JP2003505028A - Cd40受容体のスプライシング変種 - Google Patents

Cd40受容体のスプライシング変種

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、CD40受容体の選択的スプライシングによる6つの新規変種に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
本発明は、新規核酸配列、それらを含有するベクター及び宿主細胞、前記配列
によってコードされるアミノ酸配列、前記アミノ酸配列と反応する抗体、並びに
上記の何れかを含む薬学的組成物に関する。本発明は、さらに、試料中の核酸及
びアミノ酸配列を検出する方法に関する。
【0002】
【発明の背景】
CD40はTNF−Rファミリーに属する細胞表面受容体であり、Bリンパ球
上に初めて同定され、機能の解明が行われている。しかしながら、近年になって
、CD40は、単球、樹状細胞、内皮細胞、及び上皮細胞上を含む、より広い範
囲で発現されていることが明らかとなってきた。それ故、現在では、CD40は
、免疫調節において、より一般的な役割を果たしていると考えられている。
【0003】 CD40タンパク質は、277アミノ酸からなる45〜50kDaの糖タンパ
ク質であり、193アミノ酸の細胞外ドメインは、4つの約40残基からなる不
完全なリピートから構成され、重なり合う様式の6つのシステインによって固定
される。この構造は、TNF−Rファミリーの他のメンバーにも存在する。
【0004】 CD40は、複数の細胞種によって発現される。造血系では、CD40は、C
D45造血前駆細胞、B細胞前駆細胞、成熟Bリンパ球、形質細胞、単球、樹
状細胞、好酸球、好塩基球、及びTリンパ球の一部に発現されている。CD40
は、内皮細胞、繊維芽細胞、及び上皮細胞のような非造血細胞上にも発現されて
いる。
【0005】 CD40−Fc融合タンパク質を用いた発現クローニングによって、活性化さ
れたT細胞からCD40リガンド(CD40−L)の単離が可能となった。ヒト
のCD40−Lは、5つのシステインを有する215アミノ酸の細胞外ドメイン
を含む261アミノ酸のポリペプチドである。CD40−Lは、腫瘍壊死因子フ
ァミリーのメンバーである。
【0006】 そのリガンドが結合したCD40−Rは、Lyn及びSykを含むタンパク質
チロシンキナーゼを活性化し、ホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ及び
ホスホリパーゼCγ2を含む複数の基質のチロシンリン酸化を誘導する。
【0007】 CD40は、CRAF1、CD40bp、LAP1、及びCAP1(18−2
1)という名称でも呼ばれるTRAF3タンパク質(TNF−R Associ
ated Factor−3)とも相互作用する。TRAF3は、殆ど全ての細
胞種で発現されている62kDの細胞内タンパク質である。該タンパク質は、シ
グナル伝達に関与している可能性がある数個の機能的ドメインを含有する。
【0008】 さらに、CD40は、TRAF2(TNF−R2とも結合する分子である)と
結合することが実証されている。CD40架橋を介したNF−κBの活性化の誘
導は(TNF−R2を介した活性化の誘導も)、TRAF2のシグナル伝達によ
るものである可能性がある。
【0009】 サイズの増加、及びホモタイプな凝集とヘテロタイプな凝集に関与する新しい
表面分子(CD23、VLA−4)の発現、並びにT細胞の同時刺激(CD80
/CD86)によって示されるように、CD40の結合は、静止状態のB細胞を
活性化する。さらに、CD40によって活性化されたB細胞は、自己分泌及び傍
ら分泌性増殖因子及び分化因子として作用し得る一群のサイトカインを分泌する
【0010】 CD40は、さらに、単球や樹状細胞のような専門分化した抗原提示細胞上に
発現されていることが知られており、CD40が上記細胞に結合することによっ
て、IL1、IL5、IL8、IL10、IL12、TNFα、MiP1αのよ
うなサイトカイン、並びにマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)のよう
な酵素を含む複数のタンパク質を分泌させる。
【0011】 細胞性免疫反応に対する該受容体−リガンド対の重要性は、CD40及びCD
40−Lノックアウトマウスにおいて、幾つかの病原体に対する免疫性が減弱す
ることによって実証されている。これと合致して、CD40の結合は、単球の殺
腫瘍活性及びNO合成を惹起する。
【0012】 CD40−Lに対する抗体の投与によって、(1)2型コラーゲン誘発性関節
炎:ヒトの慢性関節リウマチのモデル、(2)全身性エリテマトーデスのモデル
となるループス誘発性マウスにおけるループス腎炎、(3)プロテオリポタンパ
ク質(protcolipoprotein)誘発性実験的脳脊髄炎:ヒト多発
性硬化症のモデルを含む様々なマウスモデルでの自己免疫症状の定着を抑制する
ことが示された。
【0013】 抗CD40−L抗体の投与は、さらに、同種異系骨髄移植の主な合併症として
生じる移植片対宿主病(GVHD)の進行を妨げることも実証されている(va
n Kooten,C. and Banchereau,J.,Fronti
ers in Bioscience,d1−11 January 1、(1
997))。
【0014】
【用語の定義】
以下の説明と特許請求の範囲では、様々な用語が適宜使用される。本発明にお
いて、これらの用語の意義は以下のように解釈しなければならない。
【0015】 「CD40R変種核酸配列」−配列番号1〜配列番号6の配列の何れか1つに
示されている配列、該配列と少なくとも90%の同一性を有する配列(下記参照
)、及び少なくとも20塩基対の長さを有する上記配列の断片(下記参照)。こ
れらの配列は、公知のネイティブCD40Rの天然に存在する新規選択的スプラ
イシング変種をコードする配列であり、受付番号P25942でCD40 HU
MANとしてSwiss Protに図示されており、277アミノ酸のヒト4
5〜50kDa糖タンパク質をコードする配列である。本発明の新規変種は、C
D40R遺伝子の選択スプライシングによって生じた天然に存在する配列であっ
て、前記遺伝子が単に末端切断され、変異を受け、又は断片化されたものではな
いことを強調しなければならない。
【0016】 表1には、以下のように、CD40R変種の説明、及び元の配列との相違がま
とめられている。
【表1】
【0017】 配列番号1及び2は、ヒト由来である。 配列番号4〜6は、マウスの相同分子種の配列に対するものである。
【0018】 「CD40R変種産物−適宜「CD40R変種タンパク質」又は「CD40R
変種ポリペプチド」とも称する」は、選択的スプライシングの結果得られた天然
に存在するmRNA配列であるCD40R変種核酸配列によってコードされるア
ミノ酸配列である。前記アミノ酸配列は、ペプチド、タンパク質、及び糖ペプチ
ド又は糖タンパク質のような化学的に修飾されたアミノ酸を有するペプチド又は
タンパク質(下記参照)であり得る。CD40R変種産物は、配列番号7〜配列
番号12の何れか1つに示されている。本用語には、1以上のアミノ酸が付加、
欠失、置換され(下記参照)又は化学的に修飾された(下記参照)前記配列の相
同体(下記参照)、及び少なくとも10アミノ酸を有する該配列の断片(下記参
照)も含まれる。上述のように、該配列はCD40Rの細胞外ドメインを指す。
【0019】 「CD40変種核酸配列の断片」−変種配列と元の配列間でヌクレオチドに変
異を含有する領域を含む配列番号1〜配列番号6の何れか1つの部分配列。これ
らの領域は(アミノ酸レベルで)上表1に図示されている。
【0020】 「CD40R変種産物の断片」−表1に示されているような、前記変種を元の
配列と異ならしめる領域を含有する、上記核酸断片によってコードされるアミノ
酸配列。
【0021】 「核酸配列」−DNAヌクレオチド、RNAヌクレオチド、又は両種の組合せ
から構成される配列であり、天然のヌクレオチド、化学的に修飾されたヌクレオ
チド、及び合成ヌクレオチドを含み得る。
【0022】 「アミノ酸配列」−天然に存在する20のアミノ酸の何れかから構成され、化
学的に修飾されたアミノ酸(下記参照)から構成され、又は合成アミノ酸から構
成される配列。
【0023】 「変種/産物の相同体」−1以上のアミノ酸が付加、欠失、又は置換された変
種のアミノ酸配列。変化を受けたアミノ酸は、例えば表1に説明されているよう
な、前記変種を元の配列と異ならしめる領域の中に存在するであろう。
【0024】 「保存的な置換」−あるクラスに属するアミノ酸を同じクラスのアミノ酸で置
換することを指し、前記クラスは、共通の物理化学的アミノ酸側鎖の特性と、例
えば、標準的なDayhoff頻度交換マトリックス又はBLOSUMマトリッ
クスによって決定されるような、天然に見出される相同なタンパク質中の高い置
換頻度とによって規定される。6つのアミノ酸側鎖の一般的なクラスに分類され
、クラスI(Cys)、クラスII(Ser、Thr、Pro、Ala、Gly
);クラスIII(Asn、Asp、Gln、Glu);クラスIV(His、
Arg、Lys);クラスV(Ile、Leu、Val、Met);及びクラス
VI(Phe、Tyr、Trp)が含まれる。例えば、Aspを、Asn、Gl
n、又はGlu等の別のクラスIII残基に置換することは保存的な置換である
【0025】 「非保存的な置換」―あるクラスに属するアミノ酸を別のクラスのアミノ酸と
置換することを指す。例えば、クラスII残基であるAlaを、Asp、Asn
、Glu、又はGln等のクラスIII残基に置換することである。
【0026】 「化学的に修飾された」−本発明の産物に対して用いるときには、プロセッシ
ング又は他の翻訳後修飾のような天然のプロセス、又は本分野において周知であ
る化学的修飾技術の何れかによって、少なくとも1つのアミノ酸残基が修飾され
ている産物(タンパク質)を意味する。多数の既知の典型的な修飾の例には、ア
セチル化、アシル化、アミド化、ADPリボシル化、グリコシル化、GPIアン
カーの形成、脂質又は脂質誘導体の共有結合、メチル化、ミリスチル化、PEG
化(pegylation)、プレニル化、リン酸化、ユビキチン化、又は任意
の類似のプロセスが含まれるが、これらに限定されない。
【0027】 「生物学的に活性な」−何らかの種類の生物的活性、例えば、既知のCD40
リガンド(CD40−L)又は元のCD40Rの他のアゴニストへの結合能力を
有する変種産物を指す。
【0028】 「免疫学的に活性な」とは、適切な動物又は細胞に特異的な免疫応答を誘導し
、特異的な抗体と結合する天然、組換え、若しくは合成変種産物、又は任意のそ
れらの断片の能力を意味する。従って、例えば、免疫学的に活性な変種産物の断
片は、変種産物の免疫学的特性(例えば、特異的な抗変種産物抗体を結合する能
力)の一部又は全部を保持し、又はこのような抗体を作出するであろう免疫反応
を惹起することができ、又は変種を産生する特異的な免疫細胞の増殖を引き起こ
し得る断片を指す。
【0029】 「至適アラインメント」−最も高いパーセント同一性スコアを与えるアライン
メントと定義される。このようなアラインメントは、1のktup、デフォルト
パラメーター、及びデフォルトPAMを用いた局所アラインメントプログラムL
ALIGNのような様々な市販の配列分析プログラムを用いて実行することがで
きる。好ましいアラインメントは、10.0のオープンギャップペナルティー、
0.1の拡張ギャップペナルティー、及びBLOSUM類似性マトリックスによ
って作動される、MacVector(TM)のCLUSTAL−Wプログラム
を用いて行ったものである。第1の配列を第2の配列に至適に整列させるために
ギャップの挿入が必要なのであれば、対応するアミノ酸残基と対を成す残基のみ
を用いて、パーセント同一性を計算する(すなわち、計算には、第1の配列の「
ギャップ」中に存在する第2の配列中の残基は考慮しない)。公知の遺伝子配列
とその新規変種のアラインメントを行う場合、至適アラインメントには、必ず、
両配列の同一部分を互いに整列させた後、相互に異なる配列部分を除外して、こ
れをアラインメントから除去することが含まれる。
【0030】 「少なくとも90%の同一性を有する」−2つのアミノ酸又は核酸配列におい
て、配列を至適に整列したときに2つの配列中に含まれる同じ残基のパーセント
を指す。それ故、90%のアミノ酸配列同一性とは、2以上の至適に整列された
ポリペプチド配列中のアミノ酸が90%同一であることを意味する。
【0031】 「変種核酸配列を有する単離された核酸分子」−CD40R変種核酸をコード
する配列を含む核酸分子である。前記単離された核酸分子は、独立の挿入配列と
して、CD40R変種核酸配列を含み得る;変種コード配列が主たるコード配列
である融合タンパク質を両者でコードするように、別のコード配列に融合された
CD40R変種核酸配列(例えば、別のコード配列はシグナルペプチドをコード
し得る);CD40R変種核酸配列は、適切な宿主中でコード配列を発現させる
のに有効な非コード配列、例えば、イントロン、又はプロモーター、及びターミ
ネーター要素、又は5’及び/又は3’未翻訳領域のような制御要素と組み合わ
せてもよい;又はCD40R変種タンパク質コード配列が異種のものであるベク
ターであり得る。
【0032】 「発現ベクター」−外来細胞中で異種のDNA断片を取り込み、発現する能力
を有するベクターを指す。多くの原核及び真核発現ベクターが知られており、及
び/又は市販されている。適切な発現ベクターの選択は、当業者の知識の範囲に
属する。
【0033】 「欠失」−それぞれ、1以上のヌクレオチド又はアミノ酸残基が存在しないヌ
クレオチド又はアミノ酸配列の何れかにおける変化である。
【0034】 「挿入」又は「付加」−天然に存在する配列と比べて、それぞれ、1以上のヌ
クレオチド又はアミノ酸残基の付加をもたらすヌクレオチド又はアミノ酸配列の
変化である。
【0035】 「置換」−それぞれ、異なるヌクレオチド又はアミノ酸による1以上のヌクレ
オチド又はアミノ酸の置換。アミノ酸配列に関していえば、置換は保存的又は非
保存的であり得る。
【0036】 「抗体」−IgG、IgM、IgD、IgA、及びIgG抗体を指す。この定
義には、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体が含まれる。本用語は、完
全な抗体又は抗変種産物抗体の抗原結合ドメインを含む抗体の断片(例えば、F
c部分を欠く抗体、一本鎖抗体、実質的に抗体の可変抗原結合ドメインのみから
なる断片など)を指す。
【0037】 「疾病を治療する」−疾病の重度を軽減させ、若しくは疾病を治療するために
、又は疾病の発症を防ぐために、疾病に伴う症状を改善するのに有効な治療的物
質を投与することを指す。
【0038】 「検出」−疾病、疾患、病的状態又は正常な状態を検出する方法を指す。本用
語は、疾病を発病する傾向の検出、並びに疾病の重度を決定することによって患
者の予後を確定するための検出を指すこともある。
【0039】 「プローブ」−試料中に他の類似配列の存在を検出し、又は該配列と幾らかの
相同性を有する配列を検出するために使用した場合、CD40R変種核酸配列、
又はこれと相補的な配列。プローブとアッセイすべき配列とのハイブリダイゼー
ション複合体を同定することによって検出を行う。プローブは、固相支持体又は
検出可能な標識に付着させ得る。
【0040】 「元のCD40R」−選択的スプライシングの結果、本発明のCD40R変種
を与えたアミノ酸又は核酸配列。元の核酸配列は、受付番号P25942で、C
D40 HUMAN Swiss Protとして図示されているヒトCD40
受容体の配列であり、元のアミノ酸配列は、それによってコードされる配列であ
る。
【0041】
【発明の概要】
本発明は、受付番号P25942でCD40 HUMAN Swiss Pr
otとして図示されている公知のCD40R遺伝子の選択的スプライシングによ
って得られる天然に存在する配列であり、6つの新規なCD40受容体(CD4
0R)の天然に存在するスプライシング変種の発見に基づいている。本発明の新
規スプライシング変種は単なる末端切断された形態又は公知の遺伝子の断片では
なく、個体の身体内部において天然に存在している新規配列である。これらの新
規変種は、実際に、元のCD40Rの細胞外ドメインのみを含有する。
【0042】 本発明及び特許請求の範囲で使用する「選択的スプライシング」という用語は
、元の配列に比べて前記変種中でのエキソンの排除、及び末端配列の欠失を意味
する。
【0043】 本発明の新規CD40R変種は、元のCD40Rのリガンド結合(細胞外)ド
メインを保持しているので、そのリガンド(例えば、CD40−L)に結合して
、元のCD40Rへの結合に利用できるこのような遊離のリガンド量を個体中で
減少させることができる。このように、前記結合を通じて、シグナル伝達を引き
起こさずにこれらのリガンドを結合し、前記リガンドの量を有効に低下させるの
で、本発明のCD40R変種はCD40リガンドの「スカベンジャー」として作
用し得る。前記変種は分泌されるので、体液中においてさえ、スカベンジャー効
果を発揮することができる。
【0044】 前記新規CD40R変種は、検出目的に利用することもできる(すなわち、そ
れらの存在又はレベルは、炎症性疾患、免疫系が関与する自己免疫疾患、病的状
態のようなCD40受容体が関与する疾病、疾患、病的又は正常な状態の指標と
なり得、あるいは、変種のレベルと該変種を与えた元のCD40Rペプチドのレ
ベルとの比、又は任意の変種相互間の比が、このような疾病、疾患、病的又は正
常な状態の指標となり得る)。
【0045】 例えば、検出目的のためには、元のCD40Rと比較した、様々な組織中のC
D40R変種の発現の相違を確定することが可能である。変種は(各々別個に、
又は同時に)、主として1つの組織中に発現され得るが、変種を与えた元のCD
40R配列は主として別の組織中に発現され得る。様々な組織中での元の配列と
比較した、又は相互に比較した前記変種の分布を理解することは、医薬を標的化
し、又は医薬を開発するのに役立ち得るのみならず、遺伝子の生理的機能を理解
するための基礎研究に役立ち得る。
【0046】 前記検出は、特定の細胞集団内でCD40R変種の発現の存在又はレベルを測
定し、組織中の様々な細胞種間で、異なる組織間で、及び個体間で前記存在又は
レベルを比較することによって行い得る。
【0047】 このように、本発明は、第一の側面として、配列番号1〜配列番号6のうちの
何れか1つの配列を含む核酸分子若しくは該配列からなる新規単離された核酸分
子、少なくとも20核酸を有する前記コード配列の断片、又は配列番号1〜配列
番号6と少なくとも90%の同一性を有する配列を備えた分子を提供する。
【0048】 本発明は、さらに、本明細書で「CD40R変種産物」と称される、上記核酸
配列の何れかによってコードされるアミノ酸配列を含む又は該配列からなるタン
パク質又はポリペプチド、例えば、配列番号7〜配列番号12の任意の1つに図
示されている配列を有するアミノ酸配列、核酸の上記断片によってコードされる
少なくとも10アミノ酸の長さを有する上記アミノ酸配列の断片、並びに1以上
のアミノ酸残基が置換され(保存的な置換又は非保存的な置換による)、付加さ
れ、欠失され、又は化学的に修飾された上記アミノ酸配列の相同体を提供する。
【0049】 本発明は、さらに、上記アミノ酸配列をコードする配列を含む又は該配列から
なる核酸分子(前記アミノ酸配列の断片及び相同体を含む)を提供する。遺伝コ
ードの縮重しているので、配列番号1〜配列番号6の任意の1つによって図示さ
れたもの以外に、複数の選択的な核酸配列が本発明のアミノ酸配列をコードし得
る。配列番号7〜配列番号12の配列の何れか1つに図示されているものと同じ
アミノ酸配列をコードする選択的な核酸配列も本発明の側面である。
【0050】 本発明は、さらに、上記核酸配列のうちの何れかを備えた発現ベクター及びク
ローニングベクター、並びに前記ベクターによってトランスフェクトされた宿主
細胞を提供する。
【0051】 本発明は、さらに、活性成分として、前記核酸分子、前記発現ベクター、又は
前記タンパク質若しくはポリペプチドを含む薬学的組成物を提供する。
【0052】 これらの薬学的組成物は、前記元のCD40Rのリガンドのうちの何れか1つ
のレベルを減少させることによって、改善又は治癒することができる病気及び病
的状態を治療するために適している。「リガンド」という用語は、CD40−L
自体のみならず、CD40受容体と相互作用することが知られているTRAF3
TRAF2のような他の任意の化合物を意味する。このような疾病の例は、関
節炎、慢性関節リウマチ、ループス、(SLE)、及び多発性硬化症である。前
記組成物は、骨髄移植後に遭遇する移植片対宿主病(GVHD)の進行を抑制す
るためにも使用し得る。
【0053】 CD40R産物は、向上した特異性を有する医薬をスクリーニング又は構築す
るために使用してもよい。(ある変種を発現している)特異的な組織へ医薬を標
的化し、又は(特定の変種が発現されている)ある症状に対して医薬を標識する
ことは、向上した組織又は症状特異性を有する医薬のスクリーニング又は構築を
可能とする本発明の変種によって補助され得る。
【0054】 第二の側面として、本発明は、配列番号1〜配列番号6のうちの何れか1つの
配列と相補的である、又は前記配列と少なくとも90%の同一性を有する配列又
は前記配列の断片と相補的である非コード配列を含む、又は該配列からなる核酸
分子を提供する。前記相補的な配列は、配列番号1〜配列番号6の配列とハイブ
リダイズする、又は相補的な配列の転写を阻害するのに十分な長さを有する配列
の一部にハイブリダイズするDNA配列であり得る。前記相補的な配列は、配列
番号1〜配列番号6から転写されたmRNAに対してアンチセンスであるmRN
Aに転写され、又は配列番号1〜配列番号6の何れか1つから転写されるmRN
Aとハイブリダイズするのに十分な長さを有する、配列番号1〜配列番号6から
転写されるmRNAの断片に対してアンチセンスであるmRNAに転写されて、
その翻訳を阻害することができるDNA配列であり得る。前記相補的な配列は、
mRNA又はmRNA自体の断片でもあり得る。
【0055】 本発明の第二の側面の核酸は、例えば、本発明のCD40R変種を検出するた
めに使用されるプローブとして治療的又は診断的な用途に使用し得る。CD40
R変種転写物の存在又は変種転写物のレベルは、多数の疾病、疾患、並びに様々
な病的な症状及び正常な症状の指標となり得る。さらに、本発明の変種の転写物
のレベルの比は、変種を与えた元のCD40R配列の転写物の比と、又は相互の
比と比較してもよく、前記比は、多数の疾病、疾患、並びに様々な病的な症状及
び正常な症状の指標となり得る。既知のCD40受容体は細胞質領域と細胞外領
域を何れも有するのに対して、本発明の変種は実質的に細胞外領域のみを有する
ため、可溶型として分泌されるという事実によって、比較が容易となろう。
【0056】 本発明は、本発明の第一の側面に明記された配列と相補的である上記相補的核
酸配列のうちの何れか1つを備えた発現ベクター、及び前記核酸配列又はベクタ
ーでトランスフェクトされた宿主細胞も提供する。
【0057】 本発明は、抗変種産物抗体、すなわち、前記CD40R変種産物に特異的に結
合するCD40R変種産物に対して誘導された抗体も提供する。該抗体は、診断
及び治療的用途の両者に有用である。例えば、前記抗体は、以下に説明されてい
るように、活性成分として、薬学的組成物中に存在し得る。
【0058】 本発明は、活性成分として、前記相補的な配列を含む若しくは該配列からなる
核酸分子、又は前記相補的な配列を備えたベクターを含む薬学的組成物も提供す
る。このため、前記薬学的組成物は、活性成分として、前記抗変種産物抗体を含
む薬学的組成物を提供する。
【0059】 本発明の第三の側面によれば、本発明は、例えば、前記コード配列を含む又は
該配列からなるプローブを使用することによって、体液試料中に、又は特定の組
織試料中に存在する前記CD40R変種産物の転写物(mRNA)のレベルを検
出する方法、並びに、例えば本発明のCD40変種産物と特異的に反応し得る抗
体を使用することによって、組織中に存在する前記産物の発現レベルを検出する
方法を提供する。とりわけ、本発明のCD40変種を与えた元の配列のレベルと
比較して、又は相互に比較して本発明のCD40変種の発現レベルを検出するこ
とは、多数の生理的又は病理的な状態の指標となり得る。
【0060】 最後の側面によれば、生物学的試料中に存在するCD40Rの変種産物をコー
ドする核酸配列を検出する方法であって、 (a)上記核酸配列のうちの少なくとも1つを備えたプローブを準備すること
と、 (b)核酸配列のハイブリダイゼーションを可能とする条件下で、生物学的試
料を前記プローブと接触させることにより、ハイブリダイゼーション複合体の形
成を可能とすることと、 (c)ハイブリダイゼーション複合体を検出することと、 を備え、前記複合体の存在が生物学的試料中に存在するCD40R変種産物をコ
ードする核酸配列の存在の指標である方法を提供する。
【0061】 上記方法は定性的であり得る。すなわち、前記転写物が試料中に存在するか否
かを示す。前記方法は、ハイブリダイゼーション複合体のレベルを測定した後、
該レベルを較正して、試料中に存在する所望の変種の転写物のレベルを測定する
ことによって、定量的でもあり得る。
【0062】 定性的な測定法と定量的な測定法は、何れも診断、予後及び治療計画の目的に
使用することができる。
【0063】 好ましい態様によれば、前記プローブは検出用途で使用される核酸チップの一
部である、すなわち、前記プローブは、プローブがそれぞれ固相支持体上の所定
の位置に存在するプローブのアレイの一部である。
【0064】 上記方法で使用される核酸配列はDNA配列、RNA配列等であり得る。前記
核酸は、(それぞれ、RNA転写物又はコードDNA配列を検出するために)コ
ード配列又はこれに相補的な配列であり得る。ハイブリダイゼーション複合体の
レベルを定量し、定量した結果を較正することによって、試料中に存在する転写
物のレベルを検出することも可能である。
【0065】 CD40R変種産物をコードする領域中の変異を検出する方法も提供される。
該方法は、二元的な様式で実施される、すなわち、本発明の正常な変種核酸配列
と試料中に存在する配列との間に何らかのミスマッチが存在するかどうかを単に
検出するか、又は前記変異の性質と位置を特異的に検出することによって実施さ
れる方法であり得る。
【0066】 本発明は、生物学的試料中のCD40R変種産物を検出する方法であって、 (a)本発明の抗体を前記生物学的試料と接触させることにより、抗原抗体複
合体を形成させることと、 (b)前記抗原抗体複合体を検出することと、 を備え、前記抗原抗体複合体の存在が、前記生物学的試料中にCD40R変種産
物が存在することと相関する方法にも関する。
【0067】 上述したように、試料中に存在するCD40変種のレベル又は量を単に測定し
、又は変種を与えた元のCD40Rアミノ酸配列のレベルと比較して測定するた
めに定量化することが可能であり、定性的又は定量的な結果は、診断、予後及び
治療計画の目的に使用することができる。
【0068】
【好ましい態様の詳細な記述】
例1:CD40R変種の核酸配列 本発明の核酸配列には、CD40Rの変種産物並びにその断片及び類縁体をコ
ードする核酸配列が含まれる。あるいは、前記核酸配列は、上記コード配列、又
は前記コード配列の領域に相補的な配列でもあり得る。前記相補的な配列の長さ
はコード配列の発現を抑えるのに十分である。前記核酸配列は、RNA又はDN
Aの形態であり得、前記核酸配列はmRNA、合成RNA及びDNA、cDNA
、ゲノムDNAを含む。前記DNAはニ本鎖又は一本鎖であり得、一本鎖の場合
には、コード鎖又は非コード(アンチセンス、相補的)鎖であり得る。前記核酸
配列は何れも、天然に存在しない配列のみならず、dNTP、rNTPも含み得
る。前記配列はアミノ酸配列とのハイブリッドの一部でもあり得る。
【0069】 一般的な実施態様では、前記核酸配列は配列番号1〜配列番号6で表される何
れか1つの配列と少なくとも90%の相同性を有する。
【0070】 前記核酸配列はコード配列のみを含んでもよい。あるいは、前記コード領域は
、融合タンパク質又はシグナルペプチドをコードする配列のような付加的なコー
ド配列と結合させてもよく、イントロンや調節要素、プロモーターやターミネー
ター要素又は5’及び/又は3’非翻訳領域のような、適切な宿主及び/又はそ
の中に前記変種核酸配列が異種の配列として導入されるベクター又は宿主環境に
おいて前記コード配列を発現させるのに有効である非コード配列と結合させても
よい。
【0071】 本発明の前記核酸配列は、前記変種産物の精製を可能とするマーカー配列にイ
ンフレームで融合されたCD40R変種産物のコード配列も有し得る。細菌が宿
主の場合、前記マーカー配列は、例えば、前記マーカーに融合した成熟したポリ
ペプチドを精製するためのヘキサヒスチジンタグであり得、又は哺乳類が宿主に
用いられた場合(例えば、COS−7細胞)、前記マーカー配列はヘマグルチニ
ン(HA)タグであり得る。前記HAタグはインフルエンザのヘマグルチニンタ
ンパク質(Wilson,I., et al Cell 37:767 (1
984))由来のエピトープに対応する。
【0072】 コード配列の核酸配列領域に対応する、典型的には少なくとも20塩基を有す
る、好ましくは20〜30塩基を有する前に定義した断片(本明細書ではオリゴ
ヌクレオチドとも称される)も本発明の範囲に含まれる。前記断片は、既知の方
法に従って、プローブ、プライマーとして使用することができ、相補的である場
合にはアンチセンス剤としても使用し得る。
【0073】 上述のように、前記核酸配列は、実質的に配列番号1〜配列番号6に図示され
た配列又はその断片、又は先に説明したように上記配列と少なくとも90%の同
一性を有する配列であり得る。あるいは、遺伝コードの縮重により、前記配列は
、配列番号7若しくは配列番号12のアミノ酸配列、又は該アミノ酸配列の断片
若しくは類縁体のうちの任意の1つをコードする配列であり得る。
【0074】 A. 核酸配列の調製 前記核酸配列は、先に開示したCD40R変種産物をコードする核酸配列にハ
イブリダイズすることができ、又は該核酸配列をPCR増幅することができるオ
リゴヌクレオチドプローブを用いるcDNAライブラリーをスクリーニングする
ことによって取得し得る。様々な組織から調製されたcDNAライブラリーが市
販されており、cDNAクローンをスクリーニング及び単離する操作は当業者に
周知である。このような技術は例えば、Sambrook et al.(19
89)Molecular Cloning: A Laboratory M
anual (2nd Edition), Cold Spring Har
bor Press, Plainview, N.Y.及びAusubel
FM et al. (1989)Current Protocols in
Molecular Biology, John Wiley & Son
s, New York, N.Y.に記載されている。
【0075】 プロモーター、制御要素、5’及び3’非翻訳領域(UTRs)のような上流
及び下流配列を得るために前記核酸配列を伸長してもよい。利用可能な転写配列
の伸長は、PCR又はプレイマー伸長(Sambrook et al., 上
述)のような当業者に公知の多くの方法によって、又は、例えばMaratho
n RACEキット(Clontech, Cat.#K1802−1)を用い
たRACE法によって行い得る。
【0076】 あるいは、汎用性プライマーを用いて既知の部位に隣接する隣接配列を得ると
いう「制限部位」PCR(Gobinda et al.PCR Method
s Applic. 2:318−22, (1993))の技術を使用しても
よい。まず、リンカー配列に対するプライマー及び既知の領域に特異的なプライ
マーの存在下でゲノムDNAを増幅させる。前記増幅された配列を、同じリンカ
ープライマーと最初のプライマーよりも内側にある別の特異的プライマーとを用
いる2回目のPCRにかける。各回のPCR産物を適切なRNAポリメラーゼを
用いて転写し、逆転写酵素を用いてシーケンスする。
【0077】 既知の領域に基づいたダイバージェントプライマーを用いて配列を増幅又は伸
長するためにインバースPCRを使用することができる(Triglia, T
. et al., Nucleic Acids Res. 16:8186
, (1988))。前記プライマーは、OLIGO(R)4.06 Prim
er Analysis Software(1992; National
Biosciences Inc, Plymouth, Minn.)又は他
の適切なプログラムを用いて、22〜30ヌクレオチドの長さで、50%以上の
GC含量を有し、且つ約68〜72℃の温度で標的配列にアニールするように設
計し得る。前記方法は幾つかの制限酵素を利用して遺伝子の既知の領域中に適切
な断片を作り出す。続いて、前記断片は分子内ライゲーションにより環状化され
、PCRの鋳型として用いられる。
【0078】 キャプチャーPCR(Lagerstrom, M. et al., PC
R Methods Applic.1:111−19,(1991))は、ヒ
ト及び酵母人工染色体(YAC)DNA中の既知配列に隣接するDNA断片をP
CR増幅するための方法である。キャプチャーPCRも、PCRに先立って、D
NA分子の隣接部分中に改変された二本鎖配列を配置するために複数の制限酵素
による消化とライゲーションを要する。
【0079】 隣接配列を得るために使用し得る他の方法は、Parker, J.D.,
et al., Nucleic Acids Res., 19:3055−
60, (1991)の方法である。さらに、PCR、ネスティッドプライマー
、ゲノムDNAを“ウォークイン”するためのPromoterFinder(
TM)ライブラリー(PromoterFinder(TM);Clontec
h,Palo Alto,CA)を使用することができる。この方法はライブラ
リーをスクリーニングする必要がなく、イントロン/エクソン接合部を見出すの
に有用である。全長cDNAをスクリーニングするための好ましいライブラリー
は、より大きなcDNAを含むようにサイズ選別されているものである。また、
遺伝子の5’及び上流領域を含有する配列をより多く含むという点において、ラ
ンダムに開始されたライブラリーが好ましい。
【0080】 オリゴd(T)ライブラリーから全長cDNAが得られない場合、ランダムに
開始されたライブラリーは特に有用であり得る。ゲノムライブラリーは5’非翻
訳調節領域まで伸長するのに有用である。
【0081】 本発明の前記核酸配列及びオリゴヌクレオチドは、公知の合成法による固相法
によっても調製し得る。典型的には、約100塩基までの断片を個別に合成した
後に接合し、数百塩基までの連続した配列を形成させる。
【0082】 B. CD40R変種産物を作製するためのCD40R変種核酸配列の利用 本発明によれば、CD40R変種産物の発現を誘導する組換えDNA分子とし
て、先に明記した核酸配列を使用し得る。
【0083】 当業者であれば理解できると思われるが、ヒトゲノムの中に天然に存在する配
列番号1〜配列番号6中に出現するコドン以外のコドンを有するCD40R変種
産物をコードするヌクレオチド配列を作製するのに有利であり得る。例えば、変
種産物の発現速度を増加させるために、又は天然に存在する配列から得られる転
写産物よりも長い半減期等の望ましい特性を有する組換え体RNA転写物を得る
ために、特定の原核生物又は真核生物の宿主にとって好適なコドン(Murra
y, E. et al. Nuc Acids Res., 17:477−
508,(1989))を選択することができる。
【0084】 前記産物のクローニング、プロセッシング、及び/又は発現を変更させる変化
を含む(これらに限定されない)様々な理由により、本発明の前記核酸配列はC
D40R変種産物のコード配列を改変するために操作することができる。本分野
において周知の技術(例えば、部位特異的突然変異誘発)を用いて変化を導入し
、新たな制限酵素部位を挿入し、グリコシル化のパターンを変化させ、コドンの
嗜好を変化させ得る。
【0085】 本発明には、広く上述されているような1以上の配列を含む組換え構築物も含
まれる。前記構築物は、本発明の核酸配列を順方向又は逆方向に挿入したプラス
ミド又はウイルスベクターなどのベクターを備える。本実施態様の好ましい側面
では、前記構築物は、例えば、前記配列に対して作用可能に連結されたプロモー
ターを含む調節配列の配列を備える。多数の適切なベクター及びプロモーターが
当業者に公知であり、市販されている。原核生物及び真核生物の宿主と共に用い
るのに適したクローニング及び発現ベクターは、Sambrook,et al
.,(上述)にも記載されている。
【0086】 本発明は、本発明のベクターを用いて遺伝的に改変された宿主細胞、及び組換
え技術により本発明の産物の作製にも関する。宿主細胞は、例えばクローニング
ベクター又は発現ベクターであり得る本発明のベクターを用いて遺伝的に改変さ
れる(すなわち、形質導入、形質転換又はトランスフェクトされる)。前記ベク
ターは、例えば、プラスミド、ウイルス粒子、ファージなどの形態であり得る。
前記改変された宿主細胞は、プロモーターを活性化させ、形質転換体を選択し、
又は変種核酸配列の発現を増幅するのに適したように修飾された従来の栄養培地
中で培養し得る。温度、pH等の培養条件は発現について選択された宿主細胞と
共に以前から使用されている条件であり、当業者にとっては自明であろう。
【0087】 本発明の核酸配列は、産物を発現するための様々な発現ベクターのうちの任意
の1つに導入し得る。このようなベクターには、染色体DNA、非染色体DNA
、及び合成DNA配列(例えば、SV40の誘導体;細菌プラスミド;ファージ
DNA;バキュロウイルス;酵母プラスミド;プラスミドとファージDNAの組
み合わせから得られたベクター、ワクシニア、アデノウイルス、家禽ジフテリア
ウイルス、及び仮性狂犬病ウイルス)が含まれる。しかしながら、前記宿主中で
複製可能であり、且つ生存可能である限り、他の任意のベクターも使用し得る。
前記適切なDNA配列は様々な操作によって前記ベクターに挿入され得る。一般
的に、前記DNA配列は、本分野で公知の操作により、適当な制限エンドヌクレ
アーゼ部位に挿入され得る。このような操作及び関連するサブクローニング操作
は、当業者の範囲に属するものと考えられる。
【0088】 前記発現ベクター中のDNA配列はmRNAの合成を誘導するために適切な転
写調節配列(プロモーター)に作用可能に連結されている。このようなプロモー
ターの例には、LTR又はSV40プロモーター、大腸菌lac又はtrpプロ
モーター、λファージPLプロモーター及び原核若しくは真核細胞又はそれらの
ウイルス中で遺伝子の発現を調節することが知られている他のプロモーターが含
まれる。前記発現ベクターは、翻訳開始及び転写終結のためのリボソーム結合部
位も含有する。前記ベクターは、発現を増幅させるための適切な配列も含み得る
。さらに、前記発現ベクターは、好ましくは、真核細胞の培養に対してはジヒド
ロ葉酸リダクターゼ若しくはネオマイシン耐性などの、又は大腸菌においてはテ
トラサイクリン又はアンピシリン耐性などの形質転換された宿主細胞を選択する
ための表現型形質を与える1以上の選択可能なマーカー遺伝子を含有する。
【0089】 適切なプロモーター又は調節配列に加えて、上記のような適切なDNA配列を
含有する前記ベクターは、適切な宿主を形質転換して前記宿主に前記タンパク質
を発現させるために利用し得る。適切な発現宿主の例には、E.Coli, S
treptomyces, Salmonella typhimuriumよ
うな細菌細胞、酵母のような真菌細胞、DrosophilaやSpodopt
era Sf9のような昆虫細胞、CHO、COS、HEK293、Bowes
メラノーマのような動物細胞、アデノウイルス、植物細胞などが含まれる。適切
な宿主の選択は、本明細書における教示により、当業者の範囲に属するものと考
えられる。本発明は、使用された宿主細胞によって限定されるものではない。
【0090】 細菌系では、前記CD40R変種産物の用途に応じて、数多くの発現ベクター
を選択し得る。例えば、抗体を誘導するために多量のCD40R変種産物が必要
であるときには、精製が容易な融合タンパク質を高レベルで発現させるベクター
が望ましいであろう。このようなベクターには、ハイブリッドタンパク質が産生
されるように、アミノ末端のMet及びそれに続くβガラクトシダーゼの7残基
に対する配列とインフレームに、前記CD40R変種ポリペプチドをコードする
配列をベクター中に連結し得るBluescript(R)(Stratage
ne)のような多機能の大腸菌クローニング及び発現ベクター;plNベクター
(Van Heeke & Schuster J. Biol. Chem.
264;5503−5509,(1989));pET ベクター(Nova
gen, Madison WI)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0091】 酵母Saccharomyces cerevisiaeでは、α因子、アル
コール酸化酵素、及びPGHのような構成的又は誘導性プロモーターを含有する
多くのベクターを利用し得る。総説として、Ausubel et al.(上
述)及びGrant et al.,(Methods in Enzymol
ogy 153:516−544,(1987))を参照。
【0092】 植物の発現ベクターを用いた場合には、変種産物をコードする配列の発現は、
多数のプロモーターのうちの何れによっても誘導され得る。例えば、CaMVの
35S及び19Sプロモーター(Brisson et al., Natur
e 310:511−514. (1984))のようなウイルスのプロモータ
ーは、単独で、又はTMV由来のオメガリーダー配列(Takamatsu e
t al., EMBO J., 6:307−311, (1987))と組
み合わせて使用し得る。あるいは、RUBISCOのスモールサブユニット(C
oruzzi et al., EMBO J. 3:1671−1680,
(1984); Broglie et al., Science 224:
838−843, (1984))のような植物のプロモーター;又は熱ショッ
クプロモーター(Winter J and Sinibaldi R.M.,
Results Probl. Cell Differ., 17:85−
105, (1991))を使用し得る。これらの構築物は、直接的なDNA形
質転換によって、又は病原体を媒介したトランスフェクションによって植物細胞
に導入することができる。このような技術のレビューとしては、Hobbs S
. or Murry L.E. (1992) in McGraw Hil
l Yearbook of Science and Technology
, McGraw Hill, New York, N.Y., pp 19
1−196;又は Weissbach and Weissbach (19
88) Methods for Plant Molecular Biol
ogy, Academc Press, New York, N.Y.,
pp421−463を参照されたい。
【0093】 CD40R変種産物は、昆虫系においても発現され得る。このような系の1つ
では、Spodoptera frugiperda細胞又はTrichopl
usia larvaeにおいて外来性遺伝子を発現するためのベクターとして
、オートグラファカリフォルニカニュークレア多核体病ウイルス(AcNPV)
が使用される。前記CD40R変種産物のコード配列は、ポリヘドリン遺伝子の
ような、ウイルスの非必須領域中にクローニングされ、ポリへドリンプロモータ
ーの制御下に置かれ得る。CD40R変種のコード配列をうまく挿入すると、ポ
リヘドリン遺伝子を不活性化し、コートタンパク質を欠失した組換え体ウイルス
が産生されるであろう。続いて、前記組換え体ウイルスは、変種タンパク質が発
現されているS.frugiperda細胞又はTrichoplusia l
arvae(Smith et al., J. Virol. 46:584
, (1983);Engelhard, EK. et al., Proc
. Nat. Acad. Sci. 91:3224−7,(1994))を
感染させるために用いられる。
【0094】 哺乳類の宿主細胞では、多数のウイルスを基にした発現系を利用し得る。発現
ベクターとしてアデノウイルスを用いる場合には、CD40R変種産物のコード
配列は、遅発型のプロモーター及び3つの部分から構成されるリーダー配列から
なるアデノウイルスの転写/翻訳複合体にライゲーションされ得る。ウイルスゲ
ノムの非必須E1又はE3領域中に挿入すると、感染した宿主細胞中で変種タン
パク質を発現することができる生存可能なウイルスが得られるであろう(Log
an and Shenk, Proc. Natl. Acad. Sci.
81:3655−59, (1984))。更に、哺乳類の宿主細胞中での発
現を増加させるために、ラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサーのような転
写エンハンサーを使用し得る。
【0095】 変種産物のコード配列を効率的に翻訳するためには、特異的な開始シグナルも
必要とされるかもしれない。これらのシグナルには、ATG開始コドンと隣接配
列を含む。CD40R変種産物のコード配列、その開始コドン、及び上流配列が
適切な発現ベクターに挿入されている場合には、更なる翻訳制御シグナルは必要
ではないかもしれない。しかしながら、コード配列又はその一部分のみを挿入す
る場合には、ATG開始コドンを含む外因性の転写調節シグナルを与えなければ
ならない。更に、挿入物全体を確実に転写させるために、開始コドンは正しいリ
ーディングフレームの中に存在しなくてはならない。外因性の転写要素と開始コ
ドンは様々な起源であり得、天然のものでもよいし、合成したものでもよい。使
用する細胞系に適したエンハンサーを含めることによって、発現効率が高められ
るかもしれない(Scharf, D. et al., (1994) Re
sults Probl. Cell Differ., 20:125−62
,(1994); Bittner et al., Methods in
Enzymol 153:516−544, (1987))。
【0096】 更なる実施態様では、本発明は上記構築物を含有する宿主細胞に関する。該宿
主細胞は哺乳類の細胞のような高等な真核細胞、若しくは酵母細胞のような下等
な真核生物細胞であり得、又は前記宿主細胞は細菌細胞のような原核細胞であり
得る。前記構築物の前記宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェク
ション、DEAE−デキストランを媒介したトランスフェクション、又は電気穿
孔(Davis, L., Dibner, M., and Battey,
I. (1986) Basic Methods in Molecula
r Biology)によって行うことができる。無細胞翻訳系を利用し、本発
明のDNA構築物由来のRNAを用いてポリペプチドを産生することも可能であ
る。
【0097】 前記挿入された配列の発現を調節する能力、又は発現されたタンパク質を所望
の形式で加工する能力について、宿主細胞株を選択してもよい。前記タンパク質
のこのような修飾には、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化
、脂質付加、及びアシル化を含まれるが、これらに限定されない。前記タンパク
質の“Pre−Pro”型を切断する翻訳後プロセッシングも、正しい挿入、フ
ォールディング及び/又は機能にとって重要であり得る。CHO、HeLa、M
DCK、293、WI38などのような様々な宿主細胞は、特定の細胞機構及び
このような翻訳後活性に対する特徴的な機構を有しており、前記導入された、外
来タンパク質の正しい修飾及びプロセッシングを確実にするために選択し得る。
【0098】 組換えタンパク質を長期にわたって高収量で産生させるには、安定発現が好ま
しい。例えば、変種産物を安定に発現する株細胞は、ウイルスの複製起点又は内
因性の発現要素及び選択可能なマーカー遺伝子を含有する発現ベクターを用いて
形質転換し得る。前記ベクターの導入に続いて、選択培地に移す前に、1〜2日
間、濃縮培地中で細胞を培養してもよい。選択可能なマーカーの目的は選択に対
する耐性を与えることであり、該マーカーの存在によって、前記導入された配列
を首尾よく発現する細胞を増殖させ、回収することが可能となる。安定に形質転
換された細胞の耐性集団は、細胞の種類に応じた組織培養技術を用いて増殖する
ことができる。
【0099】 形質転換された株細胞を回収するために、任意の数の選択系を使用し得る。こ
れらには、それぞれtk−又はaprt−細胞中で利用し得る、単純ヘルペスウ
イルスのチミジンキナーゼ(Wigler M. et al., Cell
11:223−32, (1977))及びアデニンフォスフォリボシルトラン
スフェラーゼ(Lowy I., et al., Cell 22:817−
23, (1980))遺伝子が含まれるが、これらに限定されない。同じく、
選択の基礎として、代謝拮抗物質、抗生物質又は除草剤耐性を用いることもでき
る;例えば、それぞれ、メトトレキサートに対する耐性を与えるdhfr(Wi
gler M., et al., Proc. Natl. Acad. S
ci. 77:3567−70, (1980));アミノグリコシド系のネオ
マイシン及びG−418に対する耐性を与えるnpt(Colber−Gara
pin, F. et al., J. Mol. Biol., 150:1
−14, (1981))並びにクロルスルフロン及びフォスフィノトリシンア
セチルトランスフェラーゼに対して耐性を与えるals又はpat(Murry
, 上述)である。例えば、trpB(細胞がトリプトファンの代わりにインド
ールを用いることができるようにする)、又はhisD(細胞がヒスチジンの代
わりにヒスチノールを用いることができるようにする)(Hartman S.
C. and R.C. Mulligan, Proc. Natl. Ac
ad. Sci. 85:8047−51, (1998))のような更なる選
択可能な遺伝子が記述されている。アントシアニン、βグルクロニダーゼとその
基質(GUS)、ルシフェラーゼとその基質(ルシフェリンとATP)のような
可視的なマーカーが人気を集めており、形質転換体を同定する目的だけでなく、
特定のベクター系に起因する一過性の又は安定なタンパク質の発現量を定量する
ためにも広く用いられている(Rhodes, C.A. et. al.,
Methods Mol. Biol., 55:121−131, (199
5))。
【0100】 CD40R変種産物をコードするヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞
は、発現及び細胞培養から前記コードされたタンパク質を回収するのに適した条
件下で培養し得る。組換え細胞によって産生された前記産物は、使用した配列及
び/又はベクターに応じて、細胞内で分泌、又は含有され得る。当業者であれば
理解できるであろうが、CD40R変種産物をコードする核酸配列を含有する発
現ベクターは、原核又は真核細胞膜を通じてCD40R変種産物分泌を誘導する
シグナル配列を有するように設計することができる。
【0101】 前記CD40R変種産物は、タンパク質の精製を促進するために加えられたポ
リペプチドドメインをさらに1以上有する組換えタンパク質として発現させても
よい。このような精製を容易にするドメインには、固定化された金属上での精製
を可能にするヒスチジントリプトファンモジュールのような金属をキレートする
ペプチド、固定化されたイムノグロブリン上での精製を可能にするプロテインA
ドメイン、及びFLAGS extension/affinity puri
fication system(Immunex Corp, Seattl
e, Wash.)で利用されるドメインが含まれるが、これらに限定されない
。精製ドメインとCD40R変種産物の間にプロテアーゼ分解を受け得るポリペ
プチドリンカー配列を含めると、精製を容易にするのに有用である。このような
発現ベクターの1つは、エンテロキナーゼ切断部位によって分離されるポリヒス
チジン領域に融合された変種ポリペプチドを備えた(compromising
)融合タンパク質を発現させる。前記ヒスチジン残基はIMIAC(immob
ilized metal ion affinity chromatogr
aphy、Porath, et al., Protein Express
ion and Purification, 3:263−281,(199
2)に記述されている)上での精製を容易にするのに対して、エンテロキナーゼ
切断部位は前記融合タンパク質から変種ポリペプチドを単離する手段を与える。
pGEXベクター(Promega,Madison,Wis.)も、グルタチ
オンS−トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として外来ポリペプ
チドを発現するために使用し得る。一般的に、このような融合タンパク質は可溶
性であり、リガンド−アガロースビーズ(例えば、GST融合物の場合、グルタ
チオン−アガロース)に吸着させた後、遊離のリガンドの存在下で溶出すること
によって、溶解された細胞から容易に精製することができる。
【0102】 適切な宿主株を形質転換し、前記宿主株を適切な細胞密度まで培養した後、前
記選択されたプロモーターを適切な手段(例えば、温度シフト又は化学的な誘導
)によって誘導し、細胞を更に培養する。典型的には、細胞を遠心により回収し
、物理的又は化学的な手段で破砕し、得られた粗抽出液をさらなる精製のために
保持しておく。タンパク質の発現に用いた微生物細胞は、凍結融解サイクル、超
音波破砕、機械的な破砕、細胞溶解試薬の利用、又は当業者に周知の他の方法を
含む任意の便宜な方法によって破砕することができる。
【0103】 前記CD40R変種産物は、硫安又はエタノール沈殿、酸抽出、陰イオン又は
陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水
的相互作用クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、ハイドロキ
ルシアパタイトクロマトグラフィー、及びレクチンクロマトグラフィーを含む、
本分野において公知である数多くの方法のうちの何れかによって、組換え細胞の
培養物から回収し、精製することができる。タンパク質のリフォールディング工
程は、必要なものとして、成熟したタンパク質の立体配置を完成する際に使用し
得る。最後に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は最終の精製段階に用
いることができる。
【0104】 C. タンパク質を産生するための変種の利用 C.1 分離: sCD40を発現している配列番号3のアミノ酸配列を含むバキュロウイルス
(Ac−sCD40)を、感染効率2でSf−9細胞に感染させた。前記細胞を
28℃で連続的に振動させながら(90rpm)増殖させた。感染後60時間(
hpi)で培地を集め、5000RPMで5分間の遠心により細胞を培地と分離
した。SP−セファロースカラムを伴う陽イオン交換クロマトグラフィーを用い
て、10mLの培地を分離した。前記カラムをpH6.5のPBSで平衡化し、
カラムに前記試料をロードした。前記カラムをPBSで洗浄し、結合していない
タンパク質を溶出させた(フロースルー画分)。NaCl濃度を増加させながら
、2mL/分(5%NaCl/分)の流速で溶出を行った。
【0105】 異なる分画をSDS−PAGE電気泳動と、mCD40抗体を用いたウェスタ
ンブロッティングにかけた。結果を図2に示す。
【0106】 C.1 分泌: sCD40を発現しているバキュロウイルス(Ac−sCD40)を、感染効
率2でSf−9細胞に感染させた。前記細胞を28℃で連続的に振動させながら
(90rpm)培養し、感染後24、48、60時間後(hpi)に1mLの試
料を回収した。遠心後、4℃で30分間、溶解バッファー(50mM Tris
pH7.5、1%triton X100、及びプロテアーゼ阻害剤カクテル
)を用いて細胞のペレットを溶解し、30秒間超音波処理した。前記試料を10
分間14000rmpで遠心し、上清とペレトを分離した。40μLのペレット
調製液及び培地(Designated Medium)にサンプルバッファー
を添加し、15%SDS−PAGEで電気泳動した。電気泳動後、ニトロセルロ
ース膜上への半乾燥タンパク質トランスファーに供した。前記膜を抗mCD40
抗体とともに2時間インキュベートし、2次抗ウサギ抗体とともにさらに1時間
インキュベートした。
【0107】 市販のウェスタンブロット検出キットを用いてシグナルの検出を行った。結果
を図3に示す。
【0108】 D. 核酸配列を利用した診断への応用 本発明の核酸配列は様々な診断の用途に用いられ得る。前記核酸配列は、前記
CD40R変種産物をコードするmRNAの存在を検出することによって、患者
の細胞、例えば生検組織中の前記CD40R変種の発現を検出し、定量するため
に使用し得る。あるいは、前記アッセイは血清又は血液中の可溶性変種を検出す
るために使用し得る。このアッセイは、典型的には、組織又は血清から全mRN
Aを取得し、核酸プローブと該mRNAを接触させることを含む。前記プローブ
は、ハイブリダイズ条件下で前記CD40R変種産物をコードする核酸分子の配
列内に含まれる配列と特異的にハイブリダイズして、前記プローブにハイブリダ
イズしたmRNAの存在を検出することにより、変種の発現を検出することがで
きる少なくとも20ヌクレオチド、好ましくは20〜30ヌクレオチドの核酸分
子である。このアッセイは、CD40R変種産物の存在、非存在、及び過剰発現
を識別するために、並びに治療中にCD40R変種の発現レベルをモニターする
ために使用することができる。さらに、前記アッセイは、本発明のCD40R変
種のレベルを、前記変種が与えた元のCD40R配列のレベルと比較するために
、又は相互のレベルと比較するために使用し得る(前記比較は、何らかの生理学
的意義を有し得る)。
【0109】 本発明は、遺伝性の欠陥変種配列に由来する疾患、又は前記CD40R変種を
与えた元のCD40R配列と本発明の新規CD40R変種との量比が変化した疾
患の診断としての前記核酸配列の使用も想定している。これらの配列は欠陥(す
なわち変異体)CD40R変種のコード領域の配列と正常なコード領域の配列と
を比較することによって検出することができる。変異体CD40R変種産物をコ
ードする配列と変種産物の異常な活性との関連が証明され得る。さらに、変異を
検証し、同定するための他の手段として、機能的アッセイ系(例、比色分析アッ
セイ、変種タンパク質を欠失下HEK293細胞株における相補実験)中で発現
させるための適当なベクターの中に、変異体CD40R変種産物をコードする配
列を挿入し得る。変異遺伝子が同定されると、注目する集団から前記変異遺伝子
のキャリアーをスクリーニングし得る。
【0110】 本発明の核酸配列中に変異を保有する個体は、様々な技術によってDNAレベ
ルで検出し得る。診断に使用される核酸は、血液、尿、唾液、胎盤、組織生検、
及び検死物質などを含む(これらに限定されない)患者の細胞から取得し得る。
検出のために、ゲノムDNAを直接使用してもよく、あるいは分析前にPCRを
用いて酵素的に増幅してもよい(Saiki, et al., Nature
324:163−166, (1986))。RNA又はcDNAも同一の目
的で使用し得る。例として、本発明の核酸に相補的なPCRプライマーは、本発
明の遺伝子中の変異を同定し、解析するために使用し得る。欠失及び挿入は、正
常な遺伝子型との比較における被増幅産物のサイズの変化によって検出すること
ができる。
【0111】 点変異は、増幅したDNAを本発明の放射性標識したRNAにハイブリダイズ
させることによって、あるいは本発明の放射性標識したアンチセンスDNA配列
にハイブリダイズさせることによって同定し得る。特定部位の配列の変化は、R
Nアーゼプロテクション及びS1プロテクションのようなヌクレアーゼプロテク
ションアッセイ、又は化学的切断法(例えば、Cotton,et al.,P
roc.Natl.Acad. Sci.USA,85;4397−4401(
1985))によって、又は融解温度の差によっても明らかにし得る。本発明の
核酸に相補的なプローブ配列を含有する、「分子標識(Molecular b
eacons)」(Kostrikis L.G. et al.,Scien
ce 279:1228−1229,(1998))、ヘアピン型の一本鎖合成
オリゴヌクレオチドも、点変異又は他の配列変化を検出するために、並びに変種
産物の発現レベルをモニターするために使用し得る。そのような診断学は、とり
わけ胎児の検査に有用であろう。
【0112】 変異を検出するための別の方法では、隣接する塩基を有する、標的の隣接領域
にハイブリダイズするようにデザインされた2つのDNAプローブを使用する(
既知又は疑われている変異の領域が前記隣接する塩基に、又はその近傍に存在す
る)。前記2つのプローブは、プローブ接合部の領域で正しく塩基対を成した場
合に限り、例えばリガーゼ酵素の存在下で、前記隣接する塩基の箇所で連結され
る。続いて、連結されたプローブの有無により、変異の有無を検出することがで
きる。
【0113】 例えば、米国特許第5,547,839号に記述されているようなハイブリダ
イゼーションによるシーケンシング(SBH)に基づいたオリゴヌクレオチドア
レイ法も、CD40R変種産物をコードする配列中の変異を調べるのに適してい
る。典型的な方法では、DNAの標的分析物はマイクロチップ上に形成されたオ
リゴヌクレオチドのアレイとハイブリダイズする。続いて、前記アレイに結合し
ている標的のパターンから、ターゲットの配列を「読み取る」ことができる。 E.核酸配列の治療への応用 本発明の核酸配列は、治療的な用途にも利用できる。本発明の第一の態様から
第二の態様(すなわち、CD40Rの変種の発現抑制)に移ると、例えば、変種
産物をコードする遺伝子の調節領域、5’領域、又は制御領域への相補的核酸配
列(すなわち、アンチセンスDNA又はアンチセンスRNA)のハイブリダイゼ
ーションを介して遺伝子発現を調節するアンチセンス技術によって、CD40R
の変種産物の発現を調節し得る。例えば、本発明の産物をコードする核酸配列の
5’コード部分を用いて、長さが約10〜40塩基対のアンチセンスオリゴヌク
レオチドを設計する。転写開始部位、例えば開始部位から前後10塩基の間にあ
る部位から得られるオリゴヌクレオチドが好ましい。アンチセンスDNAオリゴ
ヌクレオチドは転写に関与する核酸配列領域に相補的になるように設計する(L
ee et al.Nucl.Acids,Res., 6:3073,(19
79));Cooney et al.,Science241:456,(1
988)、及びDervan et al.,Science251:1360
,(1991))ことにより、前記変種産物の転写及び産生を妨げる。アンチセ
ンスRNAオリゴヌクレオチドは、インビボでmRNAにハイブリダイズし、m
RNA分子が変種産物へ翻訳されるのを遮断する(Okano J.Neuro
chem.56:560,(1991))。アンチセンス構成物は、アンチセン
スRNA又はアンチセンスDNAがインビボで発現し得るように、本分野で公知
の操作によって、細胞に送達することができる。前記アンチセンスは、アンチセ
ンスmRNA又はこのようなアンチセンスmRNAをコードし得るアンチセンス
DNA配列であり得る。前記アンチセンスmRNA又はそれをコードする前記D
NAは、CD40Rの変種タンパクをコードする核酸配列の全長配列、又はタン
パク産物の産生を阻害するのに十分な、このような配列の断片に相補的であり得
る。他の変種の発現と比べて一つの変種の発現を阻害するために、又は元の配列
と比べて一若しくは複数の前記変種の発現を阻害するためにもアンチセンス技術
を使用することができる。
【0114】 ここで、本発明の第一の態様(すなわち、CD40Rの変種の発現)に移ると
、前記所望の宿主中でのその発現を目的として、適切な調節要素の調節下で前記
CD40R変種産物をコードするコード配列を供給することによって、CD40
Rの変種産物の発現を増加させ得る。
【0115】 本発明の核酸配列は適切な薬学的担体と組み合わせて使用してもよい。このよ
うな組成物は、治療的有効量の前記化合物と薬学的に許容され得る担体又は賦形
剤を含む。このような担体には、生理食塩水、緩衝性の生理食塩水、ブドウ糖、
水、グリセロール、エタノール、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これら
に限定されるものではない。前記製剤形態は投与様式に適したものであるべきで
ある。
【0116】 インビボでこのようなポリペプチドを発現させることにより、本発明に従って
、本発明の産物を利用することもできる(これは、しばしば、「遺伝子治療」と
称される)。エクソビボでポリペプチドをコードする核酸配列(DNA又はRN
A)を用いて、患者由来の細胞に操作を施した後、該操作を施した細胞を前記ポ
リペプチドで治療すべき患者に与える。このような方法は本分野では周知である
。例えば、本分野で公知の操作により、本発明のポリペプチドをコードするRN
Aを含むレトロウイルス粒子を用いて細胞に操作を施してもよい。
【0117】 同様に、本分野で公知の操作によって、ポリペプチドをインビボで発現するた
めに、インビボで細胞に操作を施してもよい。本分野では公知のように、インビ
ボで細胞を操作し、インビボで前記ポリペプチドを発現するために、本発明の前
記ポリペプチドをコードするRNAを含有するレトロウイルス粒子を産生するた
めの産生細胞を患者に投与し得る。このような方法によって本発明の産物を投与
するこれらの方法及びその他の方法は、本発明の教示から当業者には明らかなは
ずである。例えば、細胞を操作するための発現媒体は、レトロウイルス以外のも
の、例えば、適切な送達媒体と組み合わせた後にインビボで細胞を操作するため
に使用し得るアデノウイルスであってもよい。
【0118】 上述したレトロウイルス性プラスミドベクターの取得源となり得るレトロウイ
ルスには、モロニーマウス白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、並びにラウス肉
腫ウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、トリ白血症ウイルス、テナガザル白血病ウ
イルス、ヒト免疫不全ウイルス、アデノウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルス、及
び乳癌ウイルス等のレトロウイルスが含まれるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0119】 パッケージング細胞株に形質導入して産生細胞株を形成するために、レトロウ
イルス性プラスミドベクターを利用し得る。トランスフェクトし得るパッケージ
ング細胞の例には、Miller(Human Gene Therapy,v
ol.1,pg.5−14,(1990))に記載されているようなPE501
、PA317、psi−2、psi−AM、PA12、T19−14X、VT−
19−17−H2、psi−CRE、psi−CRIP,GP+E−86、GP
+envAm12、及びDAN細胞株が含まれるが、これらに限定されるもので
はない。前記ベクターは、本分野で公知の任意の手段によってパッケージング細
胞に形質導入し得る。このような手段には、電気穿孔、リポソームの利用、及び
リン酸カルシウム沈降が含まれるが、これらに限定されるものではない。ある別
の方法では、前記レトロウイルス性プラスミドベクターをリポソーム中に封入し
、又は脂質に結合させた後に宿主に投与し得る。
【0120】 産生細胞株は前記ポリペプチドをコードする核酸配列を含む感染性レトロウイ
ルスベクター粒子を生み出す。その後、インビトロ又はインビボの両者で、真核
細胞に形質導入を行うために、このようなレトロウイルスベクター粒子を利用し
得る。形質導入した真核細胞は前記ポリペプチドをコードする核酸配列を発現す
るであろう。形質導入を為し得る真核細胞には、胚性幹細胞、胚性ガン細胞、並
びに造血幹細胞、肝細胞、線維芽細胞、筋芽細胞、ケラチン産生細胞、内皮細胞
、気管支上皮細胞が含まれるが、これらに限定されない。
【0121】 放射線に応答して(例えば、腫瘍を治療するための放射線療法)変種の産生又
はアンチセンス抑制を刺激するために、細胞に導入された前記遺伝子は、放射線
誘導性Egr−1プロモーター(Maceri,H.J.,etal.,Can
cer Res.,56(19):4311(1996))のような誘導プロモ
ーターの支配下に置き得る。
【0122】 例2.CD40Rの変種産物 実質的に精製された本発明のCD40変種産物は、上述のように、本発明の前
記核酸配列にコードされる産物として定義される。好ましくは、前記アミノ酸配
列は、配列番号7から12として表される前記配列と少なくとも90%の同一性
を有するアミノ酸配列である。前記タンパク質又はポリペプチドも、前に定義し
たように、成熟型及び/又は修飾を受けた形態であり得、例えばリーダー配列の
切断によって修飾されたものであり得る。また、CD40R変種産物に由来する
少なくとも10の連続したアミノ酸残基を有する、好ましくは少なくとも10〜
20残基を有するタンパク質断片、並びに前に説明したような相同体も想定され
る。
【0123】 配列の変化は、好ましくは前に定義したような保存的な置換と考えられるもの
である。これ故、例えば、好ましくは前に定義したような保存的な置換を利用す
ることによって、配列番号7〜12として表される産物と少なくとも90%の配
列同一性を有する配列を持つタンパク質(但し、変種を与えた元のペプチドとは
同一でない)も本発明の一部である(典型的には、前記置換は、例えば表1にお
けるように、変種を元の配列と異ならしめる領域内にある)。より特異的な態様
では、前記タンパク質は配列番号7〜12で表される配列を有する、又は含有す
る。前記CD40Rの変種産物は、(i)前に列記した配列中の一以上のアミノ
酸残基が保存的又は非保存的アミノ酸残基(好ましくは保存的アミノ酸残基)で
置換されているもの、又は(ii)一以上のアミノ酸残基が置換基を含むもの、又
は(iii)前記タンパク質の半減期を増加させるための化合物(例えば、ポリエ
チレングリコール(PEG))、若しくはその標的組織又は標的細胞集団に前記
タンパク質を誘導するためのターゲッティング手段として働く部分(例えば抗体
)のような他の化合物にCD40R変種産物が融合されたもの、又は(iv)付加
アミノ酸がCD40R変種産物に融合したものであり得る。このような断片、変
種、誘導体は、本明細書の教示により、当業者の範疇にあるものと考えられる。
【0124】 A.CD40R変種産物の調製 CD40R変種産物や前記タンパク質の断片を産生し、単離するための組換え
法は上記されている。
【0125】 組換え体の産生の他、固相技術(Stewart et al.,(1969
)solid−phase Peptide Synthesis,WH Fr
eeman Co,San Francisco;Merrifield J.
,J.Am.Chem.Soc.,85:2149−2154,(1963)参
照)を用いて、変種産物の断片や部分を直接的なペプチド合成で作成してもよい
。インビトロでのペプチド合成は、手動技術を用いて、又は自動化によって行い
得る。自動合成は、例えばApplied Biosystems 431A
Peptide Synthesizer(Perkin Elmer,Fos
ter City,Calif)を用いて、製造元の指示に従って実行し得る。
CD40R変種産物の断片を化学的に個別に合成し、化学的方法を用いて連結し
て、完全長の分子を与えてもよい。
【0126】 B.CD40R変種産物を用いた治療的使用及び組成物 本発明のCD40R変種産物は、一般的に、任意のCD40のリガンドのレベ
ルを低下させることによって治癒又は改善し得る疾病や疾患を治療する上で有用
である。このような病気の例は、様々な自己免疫疾患並びにGVHDである。
【0127】 CD40R変種産物又は断片は、標的器官又は組織に一定の予測可能な濃度の
化合物を与えるように設計された多数の経路及び方法の何れによっても投与し得
る。前記産物を含有する組成物は、単独で、又は安定化化合物等の他の物質と組
み合わせて、及び/又は薬物若しくはホルモンのような他の医薬品と組み合わせ
て投与し得る。
【0128】 CD40R変種産物を含有する組成物は、経口、静脈内、筋肉内、経皮、皮下
、局所、舌下又は直腸を使った手段、さらに経鼻への適用を含む多数の経路から
投与し得るが、これらに限定されない。CD40R変種産物を含有する組成物は
、リポソームを介して投与することもできる。このような投与経路や適切な製剤
形態は一般に当業者に公知である。
【0129】 CD40R変種産物は、静脈内又は腹腔内への注入を介して与え得る。同様に
、前記産物は前記身体の局所的な他の領域へ注入し得る。前記産物は、経鼻的な
ガス注入を介して投与することもできる。腸内への投与も可能である。こような
投与の場合、前記産物は、経口投与用に適切なカプセル又はエリキシル剤中に処
方するか、又は直腸投与用に座薬中に処方すべきである。
【0130】 先述した好ましい投与様式では、前記産物を軟膏、ゲル、坐薬を含む適切な担
体中に処方することが必要となろう。適切な製剤形態は当業者に周知である。
【0131】 前記産物の投与量は、選択した特定のポリペプチドの効力や治療上の指標に応
じて変動するであろう。
【0132】 治療方法において使用するための治療用組成物には、注射可能な無菌溶液中の
前記産物、経口送達媒体中のポリペプチド、経鼻投与に適したエアロゾル中の前
記産物、又は噴霧状形態の前記産物が含まれる(何れも周知の方法によって調製
される)。このような組成物は、治療的有効量の前記化合物、及び薬学的に許容
され得る担体若しくは賦形剤を含む。このような担体には、生理的食塩水、緩衝
性の生理的食塩水、ブドウ糖、水、グリセロール、エタノール、及びそれらの組
み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。本発明の産物は、例
えば細胞培養において、エキソビボ又はインビトロのいずれかで、内皮の分化及
び増殖を調節するために、並びにアポトーシスを調節するためにも使用し得る。
【0133】 例3.抗変種抗体 A.合成 本発明のさらに別の態様では、前記精製変種産物はCD40R変種産物の活性
、分布、及び発現に関する診断的及び治療的な用途を有する抗変種抗体を産生す
るために使用される。
【0134】 CD40Rの変種に対する抗体は本分野において周知の方法によって作成し得
る。このような抗体には、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、ヒト化、
又は一本鎖、Fab断片、及びFabの発現ライブラリーによって産生される断
片が含まれ得るが、これらに限定されるものではない。抗体、すなわち二量体の
形成を妨げるようなものは、とりわけ、治療的な用途に好適である。
【0135】 抗体の誘導用のCD40R変種産物の断片は、生物学的活性を示す必要はない
が、免疫学的活性は示さなければならない。しかしながら、前記タンパク質断片
又はオリゴヌクレオチドは抗原性を有していなければならない。特定の抗体を誘
導するのに用いられるペプチドは、配列番号7〜12に明記された配列の少なく
とも5個のアミノ酸、好ましくは少なくとも10個のアミノ酸からなるアミノ酸
配列を有し得る。好ましくは、それらは前記天然のタンパク質のアミノ酸配列の
一部を模倣すべきであり、天然に存在する小分子のアミノ酸配列全体を含有して
もよい。CD40R変種タンパク質中の短いアミノ酸の配列を、カサガイのヘモ
シアニンのような他のタンパク質やキメラ分子に対して産生される抗体の短い伸
長部と融合してもよい。CD40R変種産物に対する抗体を産生するためには、
本分野で周知の操作を用いることができる。
【0136】 抗体を産生するために、CD40R変種産物又は免疫原性を保持する任意の部
分、断片若しくはオリゴヌクレオチドを注入することによって、ヤギ、ウサギ、
ラット、マウスなどを含む様々な宿主を免疫化し得る。宿主の種に応じて、免疫
学的反応を増大するために様々なアジュバントを使用し得る。このようなアジュ
バントには、水酸化アルミニウム等のフロイントのミネラルゲルや、リゾレシチ
ン、プルロニック(pluronic)ポリオール、ポリアニオン、ペプチド、
オイルエマルジョン、カサガイのヘモシアニン、及びジニトロフェノール等の界
面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。BCG(bacilli Ca
lmette−Guerin)やコリネバクテリウム・パルブムは、有用なヒト
のアジュバントとなる可能性がある。
【0137】 CD40R変種タンパク質に対するモノクローナル抗体は、培養された継代細
胞株によって抗体分子を産生させる任意の技術を用いて調製し得る。これらには
、KoehlerとMilsteinによって初めて記述されたハイブリドーマ
技術(Nature 256:495−497,(1975))、ヒトのB細胞
ハイブリドーマ技術(Kosbor et al.,Immunol.Toda
y 4:72,(1983);Cote et al.,Proc.Natl.
Acad.Sci.80:2026−2030,(1983))、及びEBVハ
イブリドーマ技術(Cole、et al.,Mol.Cell Biol.6
2:109−120、(1984))が含まれるが、これらに限定されるもので
はない。
【0138】 「キメラ抗体」を産生するために開発された技術(適切な抗原特異性と生物学
的活性を有する分子を得るために、マウスの抗体遺伝子をヒトの抗体遺伝子にス
プライシングする(Morrison et al.,Proc.Natl.A
cad.Sci.81:6851−6855,(1984);Neuberge
r et al.,Nature 312:604−608,(1984);T
akeda et al.,Nature 314:452−454,(198
5))を使用することもできる。あるいは、前記変種タンパクに特異的な一本鎖
抗体を作成するために、一本鎖抗体の産生に関して記載した技術(米国特許第4
,946,778号)を適用することができる。
【0139】 Orlandiら(Proc.Natl.Acad.Sci.86:3833
−3837,1989))、及びWinterとG、Milstein C(N
ature 349:293−299,(1991))の開示に従って、インビ
ボでリンパ球集団の産生を誘導することによって、又は組換え免疫グロブリンラ
イブラリー若しくは高度に特異的な一群の結合試薬をスクリーニングすることに
よって、抗体を作成してもよい。
【0140】 CD40R変種タンパクに対する特異的な結合部位を含有する抗体断片を作成
してもよい。例えば、このような断片には、抗体分子をペプシンで消化すること
によって得ることができるF(ab’)断片や前記F(ab’)断片のジス
ルフィドの架橋を還元することによって作成することができるFab断片が含ま
れるが、これらに限定されるものではない。あるいは、所望の特異性を有するモ
ノクローナルFab断片を迅速且つ容易に同定できるようにするために、Fab
の発現ライブラリーを構築してもよい(Huse W.D. et al.,S
cience 256:1275−1281,(1989))。
【0141】 B.抗体の診断的な用途 確立された特異性を有するポリクローナル又はモノクローナル抗体のいずれか
を用いた競合的結合アッセイ又は免疫放射線アッセイの様々なプロトコルが、本
分野において周知である。このような免疫測定法は、典型的には、CD40Rの
変種産物とその特異的な抗体との複合体を形成させることと、複合体の形成を測
定することとを含む。特定の変種産物上に存在する互いに干渉しない2つのエピ
トープに対して反応するモノクローナル抗体を利用した、モノクローナルに基づ
く二部位式の免疫検定法が好ましいが、競合的結合アッセイを用いてもよい。こ
れらのアッセイは、Maddox D.E.,et al.,(J.Exp.M
ed.158:1211,(1983))に記載されている。
【0142】 前記CD40R変種産物を特異的に結合する抗体は、本発明のCD40R変種
と該変種を与えた元のCD40R配列の量の割合が変化する疾病を検出するのに
有用であるのみならず、CD40R変種の過剰又は過少発現による本発明の新規
CD40R変種の発現を特徴とする症状又は疾病(通常は、CD40Rが発現さ
れていない)を診断するのにも有用である。あるいは、このような抗体は、CD
40R変種産物を用いた治療を受けている患者をモニターするためのアッセイに
使用し得る。変種タンパク質に対する診断用アッセイには、ヒトの体液又は細胞
若しくは組織の抽出液中に存在する変種産物を検出するための抗体及び標識を利
用する方法が含まれる。本発明の産物と抗体は修飾を施して、又は修飾を施さず
に使用し得る。前記タンパク質と抗体は、多くの場合、レポーター分子を用いて
共有結合又は非共有結合の何れかにより連結することによって標識されるであろ
う。本分野においては、極めて多様なレポーター分子が公知である。
【0143】 前記各タンパク質に対して特異的なポリクローナル抗体及びモノクローナル抗
体の何れかを用いて、CD40R変種産物を測定するための様々なプロトコルが
、本分野では公知である。例として、固相酵素免疫検定法(ELISA)、放射
性免疫検定(RIA)、及び蛍光活性化セルソーター(FACS)が含まれる。
前述したように、CD40R変種産物上に存在する互いに干渉しない 2つのエピトープに対して反応するモノクローナル抗体を利用したモノクローナ
ルに基づく二部位式の免疫検定法が好ましいが、競合的結合アッセイも利用し得
る。これらのアッセイは、とりわけMaddoxらの文献(上述)に記載されて
いる。このようなプロトコールはCD40R変種産物発現の変化したレベル又は
異常なレベルを診断するための基礎を提供する。CD40R変種産物の発現につ
いての通常値あるいは標準値は、本分野において周知である複合体の形成に適し
た条件下で、正常な対象、好ましくはヒトから採られた体液又は細胞抽出液をC
D40R変種産物に対する抗体と混合することによって、確立される。標準的な
複合体の形成量は、様々な方法、好ましくは測光的な方法によって定量され得る
。続いて、正常なサンプルから得た標準値を、疾病に罹患した可能性のある被験
者から得たサンプルから得られた値と比較し得る。標準値と被験者の値との間に
ずれがあれば、疾病に罹患していると確定される。
【0144】 前記抗体アッセイは、CD40Rが少しでも発現しているか否かを決定するた
めに、組織中にCD40R変種が過剰発現又は過少発現されているかどうかを決
定するために、又は可変的な産物のCD40R変種レベルが薬物治療に対してど
の程度反応したかという指標として、体液サンプル中に存在するCD40R変種
産物のレベルを測定するのに有用である。
【0145】 C.抗体の治療的な用途 診断的な用途に加えて、前記抗体は、CD40R変種産物の活性の減少によっ
て有益な効果を達成することができる病状において、CD40R変種産物の活性
を遮断又は減少させる上で治療的な有用性を有し得る。
【0146】 用いる抗体は、好ましくは、ヒト化モノクローナル抗体、又は公知のグロブリ
ン遺伝子ライブラリー法によって作成されたヒトのMabである。他の非経口的
な経路が適切であるかもしれないが、前記抗体は、典型的には無菌溶液として静
脈内注射によって投与される。典型的には、前記抗体は、被験者のkg体重1当
たり約1〜15mgの間の量で投与する。例えば、治療上の改善が見られるまで
1〜7日間毎日投与して治療を継続する。
【0147】 具体的な方法及び態様を参照しながら本発明を説明してきたが、本発明から逸
脱せずに様々な修飾及び変化を加え得ることが理解されるであろう。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1−1】 図1−1は、マウスに由来する配列番号3〜6の4つのアミノ酸配列を複数整
列したものである。
【図1−2】 図1−2は、マウスに由来する配列番号3〜6の4つのアミノ酸配列を複数整
列したものである。
【図2】 図2は、CD40発現ベクターを感染したSt−9細胞のウェスタンブロット
分析(上)と時間の関数として280nmの異常なスペクトルを示している。
【図3】 図3は、発現ベクターをトランスフェクトされたSt−0細胞から分泌された
CD40のウェスタンブロット分析を示している。
【図4−1】 図4−1は、Swiss Prot受付番号25942から得られた元のCD
40R核酸配列と配列番号1の整列による比較を示している。
【図4−2】 図4−2は、Swiss Prot受付番号25942から得られた元のCD
40R核酸配列と配列番号1の整列による比較を示している。
【図5−1】 図5−1は、元のCD40核酸配列と配列番号2の比較を示している。
【図5−2】 図5−2は、元のCD40核酸配列と配列番号2の比較を示している。
【図6】 図6は、元のCD40Rアミノ酸配列と配列番号7の整列による比較を示して
いる。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年8月2日(2001.8.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】 C. タンパク質を産生するための変種の利用 C.1 分離: sCD40(可溶性CD40)を発現している配列番号3の核酸配列を含むバ
キュロウイルス(Ac−sCD40)を、感染効率2でSf−9細胞に感染させ
た。前記細胞を28℃で連続的に振動させながら(90rpm)増殖させた。感
染後60時間(hpi)で培地を集め、5000RPMで5分間の遠心により細
胞を培地と分離した。SP−セファロースカラムを伴う陽イオン交換クロマトグ
ラフィーを用いて、10mLの培地を分離した。前記カラムをpH6.5のPB
Sで平衡化し、カラムに前記試料をロードした。前記カラムをPBSで洗浄し、
結合していないタンパク質を溶出させた(フロースルー画分)。NaCl濃度を
増加させながら、2mL/分(5%NaCl/分)の流速で溶出を行った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61P 19/02 4C085 48/00 25/00 4C087 A61P 19/02 29/00 101 4H045 25/00 37/02 29/00 101 C07K 14/705 37/02 16/28 C07K 14/705 C12N 1/15 16/28 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12Q 1/68 A 1/21 G01N 33/15 Z 5/10 33/50 Z C12Q 1/68 33/53 D G01N 33/15 M 33/50 33/566 33/53 37/00 102 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A 37/00 102 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA25 AA40 CA25 CA26 CB01 CB03 CB07 DA12 DA13 DA14 DA36 DA77 FB02 FB03 FB07 HA16 4B024 AA01 AA11 BA43 BA63 CA01 CA04 CA07 CA09 CA11 DA01 DA02 DA05 DA11 EA01 EA02 EA03 EA04 FA02 4B063 QA01 QA18 QQ42 QQ52 QR08 QR42 QR55 QR62 QR82 QS25 QS34 QS36 QX02 4B065 AA01X AA57X AA88X AA90X AA90Y AA95X AB01 BA01 BA24 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA07 AA13 BA35 CA53 CA56 MA52 MA55 MA66 NA14 ZA011 ZA961 ZB071 ZB151 ZC782 4C085 AA14 BB11 CC04 DD22 DD23 EE01 4C087 AA01 AA02 BB65 BC34 BC83 MA52 MA55 MA66 NA14 ZA01 ZA96 ZB07 ZB15 ZC78 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA50 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)配列番号1〜配列番号6の何れか1つに図示された核
    酸配列、 (2)(1)の配列の何れか1つと少なくとも90%の同一性を有する核酸配
    列、 (3)少なくとも20塩基対の(1)又は(2)の断片、 からなる群から選択されるCD40受容体(CD40R)の選択的スプライシン
    グ変種の単離された核酸配列。
  2. 【請求項2】 請求項1の核酸配列に対して相補的な単離された核酸配列。
  3. 【請求項3】 (1)請求項1の単離された核酸配列によってコードされる
    アミノ酸配列、 (2)1以上のアミノ酸が付加、欠失、置換、又は化学的に修飾された(1)
    のアミノ酸配列の相同体、 からなる群から選択されるアミノ酸配列。
  4. 【請求項4】 配列番号7〜配列番号12の何れか1つに図示された請求項
    3に記載のアミノ酸配列。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4のアミノ酸配列の何れか1つをコードする単
    離された核酸配列。
  6. 【請求項6】 請求項3又は4のアミノ酸配列の何れか1つに特異的に結合
    する精製された抗体。
  7. 【請求項7】 請求項1又は5の核酸配列の何れか1つと、適切な宿主中で
    前記核酸配列を発現させるための調節要素とを備えた発現ベクター。
  8. 【請求項8】 請求項2の核酸配列の何れか1つと、適切な宿主中で前記核
    酸配列を発現させるための調節要素とを備えた発現ベクター。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8の発現ベクターによってトランスフェクトさ
    れた宿主細胞。
  10. 【請求項10】 薬学的に許容される担体と、 活性成分として、(1)請求項7の発現ベクター及び(2)請求項3又は4の
    アミノ酸配列の何れか1つからなる群から選択される薬剤と を含む薬学的組成物。
  11. 【請求項11】 少なくとも1つのCD40Rのリガンドレベルを減少させ
    ることによって、改善、治癒、又は予防し得る疾病を治療するための請求項10
    に記載の薬学的組成物。
  12. 【請求項12】 少なくとも1つの請求項1のCD40R変種のレベルを増
    加させることによって、改善、治癒、又は予防し得る疾病を治療するための請求
    項10に記載の薬学的組成物。
  13. 【請求項13】 薬学的に許容される担体と、 活性成分として、(1)請求項2の核酸配列の何れ1つ、(2)請求項8の発
    現ベクター、及び(3)請求項6の精製された抗体からなる群から選択される薬
    剤とを含む薬学的組成物。
  14. 【請求項14】 少なくとも1つの請求項1のCD40R変種のレベルを減
    少させることによって、改善、治癒、又は予防し得る疾病を治療するための請求
    項13に記載の薬学的組成物。
  15. 【請求項15】 生物試料中に少なくとも1つのCD40Rの変種核酸配列
    が存在することを検出する方法であって、 (a)前記生物試料の核酸物質を、請求項1又は2の核酸配列の何れか1つに
    ハイブリダイズさせる工程と、 (b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する工程と、 を備え、前記ハイブリダイゼーション複合体の存在が、前記生物試料中に少なく
    とも1つの変種核酸配列が存在することと相関する方法。
  16. 【請求項16】 生物試料中に存在するCD40Rの変種核酸配列のレベル
    を測定する方法であって、 (a)前記生物試料の核酸物質を、請求項1又は2の核酸配列の何れか1つに
    ハイブリダイズさせる工程と、 (b)ハイブリダイゼーション複合体の量を測定し、前記試料中に存在する少
    なくとも1つの変種核酸配列のレベルを決定するために前記量を標準化する工程
    とを備えた方法。
  17. 【請求項17】 第1の生物試料中に存在するCD40R変種の核酸配列の
    レベルと、第2の生物試料中に存在する選択的スプライシングによって前記変種
    を与えた元のCD40R配列のレベルとの比率を測定する方法であって、 (a)請求項16の方法に従って、前記第1の生物試料中に存在するCD40
    R変種核酸配列のレベルを測定することと、 (b)前記第2の生物試料中に存在するCD40Rの元の配列のレベルを測定
    することと、 (c)(a)及び(b)で得られたレベルを比較して、前記比率を得ることと
    、 を備えた方法。
  18. 【請求項18】 前記第1の生物試料及び前記第2の生物試料が同一の試料
    である請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記生物試料の核酸物質がmRNA転写物である請求項1
    5〜18の何れか1項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記核酸配列が核酸チップ中に存在する請求項19の方法
  21. 【請求項21】 請求項3又は4のアミノ酸配列に結合することができ、且
    つ少なくとも1つのCD40のリガンドへの前記配列の結合親和性に影響を与え
    得る候補化合物を同定する方法であって、 (1)請求項3又は4に記載されている何れか1つのアミノ酸配列を準備する
    ことと、 (2)少なくとも1つのCD40のリガンドの存在下で、候補化合物を前記ア
    ミノ酸配列と接触させることと、 (3)前記リガンドへの前記アミノ酸の結合に対する前記候補化合物の影響を
    測定し、前記結合に対して有意な影響を示す化合物を選択することと を備えた方法。
  22. 【請求項22】 生物試料中に存在する請求項3又は4のアミノ酸配列の何
    れか1つを検出する方法であって、 (a)請求項6の抗体を前記生物試料と接触させることによって、抗体−抗原
    複合体を形成させる工程と、 (b)前記抗体−抗原複合体を検出する工程と、 を備え、前記抗体−抗原複合体の存在が、前記生物試料中に所望のアミノ酸が存
    在することと相関する方法。
  23. 【請求項23】 生物試料中に存在する請求項3又は4の何れか1つのアミ
    ノ酸配列のレベルを検出する方法であって、 (a)前記生物試料を請求項6の抗体と接触させることにより、抗体−抗原複
    合体を形成させる工程と、 (b)前記抗体−抗原複合体の量を検出し、前記試料中に存在する前記アミノ
    酸配列のレベルを決定するために前記量を標準化する工程と、 を備えた方法。
  24. 【請求項24】 第1の生物試料中に存在する請求項3又は4の変種CD4
    0Rのアミノ酸配列のうちの任意の1つのレベルと、第2の生物試料中に存在す
    る選択的スプライシングによって前記変種を与えた元のCD40Rアミノ酸配列
    のレベルとの比率を測定する方法であって、 (a)請求項23の方法によって、前記第1の試料中に請求項3又は4のアミ
    ノ酸配列のレベルを測定することと、 (b)前記第2の試料中に存在する元のCD40Rのアミノ酸配列のレベルを
    測定することと、 (d)(a)及び(b)で得られたレベルを比較して、前記比率を得ることと
    、 を備えた方法。
  25. 【請求項25】 前記第1の生物試料及び前記第2の生物試料が同一の試料
    である請求項21に記載の方法。
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