JP2003344329A - 電子部品の検査方法およびセラミック基板の検査方法 - Google Patents

電子部品の検査方法およびセラミック基板の検査方法

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JP2003344329A
JP2003344329A JP2002154656A JP2002154656A JP2003344329A JP 2003344329 A JP2003344329 A JP 2003344329A JP 2002154656 A JP2002154656 A JP 2002154656A JP 2002154656 A JP2002154656 A JP 2002154656A JP 2003344329 A JP2003344329 A JP 2003344329A
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Hideki Takehara
秀樹 竹原
Noriyuki Yoshikawa
則之 吉川
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チップ型電子部品およびセラミック基板な
ど、セラミックを基材とする電子部品の電極構造部や基
板内部に残留または吸着された微量な水分を、短時間
に、簡単な方法で、安価に、少量のサンプルで検出し、
水分の発生箇所が視覚的に特定できる検査方法を提供す
る。 【解決手段】 チップ型電子部品9又はセラミック基板
10を、あらかじめ100℃以上に加熱した高沸点の疎
水性有機溶剤6中に浸漬、放置する。チップ型電子部品
9の電極、セラミック基板10内部に水分が含まれてい
る場合、浸漬直後から水分が気化して気泡になり、電極
部またはセラミック基板表面から放出される。気泡が放
出される様子をビデオカメラ8で撮影して、発生する水
分量、発生場所を視覚的に確認することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックチップ
コンデンサ、セラミックチップ抵抗、セラミックチップ
インダクタ等のセラミックを基材とするチップ型電子部
品の焼成電極などおよびセラミック基板の状態の検査方
法に関するものであり、主として電子部品中に残留、ま
たは吸着される水分の検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体および電子部品の基板への
ハンダ付け実装には融点が183℃の共晶ハンダが使用
されていたが、近年環境対策としてハンダの鉛フリー化
が進み、鉛フリーハンダが使用されることが多くなって
きた。鉛フリーハンダは錫を主成分に銅、銀、アンチモ
ン、ビスマス等が適量添加された組成が選ばれるが、一
般的に融点が210〜240℃と共晶ハンダよりも30
〜50℃も上昇する場合が多い。ハンダ付け実装はリフ
ロー炉を使って行われるが、鉛フリーハンダ使用により
リフローのピーク温度が上昇し、ハンダ爆ぜ現象が顕在
化してきた。ハンダ爆ぜ現象は、溶融したハンダ中に何
らかの経路から水分が浸入して水蒸気爆発が発生し、溶
融したハンダを吹き飛ばす現象である。原因としては、
チップ型電子部品の電極部内などに残留、吸着されてい
た水分が、加熱時に気化して溶融ハンダ中に浸入するケ
ースが考えられ、チップ型電子部品の電極部などに残
留、吸着された水分を短時間で簡単に検出する方法が要
望されていた。その一方でセラミック基板のチップ型電
子部品のランド直下にビアホールがある場合にもハンダ
爆ぜ現象が起こることがあり、基板ビア部から水分の発
生の可能性も否定できなかった。
【0003】このチップ型電子部品の電極部に含まれる
水分の検出には、一般的にはガスクロマトグラフが使わ
れる。ガスクロマトグラフにより発生するガス成分を成
分毎に定量的に検出することができるものは、水分の他
に酸素、二酸化炭素、水素等の元素を特定することがで
きる。電子部品を室温〜300℃で加熱して発生するガ
ス量の測定を行うと、電極部に水分が含まれている場
合、100℃以上で水の発生量が増加する傾向があり、
発生ガス別温度別に定量的な確認が行える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ガスクロマト
グラフは1回の測定に15〜30分程度の時間を必要と
し、それにかかる費用も外部委託した場合で1回数万円
と高い。分析に必要なサンプル数も1個のサンプルから
のガス発生量が少ない場合には検出できないため、50
〜100個程度のまとまった数量が必要であった。さら
に専用設備が必要なため、工場などの生産現場では分析
ができないことが多い。そのため、短時間、安価でどこ
ででも実施できる評価方法が要望されていた。
【0005】さらに、このガスクロマトグラフによる評
価方法は発生するガス成分を成分毎に定量的に検出する
ことができるが、時間と費用がかかり、またガス発生量
が少ない場合には検出精度が低下するという性質があ
る。チップ型電子部品の電極部内に含まれる水分、また
はセラミック基板のビア部内に残留する水分を検出する
には検出感度以上の水分を集めるために多量のサンプル
が必要とされ、少量のサンプルでは検出できないという
課題もあった。本発明は上述のような課題を解決するも
のであり、チップ型電子部品の電極部などやセラミック
基板のビアホール部などに含まれると考えられる水分な
ど、チップ型電子部品やビアホール部を有するセラミッ
ク基板に含まれる水分を、短時間に、簡単な方法で、安
く、少ないサンプル数で、しかも視覚的に検出する方法
を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電子部品の検査
方法は、20mm2/s(at 25℃)未満の動粘度
を有する疎水性有機溶剤を100℃以上でかつ沸点温度
未満の加熱温度で加熱し、前記疎水性有機溶剤内に電子
部品を浸漬してその電子部品内の残留水分を気化させて
生じる気泡を視覚的に検出することを特徴とする。
【0007】また、本発明のセラミック基板の検査方法
は、基板内部に導電性の金属を含むペーストまたは導電
性のメッキ金属で充填されたビアホールを有し、前記ビ
アホールの基板表面に露出した部分にチップ型電子部品
および半導体素子が載置される回路パターンおよびラン
ドが形成されたセラミック基板の検査方法であって、2
0mm2/s(at 25℃)未満の動粘度を有する疎
水性有機溶剤を100℃以上でかつ沸点温度未満の加熱
温度で加熱し、その疎水性有機溶剤内に前記セラミック
基板を浸漬してその基板表面およびビアホール内の残留
水分を気化させて生じる気泡を視覚的に検出することを
特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】上記、本発明の電子部品の検査方
法によれば、電子部品の電極部や基板に含まれていた水
分が気化して気泡となり、疎水性有機溶剤中に放出さ
れ、気泡の数から水分量を視覚的に確認することがで
き、気泡の放出時間などから残留、吸着されていた水分
量を比較することも可能になる。
【0009】疎水性有機溶剤を使用するので、発生した
水蒸気が有機溶剤に溶解することがなく気泡として確認
できる。しかも、20mm2/s(at 25℃)未満
の動粘度を有する疎水性有機溶剤を使用するので、粘度
が高すぎることにより、気泡が内部に閉じこめられて外
部に出にくくなり、確認しにくくなることもない。
【0010】そして本発明の検査方法においては、さら
に気泡の発生箇所などから水分が含まれていた場所を、
気泡の数から水分量を視覚的に確認することができ、気
泡の放出時間などから残留、吸着されていた水分量を比
較することも可能になる。試験結果は数分で判明し、費
用もガスクロマトグラフと比較して数百分の一に安くで
きる。さらにサンプル数もガスクロマトグラフが数十個
から100個程度必要なのに対してチップ型電子部品1
個から実施でき、また20mm2/s(at25℃)未
満の動粘度を有する疎水性有機溶剤を使用しているた
め、粘度、表面、表面張力が低く、気泡1個から検出で
きるためにガスクロマトグラフよりも検出感度が高い。
含まれる水分を視覚的に見ることができるため、水分量
を比較する際にも検証が容易であると言う利点を有す
る。
【0011】本発明の電子部品の検査方法においては、
疎水性有機溶剤は加熱温度において熱的に安定で不活性
な有機溶剤が好ましく用いられる。加熱温度において熱
的に安定とは、加熱温度において有機溶剤が分解しない
ような有機溶剤であることを意味し、不活性とは、加熱
温度において検査対象となる電子部品を構成する物質に
対して、化学的に反応しないことを示している。
【0012】このように本発明の電子部品の検査方法に
おいて、疎水性有機溶剤が加熱温度において熱的に安定
で不活性の溶剤を用いると、加温時に溶剤の分解などが
起こって分解ガスが発生したり、有機溶剤が電子部品を
構成する物質と反応して、反応生成物としてのガスが発
生したりするおそれがなく、安定して使用でき電子部品
から発生する気泡のみを検出することができ、好まし
い。
【0013】また、本発明の電子部品の検査方法におい
ては、疎水性有機溶剤の沸点が150℃以上で且つ加熱
温度より50℃以上高い疎水性有機溶剤を用いることが
好ましく、かかる疎水性有機溶剤を用いることにより、
有機溶剤自体の沸騰による気泡の発生や、加熱中に有機
溶剤が多量に蒸発して目減りすることを防止でき好まし
い。
【0014】また、本発明の電子部品の検査方法におい
ては、疎水性有機溶剤の動粘度が1〜10mm2/s
(at 25℃)である有機溶剤を使用することが好ま
しい。
【0015】かかる、低動粘度の疎水性有機溶剤を使用
することにより、電極部などに含まれる微量な水分も気
泡となって電極部などから遊離しやすく、また、発生す
る気泡の大きさも、監視カメラなどでも識別可能な程度
以上の大きさになりやすく、気泡の検出感度をより高く
することができる。
【0016】また、本発明の電子部品の検査方法におい
ては、電子部品がセラミックを基材とするチップ型電子
部品であることが好ましい。セラミックを基材としてい
ることにより、加熱された疎水性有機溶剤内に電子部品
を浸漬しても、基材の熱分解などによるガスの発生がな
く、また、チップ型電子部品の電極部などに残留、吸着
された水分は、チップ型電子部品自体の大きさがかなり
小さいものであるためチップ型電子部品1個や少数個の
サンプルによる検査ではガスクロマトグラフによる検出
が難しい量の水分しか含まれていない場合が多く、その
場合にも容易に残留水分を気化させて生じる気泡を視覚
的に検出することができ、セラミックを基材とするチッ
プ型電子部品の残留水分の検査方法として好適な検査方
法を提供できる。
【0017】また、本発明の電子部品の検査方法におい
ては、チップ型電子部品が、金属粉末とガラスと樹脂を
調合したペーストをセラミック基材の端部に塗布、焼結
し、その表面に銅、ニッケル、金、銀、ハンダ、錫から
選ばれた金属薄膜を複数層重ねて電極が形成されている
チップ型電子部品であることが好ましい。
【0018】複数層の金属薄膜からなる電極は、通常、
メッキで形成されるが、水洗、乾燥が不十分だと電極内
部にメッキ液や、水分の残留または吸着がおこりやすく
なる。
【0019】この電極内部に吸着された水分も本発明方
法においては、容易に検出することができ好ましい。
【0020】さらに本発明の上述したセラミック基板の
検査方法によれば、100℃以上に加熱した疎水性有機
溶剤中にセラミック基板を浸漬すると、前記部品のビア
ホール部等の基板内部に含まれていた水分が気化して気
泡となり、疎水性有機溶剤中に放出される。基板表面に
クラックがある場合にはクラック部分から気泡が発生す
るため、セラミック基板のクラックの検査にも応用する
ことができる。
【0021】チップ型電子部品の場合と同様に、基板内
の気泡の発生箇所から水分が含まれていた場所を、気泡
の数から水分量を視覚的に確認することができ、気泡の
放出時間などから残留、吸着されていた水分量を比較す
ることも可能になる。試験結果は数分で判明し、費用も
ガスクロマトグラフと比較して数百分の一に安くでき
る。さらにサンプル数もガスクロマトグラフが基板数十
個程度必要なのに対して、基板1個から実施でき、また
20mm2/s(at 25℃)未満の動粘度を有する
疎水性有機溶剤を使用しているため粘度、表面表面張力
が低く、そのためガスクロマトグラフと比較して検出感
度が高い。含まれる水分を視覚的に見ることができるた
め、水分量を比較する際にも検証が容易である。
【0022】また、本発明のセラミック基板の検査方法
においては、疎水性有機溶剤の動粘度が1〜10mm2
/s(at 25℃)である有機溶剤を使用することが
好ましい。
【0023】かかる、低動粘度の疎水性有機溶剤を使用
することにより、微量な水分も気泡となって遊離しやす
く、また、発生する気泡の大きさも、監視カメラなどで
も識別可能な程度以上の大きさになりやすく、気泡の検
出感度より高くすることができる。
【0024】尚、導電性の金属を含むペーストまたは導
電性のメッキ金属で充填されたビアホールに用いられる
導電性金属としては、銀、銅などが好ましく用いられ
る。
【0025】電子部品やセラミック基板の検査方法に使
用される疎水性有機溶剤としては、前述したような20
mm2/s(at 25℃)未満の動粘度を有する疎水
性有機溶剤を用いることが必要であり、具体例として
は、パーフロロカーボン系の有機溶剤が、加熱温度にお
いて熱的に安定で不活性であるなど特に好ましく用いる
ことができ、例えば、“ガルデンHS260”[沸点2
60℃、動粘度7.0mm2/s(at 25℃)アウ
ジモント株式会社製パーフルオロポリエーテル]、“ガ
ルデンHS240”[沸点240℃、動粘度5.3mm
2/s(at 25℃)アウジモント株式会社製パーフ
ルオロポリエーテル]、“フロリナートFC−43”
[沸点174℃、動粘度2.8mm2/s(at 25
℃)住友スリーエム株式会社製]、“フロリナート F
C−70”[沸点215℃、動粘度14.0mm2/s
(at 25℃)住友スリーエム株式会社製]などが挙
げられるが、これらのみに限定されるものではなく、前
述した、疎水性有機溶剤の要件を満足するものであれば
よい。
【0026】以下に、本発明の電子部品の検査方法およ
びセラミック基板の検査方法の実施の形態について、図
面を参照しながら説明する。
【0027】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態を図1および図2を使って説明する。図1は電子
部品としてチップインダクタの電極部から発生する水分
の検査方法の例を示す概念斜視図である。図2はチップ
インダクタの部分切り欠き斜視図である。このチップイ
ンダクタは1005(1.0×0.5mm)サイズで、
導体パターン2をアルミナ薄膜(セラミックグリーンシ
ート)上に形成し、積層して高温で焼成してセラミック
基材1とし、セラミック基材1の端部に銀又はニッケル
の金属粉末、ガラス成分が含まれるエポキシ樹脂ペース
トを塗布、焼成し下地電極3を形成する。導体パターン
2が形成された表面は、エポキシ樹脂などの保護膜が形
成される。その後、下地電極3の上に、複数の金属の薄
膜(銅、ニッケル、金、銀、ハンダ、錫から選ばれた金
属薄膜)を形成して外部電極4を形成する。前記金属薄
膜はメッキで形成されるが、水洗、乾燥が不十分だと電
極4内部にメッキ液や、水分の残留または吸着がおこり
やすくなる。
【0028】この電極内部に吸着された水分を検出する
ために高沸点の疎水性有機溶剤による加熱、浸漬試験方
法を図1を用いて説明する。ホットプレート5に高沸点
の疎水性有機溶剤6が入った金属シャーレ7を置き、疎
水性有機溶剤6を150℃の温度に加熱する。シャーレ
7の上方にはシャーレ内の様子がモニターできるように
ビデオカメラ8を設置してある。そして疎水性有機溶剤
6中にチップインダクタ9を投入すると、電極部4に水
分が含まれるサンプルからは気泡が盛んに噴出する。気
泡の大きさ、発生数、発生継続時間を検出、比較するこ
とで、含まれる水分の定量的な比較を行う。
【0029】電極部4に水分が含まれたサンプルから
は、チップインダクタ1は高温焼結された積層セラミッ
ク基材1なので保護被覆のないセラミック基材1の側面
及び底面から、またセラミック基材1表面を保護するエ
ポキシ樹脂表面からは気泡は発生しにくく、電極とエポ
キシ樹脂との界面部や電極部表面より気泡が発生する。
【0030】気泡が短時間に激しく数多く発生する場合
は、 (1)電極部の水分残量が多い (2)電極構造がポーラス (3)電極表面の凹凸が多い (4)水分発生箇所が比較的表面に近い と推定される。
【0031】気泡が長く出続ける場合は上記(1)〜
(3)に加え (5)水分発生箇所が下地電極などの内部にも存在して
いる と推定される。
【0032】なお、上記チップインダクタは積層セラミ
ック基材のものであるが単層のセラミック基材を用いた
ものでも同様の試験方法を実施して水分を検査すること
ができる。
【0033】疎水性有機溶剤としては高沸点のフッ素系
溶剤のPFC(パーフロロカーボン)を用いている。ここ
では、“ガルデンHS260”[沸点260℃、動粘度
7.0mm2/s(at 25℃)アウジモント株式会
社製パーフルオロポリエーテル]を用いた。疎水性有機
溶剤の液温度を上げてゆき沸点に近づくと溶剤液中から
気泡が発生しやすくなる。部品や基板から発生する気泡
と区分するため、疎水性有機溶剤としては試験温度(加
熱温度)に対して沸点が50℃以上高い種類の疎水性有
機溶剤を選ぶのが好ましい。液温度150℃で試験をす
る場合には沸点が200℃以上の種類を選ぶとよい。ま
た動粘度が20mm2/s(at 25℃)を越える
と、電極部からの気泡の遊離がおこりにくくなる。その
ため動粘度が20mm2/s(at 25℃)未満の溶
剤を用いる必要があり、特に1〜10mm2/s(at
25℃)の低動粘度の溶剤を選ぶと気泡の発生する様
子がわかりやすく好ましい。1mm2/s(at 25
℃)未満の低動粘度の溶剤の場合は、気泡が微小のまま
で発生するためカメラでの気泡の識別が難しくなる傾向
になるので、カメラなどを用いる場合には、特に1〜1
0mm2/s(at25℃)の動粘度の溶剤を用いるこ
とが好ましい。また、肉眼でも気泡の発生を見落とさな
い様にするためにも、上記の動粘度の溶剤を用いること
が好ましい。
【0034】この評価方法は、セラミックを基材とする
チップ型電子部品全般への適応が可能で、評価に必要な
時間は3〜5分、費用は1回あたり材料費の百円程度で
でき、大幅な時間短縮と費用削減を行うことができる。
ホットプレートと金属シャーレがあればどこででも試験
できるので場所の制約もない。またサンプルもチップ型
電子部品1個から評価でき、気泡という視覚で見ること
ができる検出方法のため、たいへんわかりやすい。
【0035】さらに、疎水性有機溶剤を使用しているた
め粘度、表面張力が低く、気泡1個から検出できるため
ガスクロマトグラフよりも検出感度が高い。
【0036】なお、第1の実施の形態においては、セラ
ミックを基材とするチップ型電子部品において説明した
が、タンタル固体電解コンデンサ,チップ型積層フィル
ムコンデンサ,チップ型サージアブソーバ,角型チップ
抵抗等の樹脂封止パッケージの電子部品についても同等
の検査方法で検出感度が高く検査することが出来る。
【0037】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態は、図1で示された検査方法において被検査物と
してビアホールを有するセラミック基板を使用した場合
である。図3は被検査物としてのセラミック基板の概略
図であり、図3(a)はビアホールを有するセラミック
基板10の部分切り欠き斜視図である。図3(b)は前
記図3(a)ビアホールを有するセラミック基板10の
ビアホール部分近傍の部分拡大断面図である。
【0038】セラミック基板10は、導体パターン1
3、14をアルミナ薄膜(セラミックグリーンシート)
上に形成、積層して高温で焼成して製作する。ビアホー
ル部11は銀、銅系の導電性金属粒子が分散された樹脂
ペーストやメッキ金属により充填されており、ビアホー
ル部11の基板表面に露出した部分にチップ型電子部品
および半導体素子が載置される回路パターンやランド1
2が形成されている。図3のセラミック基板は6mm角
の多層基板で、基板内に複数のビアホール11が形成さ
れている。またビアホールの基板表面に出る部分にはチ
ップ型電子部品のランド12が形成されている。尚、1
5はセラミック基板をプリント配線板にハンダ付け実装
する際の側面電極であり、金、銀、銅などの金属薄膜が
メッキにより形成されている。
【0039】セラミック基板は高温で焼成されるため吸
湿の可能性が低いが、ビアホール部の樹脂系ペーストや
メッキ金属による充填では、水分を吸湿または残留およ
び吸着されている可能性があるが、図1で示された第1
の実施の形態で説明したと同様の疎水性有機溶剤を用
い、同様の検査方法により、セラミック基板のビアホー
ルや積層されたアルミナ薄膜の隙間部分に含まれる水分
を、短時間で安く、少量のサンプルから、容易な方法
で、しかも高感度で検出することができた。
【0040】さらにセラミック基板表面に微少なクラッ
クがある場合、クラックから小さい気泡が発生するた
め、基板のクラックを高感度で検出することができた。
特に基板表面の導体下にクラックがある場合、外観から
は検出が難しいが、本発明の方法によれば導体から気泡
が発生するため、異常のあることを容易に検出すること
ができた。
【0041】
【発明の効果】本発明の電子部品の検査方法によれば、
100℃以上に加熱した疎水性有機溶剤中にチップ型電
子部品を浸漬すると、前記電子部品の電極部や基板に含
まれていた水分が気化して気泡となり、疎水性有機溶剤
中に放出され、気泡を視覚的に検出することができる。
そして疎水性有機溶剤を沸点未満の加熱温度で使用する
ため、電子部品から発生する気泡のみを検出することが
できる。
【0042】また、疎水性有機溶剤を使用するので、発
生した水蒸気が有機溶剤に溶解することがなく気泡とし
て確認できる。しかも、20mm2/s(at 25
℃)未満の動粘度を有する疎水性有機溶剤を使用するの
で、粘度が高すぎることにより、気泡が内部に閉じこめ
られて外部に出にくくなり、確認しにくくなることもな
い。
【0043】そして本発明の検査方法においては、さら
に気泡の発生箇所などから水分が含まれていた場所を、
気泡の数などから水分量を視覚的に確認することがで
き、気泡の放出時間などから残留、吸着されていた水分
量を比較することも可能になる。試験結果は数分で判明
し、費用もガスクロマトグラフと比較して数百分の一に
安くできる。さらにサンプル数もガスクロマトグラフが
数十個から100個程度必要なのに対してチップ型電子
部品1個から実施でき、また20mm2/s(at 2
5℃)未満の動粘度を有する疎水性有機溶剤を使用して
いるため、粘度、表面、表面張力が低く、気泡1個から
検出できるためにガスクロマトグラフよりも検出感度が
高い。含まれる水分を視覚的に見ることができるため、
水分量を比較する際にも検証が容易であると言う利点を
有する。
【0044】本発明の電子部品の検査方法において、疎
水性有機溶剤が加熱温度において熱的に安定で不活性な
有機溶剤である本発明の好ましい態様とすることによ
り、加温時に溶剤の分解などが起こって分解ガスが発生
したり、有機溶剤が電子部品を構成する物質と反応し
て、反応生成物としてのガスが発生したりするおそれが
なく、安定して使用でき電子部品から発生する気泡のみ
を検出することができ、好ましい。
【0045】また、本発明の電子部品の検査方法におい
て、疎水性有機溶剤の沸点が150℃以上で且つ加熱温
度より50℃以上高い疎水性有機溶剤を用いる本発明の
好ましい態様とすることにより、加熱中に有機溶剤が多
量に蒸発して目減りすることを防止でき、また有機溶剤
自体の沸騰による気泡の発生がなく電子部品から発生す
る気泡のみを検出することができ好ましい。
【0046】また、本発明の電子部品の検査方法におい
て、疎水性有機溶剤の動粘度が1〜10mm2/s(a
t 25℃)である有機溶剤を使用する本発明の好まし
い態様とすることにより、かかる低動粘度の疎水性有機
溶剤を使用すると電極部などに含まれる微量な水分も気
泡となって電極部などから遊離しやすく、また、発生す
る気泡の大きさも、監視カメラなどでも識別可能な程度
以上の大きさになりやすく、気泡の検出感度をより高く
することができ好ましい。
【0047】また、本発明の電子部品の検査方法におい
て、電子部品がセラミックを基材とするチップ型電子部
品である本発明の好ましい態様とすることにより、セラ
ミックを基材としているので、加熱された疎水性有機溶
剤内に電子部品を浸漬しても、基材の熱分解などによる
ガスの発生がなく電子部品から発生する気泡のみを検出
することができ好ましい。また、チップ型電子部品の電
極部などに残留、吸着された水分は、チップ型電子部品
自体の大きさがかなり小さいものであるためチップ型電
子部品1個や少数個のサンプルによる検査ではガスクロ
マトグラフによる検出が難しい量の水分しか含まれてい
ない場合が多く、その場合にも容易に残留水分を気化さ
せて生じる気泡を視覚的に検出することができ、セラミ
ックを基材とするチップ型電子部品の残留水分の検査方
法として好適な検査方法を提供できる。
【0048】また、本発明の電子部品の検査方法におい
て、チップ型電子部品が、金属粉末とガラスと樹脂を調
合したペーストをセラミック基材の端部に塗布、焼結
し、その表面に銅、ニッケル、金、銀、ハンダ、錫から
選ばれた金属薄膜を複数層重ねて電極が形成されている
チップ型電子部品である本発明の好ましい態様とするこ
とにより、複数層の金属薄膜からなる電極は、通常、メ
ッキで形成されるが、水洗、乾燥が不十分だと電極内部
にメッキ液や、水分の残留または吸着がおこりやすくな
る。この電極内部に吸着された水分も本発明方法におい
ては、容易に検出することができ好ましい。
【0049】さらに本発明の上述したセラミック基板の
検査方法によれば、100℃以上に加熱した疎水性有機
溶剤中にセラミック基板を浸漬すると、前記部品のビア
ホール部等の基板内部に含まれていた水分が気化して気
泡となり、疎水性有機溶剤中に放出される。基板表面に
クラックがある場合にはクラック部分から気泡が発生す
るため、セラミック基板のクラックの検査にも応用する
ことができる。
【0050】チップ型電子部品の場合と同様に、基板内
の気泡の発生箇所から水分が含まれていた場所を、気泡
の数から水分量を視覚的に確認することができ、気泡の
放出時間などから残留、吸着されていた水分量を比較す
ることも可能になる。試験結果は数分で判明し、費用も
ガスクロマトグラフと比較して数百分の一に安くでき
る。さらにサンプル数もガスクロマトグラフが基板数十
個程度必要なのに対して、基板1個から実施でき、また
20mm2/s(at 25℃)未満の動粘度を有する
疎水性有機溶剤を使用しているため粘度、表面表面張力
が低く、そのためガスクロマトグラフと比較して検出感
度が高い。含まれる水分を視覚的に見ることができるた
め、水分量を比較する際にも検証が容易である。
【0051】また、本発明のセラミック基板の検査方法
において、疎水性有機溶剤の動粘度が1〜10mm2
s(at 25℃)である有機溶剤を使用する本発明の
好ましい態様とすることにより、かかる低動粘度の疎水
性有機溶剤を使用すると、微量な水分も気泡となって遊
離しやすく、また、発生する気泡の大きさも、監視カメ
ラなどでも識別可能な程度以上の大きさになりやすく、
気泡の検出感度をより高くすることができ好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子部品およびセラミック基板の検査
方法を示す概念斜視図
【図2】本発明の被検査物であるセラミックを基材とす
るチップ型電子部品(チップインダクタ)の概略図
【図3】本発明の被検査物である電子部品用セラミック
基板の概略図
【符号の説明】
1 セラミック基材 2 導体パターン 3 下地電極 4 外部電極 5 ホットプレート 6 疎水性有機溶剤 7 金属シャーレ 8 ビデオカメラ 9 チップインダクタ 10 セラミック基板 11 ビアホール部 12 ランド 13、14 導体パターン 15 電極
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/46 H05K 3/46 Z Fターム(参考) 2G040 AA08 AB07 BA18 BA25 BB04 CA05 CB02 2G051 AA51 AA61 AB02 AB07 AC22 AC30 CA04 CA11 DA20 5E032 BA23 CA01 CB04 CC14 5E082 AA01 EE04 EE35 FG26 MM31 PP06 PP10 5E346 AA12 AA15 AA32 AA43 CC16 CC32 CC37 CC38 GG31 GG33 HH31

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20mm2/s(at 25℃)未満の
    動粘度を有する疎水性有機溶剤を100℃以上でかつ沸
    点温度未満の加熱温度で加熱し、前記疎水性有機溶剤内
    に電子部品を浸漬してその電子部品内の残留水分を気化
    させて生じる気泡を視覚的に検出することを特徴とする
    電子部品の検査方法。
  2. 【請求項2】 疎水性有機溶剤が前記加熱温度において
    熱的に安定で不活性な有機溶剤である請求項1記載の電
    子部品の検査方法。
  3. 【請求項3】 疎水性有機溶剤の沸点が150℃以上で
    且つ加熱温度より50℃以上高い疎水性有機溶剤である
    請求項1又は2のいずれかに記載の電子部品の検査方
    法。
  4. 【請求項4】 疎水性有機溶剤の動粘度が1〜10mm
    2/s(at 25℃)である請求項1〜3のいずれか
    に記載の電子部品の検査方法。
  5. 【請求項5】 電子部品がセラミックを基材とするチッ
    プ型電子部品である請求項1〜4のいずれかに記載の電
    子部品の検査方法。
  6. 【請求項6】 チップ型電子部品が、金属粉末とガラス
    と樹脂を調合したペーストをセラミック基材の端部に塗
    布、焼結し、その表面に銅、ニッケル、金、銀、ハン
    ダ、錫から選ばれた金属薄膜を複数層重ねて電極が形成
    されているチップ型電子部品である請求項5記載の電子
    部品の検査方法。
  7. 【請求項7】 基板内部に導電性の金属を含むペースト
    または導電性のメッキ金属で充填されたビアホールを有
    し、前記ビアホールの基板表面に露出した部分にチップ
    型電子部品および半導体素子が載置される回路パターン
    およびランドが形成されたセラミック基板の検査方法で
    あって、20mm2/s(at 25℃)未満の動粘度
    を有する疎水性有機溶剤を100℃以上でかつ沸点温度
    未満の加熱温度で加熱し、その疎水性有機溶剤内に前記
    セラミック基板を浸漬してその基板表面およびビアホー
    ル内の残留水分を気化させて生じる気泡を視覚的に検出
    することを特徴とするセラミック基板の検査方法。
  8. 【請求項8】 疎水性有機溶剤の動粘度が1〜10mm
    2/s(at 25℃)である請求項7記載のセラミッ
    ク基板の検査方法。
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