JP2003294897A - 荷電粒子線照射装置、及び、荷電粒子線照射方法 - Google Patents

荷電粒子線照射装置、及び、荷電粒子線照射方法

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JP2003294897A
JP2003294897A JP2002097481A JP2002097481A JP2003294897A JP 2003294897 A JP2003294897 A JP 2003294897A JP 2002097481 A JP2002097481 A JP 2002097481A JP 2002097481 A JP2002097481 A JP 2002097481A JP 2003294897 A JP2003294897 A JP 2003294897A
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particle beam
fluid
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duct
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Susumu Urano
晋 浦野
Ikuo Wakamoto
郁夫 若元
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】個々の荷電粒子線エネルギーについて荷電粒子
線吸収率と荷電粒子線到達深度との関係に基づいて荷電
粒子線照射器を適正に利用すること。 【解決手段】特定される照射対象領域の流体に対して照
射する第1荷電粒子線9−1を生成する第1荷電粒子線
照射器3−1と、その流体2に対して照射する第2荷電
粒子線9−2を生成する第1荷電粒子線照射器3−2と
から構成されている。第1放出面8−1から放出される
第1流体内荷電粒子線9−1の第1ベクトルは、第2放
出面8−2から放出される第2流体内荷電粒子線9−2
の第2ベクトルと異なり、且つ、第1流体内荷電粒子線
9−1と第2流体内荷電粒子線9−2とは、照射対象領
域の中で互いに重なり合う。その重なりは、飛行距離と
荷電粒子線吸収量の非線形関係の非線形度合いを緩和
し、結果的に、荷電粒子線放射器のエネルギー出力を低
減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電粒子線照射装
置、及び、荷電粒子線照射方法に関し、特に、医療施
設、飲食品製造施設の空気ダクトのような流体の中の微
小生命を殺菌等により増殖を抑制するための荷電粒子線
照射装置、及び、荷電粒子線照射方法に関する。
【0002】
【従来の技術】病院のような医療施設、飲料水メーカの
ような飲食品製造施設、冷暖房設備には、排風機、送風
機による排風、送風のような空気循環のための空気ダク
トが立体的に配置されている。空気中に浮遊している粉
塵は、送風機、排風機が作り出す空気流に乗って強制的
に隅々に散布される。そのような粉塵の捕集のために、
空気ダクトにはフィルタが介設されている。湿気が多い
粉塵には、繁殖能力を失っていない細菌、カビ、ウイル
スのような微小生命体が付着している。フィルタで捕集
された生命体付着粉塵は乾燥して、その付着生命体の増
殖が有効に抑制され、院内感染のような事故は起こりに
くい。このようにフィルタは、有効に機能している。
【0003】湿度が極端に高くなり粉塵の乾燥が進まな
い高湿度環境下では、適度の栄養分と適度の水分ととも
にフィルタに捕集される閾値以上の密度の細菌は急速に
繁殖することが知られている。フィルタ構成繊維物質又
はフィルタ構成多孔性物質に対する衝突的捕獲、又は、
フィルタ内の拡散的捕捉である粉塵捕獲による粉塵は、
その捕獲量の増大に伴うダクト内気圧の上昇により、フ
ィルタを透過しフィルタから離脱して、再び室内に拡散
的に散逸してしまうことが多い。このような繁殖と散逸
は、院内感染の原因の1つになっている。
【0004】フィルタに長期間の捕獲性能を期待するこ
とはできない。フィルタ交換頻度を高めることは、保守
費用を増大させる。フィルタに向かう気流中の細菌に対
して紫外線を照射する技術が知られている。空気中に浮
遊している細菌の代表例は、カビ類である。紫外線は、
カビ類に対して死滅効果が低い。紫外線に代えて電子線
を用いることが考えられる。配管中を流れる流体に電子
線を照射してその流体に対して物理的・化学的処理を行
う技術が、図15に示されるように知られている。この
公知の電子線照射技術は、ガス、粉体のような流体又は
流動体101に対して脱硫処理又は脱硝処理を行う処理
技術として知られている。
【0005】このような電子線の利用には、盲点があっ
たと考えられる。図16は、電子線の処理対象流体の中
の到達距離(深さ又は深さ換算量)とその深さ位置の吸
収線量の関係を示している。吸収線量は、電子線が流体
に触れ始める浅い領域よりもその電子線がより進んだ深
い領域でより多くなり、その電子線が更により進んだ更
に深い領域では逆により少なくなる。このような吸収線
量の分布は、よく知られている物理的事実あるが、生命
に係わる細菌死滅処理に電子線照射技術を流用する場合
に問題点が残存している。
【0006】図16に示されるように、300keVの
電子線の照射始点(深さ=0.00)の初期吸収線量と
深さ0.06強の位置の吸収線量とは同じであり、この
ような2点の間の吸収線量は初期吸収線量より多いが、
深さ0.06強の領域では、初期吸収線量より少なくな
っている。ダクト内の流体通過断面積が多く電子線の進
行方向のダクト径が大きい場合、吸収線量が十分に多く
なく、細菌死滅効果が実質的にない無効領域が生じる。
電子線のエネルギー(keV)を大きくすることは、図
16に示されるように、特に電子線入射近傍で吸収線量
を少なくし、非吸収電子線がダクトの対向壁に吸収され
る吸収量が多くなって、他の障害を惹起する。電子線の
エネルギーを小さくすることは、場所によっては吸収線
量を多くすることができるが、有効到達距離が短い。
【0007】フィルタは、通常時には細菌の散逸を防止
するが、異常時には細菌の繁殖のための温床になる。個
々の電子線エネルギーについて電子線吸収率と電子線到
達深度との関係に基づいて電子線照射器を適正に利用す
ることが求められる。次に、フィルタを有効に活用して
フィルタの本来の機能を引き出すことが求められる。そ
の有効活用のために電子線を用いることが望まれる。電
子線を用いる場合に、その電子線の有効到達距離を認識
して電子線の有効利用を実現することが更に求められ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、個々
の荷電粒子線エネルギーについて荷電粒子線吸収率と荷
電粒子線到達深度との関係に基づいて荷電粒子線照射器
を適正に利用することができる荷電粒子線照射装置、及
び、荷電粒子線照射方法を提供することにある。本発明
の他の課題は、そのような適正な利用に基づいてフィル
タを有効に活用してフィルタの本来の機能を引き出すと
ともに、フィルタが細菌供給源にならない荷電粒子線照
射装置、及び、荷電粒子線照射方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
の手段が、下記のように表現される。その表現中に現れ
る技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添
記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複
数の形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実
施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特
に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現さ
れている技術的事項に付せられている参照番号、参照記
号等に一致している。このような参照番号、参照記号
は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の
技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このよ
うな対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の
形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されるこ
とを意味しない。
【0010】本発明による荷電粒子線照射装置は、特定
される照射対象領域の流体に対して照射する第1荷電粒
子線(9−1)を生成する第1荷電粒子線照射器(3−
1)と、照射対象領域の流体(2)に対して照射する第
2荷電粒子線(9−2)を生成する第1荷電粒子線照射
器(3−2)と、第1荷電粒子線(9−1)を透過させ
流体(2)の中に第1荷電粒子線(9−1)を放出する
第1放出面(8−1)を持つ第1荷電粒子線取出窓(7
−1)と、第2荷電粒子線(9−2)を透過させ流体
(2)の中に第2荷電粒子線(9−2)を放出する第2
放出面(8−2)を持つ第2荷電粒子線取出窓(7−
2)とから構成されている。第1放出面(8−1)から
放出される第1流体内荷電粒子線(9−1)の第1ベク
トルは、第2放出面(8−2)から放出される第2流体
内荷電粒子線(9−2)の第2ベクトルと異なり、且
つ、第1流体内荷電粒子線(9−1)と第2流体内荷電
粒子線(9−2)とは、照射対象領域の中で互いに重な
り合う。
【0011】第1流体内荷電粒子線(9−1)と第2流
体内荷電粒子線(9−2)の重なりは、飛行距離と荷電
粒子線吸収量の非線形関係の非線形度合いを緩和し、結
果的に、荷電粒子線放射器のエネルギー出力を低減する
ことができる。このような低減は、X線対策で効果を副
次的に奏する。
【0012】第1ベクトルの向きは、第2ベクトルの向
きに対して互いに正反対であることが、重なり効果がよ
り発揮される点で好ましい。その第1ベクトルの大きさ
は、第2ベクトルの大きさに等しいことは、同様に、重
なり効果がより発揮される点で好ましい。第1荷電粒子
線(9−1)の第1放出面(8−1)の上のエネルギー
の大きさは、第2荷電粒子線(9−2)の第2放出面
(8−2)の上のエネルギーの大きさに実質的に等しい
ことも、同様に、重なり効果がより発揮される点で好ま
しい。
【0013】照射対象領域は、荷電粒子線(9−1,
2)を受けて化学的に反応して化学的処理を受ける流体
(2)を通す管の中の部分領域として設定され得る。流
体は細胞を持つ微生物を含む空気であり、照射対象領域
は、流体を通す病院内ダクトの中の部分領域である。こ
のように病院に対して本発明が利用されることは、有意
義である。
【0014】照射対象領域の上流側又は下流側で病院内
ダクトに介設されるフィルタ(12)が追加されること
は極めて重要である。フィルタの有用な細菌捕獲効果を
補完して、細菌増殖を完全に防止することができる。照
射対象領域の下流側で病院内ダクトに介設されオゾンを
分解する触媒ユニット(11)の追加は、荷電粒子線照
射に基づく付加的構成である。
【0015】第1荷電粒子線照射器(3−1)の器数は
複数であり、第2荷電粒子線照射器(3−2)の器数は
複数であり、複数の第1流体内荷電粒子線(9−1)
は、流体(2)の流路の方向の概ねの中心線に対して複
数の第2流体内荷電粒子線(9−2)に対称に配置され
ている。そのような対称性は、既述の重なり効果をより
効果的にする。
【0016】複数の第1荷電粒子線照射器(3−1)の
荷電粒子線生成構造は単一であることが設備コストの削
減のために好ましい。第2ベクトルの向きが第1ベクト
ルに対して可変であることは、重なり効果を調整するこ
とができる点で好ましい。第2ベクトルの大きさが第1
ベクトルに対して可変であることも、同様に好ましい。
【0017】本発明による荷電粒子線照射方法は、物理
的手順の集合:流体が通る流路に特定領域を設定するこ
と、第1荷電粒子線の飛程より短い第1飛行距離を前記
特定領域の中に設定すること、第2荷電粒子線の飛程よ
り短い第2飛行距離を前記特定領域の中に設定するこ
と、第1荷電粒子線を第2荷電粒子線に重合させること
とから構成されている。第1荷電粒子線のベクトルの向
きは、第2荷電粒子線のベクトルの向きに概ね正反対で
ある。第1荷電粒子線のベクトルの大きさは、第2荷電
粒子線のベクトルの大きさに概ね等しい。流体が微生物
を含む空気であることは、本発明の利用の効果が著し
い。
【0018】
【発明の実施の形態】図に対応して、本発明による荷電
粒子線照射装置の実施の形態は、ダクトに複数の荷電粒
子線照射器とフィルタとが配置されている。荷電粒子と
しては、生成の容易さのために特に電子線が利用され
る。そのダクト1は、図1に示されるように、断面が円
形(又は矩形)に形成され、その中に一方方向に流体2
が通されている。流体2として、病院内循環空気又は病
院内外循環空気が例示される。以下で、流体は、空気2
又はダクト内空気流2といわれる。複数の電子線照射器
3は、第1電子線照射器3−1と第2電子線照射器3−
2とから形成されている。第1電子線照射器3−1と第
2電子線照射器3−2とは、それぞれに、第1筐体4−
1と第2筐体4−2の中に配置され第1電子線5−1と
第2電子線5−2を放出する第1電極6−1と第2電極
6−2と、第1筐体4−1に配置される第1電子線取出
窓7−1と第2電子線取出窓7−2とから構成されてい
る。
【0019】第1電子線取出窓7−1は、ダクト1の中
の空気を第1筐体4−1の中に、全く侵入させず又は僅
かにしか侵入させないが、第1電子線5−1をダクト内
に透過的に通過させる(玉突き的に又は透過的に電子を
はじき出す)ことができる。第1電子線取出窓7−1が
ダクト内空気流2に直接に外接する内側面は、第1電子
線放出面8−1として定義されて設定される。ダクト1
の断面が矩形であれば、第1電子線放出面8−1は平面
であり、ダクト1の断面が円形であれば、第1電子線放
出面8−1は円筒面である。ダクト1の内面と第1電子
線放出面8−1とは実質的に同一面を形成し、その同一
面はダクト内空気流2の整流性を失わせず、且つ、ダク
ト1の内面と第1電子線放出面8−1とを実質的に同一
面に形成することは、第1電子線放出面8−1からダク
ト1の中に放出されダクト内空気流2を通過・透過して
ダクト1の対向壁に到達する第1ダクト内電子線9−1
のエネルギーの利用がより有効化する。第1電子線放出
面8−1がダクト1の中に突出していれば、整流性を損
なう。
【0020】第2電子線取出窓7−2は、ダクト1の中
の空気を第2筐体4−2の中に、全く侵入させず又は僅
かにしか侵入させないが、第2電子線5−2をダクト内
に透過的に通過させることができる。第2電子線取出窓
7−2がダクト内空気流2に直接に外接する内側面は、
第2電子線放出面8−2として定義されて設定される。
ダクト1の内面と第2電子線放出面8−2とは実質的に
同一面を形成し、その同一面はダクト内空気流2の整流
性を失わせず、且つ、ダクト1の内面と第2電子線放出
面8−2とを実質的に同一面に形成することは、第2電
子線放出面8−2からダクト1の中に放出されダクト内
空気流2を通過・透過してダクト1の対向壁に到達する
第2ダクト内電子線9−2のエネルギーがより有効化す
る。第2電子線放出面8−2がダクト1の中に突出して
いれば、整流性を損なう。
【0021】電子線照射器3の下流側に触媒ユニット1
1が、ダクト1に介設されて配置されている。ダクト内
空気流2は、触媒ユニット11を透過的に通過すること
ができる。触媒ユニット11は、電子線照射を受けて酸
素が変化して発生するオゾンを吸着し分解する触媒を含
んでいる。触媒ユニット11の下流側にフィルタユニッ
ト12が、ダクト1に介設されて配置されている。フィ
ルタユニット12は、ダクト内空気流2に含まれている
粉塵、微小有機物、微小水滴を捕獲する。
【0022】微小水滴、微小非有機物、微小有機物のよ
うな粉塵13、酸素系分子・原子14、窒素その他の非
酸素系分子・原子15を含むダクト内空気流2は、触媒
ユニット11より上流側で、ダクト内電子線9を受け
る。酸素系分子・原子14の一部分は、オゾン14’に
変化する。ダクト内電子線9を受け粉塵13’とオゾン
14’と酸素分子・原子14と非酸素系分子・原子15
のうちのオゾン14’は、触媒ユニット11を浸透的に
通過する間に触媒ユニット11に吸着され触媒ユニット
11に含まれる触媒により分解されて酸素系分子・原子
14に戻る。触媒ユニット11を通過するオゾンの濃度
は、許容値(0.1ppm)以下になる。オゾン分解の
程度は、触媒量、触媒温度、風量に左右されるが、空調
設備では、風量と温度は規定されていて実質的に一定で
あるので、触媒量が適正に選定されることが好ましい。
【0023】触媒ユニット11を通過した粉塵(例示:
微生物死骸付着粉塵)13’と酸素系分子・原子14と
非酸素系分子・原子15のうち微生物死骸付着粉塵1
3’は、フィルタユニット12で捕捉される。酸素系分
子・原子14と非酸素系分子・原子15は、フィルタユ
ニット12を通過して、病室のような居住空間に還流す
る。フィルタユニット12に向かうダクト内空気流2の
中の粉塵13’の大部分は、フィルタユニット12で捕
捉される。粉塵13’の中には、死滅せずに生き残って
いる微生物が付着している。ダクト内空気流2が定常時
の湿度を維持して乾燥状態にあれば、フィルタユニット
12の中で残存微生物が増殖して繁殖することはない。
繁殖のためには、 (1)単位面積当たり又は単位堆積当たりの個体数が閾
値以上であること (2)繁殖可能領域が適正な湿度に保持されていること (3)繁殖可能領域が適正な温度に保持されていること (4)繁殖可能領域に適正な量の栄養分が存在すること の少なくとも4条件が同時に満たされることが必要であ
る。
【0024】全条件が偶然に満たされることがあれば、
最近増殖(例示:院内感染)が発生することが知られて
いる。条件(2)と条件(3)と条件(4)とが同時に
満たされることは滅多にない。条件(2)と条件(3)
と条件(4)とが同時に満たされることがあっても、条
件(1)が満たされることは原理的に皆無である。従来
の空調システムでは、膨大な量のフィルタユニット12
のうちの僅かな個数のフィルタユニット12には、一定
個体数以上(閾値以上)の細菌群が存在していることが
ある。条件(2),(3),(4)が偶然に同時に満た
される場合、一定個体数以上の細菌群の繁殖が確実に生
起する。
【0025】本発明では、一定個体数N以上の細菌群が
付着しているフィルタユニット12は確率統計的に確実
にダクト内電子線9−1,2の照射を受けていて、ダク
ト内電子線9−1,2を受けたフィルタユニット12の
細菌群のうち生存している微生物の個体数N’は、Nよ
り著しく小さい:N’<<N。従って、フィルタユニッ
ト12で微生物が繁殖する確率は、確率統計的に零であ
る。電子線死滅効果とフィルタ捕獲効果の相乗効果は、
繁殖確率を実質的に零化する。条件(2),(3),
(4)のうちの1条件はやがて満たされなくなって、繁
殖しないが生きて残存している微生物は、やがて全滅し
全滅に近い状態になる。
【0026】第1,2電子線放出面8−1,2とダクト
1の対向壁との間の距離Lを図16に示される深さL1
又はL2に一致させることができる。距離Lに一致する
Lを持つ電子線のエネルギーを選択することが重要であ
る。吸収線量がダクト内電子線9−1,2の有効到達距
離の間で一定値以上であることが重要である。図2に示
されるように、第1ダクト内電子線9−1の飛行距離が
第1閾距離D1より短かいダクト内空気流2の第1流れ
領域R1と、第1ダクト内電子線9−1の飛行距離が第
2閾距離D2より長いダクト内空気流2の第2流れ領域
R2では、吸収線量Q1が吸収線量閾値Kより少ないこ
とがある。
【0027】このような場合、第2流れ領域R1と第2
流れ領域R2を通過するダクト内空気流2の一部分に含
まれる粉塵13の微生物の無効化率は不十分に小さい。
ダクト内電子線9の飛行行程の両端点で、吸収線量が一
定値以上であることが重要である。ダクト内電子線9の
飛行行程の両端点で吸収線量が一定値以上であること
は、図16と図2に示されるように、全ての飛行到達点
で吸収線量が一定値以上であることと必要十分の関係に
ある。エネルギーが大きいことだけでは、全ての飛行到
達点で吸収線量を一定値以上に制御することはできな
い。図2に示される飛行距離と電子線吸収量の関係は、
第2ダクト内電子線9−2についてそのままに当てはま
る。
【0028】図16に示されるように、第1放出面8−
1で放出される電子線の初期エネルギーが300keV
である場合、距離0で吸収線量は2.2である。飛行距
離が0.00〜0.035の範囲にあれば、吸収線量は
単調に増加し、飛行距離が0.035〜0.07の範囲
にあれば、吸収線量は単に減少する。飛行距離が0.0
0〜0.007の範囲にあれば、飛行距離が0.035
である線に対して、飛行距離が0.00〜0.035の
範囲にある吸収線量と、飛行距離が0.035〜0.0
7の範囲にある吸収線量とは概ね線対称である。
【0029】ダクト1の中に形成される流路の中心線に
対して、ダクト内空気流2は対称に形成されているが、
ダクト内空気流2の中に既述の線対称な吸収線量を1つ
の電子線照射器3−1又は他の1つ電子線照射器3−2
で設定することは、図3(a)に示されるように、必然
的には(偶然的でない限り)困難である。図3(b)
は、2つの電子線照射器3−1,2により同一電子線照
射領域に電子線を照射するときの飛行路上の電子線吸収
量の分布を示している。第1電子線照射器3−1の電子
線吸収量に第2電子線照射器3−2の電子線吸収量が足
し加えられて、同一飛行点の合計電子線吸収量Qtは、
飛行中間点Pに関して対称になる。
【0030】エネルギーの大小に関係しないでこのよう
な対称化を可能にするので、エネルギー調整により飛程
(”飛程”は、飛行到達可能距離を意味する技術的用語
である。)を調整することができる。各電子線照射器の
出力エネルギーは、最小的に十分に大きいエネルギーの
半分になるから、図16に示されるように、吸収線量の
増大と減少の変化率を小さくすることができ、飛行中間
点の吸収線量が過大になって無駄になることを効果的に
回避することができる。
【0031】このような対称配置は、更に、図4に示さ
れるような効果を奏する。放出面8−1,2の位置(飛
行距離が0である位置)のエネルギーの大きさがそれら
単独ではそれぞれに不十分である2つの電子線照射器3
−1,2が用いられるが、2つのダクト内電子線9−
1,2が任意の同一点で足し加えられる電子線吸収量Q
は、十分に大きい値Q0を有している。このような足し
加えによれば、総電子線吸収量Qの分布が緩やかになっ
て、全飛行路上で電子線吸収量が一様化されるので、両
電子線照射器3−1,2の両エネルギー出力をそれぞれ
に低減することができる。
【0032】図5は、2つの電子線照射器の配置に関す
る実施の形態を示している。ダクト1の断面形状とし
て、円形が例示されている。第1ダクト内電子線9−1
と第2ダクト内電子線9−2の有効中心線のそれぞれ
は、ダクト1の中心線(ダクト内空気流2の流れの軸方
向中心線)に向かう中心方向ベクトルを有している。第
1ダクト内電子線9−1と第2ダクト内電子線9−2の
中心方向ベクトルの向きに直交する2方向の有効中心線
の両幅は、ともに適正に長く設定されている。
【0033】図6は、2つの電子線照射器の配置に関す
る実施の他の形態を示している。第1ダクト内電子線9
−1と第2ダクト内電子線9−2は、ダクト1の中心線
(ダクト内空気流2の流れの軸方向中心線)に向かう中
心方向ベクトルをそれぞれに有しているが、第1ダクト
内電子線9−1と第2ダクト内電子線9−2の2つの有
効中心線は、互いに同一線上になく、流路方向にずれて
いる。実施の本形態は、総電子線吸収量が流路方向に異
なる断面位置では既述の一様性が僅かに失われるが、対
向する両ダクト内電子線9−1,2の流路方向幅が増大
していて、吸収線量が実質的に増大する。
【0034】図7は、本発明による電子線照射装置の実
施の他の形態を示している。実施の本形態は、実施の既
述の形態と異なり、ダクト1の断面形状は三角形であり
その中の流路の断面は三角形である。ダクト1は、幅が
同じである3つの長方形のダクト壁で形成されている。
両電子線取出窓7−1,2は、3つの長方形のダクト壁
のうちの2つのダクト壁の幅方向の長さ(正三角形の1
辺の長さ)に等しい幅を持った放出面8−1,2を有し
ている。
【0035】ダクト内空気流2の任意の部分は、実施の
本形態のダクト内電子線9−1,2が占める領域を必ず
横切って通過するので、殺菌が行われない死角領域はな
く、且つ、図3又は図4に示される効果の一部分を保持
している。第1ダクト内電子線9−1と第2ダクト内電
子線9−2とは、図6に示されるずれと同様に、部分的
に重ならず流路方向にずれていることは有効である。
【0036】図8は、本発明による電子線照射装置の実
施の更に他の形態を示している。実施の図5の形態の2
つの電子線照射器3−1,2は1組を形成しているが、
実施の本形態では、そのような1組が2組に増加してい
る。一方の1組は、他方の1組に対してダクト1の中心
線のまわりに90度回転した回転位置にある。殺菌が行
われない死角領域が、既述の死角領域よりも大幅に減少
している。
【0037】図9は、本発明による電子線照射装置の実
施の更に他の形態を示している。実施の本形態のダクト
1の断面形状は、正2n多角形(nは2を含み2より大
きい)に見立てられ、正八角形が例示されている(実際
には、その断面形状は円形であり得る。)。既述の電子
線照射器3−1,2の1組は、8組に増加している。円
周方向に隣り合う任意の2つの第1電子線取出窓7−1
の間には隙間がなく、従って、円周方向に隣り合う任意
の2つの第1電子線放出面8−1の間に隙間はない。円
周方向に隣り合う任意の2つの第2電子線取出窓7−2
の間には隙間がなく、従って、円周方向に隣り合う任意
の2つの第2電子線放出面8−2の間に隙間はない。4
組のうちのそれぞれの1組は、図3又は図4に示される
一様性効果を有し、且つ、図7に示される実施の形態と
同じく、殺菌効果がない死角領域はない。4つの組のう
ちの任意の2つの組の電子線照射器3−1,2の流路方
向の位相は、互いに異なることができる。4つの組のう
ちの任意の1つの組の2つの電子線照射器3−1,2の
流路方向の位相は互いに異なることができる。
【0038】図10は、本発明による電子線照射装置の
実施の更に他の形態を示している。実施の本形態は、実
施の図5の形態と、2点で異なっている。実施の図5の
形態の電子線照射器3−1,2は、互いに水平方向に対
向しているが、実施の本形態の電子線照射器3−1,2
は、互いに鉛直方向に対向している。実施の図5の形態
の電子線照射器3−1,2の出力エネルギーとビーム電
流は互いに同じであることが有効であるが、電子線照射
器3−1,2の出力エネルギーとビーム電流は互いに同
じではない。鉛直上方側電子照射器3−1の第1ダクト
内電子線9−1の出力エネルギー(放出面の電子1個の
運動エネルギー)は、鉛直下方側電子照射器3−2の第
2ダクト内電子線9−2の出力エネルギーよりも低く、
鉛直上方側電子照射器3−1の第1ダクト内電子線9−
1の出力ビーム電流(放出面の電子の単位時間当たりの
個数)は、鉛直下方側電子照射器3−2の第2ダクト内
電子線9−2の出力ビーム電流よりも多い。
【0039】ダクト内空気流2の中の浮遊粉塵は、重力
作用と拡散作用を受ける。鉛直下方側の第2電子線放出
面8−2に付着する粉塵の量は、鉛直上方側の第1電子
線放出面8−1に付着する粉塵の量よりも多い。第1ダ
クト内電子線9−1と第2ダクト内電子線9−2のエネ
ルギーと電流量が同じであれば、第2電子線放出面8−
2の側の付着粉塵が電子線を吸収して発熱する発熱量
は、第1電子線放出面8−1の側の付着粉塵が電子線を
吸収して発熱する発熱量よりも多い。しかし、実施の本
形態では、エネルギーがより大きい第2ダクト内電子線
9−2は、第2電子線放出面8−2に付着している粉塵
を通過する透過率がより高く、従って、発熱量はより低
く抑えられている。第2電子線放出面8−2の近傍の粉
塵を透過する際に第2ダクト内電子線9−2は減速され
てエネルギーを部分的に失って付着粉塵層を透過した後
に吸収率が高くなるが、第2ダクト内電子線9−2の初
期電流量を少なくすることにより、全飛行行程の吸収線
量の非一様化を適正に抑制することができる。図11に
示されるような複数組の配置が採用される場合、1組の
うちでより鉛直方向に高い位置にある方の電子線照射器
3−1の出力エネルギーをより低く、且つ、そのビーム
電流量をより多くすることは、既述の通りに適正であ
る。実施の本形態は、結果的に、付着物層の形成に係わ
らず、照射効率の良好性を保持することができる。
【0040】実施の図10と図11の形態では、ダクト
1の寸法が大きくなって飛行距離が長くなれば、出力エ
ネルギーを更に高くしなければならない。出力エネルギ
ーが高くなり過ぎれば、X線対策の費用が高くなる。そ
の費用の上昇を抑えるために、X線発生対策のためにエ
ネルギーの増大化をある程度に抑制することはやむを得
ない。この場合、対向方向から電子線を照射することに
よる中心部の重ね合わせ効果である電子線吸収量の一様
化が犠牲になる。一様化を取り戻すために、第3の電子
線照射器(図示されず)を配置して中心部に到達する電
子線量を多くすることが適正である。
【0041】図12は、本発明による電子線照射装置の
実施の更に他の形態を示している。実施の本形態は、複
数のダクト内電子線9がダクト1の中の共通中心部位に
向かうことがない点と、電子線照射器が単一化されてい
る点で、実施の既述の全形態と異なっている。実施の本
形態では、ダクト1の断面形状は菱形が例示されてい
る。電子線照射器3は、対向する位置に配置されている
2つの電子加速器を有し、第1電子加速器3’−1と第
2電子加速器3’−2とから構成されている。
【0042】第1電子加速器3’−1は、1つの第1共
通フィラメント21−1と、2つの第1グリッド22−
1とから構成されている。第1電子加速器3’−1に対
応して、2つの第1電子線取出窓7−1が配置されてい
る。2つの第1電子線取出窓7−1の一方はダクト1の
第1辺1−1に配置され、それの他方はダクト1の第2
辺1−2に配置されている。第2電子加速器3’−2
は、1つの第2共通フィラメント21−2と、2つの第
2グリッド22−2とから構成されている。第2電子加
速器3−’2に対応して、2つの第2電子線取出窓7−
2が配置されている。2つの第2電子線取出窓7−2の
一方はダクト1の第3辺1−3に配置され、それの他方
はダクト1の第4辺1−4に配置されている。ダクト1
と電子線取出窓7−1,2は接地電位にあり、共通フィ
ラメント21−1,2とグリッド22−1,2に対して
電気的に絶縁されている。
【0043】共通フィラメント21−1,2には、電子
線取出窓7−1,2に対して、負の電位が与えられてい
る。グリッド22−1,2には、第1共通フィラメント
21−1に対して正の電位が与えられている。グリッド
22−1,2は引出し電極として形成され、電子線取出
窓7−1,2は加速電極として形成されている。電子線
取出窓7−1,2の各辺上の位置と、電子線取出窓7−
1,2に位置対応する第1グリッド22−1,2のそれ
ぞれの放出面角度を調整することにより、4つのダクト
内電子線9−2は、それぞれにダクト1の概ねの中心領
域に向かう中心方向ベクトルを有して、4つの異なる法
線ベクトルを持つ4つの電子線取出窓7−1,2の放出
面電子線放出面8−1,2から放出される。
【0044】1つの第1ダクト内電子線9−1と1つの
第2ダクト内電子線9−2は、1組を形成して、ダクト
内空気流2の半分の領域で既述の重ね合わせ効果を発揮
し、他の1つの第2ダクト内電子線9−2と他の1つの
第2ダクト内電子線9−2は、他の1組を形成して、ダ
クト内空気流2の他の半分の領域で既述の重ね合わせ効
果を発揮する。グリッド22−1,2と電子線放出面8
−1,2のそれぞれの面の角度を調整することにより、
4つのダクト内電子線9−1,2の飛行方向(初期放出
方向)を調整することができる。
【0045】第1グリッド22−1,2の個数と電子線
取出窓7−1,2の個数は、互いに独立的に、適正な複
数として採択され得る。電子線エネルギーは、共通フィ
ラメント21−1,2の電圧とグリッド22−1,2の
電圧とを独立的に制御することにより、自在に制御され
て調整され得る。その調整により、ダクト内空気流2の
中で電子線吸収量を一様化することができる。電子線取
出窓7−1,2と第1グリッド22−1,2と共通フィ
ラメント21−1,2のそれぞれの間の相対電圧を調整
することにより、放出電子線の初期エネルギーの大きさ
とその電流量を調整することができる。実施の本形態の
単一化された電子線照射器は、吸収線量の一様化の調整
を容易にし、且つ、設備コストを低減することができ
る。このような静電式熱電子加速型電子線照射器に代え
られて、マイクロ波加速型電子線照射器、電界放出型電
子線照射器のような加速原理が異なる多様な種類の電子
加速器が利用され得る。それらの利用により、多様な断
面形状にダクトに対して吸収線量の一様化を実現するこ
とができる。
【0046】図13は、本発明による電子線照射装置の
実施の更に他の形態を示している。実施の本形態は、実
施の図11の形態と、ダクト1の断面形状の正n多角形
のnの数の点で異なっている。実施の本形態のnの数と
して、8が採択されている。8つの電子線取出窓7−
1,2の任意の隣り合う2つの間には隙間がなく、従っ
て、8つの電子線放出面8−1,2の任意の隣り合う2
つの間には隙間がなく、ダクト内空気流2の任意の部分
は電子線の照射を受け、既述の死角領域はない。
【0047】図14は、本発明による電子線照射装置の
実施の更に他の形態を示している。実施の本形態では、
1組の電子線照射器に用いられている2つの第1ダクト
内電子線9−1に対応する第1グリッド22−1と第2
グリッド22−2とが共通電極化されている。共通フィ
ラメント21−1,2とグリッド22−1,2とは、ダ
クト1の中心線を中心線とする円筒面に形成され、4つ
のグリッド22−1,2は同心状に配置され、4つの共
通フィラメント21−1,2は同心状に配置されてい
る。電流量は、各電極間距離、特には、共通フィラメン
ト21−1,2とグリッド22−1,2との間の電極間
距離により規定される。その電極間距離が全周的に同一
であるので、全てダクト内電子線9−1,2は、概ね同
一のエネルギーと概ね同一の電流量とを有している。こ
のような均一化は、ダクト内空気流2が吸収する電子線
の吸収量の一様化を促進する。
【0048】本発明による荷電粒子線照射装置及び、荷
電粒子線照射方法は、フィルタとの組合せにより殺菌の
ような微生物反応に基づく物質除去に限られず、複数箇
所から照射される複数の荷電粒子線流の複合により、過
不足なく一様に物質に化学的反応又は物理的反応を起こ
すことにより、物質改変処理に対して効果的であり、特
には、従来技術として記述した脱硫処理のような化学的
処理を均一に行うことができる。本発明による荷電粒子
線照射装置の実施の既述の形態は、本発明の理解のしや
すさのために病院が適用対象として例示されているが、
微生物が処理対象である場合には、食品製造プラント、
薬品製造プラントのようなプランとがより有効に有益で
ある適用対象であり、更には、フィルタとの組合せによ
り、化学品、化学薬品の改質、改変に基づく除去が有益
に行われる。フィルタとしては、蒸留、サイクロンのよ
うに多様な機器が知られ、分離機能を有する各種のもの
が利用され得る。
【0049】
【発明の効果】本発明による荷電粒子線照射装置、及
び、荷電粒子線照射方法は、個々の荷電粒子線エネルギ
ーについて荷電粒子線吸収率と荷電粒子線到達深度との
関係に基づいて荷電粒子線照射器を適正に利用すること
ができる。フィルタがより有効に活用され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による荷電粒子線照射装置の実
施の形態を示す断面図である。
【図2】図2は、荷電粒子線の飛程と吸収線量を示すグ
ラフである。
【図3】図3(a),(b)は、荷電粒子線の吸収量と
飛行距離の2つの関係を示すグラフである。
【図4】図4は、2つの荷電粒子線の重なりを示すグラ
フである。
【図5】図5は、本発明による荷電粒子線照射装置の実
施の他の形態を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明による荷電粒子線照射装置の実
施の更に他の形態を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明による荷電粒子線照射装置の実
施の更に他の形態を示す断面図である。
【図8】図8は、本発明による荷電粒子線照射装置の実
施の更に他の形態を示す断面図である。
【図9】図9は、本発明による荷電粒子線照射装置の実
施の更に他の形態を示す断面図である。
【図10】図10は、本発明による荷電粒子線照射装置
の実施の更に他の形態を示す断面図である。
【図11】図11は、本発明による荷電粒子線照射装置
の実施の更に他の形態を示す断面図である。
【図12】図12は、本発明による荷電粒子線照射装置
の実施の更に他の形態を示す断面図である。
【図13】図13は、本発明による荷電粒子線照射装置
の実施の更に他の形態を示す断面図である。
【図14】図14は、本発明による荷電粒子線照射装置
の実施の更に他の形態を示す断面図である。
【図15】図15は、公知装置を示す斜軸投影図であ
る。
【図16】図16は、吸収線量と飛行距離の公知の関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
2…流体 3−1…第1荷電粒子線照射器 3−2…第2荷電粒子線照射器 7−1…第1荷電粒子線取出窓 7−2…第2荷電粒子線取出窓 8−1…第1放出面 8−2…第2放出面 9−1…第1荷電粒子線 9−2…第2荷電粒子線
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 9/22 A61L 9/22 Fターム(参考) 4C058 AA19 AA23 AA24 BB06 CC02 JJ14 JJ29 KK03 KK22 KK46 4C080 AA09 BB05 BB06 CC12 QQ11 4G075 AA02 AA03 AA37 BA01 CA39 CA54 DA02 EB21 EB31 EC21

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特定される照射対象領域の流体に対して照
    射する第1荷電粒子線を生成する第1荷電粒子線照射器
    と、 前記照射対象領域の流体に対して照射する第2荷電粒子
    線を生成する第1荷電粒子線照射器と、 前記第1荷電粒子線を透過させ前記流体の中に前記第1
    荷電粒子線を放出する第1放出面を持つ第1荷電粒子線
    取出窓と、 前記第2荷電粒子線を透過させ前記流体の中に前記第2
    荷電粒子線を放出する第2放出面を持つ第2荷電粒子線
    取出窓とを具え、 前記第1放出面から放出される第1流体内荷電粒子線の
    第1ベクトルは、前記第2放出面から放出される第2流
    体内荷電粒子線の第2ベクトルと異なり、且つ、前記第
    1流体内荷電粒子線と前記第2流体内荷電粒子線とは、
    前記照射対象領域の中で互いに重なり合う荷電粒子線照
    射装置。
  2. 【請求項2】前記第1ベクトルの向きは、前記第2ベク
    トルの向きに対して互いに正反対である請求項1の荷電
    粒子線照射装置。
  3. 【請求項3】前記第1ベクトルのエネルギーの大きさ
    は、前記第2ベクトルのエネルギーの大きさに等しい請
    求項1の荷電粒子線照射装置。
  4. 【請求項4】前記第1荷電粒子線の前記第1放出面の上
    のエネルギーの大きさは、前記第2荷電粒子線の前記第
    2放出面の上のエネルギーの大きさに実質的に等しい請
    求項3の荷電粒子線照射装置。
  5. 【請求項5】前記照射対象領域は、前記荷電粒子線を受
    けて物理的に又は化学的に反応して物理的処理又は化学
    的処理を受ける前記流体を通す管の中の部分領域である
    請求項1〜4から選択される1請求項の荷電粒子線照射
    装置。
  6. 【請求項6】前記流体は細胞を持つ微生物を含む空気で
    あり、 前記照射対象領域は、前記流体を通すダクトの中の部分
    領域である請求項1〜4から選択される1請求項の荷電
    粒子線照射装置。
  7. 【請求項7】前記照射対象領域の上流側又は下流側で前
    記ダクトに介設されるフィルタを更に具える請求項6の
    荷電粒子線照射装置。
  8. 【請求項8】前記照射対象領域の下流側で前記ダクトに
    介設されオゾンを分解する触媒ユニットを更に具える請
    求項7の荷電粒子線照射装置。
  9. 【請求項9】第1荷電粒子線照射器の器数は複数であ
    り、第2荷電粒子線照射器の器数は複数であり、 複数の前記第1流体内荷電粒子線は、前記流体の流路の
    方向の概ねの中心線に対して複数の前記第2流体内荷電
    粒子線に対称に配置されている請求項1〜8から選択さ
    れる1請求項の荷電粒子線照射装置。
  10. 【請求項10】前記複数の前記第1荷電粒子線照射器の
    荷電粒子線生成構造は単一である請求項9の荷電粒子線
    照射装置。
  11. 【請求項11】前記第2ベクトルの向きは前記第1ベク
    トルに対して可変である請求項2の荷電粒子線照射装
    置。
  12. 【請求項12】前記第2ベクトルのエネルギーの大きさ
    は前記第1ベクトルのエネルギーの大きさに対して可変
    である請求項2又は11の荷電粒子線照射装置。
  13. 【請求項13】下記物理的手順の集合:流体が通る流路
    に特定領域を設定すること、 第1荷電粒子線の飛程より短い第1飛行距離を前記特定
    領域の中に設定すること、 第2荷電粒子線の飛程より短い第2飛行距離を前記特定
    領域の中に設定すること、 前記第1荷電粒子線を前記第2荷電粒子線に重合させる
    こととを具える荷電粒子線照射方法。
  14. 【請求項14】前記第1荷電粒子線のベクトルの向き
    は、前記第2荷電粒子線のベクトルの向きに概ね正反対
    である請求項13の荷電粒子線照射方法。
  15. 【請求項15】前記第1荷電粒子線のベクトルのエネル
    ギーの大きさは、前記第2荷電粒子線のベクトルのエネ
    ルギーの大きさに概ね等しい請求項14の荷電粒子線照
    射方法。
  16. 【請求項16】前記流体は、微生物を含む空気である請
    求項13〜15から選択される1請求項の荷電粒子線照
    射方法。
  17. 【請求項17】前記流体は、微生物を含む食品製造プラ
    ント内の気体である請求項13〜15から選択される1
    請求項の荷電粒子線照射方法。
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