維からなる糸は,公定水分率が0%である,如く構成すれば,ポリオレフィン系繊維からなる糸が水分を含まず,撥水性が高まるので,皮膚保護帯の排水性が高まる。
【0026】
また,上記課題を解決するため,本発明の別の観点によれば,被施術体の周囲にギブスを施術するギブス施術方法が提供される。このギブス施術方法は,皮膚保護帯を被施術体に装着する,皮膚保護帯装着工程と;大気に触れると硬化する硬化剤が含浸されたメッシュ布から成り,被施術体よりも小径の略スリーブ形状を有し,メッシュ布の織糸間が密を成すとともに気密状態に維持されて柔軟性を有するギブス用織物を,含水させる,含水工程と;浸漬されたギブス用織物を,織糸間が疎を成すように拡張して,装着された皮膚保護帯の上から被施術体に装着する,ギブス用織物装着工程と;装着されたギブス用織物が硬化して,織糸間が疎を成し通気孔が確保された状態で被施術体の周囲にギブス体が構成される,硬化工程と;を含むことを特徴とする。
【0027】
かかる構成により,上記のようなギブス用織物を,被施術体に好適に装着することができる。即ち,未使用時には,気密状態に維持され柔軟性と十分な伸縮性を有するとともに硬化剤が十分に含浸されたスリーブ形状のメッシュ布から成るギブス用織物を,水に浸漬するなどして含水させた上で,被施術体に覆い被せるだけで,被施術体に容易かつ迅速に装着できる。また,このギブス用織物装着工程では,ギブス用織物は,自身のスリーブ形状の径より大径の被施術体に装着されると,織糸間が疎となるように伸張,拡張するので,メッシュ布の織糸間に複数の通気孔が形成されるとともに,装着された被施術体の形状に応じて柔軟に変形して,被施術体に密着することができる。また,上記被施術体に装着されたギブス用織物は,硬化工程では,上記織糸間が疎を成して通気孔を形成したままの状態で,被施術体に沿った形状で硬化するので,被施術体を好適に保護・固定するギブス体を構成できるとともに,かかるギブス体の表面に通気孔を確保した状態を維持できる。このため,ギブス体の外部と被施術体との間の通気性が高まる。また,かかる施術方法により施術されたギブスは,被施術体との接触面が表面に凹凸がなく滑らかであり,端部も硬質であり型くずれしにくい。
【0028】
また,上記装着された皮膚保護帯の長さが,装着されたギブス用織物の長さより長くなるように調整されており,上記ギブス施術方法は,さらに,装着されたギブス用織物の少なくとも一側端からはみ出している装着された皮膚保護帯を折り返して,装着されたギブス用織物の外側に被せる,端部折返し工程;を含むように構成してもよい。かかる構成により,ギブス用織物の一端又は両端部が被施術体に直接接触しないようにできる。このため,硬化したギブス用織物の端部が,被施術体を傷つけることを防止できる。また,皮膚保護帯の折返し部分が,壊れやすいギブス用織物の一端又は両端部を保護するので,ギブスの端部をより好適に維持することができる。
【0029】
また,上記ギブス用織物装着工程は,浸漬されたギブス用織物を略リング状に巻回する工程と;巻回されたギブス用織物をその巻回を解きながら被施術体の一端から他端にかけて順次装着する工程と;を含むように構成してもよい。かかる構成により,ギブス用織物10を容易かつ迅速に装着できる。
【0030】
また,上記ギブス施術方法は,さらに,装着されたギブス用織物をモールディング(整形)する工程を含むように構成してもよい。かかる構成により,装着されたギブスの表面が円滑になり,被施術体に密着するので,硬化したギブス用織物が,被施術体を好適に支持,固定できるとともに,被施術体との接触面に凹凸段差が生じない。
【0031】
また,上記皮膚保護帯は,伸縮性を有する保護帯用メッシュ布から成り,略スリーブ形状を有するように構成してもよい。さらに,上記皮膚保護帯は,保護帯用メッシュ布が少なくとも2層構造となっているように構成してもよい。
【0032】
また,皮膚保護帯装着工程は,皮膚保護帯を略リング状に巻回する工程と;巻回された皮膚保護帯をその巻回を解きながら被施術体の一端から他端にかけて順次装着する工程と;を含むように構成してもよい。
【0033】
また,上記課題を解決するため,本発明の別の観点によれば,含浸させた硬化剤が硬化することによりギブスが形成されるギブス用織物が提供される。このギブス用織物は,略スリーブ形状を有し,伸縮性かつ含浸性を有するメッシュ布で構成され,硬化剤の硬化後であってもギブスが通気性を有するよう,メッシュ布の粗さが調整されていることを特徴とする。
【0034】
また,上記メッシュ布は,含浸性を有する糸を伸縮性を有するように略メッシュ状に編成したものであるように構成してもよい。また,上記メッシュ布は,含浸性を有する糸によりメッシュ構造が形成され,さらに,収縮力を強化するべく伸縮性を有する糸が編み込まれているように構成してもよい。また,上記含浸性を有する糸は,ポリエステル系繊維とポリオレフィン系繊維の少なくともいずれか一方を含むように構成してもよい。
【0035】
また,上記課題を解決するため,本発明の別の観点によれば,被施術体の周囲にギブスを製造する,ギブス製造方法であって:略スリーブ形状を有し,伸縮性かつ含浸性を有するメッシュ布で構成され,含浸した硬化剤の硬化後であっても上記ギブスが通気性を有するよう上記メッシュ布の粗さが調整されているギブス用織物に,硬化剤を染み込ませる工程と;上記硬化剤が染み込んだギブス用織物を,上記被施術体に装着する工程と;上記硬化剤の硬化により,上記ギブス用織物が硬化する工程と;を含むことを特徴とする,ギブス製造方法が提供される。
【0036】
また,上記ギブス製造方法は,さらに,上記硬化剤が染み込んだギブス用織物を,真空包装して保存する工程を含むようにしてもよい。また,上記ギブス製造方法は,さらに,上記保存されたギブス用織物を水に浸す工程を含むようにしてもよい。また,上記ギブス製造方法は,予め上記被施術体を保護帯で覆う工程を含み;上記硬化剤が染み込んだギブス用織物を上記被施術体に装着する工程では,上記硬化剤が染み込んだギブス用織物を,上記保護帯の上に重ねて被せるようにしてもよい。また,上記硬化剤が染み込んだギブス用織物を上記被施術体に装着する工程では,さらに,上記保護帯の上に重ねて被せられたギブス用織物の少なくとも一側からはみ出している上記保護帯を折り返して,上記保護帯の上に重ねて被せられたギブス用織物の外側に被せるようにしてもよい。
【0037】
また,上記課題を解決するため,本発明の別の観点によれば,上記のギブス製造方法により製造されることを特徴とする,ギブスが提供される。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0039】
(第1の実施形態)
以下に,本発明の第1の実施形態にかかるギブスおよびその施術方法について説明する。
【0040】
まず,本実施形態にかかるギブスの構成について説明する。本実施形態にかかるギブスは,例えば,含浸させた硬化剤が硬化することにより被施術体の周囲にギブス体(支持体)を構成するギブス用織物と,このギブス用織物と被施術体との間に装着される皮膚保護帯と,を備える。
【0041】
まず,図1に基づいて,本実施形態にかかるギブス用織物の全体構造について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかるギブス用織物10を示す斜視図である。
【0042】
図1に示すように,ギブス用織物10は,略スリーブ形状(略管形状)を有しており,含浸性と伸縮性を有するメッシュ布で構成されている。このギブス用織物10の大きさや形状などは,装着される被施術体(人間や動物等の骨折箇所等の患部など)に応じて多様に設定される。より詳細には,ギブス用織物10の長さやスリーブ形状の径は,例えば,被施術体の長さ,形状,太さおよび凹凸の程度などに応じて決定される。また,ギブス用織物10の厚さは,例えば,装着される被施術体に肘,膝など関節部分が含まれているか否か,またはどの程度の強度で被施術体を支持・固定する必要があるか,などに基づいて決定される。具体例を挙げると,例えば脚部用のギブス用織物10は,長さが例えば90cm,径が例えば4インチ,厚さが例えば約6mm程度などである。
【0043】
なお,このギブス用織物10のスリーブ形状の径は,例えば,装着する被施術体(脚部,腕部,手首部等)の径よりも小さくなるように調整されていることが好ましい。これにより,ギブス用織物10は,被施術体に装着されたときに,メッシュ布が伸張してスリーブ形状が拡径するため,被施術体にフィットするだけでなく,メッシュ布の織糸間が疎となる。このため,ギブス用織物10の表面には,例えば目視可能な程度に複数の通気孔(詳細は後述する。)が現れる。
【0044】
かかるギブス用織物10は,例えば,含浸性を有する糸と伸縮性を有する糸などを編成したメッシュ布で構成されており,伸縮可能なメッシュ構造を有する。このため,ギブス用織物10は,略スリーブ形状の径方向および長手方向など任意の方向に伸縮自在であるとともに,伸張時には織糸間が疎となるため通気性に優れる。なお,このようなギブス用織物10のメッシュ構造の詳細については後述する。
【0045】
このようなギブス用織物10には,例えば,大気に触れると硬化する硬化剤が含浸されている。この硬化剤は,例えば,合成樹脂や硬化用ラテックスなどである。このような含浸させた硬化剤が硬化することにより,ギブス用織物10は,装着された被施術体の周囲で被施術体の形状に沿って硬化して,骨折部位などを支持・固定するギブス体を構成することができる。
【0046】
このギブス用織物10は,未使用時,即ち,施術前には,含浸された硬化剤が大気に触れて硬化しないように,例えば,真空包装などにより気密状態で保存されている。これにより,未使用のギブス用織物10は,硬化せずに柔軟性を保つことができる。
【0047】
次に,図2および図3に基づいて,本実施形態にかかるギブス用織物10のメッシュ構造についてより詳細に説明する。なお,図2(a)は,本実施形態にかかるギブス用織物10のメッシュ布の通常時における態様を示す部分拡大図であり,図2(b)は,本実施形態にかかるギブス用織物10のメッシュ布の伸張時における態様を示す部分拡大図である。また,図3は,本実施形態にかかる伸張したギブス用織物10のメッシュ構造をギブス用織物10の内側から示す写真図である。
【0048】
図2に示すように,ギブス用織物10は,例えば,含浸性を有する糸(以下では,含浸糸という。)12と,伸縮性を有する糸(以下では,伸縮糸という。)14を織糸とし,かかる織糸を略メッシュ状に編成したメッシュ布から構成されている。このメッシュ布は,含浸糸12と伸縮糸14とを例えば所定の編み方で規則的に編成して構成されている。より詳細には,メッシュ布は,例えば,含浸糸12が基本的なメッシュ構造を成し,この含浸糸12間を連結するように伸縮糸14が編み込まれることによって構成されている。このため,かかるメッシュ布からなるギブス用織物10は,任意の方向の伸縮性に富み,例えば,縦方向(ギブス用織物10の長手方向)に例えば1.5倍,横方向(ギブス用織物10の円周方向)に例えば2.5倍も伸張できる。例えば,横10cm×縦60cmの大きさのギブス用織物10の場合には,最大で例えば横25cm×縦90cmにまで伸張できる。
【0049】
含浸糸12は,例えば,ポリエステル系繊維およびポリオレフィン系繊維などを混紡した糸で構成される。より詳細には,かかる含浸糸12は,例えば10本のポリオレフィン系繊維からなる糸(太さが例えば150デニール)と,例えば10本のポリエステル系繊維からなる糸(太さが例えば300デニール)などを,例えば縒り合わせるなどして構成することができる。ポリエステル系繊維は,エステル結合を有する高分子物質からなる代表的な合成繊維である。また,ポリオレフィン系繊維は,例えば,ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリブテン,エチレン−プロピレン共重合,共役ジエン等のオレフィン重合体などからなる合成繊維である。また,含浸糸12は,例えば,上記ポリエステル系繊維およびポリオレフィン系繊維などからなる糸にさらにナイロン系繊維からなる糸を縒り合わせた糸,或いはナイロン系繊維のみからなる糸などで構成してもよい。
【0050】
なお,各繊維からなる糸の公定水分率は,例えば次の通りである。ポリエステル系繊維からなる糸の水分率は例えば0.4wt%であり,ナイロン系繊維からなる糸の水分率は例えば4.5wt%であり,綿糸の水分率は例えば15.7wt%であり,ポリオレフィン系繊維からなる糸の水分率は例えば0wt%である。
【0051】
このように,含浸糸12は,例えば,ポリエステル系繊維またはナイロン系繊維などの含浸性(吸水性)を有する素材を含むようにで構成されているので,硬化剤を含浸することができる。さらに,この含浸糸12は,太さが例えば2〜4mm程度であり,伸縮糸14と比して太いので,硬化剤を十分に含浸することができる。一方,かかる含浸糸12は,含浸された硬化剤の硬化後には,例えば,当該硬化剤によって防水コーティングされた状態となるので,水を吸収せず撥水性を有することとなる。
【0052】
このような構成の含浸糸12を,伸縮性を有するようにメッシュ状に編成することで,例えば図3に示すように,メッシュ布の基本構造であるメッシュ構造が形成される。この編成において,含浸糸12を例えば所定の編み方で規則正しく編成することにより,メッシュ布は例えば略均一なメッシュ構造を有することができる。かかる均等なメッシュ構造を有するメッシュ布は,略均等に伸張された時には,例えば,図3に示したような略同一の幾何学的な網目模様が繰り返し現れることとなる。
【0053】
このように,含浸糸12を用いてメッシュ構造を構成することにより,メッシュ布は,硬化剤を含浸できるとともに任意の方向に伸縮可能となる。このため,かかるメッシュ布で構成されたギブス用織物10は,被施術体に装着するときに,被施術体の形状に応じて自在に伸張および拡張することができる。また,拡張したギブス用織物10は,例えば,メッシュ布のメッシュ構造が発揮する収縮力によって,ある程度は収縮することができる。また,かかる含浸糸12等で編まれたメッシュ布は,例えば,硬化剤が織糸間の隙間にも浸透して保持されるため,硬化剤の含浸性に優れる。
【0054】
一方,伸縮糸14は,例えば,ナイロンゴム系の繊維からなる糸などで構成され,比較的細く,伸縮性に優れる。より詳細には,この伸縮糸14は,例えば1本の90番ゴム糸と,例えば2本のスパン(spun)糸などから構成される。この伸縮糸14は,図2に示すように,メッシュ布の基本メッシュ構造を成す含浸糸12同士を連結するようにして編み込まれる。かかる伸縮糸14の収縮力によってメッシュ布の含浸糸12同士の連結力が高まるので,拡張したメッシュ布が復元しようとする力がより高まる。即ち,かかる伸縮糸14をメッシュ布にさらに編み込むことで,メッシュ布の収縮力をより高めることができる。
【0055】
かかる構成により,ギブス用織物10は,装着された被施術体の形状に応じて例えば部分的にでも好適に収縮できるので,例えば膝などの屈曲部位に対しても好適に密接可能である。このため,ギブス用織物10は,装着された被施術体にフィットすることができ,ゆるみやたるみ,ズレが生じにくい。
【0056】
次に,図2に基づいて,上記構成のギブス用織物10の状態変化(未使用時,施術時,硬化時の状態)に伴う,織糸間の疎密等の変化について説明する。
【0057】
まず,未使用時(通常時)におけるギブス用織物10の織糸の態様について説明する。図2(a)は,未使用時におけるギブス用織物10の織糸の態様を示している。この未使用時とは,ギブス用織物10が施術前の未使用の状態にあるときであって,ギブス用織物10が外力によって伸張されることなく自然状態にあるときである。かかる未使用時におけるギブス用織物10の状態としては,例えば,硬化剤が未だ含浸されていない状態,硬化剤含浸後に真空包装等で保管されている状態,および,施術するために真空包装から取り出された直後の状態,などである。
【0058】
このような未使用時におけるギブス用織物10は,図2(a)に示すように,メッシュ布の織糸間が密を成している。即ち,織糸である含浸糸12および伸縮糸14の間には,例えば,隙間が全くないか,或いは隙間があったとしても非常に微細であり例えば目視できない程度などである。これは,ギブス用織物10が自身の収縮力によって収縮するため,メッシュ構造を成す含浸糸12同士の間の目孔が詰まっているからである。このため,ギブス用織物10は,例えば,未使用時には一般の布と見た目はさほど変わらない。
【0059】
このように,未使用時において,ギブス用織物10の織糸間が密を成すことにより,例えば,含浸糸12同士が密接するので,ギブス用織物10は十分な量の硬化剤を含浸することができる。さらに,含浸された硬化剤がたれたり,発散により乾燥したりしにくいため,ギブス用織物10は,かかる硬化剤を長期間にわたり安定的に保持することができる。
【0060】
また,硬化剤が含浸されたギブス用織物10は,例えば真空包装などにより気密状態を維持して保存されるので,ギブス用織物10が大気と接触することを防止できる。このため,保存中は硬化剤が硬化しないため,ギブス用織物10は柔軟性を保つことができる。従って,施術するために真空包装等から取り出された直後のギブス用織物10は,多様な形状の被施術体に対応して柔軟に変形することができる。
【0061】
次に,施術時(伸張時)におけるギブス用織物10の織糸の態様について説明する。図2(b)は,施術時におけるギブス用織物10の織糸の態様を示している。この施術時とは,ギブス用織物10を被施術体に装着するときであって,ギブス用織物10が伸張した状態にあるときである。かかる施術時におけるギブス用織物10の状態としては,例えば,被施術体に施術するために施術者によって拡張された状態,自身のスリーブ形状より大径の被施術体に装着されることにより,拡径されて伸張が維持されている状態,などである。
【0062】
このような施術時におけるギブス用織物10は,図2(b)に示すように,拡張されてメッシュ布の織糸間が疎を成している。即ち,メッシュ布が伸張することにより,織糸である含浸糸12および伸縮糸14同士の間隔が離れて,織糸間には複数の通気孔16が形成されている。かかる通気孔16は,織糸間の隙間であるため,例えば,相互に隣接する含浸糸12の形状,太さ,延長方向に応じて,例えば複数種類の形状,大きさを有する。かかる通気孔16の大きさは,ギブス用織物10のタイプ,メッシュ構造の編み方やその粗さ,メッシュ布の伸張の程度等に応じて異なるが,例えば,メッシュ布を1.5倍に伸張した場合には,通気孔16の径が例えば約1〜4mm程度である。このように,ギブス用織物10は,例えば,施術時には,伸張した部分に例えば目視可能な程度の大きさの通気孔16が複数形成され,粗いメッシュ状の布であることが見た目にも分かる。
【0063】
このように,施術時においては,ギブス用織物10は,織糸間が疎を成すことにより,十分に伸張することができる。即ち,ギブス用織物10は,未使用時には上記のように収縮しているが,施術時には,メッシュ構造の機能を発揮して,各織糸同士がその間に隙間ができる程度にまで隔離するため,ギブス用織物10全体としては十分に拡張することができる。このため,例えば,未使用状態では被施術体より小径のギブス用織物10であっても,そのスリーブ形状の径を十分に拡径させた上でその内側に被施術体を挿通させることで,被施術体に対して容易に装着することができる。
【0064】
さらに,被施術体に装着されたギブス用織物10は,上記のように,被施術体の形状に応じて収縮して,被施術体に密着する。例えば,脚部に装着されたギブス用織物10は,大腿部やふくらはぎ等の部分では大きく拡張するのに対し,足首の部分などではあまり拡張しない。また,当該ギブス用織物10は,例えば,かかとや膝等の凹凸がある部分では,部分的に拡張することもできる。このように,図1のような全体として略同一のスリーブ径を有するギブス用織物10であっても,部分的に拡張自在であるため,被施術体の太さの差や部分的な凹凸に対応することができる。さらに,かかるギブス用織物10は,装着される被施術体の太さに個人差がある場合にも対応できる。
【0065】
次に,硬化時におけるギブス用織物10の織糸の態様について説明する。硬化時におけるギブス用織物10の織糸の態様は,例えば,図2(b)に示した態様と略同一であるので図示は省略する。この硬化時とは,被施術体に装着されたギブス用織物10が硬化してギブス体を構成した状態にあるときである。
【0066】
このような硬化時におけるギブス用織物10は,図2(b)に示した場合と同様に,メッシュ布の織糸間が疎を成している。よって,ギブス用織物10の織糸間には,例えば,上記のような複数の通気孔16が施術時に形成された状態と略同一な状態のままで残存している。さらに,この硬化時のギブス用織物10は,含浸していた硬化剤が硬化することによって,既に柔軟性および伸縮性はなく,含浸糸12及び伸縮糸14も硬化して固定的である。従って,かかるギブス用織物10では,上記施術時に形成された通気孔16は,塞がったり或いは拡張したりすることがなく,安定的に維持されている。即ち,通気孔16が確保された状態で,ギブス用織物10全体が硬化してギブス体を構成している。なお,このようにして硬化剤の硬化後でも通気孔16が残存でき,かつ,ギブス体の強度も維持できるように,例えば,ギブス用織物10を構成するメッシュ布の織り方,そのタイトさ(メッシュ構造の粗さ),含浸糸12の太さ及び素材,スリーブ形状の径,ギブス用織物10の厚さ,並びに硬化剤の材質などが,予め調整されている。
【0067】
かかる通気孔16は,ギブス体の形成後であっても被施術体(例えば皮膚)と外気との間で空気の流出入を可能にし,ギブスの通気性を高める機能を有する。従来のギブスでは,被施術体の上には保護帯やギブス用包帯などが幾重にも巻かれているので,通気性が非常に悪かった。しかし,本実施形態にかかるギブス用織物10を用いたギブスでは,上記のように,適度な大きさを有する複数の通気孔16を確保できるので,通気性に富み,外部の新鮮な空気をギブス内に流入させることができる。
【0068】
以上,ギブス用織物10の状態変化に伴う,メッシュ布の織糸間の状態変化について説明した。上記のように,未使用時にはメッシュ布の織糸間が密となり,一方施術時には当該織糸間が疎となるようにギブス用織物10を構成することにより,ギブス用織物10への硬化剤の含浸量を十分に確保しつつ,施術に要するギブス用織物10の伸張量をも十分に確保することができる。さらに,硬化時においては,当該織糸間が疎となるように維持して,ギブス体の強度を損なうことないような適度な大きさの通気孔16を複数確保することができる。このため,本実施形態にかかるギブス用織物10を用いて形成されたギブスは,施術が非常に簡便かつ容易であるだけでなく,被施術体の支持・固定性能と通気性能の双方にも優れる。
【0069】
次に,図4に基づいて,本実施形態にかかる皮膚保護帯について説明する。なお,図4は,本実施形態にかかる皮膚保護帯20を示す正面図である。
【0070】
図4に示すように,皮膚保護帯20は,全体として例えば略スリーブ形状を有する例えばギブス用皮膚保護サポータであり,例えば,伸縮性および排水性などに優れた保護帯用メッシュ布で構成されている。この皮膚保護帯20は,例えば,被施術体と上記ギブス用織物10との間に介在し,被施術体を直接覆うようにして装着される。かかる皮膚保護帯20は,ギブス用織物10と被施術体との間に装着され,硬化したギブス用織物10(即ち,ギブス体)を被施術体の周囲に安定して固定するためのクッション材として機能するとともに,硬質なギブス体が被施術体(皮膚など)を傷つけたり,患者に違和感を与えたりすることを防止する機能を有する。また,皮膚保護帯20は,ギブス体を切除するときに,切断機が皮膚等に直接接触して傷つけてしまうことを防止することによって,被施術体を保護する機能も有する。
【0071】
かかる皮膚保護帯20を構成する保護帯用メッシュ布は,例えば,撥水性を有する糸を略メッシュ状に編成して構成される。これにより,皮膚保護帯20は,適当な伸縮性,弾力性,通気性および排水性などを有することができる。
【0072】
かかる撥水性を有する糸は,例えば,ポリオレフィン系繊維(例えばオレフィン重合体,オレフィン系樹脂などを含む。)などからなる糸(以下では,オレフィン糸という。)で構成される。このオレフィン系繊維の素材としては,例えば,ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリ(1−ブテン),ポリ(4−メチル−ペンテン),エチレン−プロピレン共重合,エチレン−1−ブテン共重合,エチレン−1−ヘキセン共重合を含む合成有機重合体および共重合,単一重合体,共役ジエン単量体の共重合,例えば2以上の共役ジエンの共重合,または共役ジエンと他のビニール単量体との共重合などである。なお,上記共役ジエンは炭素数が例えば4または8であることが好ましく,例えばブタジエン,イソプレンなどがある。このような各種のポリオレフィン系繊維から構成可能なオレフィン糸は,例えば,ポリプロピレン系繊維などからなる糸で構成されることが好ましい。
【0073】
このようなオレフィン糸は,例えば使い捨て用オムツなどに多用されている素材であり,例えば,撥水性,通気性,耐水性,排水性,耐久性,触感,耐熱性,強度,耐摩耗性,及び/又は伸縮性などが優れ,人体にとって無害であるという特性を有する。このオレフィン糸は,上記のように,その水分率が例えば0wt%であり,糸自体は例えば水を吸収しない。このため,オレフィン糸は,例えば,内部に浸透してきた水分を保持できずに迅速に発散するので,排水性,速乾性に優れる。
【0074】
従来の綿糸またはナイロン糸等を用いた保護帯は,吸水性が高いので,外気の熱がなければ乾燥せず,また,濡れた後は通気性が悪く悪臭を発するものであった。しかし,本実施形態にかかる皮膚保護帯20は,上記オレフィン糸などの撥水性を有する糸などを編成した保護帯用メッシュ布から成るので,例えば,撥水性,排水性,速乾性に優れる。さらに,この皮膚保護帯20は,保護帯用メッシュ布がメッシュ構造を有するため,織糸間に複数の通気孔が形成されるので,通気性も高い。このため,皮膚保護帯20は,水が染み込んだとしても容易かつ迅速に排水でき,乾燥しやすい。従って,皮膚保護帯20は,ギブス施術後にギブス体の内側に配された状態で,ギブス着用者によるシャワーまたは入浴等によって水に濡れた場合であっても,水への対応性に優れる。即ち,皮膚保護帯20は,例えば,自身の有する撥水性,排水性および速乾性と,上記硬化後のギブス用織物10に確保されている複数の通気孔16を介した通気性との相乗効果により,染み込んだ水分を早期に外部に排出することが可能である。さらに,皮膚保護帯20は,例えば,内部に残存したの水分も被施術体の体温等によって自然乾燥させることができる。
【0075】
また,かかる皮膚保護帯20の保護帯用メッシュ布には,さらに,例えば,織糸として伸縮性を有する糸(以下では,保護帯用伸縮糸という。)が編み込まれている。この保護帯用伸縮糸は,例えば上記撥水性を有する糸に対して,例えば1:15程度の割合で編み込まれる。かかる伸縮糸などを編み込むことにより,保護帯用メッシュ布の伸縮性がより優れたものとなり,皮膚保護帯20の収縮力をより強化できる。また,例えば,上記撥水性を有する糸に上記保護帯用伸縮糸を例えば15:1程度の割合で混紡することにより,上記撥水性を有する糸自体が伸縮性を有するように構成してもよい。
【0076】
このような保護帯用メッシュ布で構成された皮膚保護帯20は,例えば任意の方向に十分な伸縮性を有する。このため,皮膚保護帯20を拡張させて,スリーブ形状の内部に被施術体を挿入するだけで,皮膚保護帯20を被施術体に容易かつ迅速に装着できる。
【0077】
さらに,かかる皮膚保護帯20のスリーブ形状の径が,例えば,被施術体の太さより小径となるように調整されているため,皮膚保護帯20は,拡張されて被施術体の周囲に装着された後は,自身の収縮力によって被施術体にフィットする。このため,被施術体に装着された皮膚保護帯20は,ゆるみやずれが生じない。具体的には,例えば,肘,膝または足首等の関節部分などにおいても,保護帯用メッシュ布同士が重ならないよう,被施術体に沿って好適に伸縮して密接できる。これにより,例えば,患者の着用感と動き易さを向上できるとともに,施術されたギブスが他の部位に移動する(ずれる)ことを防止できる。
【0078】
また,かかる皮膚保護帯20の長さは,例えば,ギブス用織物10を皮膚保護帯20の上から被せた時に,皮膚保護帯20の例えば両端がギブス用織物10の両端から例えば5cm位ずつはみ出る程度の長さに調節されている。このため,ギブス施術時に,例えば,ギブス用織物10の両端からはみ出した皮膚保護帯20を折り返して,ギブス用織物10の外側に被せることができる。これにより,硬化したギブス用織物10(即ち,ギブス体)の端部が被施術体に直接接触しないようにできるので,皮膚が傷ついたり違和感が生じたりすることを防止できる。また,比較的壊れやすいギブス体の端部を保護することもできる。
【0079】
また,皮膚保護帯20は,適度な厚さを得るべく,例えば,上記保護帯用メッシュ布を例えば2重に積層して2層構造とするなどしてもよい。この2層構造を有する保護帯用メッシュ布の厚さは,例えば約0.6〜0.8cm程度が好適である。かかる2層構造により,皮膚保護帯20は,例えば,クッション材としての好適な厚さを得ることができるので,硬いギブスの例えば一部が皮膚表面に部分的に当たったり圧迫したりすることを緩和して,フィット感を高めることができる。さらに,ギブスを除去するためギブス体を切断機で切断するときに,切断機が被施術体に直接接触することをより確実に防止して,皮膚を保護することができるので,より安全である。加えて,皮膚保護帯20を介した通気性,排水性もより向上する。なお,保護帯用メッシュ布は,上記2層構造の例に限定されず,例えば,単層構造,または3層以上の多層構造などであってもよい。
【0080】
さらに,かかる皮膚保護帯20の例えば一側端部には,図4に示すように,略スリーブ形状の径が絞り込まれた袖部22が一体形成されている。この袖部22は,皮膚保護帯20の本体部分と比して略スリーブ形状の径が小さくなるように,例えばオレフィン糸の編み方を変えて(ゴム編みなど),例えば円周方向に沿って例えば略ひだ状の部分を複数形成したものである。かかる袖部22は,皮膚保護帯20を被施術体(患部)に装着するときに,例えば手首,手先,足首または爪先などの比較的直径の小さい部位に合わせて装着され,例えばギブス施術時および施術後に,皮膚保護帯20の端部からその内部に異物が侵入することを防止できる。なお,この袖部22は,例えば,皮膚保護帯20の両側端に設けられてもよい。また,この袖部22は,例えば,必ずしも設けられなくともよい。
【0081】
さらに,この袖部22の例えば内周側に,例えば,ギブスの製品名,製造会社名,型番等の識別情報,または各種模様若しくは図形などを表示するための表示手段を設けてもよい。この表示手段は,例えば,布製のロゴやマークを接着する,或いは皮膚保護帯20に刺繍するなどして設けられる。かかる構成により,皮膚保護帯20の端部を上記のように折り返したときに,例えば,ギブスの表面側にかかる表示手段が現れるので,ギブス利用者等に対して上記識別情報等をアピールできる。
【0082】
以上のように,本実施形態にかかる皮膚保護帯20は,例えば,装着が容易であるだけでなく,通気性,排水性に優れるため水への適応性に優れる。このため,この皮膚保護帯20は,長期間の装着に伴う悪臭の発生を抑制でき,着用感,固定性にも優れるので,ギブスの快適さと利便性を向上することができる。
【0083】
次に,図5〜図7に基づいて,上記のようなギブス用織物10および皮膚保護帯20を用いた本実施形態にかかるギブス施術方法について説明する。なお,図5は,本実施形態にかかるギブス施術方法を示すフローチャートである。また,図6および図7は,本実施形態にかかるギブス施術方法の各工程におけるギブス用織物10および皮膚保護帯20等の状態を説明するための説明図である。なお,以下では,被施術体として,例えば,人体の脚部にギブスを施術する例を挙げながら説明するが,かかる例に限定されるものではない。
【0084】
図5に示すように,まず,ステップS10では,被施術体に皮膚保護帯20が装着される(ステップS10:皮膚保護帯装着工程)。被施術体である脚部に応じた適切な直径,長さ及び厚さの皮膚保護帯20が,図6(a)に示すように,ギブスの施術を要する被施術体に被せられる。このとき,例えば,略リング状に巻回した状態の皮膚皮膚保護帯を,その巻回を解きながら被施術体の一端から他端にかけて(例えば,脚部爪先から大腿部にかけて)順次装着する(即ち,例えばストッキングを履かせるようにして被施術体に被せる)と,皮膚保護帯20の装着が容易になる。また,装着された皮膚保護帯20の長さが,例えば,ギブス用織物10を装着すべき部分の長さよりも若干長くなるように調整しておくことが好ましい。即ち,例えば,ギブス体を施術する予定の部分よりも若干広い範囲にわたり,皮膚保護帯20を被せておくことが好ましい。これにより,後述するステップS50の端部折返し工程で,皮膚保護帯20の端部を折り返すことが可能となる。
【0085】
次いで,ステップS20では,ギブス用織物10が水に浸漬される(ステップS20:含水工程)。本工程では,まず,例えば,保存されていたギブス用織物10が,真空包装等から取り出される。この保存されていたギブス用織物10は,例えば,合成樹脂や硬化用ラテックスなどの硬化剤が十分に含浸された後に,硬化剤が大気に触れて硬化しないように,真空包装等により気密状態を維持して保管されていたものである。この気密状態は,例えば80℃の温度と例えば5%以下の湿度となるように密閉された状態などである。このように気密状態を維持して保管されていることにより,含浸した硬化剤が硬化しないため,ギブス用織物10は,柔軟性を維持することができる。また,未使用時のギブス用織物10は,自然状態にあり拡張していないので,織糸間が密をなしている。
【0086】
次いで,このように真空包装等から取り出されたギブス用織物10は,例えば20℃の水に例えば3〜4秒間浸漬される。これによって,ギブス用織物10は含水される。その後,含水されたギブス用織物10は,例えば,軽く水気が絞られる。
【0087】
さらに,ステップS30では,ギブス用織物10が略リング状に巻回される(ステップS30)。上記含水されたギブス用織物10は,図6(b)に示すように,例えば略リング状(略環状)に巻回される。これにより,略スリーブ形状を有するギブス用織物10は,例えば,中心部に被施術体を挿通するための貫通孔が確保されたような略ドーナツ型形状に丸められる。なお,本ステップS30は省略することも可能である。この場合には,以下の工程で,例えば,ギブス用織物10をスリーブ形状のままで,被施術体に装着することとなる。
【0088】
その後,ステップS40では,皮膚保護帯20の上に重ねてギブス用織物10が被施術体に装着される(ステップS40:ギブス用織物装着工程)。ギブス用織物10に染み込んだ硬化剤が固まり始める前に,上記皮膚保護帯20に覆われた被施術体に当該ギブス用織物10が装着される。
【0089】
具体的には,まず,上記巻回されたギブス用織物10が,例えば,被施術体の一端(例えば足先部分)に装着される。次いで,図7(a)に示すように,例えば,ギブス用織物10の巻回を徐々に解きながら転がすようにして,ギブス用織物10が,被施術体の一端(例えば足先部分)から他端(例えば大腿部分)にかけて徐々に装着されていく。即ち,ギブス用織物10が,例えば,被施術体である例えば脚部にストッキングを履かせるようにして,皮膚保護帯20の上から順次被せられる。この装着時には,ギブス用織物10は,織糸間が疎を成すように拡張して,被施術体の形状,大きさに応じて自由に伸張することができる。その後,例えば,全ての巻回が解かれるに至ると,図7(b)に示すように,ギブス用織物10の装着が完了する。
【0090】
このとき,ギブス用織物10は,被施術体の形状に沿うように柔軟に伸張して被施術体に密着している。例えば,装着されたギブス用織物10は,例えば,比較的細い足首部分ではあまり拡張しないが,比較的太いふくらはぎ部分および大腿部分では十分に拡張している。また,ギブス用織物10は,適度に拡張しているので,その表面には適度の大きさの通気孔16が複数形成されている。また,ギブス用織物10は皮膚保護帯20より長さが短くなるように調整されているので,図7(b)に示すように,ギブス用織物10の両端から皮膚保護帯20の両端部20a,20bがそれぞれ例えば5cm程度ずつはみ出した状態となる。
【0091】
次いで,ステップS50では,皮膚保護帯20の両端部20a,20bが折り返される(ステップS50:端部折返し工程)。図7(c)に示すように,例えば,上記ギブス用織物10の両端(例えば足先部分と大腿部部分)からはみ出した皮膚保護帯20の両端部20a,20bが,折り返されて,ギブス用織物10の端部外周に被せられる。これにより,ギブス用織物10の端部が,皮膚保護帯20によって覆われた状態となり,ギブス用織物10が,被施術体に直接接触することがなくなる。
【0092】
さらに,ステップS60では,ギブス用織物10の表面が整形される(ステップS60)。例えば,ギブス用織物10の表面全体を手で軽くなでつけるようにしてモールディング(整形)する。これにより,例えば,ギブス用織物10の表面が円滑になり,ギブス用織物10がより被施術体に密着して偏りやムラが無くなる。よって,硬化したギブス体の皮膚保護帯20との接触面に凹凸を生じないようにできる。
【0093】
その後,ステップS70では,硬化剤が硬化してギプスが完成する(ステップS70)。上記のようにして被施術体に装着されたギブス用織物10を,例えば図7(c)に示した状態のまま,例えば5分間程度放置すると,硬化剤が大気に触れて硬化する。これにより,ギブス用織物10が硬化して硬質なギブス体を構成し,ギブスが完成する。このとき,自身より大径である被施術体に応じて拡張したギブス用織物10は,織物間が疎を成した状態のまま硬化するので,ギブス用織物10の表面には複数の通気孔16が確保されている。
【0094】
このように,本実施形態にかかるギブス施術方法は,施術が非常に迅速かつ容易である。即ち,例えば,セータを着たり,靴下を履いたりするのと同様に,簡単にギブス用織物10を希望部位に装着できる。このため,ギブス用織物10を用いたギブスの施術に際して専門的知識や熟練した技術を必要とせず,例えば,看護士,獣医の補助員,軍隊の衛生兵,あるいはこれらと同等の技術水準を有する者などであれば,特別な訓練をすることなく好適に施術できる。また,施術時に,患者に無理な姿勢をさせることもなく,短時間で装着できるので,患者のへ負担も少ない。
【0095】
また,かかるギブス施術方法により施術されたギブスは,被施術体の形状に沿った形状で硬化しており,被施術体を部分的に過度に圧迫したり,逆に,緩かったりすることなく,好適に被施術体を保護・固定できる。
【0096】
また,本実施形態にかかるギブス用織物10を用いたギブスは,伸張時に織糸間を過度に疎にしないことや,含浸糸12の太さを調整することなどにより,骨折部位等を保護・固定するために十分な強度を有している。例えば,当該ギブスを圧縮して50%たわませるには,例えば約1108N程度の加重が必要である。
【0097】
さらに,本実施形態にかかるギブス用織物10を用いたギブスは,例えば1層のメッシュ布だけからなるので,保存,修繕及び使用が容易である。また,ギブス用織物10を用いたギブスの表面は,滑らかであり,従来の巻きギブスのように各層間の段差を無くすべく各層の表面を擦って磨り減らすという必要がない。
【0098】
また,硬化剤の硬化後にもメッシュ構造における織糸間の通気孔16が残存しているので,当該ギブスは通気性に優れる。加えて,当該ギブスは,ギブスの端の着け心地がよく,表面が非常に滑らかである。このため,ギブス内側の被施術体が,皮膚病,水脹れや不適切な骨の接合を引き起こすこともない。
【0099】
また,かかるギブスは,放射線を通すことができる。より詳細には,従来のギブスは,X線の透過率が悪い石膏またはファイバーグラス製品を使用しているのでX線の透過性が悪かった。しかし,本実施形態にかかるギブスは,例えば,含浸する硬化剤によってX線透過率が若干低下するものの,ギブス用織物10がX線の透過に障害のないポリエステル系繊維,ポリオレフィン系繊維およびナイロンゴム系繊維などの素材からなるので,X線の透過性は非常に高い。このため,本実施形態にかかるギブスは,従来のギブスと比べて例えば約50%程度もX線透過率が高い。また,当該ギブスがメッシュ構造を有しているため,比較的薄くかつ多くの通気孔16も有することも,X線の透過性を高める要因となっている。
【0100】
このため,ギブスを除去することなく装着したままの状態で,ギブスをした患部を好適にX線撮影できる。このため,医者などが,骨折部位などの治癒状態,及びギブスによって隠れた部位におけるその他の様子を,容易に把握できる。
【0101】
また,本実施形態にかかるギブスにおいて,例えば,皮膚保護帯20が撥水性,排水性および速乾性に優れるとともに,硬化したギブス用織物10が通気孔16を確保しているので,施術されたギブスは水への適応性が高い。よって,当該ギブスは,水と長時間接触しても悪影響がほとんど無いため,ギブス着用者の入浴やシャワー,プール等での遊泳などが可能となる。より詳細には,従来のギブスは,皮膚保護帯として吸水性の高い綿糸などを用いているため,耐水性に劣り,一度濡れると外気の熱がなければ容易に乾燥しない。これに対し,本実施形態にかかるギブスは,例えば,皮膚保護帯20の材質が撥水性および排水性に優れたポリオレフィン系繊維などであるとともに,メッシュ構造で通水性に優れるため,水を早期に排出して乾燥しやすい。即ち,シャワーまたは入浴時などにギブス内に浸水したとしても,皮膚保護帯20は水分の大部分を早期に排出でき,残りの水分は体温によって自然乾燥される。さらに,当該ギブス用織物10のメッシュ構造により,ギブスの表面全体に通気孔16が形成されており,この通気孔16を介して皮膚保護帯20に含まれた水分が放出されるので,皮膚保護帯20が自然乾燥されやすい。よって,
【0102】
また,皮膚保護帯20は,人体の皮膚などに対して無害な素材で構成されているので,ギブスを装着してもかゆくなったり皮膚病を引き起こしたりすることがない。
【0103】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0104】
例えば,上記実施形態では,図6および図7に示したように,被施術体として人体の脚部を固定するギブスの例を挙げたが,本発明にかかるギブスは,かかる例に限定されない。例えば,ギブス用織物10および皮膚保護帯20の長さ,径,形状などを被施術体の施術部位に応じたものとすることで,多様な被施術体に対応できる。例えば,図8(a)に示すような短い腕部用,図8(b)に示すような長い腕部用,図8(c)に示すような手首用,図8(d)に示すような短い脚部用,図8(e)に示すような長い脚部用などの,各種ギブスを提供できる。また,当該ギブスは,例えば,家畜などの動物などにも,幅広く利用することができる。
【0105】
また,上記実施形態では,ギブス用織物10を編成するための含浸糸12は,例えば,ポリオレフィン系繊維,ポリエステル系繊維およびナイロン系繊維などを混紡した糸,或いはこれらの繊維をからなる糸を縒り合わせた糸で構成されていたが,本発明は,かかる構成例に限定されない。例えば,含浸糸12は,ポリオレフィン系繊維のみからなる糸,ポリオレフィン系繊維のみからなる糸,またはナイロン系繊維のみからなる糸など,単一の素材だけから成る糸で構成してもよい。また,含浸糸12は,上記以外の繊維からなる糸を単体で使用,または上記繊維にさらに混紡するなどして構成してもよい。また,メッシュ布は,このような2種類以上の含浸糸12を,任意の組合せで編み合わせて構成されてもよい。
【0106】
また,上記実施形態にかかるギブス施術方法では,例えば,硬化剤を染み込ませたギブス用織物10を真空保存した上で,使用前に水に浸漬した上で使用したが,本発明は,かかる例に限定されない。例えば,ギブス用織物10を保存する工程または水に浸漬する工程は,必ずしも含まなくともよい。また,保存前にギブス用織物10に硬化剤を染み込ませるのではなく,例えば,使用直前にギブス用織物10を硬化剤に浸して硬化剤を染み込ませてもよい。
【0107】
また,上記実施形態にかかるギブス施術方法では,例えばギブス用織物10の両端からはみ出した皮膚保護帯20双方を折り返す端部折返し工程を含んだが,本発明は,かかる例に限定されない。例えば,端部折返し工程では,一側の皮膚保護帯20のみを折返し,他側の皮膚保護帯20を折り返さないようにしてもよい。この時,例えば,皮膚保護帯20の袖部22を備える側を折り返さないようにすれば,収縮力に富む袖部22が被施術体を好適に覆うので,かかる端部から異物が皮膚保護帯20内に侵入することを好適に防止できる。また,ギブス施術方法において,例えば,折返し工程を含まない,即ち,皮膚保護帯20の両端の双方を折り返さないようにしてもよい。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明にかかるギブスは,熟練者に頼らなくても迅速かつ容易に施術できる。また,かかるギブスは,被施術体に好適にフィットすることができ,通気性,水への適応性,およびX線透過性にも優れる。このため,患者の着用感が向上するだけでなく,ギブス着用に伴う弊害を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は,第1の実施形態にかかるギブス用織物を示す斜視図である。
【図2】
図2(a)は,第1の実施形態にかかるギブス用織物のメッシュ布の通常時に
おける態様を示す部分拡大図である。
図2(b)は,第1の実施形態にかかるギブス用織物のメッシュ布の伸張時に
おける態様を示す部分拡大図である。
【図3】
図3は,第1の実施形態にかかる伸張したギブス用織物のメッシュ構造をギブ
ス用織物の内側から示す写真図である。
【図4】
図4は,第1の実施形態にかかる皮膚保護帯を示す正面図である。
【図5】
図5は,第1の実施形態にかかるギブス施術方法を示すフローチャートである
。
【図6】
図6は,第1の実施形態にかかるギブス施術方法の各工程におけるギブス用織
物および皮膚保護帯等の態様を説明するための説明図である。
【図7】
図7は,第1の実施形態にかかるギブス施術方法の各工程におけるギブス用織
物および皮膚保護帯等の態様を説明するための説明図である。
【図8】
図8は,被施術体に応じたギブス形状の各種変更例を示す写真図である。
【符号の説明】
10:ギブス用織物
12:含浸糸
14:伸縮糸
16:通気孔
20:皮膚保護帯
20a,20b:端部
22:袖部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a cast and a method for performing a cast.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, casts have been used to protect and fix fractures and the like in humans and limbs of animals, and to promote proper joining of fractures. Such a cast was performed manually by a skilled person such as an orthopedic doctor.
[0003]
In general, the method of giving a cast is to first apply parchment or a knitted cloth around the affected area such as a fracture, and then impregnate a cotton casting bandage with a hardening agent such as synthetic resin or plaster of Paris. Then, before the hardener hardens, a bandage for casting is spirally laminated around a knitted cloth or the like, wound and allowed to stand. Thereafter, the curing agent soaked into the casting bandage was cured, so that the casting bandage was cured to form a casting body. Furthermore, in order to obtain appropriate strength of the cast, it was necessary to repeatedly apply another cast layer after the hardened cast bandage.
[0004]
In recent years, various casts for casting have been proposed in order to improve the casting method. For example, techniques and instruments for improving the end of the cast, various orthopedic cast tapes, and orthopedic cast bands have been proposed (for example, see Patent Documents 1, 2, 3, and 4).
[0005]
[Patent Document 1]
U.S. Pat. No. 3,826,252
[Patent Document 2]
U.S. Pat. No. 4,381,769
[Patent Document 3]
U.S. Pat. No. 5,725,487
[Patent Document 4]
US Patent No. 5,522,241
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above-mentioned conventional cast and its treatment method have several problems as follows.
[0007]
First, there was a problem that skill was required for the conventional cast operation. In particular, when firmly forming the end of the cast, when determining the interval between spirally wound casts, and when determining the number of casts in order to obtain the appropriate cast strength required for joining fracture sites. Skilled techniques have been required when the surface of a continuous layer is polished to reduce the level difference between the layers. Acquisition of these techniques has been extremely difficult and time consuming.
[0008]
Second, the conventional casts have a problem of poor air permeability. That is, when the cast is hardened, air cannot freely enter and exit between the surface of the skin covered with the cast and the outside. Poor casts of the casts may cause itching or skin disease.
[0009]
Third, by laminating and winding the bandage for casts, there is a problem that the contact surface between the cast and the affected part is likely to have irregularities. Irregularities in the casting surface could damage the skin and cause blisters, and in severe cases, improper bone bonding.
[0010]
Fourth, conventional casts have a problem in that they do not pass radiation. That is, since X-rays cannot pass through the cast, X-ray imaging via the cast is hindered. Therefore, it is impossible to perform X-ray imaging with the cast, and thus the treating physician cannot grasp the healing state of the fractured part.
[0011]
Fifth, conventional casts lacked adaptability to water. That is, when water entered the cast, the inside of the cast was difficult to dry due to poor drainage. For this reason, the inside of the cast may not only rot or smell, but also may cause skin disease. Because of this, the cast cannot be brought into contact with water for a long period of time, so that the wearer of the cast has trouble in cleaning, bathing, and showering the affected part. In addition, swimming in pools, the sea, etc. was not possible.
[0012]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the above-mentioned problems of the conventional casts, and an object of the present invention is to provide excellent ventilation, adaptability to water, and X-ray permeability, as well as to a highly skilled person. An object of the present invention is to provide a new and improved cast and a method of performing the same, which can be performed easily at least.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
According to a first aspect of the present invention, there is provided a cast fabric comprising a mesh cloth impregnated with a curing agent which cures when exposed to the atmosphere, and having a substantially sleeve shape with a smaller diameter than a body to be treated. Is provided. In this cast, the cast fabric is flexible when it is not in use, since the mesh yarns are tight and the airtight state is maintained. It is characterized in that, when it is hardened, the casts are formed in a state where the yarns are loose and the ventilation holes are secured.
[0014]
With such a configuration, the cast fabric is maintained in an airtight state so that the hardener does not come into contact with the atmosphere when not in use, so that it can have flexibility and sufficient elasticity. further. When not used, the woven fabric for casts can be sufficiently impregnated with the curing agent because the yarns are dense, and it is difficult to dry. In addition, since the fabric for casting has a sleeve shape having a smaller diameter than a body to be treated such as a leg or an arm including a fractured part, the yarn is attached to the body during treatment. Expand and expand so that the interval is sparse. Therefore, the yarns of the mesh cloth are separated from each other, and a plurality of air holes are formed between the yarns. In addition, since the cast fabric is made of a flexible and stretchable mesh cloth, the fabric is deformed flexibly according to the shape of the object to be treated during treatment, and adheres to the object to be treated. be able to. Further, the woven fabric for casting mounted on the object to be treated is cured by the impregnated curing agent being exposed to the atmosphere for a predetermined time, so that it is cured around the object to be treated. At the time of curing, the cast fabric hardens in a shape along the body to be treated, with the interwoven yarns being sparse and air holes formed. For this reason, the cast fabric can form a cast that suitably protects and fixes the body to be treated, and can maintain a state in which a vent is secured on the surface of the cast. For this reason, the air permeability between the outside of the cast and the body to be treated is enhanced. Also, unlike the conventional cast for bandages, which is wound in multiple layers, the cast fabric has a substantially sleeve shape that can cover the whole body to be treated at once, so that, for example, wearing a stocking or socks Since it can be installed, it is easy to install, and the surface of the joint is smooth without irregularities, and the end is not easily deformed.
[0015]
In addition, the above-mentioned cast fabric may be configured to be attached to a body to be treated in a hydrated state during treatment. With such a configuration, for example, the casting fabric impregnated with the curing agent becomes more flexible, and the curing agent becomes fluid to some extent, so that the casting fabric adheres appropriately along the body to be treated, and thereafter, appropriately. Can be cured.
[0016]
Further, the mesh cloth may be constituted by knitting at least yarns having impregnation into a substantially mesh shape so as to have elasticity. With such a configuration, the mesh fabric of the casting fabric can have elasticity and impregnation, that is, the casting fabric can freely expand and contract in any direction, for example, in the longitudinal direction and the circumferential direction of the casting fabric. At the same time, the curing agent can be sufficiently impregnated.
[0017]
Further, the mesh cloth may be configured such that elastic yarn is further woven to enhance the contraction force. With this configuration, when the cast fabric is attached to the treatment target, the cast fabric can be appropriately contracted in accordance with the shape of the treatment target, so that there is no looseness or misalignment that fits the treatment target. For this reason, the hardened cast body of the cast fabric can suitably fix the body to be treated, and the feeling of wearing the cast can be enhanced.
[0018]
In addition, if the yarn having the impregnating property includes at least one of a yarn made of a polyester-based fiber, a yarn made of a nylon-based fiber, and a yarn made of a polyolefin-based fiber, it is possible to obtain a suitable impregnating property and strength. A durable impregnating yarn can be provided. In addition, if the stretchable yarn is a yarn made of a nylon rubber fiber, a stretchable yarn having a suitable stretchability can be provided.
[0019]
In addition, the cast may further include a skin protection band attached between the cast fabric and the body to be treated. With this configuration, the skin protection band is interposed between the cast fabric and the object to be treated, and the cast fabric can be prevented from directly contacting the object to be treated. For this reason, since the skin protection band functions as a cushioning material (cushion material), the hardened cast body can stably and substantially uniformly support and fix the treatment target, and can prevent the treatment target from being damaged.
[0020]
Further, the skin protection band may be made of a stretchable mesh fabric for the protection band, and may have a substantially sleeve shape. With this configuration, the skin protection band can be easily attached to the body to be treated, and the permeability of the skin protection band is improved.
[0021]
The protective band mesh cloth may be configured by knitting a water-repellent yarn into a substantially mesh shape so as to have elasticity. With such a configuration, the skin protection band can have excellent drainage properties. For this reason, even if the skin protection zone in the cast is wet with water, it is easily and quickly drained and dried easily.
[0022]
Further, the mesh fabric for a protective band may be configured so that a stretchable yarn is woven to further enhance the contraction force. With this configuration, the skin protection band attached to the object to be treated can be appropriately contracted in accordance with the shape of the object to be treated, so that there is no loosening or displacement that fits the object to be treated. For this reason, the hardened cast body of the cast fabric can suitably fix the body to be treated, and the feeling of wearing the cast can be enhanced.
[0023]
Further, the skin protection band may be configured such that the mesh cloth for the protection band has at least a two-layer structure. With such a configuration, since the skin protection band has an appropriate thickness, the skin protection band can suitably function as the cushioning material, and the breathability and quick-drying property are enhanced.
[0024]
In addition, the skin protection band may be configured to have a substantially sleeve-shaped narrowed sleeve at at least one end. With such a configuration, the system at the end of the skin protection band becomes smaller and adheres to the body to be treated. Therefore, a foreign substance enters the inside of the skin protection band from the end of the skin protection band during or after a casting operation. Can be prevented.
[0025]
In addition, if the water-repellent yarn is a yarn made of a polyolefin-based fiber, a water-repellent yarn having suitable water repellency can be provided. In addition, if the yarn composed of the above-mentioned polyolefin-based fiber is configured so that the official moisture regain is 0%, the yarn composed of the polyolefin-based fiber does not contain water and has high water repellency, so that the drainage property of the skin protection zone is improved. Increase.
[0026]
According to another embodiment of the present invention, there is provided a method for performing a casting treatment for performing a casting around a body to be treated. This method of applying a cast includes a skin protection band mounting step of mounting a skin protection band on a body to be treated, and a mesh sleeve impregnated with a hardening agent which cures when exposed to the atmosphere, and having a diameter smaller than that of the body to be treated. The woven fabric for casting, which has a shape, is dense and the airtightness is maintained between the yarns of the mesh cloth and is maintained in an airtight state, and impregnates the woven fabric; A casting fabric mounting process in which the fabric is extended so as to be loose and is mounted on the body to be treated from above the mounted skin protection band; And a hardening step in which a cast is formed around the body to be treated in a state where the ventilation holes are secured.
[0027]
With this configuration, the above-described cast fabric can be suitably mounted on the body to be treated. In other words, when not in use, a casting fabric made of a sleeve-shaped mesh cloth, which is maintained in an airtight state, has flexibility and sufficient elasticity, and is sufficiently impregnated with a curing agent, is impregnated with water so that it is impregnated with water. Then, simply by covering the object to be treated, it can be easily and quickly attached to the object to be treated. In addition, in the casting process of the casting fabric, the casting fabric is stretched and expanded so that the yarns become sparse when the casting fabric is mounted on the treatment object having a diameter larger than that of its own sleeve. A plurality of air holes are formed between the yarns of the cloth, and the air holes can be flexibly deformed according to the shape of the mounted body to be attached, so that the body can be in close contact with the body. In addition, in the curing step, the casting fabric attached to the object to be treated is cured in a shape along the object to be treated in a state where the yarns are loose and the ventilation holes are formed. In addition, it is possible to form a cast that suitably protects and fixes the body to be treated, and it is possible to maintain a state in which ventilation holes are secured on the surface of the cast. For this reason, the air permeability between the outside of the cast and the body to be treated is enhanced. In addition, the cast surface treated by such a treatment method has a smooth contact surface with the object to be treated without any irregularities on the surface, and has a hard end portion and is hard to lose its shape.
[0028]
In addition, the length of the attached skin protection band is adjusted to be longer than the length of the attached cast fabric, and the casting method further includes at least one side of the attached cast fabric. Folding back the worn skin protection band protruding from the edge and covering the outer side of the mounted casting fabric. With this configuration, one end or both ends of the cast fabric can be prevented from directly contacting the object to be treated. For this reason, it is possible to prevent the cured end portion of the cast fabric from damaging the body to be treated. In addition, the folded portion of the skin protection band protects one end or both ends of the fragile cast fabric, so that the cast end can be more appropriately maintained.
[0029]
The casting of the cast fabric may include winding the dipped cast fabric in a substantially ring shape; and unwinding the wound cast fabric from one end to the other end of the body to be treated. And a step of sequentially mounting them. With this configuration, the casting
[0030]
Further, the above-mentioned casting method may further include a step of molding (shaping) the attached casting fabric. With this configuration, the surface of the cast that is mounted becomes smooth and closely adheres to the object to be treated, so that the cured cast fabric can favorably support and fix the object to be treated, and can be provided on the contact surface with the object to be treated. No irregularities are formed.
[0031]
Further, the skin protection band may be made of a stretchable mesh fabric for the protection band, and may have a substantially sleeve shape. Further, the skin protection band may be configured such that the mesh cloth for the protection band has at least a two-layer structure.
[0032]
In addition, the skin protection band mounting step includes a step of winding the skin protection band in a substantially ring shape; and a step of sequentially mounting the wound skin protection band from one end to the other end of the body to be treated while unwrapping the skin protection band. And; may be included.
[0033]
According to another embodiment of the present invention, there is provided a cast fabric, in which a cast is formed by curing an impregnated curing agent. This cast fabric has a substantially sleeve shape and is composed of a stretchable and impregnable mesh cloth, and the roughness of the mesh cloth is adjusted so that the cast has air permeability even after the curing agent is cured. It is characterized by having been done.
[0034]
Further, the mesh cloth may be configured such that yarns having impregnation properties are knitted in a substantially mesh shape so as to have elasticity. In addition, the mesh cloth may be configured such that a mesh structure is formed by a thread having impregnating properties, and further, a thread having elasticity is woven in order to enhance the contraction force. Further, the impregnating yarn may be configured to include at least one of a polyester fiber and a polyolefin fiber.
[0035]
According to another aspect of the present invention, there is provided a method for manufacturing a cast, comprising: forming a cast around a body to be treated; Impregnating a hardener into a cast fabric, which is constituted by a mesh cloth having a roughness adjusted so that the cast has air permeability even after the impregnated hardener is hardened; A method for producing a cast, characterized by comprising a step of mounting the casting fabric impregnated with the curing agent on the body to be treated; and a step of curing the casting fabric by curing the curing agent. Provided.
[0036]
In addition, the method for producing a cast may further include a step of vacuum-packaging and storing the cast fabric impregnated with the curing agent. Further, the method for producing a cast may further include a step of immersing the preserved fabric for the cast in water. Also, the method for producing a cast includes a step of covering the object to be treated with a protective band in advance; and a step of mounting the casting fabric impregnated with the hardening agent on the object to be cast includes a step for covering the cast impregnated with the curing agent. The fabric may be overlaid on the protective band. Further, in the step of mounting the casting fabric impregnated with the curing agent on the object to be treated, the protective band protruding from at least one side of the casting fabric overlaid on the protective band may be further applied. It may be folded back so as to cover the outer side of the casting fabric which is overlaid on the protective band.
[0037]
According to another embodiment of the present invention, there is provided a cast that is manufactured by the above-described cast manufacturing method.
[0038]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings. In this specification and the drawings, components having substantially the same function and configuration are denoted by the same reference numerals, and redundant description is omitted.
[0039]
(1st Embodiment)
Hereinafter, a cast and a treatment method according to the first embodiment of the present invention will be described.
[0040]
First, the configuration of the cast according to the present embodiment will be described. The cast according to the present embodiment includes, for example, a cast fabric that constitutes a cast body (support) around the body to be treated when the impregnated curing agent is cured, and a cast of the cast fabric and the body to be treated. And a skin protection band attached between them.
[0041]
First, the overall structure of the fabric for casting according to the present embodiment will be described with reference to FIG. FIG. 1 is a perspective view showing a
[0042]
As shown in FIG. 1, the casting
[0043]
It is preferable that the sleeve-shaped diameter of the casting
[0044]
The
[0045]
For example, such a casting
[0046]
When not used, that is, before the treatment, the impregnated curing agent is stored in an airtight state by, for example, vacuum packaging or the like so that the impregnated curing agent is not cured by contact with the atmosphere. Thus, the
[0047]
Next, based on FIGS. 2 and 3, the mesh structure of the
[0048]
As shown in FIG. 2, the casting
[0049]
The impregnated
[0050]
The official moisture regain of the yarn composed of each fiber is, for example, as follows. The water content of the yarn made of polyester fiber is, for example, 0.4 wt%, the water content of the yarn made of nylon fiber is, for example, 4.5 wt%, the water content of the cotton yarn is, for example, 15.7 wt%, and the polyolefin is The water content of the yarn composed of the system fibers is, for example, 0 wt%.
[0051]
As described above, since the impregnated
[0052]
By knitting the impregnated
[0053]
By configuring the mesh structure using the impregnated
[0054]
On the other hand, the
[0055]
With this configuration, the
[0056]
Next, based on FIG. 2, a description will be given of a change in the density of the yarns and the like due to a change in the state of the
[0057]
First, the mode of the yarn of the woven
[0058]
As shown in FIG. 2 (a), in the
[0059]
Thus, when not in use, the denseness between the yarns of the casting
[0060]
In addition, since the casting
[0061]
Next, the mode of the yarn of the woven
[0062]
As shown in FIG. 2B, the woven
[0063]
Thus, at the time of treatment, the woven
[0064]
Furthermore, as described above, the
[0065]
Next, the mode of the yarns of the woven
[0066]
As shown in FIG. 2 (b), the woven
[0067]
The
[0068]
The state change between the yarns of the mesh cloth according to the state change of the casting
[0069]
Next, the skin protection band according to the present embodiment will be described with reference to FIG. FIG. 4 is a front view showing the
[0070]
As shown in FIG. 4, the
[0071]
The mesh cloth for the protective band constituting the skin
[0072]
The water-repellent yarn is, for example, a yarn (hereinafter, referred to as an olefin yarn) made of a polyolefin fiber (including, for example, an olefin polymer, an olefin resin, and the like). Examples of the material of the olefin fiber include polypropylene, polyethylene, poly (1-butene), poly (4-methyl-pentene), ethylene-propylene copolymer, ethylene-1-butene copolymer, and ethylene-1-hexene. Synthetic organic polymers including copolymerization and copolymerization, homopolymers, copolymerization of conjugated diene monomers, such as copolymerization of two or more conjugated dienes, or copolymerization of conjugated dienes with other vinyl monomers, etc. It is. The conjugated diene preferably has 4 or 8 carbon atoms, for example, butadiene and isoprene. The olefin yarn that can be composed of such various polyolefin fibers is preferably composed of, for example, a polypropylene fiber.
[0073]
Such olefin yarns are materials that are frequently used in disposable diapers, for example, and include, for example, water repellency, air permeability, water resistance, drainage, durability, tactile sensation, heat resistance, strength, abrasion resistance, and the like. And / or has excellent elasticity and is harmless to the human body. As described above, this olefin yarn has a water content of, for example, 0 wt%, and the yarn itself does not absorb, for example, water. For this reason, the olefin yarn, for example, does not retain the water that has penetrated into the inside and bleeds quickly, and thus has excellent drainage properties and quick drying properties.
[0074]
Conventional protective bands made of cotton yarn or nylon yarn have high water absorbency, so they do not dry without the heat of the outside air, and have poor air permeability and become foul-smelling after wetting. However, the
[0075]
Further, in the mesh fabric for the protective band of the skin
[0076]
The skin
[0077]
Further, since the diameter of the sleeve shape of the
[0078]
The length of the
[0079]
Further, in order to obtain an appropriate thickness, for example, the
[0080]
Further, at one end of the
[0081]
Further, on the inner peripheral side of the
[0082]
As described above, the
[0083]
Next, a casting treatment method according to this embodiment using the above-described
[0084]
As shown in FIG. 5, first, in step S10, the
[0085]
Next, in Step S20, the
[0086]
Next, the
[0087]
Further, in step S30, the
[0088]
Thereafter, in step S40, the
[0089]
Specifically, first, the
[0090]
At this time, the
[0091]
Next, in step S50, both ends 20a and 20b of the
[0092]
Furthermore, in step S60, the surface of the
[0093]
Thereafter, in step S70, the curing agent is cured to complete the cast (step S70). If the
[0094]
As described above, the casting method according to the present embodiment is very quick and easy. That is, the
[0095]
In addition, the cast that has been treated by such a casting method is hardened in a shape that conforms to the shape of the object to be treated, and does not excessively compress the part to be treated or, conversely, loosen it. The body to be treated can be suitably protected and fixed.
[0096]
The cast using the
[0097]
Furthermore, since the cast using the
[0098]
Further, since the ventilation holes 16 between the yarns in the mesh structure remain even after the curing agent is cured, the cast has excellent ventilation. In addition, the cast is comfortable to wear at the end of the cast and has a very smooth surface. For this reason, the body to be treated inside the cast does not cause skin disease, blistering, or inappropriate bone bonding.
[0099]
Such casts can also pass radiation. More specifically, conventional casts have poor X-ray transmission because they use gypsum or fiberglass products with low X-ray transmission. However, in the cast according to the present embodiment, for example, although the X-ray transmittance is slightly lowered by the impregnating curing agent, the
[0100]
For this reason, it is possible to suitably perform X-ray imaging of the affected part where the cast has been applied while the cast is being worn without removing the cast. For this reason, a doctor or the like can easily grasp the healing state of the fracture site or the like and other states in the site hidden by the cast.
[0101]
Further, in the cast according to the present embodiment, for example, since the
[0102]
Further, since the
[0103]
The preferred embodiment of the present invention has been described with reference to the accompanying drawings, but the present invention is not limited to this example. It is obvious that a person skilled in the art can conceive various changes or modifications within the scope of the technical idea described in the claims, and those changes naturally fall within the technical scope of the present invention. It is understood to belong.
[0104]
For example, in the above-described embodiment, as shown in FIGS. 6 and 7, an example of a cast for fixing a leg of a human body as a body to be treated has been described, but the cast according to the present invention is not limited to such an example. For example, by setting the length, diameter, shape, and the like of the
[0105]
In the above-described embodiment, the impregnated
[0106]
In the casting method according to the embodiment, for example, the casting
[0107]
In addition, the casting method according to the above-described embodiment includes, for example, an end folding step of folding both
[0108]
【The invention's effect】
As explained above, the cast according to the present invention can be operated quickly and easily without relying on a skilled person. Further, such a cast can be suitably fitted to a body to be treated, and is excellent in breathability, adaptability to water, and X-ray permeability. For this reason, not only the patient's feeling of wearing can be improved, but also the adverse effects associated with casting can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG.
FIG. 1 is a perspective view showing a cast fabric according to the first embodiment.
FIG. 2
FIG. 2A shows a normal state of the mesh fabric of the cast fabric according to the first embodiment.
FIG. 2 is a partially enlarged view showing an aspect of the present invention.
FIG. 2B shows a state in which the mesh fabric of the cast fabric according to the first embodiment is stretched.
FIG. 2 is a partially enlarged view showing an aspect of the present invention.
FIG. 3
FIG. 3 shows a cast mesh structure of the stretched cast fabric according to the first embodiment.
It is a photograph figure shown from the inside of textiles for textiles.
FIG. 4
FIG. 4 is a front view showing the skin protection band according to the first embodiment.
FIG. 5
FIG. 5 is a flowchart illustrating a casting method according to the first embodiment.
.
FIG. 6
FIG. 6 is a diagram illustrating a cast for weaving in each step of the cast treatment method according to the first embodiment.
It is explanatory drawing for demonstrating aspects, such as a thing and a skin protection band.
FIG. 7
FIG. 7 is a view showing a cast fabric for each step of the cast treatment method according to the first embodiment;
It is explanatory drawing for demonstrating aspects, such as a thing and a skin protection band.
FIG. 8
FIG. 8 is a photographic view showing various examples of changes in the cast shape according to the body to be treated.
[Explanation of symbols]
10: Fabric for Gibbs
12: Impregnated yarn
14: elastic yarn
16: vent
20: Skin protection band
20a, 20b: end
22: Sleeve
Claims (16)
前記ギブス用織物は,
未使用時には,前記メッシュ布の織糸間が密を成すとともに気密状態に維持されて柔軟性を有し;
施術時には,前記織糸間が疎を成すように拡張されて前記被施術体に装着され;
硬化時には,前記織糸間が疎を成し通気孔が確保された状態でギブス体を構成することを特徴とする,ギブス。A casting fabric comprising a mesh cloth impregnated with a curing agent that cures when exposed to the atmosphere, and having a substantially sleeve shape smaller in diameter than the object to be treated;
The cast fabric is
When not in use, the mesh fabric is tightly closed between the yarns and is kept airtight to have flexibility;
At the time of treatment, the yarns are expanded so as to be loose and attached to the body to be treated;
A cast, characterized in that when it is hardened, a cast is formed in a state in which the yarns are loose and the ventilation holes are secured.
前記ギブス用織物と前記被施術体との間に装着される皮膚保護帯を備えることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5または6のいずれかに記載のギブス。The cast further comprises:
The cast according to any one of claims 1, 2, 3, 4, 5, and 6, further comprising a skin protection band mounted between the cast fabric and the body to be treated.
伸縮性を有する保護帯用メッシュ布から成り,略スリーブ形状を有することを特徴とする,請求項7に記載のギブス。The skin protection band,
The cast according to claim 7, wherein the cast is made of a mesh cloth for a protective band having elasticity and has a substantially sleeve shape.
皮膚保護帯を前記被施術体に装着する,皮膚保護帯装着工程と;
大気に触れると硬化する硬化剤が含浸されたメッシュ布から成り,前記被施術体よりも小径の略スリーブ形状を有し,前記メッシュ布の織糸間が密を成すとともに気密状態に維持されて柔軟性を有するギブス用織物を,含水させる,含水工程と;
前記含水されたギブス用織物を,前記織糸間が疎を成すように拡張して,前記装着された皮膚保護帯の上から前記被施術体に装着する,ギブス用織物装着工程と;
前記装着されたギブス用織物が硬化して,前記織糸間が疎を成し通気孔が確保された状態で前記被施術体の周囲にギブス体が構成される,硬化工程と;
を含むことを特徴とする,ギブス施術方法。A casting method for performing a casting around a body to be treated, the method comprising:
Attaching a skin protection band to the body to be treated;
It is made of a mesh cloth impregnated with a curing agent that cures when exposed to the atmosphere, has a substantially sleeve shape with a smaller diameter than the object to be treated, and the yarns of the mesh cloth are tightly closed and maintained in an airtight state. Hydrating the flexible casting fabric;
A casting fabric mounting step of expanding the moistened casting fabric so that the yarns are separated from each other, and mounting the cast on the body to be treated from above the mounted skin protection band;
A hardening step in which the attached cast fabric is hardened, a cast is formed around the body to be treated in a state in which the yarns are separated and air holes are secured;
A method for giving a cast, comprising:
前記ギブス施術方法は,さらに,
前記装着されたギブス用織物の少なくとも一側端からはみ出している前記装着された皮膚保護帯を折り返して,前記装着されたギブス用織物の外側に被せる,端部折返し工程;
を含むことを特徴とする,請求項15に記載のギブス施術方法。The length of the attached skin protection band is adjusted to be longer than the length of the attached cast fabric.
The casting method described above further comprises:
An end folding step of folding the attached skin protection band protruding from at least one side end of the attached cast fabric, and covering the outer side of the attached cast fabric;
The method of claim 15, wherein the method includes the step of:
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