JP2003318471A - 光励起型光源装置 - Google Patents

光励起型光源装置

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JP2003318471A
JP2003318471A JP2002120524A JP2002120524A JP2003318471A JP 2003318471 A JP2003318471 A JP 2003318471A JP 2002120524 A JP2002120524 A JP 2002120524A JP 2002120524 A JP2002120524 A JP 2002120524A JP 2003318471 A JP2003318471 A JP 2003318471A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光励起型光源装置において、励起光の導波路
への結合効率を高めてエネルギー利用効率を向上させ
る。 【解決手段】 励起光源511によって放射される励起
光ビームLpmpを光ビーム分割部512によって分割す
るとともに、分割された励起光ビームLdplを結合器に
より導波路型素子513の導波路へと結合させる。結合
器として、複数のグレーティング結合器又はプリズム結
合器を用いて導波路に分割ビームを各別に結合させるこ
とで、単一の励起光ビームを導波路へ結合する構成に比
べて、結合効率を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、利得媒体を有する
導波路型素子と、当該利得媒体の励起光源と、複数の光
学素子を備えた光励起型光源装置において、半導体レー
ザ等による、発散性励起光ビームを空間的に分割して、
効率良く導波路型素子の導波路へと結合させることで、
導波路型利得媒体の効率的な励起により、エネルギー利
用効率を高めるための技術に関する。例えば、誘導放出
による光増幅を用いた、投射型映像表示用インコヒーレ
ント高出力光励起型光源装置等に適用することができ
る。
【0002】
【従来の技術】近時、大画面表示への関心が高まってお
り(D-Cinemaの登場やホームシアタ等)、大画面ディス
プレイ装置に注目が集まっている。現在では、大画面プ
ロジェクタとして、ライトバルブ(Light Valve)型(D
MD、ILA、LCD等)や、レーザビームを変調走査するビー
ムスキャニング(beam scanning)型等の、特長ある種
々のシステムが実用化されている。そして、これらの大
画面用プロジェクタに使われる光源としては、高輝度シ
ョートアークランプ、高出力固体レーザ、ガスレーザ
(Y.Hwang, J. Lee, Y. Park, J. Park, S. Cha, Y. Ki
m, “200 Inches Full Color Laser Projection Displa
y,” Proc. SPIE Vol.3296, pp.116-125 (1998)) が
一般に用いられている。
【0003】一方、画像の品質向上のためには、光源の
高出力化や、高効率化、小スポットサイズ化等が要求さ
れる。
【0004】大画面表示用光励起型光源装置に関する従
来の構成では、動作や出力の安定性、消費電力や装置サ
イズ、スペックルノイズ等の点で、下記に示す課題をそ
れぞれに有している。
【0005】例えば、ショートアークランプは高出力の
点で優れているが、小スポットサイズ化についてはアー
ク長短縮の限界に直面しており、また、アーク安定動作
に固有の課題( H. Moench, G. Derra, E. Fischer, X.
Riederer, “Arc Stabilisation for Short-Arc Proje
ction Lamps,” SID 2000 Digest, pp.84-87 (2000)
)が存在する。
【0006】また、可視光レーザを光源とする投射型デ
ィスプレイシステムでは、大画面表示が可能であり、光
源の単色性のために、広い色再現範囲を備え、高い色再
現性実現のメリットが知られている。レーザディスプレ
イの光源として、ガスレーザ、高出力固体レーザ等が用
いられ、三原色光でそれぞれ単色性に優れる光ビームが
生成されるが、光ビーム発生装置に大きな消費電力を必
要とし、光励起型光源装置に係るサイズの大型化等が問
題点として指摘されている。
【0007】さらに、映像のスクリーン投射の際に、レ
ーザビーム固有の高いコヒーレンス(可干渉性)に起因
するスペックルノイズについては、映像品質の低下要因
として知られており、その解消は従来からの技術課題で
ある。
【0008】これまで、スペックルノイズ解消のアプロ
ーチとして、いくつかの方式が知られている(J.C. Dai
nty ed. , ”Laser Speckle and Related Phenomena,”
Springer-Verlag, p.127 (1975) )。
【0009】例えば、拡散板であるスクリーンを振動さ
せる方式では、具体的な提案として、特開平03−04
0694号公報に提示された方法が挙げられる。この例
では、拡散板の振動に表面超音波を利用しているので、
スクリーンの側辺に超音波発生器を設置する必要が生じ
る。よって、ディスプレイ装置の構成が複雑になり、ス
クリーンの製作設置上の困難さやシステムコストの増加
を招く虞が生じる(特に、大画面ディスプレイの場合に
は、そのデメリットがいっそう顕著になるものと予想さ
れる。)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】大画面表示等への適用
において、各種の光源装置がそれぞれに抱える課題につ
いて、総合的に有効な解決策が講じられていないため、
実用化に際して困難や不具合を伴うという問題がある。
【0011】そこで、本願出願人は、半導体レーザ等に
よる励起光ビームを導波路へ結合させ、導波路型利得媒
体を励起するとともに波長変換後の放射光ビームを出力
する光励起型発光素子及び当該素子を利用した光源装置
を、既に特願2002−29434号にて提案している
が、このような光励起型光源装置では、エネルギー利用
効率を高くすることが、均一な光出力を得るために望ま
しい。
【0012】本発明は、光励起型光源装置において、励
起光の導波路への結合効率を高めてエネルギー利用効率
を向上させることを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光励起型光
源装置は、上記した課題を解決するために、励起光源に
よって放射される励起光ビームを、光学素子により分割
するとともに、分割された励起光ビームを結合器により
導波路型素子の導波路に結合させるものである。
【0014】従って、本発明によれば、励起光ビームを
分割して、それぞれのビームを結合器(グレーティング
結合器又はプリズム結合器)により導波路型素子の導波
路へと結合させることで、単一の励起光ビームを導波路
へ結合する構成に比べて、結合効率を高めることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、利得領域(利得媒体を
含む領域)を備える導波路型素子と、当該利得領域の励
起光源(励起用光源)と、複数の光学素子とを用いて構
成される光励起型光源装置に関するものであり、例え
ば、大画面表示装置や均一照明を必要とする各種装置へ
の適用に好適である。
【0016】図1は、本発明に係る光励起型光源装置1
を応用した、投射型表示装置の構成例を示すものであ
る。
【0017】投射型表示装置は、下記に示す三つの主要
部分から構成される。
【0018】・光源部(Light Source Subsystem) 1
0 ・光変調部(Spatial Light Modulation Subsystem)
20 ・光合波走査部(Light Multiplexing and Scanning Su
bsystem) 30。
【0019】光源部10は、赤色(R)、緑色(G)、
青色(B)用の各光源モジュール(Light Source modul
es)10R、10G、10Bと、電源部(Power Suppl
y)12を備えている。赤色、緑色、青色用の均一光源
モジュール10R、10G、10Bは、電源部12から
電力供給を受けることで、指向性のある、一定の光出力
かつ均一化された光ビーム(Homogenized Light Beam
s)を生成する(図に示す赤色光ビーム11R、緑色光
ビーム11G、青色光ビーム11Bを参照。)。
【0020】尚、本発明に係る光励起型光源装置につい
ては、狭義の意味における光源部10に限らず、これを
用いて画像表示や計測等を行うための各種装置が含まれ
る。
【0021】生成された各光ビーム11R、11G、1
1Bは、光変調部20に入射し、そこに設けられた、赤
色、緑色、青色用の空間光変調器20R、20G、20
Bを用いて、赤色、緑色、青色用の映像色信号によりそ
れぞれ強度変調されて、赤色、緑色、青色の変調光ビー
ム21R、21G、21Bが生成される。ここで、空間
光変調器20R、20G、20Bとしては、一次元空間
変調素子、例えば、グレーティング・ライト・バルブ
(GLV:Grating Light Valve)が用いられる。また、
変調に用いるRGBの各色信号は、信号分離部22にお
いてビデオ(映像)信号から得られる。
【0022】各変調光ビーム21R、21G、21B
は、光合波走査部30に入射され、光合波器(Optical
Multiplexer)31により、スクリーン40上での色ズ
レが生じないように合波され、RGB合波ビーム(RGB
Multiplexed Light Beam)32が生成される。このRG
B合波ビームは、ビーム走査装置(Beam Scanner)33
により、走査光ビーム(Scanned Light Beam)34とし
て投射され、これにより所望の映像がスクリーン40上
に再生表示される。ここで、ビーム走査装置33には、
例えば、ガルバノメータを用いる。また、ビーム走査装
置33はビーム走査信号を受けて走査されるが、当該信
号はビデオ信号の同期信号に基づく信号である(例え
ば、信号分離部22で分離された同期信号を用いる場合
には、当該同期信号が信号分離部22からビーム走査装
置33に送られる。)。
【0023】尚、図1に示す例では、光変調部20にお
いて一次元空間変調素子を用いているが、これに限らず
各種のシステム構成が可能である。例えば、光変調部2
0の空間光変調器として、二次元空間変調器である、透
過型液晶パネル、反射型液晶パネル等の液晶式デバイス
(LCD)や、DMD(Digital Mirror Device)を用
いた投射型ディスプレイシステムに適用することができ
る。その場合、図1中の光合波走査部30におけるビー
ム走査装置33は省略される。
【0024】次に、本発明の要部をなす光源モジュール
について詳細に説明する。尚、各色の光源モジュール
(10R、10G、10B)に係る基本構成について
は、波長の相違に起因する仕様の違いを除いて共通であ
るので、以下では、基本構成の共通部分に関して説明す
る。
【0025】図2は、光源モジュールについてシステム
構成図の一例を示すものである。
【0026】光源モジュール50は、光励起型発光素子
(Photo-pump Light Emitting System)51及びその光
出力制御系(Light Output Control System)52から
構成される。
【0027】光励起型発光素子51は、下記に示す構成
要素を備えている。
【0028】・励起光源511 ・光ビーム分割部512 ・導波路型素子513、出力モニタ用受光部514と、
これらを設置するための単一の平坦な基板(Base Plate)
510 尚、以上の構成要素については、気密容器(Housing)
515の内部に固定されて収納されている。
【0029】また、本例において、導波路型素子(Plan
ar Waveguide Device)513には、平面導波路基板(P
lanar Waveguide Substrate)を用いており、励起光源
511として、光励起用LD(Pump Laser Diode)が用
いられ、出力モニタ用受光部514には、励起光出力モ
ニタ用PD(Monitor Photo Diode)が用いられてい
る。
【0030】励起光源511は、平面導波路基板上に成
膜される有機薄膜利得媒体の最大吸収波長に概ね整合す
る発光波長で、高出力の励起光(Pump Light)「Lpm
p」を発生する。つまり、後述の利得媒体に用いられる
有機利得材料の吸収波長帯において高吸収断面積を有す
る波長領域に整合する波長帯で励起光を発光するもので
ある。励起光源511については、例えば、主に窒化ガ
リウム(GaN)系半導体材料からなる半導体レーザを用
い、その発光波長については実用上、ほぼ380乃至4
30nm(ナノメートル)の範囲であることが好ましく
(組成を変えることにより波長設定が可能である。)、
RGBの3原色について光源の共通化が可能である(同
じ励起光源を用いて、波長変換により各色の発光波長を
得ることができる。)。尚、励起光源511に対して
は、後述するように、励起光ビームのコリメート用に光
学素子(レンズ)が設けられる。
【0031】光ビーム分割部(ビーム分割手段)512
は、上記励起光Lpmpを分割して、高い結合効率を実現
するために好適な強度プロファイルの光ビーム(Divided
Pump Light)「Ldpl」を生成するために設けられてお
り、複数の光学素子を用いて構成される。これは、当該
光学素子により分割された励起光ビームを、結合器によ
り導波路型素子513の導波路に対して効率良く結合さ
せるためである。尚、結合器については、後述するよう
に、グレーティング結合器やプリズム結合器が挙げられ
るが、例えば、グレーティング結合器を用いる場合に
は、光ビーム分割部512により分割された光ビーム
が、平面導波路基板上に設けたグレーティング結合器に
対して、グレーティング周期、励起光発光波長により定
まる、最も高い結合効率が得られる入射角度及び光ビー
ム強度プロファイルをもって入射される。
【0032】導波路型素子513を構成する平面導波路
基板(あるいは平板導波路基板)については、例えば、
Si(シリコン)単結晶基板や水晶基板等からなる、光学
的に平坦で、一辺が5mm〜30mmの方形平板が用い
られる。そして、その一方の面上には、励起光及び所望
の発光波長に対して、透明な材料からなる、三層スラブ
型導波路構造を備えている。当該導波路構造について
は、高屈折率コア領域と、当該領域よりも低い屈折率を
もって高屈折率コア領域の両側に位置されるクラッド領
域からなる。コア領域(あるいはコア層)については、
例えば、有機光吸収発光材料を含む、1.6〜1.7程
度の高屈折率薄膜、あるいは、有機光吸収発光材料薄膜
と、SiN(窒化シリコン)のような、より高い屈折率の
誘電体薄膜からなる多層薄膜とされる。また、下部クラ
ッド層については、より低屈折率な材料、たとえば、Si
O2(二酸化シリコン)薄膜とされ、上部クラッド層は、
空気(air)で構成される。
【0033】各層の膜厚を調整した導波路構造により、
複数の導波モードが形成されるが、特に、高い変換効率
を実現するためには、各層の膜厚について、単一の伝搬
モードとして基本モードのみが立つように調整されるこ
とが望ましい。例えば、上記の材料構成において、コア
層として、膜厚200〜300nm(ナノメートル)の
有機薄膜を用い、下部クラッド層として、膜厚1μm
(ミクロン)のSiO2薄膜を用いることが望ましい。これ
により、励起波長及び発光波長の光波に対して伝搬可能
な単一モードを形成することができる。
【0034】分割された光ビームLdplの各々は、上記
のように結合器(図2には示さないが、後で詳述す
る。)を介して導波路型素子513の導波路に結合す
る。そして、高効率で基本導波モードに結合して、導波
路を伝搬する伝搬光が、有機利得媒体に吸収され、その
伝搬エネルギーの大部分は有機利得媒体中に蓄積され
る。蓄積されたエネルギーは、誘導放出により、所望の
波長の放射光(Emission Light)「Lemis」として放射
される(その一部がモニタ光「Lmon」として利用され
る。)。
【0035】出力モニタ用受光部(受光素子を含む。)
514は、放射光Lemisの検出を行うために設けられ、
平面導波路基板から放射された発散する光成分の一部を
その受光面が効率良く受光できるように配置されてい
る。つまり、放射光の波長に対して受光感度を有してお
り、当該受光部を構成する励起光出力モニタ用PD(フ
ォトダイオード)については、上記モニタ光Lmonの受
光量に比例するモニタ光電流(Monitor Photo Curren
t)「Smpc」を発生する。
【0036】光出力制御系52を構成する光出力制御回
路は、励起光源駆動回路521と制御信号処理回路52
2を備えている。
【0037】制御信号処理回路522は、上記のモニタ
光電流Smpcを、励起光パワーの設定値に対応する電流
基準値と比較し、励起光パワーが一定になるように制御
するものである。つまり、上記放射光Lemisの一部を出
力モニタ用受光部514が受光することで発生する電気
信号を、所定の設定値と比較するための比較回路を備え
ており、当該回路による比較結果に応じて励起光源51
1の駆動電流を制御するための制御信号を生成する(比
較結果として得られる誤差信号のレベルがゼロになるよ
うに制御が行われる。)。本回路は、励起光量制御回路
(Auto Power Controller)としての機能をもち、上記
モニタ光電流Smpcを、励起光に係るパワー設定値に対
応する電流基準値と比較して、励起光パワーが一定にな
るようにLD駆動回路制御信号(LD Driver Control Si
gnal)「Scnt」を生成し、これを励起光源駆動回路5
21に対して出力する。
【0038】励起光源駆動回路521は、上記制御信号
Scntを受けて、励起光源511を制御するための回路
であり、励起LD駆動回路(Pump LD Driver)としての
機能を有する。つまり、上記制御信号Scntに基いて、
励起LD駆動電流(LD DriveCurrent)に係る出力「Sd
rv」を励起光源511に送出し、当該励起光源511か
ら放射される励起光Lpmpの出力パワーが所望の一定値
に保たれる(励起光源、光導波路型素子、光出力制御回
路を含めたフィードバック制御系が形成される)。
【0039】以上の回路は、励起光パワーを一定に保つ
ことにより、所望の波長の放射光Lemisに係る出力パワ
ーを一定値に制御するのに有用である。
【0040】尚、パッケージングに関して、光励起型発
光素子51を構成する各要素510乃至514について
は、気密容器515内に設置される。同容器は、放射光
Lemisの出力ビームを外部に取り出すための、放射光の
波長において透明な光学材料からなる薄板を窓材料とし
て気密性を保持した(光学的な)開口部を備える。ま
た、同容器(気密容器)は、励起光源511の駆動電流
に係る上記Sdrvを供給するための複数の電流端子や、
出力モニタ用受光部514からのモニタ光電流Smpcを
取り出すための複数の電流端子を備えている。
【0041】光励起型発光素子51については、一辺が
概ね40mm〜50mm程度とされた方形の薄型パッケ
ージに納められており、当該パッケージ(容器)につい
ては、水分や酸素を含まない、窒素ガス等の不活性なガ
スが注入されて封止される。
【0042】次に、分割された光ビームによる励起光学
系について説明する。尚、上記したように、分割後の光
ビームについて導波路への結合のために必要な結合器に
関して、グレーティング結合器を用いた構成形態と、プ
リズム結合器を用いた構成形態が挙げられるが、以下で
は、先ず、前者の構成形態について説明する。
【0043】図3は、光ビーム分割部及び平面導波路基
板の構成について一例を示した模式図である。
【0044】光ビーム分割部512については、下記に
示す光学的要素を用いて構成されている。
【0045】・コリメート用の光学素子580 ・二面が鏡面とされる反射手段581 ・2つのプリズム582L、582R。
【0046】本例では、励起光源511として、レーザ
ダイオード(LD)が用いられており、そのLDチップ
接合面が、図3の紙面に垂直となるように設置されてい
る。尚、励起光源に関して、光軸と直交し、かつ、互い
に直交する2方向のうち、その一方向の放射パターン又
は両方向におけるそれぞれの放射パターンの強度分布
(Intensity Profile of Pump Light)については、単
峰性を有することが好ましく、本例では、少なくとも図
3の紙面に平行な面内において、ほぼガウス型形状の強
度分布をもって光ビームを放射する(図には、ガウシア
ン分布を概略的に示すグラフ「ga」を、励起光源51
1の右側に示しており、光軸に直交する面内での位置座
標軸を横軸にとり、縦軸には強度をとって示してい
る。)。
【0047】励起光源511から放射された光ビーム
は、光学素子(単レンズ又はレンズ群)580を透過す
るが、当該素子580は、コリメーティングレンズ(Co
llimating Lens)の作用をもつので、透過した光は平
行光となる。
【0048】コリメート後の励起光ビームは、二面58
1L、581Rが鏡面とされる反射手段581によって2
分割される。本例では、図3の紙面を含む切断面におけ
る形状が二等辺三角形状をなした、楔型反射鏡が用いら
れており、当該反射鏡は、上記光学素子580によって
平行光とされた励起光ビームの光軸上に配置されてい
る。そして、当該反射鏡のエッジ部、つまり、上記二面
(鏡面581L、581R)の境界線が図3の紙面に垂直
に延びるように設置される。
【0049】反射手段581は、これに入射されるガウ
ス型強度分布の励起光ビームを、二つの光ビーム(互い
に対称な強度分布をもつビーム)に分割する役割を有す
る。尚、反射手段581として用いている楔型反射鏡に
ついては、励起光ビームの水平成分(紙面に対して垂直
な成分)の拡がり幅より広い幅をもっており、励起光ビ
ームをほぼ全量反射することができる。また、2つの鏡
面581L、581Rでの損失を極力低減するために、こ
れらの鏡面については、光学研磨された金属若しくは金
属薄膜又は所定の波長において高反射率を備える誘電体
多層膜コートされた光学材料を用いて形成することが好
ましい。
【0050】反射手段581において分割された各光ビ
ームは、プリズム(Prism)582L、582Rによりそ
れぞれ反射される。つまり、反射手段581の二鏡面5
81L、581Rのうち、一方の鏡面581Lによる反射
光が、図3の左側に位置する3角プリズム582Lにお
いて2回反射されることで光路変更を受ける。また、他
方の鏡面581Rによる反射光が、図3の右側に位置す
る3角プリズム582Rにおいて2回反射されることで
光路変更を受ける。
【0051】それから、それぞれの光ビームは、入射プ
リズム(Input Prism)585L、585Rを介して、導
波路型素子513上に設けられた、グレーティング結合
器583L、583Rの面上にそれぞれ入射する。
【0052】尚、図3に示す導波路型素子513の上下
関係については、前述した当該素子の説明とは反対にな
っており、導波路513aの表面側に形成されるグレー
ティング結合器583L、583Rや利得領域584につ
いては、図の下方に示し、また、導波路513aの裏面
側に設けられる入射プリズム585L、585Rについて
は図の上方に示している。また、同図において、入射プ
リズム585Lが左側に配置されていて、その入射面
(傾斜面)に対して上記プリズム582Rからの光線が
ほぼ垂直に入射され、また、入射プリズム585Rが右
側に配置されていて、その入射面(傾斜面)に対して上
記プリズム582Lからの光線がほぼ垂直に入射され
る。グレーティング結合器583L、583Rについて
は、図3において利得領域584の左側に583Lが位
置され、利得領域584の右側に583Rが位置されて
いる。
【0053】このように、励起光源511による励起光
ビームについては、その光軸を含む平面(図3では、紙
面に直交する平面)に関して、概ね対称に2分割される
とともに、分割された光ビームを導波路へと結合させる
にあたって、各光ビームがグレーティング結合器583
L、583Rにそれぞれ入射する前に、それぞれのビーム
光軸が互いに交差する。このような光軸の交差配置は、
装置の小型化やコンパクト化にとって都合が良い。ま
た、導波路基板上に形成される複数のグレーティング結
合器を、利得領域584に係る放射光の光軸に関して概
ね対称に配置することが好ましく、光軸の交差配置に対
応し易い。尚、ビーム分割数については、2以上にして
も良いが、構成の複雑化や部品点数の増加等を考慮した
場合に、分割数は極力少ない方が望ましい。
【0054】図3に示す角度「θi」は、グレーティン
グ結合器583L、583Rへの入射角(Incident Angl
e)を表しており、当該入射角については、グレーティ
ング結合器の格子周期と入射光波長、導波路の物理パラ
メータにより決定される、1ビーム結合条件に整合す
る。即ち、2ビーム結合では光の逃げ量が多くなるの
で、分割された光ビームが、導波モードのみと結合する
1ビーム結合条件を満たすように入射角「θi」の値を
規定することが好ましい。
【0055】三層スラブ型導波路について、入射角の条
件は、以下の式により与えられる。
【0056】nc・k・sin θqc = ns・k
・sin θqs =β=N・k + q・K 尚、各記号の意味は以下の通りである。
【0057】・「q」=二次元導波路内に設けられた、
格子定数「K」のグレ―ティング結合器に、導波光が入
射したときに生じる、空間高調波の次数 ・「k」=入射波の波数 ・「θqc」=上部クラッド側(図3では基板下側)か
らの入射角 ・「θqs」=下部クラッド側(図3では基板上側)か
らの入射角 ・「nc」 =上部クラッド側の屈折率 ・「ns」 =下部クラッド側の屈折率 ・「βq」 =空間高調波のz方向伝搬定数(=N・k+
q・Kで与えられる。) ・「N」=等価屈折率。
【0058】例えば、上部クラッドを空気(nc=1.
0)層とし、下部クラッドをSiO2(ns=1.45)層
として、SiO2側からの1ビーム結合を実施する場合、励
起光源の波長を405nm、等価屈折率をN=1.5と
すると、次数「q=−1」の後進波結合となり、格子周
期は147nm、入射角度(θqs)は60゜(degree)
となる(上記θiをこの値に設定すれば良い。)。
【0059】尚、分割された光ビームに係る強度分布に
ついては、そのピーク位置が、上記グレーティング結合
器において利得領域に近い側の端部(エッジ)の位置と
ほぼ一致するように規定することが好ましい。
【0060】上記のように、光ビーム分割部512によ
り、励起光ビームがその光軸を含む平面に関して、概ね
対称に2分割されるが、その際、グラフgaで示すよう
な、単峰性の強度分布をもつ場合に、そのピーク強度を
中心とし強度を2等分し、それぞれ半分ずつの強度分布
を有するビームを各入射プリズムからグレーティング結
合器にそれぞれ入射すると結合効率の向上にとって有効
である。つまり、上記した反射手段581における鏡面
581L、581Rについては、両者の境界線が、励起光
ビームの光軸に対して直交し、かつ、当該励起光ビーム
に係る強度分布(光軸に直交する面に対して垂直な方向
における強度分布)が、そのピーク強度を中心に2等分
されるように境界線の方向が規定されている。尚、図3
では、入射プリズム585L、585Rの枠内に、分割さ
れた強度分布(Intensity Profile of Divided Pump Li
ght)の概略的なグラフgaL、gaRをそれぞれ示してい
る。グラフgaLが585L及び583Lへの入射ビームに
係る強度分布を示し、上記グラフgaの左半部に対応し
ており、グラフgaRが585R及び583Rへの入射ビー
ムに係る強度分布を示し、上記グラフgaの右半部に対
応する。
【0061】これら入射ビームに関して、分割された強
度分布gaL、gaRにおけるピーク位置が、グレーティン
グ結合器583L、583Rにおける、利得媒体584か
ら最も近い端部(Nearest Edge of Grating Coupler)
555L、555Rに対して整合するように入射する(図
3では、各グレーティング結合器への入射光線の位置
と、555L、555Rの位置との差「d」を、故意に長
く示すことで見易くしているが、この差が小さいこと、
つまり、強度ピークの位置が555L、555Rの位置に
ほぼ一致することが望ましい。)。
【0062】このとき、入射光が導波路へ結合する際
の、入射結合効率(これを「η」と記す。)は、下式に
示すように、グレーティングカプラの理論により、出力
結合の対応するビームへのパワー分配比「P 」と、
重なり積分との積で与えられる(西原浩 他、「光集積
回路」、オーム社、1985年)。
【0063】
【数1】
【0064】尚、ここで、パワー分配比「P 」に付
した下付き添え字「q」は、二次元導波路内に設けられ
た、格子定数「K」のグレ―ティングカプラ(結合器)
に、所定方向(z方向)へ伝搬する導波光が入射したと
きに生じる、空間高調波の次数を示している。また、上
付き添え字「i」は、上部クラッド、あるいは下部クラ
ッド側への放射モードを表わす。
【0065】関数g(z)は、グレーティング結合器に
よる出力結合時の放射ビーム振幅分布を表し、関数h
(z)は、グレーティング結合器上の入射光強度分布を
表す。
【0066】図4は、グレーティング結合器へ入射す
る、分割された光ビームの振幅分布、及びグレーティン
グ結合器による放射ビームの振幅分布について例示した
グラフ図であり、横軸に上記z方向の位置(光励起型素
子におけるグレーティング結合器の形成領域の長さを任
意単位で表したものに相当し、g(z)やh(z)のピ
ーク位置を原点に設定している。)をとり、縦軸に強度
(ピーク値を1とする相対値で示す。)をとって示した
ものである。
【0067】図示するように、g(z)については、z
値の増加に伴って指数関数的に減少する関数で表わさ
れ、また、h(z)は上記グラフgaRに相当する、ガウ
ス型分布の右半部で表される(尚、上記グラフgaRに相
当する左側部分については、対称性を考慮すると、図4
に示すh(z)のグラフをz=0の軸に関して折り返す
操作(鏡像操作)により得られる分布に相当する。)。
【0068】結合条件を1ビーム結合とすると、上記
[数1]式において、「P =1」となり、よって、
入射結合効率ηは、重なり積分の値により決定される。
つまり、重なり積分の値は、g(z)とh(z)のと積
の積分値を2乗したものとして表される分子を、g
(z)やh(z)の、各2乗値の積分値(各パワーに相
当する。)の積として表される分母で割ることで計算さ
れる。明らかに、h(z)とg(z)との間に相似関係
がある場合には、重なり積分の値が1となり、最も効率
の高い状態(入射結合効率η=1)が実現される。但
し、現実には、z値の増加につれて指数関数的に減少す
る振幅分布g(z)に対して入射光の振幅分布を整形す
ることは、技術的に複雑となり、容易でない。
【0069】実用的な励起光源として、レーザダイオー
ド光源を利用する場合において、ガウス型の強度分布形
状を示す光源を想定して、当該光源が放射する光ビーム
を直接(分割なしに)、グレーティング結合器に入射さ
せる場合、入射結合効率ηは、最大0.8(80%)に
達することが分かっている。
【0070】従って、これによりも、さらに入射結合効
率ηを高めるには、単峰性をもつ強度分布、例えば、ガ
ウス型強度分布を、そのピークにて等分に分割すること
によって、図4に示すh(z)のグラフ形状が、g
(z)のグラフ形状に対してほぼ重なるようにする(重
なり合う部分の面積が大きくなるようにする)。そし
て、強度のピーク位置において2等分された強度分布の
光ビームを、それぞれに対応するグレーティング結合器
に入射すれば良い。この場合、両方のビームを合わせ
て、さらに、10%程度の入射結合効率の向上が全体と
して可能である(η=0.9、つまり9割程度に効率を
上げることができる。)。
【0071】尚、本発明に係る励起光ビームの強度分布
については、単峰性をもつ分布が好ましく(例えば、双
峰性では、ビーム中心部の強度が低いので入射結合効率
が悪化する。)、ガウス型分布(半値幅の設定や調整に
よりビーム径を変更できることや、対称性等を考慮した
場合に、取り扱いが容易である。)を取りあげて説明し
たが、勿論、ガウス型分布のみに限定される訳ではな
い。
【0072】また、図3では、三層スラブ型導波路構造
を例示したので、当該構造について、補足説明すると、
例えば、Si単結晶基板上に、SiO2薄膜を下部クラッド層
として形成し、空気(air)を上部クラッド層とする
(図3では、上下の関係を逆転させて考える必要があ
る。)。また、コア層については、例えば、厚さ200
nm程度のSiN薄膜と、その上面に有機光吸収発光材料
薄膜を成膜して、後者は利得領域に形成する。SiO2薄膜
側からの後進波について1ビーム結合とするために、グ
レーティング結合器583L、583Rの直下にあたるSi
基板領域を除去し、そこに、入射プリズム585L、5
85Rを基板の裏面側から接着する。入射プリズム58
5L、585Rについては、励起光の波長領域にて透明で
あって、かつ、屈折率がSiO2に整合する光学材料を用い
て形成する。そして、それらの入射面に対して入射ビー
ムの光軸が垂直をなすように設定し、また、励起光の波
長領域に対して無反射コーティングを施している。
【0073】図5は、利得領域を備える導波路型素子5
13として、平面導波路素子の構成例を示す模式図であ
る。
【0074】本例では、利得領域584を示す、ほぼ方
形をした枠内に利得媒体が配置されており、その左右両
側に一対のグレーティング結合器583L、583Rがそ
れぞれ配置された構成を有する。つまり、上記した1ビ
ーム結合条件の仕様を満たす、グレーティング結合器5
83L、583Rが、利得領域584を挟んで対称的に配
置されている。
【0075】放出光反射器(Grating Reflector for Em
ission Light)586は、利得領域584における一辺
(下辺)において、ほぼ接近して設けられている。つま
り、利得領域584の外縁を示す矩形の構成辺、第1辺
(左辺)が、グレーティング結合器583Lに接近し、
当該矩形の第2辺(右辺)がグレーティング結合器58
3Rに接近しており、第3辺(下辺)が放出光反射器5
86に接近している。
【0076】そして、波長選択されて増幅された光は、
利得領域584に係る矩形の第4辺(上辺)を通過し
て、平面導波路素子の出射端部(output edge)587
から放射される。
【0077】図5において、グレーティング結合器58
3L、583Rの裏側に上記した入射プリズム585L、
585Rがそれぞれ配置されているので、図6に示すよ
うに、それらを介してグレーティング結合器に入射され
た後、導波モードに結合した励起光は、利得媒体が形成
された利得領域584に入射して、伝搬とともに利得媒
体を励起して減衰する。励起された利得媒体は、蛍光、
あるいは、リン光を放出して基底状態に遷移して、再び
励起光により励起され、同様に吸収及び発光過程を繰り
返す。そして、放出された蛍光、あるいは、リン光の一
部は、導波路を伝搬して、放出光反射器586により、
所定の波長をもって選択的に反射され、励起された利得
領域584を再び伝搬する。その際に、誘導放出により
選択した波長成分が所定の強度にまで増幅されて、導波
路の出射端部587から放射される。その出射光は、著
しく低減されたコヒーレンス性と、光増幅による高密度
パワーを備えることになる(これが、図1の光変調部2
0へと入射される。)。
【0078】尚、励起光源511からの発光波長λpの
励起光を、結合器から導波路へと結合させ、利得媒体を
励起させる場合、当該利得媒体については、励起発光波
長λp付近に吸収スペクトルのピークを持ち、放出光の
中心波長λemis 付近に、発光スペクトルのピークを持
つ。
【0079】また、利得領域584において増幅された
放出光の後進波成分は、放出光反射器586に入射され
るが、当該放出光反射器の反射スペクトルについては、
波長λemis を含む領域とされ、中心波長λemisでの反
射率がほぼ1である。放出光反射器586に入射した後
進波成分は、その波長幅の広い放出スペクトルから、特
定の帯域を含む狭い波長成分が選択的に反射されて、利
得領域584に再び戻され、前進波成分として導波路内
を出射端面に向かって伝搬する。
【0080】以上のように、励起波長λpに対して波長
変換された光、つまり、λemisに中心波長をもつ、放射
光を得ることができ、しかも、その際にはコア層に含ま
れる有機材料の選択等によって比較的自由な設計が可能
である。
【0081】尚、図3では、2つの鏡面を有する反射手
段581と、2つのプリズム582L、582Rを用いて
光ビーム分割部512を構成した例を示したが、2つの
反射手段だけを用いて光ビーム分割部を構成した変形例
を図7に示す。尚、この変形例によれば、分割光学系の
構成を簡略化することができる。
【0082】図7において、励起光源511には、LD
(レーザダイオード)が用いられ、そのLDチップ接合
面が、図の紙面に垂直となるように設置されている。そ
して、励起光源511により放射されるビームの強度に
ついては、少なくとも図の紙面に平行な面内で、ほぼガ
ウス型形状の強度分布(Intensity Profile of PumpLig
ht)とされ、放射された光ビームは、光学素子(コリメ
ーティングレンズの作用をもつ)580を透過して平行
光とされる。
【0083】反射鏡581aは、その直線状の一端部
(図の右端)が、平行光とされた励起光ビームの光軸に
一致するように設置される。
【0084】反射手段581を構成する反射鏡581a
は、入射したガウス型強度分布をもつ励起光ビームにつ
いて、そのピーク強度を中心に二等分して、一方の光を
反射鏡581bに向けて反射させるとともに、他方の光
についてはこれを直進させて、互いに対称な強度分布を
もつ、二つの光ビームに分割する。そして、直進した分
割光ビームは、直接、入射プリズム585Rを介して、
グレーティング結合器583Rに角度θiで入射する。ま
た、反射鏡581aにおいて反射された方の分割光ビー
ムは、反射鏡581bで反射されて、入射プリズム58
5Lを介して、グレーティング結合器583Lに角度θi
で入射する。
【0085】このように、本例において、励起光ビーム
が反射手段(本例では反射鏡581a)によって2分割
されるとともに、当該励起光ビームの強度について、光
軸に直交する面に対して垂直な方向における強度分布
が、そのピーク強度を中心に2等分されることになる。
そして、その一方の光ビームについては反射手段(本例
では反射鏡581b)での反射の後に、一方のグレーテ
ィング結合器583Lに到達し、他方の光ビームについ
ては当該反射手段によって反射されずにグレーティング
結合器583Rに到達する。これによって、部品点数の
減少及びコストの削減に適した、より簡単な構成で分割
光学系を構築できる。
【0086】次に、結合器として、プリズム結合器を用
いた構成形態について、図8乃至図12に従って説明す
る。
【0087】本形態において、導波路型素子を構成する
平面導波路基板上には、分割された励起光を導波路へ高
効率に結合するために、プリズム結合器を設けている点
が、前記した構成との相違点である。即ち、分割された
励起光は、複数のプリズム結合器により、高効率に基本
導波モードに結合して、導波路を伝搬する。そして、伝
搬光は、有機利得媒体に吸収され、その伝搬エネルギー
の大部分は有機利得媒体中に蓄積される。蓄積されたエ
ネルギーは、誘導放出により、最終的には所定波長の放
射として放射される。
【0088】図8は、分割光ビームによる励起光学系の
構成例を概略的に示す模式図である。
【0089】励起光源511には、レーザダイオード
(LD)が用いられ、そのLDチップ接合面が、図8の
紙面に垂直となるように設置されている。尚、励起光源
511による放射ビームの強度は、少なくとも図8の紙
面に平行な面内で、放射角度について、ほぼガウス型強
度分布とされている(図には、ガウシアン分布を概略的
に示すグラフ「ga」を、励起光源511の右上に示し
ており、光軸に直交する面内での位置座標軸を横軸にと
り、縦軸には強度をとって示している。)。
【0090】放射された励起光ビームは、光学素子(コ
リメーティングレンズの作用をもつ)580により平行
光とされて、伝達プリズム589に入射する。
【0091】本例では、プリズム結合器588として複
数の入力結合プリズム(Input Coupling Prism)588
a、588bが設けられており、光ビーム分割部512
として、伝達プリズム589と、励起光ビームの分割手
段590が設けられている。つまり、分割手段590に
よって2分割された励起光ビームの一方が、入力結合プ
リズム588aを介して、導波路型素子513の導波路
513aへと結合され、分割された励起光ビームの他方
が、伝達プリズム589内で複数回反射されてから入力
結合プリズム588bを介して、導波路型素子513の
導波路513aへと結合される構成を備えている。
【0092】伝達プリズム589は、これに入射される
励起光の一部を分割手段590へと導く役目と、分割さ
れた励起光ビームを内部で反射させて、入力結合プリズ
ム588bに伝搬する役目を有している。そのために、
伝達プリズム589に入射する励起光、少なくともその
P偏光成分に対して、入射領域及び複数の出射領域、並
びに当該プリズム内を伝搬する光に対する複数の反射領
域を備えることで、伝達プリズム589の素子構造が複
雑化しないように配慮すべきである。例えば、図9に示
すような多角形の断面形状を有しており、1箇所の入射
領域589iと、4箇所の反射領域589r1乃至58
9r4、2箇所の出射領域589o1、589o2を含
む面で構成される。
【0093】光学素子580によって平行光化された光
ビーム(Collimated Beam)Lcbは、伝達プリズム58
9の入射領域589iを構成する入射面(Incident Pla
ne)に入射する。この入射面は、光ビームLcbの光軸に
対してほぼ直交するように配置されている。尚、入射面
には、少なくとも入射する励起光波長において、高透過
率の無反射コートが施されていることが好ましい。これ
は、損失を低減するためであり、入射面から損失なく伝
達プリズム589の内部に入射された光ビームは、図8
のA部拡大図(大円枠内参照)や図10に示すように、
当該プリズムの底面(Bottom Plane)589bに到達す
る。
【0094】この底面589bは反射領域589r1及
び出射領域589o1、589o2を有しており、その
表面(入力結合プリズム588a側の面)には、透過膜
や反射膜を形成することで、励起光ビームに対する透過
面及び反射面を有している。例えば、透過面として、少
なくとも入射する励起光波長において高透過率の無反射
コート領域(Anti-Reflection Coating Region)590
arを形成し、また、反射面として、少なくとも入射す
る励起光波長において高反射率の反射コート領域(High
Reflection Coating Region)590hrを形成する。
尚、これらの領域は、図10に示すように、直線状の境
界(Boundary)590bにて互いに接しており、両者は
図8、図9の紙面に垂直な方向に延びる短冊(長方形)
状の形状をもって各領域にコーティング処理が施されて
いる。尚、直線状とされる境界590bは、伝達プリズ
ム589の入射面589iと底面589bとがなす稜辺
に対して平行であり、境界線で透過面と反射面が区分さ
れている。これによって、励起光源511について、そ
の発光領域の奥行きが大きいタイプ、例えば、ブロード
エリア型レーザダイオードや、マルチビームレーザダイ
オード等を用いる場合に、アライメントが容易になる。
【0095】また、上記した透過面と反射面にそれぞれ
対応する、領域590ar、590hrを用いて励起光
ビームの分割手段590が構成されるが、透過面の透過
率については、励起光波長のP偏光成分に対して高くさ
れ、また、反射面の反射率については、励起光波長のP
偏光成分に対して高くされていることが好ましい。その
理由は、透過膜や反射膜の成膜条件が緩和され、製作コ
ストを低減できるからである。そして、性能やコスト面
からは、透過面に誘電体多層膜を用い、反射面には金属
薄膜又は誘電体多層膜を用いることが好ましい。
【0096】伝達プリズム589の底面589bに達し
た光ビームは、その強度分布のピーク位置が境界590
bの位置に一致するように、高透過率の無反射コート領
域590ar及び高反射率の反射コート領域590hr
に入射する。
【0097】入射した光ビームのうち、グラフgaの左
側半分に相当する強度分布をもつ光は、そのまま直進し
て無反射コート領域590arを透過し、入力結合プリ
ズム588aに入射する。
【0098】入力結合プリズム588aや588bは四
角柱状をなし、図8、図9の紙面に平行な面で切断した
断面形状において、上面と下面が平行な四角形(あるい
は台形)をなしている。そして、図8、図9の紙面に対
して垂直な方向に延びる各稜線については、伝達プリズ
ム589において当該方向に延びる稜線と平行な関係を
もって設置される。
【0099】入力結合プリズム588aに入射した光ビ
ームは、当該プリズムの底面に到達するが、この到達し
た光ビームについては、上記グラフgaのうち左半部に
相当する強度分布(Intensity Profile of Divided Pum
p Light)「gaL」を示す。結合効率を高めるには、当
該光ビームの強度分布に係るピーク位置(空間的位置)
が、入力結合プリズム588aの底面において、導波路
型素子513の利得領域513eに対して最も直近な稜
(Ridge)588agの位置に一致するように調整す
る。
【0100】本例において、導波路型素子513は、基
板(Substrate)513bと、その上に設けられた導波
路(Wave guide)513aからなる。導波路513a
は、基板513bの上に、下部クラッド層(Cladding L
ayer)513d、コア層(Core Layer)513cをこの
順序で形成し、さらに上層の上部クラッド層について
は、空気(air)層で構成する。例えば、Si単結晶基板
を用い、その基板上において、下部クラッド層513d
として、SiO2薄膜を用い、また、コア層513cとし
て、屈折率が1.7程度の有機光学材料の薄膜を用い
る。尚、上部クラッド層については、励起光、放射光に
対して透明で、コア層513cよりも屈折率の小さい光
学材料を用いても良い。一般に、導波路には、複数の導
波モードが成立するが、特に、高いエネルギー変換効率
を実現するためには、各層の膜厚を調整して、基本モー
ドのみが単一の伝搬モードとして成立するように設計す
ることが望ましい。そのためには、導波路513aのカ
ットオフ波長が、発光波長より長波長側に位置するよう
に、導波路パラメータを設定することが望ましい。
【0101】利得領域(Gain Region)513eについ
ては、入力結合プリズム588aと588bとの間に挟
まれるコア層513cの領域において、励起光を高効率
に吸収し、かつ所望の波長の放射光を放射する、有機材
料を用いるとともに、当該有機材料をコア層にドーピン
グするか、あるいは薄膜層として挿入することで形成す
る。
【0102】入力結合プリズム588aは、その底面と
導波路型素子513上に形成された光導波路513aと
が、極薄の媒質、例えば、空気層を挟むように設置する
(このことは、入力結合プリズム588bについても同
様であり、後述するように、本例では空気層を形成する
ためにスペーサを用いている。)。尚、入力結合プリズ
ムに用いる光学材料の、空気に対する臨界角よりも、大
きな入射角で入力結合プリズムの底面に励起光ビームを
入射するときに生じるエバネセント成分が、導波路領域
に達すると、このとき、入射光ビームが、入力結合プリ
ズムを介した位相整合により、導波路型素子513上に
設けられた光導波路の導波モードと効率よく結合し、こ
れによって励起光エネルギーを導波モードに移行させる
ことができる。
【0103】伝達プリズム589に入射した光ビームの
うち、グラフgaの右側半分に相当する強度分布をもつ
光については、上記した高反射率の反射コート領域59
0hrで反射される。よって、この光は入力結合プリズ
ム588aに入射されることなく、伝達プリズム589
の内部を進む反射光ビーム(Reflected Beam)Lrbと
なる。そして、当該反射光ビームについては、引き続い
て、上記反射領域589r2、589r3(図9参照)
をそれぞれに構成する反射面(Reflection Plane)によ
って反射され、さらに、反射領域589r4において高
反射率の反射コート領域(High Reflection Coating Re
gion)591として形成された反射面で反射されてか
ら、伝達プリズム589の底面589b(入力結合プリ
ズム588b側の面)に到達する。
【0104】尚、伝達プリズム589内を伝搬する励起
光が、各反射領域(励起光ビームを分割するための反射
領域を除く。)を構成する反射面に入射するとき、その
入射角については、当該伝達プリズムを構成する光学材
料及び当該伝達プリズムの外部領域の屈折率によって規
定される臨界角より大きくすることによって、全反射を
利用することができるので、高反射率のコーティング処
理が不要となり、コスト面で有利である。例えば、伝達
プリズムに係る光学材料の屈折率を1.45とし、当該
プリズムの外部を空気(屈折率1)とした場合に、全反
射の臨界角が43.6゜となるので、入射角度が、これ
よりも大きな値をもつように規定すれば良い。
【0105】また、伝達プリズム589の反射領域につ
いては、全反射に限らず、当該領域を構成する反射面
に、金属薄膜又は誘電体多層膜が用いることで、高性能
化や低コスト化を図るようにしても構わない。図9に示
す例では、反射領域589r4において、高反射率の反
射コート領域を得るために、プリズムの外表面に反射膜
を形成している。
【0106】本例では、入力結合プリズム588a、5
88bに対する複数の出射領域589o1、589o2
が、伝達プリズム589における同一面(底面589
b)上に設けられているが、これは、光学的に平坦な研
磨面の数を削減することで、当該プリズムの製作コスト
を低減するためである。同様の考え方を適用して、伝達
プリズムにおいて、励起光ビームの入射面と、当該プリ
ズムの内部を伝搬する励起光ビームを反射する、少なく
とも一つの反射面とが当該プリズムの同一面上に設けら
れた構成を用いることができる。
【0107】反射領域589r4で反射されてから伝達
プリズム589の底面589bに達した反射光ビーム
は、無反射コート領域592を透過して、入力結合プリ
ズム588bに入射する。
【0108】この入力結合プリズム588bに入射した
光ビームは、当該プリズムの底面に到達するが、この到
達した光ビームについては、上記グラフgaのうち右半
部に相当する強度分布(Intensity Profile of Divided
Pump Light)「gaR」を示す。結合効率を高めるに
は、当該光ビームの強度分布に係るピーク位置(空間的
位置)が、入力結合プリズム588bの底面において、
平面導波路基板の利得領域513eに対して最も直近な
稜(Ridge)588bgの位置に一致するように調整す
る。
【0109】このように、複数のプリズム結合器(58
8a、588b)を設けるとともに、分割された光ビー
ムに係る強度分布のピーク位置が、各プリズム結合器に
おいて利得領域に近い側の端部(エッジ)の位置とほぼ
一致するように配置し、関係する光学的要素の位置関係
を設定することが好ましい。
【0110】入力結合プリズム588bは、入力結合プ
リズム588aと同様に、底面が、導波路型素子513
上に設けられた導波路513aと、プリズム入力結合に
適する微小な距離を隔てて配置される。つまり、入力結
合プリズム588bの底面と、コア層513c、あるい
は導波路型素子の上面の間に、プリズム入力結合に好適
な距離を保持するために、必要な厚さのスペーサが挿入
される。
【0111】図11は、平面導波路素子の構成例を模式
的に示した概略図であり、伝達プリズム589を取り去
った状態で、平面導波路基板に直交する方向から見たも
のである。
【0112】入力結合プリズム588a、588bは、
ほぼ方形状をなした利得領域513eを挟んで、互いに
対向する位置関係をもって配置されている。つまり、一
方の入力結合プリズム588aが、利得領域513eの
外縁を示す四角形の第一辺の直ぐ左側に位置され、他方
の入力結合プリズム588bが利得領域513eの外縁
を示す四角形の第二辺(上記第一辺に対して平行な辺)
の直ぐ右側に位置されている。そして、これらは、導波
路との間に微小な間隔を保持するためのスペーサ59
3、593、…を介して平面導波路基板上に設置され
る。図示のように、各スペーサは入力結合プリズムの長
手方向における両端部にそれぞれ配置されており、図の
大円枠内に拡大して示すように、入力結合プリズムの底
面(スペーサ593との接触面)と、導波路との間に、
「δ」で示す僅かな間隙(本例では空気間隙)が形成さ
れる。
【0113】放出光反射器586は、利得領域513e
の外縁を示す四角形の第三辺に接近して設けられてい
る。この放出光反射器586は、利得媒体の分子から放
出され導波路を伝搬する光ビームを、例えば、導波路に
光学的に結合するブラッグ反射器により、波長選択して
反射し、所定の波長成分のみを利得領域513eに戻
す。その結果、放出光反射器586で波長選択的に反射
された光ビーム成分は、励起光吸収により、反転分布が
形成された利得領域513eを伝搬する過程で、誘導放
出により増幅される。その後、増幅された所定波長の光
ビームは、利得領域513eの外縁を示す四角形の第四
辺(上記第三辺に対して平行な辺)の部分を通過して、
導波路の出射端部(Emission Edge)587から、上記
した光変調部20へ向けて放射される。その出射光は、
誘導放出による光増幅と、共振器を用いない平面導波路
素子構造により、高密度パワーと、著しく低減されたコ
ヒーレンス性を備えることになる。
【0114】上記のように、プリズム結合器である、複
数の入力結合プリズム588a、588bについては、
導波路基板上で利得領域513eに係る放射光の光軸に
関して概ね対称に配置した構成を有し、分割された励起
光ビームが、各プリズム結合器を介して導波路へと結合
されることになるが、ここで、プリズム入力結合につい
て説明する。
【0115】分割された二つの入射光ビームは、高屈折
率の入力結合プリズム588a、588bを介して、導
波路型素子513上の光導波路513aの導波モードと
高効率に結合し、これにより励起光パワーを導波光に移
行させることができる。
【0116】入射光ビームの入力結合プリズムの底面へ
の入射角を「θ」とすると、入射光の導波路に沿う方向
の伝搬定数は、「np・k0・sinθ」で与えられ
る。ここで、「np」は入力結合プリズムの屈折率、
「k0」は励起光の波数である。この値が、導波路型素
子の導波モードの伝搬定数「k0・N」(「N」は、導
波モードの等価屈折率を示す。)に整合するとき、入力
結合プリズムの底面から低屈折率の媒質(本例では空
気)側にしみ出した励起光のエバネセント場が導波モー
ドに結合して、励起光パワーが導波光に移動する。
【0117】このとき、入射光が導波路へ結合する際
の、入射結合効率ηは、出力結合の対応するビームへの
パワー分配比「P 」と重なり積分との積で与えら
れ、前記[数1]式において、P =1とおいた式で
表される。
【0118】但し、ここで、関数「g(z)」は、プリ
ズム結合器による出力結合時の放射ビーム振幅分布を表
し、また、関数「h(z)」は、プリズム結合器への入
射光強度分布を表す。つまり、本例において、図4は、
伝達プリズムの底面において分割された光ビームの振幅
分布h(z)及びプリズム結合器による出力放射ビーム
の振幅分布g(z)を示すことになり、「z」はプリズ
ム結合器に係る位置座標あるいは距離を任意単位で表す
(強度ピークの位置を原点に選んでいる。)。
【0119】尚、g(z)はz値の増加とともに減少す
る指数関数「exp(−αr・z) で表わされる。ここ
で、「αr」は放射損失係数である。
【0120】本例でも、h(z)とg(z)とが相似関
係のときに、重なり積分の値が1となり、従って、入射
結合効率ηとして1が得られることになるが、指数関数
的に減少する振幅分布に対して入射光の振幅分布を整形
することは、光学系が複雑になり、技術的に容易でな
い。
【0121】一方、実用的励起光源として、レーザダイ
オード光源を利用することは、光源装置の小型化、消費
電力低減、低コスト化、信頼性向上の点から好ましく、
ガウス型の強度分布形状を示す光ビームを放射する光源
を使用することができる。
【0122】入射結合効率ηを高めるには、例えば、ガ
ウス型強度分布を、そのピーク強度の位置にて等分に分
割して、それぞれ光ビームを用いて入力結合の最適化を
行うと、全体として、0.9(90%)程度にまで入射
結合効率を高めることが可能である(これは、上記の入
射結合効率ηの式による計算から分かる。)。
【0123】例えば、励起光の波長を405nm、導波
路パラメータとして、上部クラッド層の屈折率を1.
0、下部クラッド層の屈折率を1.45、コア層の屈折
率を1.7として、コア層の厚さを170nmとする
と、基本導波モードの伝搬定数Nは、1.5616とな
る。入力結合プリズムの屈折率npを1.80とする
と、励起光ビームの入射角は60.18°なる。また、
入力結合プリズムの底面と導波路との間隔(δ)を20
0nmとしたときの放射損失係数αrは、0.68mm
-1となる。
【0124】分割された光ビームのパワーが、プリズム
底面上で「2/α」程度の範囲に分布するようにビー
ム径を調整することにより、当該分割された2本の光ビ
ームの総合による結合効率が90%以上に向上するとい
う計算結果が得られる。
【0125】このように、複数のプリズム結合器を用い
た構成形態では、励起光ビームの強度について、光軸に
直交する面に対して垂直な方向における強度分布が、そ
のピーク強度を中心に2等分されるように、分割手段を
設けること、そして、分割された2つの光ビームのう
ち、その一方のビームについては、伝達プリズムに形成
された反射領域において反射された後に、一方の入力結
合プリズムに到達し、また、他方の光ビームについては
分割手段の透過面を透過してから入力結合プリズムに直
接到達するように構成することが、エネルギー利用効率
の向上にとって好ましい。
【0126】プリズム結合器を透過して導波モードに結
合した励起光は、導波路513aに設けられた利得領域
513eを伝搬しつつ、利得媒体を励起して減衰する。
励起された利得媒体分子は、吸収した励起パワーを、蛍
光、あるいはリン光として放出して基底状態に遷移す
る。この吸収発光過程により、導波路に結合した励起光
を、所望の波長を含む光ビームに変換する。利得媒体か
ら放出された光ビームの一部は、導波路513aを伝搬
して、放出光反射器586(図11参照)に向かう。放
出光反射器586は、伝搬する発光ビームのブロードな
スペクトルから所定の波長成分を選択的に反射して、励
起されて反転分布が形成された利得領域513eに戻
す。選択された波長成分は、誘導放出により励起された
利得媒体からエネルギーを引き出して、所望の強度にま
で増幅されて、導波路の出射端部587から外部に放射
されることになる。
【0127】尚、上記に示した例では、伝達プリズムに
おいて、内部の反射領域と、出射領域又は入射領域と
が、同一平面上に形成されていない構成を示したが、こ
れに限らず、例えば、複数の反射領域を構成する反射面
のうち、ある反射面を、複数の出射領域と同一面上に設
けた構成でも良い。
【0128】図12は、光ビームの分割に係る光学系に
ついて変形例を示したものである。
【0129】この変形例では、光ビームの伝達プリズム
589Aへの入出力及び反射に関与する光学的に平坦な
領域の数が4面からなるプリズム構造を示している。つ
まり、入射領域589iについて1面、2つの反射領域
589r2、589r4についてそれぞれ1面、2つの
出射領域589o1、589o2及び2つの反射領域5
89r1、589r3について1面とされ、合計4面が
伝達プリズム589Aにおいて利用される。
【0130】入射領域589iから入射される励起光の
うち、高反射率の反射コート処理が施された反射領域5
89r1において反射された光は、反射領域589r
2、589r3をこの順で反射(全反射)される。
【0131】伝達プリズム589Aの内部を進む光ビー
ムについて、その反射回数は4回であり、図8、図9に
示す例と同数であるが、伝達プリズム589Aの底面5
89bを反射面として利用している点で相違する(図
8、図9の例では、伝達プリズム589の底面を出射領
域としてしか利用していない。但し、反射領域589r
1は除く。)。つまり、図8、図9の構成との比較にお
いて、伝達プリズムを構成する光学的に平坦な平面の数
が5面であったものが、本例では一面少なくなり、4面
となる。これにより、高い角度精度、平面精度が要求さ
れる、プリズムの加工コストを低減する効果が得られ
る。
【0132】尚、図8、図9や図12に示されるよう
に、プリズムによる分割光学系を採用する場合の利点と
して、光軸調整の容易さが挙げられる。即ち、断面形状
が多角形状のプリズムを用いて構成した分割光学系で
は、それぞれの分割光ビームが入力結合プリズムを介し
て、導波路へ結合する際の入射位置間の距離を、励起光
ビームの入射位置の変動に依存せず、常に一定に保つこ
とができるという特徴をもつため、光軸調整が容易にな
る。
【0133】また、グレーティング結合器やプリズム結
合器の如何に関わらず、励起光源としては、単一又は複
数のエミッタを有するレーザダイオードを用いることが
好ましく、特に、複数のエミッタを有する場合には、照
射範囲や光量の増加にとって有効である。尚、レーザダ
イオードのエミッタが、発光領域幅の大きいブロードエ
リア構造を有する場合には、レーザダイオードの電力効
率が上がるので、効率化の面で好ましい。
【0134】しかして、以上に説明した構成を、例え
ば、映像表示装置等に適用することにより、例えば、下
記に示す利点が得られる。
【0135】・線状発光領域からの均一な光出力を得る
ことができること(利得領域の両側からの同時励起、つ
まり、図5や図11の構成では左右の各方向からの同時
励起を行うことで、より広い幅の利得媒体を均一に励起
化することができることによる。)。
【0136】・高光出力が得られるので、ディスプレイ
映像の高輝度化や、スクリーンサイズの大型化にとって
有利であること(高効率の波長変換材料や、高出力及び
高効率の励起光源の採用による。)。
【0137】・高指向性放射光によって、光利用効率の
向上(光学的結合損失の低減)を実現できること(導波
路内に閉じ込めた伝搬光の放射による、放射光ビームの
指向性が向上する。)。
【0138】・線状発光領域が得られ、光利用効率が向
上すること(GLV等の、一次元空間変調素子の場合で
あり、伝搬光の薄膜導波路内への閉じ込めによる。)。
【0139】・安価な利得材料、少ない部品点数で済
み、コスト低減が可能であること(つまり、低コストの
有機利得材料を利用できること、及び光導波路への機能
集積化を実現できることによる。)。
【0140】・筐体の小型化、軽量化によって、設置場
所の制約が緩和され、設置自由度を拡大できること(光
導波路型素子、励起光源、モニタ用受光素子等、構成部
品の集積化や小型化による。)。
【0141】・放射光出力の安定化により、映像表示品
質が向上すること(放射光出力モニタ用受光素子が出力
する受光電流に基づく、光励起用LD光源の駆動電流へ
のフィードバック制御によるものである。)。
【0142】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、請求項1に係る発明によれば、励起光ビームを分割
し、それぞれのビームについて結合器を用いて導波路型
素子の導波路へと結合させることで、単一の励起光ビー
ムを導波路へ結合する構成に比べて、結合効率を高める
ことができる。従って、エネルギー利用効率が高くな
り、均一な光出力を得ることが可能となる。
【0143】請求項2に係る発明によれば、結合器とし
てグレーティング結合器を用いることによって、これを
導波路型素子に形成することで集積化が可能である。
【0144】請求項3に係る発明によれば、プリズム結
合器を用いることで構成が簡単化され、光軸調整等が容
易になる。
【0145】請求項4乃至6に係る発明によれば、励起
光ビームを、その光軸を含む平面に関して、ほぼ対称に
2分割することによって、結合効率を高めることができ
る。
【0146】請求項7に係る発明によれば、一つの部材
で2鏡面を形成できるので、励起光に係る2分割用の反
射手段が1つで済み、構成が簡単である。
【0147】請求項8に係る発明によれば、鏡面での損
失を低減することにより、効率を高めることができる。
【0148】請求項9や請求項30に係る発明によれ
ば、分割後の強度分布を均等化することができるので、
結合効率を高くすることができる。
【0149】請求項10に係る発明によれば、分割光学
系の構成を簡素化することができる。
【0150】請求項11に係る発明によれば、分割光学
系の構成をコンパクトにすることができるので、小型化
等に好適である。
【0151】請求項12、請求項31に係る発明によれ
ば、利得領域の両側からの同時励起が可能であり、均一
な励起を実現できる。
【0152】請求項13に係る発明によれば、励起光の
逃げが少ないので、結合効率が高くなる。
【0153】請求項14、請求項32に係る発明によれ
ば、強度分布のピーク位置と、結合器における利得領域
側の端部位置とを合わせるという位置関係の設定によ
り、結合効率を高めることができる。
【0154】請求項15に係る発明によれば、放射パタ
ーンの強度分布について、単峰性を有する励起光源を用
いることにより、結合器による出力結合時の放射ビーム
振幅分布と、結合器の入射光強度分布との間の相違を極
力小さくして、両者の重なり積分の値を1に近づけるこ
とが可能になる。
【0155】請求項16に係る発明によれば、レーザダ
イオードを用いることで、装置の小型化や、省電力化、
低コスト化、信頼性の向上を図ることができる。
【0156】請求項17に係る発明によれば、電力効率
を高くすることができるので、小型化や省電力化に有利
である。
【0157】請求項18に係る発明によれば、励起光ビ
ームに対するコリメートによって平行光化されるので、
光学的に制御し易い構成が得られる。
【0158】請求項19に係る発明によれば、ビーム分
割のための構成及び分割法が簡単になる。
【0159】請求項20に係る発明によれば、大きな発
光領域幅をもつ励起光源の利用において対応が容易にな
る。
【0160】請求項21や請求項23に係る発明によれ
ば、成膜条件が緩和されるので、コスト低減が可能であ
る。
【0161】請求項22、請求項24、請求項29に係
る発明によれば、透過面や反射面について、高性能化や
コストの低減が可能である。
【0162】請求項25に係る発明によれば、伝達プリ
ズムについて素子構造を簡単化することができる。
【0163】請求項26や請求項27に係る発明によれ
ば、光学的に平坦な研磨面の数を減らすことによって、
伝達プリズムの加工コストを低減できる。
【0164】請求項28に係る発明によれば、プリズム
内での全反射を利用することにより、コストのかかる高
反射率コーティング処理が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光励起型光源装置を用いた構成例
を示す図である。
【図2】光源モジュールの構成について一例を示す図で
ある。
【図3】光ビームを分割した励起光学系について説明す
るための模式図である。
【図4】分割された光ビームの振幅分布h(z)及び結合器
による出力放射ビームの振幅分布g(z)について説明する
ためのグラフ図である。
【図5】図6とともに導波路型素子の構成例について説
明するための概略図であり、本図は平面導波路基板に直
交する方向からみた図を示す。
【図6】分割された励起光の入射結合について説明する
ための図である。
【図7】光ビームを分割した励起光学系について変形例
を示す図である。
【図8】図9乃至図12とともに、プリズム結合器を用
いた構成例について説明するための図であり、本図は、
光ビームを分割した励起光学系について説明するための
模式図である。
【図9】伝達プリズムの形状例を示す要部の側面図であ
る。
【図10】伝達プリズムの底面部を拡大して示す概略図
である。
【図11】導波路型素子の構成例について説明するため
の概略図である。
【図12】光ビームを分割した励起光学系について変形
例を示す図である。
【符号の説明】
1…光励起型光源装置、511…励起光源、513…導
波路型素子、513a…導波路、513e…利得領域、
581…反射手段、581L、581R…鏡面、583
L、583R…グレーティング結合器、584…利得領
域、588…プリズム結合器、588a、588b…入
力結合プリズム、589、589A…伝達プリズム、5
89i…入射領域、589o1、589o2…出射領
域、589r1乃至589r4…反射領域、590…分
割手段、590b…境界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 21/14 H01S 3/091 S Fターム(参考) 2H048 FA09 FA15 FA24 2H049 AA03 AA13 AA55 AA65 BA05 BA43 BC09 BC25 2K103 AA13 AB05 BA01 BA11 5F072 AB20 AK07 HH02 JJ02 JJ20 KK30 MM03 MM12 PP07 RR03 YY20

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 利得領域を備える導波路型素子と、当該
    利得領域の励起光源と、複数の光学素子とを用いて構成
    される光励起型光源装置であって、 上記励起光源によって放射される励起光ビームを、上記
    光学素子により分割するとともに、分割された励起光ビ
    ームを結合器により上記導波路型素子の導波路に結合さ
    せることを特徴とする光励起型光源装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した光励起型光源装置に
    おいて、 上記結合器として、グレーティング結合器を用いたこと
    を特徴とする光励起型光源装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した光励起型光源装置に
    おいて、 上記結合器として、プリズム結合器を用いたことを特徴
    とする光励起型光源装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載した光励起型光源装置に
    おいて、 上記励起光ビームが、その光軸を含む平面に関して、概
    ね対称に2分割されることを特徴とする光励起型光源装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載した光励起型光源装置に
    おいて、 上記励起光ビームが、その光軸を含む平面に関して、概
    ね対称に2分割されることを特徴とする光励起型光源装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載した光励起型光源装置に
    おいて、 上記励起光ビームが、その光軸を含む平面に関して、概
    ね対称に2分割されることを特徴とする光励起型光源装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載した光励起型光源装置に
    おいて、 二面が鏡面とされる反射手段によって、上記励起光ビー
    ムが2分割されることを特徴とする光励起型光源装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載した光励起型光源装置に
    おいて、 上記反射手段の鏡面が、光学研磨された金属若しくは金
    属薄膜又は所定の波長において高反射率を備える誘電体
    多層膜コートされた光学材料を用いて形成されているこ
    とを特徴とする光励起型光源装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載した光励起型光源装置に
    おいて、 上記反射手段の両鏡面の境界線が上記励起光ビームの光
    軸に対して直交し、かつ、上記励起光ビームの強度につ
    いて、光軸に直交する面に対して垂直な方向における強
    度分布が、そのピーク強度を中心に2等分されるように
    当該境界線の方向が規定されていることを特徴とする光
    励起型光源装置。
  10. 【請求項10】 請求項5に記載した光励起型光源装置
    において、 上記励起光ビームが、反射手段によって2分割されると
    ともに、当該励起光ビームの強度について、光軸に直交
    する面に対して垂直な方向における強度分布が、そのピ
    ーク強度を中心に2等分され、かつ、その一方の光ビー
    ムについては上記反射手段によって反射された後に上記
    グレーティング結合器に到達し、他方の光ビームについ
    ては上記反射手段によって反射されずに上記グレーティ
    ング結合器に到達することを特徴とする光励起型光源装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項2に記載した光励起型光源装置
    において、 分割された光ビームを導波路へと結合させる場合に、当
    該分割された光ビームについて、上記グレーティング結
    合器に入射する前にそれぞれのビームの光軸が互いに交
    差することを特徴とする光励起型光源装置。
  12. 【請求項12】 請求項2に記載した光励起型光源装置
    において、 複数のグレーティング結合器が、導波路型素子の基板上
    で利得領域に係る放射光の光軸に関して概ね対称に配置
    されることを特徴とする光励起型光源装置。
  13. 【請求項13】 請求項2に記載した光励起型光源装置
    において、 上記グレーティング結合器に入射する、分割された光ビ
    ームは、導波モードのみと結合する1ビーム結合条件を
    満たすことを特徴とする光励起型光源装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載した光励起型光源装
    置において、 分割された光ビームに係る強度分布のピーク位置が、上
    記グレーティング結合器において利得領域に近い側の端
    部の位置とほぼ一致することを特徴とする光励起型光源
    装置。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載した光励起型光源装置
    において、 光軸と直交し、かつ、互いに直交する2方向のうち、そ
    の一方向の放射パターン又は両方向におけるそれぞれの
    放射パターンの強度分布について、単峰性を有する励起
    光源を備えていることを特徴とする光励起型光源装置。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載した光励起型光源装
    置において、 上記励起光源として、単一又は複数のエミッタを有する
    レーザダイオードを用いたことを特徴とする光励起型光
    源装置。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載した光励起型光源装
    置において、 レーザダイオードのエミッタがブロードエリア構造を有
    することを特徴とする光励起型光源装置。
  18. 【請求項18】 請求項15に記載した光励起型光源装
    置において、 上記励起光ビームに対するコリメート用の光学素子を備
    えていることを特徴とする光励起型光源装置。
  19. 【請求項19】 請求項3に記載した光励起型光源装置
    において、 上記プリズム結合器として複数の入力結合プリズムを有
    し、分割した励起光ビームを入力結合プリズムに伝搬す
    るための伝達プリズムを備えており、 上記入力結合プリズムと上記伝達プリズムとを接合する
    界面に、励起光ビームの分割手段を設けたことを特徴と
    する光励起型光源装置。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載した光励起型光源装
    置において、 上記励起光ビームの分割手段が、励起光ビームに対する
    透過面及び反射面を有し、両者の境界が直線状とされて
    各面が区分されていることを特徴とする光励起型光源装
    置。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載した光励起型光源装
    置において、 上記透過面の透過率が、励起光波長のP偏光成分に対し
    て高くされていることを特徴とする光励起型光源装置。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載した光励起型光源装
    置において、 上記透過面に誘電体多層膜が用いられていることを特徴
    とする光励起型光源装置。
  23. 【請求項23】 請求項20に記載した光励起型光源装
    置において、 上記反射面の反射率が、励起光波長のP偏光成分に対し
    て高くされていることを特徴とする光励起型光源装置。
  24. 【請求項24】 請求項20に記載した光励起型光源装
    置において、 上記反射面に金属薄膜又は誘電体多層膜が用いられてい
    ることを特徴とする光励起型光源装置。
  25. 【請求項25】 請求項19に記載した光励起型光源装
    置において、 上記伝達プリズムは、当該プリズムに入射する励起光の
    ための入射領域及び上記入力結合プリズムに対して光を
    出射するための複数の出射領域、そして、当該プリズム
    内を伝搬する光に対する複数の反射領域を備えているこ
    とを特徴とする光励起型光源装置。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載した光励起型光源装
    置において、 上記複数の出射領域が、伝達プリズムを構成する同一面
    上に設けられていることを特徴とする光励起型光源装
    置。
  27. 【請求項27】 請求項26に記載した光励起型光源装
    置において、 上記複数の反射領域のうち、ある反射面が、上記複数の
    出射領域又は上記入射面と同一面上に設けられているこ
    とを特徴とする光励起型光源装置。
  28. 【請求項28】 請求項20に記載した光励起型光源装
    置において、 上記伝達プリズム内を伝搬する励起光が、当該プリズム
    内の反射領域に係る反射面へ入射するときの入射角は、
    当該プリズムを構成する光学材料及び当該プリズムの外
    部領域の屈折率によって規定される臨界角より大きくさ
    れていることを特徴とする光励起型光源装置。
  29. 【請求項29】 請求項20に記載した光励起型光源装
    置において、 伝達プリズムの反射領域に、金属薄膜又は誘電体多層膜
    が用いられていることを特徴とする光励起型光源装置。
  30. 【請求項30】 請求項20に記載した光励起型光源装
    置において、 上記励起光ビームの強度について、光軸に直交する面に
    対して垂直な方向における強度分布が、そのピーク強度
    を中心に2等分され、かつ、その一方の光ビームについ
    ては上記反射面によって反射された後に上記入力結合プ
    リズムのうちの一方に到達し、他方の光ビームについて
    は上記透過面を透過して上記入力結合プリズムのうちの
    他方に到達することを特徴とする光励起型光源装置。
  31. 【請求項31】 請求項19に記載した光励起型光源装
    置において、 各入力結合プリズムを、上記導波路基板上で利得領域に
    係る放射光の光軸に関して概ね対称に配置したことを特
    徴とする光励起型光源装置。
  32. 【請求項32】 請求項19に記載した光励起型光源装
    置において、 分割された光ビームに係る強度分布のピーク位置が、各
    入力結合プリズムの利得領域において近い側の端部の位
    置とほぼ一致するように配置したことを特徴とする光励
    起型光源装置。
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