JP2003283219A - 高周波電力分配・合成器とこの高周波電力分配・合成器を用いたアンテナ装置 - Google Patents

高周波電力分配・合成器とこの高周波電力分配・合成器を用いたアンテナ装置

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JP2003283219A
JP2003283219A JP2002083687A JP2002083687A JP2003283219A JP 2003283219 A JP2003283219 A JP 2003283219A JP 2002083687 A JP2002083687 A JP 2002083687A JP 2002083687 A JP2002083687 A JP 2002083687A JP 2003283219 A JP2003283219 A JP 2003283219A
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JP2002083687A
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Sosuke Horie
聡介 堀江
Hiroyuki Sato
裕之 佐藤
Akio Iida
明夫 飯田
Moriyasu Miyazaki
守泰 宮崎
Yoshihiko Yoshikawa
義彦 吉川
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウィルキンソン型高周波電力分配・合成装置
では、出力端負荷不整合の場合などに、負荷に消費され
ない余分な電力を吸収する接地型吸収抵抗器が用いられ
るが、この吸収抵抗器は高周波インピーダンスを持たな
いよう電力分配・合成装置を構成する分布定数線路の間
近に配置されていた。このため、吸収抵抗器での発熱が
分布定数線路に影響し、特性の劣化が生じやすいとか、
吸収抵抗器に高価なものを使用しなければならないなど
の課題があった。 【解決手段】 接地形吸収抵抗6aは伝送線路8aを介
して電力分配・合成器分布定数線路部7から物理的(熱
的)に離して(1cm以上100m以下)設置する。こ
れにより接地形吸収抵抗6aを放熱性の優れたアンテナ
装置の筐体30などに直接取り付けることができる。よ
って、吸収抵抗6aと、電力分配・合成器の分布定数線
路部7との温度上昇をそれぞれ抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、通信装置やアン
テナの給電装置に用いる高周波電力分配・合成器と、こ
の電力分配・合成器を搭載したアンテナ装置の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】通信施設に設置されているアンテナ装置
は、複数の素子アンテナを用いて送受信する場合があ
る。そこで、1台の送信機の送信出力を複数のアンテナ
に分配したり、複数のアンテナからの受信信号を合成し
て1台の受信機で受信したりする必要があり、この目的
のため、従来から各種の高周波電力分配・合成器が使用
されている。
【0003】図7は例えば実用マイクロ波回路設計ガイ
ド(総合電子出版、P.63)に示されたウィルキンソ
ン形電力分配・合成器に接地形吸収抵抗を用いる方法の
回路図である。図は信号をn個に分配するものである
が、同じ回路が並ぶので、図では1番目とn番目の回路
だけ図示している。同図において、2は高周波電力の入
力端子、1a、1bはそれぞれ入力端子2に一端が接続
された複数の(図では2つだけ記載)第1の1/4波長
分布定数線路(Wはその特性インピーダンス)、3a、
3bは第1の1/4波長分布定数線路1a,1bの他端
に設けた複数の出力端子(図では1番目とn番目を記
載)、である。4a、4bは出力端子3a,3bに接続
した第2の1/4波長分布定数線路(W'はその特性イ
ンピーダンス)、5a、5bは第2の1/4波長分布定
数線路4a,4bに接続した第3の1/4波長分布定数
線路(W'はその特性インピーダンス)、6a、6bは
第2の1/4波長分布定数線路4a,4bと第3の1/
4波長分布定数線路5a,5bの接続点に接続された接
地形吸収抵抗器(R'は抵抗値)である。第3の1/4
波長分布定数線路5a,5bの終端は1カ所で互いに接
続されている。107は入出力端子と第1、第2、第3
の1/4波長分布定数線路と接地型吸収抵抗器6a,6
bを含んだ高周波電力分布・合成器である。
【0004】次に動作について説明する。入力端子2で
の整合条件から第1の1/4波長分布定数線路1a,1
bのインピーダンスWとして
【0005】
【数1】
【0006】(ただし、nは出力端子数、RLは出力端
子3a,3bに接続された図示しない負荷の抵抗値、R
gは信号源のインピーダンス)となるように選定する。
このとき入力端子2に信号を加えると、その信号電力P
iは出力端子3a、3bに等しく分配される(出力がn
個ならそれぞれ1/nになる)。一方、出力端子3aに
信号を加えたときには出力端子3bに信号が生じないと
いう条件から、
【0007】
【数2】
【0008】となるように選定することで、出力端子3
bに接続した負荷抵抗RLには信号が現れないようにす
ることができる。図7の高周波(ウィルキンソン形)電
力分配器の優れている点は、電力吸収要素を2つの1/
4波長分布定数線路(第2、第3の1/4波長分布定数
線路4a、5a)と、この間に接続された接地形吸収抵
抗器6aでT型回路に形成しているので構成の自由度が
高く、出力端子数nが増して出力端子間の距離が物理的
に長くなった場合にも容易に構成することができると言
う点にある。
【0009】また、図7の高周波電力分配・合成器にお
いては、出力端子3aに接続されている負荷(アンテナ
素子あるいは電力増幅器など)が不整合なものであっ
て、そこで反射が生じる場合にも、その反射波は接地型
吸収抵抗器6a,6bに吸収され、入力端子2側には現
れないので、入力端子2側に接続されている機器、例え
ば送信機などに不具合が生じる恐れが少ない。なお、電
力合成器として用いる場合は、出力端子3a、3bから
合成すべき信号を入力し、入力端子2から合成された信
号を得ることは公知のことであるので、その動作につい
ては詳細な説明を省略する。
【0010】図7の従来の高周波電力分配・合成器の特
性を図8に示す。図において、S11は外部から入力端
子2を見た反射損失、S21は入出力端子間の通過損
失、S22は出力端子の反射損失、S32は出力端子間
のアイソレーション特性を示している。以上のように、
従来の高周波電力分配・合成器には優れた点が多いが、
接地形吸収抵抗器6aには高周波電力が流入するため、
リード線などによる高周波分布定数的影響を排除する観
点から、第2の1/4波長分布定数線路4aと第3の1
/4波長分布定数線路5aに直接接続(直結、即ち間に
距離をとらずに直接に接続)しなければならない。即
ち、例えば、特開平8−222401号公報に開示され
ているように、分布定数線路は使用する周波数によって
その形や配置にある程度の制約が伴うため、必然的に接
地型吸収抵抗器6aを分布定数線路に直付け配置するこ
ととなり、結果として電力分配・合成器107に内蔵し
た構造とせざるを得ない。
【0011】このような高周波電力分配・合成器107
を使用する場合は、その信頼性を高く保つとともに、そ
の重量を軽減するための配慮が必要である。しかし、上
記のように接地型吸収抵抗器6a,6bを内蔵させる構
造とする結果として、出力端子3a,3bに接続されて
いる負荷に不整合がある場合で、特に高周波電力分配・
合成器107を通過させる分配・合成電力が大きい場合
には、接地型吸収抵抗器6a,6bへの入力電力が大き
く、接地型吸収抵抗器6a,6bの発熱が高くなり高周
波電力分配・合成器全体の温度上昇が高くなり、分配・
合成器の特性が劣化したり、信頼性が低下する。
【0012】また、出力端子3a,3bに接続されてい
る負荷に断線や短絡などの極端な不整合が生じた場合
は、入力された全電力が接地型吸収抵抗器6a,6bに
消費されるため、接地型吸収抵抗器6a,6bは、高温
に耐える仕様のもの、あるいは大電力対応のものとする
必要があり、高周波電力分配・合成器107の重量が重
くなったり高価となってしまう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の高周波電力分配
・合成器は、以上のように構成されているので、接地形
吸収抵抗器は2個の1/4波長分布定数線路の接続点に
直接接続する必要上、接地型吸収抵抗器を高周波電力分
配・合成器内に内蔵する構成とせざるを得なかった。こ
のため、接地型吸収抵抗器の発熱時に高周波電力分配・
合成器全体の温度が上昇し、電力分配・合成機能の信頼
性が低下する原因となるという問題があった。また、出
力端子に接続されている負荷や線路に異常不整合が生じ
たときの保護のため、接地型吸収抵抗は、高温仕様のも
の、あるいは大電力対応のものとする必要があり、高周
波分配・合成器の重量が大きくなったり高価となるとい
う問題があった。
【0014】この発明は、上記のような問題を解決する
ためになされたものであり、吸収抵抗が発熱しても高周
波電力分配・合成器の温度上昇を抑えることができる構
造とすることが可能な回路構成を提供することを目的と
したものである。また、出力端子に接続されている負荷
や線路に異常不整合が生じた場合でも、吸収抵抗が過電
力で損傷しないよう保護することができる分配器を提供
することを目的としたものである。また、特別に高温仕
様や大電力仕様の吸収抵抗を用いる必要を無くした高周
波電力分配。合成器を提供することを目的としたもので
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明による高周波電
力の分配・合成器は、一端を高周波電力の給電点とした
第1の1/4波長分布定数線路、前記第1の1/4波長
分布定数線路の他端に一端が接続された第2の1/4波
長分布定数線路、前記第2の1/4波長分布定数線路の
他端に一端が接続された第3の1/4波長分布定数線
路、前記第2の1/4波長分布定数線路と前記第3の1
/4波長分布定数線路の接続点に接続された長さが1c
m以上100m以下の伝送線路、前記伝送線路の先端に
接続された接地型吸収抵抗器を有する分配・合成回路、
複数の前記分配・合成回路の前記給電点を互いに接続す
るとともに、前記第3の1/4波長分布定数線路の他端
を互いに接続して構成したものである。
【0016】また、前記接地型吸収抵抗器は前記第1の
1/4波長分布定数線路、第2の1/4波長分布定数線
路、第3の1/4波長分布定数線路のいずれからも、1
cm以上離れて配置されているものである。
【0017】また、前記伝送線路の中間に挿入され、前
記接地型吸収抵抗器に消費される電力に応じた信号を出
力するカップラ、前記カップラの出力側に接続され、前
記信号が所定のレベルを上回るとき警報信号を出力する
保護回路を備えたものである。
【0018】また、前記接地型吸収抵抗器は消費してい
る電力に応じる信号を出力する信号出力端を有するパワ
ーセンシングターミネーションで構成され、前記信号出
力端は、前記信号が所定のレベルを上回るとき警報信号
を出力する保護回路に接続されているものである。
【0019】また、前記接地形吸収抵抗の近傍に設置さ
れたサーモスタットスイッチ、前記サーモスタットスイ
ッチに接続され、前記サーモスタットスイッチが動作す
るとき警報信号を出力する保護回路を備えたものであ
る。
【0020】この発明によるアンテナ装置は、高周波電
力送信機を収納した筐体、前記高周波電力送信機の出力
端に一端が接続されるとともに、それぞれが一端を給電
点とした第1の1/4波長分布定数線路と、前記第1の
1/4波長分布定数線路の他端に一端が接続された第2
の1/4波長分布定数線路と、前記第2の1/4波長分
布定数線路の他端に一端が接続された第3の1/4波長
分布定数線路と、前記第2の1/4波長分布定数線路と
前記第3の1/4波長分布定数線路の接続点に接続され
た長さが1cm以上100m以下の伝送線路と、前記伝
送線路の他端に接続され発生した熱を前記筐体へ放熱可
能に配置された接地型吸収抵抗器とを含む複数の分配・
合成回路を有する高周波分配・合成器を備えたものであ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
の実施の形態1による高周波電力分配・合成器の構成を
示す図である。これは通信衛星に搭載され100MHZ
〜1GHZ程度の範囲で使用されることが多いものであ
る。同図において、2は高周波の入力端子、1a、1b
は入力端子2に接続された複数の(図では2回路のみ記
載)第1の1/4波長分布定数線路、3a、3bは第1
の1/4波長分布定数線路1a,1bの他端に設けられ
た出力端子、4a、4bは出力端子3a,3bに接続さ
れた第2の1/4波長分布定数線路、5a、5bは第2
の1/4波長分布定数線路4a,4bに接続された第3
の1/4波長分布定数線路でありその終端は互いに一点
で接続されている。8a、8bは第2、第3の1/4波
長分布定数線路4a,5a、4b,5bの接続点に接続
されたその長さが1cm以上、100m以下の伝送線路
で、例えば50オームの同軸ケーブルである。6a,6
bは伝送線路8a,8bの他端に接続された接地形吸収
抵抗器(単に吸収抵抗とも言う)である。1つの第1、
第2、第3の1/4波長分布定数線路と、1つの伝送線
路と1つの吸収型接地抵抗器で構成される回路を説明の
都合上、分配・合成回路と呼ぶ。7は高周波電力分配・
合成器を構成する分布定数線路部で、複数の分配合成回
路、即ち、入力端子2、出力端子3a・・・・,3b、
第1〜第3の1/4波長分布定数線路1a・・・・,4
a,5a・・・,1b,4b・・・,5bを含んでい
る。
【0022】次に図1のものの動作について説明する。
なお、以下の説明では回路要素の符号などは1つの回路
に付いてのみ説明するが、どの回路についても同じであ
ることは言うまでもない。図1の高周波電力分配・合成
器においては、接地形吸収抵抗器6aは伝送線路8aを
介して高周波電力分配・合成器の分布定数線路部7から
物理的に離して(少なくとも熱的に隔離(1cm以上)
されて)設置され、例えば、アンテナ装置内の各種通信
機器を取り付けている筐体30に取り付けられて放熱性
が確保されている。これにより高周波電力分配・合成器
の分布定数線路部7の発熱が低減される。なお、上限を
100mとするのは、伝送線路長が100mを越えると
損失が無視できなくなり期待した特性が得られないから
である。
【0023】図2は、図1の高周波電力分配・合成器の
電気特性を演算で求めた特性図で、n=4の場合のもの
である。そもそもアンテナ装置などの通信施設において
は、ほとんどの場合、使用する(特に送信する)周波数
が事前にほぼ決まっており、これが変動すると言うこと
は少なく、本図も中心周波数の両側30%の範囲につい
て解析している。図において、S11は外部から入力端
子2を見た反射損失、S21は入出力端子間の通過損
失、S22は出力端子の反射損失、S32は出力端子間
のアイソレーション特性を示している。これを図8の従
来の特性と比較するため両図を重ねて記載したものを図
3に示すと両者はほぼ一致している。理想条件において
は伝送線路8aの長さに関わらず、前記周波数の範囲で
は分配・合成に関する電気特性は劣化しない。実際の製
造において、伝送線路8aおよび第1、第2、第3の1
/4波長分布定数線路(いわゆる管同軸として製作され
る場合が多い)の製作精度、組み立て誤差等により電気
特性が変化(例えば中心周波数がずれる)したときに
は、各1/4波長分布定数線路1a、4a、5aの長さ
を調整することにより、従来例(伝送線路8aのない図
8のもの)と同等の特性を得ることができる。
【0024】したがって、図2の周波数の範囲で使用す
る限り、高周波電力分配・合成器の電気特性を劣化させ
ること無しに、接地形吸収抵抗6aを高周波電力分配・
合成器から離れていて放熱性が優れ、かつ、電力分配・
合成器に熱の伝わらない場所、例えば衛星の筐体30な
どに直接取り付けることができるため、吸収抵抗の温度
上昇を抑えるとともに、高周波電力分配・合成器の熱に
よる特性の劣化を防ぐことができる。接地型吸収抵抗器
の温度上昇を抑え得ることから、吸収抵抗は高温スペッ
クあるいは大電力用の高価で重いものを選定する必要が
なく、安価で軽量なものにすることができる。
【0025】実施の形態2.図4は、この発明の実施の
形態2の高周波電力分配・合成器の構成を示す図であ
る。同図において、2は高周波の入力端子、1a、1b
は入力端子2に接続された第1の1/4波長分布定数線
路、3a、3bは第1の1/4波長分布定数線路1a,
1bの他端に設けられた出力端子、4a、4bは出力端
子3a,3bに接続された第2の1/4波長分布定数線
路、5a、5bは第2の1/4波長分布定数線路4a,
4bに接続された第3の1/4波長分布定数線路であり
その終端は互いに一点で接続されている。8a、8bは
第2、第3の1/4波長分布定数線路4a,5a、4
b,5bの接続点に接続された長さが少なくとも1cm
以上の伝送線路で、例えば50オームの同軸ケーブルで
ある。
【0026】9a,9bは電送線路8a,8bの途中に
挿入された結合係数が小さいカップラ(以下、単にカッ
プラという)、11a、11bはカップラ9a,9bの
出力側に接続された2次伝送線路、10は2次伝送線路
の端に接続されカップラ9a,9bから出力される信号
が所定のレベルを超えたとき図示しない警報信号を出力
する保護回路、6a,6bはカップラ9a,9bの通過
出力端に接続されるとともに、発熱が高周波電力分配・
合成器の分布定数線路部に影響しない場所に配置された
接地形吸収抵抗器、7は高周波電力分配・合成器を構成
する分布定数線路部で、入力端子2、出力端子3a,3
b、第1〜第3の1/4波長分布定数線路1a,4a,
5a,1b,4b,5bを含んでいる。
【0027】次に動作について説明する。なお、実施の
形態1の説明と同様に、各要素の符号については1回路
分だけ説明するが、どの回路に於いても同様であること
は言うまでもない。図4の高周波電力分配・合成器にお
いては、接地形吸収抵抗6aは、電力分配・合成器の分
布定数線路部7から伝送線路8aを介して物理的に離し
て(熱的に隔離されて)設置されている。また、電力分
配・合成器の分布定数線路部7と接地形吸収抵抗6aを
接続する伝送線路8aからカップラを介して吸収抵抗6
aに送られる電力が信号として検出され、この信号は保
護回路10に入力されている。保護回路10は吸収抵抗
6aに吸収される電力が所定のレベルを超えたとき高周
波電力の送信を停止又は低減するための回路である。カ
ップラ9aの結合係数は極めて小さいので挿入の影響は
表れず、高周波電力分配・合成器としての電気特性は実
施の形態1の図2と同様である。カップラ9aの出力は
高周波で取出しても良いが図示しない検波回路により直
流信号として取出しても良い。
【0028】したがって、図2にしめす周波数の範囲に
於いては、電力分配・合成器の電気特性を劣化させるこ
と無しに、接地型吸収抵抗器6aを分布定数線路部7か
ら離れた(1cm以上)位置に配置することができるの
で、例えば、放熱性の優れた部分に直接取り付けること
ができるようになり、出力端子に接続されている負荷に
不整合があるなどにより、吸収抵抗6aへの入力電力が
大きくなる場合においても、吸収抵抗の温度上昇を抑え
ることができる。また、吸収抵抗を電力分配・合成器の
分布定数線路部7から離しているので、分布定数線路部
の温度上昇も抑えることができる。また、出力端子3a
に接続されている負荷や線路に異常不整合が生じた場合
は、吸収抵抗に過電力が入力することとなるが、この過
電力は保護回路でモニタすることができるので、吸収抵
抗を大電力による損傷から保護することができる。
【0029】また、吸収抵抗6aの温度上昇が抑えら
れ、更に、保護回路10を設けているので、吸収抵抗6
aが高温になることがなくなるので、高温仕様の高価な
ものを選定したり、定格電力を運用想定以上に大きくし
たりする必要がなく、安価なものにすることができる。
また、カップラ9aの挿入位置が入力端子2から出力端
子3aに至るいわゆる主線路側では無く、吸収抵抗側の
伝送線路8a,8bにカップラを挿入しているので、主
線路の特性を劣化させること無く、保護機能を備えるこ
とができる。装置が全て正常なときにはカップラ9aが
検出する電力はほとんどゼロに近いので、保護回路10
が動作するときは、出力端子3aに接続されている負荷
が異常である可能性が高く、負荷の異常検出にも使うこ
とができる。
【0030】実施の形態3.図5は、この発明の実施の
形態3の電力分配・合成器の構成を示す図である。同図
に記載の符号の内、図1、図4に記載の符号と同番号の
ものは、同一または相当部分を示すので、詳細な説明は
省略する。13a、13bはパワーセンシングターミネ
ーション、14a、14bはアッテネータである。パワ
ーセンシングターミネーションは入力電力を検出できる
ターミネーションのことである。
【0031】次に動作について説明する。接地形吸収抵
抗として用いるパワーセンシングターミネーション13
aは電力分配・合成器分布定数線路部7から伝送線路8
aとアッテネータ14aを介して物理的に離して設置さ
れている。また、パワーセンシングターミネーション1
3aの検出出力は保護回路10に接続されている。保護
回路10は入力端子2に接続された図示しない送信機な
どの送信を停止又は出力を低減するための警報信号を出
力する。また、電力分配・合成器分布定数線路部7とパ
ワーセンシングターミネーション13aを接続する伝送
線路8aの途中に、パワーセンシングターミネーション
の定格電力により必要に応じてアッテネータが挿入され
ている。電気特性は前記実施の形態1の図2と同様であ
る。
【0032】したがって、電力分配・合成器の電気特性
を劣化させること無しに、パワーセンシングターミネー
ション13aを電力分配・合成器分布定数線路部7以外
の放熱性の優れた衛星の筐体などに直接取り付けること
ができるため、出力端子に接続されている負荷に不整合
がある場合など、パワーセンシングターミネーション1
3aへの入力電力が大きくなる場合にその温度上昇を抑
えることができる。また、出力端子に接続されている負
荷に異常不整合が生じた場合は、パワーセンシングター
ミネーション13aに過電力が入力することとなるが、
この過電力はパワーセンシングターミネーション13a
を介して保護回路10でモニタすることができるので、
パワーセンシングターミネーション13aを大電力によ
る損傷から保護することができる。
【0033】また、入力端子2から出力端子3aまでの
主線路側では無く、吸収抵抗への伝送線路に反射電力検
出用のパワーセンシングターミネーションを挿入してい
るので、主線路の特性を劣化させること無く、保護機能
を備えることができる。また、出力端子に接続されてい
る負荷の異常検出にも使うことができる。
【0034】実施の形態4.図6は、この発明の実施の
形態4である電力分配・合成器の構成を示す図である。
同図に記載の符号の内、図1、図4、図5に記載の符号
と同番号のものは、同一または相当部分を示すので、詳
細な説明は省略する。15a、15bは吸収型接地抵抗
器6a,6bの発熱を感知してその温度が所定のレベル
を超えると接点信号を出力するサーモスタット、10は
サーモスタット15a,15bの接点信号を受けて警報
信号(サーもアラーム信号)を出力する保護回路であ
り、この警報信号により入力端子2に接続されている図
示しない送信機などの出力電力を低減または停止する。
【0035】前記のように構成された高周波電力分配・
合成器においては、接地形吸収抵抗は、電力分配・合成
器分布定数線路部から伝送線路を介して物理的に離して
設置されている。また、サーモスタット15aは接地形
吸収抵抗6aの近傍(熱的に)に設置されて伝送線路を
介して保護回路10に接続されている。サーモスタット
15aは接地形吸収抵抗6aの温度上昇を感知して、サ
ーモアラーム信号を保護回路10に送るようになってい
る。保護回路10は送信を停止又は送信電力を低減する
ための回路である。高周波電力分配・合成器の電気特性
は実施の形態1の図2と同様である。
【0036】したがって、高周波電力分配・合成器の電
気特性を劣化させること無しに、接地形吸収抵抗を分布
定数部7から離して放熱性の優れた衛星の筐体などに直
接取り付けることができるため、送信電力の大きい装置
であっても、出力端子に接続されている負荷に不整合が
ある場合などに接地型吸収抵抗6aへの入力電力が大き
くなる場合において、接地型吸収抵抗の温度上昇を抑え
ることができる。また、接地型吸収抵抗6aを電力分配
・合成器分布定数線路部7から離しているので、電力分
配・合成器分布定数線路部7の温度上昇も抑えることが
できる。
【0037】また、出力端子3aに接続されている負荷
に異常不整合が生じた場合は、接地型吸収抵抗に過電力
が入力することとなるが、吸収抵抗が異常温度上昇して
も、異常温度をサーモスタット15aで検出してサーモ
アラームを保護回路10でモニタすることができるの
で、吸収抵抗を大電力による損傷から保護することがで
きる。また、接地型吸収抵抗の温度上昇が低減され、ま
た保護回路を設けているので、接地型吸収抵抗は、高温
スペックにしたり、定格電力を運用想定以上に大電力化
する必要がなく安価なものにすることができる。また、
入力端子2から出力端子3aまでの主線路側では無く、
接地型吸収抵抗器から電気的に離れた位置に異常温度検
出用のサーモスタットを設けているので、主線路の特性
を劣化させること無く、保護機能を備えることができ
る。また、出力端子に接続されている負荷の異常検出に
も使うことができる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、この発明の高周波電力分
配・合成器によれば、吸収型接地抵抗器への給電を1c
m以上100m以下の電送線路で行い、吸収型接地抵抗
器を分布常数線路に直付けしないので、高周波電力分配
・合成器の信頼性を向上させることができる。
【0039】また、吸収型接地抵抗器を分布常数線路か
ら1cm以上の距離、即ち、熱的に隔離して配置してい
るので、分布常数線路の熱的な劣化を防止することがで
きる。
【0040】また、吸収型接地抵抗器への電送線路の途
中に挿入したカップラ、又はパワーセンシングターミナ
ルで吸収型接地抵抗器へ給電される電力を信号としてピ
ックアップし、この信号を保護回路に入力して、前記電
力が所定のレベルを超えたとき、高周波電力分配・合成
器への入力電力を停止するか又は低減するようにしてい
るので、装置が保護されるとともに、抵抗器の電力容量
に余裕を持たせる必要がない。
【0041】また、吸収型接地抵抗器を分布常数線路か
ら離したことにより、高周波的に影響を与えることなく
これにサーモスタットを取り付けることができ、保護が
容易に行える。
【0042】この発明によるアンテナ装置は、高周波電
力分配・合成器の吸収型接地抵抗器を伝送線路により分
布常数線路から熱的に隔離して、アンテナ装置内の筐体
に配置しているので、信頼性が高くなると言う効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の高周波電力分配・
合成器の構成図である。
【図2】 図1の高周波電力分配・合成器の分配数n=
4の場合の電気特性図である。
【図3】 図2の特性を従来の特性と比較するための比
較説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態2の高周波電力分配・
合成器の構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態3の高周波電力分配・
合成器の構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態4の高周波電力分配・
合成器の構成図である。
【図7】 従来のウィルキンソン形の高周波電力分配・
合成器の構成図である。
【図8】 図7の高周波電力分配・合成器の特性図であ
る。
【符号の説明】
1a,1b 第1の1/4波長分布定数線路、 2
入力端子、3a,3b 出力端子、 4a,4b 第
2の1/4波長分布定数線路、5a,5b 第3の1/
4波長分布定数線路、6a,6b 接地形吸収抵抗器、
7 電力分配・合成器分布定数線路部、8a,8b
伝送線路、 9a,9b カップラ、10 保護
回路、 11a,11b 伝送線路、12
a,12b 伝送線路、13a,13b パワーセンシ
ングターミネーション、14a,14b アッテネー
タ、 15a,15b サーモスタット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 明夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 宮崎 守泰 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 吉川 義彦 神奈川県鎌倉市上町屋214番地 三菱電機 特機システム株式会社内 Fターム(参考) 5J013 DA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端を高周波電力の給電点とした第1の
    1/4波長分布定数線路、前記第1の1/4波長分布定
    数線路の他端に一端が接続された第2の1/4波長分布
    定数線路、前記第2の1/4波長分布定数線路の他端に
    一端が接続された第3の1/4波長分布定数線路、前記
    第2の1/4波長分布定数線路と前記第3の1/4波長
    分布定数線路の接続点に接続された長さが1cm以上1
    00m以下の伝送線路、前記伝送線路の先端に接続され
    た接地型吸収抵抗器を有する分配・合成回路、 複数の前記分配・合成回路の前記給電点を互いに接続す
    るとともに、前記第3の1/4波長分布定数線路の他端
    を互いに接続して構成したことを特徴とする高周波電力
    分配・合成器。
  2. 【請求項2】 前記接地型吸収抵抗器は前記第1の1/
    4波長分布定数線路、第2の1/4波長分布定数線路、
    第3の1/4波長分布定数線路のいずれからも、1cm
    以上離れて配置されたことを特徴とする請求項1に記載
    の高周波電力分配・合成器。
  3. 【請求項3】 前記伝送線路の途中に挿入され、前記接
    地型吸収抵抗器に消費される電力に応じた信号を出力す
    るカップラ、 前記カップラの出力側に接続され、前記信号が所定のレ
    ベルを上回るとき警報信号を出力する保護回路を備えた
    ことを特徴とする請求項2に記載の高周波電力分配・合
    成器。
  4. 【請求項4】 前記接地型吸収抵抗器は消費している電
    力に応じる信号を出力する信号出力端を有するパワーセ
    ンシングターミネーションで構成され、 前記信号出力端は、前記信号が所定のレベルを上回ると
    き警報信号を出力する保護回路に接続されたことを特徴
    とする請求項2記載の電力分配・合成器。
  5. 【請求項5】 前記接地形吸収抵抗の近傍に設置された
    サーモスタットスイッチ、 前記サーモスタットスイッチに接続され、前記サーモス
    タットスイッチが動作するとき警報信号を出力する保護
    回路を備えたことを特徴とする請求項2記載の高周波電
    力分配・合成器。
  6. 【請求項6】 高周波電力送信機を収納した筐体、 前記高周波電力送信機の出力端に一端が接続されるとと
    もに、それぞれが一端を給電点とした第1の1/4波長
    分布定数線路と、前記第1の1/4波長分布定数線路の
    他端に一端が接続された第2の1/4波長分布定数線路
    と、前記第2の1/4波長分布定数線路の他端に一端が
    接続された第3の1/4波長分布定数線路と、前記第2
    の1/4波長分布定数線路と前記第3の1/4波長分布
    定数線路の接続点に接続された長さが1cm以上100
    m以下の伝送線路と、前記伝送線路の他端に接続され発
    生した熱を前記筐体へ放熱可能に配置された接地型吸収
    抵抗器とを含む複数の分配・合成回路を有する高周波分
    配・合成器を備えたことを特徴とするアンテナ装置。
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CN105186089A (zh) * 2015-09-30 2015-12-23 南京航空航天大学 一种小型化大频比微波双频功分器
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WO2019159323A1 (ja) * 2018-02-16 2019-08-22 三菱電機株式会社 電力分配合成回路及び電力増幅モジュール

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