JP2003283802A - 次元圧縮及び展開によってデータを埋め込むためのシステム及び方法 - Google Patents

次元圧縮及び展開によってデータを埋め込むためのシステム及び方法

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JP2003283802A JP2002203346A JP2002203346A JP2003283802A JP 2003283802 A JP2003283802 A JP 2003283802A JP 2002203346 A JP2002203346 A JP 2002203346A JP 2002203346 A JP2002203346 A JP 2002203346A JP 2003283802 A JP2003283802 A JP 2003283802A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 次元圧縮及び展開を使用して原データファイ
ルにウォータマークを入れるシステム及び方法を提供す
る。 【解決手段】 原データファイルは指定された次元に沿
って延び、その指定された次元に沿って延びる部分を有
する。情報は、空間または時間である場合がある、指定
される次元に沿って部分のいくつかまたはすべてのそれ
ぞれのサイズを選択的に次元圧縮するまたは展開するこ
とによりデータファイルの中に埋め込まれる。データフ
ァイルの部分は、指定された符号化方式によって選択的
に次元展開または圧縮される。この符号化方式は、修正
の種類、隣接する部分の間の修正の種類の間の関係性、
あるいは圧縮または展開の期間または程度を使用して、
埋め込まれた情報の一部を記憶する使用することができ
る。該埋め込まれる情報の部分は、バイナリ情報または
3値情報の個々のビットであるか、あるいはアナログ情
報の一部である場合がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に音声ファイ
ル及び画像ファイル内に情報を隠すためのシステム及び
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタル化画像、デジタル画像配給及び
デジタルビデオ利用の到来を受けて、デジタル権利の管
理または著作権保護などの目的のため、デジタル画像内
に情報を「隠す」ことが、画像出版者及び著者にとって
大きな問題になってきた。デジタル画像内に情報を埋め
込むプロセスは「ウォータマーク(watermark
ing)」として知られている。このようなウォータマ
ークは、意図的な汚染に対し、及びデータ圧縮処理に対
し、安全で耐久性が大きくなければならず、埋め込み及
び抽出が過度に複雑であってはならず、従来の画像処理
システムと互換性があり、協同可能でなければならな
い。ウォータマークは、概して人の目に見えない。しか
しながら、認可されている画像デコーダによって除去す
ることができ、認可されていないデコーダによって除去
できない可視ウォータマークを作ることが望ましい応用
例もある。
【0003】ウォータマークは多くの場合デジタル画像
に関して使用されるが、ウォータマーク技法は、音声フ
ァイルにも適用できる。従来の画像ウォータマーク技法
と同様に、従来の音声ウォータマーク技法は、データド
メイン法及び周波数ドメイン法に分類することができ
る。データドメイン法は、PCM表現の最下位ビットを
変調する、あるいは圧縮されたドメイン表現内にデータ
を隠し込むなどの実際の音声データを修正することによ
って機能する。周波数ドメイン法は、例えばある特定の
周波数成分を削除することによって、あるいは低振幅雑
音内で偽装される情報を追加することによって信号のス
ペクトル成分を修正することにより機能する。
【0004】データドメインウォータマーク技法は、圧
縮されたドメインウォータマーク、ビットディザリン
グ、振幅変調及びエコー非表示(echo hiding)を含
む。圧縮されたドメインウォータマークにおいては、デ
ータの圧縮された表現だけがウォータマークされるた
め、永続的なものではない。データが圧縮されていない
とき、ウォータマークは使用できない。最下位ビット
(LSB)変調では、情報は、時間ドメインまたはデー
タ圧縮済み表現の最下位ビットを変調することにより符
号化される。これは、潜在的に大きなデータ転送速度を
有する一方でデータ圧縮またはアナログ伝送と再生に対
して耐久性が大きくはなく、信号に雑音を生じさせる。
【0005】振幅変調においては、信号ピークは、所定
の振幅バンドに該当するように修正される。この技法は
変調歪みを生じさせ、アナログとデジタルの電話、放
送、音声補強、及び雑音削除で幅広く使用されている振
幅圧縮に対して耐久性が大きくはない。エコー非表示で
は、原信号の別個のコピーが原信号と混合される。エコ
ー時間は十分に短く、コピー振幅は聞き取れないほど十
分に低いが、エコーは自己相関を介して検出できる。こ
の方法は、その周期がエコー遅延の倍数である周波数で
の位相相殺のためにスペクトル歪みを生じさせる。ま
た、この技法は、微細なエコーが知覚コーディングによ
って廃棄されやすいため、データ圧縮の下では耐久性が
大きくなくてよい。
【0006】周波数ドメインウォータマーク技法は、位
相コーディング、周波数バンドの修正、及びスペクトル
拡散の技法を含む。位相コーディングは、人間の聴覚器
官の位相に対する相対的な鈍感さに依存している。信号
がスペクトログラム内でのようにウィンドウ処理され、
各ウィンドウの振幅及び位相が計算される。ウォータマ
ークを符号化する人工的な絶対位相信号が、第1ウィン
ドウの中に入れられる。それ以降のフレームのための位
相情報は、各フレームと絶対位相との位相差から反復し
て計算される。結果として生じる位相は、ウォータマー
クされた信号を構築するために元の振幅と結合される。
この方法は信号の中に位相分散を生じさせ、おそらくデ
ータ圧縮下で耐久性が大きくはない。
【0007】周波数バンド修正では、情報は、特定のス
ペクトルバンドを削除する、あるいは機能拡張し、ノッ
チフィルタを使用して狭いスペクトルバンドを削除する
ことによって符号化されるか、あるいは周波数バンド差
の中に符号化される。この方法はスペクトル歪みを生じ
させ、知覚符号化に対して耐久性が大きくはない場合が
あり、変更された周波数成分がソース音声で十分に表現
されていない限り機能しない。
【0008】スペクトル拡散技法では、ウォータマーク
情報を伝搬する信号は、擬似ランダムシーケンスと掛け
合せることによって広帯域雑音に変調される。変調関数
が既知であるため、あるいは再生できるため、ウォータ
マーク信号は復調できる。この技法はウォータマークさ
れた信号に雑音を追加し、低振幅のスペクトル拡散信号
は、知覚コーディングの下で廃棄されやすい。さらに、
サンプリング周波数は、受信機を同期させなくてよいよ
うに、変調搬送周波数として一般的に使用される。この
場合、再サンプリングまたはアナログ伝送は、同期性、
ひいてはウォータマークを破壊しやすい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】多くの方式、特に変調
ドメインアプローチ及び周波数ドメインアプローチは、
音声データ圧縮に対して耐久性が大きくはない。周波数
修正はウォータマークされた音声データにおいて知覚的
に聴こえないものでなければならないため、これは、特
に問題である。それ以外の場合、ウォータマークは適切
ではない。しかしながら、このような従来の周波数変調
は、正確には、MP3などの知覚データ圧縮方式が使用
されるときに、失われまたは変更される情報である。
【0010】また、画像をウォータマークする多くの手
法が存在した。大部分のアプローチは、上述されたアプ
ローチにきわめて類似している。例えば、スペクトル拡
散技法は、音声だけではなく画像にも使用できる。テキ
ストをウォータマークするための1つの関連する従来の
アプローチは、ワードの間と文の間の白い空間を変調す
る。この方法は、ワード境界を検出する必要があり、走
査済みのテキスト以外の一般的な画像には適用できな
い。ゼロックス(Xerox)社で開発された記号技術
PARCは、グレイ陰影に加えて情報を符号化するため
に変調できる小さなマークを使用して、情報をデジタル
ハードコピーに符号化する。Curryに付与された米
国特許第5,946,103号は、印刷された文書をデ
ジタルでウォータマークするためにグリフ(図形符号)
を使用する方法を開示する。しかしながら、グリフ技術
は、典型的には、人目を引く構造を有する画像を生成す
る。これにより、この方法は、特定の用途に対してだけ
適している。「パッチワーク」ウォータマークシステム
は、画像内の点のランダムな対の強度を変える。テクス
チャブロックコーディングと呼ばれる方法は、ランダム
なテクスチャの領域をコピーすることによって情報を符
号化する。これらの領域は、自己相関によって発見でき
る。
【0011】上記に概略したように、従来の情報埋め込
み、つまりウォータマーク技法は、現代のデータ圧縮伝
送方法の視点からは耐久性の大きいものではなく、その
使用が特定の種類のデータに限られ、及び/または知覚
されないまま、十分に密に及び/または耐久性があるよ
うに情報を埋め込むことができない。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、データファイ
ル内に情報を隠し込むシステム及び方法を提供する。
【0013】本発明は、該データファイルの部分を選択
的に次元展開し、次元圧縮することによって、データフ
ァイル内に情報埋め込むシステム及び方法を提供する。
【0014】本発明は、データの選択された次元に沿っ
てデータファイルの部分を選択的に次元展開及び次元圧
縮するシステム及び方法をさらに備える。
【0015】本発明は、データの時間次元に沿って時間
変化するデータの部分を選択的に時間展開及び時間圧縮
することにより、時間変化するデータの中に情報を埋め
込むシステム及び方法をさらに提供する。
【0016】本発明は、少なくとも1つの空間次元に沿
って空間的に変化するデータの部分を選択的に空間的に
展開し、空間的に圧縮することによって空間的に変化す
るデータの中に情報を埋め込むシステム及び方法をさら
に提供する。
【0017】本発明は、埋め込まれた情報を含む修正さ
れたデータファイルを、埋め込まれたデータを抽出する
ためにデータファイルの元のコピーと比較するためのシ
ステム及び方法を別個に提供する。
【0018】本発明は、埋め込まれた情報を含む修正さ
れたデータファイルの次元圧縮され、次元展開された部
分の次元的な圧縮及び次元的な展開の場所及び期間を示
すシステム及び方法を別個に提供する。
【0019】本発明は、データファイルの元のコピーに
関係なく、埋め込まれた情報を含む修正されたデータフ
ァイルから埋め込まれた情報を抽出できるようにするシ
ステム及び方法を別個に提供する。
【0020】本発明は、修正されたデータファイルの部
分を選択的に次元圧縮し、次元展開することにより情報
を埋め込むために、修正されたデータファイルを修正す
る前に所定の関数に一致する速度を有するようにデータ
ファイルを修正するシステム及び方法をさらに提供す
る。
【0021】本発明は、予測された速度とデータファイ
ル内での実際の速度の差を求めることによって、埋め込
まれた情報を含むデータファイルから埋め込まれた情報
を抽出するためのシステム及び方法をさらに提供する。
【0022】本発明による多様な例示的な実施形態にお
いて、情報は原データファイルの中に埋め込まれる。該
原データファイルは指定された次元に沿って延び、その
指定された次元に沿って延びる部分に分割できる、つま
りその指定された次元に沿って延びる部分に自然に区分
される。情報は、指定された次元に沿って部分のいくつ
かまたはすべてのそれぞれのサイズを選択的に次元圧縮
する、または次元展開することによってデータファイル
の中に埋め込まれる。多様な例示的な実施形態では、指
定される次元とは空間または時間である。
【0023】多様な例示的な実施形態において、データ
ファイルの部分は、指定された符号化方式によって選択
的に次元展開または次元圧縮される。この符号化方式
は、埋め込まれた情報の一部を記憶するために、次元圧
縮または次元展開のどちらかである修正の種類を使用で
きる。代わりに、この符号化方式は、埋め込まれた情報
の一部を記憶するために隣接する部分間で、次元圧縮ま
たは次元展開のどちらかである修正の種類の関係性を使
用することができる。多様なそれ以外の例示的な実施形
態では、次元圧縮または次元展開の期間または程度が、
埋め込まれた情報の一部を記憶するために使用される。
埋め込まれた情報の該部分は、バイナリ情報あるいは3
値またはそれ以外の多値の離散情報の個々のビットであ
るか、あるいはアナログ情報の一部である場合がある。
【0024】多様な例示的な実施形態では、埋め込まれ
た情報は、修正されたデータファイルを、直接的または
間接的のどちらかで未修正の原データファイルのコピー
と比較することにより、修正されたデータファイルから
抽出される。直接的または間接的な比較に基づいて、次
元圧縮され、次元展開された部分のパターンを表すマッ
プを求めることができる。求められたマップ及び使用さ
れている特定の符号化方式に基づき、次元圧縮され、次
元展開された部分のパターンを、埋め込まれたアナログ
情報またはデジタル情報に変換し直すことができる。
【0025】多様な例示的な実施形態においては、情報
が埋め込まれる前に、データファイルは、指定された次
元に沿ったデータファイルの部分の速度が、指定された
関数に一致するように最初に修正される。修正されたデ
ータファイルの部分は、それからさらに、情報を埋め込
むために、部分のいくつかを選択的に次元圧縮または次
元展開することによって修正される。それから、該埋め
込まれた情報は、指定された関数に基づいて予想される
速度を予測するために修正されたデータファイルを分析
することによって抽出することができる。特定の部分の
予測速度と実際の速度間の差は、情報を埋め込むために
使用されるその部分の修正の種類及び程度を定める。こ
のようにして、その差は、符号化方式に基づいて埋め込
まれたアナログ情報またはデジタル情報にその後変換し
直すことができる、次元圧縮され、次元展開される部分
のパターンを定める。
【0026】本発明によるシステム及び方法の多様な例
示的な実施形態においては、きわめて低い周波数変調に
対する人間の感覚器官の鈍感さのために、大部分のファ
イルについては、埋め込まれたデータまたはウォータマ
ークは、実際には検出不可能だろう。同時に、変調を伝
搬する、埋め込まれたデータは、伝送及びデータ圧縮に
対して例外的に耐久性が大きい。
【0027】本発明のこれらの及びそれ以外の特徴及び
優位点は、本発明による装置/システムならびに方法の
以下の詳細な記述に説明され、そこから明らかになるだ
ろう。
【0028】本発明の第1の態様は、データの第1セッ
トをデータの第2セットの中に埋め込むための方法であ
って、該データの第2セットが、それに沿って延びる少
なくとも1つの次元を有し、前記方法は、データの第2
セットを複数の部分に分割し、該複数の部分のそれぞれ
が前記少なくとも1つの次元の内の少なくとも第1の次
元に沿った範囲を有し、データの第1セットを符号化す
る圧縮及び展開の領域のパターンを生成し、データの第
1セットをデータの第2セットの中に埋め込むために、
圧縮領域及び展開領域のパターンに従って、少なくとも
前記第1の次元に沿ってデータの第2セットの部分の少
なくともいくらかの範囲を選択的に次元圧縮及び展開す
ること、を備える方法である。
【0029】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、データの第2セットの部分の少なくともいくらかの
範囲を選択的に次元圧縮及び展開する前に、前記複数の
部分ごとに予測される速度を求めるためにデータの第2
セットを分析し、データの第2セットの複数の部分のそ
れぞれに、その部分についての実際の速度がその部分に
ついての予測される速度に一致するように、その部分に
ついての実際の速度を修正すること、をさらに備える方
法である。
【0030】本発明の第3の態様は、第2の態様におい
て、前記複数の部分のそれぞれについて予測される速度
を求めるためにデータの第2セットを分析することが、
速度についての所定の関数に基づいて予測される速度を
求めることを備える、方法である。
【0031】本発明の第4の態様は、第3の態様におい
て、前記速度についての所定の関数が一定の速度であ
る、方法である。
【0032】本発明の第5の態様は、第3の態様におい
て、前記所定の関数が、周期的な関数及び予測可能な関
数のうちの少なくとも1つである、方法である。
【0033】本発明の第6の態様は、第1の態様におい
て、前記データの第1セットがウォータマークである、
方法である。
【0034】本発明の第7の態様は、第6の態様におい
て、前記ウォータマークが、ソース、作成の時間、作成
の場所、識別値、識別名、作成者名、及び所有者名のう
ちの少なくとも1つを識別する、方法である。
【0035】本発明の第8の態様は、第1の態様におい
て、前記データの第2セットが、音声データ及びビデオ
データのうちの少なくとも1つであり、前記第1の次元
が時間である、方法である。
【0036】本発明の第9の態様は、第1の態様におい
て、前記データの第2セットが、静止画像データ及びビ
デオデータのうちの少なくとも1つであり、前記少なく
とも1つの次元が少なくとも第1の空間次元であり、デ
ータの第2セットを複数の部分に分割することが、デー
タの第2セットを、前記第1の空間次元に沿って延びる
複数の部分に分割することを備え、前記少なくとも第1
の次元に沿ってデータの第2セットの部分の少なくとも
いくつかの範囲を選択的に次元圧縮及び次元展開するこ
とが、前記第1の空間次元に沿ってデータの第2セット
の部分の少なくともいくらかの範囲を選択的に次元圧縮
及び展開することを備える、方法である。
【0037】本発明の第10の態様は、第1の態様にお
いて、データの第2セットが、静止画像データ及びビデ
オデータのうちの少なくとも1つであり、前記少なくと
も1つの次元が、第1の空間次元及び第2の空間次元を
備え、データの第2セットを複数の部分に分割すること
が、データの第2セットを、第1の空間次元及び第2の
空間次元のそれぞれに沿った成分を有する軸に沿って延
びる複数の部分に分割することを備え、少なくとも第1
の次元に沿ってデータの第2セットの部分の少なくとも
いくつかの範囲を選択的に次元圧縮及び展開すること
が、前記軸に沿ってデータの第2セットの部分の少なく
ともいくらかの範囲を選択的に次元圧縮及び展開するこ
とを備える、方法である。
【0038】本発明の第11の態様は、データの第1セ
ットをデータの第2セットの中に埋め込むシステムであ
って、前記データの第2セットが、それに沿って延びる
少なくとも1つの次元を有し、前記データの第2セット
が複数の部分を有し、該複数の部分のそれぞれが、前記
少なくとも1つの次元のうちの少なくとも第1の次元に
沿った範囲を有し、前記システムは、データの第1セッ
トを符号化する圧縮領域及び展開領域のパターンを生成
する速度マップ生成回路またはルーチンと、データの第
2セットの中にデータの第1セットを埋め込むために、
圧縮領域及び展開領域のパターンに従って、少なくとも
第1の次元に沿ったデータの第2セットの部分の少なく
ともいくらかの範囲を選択的に次元圧縮及び展開するウ
ォータマーク回路またはルーチンと、を備えるシステム
である。
【0039】本発明の第12の態様は、第11の態様に
おいて、前記データの第2セットを分析し、前記複数の
部分のそれぞれに予測される速度を求める速度予測回路
またはルーチンと、前記データの第2セットの前記複数
の部分のそれぞれについて、その部分の実際の速度がそ
の部分の予測される速度と一致するように、その部分の
実際の速度を修正する速度変更回路またはルーチンと、
をさらに備える、システムである。
【0040】本発明の第13の態様は、第12の態様に
おいて、前記速度予測回路またはルーチンは、速度につ
いての所定の関数に基づいて、前記複数の部分のそれぞ
れについて予測される速度を求める、システムである。
【0041】本発明の第14の態様は、第13の態様に
おいて、前記速度についての所定の関数が一定の速度で
ある、システムである。
【0042】本発明の第15の態様は、第13の態様に
おいて、前記所定の関数が、周期的な関数及び予測可能
な関数のうちの少なくとも1つである、システムであ
る。
【0043】本発明の第16の態様は、第11の態様に
おいて、前記データの第1セットがウォータマークであ
る、システムである。
【0044】本発明の第17の態様は、第16の態様に
おいて、前記ウォータマークが、ソース、作成の時間、
作成の場所、識別値、識別名、作成者名、及び所有者名
のうちの少なくとも1つを識別する、システムである。
【0045】本発明の第18の態様は、第11の態様に
おいて、前記データの第2セットが、音声データ及びビ
デオデータの少なくとも1つであり、第1の次元が時間
である、システムである。
【0046】本発明の第19の態様は、第11の態様に
おいて、前記データの第2セットが静止画像データ及び
ビデオデータのうちの少なくとも1つであり、前記少な
くとも1つの次元が、少なくとも第1の空間次元であ
り、前記データの第2セットが、第1の空間次元に沿っ
て延びる複数の部分に分割され、ウォータマーク回路ま
たはルーチンが、前記第1の空間次元に沿ってデータの
第2セットの部分の少なくともいくらかの範囲を選択的
に次元圧縮、展開する、システムである。
【0047】本発明の第20の態様は、第11の態様に
おいて、前記データの第2セットが、静止画像データ及
びビデオデータのうちの少なくとも1つであり、前記少
なくとも1つの次元が、第1の空間次元及び第2の空間
次元を備え、前記データの第2セットが、前記第1の空
間次元及び前記第2の空間次元のそれぞれに沿った成分
を有する軸に沿って延びる複数の部分に分割され、ウォ
ータマーク回路またはルーチンが、前記軸に沿ってデー
タの第2セットの部分の少なくともいくらかの範囲を選
択的に次元圧縮及び展開する、システムである。
【0048】本発明の第21の態様は、データの第1セ
ットを、前記データの第1セットが埋め込まれているデ
ータの第2セットから抽出するための方法であって、該
データの第2セットは、それに沿って延びる少なくとも
1つの次元を有し、複数の部分を有し、該複数の部分の
それぞれが前記少なくとも1つの次元のうちの少なくと
も第1の次元に沿った範囲を有し、前記方法は、前記デ
ータの第1セットが埋め込まれている前記データの第2
セットを、データの第1セットを含まないデータの第2
セットの基準コピーと比較し、比較に基づいてデータの
第1セットを符号化する複数の部分の次元圧縮及び次元
展開された部分のパターンを生成し、前記複数の部分の
次元圧縮及び次元展開されたパターンを、データの第1
セットに変換すること、を備える方法である。
【0049】本発明の第22の態様は、第21の態様に
おいて、前記データの第1セットが埋め込まれているデ
ータの第2セットを、データの第1セットを含まないデ
ータの第2セットの基準コピーと比較することが、前記
データの第1セットが埋め込まれているデータの第2セ
ットから代表的なデータの第1セットを生成し、前記デ
ータの第1セットを含まないデータの第2セットから代
表的なデータの第2セットを生成し、前記代表データの
第1セットを前記代表データの第2セットと比較するこ
と、を備える方法である。
【0050】本発明の第23の態様は、第22の態様に
おいて、前記代表データの第1セット及び第2セット
が、第1スペクトログラム及び第2スペクトログラムで
ある、方法である。
【0051】本発明の第24の態様は、第21の態様に
おいて、前記データの第1セットがウォータマークであ
る、方法である。
【0052】本発明の第25の態様は、第24の態様に
おいて、前記ウォータマークが、ソース、作成の時間、
作成の場所、識別値、識別名、作成者名、及び所有者名
のうちの少なくとも1つを識別する、方法である。
【0053】本発明の第26の態様は、第21の態様に
おいて、前記データの第2セットが、音声データ及びビ
デオデータのうちの少なくとも1つであり、第1の次元
が時間である、方法である。
【0054】本発明の第27の態様は、第21の態様に
おいて、前記データの第2セットが、静止画像データ及
びビデオデータのうちの少なくとも1つであり、前記少
なくとも1つの次元が、少なくとも第1の空間次元であ
る、方法である。
【0055】本発明の第28の態様は、第21の態様に
おいて、前記データの第2セットが、静止画像データ及
びビデオデータのうちの少なくとも1つであり、前記少
なくとも1つの次元が、第1の空間次元及び第2の空間
次元を備え、前記データの第2セットが、第1の空間次
元及び第2の空間次元のそれぞれに沿った成分を有する
軸に沿って延びる複数の部分を備え、前記データの第1
セットが埋め込まれているデータの第2セットを、デー
タの第1セットを含まないデータの第2セットの基準コ
ピーと比較することが、データの第1セットが埋め込ま
れているデータの第2セットを、前記軸に沿ったデータ
の第1セットを含まないデータの第2セットの基準コピ
ーと比較することを備える、方法である。
【0056】本発明の第29の態様は、第21の態様に
おいて、前記複数の部分の次元圧縮、及び次元展開され
た部分のパターンを、データの第1セットに変換するこ
とが、前記パターンの少なくとも1つの部分を少なくと
も1つのテンプレートと比較することを備える、方法で
ある。
【0057】本発明の第30の態様は、第29の態様に
おいて、前記少なくとも1つのテンプレートが、少なく
とも1つの予め定められたテンプレートである、方法で
ある。
【0058】本発明の第31の態様は、第29の態様に
おいて、前記少なくとも1つのテンプレートを概算する
ことをさらに備える、方法である。
【0059】本発明の第32の態様は、第21の態様に
おいて、前記複数の部分の次元圧縮及び次元展開された
部分のパターンをデータの第1セットに変換すること
が、前記パターンの各部分を少なくとも1つの閾値と比
較することを備える、方法である。
【0060】本発明の第33の態様は、第32の態様に
おいて、前記少なくとも1つの閾値が、少なくとも1つ
の予め定められた閾値である、方法である。
【0061】本発明の第34の態様は、第32の態様に
おいて、前記少なくとも1つの閾値を概算することをさ
らに備える、方法である。
【0062】本発明の第35の態様は、データの第1セ
ットが埋め込まれているデータの第2セットからデータ
の第1セットを抽出するための方法であって、前記デー
タの第2セットが、それに沿って延びる少なくとも1つ
の次元を有し、複数の部分を有し、該複数の部分のそれ
ぞれが、前記少なくとも1つの次元のうちの少なくとも
第1の次元に沿った範囲を有し、前記方法は、前記デー
タの第2セットの部分ごとに、その部分について予測さ
れる速度を求め、前記データの第2セットの部分ごと
に、実際の速度を求め、各部分について、予測された速
度をその部分についての実際の速度と比較し、前記複数
の部分についての比較に基づいて、データの第1セット
を符号化する複数の部分の次元圧縮及び次元展開された
部分のパターンを生成し、前記複数の部分の次元圧縮及
び次元展開された部分のパターンを、データの第1セッ
トに変換すること、を備える方法である。
【0063】本発明の第36の態様は、第35の態様に
おいて、前記データの第2セットの各部分について、そ
の部分の予測される速度を求めることが、所定の関数に
基づいてデータの第2セットを分析することを備える、
方法である。
【0064】本発明の第37の態様は、第36の態様に
おいて、前記所定の関数が一定の速度である、方法であ
る。
【0065】本発明の第38の態様は、第36の態様に
おいて、前記所定の関数が、周期関数及び予測可能な関
数のうちの少なくとも1つである、方法である。
【0066】本発明の第39の態様は、データの第1セ
ットを、該データの第1セットが埋め込まれているデー
タの第2セットから抽出するシステムであって、前記デ
ータの第2セットが、それに沿って延びる少なくとも1
つの次元を有し、複数の部分を有し、該複数の部分が、
前記少なくとも1つの次元のうちの少なくとも第1の次
元に沿った範囲を有し、前記システムは、前記データの
第1セットが埋め込まれているデータの第2セットを、
データの第1セットを含まないデータの第2セットの基
準コピーと比較する比較回路またはルーチンと、比較に
基づいてデータの第1セットを符号化する複数の部分の
次元圧縮及び次元展開された部分のパターンを決定する
速度生成回路またはルーチンと、前記複数の部分の次元
圧縮及び次元展開された部分のパターンをデータの第1
セットに変換するウォータマーク復号回路またはルーチ
ンと、を備えるシステムである。
【0067】本発明の第40の態様は、第39の態様に
おいて、前記データの第1セットが埋め込まれているデ
ータの第2セットから代表的なデータの第1セットを生
成し、データの第1セットを含まないデータの第2セッ
トから代表的なデータの第2セットを生成し、代表的な
データの第1セットを、代表的なデータの第2セットと
比較することによって、比較回路またはルーチンが、前
記データの第1セットが埋め込まれているデータの第2
セットを、データの第1セットを含まないデータの第2
セットの基準コピーと比較する、システムである。
【0068】本発明の第41の態様は、第40の態様に
おいて、前記代表的なデータの第1セット及び第2セッ
トが、第1スペクトログラム及び第2スペクトログラム
である、システムである。
【0069】本発明の第42の態様は、第39の態様に
おいて、前記データの第1セットがウォータマークであ
る、システムである。
【0070】本発明の第43の態様は、第42の態様に
おいて、前記ウォータマークが、ソース、作成の時間、
作成の場所、識別値、識別名、作成者名、及び所有者名
のうちの少なくとも1つを識別する、システムである。
【0071】本発明の第44の態様は、第39の態様に
おいて、前記データの第2セットが、音声データ及びビ
デオデータのうちの少なくとも1つであり、第1の次元
が時間である、システムである。
【0072】本発明の第45の態様は、第39の態様に
おいて、前記データの第2セットが、静止画像データ及
びビデオデータのうちの少なくとも1つであり、前記少
なくとも1つの次元が、少なくとも第1の空間次元であ
る、システムである。
【0073】本発明の第46の態様は、第39の態様に
おいて、前記データの第2セットが、静止画像データ及
びビデオデータのうちの少なくとも1つであり、前記少
なくとも1つの次元が、第1の空間次元及び第2の空間
次元を備え、前記データの第2セットが、第1の空間次
元及び第2の空間次元のそれぞれに沿った成分を有する
軸に沿って延びる複数の部分を備え、前記比較回路また
はルーチンが、データの第1セットが埋め込まれている
データの第2セットを、前記軸に沿ってデータの第1セ
ットを含まないデータの第2セットの基準コピーと比較
する、システムである。
【0074】本発明の第47の態様は、第39の態様に
おいて、前記ウォータマーク復号回路またはルーチン
が、パターンの少なくとも一部を少なくとも1つのテン
プレートと比較することによって、データの第1セット
に、複数の部分の次元圧縮及び次元展開された部分のパ
ターンを変換する、システムである。
【0075】本発明の第48の態様は、第47の態様に
おいて、前記少なくとも1つのテンプレートが、少なく
とも1つの予め定められたテンプレートである、システ
ムである。
【0076】本発明の第49の態様は、第47の態様に
おいて、前記少なくとも1つのテンプレートを概算する
ことを備える、システムである。
【0077】本発明の第50の態様は、第39の態様に
おいて、前記ウォータマーク復号回路またはルーチン
が、パターンの各部分を少なくとも1つの閾値と比較す
ることによって、前記複数の部分の次元圧縮及び次元拡
大された部分のパターンをデータの第1セットに変換す
る、システムである。
【0078】本発明の第51の態様は、第50の態様に
おいて、前記少なくとも1つの閾値が少なくとも1つの
予め定められた閾値である、システムである。
【0079】本発明の第52の態様は、第50の態様に
おいて、前記少なくとも1つの閾値を概算することをさ
らに備える、システムである。
【0080】本発明の第53の態様は、データの第1セ
ットが埋め込まれているデータの第2セットから、デー
タの第1セットを抽出するためのシステムであって、前
記データの第2セットが、それに沿って延びる少なくと
も1つの次元を有し、複数の部分を有し、該複数の部分
のそれぞれが、前記少なくとも1つの次元のうちの少な
くとも第1の次元に沿った範囲を有し、前記システム
は、前記データの第2セットの部分ごとに、その部分に
ついての予測される速度を求める、速度予測回路または
ルーチンと、前記データの第2セットの部分ごとに、実
際の速度を求める速度決定回路またはルーチンと、予測
される速度を、その部分についての実際の速度と比較す
る比較回路またはルーチンと、前記複数の部分について
の比較に基づいてデータの第1セットを符号化する複数
の部分の次元圧縮及び次元展開された部分のパターンを
決定する速度生成回路またはルーチンと、前記複数の部
分の次元圧縮及び次元展開された部分のパターンを、デ
ータの第1セットに変換するウォータマーク復号回路ま
たはルーチンと、 を備えるシステムである。
【0081】本発明の第54の態様は、第53の態様に
おいて、前記データの第2セットの部分ごとに、その部
分についての予測される速度を求めることが、所定の関
数に基づいてデータの第2セットを分析することを備え
る、システムである。
【0082】本発明の第55の態様は、第54の態様に
おいて、前記所定の関数が一定の速度である、システム
である。
【0083】本発明の第56の態様は、第54の態様に
おいて、前記所定の関数が、周期関数及び予測可能な関
数のうちの少なくとも1つである、システムである。
【0084】
【発明の実施の形態】本発明の多様な例示的な実施形態
が、以下に図を参照て詳細に説明される。
【0085】本発明によるシステム及び方法の多様で例
示的な実施形態は、与えられた次元に沿って延びるデー
タファイルの部分を、気付かれないほどの量、選択的に
次元圧縮または次元展開し、そのデータファイルの中に
データを埋め込むウォータマーク技術を利用する。多様
な例示的な実施形態においては、音声信号の基調時間軸
または画像の空間的偏位が、気付かれないほどの量、次
元圧縮または次元展開される。
【0086】本発明によるシステム及び方法は、「時間
ベースの」、あるいは類推によって「空間ベースの」埋
め込み技法及び抽出技法を使用して、ウォータマークさ
れた音声ファイル及び/またはウォータマークされた画
像からウォータマーク及びその他のデジタルデータを埋
め込まれ、抽出することを目的とする。ここに説明され
るように、本発明によるこれらの時間ベースの技法及び
これらの空間ベースの技法が、同じ中心的な概念を表現
する代替方法である、つまりウォータマークなどのその
データが、音声ファイル及び/または画像の要素間の
「時間的」または「空間的」な関係性を操作することに
よって、音声ファイル及び画像にデジタルで符号化する
ことができることを理解されたい。したがって、以下で
明らかになるように、本発明によるこれらの時間ベース
の技法及び空間ベースの技法は、単に同じ普遍的な概念
の異なる態様にすぎない。
【0087】図1は、本発明の基本的な概念を描く。図
1に示されるように、第1の次元xに沿った範囲を有す
るデータ10の基準セットは、異なる部分11〜15を
含む。本発明に従って、これらの部分のいくつか、例え
ば、図1に示される部分12と13は、第2データセッ
ト20を作成するために、相対的に次元圧縮または次元
展開される。該第2データセット20は、複数の部分2
1〜25も含む。各部分21〜25は、それぞれ第1デ
ータセット10の部分11〜15に1対1に対応する。
【0088】図1に示されるように、次元xに沿った部
分22の範囲は、データセット10の対応する部分12
の範囲を基準にして次元圧縮された。対照的に、次元x
に沿った部分24の範囲は、第1データセット10の対
応する部分14の範囲を基準にして次元展開された。最
後に、次元xに沿った残りの部分21、23及び25の
範囲は、それぞれ対応する部分11、13、及び15の
範囲を基準にして未変更のままである。したがって、デ
ータセット10が基準データセットを定める場合、デー
タセット20は、なんらかの埋め込まれた情報を含むウ
ォータマークされたデータを定める。情報は、対応する
部分21〜25の次元xに沿った範囲を基準にして部分
11〜15の次元xに沿った元の範囲の相対的な関係性
に従って埋め込まれる。
【0089】記録される音声情報はタイムレスな状態で
存在するが、その記録される音声データは流体媒体内の
時間変化する圧力波を表す時間変化する電気信号を定め
る。その結果として、音声データファイル内に記憶され
ている情報は、時間次元に沿って音声データを表示する
ことによって最もよく表される。それゆえに、音声デー
タについて、図1に示される次元xは、時間次元に対応
することがある。このようにして、図1に示される方法
で音声データファイルの中にデータを埋め込むために
は、原音声データファイルの部分が、ウォータマークさ
れる音声ファイルを作成するために、時間圧縮あるいは
時間展開される。言うまでもなく、音声データは、その
他の次元に沿って表すことができることを理解された
い。適切な場合、本発明によるシステム及び方法は、こ
のような次元及び表現とともに等しく使用できる。
【0090】対照的に、静止画像データは、音声データ
が空間次元を有さないのと同じように、時間次元を有さ
ない。むしろ、静止画像データは、情報の空間的に変化
するセットを定める。同様にして、ビデオデータは、時
間次元と空間次元の両方を有する。結果的に、静止画像
データに対しては、図1に示される次元xが、画像が広
がる(延びる)ことのできる空間な1次元、2次元また
は3次元のうちの1つを定義する。ビデオデータの場
合、次元xは、2つまたは3つ以上の空間的な次元また
は時間次元の内の1つである場合がある。このようにし
て、静止画像データまたはビデオ画像データについて、
データセット10に対応する原データセットの部分は、
図1に示されるデータセット20に対応するウォータマ
ークされたデータを作成するために空間的に圧縮され、
空間的に展開することができる。
【0091】言うまでもなく、次元xが、情報伝搬信号
が第1レベルの情報を伝達するために変化するであろう
任意の次元である場合があり、その結果、その次元で延
びるその情報の部分が、第2レベルの情報を含むように
選択的に次元圧縮、次元展開されることを理解された
い。
【0092】上記に概略されたように、図1は、任意の
次元xで延びるデータセット10などのデータセット
が、ウォータマークされたデータセット20を作成する
ためにデータセット10の部分を選択的に次元展開し、
次元圧縮することによって追加情報を埋め込むためにど
のようにして修正できるのかを示す。しかしながら、そ
の埋め込まれた情報を容易に抽出するためになんらかの
方法を使用しない場合、図1に描かれている技法は本質
的に無用である。したがって、図2は、ウォータマーク
されたデータセットから埋め込まれた情報を抽出するた
めの技法の1つの例示的な実施形態を示す。特に、図2
は、ウォータマークされたデータセット20を、基準、
つまり原データセット10と比較することによって、埋
め込まれたデータを抽出する方法を示す。特に、図2に
示されるプロットは「速度マップ」として定められる。
図2に示される速度マップは、次元xに沿ってウォータ
マークされたデータセット20の対応する位置を基準に
する、基準データセット10の各部分の相対的な位置決
めを示す。
【0093】図2に示されるように、基準部分11、1
3、及び15、ならびにウォータマークされたデータセ
ットの対応する部分21、23、及び25について、こ
れらの部分の各要素の次元xに沿った位置は、同じ相対
的な位置の変化を有する。このようにして、次元xに沿
ったこれらの部分の相対的な位置をプロットする線の傾
きは「1」である。これは、対応する部分13と23に
対しても当てはまる。このようにして、部分13と23
は、図1に示されるように、互いを基準にして偏位され
ても、それらは部分13と23の始端から部分13と2
3の終端まで次元xに沿った位置での同じ相対的な変化
を有する。しかしながら、部分13と23の絶対的な位
置は次元xに沿って互いを基準にして偏位されるため、
これらの部分13と23の速度マップの部分は、1とい
う傾きを有する一方、1という傾斜を有し、原点を通過
する線から偏位される。
【0094】その結果、基準データセット10がX軸に
沿ってプロットされ、ウォータマークされたデータセッ
ト20が、部分22などの基準データセット10を基準
にして次元圧縮されるウォータマークされたデータセッ
ト20の部分についてY軸に沿ってプロットされると、
時間マップの対応する部分は、1未満の傾きを有する。
速度マップの任意のこのような部分の特定の傾きは、次
元圧縮の程度に依存するだろう。同様に、部分24など
のウォータマークデータセットを基準にして次元展開さ
れるウォータマークされたデータセット20の部分につ
いて、速度マップの対応する部分は1より大きい傾きを
有する。ここでも、速度マップのこのような対応する部
分についての正確な傾きは、時限展開の程度に依存する
だろう。
【0095】言うまでもなく、バイナリ情報、及びアナ
ログ情報も、速度マップの形状及び既知の符号化方式に
基づいてウォータマークデータセットから抽出すること
ができる。例えば、簡略なコーディング方式は、1より
大きい傾きを有する部分を「1」として定義する一方、
1未満の傾きを有する任意の部分を「0」として定義す
ることができる。代わりに、別の方式は、1未満の傾き
を有する任意の部分を「−1」として、1より大きい傾
きを有する任意の部分を「+1」として、及び1に等し
い傾きを有する任意の部分を「0」として定義できるだ
ろう。対照的に、さらに別の方式は、1以外から1への
傾きの変化を無視する一方で、1から1未満または1よ
り大きいのどちらかに変化する傾きをそれぞれ「0」ま
たは「1」と定義できるだろう。
【0096】バイナリデータが傾きの変化においてだけ
ではなく、修正された部分の期間においても符号化でき
ることを、さらに理解されたい。さらに、アナログデー
タを、次元圧縮または次元展開の程度に基づいて埋め込
むことができることも理解されたい。結果として、傾き
は、2値、3値、またはその他の多値離散値より、むし
ろ、アナログ値を表すだろう。情報を符号化するため
に、次元圧縮及び次元展開の多くの異なるパターンが使
用できることを理解されたい。このようにして、次元圧
縮と次元展開の程度だけではなく、変更される領域の開
始場所及び終了場所も、基準データセットを基準にして
ウォータマークされたデータセットの中に情報を埋め込
むために使用できる。
【0097】多様な例示的な実施形態において、ある特
定のウォータマークされたデータセットについて、ウォ
ータマークされるデータファイル内での次元圧縮の総量
と次元限界の総量は同じであり、その結果、ウォータマ
ークされたデータセットのサイズは、基準データセット
のサイズと同じサイズである。これは厳密には必要では
ないが、それが、ある特定のデータセットがウォータマ
ークされたことと、同じデータセットのさまざまなコピ
ーが異なるウォータマークを有することを識別すること
をさらに困難にし、特定のウォータマークされたデータ
セットによって伝搬される特定のウォータマークを特定
することをさらに困難にするという点で、これは有利で
ある。
【0098】本発明者は、約1%から2%という次元圧
縮/展開率で満足の行く結果を得ることができることを
経験的に突き止めた。次元圧縮/展開率が、このレベル
を超えて増加できることを理解されたい。しかしなが
ら、次元圧縮/展開率は、おそらく検出可能なアーティ
ファクト(artifacts)をウォータマークされ
たデータセットに生じさせるだろう。すなわち、相対的
に低い次元圧縮/展開率を使用する1つの優位点は、ウ
ォータマークデータセットの部分の内の多様な部分の結
果として生じる圧縮及び/または展開が、人間の感覚器
官によって知覚できないという点である。
【0099】多様な例示的な実施形態においては、約8
bps(毎秒8ビット)という符号化速度が、音声デー
タファイルを修正する上で実現可能である。一般的に
は、符号化速度は、特定の次元xに沿った修正がどの程
度好ましくなくなるのかによってだけ制限される。会話
などの多くの用途については、最高5%から10%の次
元圧縮/展開率が使用可能であり、符号化速度も対応し
て増加する。
【0100】多様な例示的な実施形態においては、図2
に示される速度マップは、基準データセット10とウォ
ータマークされたデータセット20の間に、瞬間的な最
良の整列の位置決めをすることにより作成される。多様
な例示的な実施形態においては、この瞬間的な最良の整
列は、動的なプログラミングを使用して位置決めされ
る。特に、多様な例示的な実施形態においては、基準デ
ータセットのある部分とウォータマークデータセットの
ある部分の間の距離は、特定の種類の信号及びデータセ
ットが延びる特定の次元に応じて、任意の数の異なる測
定基準を使用して定められる。この距離は、ウォータマ
ークされたデータセット20と基準データセット10の
間で最良の整列を見出すための従来の動的なプログラミ
ング技法において使用される。この最良の適合は、ウォ
ータマークされるデータセットを得るために使用される
基準データセットのx次元ベースの修正の推定値として
の役割を果たす。
【0101】一般的には、上記に概略したように、直線
距離からのあらゆる偏差は、ウォータマークされたデー
タセット20のその部分の次元展開及び/圧縮によるも
のである。該偏差は、図2に示される速度マップを作成
する際に検出し、使用することができる。一般的には、
線形マップからの差が、図2に示されるようにプロット
されるとき、次元圧縮される領域は、0と1の間の傾き
を有するとして表示されるであろうが、展開された領域
は、1より大きい傾きを有する領域として表示されるだ
ろう。上記に概略されたように、「通常の」速度の領域
は、1という傾きを有するであろうが、おそらく1とい
う傾きを有する線から偏位(オフセット)され、原点を
通って延びるだろう。この偏位は、過去に次元圧縮され
た領域及び/または過去に次元展開された領域のx次元
に沿った累積的な偏位のために生じる。図2では、次元
圧縮及び次元展開率は、通常、実践で使用されるであろ
うよりはるかに大きく示されることも理解されたい。た
だし、単位元に大変近い現実的な次元圧縮係数を、この
尺度で見ることは困難だろう。
【0102】多様な例示的な実施形態では、音声データ
が使用されるとき、基準音声データセット及びウォータ
マーク音声データセットのスペクトログラムが作られ
る。多様な例示的な実施形態では、スペクトログラム
は、従来の技法を使用して作られる。音声データのスペ
クトル含有量が、第一次近似では、データ圧縮及びアナ
ログ伝送中で一様であるために、直線波形比較よりむし
ろスペクトログラムが使用されることを理解されたい。
対照的に、音声データの時間ドメイン波形は、データ圧
縮及び/またはアナログ変換の後に著しく異なってよ
い。本発明者によって実行された多様な実験において
は、中間周波数成分のユークリッド距離は、音声データ
を分析するために使用されるスペクトログラムウィンド
ウの間の差を測定するための測定基準として使用され
た。
【0103】ウォータマーク、つまりより一般的には研
究に関し上述されたデータ埋め込みのために、ウォータ
マークされるデータのデータ値は、次元xに沿って明確
なまたはかなりの程度まで変化しなければならないこと
を理解されたい。それ以外の場合、基準データを基準に
して圧縮または展開されたウォータマークデータのそれ
らの部分を特定することにより、図2に示される速度マ
ップを生成することは不可能になる。例えば、音声デー
タの場合、該音声データは、図2に示される速度マップ
のためのかなりのスペクトル変化を生成可能としなけれ
ばならない。このようにして、無音または試験音などの
スペクトル変化のほとんどない音声は、基準データセッ
トとして使用することはできない。
【0104】特に、この種の音声データは大きなスペク
トル変化を有さないため、音声データの多様な部分の次
元圧縮及び次元展開は、データを大幅に変更しないだろ
う。その結果、基準データを基準にして、ウォータマー
クされたデータが次元圧縮、または次元展開された場所
は特定することができない。ただし、重要な任意のデー
タセットは、概して重要な次元xに沿ってかなりの変化
性を有するであろうため、これは、大部分のドメインで
の大部分のデータセットのための主要な要件ではないこ
とを理解されたい。例えば、音楽、話、サウンドトラッ
ク音声等の重要な大部分の音声データは、基準データと
ウォータマークされたデータ間の整列が特定できるよう
に、十分なスペクトル変化を有するだろう。
【0105】データセットのある特定の部分に十分な可
変性があるかどうかを判断し、データ修正が検出可能で
あるかどうかを判断するために、データセットを分析で
きることを理解されたい。例えば、音声データセット内
でのフレーム間スペクトル差の簡略な測定基準は、その
音声データセットのウォータマーク検出可能性の推定値
を示すだろう。分析に基づき、音声データセットの低ス
ペクトル差の領域は、ウォータマークプロセスで無視す
ることができる。同様にして、重要な次元xに沿った任
意のデータセットの低変化性の領域も同じ方法で無視す
ることができる。動的プログラミングウォータマーク復
元または抽出は線形整合に基づいているため、これらの
領域は、ウォータマークデータを抽出するプロセスを中
断させないだろう。
【0106】図1と図2は、不特定のデータセットと関
心のある不特定の次元xとに関して上述された。上記に
示されたように、図1と図2に関して上記に概略された
技法は、特定の次元xに沿って十分な可変性を有する任
意の種類のデータとともに使用できることを理解された
い。しかしながら、以下の説明は、本発明によるシステ
ム及び方法が特に有効である、2つの重要な種類のデー
タ、つまり重要な異なる次元、すなわち時間と空間をそ
れぞれ有する音声データと画像データに焦点を当てる。
【0107】特に、音声データに関して、本発明のシス
テム及び方法は、過去のアプローチに優るいくつかの重
要な優位点を有する。1つの重要な優位点とは、大部分
の音声データにとって、時間次元に沿って音声データを
次元圧縮及び次元展開するときに作成される音声データ
に対する変更は、通常実質的に検出不可能であるという
点である。これは、主に、きわめて低い周波数変調に対
する人間の聴覚器官の鈍感さのためである。
【0108】同時に、ウォータマークデータまたはその
他のデータを音声データの中に埋め込むために使用され
る時間圧縮及び拡張は、伝送及びデータ圧縮に対してき
わめて耐久性が大きい。これは、現在のデジタル音声技
術が、毎時約数マイクロ秒の時間精度を有するために発
生する。人間によって作り出される会話または音楽など
の大部分の音声データは、本発明によるデータ埋め込み
システムすなわちウォータマークシステムによって生じ
る人工的な速度変化が、通常、容易に検出不可能である
ような十分に自然な変動を有する。
【0109】さらに、アナログ記録再生装置内での固有
な速度変化などの意図されていない速度変化は、概して
埋め込まれたデータと干渉しないだろう。例えば、不正
確なプレイバック速度によって引き起こされる直線速度
変化は、通常、埋め込まれたデータに変化をもたらさな
いだろう。さらに、ワウ(wow)とフラッタ(flu
tter)などのアナログ記録欠陥は、本発明に従って
データを埋め込むために使用される速度変化より大幅に
短い時間スケールで発生する。したがって、これらのア
ナログ記録欠陥は、一般に平均化され、埋め込まれたデ
ータに影響を及ぼさない。
【0110】しかしながら、リスナー(聴取者)が、コ
ンピュータシーケンサまたはその他の機械的な装置によ
って生成される厳密にリズミカルな音楽について、これ
らのデータ埋め込みシステム及び方法により引き起こさ
れる人工的な速度変化を認識する可能性があることを理
解されたい。この場合、ビート間の間隔の細かな分析が
速度修正を明らかにする可能性がある。ただし、このよ
うな速度修正は、概して依然として平均的なリスナーに
とっては気付かれないままであるだろう。
【0111】埋め込まれたデータが、音声領域の時間ス
ケールを故意に変更することによって部分的にわかりに
くくされたり、劣化されることがあることも理解された
い。ウォータマークは、過去に埋め込まれた速度ベース
のウォータマークの上に、別の速度ベースのウォータマ
ークを重ね合わせることによってもおそらく分かりにく
くされるか、劣化されることがある。しかしながら、こ
れは、言うまでもなく、第2速度ベースのウォータマー
クがたまたま第1速度ベースのウォータマークの正確に
逆でない限り、過去のウォータマークを削除しないだろ
う。それは、言うまでもなく、原未修正音声データセッ
トへのアクセスを必要とする。
【0112】音声データの中に埋め込まれるデータがデ
ジタル署名であるときには、このこのような変更は、ウ
ォータマークとデジタル署名の両方を無効にするだろ
う。このようにして、この変更は容易に検出できるだろ
う。存在する場合には、いくつかのそれ以外のウォータ
マーク方式が、複数のウォータマークの応用例の下で耐
久性が大きいことを理解されたい。
【0113】この同じ時間ベースの展開および時間ベー
スの圧縮ウォータマーク、つまりさらに一般的には、デ
ータ埋め込みの技法は、アナログビデオデータとデジタ
ルビデオデータなどの、それ以外の種類の時間変化する
データとともに使用できることも理解されたい。ビデオ
データについては、音声データのように、データは、ビ
デオデータの部分を選択的に時間圧縮、及び時間展開す
ることによってビデオ信号の中に埋め込まれるだろう。
【0114】同様に、これらの技法は、静止、つまり時
間不変な画像データに適用することもできる。この場
合、このような静止画像内で時間ベース圧縮および展開
を使用するよりむしろ、データは、空間ベースの圧縮及
び展開を使用することにより埋め込まれる。すなわち、
画像の領域は、人間の視覚器官にとって見えないほどで
ある量、選択的に空間圧縮及び空間展開される。例え
ば、周知のデジタル再サンプリング技法は、画像の選択
された部分を、少量、引き伸ばし、あるいは圧縮するこ
とができる。代わりに、画像の選択された領域を選択的
に展開または圧縮するために、機械的なまたは光学的な
技法を使用することができる。このような機械的または
光学的な技法は、ドラムまたはプラテンスキャナの速度
を変化すること、用紙または印字ヘッド速度をプリンタ
内で変化すること、またはドラムに関してコピー機内の
円筒形の対物レンズの速度を変化させることを含む。
【0115】時間変化するデータとは異なり、空間的に
変化するデータは、多くの場合二次元または三次元でも
変化することがさらに理解されなければならない。この
ようにして、2つまたは3つの軸に沿って画像データを
選択的に圧縮、展開することができる。
【0116】上記に示されたように、本発明によるシス
テム及び方法は、音声データの中にデータを埋め込むた
めに特に有効である。音声信号のピッチのスケーリング
のための時間スケール修正(TSM)技法は、周知であ
り、一般的に使用されている。これらの技法は、それ以
外の場合、単位速度を変更することだけで生じるであろ
う好ましくないピッチ修正を生じさせずに音声記録の長
さを変更するために等しく使用することができる。ピッ
チのスケーリングは、多くの場合、さらに高速で音声記
録をプレイバックするときに適用される。これは多くの
場合、より短時間で音声記録を視聴するために適用され
る。次元圧縮及び展開が気付かれないほどでなければな
らないのであれば、単純な補間または再スケーリングが
このシステム及び方法とともに使用されてはならないこ
とを理解されたい。すなわち、小さな率の場合にも、こ
のような単純な補間は明らかなピッチの変更を引き起こ
す。
【0117】一般的なTSM時間スケーリング技法は、
短時間フーリエ変換に基づいている。しかしながら、位
相ボコーダー法、時間ドメイン調和スケーリング法、及
びピッチ同期重複追加(PSOLA)法などのそれ以外
の方法も幅広く使用されている。上記に概略されたもの
を含む任意の既知の時間スケーリング法あるいは後に開
発される時間スケーリング法は、音声データセットの部
分を圧縮、展開し、その音声データセットの中にデータ
を埋め込む、つまりウォータマークすることができる。
一般的に、最も有効な方法とは、ほとんど可聴アーティ
ファクトも生じさせない一方で、1に非常に近い率で圧
縮または展開できる方法であることを理解されたい。
【0118】図3は、ウォータマークデータを本発明に
従って原データのセットの中に埋め込むための方法の1
つの例示的な実施形態を概略するフローチャートであ
る。図3に示されるように、方法の動作はステップS1
00で開始し、原データセットが入力されるステップS
110へ続く。次に、ステップS120では、原データ
の中に埋め込まれるデータのセット、つまり、ウォータ
マークデータが入力される。次に、ステップS130で
は、速度マップf(q)が、埋め込まれるデータに基づ
いて生成される。それから、動作は、ステップS140
へ続く。
【0119】ステップS140では、ステップS110
で入力される原データの部分が、ステップS120で入
力される、埋め込み対象のデータが埋め込まれたウォー
タマークされたデータを生成するための速度マップf
(q)に基づいて、選択的に次元圧縮及び次元展開され
る。次に、S150では、ウォータマークされたデータ
が出力される。それから、ステップS160で、この方
法の動作が終了する。
【0120】ステップS150では、ウォータマークさ
れたデータを様々な方法で出力することができることを
理解されたい。例えば、ウォータマークされたデータが
音声データである場合、ウォータマークされたデータは
デジタル音声テープまたは標準アナログカセットテープ
の上に記憶することができる。代わりに、音声ファイル
は、それがすでにデジタル形式となっているわけでない
場合にはデジタル化し、コンパクトディスク、CD−R
OM、DVD、または任意のそれ以外の揮発性または不
揮発性のデジタルメモリデバイスに記憶することができ
る。さらに、ウォータマークされたデータファイルは、
既知のまたは後に開発される、音声データファイルに適
切なデータ圧縮技法を使用してデータ圧縮し、上述され
たメモリデバイスの1つに記憶することができる。デー
タが圧縮されているかどうかに関係なく、ウォータマー
クされた音声データは、インターネット、ローカルエリ
アネットワーク、広域ネットワーク、記憶領域ネットワ
ーク、イントラネット、エクストラネット、公衆加入電
話網、及び/またはケーブルテレビ網などの任意の既知
の、あるいは後のプレイバックデバイスまたは分散ネッ
トワークでの記憶及び/またはプレイバックのために、
遠隔して位置するコンピュータまたは記憶装置に伝送で
きることも理解されたい。
【0121】図4は、本発明に従ってウォータマークさ
れたデータファイルから埋め込まれたデータを抽出する
ための方法の1つの例示的な実施形態を概略するフロー
チャートである。図4に示されるように、この方法の動
作はS200で開始し、ウォータマークされたデータフ
ァイルが入力されるステップS210へ続く。それか
ら、S220では、ウォータマークされたデータファイ
ルに対応する原データファイルが入力される。次に、ス
テップS230では、整列データが、ウォータマークさ
れたデータファイル、及びウォータマークされたデータ
ファイルと原データファイル間の整列を判断するために
使用できる原データファイルから生成される。それか
ら、動作はステップS240へ続く。
【0122】ステップS240では、ウォータマークさ
れたデータファイルからの整列データが、原データファ
イルからの整列データと整列される。次に、ステップS
250では、ウォータマークされたデータのための整列
データと原データのための整列データの間で決定された
整列に基づいて、速度マップが生成される。それから、
ステップS260では、速度マップは、ウォータマーク
されたデータの中に埋め込まれた、埋め込み済みのデー
タを得るために変換または復号される。それから、動作
はステップS270へ続く。
【0123】ステップS270では、埋め込まれたデー
タが、1つ以上のデータ受信側に出力される。それか
ら、ステップS280で、この方法の動作は終了する。
【0124】ステップ230が、埋め込まれたデータが
埋め込まれている特定の種類のデータに応じて、必要と
されない場合があることを理解されたい。例えば、空間
的に圧縮及び/または空間的に展開された画像データ
は、ステップS250で速度マップを作成するために、
ステップS240で直接整列することができる。このよ
うにして、この場合、ステップS230は省略され、ス
テップS240が、ウォータマークされたデータと原デ
ータのそれぞれから生成される整列データを整列するよ
りむしろ、ウォータマークされたデータを原データと直
接的に整列するだろう。
【0125】対照的に、音声データについて上記に概略
されたように、ステップS230は整列データとしてス
ペクトログラムデータを生成するために実行されるだろ
う。それから、ステップS240では、スペクトログラ
ムデータが、ステップS250で速度マップを生成する
ために整列されるだろう。
【0126】ステップS270では、ウォータマークさ
れたデータから抽出された、埋め込まれたデータが、そ
れを表示、または印刷することにより出力できることも
理解されたい。埋め込まれたデータは、抽出されたデー
タを記憶することによって、あるいは表示、記憶または
追加の伝送のために別個のサイトに抽出されたデータを
伝送するために、図3に関して上述されたような、分散
ネットワーク上で抽出されたデータを伝送することによ
っても出力することができる。
【0127】図5は、本発明によるウォータマーク埋め
込みシステム100の1つの例示的な実施形態を示す。
図5に示されるように、ウォータマーク埋め込みシステ
ム100は、それぞれが1本以上のデータバス/制御バ
スまたはアプリケーションプログラミングインタフェー
ス160によって相互接続されている、入出力インタフ
ェース110、制御装置120、メモリ130、速度マ
ップ生成回路またはルーチン140、及びウォータマー
クデータ生成回路またはルーチン150を含む。さらに
図5に示されるように、1台以上のユーザ入力装置17
0が、入出力インタフェース110に1つ以上のリンク
172上で接続される。さらに、データソース300
は、リンク410上でデータ受信側400が接続される
ように、リンク310上で入出力インタフェース110
に接続される。
【0128】リンク172、310及び410のそれぞ
れが、1台以上のユーザ入力装置170、データソース
300、及びデータ受信側400を、それぞれ、直接ケ
ーブル接続、広域ネットワーク上での接続、ローカルエ
リアネットワークまたは記憶領域ネットワーク、イント
ラネット上での接続、インターネット上での接続、また
は任意のそれ以外の分散処理ネットワークまたはシステ
ム上での接続を含む、ウォータマーク埋め込みシステム
100に接続するための任意の既知の、または後に開発
されるデバイスまたはシステムを使用して実現できる。
一般的には、リンク172、310及び410のそれぞ
れが、それぞれ1台以上のユーザ入力装置170、デー
タソース300、及びデータシンク400をウォータマ
ーク埋め込みシステム100に接続するために有効な、
任意の既知のまたは後に開発される接続システムまたは
構造である場合がある。
【0129】入出力インタフェース110は、データソ
ース及び/または1台以上のユーザ入力装置170から
データを入力し、データ受信側400にデータを出力す
る。入出力インタフェース110は、制御装置120、
メモリ130、及び/または速度マップ生成回路または
ルーチン140にデータも出力し、制御装置120、メ
モリ130、及び/またはウォータマークデータ生成回
路またはルーチン150の1台以上からデータを受信す
る。
【0130】メモリ130は、原データ部132、埋め
込み済みデータ部134、速度マップ部136、及びウ
ォータマーク済みデータ部138の1つ以上を含む。原
データ部132は、埋め込み済みデータ部134内に記
憶される、埋め込まれたデータが、ウォータマークされ
たデータを形成するために埋め込まれるであろう原デー
タを記憶する。埋め込み済みデータ部134は、原デー
タに埋め込まれる、埋め込みデータを記憶する。速度マ
ップ部136は、速度マップ生成回路またはルーチン1
40によって生成される速度マップを記憶する。ウォー
タマーク済みデータ部138は、ウォータマークデータ
生成回路またはルーチン150によって生成されるウォ
ータマークされたデータを記憶する。メモリは、ウォー
タマーク埋め込みシステム100を動作するために、制
御装置120によって使用される1つ以上の制御ルーチ
ンも記憶できる。
【0131】メモリ130は、変更可能な揮発性または
不揮発性のメモリ、または変更不可の、つまり固定され
たメモリの任意の適切な組み合わせを使用して実現でき
る。変更可能なメモリは、揮発性であるのか、あるいは
不揮発性であるのかに関係なく、静的または動的なRA
M、フロッピー(R)ディスクとディスクドライブ、書
き込み可能または再書き込み可能光ディスクとディスク
ドライブ、ハードドライブ、フラッシュメモリ等の任意
の1つ以上を使用して実現できる。同様に、変更不可
の、つまり固定されたメモリは、CD−ROM、または
DVD−ROMディスクなどのROM、PROM、EP
ROM、EEPROM、光ROMディスク及びディスク
ドライブ等の任意の1つ以上を使用して実現できる。
【0132】図5に図示されている回路またはルーチン
のそれぞれが、適切にプログラミングされた汎用コンピ
ュータの部分として実現できることを理解されたい。代
わりに、図5に示される回路またはルーチンのそれぞれ
は、ASIC内の物理的に別個のハードウェア回路とし
て、あるいはFPGA、PDL、PLAまたはPAL、
デジタル信号プロセッサを使用して、あるいは離散論理
素子または離散回路素子を使用して実現することができ
る。図5に示される回路またはルーチンのそれぞれが取
るであろう特定の形式は、設計の選択肢であり、当業者
に明らかで、予測可能である。
【0133】動作中、データソース300は、リンク3
10上で、原データのセット及び/または埋め込まれた
データのセットの1つまたは両方を入力出力インタフェ
ース110に出力する。同様に、ユーザ入力装置170
は、リンク172上で、所望される場合、原データ及び
/または埋め込まれたデータの1つ以上を入力出力イン
タフェース110に入力するために使用できる。どのデ
ータが入力されるのかに応じて、入力出力インタフェー
ス110は、原データ部132内で原データの受信され
たセット、及び/または埋め込み済みデータ部134で
の埋め込まれたデータを記憶するだろう。しかしなが
ら、データのこれらのセットのどちらかまたは両方が、
ある程度の初期に、ウォータマーク埋め込みシステム1
10に過去に入力されたものであろうことを理解された
い。
【0134】それから、速度マップ生成回路またはルー
チン140は、制御装置120の制御下で、埋め込み済
みデータ部から埋め込まれるデータを入力し、原データ
の部分を次元圧縮及び/または次元展開し、埋め込まれ
るデータを原データの中に埋め込むために使用できる速
度マップを生成する。速度マップ生成回路またはルーチ
ン140は、埋め込まれるデータを、ウォータマークさ
れたデータに原データを修正するために有効である速度
マップに変換するために、本出願に開示されているもの
を含むが、それらに制限されない、任意の既知のまたは
後に開発される符号化方式を使用できることを理解され
たい。それから、速度マップ生成回路またはルーチン1
40は、制御装置120の制御下で、生成された速度マ
ップを、メモリ130の速度マップ部136に、あるい
はウォータマークデータ生成回路またはルーチン150
に直接的に出力する。
【0135】ウォータマークデータ生成回路またはルー
チン150は、制御装置120の制御下で、速度マップ
部136から、または速度マップ生成回路またはルーチ
ン140から直接的に速度マップを入力する。ウォータ
マーク済みのデータ生成回路またはルーチン150は、
制御装置120の制御下で、原データ部132に記憶さ
れる原データも入力する。それから、ウォータマークデ
ータ生成回路またはルーチン150は、埋め込まれるデ
ータを原データに埋め込み、ウォータマーク済みのデー
タを形成するために、速度マップに基づいて定められた
次元に沿って原データを選択的に次元圧縮し、及び/ま
たは次元展開することによって、原データを修正する。
それから、ウォータマークデータ生成回路またはルーチ
ン150は、ウォータマークされたデータを出力し、制
御装置120の制御下で、ウォータマーク済みデータ部
138の中にそれを記憶するか、あるいは入力/出力イ
ンタフェース110に直接的にそれを提供するかのどち
らかである。
【0136】ウォータマークされたデータがウォータマ
ークデータ生成回路またはルーチン150によって生成
された後、ウォータマークされたデータは、メモリ13
0のウォータマーク済みデータ部138に無期限に記憶
することができる。ウォータマークされたデータがウォ
ータマーク埋め込みシステム100の外で必要とされる
ときなどには、入力/出力インタフェース110が、制
御装置120の制御下で、ウォータマークデータ生成回
路またはルーチン150またはウォータマーク済みデー
タ部138から直接的にウォータマークされたデータを
入力し、リンク410上でデータ受信側400にウォー
タマークされたデータを出力する。
【0137】図6は、本発明によるウォータマーク抽出
システム200の1つの例示的な実施形態を示す。図6
に示されるように、ウォータマーク抽出システム200
は、それぞれが、1本以上のデータバス/制御バス、あ
るいはアプリケーションインタフェース280によって
相互接続されている、入力/出力インタフェース21
0、制御装置220、メモリ230、分析データ生成回
路またはルーチン240、整列回路またはルーチン25
0、速度マップ生成回路またはルーチン260、及び埋
め込み済みデータ復号回路またはルーチン270を含
む。
【0138】図6に示されるように、入力/出力インタ
フェース210は、リンク312上でデータソース30
0に、リンク412上でデータ受信側400に、及び1
つ以上のリンク292上で1つ以上のユーザ入力装置2
90に接続される。上述されたように、データソース3
00及びデータ受信側400のそれぞれが、図5に関し
て上記に概略された形式のどれかを取ることができる。
【0139】リンク192、312、及び412のそれ
ぞれは、1台以上のユーザ入力装置190、データソー
ス300、及びデータ受信側400を、それぞれ、直接
ケーブル接続、広域ネットワーク上の接続、ローカルエ
リアネットワークまたは記憶領域ネットワーク、イント
ラネット上の接続、インターネット上の接続、またはそ
のどれかが1つ以上の無線部分を含むであろう任意のそ
れ以外の分散処理ネットワークまたはシステムの上での
接続を含む、ウォータマーク抽出システム200に接続
するための任意の既知の、または後に開発されるデバイ
スまたはシステムを使用して実現することができる。一
般的には、リンク192、312、及び412のそれぞ
れは、1台以上のユーザ入力装置190、データソース
300、及びデータ受信側400を、それぞれ、ウォー
タマーク抽出システム200に接続するために有効な任
意の既知のまたは後に開発される接続システムまたは構
造である場合がある。
【0140】メモリ230は、ウォータマーク済みデー
タ部232、原データ部234、分析データ部236、
速度マップ部238及び埋め込み済みデータ部239を
含む。メモリ230は、ウォータマーク抽出システム2
00を制御するために制御装置220によって使用でき
る1つ以上の制御プログラムまたはルーチンを記憶する
こともできる。ウォータマーク済みデータ部232は、
埋め込まれたデータを含むウォータマークされたデータ
を記憶する。原データ部234は、ウォータマーク済み
データ部232に記憶されるウォータマークされたデー
タを生成するために使用される原データのコピーを記憶
する。分析データ部236は、必要とされる場合、分析
データ生成回路またはルーチン240によって生成され
る分析データを記憶する。速度マップ部238は、速度
マップ生成回路またはルーチン260によって生成され
る速度マップを記憶する。埋め込まれたデータ239
は、速度マップ部238に記憶される速度マップから、
埋め込み済みデータ復号回路またはルーチン270によ
って復号された埋め込み済みデータを記憶する。
【0141】メモリ230は、変更可能な揮発性または
不揮発性メモリまたは変更不可の、つまり固定されたメ
モリの任意の適切な組み合わせを使用して実現できる。
変更可能なメモリは、揮発性であるのか、不揮発性であ
るのかに関係なく、静的または動的なRAM、フロッピ
ー(R)ディスクとディスクドライブ、書き込み可能ま
たは再書き込み可能光ディスクとディスクドライブ、ハ
ードドライブ、フラッシュメモリ等の1つ以上を使用し
て実現できる。同様に、変更不可または固定されたメモ
リは、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、
CD−ROMまたはDVD−ROMディスクなどの光R
OMディスク、及びディスクドライブ等の任意の1つ以
上を使用して実現できる。
【0142】図6に示されている回路またはルーチンの
それぞれが、適切にプログラミングされた汎用コンピュ
ータの部分として実現できることを理解されたい。代わ
りに、図6に示される回路またはルーチンのそれぞれ
は、ASIC内の物理的に別個のハードウェア回路とし
て、またはFPGA、PDL、PLA、またはPAL、
デジタル信号プロセッサを使用して、あるいは離散論理
素子または離散回路素子を使用して実現することができ
る。図6に示されている回路またはルーチンのそれぞれ
が取るであろう特定の形態は、設計の選択肢であり、当
業者に明らかで、予測可能となるだろう。
【0143】データソース300は、ウォータマーク済
みデータ部232に記憶されるウォータマークされたデ
ータ及び/または原データ部234に記憶される原デー
タを、ウォータマーク抽出システム200に出力するた
めに使用できる。同様に、該1つ以上のユーザ入力装置
290は、ウォータマークされたデータ及び原データの
どちらかあるいは両方を、ウォータマーク抽出システム
200に入力するために使用できる。データ受信側40
0は、入力/出力インタフェース210から、ウォータ
マーク抽出システム200によって抽出される、埋め込
まれたデータを入力することができる。動作中、ウォー
タマーク抽出システム200がウォータマークされたデ
ータと原データの両方をすでに含んではいない場合、ウ
ォータマーク抽出システム200は、データソース30
0及び/または1つ以上のユーザ入力装置290の1つ
または両方から見失われたデータまたはデータセットを
得る。そのデータがデータソース300及び/または1
つ以上のユーザ入力装置290から得られる場合に、そ
のデータは、入力出力インタフェース210を通して入
力され、ウォータマーク済みデータ部232及び原デー
タ部234の適切な1つに記憶される。
【0144】次に、制御装置220の制御下では、ウォ
ータマーク済みデータ部232に記憶されるウォータマ
ークされたデータ、及び原データ部234に記憶される
原データのそれぞれが、分析データ生成回路またはルー
チン240に出力される。分析データ生成回路またはル
ーチン240は、ウォータマークされたデータと原デー
タのそれぞれに分析データのセットを生成する。それか
ら、分析データ生成回路またはルーチン240は、制御
装置220の制御下で、分析データを分析データ部23
6の中に記憶するか、あるいはそれを整列回路またはル
ーチン250に直接的に提供するかのどちらかである。
【0145】整列回路またはルーチン250は、制御装
置220の制御下で、分析データ生成回路またはルーチ
ン240あるいはメモリ230のどちらかからウォータ
マークされたデータ及び原データのそれぞれについての
分析データを入力する。整列回路またはルーチン250
は、ウォータマークされたデータと原データの間の最良
の整列を決定し、この整列情報を、制御装置220の制
御下で速度マップ生成回路またはルーチン260に出力
する。整列回路またはルーチン250によって提供され
る整列情報に基づいた速度マップ生成回路またはルーチ
ン260が、ウォータマークされたデータのどの部分
が、対応する原データを基準にして圧縮または展開され
たのかを示す速度マップを生成する。速度マップ生成回
路またはルーチン260は、制御装置220の制御下
で、速度マップを速度マップ部238の中に記憶する
か、あるいはそれを埋め込み済みデータ復号回路または
ルーチン270に直接的に提供するかのどちらかであ
る。
【0146】埋め込み済みデータ復号回路またはルーチ
ン270は、制御装置220の制御下で、速度マップ部
238から、あるいは速度マップ生成回路またはルーチ
ン260から直接的に速度マップを入力する。埋め込ま
れたデータ復号回路またはルーチン270は、埋め込ま
れたデータから速度マップを生成し、埋め込まれたデー
タを速度マップから得るために使用される元の符号化方
式に基づいて速度マップを復号する。それから、埋め込
み済みデータ符号化回路またはルーチン270は、デー
タ受信側400への伝送のために制御装置220の制御
下で、復号された埋め込み済みデータを入力/出力イン
タフェース210に直接的に提供するか、あるいは埋め
込み済みデータ部239にそれを記憶する。
【0147】図4のステップS230とS240に関し
て上記に概略されたように、画像データなどのある特定
の種類のデータについて、分析データを生成することが
必要ではない場合、分析データ生成回路またはルーチン
240及びメモリ230の対応する分析データ部236
が、それぞれ省略できる。この場合、整列回路またはル
ーチン250は、速度マップを生成するために速度マッ
プ生成回路またはルーチン260によって使用される整
列情報を生成するために、ウォータマークされたデータ
及び原データで直接的に動作するだろう。対照的に、ウ
ォータマークされたデータが音声データであるとき、分
析データ生成回路またはルーチン240は、ウォータマ
ークされたデータと原データのそれぞれにスペクトログ
ラムを生成する。それから、整列回路またはルーチン2
50は、速度マップ生成回路またはルーチン260によ
って使用される整列情報を生成するためにスペクトログ
ラムを整列する。
【0148】上記に概略されたように、データは、音声
データファイルの一定の時間間隔を小さな係数で圧縮す
る及び/または展開することによって音声データファイ
ル内に埋め込まれる。上記に概略されたように、この小
さな係数はおよそ1%程度である。多様な例示的な実施
形態において、音声アーティファクトを最小限に抑える
ために、修正された間隔が、未修正の間隔に重複するよ
うに配列されることを理解されたい。この場合、重複領
域はクロスフェードされるか、あるいはそれ以外の場
合、圧縮済みのまたは展開済みの間隔と未修正間隔の間
での円滑な遷移を提供するために補間される。上記に概
略されたように、修正された間隔の圧縮及び/または展
開の長さ、場所、及び/または程度が、データを音声デ
ータファイルの中に符号化する。特に、図3で上記に概
略された方法及び図5に関して上記に概略されたウォー
タマーク埋め込みシステムは、以下のようにウォータマ
ーク音声信号Xw(t)を生成し、
【0149】
【数1】 ここで、xkは、原時間変化音声信号のk番目のブロッ
クまたは部分である。Tkは、原時間変化音声信号のk
番目のブロックまたは部分の速度マップ値である。f
TSMは、Tkに基づいたk番目のブロックまたは部分を時
間圧縮する、あるいは時間展開するために使用できる時
間スケール修正関数である。Cは連結演算である。
【0150】上記に概略されたように、この速度マップ
kは、ウォータマークを符号化する。速度マップT
kは、ウォータマークされた音声信号xw(t)を元の変
更されていない時間変化音声信号x(t)と比較するこ
とによって復元される。
【0151】実際問題として、ブロック境界での可聴の
不連続を生じさせるのを回避するために注意が必要とさ
れることがある。これは、ブロック境界でのまたはブロ
ック境界近くのデータを未変更のままとする時間スケー
ル修正アルゴリズムを使用するか、あるいはセグメント
をわずかに重複させ、ウォータマークされた信号の構築
中に重複する領域内でデータを平均化することによって
達成されよう。
【0152】音声データに関して上記に概略されたよう
に、多様な例示的な実施形態では、速度マップTkは、
原時間変化音声信号x(t)を、ウォータマークされた
音声信号xw(t)にもたらす最良の時間歪み関数を見
出すことによって復元される。線形成分を差し引くと、
ウォータマーク情報、すなわち速度マップTkが生じ
る。この速度マップTkの作成中、時間はx軸に沿って
プロットされ、時間の任意の値での速度マップTkの値
はy軸にプロットされることが理解される。これは、例
えば図7に示される。この場合、速度マップTkは、圧
縮された領域では正の傾きを、展開された領域では負の
傾きを有し、未修正の領域では0という傾きを有する。
しかしながら、図2に関して上記に概略されたように、
未修正の領域は、先行する圧縮または展開によって、中
立な値から偏位されてよい。
【0153】対照的に、図2に示されるように、速度マ
ップTkが1より大きいまたは1未満の傾きとともに変
化し、傾き1で原点を通過する線の回りで変化するよう
に、速度マップをプロットすることも可能である。
【0154】上記に概略されたように、速度マップ
k、及びしたがって埋め込まれたデータを復元するた
めに、ウォータマークされた音声データファイルは、原
時間変化音声データファイルx(t)と直接的にまたは
間接的に比較される。多様な時間変化音声信号x(t)
は、短時間フーリエ変換を使用して処理される。しかし
ながら、それ以外のパラメータによる表示は、線形予測
または音響心理学的な考慮に基づいたものを含むことを
理解されたい。以下の例では、標準周波数分析が使用さ
れることを理解されたい。
【0155】以下の例では、ウィンドウ、またはフレー
ムは、128個のサンプル幅である。22.05Hzで
サンプリングされる音声データ信号について、これは、
5.8msのフレーム幅、及び毎秒172フレームとい
うフレーム速度を生じさせる。しかしながら、可変ウィ
ンドウ幅及び可変ウィンドウ重複部も使用できることを
理解されたい。
【0156】各分析フレームは、256点ハミング(H
amming)ウィンドウでウィンドウ生成される。そ
れから、高速フーリエ変換が、ウィンドウ内のスペクト
ル成分を概算するために使用される。結果の振幅の対数
は、ウィンドウ生成されたフレームの電力スペクトルの
推定値として使用される。スペクトル成分の結果として
生じるベクトルは、対応するウィンドウのスペクトルコ
ンテンツを特徴付ける。
【0157】この標準音声処理技法がスペクトログラム
と呼ばれる。スペクトルベクトルのシーケンスは、経時
的な信号周波数コンテンツを表す。いくつかの周波数成
分は、それらの周波数成分が類似性、したがって整列を
決定するために有効ではない場合には、オプションで廃
棄されてよいことを理解されたい。例えば、多くの場
合、大きな電力を有さないきわめて低いバンドまたはき
わめて高いバンドが、オプションで廃棄されてよい。
【0158】一般的には、音声データは基準なし(re
ference−less)であることを理解された
い。すなわち、音声データは、ウォータマークされた音
声信号xw(t)を原時間変化音声信号x(t)に直接
的に整列するために使用できる直接的に認識できる内部
基準を多くの場合欠いている。音声データでは、波形の
絶対値が、多くの場合、損失のあるデータ圧縮中、及び
/またはアナログ伝送中に変更される。このようにし
て、これらの信号を直接的に整列することは、不可能で
なくても困難である。さらに、音声データを直接的に整
列するには、例えば、毎秒40Kサンプルなどの高サン
プリング速度が、音声信号の高い変化速度のために使用
されなければならない。
【0159】その結果、多様な例示的な実施形態では、
原時間変化音声信号x(t)をウォータマークされた音
声信号xw(t)に変換する最良の時間歪み関数を見つ
け出すために、原時間変化音声信号x(t)用の、及び
ウォータマークされた音声信号xw(t)用のスペクト
ログラムが決定され、比較される。スペクトログラム
は、通常、損失のあるデータ圧縮及びアナログ伝送によ
って影響を及ぼされない。さらに、例えば、毎秒あたり
数百スペクトル係数などの毎秒あたりのスペクトル係数
の相対的に低い数が、スペクトログラムを整列するため
に比較される必要がある。原時間変化音声信号x(t)
が歪まされる前に予測されるであろう、スペクトログラ
ムが整列しない場合、原時間変化音声信号x(t)は、
スペクトログラムが整列するまで制御自在に歪まされ
る。
【0160】多様な例示的な実施形態において、原時間
変化音声信号x(t)が、動的プログラミングを使用し
て歪まされることを理解されたい。動的プログラミング
は、それぞれ全体として参照してここに組み込まれてい
る、例えば、D.Sankoffら編集、1999年C
SLI出版の「時間の歪み、文字列編集、及び高分子:
文字列比較の理論と実践」(Time Warps,
String Edits, an Macromol
ecules: The Theory and Pr
actice of String Comparis
on)のJ.Kruskalらの「シーケンス比較のた
めのアルゴリズム及び概念のアンソロジー(An an
thology of Algorithms and
Concepts for Sequence Co
mparison)」及び米国特許第4,384,27
3号で文書により十分に立証されていることを理解され
たい。動的プログラミングの詳細はここでは説明されな
い。ただし、動的プログラミングによって二次時間で最
適な整列経路が見出されることが立証できることを理解
されたい。
【0161】動的プログラミング技法が、速度マップT
kを復元するのに特によく適しており、本発明によるシ
ステム及び方法の多様な例示的な実施形態で容易に使用
できることを理解されたい。例えば、動的プログラミン
グ技法は、原時間変化音声信号x(t)及びウォータマ
ークされた音声信号x(t)が正確に同時に開始し、終
了しないときの状況を良好に処理する。従って、例え
ば、ウォータマークされた音声信号xw(t)が連続的
な一斉送信から抽出されると、ウォータマークされた音
声信号xw(t)として抽出される連続的な一斉送信の
開始点と終了点を正確に特定することは必要ではないだ
ろう。同様に、動的プログラミング技法は、複数のフレ
ームスペクトルが正確に一致しない状況も良好に処理す
る。特に、動的プログラミング技法は、複数のフレーム
スペクトルがその隣接するものに対するよりも、互いが
より類似している限り、速度マップTkをうまく特定す
る。結果的に、動的プログラミング技法を使用すると
き、本発明のシステム及び方法は、妥当なスペクトル歪
みに対して耐久性が大きい。
【0162】上記に概略されたように、ウォータマーク
された音声信号xw(t)の圧縮部分または展開部分と
原時間変化音声信号x(t)の対応する部分の間の予想
変位は、一般的にはきわめて小さいことも理解された
い。その結果、図2に示されるように、最良の時間歪み
関数は、対角線から大幅には逸脱しない。この場合、動
的プログラミング技法を、対角線の非常に近くにあるそ
れらの時間歪み関数だけを求めることによって実質的に
線形の時間内で動作させることができる。同様に、例え
ば、サンプリング速度変換または不正確なアナログ再生
速度によって引き起こされる全体的な時間修正は、動的
プログラミング技法によって良好に処理されるだろう。
この場合、速度マップTkは、正方形よりむしろ2つの
信号のクロス積によって形成される矩形の対角線を差し
引くことによって復元することができる。
【0163】すなわち、同じ長さの2つの信号を比較す
るとき、クロス積は正方形である。すなわち、正方形の
一方の軸の1つの信号及び他方は、図2でのように他方
の上にプロットされる。各信号が同じ長さである場合、
結果は正方形となるだろう。一方の信号が他方より長い
場合には、結果は矩形である。速度の偏差のない「線形
一致」は、例えば、図2の対角点線などのその矩形の対
角線に沿うだろう。
【0164】速度関数f(t)の全体的なデータ転送速
度が、速度マップTkとウォータマークされた音声信号
w(t)の劣化の間のトレードオフであることを理解
されたい。これは、圧縮または展開間隔のための最小長
さを1ブロックであると考えることによって説明するこ
とができる。説明をさらに容易にするために、すべての
ブロックの長さは、同じ値に設定することができる。多
様な例示的な実施形態では、各ブロックは、1±εとい
う係数で圧縮または展開することができる。εが十分に
小さい場合には、圧縮及び展開はεの整数倍数に離散化
することができる。すなわち、各ブロックは、1±nε
という係数で圧縮または展開することができ、nは小さ
い整数である。ブロックを非圧縮、つまりn=0のまま
にすることもできることも理解されたい。
【0165】可聴アーティファクトを低減するために、
nの大きさがなんらかの小さな値n未満に制限されるこ
とが、厳密に必要ではないが、得策である。同じ理由か
らnの値の変化は、隣接するブロック間で小さくなくて
はならない。ファイルの時間長を保存するために、多様
な実施形態においては、nが信号内の全ブロック全体で
総計して0になることも得策である。ただし、これは厳
密に必要ではない。圧縮の総量が展開の総量に正確に等
しくなるときに、nが総計して0になることを理解され
たい。また、nが負の値をとることが許されていること
も理解されたい。このようにして、あらゆるブロックb
は、以下のようになるよう関連付けられた符号値nb
有するだろう。
【0166】−N≦nb≦N B個のブロックを有するウォータマークされた音声信号
w(t)の場合、埋め込まれたデータは、従って、シ
ーケンスn0、n1、…nBを備える。このシーケンス
は、速度マップTkの導関数を量子化することによって
復元された速度マップTkから得られることを理解され
たい。
【0167】本発明者は、ブロック長に約0.5s、ε
の値に約0.01(1%)、及びNの値に2を使用する
ことによって、データを音声データ信号に妥当に埋め込
むことができることを確認した。これらの値を使用する
と、毎秒の音声データ信号が約2log2(2N+1)
ビットを符号化することができる。これは、毎秒8ビッ
トよりわずかに多い。これが例外的に大きなデータ転送
速度ではないことを理解されたい。ただし、典型的な流
行歌の長さが少なくとも約180秒であることを考慮す
ると、約180バイトをその典型的な流行歌に符号化す
ることは可能である。特に、180バイトは、通常、歌
のタイトル、アーチスト、出版社、及び識別番号(ID
番号)をその典型的な流行歌の音声データに符号化する
のに十分なデータより多い。さらに、単一のウォータマ
ークとして使用されるとき、埋め込まれるデータの18
0バイトは、10400の個々の識別値より多くを生じさ
せるだろう。これは、通常、例えば、ソース識別子、デ
バイス識別子及びタイムスタンプの任意の考えられる組
み合わせに十分な値より多いだろう。
【0168】図7は、2つの例示的な速度マップf1
2を示す。図7に示されるように、時間はx軸に沿っ
てプロットされるが、これらの速度マップに従って修正
されウォータマークされた音声データ信号xw(t)と
原時間変化音声信号x(t)の間のフレーム偏位、つま
り正味の偏位は、x軸に沿ってプロットされる。これら
の速度マップf1とf2によって符号化されるバイナリ値
も、図7に図示されている。特に、この符号化方式は3
つの部分から成る値を符号化し、+1はフレーム偏位の
増加で符号化され、−1はフレーム偏位の減少で符号化
され、0は一定のフレーム偏位で符号化される。
【0169】特に、これらの2つの速度マップf1とf2
は、それぞれ流行歌の同じ10秒の抜粋に適用された。
この音声信号を修正するために使用される次元圧縮及び
次元展開の率は、1秒の領域で2%であった。その結
果、20msつまり3.44フレームの総変位が得られ
た。特に、第1速度マップf1を使用すると、1秒と8
秒で出現する音声信号の第1コピーのブロックは次元展
開されたが、3秒と6秒で出現するブロックは次元圧縮
された。対照的に、第2速度マップf2に基づき、2秒
と7秒で出現する音声信号の第2コピーは次元圧縮され
たが、5秒と6秒で出現するブロックは次元展開され
た。
【0170】図7では、速度マップf1とf2がスペクト
ログラムフレームの線形時間からの偏差を示すことを理
解されたい。図7に示される速度マップf1とf2では、
次元圧縮及び次元展開の領域は、多くの場合対応する原
ブロックから偏位される通常の速度のブロックが出現す
る時間偏位の平坦部がそうであるように、容易に検出可
能である。これらの平坦部は、多様な次元圧縮及び展開
のブロックによって引き起こされた。
【0171】特に、ウォータマークされた音声信号xw
(t)と原時間変化信号x(t)の間の時間差は±1フ
レーム以内まで求められた。これは、追加レベル及び/
または展開が、この音声信号の中に埋め込まれる情報容
量を効果的に倍増するために使用できるであろうことを
示唆している。類似速度マップは、サウンドトラック、
話、及びオーケストラ音楽などの他の音声ドメインから
の音声信号にも適用され、同様に良好な結果を得た。
【0172】速度マップf1とf2を使用してウォータマ
ークされた音声信号を生成した後、ウォータマークされ
た音声信号はデータ圧縮され、その後データは64kB
MP3符号化及び復号化を使用して復元された。速度
マップf1とf2、したがって埋め込まれたデータは、こ
の損失のある符号化と復号化を経ても容易に存続しつづ
けた。これらのウォータマークされた音声信号が非公式
な傾聴試験で数多くの被験者のために再生されたとき、
傾聴者は音声信号の時間ベースの圧縮と展開を概して検
出できなかった。
【0173】図8は、本発明に従って埋め込まれたウォ
ータマークの復元性を試験した別の実験から得られた1
つの例示的な結果を示す。この実験では、原時間変化音
声信号は流行歌からの20秒の抜粋であった。この20
秒の抜粋は、20,050Hzというサンプリング速度
を有するモノラル表現に変換された。この実験では、き
わめて単純な符号化方式が、原時間変化音声信号の16
の異なるコピーのそれぞれにウォータマークとして一意
の4ビットデータ文字列を符号化するために使用され
た。すなわち、各コピーは異なる4ビットのウォータマ
ークを与えられた。この符号化方式では、1ビットの情
報は、1対の2秒ブロックを使用して符号化された。2
秒ブロックの各対では、その対のブロックの一方が圧縮
され、他方のブロックは展開された。特に、バイナリ
(2進数)「1」は、第2ブロックを展開しながら、第
1ブロックを圧縮することによって表された。対照的
に、バイナリ「0」は、第2ブロックを圧縮しながら、
第1ブロックを展開することによって表された。
【0174】通常、1対の各ブロックは、他のブロック
がそれぞれ次元圧縮または次元展開されたのと同じパー
センテージ分、次元展開または次元圧縮された。このよ
うにして、2つの2秒ブロックの各対の全長は、名目上
4秒のままであった。
【0175】使用できるであろうさらに効率的なコーデ
ィング方式があることを理解されたい。特に、時間スケ
ール修正のない領域を使用するコーディング方式は、追
加の状態を符号化するために使用され、3つの部分から
成るコーディング方式を生成できるだろう。
【0176】上記に概略されたきわめて単純なコーディ
ング方式を使用すると、ウォータマークされた音声信号
は、原時間変化音声信号の次元圧縮及び次元展開された
領域を連結することにより、時間変化する原音声信号か
らリアルタイムで生成できるだろう。この場合、原時間
変化信号の次元圧縮されたバージョンと、原時間変化信
号の次元展開されたバージョンは、それぞれ、2.5%
という次元圧縮または展開の率を使用して生成された。
各バージョンは、それぞれが2秒の長さの10個の等し
いブロックに均等に分割された。ウォータマークされた
音声信号は、次元圧縮され、次元展開されたブロックを
連結する簡略な方法によって作成された。ブロックは、
原時間変化音声信号のその特定のコピーの中に符号化さ
れる特定の4ビットのデータに基づいて選択された。ウ
ォータマークされた音声信号の始まりと最後でのブロッ
クは圧縮されなかった。ウォータマークされた音声信号
の真中の16秒だけが変更された。
【0177】次元圧縮及び次元展開の考えられるシーケ
ンス、つまり0の場合の次元圧縮が後に続く次元展開、
または「1」の場合の次元展開が後に続く次元圧縮は既
知であるため、ウォータマークされた音声データに埋め
込むことができるであろう16個の4ビット値のそれぞ
れに対応する、速度マップが何である必要があるのかを
概算することが比較的直截である。例えば、次元展開の
領域が後に続く次元圧縮の指定された領域を考慮する
と、速度マップは、加速してから再びバイナリ「1」に
対応するゼロ偏位に減速する。対照的に、次元圧縮の領
域が後に続く次元展開の領域を考慮すると、速度マップ
は減速してから、再び、バイナリ「0」を示すゼロ偏位
まで加速するだろう。このようにして、速度マップは、
バイナリ「1」の場合にピークを有するであろうが、速
度マップはバイナリ「0」について谷を有するだろう。
【0178】したがって、図8に示されるように、図8
に示されるテンプレートf3のようなテンプレートは、
予想される速度変化に対応する線形傾斜を有して構築す
ることができる。特に、図8に示されているテンプレー
ト速度マップf3は、4ビットバイナリ値「0010」
に一致する。図8は、上記に概略されたシステム及び方
法に従って、バイナリ文字列「0010」で埋め込まれ
たウォータマークされた音声データファイルから復元さ
れた速度マップf3’も示す。図8に示されるように、
復元された速度マップf3’は、このバイナリ文字列の
テンプレート速度マップf3と非常に近い。テンプレー
トのそれぞれを復元された速度マップのそれぞれと比較
することによって、指定された速度マップがかなり高い
精度でどのテンプレートに一致するのかを統計的に判断
することができる。
【0179】そこで、それは、次元圧縮及び展開された
データファイルから復元される実際の速度マップを用い
て、考えられるシーケンスのそれぞれに、テンプレート
のそれぞれの類似性スコアを生成するという単純な問題
である。例えば、復元された速度マップとテンプレート
の間の角度のコサインは有効な測定基準である。このよ
うにして、i個の異なるテンプレートごとに、そのテン
プレートと復元されたテンプレートマップの間でコサイ
ン値を求めることができる。すなわち、
【0180】
【数2】 であり、ここで、 は、復元された速度マップを定義するベクトルである。 は、i番目のテンプレートを定めるベクトルである。そ
して、Dciは、 の間の角度のコサインである。
【0181】この測定基準は、それが実際のベクトルの
大きさに関係なく使用可能な類似性スコアを生成できる
ために特に有効である。
【0182】上記に概略された実験では、この測定基準
を使用するとき、復元された速度マップと一致すると演
繹的に知られていたテンプレートが、それ以外の15の
テンプレートのどれよりもはるかに高い類似性スコアを
示した。それぞれが16のテンプレートの1つに対応す
る16の異なる復元された速度マップは、16の考えら
れるテンプレートのそれぞれと比較され、256(16
2)の異なる速度マップ対テンプレートの比較を生成す
る。復元された速度マップと対応するテンプレートの比
較のための最小コサイン距離Dcは、.910であっ
た。対照的に、復元された速度マップと対応しないテン
プレートの比較のための最大コサイン距離Dcは、0.
618であった。従って、類似性スコアは、明らかに及
び正確に対応するテンプレートを識別した。
【0183】スコア差は、復元された速度マップとテン
プレートの間のハミング距離に比例していた。スコア距
離を増加するためには、さらに大きなハミング距離を有
するテンプレートの部分集合が使用できるだろう。例え
ば、偶数パリティのある8つの4ビット符号、つまり奇
数個の1が使用できるだろう。これが、少なくとも2と
いうハミング距離を保証する。この場合、復元された速
度マップと対応しないテンプレートの間の比較のための
最大コサイン距離Dcは、0.238まで低減された。
【0184】テンプレート照合だけではなく、閾値処理
も、バイナリ関数値、3値関数値、またはそれ以外の多
価の関数値の文字列に、復元された速度マップを変換す
るために使用できることを理解されたい。例えば、図3
に示されている3値数は、+1フレームと−1フレーム
に設定される閾値を使用するときに得られる3値数を示
す。
【0185】上記に概略されたように、本発明によるシ
ステム及び方法は、時間以外の次元に沿って変化する成
分を有するデータに適用できる。例えば、上記に概略さ
れたように、本発明によるシステム及び方法は、ビデオ
画像、静止画像等の空間的に変化するデータを有するデ
ータ型に適用することができる。例えば、空間的に変化
するデータの選択された部分を、選択的に空間圧縮及び
空間展開することによって、ビデオ画像及び静止画像な
どの空間的に変化するデータに適用されると、本発明に
よるウォータマークシステム及び方法は、損失のある圧
縮及びアナログ再生の下で耐久性がある。
【0186】空間的に変化するデータが画像データであ
るとき、ウォータマークされた符号化は、デジタル的に
だけではなく、光学的にも、プリンタまたは複写機の機
構で直接的にも容易に実現できる。例えば、ウォータマ
ークされた符号化は、走査された、または印刷された画
像の空間的に圧縮されまたは展開された領域を生じさせ
るために、スキャナでプリントを体系的に減速するまた
は加速するなど、スキャナまたは印字ヘッドの速度を変
更することによって画像データに導入することができ
る。ウォータマークの符号化を直接プリンタに実行する
ことは、特に高い安全の適用において価値があるという
ことを理解されたい。すなわち、複写機またはプリンタ
は、時間、日付、場所、デバイス識別(デバイスI
D)、ユーザ識別(ユーザID)及び/または類似物
を、作成される、あるいは印刷されるあらゆるコピーの
中に符号化できるだろう。このようにして、不正なコピ
ーが発見されると、埋め込まれたウォータマーク情報
が、その不正なコピーをいつ、どこで、及び/または誰
が作成したのかを特定するのに役立つだろう。
【0187】本発明によるシステム及び方法を、画像デ
ータなどの空間的に変化するデータに適用すると、空間
的に変化するデータの領域は、気付かれないほどの量、
次元圧縮または次元展開される。周知のデジタル再サン
プリング技法は、少量、画像領域を引き伸ばすまたは圧
縮することができる。代わりに、機械的な方法または光
学的な方法が、上記に概略されるように、画像領域を少
量引き伸ばす、あるいは動的に圧縮するために使用する
ことができる。上記に概略されたように、画像が複数の
次元で展開する場合、歪みの2つまたは3つ以上の軸が
使用できる。
【0188】2次元画像または空間的に変化するデータ
のそれ以外のセット全体で微分的に「ストライプ」を歪
めることが可能であることも理解されたい。しかしなが
ら、歪みに平行でない直線は、もはや完全にまっすぐに
はならないので、これがさらに顕著なアーティファクト
につながる可能性があることを理解されたい。特に、画
像の小さな集合について、特に対角に通る規則正しい線
またはグリッドを有する画像について、これは目に見え
るねじれにつながるだろう。
【0189】音声データについて上記に概略されたよう
に、画像データは、最も知覚できない変更を生じさせる
であろうウォータマークの領域またはモードを見出すた
めに分析することができる。例えば、画像のフーリエ分
析は、その方向での空間周波数が最も低い角度を見出す
ことができる。この方向を歪みアクセスとして使用する
と、知覚できるアーティファクトが最小限に抑えられる
だろう。従って、例えば、複数の平行線を有する画像に
ついて、フーリエ分析は、線の方向を容易に見出すこと
ができる。画像をその方向に平行に歪めると、より知覚
しづらいアーティファクトが生じることになるだろう。
【0190】一般的に、小さな程度の歪みを考慮して、
本発明のシステム及び方法によるウォータマーク画像デ
ータは、通常、画像の大多数に知覚できる変化を生じさ
せないだろう。走査されたテキストは特に影響を受けな
い。これは、カーニング及び線塗りつぶしのための自然
な変動が歪んだ領域を特によく隠す傾向があるために起
こる。例えば、図9は、原画像、本発明のシステム及び
方法によって生成された埋め込み済みのデータを含む画
像、及び原画像データをウォータマークされた画像デー
タに変換するために使用される速度マップを示す。特
に、ウォータマークされたデータを最初に特定しない
と、通常、それらが密接に隣接していようとも離れた2
つの例を見分けることは不可能である。
【0191】特に、図9では、テキスト部分30が原画
像データであるが、テキスト部分32はウォータマーク
された画像データである。図9に示される速度マップ3
4は、音声データに関して上記に概略されたように、動
的プログラミングを使用して復元される。ただし、直接
の比較が上述された理由のために問題を含む時間変化す
る音声データとは異なり、図9に示される画像部分30
と32は、直接比較することができる。これは、画像デ
ータが上縁と下縁及び側縁などの、通常は損失のあるデ
ータ圧縮及びアナログ伝送によって影響を及ぼされず、
相対的に低いサンプリング速度で識別することのできる
内部基準点を含むために起こる。このように、画像部分
30と32は、画像部分30と32を整理するために、
直接に比較することができる。
【0192】歪み軸に垂直なピクセルの列は、ちょうど
スペクトルベクトルが音声データについて比較できるよ
うに、ユークリッド距離測定基準またはそれ以外の距離
測定基準によって比較することができる。歪み方向が、
画像軸のどれかに平行である必要はないことが理解され
るべきである。ただし、歪み方向を画像軸の1つに平行
に位置すると、速度マップ復元が簡略化される傾向があ
る。
【0193】特に、図10は、ウォータマークされた画
像データ部分32と原画像データ部分30をピクセル単
位で比較することによって得られる速度マップf4を示
す。図10に示されるように、空間次元、この場合ピク
セルは、x軸に沿ってプロットされるが、やはりピクセ
ル単位の偏位はy軸に沿ってプロットされる。図10に
示されるように、偏位は0ピクセルと約300ピクセル
の間で0である。それから、300ピクセルと400ピ
クセルの間では、偏位は0から約−3ピクセルまで降下
する。それから、偏位は、約400ピクセルから約60
0ピクセルまで一定のままとなり、その時点で偏位は6
00ピクセルと800ピクセルの間で約−3ピクセルか
ら0ピクセルに上昇する。
【0194】この速度マップによって符号化される情報
が、この速度マップを作成するために使用される特定の
符号化方式に依存することを理解されたい。しかしなが
ら、速度マップf4を作成するため、あるいはウォータ
マークされた画像データの生成のため原画像データの部
分を空間的に圧縮、展開するのに使用されるそれ以外の
速度マップを作成するために、上記に概略された符号化
方式のどれもが使用できることを理解されたい。
【0195】図11から図16は、システムの多様な例
示的な実施形態、システムの第2の例示的な実施形態に
よる方法、及び本発明による方法を示す。本発明による
システム及び方法のこの第2の例示的な実施形態では、
音声データの場合でのように間接的であるのか、画像デ
ータの場合でのように直接的であるのかに関係なく、ウ
ォータマークされたデータセットを原データセットと比
較するよりむしろ、データセットは、この比較の必要性
を排除するために修正することができる。すなわち、原
データセットは、データの速度が、それが重要な次元x
に沿って延びるにつれて事前に定義された速度を有する
ように、分析及び修正することができる。最も簡略な場
合には、この事前に定められた速度は、一定の速度であ
る場合がある。しかしながら、さらに複雑な状況におい
ては、原データセットの速度は、それ自体、正弦関数等
などの定められた関数に従って変化することがある。
【0196】多くの従来のウォータマーク技法において
だけではなく、本発明によるシステム及び方法の第1の
例示的な実施形態の多様な例示的な実施形態の1つの不
利な点とは、埋め込まれたデータを復元するために、原
データが必要とされるという点である。これは、デジタ
ル権利管理などの、データセットの所有者が原データセ
ットへのアクセスを有するであろう多くの応用例にとっ
ては完全に許容できることを理解されたい。しかしなが
ら、元の、変更されていないデータセットに対する参照
を必要とせずに埋め込まれたデータを抽出することがで
きることが望ましいであろう多くの応用例がある。
【0197】例えば、時間変化するデータをウォータマ
ークすることができ、時間変化するデータの実際の速度
が推論または予測できる場合に、原データセットに対す
る参照を必要とせずに埋め込まれたデータを抽出するこ
とができる。例えば、音声データの速度または会話速度
を分析し、求めることができるようにする方法が存在す
る。1つのこのような技法が、マルチメディア及びエク
スポに関するIEEE国際会議議事録(Proc.IE
EE International Conferen
ce on Multimedia and Expo
(ICME)、2001年、HTTP://www.f
xpal.com/people/foote/pap
ers/icme2001.htm)のJ.Foote
らの「ビートスペクトル:リズム分析に対する新しいア
プローチ(The Beat Spectrum: A
New Approach to Rhythm A
nalysis)」に開示されている。従って、将来の
ある短い時間で信号速度を予測するために、時間変化す
るデータセットを分析することは、通常簡単なことであ
る。この情報は、原データ信号に対する参照を必要とせ
ずに、本発明によるシステム及び方法を使用してデータ
セットを埋め込み、時間変化するデータセットから抽出
するために使用することができる。
【0198】このようにして、本発明によるシステム及
び方法の第2の例示的な実施形態の多様な例示的な実施
形態では、原データセットが分析され、重要な次元xに
沿った原データセットの速度が、予測される速度と一致
するように変更される。一次予測アルゴリズムが使用さ
れる場合、速度調整済みの信号が一定の速度を有するだ
ろう。高次予測アルゴリズムが使用される場合、速度調
整済みの信号は、この高次予測によって規定される速度
を正確に有するだろう。それから、速度調整済みの信号
は、図1から図10に関して上記に概略されたシステム
及び方法の多様な例示的な実施形態を使用して重要な次
元xに沿って延びる速度調整済みの信号の部分を選択的
に次元圧縮及び次元展開することによってさらに修正さ
れる。
【0199】埋め込まれたデータを復元するためには、
特定の一次または高次予測アルゴリズムに基づいて予測
された速度とウォータマークされたデータセットの実際
の速度の間の速度差だけが識別される必要がある。これ
は、出現するはずである速度差だけが、埋め込まれたデ
ータをウォータマークされたデータセットに符号化する
選択された次元展開及び次元圧縮のために発生する差で
あるためである。予測アルゴリズムが一貫している限
り、予測アルゴリズムが特に正確である必要はないこと
を理解されたい。しかしながら、言うまでもなく、予測
アルゴリズムが正確であるほど、速度調整済みの信号は
原信号によりうまく一致するだろう。
【0200】図11は、本発明により原データのセット
にウォータマークデータを埋め込むための方法の第2の
例示的な実施形態を概略するフローチャートである。図
11に示されるように、この方法の動作はステップS3
00で開始し、原データセットが入力されるステップS
310へ続く。それから、ステップS320で、原デー
タセットが分析される。次に、ステップS330で、ス
テップS320での原データの分析に基づいて、原デー
タの部分ごとに予測される速度が求められる。それか
ら、動作はステップS340へ続く。
【0201】ステップS340では、原データの各部分
の速度は、ステップS330で求められたその部分の予
測速度に一致するように変更される。次に、ステップS
350では、原データの中に埋め込まれるデータのセッ
ト、つまりウォータマークデータが入力される。それか
ら、ステップS360で、速度マップf(q)が、埋め
込まれるデータに基づいて生成される。それから、動作
はステップS370へ続く。
【0202】ステップS370では、ステップS310
で入力された原データの部分が、ステップS350で入
力される、埋め込まれるデータが埋め込まれているウォ
ータマークされたデータを生成するために、速度マップ
f(q)に基づいて選択的に次元圧縮及び次元展開され
る。次に、ステップS380では、ウォータマークされ
たデータが出力される。それから、ステップS390
で、方法の動作が終了する。
【0203】ステップS350では、ウォータマークさ
れたデータが多岐に渡る方法で出力できることを理解さ
れたい。例えば、ウォータマークされたデータが音声デ
ータである場合、ウォータマークされたデータは、デジ
タル音声テープまたは標準アナログカセットテープの上
に記憶され、AM、FMまたは衛星ラジオ放送として一
斉送信し、ストリーミングMP3またはリアル音声フォ
ーマットを介して、分散ネットワーク上で流すことがで
きる。代わりに、音声ファイルは、それがすでにデジタ
ル形式ではない場合にはデジタル化し、コンパクトディ
スク、CD−ROM、DVD、または任意の他の揮発性
または不揮発性のデジタルメモリデバイスに記憶するこ
とができる。さらに、ウォータマークされたデータファ
イルは、音声データファイルに適切な任意の既知の、あ
るいは後に開発されるデータ圧縮技法を使用してデータ
圧縮し、上述されたメモリデバイスの1つに記憶するこ
とができる。データが圧縮されているかどうかに関係な
く、ウォータマークされた音声データが、既知のあるい
は後のプレイバックデバイス、あるいはインターネッ
ト、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、
記憶領域ネットワーク、イントラネット、エクストラネ
ット、公衆加入電話網及び/またはケーブルテレビ網な
どの分散ネットワーク上での記憶及び/またはプレイバ
ックのために遠隔して位置するコンピュータまたは記憶
装置に伝送することができることも理解されたい。
【0204】図12は、本発明に従ってウォータマーク
されたデータファイルから埋め込まれたデータを抽出す
るための方法の1つの例示的な実施形態を概略するフロ
ーチャートである。図12に示されるように、この方法
の動作はステップS400で開始し、ウォータマークさ
れたデータファイルが入力されるステップS410へ続
く。それから、ステップS420では、ウォータマーク
されたデータファイルが分析される。次に、ステップS
430では、ステップS420でのウォータマークされ
たデータの分析に基づいて、ウォータマークされたデー
タの各部分の予測された速度が求められる。それから、
動作はステップS440へ続く。
【0205】ステップS440では、ウォータマークさ
れたデータの部分ごとに、その部分について予測される
速度とその部分の実際の速度との差が求められる。次
に、ステップS450では、ウォータマークされたデー
タの各部の予測された速度とウォータマークされたデー
タ各部の実際の速度との求められた差に基づいて、速度
マップが生成される。それから、ステップS460で
は、該速度マップがウォータマークされたデータの中に
埋め込まれた埋め込み済みデータを得るために変換また
は復号される。それから、動作はステップS470へ続
く。
【0206】ステップS470では、埋め込まれたデー
タは、1つ以上のデータ受信側に出力される。それか
ら、ステップS480では、この方法の動作が終了す
る。
【0207】ステップS470において、ウォータマー
クされたデータから抽出された埋め込み済みのデータ
が、それを表示または印刷することによって出力できる
ことを理解されたい。埋め込み済みのデータは、表示記
憶または追加伝送のために抽出されたデータを別個のサ
イトに伝送するために、抽出されたデータを記憶するこ
とによって、または図3に関して上述されたものなどの
伝送システム上で抽出されたデータを伝送することによ
っても出力することができる。
【0208】図13は、本発明によるウォータマーク埋
め込みシステム500の1つの例示的な実施形態を示
す。図13に示されるように、ウォータマーク埋め込み
システム500は、それぞれが1本以上のデータ/制御
バスまたはアプリケーションプログラミングインタフェ
ース580によって相互接続される、入力/出力インタ
フェース510、制御装置520、メモリ530、速度
予測回路またはルーチン540、速度調整回路またはル
ーチン550、速度マップ生成回路またはルーチン56
0、及びウォータマークデータ生成回路またはルーチン
570を含む。さらに図13に示されるように、1つ以
上のユーザ入力装置590が、入力/出力インタフェー
スに1つ以上のリンク592上で接続される。さらに、
データ受信側400がリンク410上で接続されるよう
に、データソース300は入力出力インタフェース51
0にリンク310上で接続される。
【0209】リンク572、310、及び410のそれ
ぞれは、その内のどれかが1つ以上の無線部分を含むで
あろう直接ケーブル接続、広域ネットワークまたはロー
カルエリアネットワーク上の接続、イントラネット上の
接続、インターネット上の接続、または任意のそれ以外
の分散型処理ネットワークまたはシステム上の接続を含
むウォータマーク埋め込みシステム500に、1つ以上
のユーザ入力装置570、データソース300及びデー
タ受信側400をそれぞれ接続するために既知のまたは
後に開発されるデバイスまたはシステムを使用して実現
することができる。一般的には、リンク572、310
及び410のそれぞれが、1つ以上のユーザ入力装置5
70、データソース300、及びデータ受信側400の
それぞれをウォータマーク埋め込みシステム500に接
続するために使用できる既知のまたは後に開発される接
続システムまたは構造である場合がある。
【0210】入力/出力インタフェース510は、デー
タソース300及び/または該1つ以上のユーザ入力装
置590からデータを入力し、データをデータ受信側4
00に出力する。また、入力出力インタフェース510
は、制御装置520、メモリ530、及び/または速度
予測回路またはルーチン540の1つ以上にデータを出
力し、制御装置520、メモリ530、及び/またはウ
ォータマークデータ生成回路またはルーチン570の1
つ以上からデータを受信する。
【0211】メモリ530は、原データ部532、埋め
込み済みデータ部534、速度予測データ部分536、
調整済み原データ部537、速度マップ部538、及び
ウォータマーク済みデータ部539の1つ以上を含む。
原データ部532は、埋め込み済みデータ部534の中
に記憶された埋め込みデータが、ウォータマークされた
データを形成するために埋め込まれるであろう原データ
を記憶する。埋め込み済みデータ部534は、原データ
の中に埋め込まれる埋め込み済みデータを記憶する。予
測速度データ部536は、原データの部分ごとに予測さ
れる速度を記憶する。調整済み原データ部537は、原
データの部分について予測される速度に一致する速度を
有する速度調整済み原データを記憶する。速度マップ部
538は、速度マップ生成回路またはルーチン560に
よって生成される速度マップを記憶する。ウォータマー
ク済みデータ部539は、ウォータマークデータ生成回
路またはルーチン570によって生成されるウォータマ
ーク済みデータを記憶する。メモリは、ウォータマーク
埋め込みシステム500を動作するために制御装置52
0によって使用される1つ以上の制御ルーチンを記憶す
ることもできる。
【0212】メモリ530は、変更可能な揮発性または
不揮発性メモリ、あるいは変更不可の、つまり固定され
たメモリの適切な組み合わせを使用して実現することが
できる。変更可能なメモリは、揮発性であるか、不揮発
性であるかに関係なく、静的RAMまたは動的RAM、
フロッピー(R)ディスクとディスクドライブ、書き込
み可能または再−再書き込み可能光ディスクとディスク
ドライブ、ハードドライブ、フラッシュメモリ等のどれ
か1つ以上を使用して実現することができる。同様に、
変更不可のつまり固定されたメモリは、CD−ROMデ
ィスクまたはDVD−ROMディスクなどのROM、P
ROM、EPROM、EEPROM、光ROMディスク
とディスクドライブ等のどれか1つ以上を使用して実現
することができる。
【0213】図13に示される回路またはルーチンのそ
れぞれが、適切にプログラミングされた汎用コンピュー
タの部分として実現できることを理解されたい。代わり
に、図13に示される回路またはルーチンのそれぞれ
は、ASIC内の物理的に別個のハードウェア回路とし
て、あるいはFPGA、PDL、PLA、またはPA
L、デジタル信号プロセッサを使用するか、あるいは離
散論理素子または離散論理素子を使用して実現すること
ができる。図13に示される回路またはルーチンのそれ
ぞれが取るであろう特定の形態は設計上の選択肢であ
り、当業者に明らかで、予測可能であろう。
【0214】動作中、データソース300は、入力出力
インタフェース590に対し、リンク310上へ原デー
タのセット及び/または埋め込まれたデータのセットの
1つまたは両方を出力する。同様に、ユーザ入力装置5
90は、所望される場合、リンク592の上で入力出力
インタフェース510に、原データ及び/または埋め込
まれたデータのセットの1つ以上を入力するために使用
できる。どのデータが入力されるのかに応じて、入力出
力インタフェース510は、原データ部532の中に原
データの受信されたセットを、及び/または埋め込み済
みデータ部534の中に埋め込まれたデータを記憶す
る。しかしながら、データのこれらのセットのどちらか
あるいは両方が、より早い時期に、ウォータマーク埋め
込みシステム510の中に過去に入力できたであろうこ
とを理解されたい。
【0215】速度予測回路またはルーチン540は、制
御装置520の制御下で、入力/出力インタフェース5
10または原データ部532のどちらかから、原データ
を入力する。速度予測回路またはルーチン540は、原
データの部分ごとに、その部分の予測されるまたは予想
される速度を求める。速度予測回路またはルーチン54
0は、制御装置520の制御下で、原データの各部分に
ついての予測される速度を、予測速度データ部536
に、または直接に速度調整回路またはルーチン550に
出力する。
【0216】それから、制御装置520の制御下の速度
マップ生成回路またはルーチン560は、埋め込み済み
データ部534から埋め込まれたデータを入力し、埋め
込まれたデータを速度調整済み原データの中に埋め込む
ために、速度調整済み原データの部分を次元圧縮する、
及び/または次元展開するために使用できる速度マップ
を生成する。速度マップ生成回路またはルーチン560
が、ウォータマーク済みデータに原データを修正するた
めに使用できる速度マップに、埋め込まれるデータを変
換するために、本出願に開示されるものを含むが、それ
らに限られない既知のまたは後に開発される符号化方式
を使用することができることを理解されたい。それか
ら、速度マップ生成回路またはルーチン560は、制御
装置520の制御下で、メモリの速度マップ部538
に、または直接的にウォータマークデータ生成回路また
はルーチン570に生成された速度マップを出力する。
【0217】ウォータマークデータ生成回路またはルー
チン570は、制御装置520の制御下で、速度マップ
部538から、または速度マップ生成回路またはルーチ
ン560から直接に速度マップを入力する。ウォータマ
ークデータ生成回路またはルーチン570は、制御装置
520の制御下で、調整済み原データ部537に記憶さ
れた速度調整済み原データも入力する。それから、ウォ
ータマークデータ生成回路またはルーチン570は、埋
め込み済みデータを速度調整済み原データの中に埋め込
み、ウォータマークされたデータを形成するために、速
度マップに基づいて定められた次元に沿って速度調整済
み原データを選択的に次元圧縮及び/または次元展開す
ることによって、速度調整済み原データを修正する。そ
れから、ウォータマークデータ生成回路またはルーチン
570は、ウォータマークされたデータを出力し、制御
装置520の制御下で、それをウォータマーク済みデー
タ部539の中に記憶するか、あるいは直接的に入力/
出力インタフェース510に提供する。
【0218】ウォータマークされたデータがウォータマ
ークデータ生成回路またはルーチン550によって生成
された後、ウォータマークされたデータは、メモリ53
0のウォータマーク済みデータ部539の中に無期限に
記憶することができる。ウォータマークされた埋め込み
システム500の外側でウォータマーク済みのデータが
必要とされるときなどに、入力/出力インタフェース5
10は、制御装置520の制御下で、ウォータマークデ
ータ生成回路またはルーチン570またはウォータマー
ク済みデータ部539から直接的にウォータマークデー
タを入力し、リンク410上でデータ受信側400にウ
ォータマーク済みデータを出力する。
【0219】図14は、本発明によるウォータマーク抽
出システム600の1つの例示的な実施形態を示す。図
14に示されるように、ウォータマーク抽出システム6
00は、それぞれが1本以上のデータ/制御バスまたは
アプリケーションインタフェース670によって相互接
続される、入力/出力インタフェース610、制御装置
620、メモリ630、速度予測回路またはルーチン6
40、速度マップ生成回路またはルーチン650、及び
埋め込み済みデータ復号回路またはルーチン660を含
む。
【0220】図14に示されるように、入力/出力イン
タフェース610は、リンク312上でデータソース3
00に、リンク412上でデータ受信側400に、及び
1つ以上のリンク692上で1つ以上のユーザ入力装置
690に接続される。上述されたように、データソース
300及びデータ受信側400のそれぞれが、図5に関
して上記に概略された形式のどれかを取ることができ
る。
【0221】リンク692、312及び412のそれぞ
れが、ユーザ入力装置690、データソース300及び
データ受信側400のそれぞれを、そのどれかが1つ以
上の無線部分を含む、直接ケーブル接続、広域ネットワ
ークまたはローカルエリアネットワーク上の接続、イン
トラネット上の接続、インターネット上の接続、あるい
はその他の分散処理ネットワークまたはシステムを含む
ウォータマーク抽出システム600に接続するために、
既知のまたは後に開発されるデバイスまたはシステムを
使用して実現することができる。一般的には、リンク6
92、312、及び412のそれぞれが、1つ以上のユ
ーザ入力装置690、データソース300、及びデータ
受信側400をそれぞれウォータマーク抽出システム6
00に接続するために使用できる既知の、あるいは後に
開発される接続システムまたは構造である場合がある。
【0222】メモリ630は、ウォータマーク済みデー
タ部632予測速度データ部634、速度マップ部63
6及び埋め込み済みデータ部638を含む。メモリ63
0は、ウォータマーク抽出システム600を制御するた
めに、制御装置620によって使用可能な1つ以上の制
御プログラムまたはルーチンも記憶できる。ウォータマ
ーク済みデータ部632は、埋め込まれたデータを含む
ウォータマーク済みデータを記憶する。予測速度データ
部634は、速度予測回路またはルーチン640によっ
て求められる予測速度を記憶する。速度マップ部636
は、速度マップ生成回路またはルーチン650によって
生成される速度マップを記憶する。埋め込み済みデータ
638は、速度マップ部636の中に記憶される速度マ
ップから埋め込み済みデータ復号回路またはルーチン6
60によって復号される埋め込みデータを記憶する。
【0223】メモリ630は、変更可能な揮発性または
不揮発性のメモリまたは変更不可の、つまり固定され
た、メモリの適切な組み合わせを使用して実現すること
ができる。変更可能メモリは、揮発性であるか、あるい
は不揮発性であるかに関係なく、静的または動的RA
M、フロッピー(R)ディスクとディスクドライブ、書
き込み可能または再−再書き込み可能光ディスクとディ
スクドライブ、ハードドライブ、フラッシュメモリ等の
どれか1つ以上を使用して実現できる。同様に、変更不
可つまり固定されたメモリは、CD−ROMまたはDV
D−ROMなどのROM、PROM、EPROM、EE
PROM、光ROMディスクのどれか1つ以上を使用し
て実現できる。
【0224】図14に示される回路またはルーチンのそ
れぞれが、適切にプログラミングされた汎用コンピュー
タの部分として実現できることを理解されたい。代わり
に、図14の回路またはルーチンのそれぞれは、ASI
C内の物理的に別個のハードウェア回路として、あるい
はFPGA、PDL、PLA、またはPAL、デジタル
信号プロセッサを使用して、または離散論理素子または
離散回路素子を使用して実現することができる。図14
に示される回路またはルーチンのそれぞれが取るであろ
う特定の形式は、設計選択肢であり、当業者に明らか
で、予測可能となるだろう。
【0225】データソース300は、ウォータマーク抽
出システム600に対して、ウォータマーク済みデータ
部632に記憶されるウォータマーク済みデータを出力
するために使用できる。同様に、該1つ以上のユーザ入
力装置690は、ウォータマーク済みデータを入力する
ために使用できる。データ受信側400は、入力出力イ
ンタフェース610から、ウォータマーク抽出システム
600によって抽出される埋め込み済みデータを入力す
るために使用できる。動作中、ウォータマーク抽出シス
テム600がすでにウォータマーク済みデータを含んで
いるわけではない場合、ウォータマーク抽出システム6
00は、データソース300または1つ以上のユーザ入
力装置690の1つから失われたデータを得る。そのデ
ータがデータソース300あるいは1つ以上のユーザ入
力装置690から受信される場合、そのデータは入力出
力インタフェース610を通して入力され、ウォータマ
ーク済みデータ部632に記憶される。
【0226】次に、制御装置620の制御下で、ウォー
タマーク済みデータ部632に記憶されるウォータマー
ク済みデータは、速度予測回路またはルーチン640に
出力される。速度予測回路またはルーチン640は、ウ
ォータマーク済みデータの部分ごとに速度を予測する。
それから、速度予測回路またはルーチン640は、制御
装置620の制御下で、予測速度データを予測速度デー
タ部634に記憶するか、あるいは速度マップ生成回路
またはルーチン650にそれを直接的に提供するかのど
ちらかである。
【0227】速度マップ生成回路またはルーチン650
は、予測速度に基づき、ウォータマーク済みデータのそ
の部分について予測または予想される速度を基準にし
て、ウォータマーク済みデータのどの部分が次元圧縮ま
たは次元展開されたのかを示す速度マップを生成する。
速度マップ生成回路またはルーチン650は、制御装置
620の制御下で速度マップを速度マップ部636に記
憶するか、あるいは埋め込み済みデータ復号回路または
ルーチン660にそれを直接的に提供するかのどちらか
である。
【0228】埋め込み済みデータ復号回路またはルーチ
ン660は、制御装置620の制御下で、速度マップ部
636から、または直接的に速度マップ生成回路または
ルーチン650から速度マップを入力する。埋め込み済
みデータ復号回路またはルーチン660は、埋め込まれ
たデータから速度マップを生成し、速度マップから埋め
込まれたデータを得るために使用される元の符号化方式
に基づいて、速度マップを復号する。それから、埋め込
み済みデータ符号化回路またはルーチンが、制御装置6
20の制御下で、データ受信側400への伝送のため
に、復号された埋め込み済みデータを直接的に入力出力
インタフェース610に提供するか、あるいはそれを埋
め込み済みデータ部638に記憶する。
【0229】図15は、本発明によるウォータマーク埋
め込みシステム700の第3の例示的な実施形態を示
す。特に、図15に示されるウォータマーク埋め込みシ
ステムの第3の例示的な実施形態は、セルフクロッキン
グ(自己計時)ウォータマークデータファイルを出力す
る。図15に示されるように、データソース710は、
原データ信号をデータ信号線路またはリンク712上で
遅延回路720まで出力する。また、データソース71
0は、原データセットを、信号線路またはリンク714
上で調整装置750に、信号線路またはリンク716上
でコンパレータ740に出力する。遅延回路720は、
原データ信号を遅延させ、遅延した原データ信号を信号
線路またはリンク722上で速度予測装置730に出力
する。
【0230】速度予測装置730は、遅延された原デー
タ信号を分析し、予測された速度を信号線路またはリン
ク732上でコンパレータ740に出力する。コンパレ
ータ740は、速度予測装置730から復元されるデー
タ信号の予測される速度と、信号線路またはリンク71
6上で受信される原データ信号の実際の速度を比較す
る。比較に基づいてコンパレータ740によって求めら
れる差の程度に基づき、コンパレータ740は、調整信
号を信号線路742上で調整装置750に出力する。
【0231】調整装置750は、原データ信号の実際の
速度が、信号線路またはリンク742上で受信される調
整信号に基づいて、原信号の予測される速度に一致する
ように、最初に、信号線路714上で受信される原デー
タ信号を調整する。それから、調整装置750は、さら
に、所望されるデータを速度調整済み原データセットに
埋め込み、セルフクロッキングウォータマークデータセ
ットを生成するために、所定の速度マップに基づいて速
度調整済み原データ信号の速度を調整する。それから、
調整装置750は、セルフクロッキングウォータマーク
データセットを信号線路またはリンク752上でデータ
受信側760に出力する。
【0232】図16は、本発明によるウォータマーク抽
出システムまたはデバイス800の第3の例示的な実施
形態を示す。図16に示されるように、ウォータマーク
抽出デバイスまたはシステム800の第3の例示的な実
施形態は、ウォータマークデータ信号を信号線路または
リンク812上で遅延回路820に出力するデータソー
ス810を含む。該データソース810は、信号線路8
14上でコンパレータ840にセルフクロッキングウォ
ータマークデータ信号も出力する。遅延回路820は、
所定量、セルフクロッキングウォータマークデータ信号
を遅延させ、遅延したセルフクロッキングウォータマー
クデータ信号を、信号線路またはリンク822上で速度
予測装置830に出力する。速度予測装置830は、遅
延したセルフクロッキングウォータマークデータ信号を
分析し、遅延したセルフクロッキングウォータマークデ
ータ信号の各部についての予測される速度を、信号線路
またはリンク832上でコンパレータ840に出力す
る。
【0233】コンパレータ840は、ウォータマークデ
ータセットの部分ごとに、信号線路またはリンク814
上で受信されたセルフクロッキングウォータマークデー
タ信号の実際の速度を、信号線路532上で速度予測装
置830から受信される予測される速度と比較する。比
較に基づき、コンパレータ840は、ウォータマークデ
ータセットの部分ごとに、セルフクロッキングウォータ
マークデータ信号の予測速度と実際の速度の差に対応す
る速度マップを生成する。それから、コンパレータ84
0は、速度マップを抽出され、復号された埋め込み済み
データの文字列に変換するために所定の符号化方式を適
用する。それから、コンパレータ840は、信号線路ま
たはリンク842上でデータ受信側850に抽出され、
復号された埋め込み済みデータを出力する。
【0234】上記に概略された多様な例示的な実施形態
において、ウォータマーク埋め込みシステム100と3
00、及びウォータマーク抽出システム200と400
は、それぞれ、プログラミングされた汎用コンピュータ
を使用して実現することができる。ただし、ウォータマ
ーク埋め込みシステム100と300、及びウォータマ
ーク抽出システム200と400は、それぞれ、専用コ
ンピュータ、プログラミング済みマイクロプロセッサま
たはマイクロコントローラ、及び周辺集積回路素子、な
らびにASICまたはその他の集積回路、デジタル信号
プロセッサ、離散素子回路などのハードウェア電子回路
または論理回路、PLD、PLA、FPGA、PALな
どの書き込み可能論理回路等を使用して実現することが
できる。一般的には、図5、図6、図11及び図12に
示されるフローチャートの1つ以上を実現することがで
きる有限状態マシーンを実現することができる任意の素
子が、それぞれ、ウォータマーク埋め込みシステム10
0と300、及びウォータマーク抽出システム200と
400の1つ以上を実現するために使用できる。
【0235】上記に概略されたウォータマーク埋め込み
システム100と300、及びウォータマーク抽出シス
テム200と400の多様な例示的な実施形態の回路及
び素子のそれぞれは、適切なプログラミングされた汎用
コンピュータの部分として実現することができる。代わ
りに、上記に概略されたウォータマーク強調システム2
00の多様な例示的な実施形態の回路及び素子のそれぞ
れは、ASIC内の物理的に別個のハードウェア回路と
して、あるいはFPGA、PDL、PLAまたはPAL
を使用して、または離散論理素子または離散回路素子を
使用して、実現することができる。それぞれ上記に概略
される、ウォータマーク埋め込みシステム100と30
0、及びウォータマーク抽出システム200と400の
多様な例示的な実施形態の回路及び素子のそれぞれが取
るであろう特定の形は、設計選択肢であり、当業者に明
らかで、予測可能であろう。
【0236】さらに、上記に概略されたウォータマーク
埋め込みシステム100と300、及びウォータマーク
抽出システム200と400の多様な例示的な実施形
態、及び/または上述された多様な回路及び素子は、プ
ログラミングされた汎用コンピュータ、専用コンピュー
タ、マイクロプロセッサ等上で実行されるソフトウェア
ルーチン、マネージャまたはオブジェクトとしてそれぞ
れ実現することができる。この場合、ウォータマーク埋
め込みシステム100と300、およびウォータマーク
抽出システム200と400の多様な例示的な実施形
態、及び/または上述された多様な回路及び素子のそれ
ぞれは、通信網の中に埋め込まれる1つ以上のルーチン
として、サーバ上に常駐するリソースとして、プリンタ
ドライバのリソース等として実現することができる。ウ
ォータマーク埋め込みシステム100と300、及びウ
ォータマーク抽出システム200と400の多様な例示
的な実施形態、及び上述された多様な回路及びルーチン
は、ウォータマーク埋め込みシステム100と300及
びウォータマーク抽出システム200と400の1つ以
上を、ウェブサーバまたはクライアントデバイスのハー
ドウェア及びソフトウェアなどのソフトウェア及び/ま
たはハードウェアシステムの中に物理的に組み込むこと
によって実現することもできる。
【0237】本発明は、上記に概略された例示的な実施
形態に関係して説明されてきたが、多くの代替策、変型
及び変化が、当業者にとって明らかであろうことは明白
である。結果的に、発明の例示的な実施形態は、上記に
述べられたように、制限的ではなく、例示的であること
が意図される。多様な変更は、発明の精神及び範囲から
逸脱することなく加えられてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従って音声ファイルの中にウォータ
マークを埋め込むために、音声ファイルの部分をどのよ
うにして時間展開及び時間圧縮することができるのかを
示す。
【図2】 本発明の実施形態による例示的な速度マップ
を示す。
【図3】 画像の中にまたは音声ファイルの中にウォー
タマークを埋め込むための方法の第1の例示的な実施形
態を概略するフローチャートである。
【図4】 ウォータマークされた画像またはウォータマ
ークされた音声ファイルから、埋め込まれたウォータマ
ークを抽出するための方法の第1の例示的な実施形態を
概略するフローチャートである。
【図5】 本発明によるウォータマーク埋め込みシステ
ムの第1の例示的な実施形態を示すブロック図である。
【図6】 本発明によるウォータマーク抽出システムの
第1の例示的な実施形態を示すブロック図である。
【図7】 本発明に従って時間圧縮された、及び時間展
開された部分を使用して音声ファイルの中にバイナリ情
報を符号化するある方法を図解する。
【図8】 復元された速度マップの1つの例示的な実施
形態及びバイナリ文字列「0010」を本発明による音
声ファイルの中に埋め込むために有効な予想テンプレー
トの1つの例示的な実施形態を示す。
【図9】 画像の部分が、本発明に従って画像の中にウ
ォータマークを埋め込むためにどのようにして空間的に
展開及び空間的に圧縮できるのかを示す。
【図10】 図4に示される画像に対する空間的な修正
を示す。
【図11】 ウォータマークをデータファイルの中に埋
め込むための方法の第2の例示的な実施形態を概略する
フローチャートである。
【図12】 ウォータマークされたデータファイルから
埋め込まれたデータファイルを抽出するための方法の第
2の例示的な実施形態を概略するフローチャートであ
る。
【図13】 本発明によるウォータマーク埋め込みシス
テムの第2の例示的な実施形態を示すブロック図であ
る。
【図14】 本発明によるウォータマーク抽出システム
の第2の例示的な実施形態を示すブロック図である。
【図15】 本発明に従って時間変化データの中にウォ
ータマークを埋め込むシステムまたはデバイスの第3の
例示的な実施形態を示す。
【図16】 本発明に従ってウォータマークされた時間
変化データファイルからウォータマークを抽出するシス
テムまたはデバイスの第3の例示的な実施形態を示す。
【符号の説明】
10 基準 20 ウォータマーク済み 110、210、510、610 入力/出力インタフ
ェース 120、220、520、620 制御装置 130、230、530、630 メモリ 132、234、532 原データ部 134、239、638 埋め込み済みデータ部 136、238、538、636 速度マップ部 138、232、539、632 ウォータマーク済み
データ部 140、260、560 速度マップ生成回路またはル
ーチン 150、570 ウォータマークデータ回路またはルー
チン 170、290、590、690 ユーザ入力装置 236 分析データ部 240 分析データ生成回路またはルーチン 250 整列回路またはルーチン 270 埋め込み済みデータ復号回路またはルーチン 300、710、810 データソース 400、760、850 データ受信側 534、634 予測速度データ部 536 調整済み原データ部 550 原データ変更回路またはルーチン 640 速度予測回路またはルーチン 710、810 データソース 720、820 遅延回路 740、840 コンパレータ 750 調整装置 730、830 速度予測装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン アドコック アメリカ合衆国 94304 カリフォルニア 州 パロ アルト ヒルビュー アベニュ ー 3400 ビルディング 4 エフエック ス パロ アルト ラボラトリー インコ ーポレイテッド内 Fターム(参考) 5B057 CB19 CE08 CE09 CG01 CG07 DA08 5C076 AA14 BA06

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データの第1セットをデータの第2セッ
    トの中に埋め込むための方法であって、該データの第2
    セットが、それに沿って延びる少なくとも1つの次元を
    有し、前記方法は、 データの第2セットを複数の部分に分割し、該複数の部
    分のそれぞれが前記少なくとも1つの次元のうちの少な
    くとも第1の次元に沿った範囲を有し、 データの第1セットを符号化する圧縮及び展開の領域の
    パターンを生成し、 データの第1セットをデータの第2セットの中に埋め込
    むために、前記圧縮領域及び展開領域のパターンに従っ
    て、少なくとも前記第1の次元に沿ってデータの第2セ
    ットの部分の少なくともいくらかの範囲を選択的に次元
    圧縮及び展開すること、 を備える方法。
  2. 【請求項2】 前記データの第2セットの部分の少なく
    ともいくらかの範囲を選択的に次元圧縮及び展開する前
    に、 前記複数の部分ごとに予測される速度を求めるためにデ
    ータの第2セットを分析し、 データの第2セットの複数の部分のそれぞれに、その部
    分についての実際の速度がその部分についての予測され
    る速度に一致するように、その部分についての実際の速
    度を修正すること、 をさらに備える、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記複数の部分のそれぞれについて予測
    される速度を求めるためにデータの第2セットを分析す
    ることが、速度についての所定の関数に基づいて予測さ
    れる速度を求めることを備える、請求項2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記データの第2セットが、静止画像デ
    ータ及びビデオデータのうちの少なくとも1つであり、 前記少なくとも1つの次元が少なくとも第1の空間次元
    であり、 前記データの第2セットを複数の部分に分割すること
    が、データの第2セットを、前記第1の空間次元に沿っ
    て延びる複数の部分に分割することを備え、 前記少なくとも第1の次元に沿ってデータの第2セット
    の部分の少なくともいくつかの範囲を選択的に次元圧縮
    及び次元展開することが、前記第1の空間次元に沿って
    データの第2セットの部分の少なくともいくらかの範囲
    を選択的に次元圧縮及び展開することを備える、 請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 データの第2セットが、静止画像データ
    及びビデオデータのうちの少なくとも1つであり、 前記少なくとも1つの次元が、第1の空間次元及び第2
    の空間次元を備え、 前記データの第2セットを複数の部分に分割すること
    が、データの第2セットを、第1の空間次元及び第2の
    空間次元のそれぞれに沿った成分を有する軸に沿って延
    びる複数の部分に分割することを備え、 前記少なくとも第1の次元に沿ってデータの第2セット
    の部分の少なくともいくつかの範囲を選択的に次元圧縮
    及び展開することが、前記軸に沿ってデータの第2セッ
    トの部分の少なくともいくらかの範囲を選択的に次元圧
    縮及び展開することを備える、 請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 データの第1セットをデータの第2セッ
    トの中に埋め込むシステムであって、前記データの第2
    セットが、それに沿って延びる少なくとも1つの次元を
    有し、前記データの第2セットが複数の部分を有し、該
    複数の部分のそれぞれが、前記少なくとも1つの次元の
    うちの少なくとも第1の次元に沿った範囲を有し、前記
    システムは、 前記データの第1セットを符号化する圧縮領域及び展開
    領域のパターンを生成する速度マップ生成回路またはル
    ーチンと、 前記データの第2セットの中にデータの第1セットを埋
    め込むために、圧縮領域及び展開領域のパターンに従っ
    て、少なくとも第1の次元に沿ったデータの第2セット
    の部分の少なくともいくらかの範囲を選択的に次元圧縮
    及び展開するウォータマーク回路またはルーチンと、 を備えるシステム。
  7. 【請求項7】 前記データの第2セットを分析し、前記
    複数の部分のそれぞれに予測される速度を求める速度予
    測回路またはルーチンと、 前記データの第2セットの前記複数の部分のそれぞれに
    ついて、その部分の実際の速度がその部分の予測される
    速度と一致するように、その部分の実際の速度を修正す
    る速度変更回路またはルーチンと、 をさらに備える、請求項6に記載のシステム。
  8. 【請求項8】 前記データの第2セットが静止画像デー
    タ及びビデオデータのうちの少なくとも1つであり、 前記少なくとも1つの次元が、少なくとも第1の空間次
    元であり、 前記データの第2セットが、第1の空間次元に沿って延
    びる複数の部分に分割され、 ウォータマーク回路またはルーチンが、前記第1の空間
    次元に沿ってデータの第2セットの部分の少なくともい
    くらかの範囲を選択的に次元圧縮、展開する、 請求項6に記載のシステム。
  9. 【請求項9】 前記データの第2セットが、静止画像デ
    ータ及びビデオデータのうちの少なくとも1つであり、 前記少なくとも1つの次元が、第1の空間次元及び第2
    の空間次元を備え、 前記データの第2セットが、前記第1の空間次元及び前
    記第2の空間次元のそれぞれに沿った成分を有する軸に
    沿って延びる複数の部分に分割され、 ウォータマーク回路またはルーチンが、前記軸に沿って
    データの第2セットの部分の少なくともいくらかの範囲
    を選択的に次元圧縮及び展開する、 請求項6に記載のシステム。
  10. 【請求項10】 データの第1セットを、前記データの
    第1セットが埋め込まれているデータの第2セットから
    抽出するための方法であって、該データの第2セット
    は、それに沿って延びる少なくとも1つの次元を有し、
    複数の部分を有し、該複数の部分のそれぞれが前記少な
    くとも1つの次元のうちの少なくとも第1の次元に沿っ
    た範囲を有し、前記方法は、 前記データの第1セットが埋め込まれている前記データ
    の第2セットを、データの第1セットを含まないデータ
    の第2セットの基準コピーと比較し、 比較に基づいてデータの第1セットを符号化する複数の
    部分の次元圧縮及び次元展開された部分のパターンを生
    成し、 前記複数の部分の次元圧縮及び次元展開されたパターン
    を、データの第1セットに変換すること、 を備える方法。
  11. 【請求項11】 前記データの第1セットが埋め込まれ
    ているデータの第2セットを、データの第1セットを含
    まないデータの第2セットの基準コピーと比較すること
    が、 前記データの第1セットが埋め込まれているデータの第
    2セットから代表的なデータの第1セットを生成し、 前記データの第1セットを含まないデータの第2セット
    から代表的なデータの第2セットを生成し、 前記代表データの第1セットを前記代表データの第2セ
    ットと比較すること、 を備える、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記データの第2セットが、静止画像
    データ及びビデオデータのうちの少なくとも1つであ
    り、 前記少なくとも1つの次元が、第1の空間次元及び第2
    の空間次元を備え、 前記データの第2セットが、第1の空間次元及び第2の
    空間次元のそれぞれに沿った成分を有する軸に沿って延
    びる複数の部分を備え、 前記データの第1セットが埋め込まれているデータの第
    2セットを、データの第1セットを含まないデータの第
    2セットの基準コピーと比較することが、データの第1
    セットが埋め込まれているデータの第2セットを、前記
    軸に沿ったデータの第1セットを含まないデータの第2
    セットの基準コピーと比較することを備える、 請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】 データの第1セットが埋め込まれてい
    るデータの第2セットからデータの第1セットを抽出す
    るための方法であって、前記データの第2セットが、そ
    れに沿って延びる少なくとも1つの次元を有し、複数の
    部分を有し、該複数の部分のそれぞれが、前記少なくと
    も1つの次元のうちの少なくとも第1の次元に沿った範
    囲を有し、前記方法は、 前記データの第2セットの部分ごとに、その部分につい
    て予測される速度を求め、 前記データの第2セットの部分ごとに、実際の速度を求
    め、 各部分について、予測された速度をその部分についての
    実際の速度と比較し、 前記複数の部分についての比較に基づいて、データの第
    1セットを符号化する複数の部分の次元圧縮及び次元展
    開された部分のパターンを生成し、 前記複数の部分の次元圧縮及び次元展開された部分のパ
    ターンを、データの第1セットに変換すること、 を備える方法。
  14. 【請求項14】 データの第1セットを、該データの第
    1セットが埋め込まれているデータの第2セットから抽
    出するシステムであって、前記データの第2セットが、
    それに沿って延びる少なくとも1つの次元を有し、複数
    の部分を有し、該複数の部分が、前記少なくとも1つの
    次元のうちの少なくとも第1の次元に沿った範囲を有
    し、前記システムは、 前記データの第1セットが埋め込まれているデータの第
    2セットを、データの第1セットを含まないデータの第
    2セットの基準コピーと比較する比較回路またはルーチ
    ンと、 比較に基づいてデータの第1セットを符号化する複数の
    部分の次元圧縮及び次元展開された部分のパターンを決
    定する速度生成回路またはルーチンと、 前記複数の部分の次元圧縮及び次元展開された部分のパ
    ターンをデータの第1セットに変換するウォータマーク
    復号回路またはルーチンと、 を備えるシステム。
  15. 【請求項15】 前記データの第1セットが埋め込まれ
    ているデータの第2セットから代表的なデータの第1セ
    ットを生成し、 データの第1セットを含まないデータの第2セットから
    代表的なデータの第2セットを生成し、 代表的なデータの第1セットを、代表的なデータの第2
    セットと比較することによって、 比較回路またはルーチンが、前記データの第1セットが
    埋め込まれているデータの第2セットを、データの第1
    セットを含まないデータの第2セットの基準コピーと比
    較する、請求項14に記載のシステム。
  16. 【請求項16】 前記データの第2セットが、静止画像
    データ及びビデオデータのうちの少なくとも1つであ
    り、 前記少なくとも1つの次元が、第1の空間次元及び第2
    の空間次元を備え、 前記データの第2セットが、第1の空間次元及び第2の
    空間次元のそれぞれに沿った成分を有する軸に沿って延
    びる複数の部分を備え、 前記比較回路またはルーチンが、データの第1セットが
    埋め込まれているデータの第2セットを、前記軸に沿っ
    てデータの第1セットを含まないデータの第2セットの
    基準コピーと比較する、 請求項14に記載のシステム。
  17. 【請求項17】 前記ウォータマーク復号回路またはル
    ーチンが、パターンの少なくとも一部を少なくとも1つ
    のテンプレートと比較することによって、データの第1
    セットに、複数の部分の次元圧縮及び次元展開された部
    分のパターンを変換する、請求項14に記載のシステ
    ム。
  18. 【請求項18】 データの第1セットが埋め込まれてい
    るデータの第2セットから、データの第1セットを抽出
    するためのシステムであって、前記データの第2セット
    が、それに沿って延びる少なくとも1つの次元を有し、
    複数の部分を有し、該複数の部分のそれぞれが、前記少
    なくとも1つの次元のうちの少なくとも第1の次元に沿
    った範囲を有し、前記システムは、 前記データの第2セットの部分ごとに、その部分につい
    ての予測される速度を求める、速度予測回路またはルー
    チンと、 前記データの第2セットの部分ごとに、実際の速度を求
    める速度決定回路またはルーチンと、 予測される速度を、その部分についての実際の速度と比
    較する比較回路またはルーチンと、 前記複数の部分についての比較に基づいてデータの第1
    セットを符号化する複数の部分の次元圧縮及び次元展開
    された部分のパターンを決定する速度生成回路またはル
    ーチンと、 前記複数の部分の次元圧縮及び次元展開された部分のパ
    ターンを、データの第1セットに変換するウォータマー
    ク復号回路またはルーチンと、 を備えるシステム。
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