JP2003503051A - 5’の多いcDNAライブラリの構成要素及びその作製方法 - Google Patents

5’の多いcDNAライブラリの構成要素及びその作製方法

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JP2003503051A JP2001506813A JP2001506813A JP2003503051A JP 2003503051 A JP2003503051 A JP 2003503051A JP 2001506813 A JP2001506813 A JP 2001506813A JP 2001506813 A JP2001506813 A JP 2001506813A JP 2003503051 A JP2003503051 A JP 2003503051A
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タン、ルオイング
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Abstract

(57)【要約】 あるmRNAの5'末端に対応する二本鎖cDNAの作製方法を提供する。この方法では、cDNAの第一鎖が合成される条件の下、初めにあるmRNAをオリゴdTプライマーと接触させる。次に、cDNAの第一鎖が合成される条件の下、mRNAの5'末端に相補的なcDNAを作製するように、得られた混成物をランダムプライマーに接触させる。得られた混成分子は、オリゴdTプライマーを含む第1のcDNAとオリゴdTプライマーを含まない第2のcDNAの2つの異なる二本鎖cDNAになる。次に、この2つの二本鎖cDNAを分離する。この方法は、様々な適用例に用いられ、特に、5'末端の多いcDNAライブラリの作製に用いられる。また、この方法を実施するキット及びこの方法で作製したcDNAライブラリを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の技術分野 発明の分野はcDNAライブラリである。
【0002】 発明の背景 相補的なDNA即ちcDNAは、タンパク質の合成をコードする情報を含むが、ゲノ
ムDNAの介在イントロンを含まないデオキシリボ核酸である。合成及び/またはc
DNAの使用及び/またはそのライブラリは、バイオテクノロジー及び関連分野に
おいて幅広く用いられ、重要な役割を果たしている。cDNA及び/またはそのライ
ブラリは、遺伝子の発見及び差次的遺伝子発現の分析などに利用される。cDNA及
びそのライブラリの作製用の様々なプロトコルが開発されてきたが、現在も引き
続き改良が行われている。
【0003】 現在用いられる標準的なcDNAの作製方法では、細胞のmRNAを、3'末端のポリア
デニル化尾部を利用して単離する。このポリアデニル化尾部は、この構造(オリ
ゴdtクロマトグラフィ)に特異的な樹脂に結合する。次に、精製したmRNAを逆転
写酵素を用いてcDNAに複製する。この複製は、mRNAの3'末端から開始し、5'末端
に向かって進む。次に第二鎖が合成される。二本鎖cDNAの末端にリンカーを付加
して、ウイルスの中にパッケージ化したり、プラスミドにクローニングできるよ
うにする。この段階では、cDNAは増殖ができる状態にある。
【0004】 現在のcDNAライブラリ合成プロトコルにおける1つの問題点は、作製されるラ
イブラリに相当数の不完全なcDNAが含まれることである。これは、ライブラリを
作製するために用いる逆転写酵素の効率が悪いためである。ライブラリのcDNAが
不完全なため、研究者は単離(スクリーニング)を何回も行って蓄積した断片か
ら完全長のcDNAを作製しなければない。このようなプロセスは、資源を多く必要
とし、それぞれの初期mRNAがcDNAライブラリに存在する保障がない。
【0005】 更に、従来の方法でcDNAライブラリを作製すると、mRNAの5'末端に近い配列が
相当脱落する。これは、逆転写酵素がこれらの配列に到達する前に「脱落(fall
off)」するためである。多くの場合、5'末端の情報は極めて重要である。
【0006】 従って、とりわけ5'情報を含む新規のcDNAの作製方法の開発が待ち望まれてい
る。
【0007】 関連文献 Sambrook, Fritsch&Maniatis, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Co
ld Spring Harbor Laboratoy Press)(1989) chapter 8. 発明の要約 あるmRNAの5'末端に対応する二本鎖cDNAの作製方法を提供する。この方法では
、初めに、cDNAの第一鎖が合成される条件下で、mRNAをオリゴdTプライマーと
接触させる。次に、cDNAの第一鎖が合成される条件下で、mRNAの5'末端に相補的
なcDNAを作製するように、得られたハイブリッドをランダムプライマーに接触さ
せる。得られたハイブリッド分子を、オリゴdTプライマーを含む第1のcDNAと、
オリゴdTプライマーを含まない第2のcDNAの2つの異なる二本鎖cDNAに転換す
る。次に、この2つの二本鎖cDNAを切断する。この方法は様々に適用され、特に
、5'の多いcDNAライブラリの作製に用いられる。また、この方法を実施するキッ
ト及びこの方法で作製したcDNAライブラリを提供する。
【0008】 定義 本明細書において、「核酸」とは、例えば、デオキシリボヌクレオチドまたは
リボヌクレオチドなどのヌクレオチドで構成される高分子である。
【0009】 本明細書において、「リボ核酸」及び「RNA」とは、リボヌクレオチドで構成
される高分子である。
【0010】 本明細書において、「デオキシリボ核酸」及び「DNA」とは、デオキシリボヌ
クレオチドで構成される高分子である。
【0011】 本明細書において、「オリゴヌクレオチド」とは、長さがヌクレオチド10〜10
0個のヌクレオチドの一本鎖ヌクレオチド多量体である。
【0012】 本明細書において、「ポリヌクレオチド」とは、長さがヌクレオチド約120〜1
000個のヌクレオチド単量体で構成される一本鎖或いは二本鎖の高分子である。
【0013】 好適な実施例の説明 mRNAからmRNAの5'配列情報を含む二本鎖cDNAを作製する方法及びこの方法を実
施するためのキットを提供する。この方法の第1のステップでは、オリゴdTプラ
イマーとmRNAとをハイブリダイズする。ハイブリダイゼーションは、一本鎖cDNA
が合成される条件で行われる。このようにして、ハイブリッド分子を形成する(
ある実施例では、ハイブリッド分子のmRNA部分の方がcDNA部分より長い)。得ら
れたハイブリッド分子をランダムプライマーと接触させ、更なる第一鎖cDNAを合
成し、第2のハイブリッド分子を形成する。次に、第2のハイブリッド分子を、mR
NAの5'末端に対応する二本鎖cDNA分子と、オリゴdtプライマーを含むもう1つの
二本鎖cDNA分子とに転換する。本方法は、5'末端の多いcDNAライブラリの作製に
特に有用である。
【0014】 本発明の説明を続ける前に、本発明は以下に記載する特定の実施例に限定され
るものではなく、本発明の請求の範囲内で種々の変更例が可能であることを理解
されたい。また、本明細書に用いる用語は、特定の実施例を説明するためのもの
であり、本発明を限定するのもではない。即ち、本発明の範囲は上記した請求の
範囲によって規定される。
【0015】 本明細書及び請求の範囲において、「ある」及び「その」の単数形は、文中に
別途記載がない限り複数形を含むものとする。別途規定がない限り、本明細書の
技術的または科学的用語は、本発明の属する分野の一般的な技術者に普通に理解
される意味と同じである。
【0016】 広義では、本発明は、一本鎖核酸分子から二本鎖核酸分子を作製する方法、特
に、一本鎖リボ核酸分子から二本鎖デオキシリボ核酸分子を作製する方法に関連
する。一般に、一本鎖リボ核酸分子はポリA尾部を含むmRNA分子であり、二本鎖
デオキシリボ核酸分子はcDNA分子である。特に、本発明は、鋳型mRNAの5'末端の
配列情報を含む二本鎖cDNA分子を作製する方法に関連する。本発明の方法によっ
て作製されるcDNA分子の長さは、大抵は0.5〜3.0kb、普通は1.0〜2.0kb、典型的
には1.0〜1.5kbである。
【0017】 本発明の第1のステップでは、リボ核酸とデオキシリボ核酸化合物がイブリダ
イズした第1のハイブリッド複合体或いは二重鎖を作製する。この第1のハイブ
リッドまたは二重鎖は、例えばmRANなどの開始リボ核酸から作製する。このステ
ップは通常、鋳型から酵素的にデオキシリボ核酸が合成される十分な条件の下、
開始リボ核酸をプライマーに接触させて行う。大抵の場合、この第一のステップ
には、cDNAの第一鎖が合成される条件の下、通常はオリゴdtプライマーであるプ
ライマーとmRNAとの接触が含まれる。
【0018】 第1のステップで鋳型となる開始mRNAは、通常は生理的なサンプル源から採取
される種々なサンプルに含まれ得る。この生理的なサンプル源は、様々な真核生
物から採取され、目的の生理的なサンプル源には、酵母などの単細胞生物及び植
物や動物、特に哺乳類を含む多細胞生物に由来するサンプル源が含まれ得る。ま
た、多細胞生物由来の生理的なサンプル源は、多細胞生物の特定の器官や組織、
或いは多細胞生物から採取して単離した細胞に由来し得る。分析のために、生理
的なサンプル源からサンプルのRNAを採取する場合は、生理的なサンプル源に多
くの様々なプロセシングを施す。このプロセシングには、当分野で周知の組織の
ホモジネート、細胞の単離、細胞質の抽出、核酸の抽出などが含まれる。細胞や
組織、器官、または生物自体からRNAを単離する方法は、当分野で周知であり、M
aniatis 他 Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Pr
ess)(1989)に記載されている。
【0019】 本発明の第1のステップに用いるオリゴdtプライマーは、ポリA尾部と効果的
にハイブリダイゼーションするように十分に長い。一般に、オリゴdtプライマー
の長さは、約10〜35ヌクレオチドであり、通常は約10〜30ヌクレオチド、典型的
には約20〜25ヌクレオチドである。多くの実施例では、オリゴdtプライマーを固
体支持物の表面にしっかりと固定する。この固体支持物には任意の固体支持物が
可能である。本方法に利用可能な様々な固相は、販売されており当分野では周知
である。有用な固相には、例えば、ポリスチレンなどの高分子支持物であるぺグ
、シート、ビード、磁性ビードが含まれる。しっかりと固定するとは、少なくと
も鋳型から酵素的に核酸が合成される条件下で、オリゴdtプライマーが固体支持
物の表面に付着していることである。オリゴdtプライマーは、固相と共有結合的
或いは非共有結合的に結合し得る。
【0020】 上記したように、mRNA分子を鋳型として酵素的にデオキシリボ核酸が合成され
るのに十分な条件下で、オリゴdtプライマーがmRNAと接触する。
【0021】 プライマーの伸長には、mRNA及びプライマーに加えて、逆転写酵素やその他の
試薬も必要である。通常はDNAポリメラーゼである、逆転写酵素活性を有する様
々な酵素を、cDNAの第一鎖の合成ステップに用いることが可能である。好適なDN
Aポリメラーゼの例には、好熱菌及び古細菌、レトロウイルス、酵母、アカパン
カビ、ショウジョウバエ、霊長類、げっ歯類からなるグループから選択された生
物に由来するDNAポリメラーゼが含まれる。好ましいDNAポリメラーゼは、米国特
許第4,943,531号に記載のモロニーマウス白血病ウイルス(M-MLV)及び米国特許
第5,405,776号に記載のRNアーゼ活性のないM-MLV逆転写酵素(これらの特許を引
用することをもって本明細書の一部とする)、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-
1)、ウシ白血病ウイルス(BLV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、ヒト免役不全
ウイルス(HIV)、米国特許第5,322,770号に記載のThermus aquaticus(Taq)及
びThermus thermophilus(Tth)(この特許に引用することをもって本明細書の
一部とする)、鳥類逆転写酵素などからなるグループから選択される。逆転写酵
素活性を有する好適なDNAポリメラーゼは、生物から単離したり、市販のものを
購入したり、或いは当分野で周知の方法によってポリメラーゼをコードするクロ
ーン遺伝子を高レベルに発現する細胞から得ることが可能である。DNAポリメラ
ーゼを得る方法は、便利さやコスト、入手の可能性などに基づいて決定する。容
易に入手でき、はっきりとした特性をもつことから、鳥類逆転写酵素及びH-MLV
が特に好適である。必要な別の試薬には、dNTP、Tris Clなどのバッファー試薬
、KCL及びMgCl2などの単価及び2価の陽イオン源、ジチオスレイトールなどのsu
lfhydril試薬などがある。 試薬を混合する順序は、目的に応じて変更することが可能である。用い得る1
つのプロトコルには、氷上の逆転写酵素を除く全ての試薬を混合し、逆転写酵素
を加えて約4℃で混合する過程が含まれる。混合の後、反応混合物の温度を37
℃まで上げて、cDNAの第一鎖となるプライマー伸長産物が形成されるのに十分な
時間(通常は約30分)インキュベートする。
【0022】 cDNAの第一鎖が合成されるのに十分な条件下での、例えばmRNAである開始リボ
核酸と、例えばオリゴdtプライマーであるプライマーとの接触によって、リボ核
酸とデオキシリボ核酸がハイブリダイズして形成された第1のハイブリッド或い
は二重鎖が形成される。この二重鎖は、cDNA分子がmRNA分子の3'末端にハイブ
リダイズすることから鋳型mRNA分子の3'配列情報を含むという特徴がある。
【0023】 本方法の第2のステップでは、鋳型から酵素的にデオキシリボ核酸が合成され
るのに十分な条件下で、上記したように作製したハイブリッド或いは二重鎖、即
ち第1のハイブリッドをランダムプライマーと接触させる。ランダムプライマー
とは、第1のハイブリッドの一本鎖RNAに関連する塩基配列がランダムなプライ
マーであり、即ち、用いる第1のハイブリッド或いは二重鎖のmRNA部分とどの程
度ハイブリダイズするか定かでないプライマーである。言い換えれば、ランダム
プライマーの配列は、接触する前は、そのハイブリッドのRNAの一本鎖部分に相
補的な領域をどの程度有するか不明である。ランダムプライマーは、第1のハイ
ブリッドのmRNA部分の相補的な領域(存在する場合は)と効率的にハイブリダイ
ズするように十分に長く、一般的には約4〜40ヌクレオチドであり、通常は約10
〜30ヌクレオチであり、典型的には約20〜30ヌクレオチドである。好適なプライ
マーには、例えば、3'(N)9GCGGCCGCGCGGCCGC5'である約5〜20ヌクレオチド、典
型的には8〜16ヌクレオチドの制限酵素切断部位に結合する約5〜15ヌクレオチド
、典型的には6〜9ヌクレオチドのプライマーが含まれる。ここで、Nは任意のヌ
クレオチドである。
【0024】 任意の好適なプロトコルを利用して、ランダムプライマーと第1のハイブリッ
ドとを接触させることが可能である。本発明の第2のステップでは、第1のハイ
ブリッドを含む反応混合液にランダムプライマーを単に導入する。しかしながら
、多くの実施例では、ランダムプライマーと接触する前に、使用した反応混合液
の残りの部分から第1のハイブリッドを分離する。分離は任意の好適な方法で行
うことができる。第1のハイブリッドを形成するために用いたオリゴdtプライマ
ーが固相にしっかりと固定されている場合は、固体支持物がある場合の分離プロ
トコルが用いられ得る。例えば、固相が磁性固相の場合、当分野で周知の磁性固
相用の分離プロトコルが用いられる。次に、上記したように鋳型から酵素的にデ
オキシリボ核酸が合成されるのに十分な条件下で、単離した第1のハイブリッド
を、新しい第2の反応混合液の中でランダムプライマーと接触させる。
【0025】 例えばcDNAの第一鎖が合成される、鋳型から酵素的にデオキシリボ核酸が合成
される条件下で、第1のハイブリッド或いは二重鎖をランダムプライマーに接触
させることよって、2つの異なるデオキシリボ核酸分子がハイブリダイズした部
分を有する1つのリボ核酸分子である第2のハイブリッド或いは二重鎖が形成さ
れる。第2のハイブリッドにおける第1のデオキシリボ核酸には、第1のステップ
で用いたオリゴdtプライマーが含まれ、3'末端に位置する。第2のデオキシリボ
核酸分子は、リボ核酸分子の3'末端から離れた領域にハイブリダイズする。多く
の実施例の場合、それはリボ核酸分子の5'末端である。第2のデオキシリボ核酸
分子が、例えばmRNAであるハイブリダイズするリボ核酸の5'末端の遺伝情報を含
むため、第2のハイブリッドが有用である。第2のデオキシリボ核酸分子の長さは
、一般には約500〜3000ヌクレオチド、通常は約1000〜2000ヌクレオチド、典型
的には約1500〜2000ヌクレオチドである。本方法の次のステップでは、第2のハ
イブリッド或いは二重鎖を、第1の二本鎖cDNAと第2の二本鎖cDNAの二本鎖デオキ
シリボ核酸分子に転換する。この転換ステップで形成された第1の二本鎖cDNAに
は、オリゴdt領域、即ちオリゴdtプライマーが含まれていない。第2の二本鎖cDN
A分子は、第1の二本鎖cDNAとは異なり、オリゴdt領域、即ち元のオリゴdtプライ
マーが含まれる。第2の二本鎖cDNA分子は、開始mRNAの3'末端の配列情報が含ま
れており、2つの二本鎖cDNAとはそれぞれ異なる。それとは対照的に、第1の二
本鎖cDNAには、開始mRNAの3'末端の配列情報は含まれていないが、その代わりに
好ましい開始mRNAの5'末端の配列情報が含まれている。
【0026】 第2のハイブリッドの二本鎖cDNAへの転換は、当分野で周知の好適なプロトコ
ルで実施可能である。利用可能な1つの技術は、Efstratiadis 他, Cell (1976)
7: 279; Higuchi 他, Proc. Natl. Acad. Sci. (1976) 73: 3146;Maniatis 他,
Cell (1976) 8:163 及び Rougeon, Mach, Proc. Natl. Acad. Sci. (1976) 73:3
418 に記載の自己プライミング技術を用い得る。この方法では、ハイブリッドを
加熱して或いはOHでmRNAを加水分解して変性し、第一鎖cDNAがヘアピンループを
形成して第二鎖cDNAの自己プライミングが可能となる。更に、Okayama 及び Ber
g, Mol. Cell Biol. (1982) 2:161 によって開発され、Gubler 及び Hoffman, G
ene (1983) 25:263によって変更された、ハイブリッドがニックトランスレーシ
ョンの鋳型として用いられる方法もある。更なる別法では、末端転移酵素を用い
て、第一鎖の3'末端に第2のプライマーハイブリダイゼーション部位を作る。こ
の方法は、Rougeon他, Nucleic Acids Res. (1975) 2:2365 及び Land 他, Nucl
eic Acids Res. (1981) 9:2251に記載されている。
【0027】 第2のハイブリッドを、例えばcDNAである第1及び第2の二本鎖デオキシリボ核
酸に転換した後、得られた第1及び第2のcDNAを分離する方法を以下に記載する
。この分離には、任意の好適なプロトコルを用いることができる。用いるオリゴ
dtプライマーを固体支持物にしっかりと固定する実施例では、例えば、重さ或い
は大きさに基づく、この固体支持物を利用する分離プロトコルが用いられ得る。
固体支持物が磁性物質である好適な実施例では、磁気による分離プロトコルが用
いられ得る。第1及び第2のcDNAの分離によって、単離された第1の二本鎖cDNA
となる。
【0028】 次に、当分野で周知の方法で、単離した第1の二本鎖cDNAを好適なベクターに
結合して増殖させ、必要に応じて利用する。好適なベクターには、ウイルス、フ
ァージミド及びプラスミドベクターがある。一般に、このステップには、cDNAと
ベクターが結合するのに十分な条件下でのベクターと二本鎖cDNAの接触が含まれ
る。通常は、ベクター及びcDNAを、少なくとも1つ、好ましくは2つの異なる制
限エンドヌクレアーゼで処理して、相補的或いは粘着末端にする。この前処理ス
テップには、更に、ベクター及び/または二本鎖cDNAの末端にリンカー配列或い
はアダプター配列を結合させる過程が含まれ得る。
【0029】 本発明は、5'の多いcDNAライブラリの作製に特に有用である。「5'の多い」
とは、ライブラリ内の相当な割合のcDNAが、元となったmRNAの5'末端のヌクレ
オチド配列情報を含んでいることである。本発明の5'の多いcDNAライブラリは
、少なくとも5個以上、通常は50個以上、典型的には100個以上の配列の異
なるcDNAを含み、最大では10,000個以上のライブラリも可能である。ライ
ブラリを構成するcDNAの相当な部分が、元のmRNAに対応する5'配列情報を含み
、対応するmRNAの5'配列情報を含むライブラリ内のそれぞれ異なるcDNAの占め
る割合は、少なくとも10%、通常は20%以上、典型的には25%以上である
。場合によっては、25%以上も可能であり、実施例の中には、40%、50%
、60%、70%、80%、90%、或いはそれ以上の実施例もある。
【0030】 本発明はまた、本方法を実施するためのキットも提供する。このキットには、
少なくともオリゴdtプライマー及びランダムプライマーが含まれ、多くの実施例
の場合、このオリゴdtプライマーは固体支持物に固定される。更に、キットには、
請求項に記載の方法を実施するための1つ或いはそれ以上の試薬が含まれ得る。
その中には、例えば、バッファー、好適なヌクレオチド三リン酸(例えば、dATP, d
CTP, dGTP 及びdTTP; または rATP, rCTP, rGTP及びUTP)、逆転写酵素、DNAポ
リメラーゼ、RNAポリメラーゼ、T1 RNA分解酵素などが含まれる。またキットに
は、キットのパッケージに入っている物及び/またはキットのパッケージ、キッ
トの一部に関連する一連の手順書も含まれる。以下に記載する実施例は、例示目
的であり、発明を限定するものではない。
【0031】 実施例 A.第一鎖の合成 1.ビードの洗浄 a、0.25 mlのDynabeads (dT)25-ビオチン(5mg/ml)を用いて、1mgの(dT)
25-ビオチンを2μgのmRNAポリA+に結合させ、2.5μgのmRNA ポリA+(5 x 0.25 x
2 = 2.5)を作製する。チューブをボルテックスしてビードを十分に懸濁し、0.25
mlのビードをシリコン処理したRNA分解酵素を含まないチューブに入れる。 b、磁気分離によって上澄みを除去する。 c、100μlの結合バッファーでビードを一回洗浄する。
【0032】 2.オリゴdtによる第一鎖の合成 a、2.5μgのmRNA ポリA+(1μg/μl)と7.5μlのddwの混合物をビードに加えて、
アニーリングする。ボルテックスして十分に混合する。 b、7℃で10分間、氷上で5分間冷却し、収集及び懸濁のために回転させる。
c、第一鎖をオリゴdtで反応させる。 冷却した反応混液を加える。この反応混液には、4μlの5x第一鎖バッファーと
、2μlの0.1MのDTTと、1μlの10mMのdNTPと、1μlのddwが含まれている。温度
を均一にするために2分間37℃に保ち、2μlのSuperScript II RTを加える。
合計で20μl、混合し、振盪ウォターバスで振盪しながら、37℃で30分間
(または1時間を試す)インキュベートする。 d、磁気分離によって上澄みを除去する。 e、ビードを100μlの洗浄バッファーで洗浄し、磁気分離によって上澄みを除去
する。
【0033】 3.ランダムプライマーによる第一鎖の合成 a、2.5μlの0.25μl/μlのpN9 Not Iプライマーと6.5μlのddwをチューブに加
えてアニーリングする。 b、10分間37℃(または70度で10分間を試す)に保ってから氷上に載せる
。 c、第一鎖をランダムプライマーで反応させる。 冷却した反応混液を加える。この反応混液には、4μlの5x第一鎖バッファーと
、2μlの0.1MのDTTと、1μlの10mMのdNTPと、2μlの[α-32P]dCTP(1μCi/μl
)と、1μlのddwが含まれている。温度を均一にするために2分間37℃に保ち
、2μlのSuperScript II RTを加える。合計で20μl、混合し、振盪しながら3
7℃で1時間インキュベートする。 d、分析用に2μlを新しいチューブに移す。
【0034】 B.第二鎖の合成 a、氷上で、冷却した反応混液を加る。この反応混液には、93μlのddwと、30μ
lの5x第二鎖バッファーと、3μlの10mMのdNTP混合液と、1μlの大腸菌DNAリ
ガーゼ(10単位/_μl)と、4μlの大腸菌DNAポリメラーゼ(10単位/_μl)と、
1μlの大腸菌RNA分解酵素(2単位/_μl)とが含まれる。合計で150μl、振盪し
ながら16℃で2時間インキュベートする。 b、2μlのT4 DNAポリメラーゼ(10単位)を加え、5分間16℃に保つ。 c、10μlの500mMのEDTAを加える。 d、磁気分離で上澄みを新しいチューブに移す。合計で162μl。 e、フェノール及びクロロフォルム、イソアミルアルコール(25:24:1)の混
合液を等倍量(162μl)加え、十分にボルテックスしてから、室温で5分間、14,0
00gで遠心分離して二層に分離させ、注意して上部の水層を除去して新しいチュ
ーブに移す。 f、1/2倍量(81μl)の7.5MのNH40AC及び5μlの1mg/mlの酵母tRNA、3倍量の100
%エタノール(486μl)を加えて混合し、室温で30分間、14,000gで遠心分離し、
注意して上澄みを取り除く。 g、ペレットを200μlの70%エタノール(-20℃)で洗浄し、14,000gで回転さ
せてから、上澄みを取り除いて乾燥させる。
【0035】 C.EcoR Iアダプターの付加 a、ペレットを混合液に懸濁する。この混合液には、42.3μlのddwと、5μlの10
xNEB T4 DNAリガーゼバッファーと、1μlの1mg/mlのEcoR Iアダプターと、1.7
μlのNEB T4リガーゼとが含まれる。合計で50μl、16℃で16時間インキュベート
する。 b、フェノール及びクロロフォルム、イソアミルアルコール(25:24:1)の混
合液を等倍量(162μl)加え、十分にボルテックスしてから、室温で5分間、14,0
00gで遠心分離して二層に分離させ、注意して上部の水層を除去して新しい遠心
チューブに移す。 c、1/2倍量の7.5MのNH40AC及び5μlの1mg/mlの酵母tRNAを加え、次に3倍量の10
0%エタノールを加え、混合液を十分にボルテックスし、室温で30分間、14,000g
で遠心分離する。 d、注意して上澄みを取り除き、ペレットを200μlの冷却した70%エタノール
でそっとすすぎ、14,000gで2分間遠心分離してから、上澄みを取り除く。 e、ペレットを5分間凍結乾燥して、残ったエタノールを蒸発させる。
【0036】 D.Not Iの消化 a、付加したcDNAに以下の試薬を加える。この試薬には、40.5μlのddwと、5μl
の10xNEB Not Iバッファーと、0.5μlの100xBSAと、4μlのNEB Not I制限酵素
とが含まれる。合計で50μl、37℃で2〜3時間インキュベートする。 b、フェノール及びクロロフォルム、イソアミルアルコール(25:24:1)の混
合液を等倍量(162μl)加え、十分にボルテックスしてから、室温で5分間、14,0
00gで遠心分離して二層に分離させ、注意して上部の水層を新しい遠心チューブ
に移す。 c、1/2倍量の7.5MのNH40AC及び5μlの1mg/mlの酵母tRNAを加え、次に3倍量の10
0%エタノールを加え、混合液を十分にボルテックスし、室温で30分間、14,000g
で遠心分離する。 d、注意して上澄みを取り除き、ペレットを200μlの冷却した70%エタノール
でそっとすすぎ、14,000gで2分間遠心分離してから、上澄みを取り除く。 e、ペレットを5分間凍結乾燥して、残ったエタノールを蒸発させる。
【0037】 E.サイズ分画カラムでアダプターからcDNAを分離 a、支持物に1つのcDNAサイズ分画カラムを置く。上部のキャップを取り外し、
次に底部のキャップを取り外して、過剰な液体(20%エタノール)を排出する。 b、0.8mlのTENバッファー(オートクレイブした、10mMのTris-HCl(pH7.5)、0
.1mMのEDTA、20mMのNaCl.)をピペットで上部のフリット(frit)に移し、完全
に排出する。このステップを後3回繰り返し、合計で3.2mlとなる。 c、20本の無菌マイクロ遠心チューブに1から20の数字を付け、チューブ1をカ
ラムの出口の下側にして、ラックにそれらを置く。 d、97μlのTENバッファーをcDNAペレットに加え、そっと混合する。 e、上部のフリット(fritz)の中央にサンプル全量を加え、ベッドに排出させ
る。流出液をチューブ1に集める。 f、滴下が止まるまで、カラムに100μlのTENバッファーを加え、流出液をチュ
ーブ2に集める。 g、次のTENバッファー100μlアリコットで開始し、1滴分(〜35μl)を各チュ
ーブに集める。チューブ3からチューブ20のそれぞれに1滴ずつ合計18滴を集める
まで、TENバッファー100μlアリコットの添加を続ける。 h、自動ピペットを使って、各チューブに集めた量を測定する。この際、互いに
混じらないように分画毎に新しいチップを使う。カラムAにそれぞれの量を記録
する。カラムの値が500μlを超えないがそれに近くなるように、分画を確認する
。 i、各チューブをシンチレーションカウンターに移して、各分画のチェレンコフ
カウントを調べる。 j、各分画のcpm及びカラムBの総量(550μl未満)に基づいて、結合した分画を
決定する。 k、1/2倍量の7.5MのNH40AC及び5μlの1mg/mlの酵母tRNAを加え、次に3倍量の10
0%エタノールを加え、混合液を十分にボルテックスし、室温で30分間、14,000g
で遠心分離する。 l、注意して上澄みを取り除き、ペレットを200μlの冷却した70%エタノール
でそっとすすぎ、14,000gで2分間遠心分離してから、上澄みを取り除く。 m、ペレットを5分間凍結乾燥して、残ったエタノールを蒸発させる。 n、乾燥したペレットを測定して産生されたcDNAの量を決定する。
【0038】 F.導入及び形質転換 a、cDNAペレットを5ng/μlの濃度に再懸濁する。 b、各サンプル用に混合液を含むチューブを準備する。この混合液には、31μl
のddwと、4μlの5ng/μlのcDNA(20ng)と、1μlのpINCYベクター(EcoR I-Not
I)(50ng)と、5μlの10xNEB T4 DNAリガーゼバッファーと、5μlのT4 DNAリ
ガーゼが含まれる。合計で50μl、16℃で一晩インキュベートする。 c、1μlの結合物を9μlのddwで希釈する。 d、1μlの1:10の希釈液を20μlのDH-10B電気コンピテント細胞(electrocompe
tent cell)で形質転換する。電気穿孔は2.5KVで行う。 e、形質転換した細胞を1mlのSOC(室温)で再懸濁し、インキュベーター中に回
収して、振盪しながら37℃で1時間インキュベートする。 f、10及び100μlの形質転換細胞をLB/2xカルベニシリン寒天プレートに蒔く
。37℃で一晩成長させ、結合の力価、ng当たりの力価、cDNA全量の力価(力価/
ライブラリ)を決定する。 g、必要な溶液及び試薬を以下に記載する。 名称 会社名 製品番号DYNABEADS mRNA Purification Kit DYNAL 610.01 SUPERSCRIPT Plasmid System forcDNA Synthesis and Plasmid Cloning GIBCOBRL 18248-013EcoR I-Xho I adapter STRATAGENE 901118 5'-AATTCGGCTCGAG-3" 3'-GCCGAGCTC-5'α-32P dCTP (3000 μci/Mmol, 10 mCi/M1) Amersham または ICNpNotI N9 3'-NNNNNNNNNGCGGCCGCGCGGCCGC-5' Phenol:Chloroform:Isoamyl alcohol (25:24:l) Amersham US75831T4 DNA Ligase NEB 202sNot I NEB 189smRNA (DNA分解酵素で処理した) Library group
【0039】 上記した結果及び説明から、改良したcDNAライブラリの作製方法を提供できる
ことは明らかであろう。本方法では、容易かつ効果的に5'の多いcDNAライブラリ
を作製できる。従って、本発明は、当分野において著しく貢献するであろう。
【0040】 それぞれの刊行物または特許出願が、引用されて明細書の一部となると記載し
ているように、本明細書に記載した刊行物及び特許出願の全てを引用することを
持って本明細書の一部とする。提出日前に任意の刊行物による開示を引用したか
らといって、本発明の新規性が損なわれると解釈されるものではない。
【0041】 上記した本発明を、例示目的及び発明をより理解するために詳細に記載したが
、当分野の一般的な技術者には、本発明の開示内容からして、本発明の精神或い
は請求の範囲を逸脱することなく、種々の改良がなされ得ることは容易に理解で
きよう。
【0042】 表の簡単な説明
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従った方法の模式図である。
【手続補正書】
【提出日】平成14年7月5日(2002.7.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】 本方法の第2のステップでは、鋳型から酵素的にデオキシリボ核酸が合成され
るのに十分な条件下で、上記したように作製したハイブリッド或いは二重鎖、即
ち第1のハイブリッドをランダムプライマーと接触させる。ランダムプライマー
とは、第1のハイブリッドの一本鎖RNAに関連する塩基配列がランダムなプライ
マーであり、即ち、用いる第1のハイブリッド或いは二重鎖のmRNA部分とどの程
度ハイブリダイズするか定かでないプライマーである。言い換えれば、ランダム
プライマーの配列は、接触する前は、そのハイブリッドのRNAの一本鎖部分に相
補的な領域をどの程度有するか不明である。ランダムプライマーは、第1のハイ
ブリッドのmRNA部分の相補的な領域(存在する場合は)と効率的にハイブリダイ
ズするように十分に長く、一般的には約4〜40ヌクレオチドであり、通常は約10
〜30ヌクレオチであり、典型的には約20〜30ヌクレオチドである。好適なプライ
マーには、例えば、配列番号1などの約5〜20ヌクレオチド、典型的には8〜16ヌ
クレオチドの制限酵素切断部位に結合された約5〜15のランダムなヌクレオチド
、典型的には6〜9のランダムなヌクレオチドのプライマーが含まれる。配列番号
1におけるNは任意のヌクレオチドである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】 F.導入及び形質転換 a、cDNAペレットを5ng/μlの濃度に再懸濁する。 b、各サンプル用に混合液を含むチューブを準備する。この混合液には、31μl
のddwと、4μlの5ng/μlのcDNA(20ng)と、1μlのpINCYベクター(EcoR I-Not
I)(50ng)と、5μlの10xNEB T4 DNAリガーゼバッファーと、5μlのT4 DNAリ
ガーゼが含まれる。合計で50μl、16℃で一晩インキュベートする。 c、1μlの結合物を9μlのddwで希釈する。 d、1μlの1:10の希釈液を20μlのDH-10B電気コンピテント細胞(electrocompe
tent cell)で形質転換する。電気穿孔は2.5KVで行う。 e、形質転換した細胞を1mlのSOC(室温)で再懸濁し、インキュベーター中に回
収して、振盪しながら37℃で1時間インキュベートする。 f、10及び100μlの形質転換細胞をLB/2xカルベニシリン寒天プレートに蒔く
。37℃で一晩成長させ、結合の力価、ng当たりの力価、cDNA全量の力価(力価/
ライブラリ)を決定する。 g、必要な溶液及び試薬を以下に記載する。 名称 会社名 製品番号DYNABEADS mRNA Purification Kit DYNAL 610.01 SUPERSCRIPT Plasmid System forcDNA Synthesis and Plasmid Cloning GIBCOBRL 18248-013EcoR I-Xho I adapter STRATAGENE 901118 配列番号2 配列番号3α-32P dCTP (3000 μci/Mmol, 10 mCi/M1) Amersham または ICNpNotI N9 配列番号1 Phenol:Chloroform:Isoamyl alcohol (25:24:l) Amersham US75831T4 DNA Ligase NEB 202sNot I NEB 189smRNA (DNA分解酵素で処理した) Library group
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 タン、ルオイング アメリカ合衆国カリフォルニア州94404・ フォスターシティ・マーリンアベニュー 1339 (72)発明者 ローズ、マイケル・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94301・ パロアルト・アルマストリート 1663 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 BA80 CA04 HA12

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一本鎖リボ核酸分子から二本鎖デオキシリボ核酸分子を作
    製する方法であって、 (a)鋳型から酵素的にデオキシリボ核酸が合成されるのに十分な条件下で、
    前記リボ核酸分子をオリゴdtプライマーに接触させる過程であって、その接触に
    よって前記リボ核酸分子にハイブリダイズしたデオキシリボ核酸分子を含む第1
    のハイブリッド分子が形成される、該過程と、 (b)鋳型から酵素的にデオキシリボ核酸が合成されるのに十分な条件下で、
    前記第1のハイブリッド分子をランダムプライマーに接触させる過程であって、
    その接触によって前記リボ核酸分子の5'末端に相補的なデオキシリボ核酸分子を
    含む第2のハイブリッド分子が形成される、該過程と、 (c)前記第2のハイブリッド分子を、前記オリゴdtプライマーを含まない第1
    の二本鎖デオキシリボ核酸分子と、前記オリゴdtプライマーを含む第2の二本鎖
    デオキシリボ核酸分子とに転換する過程とを含み、以上の過程によって前記一本
    鎖リボ核酸分子から二本鎖デオキシリボ核酸分子が形成されることを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の二本鎖デオキシリボ核酸分子を前記第2の二本鎖
    cDNA分子から分離する過程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記リボ核酸分子がmRNAであることを特徴とする請求項1
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記デオキシリボ核酸分子がcDNAであることを特徴とする
    請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記オリゴdtプライマーを固体支持物の表面にしっかりと
    固定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 一本鎖mRNA分子から二本鎖cDNA分子を作製する方法であっ
    て、 (a)第一鎖cDNAの合成が起こる十分な条件下で、前記mRNA分子をオリゴdtプ
    ライマーに接触させる過程であって、その接触によって前記mRNA分子にハイブリ
    ダイズしたcDNA分子を含む第1のハイブリッド分子が形成される、該過程と、 (b)第一鎖cDNAの合成が起こる十分な条件下で、前記第1のハイブリッド分
    子をランダムプライマーに接触させる過程であって、その接触によって前記mRNA
    分子の5'末端に相補的なcDNA分子を含む第2のハイブリッド分子が形成される、
    該過程と、 (c)前記第2のハイブリッド分子を、前記オリゴdtプライマーを含まない第1
    の二本鎖cDNA分子と、前記オリゴdtプライマーを含む第2の二本鎖cDNA分子とに
    転換する過程と、 (d)前記第1の二本鎖cDNA分子を前記第2の二本鎖cDNA分子から分離する過程
    とを含み、以上の過程によって前記一本鎖mRNA分子から二本鎖cDNA分子が形成さ
    れることを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 前記オリゴdtプライマーを固体支持物にしっかりと固定す
    ることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記固体支持物が磁性物質であることを特徴とする請求項
    7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記分離過程が磁気による分離であることを特徴とする請
    求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の二本鎖cDNA分子をベクターに導入する過程を
    更に含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 mRNAの開始サンプルから5'の多いcDNAライブラリを作製
    する方法であって、 (a)cDNAの第一鎖の合成が起こるのに十分な条件下で、前記mRNAを第1のオ
    リゴdtプライマーと接触する過程であって、その接触によって第1のハイブリッ
    ド分子の集団が形成される、該過程と、 (b)cDNAの第一鎖の合成が起こるのに十分な条件下で、前記第1のハイブリ
    ッド分子の集団をランダムプライマーと接触する過程であって、その接触によっ
    て前記mRNA分子の5'末端に相補的なcDNA分子を含む第2のハイブリッド分子の集
    団が形成される、該過程と、 (c)前記第2のハイブリッド分子の集団を、前記オリゴdtプライマーを含ま
    ない第1の二本鎖cDNA分子の集団と、前記オリゴdtプライマーを含む第2の二本
    鎖cDNA分子の集団とに転換する過程と、 (d)前記第1の二本鎖cDNA分子の集団を前記第2の二本鎖cDNA分子の集団から
    分離する過程とを含み、以上の過程によって前記5'の多いcDNAライブラリが形
    成されることを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 前記オリゴdtプライマーを固体支持物にしっかりと固定
    することを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記固体支持物が磁性支持物であって、前記分離過程が
    磁気による分離であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記第1の二本鎖cDNA分子の集団をベクターに導入する
    過程を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】 請求項11の方法に従って作製されたcDNAライブラリ。
  16. 【請求項16】 オリゴdtプライマーとランダムプライマーとを含む一本
    鎖mRNAから二本鎖cDNAを作製する際に用いるキット。
  17. 【請求項17】 前記オリゴdtプライマーを固体支持物にしっかりと固定
    することを特徴とする請求項16に記載のキット。
  18. 【請求項18】 前記固体支持物が磁性物質であることを特徴とする請求
    項17に記載のキット。
  19. 【請求項19】 前記キットがバッファー培養液を更に含むことを特徴と
    する請求項16に記載のキット。
  20. 【請求項20】 前記キットがdNTPを更に含むことを特徴とする請求項1
    6に記載のキット。
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