JP2003505474A - 電子駆動キラルスイッチ - Google Patents

電子駆動キラルスイッチ

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JP2003505474A JP2001512806A JP2001512806A JP2003505474A JP 2003505474 A JP2003505474 A JP 2003505474A JP 2001512806 A JP2001512806 A JP 2001512806A JP 2001512806 A JP2001512806 A JP 2001512806A JP 2003505474 A JP2003505474 A JP 2003505474A
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カナリー,ジェームス,ダブリュ.
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    • C07F1/005Compounds containing elements of Groups 1 or 11 of the Periodic Table without C-Metal linkages
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K9/00Tenebrescent materials, i.e. materials for which the range of wavelengths for energy absorption is changed as a result of excitation by some form of energy
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Abstract

(57)【要約】 金属イオンをもつ有機リガンドのコンプレックスは、金属イオンの酸化状態での変化の際に独特の構造および分光分析の性質を示す。金属はレドックス活性金属イオンであり、それに結合した追加のリガンドをもつことができる。有機リガンドは共に中心原子に結合している3本のアームをもち、各アームはまた金属イオンに配位結合できる原子を含む。少なくとも2本のアームは発色団の性質をもつ。少なくとも1本のアームは金属イオンに配位結合できる2つの異なる基を含む。酸化状態では、第一の原子は金属に結合する。第二の酸化状態では、第二の原子が金属に結合する。金属イオンの配位結合のこの変化はアームの1本を回転させ、他の基の配向を変え、互いに2つの発色団種の配向を逆にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光の特異吸収変化の結果による原子価変化によって操作できる発色
団を含む三次元金属イオンコンプレックスに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
キラル配位コンプレックスは非対称合成およびキラル識別技術(Eliel et al.
, 1994)でしばしば用いられる。最近では、C3対称キラルリガンドは対称選択
的反応を示したが、このような化合物の入手はまだ少ない(Burk et al., 1994
)。
【0003】 情報技術の領域における最近の刺激的予想は効率、可逆性、および疲労に対す
る耐性で操作する分子スイッチの開発にある(Lehn, 1995)。電気化学スイッチ
の開発は最近データ保管のような応用に対し多くの注意が払われてきた(Huck e
t al., 1996)。
【0004】 レドックススイッチは以下のことを要する。 (A)構造や物理的性質を電気化学的にオンまたはオフできる成分(Fabbrizzi
et al., 1995);および (B)各状態にアドレスされるべき充分に異なる光スペクトル(Huck et al.)
【0005】 (Feringa et al., 1991)はチオキサンテンに異性を用いてキロプチカルスイ
ッチを得た。異なる波長の光を用いてMとP異性体間を切り替えた。キラリティ
/ヘリシティの差は円偏光二色性(CD)での異なる応答に導く、Δε=45(M
)vs Δε=49(P)。図1でのエナンチオマー1および2は室温で安定である
ことが見出された。異性体1aの熱ラセミ化は26.4kcal/molのラセミ化へのバ
リヤと共に第1次数反応動態を示した。シス−トランス異性化は環境状態下に観
察されなかった。他方、純粋な1aの照射は室温で多分、ラセミ化は観察されず
に1aを64%、2aを36%生じるが、250nmでの照射は1aで68%、2aで32%
を与えた。さらに、250nmおよび300nmでは1aの代わりの照射は3秒のスイッチ
時間に対し232及び262nmでは1aに円偏光二色性(CD)信号の変調を起こした
。同様な挙動は0.5ないし60秒のスイッチ時間に観察された。化合物1はシスお
よびトランス形態間を最小10回、UVおよびCDスペクトルのラセミ化変化なし
でサイクルすることができた。Feringaは彼のラセメートミックスをネマチック
液晶に添加し、次いで円形に偏光させた光を照射した。得られた過剰な1のエナ
ンチオマーは、液晶をそのカイラルコレステリック相に切り替えるのに十分であ
った。
【0006】 ミックスの光る普通光は液晶を転化させてラセメートに再度戻る(Feringa et
al., op. cit.)。解決すべき重要な問題点は熱安定性を改善し、耐疲労性を増
加し、可視光で切り替えて構造変化を行うことである。
【0007】 光学スイッチへの異なるアプローチはSchuster et alによって刊行された。Sc
husterは光学−光学スイッチでは、スイッチの位置は光で入れ替えられ、その吸
収スペクトルの変化で光を感じるが、基礎的問題は破壊的読み出しである。すな
わち、スイッチの位置の読みは最終的には消える。この潜在的問題を解決するた
め、Schusterは紫外線および可視光をそれぞれ応用して双安定でスイッチ可能な
光化学的に不活性のコレステリック液晶に溶解した光互変性の光輝物からなるシ
ステムを開発した。実験過程で、彼はコレステリック液晶のピッチが光互変性光
輝物質ドーパントによって光化学的に制御され得ることを示した。そのピッチ変
化は穏当な光輝物質濃度で測定され、そして液晶/光輝混合物の両方の状態は試
験した状態下で熱的に安定である。ピッチの変化は双方向性で可逆的であり、適
当な波長の光で制御される。Schusterによれば、液晶のピッチは記録情報に影響
を及ぼさずに光学的に読み取ることができる(Janicki et al., 1995)。これは
図2に示す。
【0008】 Daub et al.は、情報を光で保管し読み取るジヒドロアズレン/ビニルヘプタ
フルベンフォトクロイズムシステムを報告した。光で保管し読み取る欠点以外に
、そのシステムはスイッチ挙動のチューニングおよび最適化を可能にするいくつ
かの化学変化を持つ(Spreitzer et al., 1996)。このシステムは図3に示す。
【0009】 3本鎖のリガンドに埋め込まれた2つの別個の酸化状態において鉄の特色であ
る配位コンプレックスは化学手段によって相互転換された。このシステムはシス
テム内にある「ハード」結合腔および「ソフト」結合腔の利点をとる。鉄はその
酸化状態によって鎖内に正確に転移した。そのプロセスはUVによってモニター
された(Fe(II)ならびにFe(III)種のd−d転移)。そのシステムは可逆挙動を
示さなかった。事実、Fe(II)種の酸化はFe(III)コンプレックスを得るために50
℃で促進されなければならなかった(Zelikovich et al., 1995)。
【0010】 このレドックススイッチの別の版はリガンド交換によって2つの明確な状態の
間で相互変換する。このスイッチの心臓部には2組の結合基をもつ分子がある:
1組はハード結合基、1組はソフト結合基である。この2組は、ハードかまたは
ソフトイオン結合空洞を形成することができるように、交替する形で杯[4]アレ
ーンリングに固定されている。著者によれば、1の空洞は他を排除して形成され
る。Fe(III)を装填するとき、ハード結合基、ハイドロキサメート、はハード金
属イオンを包囲するように集束するが、ソフト基は分かれる。還元時にはリガン
ドは再配列しそのソフトビピリジル基とFe(II)を包み込むが、ハード基は分かれ
る。次の酸化はプロセスを逆転した。このスイッチ動作は再びUVによって続け
られた(Canavet et al., 1996)。Stoddart et al.は鋳型指示法において注意
深く設計された小分子成分をアセンブルするアイデアに基づいた合成方法論を開
発した。分子サブユニットは共に古典的共有結合によっては保持されず、むしろ
カテナン、ロタキサン、およびノットの存在に応答できる機械的相互作用を、結
合し連結することによって保持される。彼らは「分子トレイン」および「分子シ
ャトル」として作用できたカテナンおよびロタキサンの合成を記載した。図6に
見られるように、[2]−ロタキサン1は分子シャトルとして操作でき、分子アセ
ンブリからなり、テトラカチオン性ビスピリジニウムシクロファンは、「ストッ
パー」として作用する大きい基によって終端したポリエーテル中に対称的に位置
する2個の「ステーション」間にシャトル(1<−−>2)のように前後移動す
る。正に荷電したシクロファンリングは2個の同じ電子リッチのハイドロキノー
ル基によって引き寄せられ、したがって2個のステーション間を前後にジャンプ
する。温度依存のH−NMRスペクトルはこのプロセスが1秒に500回起きたこ
とを示した(Stoddart et al., 1992)。
【0011】 Lehn et al.は、ルミネセンスのレドックスオン/オフスイッチ切り替えを行
い、発光センターと電気作動コンポーネントを結合する図7に示す分子スイッチ
装置1−2を報告した。酸化および還元形態は単離でき安定である。還元形態2
は発光し、酸化形態1は消光する。2種の電気化学の相互交換が可逆性であるこ
とが報告された(Goulle et al., 1993)。
【0012】 Lehn et al.による別のアプローチは可逆性のリング閉鎖を受けることができる
1,2−ジアリルエテンを特集した。その開放形態はほぼ量的に365nmでのUV
光によって閉鎖された形態に変わることができる。可逆プロセスは、図8に示さ
れるように、600nmで、熱的にまたは光化学的に行われる。このプロセスはUV
によって続けられた(Giltam et al., 1995)。
【0013】 Sauvage et al.は電気化学的に誘発された[2]−カテネートのスイングを報告
した、これは以前の多くのシステムのように、双安定の原理の利点がある。これ
は図9に示される。遷移金属コンプレックスは2個の連結リングからなる有機バ
ックボーンをもつ。1のリングは2つの結合部位、ビ−およびトリデンテートを
含むが、2番目のリングは1個だけのビデンテート配位部位を特色とする。した
がって、両リングの連結によって、テトラデンテートおよびペンタデンテート結
合部位が形成される。Cu(II)をシステムに導入すると5配位コンプレックスを形
成するが、Cu(I)は4配位種を生成する。コンプレックスの両形態間の相互交換
は電気化学的に誘発され、他のものの中の1のリングのスライドする動きに相当
する。このプロセスはUVによって続けられた(Livoreil et al., 1994)。実
質上、蛍光発光挙動によって遷移金属から利益を得るシステムはFabbrizzi et a
l.によって完全に研究された。一般に、このシステムはレドックス活性金属、す
なわち、Cu、Ni、からなり、テトラデンテートリガンド内に配置され、フルオロ
フォーレに束縛される。金属酸化状態により、ET機構は活性または消滅される
(Farrbizzi et al., 1995)。このシステムは図10に示される。
【0014】 最近、Klehnのものに似たルテニウムに基づくシステムが刊行された(Arounag
uiri et al., 1999)。ポルフィリン亜鉛コンプレックスが超分子「電気−およ
びプロト−光スイッチ」のために用いられた。このシステムはFabbrizziのシス
テムとほぼ同じ原理に基づいている。1の状態は蛍光であり、別のは蛍光ではな
い(Otsuki et al., 1999)。また、「2区画リガンド」はその方法が刊行物に
見出された。このシステムはShanzerのものに良く似ている。このリガンドはFe(
III)およびFe(II)に対しハードおよびソフトの空洞をもつ。Shanzerによって記
載されたものに似たレドックス反応の間に鉄転置が行われる(Belle et al., 19
98)。
【0015】 リガンドのトリス−([2−ピリジル]メチル)アミン(TPA)族では、分子の中央
軸に関してピリジンリングの明確なツイストが観察された。すなわち、ピリジン
リングの平面は常に構造物の中心軸に関して偏向していた。結晶では、両対称に
ツイストしたコンフォメーションが存在し、溶液では、C−Cボンド回転によっ
て相互転換を容易にするコンフォメーション対掌が観察された。リガンドのCH 2 基の1に置換基を組み込むことによって、キラル中心をつくり、TPAでらせ
んツイストを偏向することができることを見出した(参照、図11、1)。この
キラル中心は化合物1および3のピリジン部分のプロペラ状のヘリシティの左右
像を指図する。化合物は固体状態でX線結晶学によって液体状態で円偏光二色性
(CD)によって特徴づけられた(Canary et al., 1995)。同様の観察が化合
物1−4のすべてに行われた(Canary et al., 1998)。リガンドのCDスペク
トルに対し極めて大きい振幅があり、信号のもとは溶液中のキノリンリングであ
ることが見出された(Castagnetto et al., 1997)。複数金属イオンのコンプレ
ックスが研究された;三方晶系の両錐形配位ジオメトリイでのリガンド(ZnII、
CuII)を結合する金属のみがプロペラツイストを与え、したがって大きいCD振
幅を与えた。3(FeII、CdII)で八面体コンプレックスを形成する金属イオンは
ツイストがなく、低い振幅のCDスペクトルの、異なるリガンド配座(Cs)を
与えた。
【0016】 配座依存キロプチカル性は金属イオンに対し「スマート」化学センサーの開発
に応用された(Cstagnetto et al., 1998)。上記のように、一定の金属イオン
のみが3に結合する際にCD信号振幅を高めた。ZnIIおよびCdIIがリガンドの蛍
光強度を大きく高めるが、反磁性イオンのFeIIおよびCuIIは高めないことが見出
された。従って、3は2つの信号、CDと蛍光を与えることができ、これらは共
にとると、図12に示すように、4個の可能な金属イオン間で識別する能力とな
ることを示すことができた。さらに実際的なバイオ関連の応用を示すため、ZnII
およびCdIIの変化量を検出するため較正曲線を作り、単一試料のCDおよび蛍光
強度の測定が両種の濃度を与えることが出来ることを示した。この技術の別の可
能な応用は等方性蛍光測定と比較した低バックグラウンド放射を与える蛍光検出
CEで高められた顕微鏡検査によってセル中のZnII水準が決定される。
【0017】 本発明者らはまた1級アミンの絶対配置の決定法も開発した(Zahn et al., 1
999 1)。先の議論から、CDスペクトルにおける2つのコットン効果の順序は
三脚リガンドのキラル原子の絶対配位を示すことがわかる。この相互関係はまた
、図13に示すように異なる置換基で調製された一連の置換されたキノリン化合
物のZnIIコンプレックスに対し真実であることがわかる。化合物7のみはエクシ
トンカップルCDスペクトルを与えることができず、コンプレックスを曲げるよ
うに立体的に妨げられるイソプロピル基に多分起因するのであろう。リガンドは
1級アミンから調製される;従って、ブロモメチルキノリンの求核性置換(合成
に用いられた方法)によって1級アミンの誘導化はアミンの絶対配置決定法を考
慮できた。本発明者らはまた同じアプローチを用いてα−アミノ酸およびβ−ア
ミノアルコールの絶対配置を決定する。したがって、3mgのスケールの少量のブ
ロモメチルキノリンとの分析物の反応は、続くCu(ClO4)2およびNH4SCNの添加に
よって、分析物の絶対配置を示すCDスペクトルを与える。
【0018】 三脚リガンドのCu(I)およびCu(II)コンプレックスは「ツイステッドネス」の
変化度を示した。(Chuang et al., 1995)。これとキラルコンプレックスのC
Dスペクトルの振幅が発色団間の二面角に強く依存する事実は、本発明者らにレ
ドックス書き込み、CD読み込み分子スイッチの開発を探求させた。アイディア
は図12に示されたトリスキノリンリガンドのツイストおよび非ツイストが変化
しやすいCD強度を与えることであった。化合物を調製しそのキロプチックの性
質を決定した;観察されたCD振幅変化はSCN-対イオンの存在でCu(I)コンプ
レックスで脱配位結合する1のキノリンアームにより予言されるよりははるかに
大きかった。(Zahn et al., 1998)。この分子スイッチのためのデーターは変
化の大きさ、および溶液技法を用いるスペクトルの可逆性によって例外的に満足
であった。したがって、ボログナ大学でのGottarelli教授との共同研究で、本発
明者らはトリスキノリン化合物をネマチック液晶相に添加してコレステリック相
を誘導することができることを見出した。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、前記の従来技術の難点を解決することにある。 本発明の別の目的は電子駆動キラリティスイッチをつくることにある。 金属イオンの酸化状態で変化する際に独特の構造と分光分析の性質を示す金属
イオンをもつ有機化合物の一連の3次元コンプレックスが開発された。この金属
(図14のM)はレドックス活性金属イオン(例えば、Cu(I)/Cu(II))であり
、これに結合した図に描かれていない追加のリガンド(例えば、溶媒、対イオン
)をもつことができる。有機リガンドは3本のアームをもち、互いに中心原子で
結合し(図14のA1)、各アームはまた金属イオンに配位結合することができ
る原子を含む。少なくとも2本のアームは発色団の性質(C1およびC2)をもつ
。少なくとも1本のアームは2種の異なる基を含み、金属イオンに配位結合する
ことができる(例えば、A2またはA3を介して)。1の酸化状態では、原子A2
は金属に結合するが、他の酸化状態では、他の原子A3が金属に結合する。金属
イオンの配位結合のこの変化はA2およびA3を含むアームの回転となり、基R5
の配向を変える。その結果、互いについて2個の発色団種の配向の反転となる。
【0020】 本発明の利点は円形に偏光した光の特異な吸収の劇的な変化となる3次元での
2つの発色団の配向の反転である。したがって、本発明は分子の形状ならびに光
学の性質の両方を変化させることができるシステムを提供することである。 異なる酸化状態での金属イオンは全く異なる化学を示すことができる。この場
合には、金属の偏光可能性は金属イオンの原子価シェルでの電子の数を増加する
際に増す。金属イオンの偏光可能性を増加するとさらにソフトな原子と結合する
傾向を増す。例えば、Cu(II)からCu(I)への還元は、硫黄対酸素との結合を選ぶ
ように銅原子の相対的傾向を増し、Cu(II)は「オキソフィリック」でありCu(I)
は「スルフォフィリック」である。
【0021】 従って、本発明では、三脚リガンドは1本のアームが金属イオンへの選択を与
える。図14の原子A2およびA3は性質では異なり、その酸化状態によって、金
属イオンによって1個または2個の原子の他方が金属イオンによって選択される
。化学または電気手段による酸化状態の変化は原子が優先的に結合される変化を
伴う。したがって、酸化または還元の際に、A2およびA3を含むアームがピボッ
ト原子Pの周りを回転し好適な原子が金属イオンと接触してくることができる。
【0022】 図14では、 A=金属イオンに配位結合させることができる原子、例えばN,O,S C=金属イオンに配位結合させることができる原子をまた含む光を吸収できる発
色団 Z=ピボット原子(キラル原子、例えばC) R1−R4=リンカー基 R5−R7=終端基 M=金属イオン ピボット軸の周りの回転はMおよびA1を含むラインによって明確にされる分
子の中心軸に関してA2、MおよびA3によって明確にされる平面の配向を変える
。立体化学での同じ変化はR5の配向での変化によって見られる:図14では、
5は酸化された構造(左)の図面平面に隠れている;これは還元された構造(
右)の平面の正面にある。これは2つの発色団、C1およびC2の再配向となる。
図14の右側の構造では、発色団は一般に「ネガティブキラリティ」と記載され
る配向で配置されるが、右側では配向はポジティブキラルの向きにある。相互変
換はZ(および結合した原子)、R2およびR3の周りの立体環境の変化の結果と
して生じる。全体の結果はアームのピボットが発色団C1およびC2の配向を変え
させることになる。軸上のキラリティ(例えば、原子Pにおけるような点として
ではなく平面として)の中心として発色団の配向を考慮するとき、このキラル中
心は逆になる。
【0023】 発色団はピボットアームと比べてしばしば大きいので、分子の全形の変化は拡
大される。例えば、発色団の平面およびA2、MおよびA3によって明確にされる
平面がプロペラとして見られるなら、プロペラの方向は金属イオンの酸化状態を
変える際に逆にされる。最近、ボロガノ大学での科学者らとの共同研究はこの形
状変化が有用であるというデーターを与えた。これら化合物(オン/オフおよび
+/−スイッチ化合物の両方)を用いてコレステリック相を誘発するようにネマ
チック液晶物質をドープ処理することができる。同じリガンドのCu(I)対Cu(II)
コンプレックスでドープ処理した物質のためのキラルコレステリック相は、全体
の分子のツイストが逆になるように期待されているように、反対のら旋形のツイ
スト力を与えた。
【0024】 分子中の2つの発色団および互いに接近していることの存在はユニークな分光
器によるサインとなる。この配置はエクシトンをカップルした円形二色性信号(
ECCD)まで上がり、発色団での2つの電子転移の画期的な機械的カップリングと
なる(Castagnetto et al., 1997)。この現象は広く研究され発色団のキラル配
向の絶対的意義に依存する信号を与えることが示された。すなわち、反対側のキ
ラリティをもつ発色団は鏡像スペクトルを与える。これは、研究されてきた化合
物に示されたように、本システムで観察される。
【0025】 本発明のコンプレックスは「分子エレクトロニクス」で用いられる。例えば、
分子スイッチはレドックス書き込み、キロプチカル読み出しデーター保存装置と
して用いられる。この応用では、+と−の状態の間のスイッチ切り替えはデータ
ー保管に用いられた1および0の1対の論理状態に類似している。新技術の利点
は新しい分子スイッチが現在用いられている巨視的磁気手段よりもはるかに高い
密度のデーター保管をすることができることである。したがって、このシステム
はデーターを常に維持するための電力を必要としないので非揮発性のメモリーと
して用いることができる。また充分な先行が配向コンプレックスの光酸化/光還
元のために存在し、本発明が光で書き込みならびに読み出しできることに注目す
べきである。
【0026】 本発明の別の応用は、光表示装置の領域である。本液晶ディスプレィ技術は電
気分野によって変調される液晶物質でのクロス偏光子を使用する。電流で変調さ
れる非常に強い光偏光を与えるので、本発明の分子を用いてコレステリック液晶
物質を置換することができる。本発明のシステムの利点は、ディスプレィが電気
を絶えず供給する必要がないが、電力をオフにするとき、その偏光力、したがっ
てその像を保持することである。そのような戦略は、従来用いられたディスプレ
ィよりも操作のための電力を要求しない。
【0027】
【発明の実施の形態】
図14に示される式では、Aは窒素、酸素、または硫黄のような金属イオンに
配位結合できる原子である; C1およびC2は金属イオンに配位結合できる原子をまた含む光を吸収すること
ができる同じかまたは異なる発色団である; Zはピボット原子、またはキラル原子、例えば炭素である; R1−R4はリンカー基であり、−(CH2)n−、−O−、−S−、−NR8−、カ
ルボニル、カルボキシルである、式中、nは1ないし4の整数である R8は1ないし8個の炭素原子をもつ直鎖または分枝鎖アルキルである。 R5−R7は水素、C1−C8分枝または直鎖アルキル基、C6−C14 置換または非
置換芳香族基および1ないし3個のヘテロ原子をもつヘテロ芳香族基であること
ができる終端基である。ヘテロ原子は窒素、硫黄または酸素であることができる
。 Mは少なくとも2つの酸化状態で存在することができる金属イオンである。
【0028】 本発明の基本のスイッチ機構は2つの酸化状態で存在する任意の金属イオンを
用いることができる。分光器レポーターとして円形二色性分光器を用いるとき、
好適な金属イオンは銅および亜鉛のような、三方晶系の両錐形配位を用いるもの
である。
【0029】 同じかまたは異なることができる発色団は金属にも結合する任意の発色団であ
ることができる。そのような発色団の例は置換されたまたは非置換のピリジン、
キノリン、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリジアジン、ベンズイミダ
ゾール、フェナンスロリン、および1またはそれ以上のリングをもつ関連したヘ
テロサイクリック化合物であり、これは融合することができ、また金属イオンに
結合する発色団である。置換基は1ないし16個の炭素原子をもつ脂肪族、芳香族
、またはアルキル芳香族、ニトロ、シアノ、C1−C8アルコキシ、C1−C16
リールオキシ、C1−C8アルキルアミノ、C1−C16アリールアミノ、アゾ、ハ
ロ、スルホニル、ホスホリル、C1−C8アルキルチオ、C1−C16アリールチオ
、または金属イオン結合および分子の発色団の性質に影響しない任意の他の置換
基であることができる。
【0030】 本発明は従って、配位化合物に関し、これを用いて内部にコンプレックス化し
た金属イオンの酸化状態によって配座および分光器による性質を示すことができ
る。本発明の配位化合物は金属に結合できる任意の発色団を含み、配位金属は2
価の状態で存在でき、キラルユニットは配位化合物の物理的性質を区別するよう
に回転することができる。
【0031】 本発明の配位化合物での3次元の2個の発色団の配向を逆にすることによって
、円形に偏光させた光の示差吸収または平らに偏光させた光の回転での変化を生
む。これは分子の形状および分子の光学的性質の両方を変える。これら化合物は
レドックス書き込み、キロプチカル読み出し保管デバイス、ならびにディスプレ
ィデバイスでの液晶物質の代わりに用いられる。
【0032】 酸化化合物が「+」キラリティを与え、還元化合物が「−」キラリティを与え
るように、キラリティは酸化状態を逆転させることができる。 このような化合物の図を図15に示すが、Cu(I)は硫黄原子とコンプレックス
化し、Cu(II)は酸素原子とコンプレックス化している。各Cu(I)とCu(II)のΔε
は図15の中央のグラフで示している。
【0033】 本発明はZahn et al., 1998 およびZahn et al., 1998によって記載されてい
るように「オン/オフ」分子スイッチに似ており、配位コンプレックスにおける
分子運動が円形二色性スペクトルでの信号の変化となる。しかし、運動の性質は
異なり、新しいスイッチは信号を簡単にオンおよびオフにしないが、鏡像間の相
互交換を起こす(すなわち、「+/−スイッチ」)。
【0034】
【実施例】
次の実施例は電子駆動キラリティスイッチに用いられる化合物を示す。これら
実施例は単に説明のためのものであり、本発明を限定するものではない。 フリーリガンドの調製:
【0035】
【化2】
【0036】 9mlの水に溶解した市販のL−メチオニン24g(0.016モル)に、2.7gのKO
H(0.048モル)および4mlのエタノールを添加した。溶液を加熱還流し、20ml
のエタノールに溶解した7.1gの2−ブロモメチル−キノリン(0.032モル)を10
分かけて添加した。得られた溶液を60分間還流し、冷却し、もとの容量の半分ま
で蒸発させた。溶液を塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン層を収集し、無水
炭酸カリウムで乾燥し、蒸発乾固させた。カラムクロマトグラフィー(NP−シ
リカ、酢酸エチル/ヘキサン:3/1)は本質的に純粋な生成物2g(29%)を
得た。 Cu(I)コンプレックスの調製
【0037】
【化3】
【0038】 脱酸素化したHClフリー塩化メチレン(10ml)を窒素下に100mgの固体リガンド
(0.23ミリモル)と85mgのCu(MeCN)4PF6(0.22ミリモル)の混合物に添加した。
溶液を5分間攪拌し、20mlのジエチルエーテルを添加して銅コンプレックスを結
晶化した。沈殿物を収集し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空乾燥し、122mg(8
2%)の所望の本質的に純粋な化合物を得た。 Cu(II)コンプレックスの調製
【0039】
【化4】
【0040】 180mgの固体リガンド(0.417ミリモル)および162mgのCu(ClO4)2×6H2O(0.4
18ミリモル)からなる混合物を30mlのメタノールに溶解した。1時間攪拌すると
沈殿物が形成し、これを収集してメタノールで洗浄し、真空乾燥し、140mgの本
質的に純粋な銅コンプレックスを得た。 フリーリガンドの調製
【0041】
【化5】
【0042】 80℃で13mlのジメチルホルムミドに500mgの臭化物および0.45mlの脱気i−Pr2 EtNを添加した。この溶液に、10mgの重炭酸ナトリウムを含む3mlの2:1の水
:DMF混合物に溶解した100mgのL−メチオニンを一滴ずつ添加した。反応は
5時間80℃で攪拌し、冷却し、蒸発乾固させた。残留する固体を塩化メチレン/
水酸化ナトリウム(1M)混合物(1:1)に取出した。有機層を収集し無水炭
酸カリウムで乾燥し、クロマトグラフにかけて200mgの所望のリガンドを得た。 リガンドの調製
【0043】
【化6】
【0044】 リガンドN,N−ビス[(2−キノリル)メチル]−(S)−メチル−L−システイ
ンは、10mlのDMFに溶解した(S)−メチル−L−システインメチルエステルヒ
ドロクロリド(2.0g、10.8ミリモル)を、2−ブロモエチルキノリン(4.8g、
21.6ミリモル)および重炭酸ナトリウム(4.1g、49ミリモル)の40ml攪拌溶液
に一適ずつ添加して調製した。混合物を4時間80℃で反応させた。溶媒を蒸発さ
せ、3:1のヘキサン:酢酸エチル(Rf 0.3)を用いカラムクロマトグラフィに
かけ、リガンドのエステル(1.7g、82%)を得た。2.5時間LiOH(4.6ml、1モ
ル)と共に8mlのTHFに溶解したエステル(1.9g、4.4ミリモル)を攪拌して
加水分解を行った。ついで溶液を塩化メチレンで抽出し、水相をpH6まで0.5M
HClO4で酸性にした。塩化メチレンで数回抽出し、乾燥し、溶媒を蒸発し、粗酸
を得た。酢酸エチルを用いてカラムクロマトグラフィにより精製して純粋なリガ
ンド(0.57g、31%)を得た。 Cu(II)コンプレックスの調製
【0045】
【化7】
【0046】 純粋なリガンド(0.097g、232ミリモル)をMeOHに溶解した等モル量のCuClO4 ・H2Oでコンプレックス化して青色結晶を得て、これを真空濾過により収集して
エーテルで洗浄した(0.0129g、78%)。 リガンドの調製
【0047】
【化8】
【0048】 3.27gの2−ブロモメチルキノリンおよび2.8gの重炭酸ナトリウムを15mlの
DMF中で攪拌した。混合物を磁気攪拌して60−70℃の定温に加熱した。5mlの
DMFに溶解した1.0gのL−メチオニノールを反応フラスコに一滴ずつ添加し
た。得られた混合物を60−70℃に加熱した。室温まで冷却し、重炭酸ナトリウム
を濾過しDMFを蒸発し終夜真空乾燥し、シリカカラムクロマトグラフィ(Rf 0
.15)で精製し、(L)−N,N−ビス(2−キナルジル)メチオノールの1.17g(3
8.11%)を得た。 Cu(II)コンプレックスの調製
【0049】
【化9】
【0050】 100mgのN,N−ビス(2−キナルジル)メチオニノールを1mlのメタノールに
溶解した。1−2mlのメタノールに溶解した0.99gのCu(II)ClO4・6H2Oをゆっ
くりと上記溶液に添加した。緑青色の沈殿物が直ちに形成された。沈殿物を濾過
し、エチルエーテルで洗浄した。真空乾燥を終夜行いコンプレックスを得た(41
.58%)。
【0051】 上記の特定例は本発明の一般的性質を完全に示しているので、現在の知識を応
用して、過度の実験をしないでまた一般的な概念から逸脱しないでこのような特
定例を種々の応用のため容易に改変および/または採用することができ、そして
、したがって、このような採用および改変は開示された具体例と同等の範囲およ
び意味で包含される。ここに用いられた語法または述語は解説のためのものであ
り制限するものではない。手段、物質、および種々の開示されたものを実施する
ための工程は本発明から逸脱することなく種々の改変を行うことができる。
【0052】 したがって、機能的記述である、明細書中に見出されるような表現「…する手
段」および「…のための手段」または任意の方法工程の語は、どんな構造上、物
理的、化学的、または電気的要素または構造、またはどんな方法工程でも、現在
または将来において列挙された機能を実施できるものは、上記詳細に開示された
具体例に正確に同じであるかどうかを問わず、すなわち、同じ機能を実施するた
めの他の手段または工程を用いることができ、そしてそのような表現はもっとも
広い解釈を与えられるように明確にされ包含されるものである。
【0053】 参考文献 Arounaguiri et al., Inorg. Chem., 38:842-843 (1999). Belle et al., New J. Chem., 22:1399-1402 (1998). Burk et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 29:1462 (1990). Canary et al., "Conformationally Driven, Propeller-Like Chirality in Lab
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: eine neue Strategie fur die Entwicklung molekularer Scalter, " Angew. Chem. , 110-321-3 (1998). Zelikovich et al., Nature, 374:790-792 (1995).
【図面の簡単な説明】
【図1】Figure1はチオキサンテンの安定なエナンチオマーを示す図である。
【図2】Figure2は可視光/UV光に感じる光スイッチを示す図である。
【図3】Figure3はジヒドロアズレン/ビニルヘプタフルベン光クロイズムシス
テムを示す図である。
【図4】Figure4はFe(II)およびFe(III)のためのレドックススイッチを示す図
である。
【図5】Figure5は一組のハードおよび一組のソフト連結基を用いる別のレドッ
クススイッチを示す図である。
【図6】Figure6は分子シャトルとして操作する[2]−ロタキサンを示す図であ
り、4カチオン性ビス−ピリジウムシクロファンは2つの結合部位の間を前後に
移動する。
【図7】Figure 7はルミネセンスのレドックスオン/オフスイッチ切り替えを
行い、電気活性成分と発光センターを合わせた分子スイッチシステムを示す図で
ある。
【図8】Figure 8は[2]−カテネートの電気的トリガースイッチを示す図である
【図9】Figure 9は2つの形のコンプレックス間の相互変換を示す図である。
【図10】Figure 10はフルオロフォレにつながれたテトラデンテートリガンド
内に配置されたレドックス活性金属を示す図である。
【図11】Figure 11はリガンドのトリス[(2−ピリジル)−メチル]アミンタイ
プを示す図である。
【図12】Figure 12aは蛍光とCDを用いる4個の金属イオン間の区別を示す
図である。Figure 12bはCu+およびCu2+のためのレドックススイッチを示す図で
ある。
【図13】Figure 13は一連の異なる置換基で調製された置換キノリン化合物を
示す図である。
【図14】Figure 14は1本のアームが金属イオンの選択を示す三脚リガンドを
示す図である。
【図15】Figure 15は本発明によるコンプレックスでのCu(I)およびCu(II)間
のシフトを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA16 BC02 BC22 4C031 BA02 4C055 AA01 BA08 BA27 BA33 BB04 BB16 BB19 CA01 DA01 4H048 AA01 AB78 AB91 VA20 VA32 VA40 VA56 VB10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)2種の酸化状態で存在する金属イオン; (b)識別する物理的性質を得るように回転することができるキラルユニット;
    および (c)前記金属イオンで共に結合された3本のアームを含み、各アームは金属イ
    オンに配位結合できる原子を含み、少なくとも2本のアームは発色団の性質をも
    つ有機リガンド からなる配位結合コンプレックス。
  2. 【請求項2】少なくとも1本のアームが最初の酸化状態で金属イオンに配位
    結合する第一の基、および第二の酸化状態で金属イオンに配位結合する第二の基
    を含む請求項1記載の配位結合コンプレックス。
  3. 【請求項3】次式: 【化1】 式中、Aは金属イオンに配位結合する原子であり; C1およびC2は光吸収可能な同じかまたは異なる発色団であり、また金属イオン
    に配位結合出来る原子を含み、またはC1およびC2は金属イオンに配位結合でき
    る原子を含む基に付属した発色団であり; Zはキラル原子であり; R1−R4は−(CH2)n−、−O−、−S−、−NR8−、カルボニル、カルボキ
    シルから選択されるリンカー基であり、であり、式中、nは1ないし4の整数で
    ある; R8は1ないし8個の炭素原子をもつ直鎖または分枝鎖アルキルであり; R5−R7は水素、C1−C8分枝または直鎖アルキル基、C6−C14置換または非
    置換芳香族基および1ないし3個のヘテロ原子をもつヘテロ芳香族基であること
    ができる終端基であり、ヘテロ原子は窒素、硫黄または酸素であることができ;
    そして Mは少なくとも1以上の酸化状態で存在することができる金属イオンである、配
    位結合コンプレックス。
  4. 【請求項4】AがN,O,およびSからなる群から選択される請求項3記載
    の配位結合コンプレックス。
  5. 【請求項5】C1またはC2のいずれか1つが置換ピリジン、非置換ピリジン
    、キノリン、置換キノリン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラゾール、置
    換ピラゾール、ピラジン、置換ピラジン、ピリダジン、置換ピリダジン、ベンズ
    イミダゾール、置換ベンズイミダゾール、フェナンスロリン、置換フェナンスロ
    リン、随意に融合される少なくとも2環をもつ発色団ヘテロサイクリック化合物
    からなる群から選択され; 置換基はC1−C8脂肪族、C6−C16芳香族、C7−C6アルキル芳香族、ニトロ
    、シアノ、C1−C8アルコキシ、C1−C16アリールオキシ、C1−C8アルキル
    アミノ、C1−C16アリールアミノ、アゾ、ハロ、スルホニル、ホスホリル、C1 −C8アルキルチオ、およびC1−C16アリルチオからなる群から選択される、請
    求項3記載の配位結合コンプレックス。
  6. 【請求項6】R1−R4は−(CH2)n−、−O−、−S−、−NH−、−CO
    −、および−COO−からなる群から選択され、nは1から8までの整数である
    、請求項3記載の配位結合コンプレックス。
  7. 【請求項7】R5−R7は水素およびメチルからなる群から選択される、請求
    項3記載の配位結合コンプレックス。
  8. 【請求項8】金属イオンが三方晶形の両錐形配位ジオメトリイでのリガンド
    を結合する、請求項3記載の配位結合コンプレックス。
  9. 【請求項9】金属イオンがCu(II)またはZn(II)である、請求項8記載の配位
    結合コンプレックス。
  10. 【請求項10】2つの異なる酸化状態で存在する金属イオンの中心からなる
    配位結合コンプレックスからなり、有機リガンドが前記金属イオンにて共に結合
    した3本のアームを含み、各アームが金属イオンに配位結合できる原子を含み、
    少なくとも2本のアームが発色団の性質をもつ、光スイッチ。
  11. 【請求項11】液晶の代わりに、請求項1記載の配位結合コンプレックスを
    用いてなる改良された光ディスプレィデバイス。
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