JP2003302204A - 歪分布表示装置 - Google Patents
歪分布表示装置Info
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- JP2003302204A JP2003302204A JP2002142222A JP2002142222A JP2003302204A JP 2003302204 A JP2003302204 A JP 2003302204A JP 2002142222 A JP2002142222 A JP 2002142222A JP 2002142222 A JP2002142222 A JP 2002142222A JP 2003302204 A JP2003302204 A JP 2003302204A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】歪分布の感知に圧電材料を用い、歪分布の可視
化にエレクトロルミネッセンスシート（ＥＬシート）を
用いることにより、電源および、その外の装置を用いる
ことなく、被測定物表面の歪分布を可視化することが課
題である。 【解決手段】歪むことによって電荷を生じる圧電材料
と、発生した電荷によって発光するエレクトロルミネッ
センスシートを重ねて一体化したことを特徴とし、前記
エレクトロルミネッセンスシートの背面に矩形や円形の
背面電極、あるいは文字の背面電極を複数取り付けたこ
と、前記エレクトロルミネッセンスシートの背面電極側
と前記圧電材料の電極処理を施していない面とを重ねて
電気的に接続したこと、前記歪分布表示装置を前記エレ
クトロルミネッセンスシートの発光面が上面を向くよう
に被測定物に接着して、圧電材料に発生した電荷によっ
て前記エレクトロルミネッセンスシートを発光させて被
測定物の歪分布を可視化したことを特徴とする。
化にエレクトロルミネッセンスシート（ＥＬシート）を
用いることにより、電源および、その外の装置を用いる
ことなく、被測定物表面の歪分布を可視化することが課
題である。 【解決手段】歪むことによって電荷を生じる圧電材料
と、発生した電荷によって発光するエレクトロルミネッ
センスシートを重ねて一体化したことを特徴とし、前記
エレクトロルミネッセンスシートの背面に矩形や円形の
背面電極、あるいは文字の背面電極を複数取り付けたこ
と、前記エレクトロルミネッセンスシートの背面電極側
と前記圧電材料の電極処理を施していない面とを重ねて
電気的に接続したこと、前記歪分布表示装置を前記エレ
クトロルミネッセンスシートの発光面が上面を向くよう
に被測定物に接着して、圧電材料に発生した電荷によっ
て前記エレクトロルミネッセンスシートを発光させて被
測定物の歪分布を可視化したことを特徴とする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は機械や構造物等が変
形、振動する際の、被測定物表面の歪分布を光の強弱の
分布によって可視化する歪分布表示装置に関する。
形、振動する際の、被測定物表面の歪分布を光の強弱の
分布によって可視化する歪分布表示装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】機械や構造物の歪測定には歪ゲージが多
く用いられているが、被測定物表面の歪分布を明らかに
するには多数の歪ゲージを使用する必要があり、多数箇
所の歪測定では電気配線の問題や、歪測定器のチャンネ
ル数が増加して装置が大掛かりになるという問題があっ
た。
く用いられているが、被測定物表面の歪分布を明らかに
するには多数の歪ゲージを使用する必要があり、多数箇
所の歪測定では電気配線の問題や、歪測定器のチャンネ
ル数が増加して装置が大掛かりになるという問題があっ
た。
【０００３】被測定物表面の歪分布を測定する方法とし
て、サーモグラフィーやモアレ縞を利用した光学的手法
などが提案されている。これらは非接触で歪分布が測定
できることや多点測定が可能であるという長所を有する
が、測定装置が高価である点や、温度や振動などの環境
に影響を受けやすい点から、実構造物の現場測定が容易
でないという問題があった。
て、サーモグラフィーやモアレ縞を利用した光学的手法
などが提案されている。これらは非接触で歪分布が測定
できることや多点測定が可能であるという長所を有する
が、測定装置が高価である点や、温度や振動などの環境
に影響を受けやすい点から、実構造物の現場測定が容易
でないという問題があった。
【０００４】また、圧電材料を用いて被測定物の歪分布
を測定することができる。圧電材料を被測定物に接着
し、被測定物に歪を与えると圧電材料に分極が生じ、被
測定物の歪に比例した電位が圧電材料表面に生じる。こ
の電位を表面電位計で測定することで被測定物表面の歪
を測定することが出来る。しかし、この方法で歪分布を
測定するためには、表面電位計のプローブを圧電材料の
表面に沿って移動して測定する必要がある。このため、
複数箇所の歪を同時に測定することが出来ないという問
題があった。
を測定することができる。圧電材料を被測定物に接着
し、被測定物に歪を与えると圧電材料に分極が生じ、被
測定物の歪に比例した電位が圧電材料表面に生じる。こ
の電位を表面電位計で測定することで被測定物表面の歪
を測定することが出来る。しかし、この方法で歪分布を
測定するためには、表面電位計のプローブを圧電材料の
表面に沿って移動して測定する必要がある。このため、
複数箇所の歪を同時に測定することが出来ないという問
題があった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、歪分布の
感知に圧電材料を用い、歪分布の表示にエレクトロルミ
ネッセンスシート（ＥＬシート）を用いることにより、
電源および、その外の装置を用いることなく、被測定物
表面の歪分布を可視化することが課題である。
感知に圧電材料を用い、歪分布の表示にエレクトロルミ
ネッセンスシート（ＥＬシート）を用いることにより、
電源および、その外の装置を用いることなく、被測定物
表面の歪分布を可視化することが課題である。
【０００６】ＥＬシートは通常、発光する側のシート表
面から順に、表面電極、発光層、絶縁層、背面電極と複
数の層を重ね合わせて構成する。一般に、発光体に硫化
亜鉛などを使用する無機ＥＬシートの発光には、表面電
極と背面電極間に１００Ｖから２００Ｖの交流電圧を加
える必要がある。本発明では、ＥＬシート専用に使用さ
れる電源と比較して発電量の小さい圧電材料を用いてＥ
Ｌシートを発光させることが課題である。
面から順に、表面電極、発光層、絶縁層、背面電極と複
数の層を重ね合わせて構成する。一般に、発光体に硫化
亜鉛などを使用する無機ＥＬシートの発光には、表面電
極と背面電極間に１００Ｖから２００Ｖの交流電圧を加
える必要がある。本発明では、ＥＬシート専用に使用さ
れる電源と比較して発電量の小さい圧電材料を用いてＥ
Ｌシートを発光させることが課題である。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の歪分布表示装置は、歪むことによって電荷
を生じる圧電材料と、発生した電荷によって発光するエ
レクトロルミネッセンスシートを重ねて一体化したこと
を特徴とする。また、前記エレクトロルミネッセンスシ
ートの背面に矩形や円形の背面電極、あるいは文字の背
面電極を複数取り付けたこと、前記エレクトロルミネッ
センスシートの背面電極側と前記圧電材料の電極処理を
施していない面とを重ねて電気的に接続したこと、前記
歪分布表示装置を前記エレクトロルミネッセンスシート
の発光面が上面を向くように被測定物に接着して、圧電
材料に発生した電荷によって前記エレクトロルミネッセ
ンスシートを発光させて被測定物の歪分布を可視化した
ことを特徴とする。
め、本発明の歪分布表示装置は、歪むことによって電荷
を生じる圧電材料と、発生した電荷によって発光するエ
レクトロルミネッセンスシートを重ねて一体化したこと
を特徴とする。また、前記エレクトロルミネッセンスシ
ートの背面に矩形や円形の背面電極、あるいは文字の背
面電極を複数取り付けたこと、前記エレクトロルミネッ
センスシートの背面電極側と前記圧電材料の電極処理を
施していない面とを重ねて電気的に接続したこと、前記
歪分布表示装置を前記エレクトロルミネッセンスシート
の発光面が上面を向くように被測定物に接着して、圧電
材料に発生した電荷によって前記エレクトロルミネッセ
ンスシートを発光させて被測定物の歪分布を可視化した
ことを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】以下に発明の実施の形態について
図を用いて詳細に説明する。図１（ａ）は本発明の一実
施例に係わる歪分布表示装置の構成を示した図である。
圧電材料２は、厚さ方向に分極した圧電セラミックスな
どの片面に電極６を取り付けたもので、前記電極面側を
導電性の被測定物９に接着剤８で接着し、圧電材料２の
もう一方の電極を取り付けていない面には、複数の背面
電極３を取り付けたＥＬシート１を密着させて電気的に
接続し、ＥＬシート１の表面電極４を電気配線７で被測
定物９に電気的に接続している。なお、表面電極４と被
測定物９とが直接接触して電気的に接続されていれば、
電気配線７を使用しなくても良い。また、ＥＬシート１
の背面電極３を導電性接着剤で作成し、あらかじめ圧電
材料２と一体化しておいても良い。
図を用いて詳細に説明する。図１（ａ）は本発明の一実
施例に係わる歪分布表示装置の構成を示した図である。
圧電材料２は、厚さ方向に分極した圧電セラミックスな
どの片面に電極６を取り付けたもので、前記電極面側を
導電性の被測定物９に接着剤８で接着し、圧電材料２の
もう一方の電極を取り付けていない面には、複数の背面
電極３を取り付けたＥＬシート１を密着させて電気的に
接続し、ＥＬシート１の表面電極４を電気配線７で被測
定物９に電気的に接続している。なお、表面電極４と被
測定物９とが直接接触して電気的に接続されていれば、
電気配線７を使用しなくても良い。また、ＥＬシート１
の背面電極３を導電性接着剤で作成し、あらかじめ圧電
材料２と一体化しておいても良い。
【０００９】被測定物９に荷重が加わり分布歪が発生し
た場合、圧電材料２のＥＬシート１側の表面に被測定物
９の歪分布に応じた電荷が発生する。発生した電荷はＥ
Ｌシート１の背面電極３で集電されてＥＬシート１に導
かれ、ＥＬシート１の背面電極３を取り付けた領域が発
光する。ＥＬシート１の発光強度は、表面電極４と背面
電極３間に加えられる交流電圧、および交流の周波数に
比例して強くなる。一方、圧電材料２が発生する電荷量
は被測定物９の歪量に比例して多くなり、結果として圧
電材料２が発生する電圧も高くなる。つまり、背面電極
３を取り付けた部分のＥＬシート１の発光強度は、被測
定物９の歪の大きさに比例して強くなる。以上の理由に
より、面積が等しい複数の背面電極３をＥＬシート１上
に作成して配列しておけば、各背面電極３を取り付けた
部分のＥＬシート１の発光強度の強弱によって、被測定
物の歪分布を可視化することが可能となる。
た場合、圧電材料２のＥＬシート１側の表面に被測定物
９の歪分布に応じた電荷が発生する。発生した電荷はＥ
Ｌシート１の背面電極３で集電されてＥＬシート１に導
かれ、ＥＬシート１の背面電極３を取り付けた領域が発
光する。ＥＬシート１の発光強度は、表面電極４と背面
電極３間に加えられる交流電圧、および交流の周波数に
比例して強くなる。一方、圧電材料２が発生する電荷量
は被測定物９の歪量に比例して多くなり、結果として圧
電材料２が発生する電圧も高くなる。つまり、背面電極
３を取り付けた部分のＥＬシート１の発光強度は、被測
定物９の歪の大きさに比例して強くなる。以上の理由に
より、面積が等しい複数の背面電極３をＥＬシート１上
に作成して配列しておけば、各背面電極３を取り付けた
部分のＥＬシート１の発光強度の強弱によって、被測定
物の歪分布を可視化することが可能となる。
【００１０】被測定物９が非導電性である場合は、図１
（ｂ）のように、圧電材料２を接着する前に銅箔などの
電極６ｂを被測定物９に接着してから、前述の図１
（ａ）と同様に圧電材料２の電極６ａ側を電極６ｂに接
着し、圧電材料２の電極がない側の面にＥＬシート１を
取り付ける。ＥＬシート１の表面電極４は被測定物９に
接着した電極６ｂに電気配線７で接続する。これによ
り、非導電性の被測定物についても、導電性の被測定物
と同様に歪分布を可視化することが出来る。
（ｂ）のように、圧電材料２を接着する前に銅箔などの
電極６ｂを被測定物９に接着してから、前述の図１
（ａ）と同様に圧電材料２の電極６ａ側を電極６ｂに接
着し、圧電材料２の電極がない側の面にＥＬシート１を
取り付ける。ＥＬシート１の表面電極４は被測定物９に
接着した電極６ｂに電気配線７で接続する。これによ
り、非導電性の被測定物についても、導電性の被測定物
と同様に歪分布を可視化することが出来る。
【００１１】図２は、歪分布を発光表示するためにＥＬ
シート１に取り付ける背面電極の一実施例を示す図であ
る。ＥＬシート１の絶縁層５の上に導電性塗料や導電性
フィルム、黒鉛などを用いて背面電極３を作成すること
により、ＥＬシート１を自由な形状で発光させることが
出来る。図２（ａ）は背面電極３を短冊状の矩形とした
場合であり、図２（ｂ）は直径の小さい円形を多数整列
させた場合である。どちらの場合も、各背面電極３の面
積を比較的小さく作成し、背面電極３を密に配置するこ
とで、被測定物の歪分布を詳細に可視化することが出来
る。
シート１に取り付ける背面電極の一実施例を示す図であ
る。ＥＬシート１の絶縁層５の上に導電性塗料や導電性
フィルム、黒鉛などを用いて背面電極３を作成すること
により、ＥＬシート１を自由な形状で発光させることが
出来る。図２（ａ）は背面電極３を短冊状の矩形とした
場合であり、図２（ｂ）は直径の小さい円形を多数整列
させた場合である。どちらの場合も、各背面電極３の面
積を比較的小さく作成し、背面電極３を密に配置するこ
とで、被測定物の歪分布を詳細に可視化することが出来
る。
【００１２】また、図２（ｃ）に示すように、背面電極
３に文字を使用しても良い。この場合、被測定物が広い
範囲にわたって非常に大きな歪を生じていると、ＥＬシ
ート１の背面電極３を取り付けた部分が全て発光し、文
字全てが表示される。これにより本発明を警告表示装置
として使用することも出来る。
３に文字を使用しても良い。この場合、被測定物が広い
範囲にわたって非常に大きな歪を生じていると、ＥＬシ
ート１の背面電極３を取り付けた部分が全て発光し、文
字全てが表示される。これにより本発明を警告表示装置
として使用することも出来る。
【００１３】圧電材料によってＥＬシートを発光させる
実験を行った。実験では、長さ３００ｍｍ、幅６０ｍ
ｍ、厚さ１０ｍｍの軟鋼平板試験片中央に村田製作所製
の圧電セラミックス（長さ２０ｍｍ、幅１７ｍｍ、厚さ
０．３ｍｍ）を接着し、油圧サーボ試験機によって完全
両振りで応力振幅５０ＭＰａおよび応力振幅１００ＭＰ
ａの変動応力を負荷した。圧電セラミックスは厚さ方向
に分極しており、両面に電極が取り付けてある。圧電セ
ラミックスの上面には、発光色がブルーグリーンの長さ
２０ｍｍ、幅３ｍｍの矩形に切り出したＥＬシートを置
き、その上面を透明なテフロン（登録商標）粘着シート
で押さえてＥＬシートの背面電極と圧電材料の電極面を
密着させた。ＥＬシートの背面電極は、黒鉛筆を用いて
絶縁層の全面を塗り、炭素電極とした。
実験を行った。実験では、長さ３００ｍｍ、幅６０ｍ
ｍ、厚さ１０ｍｍの軟鋼平板試験片中央に村田製作所製
の圧電セラミックス（長さ２０ｍｍ、幅１７ｍｍ、厚さ
０．３ｍｍ）を接着し、油圧サーボ試験機によって完全
両振りで応力振幅５０ＭＰａおよび応力振幅１００ＭＰ
ａの変動応力を負荷した。圧電セラミックスは厚さ方向
に分極しており、両面に電極が取り付けてある。圧電セ
ラミックスの上面には、発光色がブルーグリーンの長さ
２０ｍｍ、幅３ｍｍの矩形に切り出したＥＬシートを置
き、その上面を透明なテフロン（登録商標）粘着シート
で押さえてＥＬシートの背面電極と圧電材料の電極面を
密着させた。ＥＬシートの背面電極は、黒鉛筆を用いて
絶縁層の全面を塗り、炭素電極とした。
【００１４】試験片に加える変動応力の応力速度を１０
Ｈｚとし、応力振幅を１００ＭＰａとしたとき、周囲を
暗くした状態で、ＥＬシートの緑色の発光を目視で確認
できた。また、応力速度を１Ｈｚに低下させた場合、発
光強度は弱まるが、ＥＬシートの発光を目視で確認し
た。図３は、ＥＬシートの発光特性を分光光度計で測定
した結果である。実線は応力振幅１００ＭＰａの測定結
果を表し、破線は応力振幅５０ＭＰａの測定結果を表し
ている。どちらの場合も変動応力の応力速度は１０Ｈｚ
である。ＥＬシートの発光強度の分布曲線は、応力振幅
５０ＭＰａ、応力振幅１００ＭＰａともに波長５００ｎ
ｍを越えた辺りにピークがあり、各ピークの発光強度は
応力振幅に比例して増加することを確認した。
Ｈｚとし、応力振幅を１００ＭＰａとしたとき、周囲を
暗くした状態で、ＥＬシートの緑色の発光を目視で確認
できた。また、応力速度を１Ｈｚに低下させた場合、発
光強度は弱まるが、ＥＬシートの発光を目視で確認し
た。図３は、ＥＬシートの発光特性を分光光度計で測定
した結果である。実線は応力振幅１００ＭＰａの測定結
果を表し、破線は応力振幅５０ＭＰａの測定結果を表し
ている。どちらの場合も変動応力の応力速度は１０Ｈｚ
である。ＥＬシートの発光強度の分布曲線は、応力振幅
５０ＭＰａ、応力振幅１００ＭＰａともに波長５００ｎ
ｍを越えた辺りにピークがあり、各ピークの発光強度は
応力振幅に比例して増加することを確認した。
【００１５】次に、本発明によって被測定物の歪分布の
可視化が可能であることを確認するため、円孔付き平板
試験片を使用した歪分布の可視化実験を行った。図４
は、実験に使用した円孔付き軟鋼平板試験片と歪分布表
示装置の取り付け位置を示した図である。試験片は長さ
３２０ｍｍ、幅９５ｍｍ、板厚５ｍｍで、中央に直径２
０ｍｍの円孔を有し、円孔縁に接するように長さ１０ｍ
ｍ、幅２０ｍｍ、厚さ０．３ｍｍの圧電セラミックスを
接着した。圧電セラミックスは厚さ方向に分極してお
り、試験片に接着する面側にのみ電極が取り付けてあ
る。長さ１０ｍｍ、幅２０ｍｍのＥＬシート１には、図
４に破線で示すように４個の矩形背面電極（長さ１０ｍ
ｍ、幅４ｍｍ）が取り付けてあり、透明なテフロン粘着
シートを用いてＥＬシート１の背面電極を圧電セラミッ
クス上面に密着させ、電気的に接続した。
可視化が可能であることを確認するため、円孔付き平板
試験片を使用した歪分布の可視化実験を行った。図４
は、実験に使用した円孔付き軟鋼平板試験片と歪分布表
示装置の取り付け位置を示した図である。試験片は長さ
３２０ｍｍ、幅９５ｍｍ、板厚５ｍｍで、中央に直径２
０ｍｍの円孔を有し、円孔縁に接するように長さ１０ｍ
ｍ、幅２０ｍｍ、厚さ０．３ｍｍの圧電セラミックスを
接着した。圧電セラミックスは厚さ方向に分極してお
り、試験片に接着する面側にのみ電極が取り付けてあ
る。長さ１０ｍｍ、幅２０ｍｍのＥＬシート１には、図
４に破線で示すように４個の矩形背面電極（長さ１０ｍ
ｍ、幅４ｍｍ）が取り付けてあり、透明なテフロン粘着
シートを用いてＥＬシート１の背面電極を圧電セラミッ
クス上面に密着させ、電気的に接続した。
【００１６】円孔付き平板試験片のｘ軸方向に荷重を負
荷した場合、図４の円孔の左側に示すように、応力集中
によって円孔縁で大きな歪を発生し、円孔から離れるに
従って歪は次第に減少する。ＥＬシートを取り付ける前
に、表面電位計で圧電セラミックス表面の表面電位を測
定したところ、円孔近傍の点Ａでの表面電位は、試験片
外縁に近い点Ｂにおける表面電位の２倍以上の値となっ
た。
荷した場合、図４の円孔の左側に示すように、応力集中
によって円孔縁で大きな歪を発生し、円孔から離れるに
従って歪は次第に減少する。ＥＬシートを取り付ける前
に、表面電位計で圧電セラミックス表面の表面電位を測
定したところ、円孔近傍の点Ａでの表面電位は、試験片
外縁に近い点Ｂにおける表面電位の２倍以上の値となっ
た。
【００１７】図５は、歪分布表示装置を円孔付き平板試
験片の円孔近傍に取り付け、平板試験片に荷重を負荷し
たときの歪分布表示装置の発光状態を模式的に示した図
である。ＥＬシート１の各背面電極３の斜線はＥＬシー
ト１の発光強度を表しており、斜線の密度が高いほど発
光強度が強いことを示す。実験では、円孔付き平板試験
片のｘ軸方向に、完全両振りで応力速度１０Ｈｚ、試験
片の円孔のない部分の公称応力で応力振幅が４０ＭＰａ
の変動応力を負荷した。図５に示すように、ＥＬシート
１は円孔に最も近い背面電極部分が最も明るく発光し、
円孔から遠ざかるにつれて発光強度が弱くなることを目
視で確認した。
験片の円孔近傍に取り付け、平板試験片に荷重を負荷し
たときの歪分布表示装置の発光状態を模式的に示した図
である。ＥＬシート１の各背面電極３の斜線はＥＬシー
ト１の発光強度を表しており、斜線の密度が高いほど発
光強度が強いことを示す。実験では、円孔付き平板試験
片のｘ軸方向に、完全両振りで応力速度１０Ｈｚ、試験
片の円孔のない部分の公称応力で応力振幅が４０ＭＰａ
の変動応力を負荷した。図５に示すように、ＥＬシート
１は円孔に最も近い背面電極部分が最も明るく発光し、
円孔から遠ざかるにつれて発光強度が弱くなることを目
視で確認した。
【００１８】
【発明の効果】本発明の歪分布表示装置を用いると、被
測定物表面の歪分布を歪分布表示装置に取り付けたエレ
クトロルミネッセンスシートの複数の背面電極の発光強
度の強弱によって可視化することが出来る。本発明によ
る歪分布計測では、電源やその外の装置を必要とせず、
シート状の歪分布表示装置を被測定物に接着するだけで
歪分布を可視化することができる。さらに、歪検知部と
しての圧電セラミックスを被測定物の表面に複数配置す
ることで広い範囲の歪分布を一度に表示することが出来
る。また現在、実用化が進められている有機エレクトロ
ルミネッセンス材料のように低電圧の直流で発光する素
材が実用化すれば、圧電セラミックスよりも発生電圧の
低い高分子圧電フィルムを歪検知部として使用すること
が可能となり、曲面形状を有する被測定物への適用や、
より広い範囲の歪分布の可視化が可能となる。また、エ
レクトロルミネッセンスシートの背面電極に文字を使用
した歪分布表示装置は、被測定物の歪状態、振動状態に
よって警報を発する警報表示装置として使用することが
出来る。
測定物表面の歪分布を歪分布表示装置に取り付けたエレ
クトロルミネッセンスシートの複数の背面電極の発光強
度の強弱によって可視化することが出来る。本発明によ
る歪分布計測では、電源やその外の装置を必要とせず、
シート状の歪分布表示装置を被測定物に接着するだけで
歪分布を可視化することができる。さらに、歪検知部と
しての圧電セラミックスを被測定物の表面に複数配置す
ることで広い範囲の歪分布を一度に表示することが出来
る。また現在、実用化が進められている有機エレクトロ
ルミネッセンス材料のように低電圧の直流で発光する素
材が実用化すれば、圧電セラミックスよりも発生電圧の
低い高分子圧電フィルムを歪検知部として使用すること
が可能となり、曲面形状を有する被測定物への適用や、
より広い範囲の歪分布の可視化が可能となる。また、エ
レクトロルミネッセンスシートの背面電極に文字を使用
した歪分布表示装置は、被測定物の歪状態、振動状態に
よって警報を発する警報表示装置として使用することが
出来る。
【図１】本発明の歪分布表示装置の一実施例を示した図
である。
である。
【図２】歪分布を発光表示するための背面電極の一実施
例を示した図である。
例を示した図である。
【図３】本発明の歪分布表示装置の発光特性を示した図
である。
である。
【図４】本発明の歪分布可視化実験に使用した円孔付き
軟鋼平板試験片と歪分布表示装置の取り付け位置を示し
た図である。
軟鋼平板試験片と歪分布表示装置の取り付け位置を示し
た図である。
【図５】本発明の歪分布表示装置を円孔付き平板試験片
の円孔近傍に取り付け、平板試験片に荷重を負荷したと
きの歪分布表示装置の発光状態を示した図である。
の円孔近傍に取り付け、平板試験片に荷重を負荷したと
きの歪分布表示装置の発光状態を示した図である。
１ エレクトロルミネッセンスシート
２ 圧電材料
３ 背面電極
４ 表面電極
５ 絶縁層
６、６ａ、６ｂ 電極
７ 電気配線
８ 接着剤
９ 被測定物
フロントページの続き
(72)発明者 田中 義和
広島県東広島市西条中央６−31−１エスペ
ランテ303号
Ｆターム(参考） 2F051 AB08 AC09
2F063 AA28 BD11 DA02 DA05 DC08
EC14 EC20 EC30 MA03
Claims (2)
- 【請求項１】 歪感知部としての圧電材料と発光表示部
としてのエレクトロルミネッセンスシートを重ねて一体
化した歪分布表示装置であって、前記エレクトロルミネ
ッセンスシートの背面電極側と、前記圧電材料の電極処
理を施していない面とを重ねて電気的に接続したこと、
前記歪分布表示装置を前記エレクトロルミネッセンスシ
ートの発光面が上面を向くように被測定物に接着したこ
と、前記圧電材料が歪むことにより発生した電荷によっ
て前記エレクトロルミネッセンスシートを発光させて被
測定物の歪分布を可視化したことを特徴とする歪分布表
示装置。 - 【請求項２】 請求項１の歪分布表示装置において、前
記エレクトロルミネッセンスシートの背面電極に、矩形
や円形の背面電極、あるいは文字の背面電極を複数取り
付けて歪分布を可視化したことを特徴とする歪分布表示
装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002142222A JP2003302204A (ja) | 2002-04-08 | 2002-04-08 | 歪分布表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002142222A JP2003302204A (ja) | 2002-04-08 | 2002-04-08 | 歪分布表示装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003302204A true JP2003302204A (ja) | 2003-10-24 |
Family
ID=29397668
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002142222A Pending JP2003302204A (ja) | 2002-04-08 | 2002-04-08 | 歪分布表示装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003302204A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011191219A (ja) * | 2010-03-15 | 2011-09-29 | Kyowa Electron Instr Co Ltd | 物理量可視化システムおよび物理量可視化方法 |
| JP2016194441A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-17 | 大日本印刷株式会社 | センサモジュール及びその取付方法、並びにセンサモジュールが取り付けられた構造物 |
| CN110146007A (zh) * | 2019-06-21 | 2019-08-20 | 武汉轻工大学 | 应变传感器、建筑结构检测装置及方法 |
| KR20190119797A (ko) * | 2018-04-13 | 2019-10-23 | 연세대학교 산학협력단 | 색상 가변식 압력 센서 및 이의 제조 방법 |
| CN110426143A (zh) * | 2019-07-11 | 2019-11-08 | 南京理工大学 | 一种基于压致变色效应的振动可视化传感器 |
-
2002
- 2002-04-08 JP JP2002142222A patent/JP2003302204A/ja active Pending
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