JP2003281565A - 表示デバイスの特性に依存しない光沢感再現方法 - Google Patents
表示デバイスの特性に依存しない光沢感再現方法Info
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Abstract
バイスの特性に依存しない光沢感再現方法を提供する。 【解決手段】 表示デバイスの特性に依存しない光沢感
再現方法であって、人が光沢感を知覚する傾向を主観評
価実験により測定し、前記傾向に対する知覚的特性と物
理的特性を結びつけることにより定量化を行い、光沢感
モデルに基づく等光沢感曲線を得て、この等光沢感曲線
に基づきデバイスの輝度に合わせて表面反射成分を変化
させ、商品の正確な光沢感再現を可能とする。
Description
性に依存しない光沢感再現方法に関するものである。
は、以下に示すようなものがあった。
et al.,A psychophysicall
y−based model of surface
gloss perception,SPIE Hum
an Vision andElectronic I
maging IV,pp.291−301,200
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レーシング、アスキー出版局、1999 〔12〕牧野都治、統計の知識、森北出版、1970 〔13〕本間友之、津村徳道、羽石秀昭、三宅洋一、偏
角分光イメージング法における物体の色と光沢成分の推
定に関する研究、千葉大学、修士論文、2001 近年、インターネットのブロードバンド化に伴い、イン
タラクティブな画像配信技術を利用した電子商取引シス
テムなどが急速に展開している。電子商取引システムで
は、顧客にディスプレイなどを通じて商品画像を提供す
るため、ディスプレイの特性に依存しない画像再現技術
が必要となる。
ディスプレイでは最大輝度や色再現域の違いから、商品
の正確な色や質感を顧客に伝えることが非常に困難であ
る。
い商品ではそれほど問題とならないが、洋服や美術品な
どの見た目がより重視される商品では大きな問題とな
る。
まざまな画像再現技術があるが、デバイスに依存しない
物体の質感再現に関してはまだ実現されていないのが現
状である。
な光沢感再現を可能とする表示デバイスの特性に依存し
ない光沢感再現方法を提供することを目的とする。
成するために、 〔1〕表示デバイスの特性に依存しない光沢感再現方法
において、人が光沢感を知覚する傾向を主観評価実験に
より測定し、前記傾向に対する知覚的特性と物理的特性
を結びつけることにより定量化を行い、光沢感モデルに
基づく等光沢感曲線を得て、この等光沢感曲線に基づき
デバイスの輝度に合わせて表面反射成分を変化させるこ
とをことを特徴とする。
に依存しない光沢感再現方法において、前記物理的特性
は反射モデルのパラメータであることを特徴とする。
に依存しない光沢感再現方法において、前記光沢感モデ
ルを構築するため、前記反射モデルの表面反射成分と画
像の輝度を様々に変化させた実験画像を作成することを
特徴とする。
に依存しない光沢感再現方法において、前記光沢感を得
る対象となるものが、電子商取引において顧客に対する
商品であることを特徴とする。
て詳細に説明する。
沢感再現モデルについて説明する。
mes A.Ferwerda氏ら(参考文献〔1〕)
により研究がなされている。本発明では、James氏
らの手法に基づき、さらにデバイスに依存している光沢
感再現という考え方を加えた定量的光沢感再現モデルを
構築した。ここでは、James氏らの研究と本発明で
用いた方法を例を挙げて説明する。
光沢感を自由に操作し、様々な光沢感を持った画像を作
成するため、物体の反射モデルを用いた。
反射の様子をモデル化したものであり、コンピュータグ
ラフィックスの分野で、画像生成を目的として使われ
る。
(参考文献〔6〕)、Oren−Nayarモデル(参
考文献〔5〕)、Torrance−Sparrowモ
デル(参考文献〔8〕)、Cook−Torrance
モデル(参考文献〔4〕)、Wardモデル(参考文献
〔3〕)などの様々なモデルが提案され、目的に応じて
使い分けられている。
た2色性反射モデルについて、James氏らが用いて
いるWardモデルについて、また、本発明で用いたP
hongモデルについて概説する。
haferの2色性反射モデル(Dichromati
creflection model)(参考文献
〔7〕)がよく用いられる。
に、物体表面からの反射光は表面反射光(表面反射光成
分)4と内部反射光(内部反射光成分)5と呼ばれる2
つの成分で構成される。表面反射光4は物体1と空気2
の屈折率の違いにより物体1表面で反射する光であり、
光源3の色を持つ。物体1内部に入った光は色素粒子1
A間で屈折・吸収・散乱を繰り返す。その際に波長に依
存して光が色素粒子1Aに吸収されるため、物体1から
の出射光である内部反射光5は物体1の色を持つ。後述
するWardモデルやPhongモデルも2色性反射モ
デルの一部である。
の光沢感を操作する反射モデルとして、Wardモデル
を用いた。Wardモデルは式(1)で表される。
RDF(Bidirectional Reflect
ance Distribution Functio
n:双方向性反射分布関数)であり、入射角( θi ,φ
i )、出射角(θo ,φo )、入射角と反射角の二等分
線δ、物体の内部反射成分ρd 、物体の表面反射成分の
強度ρs 、物体の表面反射成分の広がりαにより構成さ
れる。
化させることにより、物体に任意の光沢感を与えること
ができる。
中で、Phongモデルは比較的計算コストが低く、等
方的な反射面では正確な表現が可能である。また表面反
射と内部反射の反射光強度分布を表す標準的な方法であ
るため、ここでは、本発明ではPhongモデルを用い
たが、これに限定するものではなく、反射モデルであれ
ばなんでもよい。
対して正反射し、光の広がり方は楕円形になる。内部反
射光12は図4に示すように方向によらず一定の広がり
方になる。この2成分の性質から、式(2)、式(3)
に示す、光源角度θから照明した時の反射光強度が定義
される。
である。ks は表面反射成分を表しており、表面反射成
分の強度であるA1 と、その広がりA3 から構成され
る。
である。kd は内部反射成分を表しており、内部反射成
分の強度であるB1 から構成される。本発明では表面反
射成分のパラメータであるA1 とA3 を変化させること
により様々な光沢感を持った画像を作成し、主観評価実
験に使用した。
究と本発明では、人間の知覚的特性の測定のため、多く
の主観評価実験を行っている。主観評価実験によるデー
タの解析・検討には、後述するMultidimens
ional Scaling(参考文献〔2〕)を用い
た。また、データの取得・解析には、後述のMagni
tude Estimationを用いた。ここではJ
ames氏らの研究を例として取り上げ、これら2つの
心理物理学的手法について説明する。
James氏らの研究と本発明では主観評価実験により
得られたデータの解析・検討方法として、Multid
imensional Scaling(多次元尺度
法、以下、MDS)を用いた。MDSはデータの潜在的
な構造を明らかにする方法であり、対象の持つ類似性・
非類似性のデータを解析し、対象の持つ潜在的な構造を
最も適切に表現するように2次元平面、あるいは3次元
立体などに布置として出力する。得られた布置を検討す
ることで、対象の持っている明らかではなかった傾向を
見い出すことができる。
を説明する。
の距離が表1に示されている。
のは比較的簡単である。定規で都市間の距離を測り、そ
れを地図の縮尺に応じて実際の距離に変換すればよい。
しかし、逆に都市間の距離の表が既知であり、そこから
地図を再現する場合は前の問題より非常に難しい問題と
なる。そこで用いる手法がMDSである。
データを入力とする。ここでは各都市間の距離データを
非類似性データとして入力する。入力データをMDSで
処理することにより、多次元の布置が結果として得られ
る。今回は元のデータが地図であるので2次元が適当で
あると推測できるが、一般には1次元、2次元と増やし
ていき、適当な結果が得られるように次元数を調節す
る。布置が適当かを判断する基準であるStress
は、式(4)で表すことができる。
あり、入力データδi,j と出力である布置データΔi,j
の差の二乗和で表される。この値は出力された布置がど
の程度元のデータに適合して作られたかを示しており、
値が小さいほど最適な布置と言える。この例では出力さ
れた多次元の地図が、どの程度入力データである各都市
間の距離に沿って再現されているかを表しており、完全
に再現できた場合にはStressの値は0となる。
てMDSで再現する。
が表2であり、それを視覚化したものが図6である。
となっている。要素の数(この例では都市の数)が少な
いので、Stressの値は既に十分小さくなっている
が、ここではさらに次元数を上げてMDSを行う。
座標データが表3であり、それを視覚化したものが図7
である。
完全に布置が再現できたことを示している。地図から得
られた距離データなので2次元でStressの値が0
となるのは当然だが、一般には適切な結果が得られるま
でより高次元のMDSを行い、ある程度満足のできるS
tressの値の減少がみられた次元を用いる。この例
では表4と図8に示す減少が確認された。
られたので、2次元の布置で十分であると考えることが
できる。
的な説明をした。
Sにおけるデータの解析・検討方法について説明する。
覚的特性の傾向を見い出すために主観評価実験を行い、
データの解析・検討方法としてMDSを用いた。実験は
Wardモデルのパラメータを変化させた画像を用いて
行われた。2枚の画像を提示し、被験者は画像に対して
感じる光沢感の違いを0(光沢感の差が小さい)から1
00(光沢感の差が大きい)の100段階で入力する。
2枚の画像間の違いを非類似性のデータとしMDSの入
力として処理した結果、図9のような2次元の布置を得
た。
〔1〕)から抜粋したものである。布置よりαに関して
の鮮鋭さに対する傾向と、ρd ,ρs に関してのコント
ラストに対する傾向が確認されたため、これら2つの傾
向を元に後述のMagnitude Estimati
on(強度推定法、以下、ME)を行っている。
する傾向を見い出すために用いた。2つの画像を提示し
た際に知覚される光沢感の違いを非類似性のデータとし
てMDSで処理し、出力として得られた布置から人間の
光沢感知覚特性の傾向を見い出すために用いた。
築)James氏らの研究と本発明では主観評価実験に
おいてのデータ取得・解析法として、MEを用いた。M
Eは、主観評価実験により複数の特性間のデータを求め
回帰分析にかけることにより、特性間の関係を定式化す
る手法である。
者がもつ2つの傾向と、Wardモデルのパラメータρ
d ,ρs ,αの関係を定式化するため、MEを用いて主
観評価実験を行った。MEの結果、式(5)に示す鮮鋭
さに対してのモデル式と、式(6)に示すコントラスト
に対してのモデル式が得られた。
0〔James氏らの論文(参考文献〔1〕)から抜
粋〕に示したような知覚的に一様な光沢感空間が求めら
れた。
図11〔James氏らの論文(参考文献〔1〕)から
抜粋〕である。
が強く知覚される。下段は補正後の画像で、色に依存せ
ず同様な光沢感であることが分かる。
心理的特性と、Phongモデルのパラメータと画像の
最大輝度である物理的特性の関係を明らかにするために
用いた。詳しくは後述する。
主観評価実験の手法を説明した。以降は、James氏
らの論文の手法に基づき、さらに表示デバイスに依存し
ない光沢感再現という考え方を加えた、本発明における
定量的光沢感再現モデルについて説明する。
再現モデルについて説明する。
に習い、最大輝度に依存しない定量的光沢感モデルの構
築を行った。James氏らは内部反射成分に関しての
定量的光沢感再現モデルを構築した。本発明ではさらに
表示デバイスの特性に依存しない光沢感再現という考え
方を取り入れ、画像表示デバイスの最大輝度を考慮した
光沢感定量化再現モデルを構築する。
コストが低く、等方的な反射面では正確な表現が可能で
あるPhongモデルを用いた。また主観評価実験での
データ取得・解析法としてMEを、得られたデータの解
析・検討手法としてMDSを用いた。デバイスの最大輝
度を最大画素値と仮定し、同一のディスプレイの下でモ
デル式の構築を行った。異なるディスプレイでの有効性
の確認は後述する。
は以下のようである。
発明では人間が光沢感を知覚する際の傾向を測定するた
め、主観評価実験を行った。異なるディスプレイでの最
大輝度に関しての知覚的特性を測定することを目的とし
て、まず、同一のディスプレイで最大画素値の変化を最
大輝度の変化と仮定した実験を行った。被験者に2枚の
ディジタル画像を提示し、その画像に対して知覚する光
沢感の差異のデータを得ることで光沢感知覚特性の傾向
を測定することができる。
様々に変化させた画像を用意する。変化させたパラメー
タは,画像の最大画素値とPhongモデルのパラメー
タA1 ,A3 である。画像のモデリング及びレンダリン
グは、幅広く使用されている、レイトレーシングソフト
POV−Ray(参考文献〔11〕)を用いて行った。
1 と、広がりA3 はPOV−Rayに与えるパラメータ
を変化させることにより容易に操作することができる。
最大画素値を変化させる際に輝度と画素値の対応関係が
必要となるので、ディスプレイの輝度と画素値の関係を
輝度測定器により測定した。使用した輝度測定器はTO
PCON製のBM−7である。また、ディスプレイには
MITSUBISHI製のRDF22Hを用いた。測定
の結果、表5に示す結果が得られ、また図12に示すデ
ィスプレイの特性曲線が求められた。
が求められるので、画像の最大画素値の変化をディスプ
レイの最大輝度の変化と仮定して、任意の最大輝度に対
しての画像を作成することができる。
変化させた画像を作成した。
0.99の3通り、A3 を0.004,0.007,
0.010の3通り、最大画素値Vmax を239,22
8,189の3通り変化させ27通りの組み合わせの画
像を作成した。実際にディスプレイ上に表示される画素
値Iは、式(7)のように表される。図13に作成した
画像の一例を示す。
を行った。実験はプログラムを作成して行った。左の画
像と右の画像を別々のディスプレイと仮定して、提示さ
れた2つの画像に対して感じた光沢感の差を0(光沢感
の差が小さい)から100(光沢感の差が大きい)まで
の数値で入力する。実験は8人の被験者により行われ、
351通りの画像の組み合わせの内、ランダムに選択し
た100組を用いて行った。
させないため、図14に示す両眼隔壁法(hapros
copic method)(参考文献〔10〕)を用
いた。この図14において、21はサブジェクト、22
は壁、23は右イメージ、24は左イメージである。
順応してしまう特性があるため、左目と右目の間に壁2
2を設けることで左右の目の順応状態を分離することが
できる。
した。表6と図15が次元に対するStressの値の
減少を示している。2次元である程度のStressの
値の減少が見られ、3次元以降は次元増加に対するSt
ressの値の減少がそれほど大きくなかったため、2
次元の布置を用いた。
DSの出力として得られた布置が図16である。この布
置では分かりにくいため、データを画像に置換して出力
するプログラムを作成した結果、図17に示すような布
置が得られた。
向に向かって画像の鮮鋭さが傾向として知覚された。鮮
鋭さはパラメータA3 による傾向であるので、人間が光
沢感を知覚する傾向はA3 による鮮鋭さであると言え
る。もう1つの傾向は確認されなかったが、残りのA1
と最大画素値に関する傾向が考えられるため、この2つ
の傾向を用いて後述するように光沢感知覚特性の定量化
を行う。
化)上記の実験で人間の光沢感知覚特性の傾向が確認さ
れたので、その傾向と物理的パラメータを関係づけ定量
化するため、MEを用いて主観評価実験を行った。実験
は後述する主観評価実験プログラムを作成して行った。
1 及び最大画素値に関する傾向と、物理的特性であるA
1 の値及び最大画素値を定量化するため行った。この実
験ではA3 =0.004に固定し、A1 =(0.17,
0.33,0.50,0.66,0.83,0.99)
の6通り、最大画素値Vmax =(242,240,23
1,215,192)の5通りの組み合わせにより、全
30枚のディジタル画像を用いて行った。
3 に関する鮮鋭さに関しての傾向と、物理的特性である
A3 の値を定量化するため行った。この実験ではA1 =
0.99、最大画素値は242に固定し、A3 =(0.
001,0.003,0.005,0.007,0.0
09,0.011,0.013,0.015,0.01
7,0.019)の10通りの組み合わせにより全10
枚のディジタル画像を用いて行った。
人の被験者は提示された画像に対して知覚する光沢感
を、スライダーを用いて0(光沢感を感じない)から1
00(光沢感を強く感じる)までの数値で入力する。得
られたデータを個人差を考慮して、式(8)を用いて0
から100に正規化した。個人のそれぞれの画像に対す
る主観評価値Sbeforeの集合において、maxは集合に
おける最大値、minは集合における最小値,Safter
は正規化後の主観評価値を表している。
平均を求め、平均±標準偏差の信頼区間外(参考文献
〔12〕)のデータは入力ミス・測定誤差として除外し
た。データをSPSSにより回帰分析した結果、式
(9),式(10)に示すモデル式が得られた。式中の
Vmax は最大画素値を表す。
ータを変化させることにより、図18、図19に示す等
光沢感曲線が得られた。等光沢感曲線上の画像は、同等
に知覚されることがわかっているため、最大輝度の制限
に合わせて画像を選択することにより、最大輝度に依存
しない光沢感再現が可能となる。ここまではA1 及び最
大画素値とA3 を異なる尺度内で扱ってきたが、後述で
は3要素を同一の尺度内で考える。
化)上記までは、同時にA1 及び最大画素値、またはA
3 のみ変化させていたが、それぞれのパラメータを同一
な尺度内で扱うため、ここでは3つのパラメータを同時
に変化させてMEを用いた主観評価実験を行う。実験は
主観評価実験プログラムを作成して行った。
0.66,0.83,0.99)の6通り、A3 =
(0.001,0.005,0.009,0.013,
0.017,0.021)の6通り、最大画素値はV
max =(247,228,207,184,157,1
25,79)の7通りの組み合わせにより、全252枚
のディジタル画像を作成し、その中から150枚の画像
をランダムに選択して行った。画像は一度に1枚提示さ
れ、6人の被験者は提示された画像に対して知覚する光
沢感を、スライダーを用いて0(光沢感を感じない)か
ら100(光沢感を強く感じる)までの数値で入力す
る。
した結果、式(11)に示すモデル式が得られた。
ータを変化させることにより等光沢感曲面が得られた.
図20はglossγ=50での等光沢感曲面である。
なお、γはサフィックスである(以下、同様)。
が図21である。図22はglossγ=50,75,
100での等光沢感曲面である。これら等光沢感曲面に
近似曲面を加えたものが図23である。図20の等光沢
感曲面において、A3 を一定とした断面図より得られた
ものが、図24の等光沢感曲線である。A1 を一定とし
た断面図より得られたものが、図25の等光沢感曲線で
ある。
画像は、主観評価実験により同等に知覚される事が分か
っている。そのためデバイスの最大輝度の制限に合わせ
て画像を選択することにより、最大輝度に依存しない光
沢感再現が可能となる。後述では本モデル式に基づいた
表示デバイスの特性に依存しない光沢感再現の応用例に
ついて説明する。ここまでは最大画素値を最大輝度の制
限と仮定して実験を行ってきた。また、用いたディスプ
レイは同一のものである。後述ではこのような制限の下
で求められたモデル式が、異なるディスプレイにおいて
実際にどの程度効果があるかの有効性を確認する。
とその応用例)ここまでは同一のディスプレイでの実験
のため、最大輝度の違いを最大画素値の違いと仮定して
実験を行ってきた。ここでは、このような仮定に基づい
て構築された定量的光沢感再現モデルが、異なるディス
プレイにおいてどの程度の有効性を持っているかを確認
する実験を行う。また、実際に本モデルを適用した応用
例を示す。
では、最大輝度の異なるディスプレイを用いて、モデル
式の有効性を確認した。
たディスプレイを用いた。
本モデルの今後の応用を考慮して携帯電話のディスプレ
イも用いた。今後の応用・展望に関しては後述する。
話を用い、それぞれに対して主観評価実験プログラムを
作成して行った。実験の際のディスプレイの配置は図2
6に示す通りであり、左側にSHARP UXGA、中
央にDoCoMo P503iS、右側にMITSUB
ISHI RDF22Hを設置した。
ム、DoCoMo P503iSには実験プログラム
(図27参照)の、MITSUBISHI RDF22
Hには実験プログラムをそれぞれ用いた。SHARP
UXGAとMITSUBISHIRDF22Hは同一の
PCのデュアルディスプレイビデオカードにより同期さ
れている。
度に適した画像と、その最大輝度の−40%,−30
%,−20%,−10%,+10%,+20%,+30
%,+40%の9通りの最大輝度を持つディスプレイに
適した画像を、glossγ=50,75,100の3
通りで作成し、3台のディスプレイに対してそれぞれ2
7枚づつ、計81枚の画像を用いた。画像は一度にディ
スプレイ3台のうちの1台に1枚提示され、7人の被験
者は提示された画像に対して知覚する光沢感を、スライ
ダーを用いて0(光沢感を感じない)から100(光沢
感を強く感じる)までの数値で入力する。
し、データを2次元上にプロットして検討した。glo
ssγ=50での各ディスプレイの主観評価値が図28
である。それぞれのグラフにおいてAのグラフがSHA
RP UXGA用、BのグラフがMITSUBISHI
RDF22H用、CのグラフがDoCoMo P50
3iS用の画像である。横軸は基準の輝度からの変化の
割合を示しており、縦軸は主観評価値である。
レイの主観評価値が図29であり、glossγ=10
0での各ディスプレイの主観評価値が図30である。な
お、図29及び図30においても、AのグラフがSHA
RP UXGA用、BのグラフがMITSUBISHI
RDF22H用、CのグラフがDoCoMo P50
3iS用の画像である。
大輝度に適合するように、モデル式によりA1 ,A3 の
パラメータを変化させたものである。この値がそれぞれ
のglossγで近い主観評価値となれば、モデル式に
よる光沢感の補正が正しく行われたと言える。それぞれ
のglossγにおいて、0%の最大・最小主観評価値
の差は、glossγ=50においてΔ50=3.35,
glossγ=75においてΔ75=0.87,glos
sγ=100においてΔ100 =9.25となっており、
glossγの高い値ではΔが少し大きくなるものの、
かなり優秀な結果が得られたと言える。図31は、それ
ぞれのglossγにおいての0%での主観評価値であ
る。
スプレイが表示できる明度の限界を超えてしまい、明度
が飽和してしまう。そのためΔが少し大きくなったと考
えられる。本実験により、本モデルが最大輝度が異なる
ディスプレイの光沢感を補正することに、十分有効であ
ることが分かった。
デルは上記した主観評価実験に基づき定式化され、上記
でその有効性が確認できた。ここでは実際に最大輝度が
既知のディスプレイに適用し光沢感を補正した例を挙げ
ながら、本モデルを適用するアルゴリズムについて説明
する。手順は、まず最初にモデル式にデバイスの最大輝
度を入力する。次に、モデル式に基づいてパラメータA
1 ,A3 を決定する。最後に求められたパラメータを用
いて画像をレンダリングする。
に画像を表示する場合を考える。画像の送信者である企
業Aは、商品であるティーポットの画像をネットワーク
を通じて顧客B,顧客Cに提供している。顧客B,Cと
もに携帯電話を使用してショッピングのWebサイトに
アクセスし、携帯電話のディスプレイを通じて商品画像
を閲覧する。顧客Bの携帯電話には従来通りの画像が表
示され、顧客Cの携帯電話は本モデル式による光沢感補
正アルゴリズムを適用した画像が表示される。
いるデバイス情報を取得し、その最大輝度に合わせた画
像をレンダリングして顧客に提供する。図32は企業が
準備しておいた商品の原画像である。図33は最大輝度
の低い携帯電話に原画像を補正せずに表示した場合であ
る。紙面上で表現するため、便宜上最大画素値を落とし
てある。原画像を補正せずに閲覧すると、最大輝度が低
いため光沢感が少なく知覚され、顧客Bは正確な光沢感
を得ることができない。そのため商品が配送されてか
ら、実物と商品画像の際に気づき返品される可能性があ
る。
ゴリズムを適用した画像である。顧客Cは正確に光沢感
が再現された画像を閲覧することで、実物と同じ光沢感
を得られる。
ルゴリズムを適用することで、正確な光沢感を再現する
ことができる。図35に本モデル式に基づいた商品画像
の作成の手順を、図36にオンラインショッピングの概
念図を示す。
es氏らの研究に基づき、さらに最大輝度を考慮した表
示デバイスの特性に依存しない光沢感表現を実現するこ
とを目的とした定量的光沢感再現モデルの開発を行っ
た。MDSを用いて人間の知覚的特性の傾向を求め、そ
の傾向に対してMEにより主観評価実験を行うことで知
覚的特性と物理的特性の関係を求め定量化を行った。主
観評価実験に基づいたデータを用いることにより、人間
の知覚的特性に基づいた定量的光沢感モデルを構築する
ことができた。また、実際に最大輝度の異なるディスプ
レイでの有効性検証実験により、本モデルが異なるディ
スプレイの光沢感を補正することに、十分有効であるこ
とが分かった。
感再現を目的としているため、光沢感だけでなく透明感
やざらつきなどの質感に関する他の特性への本モデルを
構築したアルゴリズムの応用が考えられる。また、本発
明ではレンダリングした合成画像を用いているが、本発
明が目的とする電子商取引システムなどへの応用には、
本方法の実物体への応用が不可欠である。
示すような配信システムの構築を考えている。サーバ3
1上には、商品の偏角分光情報(参考文献
3)〕と3次元情報33を用意しておく。ユーザー34
は最大輝度・最小輝度・解像度・画像サイズ・表示色数
・ファイルタイプなどのデバイス情報と、照明などの環
境情報をサーバに送信する。サーバ31ではユーザー3
4から受け取った情報をもとにPC Cluster3
2によりリアルタイムレンダリングし、画像をユーザー
34に配信する。このような商品画像配信システムを構
築することで、実際の商品に応用できるレンダリングシ
ステムの構築を考えている。
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
よれば、電子商取引において顧客に対して商品の正確な
光沢感再現を可能とすることができる。
ある。
図である。
る。
る。
示す図である。
る。
図である。
曲面を示す図である。
沢感曲面を示す図である。
沢感曲面と近似曲面を示す図である。
る。
る。
である。
である。
図である。
である。
ャートである。
示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】(a)人が光沢感を知覚する傾向を主観評
価実験により測定し、(b)前記傾向に対する知覚的特
性と物理的特性を結びつけることにより定量化を行い、
(c)光沢感モデルに基づく等光沢感曲線を得て、
(d)該等光沢感曲線に基づきデバイスの輝度に合わせ
て表面反射成分を変化させることを特徴とする表示デバ
イスの特性に依存しない光沢感再現方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の表示デバイスの特性に依
存しない光沢感再現方法において、前記物理的特性は反
射モデルのパラメータであることを特徴とする表示デバ
イスの特性に依存しない光沢感再現方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の表示デバイスの特性に依
存しない光沢感再現方法において、前記光沢感モデルを
構築するため、前記反射モデルの表面反射成分と画像の
輝度を様々に変化させた実験画像を作成することを特徴
とする表示デバイスの特性に依存しない光沢感再現方
法。 - 【請求項4】 請求項1記載の表示デバイスの特性に依
存しない光沢感再現方法において、前記光沢感を得る対
象となるものが、電子商取引において顧客に対する商品
であることを特徴とする表示デバイスの特性に依存しな
い光沢感再現方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002079328A JP2003281565A (ja) | 2002-03-20 | 2002-03-20 | 表示デバイスの特性に依存しない光沢感再現方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002079328A JP2003281565A (ja) | 2002-03-20 | 2002-03-20 | 表示デバイスの特性に依存しない光沢感再現方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003281565A true JP2003281565A (ja) | 2003-10-03 |
Family
ID=29228842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002079328A Pending JP2003281565A (ja) | 2002-03-20 | 2002-03-20 | 表示デバイスの特性に依存しない光沢感再現方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003281565A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006051841A1 (ja) * | 2004-11-15 | 2006-05-18 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | 質感再現システム |
US10606545B2 (en) | 2017-10-30 | 2020-03-31 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Display apparatus, scanner, and non-transitory computer readable medium |
-
2002
- 2002-03-20 JP JP2002079328A patent/JP2003281565A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006051841A1 (ja) * | 2004-11-15 | 2006-05-18 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | 質感再現システム |
US10606545B2 (en) | 2017-10-30 | 2020-03-31 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Display apparatus, scanner, and non-transitory computer readable medium |
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RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
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