JP2003340771A - ロボット - Google Patents

ロボット

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JP2003340771A
JP2003340771A JP2002146681A JP2002146681A JP2003340771A JP 2003340771 A JP2003340771 A JP 2003340771A JP 2002146681 A JP2002146681 A JP 2002146681A JP 2002146681 A JP2002146681 A JP 2002146681A JP 2003340771 A JP2003340771 A JP 2003340771A
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axis
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博允 井上
Masao Kawase
昌男 川瀬
Yuji Tsusaka
祐司 津坂
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さな力でロボットの下肢や上肢を動かすこ
とができる技術を提供する。 【解決手段】 ロボットは、大腿部14と、その大腿部
14に膝関節24を介して接続された下腿部16と、そ
の下腿部16に足首関節26を介して接続された足部1
8と、大腿部14に対して下腿部16を回転させるアク
チュエータと、下腿部16に対して足部18を回転させ
るアクチュエータとを備えている。そして、前記アクチ
ュエータ群が大腿部14に取付けられている。このよう
にアクチュエータ群が大腿部14に固定されていると、
下肢の先端部分が軽くなるので下肢の股関節回りの慣性
モーメントが小さくなる。このため、小さな力で下肢を
動かすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、ロボットに関す
るものである。特に、人型ロボットや動物型ロボットの
下肢や上肢を動かす技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 下肢や上肢を備える人型ロボットや動
物型ロボットの開発が活発化している。このようなロボ
ットの下肢や上肢は関節を持ち、関節を回転させること
によって歩いたり、持ったり、操作したりする。関節の
回転は、その軸に取付けられたモータによって行われ
る。モータは関節の各軸毎に取付けられる。例えば、足
首関節は2軸回りに回転するので、足首関節に2つのモ
ータが取付けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記
のロボットは関節の各軸にモータを取付けるので、下肢
や上肢の慣性モーメントが大きくなる。例えば、足首関
節に2つのモータを取付けると、股関節から距離の遠い
ところに重量のあるモータが配置されることになるため
に、股関節周りの慣性モーメントが大きくなる。慣性モ
ーメントが大きいと、下肢や上肢を動かすのに大きな力
が必要になってしまう。
【0004】本発明は、かかる問題を解決するためにな
されたものであり、小さな力でロボットの下肢や上肢を
動かすことができる技術を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用と効果】 請求
項1に記載のロボットは、大腿部と、その大腿部に膝関
節を介して接続された下腿部と、その下腿部に足首関節
を介して接続された足部とを備える。このロボットは、
大腿部に対して下腿部を回転させるアクチュエータと、
下腿部に対して足部を回転させるアクチュエータとを備
えており、それらのアクチュエータ群が大腿部に取付け
られていることを特徴とする。アクチュエータ群が大腿
部に固定されていると、下肢の先端部分(足部、足首関
節、下腿部等)が軽くなるので、股関節回りの慣性モー
メントが小さくなる。このため、小さな力で下肢を動か
すことができる。
【0006】請求項1に記載のロボットにおいて、下腿
部用アクチュエータと下腿部がワイヤで接続され、足部
用アクチュエータと足部が膝関節周縁を通過するワイヤ
で接続されていることが好ましい(請求項2)。このよ
うに構成されていると、下腿部用アクチュエータがワイ
ヤを引くと下腿部が大腿部に対して回転され、足部用ア
クチュエータがワイヤを引くと足部が下腿部に対して回
転される。動力はワイヤで末端側部材に伝達され、末端
側部材に末端側部材を回転させるためのアクチュエータ
を設ける必要がない。
【0007】請求項1に記載のロボットにおいて、下腿
部用アクチュエータと下腿部がワイヤで接続されて下腿
部が後方に引かれ、第1の足部用アクチュエータと足部
の前部が膝関節前側を通過する別の第1ワイヤで接続さ
れて足部の前部が上方に引かれ、第2の足部用アクチュ
エータと足部の後部が膝関節前側を通過する別の第2ワ
イヤで接続されて足部の後部が上方に引かれ、第1と第
2の足部用アクチュエータで第1と第2ワイヤを共に引
くことで下腿部が前方に引かれることが好ましい(請求
項3)。上記のロボットは、下腿部用アクチュエータと
下腿部がワイヤで接続されてワイヤが後方に引かれる。
また、第1と第2の2本のワイヤの引き方を調整するこ
とによって、足部の前部あるいは後部を上方に引くこと
もできるし、下腿部を前方に引くこともできる。
【0008】請求項1に記載のロボットにおいて、下腿
部用アクチュエータと下腿部がワイヤで接続されて下腿
部が後方に引かれ、第1の足部用アクチュエータと足部
の前部が膝関節前側を通過する別の第1ワイヤで接続さ
れて足部の前部が上方に引かれ、第2の足部用アクチュ
エータと足部の後部外側が膝関節前側を通過する別の第
2ワイヤで接続されて足部の後部外側が上方に引かれ、
第3の足部用アクチュエータと足部の後部内側が膝関節
前側を通過する別の第3ワイヤで接続されて足部の後部
内側が上方に引かれ、第2と第3の足部用アクチュエー
タで第2と第3ワイヤを共に引くことで足部の後部が上
方に引かれ、第1と第2と第3の足部用アクチュエータ
で第1と第2と第3のワイヤを共に引くことで下腿部が
前方に引かれることが好ましい(請求項4)。上記のロ
ボットは、下腿部用アクチュエータと下腿部がワイヤで
接続されて下腿部が後方に引かれる。また、第1と第2
と第3の3本のワイヤの引き方を調整することによっ
て、足部の前部、足部の後部外側、足部の後部内側、足
部の後部を上方に引くこともできるし、下腿部を前方に
引くこともできる。足部の後部(かかと)を持ち上げる
ためには、足部の前部(爪先)を持ち上げるよりも力を
有する。上記のロボットでは、2個のアクチュエータを
利用して大きな力が必要とされる足部の後部(かかと)
を持ち上げる動きを実現し、1個のアクチュエータを利
用して小さな力ですむ足部の前部(爪先)を持ち上げる
動きを実現することから、アクチュエータ能力を等しく
しやすい。また、下腿部を持ち上げるためには、下腿部
を下げるよりも力を有する。上記のロボットでは、3個
のアクチュエータを利用して大きな力が必要とされる下
腿部を持ち上げる動きを実現し、1個のアクチュエータ
を利用して小さな力ですむ下腿部を下げる動きを実現す
ることから、アクチュエータ能力を等しくしやすい。
【0009】請求項1に記載のロボットにおいて、下腿
部用アクチュエータと下腿部がワイヤで接続されて下腿
部が後方に引かれ、第1の足部用アクチュエータと足部
の前部外側が膝関節前側を通過する別の第1ワイヤで接
続されて足部の前部外側が上方に引かれ、第2の足部用
アクチュエータと足部の前部内側が膝関節前側を通過す
る別の第2ワイヤで接続されて足部の前部内側が上方に
引かれ、第3の足部用アクチュエータと足部の後部が膝
関節前側を通過する別の第3ワイヤで接続されて足部の
後部が上方に引かれ、第1と第2の足部用アクチュエー
タで第1と第2ワイヤを共に引くことで足部の前部が上
方に引かれ、第1と第2と第3の足部用アクチュエータ
で第1と第2と第3のワイヤを共に引くことで下腿部が
前方に引かれることが好ましい(請求項5)。上記のロ
ボットは、下腿部用アクチュエータと下腿部がワイヤで
接続されて下腿部が後方に引かれる。また、第1と第2
と第3の3本のワイヤの引き方を調整することによっ
て、足部の前部外側、足部の前部内側、足部の後部、足
部の前部を上方に引くこともできるし、下腿部を前方に
引くこともできる。上記のロボットでは、3個のアクチ
ュエータを利用して大きな力が必要とされる下腿部を持
ち上げる動きを実現し、1個のアクチュエータを利用し
て小さな力ですむ下腿部を下げる動きを実現することか
ら、アクチュエータ能力を等しくしやすい。
【0010】請求項6に記載のロボットは、上腕部と、
その上腕部に肘関節を介して接続された前腕部と、その
前腕部に手首関節を介して接続された手部と、上腕部に
対して前腕部を回転させるアクチュエータと、前腕部に
対して手部を回転させるアクチュエータとを備えてい
る。そして、前記アクチュエータ群が上腕部に固定され
ている。アクチュエータ群が上腕部に固定されている
と、上肢の先端部分(手部、手首関節、前腕部等)が軽
くなるので、肩関節回りの慣性モーメントが小さくな
る。このため、小さな力で上肢を動かすことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】 本発明を具現化した第1実施例
を図1〜14を参照して説明する。本明細書では、足部
の前後方向(ロボットの進行方向)をX軸とし、左右方
向をY軸とし、下腿部ないし胴体の伸びる方向をZ軸と
する。各軸は相互に直交している。第1実施例は、本発
明をロボットの下肢に応用したものである。なお、左右
の下肢形状は鏡対称である。図1は本実施例のロボット
の両下肢の正面図であり、図2は左下肢の側面図であ
り、図3は足首関節の構造を説明するための図であり、
図4はボールネジの詳細を説明する図であり、図5〜1
4は足部の動きを説明する図である。
【0012】図1に示すように、本実施例のロボット1
0の左右の下肢12は大腿部14と下腿部(脛)16と
足部18から構成され、大腿部14と胴体部20は股関
節22によって接続されており、大腿部14と下腿部1
6は膝関節24によって接続されており、下腿部16と
足部18は足首関節26によって接続されている。
【0013】最初に股関節22について説明する。ほぼ
水平に伸びる板状の骨盤部28には、図2に示すよう
に、Z軸回りに回転する円板36がベアリング34によ
って取付けられている。円板36は、図1において左右
に一対設けられている。各円板36の中心には、骨盤部
28側から大腿部14側に伸びる(Z軸方向に伸びる)
シャフト30が固定されている。シャフト30は骨盤部
28に対してZ軸回りに回転する。シャフト30の下端
に対して大腿部14の上端がユニバーサルジョイント3
2によって接続されている。ユニバーサルジョイント3
2は、シャフト30に対して大腿部14がX軸回りとY
軸回りに回転することを許容する。股関節22は、骨盤
部28に対してZ軸回りに回転できるシャフト30と、
シャフト30に対して大腿部14がX軸回りとY軸回り
に回転することを許容するユニバーサルジョイント32
を持ち、X,Y,Z軸のそれぞれの回りに回転すること
を許容する3軸関節である。
【0014】次に膝関節24を説明する。各大腿部14
の下端にはY軸方向に平行に並ぶ2つのフランジ40が
下方へ伸びており、各下腿部16を構成するシャフト4
2の上端にはY軸方向に平行に並ぶ2つのフランジ44
が上向きに設けられている。膝関節24は、これらのフ
ランジ40,44を貫通してY軸方向に伸びる軸46を
備える。膝関節24は、大腿部14に対して下腿部16
がY軸回りに回転することを許容する。
【0015】次に足首関節26を説明する。図3は足首
関節26の構造を説明するために単純化してデフォルメ
した図であり、実際の形状や寸法とは必ずしも一致しな
い。下腿部16のシャフト42の下部にはX軸方向に平
行に並んだ2つのフランジ58が下方に伸びている。ま
た、足部18の上面にはY軸方向に平行に並んだ2つの
フランジ60が上方に伸びている。これら下腿部16の
フランジ58と足部18のフランジ60は十字型自在継
手62によって接続されてユニバーサルジョイントを成
している。足首関節26は、下腿部24に対して足部1
8が、X軸回りとY軸回りに回転することを許容する。
即ち、足首関節26はX,Y軸のそれぞれについて自由
度を持つ2軸関節である。
【0016】各関節はワイヤによって駆動される(股関
節のZ軸回りの回転を除く。この回転のみはワイヤを利
用せずに、モータで直接に回転される)。各ワイヤの一
端は末端側部材に取付けられており、他端はボールネジ
とモータから構成されるアクチュエータに接続されてい
る。モータによってボールネジの送りネジ(Z方向に伸
びる)が回転し、これに伴って送りネジに螺合している
ナットが送りネジ方向に送られ、ナットに接続されてい
るワイヤ先端がZ軸方向に進退する。ワイヤ先端をZ軸
方向に進退させることによってワイヤによって末端側部
材を引いたり緩めたりすることができる。
【0017】最初に図3を参照して足首関節を回転させ
るワイヤ群を説明する。足部18には、図示しない取付
け板によってワイヤ終端ガイド70a,70b,70c
が固定されている。各ワイヤ終端ガイド70a,70
b,70cは円弧形状であり、それぞれの円弧の中心軸
はY軸方向に伸びており、円弧面は所定の巾(Y軸に沿
って伸びる距離)を有している。ワイヤ終端ガイド70
aは足首関節26のY軸よりも前方に位置し、X軸上配
置されている。その円弧面はX軸前方を向いている。ワ
イヤ終端ガイド70b,70cは足首関節26のY軸よ
りも後方に位置している。ワイヤ終端ガイド70bは足
首関節26のX軸よりも外側に位置し、ワイヤ終端ガイ
ド70cは足首関節26のX軸よりも内側に位置してい
る。ワイヤ終端ガイド70b,70cの円弧面はX軸後
方を向いている。3本のワイヤ66a,66b,66c
の下端は、ワイヤ終端ガイド70a,70b,70cの
それぞれの下端のワイヤ接続点72a,72b,72c
に固定されており、各ワイヤ66a,66b,66cの
他端は、膝関節24側に伸びている。各ワイヤ終端ガイ
ド70a,70b,70cの円弧面に沿って湾曲してい
る。ワイヤ終端ガイド70a,70b,70cはワイヤ
66a,66b,66cが小さな曲率半径で鋭く曲がる
ことを禁止している。
【0018】ワイヤ接続点72aは足首関節26のY軸
よりも前方に位置しており、ワイヤ66aが膝関節24
側に引かれると足部18は足首関節26のY軸回りに回
転して爪先を持ち上げる。ワイヤ接続点72aは足首関
節26のX軸上に配置されており、ワイヤ66aが膝関
節24側に引かれても足部18のX軸回りの回転角には
影響しない。ワイヤ接続点72bは足首関節26のX軸
よりも外側に位置しており、ワイヤ66bが膝関節24
側に引かれると足部18は足首関節26のX軸回りに回
転して足部18の外側を持ち上げる。ワイヤ接続点72
cは足首関節26のX軸よりも内側に位置しており、ワ
イヤ66cが膝関節24側に引かれると足部18は足首
関節26のX軸回りに回転して足部18の内側を持ち上
げる。足部18の内側を持ち上げる場合には、ワイヤ6
6cを引くと同時にワイヤ66bを緩めて足部18の外
側が下がることを許容する。同様に、足部18の外側を
持ち上げる場合には、ワイヤ66bを引くと同時にワイ
ヤ66cを緩めて足部18の内側が下がることを許容す
る。足部18を足首関節26のX軸回りに回転させる場
合にはワイヤ66aを操作する必要はない。ワイヤ66
b、66cを同時に引くと足部18は足首関節26のY
軸回りに回転してかかとを持ち上げる。この場合には、
ワイヤ66aを緩めて爪先が下がるのを許容する。ワイ
ヤ66aを引いて爪先を持ち上げるときには、ワイヤ6
6b、66cを緩めてかかとが下がるのを許容する。3
本のワイヤ66a、66b、66cによって、足首関節
26のX軸回りの回転角とY軸回りの回転角を独立に調
整することができる。
【0019】なお、ワイヤ接続点を足首関節26のY軸
よりも前方のX軸の両側と、Y軸よりも後方のX軸上に
配置してもよい。このようにワイヤ接続点を配置して
も、ワイヤによって足首関節26のX軸回りの回転角と
Y軸回りの回転角を独立して調整することができる。
【0020】図5〜10は足部18の動きを説明するた
めの模式図であり、図5と図6はX軸回りの回転を説明
するための図である。図5は足部18の平面図であり、
図6は足部18の背面図である。各ワイヤ66a,66
b,66cの終端ではワイヤ終端ガイド70a,70
b,70cの図示を省略し、ワイヤ接続点72a,72
b,72cのみで示してある。
【0021】図5は、ワイヤ接続点72aに接続されて
いるワイヤ(図示省略)は中立状態を維持しながらワイ
ヤ接続点72bに接続されているワイヤ66bの有効長
を収縮させ、ワイヤ接続点72cに接続されているワイ
ヤ66cの有効長を伸長させることを示している。この
とき、足部18は図6の破線で示したようにX軸回りに
矢印の方向に回転する。また、ワイヤの有効長の伸長・
収縮を逆にすると、足部18は矢印とは逆方向に回転す
る。即ち、このようにワイヤの有効長の伸長・収縮を調
整することによって、足部18をX軸の回りに自在に回
転させることができる。
【0022】図7と図8はY軸回りの回転を説明するた
めの図である。図7は足部18の平面図であり、図8は
足部18の側面図である。各ワイヤ66a,66b,6
6cの終端ではワイヤ終端ガイド70a,70b,70
cの図示を省略し、ワイヤ接続点72a,72b,72
cのみで示してある。図7はワイヤ接続点72aに接続
されているワイヤ66aの有効長を収縮させ、ワイヤ接
続点72b,72cに接続されているワイヤ66b,6
6cの有効長を共に伸長させた場合を示している。この
とき、足部18は図8の破線で示すように、Y軸回りに
矢印の方向に回転する。また、ワイヤの有効長の伸長・
収縮を逆にすると、足部18は矢印とは逆方向に回転す
る。このようにワイヤの有効長の伸長・収縮を調整する
ことによって、足部18をY軸の回りに自在に回転させ
ることができる。なお、足部18の前側を持ち上げるの
に要するワイヤの張力に比べ、足部18の後ろ側を持ち
上げるのに要するワイヤの張力は大きい。このため、3
点のワイヤ接続点72a,72b,72cのうちの1点
を前側にし、2点を後側にし、2本のワイヤと2個のア
クチュエータでかかとを持ち上げることが好ましい。こ
の場合、各アクチュエータの能力を等しくすることがで
きる。
【0023】なお図示はしないが、足部18を同時にX
軸回りにもY軸回りにも回転させることができる。例え
ば、ワイヤ66bの有効長を速度a−bで収縮させ、ワ
イヤ66cの有効長を速度a+bで伸長させ(即ち−a
−bで収縮させる)、ワイヤ66aの有効長をbで収縮
させると、足部18はX軸の回りに速度aで回転して外
側が上がり、且つ、Y軸の回りに速度bで回転して前側
が上がる。このように3本のワイヤの有効長を同時に調
整すると、足部18をX軸の回りとY軸の回りに同時に
自在に回転させることができる。またX軸回りの回転速
度とY軸回りの回転速度を自在に調整することもでき
る。これらのことから、X,Yの2軸に対して3本のワ
イヤ、即ち、軸数+1本のワイヤを用いることによっ
て、X,Y軸について互いに独立に調整することが可能
である。
【0024】図3に示すように、下腿部16のシャフト
42の上部には、フランジ44を貫通するY軸方向の軸
46の回りに自由回転可能な3つのプーリ64a,64
b,64cが2つのフランジ44と交互に配されてい
る。それぞれのプーリ64a,64b,64cにはワイ
ヤ66a,66b,66cが1本ずつ巻かれている。ワ
イヤ66a,66b,66cは、プーリ64a,64
b,64cの前側でプーリから離反している。ワイヤ6
6a,66b,66cは足部18に対して膝関節の前方
位置から引張力を加える。このために、3本のワイヤ6
6a,66b,66cを同時に同一速度で収縮させる
と、下腿部16に対する足部18の回転角度は変えない
で(足首関節26を回転させないで)、下腿部16を膝
関節24の回りに前向きに回転させることができる。
【0025】次に、このような足部の動きに伴うワイヤ
の動きについて説明する。図9〜10は足部18の回転
に伴うワイヤの動きを説明するための模式図であり、実
際の形状や寸法とは必ずしも一致しない。図9はX軸回
りに回転した場合の足部18の背面図であり、図10は
Y軸回りに回転した場合の足部18の左側面図である。
なお、近似的にワイヤは鉛直方向に伸びているとするこ
とができる。
【0026】図9は、足部18が足首関節26のX軸の
回りに矢印方向に最大限(本実施例では15°)に回転
した状態を示す図である。足部18が下腿部16のシャ
フト42に対して直角の状態が実線で示され、このとき
の足部18の位置18−1を通常位置とする。通常位置
での足部18−1とワイヤ66b1,66c1とこれら
をそれぞれ案内するワイヤ終端ガイド70b1,70c
1を実線で示している(最後の添え字1は、基準位置に
あることを示す)。X軸回りに回転した足部18を破線
18−2で示し、そのときのワイヤ66b2,66c2
とワイヤ終端ガイド70b2,70c2を破線で示す
(最後の添え字2は、回転位置にあることを示す)。ワ
イヤ66b1,66c1の下端接続点72b1,72c
1は、ワイヤ終端ガイド70b1,70c1のそれぞれ
の下端のY軸方向の中心にある。通常位置では、ワイヤ
66b1,66c1はワイヤ終端ガイド70b1,70
c1の円弧面のY軸方向の中心線に沿って案内されてい
る。足部18がX軸回りに回転して足部18−2の位置
まで移動すると、ワイヤ66b,66cはワイヤ終端ガ
イド70b,70cに案内されながらワイヤ66b2,
66c2の位置まで移動する。このときのワイヤ終端ガ
イド70b2,70c2はワイヤ66b2,66c2に
対して傾斜する。ワイヤ66b2,66c2を案内する
ワイヤ終端ガイド70b2,70c2の円弧面上の線
が、ワイヤ接続部72b2,72c2とワイヤ終端ガイ
ド70b2,70c2の図中右上端を結ぶ線まで移動す
る。また、図示しないが、図7の矢印とは反対方向に最
大限に回転した場合も同様に、ワイヤ66b2,66c
2は、ワイヤ接続部72b2,72c2とワイヤ終端ガ
イド70b2,70c2の図中左上端を結ぶ線まで移動
する。
【0027】ワイヤ終端ガイド70のY軸方向の巾は、
足部18がX軸の回りに回転することによって、X軸と
ワイヤ接続点72までの距離が変化する距離以上に設定
されているために、足部18がX軸の回りに最大限に回
転しても、ワイヤ66はワイヤ終端ガイド70からはず
れることがない。このように、本実施例のワイヤ終端ガ
イド70によれば、末端側部材18のX軸回りのいかな
る姿勢変化に対してもワイヤ66を案内し続けることが
可能となっている。なお本明細書において添え字を省略
して説明する事象は、添え字によって区分される部材に
共通する事象であることを示している。
【0028】図10は本実施例の足首関節26がY軸の
回りに回転する場合の側面図を示している。本実施例で
のワイヤの動きと対比させるため、最初に図11を用い
て、ワイヤ終端ガイド70を備えない場合のワイヤの動
きについて説明する。
【0029】ワイヤ終端ガイドが存在しない場合、足首
関節226はユニバーサルジョイントのY軸262より
も前方(図の左側)に取付けられたワイヤ266と後方
に取付けられたワイヤ(図示省略)によってY軸262
の回りに回転させられる。各ワイヤの下端は足部218
の上面のワイヤ接続部272(後方ワイヤの接続点は図
示省略)に固定され、上端は図示しないアクチュエータ
に接続されている。アクチュエータによって各ワイヤの
有効長を伸長・収縮させ、足部218をY軸262の回
りに回転させる。なお、近似的にワイヤは鉛直方向に伸
びているとすることができる。
【0030】図11の破線は、足部218が足首関節2
26のY軸262の回りに矢印III,IVの方向に最
大限に回転したところを示している。足部218と下腿
部216のシャフト242が成す角が直角である通常位
置を実線で示す(添え字1は通常位置にあることを示
す)。このとき、足部218−1とワイヤ266−1が
成す角αも直角である。矢印III方向(図中時計回
り)に回転後の足部218−3とワイヤ266−3とワ
イヤ接続部272−3を破線で示し、添え字3を付けて
示す。矢印IV方向(図中反時計回り)に回転後の足部
218−4とワイヤ266−4とワイヤ接続部272―
4を破線で示し、添え字4を付けて示す。矢印III方
向に回転した足部218−3とワイヤ266−3が成す
角βは通常位置のときのαと比較して大きく、矢印IV
方向に回転した足部218−4とワイヤ266−4が成
す角γは通常位置のときのαと比較して小さい。即ち、
足部218の回転に伴って足部218とワイヤ266が
成す角は変化する。図11のワイヤガイドを設けない方
式では、ワイヤ266が接続点272でシャープに屈曲
するために、ワイヤ266は接続点272で切れやす
い。
【0031】また、足部218がY軸の回りに回転する
と、足部218上面のワイヤ接続部272もこれに伴っ
て回転する。矢印III方向に回転したときのY軸26
2とワイヤ接続点272−3の水平方向距離Laは通常
位置と比較して大きく、矢印IV方向に回転したときの
Y軸262とワイヤ接続点272−4の水平方向距離L
bは通常位置と比較して小さい。この距離LaやLb
は、足部218をY軸262の回りに回転させるモーメ
ントの大きさに直結するアーム長であり、ワイヤにかか
る張力が同じであれば、アーム長が長いほどモーメント
は大きい。図11のワイヤガイドを設けない方式では、
足部218の姿勢によってアーム長が大きく変化して足
部218を回転させるモーメントの大きさが大きく変化
する。
【0032】一方、図10は、本実施例の足首関節26
とワイヤ終端ガイド70等を示している。足部18が足
首関節26のY軸62の回りに矢印III、矢印IVの
方向に最大限(本実施例では30°)に回転したところ
を示す。標準位置での足部18と下腿部16のシャフト
42が成す角は直角であり、このときの足部18−1の
位置を通常位置とする(添え字1は通常位置にあること
を示す)。通常位置にある足部18−1とワイヤ66a
1とこれを案内するワイヤ終端ガイド70a1を実線で
示す。矢印III方向(図中時計回り)に回転後の足部
18−3とワイヤ66a3とワイヤ終端ガイド70a3
と接続点72a3と、矢印IV方向(図中反時計回り)
に回転後の足部18−4とワイヤ66a4とワイヤ終端
ガイド70a4と接続点72a4をそれぞれ破線で示
す。
【0033】前述のように、足部18に取付けられたワ
イヤ66aは、その下端がワイヤ終端ガイド70aの下
端のワイヤ接続部72aに固定されている。また、ワイ
ヤ終端ガイド70aは、その円弧の中心がワイヤ接続部
72aよりも常に下腿部16に近くなるよう取付けられ
ている。即ち、ワイヤ66aの下端近傍は常にワイヤ終
端ガイド70aの円弧面に沿って案内される。このため
に、足部の姿勢変化によってワイヤ66aが局部的にシ
ャープに屈曲することがなく、ワイヤは切れにくい。
【0034】足部18がY軸62の回りに回転すること
によって、ワイヤ66aのワイヤ終端ガイド70aの円
弧面による案内部分は以下のように変化する。通常位置
ではワイヤ66a1はワイヤ終端ガイド70a1の円弧
面の下端から中心角90°の位置まで案内されている。
矢印III方向に回転したとき、ワイヤ66a3はワイ
ヤ終端ガイド70a3の円弧面の下端から3分の1程の
位置まで案内されている。矢印IV方向に回転したと
き、ワイヤ66a4はワイヤ終端ガイド70a4の円弧
面の下端から上端近傍まで案内されている。即ち、足部
18が回転しても、ワイヤ終端ガイド70aに案内され
るワイヤ66aの長さが変化するために、ワイヤ66a
がワイヤガイド70aから離れる点とY軸62までの水
平距離はほぼ一定に保たれる。この結果、図10のワイ
ヤ終端ガイド70を有する方式では、足部18が姿勢変
化してもアーム長の変化は小さく、足部18を回転させ
るモーメントの変化も小さい。
【0035】ワイヤ終端ガイドがないと足部等の末端側
部材が動く度に、ワイヤ接続部においてワイヤが局所的
に屈曲するため、ワイヤ接続部の耐久性を維持すること
が容易でない。本実施例ではワイヤ終端ガイドを設けた
ために、足部がY軸の回りに回転しても、ワイヤの下端
近傍は常にワイヤ終端ガイドの円弧面に案内されている
ため、ワイヤ接続部においてワイヤが局所的に屈曲する
ことがなく、ワイヤ接続部の耐久性が向上する。また、
ワイヤ終端ガイドがないと、足部等の末端側部材が動く
度にワイヤとY軸の距離、即ちモーメントのアーム長が
大きく変化する。本実施例ではワイヤ終端ガイドを設け
たために、足部がY軸の回りに回転しても、ワイヤ終端
ガイドによってモーメントのアーム長の変化を抑制する
ことができる。また本実施例のワイヤ終端ガイドは、Y
軸方向に巾を持ち、足部18がX軸の回りの回転しても
ワイヤがワイヤ終端ガイドからはずれることがない。
【0036】本実施例では、ワイヤ終端ガイドを利用す
ることによって、末端側部材のX軸Y軸回りの姿勢変化
に対して、ワイヤ接続部の耐久性を維持することができ
る。また、末端側部材のX軸Y軸回りの姿勢変化に対し
て、モーメントのアーム長の変化を抑制することができ
る。さらには、ワイヤ終端ガイドを巾広にしたために、
ワイヤがワイヤ終端ガイドから逸脱することなくワイヤ
接続点近傍を常に案内することができる。ワイヤ終端ガ
イドに溝を形成してワイヤを案内する方式でもワイヤが
ワイヤ終端ガイドから逸脱するのを防止できるが、ワイ
ヤが溝から離れるところでワイヤが局所的にシャープに
屈曲することがある。本実施例のワイヤ終端ガイドは溝
を持たず、ワイヤがワイヤ終端ガイドの円弧面を軸方向
に自由に移動できるようにし、しかも巾広にして逸脱し
ないようにしていることから、ワイヤが局所的にシャー
プに屈曲しないようにしながら常時案内することに成功
している。
【0037】図3に明瞭に示されている3本のワイヤ6
6a,66b,66cの上端はボールネジ68a,68
b,68c(図1、図2参照)に接続されている。図
1、図2では図示の明瞭化のためにボールネジが簡略化
されて表示されている。図4はボールネジ68の詳細を
模式的に示しており(すべてのボールネジは同様の構造
を有するために、添え字を省略して共通的に説明す
る)、一対のフランジ102と106が3本の案内ロッ
ド108,110,112で接続されている。一対のフ
ランジ間には送りネジ120が回転自在で軸方向には移
動不能に配置されている。送りネジ120は、モータ1
14とギヤ116とギヤ118によって回転させられ
る。送りネジ120には可動プレート104が螺合して
いる。可動プレート104は案内ロッド108,11
0,112に案内されて軸方向に移動可能で回転不能と
なっている。その可動プレート104にワイヤ66の先
端が固定されている。モータ114が回転すると送りネ
ジ120が回転して可動プレート104が案内ロッドに
沿って滑り、ワイヤ66が引き込まれたり、緩められた
りする。ボールネジ68のモ−タは114と、一対のフ
ランジ102、106は大腿部14に固定されている。
案内ロッド108,110,112は大腿部14の長手
方向に伸びており、モ−タは114がボールネジ68を
回転させることで、ワイヤ66は大腿部14の長手方向
に引かれたり緩められたりする。ワイヤ66a,66
b,66cのプーリ64a,64b,64cと接続点7
2a、72b、72c間の距離をワイヤの有効長とする
と、ワイヤ66a,66b,66cの有効長はモータ1
14によって伸長させられる。ワイヤ66a,66b,
66cの有効長を伸長させるアクチュエータ群(モータ
群とボールネジ群68a,68b,68cで構成され
る)は、股関節22に近い大腿部14に配置されてい
る。
【0038】図4に示されているように、ボールネジ6
8にコントローラ200が接続されている。コントロー
ラ200は、第1計算部200a、第2計算部200
b、第3計算部200cを有している。コントローラ2
00には、ロボット10の動き全体を制御している別の
コントローラ(図示省略)から、足首関節26の回転角
と各ワイヤ66a、66b、66cの張力を指示する信
号が入力される。コントローラ200の第1計算部20
0aは、足首関節26の回転角を入力された値とする各
ワイヤ66a、66b、66cの有効長を計算する。第
2計算部200bは、張力が入力された値となるための
各ワイヤ66a、66b、66cの伸び長さを計算す
る。第3計算部200cは、第1計算部200aと第2
計算部200bの計算結果からボールネジ68の可動プ
レート104の作動量を計算する。計算された可動プレ
ート104の作動量はボールネジ68に出力され、この
出力に従ってボールネジ68が作動する。
【0039】図2に示されているように、下腿部42に
は下腿部42を膝関節24の回りに後方に回転させるワ
イヤ66dの一端が接続されている。ワイヤ66dは膝
関節に回転自在に配置されているプーリ64d(図1参
照)の後方を通ってボールネジ68dの可動プレート1
04に接続されている。ボールネジ68dの可動プレー
ト104はモータによって進退する。可動プレート10
4が進退すると、ワイヤ66dは引き込まれたり、緩め
られたりする。
【0040】以上によって下記の姿勢変化が実現され
る。 (1)ボールネジ68aを縮めてボールネジ68b、6
8cを緩めることで爪先が上がる。ボールネジ68aを
緩めてボールネジ68b、68cを縮めることで爪先が
下がる。 (2)ボールネジ68bを縮めてボールネジ68cを緩
めることで足部の外側が上がる。ボールネジ68bを緩
めてボールネジ68cを縮めることで内側が上がる。 (3)ボールネジ68a、68b、68cを縮めてボー
ルネジ68dを緩めることで下腿部16が前方に回転す
る。ボールネジ68a、68b、68cを緩めてボール
ネジ68dを縮めることで下腿部16が後方に回転す
る。 4本のアクチュエータと4本のワイヤで、足首関節26
のX軸回りの回転角(前記2の回転)と、足首関節26
のY軸回りの回転角(前記1の回転)と、膝関節24回
りの回転角(前記3の回転)が独立に調整できる。4本
のアクチュエータで3軸回りの回転角を調整するため
に、アクチュエータは冗長であるように見える。しかし
ながら、この冗長性を利用して回転角に関する剛性を調
整することができる。なおこの点については後記する。
【0041】膝関節24のみならず足首関節26の回転
角を調整するためのアクチュエータまでもが大腿部14
に配置されているために、この人工下肢の先端部は軽
く、股関節回りの慣性モーメントは小さい。このため
に、小さなトルクで股関節22の回りに高速に回転させ
ることができる下肢が得られる。
【0042】次に股関節22回りの回転角を調整するワ
イヤとアクチュエータを説明する。図1と図2に示すよ
うに、大腿部14の上部の所定位置には3個の円弧形状
のワイヤ終端ガイド48a,48b,48cが3箇所に
取付けられ、それぞれにワイヤ50a,50b,50c
が1本ずつ掛けられている。それぞれのワイヤ50a,
50b,50cの下端はそれぞれワイヤ終端ガイド48
a,48b,48cの下端49a,49b,49cに固
定されている。後側に取付けられたワイヤ50cの中程
にはプーリ54が配置され、プーリ54は股関節22の
Y軸よりも後方に位置している。ワイヤ50a,50
b,50cの上端はそれぞれボールネジ52a,52
b,52cの可動プレートに接続されている。ボールネ
ジ52a,52bのそれぞれの送りネジはそれぞれ図示
しないモータによって回転するために、送りネジに螺合
している可動プレートはモータの回転によって進退す
る。この結果、ワイヤ50a,50b,50cの有効長
が伸長・収縮する。なお、ボールネジ52a,52b,
52cとそのためのモータ56等は胴体部に配置されて
おり、股関節22の回りに回転する下肢の慣性モーメン
トを全く増加させない。
【0043】ボールネジ52a,52bは、股関節22
のY軸よりも前方に位置しており、収縮すると大腿部1
4を股関節22のY軸の回りに前方に回転させる。ワイ
ヤ50cを案内するプーリ54は股関節22のY軸より
も後方に位置しており、ボールネジ52cが収縮すると
大腿部14を股関節22のY軸の回りに後方に回転させ
る。なお、骨盤部28に回転自在な円板36はモータ3
8によってZ軸の回りに回転させられる。モータ38は
骨盤部28に固定されている。
【0044】ワイヤ接続点49cは股関節22のY軸よ
りも後方に位置しており、ワイヤ50cが引かれると大
腿部14は股関節22のY軸回りに後方に回転する。ワ
イヤ接続点49cは股関節22のX軸上に配置されてお
り、ワイヤ50cが引かれても大腿部14のX軸回りの
回転には影響しない。ワイヤ接続点49aは股関節22
のX軸よりも外側に位置しており、ワイヤ50aが引か
れると大腿部14は股関節22のX軸回りに回転して大
腿部14を開ける。ワイヤ接続点49bは股関節22の
X軸よりも内側に位置しており、ワイヤ50bが引かれ
ると大腿部14は股関節22のX軸回りに回転して大腿
部14を閉じる。大腿部14を閉じる場合には、ワイヤ
50bを引くと同時にワイヤ50aを緩めて大腿部14
が閉じることを許容する。同様に、大腿部14を開ける
場合には、ワイヤ50aを引くと同時にワイヤ50bを
緩めて大腿部14が開くことを許容する。大腿部14を
股関節22のX軸回りに回転させる場合にはワイヤ50
cを操作する必要はない。ワイヤ50a,50bを同時
に引くと大腿部14は股関節22のY軸回りに前方に回
転して大腿部14を持ち上げる。この場合には、ワイヤ
50cを緩めて大腿部14が前方に回転するのを許容す
る。ワイヤ50cを引いて大腿部14を後方に回転させ
る場合には、同時にワイヤ50a,50bを緩めて大腿
部が下がるのを許容する。
【0045】以上によって股関節22は下記のように調
整される。 (1)ボールネジ52cを縮めてボールネジ52a,5
2bを緩めることで大腿部14は後方に回転する。ボー
ルネジ52cを緩めてボールネジ52a、52bを縮め
ることで大腿部14が前方に回転する。大腿部14を前
方に持ち上げるには大きなトルクが必要とされるのに対
し、後方に下げるには大きなトルクが要らない。大きな
トルクが必要とされる側に2本のアクチュエータと2本
のワイヤが利用され、小さな力しか必要とされない側に
1本のアクチュエータと1本のワイヤが利用されてい
る。 (2)ボールネジ52aを縮めてボールネジ52bを緩
めることで大腿部14が外向きに持ち上げられる。ボー
ルネジ52aを緩めてボールネジ52bを縮めることで
大腿部14が閉じる。 3本のアクチュエータと3本のワイヤで、股関節22の
X軸回りの回転角(前記2の回転)と、股関節22のY
軸回りの回転角(前記1の回転)が独立に調整できる。
【0046】股関節22の回りに大腿部14を動かすた
めのアクチュエータは胴体側に配置されているために、
大腿部14を動かす際にはアクチュエータごとに動かす
必要がない。股関節22回りの慣性モーメントは小さ
い。このために、小さなトルクで股関節22の回りに下
肢を高速に回転させることができる。
【0047】図3に明瞭に示されている3本のワイヤ6
6a,66b,66cの中間部には、図12、図13に
示すバネ140が挿入されている。バネ140はバネ鋼
で形成されており、平板部122と一対のフランジ12
6,126ともう一対のフランジ対130,130を備
えている。フランジ対126,126間にはシャフト1
28が差し渡され、フランジ対130,130間にはシ
ャフト132が差し渡されている。平板部122には、
シャフト128,132と平行に伸びる峰部124が形
成されている。ワイヤ66は、屈曲しながら、シャフト
128の下方、峰部124の上方、シャフト132の下
方を通過している。図14に示されるように、ワイヤ6
6が強く引かれると、バネ鋼製の平板部122が撓んで
ワイヤ66は引き伸ばされる。
【0048】上記のバネ140がワイヤに挿入されてい
るために、ボールネジによってワイヤ張力を調整するこ
とができる。図1において、ボールネジ68bの引き込
み量とボールネジ68cの引き込み量が等しく、足部1
8はX軸回りに下腿部16のシャフト42に直角に調整
されているとする。この状態から、ボールネジ68bと
ボールネジ68cを同一速度でさらに引き込むとする。
この場合、ワイヤ66bとワイヤ66cは同一速度で引
き込まれるために、足部18はX軸の回りに回転しな
い。しかしながら、ワイヤ66bとワイヤ66cが引き
込まれるのに応じて、図14に示すように、バネ140
が変形し、ワイヤ66bとワイヤ66cの張力は増大す
る。即ち、このロボットは、2本のワイヤの一方を引い
て時計方向に回転させ、他方のワイヤを引いて反時計方
向に回転させる方式であるために、両方のワイヤを同時
に引き込むことによって、回転角を変えないで、ワイヤ
張力のみを増大させることができる。同様に、両方のワ
イヤを同時に緩めることによって、回転角を変えない
で、ワイヤ張力のみを減少させることができる。
【0049】ワイヤ張力は関節回りの回転角の剛性を決
定する。例えば、図1の足部18が地面に接地する場
合、両ワイヤの張力が弱くて剛性が低ければ、接地した
地面が足部の左側で高くて右側で低い場合に、足部18
の右側を引き上げているワイヤが伸びて足部18が地面
の傾斜に倣って傾斜して足部18の全体が接地する。剛
性が低ければ外部事象に柔軟に追従する。一方におい
て、片側の足部18が空中にある場合、その空中姿勢に
調整する両ワイヤの張力が弱くて剛性が低ければ、ロボ
ットにわずかな外力が作用することでワイヤが伸びるた
めに空中姿勢が不安定となる。姿勢を安定させるために
は、剛性が高い方が好ましい。剛性が高い状態の方が、
ボールネジの動きと関節回りの回転角が良く一致し、関
節回りに高速で回転ないし動作させることができる。
【0050】この実施例のロボットは、2本のワイヤの
うちの一方を引いて時計方向に回転させ、他方のワイヤ
を引いて反時計方向に回転させる方式(プルプル方式)
であり、しかも、ワイヤの中間部に、張力に比例して伸
びるバネを挿入しているために、ロボット姿勢とは独立
に剛性を調整できる。柔軟に追従することが必要なと時
には低剛性とし、姿勢を安定させることが必要な時には
高剛性に調整することができる。
【0051】プルプル方式と非線形バネとによって、関
節回りの剛性を調整できる理由を、図21、図22を参
照しながら説明する。なお、この説明では、2本のワイ
ヤによって足部がY軸回りに回転する簡単な例を取り上
げて説明する。図21は、このような構成を模式的に図
示したものである。図21に示されているように、足部
302は円筒状のプーリ303と一体化されている。プ
ーリ303は、Y軸303cの回りに回転可能に軸支さ
れている。前方ワイヤ304と後方ワイヤ306はプー
リ303に巻き付けられ、それぞれの一端はワイヤ接続
点303a、303bでプーリ303に接続されてい
る。前方ワイヤ304と後方ワイヤ306の他端は、そ
れぞれ前方アクチュエータ312と後方アクチュエータ
314に接続されている。前方アクチュエータ312と
後方アクチュエータ314は、固定部材322、324
に固定されている。アクチュエータ312、314は、
ワイヤ304、306を引き込んだり、緩めたりする。
ワイヤ304、306の途中には、前方非線形バネ30
5と後方非線形バネ307が装着されている。
【0052】図22は、前方非線形バネ305と後方非
線形バネ307のバネ特性を示すグラフである。縦軸
(y軸)はバネ力を示し、横軸(x軸)はバネの伸び量
を示している。y軸の右側のカーブが後方非線形バネ3
07のバネ特性を表し、y軸の左側が前方非線形バネ3
05のバネ特性を表している。図22から明らかなよう
に、前方非線形バネ305と後方非線形バネ307のバ
ネ特性は、その伸びが大きくなると急にバネ力が大きく
なる(カーブの傾斜が急になる)非線形性を有してい
る。すなわちフックの法則には従わない。図22を用い
て、足部302の回転軸303c回りの剛性が調整され
る様子を具体的に説明する。例えば、バネ305、30
7の伸び量がゼロで足部302の角度が所定位置に調整
されたときのアクチュエータ312、314の作動量か
らアクチュエータ312、314がさらにA(mm)ず
つ引き込まれとする。するとバネ305、307が伸
び、B(kg)のバネ力が発生する(点D、点F参
照)。ワイヤ張力はB(kg)に調整される。前方ワイ
ヤ304と後方ワイヤ306の張力は等しいので、足部
302は回転せず、調整された位置を保つ。この状態で
足部302に時計方向のモーメントを加えて回転させ、
後方バネ307がC(mm)伸びたとする(点D→点
E)。一方、後方バネ307がC(mm)伸びると、こ
れと等しい量(C(mm))前方バネ305は縮む(点
F→点G)。従って、足部302を回転させてバネ(3
05、307)をC(mm)伸縮させるのには、点Eと
点Gのバネ力の差であるH(kg)の力をプーリ303
に加える必要がある。
【0053】アクチュエータ312、314がさらに大
きくJ(mm)ずつ引き込まれたとする(点L、点
M)。このときにバネ305、307が発生するバネ力
はK(kg)である。この場合でも、ワイヤ304、3
06の張力は等しいので、足部302は回転せずにその
ままの位置を保つ。この状態で足部302に時計方向の
モーメントが加わって、後方バネ307がC(mm)伸
びたとする(点L→点N)。前方バネ305はC(m
m)縮む(点M→点P)。従って、足部302を回転さ
せてバネ307、305をC(mm)伸縮させるのに
は、点Nと点Pのバネ力の差であるQ(kg)の力をプ
ーリ303に加える必要がある。
【0054】アクチュエータ312、314がA(m
m)引き込まれて実現された張力Bの状態からバネ30
7、305をC(mm)伸縮させるのに必要な力は、H
(kg)である。アクチュエータ312、314がJ
(mm)引き込まれて実現された張力Kの状態からバネ
307、305をC(mm)伸縮させるのに必要な力
は、Q(kg)である。明らかにQ(kg)の方が、H
(kg)よりも大きい。すなわち、アクチュエータ31
2、314を大きく引き込んで、大きな張力をワイヤ3
04、306に発生させているときの方が、足部302
の剛性(足部302を所定角回転させるに要するY軸回
りの回転モーメント)は高くなる。アクチュエータ31
2、314がワイヤ304、306を引き込む量を変化
させることによって、足部302の剛性を調整すること
ができる。プルプル方式と非線形バネ組合せて用いる
と、関節の回転角と独立に、剛性を調整することができ
る。
【0055】図22のバネ特性グラフの傾斜角が剛性に
比例する。そこで、その傾斜角が意図した剛性に相当す
るバネの伸び量を求め、その伸び量を与えることで、意
図した剛性に調整することができる。ロボットの姿勢に
かかわらず、回転中心からワイヤにおろした垂線の長
さ、即ちモーメントの腕の長さがほぼ一定であれば、剛
性から張力ないし伸び量を決定することができる。しか
しながら、回転中心からワイヤにおろした垂線の長さ、
即ちモーメントの腕の長さが変化する場合には、剛性か
ら張力を決定するまでの間にモーメントの腕の長さを考
慮しなければならない。例えば、ともにワイヤ張力が1
kgであるとする。このとき、回転中心からその1kg
の張力の作用点までの長さが10cm(ケース1)と2
0cm(ケース2)とする。このとき、ケース2の方が
モーメントの腕の長さが長く、モーメントも大きい。ケ
ース2の方が、同じ張力でありながら、外力に抗して関
節回転角を所定値に維持する程度は強い。剛性は、張力
とモーメントの腕の長さによって決まる。コントローラ
の第2計算部が、剛性が指定されたときに、指定された
剛性とそのときのモーメントの腕の長さから指定された
剛性に調整するのに必要な張力を計算し、次いで、その
張力に調整するのに必要なワイヤの伸びの長さを計算す
ると、ロボットの姿勢によらないで関節回りの柔軟性を
指定された剛性に調整することができる。
【0056】本発明を首関節に具現化した第2の実施例
を図15〜図20を参照して説明する。図15はロボッ
トの首関節の構造を説明するための図であり、図16〜
図20は頭部の動きを説明する図である。
【0057】図15は首関節80の構造を説明するため
にデフォルメした図であり、実際の形状や寸法とは必ず
しも一致しない。首関節80は、頭部82と胴体部20
の鎖骨部84とを接続している。頭部82の下部には円
筒形状のフランジ86が下方に伸びており、このフラン
ジ86はZ軸方向に伸びる軸孔86aを有している。頭
部82の下方には短いシャフト88が位置し、その上部
には軸90が上方に伸びている。頭部82のフランジ8
6の軸孔86aにはシャフト88の軸90が挿入され、
頭部82はシャフト88によってZ軸回りに回転可能で
ある。
【0058】このシャフト88の下部にはX軸方向に平
行に並んだ2つのフランジ92が下方に伸びている。ま
た、鎖骨部84の上面にはY軸方向に平行に並んだ2つ
のフランジ94が上方に伸びている。これらシャフト8
8のフランジ92と鎖骨部84のフランジ94は十字型
自在継手96によって接続されてユニバーサルジョイン
トの形態を成しており、シャフト88は鎖骨部84に対
してX軸回りとY軸回りに相互に独立に回転可能に接続
されている。即ち、首関節80はX軸回りとY軸回りと
Z軸回りに相互に独立に回転可能に接続されており、
X,Y,Z軸のそれぞれについて自由度を持つ。
【0059】頭部82と胴体部84の間には、頭部82
をX、Y,Z軸の3軸の回りに回転させるために、4本
のワイヤ96a,96b,96c,96dが張られてい
る。4本のワイヤ96a,96b,96c,96dのそ
れぞれの上端は、頭部82の下部に取付けられた図示し
ない4つのワイヤ終端ガイドにガイドされ、ワイヤ接続
点98a,98b,98c,98dに固定されている。
鎖骨部84のフランジ94の両外側にはフランジ94に
平行に長穴84a,84bが設けられている。鎖骨部8
4の下方には、図示しない4つのプーリが配されてい
る。ワイヤ96a,96bは長穴84aを貫通して鎖骨
部84の下方へ抜け、それぞれが別のプーリに巻き付け
られている。ワイヤ96c,96dは長穴84bをそれ
ぞれ貫通して鎖骨部84の下方へ抜け、それぞれが別の
プーリに巻き付けられている。これらのワイヤ96a,
96b,96c,96dの下端は図示しないアクチュエ
ータに接続され、第1実施例と同様な機構によりワイヤ
の有効長が伸長・収縮する。なお、モータでプーリを回
転させてそのプーリにワイヤを巻き込むことでワイヤの
有効長を増減しても良い。ワイヤ接続点98a,98
b,98c,98dのうち、98a,98bはX軸の右
側にあり、98c,98dはX軸の左側にある。98
b,98cはY軸の後方にあり、98a,98dはY軸
の前側にある。ワイヤ接続点98a,98b,98c,
98dは、X軸とY軸のそれぞれの両側に分布してい
る。
【0060】次にワイヤの有効長の伸長・収縮による頭
部82の動きについて説明する。図16〜20は頭部8
2の動きを説明するための模式図であり、図16、17
はX軸回りの回転を説明するための図であり、図18,
19はY軸回りの回転を説明するための図であり、図2
0はZ軸回りの回転を説明するための図である。図1
6、18、20は頭部82の平面図であり、図17は頭
部82の背面図であり、図19は頭部82の左側面図で
ある。ワイヤ96a,96b,96c,96dの終端は
ワイヤ終端ガイドの図示を省略し、ワイヤ接続点98
a,98b,98c,98dのみで示してある。図16
から明らかに、Z軸の回りに順に時計方向に接続点98
a,98b,98c,98dを見たときに、ワイヤ群
は、接続点98aでは時計方向のモーメントを加え、接
続点98bでは反時計方向のモーメントを加え、接続点
98cでは時計方向のモーメントを加え、接続点98d
では反時計方向のモーメントを加える。即ち、ワイヤ群
96a,96b,96c,96dは、Z軸回りのモーメ
ントが交互に反転する向きに引張られている。
【0061】図16,17は、ワイヤ接続点98a,9
8bに接続されているワイヤ96a,96bの有効長を
等しく収縮させ、ワイヤ接続点98c,98dに接続さ
れているワイヤ96c,96dの有効長を等しく伸長さ
せた場合を示している。このとき、頭部82は図17の
破線で示すようにX軸の回りに矢印の方向に回転する。
また、ワイヤの有効長の伸長・収縮を逆にすると、頭部
82は矢印と逆方向に回転する。即ち、このようにワイ
ヤ有効長の伸長・収縮を調整すると、頭部82をX軸の
回りに自在に回転させることができる。
【0062】図18,19は、ワイヤ接続点98a,9
8dに接続されているワイヤ96a,96dの有効長を
等しく伸長させ、ワイヤ接続点98b,98cに接続さ
れているワイヤ96b,96cの有効長を等しく収縮さ
せた場合を示している。このとき、頭部82は図19の
破線で示すようにY軸の回りに矢印の方向に回転する。
また、ワイヤの有効長の伸長・収縮を逆にすると、頭部
82は矢印と逆方向に回転する。即ち、このようにワイ
ヤ有効長の伸長・収縮を調整すると、頭部82をY軸の
回りに自在に回転させることができる。
【0063】図20は、ワイヤ接続点98a,98cに
接続されているワイヤ96a,96cの有効長を等しく
伸長させ、ワイヤ接続点98b,98dに接続されてい
て反時計方向のモーメントを与えるワイヤ96b,96
dの有効長を等しく収縮させた場合を示している。この
とき、頭部82は図20の破線で示すように、Z軸の回
りに反時計方向に回転する。また、ワイヤの有効長の伸
長・収縮を逆にすると、頭部82は時計方向に回転す
る。即ち、このようにワイヤ有効長の伸長・収縮を調整
すると、頭部82をZ軸の回りに自在に回転させること
ができる。
【0064】また、図示はしないが、頭部82を次のよ
うに動かすことも可能である。図20のように、ワイヤ
96a,96cの有効長を伸長させ、ワイヤ96b,9
6dの有効長を収縮させるとき、ワイヤ96aの伸長量
とワイヤ96dの収縮量を等しく減少させ、ワイヤ96
cの伸長量とワイヤ96bの収縮量を等しく増加させ、
これらの伸長量・収縮量の増減量を等しくすると、Z軸
回りに矢印の方向に回転して頭部が左側を向き、且つ、
図17のようにX軸回りに矢印の方向に回転して左側が
上がる。更に、ワイヤ96aの伸長量とワイヤ96bの
収縮量を等しく増加させ、ワイヤ96cの伸長量とワイ
ヤ96dの収縮量を等しく減少させ、これらの伸長量・
収縮量の増減量を等しくすると、図19のようにY軸回
りに矢印の方向にも回転して前側も上がる。即ち、この
ようにワイヤ有効長の伸長・収縮を調整すると、頭部8
2をX軸についてもY軸についてもZ軸についても自在
に回転させることができる。X,Y,Zの3軸に対して
4本のワイヤ、即ち、軸数+1本のワイヤを用いること
によって、X,Y,Z軸について互いに独立に回転角を
調整することが可能である。
【0065】本発明のロボットはワイヤ駆動であり、各
関節にアクチュエータを実装する必要がない。アクチュ
エータを関節から離れた位置に実装することができるた
め、関節を小型化、軽量化することができ、アクチュエ
ータの実装位置の自由度が上がる。また、本発明の場
合、ワイヤ数は2軸の関節に対しては3本、3軸の関節
に対しては4本、即ち、1関節に対して軸数+1本でよ
い。必要とするワイヤ数とアクチュエータ数が少数化す
るため、四肢等のスリム化や軽量化が図れる。これらの
ことにより、必要とする動力を小さくすることができる
ため、末端側部材の動きを高速化することができ、外観
的にも動作的にも人間や動物に類似したロボットを実現
することが可能となる。
【0066】以上、本発明の具体例を詳細に説明した
が、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定する
ものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上
に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれ
る。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、
単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性
を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせ
に限定されるものではない。また、本明細書または図面
に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであ
り、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的
有用性を持つものである。
【0067】従って、例えば、以下に記載するように構
成することもできる。 (1)アクチュエータ群は大腿部に配置されることに限
られるものではない。例えば、上肢の上腕部にアクチュ
エータ群を配置し、個々のアクチュエータが動作して上
腕に対して前腕が回転されたり、前腕に対して手部が回
転されたりするように構成することができる。
【0068】(2)上述したボールネジのコントローラ
は、関節の回転角と張力とが入力されているが、張力に
代えて関節の剛性を入力するように構成してもよい。こ
のような構成では、コントローラは、関節の回転角から
末端側部材(例えば、足部)の回転中心とワイヤの接続
点との間のモーメントアームを計算し、このモーメント
アームから関節が所望の剛性となるワイヤの張力を計算
する。そして、ワイヤの張力を計算された値とするボー
ルネジの作動量がボールネジに出力される。モーメント
アームが末端側部材の回転にともなって大きく変化する
構成(ワイヤ終端ガイドが存在しないような構成)にお
いては、上記のように張力に代えて剛性をコントローラ
に入力し、これを計算処理することにより、関節の剛性
をより正確にコントロールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例のロボットの両下肢の正面図。
【図2】 同ロボットの左下肢の側面図。
【図3】 同ロボットの足首関節の構造を説明するため
の図。
【図4】 同ロボットのボールネジの詳細を説明する
図。
【図5】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図6】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図7】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図8】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図9】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図10】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図11】 従来のワイヤ駆動のロボットの足部の動き
を説明する図。
【図12】 本実施例のロボットの足部の動きを説明す
る図。
【図13】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図14】 同ロボットの足部の動きを説明する図。
【図15】 本実施例のロボットの首関節の構造を説明
するための図。
【図16】 同ロボットの頭部の動きを説明する図。
【図17】 同ロボットの頭部の動きを説明する図。
【図18】 同ロボットの頭部の動きを説明する図。
【図19】 同ロボットの頭部の動きを説明する図。
【図20】 同ロボットの頭部の動きを説明する図。
【図21】 ロボットの関節の剛性を説明する図。
【図22】 ロボットの関節の剛性を説明するグラフ。
【符号の説明】
10:ロボット 12:下肢部 14:大腿部 16:下腿部 18:足部 20:胴体部 22:股関節 24:膝関節 26:足首関節 28:骨盤部 30:シャフト 32:ユニバーサルジョイント 34:ベアリング 36:円板 38:アクチュエータ 40:フランジ 42:シャフト 44:フランジ 46:軸 48a,48b,48c:ワイヤ終端ガイド 49a,49b,49c:ワイヤ接続点 50a,50b,50c:ワイヤ 52a,52b,52c:ボールネジ 54:プーリ 56:アクチュエータ 58:フランジ 60:フランジ 62:十字型自在継手 64a,64b,64c,64d:プーリ 66a,66b,66c,66d:ワイヤ 68a,68b,68c,68d:ボールネジ 70a,70b,70c:ワイヤ終端ガイド 72a,72b,72c:ワイヤ接続点 80:首関節 82:頭部 84:鎖骨部 84a,84b:長穴 86:フランジ 86a:軸孔 88:シャフト 90:軸 92:フランジ 94:フランジ 96a,96b,96c,96d:ワイヤ 98a,98b,98c,98d:ワイヤ接続点 102:フランジ 104:可動プレート 106:フランジ 108:案内ロッド 110:案内ロッド 112:案内ロッド 114:モータ 116:ギヤ 118:ギヤ 120:送りネジ 122:平板部 124:峰部 126:フランジ 128:シャフト 130:フランジ 132:シャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 博允 東京都文京区本郷7丁目3番1号 東京大 学内 (72)発明者 川瀬 昌男 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 津坂 祐司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 2C150 BA08 CA01 CA02 CA04 DA04 DA05 DA24 DA26 DA27 DA28 EB01 EC03 EC15 EC25 EC29 ED10 ED11 ED39 ED42 ED52 EF07 EF09 EF16 EF17 EF22 EF23 EF29 EF33 EF36 3C007 CS08 CY40 HS27 HT04 HT20 WA02 WA13 WA14 WC24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大腿部と、その大腿部に膝関節を介して
    接続された下腿部と、その下腿部に足首関節を介して接
    続された足部と、大腿部に対して下腿部を回転させるア
    クチュエータと、下腿部に対して足部を回転させるアク
    チュエータとを備え、前記アクチュエータ群が大腿部に
    取付けられているロボット。
  2. 【請求項2】 下腿部用アクチュエータと下腿部がワイ
    ヤで接続され、足部用アクチュエータと足部が膝関節周
    縁を通過するワイヤで接続されている請求項1のロボッ
    ト。
  3. 【請求項3】 下腿部用アクチュエータと下腿部がワイ
    ヤで接続されて下腿部が後方に引かれ、第1の足部用ア
    クチュエータと足部の前部が膝関節前側を通過する別の
    第1ワイヤで接続されて足部の前部が上方に引かれ、第
    2の足部用アクチュエータと足部の後部が膝関節前側を
    通過する別の第2ワイヤで接続されて足部の後部が上方
    に引かれ、第1と第2の足部用アクチュエータで第1と
    第2ワイヤを共に引くことで下腿部が前方に引かれる請
    求項1のロボット。
  4. 【請求項4】 下腿部用アクチュエータと下腿部がワイ
    ヤで接続されて下腿部が後方に引かれ、第1の足部用ア
    クチュエータと足部の前部が膝関節前側を通過する別の
    第1ワイヤで接続されて足部の前部が上方に引かれ、第
    2の足部用アクチュエータと足部の後部外側が膝関節前
    側を通過する別の第2ワイヤで接続されて足部の後部外
    側が上方に引かれ、第3の足部用アクチュエータと足部
    の後部内側が膝関節前側を通過する別の第3ワイヤで接
    続されて足部の後部内側が上方に引かれ、第2と第3の
    足部用アクチュエータで第2と第3ワイヤを共に引くこ
    とで足部の後部が上方に引かれ、第1と第2と第3の足
    部用アクチュエータで第1と第2と第3のワイヤを共に
    引くことで下腿部が前方に引かれる請求項1のロボッ
    ト。
  5. 【請求項5】 下腿部用アクチュエータと下腿部がワイ
    ヤで接続されて下腿部が後方に引かれ、第1の足部用ア
    クチュエータと足部の前部外側が膝関節前側を通過する
    別の第1ワイヤで接続されて足部の前部外側が上方に引
    かれ、第2の足部用アクチュエータと足部の前部内側が
    膝関節前側を通過する別の第2ワイヤで接続されて足部
    の前部内側が上方に引かれ、第3の足部用アクチュエー
    タと足部の後部が膝関節前側を通過する別の第3ワイヤ
    で接続されて足部の後部が上方に引かれ、第1と第2の
    足部用アクチュエータで第1と第2ワイヤを共に引くこ
    とで足部の前部が上方に引かれ、第1と第2と第3の足
    部用アクチュエータで第1と第2と第3のワイヤを共に
    引くことで下腿部が前方に引かれる請求項1のロボッ
    ト。
  6. 【請求項6】 上腕部と、その上腕部に肘関節を介して
    接続された前腕部と、その前腕部に手首関節を介して接
    続された手部と、上腕部に対して前腕部を回転させるア
    クチュエータと、前腕部に対して手部を回転させるアク
    チュエータとを備え、前記アクチュエータ群が上腕部に
    固定されているロボット。
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