JP2003524384A - クラウディン媒介機能を調節するための化合物および方法 - Google Patents

クラウディン媒介機能を調節するための化合物および方法

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JP2003524384A JP2000579732A JP2000579732A JP2003524384A JP 2003524384 A JP2003524384 A JP 2003524384A JP 2000579732 A JP2000579732 A JP 2000579732A JP 2000579732 A JP2000579732 A JP 2000579732A JP 2003524384 A JP2003524384 A JP 2003524384A
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オレスト ダブリュー. ブラスチュック,
ジェイムズ マシュー サイモンズ,
バーバラ ジェイ. ゴール,
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アドヘレックス テクノロジーズ インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 インビボおよびインビトロでの種々の状況においてクラウディン媒介性細胞接着を増強または阻害するための調節薬剤を使用する方法を提供する。特定の実施形態において、この調節薬剤を用いて、血液/脳関門の透過性を増大させ得る。この調節薬剤は、少なくとも1つのクラウディン細胞接着認識配列またはこのクラウディン細胞接着認識配列を特異的に結合する抗体もしくはそのフラグメントを含む。調節薬剤はさらに、他の接着分子により認識される、1つ以上の細胞接着認識配列を含む。このような調節薬剤は、標的分子、薬物および/または支持体物質に連結されるが、必ずしも必要ではない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、一般に、クラウディン媒介プロセスを調節するための方法、および
より詳細には、クラウディン細胞接着認識配列および/または細胞接着および組
織透過性関門の形成のような機能を阻害するためのこのような配列を特異的に認
識する抗体を含む調節薬剤の使用に関する。
【0002】 (発明の背景) 細胞接着は、体内で組織の完全性を維持し、そして物理的および透過性関門を
生成するために重要な複雑なプロセスである。全ての組織は、明確なコンパート
メントに分割される。それらの各々は、類似の細胞型に接着する特定の細胞型か
ら構成される。このような接着は、密着結合、ギャップ結合、スポットデスモソ
ーム、およびベルトデスモソームとしてもまた知られる、細胞間接合部(すなわ
ち、互いに接着する隣接細胞の表面上の容易に規定し得る接触部位)の形成を誘
発する。このような結合の形成は、1つの組織区画から別の区画への細胞および
他の生物学的物質の自由な通過を制限する物理的および透過性の関門を生じる。
例えば、全ての組織の血管は、内皮細胞から構成される。血液中の成分が、所定
の組織区画へ侵入するために、それらはまず血管の管腔から、その血管の内皮細
胞によって形成される関門を介して通過しなければならない。同様に、物質が腸
を介して体内に侵入するためには、その物質は、まず、その組織の上皮細胞によ
って形成された関門を通過しなければならない。皮膚を介して血液に侵入するた
めには、上皮および内皮細胞層の両方を横切らなければならない。
【0003】 細胞接着は、特異的細胞表面接着分子(CAM)によって媒介される。CAM
の多くの異なるファミリーが存在する。それらには、免疫グロブリン、インテグ
リン、セレクチン、およびカドヘリンスーパーファミリーが含まれ、各々の細胞
型は、これらの分子の独特の組み合わせを発現する。カドヘリンは、カルシウム
依存性のCAMの迅速に拡大しているファミリーである(Munroら:Cel
l Adhesion and Invasion in Cancer Me
tastasis,P.Brodt編、17〜34頁、RG Landes C
o.(Austin TX,1996))。カドヘリン(CADと省略)は、一
般的に、同種親和性の相互作用を介して細胞接着を促進する膜糖タンパク質であ
る(1つの細胞の表面上のCADは、別の細胞の表面上の同一のCADに結合す
る)。カドヘリンは、上皮、内皮、神経、および癌細胞接着を、異なる細胞型上
で発現された異なるCADで調節することが示されている。例えば、N(神経)
−カドヘリンは、主に、神経細胞、内皮細胞、および種々の癌細胞型によって発
現される。E(内皮)−カドヘリンは、主に、上皮細胞によって発現される。V
E(血管内皮)−カドヘリンは、主に、内皮細胞によって発現される。他のCA
Dは、P(胎盤)−カドヘリン(これは、ヒトの皮膚において見出される)およ
びR(網膜)−カドヘリンである。カドヘリンの詳細な議論は、Munro S
Bら、1996:Cell Adhesion and Invasion i
n Cancer Metastasis,P.Brodt編、17〜34頁(
RG Landes Company, Austin TX)およびLamp
ugnaniおよびDejana、Curr.Opin.Cell Biol.
9:674−682,1997において提供される。
【0004】 CAD媒介細胞接着は、細胞間結合の形成を導き、そして最終的に組織区画間
の透過性関門の確立を導く事象のカスケードを誘発する。傍細胞空間を介しての
溶質の拡散を防止する透過性関門の生成を直接担う細胞間結合は、密着結合また
は閉鎖帯として知られている(Andersonおよびvan Itallie
,Am.J.Physiol.269:G467−G475,1995;Lam
pugnaniおよびDejana,Curr.Opin.Cell Biol
.9:674−682,1997)。
【0005】 最も研究されている密着結合の膜貫通成分はオクルディンである(Furus
eら、J.Cell Biol.123:1777−1788,1993;Fu
ruseら、J.Cell Sci.109:429−435,1996)。こ
のタンパク質は、全ての内皮細胞型、およびほとんどの上皮細胞型によって発現
されるようである。オクルディンは、2つの細胞外ドメイン、原形質膜を横断す
る4つの疎水性ドメイン、および3つの細胞質ドメインから構成される膜内在性
タンパク質であり、すべての公知の哺乳動物オクルディンの構造は、類似してい
る(Ando−Akatsukaら、J.Biol.Chem.133:43−
47,1996)。オクルディンは、細胞接着および密着結合の形成に直接関与
すると考えられている(Furuseら、J.Cell Sci.109:42
9−435,1996;Chenら、J.Cell Biol.138:891
−899,1997)。オクルディンは、同種親和性の相互作用を介して細胞接
着を促進すると提唱されている(1つの細胞の表面上のオクルディンは、別の細
胞の表面上の同一のオクルディンに結合する)。オクルディン構造および機能の
詳細な議論は、LampugnaniおよびDejana,Curr.Opin
.Cell Biol.9:674−682,1997によって提供される。
【0006】 より最近では、密着結合成分の第2のファミリーが、同定されている。クラウ
ディンは、細胞接着および密着結合の形成に直接関与するようである膜貫通タン
パク質である(Furuseら、J.Cell Biology 141:15
39〜1550、1998;Moritaら、Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 96:511〜516、1999)。クラウディンファミリー
のメンバーであり得る、他の以前に記載されたタンパク質としては、以下が挙げ
られる:RVP−1(BriehlおよびMiesfeld、Molecula
r Endocrinology 5:1381〜1388、1991;Kat
ahiraら、J.Biological Chemistry 272:26
652〜26656、1997)、Clostridium perfring
ens enterotoxin receptor(CPE−R;Katah
iraら、J.Cell Biology 136:1239〜1247、19
97;Katahiraら、J.Biological Chemistry
272:26652〜26656、1997)およびTMVCF(transm
embrane protein deleted in Velo−card
io−facial syndrome;Sirotkinら、Genomic
s 42:245〜51、1997)。
【0007】 疎水性分析に基づいて、全てのクラウディンは、約22kDであり、そして原
形質膜を貫通する4つの疎水性ドメインを含むようである。クラウディンは同種
親和性の相互作用(1つの細胞の表面上のクラウディンが別の細胞の表面上の同
一のクラウディンに結合する)または異種親和性の相互作用を通じて、おそらく
オクルディンとの細胞接着を促進すると提案されている。
【0008】 細胞接着は、特定の正常生理学的機能のために要求されるが、細胞接着のレベ
ルが所望でない状況が存在する。例えば、多くの病理学(例えば、自己免疫疾患
および炎症性疾患)は、異常な細胞接着を包含する。細胞接着はまた、移植片拒
絶において役割を果たし得る。このような状況において、細胞接着の調節は、所
望され得る。
【0009】 さらに、細胞接着から生じる透過性関門は、体内の特定の組織および腫瘍への
薬物の送達についての困難性を生成する。例えば、皮膚パッチは、皮膚を介して
薬物を投与するための簡便なツールである。しかし、皮膚パッチの使用は、上皮
および内皮細胞関門のために、小さな、疎水性の分子に限定されてきた。同様に
、内皮細胞は、血液毛細血管を、薬物に対して非常に不透過性にし、そして血液
/脳関門は、薬物の中枢神経系への標的化を妨害してきた。さらに、多くの固形
腫瘍が、抗腫瘍薬物および抗体の内部細胞への送達を限定する内部関門を発達さ
せる。
【0010】 そのようなバリアを横切る薬物の通過を容易にするための試みは、一般に、イ
ンビボでバリアを横切って分子を輸送する特定のレセプターまたはキャリアタン
パク質に依存する。しかし、そのような方法は、低い内因性輸送速度または薬物
を伴うキャリアタンパク質の貧弱な機能発揮に起因して、しばしば非能率的であ
る。改善された効率が、細胞接着を破壊する種々の化学薬剤を用いて達成されて
いるが、そのような薬剤は、代表的に所望されない副作用を付随し、投与のため
に侵襲性の手順を必要とし得、そして不可逆的な効果を生じ得る。
【0011】 従って、そのような不利益なしで、細胞接着を調節し、そして透過性のバリア
を横切った薬物送達を改善する化合物について、当該分野で必要性が存在する。
本発明はこの必要性を満たし、そして他の関連する利点をさらに提供する。
【0012】 (発明の要旨) 本発明は、クラウディン(claudin)媒介性細胞接着および透過性バリ
アの形成を調節するための化合物および方法を提供する。特定の局面において、
本発明は、クラウディン媒介性細胞接着を阻害または増強する、細胞接着調節薬
剤を提供する。特定の調節薬剤は、(a)クラウディンCAR配列を含み;そし
て(b)ペプチド結合により連結された3〜16個のアミノ酸残基を含む。他の
調節薬剤は、(a)以下の式:Trp−Lys/Arg/Gln−Aaa−Ba
a−Ser/Ala−Tyr/Phe−Caa−Gly/Asp/Glu (配
列番号(SEQ ID NO:)1)を有するクラウディンCAR配列の中の少
なくとも5または7個の連続したアミノ酸残基を含み、ここでAaa、Baaお
よびCaaは、独立して選択されるアミノ酸残基を示し;Lys/Arg/Gl
nは、リジン、アルギニン、またはグルタミンであるアミノ酸であり;Ser/
Alaは、セリンまたはアラニンであるアミノ酸であり;Tyr/Pheは、チ
ロシンまたはフェニルアラニンであるアミノ酸であり;そして、Gly/Asp
/Gluは、グリシン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸であるアミノ酸で
あり;そして、(b)クラウディン中に存在する50個以下の連続したアミノ酸
残基を含む。なお他の調節薬剤は、(a)上記の式を有するクラウディンCAR
配列の中の少なくとも8個の連続したアミノ酸残基を含み;そして(b)クラウ
ディン中に存在する50個以下の連続したアミノ酸残基を含む。
【0013】 特定の実施形態では、上記のような調節薬剤は、環状ペプチド中に存在するク
ラウディンCAR配列を含む。環状ペプチドは、以下の式を有し得:
【0014】
【化24】 ここで、Wは、IYSY(配列番号2)、TSSY(配列番号3)、VTAF(
配列番号4)、VSAF(配列番号5)およびMSSY(配列番号386)から
なる群から選択されるテトラペプチドであり;ここで、X1およびX2は任意であ
り、そして存在するならば、アミノ酸残基およびその残基がペプチド結合により
連結されているそれらの組み合わせからなる群から独立して選択され、そしてX 1 およびX2は独立して、X1およびX2中に含まれる残基の合計が1〜12の範囲
であるように、独立して0〜10残基のサイズの範囲であり;ここでY1および
2は、アミノ酸残基からなる群から独立して選択され、そして残基Y1とY2
の間に共有結合が形成され;そして、ここでZ1およびZ2は任意であり、そして
存在するならば、アミノ酸残基およびその残基がペプチド結合により連結されて
いるそれらの組み合わせからなる群から独立して選択される。特定の実施形態で
は、Y1は、N−アセチル基を含み、および/またはY2は、C末端アミド基を含
む。Y1およびY2は、ジスルフィド結合、アミド結合、またはチオエステル結合
を含む、任意の適切な結合を介して共有結合され得る。
【0015】 本発明はさらに、他の局面では、上記で提供されたような調節薬剤をコードす
るポリヌクレオチド、そのようなポリヌクレオチドを含む発現ベクター、および
そのような発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を提
供する。
【0016】 さらなる局面では、本発明は、クラウディンCAR配列に特異的に結合し、そ
してクラウディン媒介性機能を調節する、抗体またはその抗原結合フラグメント
を含む調節薬剤を提供する。ここで、このクラウディンCAR配列は、以下の式
:Trp−Lys/Arg/Gln−Aaa−Baa−Ser/Ala−Tyr
/Phe−Caa−Gly/Asp/Glu (配列番号1)を有し、ここで、
Aaa、Baa、およびCaaは、独立して選択されるアミノ酸残基を示し;L
ys/Arg/Glnは、リジン、アルギニン、またはグルタミンであるアミノ
酸であり;Ser/Alaは、セリンまたはアラニンであるアミノ酸であり;T
yr/Pheは、チロシンまたはフェニルアラニンであるアミノ酸であり;そし
て、Gly/Asp/Gluは、グリシン、アスパラギン酸、またはグルタミン
酸であるアミノ酸である。
【0017】 本発明はさらに、以下の式:Trp−Lys/Arg/Gln−Aaa−Ba
a−Ser/Ala−Tyr/Phe−Caa−Gly/Asp/Glu (配
列番号1)(ここで、Aaa、Baa、およびCaaは、独立して選択されるア
ミノ酸残基を示し;Lys/Arg/Glnは、リジン、アルギニン、またはグ
ルタミンであるアミノ酸であり;Ser/Alaは、セリンまたはアラニンであ
るアミノ酸であり;Tyr/Pheは、チロシンまたはフェニルアラニンである
アミノ酸であり;そして、Gly/Asp/Gluは、グリシン、アスパラギン
酸、またはグルタミン酸であるアミノ酸である)を有するクラウディンCAR配
列の中の少なくとも3または5個の連続したアミノ酸残基を含む、クラウディン
CAR配列の模擬体(mimetic)を含む調節薬剤を提供する;ここで、こ
の模擬体は、クラウディン媒介性機能を調節し得る。
【0018】 他の局面では、上記のような調節薬剤は、1つ以上の薬物、検出可能マーカー
、標的化剤、および/または支持体材料に連結され得る。あるいは、またはさら
に、上記のような調節薬剤は、以下のうちの1つ以上をさらに含み得る:(a)
クラウディン以外の接着分子により結合される細胞接着認識配列(ここで、この
細胞接着認識配列は、リンカーによって、任意のクラウディンCAR配列から隔
てられる);および/または(b)クラウディン以外の接着分子により結合され
る細胞接着認識配列に特異的に結合する、抗体またはその抗原結合フラグメント
。このような接着分子は、インテグリン、カドヘリン、オクルディン、N−CA
M、JAM、PE−CAM、デスモグレイン、デスモコリン、フィブロネクチン
、ラミニン、および他の細胞外マトリクスタンパク質からなる群から選択され得
る。
【0019】 ある特定の局面では、調節薬剤は、以下からなる群から選択される1つ以上の
クラウディン−1 CAR配列を含み得る。
【0020】
【化25】 このようなCAR配列は、以下のような環状ペプチド中に存在し得る。
【0021】
【化26】 他の局面では、調節薬剤は、クラウディン−1 CAR配列であるWKIYS
YAG(配列番号34)またはWRIYSYAG(配列番号485)に特異的に
結合する、抗体またはその抗原結合フラグメントを含み得る。
【0022】 さらなる局面では、上記のような調節薬剤は、以下からなる群から選択される
1つ以上のクラウディン−2 CAR配列を含み得る。
【0023】
【化27】 このようなCAR配列は、以下のような環状ペプチド中に存在し得る。
【0024】
【化28】 他の局面では、調節薬剤は、クラウディン−2 CAR配列であるWRTSS
YVG(配列番号42)に特異的に結合する、抗体またはその抗原結合フラグメ
ントを含み得る。
【0025】 さらなる局面では、調節薬剤は、以下からなる群から選択される1つ以上のク
ラウディン−3 CAR配列を含む。
【0026】
【化29】 他の局面において、調節薬剤は、クラウディン−3 CAR配列WRVSAF
IG(SEQ ID NO:58)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合
フラグメントを含み得る。
【0027】 調節薬剤は、他の局面において、以下からなる群より選択される1以上のクラ
ウディン−4 CAR配列を含み得る:
【0028】
【化30】 このようなCAR配列は、例えば、以下のような環状ペプチド中に存在し得る。
【0029】
【化31】 他の局面において、調節薬剤は、クラウディン−4 CAR配列WRVTAF
IG(SEQ ID NO:50)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合
フラグメントを含み得る。
【0030】 調節薬剤は、他の局面において、以下からなる群より選択される1以上のクラ
ウディン−5 CAR配列を含み得る:
【0031】
【化32】 このようなCAR配列は、例えば、以下のような環状ペプチド中に存在し得る。
【0032】
【化33】 他の局面において、調節薬剤は、クラウディン−5 CAR配列WQVTAF
LD(SEQ ID NO:277)に特異的に結合する抗体またはその抗原結
合フラグメントを含み得る。
【0033】 調節薬剤は、他の局面において、以下からなる群より選択される1以上のクラ
ウディン−6またはクラウディン−9 CAR配列を含み得る:
【0034】
【化34】 このようなCAR配列は、例えば、以下のような環状ペプチド中に存在し得る。
【0035】
【化35】 他の局面において、調節薬剤は、クラウディン−6またはクラウディン−9
CAR配列WKVTAFIG(SEQ ID NO:335)に特異的に結合す
る抗体またはその抗原結合フラグメントを含み得る。
【0036】 さらなる局面において、上記のような調節薬剤は、以下からなる群より選択さ
れる1以上のクラウディン−7 CAR配列を含み得る:
【0037】
【化36】 このようなCAR配列は、例えば、以下のような環状ペプチド中に存在し得る。
【0038】
【化37】 他の局面において、調節薬剤は、クラウディン−7 CAR配列WQMSSY
AG(SEQ ID NO:394)に特異的に結合する抗体またはその抗原結
合フラグメントを含み得る。
【0039】 さらなる局面において、調節薬剤は、以下からなる群より選択される1以上の
クラウディン−8 CAR配列を含み得る:
【0040】
【化38】 このようなCAR配列は、例えば、以下のような環状ペプチド中に存在し得る。
【0041】
【化39】 他の局面において、調節薬剤は、クラウディン−8 CAR配列 WRVSA
FIE(配列番号450)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメ
ントを含み得る。
【0042】 本発明はさらに、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、上記のような
細胞接着調節薬剤を含む薬学的組成物を提供する。そのような組成物はさらに、
薬物を含み得る。さらに、またはあるいは、このような組成物は、以下の1以上
を含み得る:(a)クラウディン以外の接着分子によって結合される細胞接着認
識配列を含むペプチド;および/または(b)クラウディン以外の接着分子によ
って結合される細胞接着認識配列に特異的に結合する、抗体またはその抗原結合
フラグメント。
【0043】 さらなる局面において、細胞接着を調節するために方法が提供され、この方法
は、クラウディン発現細胞を、上記のような細胞接着調節薬剤に接触させる工程
を包含する。
【0044】 1つのこのような局面において、本発明は、哺乳動物における血管透過性を増
加させるための方法を提供し、この方法は、上記のような細胞接着調節薬剤を哺
乳動物に投与する工程を包含し、ここで、この調節薬剤は、クラウディン媒介細
胞接着を阻害する。
【0045】 別の局面において、哺乳動物における所望でない細胞接着を減少させるための
方法が提供され、この方法は、上記のような細胞接着調節薬剤を哺乳動物に投与
する工程を包含し、ここで、この調節薬剤は、クラウディン媒介細胞接着を阻害
する。
【0046】 なお別の局面において、本発明は、哺乳動物の皮膚を介する薬物の送達を増強
するための方法を提供し、この方法は、哺乳動物の上皮細胞に、上記のような細
胞接着調節薬剤および薬物を接触させる工程を包含し、ここで、この調節薬剤は
、クラウディン媒介細胞接着を阻害し、そしてここで、この接触工程は、上皮細
胞を横切る薬物の通過を可能にするのに十分な条件下および時間で実施される。
【0047】 本発明はさらに、哺乳動物における腫瘍への薬物送達を増強するための方法を
提供し、この方法は、上記のような細胞接着調節薬剤および薬物を哺乳動物に投
与する工程を包含し、ここで、この調節薬剤は、クラウディン媒介細胞接着を阻
害する。
【0048】 さらなる局面において、本発明は、哺乳動物における癌を処置するための方法
を提供し、この方法は、上記のような細胞接着調節薬剤を哺乳動物に投与する工
程を包含し、ここで、この調節薬剤は、クラウディン媒介細胞接着を阻害する。
【0049】 本発明はさらに、哺乳動物における新脈管形成を阻害するための方法を提供し
、この方法は、上記のような細胞接着調節薬剤を哺乳動物に投与する工程を包含
し、ここで、この調節薬剤は、クラウディン媒介細胞接着を阻害する。
【0050】 さらなる局面において、本発明は、哺乳動物の中枢神経系への薬物送達を増強
するための方法を提供し、この方法は、上記のような細胞接着調節薬剤を哺乳動
物に投与する工程を包含し、ここで、この調節薬剤は、クラウディン媒介細胞接
着を阻害する。
【0051】 本発明はさらに、哺乳動物における創傷治癒を増強するための方法を提供し、
この方法は、哺乳動物における創傷に上記のような細胞接着調節薬剤を接触させ
る工程を包含し、ここで、この調節薬剤は、クラウディン媒介細胞接着を増強す
る。
【0052】 関連する局面において、本発明は、哺乳動物内に移植された外来組織の接着を
増強するための方法が提供され、この方法は、哺乳動物内の外来組織の移殖部位
に上記のような細胞接着調節薬剤を接触させる工程を包含し、ここで、この調節
薬剤は、クラウディン媒介細胞接着を増強する。
【0053】 本発明はさらに、クラウディン発現細胞においてアポトーシスを誘導するため
の方法を提供し、この方法は、クラウディン発現細胞に上記のような細胞接着調
節薬剤を接触させる工程を包含し、ここで、この調節薬剤は、クラウディン媒介
細胞接着を阻害する。
【0054】 本発明はさらに、クラウディン媒介細胞接着を調節し得る薬剤を同定するため
の方法を提供する。このような方法の1つは、(a)候補薬剤の存在下および非
存在下で、細胞接着を可能にするのに十分な条件下および時間で、クラウディン
を発現する細胞培養する工程;ならびに(b)これらの細胞間で細胞接着の程度
を可視的に評価する工程を包含する。
【0055】 別の実施形態において、このような方法は、以下の工程を包含し得る:(a)
候補薬剤の存在下および非存在下で、細胞接着を可能にするのに十分な条件下お
よび時間で、正常ラット腎臓細胞培養する工程;ならびに(b)候補薬剤の存在
下で培養された細胞についての細胞表面クラウディンおよびE−カドヘリンのレ
ベルを、候補薬剤の非存在下で培養された細胞についてのレベルに対して比較す
る工程。
【0056】 さらなる実施形態において、このような方法は、以下の工程を包含し得る:(
a)候補薬剤の存在下および非存在下で、細胞接着を可能にするのに十分な条件
下および時間で、ヒト大動脈内皮細胞培養する工程;ならびに(b)候補薬剤の
存在下で培養された細胞についての細胞表面クラウディンおよびN−カドヘリン
のレベルを、候補薬剤の非存在下で培養された細胞についてのレベルに対して比
較する工程。
【0057】 なお別の実施形態において、このような方法は、以下の工程を包含する:(a
)クラウディンCAR配列を含む調節薬剤に結合する抗体に、試験化合物を接触
させる工程;および(b)この試験化合物に結合する抗体のレベルを検出する工
程。
【0058】 本発明はさらに、サンプル中のクラウディン発現細胞の存在を検出するための
方法を提供し、この方法は、以下を包含する:(a)抗体−クラウディン複合体
の形成を可能にするのに十分な条件下および時間で、サンプルに、クラウディン
CAR配列を含むクラウディンに結合する抗体を接触させる工程;および(b)
抗体−クラウディン複合体のレベルを検出し、これによって、このサンプル中の
クラウディン発現細胞の存在を検出する工程。
【0059】 さらなる局面において、本発明は、以下を備える、サンプル中のクラウディン
発現細胞の存在を検出するためのキットを提供する:(a)クラウディンCAR
配列を含む調節薬剤に結合する抗体;および(b)検出試薬。
【0060】 他の局面において、本発明はさらに、以下を備える、経皮薬物送達を増強する
ためのキットを提供する:(a)皮膚パッチ;および(b)細胞接着調節薬剤。
ここで、この調節薬剤は、クラウディンCAR配列を含み、ここで、この調節薬
剤は、クラウディン媒介細胞接着を阻害する。
【0061】 本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照
して明らかとなる。本明細書において開示される全ての引用文献は、その各々が
個別に組み入れられるかのように、それらの全体が本明細書によって参考として
援用される。
【0062】 (発明の詳細な説明) 上述のように、本発明は、クラウディン媒介プロセス(例えば、細胞接着)を
調節し得るペプチドを含む、細胞接着調節薬剤を提供する。本発明は、クラウデ
ィンに存在する以前に未知であった細胞接着認識(CAR)配列の同定に基づく
。調節薬剤は、一般に、以下に記載のように、1以上のさらなるCAR配列を伴
ってか、または伴わずに、1以上のクラウディン配列(またはそのアナログもし
くは模倣物)を含み得る。ペプチドCAR配列は、線状または環状のペプチドに
おいて存在し得る。あるいは、またはさらに、調節薬剤は、1以上のクラウディ
ンCAR配列を含むペプチドをコードするポリペプチドを含み得るか、そして/
または調節薬剤は、クラウディンCAR配列に特異的に結合する物質(例えば、
抗体もしくはその抗原結合フラグメント)を含み得る。
【0063】 一般に、クラウディン媒介細胞接着を調節するために、クラウディン発現細胞
は、インビボまたはインビトロのいずれかで、細胞接着調節薬剤(本明細書中で
「調節薬剤」としてもいわれる)と接触される。クラウディン発現細胞は、当該
分野において周知の任意の種々の技術(例えば、ハイブリダイゼーション、PC
Rまたは免疫組織化学的技術など)を使用して、容易に同定され得、そして内皮
細胞および上皮細胞、ならびに癌細胞(例えば、癌腫細胞)を含む。特定の局面
において、本明細書中に提供される方法は、クラウディン媒介機能を阻害する。
このような方法は、例えば、所望されない細胞接着によって特徴付けられる疾患
または他の状態を処置するため、または特定の組織もしくは腫瘍への薬物の送達
を容易にするための方法を含む。特定の方法は、細胞接着(例えば、癌細胞接着
)、ならびに癌の侵襲性および転移を阻害し得る。あるいは、調節薬剤は、例え
ば、マトリクスまたは別の調節薬剤にリンカーを介して連結される場合に、クラ
ウディン媒介機能(例えば、細胞接着)を増強するために使用され得る。このよ
うな結合体は、例えば、創傷治癒または移植片の接着を容易にするために使用さ
れ得る。
【0064】 (細胞接着調節薬剤) 本明細書中で使用される用語「細胞接着調節薬剤」は、少なくとも1つの以下
の成分を含む分子をいう: (a)クラウディンCAR配列と少なくとも50%同一な、直鎖状または環状の
ペプチド配列(すなわち、クラウディンCAR配列または少なくとも50%の配
列同一性を保持するそれらのアナログ); (b)クラウディンCAR配列の模倣物(mimetic)(例えば、ペプチド
模倣物または低分子量模倣(mimic)); (c)クラウディンCAR配列に特異的に結合する物質(例えば、抗体またはそ
れらの抗原結合フラグメント);および/または (d)クラウディンCAR配列またはそれらのアナログを含むポリぺプチドをコ
ードするポリヌクレオチド。
【0065】 調節薬剤は、上記の1つ以上の成分から完全になり得るか、あるいはさらなる
ペプチド領域または/および非ペプチド領域をさらに含み得る。さらなるペプチ
ド領域は、クラウディン(好ましくは、CAR配列を含む細胞外ドメイン)に由
来し得、および/または異種で有り得る。特定の好ましい実施形態において、調
節薬剤は、クラウディン内に存在する、85以下の連続するアミノ酸残基、およ
び好ましくは50以下の連続するアミノ酸残基を含む。
【0066】 調節薬剤は、クラウディンによって媒介される機能をさらに調節し得る。この
ような活性は、一般に、例えば、本明細書中に提供される代表的なアッセイを使
用して評価され得る。特定の調節薬剤は、クラウディン分子間の相互作用、およ
び/またはクラウディンと異なる接着分子との間の相互作用を阻害する。全長の
可溶性クラウディンによって阻害される機能(例えば、細胞接着)については、
このような調節薬剤は、全長クラウディンに対して実質的に減少していない活性
を有する機能を阻害し得る(すなわち、この調節薬剤は、クラウディンを発現す
る細胞と接触される場合に、少なくとも可溶性クラウディンと同様の機能を阻害
する)。例えば、調節薬剤は、クラウディン発現細胞の接着を予防および/また
は破壊する際に可溶性クラウディンと同様に効果的であり得る。あるいは、クラ
ウディン発現細胞の接着を増強するために、調節薬剤は、抗体もしくはその抗原
結合フラグメント、および/または支持物質に連結された複数のペプチドまたは
模倣物を含み得る。このような調節薬剤は、クラウディン発現細胞を結合するた
めの生物学的接着剤として機能し得、そして細胞接着の検出可能な増強(好まし
くは、固定化されたクラウディン、またはクラウディンに対して指向された抗体
に観察されたのと少なくとも同程度の増強)を生じるはずである。
【0067】 本明細書中で使用される用語「クラウディン」は、およそ22kDの分子量を
有する内在性膜タンパク質をいい、このタンパク質は、2つの細胞外ドメインお
よび4つの膜貫通ドメイン(疎水性分析によって決定されるような)を含み、そ
して本明細書中に詳細に列挙されるクラウディンファミリーのメンバーに対して
少なくとも30%の配列同一性を示す。クラウディンは、クラウディン−1およ
びクラウディン−2を含み(Furuseら、J.Cell Biology
141:1539〜1550、1998;GenBank登録番号AF1155
46)、これらは、38%の配列同一性を示し、そして接着結合にて存在する。
クラウディンファミリーのメンバーと考えられる他のタンパク質は、クラウディ
ン−3(RVP−1としても既知;Moritaら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 96:511〜516、1999;Briehlおよび
Miesfeld、Molecular Endocrinology 5:1
381〜1388、1991;Katahiraら、J.Biological
Chemistry 272:26652〜26656、1997)、クラウ
ディン−4(Clostridium perfringensエンテロトキシ
ンレセプター(CPE−R);Moritaら、Proc.Natl.Acad
.Sci.USA 96:511〜516、1999;Katahiraら、J
.Cell Biology 136;1239〜1247、1997;Kat
ahiraら、J.Biological Chemistry 272;26
652〜26656、1997)およびTMVCF(クラウディン−5としても
既知である、ベロ−心臓−顔面(Velo−cardio−facial)症候
群において検出される膜貫通タンパク質;Moritaら、Proc.Natl
.Acad.Sci.USA 96:511〜516、1999;Sirotk
inら、Genomics 42;245〜51、1997)、ならびにクラウ
ディン−6、クラウディン−7、クラウディン−8(Motiraら、Proc
.Natl.Acad.Sci.USA 96:511〜516、1999)(
これらの全ては、クラウディン−1に40〜60%同一である配列を有する)で
ある。クラウディン−9もまた、含まれる(Tsukitaら、Trends
Cell Biol.9:268〜273、1999;GenBank登録番号
AJ130941)。これらのタンパク質の各々の第1の細胞外ドメインの配列
が、図1に示される。クラウディン−10(Tsukitaら、Trends
Cell Biol.9:268〜273、1999;GenBank登録番号
NM006984)、クラウディン−11(Moritaら、J.Cell B
iol.145:579〜588、1999;GenBank登録番号AJ24
5901)、クラウディン−13(Tsukitaら、Trends Cell
Biol.9:268〜273、1999)、クラウディン−14(Tsuk
itaら、Trends Cell Biol.9:268〜273、1999
;GenBank登録番号AJ132445)、クラウディン−15(Tsuk
itaら、Trends Cell Biol.9:268〜273、1999
;GenBank登録番号AJ245738)およびクラウディン−16(Ge
nBank登録番号AB030082)を含む、他のクラウディンの第1の細胞
外ドメインの配列は、図5に示される。全てのこれらのタンパク質、ならびに他
の種に由来するホモログは、本発明の状況内でクラウディンとみなされ、そして
全ては、本明細書中に記載されるようなクラウディンCAR配列を含む。
【0068】 本明細書中で使用する場合、クラウディンCAR配列は、天然に存在するクラ
ウディンに存在し、本明細書中に記載されるような、クラウディン媒介機能(例
えば、細胞接着)を検出可能に調節し得るアミノ酸配列をいう。つまり、クラウ
ディン発現細胞をCAR配列を含むペプチドと接触させることは、本明細書にお
いて提供される代表的なアッセイの少なくとも1つを使用して、クラウディン媒
介性の機能において検出可能な変化を生じる。CAR配列は、任意の長さであり
得るが、一般に、少なくとも3アミノ酸残基を含み、好ましくは、4〜16アミ
ノ酸残基を含み、そしてより好ましくは、5〜8アミノ酸残基を含み得る。ペプ
チド調節薬剤は、任意の数のアミノ残基を含み得るが、好ましい調節薬剤は、3
〜50残基、好ましくは4〜16残基を含む。特定の実施形態において、ペプチ
ド調節薬剤は、好ましくは、N−アセチル基を含む(すなわち、このペプチドの
アミノ末端残基に存在するアミノ基が、アセチル化される)。本発明の状況内に
おいて、このようなアセチル基の存在は、特定の適用について、ペプチド調節活
性を増強し得ることが見出されている。
【0069】 クラウディンCAR配列は、一般に、接着分子の結合部位中またはその付近の
クラウディン分子内(すなわち、10アミノ酸内、および好ましくは5アミノ酸
内)に物理的に配置される。結合部位の位置は、一般に、周知の技術(例えば、
クラウディンの部分が同じクラウディンまたは別の接着分子に結合する能力の評
価)を使用して、決定され得る。任意の標準的な結合アッセイは、このような評
価に用いられ得る。クラウディンまたは他の接着分子によるCAR配列の認識は
、接着分子機能(例えば、細胞接着)に対する測定可能な効果を生じる。CAR
配列を含むペプチドは、一般に、接着分子機能のエンハンサーを形成するように
連結されない限り、本明細書中に記載されるように、このような機能を阻害する
【0070】 本発明の状況において、特定のクラウディンCAR配列は、以下のコンセンサ
ス配列:
【0071】
【化40】 を共有することが見出されている。
【0072】 コンセンサス配列において、Aaa BaaおよびCaaは、以下の独立して
選択されたアミノ酸残基を示す:Lys/Arg/Glnは、リジン、アルギニ
ンまたはグルタミンであるアミノ酸である;Ser/Alaは、セリンまたはア
ラニンであるアミノ酸である;Tyr/Pheは、チロシンまたはフェニルアラ
ニンであるアミノ酸である;およびGly/Asp/Gluは、グリシン、アス
パラギン酸またはグルタミン酸であるアミノ酸である。代表的なクラウディンC
AR配列は、表1に提供される。本明細書中に詳細に提供されるCAR配列は、
このような代表的なCAR配列の一部、ならびにこのような配列の少なくとも一
部を含むより長いポリペプチドをさらに含む。さらなるクラウディンCAR配列
は、本明細書中に提供されるクラウディンCAR配列に対する配列相同性に基づ
いて、そしてこのような配列を含むペプチドが本明細書中に記載される代表的な
アッセイにおいてクラウディン媒介性機能を調節する能力に基づいて同定され得
る。特定の実施形態において、調節薬剤は、上記のコンセンサス配列を満たすク
ラウディンCAR配列の少なくとも3つの保存性残基、好ましくは少なくとも5
つの保存性残基、およびより好ましくは少なくとも7つの保存性残基を含む。
【0073】
【表1】 特定の好ましいクラウディンCAR配列は、表Iに提供される配列のうちの3
〜8個のアミノ酸残基を含む。例えば、CAR配列は、表Iにおける8アミノ酸
配列のうちの3、4または5残基を含み得る。特定の好ましいCAR配列は、少
なくとも配列IYSY(配列番号2)、TSSY(配列番号3)、VTAF(配
列番号4)、MSSY(配列番号386)またはVSAF(配列番号5)を含む
。CAR配列は、表Iに提供される配列に隣接する1以上のアミノ酸をさらに含
み得、その結果、このCAR配列は9以上のアミノ酸長である。表Iに提示され
るクラウディン由来の代表的なクラウディンCAR配列は以下でより詳細に記載
されるとはいえ、CAR配列は、図5に提供されるクラウディンのような他のク
ラウディンから同様に誘導され得ることが明らかである。
【0074】 代表的なクラウディン−1 CAR配列としては、IYSY(配列番号2)、
IYSYA(配列番号27)、KIYSY(配列番号29)、IYSYAG(配
列番号28)、KIYSYA(配列番号30)、WKIYSY(配列番号32)
、KIYSYAG(配列番号31)、WKIYSYA(配列番号33)、WKI
YSYAG(配列番号34)、WKIYSYAGN(配列番号476)、RIY
SY(配列番号480)、RIYSYA(配列番号481)、WRIYSY(配
列番号482)、RIYSYAG(配列番号483)、WRIYSYA(配列番
号484)、WRIYSYAG(配列番号485)およびWRIYSYAGN(
配列番号486)が挙げられる。このような配列を有する直鎖状ペプチドは、ペ
プチドN−AcWKIYSYAG−NH2(配列番号34)およびN−Ac−W
RIYSYAG−NH2(配列番号485)においてのように、N末端および/
またはC末端で改変され得る。
【0075】 代表的なクラウディン−2 CAR配列としては、TSSY(配列番号3)、
TSSYV(配列番号35)、RTSSY(配列番号37)、TSSYVG(配
列番号36)、RTSSYV(配列番号38)、WRTSSY(配列番号40)
、RTSSYVG(配列番号39)、WRTSSYV(配列番号41)、WRT
SSYVG(配列番号42)が挙げられる。このような配列を有する直鎖状ペプ
チドは、ペプチドN−Ac−WRTSSYVG−NH2(配列番号42)におい
てのように、N末端および/またはC末端で改変され得る。
【0076】 代表的なクラウディン−3 CAR配列としては、VSAF(配列番号4)、
VSAFI(配列番号51)、VSAFIG(配列番号52)、RVSAF(配
列番号53)、RVSAFI(配列番号54)、RVSAFIG(配列番号55
)、WRVSAF(配列番号56)、WRVSAFI(配列番号57)およびW
RVSAFIG(配列番号58)が挙げられる。このような配列を有する直鎖状
ペプチドは、ペプチドN−Ac−WRVSAFIG−NH2(配列番号58)に
おいてのように、N末端および/またはC末端で改変され得る。
【0077】 代表的なクラウディン−4 CAR配列としては、VTAF(配列番号4)、
VTAFI(配列番号43)、VTAFIG(配列番号44)、RVTAF(配
列番号45)、RVTAFI(配列番号46)、RVTAFIG(配列番号47
)、WRVTAF(配列番号48)、WRVTAFI(配列番号49)およびW
RVTAFIG(配列番号50)が挙げられる。このような配列を有する直鎖状
ペプチドは、ペプチドN−Ac−WRVTAFIG−NH2(配列番号50)に
おいてのように、N末端および/またはC末端で改変され得る。
【0078】 代表的なクラウディン−5 CAR配列としては、VTAF(配列番号4)、
VTAFL(配列番号270)、VTAFLD(配列番号271)、QVTAF
(配列番号272)、QVTAFL(配列番号273)、QVTAFLD(配列
番号274)、WQVTAF(配列番号275)、WQVTAFL(配列番号2
76)およびWQVTAFLD(配列番号277)が挙げられる。このような配
列を有する直鎖状ペプチドは、ペプチドN−Ac−WQVTAFLD−NH2
配列番号277)においてのように、N末端および/またはC末端で改変され得
る。
【0079】 代表的なクラウディン−6 CAR配列およびクラウディン−9 CAR配列
としては、VTAF(配列番号4)、VTAFI(配列番号328)、VTAF
IG(配列番号329)、KVTAF(配列番号330)、KVTAFI(配列
番号331)、KVTAFIG(配列番号332)、WKVTAF(配列番号3
33)、WKVTAFI(配列番号334)およびWKVTAFIG(配列番号
335)が挙げられる。このような配列を有する直鎖状ペプチドは、ペプチドN
−Ac−WKVTAFIG−NH2(配列番号335)においてのように、N末
端および/またはC末端で改変され得る。
【0080】 代表的なクラウディン−7 CAR配列としては、MSSY(配列番号386
)、MSSYA(配列番号387)、MSSYAG(配列番号388)、QMS
SY(配列番号389)、QMSSYA(配列番号390)、QMSSYAG(
配列番号391)、WQMSSY(配列番号392)、WQMSSYA(配列番
号393)およびWQMSSYAG(配列番号394)が挙げられる。このよう
な配列を有する直鎖状ペプチドは、ペプチドN−Ac−WQMSSYAG−NH 2 (配列番号394)においてのように、N末端および/またはC末端で改変さ
れ得る。
【0081】 代表的なクラウディン−8 CAR配列としては、VSAF(配列番号5)、
VSAFI(配列番号51)、VSAFIE(配列番号448)、RVSAF(
配列番号53)、RVSAFI(配列番号54)、RVSAFIE(配列番号4
49)、WRVSAF(配列番号56)、WRVSAFI(配列番号57)およ
びWRVSAFIE(配列番号450)が挙げられる。このような配列を有する
直鎖状ペプチドは、ペプチドN−Ac−WRVSAFIE−NH2(配列番号4
50)においてのように、N末端および/またはC末端で改変され得る。
【0082】 当業者は、類似のペプチド配列が、本明細書中に記載されるようなCAR配列
の同定後に、他のクラウディンによって媒介される機能を調節するために設計さ
れ得ることを認識する。
【0083】 上記に提供される特定のペプチド配列は、複数のクラウディンによって媒介さ
れる機能を調節し得る。一般に、特定のクラウディンに由来する、より多数の連
続した残基を含むペプチドは、そのクラウディンについてより大きな特異性を有
する。さらに、さらなる隣接配列は、特異性を増強するために含まれ得る。この
ような隣接配列は、例えば、図1に提供される配列に基づいて、または公開され
た配列に基づいて同定され得る。特異性を達成するために(すなわち、異なるク
ラウディンによって媒介される機能の調節と比較して増強されている、特定のク
ラウディン機能の調節)、2〜5個の隣接残基(好ましくは、CAR配列のいず
れかの側の少なくとも1つの残基)の付加が一般に十分である。
【0084】 上記のように、特定の好ましい調節薬剤は、少なくとも1つの末端アミノ酸残
基が修飾されているペプチド(クラウディンCAR配列またはそのアナログを含
む)を含む(例えば、N末端アミノ基は、例えば、アセチル化もしくはアルコキ
シベンジル化によって修飾される、および/またはアミドもしくはエステルがC
末端で形成される)。本発明の状況では、直鎖状または環状のペプチド調節薬剤
への少なくとも1つのこのような基の付加は、この因子がクラウディン媒介機能
を調節する能力を改善し得ることが見出されている。特定の好ましい調節薬剤は
、クラウディン−1媒介機能を調節する、N−Ac−WKIYSYAG−NH2
(配列番号34)またはN−Ac−WKIYSYAGN−NH2(配列番号47
6)のように、N末端残基およびC末端残基での改変を含む。本明細書中に提供
される他のCAR配列はまた、好ましくは、1以上の末端基の付加によって改変
される。
【0085】 本発明はさらに、他の生物由来のクラウディンCAR配列を意図する。このよ
うなCAR配列は、本明細書中に提供される配列に対する配列類似性、および例
えば、本明細書中に記載される通りに確認され得る、クラウディン媒介機能を調
節する機能に基づいて同定され得る。
【0086】 上記のように、本明細書中に記載される通りの調節薬剤は、クラウディンCA
R配列のアナログまたは模倣物を含み得る。アナログは一般に、ネイティブなク
ラウディンCAR配列に対する少なくとも50%同一性を保持し、そして、本明
細書中に記載の通りにクラウディン媒介機能を調節する。このようなアナログは
、好ましくは、クラウディンCAR配列のうちの少なくとも3個の残基、より好
ましくは少なくとも5個の残基を含む。アナログは、種々のアミノ酸の置換、付
加、欠失および/または改変(例えば、側鎖の改変)のうちのいずれかを含み得
る。好ましいアミノ酸置換は、保存的である。「保存的置換」は、ポリペプチド
の二次構造およびハイドロパシー性が実質的に変化しないと、ペプチド化学の当
業者が予想するような、1つのアミノ酸で、類似の特性を有する別のアミノ酸を
置換する置換である。アミノ酸置換は、一般に、残基の極性、電荷、可溶性、疎
水性、親水性および/または両親媒性における類似性に基づいて作製され得る。
例えば、負に荷電したアミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が
挙げられ;正に荷電したアミノ酸としては、リジンおよびアルギニンが挙げられ
;そして類似の親水性値を有する非荷電の極性ヘッド基を有するアミノ酸として
は、ロイシン、イソロイシンおよびバリン;グリシンおよびアラニン;アスパラ
ギンおよびグルタミン;ならびにセリン、トレオニン、フェニルアラニンおよび
チロシンが挙げられる。保存的変化を示し得る他のアミノ酸基としては、以下が
挙げられる:(1)ala、pro、gly、glu、asp、gln、asn
、ser、thr;(2)cys、ser、tyr、thr;(3)val、i
le、leu、met、ala、phe;(4)lys、arg、his;およ
び(5)phe、tyr、trp、his。クラウディンCAR配列アナログの
重要な決定的特徴は、クラウディン媒介機能を調節する能力である。この能力は
、本明細書中に提供される代表的なアッセイを用いて評価され得る。
【0087】 模倣物は、コンホメーションがクラウディンCAR配列に類似する非ペプチド
性化合物であり、その結果、模倣物は、以下に記載の通りにクラウディン媒介機
能を調節する。このような模倣物は、このペプチドの3次元構造を評価する技術
に基づいて設計され得る。例えば、核磁気共鳴分光法(NMR)およびコンピュ
ータ技術を用いて、クラウディンCAR配列のコンホメーションを決定し得る。
NMRは、ペプチド性化合物および非ペプチド性化合物の両方の構造分析に広範
に用いられる。核オーバーハウザー増強(NOE)、結合定数および化学シフト
は、化合物のコンホメーションに依存する。NOEデータは、空間を通しての陽
子間の陽子間距離を提供し、そしてこれを用いて、クラウディンCAR配列につ
いての最小エネルギーコンホメーションを計算し得る。次いで、この情報を用い
て、好ましいコンホメーションの模倣物を設計し得る。溶液中の直鎖状ペプチド
は、多くのコンホメーションで存在する。コンホメーション制限技術を用いるこ
とにより、ペプチドを活性なコンホメーションに固定することが可能である。コ
ンホメーションの制限は、以下によって達成され得る:i)自由な結合回転を立
体的に制限する、メチルのようなアルキル基の導入;ii)末端置換およびジェ
ミナル置換の相対位置を固定する、非飽和の導入;および/またはiii)側鎖
の相対位置を固定する、環化。1以上のアミド結合が、アイソスター、置換基ま
たは同じサイズもしくは容積を有する基(例えば、−CH2NH−、−CSNH
−、−CH2S−、−CH=CH−、−CH2CH2−、−CONMe−など)に
よって置換されている模倣物が合成され得る。これらの骨格のアミド結合はまた
、環構造(例えば、ラクタム)の一部であり得る。クラウディンCAR配列の1
以上の側鎖官能基が、同じサイズまたは容積を必ずしも有さないが、類似の生物
学的応答を生じる、類似の化学的および/または物理的な特性を有する基によっ
て置換されている模倣物が設計され得る。他の模倣物は、CAR配列の3次元構
造に基づいて、低分子ライブラリーから容易に同定され得る、低分子模倣物であ
り得る。以下に記載される実施形態において、クラウディンCAR配列について
アナログまたは模倣物が置換され得ることが理解されるべきである。
【0088】 調節薬剤またはそのペプチド部分は、線状または環状のペプチドであり得る。
用語「環状ペプチド」とは、本明細書中で使用される場合、ペプチドまたはその
塩をいい、以下を含む:(1)ペプチド環を形成する2つの非隣接残基間の分子
内共有結合、および(2)ペプチド環内に存在する少なくとも1つのクラウディ
ンCAR配列またはそのアナログ。分子内結合は、骨格−骨格結合、側鎖−骨格
結合、または側鎖−側鎖結合であり得る(すなわち、線状ペプチドの末端官能基
および/または末端もしくは内部残基の側鎖官能基が連結されて、環化が達成さ
れ得る)。好ましい分子内結合としては、ジスルフィド結合、アミド結合および
チオエステル結合が挙げられるが、これらに限定されない。任意の上記のクラウ
ディンCAR配列またはそのアナログもしくは模倣物は、1以上の他の接着分子
CAR配列を伴ってかまたは伴わずに、環状ペプチドに組み込まれ得る。更なる
接着分子CAR配列は、以下により詳細に記載される。
【0089】 環状ペプチド環のサイズは、一般に、5〜約15残基、好ましくは5〜10残
基の範囲である。さらなる残基は、クラウディンCAR配列のN末端側および/
またはC末端側に存在し得、そしてアミノ酸置換および/または他の改変を伴っ
てかまたは伴わずに、CAR配列に隣接する配列から誘導され得る。あるいは、
CAR配列の一方側または両側に存在するさらなる残基は、内因性配列に関連し
得ない(例えば、環化、精製または他の操作を促進する残基および/あるいは標
的機能もしくは他の機能を有する残基)。
【0090】 特定の実施形態において、調節薬剤は、表1に提供されるようなクラウディン
CAR配列(または、そのようなCAR配列の一部)を含む環状ペプチドを含み
得る。特定の環状ペプチドは、以下の式を有する:
【0091】
【化41】 この式において、Wは、以下:
【0092】
【化42】 からなる群より選択されるテトラペプチドであり;X1およびX2は任意であり、
そして存在する場合、残基がペプチド結合によって連結されるアミノ酸残基およ
びその組み合わせからなる群より独立して選択され、ここでX1およびX2は独立
して0〜10残基のサイズの範囲であり、その結果、X1およびX2内に含まれる
残基の合計は、1〜12の範囲であり;Y1およびY2は、アミノ酸残基からなる
群より独立して選択され、そしてここで共有結合は、残基Y1とY2との間ので形
成され;そしてZ1およびZ2は任意であり、そして存在する場合、残基がペプチ
ド結合によって連結されるアミノ酸残基およびその組み合わせからなる群より独
立して選択される。
【0093】 環状ペプチドは、任意の上記のCAR配列を含み得る。このような環状ペプチ
ドは、改変を伴わずに調節薬剤として使用され得るか、または調節薬剤に組み込
まれ得る。例えば、環状ペプチドは、任意の上記のクラウディン−1 CAR配
列を含み得る。代表的な環状ペプチドとしては、以下が挙げられる:
【0094】
【化43】 本発明の状況において、下線を付した配列が、本明細書中に記載されるような任
意の適切な方法を使用して環化される。
【0095】 同様に、環状ペプチドは、任意の上記のクラウディン−2 CAR配列を含み
得る。代表的な環状ペプチドとしては、以下が挙げられる:
【0096】
【化44】 クラウディン−3 CAR配列を含む代表的な環状ペプチドとしては、以下が
挙げられる:
【0097】
【化45】 任意のクラウディン−4 CAR配列は、環状ペプチドに形成され得る。代表
的な環状ペプチドとしては、以下が挙げられる:
【0098】
【化46】 クラウディン−5 CAR配列を含む代表的な環状ペプチドとしては、以下が
挙げられる:
【0099】
【化47】 クラウディン−6 CAR配列またはクラウディン−9 CAR配列を含む代
表的な環状ペプチドとしては、以下が挙げられる:
【0100】
【化48】 クラウディン−7 CAR配列を含む代表的な環状ペプチドとしては、以下が
挙げられる:
【0101】
【化49】 クラウディン−8 CAR配列を含む代表的な環状ペプチドとしては、以下が
挙げられる:
【0102】
【化50】 特定の実施形態内で、以下で議論されるように、小さなCAR配列(例えば、
有意な隣接配列を有さない4つの残基)を含む環状ペプチドが、クラウディン(
claudin)媒介機能を調節するために好ましい。このようなペプチドは、
N−アセチル基およびC−アミド基(例えば、クラウディン−媒介機能を調節す
るための、6−残基環N−Ac−CIYSYC−NH2(配列番号59)または
N−Ac−KIYSYD−NH2(配列番号68))を含み得る。小さな環状ペ
プチドは、一般に、以下で議論されるように、標的化因子のペプチドへの結合を
有するか、または有さない、癌および/もしくは他の細胞型の接着を、局所的投
与によって、または全身的投与によって特異的に調節するために使用され得る。
クラウディンCAR配列を含む、特定の代表的な環状ペプチドは、図2Aおよび
2Bに示される。他の好ましい実施形態内で、環状ペプチドは、片側または両側
に対してCAR配列に隣接する配列を含み得、これは増加した有効性を生じ得る
。適切な隣接配列は、天然に存在するクラウディンにある内部配列が挙げられる
が、限定されない。増加した有効性を有する環状ペプチドの調製を促進するため
に、上記のように、核磁気共鳴(NMR)およびコンピューター技術を使用して
、増加した有効性を与えるぺプチドの高次構造を決定し得る。
【0103】 クラウディン相互作用の阻害が所望される実施形態内で、調節薬剤は、1つの
クラウディンCAR配列、あるいは互いに隣接する(すなわち、介在配列を有さ
ない)かまたは近接する(すなわち、約0.1〜400nmの範囲のクラウディ
ンCAR配列間の距離を与えるようにペプチドおよび/または非ペプチドリンカ
ーによって離される)複数のCAR配列を含み得る。例えば、隣接するIYSY
配列(配列番号2)を有する調節薬剤は、ペプチドIYSYIYSY(配列番号
14)を含み得る。近接するIYSY(配列番号2)配列を有する代表的な調節
薬剤は、配列KIYSYKIYSYKIYSY(配列番号15)を含み得る。リ
ンカーは、CAR配列を含まず、かつ少なくとも2つのペプチド配列に共有結合
され得る任意の分子(ペプチド配列および/または非ペプチド配列を含む)であ
り得る。リンカーを用いて、CAR配列含有ペプチド配列および他のペプチド配
列またはタンパク質配列は、末端と末端とを(すなわち、リンカーは、各ペプチ
ド配列のカルボキシル基またはアミノ基に共有的に付着され得る)、および/ま
たは側鎖を通じて連結され得る。このような目的のために使用され得る1つのリ
ンカーは、(H2N(CH2nCO2H)、またはその誘導体である(ここで、n
は1〜4の範囲である)。使用され得る他のリンカーは、当業者に明らかである
。ペプチドリンカーおよび非ペプチドリンカーは、一般に、当該分野で公知の任
意の適切な方法を用いて調節薬剤へ組み込まれ得る。
【0104】 クラウディンによって媒介される細胞接着の増強が所望される実施形態内で、
調節薬剤は、上記のようなリンカーによって連結される、複数のクラウディンC
AR配列、またはこのような配列に特異的に結合する抗体を含み得る。クラウデ
ィン機能のエンハンサーに関して、リンカーの距離は、一般に400〜10,0
00nmであるべきである。このような目的のために使用され得る1つのリンカ
ーは、(H2N(CH2nCO2H)m、またはその誘導体である(ここで、nは
1〜10の範囲であり、そしてmは1〜4000の範囲である)。例えば、グリ
シン(H2NCH2CO2H)またはそのマルチマーがリンカーとして使用される
場合、各グリシン単位は、分子モデリング技術を用いて他のアミノ酸に結合する
場合にその最低エネルギーコンフォメーションの算出によって決定されるように
、2.45オングストローム(すなわち0.245nm)の結合距離に相当する
。同様に、アミノプロパン酸は3.73オングストロームの結合距離に相当し、
アミノブタン酸は4.96オングストロームの結合距離に相当し、アミノペンタ
ン酸は6.30オングストロームの結合距離に相当し、そしてアミノヘキサン酸
は、6.12オングストロームの結合距離に相当する。細胞接着の増強はまた、
以下でさらに議論されるように、複数の調節薬剤の、支持材料への付着によって
達成され得る。
【0105】 本明細書中に記載されるような調節薬剤は、さらに、1つ以上の異なる接着分
子(他のCAMを含むがこれに限定されない)および/またはそのような配列に
結合する1つ以上の抗体またはそのフラグメントについて、CAR配列を含み得
る。リンカーは、このようなCAR配列および/または抗体配列を、クラウディ
ンCAR配列および/または互いから離れさせるために使用され得るが、そうで
ある必要はない。このような調節薬剤は、一般に、複数の接着分子によって媒介
される細胞接着を同時に崩壊させることが望ましい方法内で用いられ得る。環状
ぺプチドについて、さらなるCAR配列が、環状ペプチド環内において、その調
節薬剤の別個の環状ペプチド成分内において、および/またはその調節薬剤の非
環状部分において存在し得る。抗体およびその抗原結合フラグメントは、代表的
に、その調節薬剤の非環状部分に存在する。
【0106】 本明細書中で使用される場合、「接着分子」は、細胞の表面上のレセプターを
通じて細胞の接着を媒介する任意の分子である。接着分子としては、以下が挙げ
られる:細胞接着タンパク質(例えば、古典的カドヘリンおよび古典的カドヘリ
ンではないカドヘリン遺伝子スーパーファミリーの他のメンバー(例えば、非代
表的カドヘリン(例えば、VE−カドヘリンおよびPB−カドヘリン)、デスモ
グレイン(desmogleins)(Dsg)およびデスモコリン(desm
ocollins)(Dsc));インテグリン;オクルディン;ならびに免疫
グロブリンスーパー遺伝子ファミリーのメンバー(例えば、N−CAM、JAM
およびPECAM)。調節薬剤への封入のために好ましいCAR配列としては、
以下が挙げられる:His−Ala−Val(HAV)(これは古典的カドヘリ
ンによって結合される(Munro SBら、1996、Cell Adhes
ion and Invasion in Cancer Metastasi
s,P.Brodt,編、17〜34頁(RG Landes Company
,Austin TX));Arg−Gly−Asp(RGD)(これは、イン
テグリンによって結合される(Cardarelliら、J.Biol.Che
m.267:23159〜64、1992を参照のこと));KYSFNYDG
SE(配列番号16)(これは、N−CAMによって結合される);SFTID
PKSG(配列番号477)もしくはDPK(これは、JAMによって結合され
る);オクルディンCAR配列LYHY(配列番号17);および/または一つ
以上の非古典的カドヘリンCAR配列(例えば、VE−カドヘリンCAR配列D
AE、Dsc CAR配列IEK、VERおよびIER、またはDsg CAR
配列INQ、INRおよびLNK)。
【0107】 リンカーを使用して、クラウディンCAR配列含有ペプチドおよび他のぺプチ
ドまたはタンパク質配列は、頭部から尾部(head−to−tail)に(す
なわち、リンカーは、各ペプチド配列のカルボキシル基またはアミノ基に共有結
合され得る)、頭部から側鎖に、および/または尾部から側鎖に結合され得る。
1以上のリンカーを含む調節薬剤は、直線状または分枝状構造を形成し得る。1
つの実施形態内で、分枝状構造を有する調節薬剤は、クラウディンCAR配列お
よびオクルディンCAR配列を含み得る。あるいは、分枝状構造は、3つの異な
るCAR配列(例えば、RGD、クラウディンCAR配列およびHAV)を含み
得る。別の実施形態内で、分枝状構造を有する調節薬剤は、一つ以上のHAV、
RGD、LYHY(配列番号17)、DAE、DPK、IEK、VER、IER
、INQ、INRおよび/またはLNKとともに、クラウディンCAR配列を含
む。
【0108】 CAR配列の他の組合せもまた可能である。リンカーは、好ましくは、0.1
〜10,000nmの範囲であり、より好ましくは約0.1〜400nmの範囲
である、CAR配列間の距離を生成する。上記のように、認識部位間の分離距離
は、一般に、調節薬剤の所望の機能に従って決定され得る。
【0109】 調節薬剤中に存在するCAR配列の総数(1つ以上の接着分子由来の他のCA
R配列を有するか、または有さないクラウディンCAR配列を含む)は、1から
多数(例えば、100)、好ましくは1〜10、そしてより好ましくは1〜5の
範囲であり得る。複数のCAR配列を含むペプチド調節薬剤は、代表的には6〜
約1000のアミノ酸残基、好ましくは6〜50残基を含む。非ペプチドリンカ
ーが使用される場合、調節薬剤の各CAR配列は、ペプチド中に存在し、これは
、一般に、サイズにおいて4〜50残基長の範囲であり、好ましくは4〜25残
基の範囲であり、より好ましくは4〜16残基の範囲であり、そしてさらにより
好ましくは4〜15残基の範囲である。
【0110】 上記のように、調節薬剤は、ペプチド結合によって結合されるアミノ酸残基の
みを含むポリペプチドもしくはその塩であり得るか、または非ペプチド領域(例
えば、リンカー)を含み得る。調節薬剤のペプチド領域は、L−アミノ酸、D−
アミノ酸、またはそれらの任意の組合せの残基を含み得る。少なくとも1つのア
ミノ基および少なくとも1つのカルボキシル基が分子中に存在する条件で、アミ
ノ酸は、天然の供給源または非天然の供給源由来であり得;α−アミノ酸および
β−アミノ酸が、一般には好ましい。タンパク質中に通常見出される20個のL
−アミノ酸は、従来の3文字表記または1文字表記によって本明細書中で識別さ
れ、そして対応するD−アミノ酸は、小文字の1文字記号によって示される。
【0111】 調節薬剤はまた、任意の広範な種々の側鎖改変および/または置換(例えば、
メチル化、ベンジル化、t−ブチル化、トシル化、アルコキシカルボニル化など
)を有するかまたは有さない、稀なアミノ酸(例えば、4−ヒドロキシプロリン
もしくはヒドロキシリジン)、有機酸またはアミドおよび/あるいは通常のアミ
ノ酸の誘導体(例えば、カルボン酸エステル化(例えば、ベンジル、メチルもし
くはエチルエステル)またはアミド化されたC末端を有するアミノ酸および/ま
たはN末端アミノ基の改変(例えば、アセチル化もしくはアルコキシカルボニル
化)を有するアミノ酸)を含み得る。好ましい誘導体は、C末端アミド基を有す
るアミノ酸を含む。調節薬剤を伴って存在し得る、通常のアミノ酸以外の残基と
しては、2−メルカプトアニリン、2−メルカプトプロリン、オルニチン、ジア
ミノ酪酸、α−アミノアジピン酸、m−アミノメチル安息香酸およびα,β−ジ
アミノプロピオン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】 本明細書中に記載されるようなペプチド調節薬剤(および調節薬剤のペプチド
部分)は、当該分野で周知の方法(化学合成法および組換えDNA法を含む)に
よって合成され得る。約50残基までの長さまでの調節薬剤について、化学合成
は、液相ペプチド合成技術または固相ペプチド合成技術を使用して実施され得る
。ここで、ペプチド結合は、1つのアミノ酸のα−アミノ基の、他のアミノ酸の
α−カルボキシル基との、水分子の脱離を伴う直接的な縮合を通じて生じる。直
接的な縮合によるペプチド結合の合成は、上記で明確に記載されるように、第1
のアミノ酸のアミノ基の反応特性と第2のアミノ酸のカルボキシル基の反応特性
の抑制を必要とする。マスクキング置換基は、不安定なペプチド分子の崩壊を誘
導することなく、それらの容易な除去を可能にしなければならない。
【0113】 液相合成においては、広範な種々のカップリング方法および保護基が使用され
得る(GrossおよびMeienhofer編、「The Peptides
:Analysis,Synthesis,Biology」第1巻−第4巻(
Academic Press,1979);BodanskyおよびBoda
nsky、「The Practice of Peptide Synthe
sis」第2版(Springer Verlag、1994)を参照のこと)
。さらに、中間体の精製および直線的なスケールアップが可能である。溶液合成
が、主鎖および側鎖保護基、ならびに活性化方法の考慮を必要とすることを、当
業者は理解する。さらに、注意深いセグメントの選択が、セグメントの縮合の間
のラセミ化を最少にするためには必要である。溶解度の考慮もまた、1つの要素
である。
【0114】 固相ペプチド合成は、有機合成の間に支持体のために不溶性ポリマーを使用す
る。このポリマーに支持されたペプチド鎖は、中間工程での面倒な精製の代わり
に、簡単な洗浄工程および濾過工程の使用を可能にする。固相ペプチド合成は、
一般的に、Merrifieldら、J.Am.Chem.Soc.85:21
49、1963の方法に従って実施され得る。この方法は、保護されたアミノ酸
を使用して樹脂支持体上の線状ペプチド鎖を組み立てる工程を包含する。固相ペ
プチド合成は、代表的には、BocストラテジーまたはFmocストラテジーの
いずれかを利用する。このBocストラテジーは、1%架橋ポリスチレン樹脂を
使用する。αアミノ官能基のための標準的な保護基は、tert−ブチルオキシ
カルボニル(Boc)基である。この基は、25%トリフルオロ酢酸(TFA)
のような強酸の希釈溶液を用いて除去され得る。次のBocアミノ酸は、代表的
には、ジシクロヘキシルカルボイミド(DCC)を使用してアミノアシル樹脂に
結合される。この組み立ての完了の後、このペプチド樹脂は、無水HFで処理さ
れてベンジルエステル結合が切断され、そして遊離のペプチドが解離される。側
鎖官能基は、通常、ベンジル誘導ブロック基により合成の間ブロックされ、これ
もまたHFにより切断される。次いで、この遊離ペプチドが、適切な溶媒を用い
て樹脂から抽出され、精製され、そして特徴付けられる。新規に合成されたペプ
チドは、例えば、ゲル濾過、HPLC、分配クロマトグラフィーおよび/または
イオン交換クロマトグラフィーにより精製され得、そして例えば、質量分析法ま
たはアミノ酸配列分析により特徴付けられ得る。このBocストラテジーにおい
て、C末端アミド化ペプチドが、ベンズヒドリルアミン樹脂またはメチルベンズ
ヒドリルアミン樹脂を使用して得られ得、この樹脂は、HFでの切断に際して直
接ペプチドアミドを生じる。
【0115】 上記の手順において、側鎖ブロック基およびペプチド−樹脂結合の選択性は、
酸分解性切断の比率の差異に依存する。側鎖ブロック基およびペプチド−樹脂結
合が、この合成の各工程でα−保護基を除去するために使用される試薬に対して
完全に安定である、オルソガノール(orthoganol)系が導入されてい
る。これらのうちの最も一般的な方法は、9−フルオレニルメチルオキシカルボ
ニル(Fmoc)アプローチを包含する。この方法において、側鎖保護基および
ペプチド−樹脂結合は、N−α−Fmoc基を切断するための使用される二級ア
ミンに対して完全に安定である。側鎖保護基およびペプチド−樹脂結合は、穏や
かな酸分解により切断される。塩基との繰り返しの接触は、このMerrifi
eld樹脂をFmoc化学に不適切にし、そしてこの樹脂に結合したp−アルコ
キシベンジルエステルが一般的に使用される。脱保護および切断は、一般的に、
TFAを使用して達成される。
【0116】 当業者は、固相合成において、脱保護およびカップリング反応が完了しなけれ
ばならないこと、そして側鎖ブロック基が合成全体を通じて安定でなければなら
ないことを、認識する。さらに、固相合成は一般的に、ペプチドが小規模で作製
される場合に、最も安定である。
【0117】 N末端のアセチル化は、樹脂からの切断の前に、最後のペプチドを無水酢酸と
反応させることにより達成され得る。Cアミド化は、Boc技術を使用して、メ
チルベンズヒドリルアミン樹脂のような適切な樹脂を使用して達成される。
【0118】 線状ペプチドの合成の後、Nアセチル化および/またはCアミド化を伴っても
伴わなくても、所望の場合、環化が、当該分野で周知の種々の技術のうちのいず
れかによって達成され得る。1つの実施形態において、反応性アミノ酸側鎖間に
結合が生成され得る。例えば、2つのチオール含有残基を含む線状ペプチドから
、ジスルフィド結合が、そのペプチドを種々の任意の方法を使用して酸化するこ
とによって、形成され得る。このような1つの方法において、チオールの空気酸
化は、塩基性水性媒体または中性水性媒体のいずれかを使用して数日間の期間に
わたって、ジスルフィド結合を生成し得る。このペプチドは、凝集および分子間
副反応を最小にするために、高い希釈にて使用される。この方法は、遅いという
不利益を被るが、副産物としてH2Oのみを生成するという利点を有する。ある
いは、強い酸化剤(例えば、I2およびK3Fe(CN)6)が、ジスルフィド結
合を形成するために使用され得る。当業者は、Met、Tyr、TrpまたはH
isの敏感な側鎖を酸化しないように注意を払わなければならないことを認識す
る。この方法により生成される環状ペプチドは、標準的技術による精製を必要と
するが、この酸化は、酸性pHにて適用可能である。酸化剤はまた、適切なS保
護線状前駆体の同時脱保護/酸化を可能にし、遊離システインの早期の非特異的
酸化が避けられる。
【0119】 I2およびK3Fe(CN)6とは異なり、DMSOは、上記の求核アミノ酸の
酸化的副反応を生じない、穏やかな酸化剤である。DMSOは、すべての濃度に
てH2Oと混和可能であり、そして酸化が、酸性から中性のpHにて実施され得
、無害な副産物を伴う。メチルトリクロロシランジフェニルスルホキシドが、他
の求核アミノ酸に影響することのないシステインのS−Acm、S−Tacmま
たはS−t−Buの同時脱保護/酸化のために、酸化剤として代替的に使用され
得る。分子間ジスルフィド結合形成から生じるポリマー性生成物は存在しない。
このような酸化方法における使用に適切なチオール含有残基としては、以下が挙
げられるが、これらに限定されない:システイン、β,β−ジメチルシステイン
(ペニシルアミンまたはPen)、β,β−テトラメチレンシステイン(Tmc
)、β,β−ペンタメチレンシステイン(Pmc)、β−メルカプトプロピオン
酸(Mpr)、β,β−ペンタメチレン−β−メルカプトプロピオン酸(Pmp
)、2−メルカプトベンゼン、2−メルカプトアニリンおよび2−メルカプトプ
ロリン。このような残基を含有するペプチドは、以下の例示的式により示される
。下線のタンパク質は環化しており、N−アセチル基はN−Acにより示され、
そしてC末端アミド基が−NH2により示される: i)N−Ac−Cys−Ile−Tyr−Ser−Tyr−Cys−NH2
配列番号59) ii)H−Cys−Ile−Tyr−Ser−Tyr−Cys−OH(配列番
号59) iii)N−Ac−Cys−Trp−Lys−Ile−Tyr−Ser−Ty r−Cys −NH2(配列番号65) iv)H−Cys−Trp−Lys−Ile−Tyr−Ser−Tyr−Cy −OH(配列番号65) v)N−Ac−Cys−Lys−Ile−Tyr−Ser−Tyr−Cys
NH2(配列番号62) vi)H−Cys−Lys−Ile−Tyr−Ser−Tyr−Cys−OH
(配列番号62) vii)N−Ac−Cys−Ile−Tyr−Ser−Tyr−Pen−NH 2 (配列番号18) viii)N−Ac−Tmc−Ile−Tyr−Ser−Tyr−Cys−N
2(配列番号19) ix)N−Ac−Pmc−Ile−Tyr−Ser−Tyr−Cys−NH2
(配列番号20) x)N−Ac−Mpr−Ile−Tyr−Ser−Tyr−Cys−NH2
配列番号21) xi)N−Ac−Pmp−Ile−Tyr−Ser−Tyr−Cys−NH2
(配列番号22)。
【0120】 これらの例示的式の各々において、上記のチオール含有残基のいずれをも、示
されるチオール含有残基のうちの1つまたは両方の代わりに使用され得ることが
、当業者に容易に明らかである。
【0121】 別の実施形態において、環化は、アミド結合形成により達成され得る。例えば
、末端官能基(すなわち、環化の前の、線状ペプチドのアミノ末端とカルボキシ
末端)の間にペプチド結合が、KIYSY(配列番号106)のように、形成さ
れ得る。別のこのような実施形態において、環状ペプチドは、D−アミノ酸を含
む(例えば、yIYSY:配列番号23)。あるいは、環化は、1つの末端と残
基の側鎖を結合するか、または2つの側鎖を使用して、KIYSD(配列番号6
8)のように、N末端アセチル基および/またはC末端アミドを有しても有して
いなくても、達成され得る。ラクタム結合を形成し得る残基としては、リジン、
オルニチン(Orn)、α−アミノアジピン酸、m−アミノメチル安息香酸、α
,β−ジアミノプロピオン酸、グルタミン酸またはアスパラギン酸が、挙げられ
る。
【0122】 アミド結合を形成するための方法は、当該分野で周知であり、そして十分に確
立された化学的反応性の原理に基づく。1つのこのような方法において、カルボ
ジイミド媒介ラクタム形成は、DCC、DIC、EDACまたはDCCIとのカ
ルボン酸の反応により達成され得、O−アシルウレアの形成をもたらし、このO
−アシルウレアはすぐに遊離のアミノ基と反応して、この環化が完了し得る。O
→N転移から生じる不活性N−アシルウレアの形成は、このO−アシルウレアを
N−ヒドロキシ化合物(例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒド
ロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシノルボルネン(norbornene)
カルボキサミドまたはエチル2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸)と反応さ
せることにより活性エステルへと変換することにより、回避され得る。O→N転
移を最小にすることに加え、これらの添加物はまた、環化の間に触媒として作用
し、そしてラセミ化を低減するのを助ける。あるいは、環化は、アジド法を使用
して実施され得る。このアジド法において、反応性のアジド中間体が、アルキル
エステルからヒドラジドを介して生成される。末端エステルのヒドラジン分解は
、アシル化成分中の側鎖カルボキシル官能基の保護のために、t−ブチル基の使
用を必要とする。この制限は、ジフェニルリン酸(DPPA)を使用することに
より克服され得、ジフェニルリン酸は、カルボキシル基との反応の際に直接アジ
ドを供給する。アジドの遅い反応性およびその不均化反応によるイソシアネート
の形成は、この方法の有用性を制限する。ラクタム形成の混合無水物法は、反応
副産物の容易な除去が理由で、広く使用されている。カルボン酸アニオンと、ク
ロロギ酸アルキルまたは塩化ピバロイル(pivaloyl)との反応の際に、
無水物が形成される。次に、アミノ成分の攻撃は、アルコキシ基の電子付与効果
または塩化ピバロイルのt−ブチル基の立体的嵩高さ(これは、誤ったカルボニ
ル基に対する攻撃を妨害する)により、アシル化成分のカルボニル炭素へと導か
れる。リン酸誘導体との混合無水物もまた、首尾よく使用されている。あるいは
、環化は、活性化エステルを使用して達成され得る。エステルのアルコキシ炭素
上の電子誘引置換基の存在は、アミノ分解に対するそのエステルの感受性を増加
する。p−ニトロフェノール、N−ヒドロキシ化合物およびポリハロゲン化フェ
ノールのエステルの高い反応性は、これらの「活性エステル」をアミド結合の合
成において有用にしている。ここ2、3年、ベンゾトリアゾリルオキシトリス−
(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸(BOP)およびその同
族体が、有利なカップリング試薬として開発されたことが観察されている。その
性能は、一般的に、十分に確立されたカルボジイミドアミド結合形成反応の性能
よりも優れている。
【0123】 さらなる実施形態において、チオエーテル結合は、チオール含有残基の側鎖と
、適切に誘導体化されたα−アミノ酸との間に形成され得る。例として、リジン
側鎖は、カルボジイミドカップリング法(DCC、EDAC)を通じてブロモ酢
酸にカップリングされ得、次いで上述の任意のチオール含有残基の側鎖と反応し
て、チオエーテル結合を形成する。ジチオエーテルを形成するために、任意の2
つのチオール含有側鎖が、DMF中のジブロモエタンおよびジイソプロピルアミ
ンと反応し得る。チオール含有結合の例を、以下に示す:
【0124】
【化51】 環化はまた、以下に示されるように、δ1,δ1'−ジトリプトファン(すなわ
ち、Ac−Trp−Gly−Gly−Trp−OMe)(配列番号24)を使用
して達成され得る:
【0125】
【化52】 環状ペプチドの代表的な構造が、図2Aおよび2Bに提供される。本明細書中
に列挙される構造および式は、単に例示の目的のために提供され、そして本明細
書中に記載される環状ペプチドの範囲を制限することを意図しない。
【0126】 より長い調節薬剤については、合成のためには組換え方法が好ましい。このよ
うな方法において、特定の宿主細胞に適切であると当業者に公知である種々の発
現ベクターのいずれかを用いて、調節薬剤の全てまたは部分が、生細胞中で合成
され得る。適切な宿主細胞は、細菌、酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物
細胞、藻類および他の動物細胞(例えば、ハイブリドーマ、CHO、ミエローマ
)を含み得る。この様式において発現されるDNA配列は、内因性のクラウディ
ンもしくは他の接着分子の部分をコードし得る。このような配列は、既知のcD
NA配列またはゲノム配列に基づいて調製され得るか、または既知のカドヘリン
の配列に基づいて設計されたプローブを用いて適切なライブラリーをスクリーニ
ングすることによって単離された配列から調製され得る。このようなスクリーニ
ングは、一般的には、Sambrookら、Molecular Clonin
g:A Laboratory Manual、Cold Spring Ha
rbor Laboratories、Cold Spring Harbor
、NY、1989(およびそこに引用される参考文献)に記載されるように行わ
れ得る。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)もまた、当該分野で周知の方法におい
てオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、内因性の接着分子の全体または部分
をコードする核酸分子を単離するために利用され得る。所望の調節薬剤をコード
する核酸分子を生成するために、内因性クラウディン配列が、周知の技術を使用
して改変され得る。例えば、1つ以上のCAR配列をコードする部分が、上記に
議論されるように、リンカーをコードする核酸領域による分離を伴ってか、また
は伴わずに連結され得る。あるいは、所望の核酸配列の部分は、周知の技術を用
いて合成され得、次いで、調節薬剤をコードする配列を形成するために互いに連
結され得る。
【0127】 上記のように、ポリヌクレオチドはまた、調節薬剤として機能し得る。一般に
は、このようなポリヌクレオチドは、ポリペプチド調節薬剤の発現に続いて哺乳
動物への投与を許容するように処方されるべきである。このような処方物は、以
下に記載されるように、特に治療目的のために有用である。当業者は、哺乳動物
内でのポリヌクレオチドの発現を達成するために多くの方法が存在し、そして任
意の適切な方法が使用され得ることを理解する。例えば、ポリヌクレオチドは、
ウイルス性ベクター(例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウ
イルス、もしくはワクシニアまたは他のポックスウイルス(例えば、トリポック
スウイルス)が挙げられるが、これらに限定されない)に組み込まれ得る。DN
Aをこのようなベクターに組み込むための技術は、当業者に周知である。レトロ
ウイルスベクターは、(トランスフェクト細胞の同定または選択を補助するよう
に)選択マーカーおよび/または標的化部分(例えば、特定の標的細胞上のレセ
プターについてのリガンドをコードする遺伝子)についての遺伝子をさらに移入
し得るかまたは組み込み得て、ベクターを標的特異的にする。標的化はまた、当
業者に公知の方法によって、抗体を使用して達成され得る。治療目的のためのポ
リヌクレオチドについての他の処方物としては、コロイド分散系(例えば、高分
子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズ、および脂質に基づく系(水
中油エマルジョン、ミセル、混合されたミセルおよびリポソームを含む))が挙
げられる。インビトロおよびインビボにおける送達ビヒクルとしての使用のため
の好ましいコロイド分散系は、リポソーム(すなわち、人工膜小胞)である。こ
のような系の調製および使用は、当該分野で公知である。
【0128】 上記のように、クラウディンCAR配列に代わって(または加えて)、調節薬
剤は、クラウディンCAR配列に特異的に結合する抗体、またはそれらの抗原結
合フラグメントを含み得る。本明細書中で使用される場合、抗体、またはそれら
の抗原結合フラグメントは、その配列を含むペプチドと検出可能なレベルで反応
し、そして異なるCAR配列、またはクラウディンCAR配列および/もしくは
隣接配列中のアミノ酸残基の順番が変化している配列を含むペプチドと、検出可
能には反応しない場合に、クラウディンCAR配列(隣接アミノ酸を含むか、ま
たは含まない)に「特異的に結合する」といわれる。このような抗体結合特性は
、Newtonら、Develop.Dynamics 197:1−13、1
993によって記載されているように、ELISAを用いて評価され得る。
【0129】 ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体が、従来技術を使用して、クラ
ウディンCAR配列に対して惹起され得る。例えば、HarlowおよびLan
e、Antibodies:A Laboratory Manual、Col
d Spring Harbor Laboratory、1988を参照のこ
と。1つのこのような技術において、クラウディンCAR配列を含む免疫原は、
最初に、広範な種々の哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ま
たはヤギ)のいずれかに注射される。小さい方の免疫原(すなわち、約20アミ
ノ酸未満)は、キャリアタンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン、またはキー
ホールリンペットヘモシアニン)に結合されるべきである。1回以上の注射の後
に、動物から定期的に採血する。次いで、CAR配列について特異的なポリクロ
ーナル抗体は、例えば、適切な固体支持体に結合された調節薬剤またはその抗原
性部分を使用するアフィニティークロマトグラフィーによってそのような抗血清
から精製され得る。
【0130】 クラウディンCAR配列について特異的なモノクローナル抗体は、例えば、K
ohlerおよびMilstein、Eur.J.Immunol.6:511
−519、1976の技術、ならびにその改良型を使用して調製され得る。手短
には、これらの方法は、上記のように、免疫された動物から得られた脾臓細胞か
らの、所望の特異性を有する抗体を産生し得る不死化細胞株の調製を包含する。
その脾臓細胞は、例えば、ミエローマ細胞融合パートナー(好ましくは、免疫さ
れた動物と同系のもの)との融合によって不死化される。単一コロニーが選択さ
れ、そしてそれらの培養上清が、調節薬剤またはその抗原性部分に対する結合活
性について試験される。高い反応性および特異性を有するハイブリドーマが好ま
しい。
【0131】 モノクローナル抗体は、収量を増強させるために、当該分野で公知の種々の技
術の使用ありまたは使用なしで、増殖しているハイブリドーマコロニーの上清か
ら単離され得る。夾雑物は、従来技術(例えば、クロマトグラフィー、ゲル濾過
、沈殿、および抽出)によって抗体から除去され得る。所望の活性を有する抗体
は、一般的に、標的クラウディンが局在している組織切片、細胞、または他のサ
ンプルの免疫蛍光分析を使用して同定され得る。
【0132】 特定の実施形態において、抗体の抗原結合フラグメントの使用が好ましくあり
得る。このようなフラグメントは、Fabフラグメントを含み、これは、標準的
な技術を用いて調製され得る。手短には、免疫グロブリンは、プロテインAビー
ズカラムのアフィニティークロマトグラフィーによってウサギ血清から精製され
得(HarlowおよびLane、Antibodies:A Laborat
ory Manual、Cold Spring Harbor Labora
tory、1988;特に309頁を参照のこと)、そしてパパインによって消
化され、FabフラグメントおよびFcフラグメントを産生する。Fabフラグ
メントおよびFcフラグメントは、プロテインAビーズカラム上のアフィニティ
ークロマトグラフィーによって分離され得る(HarlowおよびLane、1
988、628−29頁)。
【0133】 (調節薬剤活性の評価) 上記のように、本明細書中に記載されるような調節薬剤は、クラウディン媒介
細胞接着を調節し得る。薬剤が細胞接着を調節する能力は、一般に、例えば、任
意の種々の免疫染色プロトコルおよび/またはプレーティングアッセイを使用し
て、内皮細胞および/もしくは上皮細胞接着またはクラウディンcDNAを用い
てトランスフェクトされた細胞(例えば、L細胞)に対する効果をアッセイする
ことによってインビトロで評価され得る。一般に、調節薬剤は、試験細胞と調節
薬剤との接触が、本明細書中に提供される1つ以上の代表的なアッセイを使用し
て細胞接着の識別可能な分裂を生じる場合に、細胞接着のインヒビターである。
細胞接着を増強する調節薬剤(例えば、複数のクラウディンCAR配列を含む薬
剤および/または支持分子もしくは材料に連結された薬剤)は、支持材料(例え
ば、組織培養プラスチック)に付着した調節薬剤に対する内皮細胞または上皮細
胞のいずれかの接着を評価するためのプレーティングアッセイによって判断され
るように、これらが細胞接着を促進し得る場合、細胞接着の調節薬剤であるとみ
なされる。
【0134】 1つ以上のクラウディン媒介機能を調節する能力についての最初のスクリーニ
ングは、当業者に公知の任意の結合アッセイを使用してクラウディンに結合する
調節薬剤の能力を評価することによって実施され得る。例えば、Jonsson
ら、Biotechniques 11:520−27、1991において議論
されるように、Pharmacia Biosensor機器が使用され得る。
例えば、調節薬剤は、クラウディンに結合するCAR配列を含み得る。分子との
ペプチドの相互作用を測定する技術の特定の例は、Williamsら、J.B
iol.chem.,272,22349−22354、1997において見出
され得る。あるいは、リアルタイムBIA(Biomolecular Int
eraction Analysis)は、光学現象表面プラズモン共鳴を使用
して、生体分子相互作用をモニタリングする。その検出は、生体特異的界面での
高分子の質量濃度の変化に依存する。これは、次には、試験分子またはペプチド
(リガンドといわれる)の、バイオセンサーチップの表面への固定化、続いて、
リガンドへの相互作用分子(分析物といわれる)の結合に依存する。チップへの
結合は、リアルタイムで、恣意的な共鳴の単位(RU)において測定される。
【0135】 例えば、表面プラズモン共鳴実験は、BIAcore XTMバイオセンサー(
Pharmacia Ltd.、BIAcore、Uppsala、Swede
n)を用いて実行され得る。CM5センサーチップのパラレルフローセルは、製
造業者のプロトコルに従って、10mM 酢酸ナトリウム、pH 4.0中で、
ストレプトアビジン(200μg/ml)を用いて、アミンカップリング法を使
用して誘導体化され得る。リガンドの約2100〜2600共鳴単位(RU)が
固定化され得、これは、約2.1〜2.6ng/mm2の濃度に相当する。次い
で、このチップは、ビオチンに対して誘導体化されたクラウディンで被覆され得
る。いかなる非特異的結合ペプチドも除去される。
【0136】 結合を決定するために、試験分析物(例えば、クラウディンCAR配列を含有
するペプチド)は、泳動緩衝液中に配置され得、そして試験フローセルおよびコ
ントロールフローセルを同時に通過され得る。遊離の緩衝液の流れた時間の後、
表面に結合したままのいかなる分析物をも、例えば、0.1% SDSのパルス
を用いて取り除き、シグナルをベースラインに戻し得る。誘導体化したセンサー
チップへの特異的結合は、コントロールフローセル応答から試験フローセル応答
を減算することによりこのシステムによって自動的に決定され得る。一般的に、
調節薬剤は、このようなアッセイ中で検出可能なレベルでクラウディンに結合す
る。好ましくは、結合のレベルは、少なくとも、類似の条件下で全長クラウディ
ンについて観察されるレベルである。
【0137】 細胞接着を調節する薬剤の能力は、一般に、Milesアッセイ(McClu
reら、J.Pharmacological & Toxicologica
l Methods 32:49−52、1994)を利用する血管透過性に対
する効果を評価することによってインビボで評価され得る。簡潔には、候補調節
薬剤は、100μg/mlの濃度のリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中に溶解
され得る。成体ラットには、その毛を剃った背中に各ペプチド溶液100μlの
皮下注射を与え得、次いで15分後に、PBS中に溶解した1%エバンスブルー
の単回の250μlの注射を、尾静脈に行い得る。この皮下注射部位は、青色素
の出現について視覚的にモニタリングされ得る。一旦この色素が出現すると(注
射後約15分)、各皮下注射部位が切り出され得、計量され、そして24時間1
mlのジメチルホルムアミド中に配置されて、色素を抽出し得る。次いで、色素
抽出物の光学密度は、620nmで決定され得る。一般に、ラットの背中への0
.1mlの調製薬剤(0.1mg/mlの濃度)の注射は、PBSが注射された
部位での色素蓄積に比較して少なくとも50%の、注射部位での色素蓄積の増大
を引き起こす。
【0138】 内皮細胞接着における調節薬剤の効果は、一般に、免疫局在技術を用いて評価
され得る。ヒト大動脈内皮細胞(HAEC)が、Jaffeら、J.Clin.
Invest.52:2745−2756、1973の手順に従って、フィブロ
ネクチン被覆カバーガラス上で培養され得る(フィブロネクチンは、Sigma
、St.Louis、MOから入手され得る)。簡潔には、ヒト内皮細胞は、E
GM(内皮細胞増殖培地;Clonetics、San Diego、CA)に
おいて維持され得、そして4継代で実験のために使用され得る。HAECのコン
フルエントな培養物は、候補調節薬剤(最終濃度100μg/ml EGM)か
またはEGM単独のいずれかに1時間曝露され得る。次いで、細胞が、95%エ
タノール中に4℃で30分間固定化され、そして4℃で1分間アセトン中に固定
化される(Furuseら、J.Cell Biol.123:1777−17
88、1993)。固定化後、この細胞は、マウス抗VE−カドヘリン抗体(H
emeris、Sassenage、France;PBS中に溶解した0.1
%脱脂粉乳中で1:250希釈した)または抗クラウディン抗体(Morita
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96:511−516、
1999により記載のように調製した)PBS中に溶解した0.1%脱脂粉乳中
に希釈した)のいずれかを用いて37℃で1時間プローブされ得る。細胞は、次
いで、PBS中に溶解した0.1%脱脂粉乳で洗浄され得(3回洗浄、5分/1
洗浄)、そして二次抗体(PBS中に溶解した0.1%脱脂粉乳中に1:250
で希釈したロバ抗マウスCy3、またはロバ抗ウサギCy5;Jackson
Immunoresearch Laboratories Inc.、Wes
tgrove、PA)で37℃で1時間プローブされ得る。この細胞は、次いで
、PBS中に溶解した0.1%脱脂粉乳で再度洗浄され得、そしてフェニレンジ
アミン(Sigma、St.Louis、MO)が1mg/mlの最終濃度に添
加された50%グリセロールおよび50%PBSで構成される溶液中に入れられ
得る。試料はまた、次いで、Laser Sharpソフトウェア2.1T版を
伴うBio−Rad MRC 1000共焦点顕微鏡(Bio−Rad、Her
cules、CA)を用いて分析し得る。一般に、0.1mg/mlの調節薬剤
は、単層培養物内に細胞間間隔の出現、および、調節薬剤の曝露されなかった単
層培養物に比較して少なくとも50%の、クラウディンおよびVE−カドヘリン
の表面発現における減少を生じる。
【0139】 特定の細胞接着アッセイにおいて、クラウディンを発現する細胞への調節薬剤
の添加は、細胞接着の破壊を生じる。「クラウディン発現細胞」は、本明細書中
で使用される場合、免疫細胞化学プロトコール(例えば、Blaschukおよ
びFarookhi、Dev.Biol.136:564−567、1989)
のような標準的な技術を使用して、検出可能なレベルで、細胞表面上にクラウデ
ィンを発現する任意の型の細胞であり得る。クラウディン発現細胞は、内皮細胞
、上皮細胞、および/または癌細胞を含む。例えば、このような細胞は、調節薬
剤の非存在下で細胞接着を可能にする標準的な条件下で、プレートされ得る。調
節薬剤(例えば、100μg/mL)の存在下において、細胞接着の破壊は、互
いからの細胞の退縮を観察することによって、目視で24時間以内に決定され得
る。
【0140】 別のこのようなアッセイにおいて、正常なラット腎臓(NRK)細胞に対する
調節薬剤の効果が評価され得る。代表的な手順に従って、NRK細胞(ATCC
#1571−CRL)を、10%FCSを有するDMEMを含む35mm組織培
養フラスコあたり10〜20,000細胞でプレーティングし得、そして定期的
に継代培養する(Lairdら、J.Cell Biol.131:1193−
1203、1995)。細胞を収集し得、そして1mmカバーガラスを含む35
mm組織培養フラスコ中に再プレーティングし得、そして50〜65%コンフル
エントまでインキュベートし得る(24〜36時間)。この時点において、カバ
ーガラスを24ウェルプレートに移し得、新鮮なDMEMで1回洗浄し得、そし
て例えば0.1mg/mLの濃度の調節薬剤に24時間暴露し得る。次いで、新
鮮な調節薬剤を添加し得、そして細胞をさらに24時間放置し得る。細胞を10
0%メタノールで10分間固定し得、次いでPBSで3回洗浄し得る。カバーガ
ラスを、2% BSA/PBS中に1時間ブロックし得、そして抗クラウディン
抗体およびマウス抗Eカドヘリン抗体(Transduction Labs、
1:250希釈)の存在下でさらに1時間インキュベートし得る。一次抗体およ
び二次抗体は、2% BSA/PBS中に希釈され得る。一次抗体中でのインキ
ュベーションに次いで、カバーガラスをPBS中で各5分間で3回洗浄し得、そ
してロバ抗マウスCy3およびロバ抗ウサギCy5(Jackson Immu
noresearch Laboratories Inc.、Westgro
ve、PA)で37℃で1時間インキュベートし得る。PBS中でさらに洗浄(
3×5分)した後、カバーガラスを、マウントし、そして共焦点顕微鏡によって
観察し得る。
【0141】 調節薬剤の非存在下で、NRK細胞は、細胞が多角形形態を表示する栗石形態
を有する特徴的な密着単層を形成する。クラウディン媒介細胞接着を破壊する調
節薬剤を用いて処理されるNRK細胞は、0.1mg/mLの調節薬剤で48時
間以内の処理において、非多角形および細長い形態(すなわち、繊維芽細胞様形
態)をとり得る。間隙が、このような細胞のコンフルエントな培養において見ら
れる。さらに、0.1mg/mLのこのような調節薬剤は、クラウディンおよび
Eカドヘリンの細胞表面染色において、免疫蛍光顕微鏡によって判断されるよう
に、好ましくは48時間以内に少なくとも75%の、容易に明らかな減少を再現
可能に誘導する(Lairdら、J.Cell Biol.131:1193−
1203,1995)。
【0142】 第3の細胞接着アッセイは、接着性内皮細胞単層の透過性に対する調節薬剤の
効果を評価することを包含する。内皮細胞単層の透過性に対する調節薬剤の効果
は、Ehringerら、J.Cell.Physiol.167:562−5
69、1996のプロトコルを利用して評価され得る。HAECは、24ウェル
プレート(Becton−Dickenson、Franklin Lake、
NJ)中に挿入物上に播種され得、そしてEGM中で培養され得る。コンフルエ
ントな細胞単層が、調節薬剤(最終濃度100μg/mlEGM)またはEGM
単独のいずれかに1時間曝露され得る。この挿入物は、次いで、透過性アッセイ
のために、24チャンバープレート(Becton−Dickenson)に移
され得る。灌流液(15mM HEPES、pH7.4中に溶解した0.5%ウ
シ血清アルブミン、V画分(Sigma))およびFITC−デキストラン(5
0μg/ml HEPES緩衝液;MW12kDa;Sigma)が各ウェル中
に添加され得(それぞれ1ml/ウェルおよび50μl/ウェル)、そして細胞
が37℃で30分間インキュベートされ得る。次いで、100μlのアリコート
が、より低いチャンバーから取り出され得、そしてこの溶液の光学密度が、45
0nmの波長で決定され得る。一般には、内皮細胞単層の透過性を増強する10
0μg/mLの調節薬剤の存在が、1時間後のレセプター区画におけるマーカー
の量の統計学的に有意な増加を生じる。
【0143】 あるいは、クラウディンを天然に発現しない細胞が、このようなアッセイにお
いて使用され得る。このような細胞は、目的のクラウディンをコードするポリヌ
クレオチド(例えば、cDNA)で、このクラウディンが、細胞の表面上で発現
されるように、安定にトランスフェクトされ得る。細胞接着アッセイにおいて使
用するための細胞のトランスフェクションは、標準的な技術および公開されたク
ラウディン配列を用いて実施され得る。クラウディンの発現は、目的のクラウデ
ィンに対して指向される抗体を用いる免疫細胞化学技術と共にトランスフェクト
細胞の接着を評価することにより確認され得る。光学顕微鏡によって判断される
ように、トランスフェクション後に凝集する安定にトランスフェクトされた細胞
は、十分なレベルのクラウディンを発現する。このようなアッセイにおいて使用
するために好ましい細胞としては、L細胞が挙げられ、この細胞は、トランスフ
ェクションがなければ検出可能に接着しない(Nagafuchiら、Natu
re 329:341−343、1987)。クラウディンをコードするcDN
AでのL細胞のトランスフェクション後、細胞接着が観察され得る(Furus
eら、J Cell Biol.143:391−401、1998)。このよ
うな凝集を検出可能に阻害する調節薬剤は、クラウディンにより媒介される機能
を調節するために使用され得る。このようなアッセイは、多数の非古典的なカド
ヘリンのために使用されている。非古典的なカドヘリンとしては、以下が挙げら
れる:OB−カドヘリン(Okazakiら、J.Biol.Chem.269
:12092−98、1994)、カドヘリン−5(Breierら、Bloo
d 87:630−641、1996)、カドヘリン−6(Mbalaviel
eら、J.Cell.iol.141:1467−1476、1998)、カド
ヘリン−8(Kidoら、Genomics 48:186−194、1998
)、カドヘリン−15(Shimoyamaら、J.Biol.Chem.27
3:10011−10018、1998)、PB−カドヘリン(Sugimot
oら、J.Biol.Chem.271:11548−11556、1996)
、LI−カドヘリン(Kreftら、J.Cell.Biol.136:110
9−1121、1997)、プロトカドヘリン42および43(Sanoら、E
MBO J.12:2249−2256、1993)ならびにデスモソームカド
ヘリン(Marcozziら、J.Cell.Sci.111:495−509
、1998)。クラウディンについて同様な方法でアッセイが実施され得ること
は、当業者に明らかである。一般に、特定のクラウディンCAR配列に由来し(
すなわち、このようなCAR配列、またはそれらのアナログもしくは模倣体、あ
るいはこのようなCAR配列を特異的に認識する抗体を含む)、そして同じクラ
ウディンを発現する細胞の接着を調節する調節薬剤は、クラウディンにより媒介
される機能を調節すると考えられる。
【0144】 なお別のアッセイは、細胞の単層を横切る電気抵抗に対する調節薬剤の効果を
評価する。例えば、Madin Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞は、培地
(例えば、24時間、0.5mg/mlの最終濃度で)中に溶解した調節薬剤に
曝露され得る。この電気抵抗に対する効果は、標準的な技術を使用して測定され
得る。このアッセイは、上皮細胞における密着結合形成に対する調節薬剤の効果
を評価する。一般に、500μg/mL調節薬剤の存在は、24時間後に電気抵
抗の統計学的に有意な減少を生じるはずである。
【0145】 (調節薬剤の改変および処方) 本明細書中に記載のような調節薬剤は、1つ以上のさらなる分子に連結され得
るが、その必要はない。特に、以下に議論するように、複数の調節薬剤(同一で
あり得るが、そうである必要はない)を支持体材料(例えば、単一分子(例えば
、キーホールリンペットヘモシアニン)または固体支持体(例えば、ポリマーマ
トリックス(膜または微小構造(例えば、超薄膜)として処方され得る))、コ
ンテナ表面(例えば、組織培養プレートの表面またはバイオリアクターの内部表
面)、またはビーズもしくは他の粒子(ガラス、プラスチック、またはセラミッ
クスを含む種々の材料から調製され得る)に連結させることが、特定の適用のた
めに有利であり得る。特定の適用のために、生分解性支持体材料が好ましい。例
えば、セルロースおよびその誘導体、コラーゲン、スパイダーシルクまたは任意
の種々のポリエステル(例えば、ヒドロキシ酸および/またはラクトン由来のも
の)または縫合糸が挙げられる(米国特許第5,245,012号を参照のこと
)。特定の実施形態においては、他のCAR配列(例えば、HAV配列)を含む
調節薬剤および分子が、ポリマーマトリックス(好ましくは、交互パターンの)
のような支持体に付着され得る。
【0146】 調節薬剤を支持体材料に連結させるための適切な方法は、支持体の組成および
意図された使用に依存し、そして当業者に容易に明らかである。付着は、一般に
、非共有結合的会合(例えば、吸着もしくは親和力)または好ましくは、共有結
合的付着(調節薬剤と支持体上の官能基との間の直接的連結であり得るか、また
は架橋剤を経由した連結であり得る)によって達成され得る。吸着による調節薬
剤の付着は、適切な緩衝液中で、固体支持体と、適切な時間の長さの間、接触さ
せることにより達成され得る。接触時間は、温度によって変化するが、一般に、
約5秒と1日との間、および代表的には、約10秒と1時間の間である。
【0147】 調節薬剤の分子または固体支持体への共有結合的付着は、一般に、まず、支持
体材料を、官能基(例えば、ヒドロキシル、チオール、カルボキル、ケトン、ま
たはアミノ基)とも反応する二官能性試薬と調節薬剤上で反応させることにより
達成され得る。例えば、調節薬剤は、ベンゾキノンを用いて、支持体上のアルデ
ヒド基と調節薬剤上のアミンおよび活性水素との縮合により、または支持体上の
アミノ基と調節薬剤上のカルボン酸との縮合により、適切なポリマー支持体また
はコーティングに結合され得る。連結を生成する好ましい方法は、グルタルアル
デヒドを用いてアミノ基を介することである。調節薬剤は、エステル結合を介し
てセルロースに連結され得る。同様に、アミド連結は、他の分子(例えば、キー
ホールリンペットヘモシアニン)または他の支持体材料への連結に適切であり得
る。他のCAR配列を含む複数の調節薬剤および/または分子が、例えば、ラン
ダムカップリングによって付着され得る。ここでは、このような分子の等モル量
が、マトリックス支持体と混合され、ランダムに結合することを可能にする。
【0148】 本明細書に記載のような調節薬剤は、特異的な組織または細胞に優先的に結合
し得、従って、インビボで所望の部位を標的化するのに十分であり得るが、さら
なる標的剤を含むことは、特定の適用のために有利であり得る。従って、標的剤
もまた、または代替的に、調節薬剤に連結されて、1つ以上の特異的な組織への
標的化を促進し得る。本明細書中で使用されるように、「標的剤」は、調節薬剤
に連結されたとき、標的組織への調節薬剤の輸送を増強し、それにより調節薬剤
の局所濃度を増加させる任意の物質(例えば、化合物または細胞)であり得る。
標的剤は、標的組織の細胞または標的組織に隣接した細胞に結合する、抗体また
はそれらのフラグメント、レセプター、リガンド、および他の分子を包含する。
公知の標的剤は、血清ホルモン、細胞表面抗原に対する抗体、レクチン、接着分
子、腫瘍細胞表面結合リガンド、ステロイド、コレステロール、リンホカイン、
フィブリン溶解酵素、ならびに所望の標的部位に結合する薬物およびタンパク質
を包含する。 例えば、レセプター媒介送達において、調節薬剤は標的細胞の表面上の特異的レ
セプターを認識するリガンドに連結され得る。特定の例において、調節薬剤は細
胞内酵素による切断後、細胞内に放出される。標的剤として作用し得る多くのモ
ノクローナル抗体の中には、抗TAC抗体、または他のインターロイキン−2レ
セプター抗体;9.2.27およびNR−ML−05(250キロダルトンのヒ
トメラノーマ関連プロテオグリカンと反応性である);ならびにNR−LU−1
0(汎癌腫(pancarcinoma)糖タンパク質と反応性である)がある
。抗体標的剤は、インタクト(完全)分子、そのフラグメント、またはそれらの
機能的等価体であり得る。抗体フラグメントの例は、F(ab’)2、−Fab
’、Fab、およびF[v]フラグメントである。これらは、従来の方法または
遺伝子もしくはタンパク質工学によって生成され得る。連結は、一般的に、共有
結合であり、そして例えば、直接的縮合もしくは他の反応によって、または二官
能性もしくは多官能性のリンカーを経由して達成され得る。
【0149】 特定の実施形態について、薬物もまた、またはこれを代替的に、調節薬剤に連
結させることは有利であり得る。本明細書中で使用されるように、用語「薬物」
は、疾患もしくは他の所望されない状態を予防または処置するために哺乳動物へ
の投与が意図される任意の生物活性剤をいう。薬物は、ホルモン、成長因子、タ
ンパク質、ペプチド、および他の化合物を包含する。本発明の状況内の特定の特
異的薬物の使用は、以下に議論される。
【0150】 本明細書中に記載されるような調節薬剤は、薬学的組成物中に存在し得る。薬
学的組成物は、1つ以上の薬学的または生理学的に受容可能なキャリア、希釈剤
、または賦形剤と組み合わせて、1つ以上の調節薬剤を含む。このような組成物
は、緩衝液(例えば、中性緩衝化生理食塩水またはリン酸緩衝化生理食塩水)、
炭水化物(例えば、グルコース、マンノース、スクロース、またはデキストラン
)、マンニトール、タンパク質、ポリペプチド、もしくはアミノ酸(例えば、グ
リシン)、酸化防止剤、キレート化剤(例えば、EDTAまたはグルタチオン)
、アジュバント(例えば水酸化アルミニウム)および/または保存剤を含み得る
。ななお他の実施形態では、本発明の組成物は、凍結乾燥物として処方され得る
。1つ以上の調節薬剤(単独または標的剤および/もしくは薬物と組み合わせて
)は、周知の技術を用いてリポソーム内にカプセル化され得るが、その必要はな
い。本発明の組成物は、任意の適切な投与様式のために処方され得る。例えば、
局所投与、経口投与、鼻内投与、静脈内投与、頭蓋内投与、腹腔内投与、皮下投
与、または筋内投与が挙げられる。
【0151】 以下に議論するような特定の実施形態について、薬学的組成物は、クラウディ
ン以外の1つ以上の分子によって媒介される細胞接着のモジュレーターをさらに
含み得る。このようなモジュレーターは、一般に、クラウディンCAR配列の代
わりに、1つ以上の非クラウディンCAR配列および/またはそれに対する抗体
を除いて、上記のように調製され得る。このような組成物は、複数の細胞接着分
子(例えば、カドヘリン遺伝子スーパーファミリーの他のメンバー(例えば、伝
統的なカドヘリン(例えば、E−カドヘリン)および/または非伝統的なカドヘ
リン(例えば、VE−カドヘリン、DsgおよびDsc));インテグリン;免
疫グロブリンスーパー遺伝子ファミリーのメンバー(例えば、N−CAM、JA
M、およびPECAM)によって媒介される細胞接着を阻害することが所望され
得る状況において、特に有用である。このようなモジュレーター内で使用するた
めの好ましいCAR配列は、HAV、RGD、DDK、EEY、EAQ(OB−
cads)、DPK(JAM)、DAE(VE−cad)、IEK、VER、I
ER、INQ、INRおよび/またはLNKを包含する。好ましいのはまた、オ
クルージンCAR配列LYHY(配列番号17)である。
【0152】 薬学的組成物はまた、または代替的に、1つ以上の薬物(調節薬剤に連結され
得るか、または組成物内で遊離し得る)を含み得る。事実上、任意の薬物が、以
下に記載のような種々の目的のために、本明細書中の調節薬剤と組み合わせて投
与され得る。調節薬剤と共に投与され得る薬物のタイプの例としては、鎮痛薬、
麻酔薬、抗狭心薬、抗真菌薬、抗生物質、抗癌薬(例えば、タキソールまたはマ
イトマイシンC)、抗炎症薬(例えば、イブプロフェンおよびインドメタシン)
、駆虫薬、抗うつ薬、解毒薬、制吐薬、抗ヒスタミン薬、抗高血圧薬、抗マラリ
ア薬、抗微小管剤(例えば、コルヒチンまたはビンカアルカロイド類)、抗片頭
痛剤、抗微生物薬、抗精神病薬、抗発熱薬(antipyretics)、防腐
薬、抗シグナル伝達剤(anti−signaling agent)(例えば
、プロテインキナーゼCインヒビターまたは細胞内カルシウム移動のインヒビタ
ー)、抗関節炎薬、抗トロンビン剤、抗結核薬、鎮咳薬、抗ウイルス薬、食欲抑
制剤、心臓作用薬、化学依存薬、下剤、化学療法剤、冠状血管拡張薬、大脳血管
拡張薬または末梢血管拡張薬、避妊剤、抑制薬、利尿薬、去痰薬、成長因子、ホ
ルモン剤、催眠薬、免疫抑制剤、麻薬拮抗薬、副交感神経作用薬、鎮静薬、興奮
薬、交感神経作用薬、毒素(例えば、コレラ毒素)、精神安定薬、ならびに尿抗
感染薬が挙げられる。
【0153】 画像化目的のために、種々の診断剤のいずれかが、薬学的組成物中に、調製剤
に連結されてまたはこの組成物中で遊離してかのいずれかで取り込まれ得る。診
断剤は、他の生理学的機能には一般に影響を与えずに患者内で生理学的機能を照
射するために投与される任意の物質を含む。診断剤としては、金属、放射性同位
元素、放射線不透過性(radioopaque)薬剤(例えば、ガリウム、テ
クネチウム、インジウム、ストロンチウム、ヨウ素、バリウム、臭素、およびリ
ン含有化合物)、放射線透過性薬剤、造影剤、色素(例えば、蛍光色素および発
蛍光団)、および比色または蛍光比色反応を触媒する酵素が挙げられる。一般に
、このような薬剤は、上記のような種々の技術を使用して付着され得、そして任
意の配向で存在し得る。
【0154】 本明細書中に記載の組成物は、持続放出処方物(すなわち、投与後に調節薬剤
の緩慢な放出を引き起こす、カプセルまたはスポンジのような処方物)の一部と
して投与され得る。このような処方物は、一般に、周知の技術を使用して調製さ
れ得、そして例えば、経口、直腸もしくは皮下移植、または所望の標的部位への
移植によって投与され得る。持続放出処方物は、キャリアマトリックス中に分散
された、かつ/または速度制御膜によって囲まれたリザーバー内に含まれた調節
薬剤を含有し得る(例えば、欧州特許出願710,491Aを参照のこと)。こ
のような処方物内で使用するためのキャリアは、生体適合性であり、そしてまた
生分解性であり得る。好ましくは、この処方物は、比較的定常なレベルの調節薬
剤放出を提供する。持続放出処方物内に含まれる調節薬剤の量は、移植部位、放
出の速度および期待持続時間、ならびに処置または予防される状態の性質に依存
する。
【0155】 本発明の薬学的組成物は、処置(または予防)される疾患に適切な様式で投与
され得る。適切な投薬量および適切な投与持続期間および投与頻度は、患者の状
態、患者の疾患のタイプおよび重篤度、ならびに投与方法のような要因によって
決定される。一般に、適切な投薬量および処置レジメンは、治療的および/また
は予防的利点を提供するのに十分な量の調節薬剤を提供する。本発明の特に好ま
しい実施形態内では、本明細書中に記載のような調節薬剤または薬学的組成物は
、1日1回用量または多数回用量のレジメンで、0.001から50mg/kg
体重、好ましくは0.1〜20mg/kgの範囲の投薬量で、投与され得る。局
所投与のために、クリームは、代表的には、0.00001%〜1%、好ましく
は0.0001〜0.2%、そしてより好ましくは0.01%〜0.1%の範囲
の量の調節薬剤を含む。液体組成物は、代表的には、10ng/ml〜5mg/
ml、好ましくは10μg/mL〜2mg/mLの範囲の量の調節薬剤を含む。
適切な投薬量は、一般に、実験モデルおよび/または臨床試験を使用して決定さ
れ得る。一般に、有効な治療を提供するのに十分な、最少投薬量の使用が、好ま
しい。患者は、一般に、処置または予防される状態に適したアッセイを使用して
治療的有効性をモニターされ得、このようなアッセイは当業者に周知である。
【0156】 (調節薬剤の使用法) 一般に、本明細書中に記載の調節薬剤および組成物は、好ましくはヒトのよう
な哺乳動物において、クラウディン発現細胞を調節薬剤と接触させることによっ
て、インビトロおよび/またはインビボでクラウディン発現細胞の接着を調節す
るために、使用され得る。上記のように、クラウディン媒介細胞接着の破壊を含
む目的のための調節薬剤は、クラウディンCAR配列、極めて近位の複数のクラ
ウディンCAR配列、および/またはこのクラウディンCAR配列を認識する抗
体(またはその抗原結合フラグメント)を含み得る。他の接着分子によって媒介
される細胞接着もまた破壊することが望ましい場合、調節薬剤はさらに、(好ま
しくは、リンカーによって互いに分離された、そしてクラウディンCAR配列か
ら分離された)このような接着分子によって結合される1つ以上のCAR配列(
および/またはこのような配列を結合する抗体もしくはそのフラグメント)を含
み得る。上記のように、このようなリンカーは、1つ以上のアミノ酸を含んでい
ても含まなくともよい。細胞接着を増強するために、調節薬剤は、(好ましくは
リンカーによって分離された)複数のクラウディンCAR配列または抗体(もし
くはフラグメント)を含み得、および/または上記のように単一分子または支持
体材料に連結され得る。他の接着分子によって媒介される細胞接着もまた増強す
ることが望ましい場合、調節薬剤は、さらに、(好ましくは、リンカーによって
、互いに分離された、そしてクラウディンCAR配列から分離された)このよう
な接着分子(および/またはこのような配列に結合する抗体もしくはそのフラグ
メント)によって結合された一つ以上のCAR配列を含み得る。
【0157】 本明細書中に記載のように細胞接着を破壊する工程を含む特定の方法は、大き
なおよび/または荷電した分子の、クラウディン発現細胞のバリアを横切った通
過が可能である点において、先行技術を超える利点を有する。以下により詳細に
記載するように、本明細書中に記載のような調節薬剤はまた、他の種々の状況に
おいて細胞接着を破壊または増強するために使用され得る。本明細書中に記載の
各方法において、一般に、1つ以上の調節薬剤を、単独で投与し得るかあるいは
薬学的組成物内で投与し得る。本明細書中に記載の各特定の方法において、上記
のように、標的剤は、標的部位において調節薬剤の局所的濃度を増加させるため
に使用され得る。
【0158】 本発明は、特定の局面において、1つ以上の調節薬剤または薬学的組成物を投
与することによって、哺乳動物中の血管透過性を増加するための方法を提供する
。内皮細胞接着は、クラウディンCAR配列を含む直線状および環状のペプチド
によって破壊され得る。血管中で、内皮細胞接着は、血管透過性の減少を生じる
。従って、本明細書中に記載のようにクラウディン媒介内皮細胞接着を破壊する
調節薬剤は、血管浸透性を増大させ得、従って、脳のような以前は送達されにく
かった組織への薬物送達を容易にし得る。1つの特に好ましい実施形態において
、このような方法内の使用のための調節薬剤は、複数の接着分子によって媒介さ
れる細胞接着を破壊することが可能である。例えば、単分岐した調節薬剤(また
は単一分子または支持体材料に結合された複数の薬剤)は、クラウディン、オク
ルディン、およびカドヘリン媒介細胞接着を破壊し得、それゆえ、密着結合およ
び接着結合を破壊する。(好ましくはリンカーによって)カドヘリンCAR配列
HAV、およびオクルディンCAR配列LYHYに結合されるクラウディンCA
R配列を含む、3機能性調節薬剤もまた、好ましい。あるいは、非クラウディン
媒介細胞接着の別々のモジュレーターは、同じ薬学的組成物内または別々のいず
れかで、調節薬剤と組み合せて投与され得る。クラウディン調節薬剤と組み合せ
て使用され得る好ましい抗体調節薬剤としては、N−カドヘリンCAR配列(例
えば、FHLRAHAVDINGNQV−NH2(配列番号25))、オクルデ
ィンCAR配列(例えば、QYLYHYCVVD−NH2(配列番号478))
、またはOB−カドヘリンCAR配列(例えば、IFVIDDKSG−NH2
配列番号479))に対するFabフラグメントが挙げられる。
【0159】 特定の実施形態において、このような方法における使用のための好ましい調節
薬剤は、内皮細胞接着および腫瘍細胞接着の両方を減少させ得るペプチドを含む
。このような調節薬剤は、内皮細胞浸透バリアーおよび腫瘍バリアーを通じて、
抗腫瘍治療剤または診断剤(例えば、モノクローナル抗体)の浸透を容易にする
ために使用され得る。1つの特に好ましい実施形態において、調節薬剤は、複数
の接着分子によって媒介される細胞接着を破壊し得る。例えば、単一分枝の調節
薬剤(または単一分子もしくは支持体材料に連結される複数の薬剤)は、クラウ
ディン、オクルディン、古典的なカドヘリン、インテグリン、および非古典的な
カドヘリン(例えば、Dscおよび/またはDsg)媒介細胞接着を破壊し得、
それにより、密着結合、接着結合、フォーカルコンタクト、およびデスモソーム
を破壊する。古典的なカドヘリンCAR配列HAV;配列RGD(インテグリン
に結合される);配列LYHY(オクルディンに結合される)、ならびに/ある
いは非古典的カドヘリンCAR配列(例えば、Dsc CAR配列(IEK、V
ERもしくはIER)および/またはDsgCAR配列(INQ、INRもしく
はLNK)のうちの1つ以上に連結されたクラウディンCAR配列を含む多機能
性調節薬剤は、細胞接着を破壊するために使用され得る。あるいは、非クラウデ
ィン媒介細胞接着の別々のモジュレーターは、調節薬剤と組み合せて、同じ薬学
的組成物内または別々のいずれかで投与され得る。クラウディン調節薬剤と組み
合せて使用され得る好ましい抗体調節薬剤としては、N−カドヘリンCAR配列
(例えばFHLRAHAVDINGNQV−NH2(配列番号25))、E−カ
ドヘリンCAR配列(例えば、LFSHAVSSNG−NH2(配列番号26)
)、オクルディンCAR配列(例えば、QYLYHYCVVD−NH2(配列番
号478))、またはOB−カドヘリンCAR配列(例えば、IFVIDDKS
G−NH2(配列番号479))のいずれかに対するFabフラグメントが挙げ
られる。
【0160】 調節薬剤を用いた処置は、例えば、抗腫瘍治療剤または診断剤(例えば、モノ
クローナル抗体または他の高分子)、抗菌剤または抗炎症剤を投与する前が、患
者に対する用量全体を増加させることなく、標的の腫瘍、標的の生物体または標
的の炎症の付近におけるこのような薬剤の濃度を増加させるために、適切であり
得る。このような方法における使用のための調節薬剤は、調節薬剤の局所濃度を
さらに増加させるために標的剤に連結され得るが、標的剤の非存在下でさえ血管
作用剤の全身投与は、他の組織と比較して特定の腫瘍の灌流を増加させる。適切
な標的剤は、腫瘍細胞または構造的に異常な血管の構成成分に特異的に結合する
、抗体および他の分子を含む。例えば、標的剤は、フィブリン分解産物に結合す
る抗体、あるいはペルオキシダーゼのような、顆粒球または壊死組織もしくは炎
症組織における他の細胞から放出される細胞酵素に結合する抗体であり得る。
【0161】 静脈注射を介した投与または経皮投与が一般に好ましい。一般には、有効投薬
量は、臨床上の治療効果または診断の正確さを統計的に有意な程度まで改善する
程度に、続いて投与された診断剤または治療剤の局所化を増大するのに十分であ
る。等用量の診断剤または治療剤が投与される、処置された腫瘍宿主動物と未処
置の腫瘍宿主動物との間で比較が、なされ得る。一般的に投薬量は上記の範囲で
ある。
【0162】 特定の局面において、本発明は、細胞接着を減少させる方法を提供する。1つ
のこのような局面において、本発明は、本明細書中に記載されるような調節薬剤
を投与することによって、哺乳動物における望ましくない細胞接着を減少させる
ための方法を提供する。望ましくない細胞接着は、手術、損傷、化学療法、疾患
、炎症または細胞生存度もしくは機能を危険さらす他の状態の結果として、例え
ば、腫瘍細胞間、腫瘍細胞と正常細胞との間、または正常細胞間で生じ得る。こ
のような方法における使用のために特定の好ましい調節薬剤は、本明細書中で提
供される1つ以上のクラウディンCAR配列を含む。1つの特に好ましい実施形
態において、調節薬剤は、さらに、複数の接着分子によって媒介される細胞接着
を崩壊させ得る。このような薬剤は、1つ以上のクラウディンCAR配列に加え
て、CAR配列(例えば、古典的カドヘリンCAR配列であるHAV配列(RG
D配列)(これはインテグリンにより結合される)、および/または、好ましく
はリンカーを介してクラウディンCAR配列から分離されたオクルディンCAR
配列LYHY(配列番号17))を含み得る。あるいは、他の接着分子により媒
介される細胞接着の別々のモジュレーターは、同じ薬学的組成物内、もしくは別
々にのいずれかで、調節薬剤と組み合わせて投与され得る。
【0163】 調節薬剤の局所投与が、一般に好ましい。しかし、他の手段もまた用いられ得
る。好ましくは、局所投与のための液体組成物(例えば、生理食塩水を含有する
)は、上記、およびより好ましくは10μg/mL〜1mg/mLの調製剤の量
を含む。クリームが一般に上記のように処方され得る。手術分野における局所投
与は、創傷の潅水による手術の終わりに一度、または手術期間後における手術ド
レーンを使用する断続的もしくは連続的潅水として、あるいは手術を実施する必
要がない場合の炎症、傷害または疾患の領域に特異的に挿入されたドレーンを使
用して、与えられ得る。あるいは、非経口投与または経皮投与が、同様の結果を
達成するために使用され得る。
【0164】 別のこのような局面において、哺乳動物の皮膚を通じて薬物の送達を増強する
ための方法が提供される。薬物の経皮送達は、薬物の比較的一定した血液レベル
を維持するために使用され得る、都合がよくかつ非侵襲性の方法である。一般的
に、皮膚を介する薬物送達を容易にすることは、上皮細胞(ケラチノサイト)と
微小血管の内皮細胞との間で接着を摂動するために必要である。現在利用可能な
技術を使用して、小さな、非荷電分子のみがインビボで皮膚を横切って送達され
得る。本明細書中に開示される方法は、同じ程度の制限に供されない。従って、
広範な種々の薬物が、全身投与または局所投与に関して皮膚の上皮細胞層および
内皮細胞層を横切って輸送され得る。このような薬物は、黒色腫に送達され得る
か、または体内における他の部位への送達のために哺乳動物の血流に進入し得る
【0165】 皮膚を通じた薬物の送達を増強するために、本明細書中に記載の調節薬剤、お
よび薬物は、皮膚表面に接触される。特定の実施形態において、1つ以上の古典
的カドヘリンCAR配列HAV;インテグリンによって結合される配列RGD;
ならびに/あるいは非古典的カドヘリンCAR配列(例えば、DscCAR配列
(IEK,VERもしくはIER)、および/またはDsgCAR配列(INQ
,INRおよび/もしくはLNK))に連結されるクラウディンCAR配列を含
む多機能性の調節薬剤はまた、細胞接着を崩壊させるために用いられ得る。ある
いは、非クラウディン媒介細胞接着の別々のモジュレーターは、同じ薬学的組成
物内または別々のいずれかで調節薬剤と組み合せて投与され得る。一般にクリー
ムまたはゲルとして処方される組成物において、あるいは経皮適用に関する任意
の種々の皮膚接触デバイス(例えば、欧州特許出願第566,816A号;米国
特許第5,613,958号;米国特許第5,505,956号に記載のデバイ
ス)を使用して、調節薬剤を直接適用することによって、接触が達せられ得る。
皮膚パッチは、都合の良い投与の方法(特に除放性処方物について)を提供する
。このようなパッチは、薬物が拡散する膜により皮膚から分離される調節薬剤お
よび薬物のリザーバーを含み得る。他のパッチ設計において、調節薬剤および薬
物は、次いで患者の皮膚と直接接触して置かれるポリマーまたは接着マトリック
ス中に溶解され得るか、または懸濁され得る。次いで、この調節薬剤および薬物
は、マトリックスから皮膚へと拡散し得る。調節薬剤および薬物は、同じ組成物
または皮膚パッチ内に含まれ得るか、あるいは別々に投与され得るが、同時およ
び同部位での投与が好ましい。一般的に、皮膚を介して投与される調節薬剤の量
は、処置または予防される状態の性質で変化するが、上記のように変化し得る。
このようなレベルは、使用デバイスの適切な調整によってか、あるいは上記のよ
うに処方されるクリームを適用することによって、達成され得る。皮膚を横切る
および標的組織への薬物の移行は、例えば、フランツ細胞装置(Franz c
ell apparatus)を使用してインビトロでの研究に基づいて予測さ
れ得、そして、当業者に明白である適切な手段によってインビボで評価され得る
。例として、投与された薬物の血清レベルの経時モニタリングは、皮膚を横切る
薬物移行の容易な測定法を提供する。
【0166】 本明細書中に記載の経皮薬物送達は、血液中の薬物レベルが変動するのを避け
るために、一定速度の薬物送達が所望される状況において、特に有用である。例
えば、モルフィンは、一般に手術の後すぐに使用される鎮痛剤である。非経口様
式(筋肉内、静脈内)において断続的に与えられた場合、患者は通常最初の1時
間中眠気を感じ、次の2時間中よくなり、そして最後の1時間に痛みを感じる。
なぜならば、注射後に血液レベルはすぐに上昇し、そして再注射のために規定さ
れる4時間の間隔に達する前に所望のレベル未満に下降するからである。本明細
書中に記載の経皮投与は、長い期間(例えば、数日)において一定レベルの維持
を可能にし、これは、同時に適切な痛みの制御および精神敏捷(mental
alertness)を可能にする。インシュリンは、別のこのような例を提供
する。多くの糖尿病患者は、食事時間での彼らの必要性とは異なるインシュリン
の一定のベースラインレベルを維持することが必要である。このベースラインレ
ベルは、本明細書中に記載のように、インシュリンの経皮投与を使用して維持さ
れ得る。抗生物質もまた、一定速度で投与され得、適切な殺菌性血液レベルを維
持するが、一方その毒性に対してしばしば原因とされる高いレベル(例えば、高
すぎると代表的には腎毒性を生じるゲンタマイシンのレベル)を回避する。
【0167】 本発明の方法による薬物送達はまた、より都合の良い薬物投与の方法を提供す
る。例えば、特に非経口薬物を新生児および乳児に投与することは、しばしば特
に困難である。なぜならば、カテーテルを入れるために受容可能な内径の血管を
見つけることと関連して困難性だからである。しかし、新生児および乳児は、成
人と比較して比較的大きな皮膚表面をしばしば有する。経皮薬物送達は、このよ
うな患者の容易な管理を許容し、そして現在病院においてのみ与えられ得る特定
の看護の型が自宅において与えられることを可能にする。代表的に静脈カテーテ
ル法の類似した困難性を有する他の患者は、化学療法を行っている患者かまたは
透析中の患者である。さらに、長い治療を行っている患者にとって、本明細書中
に記載の経皮投与は、非経口投与よりも都合が良い。
【0168】 本明細書において記載される経皮投与はまた、非経口使用が実際的でない状況
で胃腸管が迂回されることを可能にする。例えば、代表的には胃腸管中で消化さ
れる治療的な小ペプチドおよびタンパク質の投与のために適切な方法に関する必
要性が増加している。本明細書において記載される方法は、このような化合物の
投与を許容し、そして長期間にわたる容易な投与を可能にする。長期のイレウス
または薬物の吸収を制限する特定の胃腸管疾患のためにそれらの胃腸管を通じて
の吸収に問題を有する患者はまた、本明細書における記載のように、経皮適用の
ための処方される薬物から利点を得る。
【0169】 さらに、コンプライアンスを維持することが困難な臨床的状況が多く存在する
。例えば、精神的問題を有する患者(例えば、アルツハイマー病または精神病を
有する患者)は、定常的な薬物送達速度が1日の特定の時間に投薬を受ける患者
の能力に依存せず提供される場合、管理が容易である。また、定時に薬物を摂取
することを簡単に忘れる患者は、彼らが単に周期的に(例えば3日ごと)皮膚パ
ッチを貼付しなければならない場合、そうすることはあまりないようである。高
血圧を有する患者のような、症状のない疾患を有する患者は、特に、定時の薬物
摂取を忘れる危険性がある。
【0170】 複数の薬物を摂取する患者のために、皮膚パッチのような経皮適用のデバイス
は、しばしば一緒に用いられる薬物との組み合わせで処方され得る。例えば、多
くの心不全患者は、フロセミドと組み合わせてジゴキシン与えられる。単一の皮
膚パッチへの両方の薬物の組み合わせは、投与を容易にし、間違いの危険性を減
じ(適切な時点で正しい丸剤を摂取することは高齢者にとってしばしば紛らわし
い)、「そのような多くの錠剤」を摂取する心理学的疲労を減じ、不規則な活動
のために投薬を抜くことを減じ、そしてコンプライアンスを改善する。
【0171】 本明細書に記載される方法は、特に、ヒトに適用可能であるが、動物への増殖
因子またはホルモンの投与(例えば、受精能の制御のため)のような、種々の獣
医学的使用も有する。
【0172】 上記のように、本明細書に提供される方法に従って、広範な種々の薬物が投与
され得る。経皮的に投与され得る薬物分類のいくつかの例には、以下が含まれる
:全てのNSAID、インドメタシン、プレドニソンなどのような抗炎症性薬物
(例えば、関節炎および他の状態において);モルフィン、コデイン、デメロー
ル(Demerol)、アセトアミノフェン、およびこれらの組み合わせ(例え
ば、コデインおよびアセトアミノフェン)を含む鎮痛剤(特に、外科手術後のよ
うに経口吸収が可能でない場合、および非経口投与が都合が良くないかまたは所
望でない場合);バンコマイシンのような抗生物質(GI管によって吸収されず
、そして頻繁に静脈内投与される)またはINHおよびリファンピシンの組み合
わせ(例えば、結核のため);ヘパリンのような抗凝固剤(GI管によって良好
に吸収されず、そして一般に、非経口的に投与され、血液レベルにおける変動を
生じ、高レベルでは出血する危険性の増加および低レベルでは効力を有さない危
険性を有する)およびワルファリン(GI管によって吸収されるが、手順後の通
常の腸閉塞のために、腹部の外科手術の直後には投与され得ない);アミトリプ
チリン、イミプラミン、プロザック(prozac)などのような抗うつ剤(例
えば、アルツハイマー病の場合のようにコンプライアンスが問題である場合か、
または安定な血液レベルを維持する場合に、抗コリン作用性副作用の有意な減少
および患者のより良好な寛容性を生じる状況において);利尿剤およびβ遮断剤
(同じパッチによって投与され得る;例えば、フロセミドおよびプロパノール(
propanolol))のような抗高血圧剤(例えば、コンプライアンスを改
善しそして血液レベルの変動に関連する副作用を減少させるため);ハロペリド
ールおよびクロルプロマジンのような抗精神病剤(例えば、コンプライアンスを
促進し、そしてケア提供者および家族がその薬物が摂られたことを確認すること
をより容易にするため);ならびに抗不安剤または鎮静剤(例えば、経口投与後
の高血液レベルに関連する覚醒の促進(alertness)の減少を回避し、
そして治療レベルを一定に維持することによって一日を通して連続的な利益を可
能にするため)。
【0173】 多くの他の薬物(天然に存在するホルモンおよび合成ホルモン、増殖因子、タ
ンパク質ならびにペプチドを含む)は、本明細書に記載のように投与され得る。
例えば、インスリンおよびヒト成長ホルモン、エリスロポエチンのような増殖因
子、インターロイキン、およびインターフェロンが皮膚を介して送達され得る。
【0174】 哺乳動物の皮膚を介しての薬物の投与のためのキットはまた、本発明内におい
て提供される。このようなキットは、一般に、一つ以上の調節薬剤と組み合わせ
てか、またはそれとともに含浸させての、経皮適用(例えば、皮膚パッチ)のた
めのデバイスを含む。薬物は、さらに、このようなキット内に包含され得る。
【0175】 関連する局面において、皮膚透過性を上昇させるために、本明細書において記
載された調節薬剤の使用はまた、血液中の特定の分子の循環レベルの受動拡散、
検出および/または測定を可能にすることにより血液画分のサンプリングを容易
にする。例えば、本明細書に記載のような皮膚パッチを介しての皮膚への1つ以
上の調節薬剤の適用は、血清の代表的サンプルを含む少量の液体を貯留するスポ
ンジのようにパッチが機能することを可能にする。次いで、このパッチは、特定
の長さの時間後に除去され、そして目的の化合物(例えば、薬剤、ホルモン、増
殖因子、代謝産物またはマーカー)に適切な技術で分析される。あるいは、パッ
チは、特定の基質(例えば酵素)が検出される場合、試薬で浸透され、変色可能
にされ得る。この様式で検出され得る基質としては、コカインのような違法薬物
、HIV酵素、グルコースおよびPSAが挙げられるがこれらに限定されない。
この技術は、自宅用試験キットのために特に有益である。
【0176】 さらなる局面において、哺乳動物において腫瘍への薬物の送達を増強するため
の方法が提供される。この方法には、腫瘍保有哺乳動物に対して、薬物と組み合
わせた調節薬剤を投与する工程を含む。1つの特に好ましい実施形態において、
調節薬剤は、複数の接着分子によって媒介される細胞接着を妨害することが可能
である。例えば、単分岐した調節薬剤(または単一分子または支持体材料に結合
された複数の薬剤)は、クラウディン、オクルディン、カドヘリン(古典的カド
ヘリンおよび/または非古典的カドヘリン、例えば、Dsc、Dsg、OB−カ
ドヘリンおよび/またはVE−カドヘリン)およびインテグリンの媒介する細胞
接着を妨害し得、これにより密着結合、接着結合、およびデスモソームを破壊す
る。1つ以上の古典的カドヘリンCAR配列HAVに連結されるクラウディンC
AR配列ISIY(配列番号2);インテグリンによって結合される配列RGD
;および/または非古典的カドヘリンCAR配列(例えば、DscCAR配列(
IEK,VERまたはIER)、DsgCAR配列(INQ,INQまたはLN
K)、オクルディンCAR配列(LYHY;配列番号17)、OB−カドヘリン
CAR配列(DDK,EEYまたはEAQ)、および/またはVE−カドヘリン
CAR配列DAE)を含む多機能性の調節薬剤は、細胞接着を破壊するために用
いられ得る。あるいは、非クラウディン媒介細胞接着の別のモジュレーターは、
同じ薬学的組成物中で、または別々にのいずれかで、調節薬剤ととともに投与さ
れ得る。クラウディン調節薬剤とともに用いられ得る好ましい抗体調節薬剤とし
ては、N−カドヘリンCAR配列(例えば、FHLRAHAVDINGNQV−
NH2:配列番号25)またはE−カドヘリンCAR配列(例えば、LFSHA
VSSNG−NH2:配列番号26)、オクルディンCAR配列(例えば、QY
LYHYCVVD−NH2(配列番号:478)、またはOB−カドヘリンCA
R配列(例えば,IFVIDDKSG−NH2(配列番号:479)のいずれか
に対するFabフラグメントが挙げられる。
【0177】 好ましくは、調節薬剤および薬物は、投与前に同じ組成物または薬物送達デバ
イス内に処方される。一般に、調節薬剤は、任意の腫瘍への薬物の送達を増強し
得、そして投与方法は、標的腫瘍の型に基づいて選択され得る。例えば、上記の
ような注射または局所投与は、黒色腫および他の接近しやすい腫瘍について好ま
しくあり得る(例えば、原発性卵巣腫瘍からの転移は、この組成物で腹腔をフラ
ッシュすることによって処置され得る)。他の腫瘍(例えば、膀胱腫瘍)は、調
節薬剤および薬物(例えば、マイトマイシンC)の腫瘍部位内への注射によって
処置され得る。他の例では、組成物は、全身的に投与され得、そして任意の種々
の特定の標的化剤を使用して腫瘍に対して標的化され得る。適切な薬物が、処置
されるべき癌の型に基づいて当業者に同定され得る(例えば、膀胱癌に対してマ
イトマイシンC)。一般に、投与される調節薬剤の量は、投与方法および腫瘍の
性質に伴い、先に提供された代表的な範囲内、好ましくは、約1μg/mL〜2
mg/mL、そしてより好ましくは、約10μg/mL〜1mg/mLの範囲内
で変化する。標的腫瘍への薬物の移動は、当業者に明らかな適切な手段によって
評価され得る。薬物はまた、標準的な画像化技術を使用して標的腫瘍への移動の
直接的な観察を可能にするために、標識され得る(例えば、放射ヌクレオチドを
使用して)。
【0178】 関連する局面においては、本発明は、哺乳動物において癌の処置および/また
は転移の阻害のための方法を提供する。癌腫瘍は、制御なく増殖する細胞の固形
の塊であり、血管を介して栄養物を必要とする。新しい毛細血管の形成は、腫瘍
増殖および転移の出現に必須である。本明細書において記載される調節薬剤の投
与は、このような血管の増殖を妨害し得、これによって癌に対する有効治療を提
供し、および/または転移を阻害する。調節薬剤はまた、白血病を処理するため
に使用され得る。1つの特に好ましい実施形態では、調節薬剤は、複数の接着分
子により媒介される細胞接着を妨害し得る。例えば、単一分枝の調節薬剤(また
は単一分子もしくは支持体物質に結合される複数の薬剤)は、クラウディン、カ
ドヘリンおよびインテグリンの媒介する細胞接着を妨害し得、これにより密着結
合、接着結合、局所接触(focal contact)およびデスモソームを
妨害する。1つ以上の古典的カドヘリンCAR配列HAVに連結されるクラウデ
ィンCAR配列;インテグリンによって結合される配列RGD;ならびに/また
は非古典的カドヘリンCAR配列(例えば、DscCAR配列(IEK,VER
およびIER)、DsgCAR配列(INQ,INQおよび/またはLNK)、
OB−カドヘリンCAR配列(DDK,EEYまたはEAQ)、オクルディンC
AR配列(LYHY;配列番号17)、および/もしくはVE−カドヘリンCA
R配列DAE)を含む多機能性の調節薬剤は、細胞接着を妨害するために用いら
れ得る。あるいは、非クラウディン媒介細胞接着の別のモジュレーターは、同じ
薬学的組成物中で、または別々にのいずれかで、調節薬剤とともに投与され得る
。クラウディン調節薬剤とともに用いられ得る好ましい抗体調節薬剤としては、
N−カドヘリンCAR配列(例えば、FHLRAHAVDINGNQV−NH2
:配列番号25)、E−カドヘリンCAR配列(例えば、LFSHAVSSNG
−NH2:配列番号26)、オクルディンCAR配列(例えば、QYLYHYC
VVD−NH2(配列番号:478)またはOB−カドヘリンCAR配列(例え
ば,IFVIDDKSG−NH2(配列番号:479)のいずれかに対するFa
bフラグメントが挙げられる。
【0179】 調節薬剤は、単独(例えば、皮膚を介して)で、または薬学的組成物の中で投
与され得る。黒色腫および特定の他の接近しやすい腫瘍については、上記のよう
に注射または局所投与が、好まれ得る。卵巣癌については、1つ以上の調節薬剤
を含む組成物で腹腔をフラッシュすることが、卵巣腫瘍細胞の転移を防ぎ得る。
他の腫瘍(例えば、膀胱腫瘍、気管支腫瘍または気管の腫瘍)は、腔への調節薬
剤の注射により処置され得る。他の場合、組成物は、全身的に投与され得、そし
て上記のように、任意の種々の特定の標的化剤を用いて腫瘍に標的化され得る。
一般に、投与される調節薬剤の量は、投与の方法および腫瘍の性質に依存して変
わるが、先に同定された範囲内で変化し得る。癌の処置または転移の阻害の有効
性は、血清の腫瘍マーカー(例えば、CEAまたはPSA)のレベルのモニタリ
ングのような周知の臨床的な観察を用いて評価され得る。
【0180】 さらに関連する局面において、調節薬剤は、哺乳動物における新脈管形成(す
なわち、既存の血管からの血管の増殖)を阻害するために使用され得る。新脈管
形成の阻害は、例えば、癌または関節炎のような疾患に罹患する患者において有
利であり得る。1つの特定の好ましい実施形態では、調節薬剤は、複数の接着分
子によって媒介される細胞接着を破壊し得る。例えば、単一の分枝調節薬剤(ま
たは単一の分子または支持材料に結合された複数の薬剤)は、クラウディン、オ
クルジン(occludin)、古典的カドヘリン、およびインテグリン媒介細
胞接着を破壊し得、これによって、接着結合、付着結合(adherens j
unction)、および焦点接触(focal contact)を破壊し得
る。古典的カドヘリンCAR配列HAV、配列RGD(これは、インテグリンに
よって結合される)、OB−カドヘリンCAR配列(DDK、EEYまたはEA
Q)、オクルジンCAR配列(LYHY;配列番号17)および/またはVE−
カドヘリンCAR配列DAEの1つ以上に結合されるクラウディンCAR配列を
含む多官能性調節薬剤は、細胞接着を破壊するために使用され得る。あるいは、
非クラウディン媒介細胞接着の別々のモジュレーターが、同じ薬学的組成物中で
、または別々でのいずれかで、調節薬剤と組み合わせて投与され得る。クラウデ
ィン調節薬剤と組み合わせて使用され得る好ましい抗体調節薬剤には、FHLR
AHAVDINGNQV−NH2(配列番号25)のようなN−カドヘリンCA
R配列、QYLYHYCVVD−NH2(配列番号478)のようなオクルジン
CAR配列、またはIFVIDDKSG−NH2(配列番号479)のようなO
B−カドヘリン配列に対するFabフラグメントが挙げられる。
【0181】 新脈管形成に対する特定の調節薬剤の効果は、一般的に、血管形成に対する薬
剤の効果を評価することによって決定され得る。このような決定は、一般的に、
例えば、ニワトリ(chick)絨毛尿膜アッセイ(Iruela−Arisp
eら、Molecular Biology of the Cell 6:3
27−343、1995)を用いて実行され得る。手短には、調節薬剤は、1つ
以上の濃度でのビトロゲン(vitrogen)から構成されるメッシュ中に埋
め込まれ得る(例えば、約5〜50μg/メッシュの範囲)。次いで、このメッ
シュはニワトリ絨毛尿膜に適用され得る。24時間後、調節薬剤の効果が、コン
ピューターで補助された形態計測分析を用いて決定され得る。調節薬剤は、50
μg/メッシュの濃度で、少なくとも25%の新脈管形成を阻害するはずである
【0182】 上記のような標的化剤の添加は、特に投与が全身性である場合に、有利であり
得る。投与および投薬量の適切な形態は、予防または処置されるべき状態に依存
するが、一般に、注射による投与が適切である。投薬量は、上記のように変化し
得る。阻害の効果は、腫瘍がその増殖を維持し得ないことを評価することによっ
て全体的に、そして腫瘍の末梢での神経の非存在を観察することによって顕微鏡
的に評価され得る。
【0183】 さらに別の関連する局面において、本発明は、クラウディン発現細胞において
アポトーシスを誘導するための方法を提供する。一般に、癌に罹患する患者は、
このような処置から利益を受け得る。1つの特定の好ましい実施形態では、調節
薬剤は、複数の接着分子によって媒介される細胞接着を破壊し得る。例えば、単
一の分枝調節薬剤(または単一の分子または支持材料に結合された複数の薬剤)
は、クラウディン、オクルジン、古典的カドヘリン、およびインテグリン媒介細
胞接着を破壊し得、これによって、接着結合、付着結合、および焦点接触を破壊
し得る。カドヘリンCAR配列HAVおよび/または配列RGD(これは、イン
テグリンによって結合される)、およびオクルジンCAR配列LYHY(配列番
号17)の1つ以上に結合されるクラウディンCAR配列を含む多官能性調節薬
剤は、細胞接着を破壊するために使用され得る。あるいは、非クラウディン媒介
細胞接着の別々のモジュレーターが、同じ薬学的組成物中で、または別々でのい
ずれかで、調節薬剤と組み合わせて投与され得る。クラウディン調節薬剤と組み
合わせて使用され得る好ましい抗体調節薬剤には、FHLRAHAVDINGN
QV−NH2(配列番号25)のようなN−カドヘリンCAR配列、LFSHA
VSSNG−NH2(配列番号26)のようなE−カドヘリンCAR配列、QY
LYHYCVVD−NH2(配列番号478)のようなオクルジンCAR配列、
またはIFVIDDKSG−NH2(配列番号479)のようなOB−カドヘリ
ン配列のいずれかに対するFabフラグメントが挙げられる。
【0184】 アポトーシスを誘導するための調製薬剤の投与は、局所的であり得るか、注射
を介するか、または他の手段によるものであり得、そして標的化剤の添加は、特
に投与が全身性である場合に、有利であり得る。投与および投薬の適切な形態は
、アポトーシスの誘導が所望される細胞の位置および性質に依存するが、一般に
、投薬量は、上記のように変化し得る。生検は、アポトーシスの誘導のレベルを
評価するために行われ得る。
【0185】 本発明はまた、哺乳動物の中枢神経系への薬物送達を増強するための方法を提
供する。血液/脳関門は、ほとんどの神経活性剤に大部分非透過性であり、そし
て哺乳動物の脳への薬物送達は、しばしば侵襲性の手順を必要とする。しかし、
本明細書中に記載のような調節薬剤を使用して、送達は、例えば、調節薬剤−薬
物−標的化剤の組み合わせの全身投与、調節薬剤(単独で、あるいは薬物および
/または標的化剤と組み合わせて)の頸動脈への注射、または患者の頭部への調
節薬剤を含む皮膚パッチの適用によるものであり得る。1つの特定の好ましい実
施形態では、調節薬剤は、複数の接着分子によって媒介される細胞接着を破壊し
得る。例えば、単一の分枝調節薬剤(または単一の分子または支持材料に結合さ
れた複数の薬剤)は、クラウディン、オクルジン、カドヘリン媒介細胞接着を破
壊し得、これによって、接着結合および付着結合を破壊し得る。古典的カドヘリ
ンCAR配列HAV、オクルジンCAR配列 LYHY(配列番号17)、OB
−カドヘリンCAR配列(DDK、EEYまたはEAQ)、および/またはVE
−カドヘリンCAR配列DAEの1つ以上に(好ましくはリンカーによって)結
合されるクラウディンCAR配列を含む多官能性調節薬剤がまた、好ましい。あ
るいは、非クラウディン媒介細胞接着の別々のモジュレーターが、同じ薬学的組
成物中で、または別々でのいずれかで、調節薬剤と組み合わせて投与され得る。
クラウディン調節薬剤と組み合わせて使用され得る好ましい抗体調節薬剤には、
FHLRAHAVDINGNQV−NH2(配列番号25)のようなN−カドヘ
リンCAR配列、QYLYHYCVVD−NH2(配列番号478)のようなオ
クルジンCAR配列、またはIFVIDDKSG−NH2(配列番号479)の
ようなOB−カドヘリン配列に対するFabフラグメントが挙げられる。
【0186】 一般に、投与される調節薬剤の量は、投与方法および処置または予防されるべ
き状態の性質に伴い変化するが、代表的には上記のように変化する。中枢神経系
への薬物の移動は、当業者に明らかな適切な手段(例えば、磁気共鳴画像法(M
RI)またはPETスキャン(陽子射出断層撮影法))によって評価され得る。
【0187】 特定の他の局面において、本発明は、カドヘリン発現細胞の接着を増強するた
めの方法を提供する。特定の実施形態において、調節薬剤は、固体支持体に結合
され得、この支持体は、複数の調節薬剤を含むマトリクスを生じる。1つのこの
ような実施形態において、支持体は、調節薬剤および他のCAR配列を含む分子
が付着されるポリマーマトリクスである(例えば、調節薬剤およびHAV配列お
よびRGD配列を含む分子は、同じマトリクスに、好ましくは、交互パターンで
付着され得る)。このようなマトリクスは、複数の細胞接着分子によって媒介さ
れる接着を増強することが望ましい状況において使用され得る。あるいは、調節
薬剤自体は、上記のようにリンカーによって分離される複数のクラウディンCA
R配列または抗体(もしくはそのフラグメント)を含み得る。いずれにせよ、こ
の調節薬剤は、種々の状況で複数のクラウディン発現細胞に結合するための「生
物学的接着剤」として機能する。
【0188】 1つの局面において、単一の分子または支持材料に結合される複数のクラウデ
ィンCAR配列および/または複数の調節薬剤を含む調節薬剤は、創傷治癒を促
進し、そして/または哺乳動物の瘢痕組織を減少するために使用され得る。セル
ロースまたはコラーゲンのような生体適合性および生分解性マトリックスに結合
される調節薬剤が特に好ましい。このような方法での使用のために、調節薬剤は
、遊離アミノ基またはヒドロキシル基を有するべきである。調節薬剤は、一般に
、創傷に対して局所的に投与され、ここで、この調節薬剤は創傷の閉鎖を促進し
得、そして縫合を増強し得るか、または代替さえし得る。同様に、マトリクス結
合調節薬剤の投与は、皮膚移植および補綴インプラントにおいて細胞接着を促進
し得、そしてコラーゲン注射の持続時間および有用性を延長し得る。一般に、創
傷部位、移植片部位またはインプラント部位へ投与されるマトリクス結合調節薬
剤の量は、創傷の重症度および/または創傷、移植片またはインプラントの性質
に伴って変化するが、上記のように変化し得る。クラウディンCAR配列、IY
SY(配列番号2)、古典的カドヘリン配列(HAV)、インテグリンCAR配
列(RGD)、オクルジンCAR配列 LYHY(配列番号17)、ならびにO
B−カドヘリンCAR配列(DDK、EEYまたはEAQ)、VE−カドヘリン
CAR配列DAEのような非古典的カドヘリンCAR配列、および/またはDs
cおよびDsgCAR配列IEK、VER、IER、INQ、INRの1つ以上
、および/またはLNK含む多官能性の調節薬剤もまた、創傷治癒の強力な刺激
物質および/または瘢痕組織を減少するための強力な刺激物質として使用され得
る。あるいは、カドヘリン媒介細胞接着、インテグリン媒介細胞接着、および/
または非古典的カドヘリン媒介細胞接着の1つ以上の別々のモジュレーターは、
同じ薬学的組成物中で、または別々でのいずれかで、調節薬剤と組み合わせて投
与され得る。
【0189】 別の局面において、1つ以上の調節薬剤は、例えば、バイオリアクターにおけ
る使用のために、組織培養プレートまたは他の細胞培養支持体の内部表面に結合
され得る。そのような結合は、上記の任意の適切な技術によって行われ得る。こ
の様式で結合している調節薬剤は、一般に、クラウディン発現細胞を固定するた
めに使用され得る。例えば、1つ以上の調節薬剤でコーティングしたディッシュ
またはプレートを使用して、種々のアッセイおよびスクリーニングにおいてクラ
ウディン発現細胞を固定し得る。バイオリアクター(すなわち、細胞またはオル
ガノイドの大規模産生のためのシステム)内では、一般的に、調節薬剤を使用し
て、細胞付着を改善し得、そして細胞増殖を安定化させ得る。また、調節薬剤を
バイオリアクター内で使用して、例えば、哺乳動物胎仔細胞の分散集団に由来す
る高度に分化したオルガノイドの形成および機能を支持し得る。調節薬剤のバイ
オマトリクスを含むバイオリアクターもまた使用して、特定のタンパク質の産生
を容易にし得る。
【0190】 本明細書中で記載されるような調節薬剤は、種々のバイオリアクター構造内で
使用され得る。一般に、多数の接着細胞を支持するのに十分な内部表面領域を有
するバイオリアクターが設計される。この表面領域は、膜、チューブ、マイクロ
タイターウェル、カラム、中空繊維、ローラー瓶、プレート、ディッシュ、ビー
ズまたはそれらの組み合わせを使用して、提供され得る。バイオリアクターは、
区画に分けられ得る。バイオリアクター内の支持体材料は、当該分野で公知の任
意の適切な材料であり得る;好ましくは、その支持体材料は、水中で溶解または
膨張しない。好ましい支持体材料には、合成ポリマー(例えば、アクリル、ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、
ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホンおよびポリ(エチレンテレフタレート
));セラミックス;ガラスならびにシリカが挙げられるが、これらに限定され
ない。
【0191】 本発明の他の局面は、診断およびアッセイの目的のための調節薬剤に対して惹
起された抗体を使用する方法を提供する。アッセイは、代表的にはクラウディン
の存在または非存在(遊離もしくは細胞表面上で)、あるいは適切な生物学的サ
ンプル(例えば、腫瘍もしくは正常組織生検、血液、リンパ節、血清または尿サ
ンプル)または他の組織、ホモジネートもしくは患者から得られたその抽出物に
おけるEC1ドメインを含むタンパク質分解性フラグメントを検出するための抗
体を使用する工程を含む。
【0192】 サンプル中の標的分子を検出するための抗体を使用する工程に関する、当業者
に公知の種々のアッセイ形式が存在する。例えば、HarlowおよびLane
、Antibodies:A Laboratory Manual、Cold
Spring Harbor Laboratory、1988を参照のこと
。例えば、このアッセイは、ウェスタンブロット形式で実施され得、ここで生物
学的サンプルからのタンパク質調製物は、ゲル電気泳動に供せられ、適切な膜に
転写され、そして抗体と反応される。次いで、膜上の抗体の存在は、以下に記載
されるように適切な検出試薬を使用して検出され得る。
【0193】 別の実施形態において、このアッセイは、標的のクラウディン、またはEC1
ドメインを含み、そしてCAR配列を含むタンパク質分解性フラグメントと結合
するために固体支持体上で固定化された抗体の使用を含み、そしてサンプルの残
りからそれを除去する。次いで、結合したクラウディンは、二次抗体またはレポ
ーター基を含む試薬を使用して検出され得る。あるいは、競合アッセイが利用さ
れ得、このアッセイで、クラウディンは、レポーター基で標識され、そしてサン
プルと共に抗体をインキュベートした後、固定化抗体と結合される。このサンプ
ルの構成要素が抗体に対する標識化クラウディンの結合を阻害する程度は、固定
化抗体とサンプルの反応性を示し、そして結果として、サンプル中のクラウディ
ンのレベルを示す。
【0194】 固体支持体は、抗体が付着され得る、当業者に公知の任意の物質(例えば、マ
イクロタイタープレートにおける試験ウェル、ニトロセルロースフィルターまた
は別の適切な膜)であり得る。あるいは、この支持体は、ビーズまたはディスク
(例えば、ガラス、ファイバーガラス、ラテックス)あるいはプラスティック(
例えば、ポリスチレンまたはポリ塩化ビニル)であり得る。抗体は、当業者に公
知の種々の技術を使用して、固体支持体上に固定化され得、これは、特許および
科学文献に詳細に記載される。
【0195】 特定の実施形態において、サンプル中のクラウディンの検出のためのアッセイ
は、2抗体サンドイッチアッセイである。このアッセイは、まず固体支持体(通
常は、マイクロタイタープレートのウェル)に固定化された抗体と生物学的サン
プルとを、サンプル内のクラウディンと固定化された抗体との結合が可能になる
ように接触させことによって実施され得る(室温で30分間のインキュベーショ
ン時間が、一般的には十分である)。次いで、非結合サンプルを、固定化クラウ
ディン−抗体複合体から取り除き、そしてクラウディンの異なる部位に結合し得
る第2の抗体(酵素、色素、放射性核種、発光基、蛍光基、またはビオチンのよ
うなレポーター基を含む)を添加する。次いで、固体支持体に結合したままの第
2の抗体の量は、特定のレポーター基についての適切な方法を使用して決定され
る。レポーター基を検出するために用いられる方法は、レポーター基の性質に依
存する。放射性活性基に関しては、シンチレーションカウンティング法またはオ
ートラジオグラフ法が一般的に適切である。分光光度法を用いて色素、発光基、
および蛍光基を検出し得る。ビオチンは、異なるレポーター基(通常は、放射性
活性または蛍光基または酵素)にカップリングされたアビジンを使用して検出さ
れ得る。酵素レポーター基は、一般的に、基質(一般的には、特定の時間にわた
って)の添加、次いで、反応生成物の分光光度法的分析または他の分析によって
検出され得る。標準物質および標準添加物(standard additio
n)を用いて、サンプル中のクラウディンのレベルを、周知の技術を使用して決
定し得る。
【0196】 本発明は、このようなイムノアッセイにおいて使用するためのキットもまた提
供する。このようなキットは、一般的に、上記のように1つ以上の抗体を含む。
さらに、キットの1つ以上のさらなる区画または容器は、一般的に、イムノアッ
セイで使用されるエレメント(例えば、試薬、緩衝液および/または洗浄溶液)
を同封する。
【0197】 さらなる局面において、調節薬剤または抗体(またはそれらのフラグメント)
を使用して細胞同定およびインビトロでのソーティングまたはインビボでの画像
化を容易にし得る。このことによってクラウディン(または異なるクラウディン
レベル)を発現する細胞の選択が可能になる。好ましくは、このような方法で使
用するための調節薬剤または抗体は、検出可能なマーカーに連結される。適切な
マーカーは当該分野で周知であり、そしてそれらとしては、放射性核種、発光基
、蛍光基、酵素、色素、定常イムノグロブリンドメインおよびビオチンが挙げら
れる。1つの好ましい実施形態において、例えば、フルオレセインのような蛍光
マーカーに連結された調節薬剤が細胞と接触され、次いで、これは、蛍光活性化
セルソーティング(FACS)によって分析される。
【0198】 抗体またはそのフラグメントもまたコンビナトリアルライブラリーまたは他の
非ペプチドベースのライブラリースクリーニングにおいて使用されて、クラウデ
ィン媒介細胞接着を調節し得る他の化合物が同定され得る。このようなスクリー
ニングは、一般的に、ELISAまたは当業者に周知の他の方法を使用して行わ
れ、この方法によって、調節薬剤に類似した形状および構造を有する化合物を検
出し得る。一般的に、このようなスクリーニングは、試験化合物を生成する発現
ライブラリーと抗体とを接触させる工程、および候補化合物に結合した抗体のレ
ベルを検出する工程を包含し得る。抗体が高親和性を有する化合物は、本明細書
中で記載されるようにさらに特徴づけられて、クラウディン媒介細胞接着を調節
する能力が評価され得る。
【0199】 以下の実施例は、制限する目的ではなく、例示の目的で提供される。
【0200】 (実施例1) (代表的な環状ペプチドの調製) この実施例は、調節薬剤として、代表的な直鎖状および環状ペプチドの固相合
成を例示する。
【0201】 ペプチドを、C末端のアミドペプチドについてメチルベンズヒドリルアミン樹
脂(MBHA樹脂)上にアセンブルする。伝統的なMerrifield樹脂を
任意のC末端の酸ペプチドのために使用する。ポリプロピレンメッシュ材料のバ
ッグに樹脂を充填し、そしてジクロロメタン中に浸漬する。樹脂のパケットをジ
クロロメタン中の5%ジイソプロピルエチルアミンで3回洗浄し、次いで、ジク
ロロメタンで洗浄する。次いで、パケットをソートし、そしてジクロロメタン中
に目的のアミノ酸溶液を含むNalgene瓶に配置する。ジクロロメタン中の
等量のジイソプロピルカルボジイミド(DIC)を添加して、カップリング反応
を活性化する。瓶を1時間振盪して、反応の完了を確実にする。反応混合物を廃
棄し、そしてパケットをDMFで洗浄する。N−α−Bocを、30分間、ジク
ロロメタン中の55%TFAを用いて、α−アミノ基のTFA塩を残しながら、
アシドリシスによって取り除く。このバッグを洗浄して、そして合成を、カップ
リング工程で対応するアミノ酸を置換しながら同じ手順を繰り返すことによって
完了する。N末端のアセチル化を、ジイソプロピルエチレンアミンの存在下でペ
プチド樹脂とジクロロメタン中の無水酢酸の溶液とを反応させることによって実
施する。次いで、このペプチドを、側鎖を脱保護して、そしてカルボカチオンス
カベンジャーとしてアニソールの存在下で、液体HFを用いて0℃で樹脂から切
断する。
【0202】 粗ペプチドを逆相高速液体クロマトグラフィーによって精製した。環状ペプチ
ドの精製した直鎖状前駆体を2〜10mg/mLの濃度で75%酢酸中に可溶化
した。メタノール中の10%ヨウ素溶液を、持続的な着色が得られるまで滴下し
た。次いで、5%アスコルビン酸水溶液を退色するまで混合物に添加した。次い
で、ジスルフィド結合を含む化合物をHPLCによって精製し、そして分析用H
PLCおよび質量スペクトル分析によって特徴付けした。
【0203】 (実施例2:内皮細胞接着を評価するための系) この実施例は、内皮細胞接着に対する調節薬剤の効果を評価する内皮細胞接着
アッセイを例示する。
【0204】 (A.細胞培養) ヒト大動脈内皮細胞(HAEC)を、Jaffeら,J.Clin.Inve
st.52:2745−2756,1973の手順に従って、フィブロネクチン
(Sigma,St.Louis,MO)上で培養した。細胞をEGM(内皮細
胞増殖培地;Clonetics,San Diego,CA)中で維持し、そ
して第4継代で実験に使用した。
【0205】 (B.クラウディンおよびVE−カドヘリン免疫学的局在決定方法) HAECをフィブロネクチンコーティングカバーガラス上で培養した。HAE
Cのコンフルエントな培養物を直鎖状ペプチド(最終濃度100μg/ml E
GM)またはEGM単独に1時間曝した。次いで、細胞を4℃で30分間、95
%エタノール中で固定し、次いで、4℃で1分間、アセトン中で固定した(Fu
ruseら、J.Cell Biol.123:1777−1788,1993
)。固定後、細胞を室温で風乾させた。細胞をマウス抗VE−カドヘリン抗体(
Hemeris,Sassenage,France;PBS中に溶解した0.
1%乾燥スキムミルク粉末中で1:250希釈)、または抗クラウディン抗体(
Moritaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96:51
1−516、1999に記載のように調製し、そして一般に、Blaschuk
およびFarookhi、Dev.Biol.136:564−567に記載さ
れる;PBS中に溶解した0.1%乾燥スキムミルク粉末中で希釈)のいずれか
を用いて、37℃で1時間、プローブした。手短に言えば、クラウディンCAR
配列を含む9アミノ酸ペプチドをKLHに結合させ、そしてウサギに注射した。
動物から採血し、そしてCAR配列に特異的なポリクローナル抗体を、固体支持
体に結合したペプチドを使用して、アフィニティークロマトグラフィーにより、
抗血清から精製した。
【0206】 次いで、細胞を、PBS中に溶解した0.1%乾燥スキムミルク粉末で洗浄し
(3回洗浄、5分/洗浄回)、そして二次抗体(PBS中に溶解した0.1%乾
燥スキムミルク粉末中で1:250希釈した、ロバ抗マウスCy3またはロバ抗
ウサギCy5;Jackson Immunoresearch Labora
tories Inc.,Westgrove,PA)を用いて、37℃で1時
間プローブした。細胞を再び、PBS中に溶解した0.1%乾燥スキムミルク粉
末中で洗浄し、そしてフェニレンジアミン(Sigma,St.Louis,M
O)を最終濃度1mg/mlまで添加した50%グリセロールおよび50%PB
Sから構成される溶液にマウントした。サンプルを、Laser Sharpソ
フトウェアバージョン2.1T(Bio−Rad,Hercules,CA)を
備えたBio−Rad MRC 1000共焦点顕微鏡を用いて分析した。Co
nfocal Assistant 4.02ソフトウェアを用いて、クラウデ
ィンについての染色をシュードカラーレッド(pseudo−color re
d)に割り当て、その一方で、VE−カドヘリン染色をシュードカラーグリーン
(pseudo−color green)に割り当てた。内皮細胞がクラウデ
ィンCAR配列を含む調節薬剤の存在下で培養された場合、互いから後退するよ
うに見える。このことは、細胞間で接着が減少したことを示す。さらに、これら
の細胞は、このような因子に曝した場合、玉石様の単層を形成しない。VE−カ
ドヘリンおよびクラウディン両方の表面発現が、未処理細胞によって発現された
VE−カドヘリンおよびクラウディンレベルと比較して、調節薬剤で処理された
細胞で非常に減少される。
【0207】 (実施例3:血管透過性に対する代表的な調節薬剤の効果を評価するための
アッセイ) この実施例は、インビボでの内皮細胞の透過性に対する調節薬剤の効果を評価
するための血管透過性アッセイを例示する。
【0208】 (A.血管透過性についてのMilesアッセイ) 環状および直鎖状ペプチドが血管透過性を上昇させる能力を、Milesアッ
セイ(McClureら、J.Pharmacological & Toxi
cological Meth.32:49−52,1994)を利用して評価
した。このペプチドを100μg/mlの濃度でリン酸緩衝化生理食塩水(PB
S)に溶解した。成体ラットの剃毛した背部に各々のペプチド溶液を100μl
皮下注射し、次いで、15分後に、それらの尾静脈にPBS中に溶解した1%エ
バンスブルーの単回の250μl注射を与えた。皮下注射部位を青色色素の出現
について視覚的にモニターした。一旦色素が出現したら、各皮下注射部位を切開
し、重量測定し、そして1mlのジメチルホルムアミド中に24時間配置して、
色素を抽出した。色素抽出物の光学密度を620nmで決定した。リン酸緩衝化
生理食塩水が注射された部位とは反対に、ペプチドが注射された部位でより多い
青色色素が蓄積されることが見られる。
【0209】 (実施例4:NRK細胞接着に対する代表的な調節薬剤の効果を評価するた
めのアッセイ) この実施例は、NRK細胞の接着に対する調節薬剤の効果を評価するためのア
ッセイを例示する。
【0210】 NRK細胞(ATCC#1571−CRL)を、10%FCSを有するDME
Mを含む35mm組織培養フラスコあたり10〜20,000細胞で入れ、そし
て周期的に継代培養した(Lairdら、J.Cell Biol.131:1
193−1203、1995)。細胞を回収し、そして1mmカバーガラスを含
む35mm組織培養フラスコに移し、そして50〜65%コンフルエントまでイ
ンキュベートした(24〜36時間)。この時点で、カバーガラスを24ウェル
のプレートに移し、新鮮なDMEMで1回洗浄し、そして0.1mg/mLの濃
度の調節薬剤に24時間曝露した。ついで、新鮮な調節薬剤を添加し、そして細
胞を、さらに24時間静置した。細胞を100%メタノールで10分間固定し、
次いでPBSで3回洗浄した。カバーガラスを、2%BSA/PBS中で1時間
ブロックし、そして上記のように、抗クラウディン抗体およびマウス抗E−カド
ヘリン抗体(Transduction Labs、1:250希釈)の存在下
で、さらに1時間インキュベートした。一次抗体および二次抗体を、2%BSA
/PBS中に希釈した。一次抗体中でのインキュベートに続いて、カバーガラス
をPBS中で3回、それぞれ5分間洗浄し、そしてロバ抗マウスCy3およびロ
バ抗ウサギCy5(Jackson Immunoresearch Labo
ratories Inc.、Westgrove、PA)と共に、37℃で1
時間インキュベートした。PBS中でのさらなる洗浄(3×5分)に続いて、カ
バーガラスをマウントし、そして共焦点顕微鏡で観察した。
【0211】 調節薬剤の非存在下では、NRK細胞は、玉石状の形態を有する特徴的な密着
結合した単層を形成し、ここで、細胞は多角形の形状を示す。クラウディン媒介
細胞接着を破壊する調節薬剤で処理したNRK細胞は、非多角形の細長形態(す
なわち、線維芽細胞様の形状)を、0.1mg/mLの調節薬剤での48時間以
内の処理で、呈する。裂が、このような細胞のコンフルエントな培養物に現れる
。さらに、0.1mg/mLのこのような調節薬剤は、免疫蛍光顕微鏡(Lai
rdら、J.Cell Biol.131:1193−1203、1995)に
より判断して、48時間以内で、クラウディンおよびE−カドヘリンの細胞表面
染色における容易に明らかな減少を再現可能に誘導する。
【0212】 (実施例5:細胞単層にまたがる電気抵抗性への代表的な調節薬剤の効果) この実施例は、内皮細胞接着に対するクラウディン調節薬剤の効果を評価する
ための電気抵抗性アッセイを例示する。
【0213】 Madin Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞をMillicell(M
illipore,Bedford,MA)に、1つのMillicellあた
り300,000細胞の密度で配置し、そして単層が形成されるまで、5%ウシ
胎仔血清(Sigma,St.Louis,MO)含有ダルベッコ改変イーグル
培地(DMEM;Sigma,St.Louis,MO)中で培養した。単層を
、培地に溶解した調節薬剤に曝した。電気抵抗をEVOMデバイス(World
Precision Instruments,Sarasota,FL)を
使用して測定した。測定時に、調節薬剤含有または非含有の新鮮培地をMill
icellに添加し得る。
【0214】 図3は、培地単独(コントロール)、またはN−Ac−WKIYSYAGDN
−NH2(ペプチド118;配列番号475)もしくはH−WKIYSYAGD
N−NH2(ペプチド119;配列番号475)を0.5mg/mlの濃度で含
む培地中で18時間で培養したMDCK細胞単層にまたがる平均電気抵抗を示す
。二重の測定を行い、そしてエラーバーは、標準偏差を示す。ペプチド118が
、単層にまたがる電気抵抗を減少させたが、ペプチド119は、コントロールに
対して、単層にまたがる電気抵抗を変化させなかった。
【0215】 図4は、培地単独(コントロール)、またはN−Ac−WKIYSYAGDN
−NH2(ペプチド118;配列番号475)を様々な濃度で含む培地中で24
時間で培養したMDCK細胞単層にまたがる平均電気抵抗を示す。ペプチド11
8は、単層にまたがる電気抵抗を、用量に依存する様式で減少させた。
【0216】 これらの結果は、調節薬剤が上皮細胞における密着結合の形成を阻害する能力
、ならびにこの特定の調節薬剤の活性に対するN−Ac基の効果を実証する。
【0217】 前述から、本発明の特定の実施形態が本発明を例示する目的で本明細書中で記
載されてきたが、種々の改変が本発明の思想および範囲から逸脱することなくな
され得ることは明らかである。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲による
以外には、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、示されるように、代表的な哺乳動物クラウディンの細胞外ドメイン1
のアミノ酸配列を提供する。これらの細胞外ドメインは、Kyte−Dooli
ttleアルゴリズム(KyteおよびDoolittle、J.Molecu
lar Biology 157:105−132、1982)を使用する疎水
性分析によって、以下のものから予測した:マウスクラウディン−1(配列番号
6)、ヒトクラウディン−1(配列番号529)、マウスクラウディン−2(配
列番号7)、マウスクラウディン−3(配列番号469)、ヒトクラウディン−
3(配列番号11)、ラットクラウディン−3(配列番号12)、マウスクラウ
ディン−4(配列番号9)、ヒトスクラウディン−4(配列番号8)、アフリカ
ミドリザルクラウディン−4(配列番号10)、マウスクラウディン−5(配列
番号470)、ヒトクラウディン−5(配列番号471)、マウスクラウディン
−6(配列番号472)、ヒトクラウディン−6(配列番号530)、マウスク
ラウディン−7(配列番号473)、マウスクラウディン−8(配列番号474
)およびマウス/ヒトクラウディン−9(配列番号531)。配列を、Clus
tal Wタンパク質配列アライメントを使用して比較した。アミノ酸を、それ
らのIUPACアミノ酸コードによって表し、ここで、Xは、任意のアミノ酸で
あり、そして−はギャップを表す。このコンセンサス配列(配列番号13)を、
イタリックで示し、そしてコンセンサス内の大文字のアミノ酸は、同一性を表す
。このクラウディンファミリー細胞接着認識領域を、太字で示す。
【図2】 図2AおよびBは、代表的な環状ペプチド調節薬剤の構造を提供する(配列番
号59〜62、65、111、164、217)。
【図3】 図3は、培地単独(コントロール)、N−Ac−WKIYSYAGDN−NH 2 (ペプチド 118;配列番号475)またはH−WKIYSYAGDN−N
2(ペプチド 119;配列番号475)を0.5mg/mlの濃度で含有す
る培地において、18時間培養したMDCK細胞単層の間の平均電気抵抗を示す
ヒストグラムである。二連測定を行い、そして誤差棒は、標準偏差を表す。
【図4】 図4は、培地単独(コントロール)、またはN−Ac−WKIYSYAGDN
−NH2(ペプチド 118;配列番号475)を種々の濃度で含有する培地に
おいて、24時間培養したMDCK細胞単層の間の平均電気抵抗を示すヒストグ
ラムである。
【図5】 図5は、示されるように、さらなる代表的な哺乳動物クラウディンの細胞外ド
メイン1のアミノ酸配列を提供する。これらの細胞外ドメインは、Kyte−D
oolittleアルゴリズム(KyteおよびDoolittle、J.Mo
lecular Biology 157:105−132、1982)を使用
する疎水性分析によって、以下のものから予測した:マウスクラウディン−10
(配列番号520)、ヒトクラウディン−10(配列番号521)、マウスクラ
ウディン−11(配列番号522)、ヒトクラウディン−11(配列番号523
)、マウスクラウディン−13(配列番号524)、マウスクラウディン−14
(配列番号525)、ヒトスクラウディン−14(配列番号526)、ヒトクラ
ウディン−15(配列番号527)および雄ウシクラウディン−16(配列番号
528)。配列を、Clustal Wタンパク質配列アライメントを使用して
比較した。アミノ酸を、それらのIUPACアミノ酸コードによって表し、ここ
で、Xは、任意のアミノ酸であり、そして−はギャップを表す。このクラウディ
ンファミリー細胞接着認識領域を、太字で示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年5月7日(2001.5.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】
【化50】 特定の実施形態内で、以下で議論されるように、小さなCAR配列(例えば、
有意な隣接配列を有さない4つの残基)を含む環状ペプチドが、クラウディン(
claudin)媒介機能を調節するために好ましい。このようなペプチドは、
N−アセチル基およびC−アミド基(例えば、クラウディン−媒介機能を調節す
るための、6−残基環N−Ac−CIYSYC−NH2(配列番号59)または
N−Ac−KIYSYD−NH2(配列番号68))を含み得る。小さな環状ペ
プチドは、一般に、以下で議論されるように、標的化因子のペプチドへの結合を
有するか、または有さない、癌および/もしくは他の細胞型の接着を、局所的投
与によって、または全身的投与によって特異的に調節するために使用され得る。
クラウディンCAR配列を含む、特定の代表的な環状ペプチドは、図2A〜2H
に示される。他の好ましい実施形態内で、環状ペプチドは、片側または両側に対
してCAR配列に隣接する配列を含み得、これは増加した有効性を生じ得る。適
切な隣接配列は、天然に存在するクラウディンにある内部配列が挙げられるが、
限定されない。増加した有効性を有する環状ペプチドの調製を促進するために、
上記のように、核磁気共鳴(NMR)およびコンピューター技術を使用して、増
加した有効性を与えるぺプチドの高次構造を決定し得る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0125
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0125】
【化52】 環状ペプチドの代表的な構造が、図2A〜2Hに提供される。本明細書中に列
挙される構造および式は、単に例示の目的のために提供され、そして本明細書中
に記載される環状ペプチドの範囲を制限することを意図しない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図2】 図2A〜2Hは、代表的な環状ペプチド調節薬剤の構造を提供する(配列番号
59〜62、65、111、164、217)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/48 A61P 17/02 4H045 49/00 25/00 A61P 17/02 35/00 25/00 35/04 35/00 43/00 35/04 105 43/00 C07K 5/08 105 5/10 C07K 5/08 7/54 5/10 14/47 7/54 16/18 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 G01N 33/53 D 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A G01N 33/53 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 サイモンズ, ジェイムズ マシュー カナダ国 ケイ2ピー 0ブイ6 オンタ リオ, オタワ, ウェイバリー ストリ ート 188, アパートメント 303 (72)発明者 ゴール, バーバラ ジェイ. カナダ国 ケイ0ジー 1ジェイ0 オン タリオ, ケンプトビル, アール.アー ル. ナンバー4, ドネリー ドライブ 2890 Fターム(参考) 4B024 AA01 CA02 CA20 DA01 DA02 DA05 DA11 GA11 4B065 AA01X AA58X AA72X AA87X AA90X AA91Y AA93X AA93Y AB01 AB10 AC14 AC20 BA02 BA30 BB01 BC41 BD50 CA24 CA44 CA46 4C076 AA71 AA95 BB31 CC01 CC19 CC27 EE41 FF34 4C084 AA01 AA02 BA02 BA15 BA16 BA17 BA18 BA19 BA24 BA25 BA26 BA28 BA42 BA44 CA59 DA27 DA30 MA63 NA11 NA13 NA14 ZA02 ZA89 ZB21 ZB26 ZC41 4C085 AA13 BB11 BB17 CC21 EE01 HH17 KA36 KB82 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA12 BA13 BA14 BA15 BA16 BA17 BA18 BA19 BA30 BA41 CA40 DA75 EA20 EA50 FA33 FA44 FA52 FA74 GA25

Claims (112)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の細胞接着調節薬剤: (a)クラウディンCAR配列を含む;および (b)ペプチド結合により連結された3〜16アミノ酸残基を含む。
  2. 【請求項2】 以下の調節薬剤: (a)以下の式を有するクラウディンCAR配列のうち少なくとも5つの連続
    するアミノ酸残基を含み: 【化1】 ここで、Aaa、BaaおよびCaaは、以下の独立して選択されるアミノ酸残
    基を示し;Lys/Arg/Glnは、リジン、アルギニンまたはグルタミンで
    あるアミノ酸であり;Ser/Alaは、セリンまたはアラニンであるアミノ酸
    であり;Tyr/Pheは、チロシンまたはフェニルアラニンであるアミノ酸で
    あり;そしてGly/Asp/Gluは、グリシン、アスパラギン酸またはグル
    タミン酸であるアミノ酸である;ならびに (b)該クラウディン内に存在する50以下の連続するアミノ酸残基を含む。
  3. 【請求項3】 以下の調節薬剤: (a)以下の式を有するクラウディンCAR配列のうち少なくとも7つの連続
    するアミノ酸残基を含み: 【化2】 ここで、Aaa、BaaおよびCaaは、以下の独立して選択されるアミノ酸残
    基を示し;Lys/Arg/Glnは、リジン、アルギニンまたはグルタミンで
    あるアミノ酸であり;Ser/Alaは、セリンまたはアラニンであるアミノ酸
    であり;Tyr/Pheは、チロシンまたはフェニルアラニンであるアミノ酸で
    あり;そしてGly/Asp/Gluは、グリシン、アスパラギン酸またはグル
    タミン酸であるアミノ酸である;ならびに (b)該クラウディン内に存在する50以下の連続するアミノ酸残基を含む。
  4. 【請求項4】 以下の調節薬剤: (a)以下の式を有するクラウディンCAR配列のうち少なくとも8つの連続
    するアミノ酸残基を含み: 【化3】 ここで、Aaa、BaaおよびCaaは、以下の独立して選択されるアミノ酸残
    基を示し;Lys/Arg/Glnは、リジン、アルギニンまたはグルタミンで
    あるアミノ酸であり;Ser/Alaは、セリンまたはアラニンであるアミノ酸
    であり;Tyr/Pheは、チロシンまたはフェニルアラニンであるアミノ酸で
    あり;そしてGly/Asp/Gluは、グリシン、アスパラギン酸またはグル
    タミン酸であるアミノ酸である;ならびに (b)該クラウディン内に存在する50以下の連続するアミノ酸残基を含む。
  5. 【請求項5】 前記薬剤が3〜50アミノ酸残基のサイズ範囲にあるペプチ
    ドである、請求項2〜4のいずれか1項に記載の調節薬剤。
  6. 【請求項6】 前記薬剤が4〜16アミノ酸残基のサイズ範囲にあるペプチ
    ドである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の調節薬剤。
  7. 【請求項7】 前記薬剤が、N末端アセチル基を含む、請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の調節薬剤。
  8. 【請求項8】 前記CAR配列が環状ペプチド内に存在する、請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の調節薬剤。
  9. 【請求項9】 前記環状ペプチドが以下の式 【化4】 を有する、請求項8に記載の調節薬剤であって、 ここで、Wは、IYSY(SEQ ID NO:2)、TSSY(SEQ I
    D NO:3)、VTAF(SEQ ID NO:4)、MSSY(SEQ I
    D NO:386)およびVSAF(SEQ ID NO:5)からなる群より
    選択されるテトラペプチドであり; ここでX1およびX2は、選択式であり、そして存在するのであれば、アミノ酸
    残基およびそれらの組み合わせからなる群より独立して選択され、ここで該残基
    は、ペプチド結合により連結され、そしてX1およびX2は、X1およびX2内に含
    まれる残基の合計が1〜12の範囲であるように、独立して0〜10残基のサイ
    ズ範囲にあり; ここでY1およびY2は、アミノ酸残基からなる群より独立して選択され、そし
    て共有結合が残基Y1とY2との間に形成され;そして ここでZ1およびZ2は、選択式であり、そして存在するのであれば、アミノ酸
    残基およびそれらの組み合わせからなる群より独立して選択され、ここで、該残
    基はペプチド結合により連結される、 調節薬剤。
  10. 【請求項10】 前記Y1およびY2がジスルフィド結合を介して共有結合さ
    れている、請求項9に記載の調節薬剤。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の調節薬剤であって、ここでY1および
    2は、ペニシラミン、β,β−テトラメチレンシステイン、β,β−ペンタメ
    チレンシステイン、β−メルカプトプロピオン酸、β,β−ペンタメチレン−β
    −メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトベンゼン、2−メルカプトアニリン
    および2−メルカプトプロリンからなる群よりそれぞれ独立して選択される、調
    節薬剤。
  12. 【請求項12】 前記Y1およびY2がシステイン残基である、請求項10に
    記載の調節薬剤。
  13. 【請求項13】 前記Y1およびY2がアミド結合を介して共有結合されてい
    る、請求項9に記載の調節薬剤。
  14. 【請求項14】 前記アミド結合が末端官能基の間に形成される、請求項1
    3に記載の調節薬剤。
  15. 【請求項15】 前記アミド結合がアミノ酸残基側鎖間に形成される、請求
    項13に記載の調節薬剤。
  16. 【請求項16】 前記アミド結合が、1つの末端官能基と1つのアミノ酸残
    基側鎖との間で形成される、請求項13に記載の調節薬剤。
  17. 【請求項17】 請求項13に記載の調節薬剤であって、ここで: (a)Y1はリジンもしくオルニチンであり、そしてY2はアスパラギンもしく
    はグルタミンである;または (b)Y2はリジンもしくはオルニチンであり、そしてY1が、アスパラギンま
    たはグルタミンである、 調節薬剤。
  18. 【請求項18】 Y1およびY2がチオエーテル結合を介して共有結合されて
    いる、請求項9に記載の調節薬剤。
  19. 【請求項19】 Y1およびY2が、前記共有結合がδ1δ1−ジトリプトファ
    ンまたはその誘導体を生成するように、各々、トリプトファンまたはその誘導体
    である、請求項9に記載の調節薬剤。
  20. 【請求項20】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の調節薬剤をコードす
    る、ポリヌクレオチド。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクタ
    ー。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の発現ベクターで形質転換またはトラン
    スフェクトされた宿主細胞。
  23. 【請求項23】 クラウディン媒介性機能を調節するクラウディンCAR配
    列に特異的に結合する抗体またはその抗体結合フラグメントを含む調節薬剤であ
    って、ここで該クラウディンCAR配列は、以下の式: 【化5】 を有し、 ここで、Aaa、BaaおよびCaaは、以下の独立して選択されるアミノ酸残
    基を示し;Lys/Arg/Glnは、リジン、アルギニンまたはグルタミンで
    あるアミノ酸であり;Ser/Alaは、セリンまたはアラニンであるアミノ酸
    であり;Tyr/Pheは、チロシンまたはフェニルアラニンであるアミノ酸で
    あり;そしてGly/Asp/Gluは、グリシン、アスパラギン酸またはグル
    タミン酸であるアミノ酸である、 調節薬剤。
  24. 【請求項24】 以下の式を有するクラウディンCAR配列のうち少なくと
    も3つの連続するアミノ酸残基を含むクラウディンCAR配列の模倣物を含む調
    節薬剤: 【化6】 ここで、Aaa、BaaおよびCaaは、以下の独立して選択されるアミノ酸
    残基を示し;Lys/Arg/Glnは、リジン、アルギニンまたはグルタミン
    であるアミノ酸であり;Ser/Alaは、セリンまたはアラニンであるアミノ
    酸であり;Tyr/Pheは、チロシンまたはフェニルアラニンであるアミノ酸
    であり;そしてGly/Asp/Gluは、グリシン、アスパラギン酸またはグ
    ルタミン酸であるアミノ酸であり; ここで、該模倣物は、クラウディン媒介機能を調節し得る、 調節薬剤。
  25. 【請求項25】 以下の式を有するクラウディンCAR配列のうち少なくと
    も5つの連続するアミノ酸残基を含むクラウディンCAR配列の模倣物を含む調
    節薬剤: 【化7】 ここで、Aaa、BaaおよびCaaは、以下の独立して選択されるアミノ酸
    残基を示し;Lys/Arg/Glnは、リジン、アルギニンまたはグルタミン
    であるアミノ酸であり;Ser/Alaは、セリンまたはアラニンであるアミノ
    酸であり;Tyr/Pheは、チロシンまたはフェニルアラニンであるアミノ酸
    であり;そしてGly/Asp/Gluは、グリシン、アスパラギン酸またはグ
    ルタミン酸であるアミノ酸であり; ここで、該模倣物は、クラウディン媒介機能を調節し得る、 調節薬剤。
  26. 【請求項26】 薬物に連結された、請求項1〜4または請求項23〜25
    のいずれか1項に記載の調節薬剤。
  27. 【請求項27】 検出マーカーに連結された、請求項1〜4または請求項2
    3〜25のいずれか1項に記載の調節薬剤。
  28. 【請求項28】 標的薬剤に連結された、請求項1〜4または請求項23〜
    25のいずれか1項に記載の調節薬剤。
  29. 【請求項29】 支持体物質に連結された、請求項1〜4または請求項23
    〜25のいずれか1項に記載の調節薬剤。
  30. 【請求項30】 前記支持体物質がポリマーマトリクスである、請求項29
    に記載の調節薬剤。
  31. 【請求項31】 前記支持体物質が、プラスチックディッシュ、プラスチッ
    クチューブ、縫合糸、膜、超薄膜、バイオリアクターおよび微粒子からなる群よ
    り選択される、請求項29に記載の調節薬剤。
  32. 【請求項32】 請求項1〜4または請求項23〜25のいずれか1項に記
    載の細胞接着調節薬剤であって、該細胞接着調節薬剤が、 (a)クラウディン以外の接着分子により結合される細胞接着認識配列であっ
    て、ここで該細胞接着認識配列は、リンカーにより任意のクラウディンCAR配
    列から分離されている、細胞接着認識配列;および/または (b)クラウディン以外の接着分子により結合される細胞接着認識配列に特異
    的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメント、 のうちの1つ以上をさらに含む、細胞接着調節薬剤。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の細胞接着調節薬剤であって、該接着分
    子は、インテグリン、カドヘリン、オクルディン、N−CAM、JAMおよびP
    ECAMのような免疫グロブリンファミリーのメンバー、フィブロネクチン、ラ
    ミニンならびに他の細胞外マトリクスタンパク質からなる群より選択される、細
    胞接着調節薬剤。
  34. 【請求項34】 薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、請求項1〜
    4または請求項23〜25のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を含む、薬
    学的組成物。
  35. 【請求項35】 薬物をさらに含む、請求項34に記載の薬学的組成物。
  36. 【請求項36】 前記細胞接着調節薬剤が徐放性処方物内に存在する、請求
    項34に記載の薬学的組成物。
  37. 【請求項37】 以下のうち1つ以上をさらに含む、請求項34に記載の薬
    学的組成物: (a)クラウディン以外の接着分子により結合される細胞接着認識配列を含む
    ペプチド;および/または (b)クラウディン以外の接着分子により結合される細胞接着認識配列に特異
    的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメント。
  38. 【請求項38】 請求項37に記載の組成物であって、前記接着分子が、イ
    ンテグリン、カドヘリン、オクルディン、N−CAM、JAMおよびPECAM
    のような免疫グロブリンファミリーのメンバー、フィブロネクチン、ラミニンな
    らびに他の細胞外マトリクスタンパク質からなる群より選択される、組成物。
  39. 【請求項39】 前記薬剤が、以下からなる群より選択される、1つ以上の
    クラウディン−1 CAR配列を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の調
    節薬剤: 【化8】
  40. 【請求項40】 前記薬剤が、配列N−Ac−WKIYSYAGN−NH2
    (SEQ ID NO:476)を有する直鎖状ペプチドを含む、請求項39に
    記載の調節薬剤。
  41. 【請求項41】 前記薬剤が、配列N−Ac−WKIYSYAG−NH2
    SEQ ID NO:34)を有する直鎖状ペプチドを含む、請求項39に記載
    の調節薬剤。
  42. 【請求項42】 クラウディン1 CAR配列が環状ペプチド内に存在する
    、請求項39に記載の調節薬剤。
  43. 【請求項43】 前記環状ペプチドが、以下からなる群より選択される配列
    を含む、請求項42に記載の調節薬剤: 【化9】
  44. 【請求項44】 請求項39に記載の調節薬剤をコードする、ポリヌクレオ
    チド。
  45. 【請求項45】 クラウディン−1 CAR配列WKIYSYAG(SEQ
    ID NO:34)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメント
    を含む、調節薬剤。
  46. 【請求項46】 前記薬剤が、以下からなる群より選択される、1つ以上の
    クラウディン−2 CAR配列を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の調
    節薬剤: 【化10】
  47. 【請求項47】 前記薬剤が、配列N−Ac−WRTSSYVG−NH2
    SEQ ID NO:42)を有する直鎖状ペプチドを含む、請求項46に記載
    の調節薬剤。
  48. 【請求項48】 クラウディン−2 CAR配列が環状ペプチド内に存在す
    る、請求項46に記載の調節薬剤。
  49. 【請求項49】 前記環状ペプチドが、以下からなる群より選択される配列
    を含む、請求項48に記載の調節薬剤: 【化11】
  50. 【請求項50】 請求項46に記載の調節薬剤をコードする、ポリヌクレオ
    チド。
  51. 【請求項51】 クラウディン−2 CAR配列WRTSSYVG(SEQ
    ID NO:42)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメント
    を含む、調節薬剤。
  52. 【請求項52】 前記薬剤が、以下からなる群より選択される、1つ以上の
    クラウディン−3 CAR配列を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の
    調節薬剤: 【化12】
  53. 【請求項53】 前記薬剤が、配列N−Ac−WRVSAFIG−NH2
    SEQ ID NO:58)を有する直鎖状ペプチドを含む、請求項52に記載
    の調節薬剤。
  54. 【請求項54】 クラウディン−3 CAR配列が環状ペプチド内に存在す
    る、請求項52に記載の調節薬剤。
  55. 【請求項55】 前記環状ペプチドが、以下からなる群より選択される配列
    を含む、請求項54に記載の調節薬剤: 【化13】
  56. 【請求項56】 請求項52に記載の調節薬剤をコードする、ポリヌクレオ
    チド。
  57. 【請求項57】 クラウディン−3 CAR配列WRVSAFIG(SEQ
    ID NO:58)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメント
    を含む、調節薬剤。
  58. 【請求項58】 前記薬剤が、以下からなる群より選択される、1つ以上の
    クラウディン−4 CAR配列を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の
    調節薬剤: 【化14】
  59. 【請求項59】 前記薬剤が、配列N−Ac−WRVTAFIG−NH2
    SEQ ID NO:50)を有する直鎖状ペプチドを含む、請求項58に記載
    の調節薬剤。
  60. 【請求項60】 クラウディン−4 CAR配列が環状ペプチド内に存在す
    る、請求項58に記載の調節薬剤。
  61. 【請求項61】 前記環状ペプチドが、以下からなる群より選択される配列
    を含む、請求項60に記載の調節薬剤: 【化15】
  62. 【請求項62】 請求項58に記載の調節薬剤をコードする、ポリヌクレオ
    チド。
  63. 【請求項63】 クラウディン−4 CAR配列WRVTAFIG(SEQ
    ID NO:50)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントを
    含む、調節薬剤。
  64. 【請求項64】 前記薬剤が、以下からなる群より選択される、1つ以上の
    クラウディン−5 CAR配列を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の
    調節薬剤: 【化16】
  65. 【請求項65】 前記薬剤が、配列N−Ac−WQVTAFLD−NH2
    SEQ ID NO:50)を有する直鎖状ペプチドを含む、請求項64に記載
    の調節薬剤。
  66. 【請求項66】 クラウディン−5 CAR配列が環状ペプチド内に存在す
    る、請求項64に記載の調節薬剤。
  67. 【請求項67】 前記環状ペプチドが、以下からなる群より選択される配列
    を含む、請求項66に記載の調節薬剤: 【化17】
  68. 【請求項68】 請求項64に記載の調節薬剤をコードする、ポリヌクレオ
    チド。
  69. 【請求項69】 クラウディン−5 CAR配列WQVTAFLD(SEQ
    ID NO:50)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントを
    含む、調節薬剤。
  70. 【請求項70】 前記薬剤が、以下からなる群より選択される、1つ以上の
    クラウディン−6またはクラウディン−9のCAR配列を含む、請求項1から4
    のいずれか1項に記載の調節薬剤: 【化18】
  71. 【請求項71】 前記薬剤が、配列N−Ac−WKVTAFIG−NH2
    SEQ ID NO:50)を有する直鎖状ペプチドを含む、請求項70に記載
    の調節薬剤。
  72. 【請求項72】 クラウディン−6またはクラウディン−9のCAR配列が
    環状ペプチド内に存在する、請求項64に記載の調節薬剤。
  73. 【請求項73】 前記環状ペプチドが、以下からなる群より選択される配列
    を含む、請求項72に記載の調節薬剤: 【化19】
  74. 【請求項74】 請求項70に記載の調節薬剤をコードする、ポリヌクレオ
    チド。
  75. 【請求項75】 クラウディン−6 CAR配列WKVTAFIG(SEQ
    ID NO:50)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメント
    を含む、調節薬剤。
  76. 【請求項76】 前記薬剤が、以下からなる群より選択される、1つ以上の
    クラウディン−7 CAR配列を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の
    調節薬剤: 【化20】
  77. 【請求項77】 前記薬剤が、配列N−Ac−WQMSSYAG−NH2
    SEQ ID NO:50)を有する直鎖状ペプチドを含む、請求項76に記載
    の調節薬剤。
  78. 【請求項78】 クラウディン−7 CAR配列が環状ペプチド内に存在す
    る、請求項70に記載の調節薬剤。
  79. 【請求項79】 前記環状ペプチドが、以下からなる群より選択される配列
    を含む、請求項78に記載の調節薬剤: 【化21】
  80. 【請求項80】 請求項76に記載の調節薬剤をコードする、ポリヌクレオ
    チド。
  81. 【請求項81】 クラウディン−7 CAR配列WQMSSYAG(SEQ
    ID NO:50)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントを
    含む、調節薬剤。
  82. 【請求項82】 前記薬剤が、以下からなる群より選択される、1つ以上の
    クラウディン−8 CAR配列を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の
    調節薬剤: 【化22】
  83. 【請求項83】 前記薬剤が、配列N−Ac−WRVSAFIE−NH2
    SEQ ID NO:50)を有する直鎖状ペプチドを含む、請求項82に記載
    の調節薬剤。
  84. 【請求項84】 クラウディン−8 CAR配列が環状ペプチド内に存在す
    る、請求項82に記載の調節薬剤。
  85. 【請求項85】 前記環状ペプチドが、以下からなる群より選択される配列
    を含む、請求項84に記載の調節薬剤: 【化23】
  86. 【請求項86】 請求項82に記載の調節薬剤をコードする、ポリヌクレオ
    チド。
  87. 【請求項87】 クラウディン−8 CAR配列WRVSAFIE(SEQ
    ID NO:50)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメント
    を含む、調節薬剤。
  88. 【請求項88】 薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を含む、薬学的組成物。
  89. 【請求項89】 クラウディン発現細胞と、請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の細胞接着調節薬剤とを接触させる工程を包含する、クラウディン媒介性細
    胞接着を調節する方法。
  90. 【請求項90】 哺乳動物における血管透過性を増大させるための方法であ
    って、該方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を該哺
    乳動物に投与する工程を包含し、ここで、該調節薬剤がクラウディン媒介性細胞
    接着を阻害する、方法。
  91. 【請求項91】 哺乳動物における所望でない細胞接着を低減させるための
    方法であって、該方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬
    剤を該哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで該調節薬剤がクラウディン媒介
    性細胞接着を阻害する、方法。
  92. 【請求項92】 哺乳動物の皮膚を通過する薬物の送達を増強するための方
    法であって、該方法は、哺乳動物の内皮細胞と、請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の細胞接着調節薬剤および薬物とを接触させる工程を包含し、ここで、該調
    節薬剤が、クラウディン媒介性細胞を阻害し、そして該接触させる工程が、該内
    皮細胞を横切って薬物を通過させるに十分な条件下および時間にわたり行われる
    、方法。
  93. 【請求項93】 哺乳動物における腫瘍への薬物の送達を増強するための方
    法であって、該方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤
    および薬物を該哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、該調節薬剤がクラウ
    ディン媒介性細胞接着を阻害する、方法。
  94. 【請求項94】 哺乳動物における癌を処置するための方法であって、該方
    法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を該哺乳動物に投
    与する工程を包含し、ここで、該調節薬剤がクラウディン媒介性細胞接着を阻害
    する、方法。
  95. 【請求項95】 哺乳動物における脈管形成を阻害するための方法であって
    、該方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を該哺乳動
    物に投与する工程を包含し、ここで、該調節薬剤がクラウディン媒介性細胞接着
    を阻害する、方法。
  96. 【請求項96】 哺乳動物の中枢神経系への薬物送達を増強するための方法
    であって、該方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を
    該哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、該調節薬剤がクラウディン媒介性
    細胞接着を阻害する、方法。
  97. 【請求項97】 哺乳動物における創傷治癒を増強するための方法であって
    、該方法は、該哺乳動物における創傷と、請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    細胞接着調節薬剤とを接触させる工程を包含し、ここで、該調節薬剤がクラウデ
    ィン媒介性細胞接着を増強する、方法。
  98. 【請求項98】 哺乳動物内に移植された外来組織の接着を増強するための
    方法であって、該方法は、外来組織の移植部位と、請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の細胞接着調節薬剤とを接触させる工程を包含し、ここで、該調節薬剤が
    クラウディン媒介性細胞接着を増強する、方法。
  99. 【請求項99】 クラウディン発現細胞におけるアポトーシスを誘導するた
    めの方法であって、該方法は、クラウディン発現細胞と、請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の細胞接着調節薬剤とを接触させる工程を包含し、ここで、該調節
    薬剤がクラウディン媒介性細胞接着を阻害する、方法。
  100. 【請求項100】 サンプル中のクラウディン発現細胞を検出するための方
    法であって、該方法は、 (a)該サンプルと、クラウディンCAR配列を含むクラウディンに結合する
    抗体とを、抗体−クラウディン複合体を形成させるに十分な条件下および時間に
    わたり接触させる工程;および (b)該抗体−クラウディン複合体のレベルを検出し、それにより該サンプル
    中のクラウディン発現細胞の存在を検出する工程、 を包含する、方法。
  101. 【請求項101】 以下を含む、サンプル中のクラウディン発現細胞の存在
    を検出するためのキット: (a)クラウディンCAR配列に結合する抗体;および (b)検出試薬。
  102. 【請求項102】 以下: (a)皮膚パッチ;および (b)請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤、 を含む、経皮的薬物送達を増強するためのキットであって、ここで該調節薬剤が
    クラウディン媒介性細胞接着を阻害する、キット。
  103. 【請求項103】 クラウディン媒介性細胞接着を調節する際に使用するた
    めの、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を含む、組成物。
  104. 【請求項104】 哺乳動物における血管透過性を増大する際に使用するた
    めの、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を含む、組成物。
  105. 【請求項105】 哺乳動物における所望でない細胞接着を低減する際に使
    用するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を含む、
    組成物。
  106. 【請求項106】 哺乳動物の皮膚を通過する薬物の送達を増強させる際に
    使用するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を含む
    、組成物。
  107. 【請求項107】 哺乳動物における腫瘍への薬物の送達を増強させる際に
    使用するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を含む
    、組成物。
  108. 【請求項108】 クラウディン媒介性細胞接着を調節して、哺乳動物にお
    ける癌を処置する際に使用するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細
    胞接着調節薬剤を含む、組成物。
  109. 【請求項109】 哺乳動物における脈管形成を阻害する際に使用するため
    の、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を含む、組成物。
  110. 【請求項110】 哺乳動物の中枢神経系への薬物送達を増強させる際に使
    用するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を含む、
    組成物。
  111. 【請求項111】 哺乳動物における創傷治癒を増強させる際に使用するた
    めの、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を含む、組成物。
  112. 【請求項112】 哺乳動物内に移植された外来組織の接着を増強させる際
    に使用するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞接着調節薬剤を含
    む、組成物。
JP2000579732A 1998-11-03 1999-11-03 クラウディン媒介機能を調節するための化合物および方法 Withdrawn JP2003524384A (ja)

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