JP2003333697A - 信号補間装置及びその補間方法 - Google Patents

信号補間装置及びその補間方法

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JP2003333697A
JP2003333697A JP2002136343A JP2002136343A JP2003333697A JP 2003333697 A JP2003333697 A JP 2003333697A JP 2002136343 A JP2002136343 A JP 2002136343A JP 2002136343 A JP2002136343 A JP 2002136343A JP 2003333697 A JP2003333697 A JP 2003333697A
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signal
arrival
signals
impulse response
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Mitsuo Matsumoto
光雄 松本
Mikio Higashiyama
三樹夫 東山
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Tama TLO Co Ltd
Original Assignee
Tama TLO Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インパルス応答の推定処理において、到来信号
の時間差補正を行ったあと補間処理を行うことにより、
インパルス応答の推定をより正確に行うことができ、高
品質の音響環境をシミュレーションできる信号補間装置
及びその補間方法を提供する。 【解決手段】 異なる音源からの到来信号S1とS2に
応じて、時間差測定回路10はこれらの到来信号の到来
時間差τを測定し、当該測定結果に基づき、時間差補正
回路20は到来信号S1とS2が時間軸上揃うように補
正を行い、補間処理回路30は上記補正結果を用いて補
間処理を行い、さらに時間差調整回路40は補間結果に
対して測定された時間差τに基づき時間差調整を行い、
仮想音源からの到来信号S0を推定するので、仮想音源
に対応するインパルス応答の推定を正確に実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、所定の音
響環境において、それぞれ異なる方位角にある複数の音
源に対して視聴者の両耳のインパルス応答の時間差を測
定し、当該測定した時間差に応じて音源若しくは視聴者
の移動に伴う両耳のインパルス応答を補間処理により推
定する信号補間装置及びその補間方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】音声を発生する音源を含む実際の音響環
境では、音源若しくは視聴者の移動に伴って、音源と視
聴者の距離が変化する。その結果、視聴者の両耳に到達
する音声信号の波形が変わらず、信号の到来時間が変わ
ることが多い。このような音響環境において、例えば、
所定の数の音源に対応するインパルス応答に応じて、他
の仮想音源に対応するインパルス応答を補間処理などの
方法により推定することが一般的に行われている。この
補間処理において、波形だけではなく、到来時間の補間
も重要となってくる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これまでの
補間処理では、複数の音源に対するインパルス応答に基
づいて、線形処理によって仮想音源のインパルス応答を
推定する。このとき、補間されるインパルス応答の到達
時間差は、補間に用いられるインパルス応答の時間軸に
ついての補間からではなく、振幅の補間から決定される
ため、正確に求められなかった。また、補間に用いられ
るインパルス応答を最小位相成分のみからなるインパル
ス応答に変換したあと、元の信号との共分散(Covarian
ce)が最大となる遅延時間を近似的な到来時間として、
その時間を用いて補間されるインパルス応答の到来時間
を求める方法も提案されていたが、この方法では近似的
な到来時間から間接にしか求められないという不利益が
ある。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、インパルス応答の推定処理にお
いて、到来信号の時間差補正を行ったあと補間処理を行
うことにより、インパルス応答の推定をより正確に行う
ことができ、仮想音源をよりリアルに表現でき、高品質
の音響環境をシミュレーションできる信号補間装置及び
その補間方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の信号補間装置は、測定点から異なる距離を
離れた第1と第2の位置から発信された信号が、上記測
定点に到達した第1と第2の到来信号の到来時間差を測
定する時間差測定手段と、上記時間差測定手段によって
測定した時間差に応じて、上記測定点で測定された上記
第1と第2の到来信号が時間軸上揃うように補正する時
間差補正手段と、上記時間差補正手段によって補正され
た上記第1と第2の到来信号に応じて補間処理を行い、
上記第1と第2の位置と異なる第3の位置からの到来信
号を推定する補間処理手段とを有する。
【0006】また、本発明では、好適には、上記第1と
第2の位置が上記測定点に対して異なる方位角に配置さ
れ、上記第3の位置が上記第1と第2の位置の間に配置
されている。
【0007】また、本発明では、好適には、上記時間差
測定手段は、上記第1と第2の到来信号の相互相関関数
を演算する相関演算手段と、上記相関演算手段によって
算出した上記相互相関関数の最大値の位置に応じて、上
記第1と第2の到来信号の時間差を計算する時間差計算
手段とを有する。
【0008】また、本発明では、好適には、上記時間差
測定手段は、上記第1と第2の到来信号の一方を所定の
時間差で順次ずらしながら、他方の信号との差の二乗値
の和を計算する二乗差演算手段と、上記二乗差演算手段
によって算出した結果の最小値の位置に応じて、上記第
1と第2の到来信号の時間差を計算する時間差計算手段
とを有する。
【0009】また、本発明では、好適には、上記補間処
理手段は、上記時間差補正手段によって補正された上記
第1と第2の到来信号を用いて、線形補間処理によって
上記第3の位置からの到来信号を推定する。
【0010】また、本発明では、好適には、上記補間処
理手段は、上記時間差補正手段によって補正された上記
第1と第2の到来信号を周波数領域に変換する変換手段
と、上記変換手段によって周波数領域に変換された信号
の帯域を変換し、帯域変換された信号を時間領域逆変換
し、当該逆変換の結果に応じて上記第3の位置からの到
来信号を推定する推定手段とを有する。
【0011】また、本発明では、好適には、上記補間処
理手段は、上記時間差補正手段によって補正された上記
第1と第2の到来信号に応じて、所定の補間関数を用い
て上記第3の位置からの到来信号を推定する。
【0012】また、本発明では、好適には、上記補間処
理手段によって補間処理された上記第3の位置からの到
来信号に対して、上記時間差測定手段によって測定され
た上記第1と第2の到来信号の時間差に応じて、到来時
間差の補正を行う補正手段をさらに有する。
【0013】また、本発明の信号補間方法は、測定点か
ら異なる距離を離れた第1と第2の位置から発信された
信号が、上記測定点に到達した第1と第2の到来信号の
到来時間差を測定するステップと、上記測定した時間差
に応じて、上記測定点で測定された上記第1と第2の到
来信号が時間軸上揃うように補正するステップと、上記
時間差が補正された上記第1と第2の到来信号に応じて
補間処理を行い、上記第1と第2の位置と異なる第3の
位置からの到来信号を推定するステップとを有する。
【0014】また、本発明では、好適には、上記補間処
理された上記第3の位置からの到来信号に対して、上記
測定された上記第1と第2の到来信号の時間差に応じ
て、到来時間差の補正を行うステップをさらに有する。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る信号補間装置
の一実施形態を示すブロック図である。図示のように、
本実施形態の信号補間装置100は、時間差測定回路1
0、時間差補正回路20、補間処理回路30及び時間差
調整回路40によって構成されている。
【0016】本実施形態の信号補間装置100は、例え
ば、所定の音響環境の中異なる音源P1とP2からの到
来信号S1とS2を受信し、受信したこれらの到来信号
に応じて、音源P1とP2以外の仮想音源P0からの到
来信号S0を補間処理によって推定する。
【0017】時間差測定回路10は、音源P1とP2か
らの到来信号S1とS2の到来時間差τを測定し、測定
結果を時間差補正回路20及び時間差調整回路40にそ
れぞれ供給する。時間差補正回路20は、時間差測定回
路10によって測定された到来時間差τに応じて、到来
信号S1とS2が時間軸上揃うように時間差を補正す
る。補間処理回路30は、時間差補正回路20によって
到来時間差が補正された2つの到来信号に対して、所定
の補間処理方法で補間処理を施し、音源P1及びP2と
異なる仮想音源P0からの到来信号S0を推定する。時
間差調整回路40は、補間処理回路30によって推定さ
れた到来信号S0に対して、時間差測定回路10によっ
て測定した時間差τに基づいて時間差を補正する。時間
差補正の結果、推定信号S0’を出力する。
【0018】本実施形態の応用例として、例えば、所定
の音響環境における視聴者の両耳のインパルス応答の測
定に用いることができる。図2は、両耳のインパルス応
答を測定するとき、所定の音響環境において音源と視聴
者の空間配置を示す図である。図示のように、音源Pは
空間の所定の位置に配置されている。視聴者は、音源か
ら一定の距離を離れた位置にある。
【0019】図2に示す音響環境において、音源Pに対
して視聴者の両耳それぞれのインパルス応答hl (t)
及びhr (t)を求めることができる。さらに、音源P
が空間において異なる位置に配置される場合、それぞれ
の位置に対して視聴者の両耳のインパルス応答を求める
ことができる。ここで、2次元空間における視聴者の両
耳インパルス応答について考える。この場合、視聴者と
音源は同一の平面上にある。視聴者の両耳インパルス応
答は、この平面上あるゆる方位角に対して求めることが
できる。こうして求められた視聴者の両耳インパルス応
答は、音響環境を高品質で表現する場合に利用される。
例えば、音響環境において有限の数の音源を用いなが
ら、仮想現実感を視聴者に与えたり、空間に仮想の音源
を作ったり、移動する音源を仮想的に発生するために利
用することができる。
【0020】図3は、平面上において、視聴者の両耳イ
ンパルス応答を求めるときの一例を示している。図示の
ように、この場合、視聴者の頭部中心軸を中心とした円
弧上に音源を配置し、音源によって所定の音声信号を発
生しながら、それぞれの位置に対して視聴者の両耳イン
パルス応答が測定される。
【0021】図3において、例えば、視聴者の正面の方
位角を0°として、時計廻りに方位角が増加する方向と
すると、視聴者の右側は方位角90°にあたり、また、
視聴者の後ろ方向は、方位角180°にあたる。図3に
示す平面において、音源Pの方位角を変えながら、各方
位角に対して視聴者の両耳インパルス応答を測定するこ
とにより、平面上における全方位の両耳インパルス応答
が求められる。
【0022】しかし、実際の測定においては、方位角を
細かい刻みで変えながら、あらゆる方位角において視聴
者の両耳インパルス応答を逐次測定することは、場合に
よって大変困難な作業である。このため、所定の間隔で
方位角度を変えて音源を設置し、各位置に対して視聴者
の両耳インパルス応答を測定し、そして、測定した方位
角以外の角度における両耳インパルス応答を、補間処
理、例えば内挿法によって推定することできる。これに
よって、少ない測定値からより多くのインパルス応答を
求めることができる。
【0023】例えば、図3において、方位角0°と15
°における両耳インパルス応答をそれぞれ測定し、例え
ば、方位角0°においてインパルス応答hi (t)が得
られ、方位角15°においてインパルス応答hK (t)
が得られるとすると、方位角0°と15°の間の任意の
角度aj におけるインパルス応答hj (t)が補間処理
によって求められる。
【0024】本発明の信号補間装置100では、線形補
間、離散フーリエ変換(DFT)による補間、及びスプ
ライン補間の3つの方法が取り入れられている。そし
て、補間処理の前に、それぞれの方位角におけるインパ
ルス応答の到来時間差を測定し、測定結果に基づきイン
パルス応答の時間差を補正し、時間差の補正を施したイ
ンパルス応答を用いて補間処理を行うことにより、より
正確な補間処理を実現できる。以下、到来時間差の測定
及び到来時間差の補正について説明し、そして、時間差
補正後のインパルス応答を用いた補間処理について説明
する。
【0025】到来時間差の測定方法 図3に示すように、音源Pは、視聴者の頭部を中心とし
た円弧上に配置されている。このため、方位角の異なる
位置にある音源に対するインパルス応答は、音源と視聴
者の耳との間の音声の伝搬経路の距離差によって、視聴
者の耳に到達する到来時間も異なる。本発明の信号補正
装置において、図1に示す時間差測定回路10におい
て、この到来時間差τを測定し、そして、時間差補正回
路20において、測定した到来時間差τに基づき異なる
方位角からの到来信号の到来時間差を補正し、補正結果
を補間処理回路30に供給する。
【0026】時間差測定回路10は、相互相関演算法及
び二乗差演算法を用いて到来時間差τを測定する。以
下、それぞれの時間差測定方法について説明する。
【0027】相互相関演算法 相互相関演算法は、2つの到来信号の相互相関関数を演
算し、そして、相互相関関数の最大値の出現位置に応じ
て到来時間差τを求める。図4は、時間差測定回路の一
構成例を示している。図示のように、本例の時間差測定
回路10aは、相互相関関数演算部11と、時間差計算
部12とによって構成されている。
【0028】相互相関関数演算部11は、2つの方位角
にある音源からの到来信号の相互相関関数を求める。時
間差計算部12は、相互相関関数演算部11によって求
められた相互相関関数の最大値を検出し、当該最大値の
位置に応じて2つの信号の到来時間差τを求める。
【0029】ここで、例えば、方位角方位角ai におけ
るインパルス応答をhi (t)とし、方位角kにおける
インパルス応答をhk (t)として、さらに、これらの
インパルス応答の時間サンプルをそれぞれhi (n)、
k (n)とする。インパルス応答hi (n)、hk
(n)との相互相関関数Rik(τ)は、次式によって計
算される。
【0030】
【数1】
【0031】図5は、インパルス応答の波形例を示して
いる。図示のように、この波形例は、方位角90°と1
05°における音源からのインパルス応答の波形を示し
ている。図6は、これらのインパルス応答に基づいて算
出される相互相関関数Rik(τ)の波形を示している。
【0032】時間差計算部12は、式(1)によって求
めた相互相関関数Rik(τ)の最大値Rmax を検出し、
当該最大値Rmax に対応する時間τを求める。この時間
τがインパルス応答hi (n)とhk (n)の時間差と
して出力する。
【0033】図6に示すように、相互相関関数R
ik(τ)は、ほぼτ=113において最大値Rmax が検
出される。これに応じて、時間差計算部12は、インパ
ルス応答h i (n)とhk (n)の時間差を113と推
定する。
【0034】二乗差演算法 次に、二乗差演算法によるインパルス応答の時間差の求
め方について説明する。二乗差演算法は、2つのインパ
ルス応答をずらしながら、それらの差の二乗和を演算
し、当該演算結果に応じて2つのインパルス応答の時間
差を計算する。
【0035】図7は、二乗差演算法を用いる時間差測定
回路の一構成例を示している。図示のように、本例の時
間差測定回路10bは、二乗差演算部15と、時間差計
算部16とによって構成されている。
【0036】二乗差演算部15は、2つの方位角にある
音源からの到来信号の時間サンプルhi (n)とhk
(n)を用いて、これらの信号をずらしながら、二乗差
関数を演算する。即ち、二乗差演算部15では、次式に
基づき2つのインパルス応答h i (n)とhk (n)を
用いて二乗差関数Dik(τ)を計算する。
【0037】
【数2】
【0038】図8は、図5に示すインパルス応答の波形
例に対して、式(2)を用いて算出される二乗差関数D
ik(τ)の波形を示している。
【0039】時間差計算部16は、式(2)によって求
めた二乗差関数Dik(τ)の最小値Dmin を検出し、当
該最小値Dmin に対応する時間τを求める。そして、こ
の時間τがインパルス応答hi (n)とhk (n)の時
間差として出力する。図8に示す二乗差関数Dik(τ)
は、ほぼτ=113において最小値Dmin が検出され
る。このため、時間差計算部16は、インパルス応答h
i (n)とhk (n)の時間差を113と推定する。
【0040】上述したように、時間差計算回路10は、
相互相関演算または二乗差演算により、2つのインパル
ス応答の時間差τを求めることができる。なお、図5に
示すインパルス応答の波形に対して、図6に示す相互相
関関数Rik(τ)の最大値R max に基づき、時間差τを
求めることができ、また、図8に示す二乗差関数D
ik(τ)の最小値Dmin に基づいても、時間差τを求め
ることができる。即ち、図5に示すインパルス応答の波
形例では、何れかの時間差計算方法でも正しく時間差τ
を計算することができる。
【0041】相互相関関数の演算処理は積和演算のた
め、インパルス応答の波形によって、相互相関関数Rik
(τ)の最大値Rmax が明確に現れにくい場合がある。
この場合、二乗差演算法では、2つの信号の差分の二乗
を計算するので、2つの信号のもつ電力の大きさに関わ
らずその下限が“0”に近づく。また、必要に応じて、
計算された二乗差関数Dik(τ)の対数値を求めること
でその最小値Dmin をさらに正確に求められる。
【0042】上述したように、時間差測定回路10にお
いて、2つのインパルス応答の相互相関関数または二乗
差関数を求め、その結果に基づき、2つのインパルス応
答の時間差τを算出できる。時間差補正回路20は、上
述したように算出した時間差τに基づき、2つのインパ
ルス応答の時間差を補正する。
【0043】時間差補正回路20における補正処理は、
2つのインパルス応答が時間軸上揃うように、算出した
時間差だけ2つのインパルス応答の一方を時間軸上移動
させる。これによって、2つのインパルス応答の時間差
が補正される。図9は、時間差補正回路20において、
時間差補正処理を行う場合の波形例を示している。図9
(a)に示すように、例えば、インパルス応答hi
(t)はh k (t)より時間τだけ遅れて到着する場
合、時間差補正回路20において、インパルス応答hi
(t)を時間軸上前方に移動させる。時間差補正の結
果、図9(b)に示すように、補正後のインパルス応答
i ’(t)とhk ’(t)が時間軸上揃えられる。
【0044】時間差補正回路20によって時間差が補正
された2つのインパルス応答hi ’(n)とhk
(n)が補間処理回路30に出力される。補間処理回路
30では、時間補正後のインパルス応答に基づき、例え
ば、内挿法などで補間処理を行い、インパルス応答hi
(n)とhk (n)に対応する方位角の間の任意の方位
角に対応するインパルス応答を計算する。
【0045】補間処理回路30における補間処理は、線
形補間法、DFTを用いた補間法及びスプライン法など
に基づいて行われる。以下、それぞれの補間法について
説明する。なお、以下の説明では、インパルス応答を時
間サンプルとして取り扱う。ここで、方位角ai におけ
るインパルス応答をhi (n)とし、方位角kにおける
インパルス応答をhk (n)とする。補間処理回路30
における補間処理は、これらのインパルス応答に基づ
き、方位角ai とak の間にある任意の方位角aj にお
けるインパルス応答hj (n)を求める。
【0046】線形補間法 線形補間法は、方位角ai とak においてそれぞれ測定
したインパルス応答を用いて、線形演算により方位角a
i とak の間にある方位角aj におけるインパルス応答
を計算する。
【0047】具体的に、補間処理装置30は、次式によ
り、方位角ai とak においてそれぞれ測定したインパ
ルス応答hi (n)とhk (n)に基づき、方位角aj
におけるインパルス応答hj (n)を演算する。
【0048】
【数3】 hj (n)=(ahk (n)+bhi (n))/(a+b) …(3)
【0049】式(3)において、aは方位角ai とaj
との間の角度を示し、bは方位角a j とak との間の角
度を示す。
【0050】DFTを用いた補間法 図10は、DFTを用いた補間処理の方法を示してい
る。図10において、行列Hの各列は、所定の角度間隔
で測定したインパルス応答の時間サンプルからなる。こ
のため、インパルス応答を補間処理によって推定するこ
とは、図10に示す行列の列の数を補間処理によって増
やすことである。なお、行列Hの各列を形成するインパ
ルス応答は、上述した時間差補正処理によって、時間差
が補正されたインパルス応答である。
【0051】DFTを用いた補間処理では、まず、行列
Hの各行からなる行ベクトルに対して離散フーリエ変換
を行い、行ベクトルを周波数領域に変換する。図10に
示すように、行ベクトルsは、各インパルス応答の同じ
時刻のサンプルから構成されている。そして、行ベクト
ルsに対してDFT処理の結果、周波数領域の行ベクト
ルvが得られる。
【0052】次に、行ベクトルvに対して0を挿入し、
行ベクトルの係数を増やす。図10に示すように、行ベ
クトルvの係数が低周波数帯域に移動され、高周波数帯
域に0が埋め込まれる。こうして得られた行ベクトル
v’が逆DFTを用いて時間領域に逆変換され、行ベク
トルs’が得られる。この結果、行ベクトルs’は、処
理前の行ベクトルsに較べて、係数の数が増えた。この
処理を行列Hのすべての行ベクトルに対して行われる。
この結果、列の数が増えた新しい行列H’が得られる。
例えば、処理前の行列Hにおいて、隣接した列hi
(n)とhk (n)の間に、新しい列hj (n)が生成
される。この列hj (n)は、インパルス応答hi
(n)とhk (n)に対応する音源の間に位置する仮想
の音源に対応するインパルス応答である。
【0053】上述したように、インパルス応答によって
構成された行列Hの各行ベクトルに対して、DFTで周
波数領域に変換された行ベクトルに数値0を挿入したベ
クトルを逆DFTを用いて時間領域に逆変換した結果、
新しいインパルス応答を推定できる。
【0054】スプライン補間法 スプライン補間法は、所定の補間関数を用いて2つ若し
くは2つ以上のインパルス応答の時間サンプルを用い
て、新しいインパルス応答の時間サンプルの値を計算す
る。スプライン補間に使用される補間関数は、例えば、
キュービック関数と呼ばれている3次関数が一般的に使
用されている。キュービック関数を用いて、例えば、隣
接する4つのインパルス応答サンプルに応じて、新しい
インパルス応答のサンプルを計算することができる。こ
れによって、測定されたインパルス応答から新しいイン
パルス応答を推定することができる。
【0055】本実施形態の信号補間装置100におい
て、補間処理回路30において上述した線形補間法、D
FT補間法またはスプライン補間法の何れかを用いて補
間処理を行い、仮想の音源に対応するインパルス応答を
求める。そして、時間差調整回路40において、補間処
理によって求められたインパルス応答に対して、さらに
時間補正を行うことによって、より正確に両耳インパル
ス応答を求める。
【0056】補間処理回路30によって求められたイン
パルス応答の時間補正は、時間差測定回路10によって
測定されたインパルス応答hi (n)とhk (n)の到
来時間差τ及び補間処理で求められたインパルス応答h
j (n)の方位角に応じて行われる。
【0057】ここで、例えば、インパルス応答hi
(n)に対応する音源の方位角をai 、インパルス応答
k (n)に対応する音源の方位角をak とし、補間処
理で求められたインパルス応答hj (n)に対応する音
源の方位角をaj とする。そして、方位角ai とaj
の間の角度をaとし、方位角aj とak との間の角度を
bとする。インパルス応答hj (n)の到来時間差τj
は、次式のように線形演算によって求められる。
【0058】
【数4】 τj =bτ/(a+b) …(4)
【0059】このように補間処理によって求められたイ
ンパルス応答hj (n)に対して、インパルス応答hi
(n)とhk (n)の到来時間差τ及び補間処理で求め
られたインパルス応答hj (n)の方位角に応じて、式
(4)で時間差の補正を行うことができる。これによっ
て、より正確にインパルス応答を推定することができ
る。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の信号補間
装置及びその補間方法によれば、所定の音響環境におい
て異なる空間位置にある音源に対応するインパルス応答
に基づいて、補間処理により他の空間位置にある仮想音
源に対応するインパルス応答を求めることができる。ま
た、本発明において、異なる空間位置からの到来信号の
到来時間差を測定し、当該測定結果に応じて到来時間差
を補正し、補正結果に基づいて補間処理を行う。そし
て、補間処理の結果に対して上記測定した時間差に基づ
きさらに時間軸上の補正処理を行うことで、より正確に
インパルス応答を推定することができる利点がある。こ
のため、本発明によって推定された仮想音源のインパル
ス応答を用いることによって、仮想音源をよりリアルに
表現でき、高品質の音響環境をシミュレーションでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る信号補間装置の一実施形態を示す
ブロック図である。
【図2】本発明の信号補間装置を用いて視聴者の両耳イ
ンパルス応答を測定する場合、音源と視聴者の空間配置
を示す図である。
【図3】平面上において視聴者の両耳インパルス応答を
求める場合の一例を示す図である。
【図4】時間差測定回路の一構成例を示すブロック図で
ある。
【図5】インパルス応答の波形例を示す波形図である。
【図6】インパルス応答の相互相関関数Rikの波形を示
す図である。
【図7】時間差測定回路の他の構成例を示すブロック図
である。
【図8】インパルス応答の二乗差関数Dikの波形を示す
図である。
【図9】時間差補正処理を示す波形図である。
【図10】DFTを用いた補間処理法を示す概念図であ
る。
【符号の説明】
100…信号補間回路、10,10a,10b…時間差
測定回路、11…相関演算部、12…時間差計算部、1
5…二乗差演算部、16…時間差計算部、20…時間差
補正回路、30…補間処理回路、40…時間差調整回
路。
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月21日(2002.5.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D062 AA65 AA67 AA74 CC16 5J083 AA05 AC07 AC29 AD04 AD18 BE10 BE41 EA08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定点から異なる距離を離れた第1と第2
    の位置から発信された信号が、上記測定点に到達した第
    1と第2の到来信号の到来時間差を測定する時間差測定
    手段と、 上記時間差測定手段によって測定した時間差に応じて、
    上記測定点で測定された上記第1と第2の到来信号が時
    間軸上揃うように補正する時間差補正手段と、 上記時間差補正手段によって補正された上記第1と第2
    の到来信号に応じて補間処理を行い、上記第1と第2の
    位置と異なる第3の位置からの到来信号を推定する補間
    処理手段とを有する信号補間装置。
  2. 【請求項2】上記第1と第2の位置が、上記測定点に対
    して異なる方位角に配置されている請求項1記載の信号
    補間装置。
  3. 【請求項3】上記第3の位置が、上記第1と第2の位置
    の間に配置されている請求項2記載の信号補間装置。
  4. 【請求項4】上記時間差測定手段は、上記第1と第2の
    到来信号の相互相関関数を演算する相関演算手段と、 上記相関演算手段によって算出した上記相互相関関数の
    最大値の位置に応じて、上記第1と第2の到来信号の時
    間差を計算する時間差計算手段とを有する請求項1記載
    の信号補間装置。
  5. 【請求項5】上記時間差測定手段は、上記第1と第2の
    到来信号の一方を所定の時間差で順次ずらしながら、他
    方の信号との差の二乗値の和を計算する二乗差演算手段
    と、 上記二乗差演算手段によって算出した結果の最小値の位
    置に応じて、上記第1と第2の到来信号の時間差を計算
    する時間差計算手段とを有する請求項1記載の信号補間
    装置。
  6. 【請求項6】上記補間処理手段は、上記時間差補正手段
    によって補正された上記第1と第2の到来信号を用い
    て、線形補間処理によって上記第3の位置からの到来信
    号を推定する請求項1記載の信号補間装置。
  7. 【請求項7】上記補間処理手段は、上記時間差補正手段
    によって補正された上記第1と第2の到来信号を周波数
    領域に変換する変換手段と、 上記変換手段によって周波数領域に変換された信号の帯
    域を変換し、帯域変換された信号を時間領域逆変換し、
    当該逆変換の結果に応じて上記第3の位置からの到来信
    号を推定する推定手段とを有する請求項1記載の信号補
    間装置。
  8. 【請求項8】上記補間処理手段は、上記時間差補正手段
    によって補正された上記第1と第2の到来信号に応じ
    て、所定の補間関数を用いて上記第3の位置からの到来
    信号を推定する請求項1記載の信号補間装置。
  9. 【請求項9】上記補間処理手段によって補間処理された
    上記第3の位置からの到来信号に対して、上記時間差測
    定手段によって測定された上記第1と第2の到来信号の
    時間差に応じて、到来時間差の補正を行う補正手段をさ
    らに有する請求項1記載の信号補間装置。
  10. 【請求項10】測定点から異なる距離を離れた第1と第
    2の位置から発信された信号が、上記測定点に到達した
    第1と第2の到来信号の到来時間差を測定するステップ
    と、 上記測定した時間差に応じて、上記測定点で測定された
    上記第1と第2の到来信号が時間軸上揃うように補正す
    るステップと、 上記時間差が補正された上記第1と第2の到来信号に応
    じて補間処理を行い、上記第1と第2の位置と異なる第
    3の位置からの到来信号を推定するステップとを有する
    信号補間方法。
  11. 【請求項11】上記補間処理された上記第3の位置から
    の到来信号に対して、上記測定された上記第1と第2の
    到来信号の時間差に応じて、到来時間差の補正を行うス
    テップをさらに有する請求項10記載の信号補間方法。
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