JP2003290904A - 低圧鋳造用装置 - Google Patents

低圧鋳造用装置

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JP2003290904A
JP2003290904A JP2002104112A JP2002104112A JP2003290904A JP 2003290904 A JP2003290904 A JP 2003290904A JP 2002104112 A JP2002104112 A JP 2002104112A JP 2002104112 A JP2002104112 A JP 2002104112A JP 2003290904 A JP2003290904 A JP 2003290904A
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furnace
pouring
tank
casting
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Hisami Yajima
久美 矢島
Hajime Itou
哉 伊藤
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Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 (1)溶解炉からの配湯時に鋳造サイクルを
停めない、(2)精度良い加圧制御および品質安定のた
めの注湯炉湯面の一定維持、(3)品質安定のための湯
の静かな移動、を主に目的とした低圧鋳造装置を提供す
る。 【解決手段】 金型および前記金型を開閉可能な機構を
備えた鋳造部、および前記鋳造部の金型キャビティ内に
溶湯を注湯するためのストークを備えた注湯炉からなる
低圧鋳造炉と、前記低圧鋳造炉の注湯炉に溶湯を補充可
能な補充炉と、からなる低圧鋳造装置であり、前記低圧
鋳造炉の注湯炉は前記鋳造部の下部から搬出可能な移動
手段およびストークの上端を前記金型に着脱ならしめる
ように上下駆動させる駆動手段を備え、かつ前記補充炉
は前記注湯炉の移動方向に対して側部近傍に固定して備
えられており、前記注湯炉のストークの上端が前記鋳造
部の金型に固定されている状態で前記補充炉から前記注
湯炉に溶湯を補充可能な構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用などの軽
合金製ホイール等を低圧鋳造する際に使用される低圧鋳
造用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】低圧鋳造装置では一般的に図5に示すよ
うに金型34、金型34の開閉を行うための開平機構3
3などを有する鋳造部30と、この鋳造部の下部に備え
られる注湯炉31の主に2つの部分からなる。この注湯
炉は外気に対して気密保持され、内部の気圧を高めるこ
とで湯面に圧をかけ、スリーブを介して溶湯を金型内に
注湯するものである。従来から注湯炉のサイズ・溶湯の
配湯方法・設備の配置・メンテナンス等において、様々
な検討が成されてきた。例えば注湯炉は大容量のものと
することが溶湯の温度保持・配湯回数の減少などから好
ましい。しかしながら注湯炉の大型化は設備自体の大型
化にもつながり、狭い工場内での設備増設は両者のどち
らも満足行くように設計する必要が有る。また、注湯炉
を大型化すると注湯に必要な加圧ガスの量が増え、溶湯
の湯温制御や注湯制御が困難であった。また、溶解炉か
ら溶湯を配湯すると、湯温の違いから注湯炉内の溶湯温
度が10℃程変化する。その他、配湯している間は注湯
炉が気密保持されず、低圧鋳造を行えない。よって鋳造
サイクルが長くなると共に金型が定常のサイクルよりも
冷えてしまう。捨て打ちなどをして定常状態にする必要
があるが、その間の鋳造品は不良となりやすい。特に厚
肉部と薄肉部が混在する車両用ホイールでは定常状態で
鋳造しないと欠陥が発生しやすく、歩留まりを下げてし
まうという問題があり、連続鋳造することがない。。
【0003】また、この鋳造部と注湯炉はメンテナンス
のために取り外す必要が有り、両者を着脱させるために
鋳造部か注湯炉のどちらかを上下方向に動す必要があ
る。例えば鋳造部を上下方向に駆動可能とし、鋳造部を
注湯炉の上からスリーブに嵌合するように下降させる方
式も採用可能である。しかしこの構造上、硬い金型とセ
ラミック製の耐熱性スリーブとを嵌合させるため、スリ
ーブが破損しない程度の微妙な昇降制御が必要である。
鋳造部は金型等を備えるため重量が非常に大きく、昇降
制御を厳密に行うことは不利である。このため、スリー
ブの破損問題や、必要以上の押圧が鋳造部や注湯炉に掛
かることによる変形による鋳造不良の原因となる。ま
た、大口径・高意匠化が要望される軽合金ホイールでは
スポーク部やハブ部などからなる意匠面での金型カジリ
を極力押させることが必要である。特にスポーク部やハ
ブ部のテーパ部が5℃未満のものでは金型の些細な横ず
れでも金型カジリが発生し、意匠面での外観不良とな
る。これを抑制するために金型部部粉を不用に動かさ
ず、常に一定の挙動パターンを行うよう環境を整える必
要がある。このため、鋳造部は固定式とし、注湯炉側を
水平移動および上下駆動できるようにすることが好まし
い。
【0004】例えば特開平9−24455号では、上記
したような鋳造部を固定する効果の記載は無いものの、
昇降可能な注湯炉を複数設けた低圧鋳造設備が開示さ
れ、鋳型のキャビティに圧着機構を介してストークを連
通させることが記載されている。また、この注湯炉の昇
降機構は搬送台車に積載され、水平方向に搬送できるこ
とが考慮されている。また、同公報では従来の技術の欄
に書かれているように、大型の坩堝を有する保持炉を用
いて鋳込み量が比較的少ない鋳型に対して鋳込む場合、
溶湯保持炉の加圧室の圧力制御が困難になり、加圧室の
加圧用気体を供給する装置が大型の高価なものになると
ともに加圧精度が不安定になること等が記載されてい
る。しかしながらその根本的解決となる保持炉の小型化
を検討したものではなく、当然保持炉の小型化によるデ
メリット(溶湯の補充回数が増える事による鋳造サイク
ルの非定常化、湯温の変化、金型温度の低下など)を解
消することについても検討されていない。これらに対し
てさらなる改善の余地が有った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の問題を
解消し(1)溶解炉からの配湯時に鋳造サイクルを停め
ない、(2)精度良い加圧制御および品質安定のための
注湯炉湯面の一定維持、(3)品質安定のための湯の静
かな移動、を主に目的としたものであり、軽合金製ホイ
ール用等の最適な低圧鋳造装置を提供する物である。
【0006】
【課題を解決するための手段】つまり本発明は、金型お
よび前記金型を開閉可能な機構を備えた鋳造部、および
前記鋳造部の金型キャビティ内に溶湯を注湯するための
ストークを備えた注湯炉からなる低圧鋳造炉と、前記低
圧鋳造炉の注湯炉に溶湯を補充可能な補充炉と、からな
る低圧鋳造装置であり、前記低圧鋳造炉の注湯炉は前記
鋳造部の下部から搬出可能な移動手段およびストークの
上端を前記金型に着脱ならしめるように上下駆動させる
駆動手段を備え、かつ前記補充炉は前記注湯炉の移動方
向に対して側部近傍に固定して備えられており、前記注
湯炉のストークの上端が前記鋳造部の金型に固定されて
いる状態で前記補充炉から前記注湯炉に溶湯を補充可能
な構造を有するものである。このように、従来の保持炉
部分を注湯性能だけに特化した注湯炉と溶湯の保持に重
点をおいた補充炉に分けて構成することで上下駆動させ
る部分を小型化することが可能である。これにより溶湯
の注湯制御、保持炉の昇降制御が容易になり、鋳造欠陥
を抑制可能な低圧鋳造を行うことができる。また、従来
の大容量の保持炉と比較して小型・軽量された注湯炉の
みを移動させればよいのでメンテナンスも容易である。
さらには、大部分の溶湯を地面に固定された補充炉で保
持できるので、安全性も高く、かつ安定的に溶湯を補充
可能である。
【0007】注湯炉はストークの下端部に位置する注湯
槽と、この注湯槽に弁を介して接続されたストッパー槽
を具備する2槽構造であるものが適用できる。さらにこ
の注湯槽は外気に対して気密保持可能であるとともに加
圧気体を供給可能な手段が設けられ、かつ弁は注湯槽と
ストッパー槽の湯面中を連通するように設けられている
ことが好ましい。これにより溶湯は注湯槽の湯面より下
部から供給されるため、気密保持の構造が容易であり、
安全である。弁を閉めておけば補充炉からストッパー槽
に溶湯を補充しても注湯槽の湯面状態を乱すことがな
く、弁を閉じる事で注湯炉へ溶湯を補充している最中で
もストッパー槽で溶湯を保持し、注湯槽で金型に溶湯を
注湯することで鋳造サイクルを停めない連続鋳造が可能
である。さらには注湯槽の溶湯容量を小さくできるた
め、金型のキャビティ容量に影響無く注湯量制御が可能
である。また、注湯槽自体を小型化できるため、溶湯を
金型に注湯する際の不活性ガスなどの加圧気体使用量を
減らすことができ、加圧気体量の減少によるコスト削減
効果、および加圧気体による熱の持ち出しが少なくヒー
タでの加熱量が減ることによる省エネ効果が得られる。
また、溶湯への加圧気体の応答性が高くなることから溶
湯の微細な押圧制御が可能であり、複雑形状の製品でも
指向性凝固を行い易く、鋳造欠陥のない製品を製造可能
である。特に複数本のストークで同時に注湯するもので
は供給する単位時間辺りの溶湯量が増えるため、ストー
クの下端が浸漬する溶湯の保持部分(本発明では注湯
槽)での溶湯量を少なくすることは上記の効果に大きな
影響を有する。溶湯の微細な押圧制御が可能であるた
め、溶湯の湯面が波立つこともなく、かつ湯面がストー
クの下端よりも下に行くことがないため、ストークの長
さを短くしても鋳造ができる。これによりコストがスト
ーク単価にして約1割程度を低減可能である。また、溶
湯の湯面が乱れないため酸化物等の不純物の発生が抑え
られ、鋳造品の品質安定に繋がる。さらに、注湯炉に一
度に入る溶湯量を少なくできるため、溶湯温度が安定す
るため鋳造品の品質が安定する。これらから連続鋳造と
して品質のバラツキがなく、かつ生産上取扱い易い低圧
鋳造装置とすることができる。
【0008】補充炉の場合、溶湯または材料合金を入れ
るための給湯槽と、この給湯槽に弁を介して接続された
溶湯保持槽を具備する2槽構造であるものが適用でき
る。これにより溶解炉から配湯されている最中であって
も鋳造サイクルを停めずにタイミング良く注湯炉へ溶湯
が補充できる。弁を閉じておけば給湯の最中でも溶湯保
持槽の湯面・溶湯中の流れが乱れることがなく、溶湯の
流量制御を行いやすい。また、溶湯保持槽の方は注湯炉
のストッパー槽に溶湯を補充する槽であり、この槽を傾
けて溶湯を補充したり容器による汲み出しをせず、乾燥
空気や不活性ガス中で湯面を保持する密封構造が最適で
ある。単槽では給湯口で外気とシール困難であるが、2
槽とすることで最適な補充炉構造とすることができる。
また、高価かつ設備設置が困難ではあるが、ロンダー炉
などを補充炉として用いても良いし、溶解保持炉を補充
炉として適用することもできる。
【0009】補充炉・注湯炉が各々2槽構造であると、
両者の間で溶湯を補充する時に流量制御が容易である。
また、補充炉の溶湯保持槽と注湯炉のストッパー槽とは
溶湯量を制御・測定可能なセンサを各々備え、互いのセ
ンサからの測定結果を基に溶湯保持槽からストッパー槽
へ溶湯を移動させることが好ましい。このように溶湯保
持槽を供給部から、ストッパー槽を注湯槽から互いに隔
離することで溶湯の配湯中、鋳造のサイクル中、その他
金型修理など通常工程に無い作業中でも両者の間で独立
して溶湯を補充・補給することができる。このように溶
解炉が有り、各々の鋳造装置に配湯を行う設備のあると
ころでは全体的に4槽構造とすることが最もバランスの
取れ・かつ安価な低圧鋳造装置の形態である。各槽に温
度制御用のヒータと温度計、溶湯湯面制御用のレベルセ
ンサを備えることで互いを最適の状態に保つことができ
る。
【発明の実施の形態】
【0010】以下、図面を用いて詳細に説明を行うが、
本発明は図の構成に限定されるものでは無い。図1に本
発明の低圧鋳造装置の一例として上側から見た状態を示
す。中央水平の破線より上側が補充炉6であり、下側が
注湯炉7である。補充炉6は床に固定され、一方の注湯
炉7はレール上に設置され、図中左右方向に矢印11の
範囲で移動可能である。7aは移動後の注湯炉の状態を
簡略に示すものである。補充炉6は補給部1と溶湯保持
槽2から主になる。また、注湯炉7はストッパー槽3と
注湯槽4とから主になる。図中の注湯炉7の位置は鋳造
部に固定される際の位置であり、この状態において補充
炉6の溶湯保持槽と注湯炉7のストッパー槽とが給湯管
12より連結可能な状態となる。18は熱電対による温
度計である。
【0011】図1のA−A断面図として、図2に補充炉
の縦断面図を示す。図2中、給湯槽1の左下部分と溶湯
保持槽2の右上部分が弁13aを介して具備されてい
る。溶湯保持槽は溶湯加圧用の加圧ポート(図示せず)
を備えている。弁13aは穴のあいた円板14と、その
穴に嵌合する先端をもつ耐熱性の棒を上下方向に移動さ
せるストッパー15からなる。このストッパーを上げる
ことで弁を開き、給湯槽の溶湯を重力により溶湯保持槽
に流し込み、溶湯を移動させる。また、16は溶湯の給
湯口であり、17は溶湯の温度制御を行うヒータ、19
は湯温用熱電対である。ストッパーは溶湯保持槽のレベ
ルセンサの出力に対して開閉されるように電子制御され
ており、また、補給口が開いている際には閉じる様プロ
グラムされている。
【0012】図1のB−B断面図として、図3に注湯炉
の縦断面図を示す。図3中、ストッパー槽3の左下部分
と注湯槽4の右上部が弁13bを介して具備されてい
る。弁13bは補充炉の弁と同様であり、ストッパー槽
に溶湯が補給されている時は開かないようになってい
る。注湯槽は外気に対して(ストーク部湯口以外で)気
密状態となっている。また注湯槽の上部にはストーク2
0が複数本備えられており、ストークの下端は常に溶湯
中に浸漬するよう湯面制御がされる。また、図示はして
いないが注湯槽には溶湯を加圧するための加圧ポートが
備えられ、溶湯をストークを介して金型内に注湯可能で
ある。ストークの上部には鋳造部5(図示せず)が備え
られ、ストークの上端は金型の湯口に固定されている。
図21は注湯炉を上下駆動させるための油圧ピストンで
ある。この油圧ピストンは注湯炉の4隅に備えられてお
り、ストークの上端がある程度金型の湯口と圧着される
油圧圧力になるまで注湯槽を持ち上げている。また、搬
送台22およびレール23により、移動可能である。
【0013】図1のC−C断面図として、図4に補充炉
の溶湯保持槽2と注湯炉のストッパー槽3の縦断面図を
示す。注湯炉が鋳造部と固定されている状態でこのよう
に溶湯保持炉の溶湯排出口31とストッパー槽の溶湯供
給口32が隣接し、供給管12により連結される。供給
管12は途中の屈折部分に孔が開けられている。
【0014】鋳造時の溶湯の移動を説明する。図1、2
の状態で、低圧鋳造のサイクルが開始されると注湯槽4
内に加圧気体が加圧ポートより入れられ、溶湯表面を押
す。押された溶湯はストーク20内を介して鋳造部5の
金型内キャビティに注湯される。注湯槽での溶湯を保持
する量が少ないため、大型の保持炉と比較して容易に制
御が可能となっている。また、溶湯量の制御が通常より
も詳細に設定可能であり、溶湯の湯面が波立つこともな
く、かつストークの下端よりも下に行くことがないた
め、ストークの長さを短くしても鋳造ができる。ストー
ク内での溶湯の移動が少ないため従来より低い溶湯温度
で鋳造可能であり、金型の損耗を防げる。一定時間溶湯
を加圧し、キャビティ内の溶湯が凝固するまで保持す
る。その後、加圧ポートから圧を抜き、ストーク内の溶
湯を注湯槽4内に戻す。所定回数繰り返し、注湯槽の溶
湯面が下がったところで湯面制御センサ(図示せず)が
それを感知し、弁13bを開く。ストッパー槽は注湯槽
よりも高い湯面となるよう溶湯量が確保されており、弁
を開くことにより溶湯がストッパー槽から注湯槽へ流れ
込む。これにより注湯槽の湯面が所定の位置になるまで
溶湯を補給させ、その後、弁を閉じる。
【0015】ストッパー槽では溶湯が減り、次の注湯槽
への溶湯補給に備えるため、補充炉の溶湯保持槽から溶
湯を充填する工程に移る。図4に示すように溶湯保持槽
の加圧ポートから不活性ガスなどの気体を入れ、押圧に
よって溶湯が給湯管12内を通る。給湯管は略くの字型
であり、屈折部の孔からガスが抜ける。溶湯保持槽から
充填された溶湯は屈折部の頂点まで押され、供給管のス
トッパー槽側に向かった傾斜にそってストッパー槽に流
れ落ちる。こうしてストッパー槽の湯面レベルセンサが
所定の高さで湯面を感知するまで溶湯の補充が続く。基
本的にこの作業の間は弁13bは閉じており、注湯槽の
溶湯に不用な流れを与えないようにする。
【0016】溶湯保持槽では溶湯が減り、次のストッパ
ー槽への溶湯補給に備えるため、給湯槽から溶湯を充填
する工程に移る。図2に示すように、溶湯保持槽の溶湯
の湯面が下がるとそれを検知したレベルセンサが弁13
aに信号を送り、弁13aを開かせる。これにより開か
れた穴から給湯槽の溶湯が流れ込む。溶湯温度は溶湯保
持槽も給湯槽も同じに保たれており、所定の温度で一定
に保たれるよう、熱電対で測定された信号がヒータに送
られ、溶湯が加熱される。
【0017】給湯槽1で不足した溶湯はの給湯口から注
湯される。溶湯はロンダー等の配湯手段や搬送用の坩堝
などで移動させる。この際、溶湯保持槽2に溶湯が所定
のレベルまで保持されているならば弁13aは閉じたま
まである。給湯槽は天井から突出した凸部により湯面が
3つに分けられ、給湯口からの溶湯に含まれるノロなど
の不純物が給湯槽の弁に近づかない形状に構成される。
溶解炉などから配湯された溶湯は温度が一定になりがた
いため、給湯槽にて一定の温度となるよう制御を行う。
そのため、給湯槽では比較的溶湯量を常に多く保持し、
給湯による溶湯の温度変化を抑制することが重要であ
る。
【0018】上記した低圧鋳造装置を用いて17インチ
の大口径でスポーク部のテーパ部傾き(スポーク部側面
のホイール軸方向との傾き)が3.5°のホイールを製
造した。従来は2〜3時間おきにしていた配湯による鋳
造サイクルの停止が無くなったため、300〜400ヶ
/日の生産量のなかから発生していた捨て打ちによる鋳
造不良個数10〜20ヶを無くすことができた。従来、
鋳造サイクルを停める事で金型温度は30〜60℃程下
がっていたが、定常でのサイクルを停めることなく製造
できた。また、本発明でストークが浸漬する注湯槽での
湯温変動は最大でも2℃以下であることが解った。給湯
槽での溶湯温度変動は10℃程であるが、連続鋳造・湯
面一定維持するための4槽構造とすることで給湯槽以外
の槽では湯温のバラツキはなく、全て2℃以下であっ
た。これによりリム部で発生していた鋳造欠陥によるエ
ア漏れ不良が、従来は10%程であったのに対し、本発
明の低圧鋳造機を用いる事で1〜2%以下にまで減らす
事ができた。
【0019】
【発明の効果】上記したように、(1)溶解炉からの配
湯時に鋳造サイクルを停めない、(2)精度良い加圧制
御および品質安定のための注湯炉湯面の一定維持、
(3)品質安定のための湯の静かな移動、を解決した低
圧鋳造装置を提供できた。ストークの長さを短くできる
こと、ストーク下端部での溶湯量を小さくできることか
ら従来と比較して非常に垂直方向に小さいものとなって
いる。また、注湯炉はストークの下端部に位置する注湯
槽と、この注湯槽に弁を介して接続されたストッパー槽
を具備する2槽構造であるものであれば、注湯槽の湯
面状態を乱すことがない、注湯槽の溶湯容量を小さく
できるため、金型のキャビティ容量に影響無く注湯量制
御が可能、注湯槽自体を小型化できるため、溶湯を金
型に注湯する際の不活性ガスなどの加圧気体使用量を減
らすことができ、加圧気体量の減少によるコスト削減効
果、および加圧気体による熱の持ち出しが少なくヒータ
での加熱量が減ることによる省エネ効果が得られる、
溶湯への加圧気体の応答性が高くなることから溶湯の微
細な押圧制御が可能であり、複雑形状の製品でも指向性
凝固を行い易く、鋳造欠陥のない製品を製造可能、ス
トークの長さを短くしても鋳造ができ、これによりコス
トがストーク単価にして約1割程度を低減可能。溶湯
の湯面が乱れないため酸化物等の不純物の発生が抑えら
れる。注湯炉に一度に入る溶湯量を少なくできるた
め、溶湯温度が安定するため鋳造品の品質が安定する、
などの多岐にわたる効果を発揮できる。これにより、引
け巣などの鋳造欠陥が発生しずらい低圧鋳造装置を実現
できた。また、補充炉を2槽構造とすることで給湯の最
中でも溶湯保持槽の湯面・溶湯中の流れが乱れることが
なく、溶湯の流量制御を行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す低圧鋳造装置の模式図であ
る。
【図2】補充炉を示す図1のA−A断面図である。
【図3】注湯炉を示す図1のB−B断面図である。
【図4】溶湯保持槽とストッパー槽を示す図1のC−C
断面である。
【図5】従来の低圧鋳造装置である。
【符号の説明】
1 給湯槽、2 溶湯保持槽、3 ストッパー槽、4
注湯槽、5 鋳造部、6 補充炉、7 注湯炉、12
給湯管、13 弁、17 ヒーター、18 湯温用熱電
対、19 湯面レベルセンサ、20 ストーク、21
昇降用駆動手段、22 搬送台、23 レール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 39/06 B22D 39/06 41/005 41/005

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型および前記金型を開閉可能な機構を
    備えた鋳造部、および前記鋳造部の金型キャビティ内に
    溶湯を注湯するためのストークを備えた注湯炉からなる
    低圧鋳造炉と、 前記低圧鋳造炉の注湯炉に溶湯を補充可能な補充炉と、 からなる低圧鋳造装置であり、 前記低圧鋳造炉の注湯炉は前記鋳造部の下部から搬出可
    能な移動手段およびストークの上端を前記金型に着脱な
    らしめるように上下駆動させる駆動手段を備え、 かつ前記補充炉は前記注湯炉の移動方向に対して側部近
    傍に固定して備えられており、前記注湯炉のストークの
    上端が前記鋳造部の金型に固定されている状態で前記補
    充炉から前記注湯炉に溶湯を補充可能な構造を有する低
    圧鋳造用装置。
  2. 【請求項2】 前記低圧鋳造炉の注湯炉はストークの下
    端部に位置する注湯槽と、この注湯槽に弁を介して接続
    されたストッパー槽を具備する2槽構造である請求項1
    に記載の低圧鋳造用装置。
  3. 【請求項3】 前記注湯槽は外気に対して気密保持可能
    であるとともに加圧気体を供給可能な手段が設けられ、
    かつかつ前記弁は注湯槽とストッパー槽の湯面中を連通
    するように設けられている請求項1または2に記載の低
    圧鋳造用装置。
  4. 【請求項4】 前記補充炉は溶湯または材料合金を入れ
    るための給湯槽と、この給湯槽に弁を介して接続された
    溶湯保持槽を具備する2槽構造である請求項1乃至3の
    いずれかに記載の低圧鋳造用装置。
  5. 【請求項5】 前記補充炉の溶湯保持槽と前記注湯炉の
    ストッパー槽とは溶湯量を制御・測定可能なセンサを各
    々備え、互いのセンサからの測定結果を基に溶湯保持槽
    からストッパー槽へ溶湯を移動させる請求項4に記載の
    低圧鋳造用装置。
  6. 【請求項6】 全ての槽に温度制御用のヒータ、温度
    計、および溶湯湯面制御用のレベルセンサの少なくとも
    一つを備える請求項4または5に記載の低圧鋳造用装
    置。
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