JP2003501053A - 種無しトマト、および種無しトマトを生産する方法、および種無しトマトを生産する能力のあるハイブリッドトマト植物 - Google Patents

種無しトマト、および種無しトマトを生産する方法、および種無しトマトを生産する能力のあるハイブリッドトマト植物

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JP2003501053A JP2001501019A JP2001501019A JP2003501053A JP 2003501053 A JP2003501053 A JP 2003501053A JP 2001501019 A JP2001501019 A JP 2001501019A JP 2001501019 A JP2001501019 A JP 2001501019A JP 2003501053 A JP2003501053 A JP 2003501053A
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バン・ブリエト、ゲラルドゥス・ヨハネス・アロイシウス
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ウエスタン・シード・エスパーニャ・エス・エー
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】次の工程:a.pk、fs−複合体(すなわち、第一のpk、fs−親)を含む第一のトマト植物を提供する;b.pk、fs−複合体(すなわち、第二のpk、fs−親)を含む第二のトマト植物を提供する;c.pk、fs−複合体を含む、種子のような栽培材料の生産のために前記第一および前記第二のトマト植物を交配する;d.場合に応じて、そのようにして得られた栽培材料を、種無しトマトを産生する能力のあるトマト植物に栽培する;e.場合に応じて、種無しトマトを産生するまで前記トマト植物を育成し、そしてそのようにして得られた種無しトマトを収穫するを含む、種無しトマト、種無しトマトを産生するかもしくは種無しトマトを産生する能力を有する植物、またはトマト植物のための種子のような栽培材料を生産する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (緒言) 本出願は、種無しトマト、前記種無しトマトを得る方法、並びにそれにより得
られた種無しトマトを製品、具体的には食品に加工する方法に関する。
【0002】 出願人の名義であるWO98/24301号には、種無しトマト、および特性
単為結実(pk、pk)および機能的生殖不能(fs、fs)に関して劣性なホ
モ接合体である第一のトマト植物が、特性単為結実(pk、pk)および機能的
生殖不能(fs、fs)に関して劣性なホモ接合体である第二のトマト植物と交
配されることを特徴とする上記トマトを生産する方法が記述されている。
【0003】 本発明は、熱帯並びに中程度の気候の両方で有効でありうるような異なる照明
および温度条件を含めた全ての環境条件下で種無しトマトの信頼性のある生産を
可能にするハイブリッド(およびそれについての種子)を提供する点で、WO9
8/24301号の教示を越えた改善を表す。これは、極東にある国々のような
明らかなトマトの育成国を含めた世界の全ての国々で首尾よく市販および育成さ
れうるハイブリッドおよびそれについての種子を提供するために必要である。
【0004】 H.Georgievらは、1990年3月、スペイン、マラガでのトマト遺
伝学および繁殖についての第XI回ユーカルピア会議の議事録、ユーカルピア・
トマト−90、「種無しトマトの繁殖」で、1つの栽培品種で、単為結実につい
てのホモ接合体遺伝子pat−2と、花の自己生殖不能についてのホモ接合体遺
伝子ps−2とを組合わせることによって、完全に種の無いトマト果実を産生す
るトマト植物を得る方法を記述している。それにより得られたpat−2、ps
−2栽培品種は、完全に種無しトマト果実(Georgievの文献の表1およ
び2で示されるとおり)を産生する。Georgievらは、さらに、2つのこ
のような栽培品種を交配させることによって、完全に種無しおよび標準の果実を
産生するF1ハイブリッドが、作製されうることを記述する。
【0005】 しかし、Georgievによって記述される系統(類)への出願人による集
約的な研究は、単為結実の特性および自己生殖不能の特性を合せて、親の系統を
提供すること、そしてハイブリッド種子が、これらの親系列の内の2つから、す
なわち、以下に示されるとおりヒト介在の手段によって得られること、二重劣性
pat−2遺伝子のみ、および二重劣性ps−2遺伝子のみの存在が、全ての成
長条件下で安定でそして信頼できる種無しトマトを形成するハイブリッドを供す
るのに実際に十分でないことが示された。したがって、植物が、常に、そして全
ての環境で、十分に形成したトマトを提供しないので、両方が二重劣性遺伝子(
pat−2,pat−2)および(ps−2、ps−2)のみを含む2つの親系
統を交配することで、市販で許容しうる種無しハイブリッドにならない。
【0006】 本発明によって、全ての環境条件下で安定でそして信頼できる手段で種無しト
マトを生産するハイブリッドを提供するために、単為結実について、そして自己
生殖不能についての遺伝的因子の複合は、親植物または系統に存在するに違いな
いことが分かった。これらの複合体は、それぞれ、「pk−複合体」および「f
s−複合体」として本明細書において言及される。
【0007】 出願人は、二重劣性pat−2遺伝子または二重劣性ps−2遺伝子のみを含
む既知系統から出発して、または上のGeorgievによって開発されたpa
t−2、ps−2系統から出発して、このpk−複合体およびfs−複合体を含
む親植物または系統を得るための一般的方法をも開発した。
【0008】 この方法の1つ工程は、非種無しF1を提供するために、それ自体は知られる
非種無しトマト植物と共に、Georgievのpat−2、ps−2系統のよ
うな既知種無し系統を交配することに関する。このF1から、いくつかのさらな
る世代の後、pk複合体およびfs複合体がハイブリッド種子の生産のための親
系統として使用されるべきこれらの植物について十分に「固定化」した親植物ま
たは系統が、その後開発されうる。
【0009】 そうする上で、出願人は、このF1から由来する世代で、種無し表現型の遺伝
(および機能的生殖不能の表現型のものさえ)が、メンデルの原理の概念におい
て予想されるものについて確認しないことが分かった。特に、出願人は、二重劣
性pat−2およびps−2遺伝子の存在により種無し表現型を示すトマト系統
(Georgievによって記述された系統のような)が、出発材料として使用
される場合でさえ、それにより得られるF1自家受粉によって得られるF2で、
種無し植物は、非常に一般的でなく(すなわち、100個のF2植物の内の約1
または2個の植物に限定される)という事実にあるか、または全てで起こらない
可能性さえあり、そしてそれから得られたF2から得れる機能的に生殖不能の植
物が、自家受粉されて、F3を供する場合でさえ起こらない可能性さえあること
が驚くべきことに分かった。
【0010】 これは、元のpat−2,ps−2親で、二重劣性pat−2およびps−2
遺伝子型の存在は、所望の種無し表現型を供するのに十分であるという事実に基
づいて、上記F2の16植物の内の少なくとも1つ(そして続くF3においては
より多くの植物さえ)が、二重劣性pat−2、ps−2遺伝子型を有するメン
デル規則の概念に予想されるべきであり、そしてしたがって種無し表現型を示す
ので驚くべきことである。特に、より少ない種無し植物か、または種無し植物が
ないことが、F2(およびF3)で見られる。
【0011】 とはいっても、上記F2が、予想されるより所望の種無し表現型を有する植物
が少ないことを示すという事実にもかかわらずか、または言換えれば、pat−
2、ps−2系統を、非種無しトマト系統との交配が、明らかに、上記F2にお
ける種無しの所望の特性を減少または抑制する遺伝子、対立遺伝子および/また
は他の遺伝的因子、または少なくともpat−2および/またはps−2遺伝子
の全発現を導入するという事実にもかかわらず、このようなF2から出発して、
pat−2、ps−2遺伝子型を示す既知種無し親系統を使用して得ることがで
きるものより優れた種無しハイブリッドを提供する種無し親系統を開発できるこ
とが分かった。
【0012】 上記は(も)、本発明の基本的知見、すなわち、全ての環境条件下で種無しト
マトを付与するハイブリッドを安定にそして信頼して提供するために、pat−
2、ps−2遺伝子型の存在は、それだけで十分でないが、しかし実際に、単為
結実および自家生殖不能の両方についての遺伝子、対立遺伝子または他の遺伝的
因子の複合体が、存在するにちがいないことを示す。
【0013】 これに加えて、出願人は、既知種無し系統と交配したときに、ある種の非種無
しトマト植物または系統が、他のものより十分な種無し、そしてより多くの数で
親系統をいっそう提供しそうであることも知見した。したがって、本説明は、当
業者に、簡単な手段の手段によって、どのようにそれ自体は知られた全トマト系
統、つまり種無しハイブリッドの生産のための親系統を提供するために首尾よく
使用されうるそれらの植物または系統を選択するかをも教示する。本説明は、出
願人の研究の過程で出願人によって得られた経験に基づいて、当業者に、このよ
うな非種無し系統を選択する上でのある程度の手引きを提供する。
【0014】 したがって、本発明は、下にさらに記述されるとおり、「pk複合体」および
「fs複合体」の両方を産生する2つの親トマト植物または系統を交配させるこ
とによって、このようなトマト植物につての種子と同様に、全ての環境、気候お
よび/または育成条件下で、種無しトマトを安定にそして信頼して生産するトマ
ト植物を生産する方法を提供する。これらの2つの親植物は、「pk、fs親」
として本明細書において言及される。
【0015】 (背景技術の一般的説明): 近代農業では、トマトは、ハイブリッドトマト種子から成長したハイブリッド
植物についての栽培者/生産者によって、もっとも頻繁に育成される。このよう
なハイブリッド種子の生産は、通常、生産者自身によって、行われないが、しか
しこのようなハイブリッド種子を開発し、そして販売化する植物繁殖者、および
厳密な品質制御が種子の均一な品質を保証しうると考えた植物繁殖者の非常に特
化した会社によって行われる。
【0016】 一般法則として、別々の系統にもっとも頻繁に属する2つの異なる親トマト植
物を交配させることによって、ハイブリッド種子が得られる。それ自体は知られ
ている栽培技術および植物繁殖技術を使用して、そのハイブリッドを「設計する
」こと、すなわち、ハイブリッド植物に、予め決められた遺伝する特徴を授与す
ることを可能にする、非常に特定の所望の特性をそのようなハイブリッドに提供
することができる。
【0017】 これは、通常、交配させてハイブリッド種子を提供する2つの親系統(の特性
)を適切に選択することによって達成される。これらは、通常、近交系であり、
数世代かけて自家受精(自家受粉)によって得られ、そしてその上このような近
交系は、通常、別の、通常予め決められた、同系繁殖した親系統と交配したとき
、所望の特性を有するハイブリッド子孫を提供するために繁殖者によって特別に
「設計」された。
【0018】 原則として、このような親系統は、遺伝的にホモ接合体であり、そして一致(
すなわち、同系繁殖の結果として)し、その結果、それらは、安定でそして信頼
できる手段で、遺伝的に均質な、ヘテロ接合体であろうとハイブリッド系統の組
合せを提供でき、そしてそれは、親系統の特性を合せ(得)る。そうする上で、
目的は、一方では、種子に出来る限り純粋な親系統から特定の特性を交配するこ
とである一方で、他方では、雑種強勢または同系繁殖の成長の公知効果を利用す
ることであり、そしてそれは、中でも植物および果実の成長、そしてそれにより
収量に関する(改善された)特性を供しうる。使用される親系統は、ある種の遺
伝的特性について関連しない場合/ので(すなわち、親系統が、遺伝的に「かな
り離れている」)、この雑種強勢効果が得られる。
【0019】 ハイブリッドの形成を含めて古典的な栽培技術を使用して、一般に、そして特
にトマトにおける植物繁殖技術の別の説明に関して、公知ハンドブックを参照し
、そしてその内容は、引用により本明細書に援用する。
【0020】 さらに、この説明で、特に指示されない限り、ここに使用される語句および定
義は、(メンデルの)遺伝学で使用されるものであり、それについて、M.W.
Strickbergerの遺伝学、2版、(1976年)、特に、113〜1
22頁および164〜177頁を参照する。そこに明記されるとおり、「遺伝子
」は、一般に、生物(すなわち、トマト植物)の生物学的特徴を決定する遺伝因
子を意味し、「対立遺伝子」は、(二量体)トマト植物に存在する遺伝子対にお
ける個々の遺伝子である。植物は、それが、上記遺伝子の同じ対立遺伝子を含む
場合の遺伝子ついて「ホモ接合体」と称され、そしてそれが、上記遺伝子の2つ
の異なる対立遺伝子を含む場合の遺伝子について「ヘテロ接合体」と称される。
大文字の使用は、優性(形態の)遺伝子を示し、そして小文字の使用は、劣性遺
伝子を示す:したがって、「X、X」は、遺伝子または特性Xについてのホモ接
合体優性遺伝子型を示す;「X、x」および「x、X」は、ヘテロ接合体遺伝子
型を示し、そして「x、x」は、ホモ接合体劣性遺伝子型を示す。一般的に知ら
れるとおり、ホモ接合体劣性遺伝子型のみが、一般に、対応の劣性表現型を供す
る(すなわち、特性または形質「x」を示す植物に至る)のに対して、ヘテロ接
合体およびホモ接合体優性遺伝子型は、多重対立遺伝子、サプレッサー、同時優
性などのような他の遺伝子および/または因子が、表現型を決定する上で(も)
役割を果さないかぎり、一般に、対応の優性表現型を供する(すなわち、特性ま
たは形質「X」を示す植物に至る)。
【0021】 最近、市場にあるトマトは、それらが種子(小さな種子)を含むという欠点を
示す。多くの消費者にとってこれらの種子の存在は、トマトの魅力を損なう。さ
らに、トマトをベースにした多量の製品、特にトマトをベースにした食品の製造
で、種子は、例えば、場合に応じて先のピューレにする、煮る、またはつぶすの
後に、篩うことによって、除去されなければならず、そしてそれは、さらなる加
工工程に関与する。これは、トマトの上で、ピューレ、スープ、ジュースまたは
ソースのような工業規模での食品の製造について、料理または食品の家庭での製
造に関しての両方であてはまる。
【0022】 このため、ここ15〜20年間、数名の研究者およびトマト繁殖者は、種無し
トマトを生産するトマト植物を開発しようとした。しかし、本出願に明記される
文献で検討される彼らの努力にもかかわらず、市販で許容しうる種無しトマト、
トマト植物またはこのような種無しトマト、またはそれについての種子を育てる
ハイブリッドで、今までのところ、市場に達したものはない。
【0023】 トマトの花は、子房から構成され、その上に、めしべがある。めしべの周囲に
、花粉を生じる数個のおしべがある。子房の中には、種子に発達する(花粉で受
粉した後)数個の前胚芽/胚芽がある。
【0024】 トマト植物は、「強制自家受粉媒体」と考えられ、そしてそれは、ほとんど専
有的にそれ自身の花粉のみが、同じ植物の花のおしべに至り、それにより、前胚
芽を受粉する。受粉した前胚芽が、めしべで形成されるやいなや、めしべは、そ
の中に、同時に、発生中の種子を含むトマト(果実)に成長し始める。
【0025】 特に、果実は、受粉した種子がめしべで発達しているときにのみ形成される。
【0026】 トマトでは、遺伝子は知られており、単為結実の特性をコードするpat−2
(しばしばpath−2とも言及される)遺伝子と称される。この遺伝子は、二
重劣性(pat−2、pat−2)として存在する場合、種子の発生を付随する
ことなく、果実(果肉)の発生に至る。
【0027】 しかし、自然には、または温室では、単為結実(の表現型)は、通常、めしべ
のみである;種子の不在または部分的存在に起因する因子は、対立遺伝子に存在
する。特に、部分的単為結実では、種子は、果実が、不規則に発生または成長す
るという結果を伴い、果実の(別の)部分で形成されるか、または形成されうる
。したがって、部分的単為結実は、果実の不規則な形態になり、そして生じる変
形果実は、消費者にとって非常に魅力がない。
【0028】 単為結実の遺伝子は、自然では非常にまれである。これは、果実が総ての単為
結実の点で形成される場合、果実の中で発生する種子はないからであり、その結
果、単為結実をコードする遺伝子は、次の世代に引き継がれず、そしてその世代
の系統が終る。トマト繁殖者にとって、総ての単為結実の表現型は、種子のない
果実になり、そしてそれは、種子生産を不可能にする。
【0029】 単為結実の特性は、いくつかの対立遺伝子に残る。総ての単為結実の表現型は
、「母親」(すなわち、その花は、花粉で受精されるトマト植物)並びに「父親
」(すなわち、花粉を提供するトマト植物)が、両方とも、単為結実特性に関し
て遺伝的にホモ接合体である場合にのみ生じうる。これは、「発生の状況にある
」果実で、通常、いくつかの発生中の種子があり、そしてその内の少なくとも1
つは、親の内の一方が、ヘテロ接合体である場合に単為結実について劣性である
ホモ接合体になりえないからである。
【0030】 一方で、部分的な単為結実(発生中のトマトで、単為結実に関して二重劣性で
ない少なくとも1つの種子の結果として)は、果実に変形手段で発生させうる。
【0031】 単為結実についての別の主要な問題、すなわち、種子の収量が低いことに加え
て、およびサイズの上で非常に不均等な果実、および果実中に種子が部分的に存
在または存在しないことによるクラスター内、または植物内の形態は、環境(温
度、光の条件)に強力に依存する。
【0032】 上の理由について、非常に高い程度まで単為結実である植物、または部分的な
単為結実を生じ(うる)植物のいずれも、種無しトマトの信頼できる生産に使用
できない。
【0033】 単為結実に加えて、トマトで生じうる別の特性は、機能的に生殖不能(ここで
「FS」として示される)であるものである。FSに関して二重劣性植物(「f
s、fs」)は、総体的に閉じられた花粉管を有するトマト植物になり、その結
果、完全で、そして稔性の花粉は、振動または他の機械的影響(マルハナバチ、
昆虫または振動装置)によってさえ、花粉管から離れることができない。
【0034】 二重劣性(「fs、fs」)表現型を示すトマト植物の花粉は、手によって(
切断または切取ることにより)花粉を物理的に開くことによってのみ放出されう
るが、その後、実際に、花粉を、開放された花粉管から手によって、すなわち、
切取ることによって、取出さなければならない。同じかまたは別のトマト植物の
受精について、その後、花粉は、花のめしべに適用されなければならず、そして
それも、実際に、手動で行われなければならない。
【0035】 任意の他の「自然の」方法(すわなち、上に明記されたヒトの介在なしに)で
、機能的に生殖不能の花の花粉は、開放されず、したがって、前胚芽の受粉につ
いて入手可能でない。したがって、二重劣性の機能的に生殖不能の植物は、前胚
芽を受粉せず、それにより世代の系統を終え、その結果、機能的生殖不能につい
ての劣性遺伝子は、次の世代に引き継がれない。自然では、機能的生殖不能につ
いての二重劣性表現型とともに、前胚芽の受粉は、起こり、その結果、果実(ト
マト)で、形成されるものはない。自然では、このような自動生殖不能遺伝子の
役割は、自家受粉を防止しそうであり、それにより強制的不釣合いな交配を通し
て植物集団におけるヘテロ接合体を維持することを助けることが示唆された。
【0036】 機能的生殖不能は、自己生殖不能と称され、そしてそれが2つの型、すなわち
、 −雄の生殖不能:自家受粉は、生育しうる花粉(ms)の不在または退化おし
べ(sl、おしべ無し)のため可能でない。雄の生殖不能が、市販の種子ハイブ
リッドトマト(種子)で導入されるべきである場合、栽培者は、二倍の量の種を
播き、そしてmsについてのマーカー遺伝子によって認識可能であるヘテロ接合
体ms pk植物の50%を栽培する前に除去しなければならい。これは、問題
を越えることによって十分に可能ではない; −機能的生殖不能;生育しうる花粉は、存在するが、しかし、花のある種の形
態学的変形によりめしべに達することができない。機能的生殖不能(fs)それ
自身は、4つの異なる型、すなわち: ps−型:おしべの強力なねじれおよび縮化の結果としての抜き出た花柱現象
;この特性は、一般的に、簡単な自家受粉および受容性が低いことに備え、そし
てそれは、ハイブリッド種子生産が、非常に適切ではなくなる。
【0037】 ps−2型:ハイブリッド種子生産に首尾よく使用される非開放の別のバッグ
型 ex−型:おしべの容易な自家受粉およびシグマの受容性が低いことを越えて
抜き出た花柱は、ハイブリッド種子生産に適切さを下げさせる。
【0038】 短い花柱型:シグマは、別のものの下に配置され、主な欠点は、その高いレベ
ルの自家受粉である;に区分することもできる型で生じうる、トマトで生じるも
ののいっそう一般的な特性の形態と考えられる。
【0039】 トマトにおける単為結実および機能的生殖不能(特に、ps−2型の)の両方
は、その遺伝の原則と同様に、先行技術で調査された。
【0040】 S.Linは、Dissertation Abstracts Inter
national、42巻、9号、1982年、3514B頁で、トマト系統「
セベリアニン(Severianin)」の単為結実が、pat−2と称される
単独の劣性遺伝子によって制御されることを記述する。Linは、さらに、「セ
ベリアニン×潜在的生殖不能(「Pat−Ex」)」の交配が、除雄なしにF1
ハイブリッド種子生産で雌系統として使用されうる単為結実−潜在的生殖不能−
シグマ挿入(Pat−Ex)系統を提供することを記述する。Linは、「セベ
リアニン」および「Pat−Ex」系統(ホモ接合体pat−2/pat−2)
の間の交配が、単為結実性果実を設定するその安定性を保持することについても
記述する。
【0041】 1984年5月のユーカルピア・トマト作業グループの第IX回会議の、セッ
ションII−雄の生殖不妊および単為結実からの2つの別々の文献には、J.P
hilouzeおよびCh.Georgievらが、それぞれ、系統「セベリア
ニン」で見られ、そして由来するとおり遺伝子pat−2を産生する単為結実ト
マト植物を記述している。
【0042】 同じ会議からの別々の文献では、Hr.GeordievおよびB.Atan
assovaが、ハイブリッドトマト種子の生産において短い花柱を有するps
−2生殖不能系統の使用法を記述している。
【0043】 Ch.Georgievは、Genetika I、Selektsiya、
18巻、3号、1985年、264〜266頁で、単為結実が、元の結実CV−
カロベータにps−2生殖不能を移行させる過程で見出されたことを記述してい
る。この文献では、「単為結実が、遺伝的であり、そして単独の劣性遺伝子によ
って制御されることが分かった。既知単為結実遺伝子を用いた対立性の試験は、
進行中である」ことが主張されている。
【0044】 J.Philouzeは、Agronomie、9巻、1号、1989年、6
3〜75頁で、「75/59」と称され、系統「アトム(Atom)」および「
ブブジェコソク(Bubjekosoko)」の間の交配から誘導されるトマト
系統を記述し、そしてその系統は、その年の全期間に、高いレベルの適性、自然
であるが、選択的な単為結実を示す。Philouzeは、さらに、「75/5
9」の単為結実が劣性であり、そしてその対立性試験は、単為結実が、「セベリ
アニン」から得られるpat−2遺伝子、または「モントファベット191(M
ontfavet191)」から得られるpat遺伝子のいずれかによるが、p
at−2から独立であり、そして独立に、そして累積的に作用すると推測される
少なくとも3つの劣性遺伝子、そしてより好ましくは4または5までの遺伝子に
よって制御されることを示すことを記述する。それにもかかわらず、Philo
uzeにより、種無し性は、セベリアニンでと同様に、pat−2単独を使用す
ることによって得ることができる。
【0045】 Philouzeは、受粉なしに除雄に関与する処置によって、種無しトマト
を生産する系統「75/59」も使用する。それにより得られた種無し果実の外
観および重さは、この系統の花の手動の受粉によって得られる種のある果実のも
のに匹敵した。
【0046】 Nuezらは、Zeitschrift fur Pflanzenzuch
tung、196巻、3号、1986年、200−206頁で、F1およびF2
世代で、そして親への戻交配から得られる子孫で、Philouzeによって開
発された、3つのトマトの変種:「サブ−アークティック・プレンティー(Su
b−Arctic Plenty)」、「セベリアニン」、および系統「59/
75」での単為結実の研究について記述している。そのように得られた交配は、
除雄後に種無し果実を提供できた。
【0047】 そうすることで、Neuzらは、「それにもかかわらず、ある種の変種では単
為結実についての遺伝的システムについての情報の不足がある。単為結実につい
ての遺伝子発現は、環境および遺伝的背景によって強力に調節される。このよう
な因子がどのように相互作用するか、ある種の決められた条件下で遺伝的作用の
態様は何か、またはどのように異なる遺伝子が、単為結実の答を生じるそれらの
効果を並列するかについてまったく樹立されたものはなかった」ことを主張する
【0048】 彼らの研究から、Nuezらは、さらにまた、「75/59」および「エス.
エイ.プレンティー(S.A.Plenty)」における単為結実に起因する遺
伝子は、「セベリアニン」から得られるpat−2と異なり、そして「75/5
9」および「エス.エイ.プレンティー」から得られる遺伝子は、それぞれpa
t−3、pat−4およびpat−5と表されると結論づける。
【0049】 しかし、上記文献は、単為結実性表現型または自動生殖不能の表現型のいずれ
かを示すトマト植物のみを記述している。さらに、自然の変種「セベリアニン」
に基づくと、上記技術は、二重劣性pat−2それ自身の存在は、ユーカルピア
・トマトの文献でGeorgievらによって記述されるとおりセベリアニンお
よび種無しpat−2、ps−2系統での場合であるとおり、単為結実を引起す
のに十分であることを示唆する。上記文献の中で、ここに定義されるとおり「f
s−複合体」および「pk−複合体」の両方に関して劣性のホモ接合である植物
について、またはこのような系統がどのようにして得られるかを記述したものは
ない。
【0050】 (発明の簡単な説明) 種子/結実なしのトマトが、単為結実の表現型をコードする−最も好ましくは
劣性の−遺伝子の複合体と;機能的生殖不能の表現型をコードする−最も好まし
くは劣性の−遺伝子の複合体とを合せた−非常に好ましいくはハイブリッドであ
る−トマトを使用して有益に生産できることがここで知見された。これらの複合
体は、それぞれ、「pk−複合体」および「fs−複合体」として言及され、そ
して単独のトマト植物で合せた場合、系統またはハイブリッドは、pk、fs−
複合体として言及される。これらの複合体を含有し、そして本発明の種無しハイ
ブリッドを提供するために使用される2つの親植物または系統は、「pk、fs
−親」として本明細書に言及される。
【0051】 したがって、第一の態様にある本発明は、 a.pk、fs−複合体(すなわち、第一のpk、fs−親)を含む第一のト
マト植物を提供し、 b.pk、fs−複合体(すなわち、第二のpk、fs−親)を含む第二のト
マト植物を提供し、 c.pk、fs−複合体を含む、種子のような栽培材料の生産のために第一お
よび第二のトマト植物を交配させ、 d.場合に応じて、そのように得られた栽培材料を、種無しトマトを産生する
能力のあるトマト植物に栽培し、 e.場合に応じて、種無しトマトを産生するまで該トマト植物を育成し、そし
てそのように得られた種無しトマトを収穫すること、を特徴とする、種無しトマ
ト、種無しトマトを産生するか、または種無しトマトを産生する能力のある植物
、または種子のような、そのようなトマト植物のための栽培材料を生産する方法
に関する。
【0052】 さらに具体的には、本発明は、 a.pk、fs−複合体を含み、さらに、トマトを繁殖するために所望される
少なくとも1つの特性に関して優性なホモ接合体である第一のトマト植物を提供
し、 b.pk、fs−複合体を含み、さらに、トマトの繁殖のために所望される少
なくとも1つの特性に関して劣性なホモ接合体である第二のトマト植物を提供し
、 c.pk、fs−複合体を含み、さらにトマトの繁殖のために所望される少な
くとも1つの特性に関してヘテロ接合体である、種子のような栽培材料の生産の
ために第一および第二のトマト植物を交配させ、 d.場合に応じて、そのように得られた栽培材料を、種無しトマトを産生する
能力のあるトマト植物に栽培し、 e.場合に応じて、種無しトマトを産生するまで該トマト植物を育成し、そし
てそのように得られた種無しトマトを収穫する工程を特徴とするそのような方法
に関する。
【0053】 上記方法で、工程cは、好ましくは、以下の工程: c1.それぞれ、第一または第二のトマト植物から誘導される花粉を提供する c2.第二または第二のトマト植物(の前−胚芽)を、それぞれ、工程c1で
得られた花粉で受粉させること、を包含する。
【0054】 工程c)で得られる栽培材料は、好ましくは、このような種子から得られるハ
イブリッド種子または実生であり、その結果(さらに)、工程d)にある上記栽
培材料から得られるトマト植物は、雑種強勢、成長力の増大などの公知効果と関
連したそれ自体知られた確実な利点を有するハイブリッドトマト植物である。こ
れ以降、語句「ハイブリッド」の下では、このハイブリッド栽培材料並びにこれ
らのハイブリッドトマト植物の両方が、後者が(すでに)本発明による種無しト
マトを産生するかどうかは関係なく包含される。
【0055】 単為結実の劣性表現型および機能的生殖不能の劣性表現型の組み合わせによっ
て、これらのハイブリッドは、自家受粉をしない。しかしながら、ハイブリッド
は、(本発明によって、実行も要求もされない)ハイブリッド植物(における前
胚芽のもの)の(自家)−受粉/受精の必要なしに、所望の通常形成される種無
し果実を形成する。
【0056】 それぞれ、工程a)およびb)で提供される第一および第二のトマト植物は、
好ましくは、安定な近交系に属し、そして結局、ここでpk、fs−親系統そし
て明記される。これらの親系統は、好ましくは、下にさらに記述されるとおり、
数世代を超えて栽培/近親交配することによって得られるもののように一般的に
安定である。
【0057】 上の方法で、第一のトマト植物は、「父親」(すなわち、花粉が得られる植物
)としての役割を果すことができ、そして第二のトマト植物は、「母親」(すな
わち、めしべ/前胚芽のものが、父親の花粉に受粉される植物)としての役割を
果すことができるか、またはその逆である。これは、両方の場合で所望のpk、
fs−複合体を有するハイブリッドと同様、本発明の方法に必須でなく、したが
って、所望の安定な種無し表現型を有するものが得られる。
【0058】 別の態様では、本発明は、種無し表現型が、少なくとも4つ、好ましくは少な
くとも5つ、さらに好ましくは少なくとも6つの遺伝因子の本質的に劣性複合体
の存在によるものであり、その内、少なくとも2つの因子が、単為結実のいくつ
かの表現型特性を示す該第一の種無しトマト植物を提供し、そして少なくとも2
つの因子が、機能的生殖不能のいくつかの表現型特性を示す該第一の種無しトマ
ト植物を提供することを特徴とする第一の種無しトマト植物に;種無し表現型が
、少なくとも4つ、好ましくは少なくとも5つ、さらに好ましくは少なくとも6
つの遺伝因子の本質的に劣性複合体の存在によるものであり、その内、少なくと
も2つの因子が、単為結実のいくつかの表現型特性を示すトマト植物を提供し、
そして少なくとも2つの因子が、機能的生殖不能のいくつかの表現型特性を示す
トマト植物を提供し、そして単為結実および機能的生殖不能の該表現型特性が、
トマト植物の全体の種無し表現型に寄与することを特徴とする第二の種無しトマ
ト植物から得た花粉を受粉させる少なくとも1つの工程を特徴とする、ハイブリ
ッドトマト植物、または種子もしくはそのようなハイブリッドトマト植物のため
の他の栽培材料を提供する方法に関する。
【0059】 第一の種無しトマト植物に、第二のトマト植物から得られる花粉を受粉する工
程が、第二のトマト植物の閉鎖花粉管を、好ましくは手動で、開放し;第二のト
マト植物の花粉管から花粉を、好ましくは手動で、取出し;および第一のトマト
植物のめしべに該花粉を、好ましくは手動で、適用する工程を含む。
【0060】 第一および第二のトマト種無しトマト植物は、好ましくは、近交系に、さらに
好ましくは2つの異なる近交系に属する。
【0061】 本発明のこの態様は、場合に応じて、そのように受精された第一の種無しトマ
ト植物に、ハイブリッド種子を含む果実を形成させること、およびその果実から
該ハイブリッド種子を収穫する別の工程を包含し、そして場合に応じて、該ハイ
ブリッド種子から種無しハイブリッドトマトの世代を栽培すること、および該種
無しハイブリッドトマト植物に、種子(すなわち、種無しトマト)を形成させ、
そして該種無しトマトを収穫するさらに別の工程を包含しうる。
【0062】 本発明のさらに他の態様は、そのように得られたハイブリッド種子に関するか
、または場合に応じて実生のような該種子から得られる栽培材料に、そのように
得られた種無しハイブリッドトマト植物に、そして上記種無しハイブリッドトマ
ト植物から得られる果実として得られた種無しトマトに関する。
【0063】 本発明のさらに別の態様は、そのように得られた種無しトマトから得られるか
、または使用するか含有する加工製品、特に加工食品に関する。本発明の上の態
様では、2つの基本的に生殖不能で、同時に種無しの親は、ヒトの介在を介して
作られて、ハイブリッド種子を形成する。
【0064】 別の態様では、本発明は、該種無し表現型が、少なくとも4つ、好ましくは少
なくとも5つ、さらに好ましくは少なくとも6つの遺伝因子の本質的に劣性の複
合体の存在によるものであり、前記遺伝因子のうち、少なくとも2つは、単為結
実のいくつかの表現型特性をトマト植物に提供し、そして少なくとも2つは、機
能的生殖不能のいくつかの表現型特性をトマト植物に提供し、そして単為結実お
よび機能的生殖不能の該表現型特性が、トマト植物の全体的種無し表現型に寄与
することを特徴とする種無しトマト植物に関する。
【0065】 本発明の1つの特定の態様では、この種無しトマトは、近交系に属し、そして
子孫を提供する親系統として使用できる。別の態様では、この種無しトマト植物
は、2つのこのような異なる近親交配の種無し親系統から得られるハイブリッド
であり、そして種無しトマトを育成または得るのに使用しうる。
【0066】 さらに別の態様では、本発明は、該種無し表現型が、少なくとも4つ、好まし
くは少なくとも5つ、さらに好ましくは少なくとも6つの遺伝因子の本質的に劣
性の複合体の存在によるものであり、前記遺伝因子の内、少なくとも2つは、単
為結実のいくつかの表現型特性をトマト植物に提供し、そして少なくとも2つは
、機能的生殖不能のいくつかの表現型特性をトマト植物に提供し、そして単為結
実および機能的生殖不能の該表現型特性が、トマト植物の全体的種無し表現型に
寄与するものである種無し表現型を有するトマト植物の、種無しハイブリッド子
孫を得るための親植物としての使用に関する。
【0067】 本発明のこの態様は、種無し表現型が、少なくとも4つ、好ましくは少なくと
も5つ、さらに好ましくは少なくとも6つの遺伝因子の本質的に劣性の複合体の
存在によるものであり、前記遺伝因子の内、少なくとも2つは、単為結実のいく
つかの表現型特性をトマト植物に提供し、そして少なくとも2つは、機能的生殖
不能のいくつかの表現型特性をトマト植物に提供し、そして単為結実および機能
的生殖不能の該表現型特性が、トマト植物の全体的種無し表現型に寄与する別の
種無しトマト植物から得られる花粉を、上記種無しトマト植物に受粉することに
よるか、および/または種無し表現型が、少なくとも4つ、好ましくは少なくと
も5つ、さらに好ましくは少なくとも6つの遺伝因子の本質的に劣性の複合体の
存在によるものであり、前記遺伝因子の内、少なくとも2つは、単為結実のいく
つかの表現型特性をトマト植物に提供し、そして少なくとも2つは、機能的生殖
不能のいくつかの表現型特性をトマト植物に提供し、そして単為結実および機能
的生殖不能の該表現型特性が、トマト植物の全体的種無し表現型に寄与するもの
である別の種無しトマト植物に受粉するために上記種無しトマトから得られる花
粉を使用することのいずれかにより行うことができる。
【0068】 本発明のこの態様では、2つの基本的に生殖不能で、同時に種無しの親は、ヒ
トの介在を介して作られて、ハイブリッド種子を形成する。本発明の態様では、
第一の種無しトマト植物に、第二のトマト植物から得られる花粉を受粉させる工
程が、第二のトマト植物の閉鎖花粉管を、好ましくは手動で、開放し;第二のト
マト植物の花粉管から花粉を、好ましくは手動で、取出し;および第一のトマト
植物のめしべに該花粉を、好ましくは手動で、適用する工程を含む。
【0069】 本発明の別の態様は、種無し表現型が、少なくとも4つ、好ましくは少なくと
も5つ、さらに好ましくは少なくとも6つの遺伝因子の本質的に劣性の複合体の
存在によるものであり、前記遺伝因子の内、少なくとも2つの因子は、単為結実
のいくつかの表現型特性を上記第一の種無しトマト植物に提供し、そして少なく
とも2つの因子は、機能的生殖不能のいくつかの表現型特性を上記第一の種無し
トマト植物に提供するものである種無しトマト植物に、同じ植物から得られた花
粉を、または同じ近交系に属する別の植物から得れる花粉を受粉する少なくとも
1つの工程を包含することを特徴とする、種無し表現型を有するトマト植物を維
持する、具体的には、種無しトマト植物の近交系を維持する、および/またはこ
のような植物または系統のための種子もしくは他の栽培材料を得る方法に関する
【0070】 種無しトマト植物に、それの花粉を受粉させる工程は、その閉鎖花粉管を、好
ましくは手動で、開放し;花粉管から花粉を、好ましくは手動で、取出し;およ
びトマト植物のめしべに該花粉を、好ましくは手動で、適用する工程を含む。
【0071】 本発明のこの態様は、場合に応じて、そのように受精された種無しトマト植物
に、種子を含む果実を形成させること、およびその果実から該種子を収穫する別
の工程を包含でき、そして場合に応じて、該種子から種無しトマト植物のさらな
る世代を栽培するさらに別の工程をさらに包含しうる。
【0072】 本発明の別の態様は、以降の説明から明らかになる。
【0073】 本発明の1つの実施形態によって、少なくとも4つ、好ましくは少なくとも5
つ、さらに好ましくは少なくとも6つの遺伝因子の本質的に劣性の複合体は、少
なくとも遺伝子pat−2およびps−2、並びに少なくとも2つ、好ましくは
3つ、さらに好ましくは少なくとも4つの別の遺伝子を包含し、さらに好ましく
はその結果、pat−2遺伝子および少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2
つの別の遺伝因子は、単為結実のいくつかの表現型特性を示すトマト植物を提供
し、そしてその結果、ps−2遺伝子および少なくとも1つ、好ましくは少なく
とも2つの別の遺伝因子が、機能的生殖不能のいくつかの表現型特性をトマト植
物に提供し、そして単為結実および機能的生殖不能の該表現型特性が、トマト植
物の全体的種無し表現型に寄与する。 (図面の簡潔な説明および定義) 本発明は、付随の図面を参照して示され、そしてそれは、pk、fs−親系統
の間の交配を示し、そしてpk、fs−親系列(類)を開発する一般的方法を模
式図でも示す。すなわち、この方法の好ましい例の手段によって、公知種無しト
マト系統、すなわち、Georgievのpat−2,ps−2系統から出発し
てF6世代を作ることに関与する。図面に示されるトマト植物は、以下のとおり
である。1)元の種無し親: 本発明のfs、pk−親を得るために第一の親(系統)として使用されるトマ
ト植物。元の種無し植物は、雄または雌として使用できる。
【0074】 元の種無し親は、種無し表現型、すなわち、単為結実表現型および機能的に生
殖不能な表現型の組合せを示す。好ましくは、元の種無し親の単為結実表現型は
、ホモ接合体劣性pat−2遺伝子(pat−2、pat−2)の存在によるが
、しかし、それは、pat遺伝子、pat−3/pat−4遺伝子、pat−5
遺伝子、または別の遺伝子の存在にもよる可能性がある。
【0075】 好ましくは、元の種無し親の機能的に生殖不能な表現型は、ホモ接合体劣性p
s−2遺伝子(ps−2、ps−2)の存在による。しかし、本発明は、それに
限定されず、そしてさらにそれ自体公知の他の種無し系統は、使用できる。
【0076】 元の種無し親は、例えば、公知の単為結実遺伝子の内の1つを含み、および/
またはユーカルピアのトマト作業グループから得られる文献でGeorgiev
、MichailovおよびPopovaによって、または農耕学の文献でPh
ilouzeによって記述されたセベリアニンまたはpat−2系統のような単
為結実表現型を示す公知トマト系統、または当業界で記述されたもののようなp
at、pat−3、pat−4またはpat−5遺伝子を含む単為結実系統から
;およびユーカルピアのトマト作業グループから得られる文献でGeorgie
vおよびAtanassovaによって記述される系統を含むps−2のような
機能的に生殖不能な表現型を有する公知トマト系統から出発して、それ自体知ら
れる方法で得ることができる。その後、これらを交配および選択して、通常F2
、F3またはさらなる世代で元の種無し親を提供し、および/または元の種無し
親として使用するのに適切な安定な種無し系統が得られる。
【0077】 あるいは、そして好ましくは、それ自体公知の種無し系統は、ユーカルピアの
トマトの文献でGeorgievらによって記述されるps−2、pat−2系
統のような元の種無し親として使用される。さらに、このような系列は、pat
−2遺伝子およびps−2遺伝子の源からデノバで得ることもでき、すなわち、
上記文献で記述される方法に類似である。2)元の非種無し親: 元の非種無し親と交配させることによる本発明のpk、fs−親を得る第二の
親(系統)として使用されるトマト植物。
【0078】 元の種無し親は、雄または雌として使用できる。
【0079】 元の種無し親は、非種無し表現型、すなわち、好ましくは、単為結実または機
能的に生殖不能な表現型でない(単為結実または機能的に生殖不能な表現型のい
ずれかを有するトマト植物または系統の使用は、排除されず、そして元の非種無
し系統を説明する目的で、語句「非種無し」および「元の非種無し親」の範囲に
入るが)。
【0080】 そのように、任意の公知トマト植物、系統またはそれ自体公知であるハイブリ
ッドは、使用することができ、限定されないが、例えば、オランダのNAKGの
Bリストに明記されるもののような、市販で入手可能である全ての系統またはハ
イブリッド、並びに植物繁殖者に所有される全ての系統が挙げられる。
【0081】 好ましくは、近交系に属するトマト植物またはハイブリッドトマトが使用され
る。
【0082】 本発明で非種無し親として使用するのに特に適していると分かったトマトの型
は、チェリー・トマトに属する系統、優性トマト系統、および/またはLuci
aまたはHavanaのような冷耐性についての遺伝子を産生するトマト系統で
あった。
【0083】 市販の繁殖者が、彼ら自身の所有の系統を使うことができ、そして通常そうす
るが、適切で市販で入手可能な系統のある種の他の限定されない例としては、D
anielleおよびM H Oneが挙げられる。
【0084】 他の適切な系統は、以降に付与された教示の点から当業者によって決定されう
る。3)pk、fs−親: 別のpk、fs親と交配させることにより、ここに定義されるとおりpk、f
s複合体を含み、そして種無しハイブリッドを提供するのに使用できるトマト植
物。通常、pk、fs親は、系統、さらに特には近交系の形態にある。
【0085】 pk、fs親は、下に記述されるとおりのヒトの介在の手段によって、元の種
無し親および元の非種無し親(場合に応じて、別の戻交配ではあるが)から、ま
たはすでに確立されたpk、fs親から出発して得ることができる。本発明は、
通常、pk、fs親系統を市場に出すことによるか、または2つのpk、fs親
から得られるハイブリッド種子を市場に出すことによるかいずれかにより市販化
されることが考察される。4)種無しハイブリッド: 下に記述されるとおりヒトの介在による2つの異なるpk、fs−親から得ら
れるハイブリッドトマト植物。
【0086】 種無しハイブリッドは、種無しトマトを育成および生産する栽培者/生産者に
よって使用される植物である。種無しハイブリッドは、それの2つのpk、fs
−親からpk、fs−複合体を遺伝し、そのため、種無し表現型を示す、すなわ
ち、前受粉なしにその花から果実を成長させる。pk、fs親系統を得るための方法 pk、fs親を得るための1つの方法は、図1に示され、そして一般に、下に
さらに検討される以下の工程: a.ここに定義されるとおりの「元の種無し親」を、ここに定義されるとおり
の「元の非種無し親」と交配させて、非種無しF1世代を提供し、 b.そのように得られたF1世代を自家受粉させて、本明細書においてF2世
代と言及されるさらなる世代を提供し、 c1.種無し表現型を有する、そのように得られたF2の任意の植物(類)を
選択し、そしてこれらの種無し植物に、自家受粉をさせて、第一のF3世代を提
供し;並びに c2.機能的に生殖不能な表現型を有する、そのように得られたF2の任意の
植物(類)を選択し、そして第二のF3世代を提供するためにこれらの種無し植
物に、自家受粉をさせ、 d.種無し表現型を有する第一または第二のF3世代の任意の植物を選択し、 e.F4世代を提供するために、種無し表現型を有する第一または第二のF3
世代の任意の植物に自家受粉を起させ、 f.F5世代を提供するために、種無し表現型を有するF4世代の植物に自家
受粉を起させ、そして、場合に応じて、F6世代を提供するために、種無し表現
型を有するF5世代の植物に自家受粉を起させること を包含する。
【0087】 通常、F5世代によって、そして特に工程e)で得られたF6世代によって、
そのように得た植物のpk、fs複合体は、すなわち、別の特性で交配すること
によるか、または戻交配の手段により、本発明でpk、fs親として使用される
べき、またはpk、fs親の他の(系統)を得るために出発植物または系統とし
て使用されるべきトマト植物を十分に安定化し、すなわち、「固定化」する。
【0088】 F3、F4、F5、F6およびさらなる世代が、種無し表現型を有するとき、
または「第二のF3世代」の場合には、F4、F5、F6およびさらなる世代を
得、並びにpk、fs親系統を維持する少なくとも機能的に生殖不能な表現型は
、以降に定義されるとおりヒトの介在を必要とする。さらなる世代を提供するた
めにヒトの介在についてのこの必要性は、一般に、本明細書で、「自家受粉を引
起す」として言及もされる。
【0089】 F2は、通常、100個のF2植物でせいぜい約1または2個の種無し植物を
含むのみであるが、しかし、使用される元の種無し親、および特に元の非種無し
親によって、なんら種無し植物を提供もできないことが分かった。種無しF2植
物が得られる場合でさえ、その量(すなわち、1〜5%)が、それ自身二重劣性
pat−2およびps−2遺伝子の存在が、種無し表現型を提供するのに十分で
あるかどうかについてメンデルの原理によって想像されるべきである8.25%
より明らかに小さい(すなわち、16のうち1個の植物)ことが分かった。これ
は、元の非種無し親との交配が、F2での種無し表現型の発生を逆に影響する、
いくつかの、おそらく優性な遺伝子、対立遺伝子または他の遺伝因子を明らかに
導入することを示す。
【0090】 F2は、さらに、元の種無し親および特に元の非種無し親によって、通常、イ
クスかの機能的に生殖不能な植物、すなわち通常、100個のうちの約10〜1
5個の植物を含む。さらに、これは、二重劣性ps−2の存在それ自身が、機能
的に生殖不能な表現型を提供するのに十分であるかどうかについてメンデルの原
理によって想像されるべきである25%より少ない。これは、所望の機能的に生
殖不能な表現型の存在も、遺伝因子の複合体によって決定されることを示す。
【0091】 F2から得られる種無し植物を選択し、そして本明細書において、「第一のF
3世代」として言及されるF3を提供するために自家受粉を引起す。F2植物の
種無し表現型にもかかわらず、しばしば、そのように得られたすべてのF3植物
が、F2植物の種無し表現型を示すわけではないが、しかしF3植物の0〜10
0%を形成し、そしていっそうしばしば、約10−20%のみを形成できること
が分かった。さらに、これは、このF2植物における種無し表現型が、遺伝子の
複合体(すなわち、本発明のpk、fs複合体)によって引起される、そして元
の種無し親としてpat−2およびps−2遺伝子劣性のホモ接合体単独によっ
ては引起されないことを確認する。F2で、pk、fs複合体は、十分に固定化
されない、すなわち、一般に、完全に種無しの子孫を提供するのに十分ホモ接合
性でないことも示される。このため、上のとおり得られた種無しF2植物は、本
発明でpk、fs親として使用するのに適切でない。
【0092】 種無し表現型を示す第一のF3世代の植物が選択され、そしてF4を提供する
ために自家受粉を引起される。さらに、種無しF3植物から得られる全てのF4
植物が、種無し表現型を示すわけではないこと:種無しF4植物の量は、0〜1
00%まで変化しうること、そして通常全てのF4植物の約10〜20%である
ことが通常分かる。さらに、全てのF4植物が、全環境条件下で種無しであるこ
とが分かるわけではない。さらに、これは、pk、fs複合体が、F4植物のこ
れらのF3で、本発明のpk、fs親としてそれらをまだ十分に固定化されてい
ないことを示す。
【0093】 さらにその後、F4から得られる種無し植物は、自家受粉を引起されて、F5
を提供し、そしてF5から得られる上記種無し植物は、自家受粉を引起されて、
F6を提供する。さらに、F5で、およびしばしばF6でも、pk、fs複合体
が、それぞれ、種無しF4またはF5でまだ十分に固定化されていないので、あ
る種の非種無し植物が得られる。通常、F6世代までに、種無しF6植物でのp
k、fs複合体は、十分に安定であり、その結果、全ての種無しF6植物は、自
家受粉が引起される場合、専有的に種無しF7植物を提供する。これも、そのよ
うに得られるF6近交系が、本発明でpk、fs親として使用できることを示す
【0094】 F7が、なおいくつかの非種無し植物を提供する場合、pk、fs複合体が十
分に固定化されている世代を得るまで、さらにF7に、自家受粉を引起させて、
F8を提供しうる。しかし、これは、通常要求されず、そして好まれもしない。
さらに、F9によって、および特にF10世代によって、pk、fs複合体が、
まだ十分に固定化しない場合、この近交系は、本発明でpk、fs親として使用
できないことが通常推測される。
【0095】 一般に、ほんの少量の種無しF2植物が、元の種無し親、しかし特に使用され
る元の非種無し親によって、F6に「なる」。さらに、F6を生産する上で、あ
る種の選択圧力は、全ての環境条件下で種無し表現型の安定性および信頼性を試
験するために、使用できる。例えば、光、温度のような因子は、F3、F4、F
5またはF6の種無し表現型の安定性を「試験」および/または固定化するのに
使用できる。
【0096】 種無しF2植物に加えて、機能的生殖不能の表現型を示すのみであるF2植物
も、「第二のF3世代」として本明細書で言及されるF3世代を提供するために
、自家受粉を引起させる。この第二のF3世代は、通常、基本的に全ての機能的
に生殖不能な植物を包含し、そしてある種の種無し植物、すなわち、40個のF
3植物(それらが果実を成長するこの第二のF3のうちの唯一のものであるので
、容易に認識および選択できる)の内の約1〜3個を包含しうる。そうであれば
、基本的に第一のF3世代について記述されるとおり、これらの種無しF3植物
に、自家受粉を引起させてF4、続いてF5およびF6、そして場合に応じて、
F7およびF8などを提供する。
【0097】 さらに、第二のF3世代の全ての種無し植物が、さらに、元の種無し親および
特に使用された元の非種無し親によって、F6になるわけでない。
【0098】 元の種無し親および元の非種無し親の付与された組合せについての上の方法論
で、種無し植物で、F2で得られるものはないことは可能であり、そしてわずか
少数の機能的に生殖不能の植物が得られる。その後、これらの機能的に生殖不能
のF2植物に、自家受粉を引起させる。しかし、そのように得られたF3で、さ
らに種無し植物が見られない場合、元の種無し親および元の非種無し親のこの特
定の組合せは、本発明によって、pk、fs親を提供するのに使用できないこと
が通常推測される。これについての可能性のある説明は、使用される元の非種無
し親が、使用された元の種無し親にすでに存在する遺伝子に関連して「完全な」
pk、fs複合体に必要である全ての遺伝因子(すなわち、遺伝子、対立遺伝子
または他の因子)を含有しなかったことでありうる。
【0099】 しかし、本発明は、本発明によってどの遺伝子(類)、対立遺伝子または他の
遺伝因子がpk、fs複合体になるかについて、またはなるかどうかについてそ
してもしそうであれば、どの、またはどれくらいの遺伝子または遺伝因子(抑制
剤、調節剤などのような)が、本発明の所望の単為結実性表現型および/または
機能的に生殖不能な表現型の発現に必要であるか、あらゆる特定の説明または過
程に限定されない。しかし、本説明が、当技術において、どのようにpk、fs
親(類)が、文献で記述されたトマト植物または系統から出発して得られるかを
教示する場合、本発明に使用されるpk、fs複合体から構成する正確な遺伝に
ついてのこのような知識も、本発明を実施する当業者に必要とされるとは考えら
れない(付与された表現型の正確な遺伝概念の詳細な知識のこのような欠如は、
当業界では例外的ではない)。
【0100】 これは、当業者が、容易に決定できる、すなわち、上に概略された簡単な手段
の点で、非種無しトマト植物または系統が、公知種無しトマト植物または系統か
ら出発して、すなわち、上に記述されるとおり、意図された元の種無し親との交
配からF2および/またはF3で得られた種無し植物の量を決定することによっ
て、「完全な」pk、fs複合体に必要な追加の遺伝子、対立遺伝子または他の
因子を提供するのに本発明に使用できるからである。
【0101】 さらに、本発明のpk、fs親に存在する、pk、fs複合体を形成する遺伝
子、対立遺伝子または因子は、どの元の種無し親および非種無し親が、pk、f
s親(類)を得るのに使用されるかによって、1つのpk、fs親植物または別
のものに対する親系統と異なる可能性もあることは排除されない。したがって、
ここに使用されるとおり語句「pk、fs複合体」内に含まれるのは、実際、遺
伝子、対立遺伝子または他の遺伝因子のいくつかの異なる組合せであることが可
能であり、そしてそれは全て、別のpk、fs親と組合わせるときに種無し子孫
を確かに提供するために十分に安定な手段で、所望の種無し表現型を付与する(
これが例である場合、このような異なる複合体は、通常、一般に最も重要な遺伝
子、対立遺伝子または他の遺伝因子の内のいくつか、そしておそらくほとんどを
有するが)。
【0102】 上記にもかかわらず、「pk、fs」複合体が、少なくとも1つの別の遺伝的
遺伝因子(すなわち、単為結実の発現に影響を及ぼしうる遺伝子、対立遺伝子ま
たは他の因子)と組合せて、元の種無し親の少なくとも単為結実遺伝子または対
立遺伝子を包含する;および/または少なくとも1つの別の遺伝的遺伝因子(す
なわち、機能的生殖不能の発現に影響を及ぼしうる遺伝子、対立遺伝子または他
の因子)とも組合せて、元の種無し親の少なくとも機能的生殖不能の遺伝子を包
含すること、またはそれらの組合せが推測される。
【0103】 種無しの表現型が、別のpk、fs親で得られるハイブリッドによってただ均
一に遺伝されるという点で、pk、fs複合体が、おそらく、劣性遺伝子、対立
遺伝子または遺伝因子から構成されるという出願人の研究も示された。このため
、本発明の目的のため、全pk、fs−複合体は、「本質的に劣性」であると考
えられ、そして別のpk、fs親との交配は、通常、その複合体から構成する全
ての遺伝子、対立遺伝子または因子が、そのように発生されたハイブリッドによ
って均質に遺伝し、そして発現されることを確認することが必要である。
【0104】 しかし、現在、10年以上に及んだ出願人の集約的な研究から、今までのとこ
ろでは、十分なモデルで、本発明のpk、fs複合体から構成するのに必要であ
る遺伝子、対立遺伝子または他の遺伝因子の数および/または特徴を明らかにし
うることそれ自身を、または元の種無しおよび非種無し親から得られるF1、F
2、F3およびF4でさえ種無し(または機能的に生殖不能さえ)表現型の発生
が非常に低いこと、または完全な不在さえ説明さえ可能であることを示唆したも
のはない。これは、本発明の真の種無し表現型を決定する因子は、上記先行文献
で示唆されるよりよりいっそう複雑である(すなわち、(1+1)、(2+1)
または(3+1)さえの別個の遺伝子の組合せによって決定されない)ことを示
し、そしてなで先行文献が、安定でそして信頼できる手段で、そして全ての環境
条件下で種無しハイブリッドを生産するのに使用できるトマト植物または系統を
提供することができたかについて説明する。
【0105】 本発明のpk、fs複合体が、当業界でそれ自体まだ記述されていない単為結
実および/または機能的生殖不能のいずれかについて1つまたはそれ以上の遺伝
子、対立遺伝子または他の遺伝因子(またはそれらの組合せ)を包含することは
可能である。同様に、本発明のpk、fs複合体が、おそらく1つまたはそれ以
上の今までのところ、単為結実の発現に影響を及ぼす未知の遺伝子、対立遺伝子
または他の遺伝因子;並びにps、exまたは短い花柱のような1つまたはそれ
以上の既知機能的に生殖不能の遺伝子と組合せて、さらにおそらく、1つまたは
それ以上の今までのところ未知の、機能的に生殖不能の発現に影響を及ぼす遺伝
子、対立遺伝子または他の遺伝因子と組合せて、pat−2、pat−3、pa
t−4またはpat−5(またはそれらの組合せ)のような、1つまたはそれ以
上の公知単為結実遺伝子を包含することも可能でありうる。
【0106】 単為結実および機能的に生殖不能の特性に関与する遺伝子、対立遺伝子または
他の遺伝因子が、実際にある程度、互いの発現(すなわち、まだ確認されていな
い手段で)に影響を及ぼして、その結果、単為結実を決定する1つまたはそれ以
上の遺伝子、対立遺伝子または他の遺伝因子の存在が、所望の種無し表現型を一
緒に提供するために、pk、fs親系統およびそれから得られるハイブリッドで
の機能的生殖不能の素晴らしい発現に(も)必要とされること、またはその逆さ
え可能である。本発明の種無し表現型のこの特定の説明で、本発明のpk、fs
複合体が、機能的生殖不能についての遺伝子の複合体と組合せて、単為結実(p
at−2のような)についての単独の劣性遺伝子を;または単為結実についての
遺伝子の複合体と組合せて、機能的生殖不能(ps−2のような)についての単
独の劣性遺伝子を包含することをも完全には排除できな。
【0107】 本出願の範囲について、Georgievによって記述されるpat−2、p
s−2系統は、語句「pk、fs複合体」または「pk、fs親」の範囲に入ら
ず、そして本発明の範囲内にも入らない。
【0108】 本発明のpk、fs複合体を更に記述する、そして特にpk、fs植物を、当
業界で公知の種無し系統と区別する目的として、pk、fs複合体は、「pk部
分」(すなわち、種無し表現型で単為結実性特性の形成に影響を及ぼしうる遺伝
子、対立遺伝子または他の遺伝性のある因子)および「fs部分」(すなわち、
種無し表現型で機能的生殖不能の特性の形成に影響を及ぼしうるような遺伝子、
対立遺伝子または他の遺伝性のある因子)を包含すると考えうる。しかし、pk
、fs複合体(すなわち、別々のpkおよびfs部分)を考慮するこの手段は、
上に説明されるとおり、「pk」部分から得られるある種の遺伝因子が、「fs
部分」について影響を及ぼすか、または必要でもありうるか、またはその逆であ
ることが排除できないので、植物で実際の状況を記述できず、そして「pk部分
」および「fs部分」の両方について影響を及ぼすか、または必要でさえありう
る因子をも起す可能性があり、そして結局両方に属すると考えうる。
【0109】 pk、fs複合体がこの方法で定義される場合、本発明によるpk、fs複合
体の「pk部分」は、少なくとも2つの、そして好ましくは少なくとも3つの遺
伝因子を包含する;およびpk、fs複合体の「fs部分」は、少なくとも2つ
の、そして好ましくは少なくとも3つの遺伝因子(そこで、植物の単為結実特性
並びに機能的生殖不能の両方に影響を及ぼす因子は、「pk部分」並びに「fs
部分」の両方に属すると見なされる。同様に、「fs部分」に影響を及ぼす「p
k部分」から得られる、またはその逆である因子も、両方に属すると見なされる
)を包含する。この定義で、「遺伝因子」は、遺伝子、対立遺伝子、多重対立遺
伝子またはそれらの組合せ、並びに抑制剤またはプロモーター、共優性、不完全
優性などのような発現に影響を及ぼしうる他の因子でありうる。
【0110】 本発明のpk、fs複合体を記述するこの方法が、Georgievのpat
−2、ps−2系統のような、当業界でそれ自体公知である種無し系統に類似に
使用される場合、これらの公知植物の内、「pk部分」は、単独の因子(すなわ
ち、遺伝子)から構成され、および「fs部分」は、単独の因子(すなわち、遺
伝子)から構成され、そしてそれは、それらの相互作用並びにそれらの遺伝での
両方で十分に独立でもあることは明らかである。このような植物または系統は、
ここで使用されるような語句「pk、fs複合体」または「pk、fs親」の範
囲内にない。同様に、この定義によって、これらの組合せが、本発明に見られる
pk、fs複合体および/または種無し表現型の遺伝を説明するのに明らかに十
分である場合、「pk部分」が、単独の遺伝因子のみから構成され、そして「f
s部分」が、ただ2つの遺伝因子から構成されるか、または「pk部分」が、た
だ2つの因子から構成され、そして「fs部分」が、単独の遺伝因子から構成さ
れる植物または系統が、一般に、ここで使用されるような語句「pk、fs複合
体」または「pk、fs親」の範囲内にない。
【0111】 この定義により、文献は、「pk部分」が、少なくとも2つの、好ましくは少
なくとも3つの遺伝因子から構成され、そして「fs部分」も、少なくとも2つ
、好ましくは少なくとも3つの遺伝因子を包含するpk、fs複合体の存在が、
安定でそして信頼できる手段で、全ての環境的、栽培の、または成長条件下で種
無しトマトを形成する種無しハイブリッドを提供することが必要である。さらに
、文献の中で、この定義によりpk、fs複合体を含有するトマト植物を記述す
るものはない。
【0112】 あるいは、pk、fs複合体は、その内、少なくとも2つの因子が、単為結実
のいくつかの表現型特性を示す該第一の種無しトマト植物を提供し、そして少な
くとも2つの因子が、機能的生殖不能のいくつかの表現型特性を示す該第一の種
無しトマト植物を提供し、そして単為結実および機能的生殖不能の該表現型特性
が、トマト植物の全体の種無し表現型に寄与することを特徴とする少なくとも4
つ、好ましくは少なくとも5つ、さらに好ましくは少なくとも6つの遺伝因子の
本質的に劣性の複合体としても記述されえた。さらに、この定義により、pk、
fs複合体を有するトマト植物は、文献によってまだ記述または提供されていな
い。
【0113】 1つの好ましい実施形態では、元の種無し親は、Georgievによって記
述されたpat−2、ps−2系統のような、pat−2、ps−2植物または
系統である。この実施形態では、上の定義によって、元のpat−2、ps−2
種無し親から誘導されたpk、fs親の「pk部分」は、少なくとも1つの別の
遺伝因子(すなわち、単為結実の発現に影響を及ぼす遺伝子、対立遺伝子、また
は他の因子)と組合わせたpat−2遺伝子を包含すること;および「fs部分
」が、少なくとも1つの別の遺伝因子(すなわち、機能的生殖不能の発現に影響
を及ぼす遺伝子、対立遺伝子、または他の因子)と組合わせたps−2遺伝子を
包含すること、またはそれらの組合せが推測される。
【0114】 あるいは、pk、fs複合体のこの実施形態は、少なくとも4つ、好ましくは
少なくとも5つ、さらに好ましくは少なくとも6つの遺伝因子の本質的に劣性複
合体として記述され、少なくとも遺伝子pat−2およびps−2、並びに少な
くとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、さらに好ましくは少なくとも4つの追
加の遺伝子を含み、さらに好ましくはその結果、pat−2遺伝子および少なく
とも1つ、好ましくは少なくとも2つの追加の遺伝因子が、単為結実のいくつか
の表現型特性をトマト植物に提供し、そしてその結果、ps−2遺伝子および少
なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの追加の遺伝因子が、機能的生殖不能
のいくつかの表現型特性をトマト植物に提供し、そして、単為結実および機能的
生殖不能の該表現型特性が、トマト植物の全体の種無し表現型に寄与することを
特徴とすることもできる。
【0115】 上で、本発明のpk、fs親系統を得るための方法は、pat−2、ps−2
系統のような、公知種無し系統から出発して特別に記述される。しかし、本教示
に基づいて、単為結実および/または機能的生殖不能についての遺伝子を産生す
る公知系統から出発して、全pk、fs複合体から構成するのに必要な追加の遺
伝子が、その後、それ自体公知の他のトマト系列から加えられる本発明のpk、
fs親系統(すなわち、「完全な」pk、fs複合体を有する系統)を得る可能
性のある等価な方法があることは当業者には明らかである。このような等価の方
法は、一般に、本発明の範囲内に包含される。
【0116】 pk、fs複合体を有する種無しハイブリッドを提供するのに加えて、pk、
fs親系統は、トマト植物を繁殖、栽培および/または育成すること、および/
またはこのような植物によって生産されるトマトについて望まれる多数の予め決
められた特性を、それらの種無しハイブリッド子孫に供与するようなものである
のが好ましい。これらの特性は、特に限定されず、そして例えば、当業者に明ら
かであるような、早期発育、成長増加、生産増加、任意の形態の植物または果実
(丸く円筒の梨またはさくらんぼを含めた)、果実のサイズまたは品質、ウイル
スまたは他の疾病に対する耐性の増加、冷耐性の増加、長い冷蔵寿命などを含む
【0117】 この目的について、本発明のpk、fs親系統は、例えば、元の種無しおよび
特に非種無し親(元の非種無し親が、「完全な」pk、fs複合体に必要な追加
の遺伝子を提供する限り)(の特性)の適切な選択によって、所望の特性に「設
計」されうる。
【0118】 あるいは、そして通常、所望の特性または複数の特性を、それ自体公知のトマ
ト系統から得られるpk、fs親に導入することによって、すなわち、それ自体
公知な繁殖技術に類似する手段で、すでに入手可能である/確立したpk、fs
親植物または系統(上でF6として得られるもののような)から出発して、所望
の特性を有するpk、fs親系統が得られる。
【0119】 そうする上で、所望の特性を産生するそれ自体公知なトマト系統(通常、非種
無しトマトであるが、しかし単為結実、機能的生殖不能または他の種無し系統さ
えでのありうる)は、F1(通常種無しでない)を提供するpk、fs親系統と
交配、または交配を引起され、そしてそれは、その後、自家受粉されて、F2を
提供され、それからその後、種無し植物が選択され、そしてさらに、pk、fs
複合体と同様に所望の特性を産生する安定な近交系統が、得られるまで、F3、
F4、F5などに自家受粉することが引起される。特に、この方法は、現在、p
k、fs親が、「元の種無し親」の代わりに出発物質として使用されようと、上
に記述される方法と基本的に同じものでありうる。
【0120】 この方法で、上に記述されるとおり得られた1つのpk、fs親から出発して
、所望の特性を有するpk、fs親系統の全範囲を得ることができ、そしてそれ
は、その後、すなわち、所望の種無しハイブリッドを提供するためにヒト介在の
手段によって、互いに交配できる。本方法で出発材料としてpk、fs親の使用
は、一般に、pk、fs複合体から構成されるために必要とされる全ての遺伝子
が出発材料に存在することが初めから保証される利点を示す。(さらに、好まし
れないが、本発明の種無しハイブリッドを、さらに基本的に上に記述されるとお
り、新たなpk、fs親系統を確立するためのpk、fs複合体の源として使用
することもできる。) この実施形態では、したがって、本発明のpk、fs親系統を得るための上の
方法は、 g.そのように得られたF6(pk、fs親)に、少なくとも1つの所望の特
性を産生するトマト植物と交配させるて、F1’世代を発生させ、および h.そのように得られたF1’世代に工程b)からf)までを繰返して、F6
を発生させる、別の工程を包含する。
【0121】 別の選択股は、すなわち、上に記述される方法の部分として、所望の特性を産
生する別(他)のトマト植物または系統と、元の種無しおよび非種無し親から得
られる(第一または第二の)F3、F4またはF5世代の種無し植物との戻交配
を行うことである。その後、そうして得られた世代が使用され、そしてさらに、
元の種無し親および元の非種無し親の間の交配から得られるF1世代と同じ方法
で、すなわち、上に記述されるとおり工程b)−f)を介して処理されて、別の
pk、fs親系統を提供する。場合に応じて、このようなF3、F4またはF5
戻交配は、それ自体公知の異なるトマト植物から得られる幾つかの所望の特性を
、最終親系統に導入するために、一回以上(すなわち、戻交配されたF1から得
られるF3、F4またはF5で)繰返しうる。この方法で、任意の所望の特性は
、確立されたpk、fs親系統へのそれらの導入のために必要とされるより少な
い世代で、pk、fs親を開発するためのプログラムの間じゅう、およびその一
部として親系統に導入されうる。
【0122】 この実施形態で、したがって、pk、fs親を得るための上記方法は、 i.それぞれ、工程c1)、c2)、e)またはf)の後に得られる第一のF3
、第二のF3、F4またはF5の植物に、少なくとも1つの所望の特性を産生す
るトマト植物と交配を起させて、F1”世代を発生させ、そして j.そのように得られたF1“”で工程b)からf)までを反復して、F6を
発生させる、別の工程を包含しうる。
【0123】 ハイブリッドを提供するために、および/または雑種強勢および/または激し
い成長を促進するために、pk、fs親植物または系統は、一方の親植物が、優
性のホモ接合体であり、そして他方の植物が、劣性のホモ接合体である1つまた
はそれ以上の所望の別の特性に関してホモ接合体であるのが非常に好ましく、そ
の結果、生じるハイブリッドは、繁殖者によってハイブリッドトマト植物を得る
ために一般にそれ自体知られているとおり、上記特性に関してヘテロ接合体であ
る。
【0124】 一方の親植物が、優性のホモ接合体であり、そして他方の植物が、劣性のホモ
接合体である特性の数、並びに特徴は、雑種強勢の所望の効果が、生じるハイブ
リッドで得られるように選択されるのが好ましい。この目的のために、数種の特
性の内の各々について、優性のホモ接合体および劣性のホモ接合体の遺伝子型は
、任意の所望の組合せで親植物じゅうに配分することができ、そしてそれは、1
パーセントの植物が、1つの所望の特性に関して優性なホモ接合体、および別の
特性に関して劣性のホモ接合体でありえること、そしてその場合、他の親植物が
、これらの特性に関してそれぞれ、劣性のホモ接合体および優性のホモ接合体で
あることを意味する。これは全て、植物繁殖の当業者に明らかである。
【0125】 本発明の種無しハイブリッドを生産する上で、ハイブリッド(種子)の均一性
は、これが、栽培材料の均一な品質のみならず、ハイブリッド植物および最終的
に生産トマトの品質の均一性も保証する場合、種子生産者、並びにトマト育成者
の両方にとって不可欠であることも当業者には明らかである。これは、大規模に
トマトを育成するのに、並びに最終使用者、すなわち、トマト製品の工業生産者
、並びに消費者にとって特に重要である。
【0126】 植物繁殖の技術で一般に知られるとおり、繰返し可能で、そして信頼できる手
段で、ハイブリッドの均一性を保証するための好ましい手段は、数世代かけて近
親交配することによって得られた「純粋な」親系統を使用することである。この
ような近交系の使用は、一般に、親系統が、一般に、遺伝的に「かなり離れて」
いなければならない雑種強勢を得るために必要もされる。通常、近親交配F6(
すなわち、元の種無し親、または別のpk、fs親系統から、または上に記載さ
れるとおりF3、F4またはF5戻交配によって得られるかのいずれから出発し
て)としてpk、fs親を得るための上の方法は、同時に、生じるpk、fs親
系統は、任意の他の所望の特性についても十分に純粋である。
【0127】 pk、fs親系統でのpk、fs複合体の存在は、これらの系統が、それら自
身で生殖する(すなわち、自家受粉の)能力がないことも意味する。これは、種
無しハイブリッドを得るために基本的に、以下に記述されるとおり行われ、pk
、fs親系統を得るため(すなわち、上に記述される方法によって)だけでなく
、繁殖場所内でpk、fs親系統を維持するための両方のために必要とされるヒ
ト介在を意味する。さらに、pk、fs親系統それら自身が、種無し表現型を示
すとき、それらは、このような介在なしにも、種無しトマトを生産する。
【0128】 したがって、pk、fs親系統それら自身、それらを得るため、および/また
は維持するための上の方法;種子またはこれらの親系統のための他の栽培材料、
並びに種無しハイブリッド子孫(のための種子)を提供する上でのこれらの親系
統の使用は、これらのpk、fs親によって生産される種無しトマトが行うとお
り、本発明の別の態様を形成する。種無しハイブリッドを提供する方法: 本発明のハイブリッドを提供するために、2つのpk、fs親系統が交配され
なければならない。しかし、pk、fs親系統が生殖不能であり、そしてしたが
って、それ自身または任意の他の植物を受粉できない場合、これは、ヒト介在を
必要とする。(本質的に、本発明は、2つの異なる生殖不能の近親交配された親
系統を提供および維持すること、およびこれらの2つの生殖不能並びに種無し系
統から、種子並びにハイブリッド子孫を誘導することを包含する。これは、自然
に生じえない。この理由でも、pk、fs親系統並びに種無しハイブリッドは、
一般に、UPOV条約の点で変種と考えられない)。
【0129】 このヒト介在は、一般に、それぞれ、第一または第二のpk、fs親の花の前
胚芽のものに、父親および母親の選択によってそれぞれ、第二または第一のpk
、fs親から得られる花粉を受精することを包含する。
【0130】 父親植物の花粉管が、機能的生殖不能な表現型の結果として閉鎖されているの
で、花粉は、機械によって、または好ましくは手動で、実際には、花粉管を切断
または切取ることによって、上記花粉管を開放することによって提供されなけれ
ばならない。
【0131】 その後、花粉は、好ましくはさらに、手によって、例えば、こすることによっ
て、花粉管から取出され、その後、そのように得られた花粉は、さらに、好まし
くは梳かすことによるような手によって、噴霧のような別の適切な手段で、母親
植物の花/めしべに適用されて、母親植物(の前胚芽のもの)を受精する。
【0132】 論理的に、花粉管を開放する後、その結果、取囲まれた花粉が、開放され/拡
散/分配のために利用しやすく、特に、母親植物の花粉管が、開放されないか、
または母親植物のおしべが、除去されて、それ自身の花粉を母親植物と不順する
ことを避ける場合、昆虫を使用することのような、母親植物のめしべに花粉を移
す他の方法を使用することも可能である。しかし、ここに上で記述されるとおり
手動の受精は、効力の理由のため、並びに母親の受精/混入を避けるために非常
に好まれる。さらに、手動の受粉は、ハイブリッドトマトを得るために一般に使
用される技術であり、そしてそれに、本発明の目的のために、花粉管の開放およ
び擦りが加えられなければならない。
【0133】 受粉後、そのように「受精された」母親植物を、それがトマトを産生するまで
、さらに栽培することができ、そしてそれは、本発明のハイブリッド種子を含む
。その後、このハイブリッド種子を、それ自体公知の手段で収集でき、場合に応
じて、さらに加工し、並びに保存、輸送または販売のために包装できる。上記ハ
イブリッド種子は、場合に応じて、包装形態で、当業者に明らかであるように、
市販の点からみて、本発明の重要な態様を形成する。
【0134】 種無しハイブリッドトマト植物および種無しトマトを得るために、ハイブリッ
ド種子は、それ自体公知の手段によって示すことができか、または当業界でそれ
自体公知の別の手段を成長させることができ、そしてその後、トマト植物に栽培
され、そしてそれは、本発明の種無しトマトを産生する(できる)。ここに上で
明記されるとおり、ハイブリッドの(自家)受粉/受精が起こるものはない;そ
れにもかかわらず、通常に形成された果実は、受粉されなかったハイブリッドで
生産される。本発明の改善した種無しハイブリッドで、種無しハイブリッドでの
花の内の全て(すなわち、80%以上、そしてときどき95−99%またはそれ
以上)が、果実(すなわち、「フルーツセット(fruitset)」に至る)
を育成すること、並びに優れた果実を育成し、そして全ての環境または成長条件
下で信頼してそうなることが分かる。これは、文献で記述された種無し系統を超
えて本発明の種無しハイブリッドを、目立った改善にさせ、そしてそれは、特に
、酷い光および/または低い温度の条件下で、いっそう貧弱な結果を示した。
【0135】 その後、そのように得られた種無しトマトを収穫し、そして場合に応じて、分
別、洗浄または包装のような1つまたはそれ以上の別の加工工程の後、それだけ
で収穫し、販売し、および/または消費できる。
【0136】 したがって、別の態様では本発明は、種子または実生(場合に応じて、容器内
で)、並びに、以前に記述されるとおり得られた、および/または得ることが可
能である、および/またはここに記述される(複数の)方法で使用するのに適し
た種無しトマトのようなトマトについての栽培材料に関する。
【0137】 本発明による種無しトマトを、それ自体公知の手段でさらにトマト製品、特に
最終使用のために十分であるか、または適した形態であっても、なくてもよい食
品に加工することもできる。この態様では、本発明によるトマトは、それらが、
生産過程で種子/小さな種子を取除く別の工程なしに、直接加工することができ
るという利点を示す。
【0138】 したがって、別の態様での本発明は、本発明による種無しトマトから得られる
製品、特に食品に、並びに、トマトが、種子を除去する別々の工程なしに、これ
らの製品に加工される、上記食品を得るための方法に関する。したがって、この
ような方法は、中でも、トマトの別の方法で、ピューレにすること、またはつぶ
すことを、場合に応じて、続いて、種子またはその残渣なしに、保存、輸送また
は販売のための適切な容器で、別の所望の成分を組込むかまたは添加すること、
そしてそうして得られたトマト製品を包装することを包含し、そして上記方法は
、トマトのつぶし、および製品の包装の間で任意の小さな種子/種子を取除く工
程を含まない。
【0139】 このような最終用途について、本発明の種無しトマトの別の利点は、それらが
、対応の時間で回収された非種無しトマトと比較して、高い含有量の果肉(乾燥
重量として表される)、すなわち、トマトの総重量(すなわち、約110−12
0グラムの収穫で総重量で、非種無しトマトについては約4.5から5.5グラ
ムの乾燥物に比べて、種無しトマトについては平均約5.5から6.5グラム乾
燥物)に基づいて、1%またはそれ以上を示すことである。非種無しトマトの乾
燥物収量の語句で、これは、少なくとも約20%(ここでさらに、非種無しトマ
トの乾燥物が、さらに、小さな種子を含む)の増加を意味する。実験部 導入 市販のハイブリッドを得るために使用されるホモ接合体の繁殖系統の集合から
得られる系統を使用して、実験が行われた。
【0140】 第一のシリーズで、遺伝子ps2およびpath2(Hristo Atan
asov Georgiev博士から受けた)を有する小さな結実した優性系列
を、出発材料として使用した。この系統(番号90173によってここに示され
る)は、カナリー諸島で成長条件で種無しであることを立証した。
【0141】 この種無し系統から、オランダ国のNAKGのBリストにある系統と;列記さ
れていないハイブリッドと、または異なる国々の開放受粉した変種(通常、長い
冷蔵寿命、果実の疾病耐性の高い外部品質などのような特性を有する生鮮市場お
よび工業用のトマト変種)と交配させることによって、別の種無し系統が得られ
る。
【0142】 これらから交配F1が育成され、そしてそれは、特性fs、pkおよび/また
はfsについて選択されたF2を提供するために自家受粉された。F3では、f
spk植物を、古いまたは新たに発育する繁殖系統と戻交配させた。
【0143】 第二のシリーズで、機能的生殖不能表現型(fs)を有する進んだ繁殖系統と
、セベリアニンのpat−2遺伝子に基づいた進んだ単為結実の繁殖系統とを、
出発材料として使用した。(このように、これらのpat−2系統は、一般に、
サイズおよび形態で均一でない、そして非常に単為結実の系統では種子なしにな
るまで低い果実の問題を示す。) これらのfsおよびpk植物を交配され、そしてこれらから、交配F1が育成
され、そしてそれは、fs、pkおよび/またはfsについて選択されたF2を
提供するために自家受粉された。F3では、fspk植物を、古いまたは新たに
発育する繁殖系統と戻交配させた。当初の実験および比較の結果 fs系統を用いた作業から、ps2それ自身が、F2、F3およびそれより上
のF系統で優れたそして安定な生殖不能植物にとって十分でないことが分かった
。明らかにある程度別の、またはモディフィケーター遺伝子は、この機能的生殖
不能の完全な発現に必要である。
【0144】 いくつかの場合に、小さな種無し果実が、fs−植物に見られた。成長してい
る次の世代は、同じ結果を付与した。これは、単為結実性果実発生が、十分では
ないが、そしておそらく、path2と異なる遺伝子により、存在することを示
す。さらに、正常なfs−植物は、果実を発生せず、そして花は、手による受粉
がない場合落下する。
【0145】 path2を用いて作業することで、特にF3で、果実の異なるレベルの単為
結実性発生があることが注目されたのみである。測定として、20個の植物の群
の去勢された第三のクラスターで生まれた果実の数が使用された。これは、単為
結実発現を示すより多くの遺伝子が必要とされることを示す。
【0146】 fs、pkおよび純粋な繁殖系列を用いて作業することで、ある種のF2で、
fspkで見られたものはないこと、およびその他では、2つの劣性遺伝子(p
s2、path2)に基づいて発現された1/16の数が少ないことについて注
目された。F3および続く世代部分では、そうでなければ、fspk植物または
系列の内の全てが失われた。少数のみが、首尾よくF6に達する。
【0147】 これは、種無し植物については、いくつかの遺伝子または複数の遺伝子は、全
ての環境条件下で、十分に単為結実性発現について失っていることを示す。F2
では少数のfspkが見られるか、またはみられなかった場合、fs−植物を自
家受粉させた;ときどき、fspk植物または同等の系統が、F3で見られた。
しかし、ときどき、F3fspk植物または系統で見られるものはなく、そして
これらの植物または系統の内のいくつかは、上の世代で失われた。
【0148】 F2fspk植物の非安定性のため、F3系統または植物における戻交配が行
われた。この戻交配のF2またはF3では、反復親によって、fspk植物また
は系統で見られるものはなかった。
【0149】 多数(200個のF2植物)にもかかわらず、そしてF2にある全てのfs植
物を使用して、DurintaF1ハイブリッドの親の内の1つのF2またはF
3でfspk植物は見られたものはない。同時に、IndianF1の1つの親
は、戻交配fspk植物の各F2で付与する。種無し系統における作業 上に明記された系統から出発して、pk、fs複合体(1から9および11か
ら16で示される)を含む多数の異なる親系統が開発された。これらを交配させ
て、ハイブリッド種無しF1を提供し、そして種無し果実セットおよび品質のよ
い果実が測定された。結果は、以下のとおりである。
【0150】
【表1】
【0151】
【図面の簡単な説明】
【図1】 pk、fs−親系統の間の交配を示し、そしてpk、fs−親系列(類)を開
発する一般的方法を模式図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT ,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA, ZW

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の工程: a.pk、fs−複合体(すなわち、第一のpk、fs−親)を含む第一のト
    マト植物を提供する、 b.pk、fs−複合体(すなわち、第二のpk、fs−親)を含む第二のト
    マト植物を提供する、 c.pk、fs−複合体を含む、種子のような栽培材料の生産のために前記第
    一および前記第二のトマト植物を交配する、 d.場合に応じて、そのようにして得られた栽培材料を、種無しトマトを産生
    する能力のあるトマト植物に栽培する、 e.場合に応じて、種無しトマトを産生するまで前記トマト植物を育成し、そ
    してそのようにして得られた種無しトマトを収穫する を含む、種無しトマト、種無しトマトを産生するかもしくは種無しトマトを産生
    する能力を有する植物、またはトマト植物のための種子のような栽培材料を生産
    する方法。
  2. 【請求項2】 次の工程: a.pk、fs−複合体を含み、かつトマトを繁殖するために所望される少な
    くとも1つの特性に関して優性なホモ接合体でもある第一のトマト植物を提供す
    る、 b.pk、fs−複合体を含み、かつトマトの繁殖のために望まれる少なくと
    も1つの特性に関して劣性なホモ接合体でもある第二のトマト植物を提供する、 c.pk、fs−複合体を含み、かつトマトの繁殖のために所望される少なく
    とも1つの特性に関してヘテロ接合体でもある、種子のような栽培材料の生産の
    ために前記第一および前記第二のトマト植物を交配させる、 d.場合に応じて、そのようにして得られた栽培材料を、種無しトマトを産生
    する能力のあるトマト植物に栽培する、 e.場合に応じて、種無しトマトを産生するまで前記トマト植物を育成し、そ
    してそのようにして得られた種無しトマトを収穫する を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 種無しトマトを産生する能力のあるハイブリッドトマト植物
    、またはそのようなハイブリッドトマト植物のための種子もしくはその他の栽培
    材料を提供する方法であって、少なくとも次の工程を含む方法:第一の種無しト
    マト植物であって、前記種無し表現型が、少なくとも4つ、好ましくは少なくと
    も5つ、さらに好ましくは少なくとも6つの遺伝因子であって、その少なくとも
    2つの因子が、単為結実のいくつかの表現型特性を前記第一の種無しトマト植物
    に提供するものであり、およびその少なくとも2つの因子が、機能的生殖不能の
    いくつかの表現型特性を前記第一の種無しトマト植物に提供するものである遺伝
    因子の、本質的に劣性複合体の存在によるものである第一の種無しトマト植物に
    、第二の種無しトマト植物であって、前記種無し表現形が、少なくとも4つ、好
    ましくは少なくとも5つ、さらに好ましくは少なくとも6つの遺伝因子であって
    、その少なくとも2つの因子が、単為結実のいくつかの表現型特性を前記トマト
    植物に提供するものであり、およびその少なくとも2つの因子が、機能的生殖不
    能のいくつかの表現型特性を前記種無しトマト植物に提供するものである遺伝因
    子の、本質的に劣性複合体の存在によるものであり、前記単為結実および機能的
    生殖不能の表現型特性が、前記トマト植物の全体的種無し表現型に寄与するもの
    である第二の種無しトマト植物から得た花粉を受粉させる工程。
  4. 【請求項4】 前記第一の種無しトマト植物に、前記第二のトマト植物から
    得られる花粉を受粉する工程には、前記第二のトマト植物の閉鎖花粉管を、好ま
    しくは手動で、開放し;前記第二のトマト植物の花粉管から花粉を、好ましくは
    手動で、取出し;および/または前記第一のトマト植物のめしべに前記花粉を、
    好ましくは手動で、適用する工程が伴う、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記第一および第二のトマト種無しトマト植物が、近交系に
    、好ましくは2つの異なる近交系に属する請求項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記のようにして受精された第一の種無しトマト植物に、ハ
    イブリッド種子を含む果実を形成させる工程、およびその果実から前記ハイブリ
    ッド種子を収穫する工程をさらに含み、そして場合に応じて、前記ハイブリッド
    種子から種無しハイブリッドトマト植物の世代を栽培すること、および前記種無
    しハイブリッドトマト植物に、果実(すなわち、種無しトマト)を形成させ、そ
    して前記種無しトマトを収穫する工程をさらに含む請求項3に記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項6の方法により得られた種無しトマトを産生する能力
    のあるハイブリッドトマト植物のための種子、または実生のような、前記種子か
    ら得られる栽培材料。
  8. 【請求項8】 請求項6の方法により得られた種無しトマトを産生する能力
    のあるハイブリッドトマト植物。
  9. 【請求項9】 請求項8のハイブリッドトマト植物から果実として得られた
    種無しトマト。
  10. 【請求項10】 請求項9による種無しトマトから得られるか、またはこれ
    を使用もしくは含有する加工製品、具体的には加工食品。
  11. 【請求項11】 種無し表現型を示すトマト植物であって、前記種無し表現
    型が、少なくとも4つ、好ましくは少なくとも5つ、さらに好ましくは少なくと
    も6つの遺伝因子であって、その少なくとも2つは、単為結実のいくつかの表現
    型特性を前記トマト植物に提供し、その少なくとも2つは、機能的生殖不能のい
    くつかの表現型特性を前記トマト植物に提供するものである遺伝因子の、本質的
    に劣性複合体の存在によるものであり、前記単為結実および機能的生殖不能の表
    現型特性が、前記トマト植物の全体的種無し表現型に寄与するものである、種無
    し表現型を有するトマト植物。
  12. 【請求項12】 前記植物が、近交系に属する、請求項11の種無し表現型
    を有するトマト植物。
  13. 【請求項13】 前記植物が、ハイブリッドである、請求項11の種無し表
    現型を有するトマト植物。
  14. 【請求項14】 種無しハイブリッド子孫を得るための親植物としての、種
    無し表現型を有するトマト植物の使用であって、前記種無し表現型が、少なくと
    も4つ、好ましくは少なくとも5つ、さらに好ましくは少なくとも6つの遺伝因
    子であって、その少なくとも2つは、単為結実のいくつかの表現型特性をトマト
    植物に提供するものであり、およびその少なくとも2つは、機能的生殖不能のい
    くつかの表現型特性をトマト植物に提供するものである遺伝因子の、本質的に劣
    性複合体の存在によるものであり、前記単為結実および機能的生殖不能の表現型
    特性が、トマト植物の全体的種無し表現型に寄与するものである種無し表現型を
    有するトマト植物の使用。
  15. 【請求項15】 種無し表現型を有するトマト植物を維持する、具体的には
    、このようなトマト植物の近交系を維持するための方法、および/またはこのよ
    うな植物または系のための種子もしくは他の栽培材料を得るための方法であって
    、少なくとも次の工程を有する方法:種無し表現型を有するトマト植物であって
    、前記種無し表現型が、少なくとも4つ、好ましくは少なくとも5つ、さらに好
    ましくは少なくとも6つの遺伝因子であって、その少なくとも2つの因子は、単
    為結実のいくつかの表現型特性を前記第一の種無しトマト植物に提供するもので
    あち、その少なくとも2つの因子は、機能的生殖不能のいくつかの表現型を前記
    第一の種無しトマト植物に提供するものである、種無し表現型を有するトマト植
    物に、同じ植物から得られた花粉を、または同じ近交系に属する別の植物から得
    れる花粉を受粉する工程。
  16. 【請求項16】 前記第一の種無しトマト植物に、第二のトマト植物から得
    られる花粉を受粉させる工程には、前記第二のトマト植物の閉鎖花粉管を、好ま
    しくは手動で、開放し;前記第二のトマト植物の花粉管から花粉を、好ましくは
    手動で、取出し;および/または前記第一のトマト植物のめしべに前記花粉を、
    好ましくは手動で、適用する工程が伴う、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記のようして受精された前記種無しトマト植物に、種を
    含有する果実を形成させる工程、及び前記果実から前記種を収穫する工程を更に
    含み、及び場合に応じて、前記種から種無しトマト植物の更なる世代を栽培する
    工程を更に含む請求項15の方法。
  18. 【請求項18】 前記少なくとも4つ、好ましくは少なくとも5つ、さらに
    好ましくは少なくとも6つの遺伝因子の本質的に劣性複合体が、少なくとも遺伝
    子pat−2およびps−2、さらには少なくとも2つ、好ましくは3つ、さら
    に好ましくは4つの追加の遺伝子を包含し、さらに好ましくは、その結果、前記
    pat−2遺伝子および少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの追加の遺
    伝因子が、単為結実のいくつか表現型特性を前記トマト植物に提供し、かつその
    結果、前記ps−2遺伝子および少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの
    追加の遺伝因子が、機能的生殖不能のいくつかの表現型特性を前記トマト植物に
    提供し、前記単為結実および機能的生殖不能の表現型特性が、前記トマト植物の
    全体的種無し表現型に寄与するものである請求項3に記載の方法。
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