JP2003288598A - 入力情報のパターン構造生成方法及び入力情報の分析装置 - Google Patents

入力情報のパターン構造生成方法及び入力情報の分析装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人間の脳神経系の仕組みと同様な仕組みで情
報を蓄積、分析できる入力情報の分析方法及び入力情報
のパターン構築方法並びにその装置を得ることを目的と
する。 【解決手段】 この入力情報のパターン構造生成方法
は、被処理パターンを必要に応じて時間方向の奥行きを
付与して集合化した新たな入力パターンを生成し、不応
期を有する複数の素子を立体的に所定間隔に配置して構
成した素子ネットワークに入力パターンを入力し、阻止
ネットワークの各素子が応答したルートから入力パター
ンに対する応答ルールを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理パターンが
入力したとき、そのパターンを蓄積し、蓄積されている
パターンから人間の感性、思考、直間等と同様な処理で
分析したパターン結果を新たに得る入力情報の分析方法
及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年は、人間の脳神経系の仕組みを工学
的に実現し、情報処理を行うコンピュータがある。
【0003】このようなコンピュータは、例えば手書き
文字認識を例にすると、活字「2」を代表する鋳型、若
しくは「2」の特徴が頭の中にあって、入力される刺激
(手書きの「2」)と、頭の中にある「2」の特徴の類
似度から「2」が認識されるという考えに基づいている
のが一般的である。
【0004】例えば、人間と同様の処理をコンピュータ
で実現する場合は、複数種の入力情報を符号化(シンボ
ル)して蓄え、これらの複数種の蓄積情報から被入力情
報に最も類似する蓄積情報を取り出すことで、被入力情
報を認識する処理方法が一般的であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような処理方法は、入力情報を符号化して蓄積、取り出
しを行う処理方法であるので、入力情報が符号化可能な
情報でなければならない。
【0006】一方、人間は、被情報が符号化できない情
報であっても、その情報を認識できる。
【0007】すなわち、従来の処理方法は、符号化でき
る情報のみを蓄積して取り扱うものであるから真に人間
の脳神経系の仕組みを工学的に実現したものとは言えな
いという課題があった。
【0008】このため、従来の処理方法では認識する情
報がある程度限定されるという課題があった。
【0009】本発明は以上の課題を解決するためになさ
れたもので、人間の脳神経系の仕組みと同様な仕組みで
情報を蓄積、分析できる入力情報のパターン構造生成方
法及び入力情報の分析装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の入力情報のパタ
ーン構造生成方法は、被処理パターンが入力したとき、
この被処理パターンを蓄積して奥行きを持たせて集合化
し、必要に応じて、この集合化パターンをブロック単位
に区切った後に、これらのブロックを所定方向にずらし
て再び合成した入力パターンを生成する工程と、入力す
る刺激に対して、その刺激に対して次に反応する方向の
素子を決めると共に、一度刺激を受けた後は所定条件が
満たされるまで、前回と同じ方向の素子への決定を停止
する素子を、立体的に所定間隔で複数繋げた素子ネット
ワークを備えて、前記入力パターンを入力する工程と、
前記素子ネットワークの各素子が反応したルートから前
記入力パターンに対するパターンを生成する工程とを備
えたことを要旨とする。
【0011】つまり、この入力情報のパターン構造生成
方法は、被処理パターンを必要に応じて時間方向の奥行
きを付与して集合化した新たな入力パターンを生成し、
不応期を有する複数の素子を立体的に所定間隔に配置し
て構成した素子ネットワークに入力パターンを入力し、
阻止ネットワークの各素子が応答したルートから入力パ
ターンに対する応答ルートを生成する。
【0012】さらに、入力情報の分析装置は、被処理パ
ターンが入力したとき、この被処理パターンを蓄積して
奥行きを持たせて集合化し、必要に応じて、この集合化
パターンをブロック単位に区切った後に、これらのブロ
ックを所定方向にずらして再び合成した入力パターンを
生成する手段と、入力する刺激に対して、その刺激に対
して次に反応する方向の素子を決めると共に、一度刺激
を受けた後は所定条件が満たされるまで、前回と同じ方
向の素子への決定を停止する素子を、立体的に所定間隔
で複数繋げた素子ネットワークを備えて、前記入力パタ
ーンを入力する手段と、前記素子ネットワークの各素子
が反応したルートから前記入力パターンに対するパター
ンを生成する手段とを備えたことを要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本実施の形態の入力情報の分析方
法は、人間の頭の中には鋳型といえるものは存在しな
い。さらに、分析結果は、既存の情報ではなく、蓄えら
れている情報と入力刺激から新たに合成して生成したも
のである。
【0014】つまり、入力刺激の分析プロセスは必要な
く、それに代わり相互抑制処理を含む情報の合成プロセ
スによってパターン認識がなされるという考えに基づく
ものである。
【0015】本実施の形態は、複数のセルからなる被処
理パターンが入力する毎に、所定の変換処理を施した複
数のセルの組合せを前記入力パターンとして送出すると
共に、これを蓄積するパターン前処理部と、予め蓄積さ
れている全ての蓄積パターンを順次読み出して、その蓄
積パターンに対しての前記入力パターンの活性度を順次
求める活性度計算部と、前記読み出された蓄積パターン
の活性度が求められる毎に、その活性度と、所定の負の
抑制係数と、他の蓄積パターンの活性度とを用いて、前
記蓄積パターンの活性度を所定回数、抑制する相互抑制
処理部と、前記抑制後の蓄積パターンの活性度と、活性
度が求められる前のその蓄積パターンのセル値から新た
なセル値をそれぞれ求め、該新たなセル値にされた蓄積
パターン同士のセル同士の値の総和を求め、これらのセ
ルの組合せを前記入力パターンに対するパターンとして
送出するパターン合成部とを有することを特徴とする入
力情報の分析装置である。
【0016】そして前記相互抑制処理部は、前記活性度
A(i)と抑制係数W(i)とから数1に従って、
【数1】 前記活性度A(i)を変化させる。
【0017】すなわち、認識する必要がある入力パター
ンが入力すると、予め記憶している蓄積パターンとの類
似度を求めて、入力パターンに対する各蓄積パターンの
関与率(活性度)を求める。
【0018】そして、これらの活性度A(i)と、負の
所定の抑制係数と、他の蓄積パターンの活性度から低下
(抑制した)した新たな活性度A(i)を数1に従って
所定回数求める。
【0019】この所定回数毎のセルの活性度の総和を入
力パターンの新たなセル値として送出する。
【0020】すなわち、認識する必要がある入力パター
ンが入力すると、予め記憶している蓄積パターンとの類
似度を求めて、入力パターンに対する各蓄積パターンの
関与率(活性度)を求め、これらの活性度A(i)と、
負の所定の抑制係数と、他の蓄積パターンの活性度から
新たな活性度A(i)を所定回数求める。この所定回数
毎のセルの活性度の総和を入力パターンの新たなセル値
として送出する。
【0021】このため、人間と同様に蓄積パターンに関
与した新しいパターンを生成できることになる。
【0022】<実施の形態1>「全体抑制法による実施
例」 実施の形態1においては、入力情報はマウスを用いた手
書きの文字として説明する。
【0023】図1は本実施の形態1の入力情報の分析装
置の概略構成図である。本実施の形態1の入力情報の分
析装置1は、画像化された被処理パターンPiを読み込
む被処理パターン入力部2と、被処理パターン入力部2
からのパターン又は後述するパターン合成部からのパタ
ーンに前処理を施すパターン前処理部3と、このパター
ン前処理部3からの入力情報P(j)をパターンの痕跡
情報t(j)として記憶するパターン蓄積部4と、パタ
ーン前処理部3からの入力情報P(j)とパターン蓄積
部4に蓄積されている複数の痕跡情報T(ij)との類
似度S(i)を各痕跡情報T(ij)ごとに求め、この類
似度S(i)から各痕跡情報の活性度A(i)を求める
活性度計算部5とを備えている。
【0024】また、活性度計算部5で求められた痕跡情
報T(ij)の活性度A(i)のレベルに応じて全ての
痕跡情報の間で相互抑制をかける相互抑制処理部6とを
備えている。この相互抑制処理については詳細に後述す
る。
【0025】また、相互抑制処理されたパターン情報R
(i)とパターン蓄積部4から取り出された痕跡情報T
(ij)とを合成したパターンC(j)をパターン出力
部8を介して送出するパターン合成部7とを備えてい
る。
【0026】このパターン合成部7は、合成パターンC
(j)をパターン前処理部3又は活性度計算部5にもフ
ィードバックする。
【0027】すなわち、図1に示す入力情報の分析装置
1は、図2に示すように手書きの入力情報と、既に記憶
している全ての手書き文字の痕跡情報との活性度を求め
て相互抑制処理を行った後に、順次全ての痕跡情報と相
互抑制処理後のパターンとを合成して表示し、最終的に
記録された情報には存在しない活字的なイメージ「2」
を得る。
【0028】(各部の説明)被処理パターン入力部2
は、マウスの移動に追従して表示用メモリに描かれた文
字データ(ドット)を、被処理パターンとして内部に取
り込む。例えば、マウス(図示せず)の移動軌跡を64
×32のセルからなる入力画面に、被処理パターンP
(i)として描く(パターンの部分に「1」を与え、そ
れ以外には「0」を与える)。
【0029】パターン前処理部3は、被処理パターンP
(i)に二次元ガウシアンフィルタをかけて、全てのセ
ルの数値の合計が「0」になるように、全体の入力パタ
ーンの値をシフトさせる。
【0030】そして、セルの最大値が「1」、最小値が
「ー1」になるように(1.0からー1.0の範囲に納
まるように)、各セルの値を全体的に拡大縮小(正規
化)する変換を行う。
【0031】この変換を受けた入力刺激を入力情報パタ
ーンP(j)とし、パターン蓄積部4に被処理パターン
P(i)の痕跡情報t(j)として蓄積する。本説明で
は既に痕跡情報t(j)がM個予め記憶されているとす
る。
【0032】活性度計算部5は、パターン前処理部3で
得られた入力情報パターンP(j)が入力する毎に、そ
の入力情報パターンP(j)と、パターン蓄積部4で蓄
積されている複数の痕跡情報t(j)からi番目の痕跡
情報(以下痕跡情報T(ij)という)を読み込み、類
似度S(i)を計算する(他の方法もあり)。
【0033】この類似度S(i)は、
【数2】 で求める。
【0034】また、この数2のNは、入力情報パターン
P(j)と各痕跡情報T(ij)のセルの中で、絶対値
が一定の数値(しきい値)を越えるセルの合計数であ
る。
【0035】若しくは、各痕跡情報T(ij)のみのセ
ルの中で、絶対値が一定の数値(しきい値)を越えるセ
ルの合計数である。
【0036】そして、活性度計算部5は、類似度S
(i)から各痕跡情報の活性化の程度を表す数値A
(i)(活性化レベル)を数3の式によって計算する
(他の方法もあり)。
【0037】
【数3】 また、活性度計算部5は、パターン合成部7で求められ
た合成パターンC(j)を直接入力し、この合成パター
ンC(j)と入力情報パターンP(j)との間でAN
D、OR等の処理を行い、この結果を新たな入力刺激の
入力情報パターンP(j)として、パターン蓄積部4の
痕跡情報との活性度を求める場合もある(その他の処理
もある)。
【0038】相互抑制処理部6は、活性度計算部5で入
力情報パターンP(j)の活性度A(i)が求められる
毎に、この活性度A(i)のレベルに応じて痕跡情報T
(ij)の間で相互抑制処理を行う。
【0039】例えば、数5に示すように、活性化レベル
A(i)を変化させ(但し、A(i)が安定するまでは
計算しない)、数5に示すように各痕跡情報T(ij)
に活性化レベルA(i)を乗じた値を合計したものを生
成する(他の方法あり)。
【0040】
【数4】 この数4を用いる場合は抑制値Wi=ー0.1として変
化量を計算する。
【0041】また、必ずしもA(i)を使う必要がなく
S(i)をAiに変えて以後の計算をおこなってもよ
い。また、ψも必ずしも入れる必要がない。
【0042】つまり、相互抑制処理部6は、活性化の範
囲と同様、焦点範囲から一定の距離にあるセルを抑制の
範囲として、その範囲にあるセルに限って相互抑制の値
をかける(抑制の値にも焦点範囲からの距離が小さいほ
ど抑制が強くなるようにする)。ここで、焦点範囲とは
最終的に処理の結果を反映させるセルの集合をいい、入
力情報及び痕跡上方のそれぞれに対応する焦点範囲から
一定の距離に含まれる近似するセルの集合を類似の範囲
という。
【0043】パターン合成部7は、相互抑制処理された
パターンR(i)と、パターン合成部4の痕跡情報T
(ij)とを数5に示すように合成する。
【0044】
【数5】 また、この合成には、
【数6】 で求める場合もある。
【0045】(具体的な動作説明)次に、数値を用いて
本実施の形態のパターン分析方法を以下に説明する。本
説明では、説明を分かりやすくするための3つのセルで
説明する。
【0046】例えば、パターン前処理部3で変換処理を
行って、図3の(a)に示す入力情報パターンP(j)
を得たとする。図3の(a)においては、「0」、
「1」、「0」の被処理パターンP(i)に対して変換
処理を行って「0.2」、「0.8」、「0.2」…と
した入力情報パターンP(j)を得たことを示してい
る。
【0047】活性度計算部5は、パターン蓄積部5に記
憶されている各痕跡情報T1、T2、T3、…との類似
度S(i)を数2を用いて求める。
【0048】図3の(b)においては、パターン蓄積部
4には、「0.1」、「0.5」、「0.5」…の痕跡
情報T1、「0.1」、「0.8」、「0.2」…の痕
跡情報T2、「0.1」、「0.5」、「0.1」…の
痕跡情報T3、…が記憶されていることを示す。
【0049】そして、図3の(c)に示すように、入力
情報パターンP(j)の各セルの値と痕跡情報T1、T
2、…の各セルの値とを乗算して、合計し、この合計を
N(一定の値より絶対値が大きなセルの数)で割って類
似度S(i)を求める。
【0050】次に、図3の(d)に示すように、痕跡情
報T1、T2、…の類似度S(i)を3乗した結果を、
1回目の入力情報パターンP(j)と痕跡情報T1、T
2、…との活性度A(i)とする。図3の(d)におい
ては、痕跡情報T1、T2、…に対して「0.4」、
「0.7」、「0.3」、…の活性度が求められたこと
を示している。
【0051】次に、相互抑制処理部6は、1回目の活性
度A(i)が求められたとき、この活性度A(i)に予
め記憶されている抑制度Wi(「ー0.1」)をかけ
る。
【0052】この抑制度Wiのかけ方は、図4の(a)
に示すように、読み込まれた痕跡情報にはかけないで、
周囲の痕跡情報にかける。
【0053】図4の(a)においては、痕跡情報T1を
例にすると、T1の活性度「0.4」はWiをかけない
で、T2、T3に、活性度「0.7」、「0.3」をか
けている。
【0054】そして、図4の(b)に示すように、この
1回目のWiをかけたものを2回目の活性度「0.3
0」、「0.63」、「0.19」として、読み込まれ
た痕跡情報にはかけないで、周囲の痕跡情報にかけて図
4の(c)に示すように3回目の活性度「0.22」、
「0.58」、「0.10」を求める。
【0055】すなわち、図5に示すように、入力情報パ
ターンP(j)が入力する毎に、類似度算出処理5aが
パターン蓄積部4に記憶されている痕跡情報T(ij)
を読み込み、この類似度S(i)を数1に基づいて求め
て、類似度テーブルに痕跡情報と対応させて記憶する。
つまり、図6に示すように痕跡情報毎に類似度が割り付
けられることになる。
【0056】そして、活性度処理5bが各痕跡情報に対
する類似度に対して1回目の活性度を数2に従って求
め、これを活性度テーブルに記憶する。
【0057】抑制処理6aは、各痕跡情報と入力情報パ
ターンP(j)との1回目のは活性度が求められと、抑
制度wiを数2に従ってかけてた結果A(i)’を活性
度処理5bに送出して新たな活性度A(i)として活性
度テーブルに記憶する。
【0058】この活性度A(i)が数回目となったとき
に、抑制結果出力処理6bがその痕跡情報毎の結果R
(i)をパターン合成部7に送出する。
【0059】パターン合成部7は、活性度計算部5が読
み込んだ痕跡情報T(ij)を入力し、この痕跡情報T
(ij)と相互抑制処理部6で求められた痕跡情報毎の
R(i)とをかけて、最終的に合成する。
【0060】例えば、図7に示すように、最終の痕跡情
報T1の活性度が「0.22」、痕跡情報T2の活性度
が「0.58」、痕跡情報T3が「0.10」であると
すると、痕跡情報T1(「0.1」、「0.5」、
「0」)に「0.22」をかけて、T1における合成パ
ターン(「0.022」、「0.11」、「0.0」)
を得る。
【0061】また、痕跡情報T2(「0.1」、「0.
8」、「0.2」)に「0.58」をかけて、T2にお
ける合成パターン(「0.058」、「0.46」、
「0.12」)を得る。
【0062】さらに、痕跡情報T3(「0.1」、
「0.5」、「0.2」)に「0.10」をかけて、T
3における合成パターン(「0.01」、「0.0
5」、「0.01」)を得る。
【0063】そして、これらのセル値の総和を求め、こ
れを最終の分析結果として表示又は活性度計算部5、パ
ターン前処理部3にフィードバックして活性度、相互抑
制を行って再度合成する。この合成を何回行うかは予め
設定されている。本説明では3回として説明する。
【0064】すなわち、本実施の形態では、図8の
(A)に示すように予め「0」から「9」までの数字を
マウスで多数生成して、これを蓄えておく。このパター
ンは各パターンがどの数字を意味するかの情報は全く備
えていない。
【0065】そして、図8の(B)に示すようにマウス
で数字を入力し、この数字に対して図8の(C)に示す
前処理を施して、蓄えられている各痕跡情報と前処理さ
れた入力情報パターンP(j)との相互抑制を行い、こ
れらの結果を合成した図8の(D)に示す1回目の合成
パターンC(j)を作成する。
【0066】次に、この合成された合成パターンC
(j)と、前処理が行われている図8の(C)の入力情
報パターンP(j)とから再度、活性度計算部5に入力
するパターンP(j)を作り、このパターンP(j)と
パターン蓄積部4の痕跡情報T(ij)との活性度計
算、相互抑制を行い、この結果と痕跡情報T(ij)と
の合成を行って2回目の図8の(E)の合成パターンC
(j)を得る。
【0067】そして、2回目の合成パターンC(j)
と、1回目の合成パターンC(j)とから再度、活性度
計算部5に入力するパターンP(j)を作り、このパタ
ーンP(j)とパターン蓄積部4の痕跡情報T(ij)
との活性度計算、相互抑制を行い、この結果と痕跡情報
T(ij)との合成を行って3回目の図8の(F)の合
成パターンC(j)を生成し、これを最終の出力パター
ンとする。
【0068】つまり、パターン蓄積部4に蓄積されてい
ないものを最終の出力パターンとして得ている。
【0069】また、パターン蓄積部4に蓄積されていな
いものを得ているとしても、入力情報パターンP(j)
はパターン蓄積部4の各痕跡情報との類似度、活性度を
行って、相互抑制を行っているものであるから、記憶さ
れている全ての痕跡情報に関与していることになる。
【0070】例えば、数字「2」が入力情報の場合で、
パターン蓄積部4に2以外の数字が記憶されているとす
ると、その2以外の数字に対しても関与して分析した結
果を送出している。
【0071】さらに、前述の最終の痕跡情報T1の活性
度「0.22」と、最終の痕跡情報T2の活性度「0.
58」と、最終の痕跡情報T3の活性度「0.10」と
を合計する場合もある。
【0072】これらの痕跡情報の最終の活性度を合計し
た値は、好みや熟知度等に相当するものと考えられる。
【0073】例えば、ある単語の学習回数と、その熟知
度(見たという感覚の強さ)を図9に示すようにシュミ
レートすると、このシュミレート結果に示すように、学
習が行われるにつれて当初は、次第にその単語を見たい
という感覚は強くなるが、次第にその感覚が低下してい
き、更に学習が進むと、急激に熟知度が高くなることが
分かる。
【0074】この熟知度は、見たという感覚の強さであ
り、また 単語の好み等に通じる全体的な値(コアとな
るような値)である。
【0075】本発明ではパターン情報を単位として処理
するためシンボルの処理が困難な場合でも最も一般的な
パターンを生成できる。したがって、上記実施の形態1
においては、入力情報を数字を用いて説明したが数字に
限らないで図10のような道路の映像であってもよい。
【0076】図10のような道路のどの当たりを通るか
を自動分析する場合は、上記のように、マウス等を用い
て、図10の(a)のように、複数種の道路のパターン
をパターン蓄積部4に予め記憶する。
【0077】この道路のパターンは、左右の濃い部分が
障害物を示し、白い部分(道路)のまん中にある線は、
人間がその障害物の間をだいたいどのあたりを通るのか
を示したものである。この蓄積されているパターンに
は、パターン以外の情報は記憶されていないことが重要
である。例えば、障害物の間の中間点を計算して、そこ
に線を描くというようなルールは記憶されていない。
【0078】つまり、このパターンの蓄積データが学習
により人間が獲得している記憶に対応した道路の痕跡情
報ということになる。
【0079】そして、例えば、マウス等で図10の
(b)に示す道路のパターン(人間が遭遇した新規な障
害物に相当する)が描かれて被処理パターン入力部2、
パターン前処理部3を介して活性化計算部5に入力す
る。この図10の(b)の道路のパターンは新たな道路
の痕跡情報として記憶される。
【0080】次に、活性化計算部5は、図10の(b)
の道路のパターンを入力情報パターンP(j)として入
力し、パターン蓄積部4に蓄積されている複数種の道路
の痕跡情報t(i)との類似度、活性度、相互抑制処理
を行って、図10の(c)に示すように、読み込んだ痕
跡情報T(ij)との合成パターンC(j)を生成す
る。
【0081】この合成パターンは、パターン前処理部
3、活性度計算部5にフィードバックされて何回かの類
似度、活性度、相互抑制処理、合成処理を行って得てい
る。
【0082】つまり、道路のパターンが入力すると、複
数種の道路の痕跡情報から新たな進む線を作り出してい
るので非常に人間に近い処理と言える。
【0083】<実施の形態2>「部分抑制法(セル抑制
法)による実施例」 上記の実施の形態2では、入力情報パターンP(j)の
セル全体に対して相互抑制をかけたが実施の形態2にお
いては、図11の(a)に示すように、入力刺激(信号
1)のあるセル毎に、そのセルに関与しているセル範囲
Hiを決定し、この範囲Hi(以下焦点範囲Hiとい
う)における各セルの類似度、活性度を求めて抑制し、
図11の(b)に示すように、最終的に抑制された活性
度をその焦点範囲の代表値とする。さらにその代表値を
反映させる範囲(抑制の範囲)を仮想的に想定し、その
範囲の全てのセル値の全てのセル値にその代表値を反映
させる。この処理を全ての焦点範囲について実行する
と、各焦点範囲ごとに想定される仮想的な抑制の範囲内
のセル値が想定される。最終的には、各焦点範囲ごとに
複数想定される抑制範囲内のセル値を、セルに関して総
和をとってきとめる方法も可能である。
【0084】また、本実施例では、1つの焦点範囲を1
つのセルに対応するように設定しているが、任意のセル
がいずれかのかの焦点範囲に含まれるようないかなる設
定方法も可能である。
【0085】この部分抑制法では、前回以前の所定回の
刺激に対応する焦点範囲Hiに入る今回のセルの発火/
応答を規制するが、それ以後は実施の形態と同様な処理
を行う。
【0086】これは、n次元のベクトルで表される情報
が痕跡情報(n次元の中には、入力情報では時間次元、
痕跡情報では層(奥行き)が存在する)である。
【0087】このようなことから、最終的に処理の結果
を反映させるセルの集合である焦点範囲を決定すると共
に、入力情報及び痕跡情報のそれぞれに対応する焦点範
囲から所定の距離に含まれる近接したセルの集合である
類似度の範囲、並びに活性化の範囲及び抑制の範囲を決
定している。
【0088】すなわち、入力情報及び痕跡情報のそれぞ
れに対応する焦点範囲(最終的に処理の結果を反映させ
るセルの集合)から一定の距離に含まれるセルの集合を
類似度の範囲としている。
【0089】また、活性化処理は、焦点範囲から一定距
離離れているセルを含む領域を類似度の範囲とし、類似
度をこの範囲のセルに限定して計算する(その際、距離
が遠くなるほど類似度を小さくなるような関係を入れ
る)。
【0090】この場合、焦点範囲からの距離が遠くなる
ほど類似度を小さくなるような関係を付与しても良い
し、距離が遠くなるほど類似度を大きく付与することも
可能である。なお、最小の類似度の範囲は1つのセル
(この場合焦点領域も1つのセル)であり、最大の類似
度の範囲は入力情報、各痕跡情報の全体である。
【0091】そして、一定の類似度の範囲の類似度が計
算された後、その値を元に活性化の程度を計算し、続い
て、その活性化の程度を各痕跡情報の全てのセルの内容
(数値)に掛け合わせないで、焦点領域から一定の距離
に含まれるセル(活性化の範囲)に限定して、活性化の
程度とセルの内容を掛け合わせる。活性化の範囲は任意
に設定できるが類似度の範囲と同一に設定してもよい。
【0092】次に、活性化の範囲、焦点範囲から所定の
距離にあるセルを抑制の範囲として、その範囲にあるセ
ルに限って相互抑制をかける。
【0093】このとき、抑制の範囲内の各セルに対する
抑制の効果が、焦点範囲と各セル間の距離に依存して変
化するようにする場合もある(例えば、抑制の値に最も
焦点範囲からの距離が小さいほど強くかかるようにする
場合もある)。
【0094】そして、相互抑制が行われた後、各焦点範
囲毎に重複される部分の値を全てまとめて新たなセルの
値とする。
【0095】<実施の形態3>「MAN素子ネットによ
る実施例」 本実施の形態3は、発火(応答出力)した後に一定時間
又は一定の数のインパルスが入る間(総称して所定の条
件(「不応期」)という)、続いて入力される情報を受
け付けないような素子を立体的につなぎ合わせたMAN
素子のネットワークを構築する。
【0096】このMAN素子をネットワークとすることの
意味と、MANと実施の形態1の処理(以下Uzumeという)
の処理の関係を以下で説明する。
【0097】まず、入力刺激の変換とMANの特徴が必要
となる理由を以下で説明する。その中で、MANの特徴
(不応期)が必要であると考えだした道筋の発端は、大
きく分けると次の2つになる。
【0098】この2つの流れはもともと違うところから
出発したものであるが最終的にはひとつに結びつく。そ
れぞれ別の論理的から解決の方法を考えていたが、最終
的には、不応期というひとつの特徴を仮定するだけでよ
いことに集約される。つまり、以下の(1)、(2)の
方法が必要である。
【0099】(1)非常に多様な情報を長期に蓄える方法
を考える必要性 (2)Uzume的な活性化−相互抑制的な処理を瞬間的に実現
する方法を考える必要性:処理と構造を分けて考えてい
てはだめ。構造それ自体に処理を担わさせる方法(1)
については、多様な情報を0−1的な情報のみを伝える
ことのできる有限のニューロンで表現する方法が有効で
ある。
【0100】これは、入力刺激の変換と不応期が必要で
あると考えた理由を説明するためには、まず0−1的な
パターン情報を表現する方法を考える必要がある(実は
この考え方がMANの考えを導き出す上でのポイントにな
ったように思う)。
【0101】まず、人間が非常に些細な情報の変化を長
期にわたって保持している事実を説明するために、人間
のニューロンの特長を参考にして、多様な情報を表現す
る方法を考えた。
【0102】複数のニューロンでできるだけ多くの情報
を表現するためには、ニューロンの組み合わせとして情
報を蓄える必要があると思われる。
【0103】これは、Hebbという学者が主張しているセ
ルアッセンブリ(もしくはポピュレーションセオリー)
の考え方である。
【0104】問題は、この組み合わせを如何にして実現
するかである。これを人間のニューロンの結合を参考に
して考える。
【0105】ニューロンの組み合わせといっても、人間
の場合にはひとつの制約がでてくるのが普通である。
【0106】それは、結合していないニューロンを組み
合わせにすることはできないということである。
【0107】なぜなら、人間が何らかの処理を行う場
合、情報は網膜などの受容器から入力され効果器(声帯
など)へと出力されるという方向性を持ちます。例えば
声帯のニューロンにインパルスが伝わる場合を考える
と、そのニューロンと受容器の網膜は直接つながってい
ない。
【0108】声帯につながっているニューロンが発火す
るためには、その前にあるニューロン、さらにはその前
にあるニューロンが発火していることが不可欠になる。
【0109】つまり、直接結合していないニューロンの
組み合わせ(極端な例では視細胞と声帯につながってい
るニューロンの組み合わせ)で情報は表現できないわけ
である。
【0110】そこで、情報を最大限表現させるとすれ
ば、ニューロンの組み合わせは、入力口から出力口へと
つながるニューロンの”帯”もしくは”流れ(ストリー
ム)”を構成するニューロンに組み合わせは制限されて
しまう。
【0111】以後このニューロンの組み合わせを、ニュ
ーロンの帯と呼ぶ。ちなみに、現在のニューラルネット
のモデルでは、何らかの情報はネットワーク全体で表現
されるとされている。
【0112】なお、ここで補足しておくが、このニュー
ロンの帯を構成するニューロンの集合がそのパターンを
表していることになる。
【0113】入力パターンが変われば、その経路も変わ
ることを考えれば、入力パターンをニューロンの集合に
置き換え、対応させることができることは容易に理解で
きると思われる。
【0114】これが情報をネットワーク的に表現するこ
との意味です。パターンの表現方法はこのように複数の
経路を構成する素子の集合として表すことです。
【0115】(A)最大限ニューロンの組み合わせを作
る上での問題:分かれ道の問題 それでは、次に考えなければならないことは、如何にし
てニューロンの帯に最大限のバリエーションを持たせる
かという点である。
【0116】まず、一番極端な例を用いて考えてみる。
表1のように、ニューロンの帯の入り口から出口に向か
って、A,B,C,Dのニューロンが並んでいて、最後の出口
のところで二股に分かれて出力されるようにニューロン
がつながっているとする。
【0117】
【表1】 ここで、A,B,C,D,X,Yのニューロンを最大限使って情報
を表現する方法を考えてみる。
【0118】その組み合わせはA-B-C-D-XとA-B-C-D-Y、
A-B-C-D-XXYの3通りのニューロンの帯である。ここで
問題になるのが、Dまで届いたインパルスがXに流れる
かYに流れるか、もしくはどちらにも流れるということ
が、Dによって決定されなければならないということで
ある。
【0119】例えば、xというインパルスがDに入力し
たらXの方向へ、yというインパルスが入力したらYの
方向へ、xyというインパルスが入力したらXY両方の
ニューロンへインパルスを伝えるといった弁別的な機能
をもたせれば分けることは可能である。
【0120】ところが、インパルスはそもそも0−1的
な情報であり、インパルスが伝わってくれば、1という
情報を伝えるしかニューロンにはできないわけです。そ
うなると、Dのニューロンもやはりインパルスが入って
きたらXY両方のニューロンにインパルスを伝えるか、
伝えないかのどちらかしかできないはずです。それで
は、0−1情報しか流さないニューロンDから、インパ
ルスの流れを分かれさせる方法はないか?とりあえず、
この問題を「分かれ道の問題」と呼んでおく。
【0121】(B)受容器の細胞の組み合わせしか情報
を表現できなくていいのか?分かれ道の問題を解決する
方法を考える前にひとつの意見について考えてみる。そ
れは、そんなにニューロンの組み合わせを考えなくても
脳細胞は膨大な数に上るわけだから、組み合わせも膨大
な数になはずだから、べつにそこまで考えなくてもいい
んでは、という意見である。
【0122】どのくらいのニューロンの組み合わせが必
要なのかはわからないが、今想定されている0−1的な
情報を伝えるというニューロンの機能だけでは、表現で
きる情報は受容器(網膜など)のニューロンの数の組み
合わせ以上の情報しか表現できないはずである。
【0123】なぜなら、ある情報が瞬間的に受容器に入
ったとすろと、その場合、ニューロンに0−1的な情報
を伝えるだけの機能を仮定した場合には、受容器のニュ
ーロンに結合しているニューロンは全て、情報を伝える
か伝えないかという働きしかしないから、ニューロンの
帯は、受容器のニューロンにつながっているニューロン
の集合で表される。
【0124】かつ、その帯の数は受容器のニューロン
(入力口)の組み合わせ以上の情報は表現できないはず
であり、つまり、一つ一つのニューロンが0−1的な情
報しか伝播させられないとすれば、入力口になる細胞か
ら入ったインパルスの通る経路は、入力口で決まってし
まうわけである。なぜなら、まったく同じパターンが入
力した場合には、まったく同じ経路を通るはずだからで
す。このあたりはもう少し説明が必要かもしれないが、
とにかく、脳に存在するニューロンを最大限活用する方
法を考えたほうが建設的であることは間違いないと思わ
れる。
【0125】次に、分かれ道の問題を人間のニューロン
が実際に解決していると信じて、その解決方法を考え
る。単純な解決方法のひとつは、Dニューロンの入力口
と出力口の距離が短いほうだけへ、同じ距離だったら両
方へインパルスが流れるという考え方があり、この考え
方は2つの出力口を持ったニューロンには当てはまりま
すが、3つ以上の出力口を持ったニューロンでは、一番
遠い距離にある出力口にはインパルスは伝わらないとい
うことになり、それでは最大限のニューロンの組み合わ
せを想定できない。
【0126】このような細かな方法はいくつかあると思
うが、もう少し本質から考えてみると、とりあえずニュ
ーロン自体にはその後の出力口を規定する機能を持たせ
ないで別の方法を考えてみる。
【0127】もし実際に0−1情報しか伝えないニュー
ロンDがその後の道筋を決定しているとすれば、ごく自
然に考えれば、その道筋の決定はDに入ってくる情報が
握っているとしか考えようがない。
【0128】同様にDにその情報を伝えているCのニュ
ーロンも道筋を決めることはできないから、Cに入る前
の情報が道筋を決定するキーを握っているはずである。
【0129】同様に考えていくと、どうも、一番最初の
入力口にあたるAのニューロンに入る情報にそのキーが
隠されているようです。つまり、ニューロンに弁別的な
機能を想定せずに分かれ道の問題を解決するためには、
入力情報それ自体を考え直す必要があるという結論に至
る。
【0130】(C)時間軸の想定 それでは、入力情報をどのように考えるかです。ここで
入力情報に時間軸を想定するという考えが出てくる。今
まで0−1的な入力情報は瞬間的に、つまり、ある単位
時間を想定しその時間の状態が0−1のいずれかである
かによって、入力情報(パターン)を考えていたが、そ
れでは、どう考えてもニューロンの帯の数を増やすこと
はできないわけである。それでは、入力情報それ自体に
Dニューロンのところで一方の道を決める情報を持たせ
る方向でこの問題を解決できないかと考えた。そのため
には、入力情報を増やしたり複雑化させることが方法と
して考えられる。
【0131】その最も重要な方法が、時間軸を入力情報
に仮定すること、それと入力情報を複雑化させる方法で
ある。まずは、時間軸を想定することについて説明した
が入力情報を、一定時間の間に入力される0−1的な情
報の集合と考える(時間軸を想定する)ことにより、分
かれ道の問題を解決することが可能になる。
【0132】次に、具体的にどのようにして分かれ道の
問題が解決されるかを説明しますが、そこで不応期の考
え方が必要になる。
【0133】入力情報の複雑化(変換)については後ほ
ど取り上げる。
【0134】(D)不応期のひとつの意味 時間軸を想定することで、入力刺激は複雑になります
が、問題はそれだけでは解決できない。不応期のような
機能をニューロンに想定しなければ結局は時間軸を想定
してもしなくても同じなのであり、それを説明するため
に、まず、入ってきた情報をただ通して伝える素子(ニ
ューロン)がネットワーク的な構造をなしていた場合を
考える。つまり、不応期や入力情報の変換を仮定しない
場合である。
【0135】たとえ入力情報に時間軸を想定しても、入
ってくる情報は金太郎飴のような情報であり、時間軸で
まとめられたパターンの集合(金太郎飴のようなもの)
は、何の関連ももたずに、特定のニューロンの帯を伝っ
て出力される。
【0136】つまり、ニューロンの帯のように、経路を
構成するニューロンのネットワークで情報を表現する場
合、金太郎飴のように一定のタイミングで同じパターン
が入力され続け、さらにそれらがそのまま関連なくネッ
トワークを伝わっていくなら、インパルスが通る経路は
やはり単一の経路になってしまいます。入力口にあるパ
ターンが入ったとき、同じパターンが入りつづけていた
ら同じ経路しか通りません。入力されたインパルスをそ
のままスッと次のニューロンに流してしまうようでは、
時間軸を想定する意味はないのである。
【0137】また、入力口の素子の数の組み合わせ以上
のパターンは作れないわけですから、たとえ素子がたく
さんあったとしても、素子が表現できるパターンは入力
口の数の組み合わせ以上は表現できないことになりま
す。これでは時間軸を入れた意味が出てきこない。時間
軸を情報に仮定する意味を生かすには、時間軸の方向で
の情報に関連性をもたせる機構をネットワーク側に仮定
する必要があり、それが不応期です。つまり、異なる時
間軸上のパターンの間に関係を持たせることができれ
ば、ある瞬間瞬間に入力されていくパターンの間にさら
に関連性をもたせることが可能になり、結局情報を複雑
にすることができる。
【0138】もう少し説明すると、不応期を想定するこ
とは、固定される有限のニューロンに時間次元を入れる
ことにより表現できる情報のバリエーションを増やすこ
とにつながる。
【0139】例えとしてまた表1の例を持ってきます。
表2は表1のニューロンの隣に、あ、い、う、えのニュ
ーロンが存在し、その”え”のニューロンがYにつなが
っていることを表している。
【0140】
【表2】 表2において、A−B−Cを伝ってきたインパルスがD
に入った場合は、そのままX、Y両ニューロンにインパ
ルスが通るとします。これでは、分かれ道の問題は解決
できない。ここで、A−B−C−Dの順に流れるインパ
ルスの前に、あ−い−う−えを通ってYから出力される
インパルスが通ったとする。ここで、例えば、インパル
スが通ったあと一定時間続いて入力されるインパルスを
無視する特徴(不応期)をニューロンYに仮定して見
る。
【0141】そうすると、”あいうえ”のルートを通っ
てインパルスがYに伝わることにより、一定時間ニュー
ロンYは入力を受け付けないような状態になります。そ
の間に今度はA−B−Cのルートを伝ってインパルスが
ニューロンDに到達したとする。ここで、A−B−Cを
伝ってきたインパルスがDに入った場合は、そのまま
X、Y両ニューロンにインパルスが通るとしているが、
Yニューロンはその情報を無視することになる。
【0142】そして、結局Xの方向のみにインパルスが
流れることになる。つまり、時間軸を想定し、不応期の
ような性質をニューロンに想定することで、分かれ道の
問題を解決できることになる。
【0143】もう少しイメージしやすくするために、Y
の不応期が1時間だったと考えてみると、”あいうえ”
のルートからYに入ったインパルスにより、1時間Yは
反応しないわけです。1時間前にYにインパルスが通っ
ていたことなどつゆも知らない研究者は、ABCDの経
路を伝って流れてきたインパルスがXの方向のみに流れ
る事実を観察することになる。
【0144】これからすると、DとYのニューロンをつ
なぐシナプスは、どうもインパルスを通さない特徴を持
つんだ解釈してしまってもおかしくはない(もしかする
と抑制性ニューロン、興奮性のニューロンという区別も
見かけ上の区別である可能性があるわけで、実際は同一
のニューロンの機能を持っているだけかもしれない、も
ちろん不応期の長さは違うかもしれない)。
【0145】なおここで誤解しやすいことがあるので少
し補足しておきます。ABCD−XYの分かれ道の問題
を解決したといっても、”あいうえY”というニューロ
ンの帯を加えたことにより可能になっているわけだか
ら、単に増えたニューロンの(ABCDXYあいうえ)
の組み合わせで情報が表現されたことになるんではない
かと考える方がいるかもしれませんが、入力情報に時間
軸を想定しなければ、そもそもAと”あ”のニューロン
から同時にインパルスが入ると考えなければなりませ
ん。その入力を表現するニューロンは”ABCDXYあ
いう”ですが、そこからの出力は、XYどちらのニュー
ロンも発火している状態の情報しか出力されない。
【0146】入力情報に時間軸を想定し、その時間軸の
方向で情報を関連付ける不応期という特徴をもたせるこ
とにより初めて、複数のニューロンの組み合わせと、複
数のニューロンの組み合わせの組み合わせを考えること
が可能になるわけです。この考え方は、ひとつ情報を表
現する次元を増やすことにより、有限のニューロンが表
現できるニューロンの帯を増やすことに明らかにつなが
る。
【0147】なお、不応期を仮定することで、入力され
る情報にまとまりをつけることもできるわけであり、従
来の方法では、入力情報が入るかはいらないかという状
態しか入力情報を扱えませんでしたが(表現できません
でしたが)、例えば、何もない状態からあるパターン
が”現れる”という、動き(モーション)や変化の情報
を同様に表現できるというメリットもある。
【0148】この考え方を進めていけば、線や形や、
色、におい、なども全て、一定時間の間に受容器に入力
されるパターンの集合と捉えることになる。
【0149】それはすなわち、私たち人間が認識してい
る情報全てがモーションのような情報として捉えること
になる。さらに、不応期のほかに、入力情報を複雑化さ
せる方法として、金太郎飴のような情報を単位時間に分
け、一定周期で一定の方向に入力刺激を振動させるなど
の変換を行えば、さらに多様な情報をネットワーク上に
弁別性を持たせて表現できるはずですが、この考え方
は、人間の眼球運動に対応する入力情報の変換であると
思う。
【0150】人間の眼球は1秒間に4、5回細かく振動
しており(サッケードという)、つまり、人間も視覚刺
激に関しては入力刺激を複雑化させているわけである。
【0151】(E)情報を蓄える方法 いずれにせよ、入力情報に時間軸を仮定し、さらにニュ
ーロンに不応期のような時間に対して変化する特徴を想
定することが、ニューロンの組み合わせで情報を最大限
表現する方法のひとつになるはずです。なお、これまで
説明した方法で表現された情報を、今度は蓄えるために
は、ネットワーク自体の構造が情報を表す。つまり特定
のニューロンの帯が特定されるようにニューロンのネッ
トワークの構造がなっていればよいわけです。その際、
ネットワークの構造を規定するのは、各ニューロンが次
のニューロンへインパルスを伝えやすい程度、不応期の
長さをインパルスがそのニューロンに入ってくるのに応
じて変化させていくことです。今のところ、インパルス
が通れば通るほど次のニューロンへインパルスを通しや
すくする特徴を持たせることや、そのニューロンが不応
期の状態になっているとき入ってくるインパルスの数、
もしくは単純に入力されるインパルスの数などに応じて
そのニューロンの不応期が変化するような機構が想定で
きます。それがネットワークの構造に情報を貯蔵するこ
とに対応するはずである。
【0152】(F)不応期のもうひとつの意味:Uzume
の処理を瞬時に実現するための方法 Uzumeの処理を実現するためには、膨大な情報を蓄える
方法とそれを全て利用する形で類似度や相互抑制の計算
を瞬間的に行う方法を考えなければならない。
【0153】そのためには、情報が蓄えられていなけれ
ばならない。
【0154】そのためには、情報が蓄えられている構造
自体に処理の機能を持たせるなどの方策が必要である。
【0155】ここで説明する内容は、上でこれまでに説
明してきた不応期の必要性とは別の論理から導かれてい
ます。つまり、活性化−相互抑制という処理機構がある
はずという前提から導かれたUzumeの処理の原理をより
一般化させる方向で出てきた考えである。
【0156】まず、Uzumeの処理は類似度の計算、相互
抑制、合成も全て、個々独立した情報源を仮定して全て
行っている。
【0157】つまり、個々の情報源は全て個別に蓄えら
れていることを前提としているわけである。しかし、そ
れだけの情報を蓄える方法はともかく、それら全てを瞬
間的に処理することは、蓄える情報が多くなるほど困難
になるといわざるを得ない。
【0158】そこで、もうひとつ、類似度、相互抑制、
合成等の処理の対象となる情報について考えてみる。
【0159】Uzumeではどの情報源も同じセルの構
造を仮定しており、つまり全ての情報の接点として存在
するセルに活性化、相互抑制、合成などUzumeと同様の
処理をさせることができれば、膨大な情報をいちいち取
り出し、相互作用させる必要はないと考えた。そこで、
Uzumeのように全体を情報の単位として考える(全体抑
制法と呼んでおきます)のではなく、セルを中心に、セ
ルを最小単位にする形でUzumeの全体抑制と同様な処理
を考えた。
【0160】例えば、Uzumeの全体抑制法の例では、32x
32のセルのパターンとして処理の対象を想定している
が、今度は、1つのセルを中心に処理を考える。
【0161】その方法として、1つのセルの周辺に隣接
する一定の範囲のセルの集合を仮定しその範囲に限っ
て、類似度、相互抑制、合成の計算を行い、一つ一つの
セルを中心に処理を行い最終的にまとめてひとつのパタ
ーンを作り出すという方法です。具体的には、以下のよ
うに処理の範囲をそれぞれ想定して、その範囲ごとにUz
umeと同様の処理(以下に少し説明する)をし、最終的
に一つのパターンとしてまとめるわけである。
【0162】・焦点範囲:最終的に処理の結果を反映さ
せるセルの集合 ・類似度の範囲:入力情報及び痕跡情報のそれぞれに対
応する焦点範囲から一定の距離に含まれる近接したセル
の集合 ・活性化の範囲:同上 ・抑制の範囲:同上 (G)セル抑制法の処理の概要 (1)類似度と活性化の計算 焦点範囲から一定距離離れているセルを含む領域を類似
度の範囲とし、類似度をこの範囲のセルに限定して計算
する(その際、距離が遠くなるほど類似度は小さくなる
ような関係を入れる)。
【0163】なお、最小の類似度の範囲は1つのセル
(この場合焦点領域も1つのセル)。
【0164】最大の類似度の範囲は入力情報、各痕跡情
報の全体である。
【0165】一定の類似度の範囲の類似度が計算された
後、その値をもとに活性化の程度が計算される。
【0166】続いて、その活性化の程度を、各痕跡情報
の全てのセルの内容(数値)に掛け合わせるのではな
く、ここに焦点領域から一定の距離に含まれるセル(活
性化の範囲)に限定して、活性化の程度とセルの内容を
掛け合わせる。
【0167】(2)相互抑制の計算 活性化の範囲と同様、焦点範囲から一定の距離にあるセ
ルを抑制の範囲として、その範囲にあるセルに限って相
互抑制の値を掛ける(抑制の値にも焦点範囲からの距離
が小さいほど抑制が強くかかるようにする)。
【0168】(3)合成の計算 一定の相互抑制が行われた後、各焦点範囲ごとに、重複
される部分の値を全てまとめる。
【0169】(H)類似度の計算「MAN素子ネットワ
ークによる情報処理の計算」 一番最初に示したネットワークによる情報の表現の考え
方(ニューロンの帯の考え方)を、活性化、抑制、合成
の範囲の考え方に当てはめるてみる。
【0170】入力情報と全ての痕跡情報の類似度をそれ
ぞれ計算するという計算に対応するのは、入力情報の集
合が入力されことによって、その情報が表現される”ニ
ューロンの帯”を、それに似たニューロンの帯の中から
特定することに対応する。ここでMAN素子の特徴とし
て、入力されたインパルスを出力側の次の素子へ送ると
いうものがあります。この特徴は、言うなればその素子
の後に続くニューロンの帯の中でその素子を構成要素と
するニューロンの帯と似た帯を活性化することに対応す
る。
【0171】その後のニューロンの帯は、その素子から
でるインパルスによって規定されるわけですから、類似
したニューロンの帯を活性化させ、類似しない帯を活性
化させないことに対応する。
【0172】さらに、その素子にその後入力されるパタ
ーンに対しては、不応期が作用してます。その際、その
素子を発火させたパターンと非常に類似したパターンが
入力されていたとすると、その素子が発火する前に、別
の近くの素子からインパルスが入り、その素子の発火が
阻害される確率が高まります。つまり、その素子の発火
が抑えられるということは、その素子から作られるニュ
ーロンの帯の特定を阻害するわけです。結局、蓄えられ
ているパターン(a)と似たパターン情報(a')が入っ
た場合、そのパターンa'に対応するニューロンの帯が
特定されるということは、そこで不応期を仮定すると、
その帯との類似度によって、それ以外の帯が抑制される
ことになる。インパレスが入力されることに対応させ
て、不応期を変化させることにより、多数で膨大な情報
を蓄積することができる。
【0173】MAN素子の特徴と上のセル抑制法の対応を
説明すると、セル抑制法の活性化の範囲は、MAN素子の
出力側に主に設定されることに対応し、抑制の範囲はMA
N素子の入力側に設定されることとほぼ同等になる。
【0174】以上のことから、MAN素子の特徴がセル抑
制法と同様の処理を行うことにつながるはずである。
【0175】この結果、不応期のような機能を過程する
ことにより、Uzumeで行っているような活性化、相
互抑制、合成といった処理を実現できることになる。
【0176】次に、MAN素子ネットワークの具体的構築
例を説明する。
【0177】図12は実施の形態3の概略構成図であ
る。図12に示す分析方法は、発火した後に一定時間又
は一定の数のインパルスが入る間(総称して所定の条件
という)、続いて入力される情報を受け付けないような
素子を立体的につなぎ合わせたMAN素子のネットワー
ク10を備えたものである。
【0178】このMAN素子のネットワーク10は、
「0」、「1」的なインパルス情報を伝える素子であ
り、図13に示すように、インパルスが入力されると、
そのインパルスを入力口から出力口に伝えると同時に、
その後一定時間、続いて入力されるインパルスを受け付
けない。
【0179】つまり、インパルスが入力するとそれを入
力端から出力端に伝達するとともに、インパルスの入力
に応答して不応期が変化するという特徴を有するもので
ある。
【0180】このような処理を実現するためにパターン
前処理部11は、ガウシアンフィルタ、シフト等の処理
を行わないで以下に説明する処理を行う。
【0181】図14は本実施の形態3に用いるパターン
前処理部11の処理を説明する説明図である。
【0182】例えば、図14の(A)に示す平面的な被
処理パターンP(i)が一定時間の間、連続して被処理
パターン入力部2から入力すると、パターン前処理部1
1はこれを蓄積する。つまり、図14の(B)に示すよ
うに時間軸上に蓄積されるので、奥行き(Z方向)を持
った集合パターンP(iz)となる。つまり、奥行きが
存在する。
【0183】そして、この集合パターンP(iz)の各
ブロックphiを図14の(C)に示すように区切った
後に、それぞれのブロックphiを図14の(D)に示
すように例えば±Y方向(1セル分)にずらして(振
動)、図14の(E)に示すように合成する。
【0184】この図14の(E)に示す変化したパター
ンが入力情報パターンP(ij)となってMAN素子ネ
ットワーク10に入力する。
【0185】図15はMAN素子のネットワーク10の
処理を説明する説明図である。MAN素子のネットワー
ク10は図15に示すように複数のMAN素子10a、
10b、…が連結されている。
【0186】これらのMAN素子は、図13で説明した
ように、0、1的なインパルス情報を伝える素子で、入
力部、中心部、出力部からなり、2つの入力部からイン
パルスが入ると、中心部を介して2つの出力部から出
る。
【0187】また、入力したインパルスを通す次の素子
へのルートを決定して、その素子に通した後に、次のイ
ンパルスが入力したときは上記の所定条件を満たした後
に、そのインパルスを次の素子に通す。
【0188】つまり、不応期等によるネットワーク自体
のルートにおいて、情報が蓄えられていることになる。
【0189】例えば、図15に示すように変化を与えた
入力情報パターンP(ij)が入力すると、1列目のM
AN素子が各セルを入力情報として入力し、これらの入
力情報がネットワーク自体に表現(蓄積)されている情
報を所定範囲で活性化し、それと同時に、ネットワーク
上の1列目のセルに近い範囲に限り、次の入力を抑制
し、新しい出力を合成する。
【0190】次に、2列目のMAN素子が1列目のMA
N素子の出力を入力情報としてその素子の近い範囲で活
性化し、同時に近い範囲で次の入力情報を抑制し、新し
い出力を合成する。
【0191】このような、処理が最終列まで繰り返され
る。また、その結果は、それ以前のMAN素子にフィー
ドバックすることもある。
【0192】つまり、MAN素子のネットワーク10と
いうのは、図16に示すように、複数のMAN素子が立
体的に繋がりをもって配置され、インパルスが入力する
と、このインパルスに刺激を受けたMAN素子が、その
インパルスに関与する次の素子への方向を決めて、その
インパルスに渡す。このような処理を最終列のMAN素
子まで行う。これらのMAN素子のルートが入力情報に
対して作り出したパターン(蓄積情報でもある)であ
る。
【0193】そして、次のインパルスが入力して1列
目、2列目のまん中の素子が反応して3列目のまん中の
MAN素子への方向を決めたとすると、3列目のまん中
のMAN素子は、前回のインパルスを4列目のまん中の
MAN素子に渡しているので、この4列目のMAN素子
は、前回と同じMAN素子への方向を決定しないで、例
えば4列目の下のMAN素子の方向に決定する。
【0194】すなわち、次に入力するインパルスはこの
MAN素子によって抑制を受けたことになる。
【0195】従って、膨大で多様な入力情報を瞬時に分
析できると共にその結果を一定時間、MAN素子に蓄え
て行くことが可能となる。
【0196】なお、上記各実施の形態ではマウスを用い
て入力情報を作成したが、マウスではなくデジタルカメ
ラ、CCDカメラ等を用いて入力情報を生成してもよ
い。
【0197】<実施の形態4>以下にCCDカメラを用
いた例を実施の形態4として説明する図17は実施の形
態4の入力情報の分析装置の概略構成図である。図17
に示すように、本実施の形態4の入力情報の分析装置
は、少なくとも、CCDカメラ20と、3次元メモリ2
1と、複写部22と、入力情報振動部23と、振動入力
情報抽出部24と、入力情報出力部24と、MAN素子
ネットワーク部25と、MAN素子ネットワーク部25
と、認識部26とを備えている。
【0198】CCDカメラ20は、垂直n画素、水平i
画素のいわゆるn×i画素で構成され、蓄積された信号
電荷を順次出力(0、1パターン)する。
【0199】三次元メモリ21は、CCDカメラ20か
らの二次元パターン(x、y)をz軸方向に積み重ねた
三次元構造の入力情報P(ij)を得る。つまり、時間
軸で纏められたパターンの集合を得ているので、異なる
時間軸上のパターンの間に関係を持たせることができ、
ある瞬間瞬間に入力されていくパターンの間にさらに関
連性をもたせることが可能になり、結局情報を複雑にす
ることができる。
【0200】複写部22は、三次元メモリ21に一定数
eの二次元パターンが蓄積される毎に、それぞれの二次
元パターンを蓄積順hに従って後述するX−Yシフトレ
ジスタに複写する。
【0201】入力情報振動部23は、垂直n個、水平i
個の格子からなるX−Yシフトレジスタ30(30a、
30b、30c、……)をe個備え、複写部22からの
二次元パターンを対応する順位のX−Yシフトレジスタ
30に複写する。
【0202】例えば、CCDカメラ20の二次元パター
ンが3×3列で構成されている場合は、7×3列のX−
Yシフトレジスタ30をe個備える。
【0203】そして、3次元メモリ21の多数の二次元
パターンが図17に示すように、複写部22によって、
X−Yシフトレジスタ30(30a、30b、…)の2
番目3番目に4番目に複写されると、0発生処理31が
以下に説明する処理を行う。
【0204】本説明ではX−Yシフトレジスタ30a、
30bを例にして説明する。
【0205】0発生処理31aは、初めのX−Yシフト
レジスタ30aに対しては、最上位(7列目)の各格子
に「0」を加える。これによって、X−Yシフトレジス
タ30aは最上位から下位に向かって1個ずつシフトし
て行き、結果として2番目に「1;斜線」、3番目に
「0:空白」、4番目に「1」が割り付けられることに
なる(図14のPh1を参照)。
【0206】また、0発生処理31bは、次のX−Yシ
フトレジスタ30bに対しては、最下位(1列目)の各
格子に「0」を加える。これによって、X−Yシフトレ
ジスタ30bは最下位から最上位方向に向かって1個ず
つシフトして行き、結果として3番目に「1;斜線」、
4番目に「0:空白」、5番目に「1」が割り付けられ
ることになる(図14のPh2を参照)。
【0207】そして、下位側に設けられたクリア処理3
2aがX−Yシフトレジスタ30aを最上位から下位に
向かって1個ずつシフトしていったときに1番目から出
る「0」をクリアする。
【0208】また、上位側に設けられたクリア処理32
bがX−Yシフトレジスタ30bを下位から上位方向に
向かって1個ずつシフトしていったときに7番目から出
る「0」をクリアする。
【0209】すなわち、3次元メモリ21に蓄積された
二次元パターンの集合を垂直方向(水平、垂直でもかま
わない)に振動させたことになる。
【0210】入力情報出力部24は、抽出処理34と、
3×3のX−Yレジスタ35を備えて、入力情報振動部
23のX−Yシフトレジスタ30(30a、30b、
…)の3列目から5列目の範囲の格子の値(0、1)
を、そのまま対応する格子番号(アドレス)のX−Yレ
ジスタ35に順次抽出する。
【0211】すなわち、振動させた入力パターンをX−
Yレジスタ35に順次得ることになるから結果として、
図14の(E)に示す新たな入力情報を得ることにな
る。
【0212】MAN素子ネットワーク部25は、図12
で説明したように、発火した後に一定の数のインパルス
が入る間(総称して所定の条件という)、続いて入力さ
れる情報を次の素子へ伝えないようなMAN素子を立体
的につなぎ合わせたネットワークであり、入力情報出力
部24のX−Yレジスタ35の各格子と第1列のMAN
素子とつながっている。このMAN素子は、例えば入力
がしきい値より大きい場合は1(一定時間経過後)’、
小さい場合は一定時間経過後に0を出力する。
【0213】そして、このしきい値を個々の素子で変
え、インパルスを出力しやすい素子やしにくい素子を同
一入力面内に配置することで、出力情報をさらに複雑に
することもできる。これは、人間の網膜には、錐体細胞
やかん体細胞、その他光エネルギーに対して、反応の速
い細胞や遅い細胞が複数種あることに対応する。
【0214】なお、MAN素子の不応期を決定する具体的
なしくみとしては、化学反応を利用する例が考えられ
る。つまり、MAN素子の入力口に化学物質の層を設定
し、入力する電気刺激により、化学反応が起こり、その
化学反応によって電気刺激が次の素子へと伝わるような
構造を想定する。化学反応が起こるためには、電気的な
刺激以外に、反応に必要な物質が補給されたり、合成さ
れる必要がある。その合成にかかる時間を不応期に対応
させられるわけである。
【0215】さらに、合成に必要な物質の濃度を、入力
する電気的刺激に対応させ変化させれば、電気刺激の通
過頻度に対応して不応期を変化させることができる。こ
れは人間のニューロンにおけるシナプス(シナプスどう
しは実際物理的にはつながっていない)で起きている現
象をMAN素子で実現する方法に対応する。
【0216】なお、MAN素子を立体的につなげたMA
N素子ネットワーク部25については、詳細に後述す
る。
【0217】認識部26は、MAN素子ネットワーク部
25の出力結果を書き込む3次元メモリ38を備え、M
AN素子ネットワーク部25からの出力パターン(2値
化データ)を、出力順に基づいて蓄積する。
【0218】そして、合成処理39がe個の出力パター
ンが蓄積される毎に、合成してパターンの合成結果を認
識結果用のX−Yレジスタ40に書き込む。前述の合成
には、AND、平均加算等を用いる。尚、合成せずMA
N素子ネットワーク25からの出力結果をそのまま出力
することもある。このような時間軸を伴ったその出力
は、ブロック単位(フレームメモリ単位)に順次送出す
ると、人間の手足の動きなど、モーションを形成するこ
とに用いることができることになる。
【0219】すなわち、MAN素子ネットワークを通過
したパターンが順次3次元メモリに蓄積されるので、時
間軸で示すと図15に示すように出力情報は立体的な構
造を持つ。
【0220】また、タイミングコントローラ41は、X
−Yシフトレジスタ30を監視し、入力パターンがX−
Yシフトレジスタ30に複写される毎に0発生処理3
1、クリア処理32を起動させる。
【0221】前述のMAN素子ネットワーク25につい
て説明を補充する。例えば、MAN素子が図18の
(a)に示すようにつながっている状態で不応期が未設
定(状態0)とする。
【0222】図18の(a)においては、全く結合して
いないMAN素子(○)も書いているが、単に説明を省
略しているだけであり、他のMAN素子からの入力があ
る可能性もある。
【0223】(学習1の成立)例えば、パターンR
(O,P,Q,R=0,0,0,1)が入力情報出力部
24の3×3のX−Yレジスタ35に入力し、図18の
(a)の実線の経路を通り、Scに不応期が設定された
とする。
【0224】この情報は、認識部26の3次元メモリ3
8に順次蓄積される。つまり、初めに図18の(a)の
実線で示すルートは3次元メモリ38のフレームメモリ
37aに記憶されるから図18の(b)に示すように、
0100の出力パターンとなる。
【0225】すなわち、パターンRが1度入力したこと
の影響はScに蓄えられ(これを学習1が成立とい
う)、三次元メモリ38の1番目のフレームメモリに
は、パターンRが通ったという結果だけが蓄えられたこ
とになる。この場合は、パターンRが初めての入力情報
(初めての学習)のようなものになる。
【0226】(学習2の成立)例えば、図18の(c)
に示すように、入力情報出力部24のX−Yレジスタ3
5に図18の(c)に示すようにパターンQ(O,P,
Q,R=0,0,1,0)が入力し、図の実線経路を通
り、Sbに不応期が設定されたとする。
【0227】すなわち、パターンQが1度入力したこと
の影響はSbに蓄えられ(これを学習2が成立とい
う)、三次元メモリ38の1番目のフレームメモリに
は、パターンQが通ったという結果だけが蓄えられたこ
とになる。この場合は、パターンQが初めての入力情報
(初めての学習)のようなものになる。このパターンQ
の場合、Scの不応期の長さは変化させないわけである
から、パターンR(学習1)の影響はScに独立して残
っている。
【0228】つまり、RとQの2つのパターンを学習の
効果が独立した形でSc、Sbに保存されることにな
る。これは、Uzume処理で平面的なパターンRとQ
を独立した痕跡として保存することと同じ効果を蓄積し
たことになる。
【0229】(パターン認識1:不応期を仮定しない場
合)学習1、学習2が成立した後(学習1、学習2を経
験した後)にパターンO(O,P,Q,R=1,0,
0,0)が入力情報出力部24のX−Yレジスタ35に
t1,t2と連続して入力したときは、Sb,Scに不
応期がない場合は、t1に対応するパターンO(O1の
ように呼ぶ)が入力すると、MAN素子ネットワークに
おいては、図中太線のようなニューロンの帯をインパル
スが通り、出力パターンが出力される。さらにO2が続
けて入力しても、不応期がなければ同じニューロンの帯
を通り同じパターンが出力され、合成処理39で3次元
メモリ38に蓄積された後に合成される。つまり、認識
結果用のX−Yレジスタ40に得られる合成パターンは
(2,2,2,0)である。これは、学習1、学習2の
影響を全く受けないこと、すなわち、パターンRとパタ
ーンQとの相互作用が全くないことを意味する。
【0230】(パターン認識2−1;不応期を仮定した
場合)パターン認識1と全く同じパターンがt1,t2
にわたって入力する様子を、パターン認識2−1,2−
2に分けて説明する。図19の(b)に示すように、S
b,Scに不応期が設定されているとする。t1に対応
するパターンO1が入力してインパルスが通過するニュ
ーロンの帯の経路は、図19の(b)に示す図中太線の
ように、パターン認識1の場合と全く同じであり、出力
パターンも同様である。
【0231】(パターン認識2−2;不応期を仮定した
場合)パターンO1が入力した後、パターンO2が入力
した場合にインパルスが通るニューロンの帯を図19の
(c)の太線に示した。ここではSb,Scに不応期が
設定されており、どちらもO1の通過により不応期に入
っているため、O2は、O1とは異なる経路を通る。こ
の経路は、学習1と学習2によって独立して蓄えられた
パターンの影響を反映しており、新たに形成された経路
(すなわちパターン)である。つまり、学習1、学習2
という過去の経験と入力パターンの相互作用で、新たな
パターン(ニューロンの帯)がMAN素子ネットワーク
(脳内)に表現され、新たな出力パターンが出力(00
10)されることを意味している。これがすなわち人間
でいうところの認識と考えることができる。
【0232】(パターン認識2;不応期を仮定した場合
のパターン認識2−1、2−2を纏めた場合)Sb,S
cに不応期を設定した状態で、パターン認識1と全く同
じ入力パターンO1,O2が入力した場合のインパルス
が通るニューロンの帯を示す(時間軸でまとめてみた場
合を意味する)。パターン認識1とパターン認識2の出
力パターンや合成出力パターンを比較すれば、異なるパ
ターンが出力されることが分かる。
【0233】パターン認識1とパターン認識2は、入力
パターンは同じで、なおかつ発火するニューロンの組み
合わせも同じである。ところが、不応期を設定すること
により、異なる出力パターンおよび合成出力パターンは
全く異なってきている。すなわちこれにより、発火する
ニューロンの組み合わせ以上の情報を表現することがで
き、かつその情報をパターン認識に利用できるわけであ
る。ここで、学習2がなされず、Scに不応期が設定さ
れなかった場合は、当然出力は変わってくる。つまり、
学習2でパターンQを学習するかしないかという違い
が、きちんと反映されるわけである。
【0234】つまり、MAN素子ネットワークを設け、
各MAN素子の不応期を想定し、インパルスの入力に対
応して不応期を変化させることにより、非常に多様で膨
大な学習の影響をネットワークに表現できることにな
る。蓄える情報の多様性にもう少し説明を加えれば、例
えば、学習1、学習2の後、再度パターンRが入力した
ことにより、Scの不応期が長くなった場合を考えてみ
る。その状態で、パターン認識するための入力パターン
Oがt1、t2、t3、t4と連続して入力した場合、出力され
るパターンtn、tn+1、tn+2、tn+3で作られる全体のパタ
ーンは、Scの不応期が長くなる(短くなる)ことで変
化する。
【0235】これはパターンRの入力回数に対して、出
力パターンが変わることを意味し、単にパターンRが入
力した(学習した)という情報だけでなく、何度入力し
た(学習した)情報かという情報も表現できることを意
味する。上記のような不応期を想定することにより、よ
り多くの経路を得ると共に、新たな入力パターンが入力
すると過去のパターンの学習の影響を反映した結果を出
力パターン(3次元メモリのフレームメモリ37a、3
7b、…)に得ることになる。つまり、非常に詳細な情
報を表現し、蓄えることが可能になっているので認識の
精度が向上する。
【0236】ところで、詳細な情報を長期に蓄え表現さ
せることのメリットは、Uzumeで問題になっていた痕跡
情報の蓄積が、数が多くなるほど難しくなることを解決
してくれる。つまり、非常に詳細な情報を限られた素子
の集合で表現し、その影響を蓄えることが容易になるわ
けである。なお、Uzumeは蓄えられる痕跡情報と入力す
るパターンから、最も典型的なパターンを作り出す方法
であるが、痕跡情報のバリエーションが限られれば出力
されるパターンのバリエーションも限られてしまう。微
細なパターンの違いを反映する典型的なパターンを出力
するためには、わずかなパターンの違いを表現できなけ
ればならない。上記MAN素子のネットワークの特徴
は、多様で膨大な情報を蓄えその影響を反映させること
ができるわけである。言い換えれば、MAN素子のネッ
トワークにより、蓄積される過去の多様な学習経験の影
響を蓄え、その効果を反映させたパターンを出力できる
ようになる。
【0237】さらに、Uzumeでは蓄えられた痕跡情報を
利用し、活性化−相互抑制処理を行っているが、その処
理自体も、以下に述べるように、MAN素子のネットワ
ークは担うことができる。
【0238】(MANとUzumeの関係)入力刺激と
痕跡との相互作用の一つの意味 まずはっきりさせておかなければならない点は、Uzu
meで例示した平面的なパターンは、MANではニュー
ロンの帯に置き換えられることである。
【0239】図21は、上述のパターン刺激R,Qに対
応するパターンを、Uzumeの手書き文字の画素の一
つ一つに対応させた図である。手書き文字の最初のパタ
ーンを痕跡Rとすると、そのパターン情報の一部(パタ
ーンR)はそれに対応するニューロンの帯の不応期とし
て蓄えられる。同様に、手書きのパターンの痕跡Qの一
部のパターンQに対応するニューロンの帯の不応期とし
て同様に蓄えられる。
【0240】この状態(痕跡が2つ蓄えられている状
態)で、分析する刺激パターンOが入力する様子を図2
2に描いた。図中点線は過去のパターンの情報R,Qを
表す。分析刺激が入ると、R,Qの不応期の素子Sa,
Sbと刺激が相互作用し、分析刺激の経路が特定され
る。
【0241】なお、この場合、SaとSbを不応期にす
る刺激は、もとの刺激R,Qである必要はない。それに
類似した刺激が少し前に入力することにより(図には描
かれていない経路で)不応期の状態になっていてもよ
い。
【0242】次に、Uzumeでは痕跡間の相互抑制が
仮定されている。その一つの意味を図23で説明する。
図23は、パターンX,Yが予め学習され、素子Cxに
不応期が設定され、更にCxが不応期に成っている状態
で分析刺激Sが入力された場合を表す。
【0243】まず、図23のXとYの経路をみて、後の
方の素子Czで同じ経路を共有していることを確認した
もらいたい。
【0244】まず、不応期がない場合にSが入力すると
どうなるかであるが、Cxに入ったSはXの痕跡と同じ
経路(Xの学習がなければ;不応期にならなければ)を
通ってCzに入り、CzからYのパターンと一部同じ経
路を通ることになる。これは、Xの学習と、S入力によ
りYのパターン情報が一部活性化されたことに対応す
る。もちろんSによってYが直接活性化されることもあ
る。
【0245】ところが、Xの学習により不応期が設定さ
れ、それが機能している場合にSが入力すると、Cxで
Sの経路の一部は阻止されて、結果的にCz以降のYと
類似した経路の活性化を妨げることになる。これがMA
N素子ネットワークにおける痕跡間の相互抑制を意味す
ることになる。
【0246】(セル抑制法とUzume、MANの関係)M
AN素子のネットワークにおける情報は、複数のMAN
素子で構成されるニューロンの帯をインパルスが通るこ
とによって表現される。単純に考えるため、2つの素子
Y、Xがあったとすれば、YからXにインパルスが通る
ことによってパターンが表現されるわけである。言い換
えれば、XがYによって発火するか否かで情報は表現さ
れ、逆に、Xが発火しているということは、Xを含む素
子のパターン(Y−Xというルート)が表現されたとい
うことを意味することになる。
【0247】Xが発火すればパターンが生成できたこと
を意味することをおさえ、MAN素子のネットワークを
Uzumeの処理との関係でとらえなおす。Uzumeの処理で
は、最終的には、過去に蓄えられているパターンと入力
パターンの間の相互作用の結果、ひとつのパターンが生
成されれば良い。「ひとつのパターンが生成された=X
の発火」であるから、Xの発火が規定される条件に、過
去の痕跡パターンと入力パターンの間での活性化−相互
抑制の処理が反映されればよいことになる。
【0248】不応期を特徴とするMAN素子は以下のよ
うにその処理を実際に行っている。ひとつのポイント
は、素子Xが発火する確率は、その前の素子Yが発火し
ているか、抑制されているかによって決まる点である。
【0249】以下、素子Xの発火がMAN素子のネット
ワークでは何に規定されているのかを説明する。
【0250】●ニューロンの発火が何によって規定され
るか 図24の(a)にあるような、刺激のパターンに対応す
る素子(受容器)c,a,b,d,eが図のように配置
され(痕跡層1)、その奥の出力側に、素子xがあり、
それにニューロンが結合されていたとする(痕跡層2、
もしくは出力層)。
【0251】(1)過去の学習 図24の(d)に素子の結合の様子の例を示した。ここ
ではabdeの素子とxの素子の距離は等しく、素子c
はそれらの距離の2倍の距離であったとする。
【0252】学習 この状態で空間的な距離に配置された素子に、図24の
(b)に示す学習の入力(P)のようなパターンが入
力したとする(PL1)と、素子bが発火し、xにイン
パルスを伝える。それと同時に、素子bに不応期が設定
されたとする。
【0253】すなわち学習が成立したことになる。
【0254】学習 さらに、学習の入力(P)のようなパターンが入力し
たとする(PL2)。
【0255】素子cが発火し、xにインパルスを伝え
る。それと同時に、素子cに不応期が設定されたとす
る。すなわち学習が成立したことになる。
【0256】パターン認識 学習、学習の成立後、図25にあるような、単位時
間ごとに入力される入力刺激Pt1,Pt2がこの素子
の2つの層に入力した場合に、痕跡層2の素子xが発火
する可能性は何によって決まるのかを図26を参照して
説明する。なお、この説明では、同一のパターンが入力
刺激として連続して入力したと考えている。また、図中
t1,t2,t3は、入力刺激が入力する単位時間に対
応している。
【0257】認識 t1の時点で入力刺激Pt1が入力すると、痕跡層1の
対応する素子a,b,cが発火し、そのインパルスのう
ち、素子a,bから伝わったインパルスのみt2の時点
で痕跡層2の素子xを発火させる。また、t1の直後、
発火した素子のうち、学習で不応期が設定されてい
る素子cと素子bは不応期に入る。
【0258】認識 続いてt2の時点まで入力刺激Pt2が入力すると、痕
跡層1の対応する素子a,b,cのうち、不応期になっ
ていない素子aのみが発火し、t3の時点で痕跡層2の
素子xを発火させる。この時、t3の時点で、素子xを
発火させる確率は、過去の学習がない時点で同じパター
ンが入力した場合よりも、素子bが発火しない分低くな
る。それはすなわち、Pt1のパターンによって素子b
が不応期になる確率に対応し、その確率はPt1と過去
の学習時に入力したパターンの類似度(S[Pt1−P
L1]とする)に対応する。つまり、過去に学習がない
状態で(何の制限もなく)Pt2の発火によって素子x
が発火する確率から、学習により素子bが発火しない
確率(S[Pt1−PL1])を引いたものに対応す
る。つまり、素子xの発火は、学習によりS[Pt1
−PL1]だけ抑制されることになる。
【0259】このように、素子xの発火は、学習によっ
て蓄積されたパターンと入力刺激の類似度の大きさに応
じて抑制されることになるが、同様の計算は蓄積されて
いる個々のパターンと入力刺激との間でそれぞれ同様に
計算されることになり、その合計が素子xの発火を抑制
する程度に対応する。……(イ)これはすなわち、Uzum
eやセル抑制法の計算式に基づくと、R(i)=A
(i)+δA(i)で示され、(イ)はこの式のδA
(i)に対応する。なお、このδAはマイナスの値であ
り、A(i)は前回の活性度である。
【0260】一方、素子bに不応期を想定しない条件で
素子xが発火する確率は、入力刺激と素子(素子の前に
ある経路)の類似度に対応する。例えば、素子bの発火
する確率はS[Pt2−PL1]になる。ここで素子bが不応
期になっている場合となっていない場合の素子xの発火
の可能性Pxbは、以下のようになる。
【0261】Pxb=S[Pt1−PL1]−S[Pt2−PL1] 以下、省略のため、Pxb=S1[1]−S2[1]のように表
す。
【0262】同様に、痕跡層1にあるN個の素子のう
ち、任意の素子iが次の層の素子xを発火させる確率を
Pxiとすれば、素子xが発火する確率Pxは次の式で表
される。
【0263】Px=Σ(S1[i]−fi(S2[i])) ただし、関数fi(x)は素子iが不応期になっていな
ければ0を返す関数ここで、入力刺激Pt1とPt2が同じ
パターンであれば(Uzumeのように)、S1()とS2()は
等しくなり、それをS()とすれば、Pxは次のようにな
る。
【0264】Px=Σ(S[i]-fi(S[i])) 不応期になっているか否かの関数は、各素子の不応期の
長さ、時間軸における入力パターンの変化、MANネッ
トワーク素子の構造などによって規定されるが、ここで
は、どの素子も不応期になる確率が等しいとして、その
確率をWとすれば、Pxは次のように表現される。
【0265】Px=Σ(S[i]−W*S[i]) =ΣS[i]-W*ΣS[i] これは、Uzumeにおける式5と同様の処理を意味する。
【0266】素子xは、さらに、近隣の素子と共に、そ
の後の痕跡層のあるひとつの素子の発火を同様にして規
定することになる。この操作を繰り返すことにより、発
火する素子が特定されていくことになり、発火した素子
の集合がニューロンの帯に対応し、それがすなわち最終
的に作り出されたパターンに対応する。
【0267】素子xが発火すれば、その素子をニューロ
ンの帯の一部とする過去の痕跡パターンが発火する(最
終的に特定される)可能性が高まる。言い換えれば、素
子Xをニューロンの帯の一部とするパターンと類似した
パターンで形成される可能性が高くなるため、その発火
の確率を既に存在する痕跡パターンの一つ一つに反映さ
せ、それらを最終的にまとめてみれば最も特定される確
率の高い典型的なパターンが特定できる。すなわち、最
終的に形成されるパターンは、過去の痕跡パターンに素
子jの発火の確率Pjを掛け合わせたものの総体になる
可能性が高まる。それは例えば次のように表される。
【0268】C(j)=Σj Pj*T(i,j) これは、Uzumeにおける式6と同様の処理を意味する
(式6で類似度ではなく活性度を使っているのは、それ
ほど大きな意味はなく、類似度が重要なポイントにな
る)。
【0269】さらに、入力パターンが入力し、MAN素
子のネットワークを通り、最終的に形成される経路(す
なわち合成されるパターン)は、発火した全ての素子に
ついて、上記の合成を行った結果をまとめたものである
可能性が高い。つまり、C(j)を、全ての痕跡(素子)
についてまとめたものになる。
【0270】(2)類似度、活性化、抑制の範囲、および
距離 入力刺激と痕跡層1の類似度によって痕跡層2の素子の
発火の確率は決まるが、それ以外に、痕跡層1と痕跡層
2の構造によってもその確率は変わってくる。つまり、
痕跡層1の素子a,b,c,d,eがすべて素子xと等
距離にある場合は問題ないが、距離に違いがある場合は
素子x(=焦点範囲)からの距離によって類似度の計算
や抑制の計算を変える必要がある。
【0271】一方、t3の時点で素子xの発火は、素子
a以外に、素子cから(1単位時間遅れて)入力してく
る発火によっても引き起こされる。もし、素子cと素子
xの距離が素子a,b,d,eと素子xとの距離と同じ
場合は、タイムラグなく、素子cは素子bと同様素子x
の発火を抑制する(学習によって不応期が設定されて
いるため)。ところが、素子cが2倍の距離離れている
場合は、認識の痕跡層2のように、t3の時点では素
子cの影響は、素子xを発火させる方向で作用するから
である。
【0272】この意味から、痕跡層1と痕跡層2の関係
(類似した構造をもっているとすれば、痕跡層1内での
相対的な距離関係)によって痕跡層2の素子xの発火は
変化する。それを反映させるため、セル抑制法では類似
度、活性化、抑制の範囲を個々に設け、そこに焦点範囲
からの距離という概念を導入した。また、ここでいう距
離は空間的な距離に限らず、パターン情報として表現で
きる全ての情報(意味など)について、存在するパター
ンの間の類似度をここでいう距離とみなしても良い。
【0273】また、本実施の形態の分析方法を用いると
認識装置、デザイン、パターン認知、典型的なパターン
生成、感覚(熟知度、好み度)等の分野で応用できる。
【0274】
【発明の効果】本発明の入力情報のパターン構造生成方
法は、素子を立体的に所定間隔で複数繋げた素子ネット
ワークに、、i×n個からなる被処理パターンを時間軸
で集合化してブロック単位に区切った後に、これらのブ
ロックをそれぞれ異なる所定方向(垂直方向)にずらし
た後に、各ブロックからi×nの範囲を順次抽出して蓄
積し、この蓄積情報を新たな入力情報として前記素子ネ
ットワークに送出する。
【0275】この素子ネットワークの素子は入力する刺
激(信号)に対して、その刺激に対して次に反応する方
向の素子を決めると共に、一度刺激を受けた後は所定条
件が満たされるまで、前回と同じ方向の素子への決定を
停止する素子するものであり、これらを立体的に所定間
隔で複数繋げている。
【0276】このため、素子ネットワークに入力する入
力情報は、被処理パターンに対して多種のパターンを得
たことになる。これが前述の素子ネットワークに入力す
ることにより、より多くの経路を得ると共に、新たな入
力パターンが入力すると過去のパターンを学習した結果
を出力パターンに得ることになる。そして、これらの出
力パターン同士が合成されるので、認識の精度が非常に
向上するという効果が得られている。
【0277】このため、被処理パターンが多様で膨大で
あっても、人間と同様な感覚で処理できるという効果が
得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態1の入力情報の分析装置の概略構
成図である。
【図2】本実施の形態1の概念を説明する説明図であ
る。
【図3】本実施の形態1の具体例を説明する説明図であ
る。
【図4】本実施の形態1の具体例を説明する説明図であ
る。
【図5】本実施の形態1の活性度計算部、相互抑制処理
部の詳細構成図である。
【図6】類似度テーブルの説明図である。
【図7】本実施の形態1のパターン合成部の具体例を説
明する説明図である。
【図8】本実施の形態1の処理の概要を説明する説明図
である。
【図9】実施の形態1の最終の痕跡情報同士の合計によ
る効果を説明する説明図である。
【図10】実施の形態1における他の被処理パターンが
入力したときの処理を説明する説明図である。
【図11】実施の形態2の説明図である。
【図12】実施の形態3の入力情報のパターン構築装置
の概略構成図である。
【図13】実施の形態3のMAN素子の概念図である。
【図14】実施の形態3のパターン前処理部の動作を説
明する説明図である。
【図15】実施の形態3のMAN素子のネットワークの
構成を説明する説明図である
【図16】実施の形態3のMAN素子のネットワークに
よるルートの生成を説明する説明図である。
【図17】実施の形態4の入力情報の分析装置の概略構
成図である。
【図18】MAN素子ネットワークを詳細に説明する説
明図である。
【図19】MAN素子ネットワークを詳細に説明する説
明図である。
【図20】MAN素子ネットワークを詳細に説明する説
明図である。
【図21】MAN素子ネットワークを詳細に説明する説
明図である。
【図22】MAN素子ネットワークを詳細に説明する説
明図である。
【図23】MAN素子ネットワークを詳細に説明する説
明図である。
【図24】 MAN素子ネットワークを詳細に説明する
説明図である。
【図25】MAN素子ネットワークを詳細に説明する説
明図である。
【図26】MAN素子ネットワークを詳細に説明する説
明図である。
【符号の説明】
2 被処理パターン入力部 3 パターン前処理部 5 活性度計算部 6 相互抑制部 7 パターン合成部 10 MAN素子のネットワーク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理パターンが入力したとき、この被
    処理パターンを蓄積して奥行きを持たせて集合化し、必
    要に応じて、この集合化パターンをブロック単位に区切
    った後に、これらのブロックを所定方向にずらして再び
    合成した入力パターンを生成する工程と、 入力する刺激に対して、その刺激に対して次に反応する
    方向の素子を決めると共に、一度刺激を受けた後は所定
    条件が満たされるまで、前回と同じ方向の素子への決定
    を停止する素子を、立体的に所定間隔で複数繋げた素子
    ネットワークを備えて、前記入力パターンを入力する工
    程と、 前記素子ネットワークの各素子が反応したルートから前
    記入力パターンに対するパターンを生成する工程とを有
    することを特徴とする入力情報のパターン構造生成方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1における素子が、所定の条件に
    より、一度刺激が入力された後、次に刺激に対して反応
    するようになるまでの時間を変化させることにより、入
    力される刺激パターンの情報もしくはその影響を蓄積す
    る工程を持つ、請求項1に記載の入力情報のパターン構
    造生成方法。
  3. 【請求項3】 前記所定条件が満たされた後は、前記ブ
    ロックを所定周期で、所定方向にずらすことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の入力情報のパターン構造生成
    方法。
  4. 【請求項4】 被処理パターンが入力したとき、この被
    処理パターンを蓄積して奥行きを持たせて集合化し、必
    要に応じて、この集合化パターンをブロック単位に区切
    った後に、これらのブロックを所定方向にずらして再び
    合成した入力パターンを生成する手段と、 入力する刺激に対して、その刺激に対して次に反応する
    方向の素子を決めると共に、一度刺激を受けた後は所定
    条件が満たされるまで、前回と同じ方向の素子への決定
    を停止する素子を、立体的に所定間隔で複数繋げた素子
    ネットワークを備えて、前記入力パターンを入力する手
    段と、 前記素子ネットワークの各素子が反応したルートから前
    記入力パターンに対するパターンを生成する手段とを有
    することを特徴とする入力情報の分析装置。
  5. 【請求項5】 請求項4における素子が、所定の条件に
    より、一度刺激が入力された後、次に刺激に対して反応
    するようになるまでの時間を変化させることにより、入
    力される刺激パターンの情報もしくはその影響を蓄積す
    る工程を持つ、請求項4に記載の入力情報の分析装置。
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KR20210004813A (ko) * 2019-07-05 2021-01-13 한국전자통신연구원 뉴로모픽 컴퓨팅을 위한 신경망 생성 방법 및 이를 위한 장치

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KR20210004813A (ko) * 2019-07-05 2021-01-13 한국전자통신연구원 뉴로모픽 컴퓨팅을 위한 신경망 생성 방법 및 이를 위한 장치
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