JP2003521475A - 部位特異的結合系、核画像化組成物及び方法 - Google Patents

部位特異的結合系、核画像化組成物及び方法

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Abstract

(57)【要約】 In vivoまたはin vitroで表面上の分子エピトープに脂質カプセル化粒子をリガンドに基づき結合させるための方法であって、(a)ビオチン活性化剤で活性化させた部位−特異的リガンド;(b)アビジン活性化剤;及び(c)ビオチン活性化剤で活性化させた脂質カプセル化粒子を実質的に投与することを含み、これによって前記リガンドがアビジン-ビオチン相互作用を介して前記粒子に結合して、得られた結合体がかかる表面上の分子エピトープに結合する、前記方法。前記結合体(conjugate)は、X−線、超音波、磁気共鳴またはポジトロンエミッショントモグラフィにより画像化するのに効果的である。自然表面または合成表面の超音波画像化に使用するため、及びその音響反射率を増強させるための組成物も開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 本発明は、新規部位特異的結合系及び新規組成物に関し、特に超音波画像化、
医薬送達または化学療法薬送達、及び診断アッセイ並びに検出系の改良法で有用
なかかる系及び組成物に関する。
【0002】 従来、超音波画像化に関して、「気泡(bubble)」技術に基づく超音波造影剤は
、タンパク質(Feinsteinら、J.Am.Coll.Cardiol.1990年;16巻:316〜324頁及び
Kellerら、J.Am.Soc.Echo.1989年;2巻:48〜52頁)、多糖類(Cordayら、J.Am.C
oll.Cardiol.1984年;3巻:978〜85頁)、生分解性ポリマー(Schneiderら、Inve
st.Radiol.、1993年;27巻:134〜139及びBichonら、欧州特許出願第890810367.
4号:1990年)または脂質(D'Arrigoら、J.Neurormag、1991年:1巻:134〜139頁
;Simonら、Invest.Radiol.、1992年:27巻:29〜34頁;及びUngerら、Radiolog
y、1992年;195巻:453〜456頁)に被包された気体によって音響的インピーダン
ス不整合を起こすことが示されているが、標的化組織、表面または基質の音響的
特性で得られた変化を利用して音響的造影剤または画像化剤の部位特異的標的化
を行った実験の証拠は知られていない。標的化目的に関しそのような薬剤を改良
することに関しては、文献に多くの方法が記載されているにもかかわらず、結果
は得られなかったが、このような過去の標的化アプローチでの失敗は、この薬剤
の化学的性質、生成プロセスの制約または粒子不安定性によるのかもしれない。
【0003】 脂質エマルション(Fink etpら、Ultrason,Imaging、1985年、7巻:191〜197
頁)、リポソーム(Lanzaら、J.Am.Coll.Cardiol.、1992年(要約);19巻(3補追A)
114A頁)及び、パーフルオロカーボンエマルション(Mattreyら、Radiology、1982
年;145巻:759〜762頁及びMattreyら、Ultrasound Med.1983年;2巻:173〜1
76頁)などの非気体(nongaseous)音響造影剤が記載されてきた。上記に議論され
た造影剤では、部位標的化エマルションまたはリポソームについては報告されて
いない。やはり、ここにも報告できていないのは、この粒子の不安定性、プロセ
ス不適合性(process incompatibility)または造影剤の化学的性質が影響してい
るらしい。脂質エマルションは上記Finkらによって評価されたが、肝臓の画像化
研究において適切なエコー発生性を示さなかった。上記Lanzaらにより記載され
たリポソームの独特な化学形成では、標的化可能な超音波コントラストとなる潜
在性をもつことが示唆されたが、今日までそのようなことは示されていない。パ
ーフルオロカーボンエマルション、Perflubron(パーフルオロオクチルブロミド
、P100)及びFlusol(パーフルオロデカリン及びパーフルオロトリプロピルアミン
、F20)を超音波造影剤として使用し、これらが肝臓、脾臓及び腫瘍部位でのエマ
ルション粒子の食作用性取り込みに続いてこれらの部位に蓄積することが報告さ
れた(Mattreyら、1983年、上記)。これらのパーフルオロカーボンエマルション
は、ドップラーシグナルを増強し、内腔を不透明化するともいわれている。造影
剤として使用するためのフルオロカーボン及びフルオロカーボンエマルションは
、米国特許第4,927,623号、同第5,077,036号、同第4,838,274号、同第5,068,098
号、同第5,114,703号、同第5,362,477号、同第5,362,478号、同第5,171,755号、
同第5,304,325号、同第5,350,571号及び同第5,403,575号に開示されている。し
かしながら、リガンド標的化音響造影系としてのパーフルオロカーボンエマルシ
ョンについては全く報告されていない。
【0004】 生物医学的な超音波における組織または臓器標的化に関する従来の記載では、
構造組織異常の中の、またはその周囲の音響的反射性粒子の堆積に言及している
。組織病理学の局部音響増強化(たとえば、悪性腫瘍)はリガンド−方向性ではな
く、むしろ正常組織と悪性組織(腫瘍)との間のクリアランス及び/または粒子摂
取の示差動的速度(differential dynamic rate)に依存していた。このような
造影剤は、水溶液(Ophirら、Ultrason.Imaging、1979年、1巻:265〜279頁;Op
hirら、Ultrasound Med.Biol.、1989年、15巻:319〜333頁及びTylerら、Ultra
son.Imaging、3巻:323〜329頁)、エマルション(Finkら、Ultrason.Imaging、1
985年、7巻:191〜197頁)、及び懸濁液(Mattreyら、1982年、上記及びMattrey
ら、Radiology、1987年、163巻:339〜343頁)に配合されてきた。音響的に反射
性のリポソームで標的化するリガンド−方向性超音波造影剤の将来性が示唆され
たが、この概念がうまく応用されたかについては報告されていない(Lanzaら、19
92年、上記及びValentiniら、J.Am.Coll.Cardiol.、1995年、25巻:16A)。粒子
のin vivo標的化に対する先の試みには、種々の方法(たとえば、Torchlinら、B
iochem.Biophys.Res.Commun.、1978年、85巻:983〜990頁;Endohら、J.Immunol
.Methods.、1981年、44巻:79〜85頁;Hashimotoら、J.Immunol.Methods.、1983
年、62巻:155〜162頁及びMartinら、Biochemistry、1981年、20巻:4229〜4238
頁)による小胞(vesicle)へのリガンド(たとえば、モノクローナル抗体)の直接結
合(direct conjugation)も挙げられていた。
【0005】 ペプチド、炭水化物または核酸などの分子成分(molecular moiety)が検出で
きる超音波造影系として適用でき、その使用が液相系及び固相系並びに細胞培養
における超音波ベースのELISA-様研究室診断アッセイ;電気泳動、クロマトグラ
フィー及びハイブリダイゼーション検出系から、慣用の超音波画像化法を使用す
る患者での血栓、感染、ガン及び亀裂骨折の検出に及ぶことができる、リガンド
に基づく結合系(ligand-based binding system)の新規且つ改良された方法論
が求められている。
【0006】 発明の概要 本発明のいくつかの目的の中でも、in vivoまたはin vitroで分子エピトー
プまたは表面に脂質カプセル化粒子(lipid encapsulated particle)をリガン
ドに基づき結合させるための新規方法の提供;前記リガンドがアビジン−ビオチ
ン相互作用を介して脂質カプセル化粒子に結合し、得られた結合体が表面の分子
エピトープに結合する方法の提供;超音波画像化のための生物学的表面の音響反
射率を増強するのに有用なかかる方法の提供;形成した結合体が、X−線、超音
波、磁気共鳴またはポジトロンエミッショントモグラフィによる画像化に効果的
であるこの種の方法の提供;生物学的表面の超音波画像化で使用するため及びそ
のような表面の音響反射率を増強するための組成物の提供;本発明のリガンドに
基づく結合系を介して所望の部位または生物学的表面に結合すると非常に反射が
強くなる超音波造影剤の提供;並びに病理学的プロセスの改良及び特異的識別の
ための組織表面の音響特性を変えたり、標的化し得るそのような方法及び組成物
の提供について言及する。他の目的の一部は明らかであり、一部は以下に示す。
【0007】 手短に言えば、もっとも広い態様では、本発明は、in vivoまたはin vitro
で表面上の分子エピトープに脂質カプセル化粒子をリガンドに基づき結合させる
ための方法であって、(a)ビオチン活性化剤で活性化させた部位−特異的リガン
ド;(b)アビジン活性化剤;及び(c)ビオチン活性化剤で活性化させた脂質カプセ
ル化粒子を順次投与することを含み、これによって前記リガンドがアビジン-ビ
オチン相互作用を介して前記粒子に結合して、得られた結合体がかかる表面上の
分子エピトープに結合する、前記方法に関する。前記結合体(conjugate)は、X
−線、超音波、磁気共鳴またはポジトロンエミッショントモグラフィにより画像
化するのに効果的である。より具体的な態様では、本発明は、上記成分を順次投
与し、それによって得られた結合体が自然表面または合成表面に結合して超音波
画像化のためにその音響反射率を増強させることにより生物学的表面の音響反射
率を増強させる方法に関する。また、本発明は、そのような表面の超音波画像化
で使用するため、及びその音響反射率を増強させるための組成物にも関する。
【0008】 好ましい態様の説明 本発明により、広く適用できるリガンドに基づく結合系は、(a)ビオチン活性
化剤で活性化させた部位−特異的リガンド;(b)アビジン活性化剤;及び(c)ビオ
チン活性化剤で活性化させた脂質カプセル化粒子を順次投与し、これによって前
記リガンドがアビジン-ビオチン相互作用または複合体形成によって前記脂質カ
プセル化粒子粒子に結合して、得られた結合体が表面上の分子エピトープに結合
することにより、in vivoまたはin vitroで表面上の分子エピトープに脂質カ
プセル化粒子をリガンドに基づき結合させることによって達成される。本発明の
リガンドに基づく結合系は、アビジン及びビオチンと複合体形成したか、または
結合した特異的なリガンドプローブ(たとえば、抗体または抗体フラグメント)で
、ペプチド、炭水化物または核酸などの分子成分を検出することができる。後者
(ビオチンを用いる系)は、脂質カプセル化粒子(たとえば、ビオチン化脂質被包
性エマルションまたはリポソーム)によって実施することができる。本発明の脂
質-ベースの結合系は、超音波造影剤系、液相及び固相系並びに細胞培養におけ
る超音波ベースのELISA-様研究室診断アッセイ、電気泳動、クロマトグラフィー
及びハイブリダイゼーション検出系で使用することができ、慣用の超音波画像化
法を使用して患者の血栓、感染、ガン及び亀裂骨折の検出にも使用することがで
きる。本発明は、所望の部位で繰り返し画像化することによって治療処置の経過
のモニターが可能なことに加えて結合系の特異性により、所望の部位に化学療法
剤または薬剤を送達することにより治療目的に応用することもできる。この点で
、アビジン-ビオチン相互作用または複合体形成によって脂質カプセル化粒子に
リガンドを上記の如く結合させることは、X−線、超音波、磁気共鳴またはポジ
トロンエミッショントモグラフィによる画像化に効果的である。
【0009】 本発明の一態様では、(a)ビオチン活性化剤で活性化させた部位−特異的リガ
ンド;(b)アビジン活性化剤;及び(c)ビオチン活性化剤で活性化させた脂質カプ
セル化粒子を順次生物学的表面に投与し、これによって前記リガンドがアビジン
-ビオチン相互作用を介して前記脂質カプセル化粒子に結合し、得られた結合体
が前記生物学的表面上に結合して、超音波画像化用にその音響反射率を増強させ
ることにより、生物学的表面の反射率を増強する方法を提供する。この新規トリ
・フェーズ・アプローチではアビジン−ビオチン相互作用を利用して、音響的脂
質カプセル化粒子とは別に標的化リガンドを投与する。本発明の方法の具体的な
適用において、ビオチン化リガンドを最初に患者に全身的に投与して、注目する
組織または生物学的表面を予備標的化し、結合率を最適化するのに必要な時間ま
たは十分な時間、循環させる。第二のフェーズでは、アビジンを投与し、循環さ
せて、標的組織または表面についたビオチン化リガンドと、任意の残存する遊離
循環リガンドとに結合させる。アビジン架橋は標的組織または表面上のリガンド
の安定性及び結合活性を増強し、同時に細網内皮系組織を介してアビジン−リガ
ンド複合体の循環の迅速な清浄化を促進する。第三のフェーズでは、前記ビオチ
ン化脂質カプセル化粒子を投与し、空き(unoccupied)ビオチン結合部位を介して
アビジンに結合させて、前記標的化組織表面に強い音響コントラストを与える。
アビジンとビオチン化脂質カプセル化粒子を繰り返し順次投与すると、前記標的
化表面に結合した脂質カプセル化粒子の音響コントラスト効果を増幅することが
できる。
【0010】 本発明の実施では、使用するリガンドは、モノクローナル抗体またはポリクロ
ーナル抗体、ウイルス、化学療法薬、受容体アゴニスト及びアンタゴニスト、抗
体フラグメント、レクチン、アルブミン、ペプチド、ホルモン、アミノ糖、脂質
、脂肪酸、核酸並びに、自然源または合成源から製造または単離した細胞により
構築することができる。端的に言えば、本発明の粒子によって検出する任意の分
子エピトープまたは受容体に関して、任意の部位−特異的リガンドを使用するこ
とができる。
【0011】 前記リガンドは、ビオチン活性化剤で活性化することができる。本明細書中で
使用するように、「ビオチン活性化剤」または「ビオチン化:biotinylated」な
る用語は、ビオチン、ビオシチン及び他のビオチン類似体、たとえばビオチンア
ミドカプロエートN−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ビオチン4-アミド安
息香酸、ビオチンアミドカプロイルヒドラジド並びに他のビオチン誘導体及び結
合体が挙げられる。他の誘導体としては、ビオチン−デキストラン、ビオチン−
ジスルフィド-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、ビオチン-6-アミドキノリ
ン、ビオチンヒドラジド、d-ビオチン-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、
ビオチンマレイミド、d-ビオチンp-ニトロフェニルエステル、ビオチン化ヌクレ
オチド及びビオチン化アミノ酸、たとえばNε-ビオチン1-リジンが挙げられる。
【0012】 第二のフェーズでは、既に述べたように、アビジン活性化剤を投与する。本明
細書中で使用するように、「アビジン活性化剤」または「アビジン化」なる用語
は、アビジン、ストレプトアビジン及び他のアビジン類似体、たとえば、ストレ
プトアビジンまたはアビジン結合体、アビジンまたはストレプトアビジンの高精
製及び分画化種、並びに非−アミノ酸変異体または一部アミノ酸変異体、ビオチ
ン結合を適応させるアミノ酸または化学置換基をもつ化学的に合成したアビジン
類似体または組換え体を含むものとする。
【0013】 第三のフェーズで使用した脂質カプセル化粒子または造影剤は、たとえば、気
体、液体または固体を含有し得るビオチン化エマルションまたはリポソームによ
って構築することができる。具体例では、脂質カプセル化粒子はパーフルオロカ
ーボンエマルションから構築することができ、前記エマルション粒子は、誘導天
然または合成リン脂質、脂肪酸、コレステロール、リポリピド(lipolipid)、ス
フィンゴミエリン、トコフェロール、糖脂質、ステアリルアミン、カルジオリピ
ン、エーテル若しくはエステル結合脂肪酸またはポリマー化脂質などのビオチン
化脂質適合性部分を外部コーティングに組み込んでいる。かくして、脂質カプセ
ル化粒子から構成されるビオチン化造影剤は、ビオチン化ホスファチジルエタノ
ールアミンをパーフルオロカーボンエマルションの外部脂質単分子層に組み込む
ことにより製造することができる。
【0014】 パーフルオロカーボンエマルションは、生物医学的用途及び本発明の粒子で使
用するのに特に適している。これらは、安定で、生物学的に不活性であることが
知られており、経肺胞状蒸発(trans-pulmonic alveolae evaporation)により
迅速に代謝される。さらに、これらは小さな粒径なので、容易に経肺通過するこ
とができ、循環半減期(circulatory half-life:4〜8時間)は他の薬剤の半減
期を好都合に上回る。また、パーフルオロカーボン類は、人工血液代替物として
の使用を含む、広範な種類の生物医学的用途で今日まで使用されてきた。本発明
での使用に関しては、前記フルオロカーボン類がフルオロカーボン−炭化水素、
パーフルオロアルキル化エーテル、ポリエーテルまたはクラウンエーテルである
ようなものを含む種々のフルオロカーボンエマルションを使用することができる
。有用なパーフルオロカーボンエマルションとしては、米国特許第4,927,623号
、同第5,077,036号、同第5,114,703号、同第5,171,755号、同第5,304,325号、同
第5,350,571号、同第5,393,524号及び同第5,403,575号に開示されており、前記
パーフルオロカーボン化合物がパーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロデ
カリン、パーフルオロオクチルブロミド、パーフルオロジクロロオクタン、パー
フルオロデカン、パーフルオロトリプロピルアミン、パーフルオロトリメチルシ
クロヘキサンまたは他のパーフルオロカーボン化合物であるような化合物も挙げ
られる。さらに、そのようなパーフルオロカーボン化合物の混合物も、本発明の
実施で使用するエマルションに配合することができる。本発明で有用なパーフル
オロカーボンエマルションの具体例としては、その前記脂質コーティングが、約
50〜99.5モルパーセントのレシチン、好ましくは約55〜70モルパーセントのレシ
チン、0〜50モルパーセントのコレステロール、好ましくは約25〜45モルパーセ
ントのコレステロールと、約0.5〜10モルパーセントのビオチン化ホスファチジ
ルエタノールアミン、好ましくは約1〜5モルパーセントのビオチン化ホスファ
チジルエタノールアミンを含む、パーフルオロジクロロオクタンエマルションが
挙げられる。ホスファチジルセリンなどの他のリン脂質もビオチン化することが
でき、ステアリルアミンなどの脂肪アシル基はビオチンに結合させることができ
、またはコレステロール若しくは他の脂肪溶解性薬品はビオチン化し、脂質カプ
セル化粒子用の脂質コーティングに配合することができる。本発明の実施で使用
するための例示的なビオチン化パーフルオロカーボンの製造については、公知方
法に従って以下に記載する。
【0015】 前記脂質カプセル化粒子をエマルションではなくリポソームにより構築する場
合、そのようなリポソームは通常、文献記載のように製造することができる[た
とえば、Kimelbergら、CRC Crit.Rev.Toxicol.6巻、25頁(1978年)及びYatvin
ら、Medical Physics、9巻、2号、149頁(1982年)を参照されたい]。リポソー
ムは当業界で公知であり、通常、レシチン及びステロール類、卵ホスファチジル
コリン、卵フォスファチジン酸、コレステロール及びアルファ-トコフェノール
などの脂質物質を含む。
【0016】 パーフルオロカーボンエマルションまたはリポソームにより構築された脂質カ
プセル化粒子の粒径に関しては、この粒径は約0.05〜5ミクロン、好ましくは約
0.05〜0.5ミクロンを変動し得る。大きな粒子よりも長期にわたって循環し、よ
り安定傾向があるので、小さなサイズの粒子が好ましい。
【0017】 既に記載したように、前記リガンドは、アビジン-ビオチン相互作用を介して
前記脂質カプセル化粒子またはパーフルオロカーボンエマルションに結合する。
前記リガンドは、直接若しくは介在化学基を介して間接的にエマルションに結合
することができるか、または直接若しくはアルカンスペーサー分子若しくは他の
炭化水素スペーサーなどの介在化学基を介して間接的にビオチンまたはビオチン
類似体に結合することもできる。前記リガンドとビオチンとの間、またはビオチ
ンと前記エマルションとの間にスペーサー分子を使用することは必須ではないが
、ビオチンがアビジンにより結合し易くなる。
【0018】 既に記載したように、前記脂質カプセル化粒子または小胞(vesicle)を構築す
る前記エマルションまたはリポソームは、気体、液体または固体を含むことがで
きる。前記気体は窒素、酸素、二酸化炭素またはヘリウムであることができ、た
とえば、上記エマルションのフルオロカーボン成分から放出されたものであって
もよい。
【0019】 あるいは、あまり好ましくはないが、本発明の前記リガンドに基づく結合法は
、ビオチンまたはアビジン活性化剤で活性化された部位-特異性リガンドと、ビ
オチンまたはアビジン活性化剤で活性化された脂質カプセル化粒子とを順次投与
することによって実施することができ、ビオチン活性化剤は、第一段階でアビジ
ン活性剤を使用する時に使用し、アビジン活性化剤は、第一段階でビオチン活性
化剤を使用する時に使用する。パーフルオロカーボンエマルションに前記リガン
ドを直接結合させることは、エマルション造影剤のin vivo浄化を加速させてし
まい得るので、あまり好ましくない。
【0020】 本発明の実施において、上記超音波造影剤の個々の成分は反射性が弱いか、ま
たは血流中ではエコー発生性が低いが、前記リガンド−アビジン−エマルション
複合体を所望の部位または生物学的表面でin vivoで形成したときには反射性が
高くなって、超音波画像化のためにその音響反射率を実質的に増強することが意
外にも知見された。このことは血流中で本質的に明るいか反射率が高い従来公知
の音波検査器造影剤とは非常に対照的である。血液中で脂質カプセル化粒子から
の背景コントラストが最小なので、本発明により達成される優れた音響反射率に
より、シグナル対ノイズ比を増強できるという利点がある。かくして、本発明は
、in vivoまたはin vitroで標的化することができ、かつ特定の所望の部位に
結合させた時に、少なくとも5〜5Hzの周波数範囲(公称中心周波数は、これら
がブロードバンド変換器であるという知見に基づき広範囲を変動できる)内で生
物医学的及び診断用途に好適な超音波変換器で検出可能な方法で、組織表面また
は支持体の音響反射率を変動させることができる、音響造影剤を形成する改良非
侵襲的方法を提供する。本発明の方法は、標準的な市販の超音波方法を使用しつ
つ、種々の臨床用途において侵襲的方法を任意に使用するイオン化放射線を使用
する必要なく、ビオチン化モノクローナル抗体または他のリガンドが利用可能な
任意の分子エピトープまたは受容体を検出するための実際的な手段を好都合に提
供する。本発明は、従来法のように血流を表すために、むしろ特異的な結合部位
の造影剤の集積を感知することによって生理学的及び病理学的事象を検出するた
めに、超音波造影系も薬剤も使用しない。
【0021】 液相系及び固相系において超音波−ベースのELIZA-型研究室診断アッセイなど
の診断アッセイに本発明を適用する場合、分子エピトープに脂質カプセル化粒子
をリガンドに基づき結合させる表面は、たとえば、ナイロン、ニトロセルロース
膜またはゲル並びに生物学的表面であることができる。
【0022】 本発明のリガンドに基づく結合系を適用して、超音波画像化と組み合わせた化
学療法薬または遺伝子治療送達系(delivery system)を提供することができる。
たとえば、組織プラスミノーゲン活性化因子、アドリアマイシン、ビンクリスチ
ン、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、メトトレキセート、シタラビン、チオ
グアニン、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、シスプラチン、エトポシド(e
toposide)、イフォスファミド、アスパラギナーゼ(asparginase)、デオキシコホ
ルマイシン(deoxycoformycin)、ヘキサメチルメラミン及び放射性薬剤などの化
学療法薬または免疫活性薬を前記脂質カプセル化粒子に配合し、治療行為をする
具体的な生物学的表面部位に結合した結合体の一部とすることができる。本発明
は、前記部位における治療の経過をモニターするため、及び前記部位に実質的に
方向つけた治療薬の用量を所望通り調節するために、前記部位を好都合に超音波
的に画像化することもできる。かくして、本発明は、慣用の超音波画像系を使用
しながら、患者の血栓、感染、ガン及び亀裂骨折の検出及び治療的処置のための
非侵襲的手段を提供する。
【0023】 さらに、既に示したように、本発明は、前記表面に放射性薬剤または化学的成
分を加え、及び/または前記部分をエマルション内部に配合することによって、
核医学画像化(nuclear medicine imaging)に適用することができる。これらの
薬剤は、添加した単数または複数の成分がさらに画像化及び/または治療的特徴
または可能性を与えるリガンドによって特異的に標的化される部位に輸送され、
濃縮化することができる。テクネチウム-99m(99mTc)並びに、インジウム、ガリ
ウム、タリウム及びヨウ素などの公知の他の放射性成分をキレート化し、本発明
に従って核画像化するために脂質被包性エマルションに適用することができる。
かくして、たとえば99mTc-過テクネチウム酸塩は直接エマルションにうまく配合
することができ、これは単純な水溶液を注射する場合よりも10倍も優れた99mTc
貯留時間をもつことが知見された。
【0024】 テクネチウム-99mなどの放射性核種は、ヒトの診断画像化に関しては赤血球(V
orneら、Clin Nucl Med 1992年;17巻:14〜17頁;Suzmanら、Ann Surg 19
96年;224巻:29〜36頁及びNgら、Dis Colon Rectum、1997年;40巻:471〜7
頁)及び白血球(Mortelmansら、J.Nucl.Med.、1989年;30巻:2022〜2028頁;及
びVinjamuriら、Lancet.、1996年;347巻:233〜235頁)並びに、より実験的ベー
スではリポソーム(Umbrainら、Br.J.Anaesth.、1995年;75巻:311〜318頁;及
びUmbrainら、Acta Anaesthesiol Scand、1997年;41巻:25〜34頁)などの脂
質表面に日常的に結合されている。もっとも一般的な試みとしては、脂質膜に99 m Tcを固定するために、塩化亜鉛(II)またはスタナスオキシネート(stannous ox
inate)を使用することが挙げられる(Umbrainら、Br J Anaesth.、1995年;75
巻:311〜318頁)。もっとも最近では、99mTc-ヘキサメチル−プロピレンアミン
オキシム(99mTc-HM-PAO)は、親油性キレート化剤(chelator)として人気があり、
細胞膜を介して拡散することができ、現在では、ヒト脳腫瘍画像化及び白血球/
赤血球標識用途で認可され日常的に使用されている(Mortelmansら、J Nucl Me
d、1989年;30巻:2022〜2028頁;及びUmbrainら、Acta Anaesthesiol Scand
、1997年;41巻:25〜34頁)。今日まで、どの研究者も、リガンド-標的化診断画
像化及び/または治療用途に関してエマルションに99mTcなどの放射性核種を結合
させたり配合することに関して報告していない。
【0025】 以下の実施例は、本発明の実施を例示するものである。実施例1 超音波画像診断に使用するビオチン化した脂質でカプセル化したペルフルオロ
ジクロロオクタンのエマルションの調製手順は以下のとおりである。
【0026】 ビオチン化した脂質ペルフルオロジクロロオクタン(PFDCO)エマルションは
、次の構成成分を含む:PFDCO(40%v/v)、ベニバナオイル(2.0%w
/v)、界面活性剤の混合物(2.0%w/v)およびグリセリン(1.7%w
/v)。界面活性剤の混合物は、約64モル%のレシチン、35モル%のコレス
テロールおよび1モル%のN−(6−ビオチノイル)アミノ)ヘキサノイル)ジ
パルミトイル−L−アルファ−フォサチジルエタノールアミンから成る。これら
の構成成分を、計量して試験管に入れ、クロロホルムに溶かす。クロロホルムを
物質から取り除き、結果として得られた界面活性剤の混合物を50℃の真空下乾
燥室で一晩乾燥する。混合物を音波処理により水に分散し、リポゾームサスペン
ションを得る。サスペンションをPFDCOおよびオイルとともに30mLのキ
ャパシティーブレンダーカップ(Dynamics Corporation of America, New Hartf
ord, CT)に移す。混合物を30から60秒ブレンドして、プレエマルションと
する。プレエマルション化したサンプルをマイクロフリューダイザー、モデルS
110(Microfluidics, Newton, MA)のリザーバに移し、10,000psi
で3分間エマルション化する。均質化過程においてエマルションを過度に加熱さ
せないように、工程中はマイクロフリューダイザーのシアーバルブおよびミキシ
ングコイルを室温で水浴中につける。エマルションの最終温度はおよそ35℃で
ある。最終的に得られたエマルションを10mLの血清バイアルにつめ、窒素ガ
スでガスシールし、ストッパー/クリンプシールでシールする。最終産物の平均
的な粒子の大きさを、レーザー光散乱粒子計(Brookhaven Instruments Corporat
ion, Holtsville, NY)で計測すると、250nmである。実施例2 ビオチン化したフォスファチジルエタノールアミンを脂質で単層カプセル化し
たペルフルオロカーボンエマルションへ結合させる方法は実施例1に記載の方法
で調製され、滴定されたアビジン(Pierce, Rockford, IL 61105)濃度の存在下、
集合体の粒子の大きさを増加させることが示される。同様に調製されたコントロ
ールエマルションは、ビオチン化していないフォスファチジルエタノールアミン
を外層が脂質の単層であるペルフルオロカーボンのエマルションに結合させて調
製する。アビジンを等張リン酸バッファー生理食塩水(PBS, Fisher Inc., Fair
Lawn, NJ)に再懸濁する。ポリスチレンキュベット内に、PBS、ビオチン化し
たまたはコントロールのペルフルオロカーボンのエマルション(20μl)およ
びアビジンを含む3.0mlの反応混合物を0.0、0.5、1.0、1.5ま
たは2.0μg/mlに調製する。内容物を静かに反転させて混合し、室温で3
0分反応させる。エマルションの粒子の大きさを37℃でBrookhaven BI-90粒子
サイズ分析計(Holtsville, NY)を用いて3回測定する。ビオチン化エマルション
の集合体の粒子の大きさはベースライン値の263±2.54nmから次第にア
ビジン濃度の増加とともに増加して2000nm以上となった(図1)。アビジ
ン濃度が2.0μg/mlを超えた時に、著明な凝集および沈降が記録される。
コントロールエマルションの粒子の大きさは、直径が234±3.81nmであ
り、反応混合物に2.0μgのアビジンを加えても、粒子の大きさに何の影響も
与えない。これらの結果より、ビオチン化したフォスファチジルエタノールアミ
ンは外層が脂質の単層であるペルフルオロカーボンのエマルションに適切に適合
し、表面ビオチンは媒質中のアビジンに十分に利用可能な状態にあるということ
がはっきりと示される。アビジン分子上の複数のビオチン結合部位は、エマルシ
ョン表面の複数のビオチン残余物と同様に、インビトロで急速な粒子の複合体形
成を進展させる。実施例3 直径がおよそ250nmの低独立性音圧反射性のビオチン化したペルフルオロ
カーボンのエマルション粒子は溶液中のアビジンと複合して集合体を形成し、エ
コー発生性を高める。前述のように調製したビオチン化したおよびコントロール
のペルフルオロカーボンエマルション(200μl)をPBS(15ml)中に
希釈し、透析チューブ(Spectra/Por 4, 25mm, MWCO 12,000-14,000, Spectrum M
edical Industries, Inc., Los Angeles, CA)内に置いて、7.5MHzにフォ
ーカスされたトランスデューサーおよびHewlett Packard(HP) Sonos 2500 Phase
d Array Imaging System (Andover, MA)を用いて、室温でPBS水浴内で、超音
波画像診断を行う。リアルタイムの画像は連続した画像分析用にSVHSのビデ
オテープに記録する。ピクセルグレイスケールおよび均質性は、NIHイメージ
1.47(National Institutes of Health)を用いて、選択されたフリーズ−フ
レームイメージで評価する。アビジン(30μg/ml)を各エマルションサス
ペンションに加え、静かに反転させて混合し、30分間複合体形成させる。エマ
ルションサスペンションは光学的に不透明であるが、アビジン添加前は超音波で
検出されない。ビオチン化したペルフルオロカーボンエマルションの複合体形成
はアビジン添加とともに急速に起こり、白色の凝集した沈殿物がすぐに現れる。
アビジンは、コントロールのエマルションサスペンションに何の変化も引き起こ
さない。サスペンションの音波処理により、ビオチン化したペルフルオロカーボ
ンのエマルション粒子は透析チューブを不透明にすることが明らかとなる;一方
、コントロール粒子は音圧的に評価されない(図2)。アビジン添加前および添
加後のコントロールおよびビオチン化エマルションサスペンションのフリーズ−
フレームイメージのグレイスケールエコー強度分析については図3および4に要
約する。アビジン添加前のピクセルグレイスケールレベル(2.2±4.4)と
比較したビオチン化エマルション(71.3±22.1)サスペンションの増加
した平均グレイスケールレベルは音圧的増大が得られたことを示す。コントロー
ルエマルションの平均ピクセルグレイスケールレベルは、アビジン添加前(3±
7.33)および添加後(1.0±1.3)で同レベルである。これらの結果よ
り、集合したビオチン化粒子の増大したエコー発生性と比較して、独立した粒子
として画像化した際のペルフルオロカーボンの低音圧反射性が示される。アビジ
ン存在下のコントロールエマルションサスペンションで音圧的変化が認められな
かったことより、ビオチン化エマルションのリガンド特異性が確認される。実施例4 直径がおよそ250nmビオチン化したペルフルオロカーボンエマルションは
、特異的に、修飾したニトロセルロース膜に共有結合したアビジンに標的送達し
、高超音波周波数(30から60MHz)での膜表面の音圧反射性を高める。簡
単に言えば、ニトロセルロース膜(S+S NC(登録商標), Schleicher & Schuell,
Keane, NH)を、Masson et al.(Electrophoresis 1993, 14, 860-865)記述のジ
アミノヘキサン(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)スペーサーおよびグルタ
ルアルデヒド(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)による活性化を用いてアビ
ジンに結合させる。ニトロセルロースディスク(直径2cm)を、脱イオン水に
溶解した2.5%のジアミノヘキサンに絶えずゆっくりと回転して攪拌しながら
60分間浸す。膜を1M酢酸で6−7時間洗浄し、続いて絶えず攪拌しながら1
8時間以上脱イオン水で洗浄する。膜を0.1M重炭酸ナトリウムバッファー、
pH10.0中の1%グルタルアルデヒドに15分間置き、続いて脱イオン水で
3時間洗浄する。ニトロセルロース膜を使用時まで4℃で乾燥して保存する。保
存は3日間を越えてはならない。
【0027】 50μlのアビジン(250μg)をマイクロリットルシリンジで六つの膜の
中心に滴下してスポットし、乾燥する。それぞれの膜をPBS中0.1%のTw
een−20(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)で広範囲にわたって洗浄し
、続いてPBS中に溶解した3%のウシ血清アルブミン(BSA、結晶体、Sigm
a Chemical Company, St. Louis, MO)−0.1%Tween20に20分間置
き、ディスク周囲の非特異性タンパク結合部位をブロックする。BSAによるブ
ロックの後、各ディスクをPBSで広範囲に洗浄し、4mlPBS中に懸濁化し
た300μlのビオチン化したまたはコントロールのペルフルオロカーボンエマ
ルションのいずれかに20分間置く。非結合型のエマルションは一連のPBS洗
浄で取り除く。各ディスクをアビジンおよびコントロールまたはビオチン化エマ
ルションに再曝露して、ニトロセルロース膜表面を確実に飽和して取り囲む。ニ
トロセルロースディスクを洗浄し、音波顕微鏡検査による画像診断に使用するま
でPBS中に4℃で保存する。
【0028】 音波顕微鏡検査による画像診断のために、各ニトロセルロースディスクを、中
央に2×2cmの窓が空いたポリスチレンホルダー内の磨いたステンレススチー
ルプレートの上に平らに置く。固定した標本を超音波処理のために周囲温度でP
BSに浸す。パルス−エコーモードで操作した50MHz(公称周波数)ブロー
ドバンドのフォーカスされた圧電性の遅延線トランスデューサー(直径1/4イ
ンチ、焦点距離1/2インチ、Model V390, Panametrics Co., Waltham, MA)を
利用するカスタムデザインの音波顕微鏡を音波処理に使用する。後方散乱放射周
波数(RF)データを集め、8ビットの解像度のTektronix DSA6
01デジタルオシロスコープ(Beaverton, OR)を利用して毎秒500メガサンプ
ルでデジタル化する。バリアブルゲインシステム(variable gain
system)を用いて、このデジタル化装置の有効なダイナミックレンジを
増加させる。放射周波数データは100ミクロンのラテラルステップ(late
ral step)解像度の各領域からのおよそ100の独立したサイトから得
られる。
【0029】 放射周波数のピーク検出スキャンデータをグレイスケール(0=最小値スキャ
タリング、255=最大値スキャタリング)マップに変換し、統合した後方散乱
分析の領域のための選択をさせる。放射周波数(RF)の超音波データはラスタ
ースキャンフォーマットに保存し、カスタムソフトウエアで分析する。RFライ
ンのセグメントは統合した後方散乱分析用にゲート(gate)され、ニトロセ
ルロースディスクの前方および後方表面を取り囲む。データは角窓から数回とら
れ、第一フーリエ変換によってパワースペクトルを測定する。ほとんど完全なス
チールプレーナリフレクターおよびトランスデューサー(30から60MHz)
の有用な帯域幅での周波数−依存型後方散乱トランスファー機能からのパワース
ペクトルに関連した標本からのパワースペクトルを測定し、ほとんど完全なスチ
ールプレートリフレクター(Wong et al., Ultrasound in Med & Biol. 1993; 19
: 365-374)からの音圧散乱に関するデシベルで表す。統合した後方散乱(IB)
はトランスデューサーの有用な帯域幅での周波数−依存型後方散乱トランスファ
ー機能の平均値として計算される。
【0030】 ビオチン化したペルフルオロカーボンエマルションでインキュベートしたディ
スクは、同ディスクの周辺(すなわちバックグラウンド)領域と比較して中心領
域に高い音圧散乱が認められる。コントロールエマルションでインキュベートし
たニトロセルロースディスクには中心の高い散乱領域は認められず、音圧特性に
おける差もディスクの中心および周辺領域間のRF値の変化によって検出されな
い。中心に配置したビオチン化エマルション領域のIB(−17.8±0.2d
B)はコントロールディスクの類似領域のIB(−24.1±0.2dB)より
6.3±0.1dB(4倍)大きい(p<0.05)。ビオチン化したおよびコ
ントロールのエマルションディスク内のアビジンでスポットした領域からの見か
け後方散乱トランスファー機能(平均値±SEM)の周波数−依存型偏差を図5
に示す。平坦で一貫して大きな音圧反応が、結合型のビオチン化エマルションに
より周波数スペクトル全体で記録される。これらの結果より、ビオチン化したペ
ルフルオロカーボンエマルションは特異的に表面結合型抗原へ標的送達し、劇的
に表面の音圧反射性を媒質(bathing medium)中で変化させて、
高周波数における超音波後方散乱力を増加させるという有効性が示される。実施例5 ビオチン化したペルフルオロカーボンエマルション(直径250nm)は、特
異的に、ビオチン化した抗−D−ダイマーF(ab)フラブメント−アビジン複合体
を利用した修飾型ニトロセルロース膜に共有結合したD−ダイマーに標的送達し
、表面からの音圧反射力を著明に増加させる。前述の実施例4で述べたように、
ジアミノヘキサンスペーサーアームで修飾し、およびグルタルアルデヒドで活性
化したニトロセルロースディスクにD−ダイマーを共有結合させる。50μgの
D−ダイマーを六つの膜のうちの三つの中心にマイクロリットルシリンジを用い
てスポットし、風乾する。非結合型のD−ダイマーはリン酸バッファー生理食塩
水(PBS)−0.1%Tween−20を用いて膜から徹底的に洗浄する。全
ての膜の非特異的なタンパク結合部位は、PBS中の3%のウシ血清アルブミン
(BSA)−0.1%Tween20で20分かけてブロックし、続いて一連の
PBS洗浄を行う。D−ダイマーをスポットした膜を、4.0mlの3%BSA
中12.5μgのビオチン化した抗−D−ダイマーF(ab)抗体で2時間インキュ
ベートし、PBSバッファーで洗浄して、その後4mlPBS中の250μgの
アビジンで30分間インキュベートする。PBS洗浄で非結合型のアビジンを取
り除いた後、ディスクを4.0mlPBS中のビオチン化したまたはコントロー
ルのペルフルオロカーボンエマルション(300μl)のいずれかに20分間曝
露する。過剰のエマルションをPBSバッファー洗浄により取り除く。ディスク
を上述のようにアビジンおよびペルフルオロカーボンエマルションに再曝露し、
膜は画像診断時まで4℃でPBS中に保存する。
【0031】 音波顕微鏡検査による画像診断のために、各ニトロセルロースディスクをポリ
スチレンホルダー内の磨いたステンレススチールプレートの上に平らに置き、周
囲温度でPBS中に浸し、パルス−エコーモードで操作した50MHz(公称周
波数)ブロードバンドのフォーカスされた圧電性の遅延線トランスデューサー(
直径1/4インチ、焦点距離1/2インチ、Model V390, Panametrics Co., Wal
tham, MA)を利用するカスタムデザインの音波顕微鏡で音波処理する。後方散乱
放射周波数(RF)データを集め、8ビットの解像度のTektronix D
SA601デジタルオシロスコープ(Beaverton, OR)を利用して毎秒500メガ
サンプルでデジタル化する。バリアブルゲインシステム(variable g
ain system)を用いてこのデジタル化装置の有効なダイナミックレン
ジを増加させる。放射周波数データは、100ミクロンのラテラルステップ(l
ateral step)解像度の各領域からのおよそ100の独立したサイト
から得られる。
【0032】 放射周波数のピーク検出スキャンデータをディスクのグレイスケール(0=最
小値スキャタリング、255=最大値スキャタリング)マップに変換し、視覚に
よる検査および統合した後方散乱(IB)分析の領域の選択をさせる。放射周波
数(RF)の超音波データはラスタースキャンフォーマットに保存し、カスタム
ソフトウエアで分析する。RFラインのセグメントは統合した後方散乱分析用に
ゲート(gate)され、ニトロセルロースディスクの前方および後方表面を取
り囲む。データは角窓から数回とられ、第一フーリエ変換によってパワースペク
トルを測定する。ほとんど完全なスチールプレーナリフレクターおよびトランス
デューサー(30から60MHz)の有用な帯域幅での周波数−依存型後方散乱
トランスファー機能からのパワースペクトルに関連した標本からのパワースペク
トルを測定し、ほとんど完全なスチールプレートリフレクター(Wong et al., Ul
trasound in Med & Biol. 1993; 19: 365-374)からの音圧散乱に関するデシベル
で表す。統合した後方散乱(IB)はトランスデューサーの有用な帯域幅での周
波数−依存型後方散乱トランスファー機能の平均値として計算される。
【0033】 ビオチン化した抗−D−ダイマーF(ab)フラグメントは、特異的に、D−ダイ
マーでスポットしたディスクの中心領域に結合し、そのビオチンの半分を介して
アビジンにクロスリンクする。先の例にもあるように、ビオチン化したペルフル
オロカーボンのエマルションは特異的にアビジンが結合した抗体に結合する;一
方、コントロールエマルションの非特異的結合は結合しないので音圧的に検出さ
れない。ビオチン化エマルションでコーティングされたニトロセルロースのIB
(−18.0±0.2dB)はコントロールディスクのIB(−22.6±0.
1dB)より、30から60MHzの周波数域において4.6±0.1dB大き
かった(p<0.05)。ビオチン化したおよびコントロールのエマルションデ
ィスクの見かけ後方散乱トランスファー機能(平均値±SEM)の周波数−依存
型偏差を図6に示す。平坦で一貫して大きな音圧反応が、結合型のビオチン化エ
マルションにより周波数スペクトル全体で記録される。これらのデータより、ア
ビジン単独の場合の実施例4の所見が確認され、さらに特異的な標的送達リガン
ドシステムを介したビオチン化したペルフルオロカーボンエマルションの結合は
著明に固体支持表面の音圧性後方散乱能を高めることが示される。実施例6 ビオチン化したペルフルオロカーボンエマルション(直径250nm)は、特
異的に、ニトロセルロースディスクに結合したアビジンに標的送達し、臨床的に
適切な周波数(5から15MHz)で音波処理されて著明に膜の音圧性後方散乱
能を増加する。簡単に言えば、ニトロセルロース膜(S+S NC(登録商標), Schle
icher & Schuell, Keane, NH)を、Masson et al.(Electrophoresis 1993, 14, 8
60-865)記述のジアミノヘキサン(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)スペーサ
ーおよびグルタルアルデヒド(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)による活性
化を用いてアビジンに結合させる。ニトロセルロースディスク(直径2cm)を
、脱イオン水に溶解した2.5%のジアミノヘキサンに絶えずゆっくりと回転し
て攪拌しながら60分間浸す。膜を移して1M酢酸で6−7時間洗浄し、続いて
絶えず攪拌しながら少なくとも追加の18時間脱イオン水で洗浄を続ける。膜を
0.1M重炭酸ナトリウムバッファー、pH10.0中の1%グルタルアルデヒド
に15分間置く。グルタルアルデヒドによる活性化が完了した後、膜を攪拌しな
がら3時間洗浄する。ニトロセルロース膜を使用時まで4℃で乾燥して保存する
。保存は3日間を越えてはならない。
【0034】 50μlのアビジン(250μg)をマイクロリットルシリンジでニトロセル
ロース膜の中心に滴下してスポットし乾燥させる。それぞれの膜をリン酸バッフ
ァー生理食塩水(PBS)中0.1%のTween−20(Sigma Chemical Co.,
St. Louis, MO)で洗浄し、続いてPBS中に溶解した3%のウシ血清アルブミ
ン(BSA、結晶体、Sigma Chemical Company, St. Louis, MO)−0.1%T
ween20に20分間置き、ディスク周囲の非特異性タンパク結合部位をブロ
ックする。BSAによるブロックの後、各ディスクをPBSで洗浄し、4mlP
BS中に懸濁化した300μlのビオチン化したまたはコントロールのペルフル
オロカーボンエマルションのいずれかに穏やかに回転して攪拌しながら20分間
置く。非結合型のエマルションはPBS洗浄で取り除く。各ディスクをアビジン
に再曝露し、PBSで洗浄し、コントロールまたはビオチン化したペルフルオロ
カーボンエマルションに再曝露し、前述のPBSで再洗浄する。ニトロセルロー
スディスクを音波顕微鏡検査による画像診断に使用するまでPBS中に4℃で保
存する。
【0035】 音波顕微鏡検査による画像診断のために、各ニトロセルロースディスクを、中
央に2×2cmの窓が空いたポリスチレンホルダー内の磨いたステンレススチー
ルプレートの上に平らに置く。固定した標本を超音波処理のために周囲温度でP
BSに浸す。パルス−エコーモードで操作した10MHz(公称周波数)ブロー
ドバンドのフォーカスされた圧電性の遅延線トランスデューサー(直径1/2イ
ンチ、焦点距離2インチ、Model V311, Panametrics Co., Waltham, MA)を利用
するカスタムデザインの音波顕微鏡を音波処理に使用する。後方散乱放射周波数
(RF)データを集め、8ビットの解像度のTektronix DSA601
デジタルオシロスコープ(Beaverton, OR)を利用して毎秒500メガサンプルで
デジタル化する。バリアブルゲインシステム(variable gain s
ystem)を用いて、このデジタル化装置の有効なダイナミックレンジを増加
させる。放射周波数データは250ミクロンのラテラルステップ(latera
l step)解像度の各領域からのおよそ100の独立したサイトから得られ
る。
【0036】 放射周波数のピーク検出スキャンデータをディスクのグレイスケール(0=最
小値スキャタリング、255=最大値スキャタリング)マップに変換し、視覚に
よる検査および統合した後方散乱分析の領域の選択をさせる。放射周波数の超音
波データはラスタースキャンフォーマットに保存し、カスタムソフトウエアで分
析する。RFラインのセグメントは統合した後方散乱分析用にゲート(gate
)され、ニトロセルロースディスクの前方および後方表面を取り囲む。データは
角窓から数回とられ、第一フーリエ変換によってパワースペクトルを測定する。
ほとんど完全なスチールプレーナリフレクターおよびトランスデューサー(5か
ら15MHz)の有用な帯域幅での周波数−依存型後方散乱トランスファー機能
からのパワースペクトルに関連した標本からのパワースペクトルを測定し、ほと
んど完全なスチールプレートリフレクター(Wong et al., Ultrasound in Med &
Biol. 1993; 19: 365-374)からの音圧散乱に関するデシベルで表す。統合した後
方散乱(IB)はトランスデューサーの有用な帯域幅での周波数−依存型後方散
乱トランスファー機能の平均値として計算される。
【0037】 ビオチン化したペルフルオロカーボンエマルションでインキュベートしたディ
スクは、同ディスクの周辺領域またはコントロールエマルションディスクの中心
領域と比較して中心領域に高い音圧散乱が認められる。コントロールエマルショ
ンでインキュベートしたニトロセルロースディスクには中心の高い散乱領域は認
められない。ビオチン化エマルションでコーティングしたニトロセルロースのI
B(0.5±0.5dB)は5から15MHzの周波数域でのコントロールディ
スクのIB(−9.2±0.5dB)より9.6±0.1dB(8倍)大きかっ
た(p<0.05)。ビオチン化したおよびコントロールのエマルションディス
クの見かけ後方散乱トランスファー機能(平均値±SEM)の周波数−依存型偏
差を図7に示す。平坦で一貫して大きな音圧反応が、結合型のビオチン化エマル
ションにより周波数スペクトル全体で記録される。これらのデータより、アビジ
ンおよびD−ダイマー存在下での実施例4および5の所見が確認され、さらに特
異的な標的送達リガンドシステムを介したビオチン化したペルフルオロカーボン
エマルションの結合は著明に固体支持表面の音圧性後方散乱能を高め、この改良
された音圧性後方散乱能は高周波数(30から60MHz)と同様に臨床的に有
用な低超音波周波数(5から15MHz)においても検出可能であることが示さ
れる。実施例7 直径がおよそ3000nmのビオチン化したペルフルオロカーボンの対照は、
特異的に、ニトロセルロースディスクに結合したアビジンに標的送達し、臨床的
に適切な周波数(少なくとも5から15MHzの帯域幅(bandinidth
))で音波処理する。簡単に言えば、ニトロセルロース膜(S+S NC(登録商標),
Schleicher & Schuell, Keane, NH)を、Masson et al.(Electrophoresis 1993,
14, 860-865)記述のジアミノヘキサン(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)ス
ペーサーおよびグルタルアルデヒド(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)によ
る活性化を用いてアビジンに結合させる。ニトロセルロースディスク(直径2c
m)を、脱イオン水に溶解した2.5%のジアミノヘキサンに、絶えずゆっくり
と回転して攪拌しながら60分間浸す。膜を移して1M酢酸で6−7時間洗浄し
、続いて絶えず攪拌しながら少なくとも追加の18時間脱イオン水で洗浄を続け
る。膜を0.1M重炭酸ナトリウムバッファー、pH10.0中の1%グルタルア
ルデヒドに15分間置く。グルタルアルデヒドによる活性化が完了した後、膜を
攪拌しながら3時間洗浄する。ニトロセルロース膜を使用時まで4℃で乾燥して
保存する。保存は3日間を越えてはならない。
【0038】 50μlのアビジン(250μg)をマイクロリットルシリンジで四つの膜の
うちの二つの中心に滴下してスポットし、乾燥させる。それぞれの膜をリン酸バ
ッファー生理食塩水(PBS)中0.1%のTween−20(Sigma Chemical
Co., St. Louis, MO)で洗浄し、続いてPBS中に溶解した3%のウシ血清アル
ブミン(BSA、結晶体、Sigma Chemical Company, St. Louis, MO)−0.1
%Tween20に20分間置き、ディスク周囲の非特異性タンパク結合部位を
ブロックする。BSAによるブロックの後、各ディスクをPBSで洗浄し、4m
lPBS中に懸濁化した300μlのビオチン化したまたはコントロールのペル
フルオロカーボンエマルション(粒子の大きさはおよそ3000nm)のいずれ
かに穏やかに回転して攪拌しながら20分間置く。非結合型のエマルションはP
BS洗浄により取り除く。各ディスクをアビジンに再曝露し、PBSで洗浄し、
ペルフルオロカーボンエマルションに曝露し、前述のPBSで再洗浄する。ニト
ロセルロースディスクを音波顕微鏡検査による画像診断に使用するまでPBS中
に4℃で保存する。
【0039】 音波顕微鏡検査による画像診断のために、各ニトロセルロースディスクを、中
央に2×2cmの窓が空いたポリスチレンホルダー内の磨いたステンレススチー
ルプレートの上に平らに置く。固定した標本を超音波処理のために周囲温度でP
BSに浸す。パルス−エコーモードで操作したブロードバンドの10MHz(公
称周波数)でフォーカスされた圧電性の遅延線トランスデューサー(直径1/2
インチ、焦点距離2インチ、Model V311, Panametrics Co., Waltham, MA)を利
用するカスタムデザインの音波顕微鏡を音波処理に使用する。後方散乱放射周波
数(RF)データを集め、8ビットの解像度のTektronix DSA60
1デジタルオシロスコープ(Beaverton, OR)を利用して毎秒500メガサンプル
でデジタル化する。バリアブルゲインシステム(variable gain
system)を用いて、このデジタル化装置の有効なダイナミックレンジを増
加させる。放射周波数データは250ミクロンのラテラルステップ(later
al step)解像度の各領域からのおよそ100の独立したサイトから得ら
れる。
【0040】 放射周波数のピーク検出スキャンデータをディスクのグレイスケール(0=最
小値スキャタリング、255=最大値スキャタリング)マップに変換し、視覚に
よる検査および統合した後方散乱分析の領域の選択をさせる。放射周波数の超音
波データはラスタースキャンフォーマットに保存し、カスタムソフトウエアで分
析する。RFラインのセグメントは統合した後方散乱(IB)分析用にゲート(
gate)され、ニトロセルロースディスクの前方および後方表面を取り囲む。
データは角窓から数回とられ、第一フーリエ変換によってパワースペクトルを測
定する。ほとんど完全なスチールプレーナリフレクターおよびトランスデューサ
ー(5から15MHz)の有用な帯域幅での周波数−依存型後方散乱トランスフ
ァー機能からのパワースペクトルに関連した標本からのパワースペクトルを測定
し、ほとんど完全なスチールプレートリフレクター(Wong et al., Ultrasound i
n Med & Biol. 1993; 19: 365-374)からの音圧散乱に関するデシベルで表す。統
合した後方散乱(IB)はトランスデューサーの有用な帯域幅での周波数−依存
型後方散乱トランスファー機能の平均値として計算される。
【0041】 ビオチン化したペルフルオロカーボンエマルションでインキュベートしたディ
スクは、同ディスクの周辺領域およびコントロールディスクの中心領域と比較し
て中心領域に高い音圧散乱が認められる。コントロールエマルションでインキュ
ベートしたニトロセルロースディスクには中心の高い散乱領域は認められず、音
圧特性における差もディスクの中心および周辺領域間で検出されない。ビオチン
化エマルションでコーティングしたニトロセルロースのIB(−2.4±0.7
dB)は、5から15MHzの周波数域でのコントロールディスクのIB(−1
1.2±0.4dB)より8.8±0.3dB(およそ8倍(p<0.05))
大きかった。ビオチン化したおよびコントロールのエマルションディスクの見か
け後方散乱トランスファー機能(平均値±SEM)の周波数−依存型偏差を図8
に示す。平坦で一貫して大きな音圧反応が、結合型のビオチン化エマルションに
より周波数スペクトル全体で記録される。これらのデータより、アビジンおよび
D−ダイマー存在下での実施例4、5および6の所見が確認され、さらに大きい
粒子サイズのビオチン化したペルフルオロカーボンエマルションは特異的な標的
送達リガンドシテムを介して結合し、著明に固体支持表面の音圧性後方散乱能を
高めることが示される。この改良された音圧性後方散乱能は、臨床的に有用な超
音波周波数、5から15MHzにおいて検出可能である。実施例8 ビオチン化したペルフルオロカーボンのエマルションを、ビオチン化した抗フ
ィブリンモノクローナル抗体(NIB1H10;Tymkewyczら Blo
od Coagulation and Fibrinolysis 4:21
1−221,1993)およびアビジンを用いて、ターゲットの血漿血栓に作用
させる。代表的研究(5例中1例)では、ブタ全血を得、滅菌クエン酸ナトリウ
ムにより凝固阻止(9:1、v/v)を行う。血液を室温で1500RPMで遠
心分離して血漿分画を得、4℃で保存する。血漿、100mM塩化カルシウム(
3:1v/v)および2−5Uトロンビンを、5−0Vicryl縫合糸を通し
たプラスチック試験管中で結合させることにより、2つのブタ血漿血栓を形成さ
せる。血栓は室温で凝固させる。
【0042】 一つ目の血栓は、10mlの1%ウシ血清アルブミン(BSA)含有PBS中
で150μgの抗フィブリンモノクローナル抗体と共に2時間インキュベーショ
ンし、二つ目のコントロールの血栓は、1%BSA含有PBS中でインキュベー
ションする。抗体処理した血栓を次に、10mlの1%BSA含有PBS中で0
.5mgのアビジンと共に30分間インキュベーションする。コントロールの血
栓は1%BSA含有PBS中で放置する。双方の血栓ともPBSで十分に洗浄す
る。各々の血栓を300μlのビオチン化したエマルション、またはコントロー
ルのエマルション/10mlPBSと共に30分間インキュベーションする。す
べての血栓をエマルションに2回暴露させ、確実に均一にカバーされるようにし
、超音波を当てる(図9)。超音波の画像化は7.5MHzで、焦点を合わせた
リニア型のトランスデューサおよびHewlett Packard Sono
s 2500 Imaging System(Hewlett Packar
d,Inc.,Andover,MA)を用いて行う。超音波の記録はすべてゲ
イン、補整(compensation)および時間−ゲイン補整レベルを固定
して行い、その後の画像分析のためSVHSビデオテープに記録する。対象を十
分にカバーする領域全体の平均ピクセルグレースケールを、各血栓に対し21の
独立した静止画像について、NIH Image1.47(National
Institutes of Health;図10)を用いて、サンプルとし
てとる。ビオチン化したペルフルオロカーボンエマルションが組織表面を顕著に
音響的に高めていることが見いだされる。ビオチン化したエマルションの血栓の
ピクセルグレースケールレベルの平均値は79.5±2.5であり、一方コント
ロールの明るさは顕著に低かった(34.8±2.2、p<0.05)。これら
の結果はビオチン化したペルフルオロカーボンエマルションがターゲットに作用
し、生物学的組織(例えば血栓)をin vitroで音響的に高めることがで
きることを示している。実施例9 ビオチン化したペルフルオロカーボンエマルションをビオチン化した抗フィブ
リン抗体(NIB5F3およびNIB1H10 Tymkewyczら、Blo
od Coagulation and Fibrinolysis,4:21
1−221,1993)を介して、ターゲットとする6頭の雑種犬の単離した大
腿動脈血栓に作用させる。1頭の雑種犬をペントバルビタールナトリウムで導入
し、ハロタン麻酔により麻酔する。右側大動脈およびすべての分枝を伏在静脈分
枝レベルで単離する。22ga.right angled needle p
ointに接続し、ビニールチューブ(ポリエチレンP−240)で絶縁した、
銀メッキした銅ワイヤを大腿動脈に挿入し、4−0Prolene縫合糸で縫い
つける。200−400μAの電流を2時間まで流す。血栓の形成を継続的ドッ
プラー波でモニターし、電気的外傷の遠位に循環速度の約50%の増加が認めら
れた後、停止する。電流による二次的な外膜の退色がワイヤの挿入箇所の近位に
認められる。20ga.カテーテルを大動脈の近位分枝に挿入し、4−0シルク
縫合糸で縫い付ける。加圧した0.9%NaCl点滴を3方活栓によりカテーテ
ルに接続する。単離した部分内の血流を近位のスネア結さつにより止める。余分
の血液は動脈部分から流出させ、食塩水の15分間の注入によりさらに血栓が形
成されるのを阻害する。大腿大動脈の血液の滴っている遠位の分枝を縫合糸で結
さつ、またはスネアで閉じる。ビオチン化した抗フィブリンモノクロ−ナル抗体
(50μg/1.0mlPBS)をカテーテルより注入し、数滴の食塩水で流し
込む。抗体を1時間インキュベーションさせた後、ワイヤ挿入部位から遠位のス
ネア結さつを解き、食塩水により余分な抗体を5分間流出させる。遠位の大腿動
脈を再び閉じ、アビジン(250μg/1.0mlPBS)を注入し、30分間
インキュベーションする。遠位の結さつを再び解き、食塩水により余分のアビジ
ンを5分間流出させる。遠位の結さつをふたたび閉じて、ビオチン化したペルフ
ルオロカーボンエマルションを注入し、30分間インキュベーションする。血栓
のエマルションへの最初の暴露の後、結合していないエマルションを食塩水によ
り洗い流す。血栓を上述のように、アビジンおよびビオチン化したペルフルオロ
カーボンエマルションに各々暴露させる。3頭の動物においては、対側の外側動
脈もまた単離し、電気的に誘発される血栓により部分的に閉塞させ、上述のビオ
チン化したエマルション処理と同様に、コントロールのペルフルオロカーボンエ
マルションに暴露させる。コントロールまたはビオチン化したペルフルオロカー
ボンエマルションに暴露させた大腿動脈を、コントラスト投与前後に7.5MH
zで、焦点を合わせたリニア型のトランスデューサおよび臨床用Hewlett
−Packard Sonos 2500 Ultrasonic Imagi
ng Systemを用いて、超音的に画像化する。コントロールおよびターゲ
ットに作用するコントラストの双方とも、急性に形成された血栓を超音波で認め
ることはできない。6例の大腿動脈の内6例においては、部分的に閉塞した血栓
が、ビオチン化したペルフルオロカーボンコントラストを作用させる抗フィブリ
ンを用いることにより、顕著に高められている。3例の大腿動脈血栓の内3例に
おいて、コントロールのペルフルオロカーボンエマルションへの暴露は音響反射
性を際立たせることはなく、これらの血栓を超音波で検知することはできないま
まである。図11は電気的誘発後に血栓が形成された大腿動脈部位の、抗フィブ
リン抗体およびビオチン化したコントラストへの暴露前後について、代表的な例
を示している。コントラスト処理前の画像では、管腔内に突き出している明るい
反射するワイヤポイント電極と共に大腿動脈が観察されるが、血栓は認められな
い。ビオチン化したコントラストエマルション処理後、音響反射性が高められる
ことにより、大きな部分的に閉塞した血栓が鮮明に認めらる(図11)。コント
ロールエマルションへの暴露前後のコントロールの動脈では、血栓は再び認めら
れない。これらの結果は、血栓組織のような生物学的表面を音響的に高める、ペ
ルフルオロカーボンエマルションの結合を利用することで、市販の入手可能な超
音波画像システムによる検出をin vivoで可能にするという概念を示して
いる。実施例10 直径約250nmのビオチン化したペルフルオロカーボンエマルションをター
ゲットとする前立腺癌に、前立腺に特異的な抗原(PSA)に特異的なモノクロ
ーナル抗体を用いて作用させ、極性、高周波、高解像度の音響顕微鏡を用いて音
響的に検出する。ヒト前立腺癌組織の代表的な実施例は、10%中性ホルマリン
バッファー中で液浸固定し、パラフィンで包埋するルーチーンの方法をとる。音
響顕微鏡用に20ミクロンの切片を用意する;5ミクロンの切片は光学的研究に
使用する。すべての組織学的な切片を、予めポリ−L−リジンでコートしておき
、酸で洗浄したスライドグラスにのせる。スライドにのせたすべての切片をオー
ブン中で1時間55℃で加熱する。
【0043】 免疫染色の前にすべての切片は、Americlearを3回交換してパラフ
ィンを除去し、95%から100%に連続的に変化するエタノール中で脱水する
。光学的研究用に用意する切片に関してのみ、0.6%(v/v)過酸化水素を
含有する無水メタノールに30分間浸すことにより、内因性ペルオキシダーゼ活
性をブロックする。次にこれらの切片および音響顕微鏡用のすべての切片を、段
階的濃度のエタノールと蒸留水に通すことにより水を含ませ、等張のPBS(p
H7.4)に置き換える。すべての切片をターゲットとなる特異的モノクローナ
ル抗体と共にインキュベーションする。
【0044】 前立腺の切片を抗PSA第一モノクローナル抗体と共に、業者の勧めにより4
℃で18時間高湿のチャンバー内でインキュベーションする。最初のインキュベ
ーション後切片を等張のPBSですすぎ、次に抗マウス−ウマポリクローナルビ
オチン化免疫グロブリン(VectaStain Elite Kits,Ve
ctor Laboratories,Burlingame,CA)を上に載
せて、1時間室温で放置する。PBSですすいだ後、30ミクロンの切片を音響
顕微鏡用に用意する。光学顕微鏡用の切片(5ミクロン)はアビジン−ビオチン
−ペルオキシダーゼ混合物(VectaStain Elite Kit,Ve
ctor Lab)と共に1時間室温でインキュベーションする。この切片をリ
ン酸バッファー(pH7.6)ですすぎ、3,3’−ジアミノベンジジンテトラ
ヒドロクロリドの溶液(Sigma Chemicals,St.Louis,
MO;0.5mg/mlリン酸バッファー、pH7.6、0.003%[v/v
]過酸化水素含有)に約10分間浸す。染色された切片を0.125%(w/v
)四酸化オスミウムに短時間浸すことにより、色素沈着を光学的に高める。次に
この切片を水道水ですすぎ、ハリスのヘマトキシリンで対比染色し、段階的濃度
のエタノールとAmericlearで脱水し、スライド用合成媒質にてスライ
ド標本とする。
【0045】 ビオチン化した第二抗体とインキュベーションして洗浄した後、音響顕微鏡用
のスライドをアビジン(1.0mg/〜20ccPBS)中で、回転テーブルに
載せた湯浴を用いて30分間インキュベーションする。等張PBSバッファー、
pH7.4−7.5で3回すばやく洗浄し、余分のアビジンを洗い流す。このス
ライドをビオチン化した、またはコントロールのペルフルオロカーボンエマルシ
ョン(0.5cc/〜20.0ml PBS)と共に20分間インキュベーショ
ンし、等張PBSで3回、各5分間づつ手早く洗浄し、アビジン(1.0mg/
〜20cc)と共に15分間再度インキュベーションする。PBSで3回、5分
間づつ洗浄して余分なアビジンをすすぎ落とす。次にこのスライドを上記濃度で
、ビオチン化したまたはコントロールのペルフルオロカーボンエマルションと共
に、20分間再度インキュベーションする。結合していないエマルションをPB
Sを3回交換して洗い流し(各5分間)、これらのスライドを分析するため音響
顕微鏡に移す。
【0046】 超音波を当てるため、このスライド標本を各々等張のリン酸バッファー食塩水
に室温で浸す。特注の音響顕微鏡を超音波データ収集用に使用する。顕微鏡は5
0MHzブロードバンドで、焦点を合わせた圧電遅延線路トランスデューサ(直
径1/4インチ、焦点距離1/2インチ、ビーム直径62ミクロン、Model
V390、Panametrics Co.,Waltham,MA)から成り
、パルスエコモードで操作する。Tektronix DSA 601デジタル
オシロスコープ(Beaverton,OR)を使用して、35度極性後方散乱
無線周波数(rf)データを、1秒あたり500メガサンプル、8ビット解像度
でデジタル化する。様々なゲインシステムを用いて、このデジタイザの有効ダイ
ナミックレンジを拡大する。無線周波数データは各標本に対して約100の独立
した部分から、50ミクロン横方向解像度で得る。
【0047】 このrfデータを低解像度ラスタスキャンフォーマットに保存し、専用ソフト
ウエアを用いて分析する。標本の前方表面(すなわち後方壁を除外する)を網羅
するため、rfラインの各部分を後方散乱積分分析のために選び出す。選び出し
たデータをHamming windowにより増幅し、高速フーリエ変換によ
りそれらのパワースペクトルを決定する。一つの組織切片のパワースペクトルは
、リファレンスなしにスチールプレートに直接比較する。後方散乱積分値(IB
)は、トランスデューサの有用なバンド幅全域(30から55MHz)にわたっ
て、周波数依存性後方散乱伝達関数の平均値から算出される。免疫染色された組
織はPSAポジティブな染色領域について、Nikon Optipht−2顕
微鏡を使用して検討し、音響的特性と比較する。
【0048】 正常な前立腺支質と癌領域との見かけ上の後方散乱伝達関数における正味の変
化は、コントロールと比較して、PSAをターゲットとするビオチン化したペル
フルオロカーボンエマルション処理した切片において、周波数スペクトル全域(
30から55MHz;図12)で明らかに増加している。ビオチン化したペルフ
ルオロカーボンエマルションは、前立腺癌領域の後方散乱積分値(47.17±
dB)が正常な支質の値(40.79±1.18dB)に対して6.38dB(
約4倍)増加している(p<0.05)。コントロールの組織切片では、前立腺
癌領域の後方散乱積分値(39.63±1.63dB)は、正常な支質領域の値
(36.13±2.17dB)より約3.5dB(2倍)大きく(p<0.05
)、正常組織と癌性前立腺組織との音響的特性における固有の差を反映している
。しかし、ターゲットに作用するビオチン化したペルフルオロカーボンエマルシ
ョンは、これら固有の差を約2倍(2.87dB;図13)増幅した(p<0.
05)。これらの結果は、in vitroで前立腺癌の音響による検出を特異
的に高める、特定部位のターゲットに作用するビオチン化したペルフルオロカー
ボンエマルションの能力を明確に示している。実施例11 直径約250nmのビオチン化したペルフルオロカーボンエマルションを、タ
ーゲットとする卵巣癌に、OC−125抗原に特異的なモノクローナル抗体を用
いて作用させ、極性、高周波、高解像度の音響顕微鏡を用いて音響的に検出する
。ヒト前立腺癌組織の代表的な実施例は、10%中性ホルマリンバッファー中で
液浸固定し、パラフィンで包埋するルーチーンの方法をとる。音響顕微鏡用に2
0ミクロンの切片を用意する;5ミクロンの切片は光学的研究に使用する。すべ
ての組織学的な切片を、予めポリ−L−リジンでコートしておき、酸で洗浄した
スライドグラスにのせる。スライドにのせたすべての切片をオーブン中で1時間
55℃に加熱する。
【0049】 免疫染色の前にすべての切片は、Americlearを3回交換してパラフ
ィンを除去し、95%から100%に連続的に変化するエタノール中で脱水する
。光学的研究用に用意する切片に関してのみ、0.6%(v/v)過酸化水素を
含有する無水メタノールに30分間浸すことにより、内因性ペルオキシダーゼ活
性をブロックする。次にこれらの切片および音響顕微鏡用のすべての切片を、段
階的濃度のエタノールと蒸留水に通すことにより水を含ませ、等張のPBS(p
H7.4)に置き換える。すべての切片をターゲットとなる特異的モノクローナ
ル抗体と共にインキュベーションする。
【0050】 卵巣の切片を抗−OC−125第一モノクローナル抗体と共に、業者の勧めに
より4℃で18時間高湿のチャンバー内でインキュベーションする。最初のイン
キュベーション後、切片を等張のPBSですすぎ、次に抗マウス−ウマポリクロ
ーナルビオチン化免疫グロブリン(VectaStain Elite Kit
s,Vector Laboratories,Burlingame,CA)
を上に載せ、1時間室温で放置する。PBSですすいだ後、30ミクロンの切片
を音響顕微鏡用に用意する。光学顕微鏡用の切片(5ミクロン)をアビジン−ビ
オチン−ペルオキシダーゼ混合物(VectaStain Elite Kit
,Vector Lab)と共に1時間室温でインキュベーションする。この切
片をリン酸バッファー(pH7.6)ですすぎ、3,3’−ジアミノベンジジン
テトラヒドロクロリドの溶液(Sigma Chemicals,St.Lou
is,MO;0.5mg/mlリン酸バッファー、pH7.6、0.0003%
[v/v]過酸化水素含有)に約10分間浸す。染色された切片を0.125%
(w/v)四酸化オスミウムに短時間浸すことにより、色素沈着を光学的に高め
る。次にこの切片を水道水ですすぎ、ハリスのヘマトキシリンで対比染色し、段
階的濃度のエタノールとAmericlearで脱水し、スライド用合成媒質に
てスライド標本とする。
【0051】 ビオチン化した第二抗体をインキュベーションして洗浄した後、複数のスライ
ドをアビジン(1.0mg/〜20ccPBS)中で、回転テーブルに載せた湯
浴を用いて30分間インキュベーションする。等張PBSバッファー、pH7.
4−7.5で3回、5分間づつ洗浄し、余分のアビジンを洗い流す。用意したス
ライドをビオチン化した、またはコントロールのペルフルオロカーボンエマルシ
ョン(0.5cc/〜20.0ml PBS)と共に20分間インキュベーショ
ンし、等張PBSで3回、各5分間づつ手早く洗浄し、アビジン(1.0mg/
〜20cc)中で15分間再度洗浄する。PBSで3回、5分間づつ洗浄して余
分なアビジンをすすぎ落とす。次にこれらのスライドを上記濃度で、ビオチン化
したまたはコントロールのペルフルオロカーボンエマルションと共に、20分間
再度インキュベーションする。結合していないエマルションをPBSを3回交換
して洗い流し(各5分間)、これらのスライドを分析するため音響顕微鏡に移す
【0052】 超音波を当てるため、このスライド標本を各々等張のリン酸バッファー食塩
水に室温で浸す。特注の音響顕微鏡を超音波データ収集用に使用する。顕微鏡は
50MHzブロードバンドで、焦点を合わせた圧電遅延線路トランスデューサ(
直径1/4インチ、焦点距離1/2インチ、ビーム直径62ミクロン、Mode
lV390、Panametrics Co.,Waltham,MA)から成
り、パルスエコモードで操作する。Tektronix DSA 601デジタ
ルオシロスコープ(Beaverton,OR)を使用して、35度極性後方散
乱無線周波数(rf)データを、1秒あたり500メガサンプル、8ビット解像
度でデジタル化する。様々なゲインシステムを用いて、このデジタイザの有効ダ
イナミックレンジを拡大する。無線周波数データは各標本に対して約100の独
立した部分から、50ミクロン横方向解像度で得る。
【0053】 このrfデータを低解像度ラスタスキャンフォーマットに保存し、専用ソフト
ウエアを用いて分析する。標本の前方表面(すなわち後方壁を除外する)を網羅
するため、rfラインの各部分を後方散乱積分分析のために選び出す。選び出し
たデータをHamming windowにより増幅し、高速フーリエ変換によ
りそれらのパワースペクトルを決定する。一つの組織切片のパワースペクトルは
、リファレンスなしにスチールプレートに直接比較する。後方散乱積分値(IB
)は、トランスデューサの有用なバンド幅全域(30から55MHz)にわたっ
て、周波数依存性後方散乱伝達関数の平均値から算出される。標本からのパワー
スペクトルは、顕微鏡のスライドグラスから戻るパワースペクトルをリファレン
スとする。IBはスライドグラスからの散乱光と相対させてデシベルで表す。免
疫染色した組織はNikon Optipht−2顕微鏡を用いて、PSAポジ
ティブな染色領域について検討し、音響的な特性と比較する。
【0054】 正常な卵巣支質と癌領域との見かけ上の後方散乱伝達関数における正味の変化
は、コントロールと比較して、PSAをターゲットとするビオチン化したペルフ
ルオロカーボンエマルション処理した切片において、周波数スペクトル全域(3
0から55MHz;図14)で明らかに増加している。ビオチン化したペルフル
オロカーボンエマルションは、卵巣癌領域の後方散乱積分値(−28.19±1
.39dB)が正常な支質の値(−38.75±0.84dB)に対して10.
57dB(8倍以上)増加している(p<0.05)。コントロールの組織切片
では、卵巣癌領域の後方散乱積分値(−33.49±0.86dB)は、正常な
支質領域の値(−40.21±0.61dB)より約6.72dB(4倍)大き
く(p<0.05)、正常組織と癌性卵巣組織との音響的特性における固有の差
を反映している。しかし、ターゲットに作用するビオチン化したペルフルオロカ
ーボンエマルションは、これら固有の差を約2倍(3.84dB;図15)に増
幅した(p<0.05)。これらの結果は、in vitroで卵巣癌の音響に
よる検出を特異的に高める、特定部位のターゲットに作用するビオチン化したペ
ルフルオロカーボンエマルションの能力を明確に示している。実施例12 直径約250nmのビオチン化したペルフルオロカーボンエマルションを、タ
ーゲットとする扁桃の上皮嚢に、サイトケラチン、CD−20およびBCL−2
抗原に特異的なモノクローナル抗体を用いて作用させ、極性、高周波、高解像度
の音響顕微鏡を用いて音響的に検出する。ヒト扁桃の代表的な実施例は、10%
中性ホルマリンバッファー中で液浸固定し、パラフィンで包埋するルーチーンの
方法をとる。音響顕微鏡用に20ミクロンの切片を用意する;5ミクロンの切片
は光学的研究に使用する。すべての組織学的な切片を、予めポリ−L−リジンで
コートしておき、酸で洗浄したスライドグラスにのせる。スライドにのせたすべ
ての切片をオーブン中で55℃で1時間加熱する。
【0055】 免疫染色の前にすべての切片は、Americlearを3回交換してパラフ
ィンを除去し、95%から100%に連続的に変化するエタノール中で脱水する
。光学的研究用に用意する切片に関してのみ、0.6%(v/v)過酸化水素を
含有する無水メタノールに30分間浸すことにより、内因性ペルオキシダーゼ活
性をブロックする。次にこれらの切片および音響顕微鏡用のすべての切片を、段
階的濃度のエタノールと蒸留水に通すことにより水を含ませ、等張のPBS(p
H7.4)に置き換える。すべての切片をターゲットとなる特異的モノクローナ
ル抗体と共にインキュベーションする。
【0056】 扁桃の切片を抗CD−20、BCL−2、およびサイトケラチン第一モノクロ
ーナル抗体と共に、業者の勧めにより4℃で18時間高湿のチャンバー内でイン
キュベーションする。最初のインキュベーション後、切片を等張のPBSですす
ぎ、次に抗マウス−ウマポリクローナルビオチン化免疫グロブリン(Vecta
Stain Elite Kits,Vector Laboratories
,Burlingame,CA)を上に載せ、1時間室温で放置する。PBSで
すすいだ後、30ミクロンの切片を音響顕微鏡用に用意する。光学顕微鏡用の切
片(5ミクロン)はアビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ混合物(Vecta
Stain Elite Kit,Vector Lab)と共に1時間室温で
インキュベーションする。この切片をリン酸バッファー(pH7.6)ですすぎ
、3,3’−ジアミノベンジジンテトラヒドロクロリドの溶液(Sigma C
hemicals,St.Louis,MO;0.5mg/mlリン酸バッファ
ー、pH7.6、0.003%[v/v]過酸化水素含有)に約10分間浸す。
染色された切片を0.125%(w/v)四酸化オスミウムに短時間浸すことに
より、色素沈着を光学的に高める。次にこの切片を水道水ですすぎ、ハリスのヘ
マトキシリンで対比染色し、段階的濃度のエタノールとAmericlearで
脱水し、スライド用合成媒質にてスライド標本とする。
【0057】 ビオチン化した第二抗体とインキュベーションして洗浄した後、スライドをア
ビジン(1.0mg/〜20ccPBS)中で、回転テーブルに載せた湯浴を用
いて30分間インキュベーションする。等張PBSバッファー、pH7.4−7
.5で3回すばやく洗浄し、余分のアビジンを洗い流す。このスライドをビオチ
ン化した、またはコントロールのペルフルオロカーボンエマルション(0.5c
c/〜20.0ml PBS)と共に20分間インキュベーションし、等張PB
Sで3回、各5分間づつ手早く洗浄し、アビジン(1.0mg/〜20cc)と
共に15分間再度インキュベーションする。PBSで3回、5分間づつ洗浄して
余分なアビジンをすすぎ落とす。次にこれらのスライドを上記濃度で、ビオチン
化したまたはコントロールのペルフルオロカーボンエマルション中で、20分間
再度洗浄する。結合していないエマルションをPBSを3回交換して洗い流し(
各5分間)、このスライドを分析するため音響顕微鏡に移す。
【0058】 超音波を当てるため、このスライド標本を各々等張のリン酸バッファー食塩水
に室温で浸す。特注の音響顕微鏡を超音波データ収集用に使用する。顕微鏡は5
0MHzブロードバンドで、焦点を合わせた圧電遅延線路トランスデューサ(直
径1/4インチ、焦点距離1/2インチ、ビーム直径62ミクロン、Model
V390、Panametrics Co.,Waltham,MA)から成り
、パルスエコモードで操作する。Tektronix DSA 601デジタル
オシロスコープ(Beaverton,OR)を使用して、35度極性後方散乱
無線周波数(rf)データを、1秒あたり500メガサンプル、8ビット解像度
でデジタル化する。様々なゲインシステムを用いて、このデジタイザの有効ダイ
ナミックレンジを拡大する。無線周波数データを標本全体から集め、ピークから
検知される画像をその標本について作成し、免疫染色した組織の画像と比較する
【0059】 免疫染色した組織をJavlin Chromachip IIカメラアタッ
チメントを装着したNikon Optiphoto−2顕微鏡を用いて調べ、
画像化する。画像をPanasonic digital mixer mod
el WJ−AVE5を経てPanasonic SVHSビデオレコーダー、
models AG−1960またはAG−1970に送り、Sony Tri
nitron モニターにディスプレイする。NuVistaソフトウエア(T
ruevision,Inc.,Indianapolis,IN46256)
を用い、Macintosh LCIIIマイクロコンピュータを使用して画像
を捉えた。
【0060】 図16では、横方向解像度100ミクロンでスキャンにより検知された無線周
波数ピークとして音響的に画像化された扁桃(a)と、ホースラディッシュペル
オキシダーゼで免疫染色して光学的に画像化された切片(b)とを比較している
。抗サイトケラチン抗体の混合物によりターゲットとなる上皮嚢は、ホースラデ
ィッシュペルオキシダーゼで鮮明に染色され、音響画像でもそれに一致する領域
が、ターゲットに作用するビオチン化した音響コントラストにより”明るくなる
”。図17において、100ミクロンの解像度で無線周波数のピークから検知さ
れた音響画像(a)は50ミクロンの横方向解像度にまで高められている。ター
ゲットに作用するビオチン化したペルフルオロカーボンコントラストは、扁桃の
上皮の縁を音響的に高めていることが認められ、光学的な免疫染色した画像とも
類似する。本実施例は、リンパ節のような組織の音響コントラストを高めること
を目的とする、ビオチン化したペルフルオロカーボンコントラストのフィデリテ
ィーを明確に示している。実施例13 外側の脂質膜中にガドリニウムDTPAを取り込んでいる、コントロールおよび
ビオチン化したペルフルオロカーボンのマイクロエマルションの製造方法 ビオチン化したペルフルオロカーボンコントラスト剤は、ビオチン化したホス
ファチジルエタノールアミンを、ペルフルオロカーボンマイクロエマルションの
外側の脂質単分子膜中に取り込むことにより製造した。手短に言えば、このエマ
ルションはペルフロオロジクロロオクタン(40%、v/v、PFDCO,Mi
nnesota Manufacturing and Mining,St.
Paul,MN)、サフラワー油(2.0%、w/v)、界面活性剤の混合物(
2.0%、w/v)およびグリセリン(1.7%、w/v)を含んでいた。界面
活性剤の混合物は50から70mole%レシチン(Pharmacia In
c.,Clayton,NC)、0から35mole%コレステロール(Sig
ma Chemical Co.St.Louis,MO)および0.5から1
mole%N−(6−(ビオチノイル)アミノ)ヘキサノイル)−ジパルミトイ
ル−L−アルファ−ホスファチジルエタノールアミン(Pierce,Rock
ford,IL)および0から30%ガドリニウム(ジエチレントリアミンペン
タ酢酸ビス(オレイルアミド)(Gd−DTPA−BOA)(Gateway
Chemical Technology,St.Louis,MO)を含み、
これらはクロロホルムに溶けた。クロロホルム−脂質混合物の溶媒を減圧下で蒸
発させ、50℃真空オーブン中でオーバーナイト乾燥させ、超音波により水中に
分散させ、リポソーム懸濁液を得た。リポソーム懸濁液をブレンダーカップ(d
ynamics Corporatiion of America,New
Hartford,CT)にペルフルオロジクロロオクタン、サフラワー油およ
び蒸留、脱イオン水と共に移し、30から60秒間乳化した。乳化した混合物を
S100 Microfluidics emulsifier(Microf
luidics,Newton,MA)に移し、10,000PSIで3分間継
続して行った。完成したエマルションをガラス容器に入れ、窒素を充填し、使用
するまでストッパークリンプシールでシールした。コントロールのエマルション
は界面活性剤混合物に、ビオチン化していないホスファチジルエタノールアミン
を代わりに加える以外は同様に製造した。ビオチン化したおよびコントロールの
ペルフルオロカーボンエマルションの微粒子の大きさは、37℃でBrookh
aven BI−90レーザー光散乱サブミクロンパーティクルサイズ分析器(
Brookhaven Instruments Corporation,H
oltsville,NY)を用いて3回測定して決定した。 p.48〜 実施例14:アビジン付加に関連した粒子サイズの増加に対するガドリニウム取
り込みの影響の説明 ビオチニル化したガドリニウムDTPAペルフルオロカーボンエマルション(
30μl)を、ポリスチレンキュベットにおいて、等張リン酸緩衝化生理食塩水
(PBS)(pH7.4)2.97ml、及びアビジンへ加えた。アビジン(ピ
アス社、ロックフォード、IL)はPBSに溶かし、0〜10μg/mlの最終
濃度でキュベット内に存在した。全サンプルは同一2検体で調製し、ゆっくり反
転させて混合し、室温で30分間、回転テーブルにて低速で連続的に揺り動かし
た。エマルション粒子サイズを、Brookhaven BI−90レーザー光
分散サブミクロン粒子サイズ分析機(Brookhavenインスツルメント社
、ホルツビル、NY)を用いて37℃で同一3検体で決定した。図18は、ガド
リニウムを取り込んだ3種のエマルションの基底粒子サイズが約250nm付近
であったことを示す。アビジンの追加は、用量に相関したやり方で粒子サイズを
増加させた。エマルション粒子サイズの漸増は、より高い濃度のガドリニウム取
り込みにつき、わずかであったが、不利益ではないほどにより小さかった。 実施例15:外膜へガドリニウムDTPAを取り込んだビオチニル化ペルフルオ
ロカーボンエマルションの、ヒト血漿凝塊をターゲットにして音波的に増強する
能力の説明 ヒト全血を新鮮なまま入手し、無菌のクエン酸ナトリウム(9:1,v/v)
で、抗凝固させた。一連の試験において、血漿とトロンビン(シグマケミカル社
、セントルイス、MO)5ユニット含有100mM塩化カルシウムを、プラスチ
ック容器内のニトロセルロース膜上において一緒にする(3:1 v/v)こと
によって、血漿凝塊(6)を産生した。血漿は室温でゆっくりと凝固するように
した。この血塊(3)の半分を、PBS 10mlにおいて2時間、ビオチニル
化抗フィブリンモノクローナル抗体(NIB 5F3;NIBSC,Herts
,イギリス)150μgとともに個別にインキュベートし、残りの血塊(3)は
PBS中に維持した。次いで、抗体で処理した血塊をアビジン(50μg/ml
PBS)とともに30分間インキュベートした後、10%ガドリニウム、ビオ
チニル化ペルフルオロカーボンエマルション(30μl/ml PBS)を加え
て30分間インキュベートした。対照の血塊も同じように対照のペルフルオロカ
ーボンエマルション(30μl/ml PBS)で処理した。ターゲットとした
血塊をアビジンで再処理し、対照の血塊を対照のペルフルオロカーボンエマルシ
ョンに対してターゲットして、表面飽和を最適にして、超音波発信(interrogat
ion)した。ニトロセルロースディスク上の血塊を水浴に入れ、30MHz血管
内カテーテル(ボストンサイエンティフィック社、メープルグローブ、MN)と
、7.5MHzの直線アレイ変換器のついた従来の超音波スキャナー(ヒューレ
ットパッカード社)で造影した。後続の画像分析のために超音波画像をSupe
r−VHSビデオテープに記録した。図19は、ターゲット音波コントラストの
ある血漿凝塊表面の音波反射性が高まったことを明瞭に示す。このことは対照で
は認められない。上記の結果は、ビオチニル化ペルフルオロカーボンエマルショ
ンのターゲッティング能力と強められた音波反射効果が保持されたことを示す。 実施例16:二重の超音波/MRI造影剤の溶液が、濃度依存的なやり方でT1
短縮を提供する効力 ガドリニウムDTPAを0.2、0.4及び0.6モル%の全体濃度で脂質外
膜へ取り込むビオチニル化エマルションを実施例13に記載のように調製した。
この二重コントラスト粒子をPBSで連続希釈して3ccプラスチックチューブ
へ入れ、フィリップス・ジャイロスキャンS15 ACS−NT(1.5NT)
を使用して、磁気共鳴造影を実施した。Look−Locker MRパルス配
列を使用して、縦緩和曲線をマップした。簡潔に言うと、逆パルスを適用した後
に、小フリップ角及び短画像内スペーシングのある画像系列を獲得した。画像間
のシグナル強度の変化は、実際の緩和曲線に直接関連し、T1(スピン格子緩和
時間)をこの関係から決定した。この実験で使用したパルス配列変数は、TR
50ms、TE 10ms、フリップ角 5°、マトリックス 64x64、視
野 160x104mm、20画像、逆パルス後の遅延 16msであった。こ
の実験を25msのTrで繰り返し、高いGD3+濃度で非常に短いT1を測定し
た。ピクセル強度がミリ秒のT1値である、T1変数マップを作成した。表1は
、T1短縮のガドリニウム濃度に対する直接の依存性を示す。T1短縮は、製剤
又は希釈のいずれで達成されても、より高い濃度のガドリニウムを含有する粒子
でより大きかった。 表1.Gd濃度に対するT1依存性
【0061】
【表1】
【0062】 対照エマルション(ガドリニウム無し)は平均1788±9msの1%であっ
た。50msより短いT1は今回の技術では解像し得なかった。各調製物(0.
2%,0.4%,0.6%[Gd])の緩和性(relaxivity)は、[Gd]/m
Mを1/1%へ関連づける直線の傾きを計算することによって決定した。0.2
%ガドリニウムエマルションの緩和性が最大であったのに対し、0.4%及び0
.6%の造影製剤の緩和性はより短く、同等であった。 表2.調製物の緩和性
【0063】
【表2】
【0064】 実施例17:ヒト血漿凝塊を in vitro でターゲットする二重の超音波/MRI
造影剤がT1短縮を提供する効力 ガドリニウムを10、20及び30モル%の全体濃度で脂質外膜へ取り込むビ
オチニル化エマルションを実施例13に記載のように調製した。この適用エマル
ションにおけるガドリニウムの実際の重量比率は、0.25%(10%)、0.
43%(20%)、及び0.54%(30%)である。ヒト全血を新鮮なまま入
手し、無菌のクエン酸ナトリウム(9:1,v/v)で、抗凝固させた。一連の
試験において、血漿とトロンビン(シグマケミカル社、セントルイス、MO)5
ユニット含有1000mM塩化カルシウムを、プラスチック容器内のニトロセル
ロース膜上において一緒にする(3:1 v/v)ことによって、血漿凝塊(6
)を産生した。ニトロセルロース支持膜上で形成される血塊の大きさは、厚さ<
0.5mm;直径〜1cmであった。血漿は室温でゆっくりと凝固するようにし
た。この血塊(3)の半分を、PBS 10mlにおいて2時間、ビオチニル化
抗フィブリンモノクローナル抗体(NIB 5F3;NIBSC,Herts,
イギリス)150μgとともに個別にインキュベートし、残りの血塊(3)はP
BS中に維持した。次いで、抗体で処理した血塊をアビジン(50μg/ml
PBS)とともに30分間インキュベートした後、10%ガドリニウム、ビオチ
ニル化ペルフルオロカーボンエマルション(30μl/ml PBS)を加えて
30分間インキュベートした。対照の血塊も同じように対照のペルフルオロカー
ボンエマルション(30μl/ml PBS)で処理した。ターゲットとした血
塊の半分をアビジンで再処理し、対照の血塊の半分を対照のペルフルオロカーボ
ンエマルションに対してターゲットして、表面飽和を最適にしてから造影した。
【0065】 対照及びターゲットのガドリニウムコントラストへ曝露した血塊を10%ゼラ
チン/P−30、プラスチックペトリ皿の容器に入れ、フィリップス・ジャイロ
スキャンS15 ACS−NT(1.5NT)を使用して、磁気共鳴造影を実施
した。Look−Lockerパルス配列を使用して、縦緩和曲線をマップした
。簡潔に言うと、逆パルスを適用した後に、小フリップ角及び短画像内スペーシ
ングのある画像系列を獲得した。パルス配列変数は、TR 50ms、TE 1
0ms、フリップ角 5°、マトリックス 64x64、視野 160x104
mm、20画像、逆パルス後の遅延 16msであった。T1は、各血塊と周囲
のゲルにおいて生成した変数T1マップから決定した。T2(スピン−スピン緩
和時間)は、TE 30ms、及びTR 8000msの8エコースピン−エコ
ー配列から決定した。この実験についての画像ヴォキセル(voxel)の寸法は、
〜2.5x2.0x2.0mmであった。このゲルについての平均T1値は58
2±8msであった。全サンプルのT2値は80〜92msの狭い範囲に入った
。このゲルについてのT2は91msであった。この調製物へGdを加えるとT
1が測定しうるほど有意に低下し、これは最低の常磁性体濃度で平衡になった(
表3)。この実験に関わる部分的な体積効果のために(即ち、ヴォキセル寸法に
比較して血塊表面上のガドリニウムエマルションの層が薄いこと、又はガドリニ
ウム−エマルションに対してゲル基質が約11:1であること)、コントラスト
増強効果が実際には顕著に鋭敏になっている。 表3.ゼラチンに埋め込まれたフィブリン血塊をターゲットにした[Gd]に対
するT1依存性
【0066】
【表3】
【0067】 実施例18:二重造影剤を使用する in vivo 磁気共鳴造影用のイヌ血栓の in s
itu ターゲッティング 公認の動物プロトコールにより、体重20〜30Kgのイヌにペントバルビタ
ールナトリウム(30mg/kg,i.iv)に次いで、1%ハロタン/酸素で
麻酔をかけた。右大腿動脈と、鼡径靭帯と伏在動脈の間の枝を全部曝した。鼡径
靭帯に対してやや遠位にある、1つの近位動脈枝をカニューレ挿入のために選択
した。他の枝はすべて結紮した。銀メッキした銅線に圧着した23ga.針の先
端を伏在枝に2〜3cm近位の大腿動脈の中へ斜めに挿入し、両側の結合組織を
通して、4−0 Prolene縫合糸で固定した。アノード電流(200〜4
00μA)を90〜120分かけて、部分閉塞血栓を誘発した。近傍において探
査するドップラーフローを用いて血栓の発達をモニターした。大腿動脈の部分遠
位狭窄を使用して血栓形成を促進した。
【0068】 血栓が形成された後で、20ga.カテーテルを、確保された動脈の近位枝へ
挿入し、加圧した0.9% NaClのドリップをカテーテルに対する3方向コ
ック栓を介して付けた。生理食塩水がこの動脈を流れるようにし、カテーテルに
対して1〜2cm近位に係蹄を置くことによって前方への血流を止めた。血栓を
含有する遠位大腿動脈を介した血流の継続が試験期間中は起こらないようにした
【0069】 単離した動脈切片から、継続した生理食塩水の注入で血液を洗い出した後で、
係蹄を用いて遠位大腿動脈を一時的に閉塞させた。コントラストターゲット血栓
に対して、ビオチニル化抗フィブリンモノクローナル抗体(NIB 5F3又は
NIB 1H10 150μg/PBS 0.5ml,pH7.2−7.4)を
3方向コック栓より注射し、この血管内で1時間インキュベートした。次いで、
大腿動脈上の遠位係蹄を緩め、非結合の抗体を0.9%生理食塩水で流し去った
。遠位の動脈閉塞を再確立させた後、アビジン(ピアス、ロックフォード、IL
)0.5mg/PBS 0.5mlを動脈切片へ注射し、動脈内で30分間イン
キュベートした。再び、遠位の閉塞を緩め、非結合のアビジンを0.9% Na
Clで腔内から流し去った。遠位動脈閉塞を再確立し、ビオチニル化エマルショ
ン0.2mlを血管腔へ注射し、30分インキュベートした。
【0070】 血栓形成後に、市販の造影システムを使用する7.5M.Hz直線アレイ変換
器で、動脈(基準、抗体、アビジン、及びペルフルオロカーボンエマルションを
それぞれ投与後の動脈)を超音波造影した。音波反射性の針電極を使用して、音
波ホログラム作成のために血栓領域の位置を決定した。すべてのデータを収集し
た後で、試験終了時に動脈を切開して、各動物で血栓の存在を確認した。
【0071】 超音波造影の後で、大腿動脈切片をホルマリンで30分間 in situ 灌流し、
堅い支持体とともに摘出し、コンホメーションを保存した。この動脈切片をホル
マリン容器の中に入れ、造影のためにMRIスキャナーへ移した。フィリップス
・ジャイロスキャンS15 ACS−NOT(1.5T)を使用して、磁気共鳴
造影を実施した。TR 100ms、TE 10ms、フリップ角 5°、マト
リックス 64x64、視野 160x104mm、20画像、逆パルス後の遅
延 16mでLook−Locker技術を使用した。
【0072】 測定されたホルマリンバックグラウンドのT1は2319±12msであり、
測定された血栓のT1は1717±173msであった。血塊とバックグラウン
ドとの間のこのT1の違いにより、図20に示されるような高いコントラストが
生じた。強められたT1シグナルの位置及び寸法は、超音波により得られた図2
0の結果に類似していて、この動脈の解剖が確認された。同じ磁気共鳴技術で造
影された第二の動脈血栓調製物も類似の結果をもたらした。この実験では、血塊
のT1は1572±173msであり、バックグラウンドT1は2319±12
msであった。
【0073】 上記に照らせば、本発明のいくつかの目的が達成され、他の有利な結果が獲得
されることは明らかであろう。 実施例19:対照と、脂質膜へ99mTcを取り込むビオチニル化ペルフルオロカ
ーボンミクロエマルションを製造するための塩化スズ(II)法。
【0074】 ビオチニル化ペルフルオロカーボン造影剤を、既報で示されたように、ペルフ
ルオロカーボンミクロエマルションの外脂質単層へビオチニル化ホスファチジル
エタノールアミンを取り込ませることによって製造した。簡略に言うと、このエ
マルションには、ペルフルオロジクロロオクタン(40% v/v,PFDCO
,ミネソタマニュファクチャリング・アンド・マイニング、セントポール、MN
)、サフラワー油(2.0%,w/v)、界面活性共混合物(2.0%、w/v
)及びグリセリン(1.7%,w/v)が含まれる。界面活性共混合物には、ク
ロロホルムに溶かした50〜70モル%のレシチン(ファルマシア社、クレイト
ン、NC)、0〜35モル%のコレステロール(シグマケミカル社、セントルイ
ス、MO)及び0.5〜1モル%のN−(6−ビオチノイル)アミノ)ヘキサノ
イル−ジパルミトイル−L−α−ホスファチジルエタノールアミン(ピアス、ロ
ックフォード、IL)が含まれた。このクロロホルム−脂質混合物を減圧下で蒸
発させ、50℃の真空オーヴンで一晩乾燥させ、音波処理により水へ分散させる
と、リポソーム懸濁液を生じる。このリポソーム懸濁液を、ペルフルオロジクロ
ロオクタン、サフラワー油、グリセリン及び蒸留、脱イオン水とともにブレンダ
ーカップ(ダイナミックコーポレーション・オブ・アメリカ、ニューハートフォ
ード、CT)へ移し、30〜60秒間乳化する。乳化した混合液をS110 M
icrofluidics乳化機(Microfluidics,ニュートン、
MA)へ移し、10,000psiで3分間連続処理する。完全なエマルション
をガラス瓶へ入れ、窒素充填し、使用するまでストッパー栓で密封する。界面活
性共混合物へ非ビオチニル化ホスファチジルエタノールアミンを代わりに入れる
こと以外は同じようにして、対照エマルションを調製する。ビオチニル化及び対
照のペルフルオロカーボンエマルション粒子径を、レーザー光分散サブミクロン
粒子サイズ分析機を用いて37℃で同一3検体で決定した。
【0075】 塩化スズ(II)(SnCl2・2H2O)2〜10ミリモル/(NaCl 1
50ミリモル/l)1lと1〜10mCiの99mTc−ペルテクネテート(perte
chnetate)を、2%脂質界面活性剤(上記)を有する40%ペルフルオロカーボ
ンエマルション1〜3gと室温で30分間一緒にし得る。非結合の99mTc−ペ
ルテクネテートは、遠心分離を繰り返し、エマルションをNaCl 150ミリ
モル/lで洗浄するか、又は定法のカラムクロマトグラフィー(セファロース4
B、又はその同等物)により除去し得る。[エマルションペレットのカウント数
(分)(cpm)x100/加えた全カウント数(分)(cpm)]の比率、又
は[カラムから粒子とともに溶出するカウント数(分)(cpm)/クロマトグ
ラフィーカラムに存在する全カウント数(分)(cpm)]により、標識化効率
(%)を得る。 実施例20:対照と、脂質膜へ99mTcを取り込むビオチニル化ペルフルオロカ
ーボンミクロエマルションを製造するためのオキシン酸(oxinate)スズ法。
【0076】 ビオチニル化ペルフルオロカーボン造影剤を、既報で示されたように、ペルフ
ルオロカーボンミクロエマルションの外脂質単層へビオチニル化ホスファチジル
エタノールアミンを取り込ませることによって製造した。オキシン酸スズは、脂
質膜への直接取り込みのために脂質界面活性剤へ加える。簡略に言うと、このエ
マルションには、ペルフルオロジクロロオクタン(40% v/v,PFDCO
,ミネソタマニュファクチャリング・アンド・マイニング、セントポール、MN
)、サフラワー油(2.0%,w/v,所望による)、界面活性共混合物(2.
0%、w/v)及びグリセリン(1.7%,w/v)が含まれた。界面活性共混
合物には、クロロホルム又はクロロホルム/メタノールに溶かした50〜70モ
ル%のレシチン(ファルマシア社、クレイトン、NC)、0〜35モル%のコレ
ステロール(シグマケミカル社、セントルイス、MO)及び0.5〜1モル%の
N−(6−ビオチノイル)アミノ)ヘキサノイル−ジパルミトイル−L−α−ホ
スファチジルエタノールアミン(ピアス、ロックフォード、IL)、及びオキシ
ン酸スズ(500μg)が含まれた。このクロロホルム−脂質混合物を減圧下で
蒸発させ、50℃の真空オーヴンで一晩乾燥させ、音波処理により水へ分散させ
ると、リポソーム懸濁液を生じた。このリポソーム懸濁液を、ペルフルオロジク
ロロオクタン、サフラワー油(所望による)、グリセリン及び蒸留、脱イオン水
とともにブレンダーカップ(ダイナミックコーポレーション・オブ・アメリカ、
ニューハートフォード、CT)へ移し、30〜60秒間乳化した。乳化した混合
液をS110 Microfluidics乳化機(Microfluidic
s,ニュートン、MA)へ移し、10,000psiで3分間連続処理した。完
全なエマルションをガラス瓶へ入れ、窒素充填し、使用するまでストッパー栓で
密封した。界面活性共混合物へ非ビオチニル化ホスファチジルエタノールアミン
を代わりに入れること以外は同じようにして、対照エマルションを調製した。ビ
オチニル化及び対照のペルフルオロカーボンエマルション粒子径を、レーザー光
分散サブミクロン粒子サイズ分析機を用いて37℃で同一3検体で決定した。
【0077】 エマルション粒子(40%エマルション2.5g−約20mgの脂質界面活性
剤)を遠心分離してフリーのオキシン酸スズを除去し、99mTc−テクネテート
(technetate)(3〜10mCi)と室温で30分間一緒にする。非結合の99m
Tc−ペルテクネテートは、遠心分離を繰り返し、エマルションをNaCl 1
50ミリモル/lで洗浄するか、又は定法のカラムクロマトグラフィー(セファ
ロース4B、又はその同等物)により除去し得る。[エマルションペレットのカ
ウント数(分)(cpm)x100/加えた全カウント数(分)(cpm)]の
比率、又は[カラムから粒子とともに溶出するカウント数(分)(cpm)/ク
ロマトグラフィーカラムに存在する全カウント数(分)(cpm)]により、標
識化効率(%)を得る。 実施例21:エキサメタジン(exametazine)を使用して、対照と、脂質膜へ99m Tcを取り込むビオチニル化ペルフルオロカーボンミクロエマルションを製造す
る方法。
【0078】 ビオチニル化ペルフルオロカーボン造影剤を、ペルフルオロカーボンミクロエ
マルションの外脂質単層へビオチニル化ホスファチジルエタノールアミンを取り
込ませることによって製造した。簡略に言うと、このエマルションには、ペルフ
ルオロジクロロオクタン(40% v/v,PFDCO,ミネソタマニュファク
チャリング・アンド・マイニング、セントポール、MN)、サフラワー油(2.
0%,w/v)、界面活性共混合物(2.0%,w/v)及びグリセリン(1.
7%,w/v)が含まれた。界面活性共混合物には、クロロホルムに溶かした5
0〜70モル%のレシチン(ファルマシア社、クレイトン、NC)、0〜35モ
ル%のコレステロール(シグマケミカル社、セントルイス、MO)及び0.5〜
1モル%のN−(6−ビオチノイル)アミノ)ヘキサノイル−ジパルミトイル−
L−α−ホスファチジルエタノールアミン(ピアス、ロックフォード、IL)が
含まれた。このクロロホルム−脂質混合物を減圧下で蒸発させ、50℃の真空オ
ーヴンで一晩乾燥させ、音波処理により水へ分散させると、リポソーム懸濁液を
生じた。このリポソーム懸濁液を、ペルフルオロジクロロオクタン、サフラワー
油、グリセリン及び蒸留、脱イオン水とともにブレンダーカップ(ダイナミック
コーポレーション・オブ・アメリカ、ニューハートフォード、CT)へ移し、3
0〜60秒間乳化した。乳化した混合液をS110 Microfluidic
s乳化機(Microfluidics,ニュートン、MA)へ移し、10,0
00psiで3分間連続処理した。完全なエマルションをガラス瓶へ入れ、窒素
充填し、使用するまでストッパー栓で密封した。界面活性共混合物へ非ビオチニ
ル化ホスファチジルエタノールアミンを代わりに入れること以外は同じようにし
て、対照エマルションを調製した。ビオチニル化及び対照のペルフルオロカーボ
ンエマルション粒子径を、レーザー光分散サブミクロン粒子サイズ分析機を用い
て37℃で同一3検体で決定した。
【0079】 HM−PAO(エキサメタジン)0.5mg及びSnCl2 4.0μgを含
有するHM−PAOキット(Ceretec(登録商標)、ナイコメッド・アマ
ーシャム社、アーリントンハイツ、IL)を、99mTcO4 5〜10mCi/0
.9% NaCl 5mlとともに再構成し、5分間インキュベートした。99m
Tc−HMPAOの1mlアリコートを、ペルフルオロカーボンエマルション5
mlとともに15分間インキュベートした。この混合液を遠心分離し、リン酸緩
衝化生理食塩水で洗浄した。[エマルションペレットのカウント数(分)(cp
m)x100/加えた全カウント数(分)(cpm)]の比率により、標識化効
率(%)を得る。 実施例22:アビジン付加に関連した粒子サイズの増加に対する99mTc−ペル
テクネテート取り込みの影響の説明 ビオチニル化した99mTc−ペルフルオロカーボンエマルション(30μl)
を、ポリスチレンキュベットにおいて、等張リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)
(pH7.4)2.97ml、及びアビジンへ加えた。アビジン(ピアス社、ロ
ックフォード、IL)はPBSに溶かし、0〜10μg/mlの最終濃度でキュ
ベット内に存在した。全サンプルは同一2検体で調製し、ゆっくり反転させて混
合し、室温で30分間、回転テーブルにて低速で連続的に揺り動かした。エマル
ション粒子サイズを、レーザー光分散サブミクロン粒子サイズ分析機を用いて3
7℃で同一3検体で決定した。アビジンの追加は、超音波及びMRIエマルショ
ン調製物についてすでに示したように、用量に相関したやり方で粒子サイズを増
加させる。 実施例23:99mTc−ペルテクネテートを膜へ取り込んだビオチニル化ペルフ
ルオロカーボンエマルションの、ヒト血漿凝塊をターゲットにして音波的に増強
する能力の説明 ヒト全血を新鮮なまま入手し、無菌のクエン酸ナトリウム(9:1,v/v)
で、抗凝固させた。一連の試験において、血漿とトロンビン(シグマケミカル社
、セントルイス、MO)5ユニット含有100mM塩化カルシウムを、プラスチ
ック容器内のニトロセルロース膜上において一緒にする(3:1 v/v)こと
によって、血漿凝塊(6)を産生する。血漿は室温でゆっくりと凝固するように
する。この血塊(3)の半分を、PBS 10mlにおいて2時間、ビオチニル
化抗フィブリンモノクローナル抗体(NIB 5F3;NIBSC,Herts
,イギリス)150μgとともに個別にインキュベートし、残りの血塊(3)は
PBS中に維持した。すべての血塊をアビジン(50μg/ml PBS)とと
もに30分間インキュベートした後、99mTc−ペルテクネテート、ビオチニル
化ペルフルオロカーボンエマルション(30μg/ml PBS)とともに30
分間インキュベートした。抗体ターゲットとした血塊をアビジンで再処理し、対
照の血塊を対照のペルフルオロカーボンエマルションに対してターゲットして、
表面飽和を最適にして、超音波発信してガンマ計測した。ニトロセルロースディ
スク上の血塊を水浴に入れ、30MHz血管内カテーテル(ボストンサイエンテ
ィフィック社、メープルグローブ、MN)と従来の超音波スキャナー(ヒューレ
ットパッカード社)で造影した。後続の画像分析のために超音波画像をSupe
r−VHSビデオテープに記録する。ターゲット音波コントラストのある血漿凝
塊表面の増強された音波反射性は、すでに説明されたように、対照の血塊では認
められない。
【0080】 対照とターゲットされた血塊をガンマカウンター内に置き、放射活性の違いを
定量する。ターゲットされた血塊は対照血塊よりも有意に高い放射活性を有し、
エマルション粒子に対する99mTcの特定のターゲッティングを示す。この製剤
は、音波と放射活性の両方の診断造影を提供する。
【0081】 上記の結果は、テクネチウム−99mのような放射性核種の追加が、エマルシ
ョン粒子のアビジンへの結合もターゲットされた病理組織へ結合する粒子の能力
も損なわず、結合したエマルション粒子により妨害される音波反響性の増強に干
渉しないことを示す。このように、上記の結果は、99mTcを常磁性複合体に置
き換えたことを除くと、ガドリニウム−DTPA−BOAについてかつて示され
た結果と本質的に類似している。
【0082】 上記に照らせば、本発明のいくつかの目的が達成され、他の有利な結果が獲得
されることは明らかであろう。 上記の方法及び組成物においては、本発明の特許請求の範囲から逸脱すること
なく様々な変更をなし得るので、上記の説明に含まれて付帯の図表に示されるあ
らゆる陳述は例示的なものであり、限定的な意味ではないと解釈されるべきであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、アビジン濃度を増加させた時のビオチン化パーフルオロエ
マルションと対照パーフルオロエマルションの集合体粒径における変化を示すグ
ラフである。
【図2】 図2は、アビジン添加前及び添加後の対照パーフルオロカーボンエ
マルションとビオチン化パーフルオロカーボンエマルションの超音波画像を示す
【図3】 図3は、グレースケール分析のための注目した領域及び透析管画像
のグラフ表示である。
【図4】 図4は、対照パーフルオロカーボンエマルションまたはビオチン化
パーフルオロエマルションへのアビジン添加に関する平均ピクセルグレースケー
ルにおける変化を示すグラフである。
【図5】 図5は、アビジン化ニトロセルロース膜の見かけの後方散乱伝達関
数及び積分後方散乱における対照パーフルオロカーボンエマルション及びビオチ
ン化パーフルオロカーボンエマルションの効果を示すグラフである。
【図6】 図6は、ニトロセルロース膜に共有結合したD−ダイマーに標的化
したビオチン化パーフルオロカーボンエマルション及び対照パーフルオロカーボ
ンエマルションの見かけの後方散乱伝達関数を示すグラフである。
【図7】 図7は、低超音波周波数におけるビオチン化パーフルオロカーボン
エマルション及び対照パーフルオロカーボンエマルションの見かけの後方散乱伝
達関数(dB)を示すグラフである。
【図8】 アビジン化ニトロセルロース膜に標的化したビオチン化パーフルオ
ロカーボン大粒径エマルションと対照パーフルオロカーボン大粒径エマルション
の見かけの後方散乱伝達関数を示すグラフである。
【図9】 図9は、対照エマルションまたはビオチン化エマルションに暴露す
る前と、暴露した後の血漿血栓の超音波画像を示す。
【図10】 図10は、対照パーフルオロカーボンエマルションまたはビオチ
ン化パーフルオロカーボンエマルションに暴露した、抗フィブリンモノクローナ
ル抗体で予備−標的化した血漿血栓の平均ピクセルグレースケールレベルを示す
グラフである。
【図11】 in vivoでビオチン化パーフルオロカーボンエマルションで音響
的に増強した大腿動脈血栓の超音波画像を示す。
【図12】 正常領域に対する前立腺ガンの前立腺特異的抗原に標的化したビ
オチン化パーフルオロカーボンエマルション及び対照パーフルオロカーボンエマ
ルションの見かけの後方散乱伝達関数における純変化を示すグラフである。
【図13】 対照パーフルオロカーボンエマルション対ビオチン化パーフルオ
ロカーボンエマルションに関する正常前立腺間質とガン領域との間の積分後方散
乱における純変化を示すグラフである。
【図14】 正常領域に対する卵巣ガンのOC-125抗原に標的化したビオチン化
パーフルオロカーボンエマルションと対照パーフルオロカーボンエマルションの
見かけの後方散乱伝達関数における純変化を示すグラフである。
【図15】 対照パーフルオロカーボンエマルション対ビオチン化パーフルオ
ロカーボンエマルションに関する正常卵巣組織とガン領域との間の積分後方散乱
における純味変化を示すグラフである。
【図16】 アンチサイトケラチン抗体をもつ上皮に標的化したパーフルオロ
カーボン対照とカラシペルオキシダーゼを使用する口蓋扁桃の超音波画像と光学
画像とを示す。
【図17】 アンチサイトケラチン抗体標的化パーフルオロカーボンエマルシ
ョンで音響的に増強した口蓋扁桃上皮のピーク検出超音波画像を示す。
【図18】 種々の濃度のガドリニウム-DTPA-BOAを含む3種類のビオチン化
パーフルオロカーボンエマルションのアビジン滴定曲線を示すグラフである。
【図19】 標的化パーフルオロカーボン二重超音波及びMRI造影剤で処理し
た血漿血栓の音響反射率の増強を示す。
【図20】 磁気共鳴及び超音波の両方によって検出した大腿動脈血栓を示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/58 A61K 49/02 B Fターム(参考) 4C085 HH03 HH05 HH07 HH09 KA04 KA05 KA29 KB09 KB39 LL07 LL17 LL18 LL20

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像化すべき表面にエマルションをリガンドに基づき結合させ
    ることによってin vivoで核画像化するための方法であって、 a) ビオチン活性化剤と結合した部位−特異的リガンド; b) アビジン活性化剤;及び c) ビオチン活性化剤と結合したエマルション を前記表面に投与し、前記エマルションはその中に放射性核種を含み、これによ
    って、前記リガンドがアビジン-ビオチン相互作用を介して前記エマルションに
    結合し、得られた結合体がその核画像化のために前記表面に結合することを含む
    、前記方法。
  2. 【請求項2】 前記エマルションがさらに化学療法薬を含有する、請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記リガンドが、抗体、ウイルス、化学療法薬、受容体アゴニ
    スト及びアンタゴニスト、抗体フラグメント、レクチン、アルブミン、ペプチド
    、ホルモン、アミノ糖、脂質、脂肪酸、核酸及び、自然源または合成源から製造
    または単離された細胞からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項3に記載の方法
  5. 【請求項5】 前記リガンドが、直接または介在化学基を介して間接的に前記
    エマルションに結合する、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記リガンドが、アビジン、ストレプトアビジン並びにアビジ
    ン類似体及び結合体からなる群から選択されるアビジン活性化剤に結合する、請
    求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記エマルションが、その外部コーティングにビオチン化脂質
    適合成分を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記ビオチン化脂質適合成分が、誘導化自然または合成リン脂
    質、脂肪酸、コレステロール、リソリピド、スフィンゴミエリン、トコフェロー
    ル、糖脂質、ステアリルアミン、カルジオリピン、エーテル若しくはエステル結
    合脂肪酸及びポリマー化脂質からなる群から選択される、請求項7に記載の方法
  9. 【請求項9】 前記ビオチン化脂質適合成分が、アビジン、ストレプトアビジ
    ン及びアビジン類似体からなる群から選択されるアビジン活性化剤と結合する、
    請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記エマルションがフルオロカーボンを含有する、請求項1
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記フルオロカーボンがパーフルオロジクロロオクタンであ
    る、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記フルオロカーボンがフルオロカーボン-炭化水素化合物
    である、請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記フルオロカーボンが、エーテル、ポリエーテル及びクラ
    ウンエーテルからなる群から選択されるパーフルオロアルキル化化合物である、
    請求項10に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記放射性核種がテクネチウム-99mである、請求項1に記載
    の方法。
  15. 【請求項15】 放射性核種及びフッ素系薬剤を含有するビオチン化脂質コー
    ティングエマルションを含む生物学的表面の核画像化において使用する組成物。
  16. 【請求項16】 前記フッ素系薬剤がフルオロカーボンである、請求項15に
    記載の組成物。
  17. 【請求項17】 前記フルオロカーボンが、フルオロカーボン−炭化水素、パ
    ーフルオロアルキル化エーテル、ポリエーテル及びクラウンエーテルからなる群
    から選択される、請求項16に記載の組成物。
  18. 【請求項18】 前記フルオロカーボンがパーフルオロジクロロオクタンであ
    る、請求項16に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 前記放射性核種がテクネチウム-99mである、請求項15に記
    載の組成物。
  20. 【請求項20】 in vivoで形成し且つこれに結合する生物学的表面の核画像
    化を可能にする組成物であって、前記組成物は、 a) ビオチン活性化剤と結合した部位−特異的リガンド; b) アビジン活性化剤;及び c) ビオチン活性化剤と結合したエマルション を含み、前記エマルションはその中に放射性核種を含み、前記リガンドは得られ
    た結合体とアビジン−ビオチン相互作用を介して前記エマルションに結合してい
    る、前記組成物。
  21. 【請求項21】 前記エマルションがフッ素系薬剤を含有する、請求項20に
    記載の組成物。
  22. 【請求項22】 前記フッ素系薬剤がフルオロカーボンである、請求項21に
    記載の組成物。
  23. 【請求項23】 前記リガンドが、抗体、ウイルス、化学療法薬、受容体アゴ
    ニスト及びアンタゴニスト、抗体フラグメント、レクチン、アルブミン、ペプチ
    ド類、ホルモン、アミノ糖、脂質、脂肪酸、核酸、及び自然源または合成源から
    製造または単離された細胞からなる群から選択される、請求項20に記載の組成
    物。
  24. 【請求項24】 前記リガンドがモノクローナル抗体である、請求項23に記
    載の組成物。
  25. 【請求項25】 前記放射性核種がテクネチウム-99mである、請求項20に記
    載の組成物。
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