JP2003524684A - ビス置換オキセタンモノマーを基剤としたアモルファスポリエーテルグリコール - Google Patents

ビス置換オキセタンモノマーを基剤としたアモルファスポリエーテルグリコール

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、弗素化アルコキシメチレン側鎖を有する一置換オキセタンモノマーと二置換オキセタンモノマー、こうした一置換オキセタンモノマーと二置換オキセタンモノマーおよびテトラヒドロフラン(THF)から誘導されたヒドロキシ末端プレポリマー、これらのプレポリマーから製造されたポリマー、それぞれに関連した合成方法、ならびにモノマー、プレポリマーおよび最終ポリマーの直接的な用途および多くの組成物の成分としての用途に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、一般に、ビス置換オキセタンモノマーを基剤としたアモルファスポ
リエーテルグリコールに関する。一層特に、本発明は、ヒドロキシ末端プレポリ
マー組成物、並びにそれらから誘導されたポリマー、該プレポリマーの前駆体と
してのビス置換ペンダントフッ素化アルコキシメチレン基を有するオキセタンモ
ノマー(ペンダントフッ素化アルコキシメチレン基でビス置換されているオキセ
タンモノマー)、該前駆体モノマーを製造する方法および該プレポリマーを重合
してフッ素化エラストマーを形成する方法に関する。ヒドロキシ末端プレポリマ
ーはポリエーテル主鎖を有し、そしてとりわけエラストマー、熱硬化プラスチッ
クおよび被膜の製造のために有用である。これらの組成物は、疎水性、非常に低
い表面エネルギー、低いガラス転移温度、低い誘電率、高い耐摩耗性および引裂
き強度、低い摩擦係数、高い付着性、および低い屈折率を示す。
【0002】 発明の背景 フッ素化ポリマーは、疎水性で疎油性の被膜として広範な用途を有する。これ
らの物質は、優秀な環境安定性、高い疎水性、低い表面エネルギーおよび低い摩
擦係数を示し、そしてくっつかないフライパンから光ファイバークラッドにわた
る多数の用途において用いられる。しかしながら、たいていのフルオロポリマー
は、それらの高い剛性に因り、加工するのが困難であり、施用するのが困難であ
り並びに可撓性基体に対する被膜として不適当であるプラスチックである。広範
に用いられるフッ素化物質の一つの例は、ポリテトラフルオロエチレンであるTE
FLONTMである。TEFLONTMは、焼結されそしてその最終形状に機械加工されねばな
らない硬質固体である点で、加工するのが困難である。被膜としてのTEFLONTM
商業的施用は、基体に対するその不良な付着性および連続薄膜を形成するその能
力の欠如により複雑化される。TEFLONTMは不溶性であるので、TEFLONTM薄膜の施
用は、被覆される表面上に粉末化TEFLONTMの薄い膜を広げることを伴い、そして
その後にこの粉末化TEFLONTMは適所にて焼結されて、不完全薄膜または多数の気
孔を有する薄膜のいずれかをもたらす。TEFLONTMは硬質の非可撓性プラスチック
であるので、更なる制限は、基体表面が硬質でなければならないことであり、さ
もなければTEFLONTMは亀裂が入るかまたは剥げるかのいずれかになる。
【0003】 Vitonのような、限られた数の商業用フルオロポリマーが、ゴム状弾性を有す
る。しかしながら、これらの物質は、比較的高い表面エネルギー(TEFLONTMに比
べて)、不良な耐摩耗性および引裂き強度を有し、またそれらのガラス転移温度
は、低温環境におけるそれらの使用を有意的に制限するのに依然として十分に高
い(Viyonについては0℃より大)。
【0004】 従って、フッ素化プラスチック(TEFLONTMのような)と少なくとも等価の疎水
性、表面エネルギーおよび摩擦係数を有するフルオロエラストマーに対するニー
ズがある。更に、かかるフルオロエラストマーは、高い付着性、高い耐摩耗性お
よび引裂き強度、低い屈折率、並びにいかなる予知し得る低温環境での使用につ
いても適合するように低いガラス転移温度を有さねばならない。加えて、高収率
にて容易に生成され並びに用いるのが容易であるフルオロエラストマーに対する
ニーズがある。
【0005】 剥離性(すなわち、非粘着性)で高減摩性の被膜の開発における最も重要な基
準は、被膜の自由表面エネルギーの最小化である。自由表面エネルギーは、被膜
の湿潤性の尺度であり、そしてその物質の疎水性および付着特性のような或る臨
界性質を定める。たいていのポリマー表面について、表面エネルギーは、濡れの
臨界表面張力aCにより表され得る。たとえば、TEFLONTMの表面エネルギー(aC により表される場合)は18.5erg/cm2であり、一方ポリエチレンのそ
れは31erg/cm2である。従って、TEFLONTM由来の被膜は、ポリエチレン
由来のものよりも疎水性かつ非粘着性である。TEFLONTMより低いかまたは匹敵し
得る表面エネルギーを有する一方、同時に優れた付着特性を示す被膜を開発する
ために、かなりの量の研究が被膜業界によりなされてきた。
【0006】 望ましい低表面エネルギーを有する被膜を作るために、被膜の表面は−CF3
基により支配(−CF3基が優勢的に存在)されねばならない、ということを文
献は教示する。−CF2−Hおよび−CFH2のような基は、物質の表面エネルギ
ーを増加させる。末端基(すなわち、表面上に存在する基)中のフッ素原子の数
の重要性が、Zisman等,J. Phys. Chem.,57:622(1953);Zisman等
,J. Colloid Sci.,58:236(1954);およびPittman等,J. Polymer
Sci.,6:1729(1968) により実証された。末端−CF3基を有する
物質は6erg/cm2くらいの表面エネルギーを示し、一方末端−CF2H基を
有する同様な物質は15erg/cm2くらいの値、すなわち末端−CF3基を有
する物質についての値の2倍より多い値を示す、ということが認められた。TEFL
ONTMは、フッ素部をポリマー主鎖上に組み込んでおりそしてペンダント−CF3
基を含有しない。従って、TEFLONTMは、末端過フッ素化アルキル側鎖を有するポ
リマーと同じくらい低い表面エネルギーを示さない。
【0007】 エラストマーの生成における決定的要件は、架橋がほとんどまたは全く起こら
ずかつポリマー配座が結晶化の結果としてポリマーの圧縮がほとんどまたは全く
ないようなものであるところの、複数の大きい帯域すなわち「軟質セグメント」
をエラストマーが有することである。これらの軟質帯域の間には、ポリマーの有
意的水素結合、架橋および圧縮があり得るところの「硬質ブロック」がある。ポ
リマーにそのゴム状弾性を与えるのは、この交互の軟質ブロックおよび硬質ブロ
ックである。軟質セグメントが長ければ長いほど、エラストマーは一層弾性にな
る。
【0008】 Falk等(米国特許第5,097,048号)は、ビス−ハロアルキルオキセタ
ンからの、ペルフルオロ末端アルキル基側鎖を有するビス置換オキセタンモノマ
ーの合成、それらから誘導されたペルフルオロ末端アルキル基側鎖を有するグリ
コール(関連のチオールおよびアミンで結合されたグリコールおよびダイマージ
オールを含めて)を開示する。フッ素化側鎖のほとんどは、チオ、アミンまたは
スルホンアミド結合によりグリコール単位に結合されている。少数の例のみが、
ペルフルオロ末端アルコキシメチレン側鎖を有するグリコールを記載する。しか
しながら、かかるグリコールは結晶質物質である。
【0009】 Falk等(EP 03 48 350)は、彼等の方法が(1)おおよそ64%の
ビス置換ペルフルオロ末端アルキルネオペンチルグリコールと(2)おおよそ3
6%のペンダントクロロメチル基を有するモノ置換ペルフルオロ末端アルキルネ
オペンチルグリコール生成物との混合物で構成されたペルフルオロ末端アルコキ
シメチレンネオペンチルグリコールを生じることを報告する。明らかに、モノ置
換生成物は、ビス−クロロアルキルオキセタン出発物質における第2クロライド
の不完全置換からもたらされる。従って、上記に記載されたZismanおよびPittma
nの研究から気づかれるように、側鎖としての−CH2Clの存在は、これらのポ
リマーから作られる被膜の表面エネルギーを有意的に増加し、それにより被膜の
疎水性および疎油性を減じる。
【0010】 Falk等(米国特許第5,045,624号)は、チオ結合を持ったフッ素化側
鎖を有するダイマーの製造を教示するが、しかしフッ素化エーテル側鎖を有する
ダイマーの製造を教示しない。これは、チオ結合を有するダイマーを製造するた
めのFalk等により用いられる合成経路がエーテル結合を有するダイマーの合成の
ために用いられ得ない故である。換言すれば、Falk等は、フッ素化エーテル側鎖
を有する長鎖ポリエーテルの製造を教示しない。
【0011】 Falk等(米国特許第4,898,981号)は、様々な発泡体および被膜中に
彼等のビス置換グリコールを組み込んで所望の疎水性および疎油性を付与するこ
とを教示する。プラスチックがFalkのグリコールとジイソシアネートとの反応に
より形成され得るけれども、長鎖軟質セグメントがないのでエラストマーは形成
され得ない、ということを古典的ポリウレタン化学は示す。そのような軟質セグ
メントは、エラストマーの形成のために必要とされる。Falk等の化合物は1個ま
たは2個のモノマー単位の長さにすぎないので、それらはポリウレタンエラスト
マーの形成について軟質セグメントとして機能するには明らかに短かすぎる。Fa
lk等において、フッ素化グリコールおよびイソシアネートセグメントは交互にな
っており、しかもフッ素化グリコールセグメントはイソシアネートセグメントと
ほぼ同じサイズである。かかるポリマー構造はエラストマーを生じない、という
ことが当業者に周知である。
【0012】 Falk等の参考文献のいずれも、ビス−ペルフルオロ末端アルコキシメチレンオ
キセタンから作られたホモプレポリマーもしくはコプレポリマーもまたはそれら
からもしくは対応するグリコールから誘導されたポリウレタンも教示しないまた
は示さない。彼等のポリウレタンはすべて、チオール結合モノマーおよびダイマ
ーから直接的に作られ、プレポリマー中間体を経ない。Falk等(米国特許第5,
045,624号)において与えられた例において、特にペルフルオロ末端側鎖
が大きい場合およびダイマーのすべてについて、すべてのものがチオール結合を
有し、すなわち、エーテル側鎖は全く示されていない。Falk等(米国特許第4,
898,981号)により開示されたポリウレタンは、ペルフルオロ末端アルキ
ルチオネオペンチルグリコールから作られる。一方、Falk等(米国特許第5,0
97,048号)は、例12において、ビス置換ペルフルオロアルキルチオオキ
セタンから製造されたポリエーテルプレポリマーを示す。得られたプレポリマー
は、白色ロウ質固体であり、明らかにエラストマーでない。ロウ質固体の末端基
、多分散性、当量、等の特質についての特性決定は与えられなかった。かかる特
性決定がない場合、Falk等の物質がイソシアネートと更に反応されてポリウレタ
ンポリマーを生成し得るかどうか分からない。いかなるプレポリマーからのポリ
マーの製造の例も、与えられていない。
【0013】 Vakhlamova(Chem. Abst. 89:110440p)は、−CH2O−CH2−C
2−CF2−H基を有するオキセタンの番号3の炭素において置換されたオキセ
タン化合物の合成を教示する。この置換基の末端アルキル部は、かくして、末端
すなわちオメガ炭素が水素原子を担持する−CF2CF2−Hである。上記に論じ
られたように、ZismanおよびPittmanの研究は、水素の存在がこれらのモノマー
から誘導されるポリマーの表面エネルギーを有意的に増加することを示す。Falk
等(米国特許第5,097,048号)はまた、「末端にて分岐されているかま
たはオメガ水素原子を含有するフルオロアルキル化合物は、有能な撥油性を示さ
ない」と述べることにより、表面エネルギーが末端炭素における水素原子と共に
増加することを認識している。更に、Vakhlamovaは、ビス置換モノマーに焦点を
合わせており、何故なら彼は該モノマーを加水分解しそして次いで生じたモノマ
ーグリコールを重合するからである。
【0014】 Falk等のビス置換オキセタンおよびその他の提案者のビス置換オキセタンの重
合から形成されたポリマーの特性は、生じた生成物が結晶質固体であるというこ
とである。それらのビス側鎖は、高度に秩序状かつ対称的である。従って、それ
らは、効率的に集まって結晶質構造を形成する。たとえば、3,3−ビス−(ク
ロロメチル)オキセタンから製造されたプレポリマーは、220℃付近にて溶融
する結晶質固体である。このことはこれらのポリマーの商業的使用に有意的に影
響を及ぼし、何故なら更なる重合または施用のためにFalk等のポリマーを溶解ま
たは溶融するために、混合および高められた温度のいずれかまたは両方が必要と
されるからである。
【0015】 このように、今日まで、ビス置換過フッ素化アルコキシメチレンオキセタンの
重合は、有用な物質をもたらさなかった。ビス置換ペルフルオロアルキルチオー
ルオキセタンから誘導されたポリマーは、ロウ質固体であり、そして商業的に有
用なエラストマーおよび被膜の製造において軟質セグメントとして機能しない。
更に、ビス置換オキセタンモノマーの単独重合する能力は、重合が起こる保証は
なくて3−炭素における側鎖の特質に依存するように認められ、しかして重合の
困難性は明らかに側鎖による立体障害に因る。従って、ビス置換モノマーの重合
および重合生成物は、予測可能でなくかつ一貫性がない。
【0016】 すべてMalik等に発せられた米国特許第5,654,450号、第5,668
,251号、第5,650,483号、第5,668,250号および第5,7
03,194号は、フッ素化エラストマーおよびその生成方策を開示し、しかし
て該方策は、容易でかつ安価であるプレモノマー生成法から始めて非対称モノハ
ロアルキルメチルオキセタンプレモノマーを生成させ、そして更なる反応で1個
のフッ素化側鎖を有するオキセタンモノマーを生成させ、しかしてこのモノ置換
フッ素化モノマーは、疎水性、低い表面エネルギー、非常に低いガラス転移温度
、低い誘電率、高い耐摩耗性および引裂き強度、高い付着性、および低い屈折率
を有するフッ素化エラストマーおよび熱硬化プラスチック、樹脂および被膜を生
成させる更なる反応のための、本質的に非架橋軟質セグメントの二官能性線状非
対称プレポリマーを生成するべき単独重合および共重合が可能である。
【0017】 米国特許第5,654,450号、第5,668,251号、第5,650,
483号、第5,668,250号および第5,703,194号の貢献により
、非常に有用なフッ素化エラストマーおよびそれらの製造方法がもたらされた。
しかしながら、ビス置換フッ素化オキセタンモノマーが単独重合および共重合さ
れて本質的に非架橋の二官能性線状非対称プレポリマーを生成し得、そして次い
で更に反応されて有用な性質を有するフッ素化エラストマーおよび熱硬化プラス
チック、樹脂および被膜を生成し得る(この分野において研究者が大いなる努力
にもかかわらず未だ達成していない目標)ならば有利である。本発明は、このお
よび他の目標を達成する。
【0018】 発明の要約 本発明以前には、フルオロエラストマーの合成におけるビス置換フッ素化オキ
セタンモノマー(すなわち、ビス置換FOXモノマー)の使用は、これらの対称
モノマーから形成されたポリマーの高結晶質特質に因り制限されていた。しかし
ながら、この問題は、ビス置換フッ素化オキセタンモノマーをモノ置換フッ素化
オキセタンモノマーおよび/または非フッ素化オキセタンモノマー(テトラヒド
ロフラン(「THF」)のような)と共重合してアモルファスポリエーテルグリ
コールを生成させることにより克服され得る、ということが見出された。かかる
グリコールはポリマーマトリックス中に組み込まれてエラストマーを生成し得、
そして次いで様々な用途のために用いられ得、しかして該用途は、たとえば、落
書き防止用塗料、壁紙用塗料、自動車用塗料、船体用汚れ剥離塗料、花火製造用
途、等を包含する。原料のコストを下げることに加えて、本発明は、表面におい
て比較的多量のフッ素を有する物質を提供し、それによりポリ(FOX)被膜の
性能特性を増大する。
【0019】 かくして、一つの観点において、本発明は、末端過フッ素化アルキル基を持っ
た非対称アルコキシメチレン側鎖を有するヒドロキシ末端ポリエーテルプレポリ
マーを提供する。一つの具体的態様において、プレポリマーは、次の一般式
【0020】
【化22】
【0021】 を有するモノマー単位を含む。上記の式において、各nは、独立的に選択されそ
して1ないし3であり;Rf 1およびRf 2は、独立的に、線状過フッ素化アルキル
、線状過フッ素化イソアルキル、分岐鎖状過フッ素化アルキル、分岐状過フッ素
化イソアルキル(過フッ素化アルキルおよびイソアルキルは1から約20個の炭
素原子を有する)および4から約60個の炭素原子を有するオキサ過フッ素化ポ
リエーテルから成る群から選択され;そしてxは、1ないし約250一層好まし
くは2ないし約100である。Rf 1およびRf 2は、それらが異なりそしてプレポ
リマー鎖に沿って多かれ少なかれランダムの配置を有するように選択される、と
いうことが留意される。
【0022】 別の具体的態様において、プレポリマーは、次の一般式
【0023】
【化23】
【0024】 を有するモノマー単位の混合物を含む。上記の式において、各nは、独立的に選
択されそして1ないし3であり;Rは、メチルおよびエチルから成る群から選択
され;Rf 1、Rf 2およびRf 3は、独立的に、線状フッ素化アルキル、線状フッ素
化イソアルキル、分岐鎖状フッ素化アルキル、分岐状フッ素化イソアルキル(フ
ッ素化アルキルおよびイソアルキルは1から20個の炭素原子を有する)および
4から約60個の炭素原子を有するオキサ過フッ素化ポリエーテルから成る群か
ら選択され;xは、約1ないし約250一層好ましくは2ないし約100であり
;そしてyは、約1ないし約250一層好ましくは2ないし約100である。典
型的には、ジ対モノ置換モノマーの比率すなわちx対yの比率は約95:5から
約5:95一層好ましくは約70:30更に一層好ましくは約50:50である
と共に、約1ないし約250一層好ましくは約5ないし約100のDP(重合度
)を有する。
【0025】 別の観点において、本発明は、末端過フッ素化アルキル基を持ったアルコキシ
メチレン側鎖およびFOXモノマーセグメントとテトラヒドロフラン(THF)
セグメントで構成された主鎖を有するヒドロキシ末端ポリエーテルコプレポリマ
ーを提供する。一つの具体的態様において、FOX/THFコプレポリマーは、
次の一般式
【0026】
【化24】
【0027】 を有するモノマー単位の混合物を含む。上記の式において、nは、独立的に選択
されそして1ないし3であり;Rf 1およびRf 2は、独立的に、1〜20個の炭素
を有する線状過フッ素化アルキル基、1〜20個の炭素を有する分岐状過フッ素
化アルキル基および約4〜60個の炭素を有するオキサ過フッ素化ポリエーテル
から成る群から選択され;xは、約1ないし約250一層好ましくは2ないし約
100であり;そしてzは、約1ないし約250一層好ましくは1ないし100
である。典型的には、ジ対モノ置換モノマーの比率すなわちx対zの比率は約1
:99から約99:1であると共に、約1ないし約250一層好ましくは約5な
いし約100のDPを有する。更に、典型的には、FOX/THFコプレポリマ
ーの分子量(Mn)は約2,000から約50,000一層好ましくは約2,0
00から約15,000の範囲にあり、そしてTgは−20℃未満である。
【0028】 別の具体的態様において、本発明のFOX/THFコプレポリマーは、次の一
般式
【0029】
【化25】
【0030】 を有するモノマー単位の混合物を含む。上記の式において、各nは、独立的に選
択されそして1ないし3であり;Rは、メチルおよびエチルから成る群から選択
され;Rf 1、Rf 2およびRf 3は、独立的に、1〜20個の炭素を有する線状過フ
ッ素化アルキル基、1〜20個の炭素を有する分岐状過フッ素化アルキル基およ
び約4〜60個の炭素を有するオキサ過フッ素化ポリエーテルから成る群から選
択され;xは、1ないし約250一層好ましくは2ないし約100であり;yは
、1ないし約250一層好ましくは2ないし約100であり;そしてzは、1な
いし約250一層好ましくは1ないし約100である。典型的には、かかるFO
X/THFコプレポリマーは、約1ないし約250のDPを有する。更に、典型
的には、FOX/THFコプレポリマーの分子量(Mn)は約2,000から約
50,000一層好ましくは約2,000から約15,000の範囲にあり、そ
してTgは−20℃未満である。
【0031】 前記のプレポリマーおよびコプレポリマーは、とりわけ、塗料組成物、樹脂、
潤滑剤および油中の成分として用いられ得、しかしてかかる塗料、樹脂、潤滑剤
および油に、疎水性、低い表面エネルギー、低い摩擦係数、非常に低いガラス転
移温度、低い誘電率、高い耐摩耗性および引裂き強度、高い付着性、および低い
屈折率を付与する。
【0032】 別の観点において、本発明は、フッ素化アルコキシメチレン側鎖を有しそして
良好な疎水性、低い表面エネルギー、非常に低いガラス転移温度、低い誘電率、
高い耐摩耗性および引裂き強度、高い付着性、および低い屈折率を有するフッ素
化エラストマーおよび熱硬化プラスチックを提供する。一つの具体的態様におい
て、本発明のフッ素含有熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、次の一般式
【0033】
【化26】
【0034】 を有するモノマー単位の混合物を含む。
【0035】 上記の式において、nは、独立的に選択されそして1ないし3であり;Rf 1
よびRf 2は、独立的に、1〜20個の炭素原子を有する線状および分岐状過フッ
素化アルキル、および約4〜20個の炭素原子を有するオキサ過フッ素化ポリエ
ーテルから成る群から選択され;R1は、二価ヒドロカルビル基であり;xは、
1ないし約250一層好ましくは2ないし約100であり;そしてwは、1ない
し約50一層好ましくは1ないし約5である。Rf 1およびRf 2はそれらが異なる
ように選択される、ということが留意される。適当な二価ヒドロカルビル基の例
は、次の構造
【0036】
【化27】
【0037】 を包含するが、しかしそれらに限定されない。
【0038】 別の具体的態様において、本発明のフッ素含有熱可塑性ポリウレタンエラスト
マーは、次の一般式
【0039】
【化28】
【0040】 を有するモノマー単位の混合物を含む。上記の式において、nは、独立的に選択
されそして1ないし3であり;Rは、メチルおよびエチルから成る群から選択さ
れ;Rf 1、Rf 2およびRf 3は、独立的に、1〜20個の炭素原子を有する線状お
よび分岐状過フッ素化アルキル、および約4〜20個の炭素原子を有するオキサ
過フッ素化ポリエーテルから成る群から選択され;R1は、二価ヒドロカルビル
基であり;xは、1ないし約250一層好ましくは2ないし約100であり;y
は、1ないし約250一層好ましくは2ないし約100であり;そしてwは、1
ないし約50一層好ましくは1ないし約5である。
【0041】 本発明のフッ素化エラストマーおよびプラスチックは、汚れ・氷剥離被膜、抗
力低減被膜、防湿被膜;カテーテル;関節、心臓および弁のような人工補装部品
;コンタクトレンズ;眼球内レンズ;薄膜、ペイント;接着剤;非移行性化粧品
;撥水性被膜;耐油/耐汚染性被膜;焼夷弾用バインダー;潤滑剤;等として有
用である。
【0042】 加えて、本発明は、モノマー、プレポリマーおよびポリマー組成物と関係した
合成方法、並びにモノマー、プレポリマーおよび最終ポリマーの、直接的および
数多くの組成物の成分としての両方にての使用を提供する。
【0043】 本発明およびその好ましい具体的態様の他の特徴、目的および利点は、以下の
詳細な記載から明らかになる。
【0044】 定義 ここにおいて用いられる場合の「非プロトン性溶媒」は、プロトンを供与しな
い溶媒を指す。
【0045】 ここにおいて用いられる場合の「BrMMO」は、3−ブロモメチル−3−メ
チルオキセタンを指す。
【0046】 ここにおいて用いられる場合の「接触角」は、液体の表面と該液体と接触して
いる物の表面との間の鈍角すなわち内角を指す。高い接触角は、高い疎水性に対
応する。
【0047】 ここにおいて用いられる場合の「FOX共重合」は、FOXコプレポリマーを
生成するべき、FOXモノマーと異なるFOXモノマーまたは非フッ素化モノマ
ーのいずれかとの反応を指す。
【0048】 ここにおいて用いられる場合の「DSC」は、化合物のガラス転移温度を決定
するために用いられる装置である示差走査熱量計についての英語の頭字語である
【0049】 ここにおいて用いられる場合の「エラストマー」は、低応力下でその原長の少
なくとも2倍に延ばされ得そして該応力の即時解放でその近似的原長に勢いよく
戻るところの、ゴムのようなポリマー物質を指す。
【0050】 ここにおいて用いられる場合の「FOX」は、フッ素化オキセタンについての
英語の頭字語である。本発明の開示において用いられる場合、用語「FOX」は
、通常、数字により先行される。たとえば、3−FOX、7−FOX、等。この
数字表示は、FOXモノマーの3−炭素における単一フッ素化側鎖におけるフッ
素部の数を指摘する。
【0051】 ここにおいて用いられる場合の「GLC」は、気液クロマトグラフィーについ
ての英語の頭字語である。出発物質の純度および転化パーセントを決定するため
に分離技法として用いられる装置および方法。
【0052】 ここにおいて用いられる場合の「GPC」は、ゲル透過クロマトグラフィーに
ついての英語の頭字語である。分子量を決定するために用いられる装置および方
法。
【0053】 ここにおいて用いられる場合の「HMMO」は、アリールスルホネートオキセ
タンプレモノマーの生成の際の中間体である3−ヒドロキシメチル−3−メチル
オキセタンについての英語の頭字語である。
【0054】 ここにおいて用いられる場合の「FOX単独重合」は、FOXホモプレポリマ
ーを生成するべき、FOXモノマーとそれ自体との反応を指す。
【0055】 ここにおいて用いられる場合の「疎水性」は、物質が水に対する親和性を欠く
または水をはじくもしくは水を吸収しない程度を指す。
【0056】 ここにおいて用いられる場合の「ルイス酸」は、塩基から電子対を受容し得る
物質を指す。たとえば、AlCl3およびBF3は、ルイス酸である。
【0057】 ここにおいて用いられる場合の「モノ置換オキセタン」は、広範囲には、非ビ
ス置換オキセタン化合物を指す。一層特定的には、それは、オキセタン環の3−
炭素が1個のフッ素化側鎖のみで置換されそして他方の3−炭素側基は非フッ素
化部たとえばメチルまたはエチル基であるところの本発明のFOXモノマーおよ
びプレモノマー(たとえば、3−ハロメチル−3−メチルオキセタン)を指す。
【0058】 ここにおいて用いられる場合の「ビス置換オキセタン」は、広範囲には、非モ
ノ置換オキセタン化合物を指す。一層特定的には、それは、オキセタン環の3−
炭素が2個のフッ素化側鎖で置換されているところの本発明のFOXモノマーお
よびプレモノマー(たとえば、3,3−ビス−ハロメチルオキセタン)を指す。
2個のフッ素化側鎖が同じまたは異なり得ることに留意することが重要である。
【0059】 ここにおいて用いられる場合の「FOXモノマー」は、モノ置換もしくはビス
置換フッ素化オキセタンまたはFOXを指す。
【0060】 ここにおいて用いられる場合の「相間移動触媒」は、二相不均質反応混合物中
で反応を遂行または媒介する触媒を指す。
【0061】 ここにおいて用いられる場合の「FOXプレモノマー」は、フッ素化アルコキ
シドとの反応で本発明のFOXモノマーを生じるところの、3−ハロアルカン−
3−メチルオキセタン化合物または3,3−ビス−ハロアルカンオキセタン化合
物を指す。
【0062】 ここにおいて用いられる場合の「FOXプレポリマー」は、ポリイソシアネー
トとの反応でポリウレタンエラストマーを生じるところの、約1から約250個
のFOXまたはFOX/THFモノマー単位を含むヒドロキシ末端ポリエーテル
オリゴマーを指す。
【0063】 ここにおいて用いられる場合の「テトラヒドロフラン」は、商業的に入手でき
る5員環状エーテルを指し、しかしてTHFと略記される。
【0064】 ここにおいて用いられる場合の「TME」は、BrMMOプレモノマー合成用
の出発物質である1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタンについての英
語の頭字語である。
【0065】 特定の具体的態様の記載 A. 一般的概観 本発明は、フッ素化アルコキシメチレン側鎖を有するモノおよびビス置換オキ
セタンモノマー、これらのモノマーおよびテトラヒドロフラン(THF)から誘
導されたヒドロキシ末端プレポリマー、およびこれらのプレポリマーから生成さ
れたポリマー、並びに各々と関係した合成方法、およびモノマー、プレポリマー
および最終ポリマーの、直接的におよび数多くの組成物の成分としての両方にて
の使用に向けられる。
【0066】 かかるモノマー、ポリエーテルヒドロキシ末端プレポリマーおよびそれらの生
じる組成物は、とりわけ疎水性、低い表面エネルギー、低いガラス転移温度、低
い誘電率、高い耐摩耗性および引裂き強度、低い摩擦係数、高い付着性、および
低い屈折率を含めて、広く様々な有用な性質を示すところのポリウレタンエラス
トマー、熱硬化プラスチックおよび被膜の製造のために特に有用である。一層特
に、ポリマー中へのフッ素の組込みが生じるポリマーの性質を変え得る様式の例
は、下記に記載される。
【0067】 1. 熱安定性が増大され、それによりポリマーの上方使用温度は広げられそし
てこれらの物質が分解なしにより高い温度にて加工されることを可能にし、そし
てかくして他の炭化水素を基剤としたポリマーが用いられ得ない環境における使
用に適合するようにする。 2. 表面エネルギーが減少され、それによりポリマーの剥離特性を改善して、
接着テープ用裏材料として、離型被膜として、船体用汚れ剥離被膜として、等の
使用に適合するようにする。 3. 生じるポリマーの屈折率が低減され、それによりコンタクトレンズ、眼球
内レンズ、光学器械用被膜、光ファイバー用クラッド、等のような光学用途用に
有用であるようにする。 4. 摩擦係数が低減され、それにより被膜の減摩性を改善して、車両用密封材
、風防ワイパー、セールボート、飛行機用抗力低減被膜、等のような用途におい
て有用であるようにする。 5. 疎水性が増大され、それにより撥水性および防湿特性を改善してポリマー
を、電子装置を封入するために並びに防湿性のフィルムおよび被膜、耐雨水浸蝕
性被膜、防蝕被膜、等として有用であるようにする。 6. 疎油性が増大され、それによりポリマーを撥油性にそしてかくして衣料品
およびカーペット用の耐汚染性被膜として有用であるようにする。 7. 燃焼性が低減され、それによりたとえばポリマーで被覆された衣料品につ
いて、難燃性を改善する。 8. ポリマーの環境安定性が改善され、それによりポリマーを、紫外線および
湿気に曝される場合により安定であるようにする。
【0068】 上記の有益性の結果として、本発明のポリマーの主用途は、本発明のポリマー
の付着性がTEFLONTMより良好であり、表面エネルギーが比較的低く、施用が比較
的容易であり、並びに施用薄膜が可撓性であると共に良好な耐摩耗性および引裂
き強度を有し、それにより可撓性および硬質の両方の表面への施用を可能にする
ことの結果として、非粘着被膜用である。適当な用途の例は、特に低温における
(−40℃ないし−50℃くらいの低ガラス転移温度に因り)防汚被膜、氷剥離
被膜、可撓性光ファイバー用クラッド、開渠および送水路用の被膜またはライニ
ング、表面被膜、落書き防止用被膜、自動車用トップコート組成物(たとえば、
カーワックス)を包含するが、しかしそれらに限定されない。低い屈折率および
良好な酸素透過性は、プレポリマーから生成されたエラストマーのあるものの光
学的透明度と共同して、それらをコンタクトレンズおよび眼球内レンズ用に有用
であるようにする。無論、エラストマーについての他の用途は当業者に周知であ
り、そして本発明のエラストマーの改善された性質は更に一層広範囲の用途を可
能にする。
【0069】 対称的または非対称的のいずれかに置換されたビス置換されたものは、約10
から約500個の炭素一層好ましくは約20から約200個の炭素を有する非架
橋の非対称ヒドロキシ末端線状オリゴマーとして特徴づけられるホモまたはコプ
レポリマーすなわちFOXプレポリマーを生成させるために用いられる。これら
のプレポリマーは、それらが後続の重合反応(たとえば、ジイソシアネートまた
はポリイソシアネートとの反応)においてそれらの全体性を実質的に保持して生
じるポリマーの軟質セグメントブロック(重合中に形成された硬質ブロックと組
み合って良好なエラストマーを生成する)を与える点で、フッ素化エラストマー
の生成にとって決定的である。本発明以前には、エラストマーの生成に必要とさ
れる軟質セグメントを含有するプレポリマーを生成させるためのビス置換FOX
モノマーとモノ置換FOXモノマーまたは他の環状エーテルのいずれかとの共重
合は示されなかったけれども、本発明の方法は、ビス置換FOXモノマーをモノ
置換FOXモノマーおよび他の環状エーテルの両方と容易に重合させる。本発明
の方法の反応メカニズムは、モノおよびビス置換FOXモノマーおよび他の環状
エーテル(たとえば、THF)からプレポリマーを高収率にて生成させる。
【0070】 ビス置換/モノ置換FOXコモノマーでおよびFOX/THFコモノマーで構
成されたコプレポリマーはビス置換プレポリマーより少数のフッ素部を含有する
けれども、それらは驚くことに、2個のフッ素化側鎖を有するプレポリマーから
誘導されたポリマーと同様な表面エネルギーを有するポリマーを生成する。更に
、本発明のFOX/THFプレポリマーが本発明のFOXプレポリマーより少な
いフッ素を含有するとしても、FOX/THFプレポリマーから生成されたエラ
ストマーは驚くことに、FOXプレポリマーから生成されたエラストマーに匹敵
し得る表面および物理的性質を示す。
【0071】 加えて、望ましくない副生成物の形成を実質的に排除する重合方法が見出され
た。プレポリマー中における非官能性または一官能性物質の存在は、不良な機械
的および表面性質を有する被膜をもたらすことになる。従って、これらの被膜は
、限られた商業的価値を有する。非官能性物質、主として環状テトラマーおよび
トリマーが、開環重合中において鎖の「逆かみ合い(back-biting)」から形成
される。他方では、一官能性物質が、ジエチルエーテルおよびフッ化物でのイオ
ン停止のような対イオン停止に因り形成される。本発明の方法は、副生成物の生
成の欠如の点で独特である。本発明の方法を用いると、環状テトラマーおよび一
官能性プレポリマーの生成が実質的に排除される。
【0072】 B. モノマー 1. モノおよびビス置換FOXモノマーの製造 本発明のモノおよびビス置換フッ素化アルキルオキシ−3−メチルオキセタン
モノマーは、次の一般式
【0073】
【化29】
【0074】 を有する。上記の式において、nは、1ないし3であり、mは、1(モノ置換に
ついて)または2(ビス置換について)であり、Rは、メチルまたはエチルであ
り、そしてRfは、1から20個の炭素を有する線状もしくは分岐鎖状フッ素化
アルキルおよびイソアルキル、または4から約60個の炭素を有するオキサ過フ
ッ素化ポリエーテルである。
【0075】 本発明のFOXモノマーは、極性非プロトン性溶媒の存在下で、3−ヒドロキ
シメチル−3−メチルオキセタンのアリールスルホネート誘導体(アリールスル
ホネート−MO)、3,3−ヒドロキシメチルオキセタンのアリールスルホネー
ト誘導体(アリールスルホネート−BO)、またはモノ置換3−ハロアルキル−
3−メチルオキセタンもしくはビス置換3,3−(ハロアルキル)オキセタンと
、フッ素化アルコキシドとの反応により得られる。
【0076】
【化30】
【0077】 上記の式において、Rfは、1から20個の炭素を有する線状もしくは分岐鎖状
過フッ素化アルキルもしくはイソアルキル、または4から約60個の炭素を有す
るオキサ過フッ素化ポリエーテルであり、そしてX=Br、Cl、Iまたはアリ
ールスルホネートである。適当なRf基の例は、−CF3、−C25、−C37
よび−C715を包含するが、しかしそれらに限定されない。数字を持ったFO
X表示は、側鎖の末端ペルフルオロアルキル基中のフッ素原子の数により決定さ
れる、ということが留意される。
【0078】 ヒドロキシアルキルオキセタンのアリールスルホネート誘導体は、一般式
【0079】
【化31】
【0080】 を有する。上記の式において、mは、1(モノ置換について)または2(ビス置
換について)であり、Raは、C6からC10の炭素を有する単環状アリールたとえ
ばベンジル、トリル、キシリル、メシチル、または−CH3もしくは−CF3のよ
うなアルキルである。好ましいスルホネートは、トルエンスルホネート、たとえ
ば3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタン(HMMO)または3,3−ヒ
ドロキシメチルオキセタン(BHMO)のp−トルエンスルホネート誘導体であ
る。
【0081】 フッ素化アルコキシドは、ジメチルホルムアミドのような適当な溶媒中におけ
るフッ素化アルコールと水素化ナトリウムとの反応により得られる。すなわち、 Rf(CH2nOH + NaH → Rf(CH2n-Na+ + H2
【0082】 用いられ得るフッ素化アルコールは、一般式 Rf(CH2nOHを有する。上記の式において、nは、1ないし3であり
;そしてRfは、1から20個の炭素を有する線状もしくは分岐鎖状フッ素化ア
ルキルもしくはイソアルキル、または4から約60個の炭素を有するオキサ過フ
ッ素化ポリエーテルである。適当なフッ素化アルコールの例は、トリフルオロエ
タノール、ヘプタフルオロブタノール、ペンタデカフルオロオクタノール、トリ
デカフルオロオクタノール、等を包含するが、しかしそれらに限定されない。他
の有用なアルコールは、次の式 a)HO(CH2n(CF2x−F b)HOCH2CF2(OCF2CF2x−F
【0083】
【化32】
【0084】 d)RfSO2CH2CH2OHを有するフッ素化アルコールを包含する。上記
の式において、nは、1ないし約3であり、そしてxは、1ないし約20である
【0085】 水素化ナトリウムはこの反応についての好ましい塩基であるけれども、水素化
カリウム、カリウムt−ブトキシド、水素化カルシウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、NaNH2、n−ブチルリチウムおよびリチウムジイソプロピル
アミドのような他の塩基もまた用いられ得る。更に、これらのアルコールからの
アルコキシドの形成についての好ましい溶媒はジメチルホルムアミド(DMF)
であるけれども、ジメチルアセトアミド、DMSOおよびヘキサメチレンホスホ
ルアミド(HMPA)のような他の溶媒もまた用いられ得る。
【0086】 置換反応は、約25℃から約150℃の範囲の温度にて一層好ましくは約75
℃から約85℃の範囲の温度にて行われ得る。比較的低い温度においては、置換
速度はかなり低下され、そしてかくして商業的スケールアップについてかろうじ
て有用であるにすぎない。比較的高い温度すなわち120℃より大においては、
置換速度は極めて速い。しかしながら、これらの比較的高い温度においては、加
水分解反応のような他の副反応が優勢である。かくして、好ましい反応温度は、
120℃未満である。
【0087】 モノ置換FOXモノマーは、有利には、プレモノマー3−ブロモメチル−3−
メチルオキセタン(「BrMMO」)から誘導され得る、ということが留意され
る。BrMMOの製造、並びにモノ置換FOXモノマーを製造するためのこのプ
レモノマーの使用は、1997年8月5日にMalik等に発せられた米国特許第5
,654,450号に開示されており、しかしてその教示は参照によりここに合
体される。
【0088】 2. FOXモノマーの合成のための好ましい方法 FOXモノマーを高収率にて製造するための好ましい方法が見出され、しかし
て該方法は、有機溶媒およびNaHのような強塩基の使用を排除する。有機溶媒
の排除は、危険廃物の発生および揮発性有機化合物の放出を減らす。プロセス工
程は、次のとおりである。すなわち、
【0089】
【化33】
【0090】 上記の反応スキームにおいて、Rfは、1から20個の炭素を有する線状もし
くは分岐鎖状過フッ素化アルキルもしくはイソアルキル、または4から約60個
の炭素を有するオキサ過フッ素化ポリエーテルであり、そしてX=Br、Clま
たはIである。
【0091】 この方法において、3−ハロアルキル−3−メチルオキセタン(モノ置換FO
Xモノマーについて)または3,3−(ハロアルキル)オキセタン(ビス置換F
OXモノマーについて)、フルオロアルコール、水酸化ナトリウムまたは水酸化
カリウムのような塩基、および相間移動触媒の混合物が、水性媒質中で約80℃
ないし約85℃の温度にて、GLC分析により出発物質の完全な消費が明らかに
されるまで加熱される。反応が完了すると、生成物は、有機相の分離および蒸留
により回収される。有機相は、FOXモノマーのほとんどを含有する。回収FO
Xモノマーは、ポリマー等級であり、そして通常99%を越える純度を有する。
単離収率は、高くそして精製FOXモノマーについて約80%から約90%の範
囲にある。分離および精製の前の収率は、粗生成物について90%を越える。
【0092】 様々な塩基が、上記の方法において用いられ得る。適当な塩基の例は、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化
テトラブチルアンモニウム、等を包含するが、しかしそれらに限定されない。現
在のところ好ましい具体的態様において、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウ
ムが用いられ、何故ならそれらは容易に多量に入手できかつ比較的安価であるか
らである。
【0093】 相間移動触媒は、有機相に一層可溶になるように対イオンを移動させることに
より機能する。様々な相間移動触媒が、この方法において用いられ得る。適当な
相間移動触媒の例は、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモ
ニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、臭化セチルトリブチルアンモニウム
、クラウンエーテル、グリコール、等を包含するが、しかしそれらに限定されな
い。好ましい具体的態様において、臭化テトラブチルアンモニウムが、その比較
的低いコスト並びに有機および水性の両方の媒質中における良好な溶解性に因り
、用いられる相間移動触媒である。
【0094】 上記の反応は、50℃くらいの低いおよび120℃くらいの高い温度にて行わ
れ得る。しかしながら、低い温度においては、置換速度は低下され、そして加水
分解のような競争的副反応が優勢になり始める。比較的高い温度においては、置
換速度は極めて速く、圧力を扱い得る特殊装置を必要とし、それにより該方法を
商業的スケールアップについて不経済かつ魅力のないものにする。
【0095】 C. プレポリマー 本発明は、次のタイプのプレポリマーを提供する。すなわち、プレポリマーが
非対称ビス置換FOXモノマーのみから構築されているホモプレポリマー;プレ
ポリマーが対称ビス置換FOXモノマーと非対称ビス置換FOXモノマーとの混
合物から構築されているコプレポリマー;プレポリマーがビス置換FOXモノマ
ー(対称置換、非対称置換またはそれらの混合物のいずれか)とモノ置換FOX
モノマー(またはそれらの混合物)との混合物から構築されているコプレポリマ
ー;プレポリマーがビス置換FOXモノマー(対称置換、非対称置換またはそれ
らの混合物のいずれか)とテトラヒドロフラン(THF)との混合物から構築さ
れているコプレポリマー;プレポリマーがビス置換FOXモノマー(対称置換、
非対称置換またはそれらの混合物のいずれか)とモノ置換FOXモノマー(また
はそれらの混合物)とTHFとの混合物から構築されているコプレポリマー。
【0096】 ヒドロキシ末端FOXプレポリマーの主用途の一つは、疎水性で非粘着性の低
摩擦物質の開発にある。これらの物質の製造における最も重要な基準は、該物質
の湿潤性の尺度でありそしてその疎水性および付着特性のような臨界性質を定め
るところの表面エネルギーの最小化である。
【0097】 低表面エネルギーを有する物質を製造するために、フルオロアルキル基が側鎖
中に存在すること、並びにフルオロアルキル基の末端炭素が過フッ素化されてい
ることが決定的である。ポリマー主鎖においてよりむしろ側鎖においてフッ素を
有することの重要性は、フッ素化ポリアクリレートとポリテトラフルオロエチレ
ン(TEFLONTM)の表面エネルギーを比較することにより実証される。ポリマー主
鎖においてフッ素を含有するTEFLONTMの表面エネルギーは、18.5erg/c
2である。比較すると、側鎖においてフッ素を含有するポリフルオロアクリレ
ートの表面エネルギーは、10〜12erg/cm2の間にある。また、末端炭
素において水素またはハロゲン(すなわち、Cl、Br、I、等)を含有するフ
ルオロアルキル基は、−CF3基を有するものよりかなり高い表面エネルギーを
有する。典型的有機物質の表面構造に対する表面エネルギーの依存性が、第1表
に例示されている。
【0098】
【表1】
【0099】 TEFLONTMにおけるような主鎖においてよりむしろ側鎖にフッ素を配置すること
は表面減摩性を改善し、そして生じるプレポリマー/エラストマーはまさに主鎖
においてフッ素を有するポリマーより低い表面エネルギーを示す、ということが
今般見出された。しかしながら、側鎖においてフッ素を有することと主鎖におい
てフッ素を有することの間において妥協がある。一層特に、減摩性の増大はフッ
素化側鎖を組み込むことにより達成されるけれども、たとえばTEFLONTMにおいて
ように、主鎖においてのみフッ素を有するポリマーに比べて熱安定性の低減があ
る。
【0100】 1.ヒドロキシ末端FOXホモおよびコプレポリマー 上記に論じられたように、本発明は、次のタイプのヒドロキシ末端FOXホモ
およびコプレポリマーを提供する。すなわち、プレポリマーが非対称ビス置換F
OXモノマーのみから構築されているホモプレポリマー;プレポリマーが対称ビ
ス置換FOXモノマーと非対称ビス置換FOXモノマーとの混合物から構築され
ているコプレポリマー;並びにプレポリマーがビス置換FOXモノマー(対称置
換、非対称置換またはそれらの混合物のいずれか)とモノ置換FOXモノマー(
またはそれらの混合物)との混合物から構築されているコプレポリマー。かくし
て、一つの具体的態様において、プレポリマーは、次の一般式
【0101】
【化34】
【0102】 を有するモノマー単位を含む。上記の式において、各nは、独立的に選択されそ
して1ないし3であり;Rf 1およびRf 2は、独立的に、線状過フッ素化アルキル
、線状過フッ素化イソアルキル、分岐鎖状過フッ素化アルキル、分岐状過フッ素
化イソアルキル(過フッ素化アルキルおよびイソアルキルは1から約20個の炭
素原子を有する)および4から約60個の炭素原子を有するオキサ過フッ素化ポ
リエーテルから成る群から選択され;そしてxは、1ないし約250一層好まし
くは2ないし約100である。Rf 1およびRf 2は、それらが異なるように選択さ
れる、ということが留意される。
【0103】 別の具体的態様において、プレポリマーは、次の一般式
【0104】
【化35】
【0105】 を有するモノマー単位の混合物を含む。上記の式において、各nは、独立的に選
択されそして1ないし3であり;Rは、メチルおよびエチルから成る群から選択
され;そしてRf 1、Rf 2およびRf 3は、独立的に、線状フッ素化アルキル、線状
フッ素化イソアルキル、分岐鎖状フッ素化アルキル、分岐状フッ素化イソアルキ
ル(フッ素化アルキルおよびイソアルキルは1から20個の炭素原子を有する)
および4から約60個の炭素原子を有するオキサ過フッ素化ポリエーテルから成
る群から選択され;xは、1ないし約250一層好ましくは2ないし約100で
あり;そしてyは、1ないし約250一層好ましくは2ないし約100である。
【0106】 ヒドロキシ末端FOXホモおよびコプレポリマーを提供することに加えて、本
発明は、FOXホモおよびコプレポリマーを製造する方法を提供する。一般に、
FOXホモおよびコプレポリマーを製造する方法は、次の工程すなわち 1)反応器に触媒、開始剤および溶媒を装填し、 2)適切な有機溶媒中のFOXモノマーの溶液を−20℃と+60℃の間の温
度にて添加し、 3)該FOXモノマーを該触媒/開始剤溶液と反応させ、 4)この反応をクエンチし、そして 5)FOXプレポリマーをメタノール中における沈殿により分離する工程を含
む。
【0107】 重合反応は、単独重合であり得、あるいは2種またはそれ以上の上記のオキセ
タンモノマーの混合物が重合帯域に添加される共重合であり得る。特に有用な共
重合は、制御されたブロックサイズおよび性質を有するブロックコポリマーを得
るためにコモノマーが順次に選択割合にて添加されるブロック重合である。
【0108】 本発明によれば、溶液重合は、約5%ないし約85%の固形分濃度にて一層好
ましくは約50ないし約60%の固形分濃度にて行われ得る。重合反応は、適当
な不活性溶媒好ましくはハロゲン化C1〜C5炭化水素の存在下で行われる。適当
な溶媒の例は、メチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエ
チレン、クロロベンゼン、エチルブロマイド、ジクロロエタン、フッ素化溶媒、
等を包含するが、しかしそれらに限定されない。好ましい具体的態様において、
メチレンクロライドまたはメチレンクロライドとFreonTMの混合物が用いられる
。二酸化硫黄、ヘキサン、石油エーテル、トルエン、ジオキサンおよびキシレン
のような他の溶媒もまた用いられ得る。
【0109】 FOXモノマーは、ルイス酸触媒すなわち電子対を受容することの可能な化合
物および重合開始剤の存在下で容易に重合する。適当なルイス酸触媒は、三フッ
化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、塩化亜鉛、臭化アルミニウム、
等の錯体を包含するが、しかしそれらに限定されない。好ましい具体的態様にお
いて、ルイス酸触媒は、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラナートすなわちBF3
・THF錯体である。重合開始剤は、好ましくは、ポリヒドロキシ脂肪族化合物
である。適当な重合開始剤の例は、約2から約5個の炭素原子および約2から約
4個のヒドロキシルを有するアルキルおよびイソアルキルポリオールを包含する
が、しかしそれらに限定されない。かかる化合物は、たとえば、エチレングリコ
ール、ブタン−1,4−ジオール、プロピレングリコール、イソブタン−1,3
−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ペンタエリトリトール、トリメチロ
ールプロパン、等を包含する。現在のところ好ましい具体的態様において、ブタ
ン−1,4−ジオールが、用いられる重合開始剤である。
【0110】 触媒および開始剤は、好ましくは、FOXモノマーの添加に先立って溶媒中に
おいて約5ないし約10分間混合される。触媒対開始剤の比率は、約1:1から
約1:5mol/mol一層好ましくは約1:1から約1:2mol/molの
範囲にあり得る。触媒、開始剤および溶媒の好ましい系の例は、BF3・THF
、ブタン−1,4−ジオールおよびメチレンクロライドである。モノマー対触媒
の比率は、約5:1mol/molから約300:1mol/mol一層好まし
くは約10:1mol/molから約50:1mol/molの範囲にある。
【0111】 典型的例において、触媒および開始剤は、FOXモノマーの添加に先立って溶
媒中において混合される。オキセタンモノマーは比較的高い歪みエネルギーを有
しそして発熱的開環重合を受けるので、FOXモノマーは、反応温度を制御する
ためにおよび暴走反応を避けるために、ある時間をかけてゆっくり添加される。
反応の進行は1H−NMRにより監視され、そしてFOXモノマーの約95%よ
り多くが消費された時、反応は水でクエンチされる。プレポリマーは、たとえば
メタノール中における沈殿により、精製される。
【0112】 プレポリマーの分子量は、モノマー/開始剤比率を変動することにより制御さ
れ得る。一般に、より低いモノマー/開始剤比率は、より低分子量のプレポリマ
ーの形成に有利である。モノマー対開始剤の比率は、約5:1mol/molか
ら約300:1mol/mol一層好ましくは約10:1mol/molから約
100:1mol/mol一層好ましくは約5:1mol/molからの範囲に
あり得る。
【0113】 反応温度は、約−20℃から約+60℃にて変動され得る。好ましい具体的態
様において、反応温度は約+5℃である。比較的高い温度においては、一官能性
物質主として−CH2F末端物質の形成が観察される。一官能性物質は、連鎖停
止剤として作用し得、それにより最終ポリマーの分子量を制限し並びに多分散性
を増大する。このことは、次いで不良な機械的および物理的性質を有するポリマ
ーをもたらすことになり得る。
【0114】 環状オリゴマーが、通常、ポリエーテルプレポリマーの合成において副生成物
として形成される。かかる物質は非官能性であり、そしてかくして該プレポリマ
ーの有用性を減じる。更に、これらの物質は、ポリマーマトリックスから浸出し
得、それにより該ポリマーの表面および機械的性質に劇的に影響を及ぼす。FO
Xモノマーの単独重合により製造されたプレポリマーは、おおよそ2〜7%の環
状テトラマーを含有する。
【0115】 しかしながら、環状オリゴマーの形成は、用いられる触媒の選択により幾分制
御され得る。たとえば、BF3・エーテラート触媒は、約10%ないし15%の
一官能性物質および約6%ないし7%の環状テトラマー副生成物をもたらすこと
になる。対照的に、本発明の方法において用いられる好ましい触媒であるBF3
・THFは、7%未満の環状テトラマー副生成物をもたらすことになり、また一
官能性物質の形成を排除する。このことは、次いでプレポリマーの官能性を増大
し、そして優秀な機械的、表面および物理的性質を有するポリマーに通じる。
【0116】 FOXモノマーの重合はカチオン開環反応により起こり、しかしてそれについ
てのあり得るメカニズムが図1に示されている。重合は開始剤により供与される
プロトンにより開始され、そしてプロトン化オキセタン環が他のオキセタンとの
伝搬反応を受けてポリマー鎖を発生する。成長ポリマー鎖は次いでアルコールま
たは水のいずれかで停止されて、本発明のヒドロキシ末端ポリエーテルプレポリ
マーを与える。本発明のプレポリマーはアルコールおよび水の両方での停止から
生じるプレポリマーの混合物である、ということが留意されるべきである。
【0117】 本発明のプレポリマーは、加工するのが容易であるアモルファスの低粘性油で
ある。プレポリマーの固有粘度は、0.05dL/gと0.08dL/gの間に
ある。ゲル透過クロマトグラフィーにより決定される場合のプレポリマーの数平
均分子量は、1,000と30,000の間にある。分子分布の広がりすなわち
「Q」の尺度である多分散性は、非常に低く、すなわち5未満くらい典型的には
1.1〜2.0の間にある。プレポリマーは、単モード分子量分布を示し、そし
て典型的には約2〜7%の環状テトラマーを含有するにすぎない。
【0118】 本発明において報告された分子量は、十分に特性決定されたポリスチレン標準
品に関して表されている、ということが留意されるべきである。プレポリマーの
当量は、1H−NMRを用いるTFAA末端基分析により決定され、そして2,
500と9,000の間にあった。DSC分析により決定される場合のプレポリ
マーのガラス転移温度(Tg)は、−38℃と−45℃の間にあった。
【0119】 本発明のホモおよびコプレポリマーの構造分析は、1H−、13C−および19
−NMR分光法でもって行われた。1H−NMR分析により、トリメチレンオキ
シドに基づくポリエーテル主鎖の存在が明らかにされた。1H−NMRはまた、
BF3・エーテラートが触媒として用いられる場合、−CH2Fおよび−OCH2
CH3末端基を有する一官能性物質の実質量が形成されることを指摘した。しか
しながら、BF3・THFが触媒として用いられる場合、一官能性物質の形成は
観察されない。1H−NMRはまた、コプレポリマー中のモノマーの比率および
末端基の同定を確定するために用いられた。19F−NMR分析により、フルオロ
アルキル側鎖の存在並びに−CH2F末端基を有する物質および他の不純物(フ
レオン、HFおよびBF3触媒のような)の不存在が確認された。
【0120】 本発明のプレポリマーは、潤滑剤としてまたは様々な用途用の添加剤として用
いられ得る油である。たとえば、これらの物質は、撥水性および剥離特性を付与
するために、化粧品中の添加剤として用いられ得る。加えて、これらの物質は、
エンジンの摩耗を減じおよび性能を改善するために、エンジン油中の添加剤とし
て用いられ得る。しかしながら、主用途は、フッ素化ポリマーの製造にあり、し
かして該フッ素化ポリマーは次いでカーワックスから医療および歯科用途用材料
(補装具およびカテーテルライニングのような)にわたる多様な用途用に用いら
れ得る。
【0121】 2. ヒドロキシ末端FOX/THFコプレポリマー 別の具体的態様において、本発明は、ヒドロキシ末端FOX/THFコプレポ
リマーを提供する。本発明のフッ素化オキセタンは、THFと共重合されて非常
に独特のかつ予期されない特性を有するFOX/THFコプレポリマーをもたら
し得る、ということが見出された。かかるコプレポリマーは、フッ素含有のヒド
ロキシ末端ポリエーテルプレポリマーの新しいクラスであり、しかしてポリイソ
シアネートで硬化される場合、低いガラス転移温度および低い表面エネルギーに
より特徴づけられる強靱なポリウレタンエラストマーをもたらす。更に、これら
のエラストマーは被膜中に組み込まれ得、しかして該被膜は高い耐摩耗性および
低い摩擦係数を示す。これらの性質の組合わせは、これらのフッ素化コプレポリ
マーから誘導されたポリマーを様々な用途にとって極めて魅力的にし、しかして
該用途は、防汚(すなわち、汚れ剥離)被膜;氷剥離被膜;耐腐蝕性被膜、自動
車用トップコート(たとえば、カーワックス)、風防ワイパー;ベルトストリッ
プ;様々な家庭用品;密封材およびガスケット;電子装置用封入材;耐油・耐汚
性被膜;および数多くの医療/歯科用途を包含するが、しかしそれらに限定され
ない。
【0122】 テトラヒドロフラン(THF)は、商業的に入手できそしてカチオン性触媒で
重合または共重合するがしかしアニオン性触媒ではしないと知られているところ
の、5員環状エーテルである。THFを環状エーテル特にオキセタンと共重合す
る試みは予測され得ない。重合は起こるが、しかし生成物はしばしばランダムコ
ポリマーでない。THFとオキセタンの間の開環重合可能性の非常な相違に因り
、生成物はランダムコポリマーよりむしろブロックコポリマーであることがより
ありそうである。ポリ(THF)(PTHF)は、約50℃にて溶融する半結晶
質ポリマーであり、そしてウレタンエラストマーにおいて軟質セグメントとして
用いられる場合、低温にて結晶化しそうであり、それにより不良な可撓性、伸び
後の不完全なまたはわずかな回復、不良なモジュラス、等のような物理的性質に
ついて問題を起こす。ブロックまたは非ランダムコポリマーにおいて、同様な問
題が起こり得、何故ならTHFブロックは結晶化しそして半結晶質ポリマーを形
成し得るからである。
【0123】 本発明のFOX/THFランダムコプレポリマーにおいて、THFおよびオキ
セタンセグメントは、ポリマー主鎖に沿って多かれ少なかれランダムに離隔され
、それによりアモルファスの油である生成物に通じる。本発明のFOX/THF
コプレポリマーの多かれ少なかれランダムの特質は、主鎖の立体規則性をまたは
秩序および次いで結晶化度に役立ついかなる他の形態の規則性をも防ぐ。結晶化
度において低い好ましくはアモルファスであるヒドロキシ末端ポリエーテルプレ
ポリマーは、ウレタンエラストマーについての軟質セグメントとして特に適する
【0124】 本発明において、FOXモノマー(ビス置換FOXモノマーまたはビス置換お
よびモノ置換FOXモノマーの混合物のいずれか)は、テトラヒドロフランと共
重合されてFOX/THFコプレポリマーを与え得る。FOXモノマーとTHF
との共重合は、比較的高価なFOXモノマーのより少量を用いることによりフッ
素化プレポリマーのコストを減じるのみならず、優れた性質を有するプレポリマ
ーをももたらす。本発明のコプレポリマーは、ランダムコポリマーであり、そし
てウレタンエラストマーについての軟質セグメントとして理想的である。更に、
これらのFOX/THFコプレポリマーは、加工するのが容易であるアモルファ
スの油である。また、共反応体としてのTHFの使用は、重合が塊状にて行われ
ることを可能にし、そしてFreonTMのようなオゾン枯渇性溶媒の使用を排除する
【0125】 一つの具体的態様において、FOX/THFコプレポリマーは、次の一般式
【0126】
【化36】
【0127】 を有するモノマー単位の混合物を含む。上記の式において、nは、独立的に選択
されそして1ないし3であり;Rf 1およびRf 2は、独立的に、1〜20個の炭素
を有する線状過フッ素化アルキル基、1〜20個の炭素を有する分岐状過フッ素
化アルキル基および約4〜60個の炭素を有するオキサ過フッ素化ポリエーテル
から成る群から選択され;xは、1ないし約250一層好ましくは2ないし約1
00であり;そしてzは、1ないし約250一層好ましくは1ないし約100で
ある。典型的には、FOX/THFコプレポリマーの分子量(Mn)は約2,0
00から約50,000一層好ましくは約2,000から約15,000の範囲
にあり、そしてTgは約−20℃未満である。
【0128】 別の具体的態様において、本発明のFOX/THFコプレポリマーは、次の一
般式
【0129】
【化37】
【0130】 を有するモノマー単位の混合物を含む。上記の式において、各nは、独立的に選
択されそして1ないし3であり;Rは、メチルおよびエチルから成る群から選択
され;Rf 1、Rf 2およびRf 3は、独立的に、1〜20個の炭素を有する線状過フ
ッ素化アルキル基、1〜20個の炭素を有する分岐状過フッ素化アルキル基およ
び約4〜60個の炭素を有するオキサ過フッ素化ポリエーテルから成る群から選
択され;xは、1ないし約250一層好ましくは2ないし約100であり;yは
、約1ないし約250一層好ましくは2ないし約100であり;そしてzは、1
ないし約250一層好ましくは1ないし約100である。典型的には、FOX/
THFコプレポリマーの分子量(Mn)は約2,000から約50,000一層
好ましくは約2,000から約15,000の範囲にあり、そしてTgは約−2
0℃未満である。
【0131】 予期せぬことに、本発明の生じるコプレポリマーは、多かれ少なかれランダム
である。コプレポリマーの多かれ少なかれランダムの配列は、非対称FOXセグ
メントの存在と共同して、加工および生成物の商業的施用を有意的に容易にする
低粘性油をもたらすことになる。更に、硬化ポリマーとしてのFOX/THFコ
プレポリマーの表面エネルギーは、ポリテトラフルオロエチレン(TEFLONTM)の
それより低い。この比較的低い表面エネルギーは、ポリマーの主鎖においてより
むしろポリマーの側鎖におけるフッ素の存在に因ると考えられる。FOX/TH
Fコプレポリマー中のフッ素の量はTHFセグメントの導入により減少されたと
しても、FOX/THFコポリマーが約65%までのTHFを含有する場合、表
面エネルギーの有意的減少は、モノ置換FOXモノマーから製造されたエラスト
マーに比べて、ポリウレタンエラストマーにおいて観察されない、ということが
これまでに決定されている。
【0132】 コプレポリマー配列のランダム性は、全く予期されず、そして下記に概略され
る新規な反応条件でもって達成される。多かれ少なかれランダムであることが、
アモルファスの低粘性油をもたらすことになる。結晶質プレポリマーに対する液
状プレポリマーの有益性は、たとえば、より容易な加工および反応体(たとえば
、ジイソシアネート、架橋剤、連鎖延長剤、等)との混合を包含する。
【0133】 かくして、別の具体的態様において、本発明は、FOX/THFコプレポリマ
ーを製造する半回分方法を提供する。一般に、本発明のFOX/THFコプレポ
リマーを製造する該方法は、次の工程すなわち 1)THFを適切な有機溶媒中に予備混合し、しかもTHFおよび溶媒の温度
は約−20℃と約+60℃の間にあり、 2)触媒を添加し、 3)開始剤を添加し、 4)制御速度にてFOXモノマーを添加し、しかもFOXモノマーの温度は約
−20℃と約+60℃の間にあり、 5)反応をクエンチし、そして 6)FOX/THFプレポリマーをメタノール中における沈殿により分離する
工程を含む。
【0134】 重要なことに、FOX対THFのコポリマー比が約60:40mol/mol
から約35:65mol/molの範囲にある場合、有機溶媒は必要とされず、
そしてプレポリマーは純THFへのFOXの添加により製造され得る。溶媒の不
存在は、貯蔵、取扱いおよび危険物質の廃棄に関連した環境上のコスト、並びに
より低い製造コストおよび高められた公共的認知(すなわち、「グリーン(環境
保護)」製品)に関して、製造者に有意的利点を与える。更に、炭化水素セグメ
ントすなわちTHFセグメントの存在は、炭化水素中におけるFOX/THFコ
プレポリマーの溶解性を改善する。
【0135】 溶液重合は、約5%から約85%一層好ましくは約50%から約60%の固形
分の範囲の固形分濃度にて行われ得る。共重合は、メチレンクロライド、FreonT M 113もしくはそれらの混合物のような不活性溶媒中または純THF中のいず
れかにて行われる。この方法において用いるのに適した他の溶媒は、四塩化炭素
、クロロホルム、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、エチルブロマイド、ジ
クロロエタン、フッ素化溶媒、二酸化硫黄、ヘキサン、石油エーテル、トルエン
、トリフルオロトルエン、トリフルオロクロロトルエン、ジオキサン、キシレン
、等を包含するが、しかしそれらに限定されない。好ましい具体的態様において
、溶媒は、メチレンクロライドまたはメチレンクロライドとFreonTMの混合物で
ある。FOX/THFコポリマーが溶媒の不存在下で製造され得ることは、全規
模生産にかんがみて有益であり、何故なら環境規制は溶媒特にハロゲン化溶媒の
大気中への放出を高度に制限するからである。
【0136】 触媒および開始剤は、FOXモノマーの単独または共重合において用いられる
ものと同様である。適当な触媒は、ルイス酸すなわち電子対を受容することの可
能な化合物である。ルイス酸の例は、三フッ化ホウ素、五フッ化リン、SnCl 4 、五フッ化アンチモン、等の錯体を包含するが、しかしそれらに限定されない
。適当な開始剤は、水並びに2ないし5個の炭素および1ないし4個のヒドロキ
シ基を含有する脂肪族アルコールを包含する。適当な脂肪族アルコールは、トリ
フルオロエタノール、メタノール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリトリトール、等を包含するが、しかしそれらに限定されない
【0137】 典型的例において、触媒および開始剤は、モノマーの添加に先立って溶媒中に
おいて混合される。THFは、低い歪みエネルギーを有する5員環状エーテルで
あり、そして用いられる温度およびモノマー濃度の反応条件下で容易には単独重
合しない。かくして、THFは、反応混合物に一度に添加され得る。一方、オキ
セタンモノマーは、比較的高い歪みエネルギーを有しそして発熱的開環重合を受
ける。かくして、FOXモノマーは、反応温度を制御するためにおよび暴走反応
を避けるために、ある時間をかけてゆっくり添加される。反応の進行は1H−N
MRにより監視され、そしてFOXモノマーの95%より多くが消費された時、
反応は水でクエンチされる。プレポリマーは、たとえばメタノール中における沈
殿により、精製される。
【0138】 先に記載されたように、FOX/THFコプレポリマーの分子量は、モノマー
/開始剤比率を変動することにより制御され得る。一般に、より低いモノマー/
開始剤比率は、より低分子量のコプレポリマーの形成に有利である。モノマー対
開始剤の比率は、約5:1mol/molから約300:1mol/molの範
囲にあり得る。現在のところ好ましい具体的態様において、用いられるモノマー
対開始剤の比率は、約5:1mol/molないし100:1mol/molで
ある。温度は、約−20℃から+60℃の範囲にあり得、しかして現在のところ
好ましい温度は約+5℃である。比較的高い温度においては、一官能性物質主と
して−CH2F末端物質の形成が観察される。反応が約+5℃にて行われる場合
、非反応性であり並びにプレポリマーの官能性を低減し(一官能性生成物の形成
により)そして不良な機械的性質を有するポリウレタンに通じるところの−CH 2 F末端基の形成は、排除される。
【0139】 FOXホモおよびコプレポリマーとは対照的に、多量の環状オリゴマーの形成
は、FOXモノマーと10モル%より多いTHFとの共重合において観察されな
い。成長ポリマー鎖中へのTHFの組込みは、該ポリマー鎖における酸素原子間
の炭素原子の数を変え、そして該鎖が逆かみ合いして熱力学的に安定な16員環
状エーテルを形成するのを可能にしない、と仮定される。この結果は、候補被膜
からのいかなる化学物質の排出も受容され得ないところの被膜の開発において特
に重要である。
【0140】 本発明のFOX/THFコプレポリマーは、加工するのが容易であるアモルフ
ァスの低粘性油である。FOX/THFコプレポリマーは、FOXホモプレポリ
マーよりわずかにより粘稠である。FOX/THFコプレポリマーの1H−NM
R分析は、両方のモノマーがコプレポリマー中に組み込まれること、並びにTH
Fセグメントが主として2個のFOXセグメントの間に存在しそして末端基とし
て存在しないことを指摘する。
【0141】 コプレポリマー中の2種のモノマーの比率は、THF(約1.6ppm)およ
びFOXモノマーセグメントに相当するピークの下の面積を比較することにより
確定される。1H−NMR分析もまた、FOX/THFコポリマーが一官能性物
質(−CH2F末端)または他の不純物で汚染されていないことを指摘する。フ
ルオロアルキル側鎖を担持する炭素に相当する13C−NMRの第4級炭素領域に
おける多重ピークの存在は、上記のプレポリマーがほぼランダムのコポリマーで
あってブロック構造をあるとしてもわずかしか有さないことを明らかにする。19 F−NMR分析により、フルオロアルキル側鎖の存在並びに−CH2F末端基、
HFおよびBF3触媒の不存在が確認される。これらの物質が、不良な可撓性を
有する物質に通じ得るところの、結晶化するのに十分に長いTHFブロック配列
を含有しない、ということに留意することが重要である。
【0142】 GPCにより決定される場合のFOX/THFコプレポリマーの数平均分子量
は10,000と14,000の間にあり、一方Mw/Mnは1.1と2.5の間
にあった。コプレポリマーは、単モード分子量分布を示し、そして典型的には環
状オリゴマー不含である。ビス置換FOXモノマーとTHFモノマーの間におけ
るランダムコポリマーの形成は予期されない、ということが留意されるべきであ
る。
【0143】 上記に記載されたコプレポリマーは、潤滑剤としてまたは様々な用途用の添加
剤として用いられ得る油である。たとえば、コプレポリマーは、商業用エンジン
油の性能を改善する添加剤としてまたは工業装置用の潤滑剤として用いられ得る
。しかしながら、FOX/THFコプレポリマーの主用途は、ここにおいて記載
されたようなフッ素化ポリエーテルウレタンエラストマーの開発にある。
【0144】 D. ポリマー 本発明のヒドロキシ末端プレポリマーは、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ
カーボネート、ポリアクリレート、等のような様々なポリマーの合成のために用
いられ得る。加えて、本発明のFOXプレポリマーは、新規なフッ素化エラスト
マー、熱硬化物質および熱可塑物質を合成するために用いられ得る。
【0145】 1. FOXホモ/コプレポリマーからのポリウレタン フッ素化ポリウレタンエラストマーの製造は、本発明のFOXプレポリマーか
ら始まる。先に記載されたように、これらのプレポリマーは、加工するのが容易
であるアモルファスの低粘性油である。更に、これらの物質は、二官能性であり
、またイソシアネートと容易に反応して高分子量ポリウレタンエラストマーを形
成する末端第1級ヒドロキシ基を有する。典型的には、プレポリマーは触媒およ
び架橋剤の存在下で当量のポリイソシアネートと反応されて、三次元ポリマー網
状構造を形成する。この方法は、成分を混合し、それらを型に流し込み、脱ガス
しそしてこの混合物を高められた温度にて硬化することを含む。その代わりに、
FOXプレポリマーは過剰のジイソシアネートと反応され、そして生じたイソシ
アネートキャップドプレポリマーが架橋剤と反応されて熱硬化物質を形成する。
所望される場合、イソシアネートキャップドプレポリマーは、低分子量のジオー
ルまたはジアミンすなわち連鎖延長剤と反応されて線状熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマーを形成し得る。
【0146】 一つの具体的態様において、本発明のフッ素含有熱可塑性ポリウレタンエラス
トマーは、次の一般式
【0147】
【化38】
【0148】 を有するモノマー単位の混合物を含む。上記の式において、nは、独立的に選択
されそして1ないし3であり;Rf 1およびRf 2は、独立的に、1〜20個の炭素
原子を有する線状および分岐状過フッ素化アルキル、および約4〜20個の炭素
原子を有するオキサ過フッ素化ポリエーテルから成る群から選択され;R1は、
二価ヒドロカルビル基であり;xは、1ないし約250一層好ましくは2ないし
約100であり;そしてwは、1ないし約50一層好ましくは1ないし約5であ
る。Rf 1およびRf 2はそれらが異なるように選択される、ということが留意され
る。適当な二価ヒドロカルビル基の例は、次の構造
【0149】
【化39】
【0150】 を包含するが、しかしそれらに限定されない。
【0151】 別の具体的態様において、本発明のフッ素含有熱可塑性ポリウレタンエラスト
マーは、次の一般式
【0152】
【化40】
【0153】 を有するモノマー単位の混合物を含む。上記の式において、nは、独立的に選択
されそして1ないし3であり;Rは、メチルおよびエチルから成る群から選択さ
れ;Rf 1、Rf 2およびRf 3は、独立的に、1〜20個の炭素原子を有する線状お
よび分岐状過フッ素化アルキル、および約4〜20個の炭素原子を有するオキサ
過フッ素化ポリエーテルから成る群から選択され;R1は、二価ヒドロカルビル
基であり;xは、1ないし約250一層好ましくは2ないし約100であり;y
は、1ないし約250一層好ましくは2ないし約100であり;そしてwは、1
ないし約50一層好ましくは1ないし約5である。
【0154】 生じたポリウレタンは、粘着力がなく、不透明でかつ一般に有機溶媒に不溶で
あり、また約−40℃と約−47℃の間のガラス転移温度を有する。蒸留水につ
いて110°と145°の間の接触角測定値並びに13.8〜15.2erg/
cm2の表面エネルギー測定値は、本発明のエラストマーの表面湿潤性および非
付着特性がTEFLONTMについて測定されたもの(110°の接触角および18.5
erg/cm2の表面エネルギー)より大きいことを指摘する。FOXポリマー
における側鎖のサイズが増大するにつれて疎水性も同様に増大する、ということ
が一般的に認められた。
【0155】 本発明のポリウレタンは、次の新規な特性セットを示す。すなわち 1)ゴム状弾性、 2)TEFLONTMより疎水性かつ非粘着性、 3)薄い被膜またはバルク物品への加工可能、 4)約−50℃まで可撓性、 5)様々な基体への結合可能、および 6)約−50℃から約240℃の有効周囲温度範囲
【0156】 ガラス転移温度(Tg)は、ポリマーが脆性ガラスから可撓性エラストマーに
変換される温度である。かくして、それは、エラストマーの比較的低い使用温度
を指示する。示差走査熱量計(DSC)で測定される場合の非可塑化FOXポリ
ウレタンのガラス転移温度は、−40℃と−47℃の間にある。通常、可塑剤が
、可撓性を付与するためにおよびポリマーのガラス転移温度を下げるために用い
られる。所望される場合、Fomblin、AlfunoxおよびKel-F油のようなフッ素化可
塑剤は、本発明のFOXポリウレタンエラストマーの低温可撓性を改善するため
に用いられ得る。
【0157】 接触角は、ポリマー表面における水滴の鈍角であり、そしてポリマー表面の湿
潤性を反映する。水滴は疎水性表面において広がらずそして高い接触角を示し、
ポリマー表面の非湿潤性特性を指摘する。2回蒸留された水とのFOXポリウレ
タンの静的接触角がゴニオメーターで測定され、そして110°と145°の間
にあることが認められた。著しく対照的に、TEFLONTMは、110°の接触角を示
す。表面エネルギーもまた、ポリマー表面の湿潤性の重要な尺度であり、そして
疎水性および付着特性のような臨界性質を定める。低表面エネルギーを有する物
質は、濡らすのが困難であり、そしてかくして優秀な剥離特性をする。たとえば
TEFLONTMは、18.5erg/cm2の表面エネルギーを示し、そしてくっつか
ない料理用具の製造において広範に用いられる。普通ポリマーの表面エネルギー
が、第2表に列挙されている。本発明のポリマーの表面エネルギー値は、TEFLON TM および他の商業用ポリマーのそれよりかなり低く、FOXポリウレタンがTEFL
ONTMより優れた剥離特性を有することを指摘する。このことは、比較的低い湿潤
性および向上された剥離特性が被膜物質に所望されるような用途について、本発
明の硬化エラストマーをTEFLONTMより適合するようにする。
【0158】
【表2】
【0159】 別の具体的態様において、本発明は、本発明のポリウレタンエラストマーを製
造する方法を提供する。一つの具体的態様において、該方法は、次の工程すなわ
ち 1)FOXプレポリマーをポリイソシアネートと約25℃と約100℃の間の
温度にて予備混合し、 2)触媒を添加し、 3)約0%から約15%wt/wtの架橋剤を添加し、 4)これらの成分を混合し、 5)これらの成分を型に流し込み、 6)この流し込まれた配合物を脱ガスし、そして 7)この配合混合物を約17℃と約150℃の間の温度にて硬化する工程を含
む。
【0160】 通常、モル当量のFOXプレポリマー、ポリイソシアネートおよび架橋剤が用
いられる。しかしながら、FOXプレポリマーが過剰のポリイソシアネートに添
加される場合、イソシアネートキャップドプレポリマーが生成され、しかして更
に架橋剤と反応されて熱硬化ポリウレタンエラストマーを生成し得る。その代わ
りに、線状熱可塑性ポリウレタンエラストマーを製造するために、イソシアネー
トキャップドプレポリマーは、ジオールまたはジアミンのような低分子量連鎖延
長剤と反応され得る。
【0161】 本発明のFOXポリウレタンの合成において用いるのに適したポリイソシアネ
ートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネ
ート(IPDI)、メチレンジフェニルイソシアネート(MDI)、飽和MDI
(Des−W)、ポリマーMDI(商標ISONATE下でDow Chemical Co.から入手
できる)、一連の低官能性イソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI
)、ポリマーHDI(商標DESMODUR N-100(ヘキサメチレンジイソシアネートを
基剤とした溶媒不含の脂肪族ポリイソシアネート樹脂ベースン)および商標DESM
ODUR N-3200(ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−
ジイソシアネートおよび2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
トを基剤とした脂肪族ポリイソシアネート樹脂)下でBayer社のMobay Corporati
onから入手できる)を包含するが、しかしそれらに限定されない。NCO:OH
比率は約1.1から約0.9の範囲にあり得、そして一層好ましくはNCO:O
H比率は約1.02である。
【0162】 通常用いられる架橋剤は、低分子量のポリオールまたはポリアミンである。適
当な架橋剤の例は、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ISONOL(
登録商標)93、トリメチロールエタン、トリエタノールアミン、Jeffamine、
1,4−ブタンジアミン、キシレンジアミン、ジエチレントリアミン、メチレン
ジアニリン、ジエタノールアミン、等を包含するが、しかしそれらに限定されな
い。好ましい具体的態様において、トリメチロールプロパン、ISONOL(登録商標
)93、メチレンジアニリンおよびJeffamineが、用いられる架橋剤である。エ
ラストマーの機械的性質は、架橋剤の量を変動することにより変えられ得る。一
般に、ポリウレタン処方物中の架橋剤の量を増加することは、より高いモジュラ
ス並びに改善された耐薬品性および耐摩耗性を有する物質に通じる。架橋剤の量
は、約0から約15重量%一層好ましくは約1.5から約5重量%にて変動され
得る。
【0163】 本発明において用いるのに適した触媒は、トリエチルアミン、トリエチレンジ
アミン、トリフェニルビスマス、クロムアセチルアセトネート、鉛オクトネート
、第2鉄アセチルアセトネート、スズオクタノエート、ジブチルスズジラウレー
ト、等を包含するが、しかしそれらに限定されない。好ましい具体的態様におい
て、触媒は、ジブチルスズジラウレートである。触媒は主として反応速度を増加
させるために添加され、そして所望される場合反応は触媒の不存在下で行われ得
る、ということが留意されるべきである。触媒濃度は、約0.001から約1重
量%一層好ましくは約0.1と0.2重量%の範囲にあり得る。
【0164】 バルク材は、上記の処方物を型に流し込み、この混合物を脱ガスしそして次い
でこの混合物を約20℃から約150℃の範囲の温度にて約3から約36時間硬
化することにより製造される。現在のところ好ましい具体的態様において、硬化
温度は約65℃である。上記の処方物は、触媒の量を約0.5%に増加すること
により室温にて硬化され得る、ということが留意される。硬化はまた、試料の厚
さおよび用いられる架橋剤のタイプに依存する。薄い試料は65℃にて約3時間
以内で硬化するのに対して、1/8インチの厚さの試料は硬化するのに約8時間
と約16時間の間の時間要し得る。薄い膜は、上記の処方物をTHFで希釈し、
この混合物を基体上にたとえばドクターブレードでもって広げそして次いでこの
被覆された基体をオーブン中で65℃にて硬化することにより製造される。その
代わりに、基体は、浸漬被覆または吹付け被覆されそしてオーブン中で65℃に
て硬化され得る。加えて、アミンを基剤とした架橋剤は、ポリオールより速い硬
化を促進する。
【0165】 FOXプレポリマーから製造されたポリウレタンの機械的性質は、それらが真
のエラストマー(すなわち、>100%の回復可能な伸び)であることを指摘す
る。更に、本発明のFOXポリウレタンは、様々な基体への驚くほど良好な付着
性を示し、しかして該基体はステンレス鋼、アルミニウム、グラファイト、EP
DMゴム、ガラスおよび木材を包含するが、しかしそれらに限定されない。典型
的方法において、基体はポリウレタン処方物で被覆され、オーブン中に置かれ、
そして硬化される。フッ素化ポリウレタンを基体に結合するために、特殊な処理
または下塗り剤は必要とされない、ということが留意される。本発明のFOXポ
リウレタンの良好な結合特性は、フルオロアルキル基とは対照的に高エネルギー
表面に向かって配向するところのポリマー主鎖中の極性ウレタン基の存在に帰せ
られる。それ故、良好に付着する被膜は、被膜の極性を高めそしてそれを基体の
領域中にもたらすことに寄与する化学基を含有するはずである。双極子−双極子
および水素結合の両方の寄与を含有する系が、そのより広い相溶性の故に、一方
のみのかかる寄与を含有する系より好ましい。速い広がり、均一な被覆および良
好な濡れを助長するために、施用中、系は十分に流動性でなければならない。TE
FLONTMはポリマー主鎖に対称的に結合されたフッ素を有するので、ポリマーを基
体表面に結合させる双極子または水素結合は存在しない。従って、TEFLONTM被膜
は、その下にある基体との良好な付着または剥離強さを示さない。
【0166】 FOXポリウレタンの熱安定性は、熱重量分析(TGA)により決定される。
本発明のFOXポリウレタンは、空気中260℃まで0%wtの減量並びに空気
中275℃において主熱分解の開始を示す。かくして、FOXポリウレタンは、
250℃を越える温度に曝されるべきでない。
【0167】 上記の結果は、本発明のFOXプレポリマーから製造されたポリウレタンがTE
FLONTMより疎水性かつ非粘着性であることを指摘する。TEFLONTMとは著しく対照
的に、FOXポリウレタンは、薄い被膜またはバルク物品のいずれかに加工され
得る強靱なエラストマーである。更に、これらの物質は、低温において可撓性で
あり、そして−50℃くらいの低い温度において用いられ得る。また、これらの
物質は、様々な基体に結合され得、並びに約−50℃から約250℃の範囲の温
度において用いられ得る。かくして、本発明は、様々な基体に強力に結合され得
並びに同時にTEFLONTMより疎水性かつ非粘着性である表面をもたらし得る新規な
物質を提供する。性質のこの組合わせを有する物質は、加工可能な低表面エネル
ギーエラストマーとして極めて有用である。
【0168】 2. FOX/THFコプレポリマーからのポリウレタン 本発明のFOX/THFコプレポリマーもまた、有用な性質を有するポリウレ
タンエラストマーを生成させるために用いられ得る。FOX/THFコプレポリ
マーから製造されたポリウレタンは、FOXホモまたはコプレポリマーから誘導
されたものより良好な付着性、高い耐摩耗性および優れた機械的性質を示す。更
に、FOXポリウレタンの基本性質は、ポリマー構造中へのTHFの組込みによ
り影響されない。すなわち、FOX/THFコプレポリマーから製造されたポリ
ウレタンは、FOXホモまたはコプレポリマーから誘導されたポリウレタンのも
のと同様であるところの、低いガラス転移温度、低い摩擦係数および低い表面エ
ネルギー性を依然示す。
【0169】 かくして、一つの具体的態様において、本発明は、ランダムのFOX/THF
セグメントを有しかつ一般式
【0170】
【化41】
【0171】 を有するモノマー単位の混合物を含むフッ素化熱硬化ポリウレタンエラストマー
。上記の式において、nは、独立的に選択されそして1ないし3であり;Rf 1
よびRf 2は、独立的に、1〜20個の炭素原子を有する線状および分岐状過フッ
素化アルキル、および約4〜20個の炭素原子を有するオキサ過フッ素化ポリエ
ーテルから成る群から選択され;R1は、二価ヒドロカルビル基であり;xは、
1ないし約250一層好ましくは2ないし約100であり;zは、1ないし約2
50一層好ましくは1ないし約100であり;そしてwは、1ないし約50一層
好ましくは1ないし約5である。
【0172】 別の具体的態様において、本発明は、一般式
【0173】
【化42】
【0174】 を有するモノマー単位の混合物を含むフッ素化熱硬化ポリウレタンエラストマー
を提供する。上記の式において、nは、独立的に選択されそして1ないし3であ
り;Rは、メチルおよびエチルから成る群から選択され;Rf 1、Rf 2およびRf 3 は、独立的に、1〜20個の炭素原子を有する線状および分岐状過フッ素化アル
キル、および約4〜20個の炭素原子を有するオキサ過フッ素化ポリエーテルか
ら成る群から選択され;R1は、二価ヒドロカルビル基であり;xは、1ないし
約250一層好ましくは2ないし約100であり;yは、1ないし約250一層
好ましくは2ないし約100であり;zは、1ないし約250一層好ましくは1
ないし約100であり;そしてwは、1ないし約50一層好ましくは1ないし約
5である。
【0175】 本発明において記載されたFOX/THFコプレポリマーは、二官能性であり
かつ末端ヒドロキシ基を有する。ヒドロキシ基は第1級ヒドロキシ基であり、そ
してかくしてそれらはイソシアネートと容易に反応して高分子量ポリウレタンエ
ラストマーを形成する。典型的反応において、コプレポリマーは触媒および架橋
剤の存在下で当量のポリイソシアネートと反応されて、三次元ポリマー網状構造
を形成する。ポリイソシアネートの官能性が2である場合は、架橋網状構造を形
成させるために架橋剤が必要とされる。しかしながら、ポリイソシアネートの官
能性が2より大きい場合は、架橋剤は必要とされない。ある場合には、追加的架
橋剤が、ポリマーの耐薬品性および耐摩耗性を改善するために添加される。架橋
剤は、通常、低分子量のポリオールまたはポリアミンである。
【0176】 本発明のFOXポリウレタンの合成において用いるのに適したポリイソシアネ
ートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネ
ート(IPDI)、メチレンジフェニルイソシアネート(MDI)、飽和MDI
(Des−W)、ポリマーMDI(商標ISONATE下でDow Chemical Co.から入手
できる)、一連の低官能性イソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI
)、ポリマーHDI(商標DESMODUR N-100(ヘキサメチレンジイソシアネートを
基剤とした溶媒不含の脂肪族ポリイソシアネート樹脂ベースン)および商標DESM
ODUR N-3200(ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−
ジイソシアネートおよび2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
トを基剤とした脂肪族ポリイソシアネート樹脂)下でBayer社のMobay Corporati
onから入手できる)を包含するが、しかしそれらに限定されない。NCO:OH
比率は約1.1から約0.9の範囲にあり得、そして一層好ましくはNCO:O
H比率は約1.02である。
【0177】 通常用いられる架橋剤は、低分子量のポリオールまたはポリアミンである。適
当な架橋剤の例は、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ISONOL(
登録商標)93、トリメチロールエタン、トリエタノールアミン、Jeffamine、
1,4−ブタンジアミン、キシレンジアミン、ジエチレントリアミン、メチレン
ジアニリン、ジエタノールアミン、等を包含するが、しかしそれらに限定されな
い。好ましい具体的態様において、トリメチロールプロパン、ISONOL(登録商標
)93、メチレンジアニリンおよびJeffamineが、用いられる架橋剤である。エ
ラストマーの機械的性質は、架橋剤の量を変動することにより変えられ得る。一
般に、ポリウレタン処方物中の架橋剤の量を増加することは、より高いモジュラ
ス並びに改善された耐薬品性および耐摩耗性を有する物質に通じる。架橋剤の量
は、約0から約15重量%一層好ましくは約1.5から約5重量%にて変動され
得る。
【0178】 本発明において用いるのに適した触媒は、トリエチルアミン、トリエチレンジ
アミン、トリフェニルビスマス、クロムアセチルアセトネート、鉛オクトネート
、第2鉄アセチルアセトネート、スズオクタノエート、ジブチルスズジラウレー
ト、等を包含するが、しかしそれらに限定されない。好ましい具体的態様におい
て、触媒は、ジブチルスズジラウレートである。触媒は主として反応速度を増加
させるために添加され、そして所望される場合反応は触媒の不存在下で行われ得
る、ということが留意されるべきである。触媒濃度は、約0.001から約1重
量%一層好ましくは約0.1と0.2重量%の範囲にあり得る。
【0179】 FOXプレポリマーから製造されるポリウレタンの場合のように、バルク材は
、上記の処方物を型に流し込み、この混合物を脱ガスしそして次いでこの混合物
を約20℃から約150℃の範囲の温度にて約3から約36時間硬化することに
より製造される。現在のところ好ましい具体的態様において、硬化温度は約65
℃である。上記の処方物は、触媒の量を約0.5%に増加することにより室温に
て硬化され得る、ということが留意される。硬化はまた、試料の厚さおよび用い
られる架橋剤のタイプに依存する。薄い試料は65℃にて約3時間以内で硬化す
るのに対して、1/8インチの厚さの試料は硬化するのに約8時間と約16時間
の間の時間要し得る。薄い膜は、上記の処方物をTHFで希釈し、この混合物を
基体上にたとえばドクターブレードでもって広げそして次いでこの被覆された基
体をオーブン中で65℃にて硬化することにより製造される。その代わりに、基
体は、浸漬被覆または吹付け被覆されそしてオーブン中で65℃にて硬化され得
る。加えて、アミンを基剤とした架橋剤は、ポリオールより速い硬化を促進する
【0180】 一般に、FOX/THFコプレポリマーから製造されたポリウレタンは、粘着
力がなくかつ不透明なエラストマーである。それらは約−20℃未満のガラス転
移温度を示し、また典型的には約108°と約126°の間の水との静的接触角
を有する。これらの物質は、メタノール、トルエン、ヘキサン、四塩化炭素、メ
チルエチルケトンおよびケロシンのような普通有機溶媒に不溶であるが、しかし
THFおよびFreonTM113中で膨潤する。かかる物質は、ステンレス鋼(SS
304)、グラファイト、EPDMゴム、アルミニウムおよびガラスのような様
々な基体に対して良好ないし優秀な付着性を示す。典型的には、基体は、使用に
先立って、水およびアセトンで清浄にされそして次いでオーブン中で乾燥される
。結合は、プレポリマー、架橋剤、ポリイソシアネートおよび触媒の混合物を直
接的に基体上で硬化することにより達成される。
【0181】 これらのポリウレタンに関して行われた研究により、FOXモノマーとTHF
との共重合はフッ素化プレポリマーを製造するコストを低減するのみならず、優
れた性質を有する物質ももたらす。更に、FOX/THFポリウレタンはFOX
ポリウレタンより良好な付着性および優れた機械的性質を示す一方、FOXポリ
ウレタンの基本性質すなわち低いガラス転移温度、高い付着性、加工性、高い疎
水性、低い摩擦係数、低い表面エネルギー、等を保持する。
【0182】 性質の独特の組合わせの結果として、FOX/THFコプレポリマーから製造
されたポリウレタンは、汚れ剥離被膜として;ガラスが滑走される窓用溝形材、
ベルトおよび風防ワイパー用の耐摩耗性の低摩擦被膜として;ブシュ、ガスケッ
トおよびエンジンマウントとして;電子装置用封入材として;推進薬および発火
信号用のバインダーとして;人工関節として;歯科用材料として;および自動車
、船舶および工業用途用の被膜として有用である。好ましい用途は、汚れ剥離被
膜、窓用溝形材用の被膜、並びに推進薬および発火信号用のバインダーである。
【0183】 本発明は、特定の例として一層詳細に記載される。次の例は、例示の目的のた
めに与えられ、そして本発明を決して限定するようには意図されていない。当業
者は、本質的に同じ結果をもたらすように変更または改変され得る様々な重要で
ないパラメーターを容易に認識しよう。
【0184】 実施例 A.実験の部 フルオロトリクロロメタンに対するテトラメチルシランおよび弗素のシフトを
基準とした陽子および炭素のシフト(ppm)を用いて重水素クロロホルム溶液
中で300MHzにおいてBruker MSL−300分光計でNMR分析を
行った。KBrに基づくNicholet SX−5分光計で拡散反射率による
IR分析を行った。Dupont DSC9100分析計で熱分析を行った。
【0185】 B.モノマー 実施例I この実施例は、異なる二つの手順を用いる3,3−ビス−(2,2,2−トリ
フルオロエトキシメチル)オキセタン(B6−FOX)の調製および特性に関す
る。
【0186】 i.手順A 水素化ナトリウム(鉱油中の50%分散液、18.4g、0.383モル)を
ヘキサン(2x)で洗浄し、DMF(200mL)中に懸濁させた。その後、ト
リフルオロエタノール(38.3g、0.383モル)を45分にわたり滴下し
、その間に水素ガスが発生した。混合物を30分にわたり攪拌し、DMF(50
mL)中の3,3−ビス−(ヒドロキシメチル)オキセタンジ−p−トルエンス
ルホネート(30.0g、0.073モル)の溶液を添加した。混合物を64時
間にわたり75℃に加熱し、その時点でアリコートの1H・NMR分析によって
出発スルホネートが消費されたことが示された。混合物を水に注ぎ、塩化メチレ
ン(2x)で抽出した。混ぜた有機抽出物をブライン、2%水性HCl、水で洗
浄し、乾燥(MgSO4)し、蒸発させて17.5g(100%)の3,3−ビ
ス−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)オキセタンがDMF(1%未
満)を含有する油として生じた。42〜48℃(0.1mm)でのバルブツーバ
ルブ(bulb to bulb)蒸留によって油を精製して、無色油である1
5.6g(79%)の分析的に純粋なB6−FOXが生じた。IR(KBr)2
960〜2880、1360〜1080、995、840cm-11H・NMR
:δ3.87(s、4H)、3.87(q、J=8.8Hz、4H)、4.46
(s、4H)。13C・NMR:δ43.69、68.62(q、J=35Hz)
、73.15、75.59、123.87(q、J=275Hz)、19F・NM
R:δ−74.6(s)。C91263に関する分析計算値:C:38.31
、H:4.29、F:40.40。検出値:C:38.30、H:4.30、F
:40.19。
【0187】 ii.手順B メカニカルスターラー、凝縮器および温度計が装着された2Lの丸底フラスコ
に、3,3−ビス−(ブロモメチル)オキセタン(300g、1.2モル)、ト
リフルオロエタノール(284g、2.8モル)、テトラブチルアンモニウムブ
ロミド(39.9g、0.12モル)および水(265mL)を投入した。混合
物を85℃に加熱し、添加漏斗を介して50%水酸化カリウム水溶液(672g
、5.1モル)を3時間にわたり添加した。反応の進行をGLCによって監視し
、3,3−ビス−(ブロモメチル)オキセタンの99%より多くが消費された時
に反応混合物を室温に冷却し、水(500mL)で希釈した。有機相を分離し、
2%水酸化カリウム水溶液(500mL)および水(500mL)で洗浄した。
その後、粗製品を減圧(bp=103℃/5mm/Hg)下で蒸留して、無色油
である99%より高い純度(GLC)の3,3−ビス−(2,2,2−トリフル
オロエトキシメチル)オキセタン278g(80%)が生じた。スペクトル分析
によると、この方法によって調製された製品が手順Aによって調製されたB6−
FOXモノマーと同じであることが明らかになった。
【0188】 実施例II この実施例は、3,3−ビス−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオ
ロブトキシメチル)−3−メチルオキセタン(B14−FOX)の調製および特
性に関する。
【0189】 メカニカルスターラーおよび還流凝縮器が装着された12Lの丸底フラスコに
、3,3−ビス−(ブロモメチルオキセタン)(678g、2.8モル)、2,
2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブタン−1−オール(1165g、5
.82モル)、テトラブチルアンモニウムブロミド(55.4g、0.17モル
)および水(1200mL)を投入した。混合物を85℃に加熱し、50%水性
水酸化ナトリウム(640g、8.0モル)の溶液を4時間にわたり徐々に添加
した。その後、得られた混合物を約100℃で16時間にわたり加熱し、この時
点でGLC分析によると、出発オキセタンの95%より多くが消費されたことが
明らかになった。混合物を室温に冷却し、有機層を分離した。その後、有機層を
水(2x1000mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で分
留した。27℃/2mm/Hgで沸騰する第1の留分は、未反応ヘプタフルオロ
ブタノールから構成され、それを再循環した。110℃/1mm/Hgで沸騰す
る第2の留分は、所望製品、すなわちB14−FOX(776g、83%)であ
った。GLC面積%分析、1H・NMRおよび13C・NMRによって決定して、
製品は99%より高い純度であった。1H・NMR:δ3.86(s、4H)、
3.93(t、J=23.2Hz、4H)、4.44(s、4H)。13C・NM
R:δ43.84、68.03、73.51、77.61、115.39、11
5.84、119.6。19F・NMR:δ−81.61、−121.0、−12
8.2。
【0190】 この材料のサンプルをカラムクロマトグラフィーによって精製して純粋なポリ
(B14−FOX)が生じた。溶離剤としてヘキサンと酢酸エチルを用い短いシ
リカゲルプラグを通してポリ(B14−FOX)グリコールと環式オリゴマーと
の粗混合物(10g)を濾過した。所望ポリ(B14−FOX)グリコールは酢
酸エチルフラクション中に存在し、減圧下で溶媒を蒸発させることにより、それ
を42%の収率で単離した。白色ワックスである製品は、0.5%未満の環式材
料を含有することがGPC分析によって判明した。GPC:Mw=9,047、
PD=1.34。1H・NMR(CDCl3/F113/TFAA):δ3.39(
s、4H)、3.59(s、4H)、3.87(t、13.5Hz、4H)およ
び4.40(s、−CH2OCOCF3)。13C・NMR:δ46.4、68.5
(t)、70.1および72.1(弗素を保持する炭素からの信号を含めていな
い)。
【0191】 実施例III この実施例は、3,3−ビス−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,
7,7,7−ペンタデカフルオロオクチルオキシメチル)オキセタン(B30−
FOX)の調製および特性に関する。
【0192】 3,3−ビス−(クロロメチルオキセタン)(3.0g、19.4ミリモル)
、ペンタデカフルオロオクタン−1−オール(16g、40ミリモル)、テトラ
ブチルアンモニウムブロミド(13.2g、40ミリモル)、水(35mL)お
よび50%水性水酸化ナトリウム(3.5g、44ミリモル)の混合物を100
℃で48時間にわたり加熱した。反応混合物をFreon(登録商標)113(
10mL)で希釈し、有機層を分離した。その後、有機層を水で洗浄し、乾燥(
MgSO4)し、濾過し、減圧下で溶媒をストリッピングして16.1gの粗製
品が生じた。減圧下(120〜125/0.2mm/Hg)での粗製品のKug
elrohr蒸留によって、油である13.8g(82%)のB30−FOXが
生じた。1H・NMR:δ3.87(s、4H)、3.93(t、J=23.8
Hz、4H)、4.44(s、4H)。
【0193】 実施例IV この実施例は、3,3−ビス−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル)オキセタン(B26−F
OX)の調製および特性に関する。
【0194】 3,3−ビス−(ヨードメチル)オキセタン(4.3g、12.7ミリモル)
、3,3,4,4,5,5,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−
1−オール(9.1g、25ミリモル)、テトラブチルアンモニウムブロミド(
0.54g、1.7ミリモル)、水(7.5mL)および50%水酸化ナトリウ
ム(4.9g、61.2ミリモル)の混合物を100℃で16時間にわたり加熱
した。反応混合物をFreon(登録商標)113と塩化メチレンの1:1混合
物で希釈し、有機層を分離し、水で洗浄した。その後、有機層を乾燥し、濾過し
、減圧下で溶媒をストリッピングして11gの黄色っぽい褐色油が生じた。その
後、この油を減圧下で次のように蒸留した。85℃/0.8mm/Hgで蒸留し
た留分#1(2.1g)は未反応アルコールであった。140℃/0.5mm/
Hgで蒸留した留分#2は油である所望製品、すなわちB26−FOX(6.5
g、76%)であった。1H・NMR(CDCl3):δ2.85(m、4H)、
3.55(m、4H)、3.80(s、4H)、4.40(s、4H)。
【0195】 実施例V この実施例は、混合3,3−二置換オキセタンモノマーの調製および特性を示
している。
【0196】 メカニカルスターラーおよび還流凝縮器が装着された12Lの丸底フラスコに
、3,3−ビス−(ブロモメチルオキセタン)(683.2g、2.8モル)、
2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブタン−1−オール(580g、
2.9モル)、トリフルオロエタノール(290g、2.9モル)、テトラブチ
ルアンモニウムブロミド(55g、0.17モル)および1.2Lの水を投入し
た。混合物を85℃に加熱し、50%水性水酸化ナトリウム(320g、4モル
)の溶液を4時間にわたり徐々に添加した(6モル)。その後、得られた混合物
を100℃で16時間にわたり加熱し、その後室温に冷却し、その時点で有機層
を分離した。その後、有機層を水(2x1000mL)で洗浄し、乾燥(MgS
4)し、濾過し、減圧下で蒸留した。低沸点留分は未反応フルオロアルコール
である一方で、より高沸点の残りの留分は、3,3−二置換オキセタン、すなわ
ち、B6−FOX、B14−FOXおよび3−(2,2,2−トリフルオロエト
キシメチル)−3−(2,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル
)オキセタン(M6−14−FOX)の混合物から構成されていた。
【0197】 C.プレポリマー 最初の二つの実施例は、二置換オキセタンモノマーのホモ重合が、融点が20
℃より高い結晶であるポリエーテルグリコールをもたらすことを示している。こ
の方法によって製造されたポリエーテルグリコールが著しい量の環式材料で汚染
されていることは注意されるべきである。環式材料は可塑化によってポリエーテ
ルグリコールの結晶性を低下させうるので、融点の決定の前に環式材料を完全に
除去することは正当化される。環式材料の除去は、クロマトグラフィーによって
達成することが可能である。
【0198】 1.結晶性ポリマー 実施例I この実施例は、ポリ[3,3−ビス−(2,2,2−トリフルオロエトキシメ
チル)オキセタン](ポリ(B6−FOX)グリコール)の調製および特性を示
している。
【0199】 メカニカルスターラー、温度計および添加漏斗が装着された5Lの丸底フラス
コに、塩化メチレン(900mL)中のトリフルオロエタノール(5.8g、0
.058モル)と三弗化硼素エーテレート(11.4g、0.81モル)の溶液
を投入した。混合物を室温で15分にわたり攪拌し、塩化メチレン(485mL
)中の3,3−ビス−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)オキセタン
(1146g、4.1ミリモル)の溶液を約2.5時間にわたり添加した。その
後、得られた混合物を室温で16時間にわたり攪拌し、その時点でアリコートの 1 H・NMR分析によって出発オキセタンが消費されたことが示された。反応を
水で冷却し、有機層をブラインおよび2%水性HClで洗浄した。減圧下で溶媒
を蒸発させて白色蝋状固体である1053g(91%)のポリ[3,3−ビス−
(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)]オキセタンが生じた。DSC:
mp71.7℃(δH=26.35ジュール/g)、分解>210℃。GPC(
THF):Mw=27,000、多分散性インデックス(PDI)=2.2。1
H・NMR:1.60(m)、2.46(s)、3.36(s、4H)、3.5
8(s、4H)、3.79(q、4H)。13C・NMR:45.49、68.2
5(q、J=33Hz)、69.20、70.97、123.81(q、J=2
80Hz)。
【0200】 実施例II この実施例は、ポリ[3,3−ビス−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタ
フルオロブトキシメチル)オキセタン](ポリ(B14−FOX)グリコール)
の調製および特性を示している。
【0201】 上に似たやり方で、Freon(登録商標)113(75mL)中の3,3−
ビス−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセ
タン(252g、523ミリモル)の溶液を塩化メチレン(175mL)中の三
弗化硼素エーテレート(1g、7.0ミリモル)とトリフルオロエタノール(0
.5g、5.0ミリモル)との混合物に室温で添加した。その後、得られた混合
物を室温で46時間にわたり攪拌し、その時点で1H・NMR分析によって出発
オキセタンモノマーの95%より多くが消費されたこと明らかになった。反応を
水で冷却し、プレポリマーをメタノール中に沈殿させて、乾燥後に221gの無
色油が生じた。GPC分析によると、油は約70%ポリ(B14−FOX)グリ
コールと30%環式材料との混合物であることが明らかになった。
【0202】 実施例III この実施例は、3,3−ビス−(1,1,2,2−テトラヒドロパーフルオロ
オクチルチオメチル)−3−ブロモ−1−プロパノール(米国特許第5,097
,048号参照)の調製および特性を示している。
【0203】 3,3−ビス−(1,1,2,2−テトラヒドロパーフルオロオクチルチオメ
チル)オキセタン(7.0g、0.0083モル)を臭化水素酸(48%、3.
190.018モル)およびトルエン(20.0g)と合わせて三つ口フラスコ
に投入した。攪拌しながら窒素下で反応を4時間にわたり100℃で加熱した。
その後、水/トルエン共沸混合物を110℃で除去した。その後、溶媒を真空下
で除去して、濃褐色液体が生じ、それはGLCによって99%純度であった。N
MRによって、1.80ppm、1陽子、(−OH);2.2−2.6ppm、
4陽子、(2XRfCH2);2.7−2.9ppm、8陽子、(2XCH2SC
2)、3.53ppm、2陽子、(CH2Br);3.65ppm、陽子、(C
2OH)で陽子共鳴が示された。CH2117OS226Brに関する分析;計算
値:C:27.3%、H:1.9%、Br:8.7%、F:53.5%、S:7
.0%。検出値:C:27.1%、H:1.7%、Br:9.1%、F:51.
5%、S:7.1%。
【0204】 2:非結晶性ポリマー 実施例I〜VIは、本発明の核心を示している。すなわち、二置換オキセタン
モノマーと、非対称置換オキセタンモノマーである一置換オキセタンモノマーま
たはTHFなどの非弗素化環式エーテルのいずれかとの共重合によって、二置換
オキセタンホモプレポリマーの結晶的性質を減少させることが可能であることで
ある。得られたコプレポリマーは、DSCにおいて結晶性が存在しないことによ
り示されるように非晶質であり、従ってエラストマーの調製においてソフトブロ
ックとして用いることが可能である。
【0205】 共重合を塩化メチレンまたはTHF(この場合、THFは反応溶媒として機能
する)中で行うことが可能である。モノマー対開始剤比を調節することによりコ
プレポリマーの分子量を制御する。例えば、20のモノマー対開始剤比は、理論
的に20の重合度(DP)をもつポリエーテルグリコールに導く筈である。この
方法において用いられる開始剤はブタンジオールである。しかし、水および種々
の他のアルコールも開始剤としてうまく用いられてきた。水も開始剤として極め
て効率的に機能し、そして完全に除去するのが難しいので、分子量の計算におい
て開始剤としてブタンジオールに加えて水を考慮することが重要である。モノマ
ーおよび溶媒中の水の量は、カールフィッシャー分析によって容易に測定される
。適切な分子量の制御によって、主ポリエーテル主鎖に沿って20〜400個の
間の化学結合を有するマクロ(macro)ジオールが得られ、それはエラスト
マーを調製するために有用である。
【0206】 コプレポリマー中のFOXセグメントとTHFセグメントのモル比は、1H・
NMR分析によって容易に確定される。しかし、1H・NMR分析によってコプ
レポリマー中の二種のFOXコモノマーの比を決定するのは多少より困難である
。しかし、この比は、定量的13C/NMRの使用によって確定することが可能で
ある。igated実験は、13C信号を容易に積分することを可能にする。
【0207】 上述したように、グリコールの調製に際して用いられる好ましい触媒はBF3
・THFである。この触媒の使用は二官能性材料の調製を見込んでいるからであ
る。さらに、多様な開始剤を用いることが可能である。こうした開始剤には、水
および上述したものが挙げられるが、それらに限定されない。さらに、多様な溶
媒を用いることが可能である。適する溶媒には、THF、塩素化溶媒、弗素化溶
媒、トルエン、ヘプタン、テトラヒドロピラン、バートレル(vertrel)
(デュポン(DuPont)から市販されているデカフルオロペンタン)、トリ
フルオロトルエン、p−クロロトリフルオロトルエンおよびエステルなどが挙げ
られるが、それらに限定されない。現在好ましい実施形態において、THFは溶
媒として用いられ、よって塩化メチレンの使用をなくしている。しかし、再び、
塩素化溶媒と弗素化溶媒の両方を重合反応のために用いることが可能である。重
合反応を行うための好ましい温度は約25℃〜約70℃の範囲であり、より高い
温度は重合反応を速める傾向がある。
【0208】 実施例I この実施例は、3,3−ビス−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオ
ロブトキシメチル)オキセタンとテトラヒドロフランとの70:30コプレポリ
マー[ポリ(B14−FOX/THF(70:30)グリコール]の調製および特
性を示している。
【0209】 テトラヒドロフラン(3.1g、43ミリモル)中のブタン−1,4−ジオー
ル(328mg、3,64ミリモル)と三弗化硼素テトラヒドロフラネート(1
52mg、1.08ミリモル)の溶液を乾燥重合フラスコ内で窒素下において1
5℃で5分にわたり攪拌した。その後、3,3−ビス−(2,2,3,3,4,
4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン(20.0g、41.5ミ
リモル)を添加し、得られた混合物を15℃で24時間にわたり攪拌し、その時
点でアリコートの1H・NMR分析によって出発試薬が本質的に反応しなかった
ことが示された。溶液を3時間にわたり65℃に加温し、その時点でアリコート
1H・NMR分析によってオキセタンモノマーが消費されたことが示された。
反応混合物を水で冷却し、有機層を分離し、等体積のメタノールに添加した。メ
タノールをデカントし、残留油を室温において真空で乾燥して、油である20.
5g(88%)の標記コプレポリマーが生じた。GPC分析によると、油が2%
未満の環式材料を含有していることが明らかになった。1H・NMR TFAA
末端基分析によって決定したこの材料の当量は2,879であった(この分析に
おいて、サンプルをNMRチューブ内で重水素クロロホルムに溶解し、過剰の無
水トリフルオロ酢酸で処理することに触れておく。末端基のトリフルオロ酢酸を
現場(in situ)で形成する。アルコールの隣の−CH2−基をアルコー
ルから0.5ppmダウンフィールドに移動させ、エーテル主鎖の−CH2−基
に対して積分して当量を決定することが可能である)。材料は次の通り特性分析
された。DSC:Tg=−51℃、その他の転移は観察されず。GPC:Mw=
6600、多分散性インデックス(PDI)=1.7。1H・NMR分析による
と、油がB14−FOXとTHFコモノマーとの71:29モル%混合物である
ことが示された。
【0210】 実施例II この実施例は、3,3−ビス−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオ
ロブトキシメチル)オキセタンと中分子量のテトラヒドロフランとの90:10
コプレポリマー[ポリ(B14−FOX/THF(91:9)グリコール]の調製
および特性を示している。
【0211】 塩化メチレン(20mL)中の1,4−ブタンジオール(79mg、0.87
ミリモル)と三弗化硼素テトラヒドロフラネート(0.27g、1.9ミリモル
)の溶液を乾燥重合フラスコ内で窒素下において室温で5分にわたり攪拌した。
次に、Freon(登録商標)113(20mL)中の3,3−ビス−(2,2
,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン(83.4
g、173ミリモル)とテトラヒドロフラン(2.5g、34.7ミリモル)の
溶液を添加し、得られた混合物を室温で2日にわたり攪拌した。反応の進行を1
H・NMRによって監視し、完了すると反応混合物を水で冷却した。有機層を分
離し、水で洗浄し、等体積のメタノールに添加した。メタノール層をデカントし
、残留油を35℃において真空で乾燥して、油である72.6gの標記コプレポ
リマーが生じた。油の1H・NMRによると、油が二つのコモノマーである、そ
れぞれ3,3−ビス−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシ
メチル)オキセタンとテトラヒドロフランの91:9モル%混合物であることが
明らかになった。1H・NMR TFAA末端基分析によって決定したコプレポ
リマーの当量は14,950であることが判明した。GPC:Mw=12,49
3、多分散性インデックス(PDI)=1.24、<0.5%環式テトラマー。
DSC:Tg=−53℃。コプレポリマーは、−20℃で約二ヶ月にわたり貯蔵
して結晶化しない無色油であった。
【0212】 実施例III この実施例は、3,3−ビス−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオ
ロブトキシメチル)オキセタンと低分子量のテトラヒドロフランとの90:10
コプレポリマー[ポリ(B14−FOX/THF(90:10)グリコール]の調
製および特性を示している。
【0213】 塩化メチレン(4mL)中の1,4−ブタンジオール(1.92g、21.3
ミリモル)と三弗化硼素テトラヒドロフラネート(0.93g、6.6ミリモル
)の溶液を乾燥重合フラスコ内で窒素下において室温で5分にわたり攪拌した。
次に、Freon(登録商標)113(20mL)中の3,3−ビス−(2,2
,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン(100g
、207ミリモル)の溶液を添加し、得られた混合物を室温で2日にわたり攪拌
した。反応の進行を1H・NMRによって監視し、完了すると反応混合物を水で
冷却した。有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧
下で溶媒をストリッピングして、油である114.9g(97%)の標記コプレ
ポリマーが生じた。油の1H・NMR分析によると、油が二つのコモノマーであ
る、それぞれ3,3−ビス−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブ
トキシメチル)オキセタンとTHFとの91:9モル%混合物であることが明ら
かになった。1H・NMR TFAA末端基分析によって決定したコプレポリマ
ーの当量は1,950であった。GPC:Mw=4175、多分散性インデック
ス(PDI)=1.24。DSC:Tg=−53℃。コプレポリマーは、−20
℃で約五週間にわたり貯蔵された時に結晶化しない油であった。
【0214】 実施例IV この実施例は、3,3−ビス−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオ
ロブトキシメチル)オキセタンと3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフ
ルオロブトキシメチル)−3−メチルオキセタンとの50:50コプレポリマー
[ポリ(B14/7−FOX)(50:50)グリコール]の調製および特性を示
している。
【0215】 塩化メチレン(40mL)中のブタン−1,4−ジオール(791mg、8.
8ミリモル)と三弗化硼素テトラヒドロフラネート(373g、2.66ミリモ
ル)の溶液を乾燥重合フラスコ内で窒素下において室温で5分にわたり攪拌した
。次に、Freon(登録商標)113(20g)中の3−(2,2,3,3,
4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−メチルオキセタン(21.
5g、75.7ミリモル)と3,3−ビス−(2,2,3,3,4,4,4−ヘ
プタフルオロブトキシメチル)オキセタン(35.6g、73.8ミリモル)を
まとめて添加し、得られた混合物を室温で64時間にわたり攪拌した。その時点
でアリコートの1H・NMR分析によって出発試薬が本質的に消費されたことが
示された。10%炭酸水素ナトリウムを含有する等体積の水で混合物を冷却した
。有機層を分離し、水性炭酸水素ナトリウム、水および飽和ブライン溶液で順次
洗浄した。残留物を50℃において真空で蒸発させて無色油が生じた。油をヘキ
サン(75mL)と合わせて16時間にわたり攪拌し、ヘキサン層をデカントし
、油を50℃において真空で乾燥して油である45g(79%)のポリ(B14
/7−FOX)(50:50)グリコールが生じた。13CNMR分析(igat
ed)によると、油がB14−FOXと7−FOXコモノマーの50:50モル
%混合物であることが明らかになった。1H・NMR TFAA分析によって決
定したコプレポリマーの当量は2,650であった。コプレポリマーは次の通り
特性分析された。DSC:Tg=−51℃。GPC:Mw=5,673、多分散
性インデックス(PDI)=1.7。13CNMR:第四炭素が41.4および4
6.05で観察された。19F・NMR:−82.02、−121.37および−
128.52。
【0216】 コプレポリマーは、−20℃で長く貯蔵(約二ヶ月)して結晶化しない油であ
った。DSC分析によると、ガラス転移点(−52℃)以外の他の転移が−80
〜150℃の温度範囲において観察されないことが明らかになった。
【0217】 実施例V この実施例は、3,3−ビス−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオ
ロブトキシメチル)オキセタンと3−ヘプタフルオロブトキシメチル−3−メチ
ルオキセタンとの80:20コプレポリマー[ポリ(B14/7−FOX)(8
0:20)グリコール]の調製および特性を示している。
【0218】 塩化メチレン(30mL)中の1,4−ブタンジオール(0.55g、6.1
ミリモル)と三弗化硼素テトラヒドロフラネート(0.26g、1.85ミリモ
ル)の溶液を乾燥重合フラスコ内で窒素下において室温で5分にわたり攪拌した
。次に、Freon(登録商標)113(10.5mL)中の3,3−ビス−(
2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン(4
0.0g、82.9ミリモル)と3−ヘプタフルオロブトキシメチル−3−メチ
ルオキセタン(5.9g、20.7ミリモル)の溶液を添加し、得られた混合物
を室温で4日にわたり、そして35℃で16時間にわたり攪拌した。反応の進行
1H・NMRによって監視し、完了すると反応混合物を水で冷却した。有機層
を分離し、等体積の水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で溶媒
をストリッピングして、油である42.4g(91%)の標記コプレポリマーが
生じた。DSC:Tg=−40℃、その他の転移は観察されず。GPC:Mw=
4,200、多分散性インデックス(PDI)=1.25。1H・NMR(TF
AA分析):当量=2,050。二つのコモノマーである3,3−ビス−(2,
2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−メチルオキセタン
と3−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−メチルオキセタンの比は、13CN
MR(igated)分析によって79:21モル%であると決定された。
【0219】 実施例VI この実施例は、3,3−ビス−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)
オキセタンと3−トリフルオロエトキシメチル−3−メチルオキセタンとの80
:20コプレポリマー[ポリ(B6/3−FOX)グリコール]の調製および特性
を示している。
【0220】 塩化メチレン(150mL)中の1,4−ブタンジオール(5.5g、61ミ
リモル)と三弗化硼素テトラヒドロフラネート(2.5g、18.6ミリモル)
の溶液を室温で15分にわたり攪拌した。次に、Freon(登録商標)113
(30mL)中の3,3−ビス−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)
オキセタン(227g、805ミリモル)と3−トリフルオロエトキシメチル−
3−メチルオキセタン(38.3g、208ミリモル)の溶液を添加し、得られ
た混合物を室温で1日にわたり、そして還流状態で2日にわたり攪拌した。反応
の進行を1H・NMRによって監視し、完了すると反応混合物を水で冷却した。
有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧下で溶媒を
ストリッピングして、無色油である253g(95%)の標記コプレポリマーが
生じた。二つのコモノマー単位である3,3−ビス−(2,2,2−トリフルオ
ロエトキシメチル)オキセタンと3−トリフルオロエトキシメチル−3−メチル
オキセタンの比は、13CNMR(igated)分析によって82:18モル%
であると決定された。1H・NMR TFAA分析によって決定した当量は2,
164であると判明した。
【0221】 実施例VII この実施例は、M6−14−FOXとテトラヒドロフランとの70:30コプ
レポリマー[ポリ(M6−14−FOX/THF)(70:30)グリコール]の
調製および重合を示している。
【0222】 3.1gのテトラヒドロフラン中のブタン−1,4−ジオール(3.6ミリモ
ル)と三弗化硼素テトラヒドロフラネート(1.08ミリモル)の溶液を重合フ
ラスコ内で乾燥窒素下において15℃で5分にわたり攪拌した。M6−14−F
OX(20.0g)を混合物に添加し、15℃で2.5時間にわたり攪拌し、そ
の後、3時間にわたり65℃に加熱した。アリコートの1H・NMR分析によっ
てモノマーが消費されたことが示された。反応を過剰の水で冷却し、有機層を分
離し、等量のメタノールの添加によってコプレポリマーを分離した。メタノール
の分離後に、残留ポリマー油を真空乾燥した。GPC分析によって環式材料が2
%未満であることが明らかになった。1H・NMR TFAA末端基分析によっ
て決定したグリコールの当量は3,000であった。材料は−52℃のTgを示
し、その他の転移を示さなかった。GPCによって1.8の多分散性インデック
ス(PDI)が示された。
【0223】 3.代表的なコプレポリマー 本明細書に記載された方法を用いて、二置換FOXモノマーを一置換FOXモ
ノマーおよびTHFと共重合した。代表的なコプレポリマーを表3に記載する。
【表3】
【0224】 種々のコプレポリマーの特性と特徴を試験した。表4に記載したように、二置
換および一置換FOXモノマーから形成されたコプレポリマーと二置換FOXモ
ノマーとTHFから形成されたコプレポリマーの両方は非結晶性である。すなわ
ち、それらは非晶質油である。
【表4】
【0225】 D.ポリウレタン 実施例I この実施例は、ポリ(B14/7−FOX)(50:50)グリコールから調
製された熱可塑性ポリウレタンの調製および特性を示している。
【0226】 50mLの三つ口フラスコをアルゴン下で乾燥し、ポリ(B14/7−FOX
)(50:50)グリコール(3.42g、128ミリモル、当量2650)、
IPDI(464mg、4.05ミリモル)、THF(62mg)中のLV−3
3/T12触媒およびTHF(5mL)をフラスコに投入した。混合物を加熱し
て3.5時間にわたり還流させ、その後、THF(0.5mL)に溶解した1,
4−ブタンジオール(BDO)(111mg、2.47ミリ当量)およびDMA
C(1.5mL)を添加した。加熱を3時間にわたり継続し、混合物を室温に冷
却した。溶液を用いてガラススライドを浸漬被覆した。スライドを炉内で65℃
において乾燥して、滑らかで無色の不粘着性のコーティングが生じた。コーティ
ングをDCAによって分析し、水との127度の前進接触角および41度の後退
接触角を示すことが判明した。ポリマー溶液をメタノール中で沈殿させ、沈殿し
た材料を濾過によって集めることによりポリウレタンを単離した。濾過された材
料を真空炉内で40℃において16時間にわたり乾燥して、不粘着性エラストマ
ーである3.72g(86%)の標記ポリマーが生じた。GPC:Mw=25,
532、多分散性インデックス(PDI)=3.1。DSC:Tg=−47℃。
【0227】 実施例II この実施例は、ポリ(M6−14−FOX/THF)(70:30)グリコー
ルから調製された熱可塑性ポリウレタンの調製および特性を示している。
【0228】 100mLの三つ口フラスコをアルゴン下で乾燥し、38.76ミリモルのM
DIおよび10mLのDMACをフラスコに投入した。混合物を65℃に加熱し
、10mLのTHFに溶解したポリ(M6−14−FOX/THF)(70:3
0)グリコール(3.1ミリモル)とジブチル錫ジラウレート触媒(48mg)
の溶液を添加した。60℃で2時間にわたり反応させた後、1.0mLのTHF
中の38.46ミリモルの1,4−ブタンジオールを添加した。10mLのDM
Acを添加し、反応を65℃で20時間にわたり継続した。室温に冷却した後、
400mLのメタノールを添加してポリマーを沈殿させ、それを集め乾燥した。
ポリウレタンエラストマーを10重量%溶液としてDMAcに溶解し、それを用
いて種々の基板を被覆して、ゴム弾性で不粘着性のコーティングが生じた。GP
C分析によると、約85,000のMwおよび2.5の多分散性インデックス(
PDI)が示された。DSCによると、−50℃のTg、および200℃〜23
0℃のハードセグメントの融点が示された。DAC(H2O):θadv=120
度、θrec=68度。
【0229】 Mw=5,600から25,500へのGPCによって測定したMwの増加は
、鎖末端の少なくとも85%上にヒドロキシル官能基が存在することを示してい
る。
【0230】 実施例III この実施例は、ポリ(B14/7−FOX)(80:20)グリコールから調
製された熱可塑性ポリウレタンの調製および特性を示している。
【0231】 100mLの三つ口フラスコをアルゴン下で乾燥し、MDI(4.923g、
38.76ミリモル)およびDMAC(10mL)をフラスコに投入した。混合
物を65℃に加熱し、THF(10mL)に溶解した80:20ポリ(B14/
7−FOX)グリコール(6.4g、3.1ミリモル、当量2,052)とジブ
チル錫ジラウレート触媒(48mg)の溶液を添加した。混合物を65℃で1.
5時間にわたり加熱し、THF(1.0mL)中の1,4−ブタンジオール(1
.571g、34.86ミリモル)の溶液で処理した。DMACを添加し、得ら
れた混合物を65℃で20時間にわたり加熱した。反応混合物を室温に冷却し、
メタノール(400mL)に添加した。沈殿したポリマーを濾過によって集め、
真空炉内で40℃/30mm/Hg/16時間で乾燥して、白色エラストマーで
ある10.9g(85%)の標記ポリウレタンが生じた。ポリウレタンエラスト
マーをDMAC(10重量%)に溶解し、得られた液をコーティング用途のため
に用いた。木材、ガラス、皮革、ゴム(EPDMゴム)、ガラス繊維、ステンレ
ススチール(304SSおよび316SS)、アルミニウムおよび布地などの基
板にこの溶液を被覆し、炉内に65℃で16時間にわたり置いた。得られたコー
ティングは不粘着性でゴム弾性であった。ポリウレタンは次の通り特性分析され
た。DAC(H2O):θadv=116度、θrec=68度、表面エネルギー:1
1.7ダイン/cm。GPC:Mw=83,657、多分散性インデックス(P
DI)=2.34。DSC:Tg=−47℃、208℃および225℃で溶融吸
熱。
【0232】 Mw=4,200から84,000へのGPCによって測定したMwの増加は
、鎖末端の少なくとも95%上にヒドロキシル官能基が存在することを示してい
る。
【0233】 実施例IV この実施例は、ポリ(B14/7−FOX)(80:20)グリコールから調
製された熱硬化性ポリウレタンの調製および特性を示している。
【0234】 ビーカー内で60℃においてポリ(B14/7−FOX)(80:20)グリ
コール(12.8g、6.2ミリ当量、当量=2,052)をISONOL−9
3(1.08g、12.4ミリ当量)およびジブチル錫ジラウレート(2mg)
と混合した。Des−W(2.60g、19.8ミリ当量)を添加し、混合を6
0℃で15分にわたり継続した。その後、内容物をTEFLON(登録商標)型
に移送した。型を真空炉内に入れ、脱気(100℃、29インチ真空で30分間
)した。その後、混合物を65℃で46時間にわたり硬化させて不粘着性のエラ
ストマーが生じた。
【0235】 実施例V この実施例は、ポリ(B14/7−FOX)(50:50)グリコールから調
製された熱硬化性ポリウレタンエラストマーの調製を示している。
【0236】 ビーカー内で60℃においてポリ(B14/7−FOX)(50:50)グリ
コール(13.68g、5.16ミリ当量、当量=2,650)をISONOL
−93(0.90g、10.3ミリ当量)およびジブチル錫ジラウレート(3m
g)と混合した。Des−W(2.13g、16.2ミリ当量)を添加し、混合
を65℃で10分にわたり継続した。その後、内容物をTEFLON(登録商標
)型に移送した。型を真空炉内に入れ、脱気(100℃、29インチ真空で30
分間)した。その後、混合物を65℃で36時間にわたり硬化させて不粘着性の
エラストマーが生じた。
【0237】 実施例VI この実施例は、ポリ(B14−FOX/THF)(90:10)グリコールか
ら調製された熱硬化性ポリウレタンエラストマーの調製を示している。
【0238】 500mLの丸底三つ口フラスコを乾燥し、凝縮器、熱電対プローブおよびマ
グネチックスターラーと合わせてアルゴン下で組み立てた。無水ジクロロメタン
(80mL)、1,4−ブタンジオール(1.9196g、21.3ミリモル)
、三弗化硼素テトラヒドロフラネート(0.9289g、6.64ミリモル)お
よびFreon(登録商標)113(40mL)中の3,3−ビス(2,2,3
,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン(118.20
g、0.245モル)を順次装置に投入した。溶液を室温で48時間にわたり攪
拌し、その時点で陽子NMR分析によってモノマーの95%が消費されたことが
示された。反応を水性炭酸ナトリウム(50mL)で冷却し、分離し、有機相を
水性塩酸(10%、2x75mL)、水およびブラインで洗浄した。有機溶液を
硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で蒸発させて118g(95%)のプレポリマ
ーがクリアな液体として生じた。粗ポリマーは、GPCによって4、050の分
子量および1.25のMw/Mnを有し、そして10%未満の低分子量オリゴマ
ーを含有することが判明した。陽子NMR分析によると、オキセタン対テトラヒ
ドロフランの比が9.6モル%であることが示された。当量は1,948であっ
た。1H・NMR:1.67(s、0.04H)、1.85(m、0.03H)
、2.2(m、0.03H)、3.44(s、4H)、3.63(m、4H)、
3.88(m、4H)。
【0239】 実施例VII この実施例は、本発明のポリウレタンの代表的な特性を示している。より特に
、表5は、本発明のコプレポリマーから調製されたポリウレタンの特性を記載し
ている。
【表5】
【0240】 E.構造 表6は、一置換および二置換オキセタンを用いて調製されたホモプレポリマー
とコプレポリマーの13C・NMRによる比較を記載している。さらに、igat
ed減結合技術を用いる定量的炭素(13C)NMR分光分析法に7−FOXとB
14−FOXのコポリマーを供した(表7参照)。一個の弗素化基とメチル基を
保持する41.41における第四炭素およびビス弗素化置換基に起因する46.
05における第四炭素を積分(integrated)し、それらは50.6対
49.4の比に対応することが判明した。これは、コポリマー用のモノマー原料
に基づく正しい比である。コポリマー中の第四炭素からの信号も三つ組(トライ
アッド)(triads)として現れる。それは、AB、BBまたはA
の配列に由来して、二種の異種モノマーの各一方がポリマー主鎖中の同種モノマ
ーまたは異種モノマーに隣接して現れうるランダムコポリマーに関して予想され
る通りである。
【表6】
【表7】
【0241】 上の説明は例であることを意図しており、限定することを意図していないこと
は理解されるべきである。多くの実施形態は、上の説明を読めば当業者に対して
明らかであろう。従って、本発明の範囲は、上の説明によって決定されるべきで
なく、添付した請求の範囲が権利を与えられる等価物の完全な範囲に加えて、こ
うした請求の範囲によって決定されるべきである。特許出願および刊行物を含む
すべての記事および参考文献の開示は、あらゆる目的で本明細書に引用して援用
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カチオン開環反応によるFOXモノマーの重合反応の要約である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 アーチバルド,トーマス ジー. アメリカ合衆国,カリフォルニア 95628, フェア オークス,ナトマ アベニュ 4155 (72)発明者 カールソン,ローランド ピー. アメリカ合衆国,カリフォルニア 95630, フルソム,ケーブル サークル 99 #18 (72)発明者 ウェイン,ケネス ジェイ. アメリカ合衆国,バージニア 22044 フ ォールズ チャーチ,ビラ レーン 6342 (72)発明者 クリースグ,エドワード エヌ. アメリカ合衆国,ニュージャージー 07060,ウォッチャング,パーリン レー ン Fターム(参考) 4C048 TT02 UU03 XX04 4J005 AA08 AA09 4J034 CA13 CA15 CA16 CB04 CB05 CC03 CC12 DB04 DD07 DG08 DG09 DG30 HA07 HC03 HC12 HC15 HC64 HC71

Claims (82)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の一般式を有するモノマー単位を含むヒドロキシ末端F
    OXプレポリマー。 【化1】 (式中、各nは独立して選択され、1〜3であり、Rf 1およびRf 2は、異なるこ
    とを条件として、炭素原子数1〜約20の直鎖過弗素化アルキル、炭素原子数1
    〜約20の直鎖過弗素化イソアルキル、分岐鎖過弗素化アルキオール、炭素原子
    数1〜約20の分岐過弗素化イソアルキルおよび炭素原子数4〜約60のオキサ
    過弗素化ポリエーテルから成る群から独立して選択され、xは1〜約250であ
    る。)
  2. 【請求項2】 Rf 1およびRf 2は両方とも直鎖過弗素化アルキルである請求
    項1に記載のヒドロキシ末端FOXプレポリマー。
  3. 【請求項3】 前記FOXプレポリマーは、ポリ(3−(2,2,2−トリ
    フルオロエトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオ
    ロブトキシメチル)オキセタン)である請求項2に記載のヒドロキシ末端FOX
    プレポリマー。
  4. 【請求項4】 前記FOXプレポリマーは、ポリ(3−(2,2,2−トリ
    フルオロエトキシメチル)−3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
    8,8,8−トリフルオロオクチルオキシメチル)オキセタン)である請求項2
    に記載のヒドロキシ末端FOXプレポリマー。
  5. 【請求項5】 前記FOXプレポリマーは、ポリ(3−(2,2,3,3,
    4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4,4
    ,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシメ
    チル)オキセタン)である請求項2に記載のヒドロキシ末端FOXプレポリマー
  6. 【請求項6】 前記FOXプレポリマーは、ポリ(3−(2,2,2−トリ
    フルオロエトキシメチル)−3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
    8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルオキシメチル)
    オキセタン)である請求項2に記載のヒドロキシ末端FOXプレポリマー。
  7. 【請求項7】 前記FOXプレポリマーは、ポリ(3−(2,2,3,3,
    4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−(3,3,4,4,5,5
    ,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,1
    2−ヘンエイコサフルオロデデシルオキシメチル)オキセタン)である請求項2
    に記載のヒドロキシ末端FOXプレポリマー。
  8. 【請求項8】 xは約10〜約50である請求項2に記載のヒドロキシ末端
    FOXプレポリマー。
  9. 【請求項9】 以下の一般式を有するモノマー単位の混合単位を含むヒドロ
    キシ末端FOXコプレポリマー。 【化2】 および 【化3】 (式中、各nは独立して選択され、1〜3であり、Rはメチルおよびエチルから
    成る群から選択され、Rf 1、Rf 2およびRf 3は、炭素原子数1〜約20の直鎖弗
    素化アルキル、炭素原子数1〜約20の直鎖弗素化イソアルキル、炭素原子数1
    〜約20の分岐鎖弗素化アルキル、炭素原子数1〜約20の分岐鎖弗素化イソア
    ルキルおよび炭素原子数4〜約60のオキサ過弗素化ポリエーテルから成る群か
    ら独立して選択され、xは1〜約250であり、yは1〜約250である。)
  10. 【請求項10】 Rf 1、Rf 2およびRf 3は直鎖過弗素化アルキルである請求
    項9に記載のヒドロキシ末端FOXプレポリマー。
  11. 【請求項11】 Rf 1およびRf 2は同じである請求項9に記載のヒドロキシ
    末端FOXコプレポリマー。
  12. 【請求項12】 Rf 1およびRf 2は異なる請求項9に記載のヒドロキシ末端
    FOXコプレポリマー。
  13. 【請求項13】 前記ヒドロキシ末端FOXコプレポリマーは、3,3−(
    2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)オキセタン、3,3−(2,2,3
    ,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン、3,3−(2
    ,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフル
    オロオクチルオキシメチル)オキセタン、3,3−(3,3,4,4,5,5,
    6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル)オキセ
    タン、3,3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,
    10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルオキシメチル)オキセタン、3,
    3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10
    ,11,11,12,12,12−ヘンエイコサフルオロドデシルオキシメチル
    )オキセタン、3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−(2,
    2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタンおよび3
    −(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−(2
    ,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフル
    オロオクチルオキシメチル)オキセタンから成る群から選択された少なくとも一
    種の二置換FOXモノマーと、3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル
    )−3−メチルオキセタン、3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオ
    ロブトキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(2,2,3,3,4,4,
    5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシメチ
    ル)−3−メチルオキセタン、3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7
    ,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル)−3−メチルオキセタ
    ン、3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,
    10,10−ヘプタデカフルオロデシルオキシメチル)−3−メチルオキセタン
    および3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10
    ,10,11,11,12,12,12−ヘンエイコサフルオロドデシルオキシ
    メチル)−3−メチルオキセタンから成る群から選択された少なくとも一種の一
    置換FOXモノマーとの重合から製造される請求項9に記載のヒドロキシ末端F
    OXコプレポリマー。
  14. 【請求項14】 前記二置換FOXモノマーは3,3−(2,2,3,3,
    4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタンであり、前記一置換F
    OXモノマーは3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメ
    チル)−3−メチルオキセタンである請求項13に記載のヒドロキシ末端FOX
    コプレポリマー。
  15. 【請求項15】 前記二置換FOXモノマーは3,3−(2,2,3,3,
    4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタンであり、前記一置換F
    OXモノマーは3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−メチル
    オキセタンである請求項13に記載のヒドロキシ末端FOXコプレポリマー。
  16. 【請求項16】 前記二置換FOXモノマーは3,3−(2,2,2−トリ
    フルオロエトキシメチル)オキセタンであり、前記一置換FOXモノマーは3−
    (2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−メチルオキセタンである請
    求項13に記載のヒドロキシ末端FOXコプレポリマー。
  17. 【請求項17】 前記二置換FOXモノマー対前記一置換FOXモノマーの
    比は約50:50〜約95:5の範囲内である請求項9に記載のヒドロキシ末端
    FOXコプレポリマー。
  18. 【請求項18】 以下の一般式を有するモノマー単位の混合単位を含むヒド
    ロキシ末端FOX/THFコプレポリマー。 【化4】 および 【化5】 (式中、各nは独立して選択され、1〜3であり、Rf 1およびRf 2は、炭素数1
    〜20の直鎖過弗素化アルキル基、炭素数1〜20の分岐過弗素化アルキル基お
    よび炭素数約4〜60のオキサ過弗素化ポリエーテルから成る群から独立して選
    択され、xは1〜250であり、zは1〜250である。)
  19. 【請求項19】 Rf 1およびRf 2は直鎖過弗素化アルキルである請求項18
    に記載のFOX/THFプレポリマー。
  20. 【請求項20】 Rf 1およびRf 2は同じである請求項18に記載のFOX/
    THFコプレポリマー。
  21. 【請求項21】 Rf 1およびRf 2は異なる請求項18に記載のFOX/TH
    Fコプレポリマー。
  22. 【請求項22】 多分散性は1.1〜2.5の範囲内であり、数平均分子量
    は約2,000〜15,000の範囲である請求項18に記載のFOX/THF
    コプレポリマー。
  23. 【請求項23】 前記FOX/THFコプレポリマーは、テトラヒドロフラ
    ンと3,3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)オキセタン、3,3
    −(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン
    、3.3−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−
    ペンタデカフルオロオクチルオキシメチル)オキセタン、3,3−(3,3,4
    ,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシ
    メチル)オキセタン、3,3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8
    ,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルオキシメチル)オ
    キセタン、3,3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,
    9,10,10,11,11,12,12,12−ヘンエイコサフルオロドデシ
    ルオキシメチル)オキセタン、3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル
    )−3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキ
    セタンおよび3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチ
    ル)−3−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−
    ペンタデカフルオロオクチルオキシメチル)オキセタンから成る群から選択され
    た少なくとも一種の二置換FOXモノマーとの重合から製造される請求項18に
    記載のFOX/THFコプレポリマー。
  24. 【請求項24】 前記二置換FOXモノマーは3,3−(2,2,2−トリ
    フルオロエトキシメチル)オキセタンである請求項23に記載のFOX/THF
    コプレポリマー。
  25. 【請求項25】 前記二置換FOXモノマーは3,3−(2,2,3,3,
    4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタンである請求項23に記
    載のFOX/THFコプレポリマー。
  26. 【請求項26】 前記二置換FOXモノマーは3−(2,2,2−トリフル
    オロエトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブ
    トキシメチル)オキセタンである請求項23に記載のFOX/THFコプレポリ
    マー。
  27. 【請求項27】 FOXモノマー対THFモノマーの比は約1:99〜約9
    9:1の範囲内である請求項18に記載のFOX/THFコプレポリマー。
  28. 【請求項28】 以下の一般式を有するモノマー単位の混合単位を含むヒド
    ロキシ末端FOX/THFコプレポリマー。 【化6】 【化7】 および 【化8】 (式中、各nは独立して選択され、1〜3であり、Rはメチルおよびエチルから
    成る群から選択され、Rf 1、Rf 2およびRf 3は、炭素数1〜20の直鎖過弗素化
    アルキル基、炭素数1〜20の分岐過弗素化アルキル基および炭素数約4〜60
    のオキサ過弗素化ポリエーテルから成る群から独立して選択され、xは1〜25
    0であり、yは1〜250であり、zは1〜250である。)
  29. 【請求項29】 Rf 1、Rf 2およびRf 3は直鎖過弗素化アルキルである請求
    項28に記載のFOX/THFコプレポリマー。
  30. 【請求項30】 Rf 1およびRf 2は同じである請求項28に記載のFOX/
    THFコプレポリマー。
  31. 【請求項31】 Rf 1およびRf 2は異なる請求項28に記載のFOX/TH
    Fコプレポリマー。
  32. 【請求項32】 多分散性は1.1〜2.5の範囲内であり、数平均分子量
    は約2,000〜15,000の範囲である請求項28に記載のFOX/THF
    コプレポリマー。
  33. 【請求項33】 前記ヒドロキシ末端FOX/THFコプレポリマーは、テ
    トラヒドロフランと、3,3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)オ
    キセタン、3,3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメ
    チル)オキセタン、3.3−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
    7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシメチル)オキセタン、3,
    3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオ
    ロオクチルオキシメチル)オキセタン、3,3−(3,3,4,4,5,5,6
    ,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル
    オキシメチル)オキセタン、3,3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,
    7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘンエイコ
    サフルオロドデシルオキシメチル)オキセタン、3−(2,2,2−トリフルオ
    ロエトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブト
    キシメチル)オキセタンおよび3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフル
    オロブトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
    7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシメチル)オキセタンから成
    る群から選択された少なくとも一種の二置換FOXモノマー、ならびに3−(2
    ,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(2,
    2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−メチルオキセ
    タン、3−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−
    ペンタデカフルオロオクチルオキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(3
    ,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチ
    ルオキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(3,3,4,4,5,5,6
    ,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル
    オキシメチル)−3−メチルオキセタンおよび3−(3,3,4,4,5,5,
    6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12
    −ヘンエイコサフルオロドデシルオキシメチル)−3−メチルオキセタンから成
    る群から選択された少なくとも一種の一置換FOXモノマーとの重合から製造さ
    れる請求項28に記載のFOX/THFコプレポリマー。
  34. 【請求項34】 前記二置換FOXモノマーは3,3−(2,2,2−トリ
    フルオロエトキシメチル)オキセタンである請求項33に記載のFOX/THF
    コプレポリマー。
  35. 【請求項35】 前記二置換FOXモノマーは3,3−(2,2,3,3,
    4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタンである請求項33に記
    載のFOX/THFコプレポリマー。
  36. 【請求項36】 前記二置換FOXモノマーは3−(2,2,2−トリフル
    オロエトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブ
    トキシメチル)オキセタンである請求項33に記載のFOX/THFコプレポリ
    マー。
  37. 【請求項37】 前記一置換FOXモノマーは3−(2,2,3,3,4,
    4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−メチルオキセタンである請求項
    33に記載のFOX/THFコプレポリマー。
  38. 【請求項38】 前記一置換FOXモノマーは3−(2,2,2−トリフル
    オロエトキシメチル)−3−メチルオキセタンである請求項33に記載のFOX
    /THFコプレポリマー。
  39. 【請求項39】 FOXモノマー対THFモノマーの比は約1:99〜約9
    9:1の範囲内である請求項28に記載のFOX/THFコプレポリマー。
  40. 【請求項40】 以下の一般式を有するモノマー単位の混合単位を含む弗素
    化ポリウレタンエラストマー。 【化9】 および 【化10】 (式中、nは独立して選択され、1〜3であり、Rf 1およびRf 2は、異なること
    を条件として、炭素原子数1〜20の直鎖および分岐過弗素化アルキル基、なら
    びに炭素原子数約4〜20のオキサ過弗素化ポリエーテルから成る群から独立し
    て選択され、R1は、二価ヒドロカルビル基であり、xは1〜250であり、w
    は1〜50である。)
  41. 【請求項41】 Rf 1およびRf 2は直鎖過弗素化アルキルである請求項40
    に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  42. 【請求項42】 前記イソシアネートセグメントは、ヘキサメチレンジイソ
    シアネート(HDI)、イソフェロンジイソシアネート(IPDI)、4,4−
    メチレンジフェニルイソシアネート(MDI)、高分子MDI(イソネート)、
    トルエンジイソシアネート、飽和MDI(HMDI)、高分子HDI(N−10
    0およびN−3200)、トリメチルヘキサンジイソシアネートおよびそれらの
    混合セグメントから成る群から選択される請求項40に記載の弗素化ポリウレタ
    ンエラストマー。
  43. 【請求項43】 前記弗素化ポリエーテルセグメントは、3−(2,2,2
    −トリフルオロエトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタ
    フルオロブトキシメチル)オキセタン、3−(2,2,2−トリフルオロエトキ
    シメチル)−3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ト
    リフルオロオクチルオキシメチル)オキセタン、3−(2,2,3,3,4,4
    ,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4,4,5,
    5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシメチル)
    オキセタン、3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−(3,3
    ,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプ
    タデカフルオロデシルオキシメチル)オキセタンおよび3−(2,2,3,3,
    4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−(3,3,4,4,5,5
    ,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,1
    2−ヘンエイコサフルオロデデシルオキシメチル)オキセタンから成る群から選
    択された少なくとも一種の二置換FOXモノマーから製造される請求項40に記
    載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  44. 【請求項44】 前記二置換FOXモノマーは、3−(2,2,2−トリフ
    ルオロエトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ
    ブトキシメチル)オキセタンまたは3,3−(2,2,2−トリフルオロエトキ
    シメチル)オキセタンである請求項43に記載の弗素化ポリウレタンエラストマ
    ー。
  45. 【請求項45】 前記二置換FOXモノマーは3−(2,2,2−トリフル
    オロエトキシメチル)−3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
    8,8−トリフルオロオクチルオキシメチル)オキセタンである請求項43に記
    載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  46. 【請求項46】 前記二置換FOXモノマーは3−(2,2,3,3,4,
    4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4,4,5
    ,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシメチル
    )オキセタンである請求項43に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  47. 【請求項47】 前記弗素化ポリウレタンエラストマーは弗素化熱硬化性ポ
    リウレタンエラストマーである請求項40に記載の弗素化ポリウレタンエラスト
    マー。
  48. 【請求項48】 前記弗素化ポリウレタンエラストマーは弗素化熱可塑性ポ
    リウレタンエラストマーである請求項40に記載の弗素化ポリウレタンエラスト
    マー。
  49. 【請求項49】 以下の一般式を有するモノマー単位の混合単位を含む弗素
    化ポリウレタンエラストマー。 【化11】 【化12】 および 【化13】 (式中、nは独立して選択され、1〜3であり、Rはメチルおよびエチルから成
    る群から選択され、Rf 1、Rf 2およびRf 3は、炭素原子数1〜20の直鎖および
    分岐過弗素化アルキル基、ならびに炭素原子数約4〜20のオキサ過弗素化ポリ
    エーテルから成る群から独立して選択され、R1は二価ヒドロカルビル基であり
    、xは1〜250であり、yは1〜250であり、wは1〜100である。)
  50. 【請求項50】 前記弗素化ポリウレタンエラストマーは弗素化熱硬化性ポ
    リウレタンエラストマーである請求項49に記載の弗素化ポリウレタンエラスト
    マー。
  51. 【請求項51】 前記弗素化ポリウレタンエラストマーは弗素化熱可塑性ポ
    リウレタンエラストマーである請求項49に記載の弗素化ポリウレタンエラスト
    マー。
  52. 【請求項52】 Rf 1、Rf 2およびRf 3は直鎖過弗素化アルキルである請求
    項49に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  53. 【請求項53】 Rf 1およびRf 2は同じである請求項49に記載の弗素化ポ
    リウレタンエラストマー。
  54. 【請求項54】 Rf 1およびRf 2は異なる請求項49に記載の弗素化ポリウ
    レタンエラストマー。
  55. 【請求項55】 前記イソシアネートセグメントは、ヘキサメチレンジイソ
    シアネート(HDI)、イソフェロンジイソシアネート(IPDI)、4,4−
    メチレンジフェニルイソシアネート(MDI)、高分子MDI(イソネート)、
    トルエンジイソシアネート、飽和MDI(HMDI)、高分子HDI(N−10
    0およびN−3200)、トリメチルヘキサンジイソシアネートおよびそれらの
    混合セグメントから成る群から選択される請求項49に記載の弗素化ポリウレタ
    ンエラストマー。
  56. 【請求項56】 前記二置換FOXモノマーは、3,3−(2,2,2−ト
    リフルオロエトキシメチル)オキセタン、3,3−(2,2,3,3,4,4,
    4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン、3.3−(2,2,3,3,
    4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオ
    キシメチル)オキセタン、3,3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7
    ,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル)オキセタン、3,3−
    (3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,1
    0−ヘプタデカフルオロデシルオキシメチル)オキセタン、3,3−(3,3,
    4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,
    12,12,12−ヘンエイコサフルオロドデシルオキシメチル)オキセタン、
    3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4
    ,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン、3−(2,2,3,3
    ,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4,
    4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシ
    メチル)オキセタンおよびそれらの混合物から成る群から選択される請求項49
    に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  57. 【請求項57】 前記一置換FOXモノマーは、3−(2,2,2−トリフ
    ルオロエトキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(2,2,3,3,4,
    4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(2,
    2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオ
    ロオクチルオキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(3,3,4,4,5
    ,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル)
    −3−メチルオキセタン、3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8
    ,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルオキシメチル)−
    3−メチルオキセタン、3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
    8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘンエイコサフルオ
    ロドデシルオキシメチル)−3−メチルオキセタンおよびそれらの混合物から成
    る群から選択される請求項49に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  58. 【請求項58】 前記二置換FOXモノマーは、3,3−(2,2,2−ト
    リフルオロエトキシメチル)オキセタン、3,3−(2,2,3,3,4,4,
    4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン、3,3−(3,3,4,4,
    5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル
    )オキセタンおよび3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−(
    2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタンから
    成る群から選択される請求項56に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  59. 【請求項59】 前記一置換FOXモノマーは、3−(2,2,3,3,4
    ,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(2
    ,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−メチルオキセタンおよび3−(
    2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−メチルオキセタンから成る群
    から選択される請求項57に記載の弗素化熱硬化性ポリウレタンエラストマー。
  60. 【請求項60】 以下の一般式を有するモノマー単位の混合単位を含みFO
    X/THFセグメントをもつ弗素化ポリウレタンエラストマー。 【化14】 【化15】 および 【化16】 (式中、nは独立して選択され、1〜3であり、Rf 1およびRf 2は、炭素原子数
    1〜20の直鎖および分岐過弗素化アルキル、ならびに炭素原子数約4〜20の
    オキサ過弗素化ポリエーテルから成る群から独立して選択され、R1は、二価ヒ
    ドロカルビル基であり、xは1〜250であり、zは1〜250であり、wは1
    〜250である。)
  61. 【請求項61】 前記弗素化ポリウレタンエラストマーは弗素化熱硬化性ポ
    リウレタンエラストマーである請求項60に記載の弗素化ポリウレタンエラスト
    マー。
  62. 【請求項62】 前記弗素化ポリウレタンエラストマーは弗素化熱可塑性ポ
    リウレタンエラストマーである請求項60に記載の弗素化ポリウレタンエラスト
    マー。
  63. 【請求項63】 前記イソシアネートセグメントは、ヘキサメチレンジイソ
    シアネート(HDI)、イソフェロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’
    −メチレンジフェニルイソシアネート(MDI)、高分子MDI(イソネート)
    、トルエンジイソシアネート、飽和MDI(HMDI)、高分子HDI(N−1
    00およびN−3200)、トリメチルヘキサンジイソシアネートおよびそれら
    の混合セグメントから成る群から選択される請求項60に記載の弗素化ポリウレ
    タンエラストマー。
  64. 【請求項64】 低分子量ポリオールおよびポリアミンから成る群から選択
    された架橋剤または連鎖延長剤をさらに含む請求項60に記載の弗素化ポリウレ
    タンエラストマー。
  65. 【請求項65】 前記架橋剤は、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリ
    トール、ISONOL93、トリメチロールエタン、トリエタノールアミン、ジ
    ェファミン(Jeffamine)、1,4−ブタンジアミン、キシレンジアミ
    ン、ジエチレントリアミン、メチレンジアニリンおよびジエタノールアミンから
    成る群から選択される請求項64に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  66. 【請求項66】 前記連鎖延長剤は、1,4−ブタンジオール、1,3−プ
    ロパンジオールおよびベンゼンジメタノールから成る群から選択される請求項6
    4に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  67. 【請求項67】 前記弗素化ポリエーテルセグメントは、3,3−(2,2
    ,2−トリフルオロエトキシメチル)オキセタン、3,3−(2,2,3,3,
    4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン、3.3−(2,2,
    3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオ
    クチルオキシメチル)オキセタン、3,3−(3,3,4,4,5,5,6,6
    ,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル)オキセタン、
    3,3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,
    10,10−ヘプタデカフルオロデシルオキシメチル)オキセタン、3,3−(
    3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11
    ,11,12,12,12−ヘンエイコサフルオロドデシルオキシメチル)オキ
    セタン、3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−(2,2,3
    ,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタンおよび3−(2
    ,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−(2,2,
    3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオ
    クチルオキシメチル)オキセタンから成る群から選択された少なくとも一種の二
    置換FOXモノマーから製造される請求項60に記載の弗素化ポリウレタンエラ
    ストマー。
  68. 【請求項68】 前記二置換FOXモノマーは、3,3−(2,2,2−ト
    リフルオロエトキシメチル)オキセタン、3,3−(2,2,3,3,4,4,
    4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン、3,3−(3,3,4,4,
    5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル
    )オキセタンおよび3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−(
    2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン成る
    群から選択される請求項67に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  69. 【請求項69】 以下の一般式を有するモノマー単位の混合単位を含む弗素
    化ポリウレタンエラストマー。 【化17】 【化18】 【化19】 および 【化20】 (式中、nは独立して選択され、1〜3であり、Rはメチルおよびエチルから成
    る群から選択され、Rf 1、Rf 2およびRf 3は、炭素原子数1〜20の直鎖および
    分岐過弗素化アルキル、ならびに炭素原子数約4〜20のオキサ過弗素化ポリエ
    ーテルから成る群から独立して選択され、R1は二価ヒドロカルビル基であり、
    xは1〜250であり、yは1〜250であり、zは1〜250であり、wは1
    〜50である。)
  70. 【請求項70】 前記弗素化ポリウレタンエラストマーは弗素化熱硬化性ポ
    リウレタンエラストマーである請求項69に記載の弗素化ポリウレタンエラスト
    マー。
  71. 【請求項71】 前記弗素化ポリウレタンエラストマーは弗素化熱可塑性ポ
    リウレタンエラストマーである請求項69に記載の弗素化ポリウレタンエラスト
    マー。
  72. 【請求項72】 前記イソシアネートセグメントは、ヘキサメチレンジイソ
    シアネート(HDI)、イソフェロンジイソシアネート(IPDI)、4,4−
    メチレンジフェニルイソシアネート(MDI)、高分子MDI(イソネート)、
    トルエンジイソシアネート、飽和MDI(HMDI)、高分子HDI(N−10
    0およびN−3200)、トリメチルヘキサンジイソシアネートおよびそれらの
    混合セグメントから成る群から選択される請求項69に記載の弗素化ポリウレタ
    ンエラストマー。
  73. 【請求項73】 低分子量ポリオールおよびポリアミンから成る群から選択
    された架橋剤または連鎖延長剤をさらに含む請求項69に記載の弗素化ポリウレ
    タンエラストマー。
  74. 【請求項74】 前記架橋剤は、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリ
    トール、ISONOL93、トリメチロールエタン、トリエタノールアミン、ジ
    ェファミン(Jeffamine)、1,4−ブタンジアミン、キシレンジアミ
    ン、ジエチレントリアミン、メチレンジアニリンおよびジエタノールアミンから
    成る群から選択される請求項73に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  75. 【請求項75】 前記連鎖延長剤は、1,4−ブタンジオール、1,3−プ
    ロパンジオールおよびベンゼンジメタノールから成る群から選択される請求項7
    3に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  76. 【請求項76】 前記二置換FOXモノマーは、3,3−(2,2,2−ト
    リフルオロエトキシメチル)オキセタン、3,3−(2,2,3,3,4,4,
    4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン、3.3−(2,2,3,3,
    4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオ
    キシメチル)オキセタン、3,3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7
    ,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル)オキセタン、3,3−
    (3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,1
    0−ヘプタデカフルオロデシルオキシメチル)オキセタン、3,3−(3,3,
    4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,
    12,12,12−ヘンエイコサフルオロドデシルオキシメチル)オキセタン、
    3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4
    ,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン、3−(2,2,3,3
    ,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4,
    4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシ
    メチル)オキセタンおよびそれらの混合物から成る群から選択される請求項73
    に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  77. 【請求項77】 前記一置換FOXモノマーは、3−(2,2,2−トリフ
    ルオロエトキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(2,2,3,3,4,
    4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(2,
    2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオ
    ロオクチルオキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(3,3,4,4,5
    ,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル)
    −3−メチルオキセタン、3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8
    ,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルオキシメチル)−
    3−メチルオキセタン、3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
    8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘンエイコサフルオ
    ロドデシルオキシメチル)−3−メチルオキセタンおよびそれらの混合物から成
    る群から選択される請求項69に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  78. 【請求項78】 前記二置換FOXモノマーは、3,3−(2,2,2−ト
    リフルオロエトキシメチル)オキセタン、3,3−(2,2,3,3,4,4,
    4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタン、3,3−(3,3,4,4,
    5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルオキシメチル
    )オキセタンおよび3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−(
    2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)オキセタンから
    成る群から選択される請求項76に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  79. 【請求項79】 前記一置換FOXモノマーは、3−(2,2,3,3,4
    ,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−メチルオキセタン、3−(2
    ,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−メチルオキセタンおよび3−(
    2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−メチルオキセタンから成る群
    から選択される請求項77に記載の弗素化ポリウレタンエラストマー。
  80. 【請求項80】 以下の一般式を有する二置換弗素化オキセタンモノマー。 【化21】 (式中、各nは独立して選択され、1〜3であり、Rf 1およびRf 2は、異なるこ
    とを条件として、炭素数1〜20の直鎖過弗素化アルキル、炭素数1〜20の直
    鎖過弗素化イソアルキル、炭素数1〜20の分岐鎖過弗素化アルキル、炭素数1
    〜20の分岐鎖過弗素化イソアルキルおよび炭素数4〜約60のオキサ過弗素化
    ポリエーテルから成る群から独立して選択される。)
  81. 【請求項81】 Rf 1およびRf 2は両方とも直鎖過弗素化アルキルである請
    求項80に記載の二置換弗素化オキセタンモノマー。
  82. 【請求項82】 前記二置換弗素化オキセタンモノマーは、3−(2,2,
    2−トリフルオロエトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプ
    タフルオロブトキシメチル)オキセタン、3−(2,2,2−トリフルオロエト
    キシメチル)−3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−
    トリフルオロオクチルオキシメチル)オキセタン、3−(2,2,3,3,4,
    4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−(2,2,3,3,4,4,5
    ,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシメチル
    )オキセタン、3−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−3−(3,
    3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘ
    プタデカフルオロデシルオキシメチル)オキセタンおよび3−(2,2,3,3
    ,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシメチル)−3−(3,3,4,4,5,
    5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,
    12−ヘンエイコサフルオロデデシルオキシメチル)オキセタンから成る群から
    選択される請求項81に記載の二置換弗素化オキセタンモノマー。
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