JP2003279646A - 目標群識別装置、目標群識別方法及びプログラム - Google Patents

目標群識別装置、目標群識別方法及びプログラム

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JP2003279646A
JP2003279646A JP2002086463A JP2002086463A JP2003279646A JP 2003279646 A JP2003279646 A JP 2003279646A JP 2002086463 A JP2002086463 A JP 2002086463A JP 2002086463 A JP2002086463 A JP 2002086463A JP 2003279646 A JP2003279646 A JP 2003279646A
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JP2002086463A
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Hidetoshi Tanaka
秀俊 田中
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目標目的の確認がとれた過去の実測値を用い
ることなく、識別用の情報が入手できない状況であって
も目標群内の目標の目標目的を識別することができる目
標識別装置を提供する。 【解決手段】 目標群の行動及びこれを構成する目標の
形状に関する諸元の観測データから目標群の行動を規定
する目標群行動特性時系列16と、目標群内の目標の形
状特性の変化を規定する受信形状特性統合17とからな
る未確認目標群レコードD4aを生成し、過去の観測に
て得られた事例レコードD4bのうち、識別すべき目標
群との未確認目標群レコードD4a間の類似度が所定値
以上となるものを抽出する一方、識別すべき目標群の目
標群行動特性時系列16に従った模擬用の目標の行動を
模擬して模擬事例レコードD6を生成し、模擬事例レコ
ードD6及び事例レコードD4bを用いて、未確認目標
群レコードD4aとの類似度が所定値以上となる目標目
的を識別結果とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は航空機などの目標
が複数集まって構成される目標群について個々の目標の
種類やその個数、編隊形状などを識別する目標群識別装
置、目標群識別方法及びプログラムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の目標識別装置の構成を示
すブロック図であり、レーダ波を観測手段として目標で
ある航空機などの機種を識別する目標識別装置について
示している。図において、100はレーダ波受信部であ
って、目標に関与したレーダ波を受信して反射波の強度
や偏波成分ごとの値などの特性をまとめた受信レコード
を生成する。101は機種別蓄積部で、過去にレーダ波
受信部100から取得した受信レコードとこれに対応す
る機種とを対応付けた類似候補レコードを蓄積する。1
02は機種判定部であって、機種別蓄積部101が選択
した受信レコード間の類似度が所定値以上あって機種数
が最も多いものを推定結果と判定して提示する。
【0003】次に動作について説明する。不図示のレー
ダアンテナから送出されて目標である航空機などに関与
したレーダ波は、レーダ波受信部100によって受信さ
れる。このとき、レーダ波受信部100は、目標に関与
したレーダ波の特性(例えば、反射波の強度や偏波成分
ごとの値)をまとめた受信レコードを生成し情報d1と
して機種別蓄積部101に送出する。
【0004】ここで、例えば特開平5−157839号
公報に開示される機種識別を行うレーダ装置では、レー
ダアンテナや上記レーダ波受信部100の機能において
捜索用・追尾用レーダ波とは異なる発射系特性値を持つ
識別用レーダ波を用いる。これによって、高い精度の空
間系及び反射系特性値を獲得することができ、識別率の
向上を実現している。
【0005】次に、機種別蓄積部101は、レーダ波受
信部100から得た受信レコードに対して、過去に蓄積
された類似候補レコードの中から、受信レコード部分同
士が所定値以上の類似度を有する単数又は複数の組を検
索する。この検索には、機種別蓄積部101に予め設定
しておいた機種ごとに固有な識別用の情報を用いる。例
えば、特開2001−221857公報に開示される逆
合成開口レーダ装置及び逆合成開口レーダ画像を用いた
目標識別方法では、機種ごとに固有な形状などを表す目
標形状モデルを予め蓄積しておき、これと逆合成開口レ
ーダ画像(例えば、逆合成開口レーダ画像の大きさに着
目)との類似判定を行っている。
【0006】また、例えば特開昭60−56276号公
報に開示される航空機識別装置では、目標である航空機
ごとに固有のジェットエンジンコンプレッサ回転数を予
め保持している。これにより、機種別蓄積部101は、
反射系特性値の1つであるドップラ周波数から算出した
ジェットエンジンコンプレッサ回転数と自己に予め設定
された値とを比較して類似検索を行う。
【0007】ここで、類似性について説明すると、例え
ば受信レコードが垂直−垂直偏波、垂直−水平偏波、水
平−水平偏波の3成分からなるベクトルで表現されてい
た場合、ベクトル間のユークリッド距離で類似度を定義
し、当該距離が小さいものを類似性が高いとして選択す
る。これにより、距離の昇順に基づいて所定の組数の類
似候補レコードを選択することが可能である。このよう
にして類似性の高い類似候補レコードを検索すると、機
種別蓄積部101は、当該検索結果の受信レコードと類
似候補レコードとを情報d2として機種判定部102に
送出する。
【0008】続いて、機種判定部102では、機種別蓄
積部101から得た類似候補レコードと受信レコードの
類似性に基づいて機種推定を行いユーザに提示する。こ
の機種推定には、機種別蓄積部101から得た受信レコ
ードの類似度が所定値以上ある類似候補レコードの中で
機種数が最も多いものを機種推定とする。
【0009】このあと、ユーザから機種確認(例えば、
レーダ波受信部100から得た受信レコードに対応する
機種の正解)が得られると、機種判定部102は、当該
機種確認を上記受信レコードに対応付けて、新しい類似
候補レコードである情報d3として機種別蓄積部101
に送出する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の目標識別装置は
以上のように構成されているので、単独で行動する目標
の種類を識別する構成であることから、複数の目標を扱
う場合には、追尾などによって各目標に分離し、単独の
目標として情報を統合してから適用する必要があった。
このため、目標の分離や同定ができない場合には機種の
識別や目標の行動目的を識別することができないという
課題があった。
【0011】また、従来の目標識別装置では、機種識別
用の情報若しくは機種確認がとれた観測情報を用いる必
要があるため、上記情報が設定されていない未知機種に
関して全く機能しないという課題があった。
【0012】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、複数の模擬用の目標候補からなる
目標群によって模擬的に決定した形状特性と、識別対象
の目標群の観測により得られた形状特性との類似性を判
定することにより、目標目的(目標群中の目標の種類と
その行動目的)の確認がとれた過去の実測値を用いるこ
となく、識別用の情報が入手できない状況であっても目
標群を構成する各目標に関する目標目的や編隊形状を識
別することができる目標群識別装置、目標群識別方法及
びプログラムを得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係る目標群識
別装置は、時系列に入力される目標群の行動及びこれを
構成する目標の形状に関する諸元の観測データから目標
群の行動を規定する時系列行動情報と目標群内の目標の
形状特性の時系列変化を規定する形状統合情報とを含ん
でなる目標実測情報を生成する実測情報生成手段と、目
標群内の目標の種類及び行動目的を特定する目標情報の
識別結果とこれに対応する目標実測情報とを含んでなる
事例情報を蓄積すると共に、過去の観測で蓄積した事例
情報のうち識別すべき目標群との目標実測情報間の類似
度が所定値以上となる事例情報を抽出する事例情報蓄積
手段と、模擬用の目標の種類及び行動目的を特定する模
擬用の目標情報及びその形状特性に関する情報が予め設
定されており、識別すべき目標群の時系列行動情報及び
これに従った模擬用の目標の行動を模擬して得られる形
状統合情報並びに模擬用の目標情報を含んでなる模擬事
例情報を生成する模擬情報生成手段と、模擬事例情報及
び事例情報蓄積手段が抽出した事例情報のうちから、目
標実測情報の形状統合情報及び時系列行動情報の類似度
が所定値以上となる情報を選別し、当該情報に対応する
目標情報を識別結果として出力する識別手段とを備える
ものである。
【0014】この発明に係る目標群識別装置は、観測デ
ータから得られる目標群の空間的位置に関する情報を観
測時刻順に対応付けてなる情報及び/又は目標群の空間
的位置に関する情報を所定の集計時間ごとに集計した集
計値を観測時刻順に配置した情報を時系列行動情報とし
て生成するものである。
【0015】この発明に係る目標群識別装置は、各観測
時刻ごとに、目標群内の各目標の形状特性に関する情報
を、当該目標群内の一の目標の位置座標点を中心に統合
して表現した情報を形状統合情報として生成するもので
ある。
【0016】この発明に係る目標群識別装置は、観測デ
ータから時系列行動情報及び形状統合情報を抽出する時
間幅を適宜変更するものである。
【0017】この発明に係る目標群識別装置は、目標の
種類及び行動目的を表現する概念を階層化して目標情報
を1つのノードとする階層情報を備えるものである。
【0018】この発明に係る目標群識別装置は、事例情
報蓄積手段が過去の観測で蓄積した事例情報のうち、識
別すべき目標群との目標実測情報間の類似度が所定値以
上となる事例情報を抽出するにあたり、両情報の時系列
行動情報間の類似検索と形状統合情報間の類似検索とを
互いに異なる検索方式で実施するものである。
【0019】この発明に係る目標群識別装置は、模擬情
報生成手段に模擬用の目標の種類及び行動目的を特定す
る目標情報及びその形状特性に関する情報が複数組設定
されており、当該複数の模擬用の目標に関する模擬を同
時に並行して実行するものである。
【0020】この発明に係る目標群識別装置は、目標の
種類及び行動目的を表現する概念を階層化して、目標情
報を1つのノードとする階層情報を備え、識別手段が、
模擬事例情報及び事例情報蓄積手段が抽出した事例情報
のうち目標実測情報の形状統合情報との類似度が所定値
以上となる形状統合情報を類似形状情報として抽出する
類似形状情報抽出部と、階層情報において類似形状情報
に対応する目標情報間で共通する上位概念の目標の種類
及び/又は行動目的に相当する目標情報を形状系推定結
果として抽出する形状系推定部と、事例情報蓄積手段が
抽出した事例情報のうちから、目標実測情報の時系列行
動情報との類似度が所定値以上となる時系列行動情報を
類似時系列行動情報として抽出する類似行動情報抽出部
と、階層情報において類似時系列行動情報に対応する目
標情報間で共通する上位概念の目標の種類及び/又は行
動目的に相当する目標情報を事例系推定結果として抽出
する事例系推定部と、階層情報において形状系推定結果
と事例系推定結果との間で共通する上位概念の目標の種
類及び/又は行動目的に相当する目標情報を識別結果と
して選別する識別処理部とからなるものである。
【0021】この発明に係る目標群識別装置は、識別手
段が、識別結果に対して確認及び/又は訂正があると、
これを反映させた確認結果を生成し、事例情報蓄積手段
が、確認結果を事例情報に対応付けて蓄積するものであ
る。
【0022】この発明に係る目標群識別装置は、識別手
段が、事例情報内に確認結果に相当する目標情報があれ
ば、当該目標情報を用いて識別処理を実行し、確認結果
に相当する目標情報がなければ、識別結果に相当する目
標情報を用いて識別処理を実行するものである。
【0023】この発明に係る目標群識別方法は、時系列
に入力される目標群の行動及びこれを構成する目標の形
状に関する諸元の観測データから目標群の行動を規定す
る時系列行動情報と目標群内の目標の形状特性の時系列
変化を規定する形状統合情報とを含んでなる目標実測情
報を生成する実測情報生成ステップと、過去の観測にて
得られた目標群内の目標の種類及び行動目的を特定する
目標情報の識別結果とこれに対応する目標実測情報とを
含んでなる事例情報のうち、識別すべき目標群との目標
実測情報間の類似度が所定値以上となる事例情報を抽出
する事例情報抽出ステップと、予め設定しておいた模擬
用の目標の種類及び行動目的を特定する模擬用の目標情
報及びその形状特性に関する情報を用いて、識別すべき
目標群の時系列行動情報及びこれに従った模擬用の目標
の行動を模擬して得られる形状統合情報並びに模擬用の
目標情報を含んでなる模擬事例情報を生成する模擬情報
生成ステップと、模擬事例情報及び事例情報抽出ステッ
プにて抽出した事例情報のうちから、目標実測情報の形
状統合情報及び時系列行動情報の類似度が所定値以上と
なる情報を選別し、当該情報に対応する目標情報を識別
結果とする識別ステップと、識別結果に対して確認及び
/又は訂正があると、これを反映させた確認結果を生成
して事例情報に対応付けて蓄積する事例格納ステップと
を備えるものである。
【0024】この発明に係るプログラムは、時系列に入
力される目標群の行動及びこれを構成する目標の形状に
関する諸元の観測データから目標群の行動を規定する時
系列行動情報と目標群内の目標の形状特性の時系列変化
を規定する形状統合情報とを含んでなる目標実測情報を
生成する実測情報生成手段、目標群内の目標の種類及び
行動目的を特定する目標情報の識別結果とこれに対応す
る目標実測情報とを含んでなる事例情報を蓄積すると共
に、過去の観測で蓄積した事例情報のうち識別すべき目
標群との目標実測情報間の類似度が所定値以上となる事
例情報を抽出する事例情報蓄積手段、模擬用の目標の種
類及び行動目的を特定する模擬用の目標情報及びその形
状特性に関する情報が予め設定されており、識別すべき
目標群の時系列行動情報及びこれに従った模擬用の目標
の行動を模擬して得られる形状統合情報並びに模擬用の
目標情報を含んでなる模擬事例情報を生成する模擬情報
生成手段、模擬事例情報及び事例情報蓄積手段が抽出し
た事例情報のうちから、目標実測情報の形状統合情報及
び時系列行動情報の類似度が所定値以上となる情報を選
別し、当該情報に対応する目標情報を識別結果として出
力する識別手段としてコンピュータを機能させるもので
ある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による目
標群識別装置の構成を示すブロック図である。図におい
て、1は遠隔監視部(実測情報生成手段)であって、複
数の目標候補からなる目標群の観測データを取得して観
測ごとに監視レコードD1及び模擬用レコードD2を生
成する。ここで、目標候補とは各観測で一の目標として
認識される目標であって、追尾などによって観測間で一
の目標として同定されていないものを指している。な
お、本発明で取り扱う目標群は、同一種類の複数の目標
が同じ速度で既定形状の編隊を組んでいるものを前提と
している。また、監視レコードD1とは、模擬用レコー
ドD2と観測により得られた目標群の静的特性を示す受
信形状特性とからなる情報である。さらに、模擬用レコ
ードD2は、目標群ごとの観測データを識別する群識別
子、目標群の観測条件を示す監視特性、及び観測により
得られた目標群の動的特性を示す目標群行動特性からな
る情報である。2は目標目的蓄積部(実測情報生成手
段、事例情報蓄積手段)で、遠隔監視部1から取得した
監視レコードD1のうちから同一の群識別子12を有し
て所定の時間幅内の観測時刻における監視レコードD1
を集めて未確認目標群レコード(目標実測情報)D4a
を生成する。この未確認目標群レコードD4aは、目標
群の動的特性を表す目標群行動特性を時系列処理した目
標群行動特性時系列(時系列行動情報)、及び時系列的
に得られた受信形状特性を統合処理して得られる受信形
状特性統合(形状統合情報)からなる情報である。
【0026】また、目標目的蓄積部2は、過去に蓄積さ
れた事例レコード(事例情報)D4bに対して類似検索
して得られる単数又は複数の事例レコードD4bの集合
を生成する。この事例レコードD4bは、未確認目標群
レコードD4a、目標目的推定結果(目標情報)D5a
及び目標目的確認結果(目標情報)D5bからなる情報
である。ここで、遠隔監視部1及び目標目的蓄積部2
は、例えばこれらの機能を有するプログラムをコンピュ
ータ装置に実行させることによって実現することができ
る。また、目標目的蓄積部2が取得したデータを格納す
る媒体は、本発明を具現化するコンピュータ装置に搭載
されるハードディスク装置などを用いてもよい。
【0027】3は監視データ模擬生成部(模擬情報生成
手段)であって、模擬用レコードD2中の目標群行動特
性についての目標群行動特性時系列を生成すると共に、
当該目標群行動特性時系列を用いてその模擬受信形状特
性統合を計算して模擬目標目的ごとに模擬事例レコード
(模擬事例情報)D6を生成する。4は目標目的判定部
(識別手段)で、事例レコードD4bの集合並びに模擬
事例レコードD6に基づいて未確認目標群レコードD4
aに関する目標目的(目標情報)を推定した目標目的推
定結果D5aとその確認結果である目標目的確認結果D
5bを生成する。ここで、監視データ模擬生成部3及び
目標目的判定部4は、例えばこれらの機能を有するプロ
グラムをコンピュータ装置に実行させることによって実
現することができる。
【0028】図2は図1中の目標目的判定部の構成を示
すブロック図である。図において、5は対象形状ベクト
ル抽出ブロックであって、未確認目標群レコードD4a
の受信形状特性統合を対象形状ベクトルD7として抽出
する。6は事例形状ベクトルセット抽出ブロックで、事
例レコードD4bの集合の各受信形状特性統合を事例形
状ベクトルセットD8として抽出する。7は模擬形状ベ
クトルセット抽出ブロックであって、模擬事例レコード
D6の集合の各模擬形状特性統合を模擬形状ベクトルセ
ットD9として抽出する。8は類似形状ベクトルセット
生成ブロック(類似形状情報抽出部)で、事例形状ベク
トルセットD8あるいは模擬形状ベクトルセットD9の
うちから対象形状ベクトルD7との形状類似性が基準以
上の形状ベクトル(類似形状情報)を抽出して類似形状
ベクトルセットを生成する。9は共通目標目的探索ブロ
ック(形状系推定部)であって、類似形状ベクトルセッ
トに対応する目標目的確認結果D5bあるいは模擬目標
目的の類似形状ベクトルセット全体における共通目標目
的を抽出し形状系推定結果D10として目標目的推定ブ
ロック11に送出する。
【0029】10は共通目標目的抽出ブロック(類似行
動情報抽出部)で、目標目的蓄積部2から取得した事例
レコードD4bの集合から未確認目標群レコードD4a
の目標群行動特性時系列と所定の行動類似性を有する事
例レコードD4bを抽出し類似行動事例レコード集合
(類似時系列行動情報)を生成する。また、共通目標目
的抽出ブロック10は、類似行動事例レコード集合に含
まれる各事例レコードD4bの目標目的確認結果D5b
の類似行動事例レコード集合全体における共通目標目的
を抽出し、事例系推定結果D11として目標目的推定ブ
ロック11に送出する。11は目標目的推定ブロック
(識別処理部)であって、形状系推定結果D10と事例
系推定結果D11との共通目標目的を探索し目標目的推
定結果D5aを生成する。また、目標目的推定ブロック
11は、目標目的推定結果D5aに対するユーザの確認
又は訂正があれば、これを反映させた目標目的確認結果
D5bを生成する。
【0030】次に動作について説明する。図3は実施の
形態1による目標識別装置の動作を示すフロー図であ
り、この図に沿って動作を詳細に説明する。先ず、遠隔
監視部1は、目標群を時系列に観測したデータを取得し
て各観測時点ごとに監視レコードD1及び模擬用レコー
ドD2を生成する(ステップST1)。例えば、レーザ
光などの光学的な観測手段、或いはレーダ波を観測手段
とする不図示の観測機器によって遠く離れた目標群に対
する観測データを取得する。このとき、当該目標群を異
なる別に配置した観測機器によって観測したデータを取
得するようにしてもよい。
【0031】図4は図1中の遠隔監視部が生成する監視
レコード及び模擬用レコードの構成を示す図である。図
において、D1は監視レコードであって、模擬用レコー
ドD2及び受信形状特性15から構成される。D2は模
擬用レコードで、群識別子12、監視特性13及び目標
群行動特性14から構成される。12は群識別子であっ
て、目標群ごとの観測データを識別する情報である。上
述したように、目標群とは複数の目標候補からなる。ま
た、各目標候補は各観測で一の目標として認識される目
標であって、追尾などによって観測間で一の目標として
同定されていないものを指している。目標群内に実際に
所属する目標候補数は不明であるものとする。また、目
標候補の数が0の場合、観測ノイズを示すものとする。
13は監視特性で、観測条件を表す情報である。この監
視特性13は、1つの監視レコードD1において一意に
決定される。14は目標群行動特性であって、観測によ
り得られた目標群の動的特性を示す情報である。15は
受信形状特性で、観測によって得られる各目標候補の静
的な特性を目標群内の一の目標候補について重ね合わせ
た情報である。また、目標候補の静的な特性に関する情
報としては、例えば目標候補に対して観測位置方向から
光学的観測を行った場合における目標候補の2次元形状
等がある。
【0032】ここで、レーダパルスによる観測を例に挙
げて上記動作を具体的に説明する。先ず、遠隔監視部1
は、観測機器から目標群を時系列に観測したデータを取
得すると、当該目標群からの観測データであることを識
別する群識別子12を生成して観測時点ごとのデータに
対応付ける。このとき、遠隔監視部1は、観測時点ごと
に観測機器から取得した観測条件に関する情報、例えば
レーダ搬送周波数、レーダサイト位置座標、レーダ波の
方向、強度、発射時刻、受信時刻などを監視特性13と
してまとめる。
【0033】さらに、遠隔監視部1は、時系列に入力す
る観測データから、目標群の動的な特性を導く情報、例
えばレーダ波の方向と往復時間、レーダ波のドップラ周
波数、連続的な観測における目標位置の時系列な変遷な
どを抽出する。これら情報を用いて、遠隔監視部1は、
目標の動的特性を示す目標群行動特性14を算出する。
この目標群行動特性14としては、例えば目標群の中心
の空間的位置及び速度ベクトル、当該目標群に所属する
目標候補の数、各目標候補の空間的位置、速度ベクト
ル、加速度ベクトルなどがある。
【0034】続いて、遠隔監視部1は、時系列に入力す
る観測データから、目標群の静的な特性を導く情報、例
えばレーダ波のドップラ周波数の2次元分布、レーダ波
の垂直偏波及び水平偏波を発射して得られた反射波の垂
直偏波成分及び水平偏波成分、レーダ波の送信位置と受
信位置を別にすることによって得られる目標候補の反射
強度の反射角度に関する分布などを抽出する。これら情
報を目標群内の目標候補について重ね合わせることで、
遠隔監視部1は、目標群の静的特性(形状特性)を示す
受信形状特性15を求める。
【0035】遠隔監視部1は、上述したようにして、群
識別子12で識別される観測データの観測時点ごとに、
監視特性13、目標群行動特性14及び受信形状特性1
5を求めて、図4に示すような監視レコードD1及び模
擬用レコードD2を生成する。ここで、監視レコードD
1は、観測対象の目標群を特定するために、当該目標群
内の目標候補の動的特性、静的特性、観測条件をまとめ
た情報である。これに対して、模擬用レコードD2は、
目標群の静的特性に関する情報がなく、観測対象の目標
群の動的特性と観測条件をまとめた情報である。このあ
と、監視レコードD1は目標目的蓄積部2に送出され、
模擬用レコードD2は監視データ模擬生成部3に送出さ
れる。
【0036】次に、目標目的蓄積部2は、遠隔監視部1
から取得した監視レコードD1のうち、所定の時間幅内
の観測時刻を有するものを抽出する。このあと、目標目
的蓄積部2は、同一の群識別子12ごとに目標群行動特
性14を時系列処理し、受信形状特性15を統合処理し
て、未確認目標群レコードD4aを生成する(ステップ
ST2)。
【0037】図5は図1中の目標目的蓄積部が生成する
未確認目標群レコード及び事例レコードの構成を示す図
である。図において、D4bは事例レコードであって、
未確認目標群レコードD4a、目標目的推定結果D5a
及び目標目的確認結果D5bから構成される。D4aは
未確認目標群レコードで、目標群行動特性時系列16及
び受信形状特性統合17から構成される。16は目標群
行動特性時系列(時系列行動情報)であって、目標群行
動特性14を時系列処理した情報である。17は受信形
状特性統合(形状統合情報)で、時系列的に得られた受
信形状特性15を統合処理した情報である。D5aは目
標目的推定結果で、D5bは目標目的推定結果D5aを
元にしてユーザが確認若しくは訂正した結果を反映させ
た目標目的確認結果である。
【0038】ここで、図5を参照して目標目的蓄積部に
よる時系列処理について説明する。目標目的蓄積部2
は、遠隔監視部1が複数の観測機器からの観測データを
扱う場合、本装置が観測データを取得した順序ではな
く、監視レコードD1内の目標群行動特性14を観測時
刻順に整列させた時系列である目標群行動特性時系列1
6を生成する。本発明では、このように所定の時間幅内
の観測時刻を有する目標群行動特性14を観測時刻順に
並べることを時系列処理と称している。
【0039】このとき、観測時刻順に整列させた目標群
行動特性14の所定の単数或いは複数の集計用の時間幅
に基づく移動平均値を求め、これを観測時刻順に整列さ
せた時系列を目標群行動特性時系列16としてもよい。
具体的には、観測時刻1秒おきの監視レコードD1が得
られた場合、所定の時間幅を10秒未満、即ち監視レコ
ードD1を10個、集計用の時間幅を5秒とすると、計
5個の移動平均値が目標群行動特性14ごとに得られ
る。なお、集計用の時間幅は、未確認目標群レコードD
4aの生成に用いた時間幅とは独立に決められる。本発
明では、上述したような目標群行動特性14を観測時刻
順に並べた時系列の部分的或いは全体の集計を新たな特
性として観測時刻順に並べることも時系列処理に含んで
定義する。
【0040】次に図5を参照しながら目標目的蓄積部2
による統合処理について説明する。先ず、本発明では、
目標群内の各目標候補の目標目的が同一であると仮定し
て、単一の目標候補を中心とした座標上にその形状特性
に関する情報を統合することを統合処理と称している。
例えば、直線運動中の同一目標目的を有する2機の航空
機を目標群として光学的にその画像を撮像し観測データ
として取得した場合を考える。先ず、通常、時間経過に
ともなってそれぞれの機体の異なる面が観測される。つ
まり、時刻0に一方の航空機の正面0度方向からの画像
と他方の航空機の右5度方向からの画像、2秒後に一方
の航空機の右10度仰角0度方向からの画像と他方の航
空機の右15度仰角下5度方向からの画像、3秒後に一
方の航空機の右20度仰角0度方向からの画像と他方の
航空機の右25度仰角下5度方向からの画像が得られた
場合、一の航空機の座標に統合処理すると、正面0度方
向からの画像、右10度仰角0度方向からの画像、右2
0度仰角0度方向からの画像、右5度方向からの画像、
右15度仰角下5度方向からの画像、右25度仰角下5
度方向からの画像の6枚が得られる。当該統合処理につ
いて、以下に詳細に説明する。
【0041】図6は実施の形態1の目標識別装置による
レーダ波を用いた観測例を示す図であり、(a)は2つ
の観測機器で1つの目標候補を時系列に観測した場合を
示し、(b)は統合処理後の結果を示している。図にお
いて、18は目標候補である航空機であって、進行方向
に定義した座標軸Aに沿って直線運動をしている。ここ
で、目標群が一機の航空機18により構成されている場
合に相当する。19a,19bは座標軸A上の座標点
で、レーダ波を観測手段とする観測機器20,21によ
って航空機18の観測が行われた時点に対応する。19
cは統合処理の基準となる座標点である。20,21は
異なる2つの地点に配置された観測機器であって、本実
施の形態の目標識別装置に観測データを逐次送出する。
22a〜22fはレーダ波の往復経路、23〜26はレ
ーダ波の経路である。
【0042】ステップST1における処理にて生成され
た監視レコードD1を受けると、目標目的蓄積部2は、
当該監視レコードD1内の受信形状特性15を抽出す
る。ここで、当該受信形状特性15は、例えば(a)に
示すようなレーダ波の経路を特定する情報である。つま
り、観測機器20では、2つの観測時点に対応する座標
点19a,19bにてレーダ波の往復経路22a,22
cが形成され、観測機器21が発射した経路23に沿っ
たレーダ波の反射波が経路24に沿って取り込まれてい
る。一方、観測機器21では、座標点19aにおける航
空機18に対してレーダ波の往復経路22bが形成され
ている。これらのレーダ波の経路を与える観測データ
は、目標候補である航空機18の静的特性を表す受信形
状特性15としてそれぞれまとめられる。
【0043】ここで、座標軸A上の座標点19cを基準
として、上述した2つの受信形状特性15に対して統合
処理を施すと、(b)に示すようになる。つまり、2つ
の受信形状特性15によって、2つの座標点19a,1
9bに位置する航空機18に対して得られたレーダ波の
経路に関する情報が、1つの座標点19cに位置する航
空機18を基準としてまとめられた情報が得られる。換
言すると、統合処理では、上述した各観測時点における
レーダ波の経路に関する位置座標が、座標点19cを中
心とするものに変換される。図示の例では、往復経路2
2fが観測機器21からのレーダ波の往復経路22bに
対応し、往復経路22dが観測機器20からのレーダ波
の往復経路22aに対応し、往復経路22eが観測機器
20からのレーダ波の往復経路22cに対応する。ま
た、経路25,26が観測機器21から発したレーダ波
が観測機器20で捕らえられるまでの経路23,24に
対応する。
【0044】上述した直線運動をする目標群のうちの一
方の航空機を例に挙げると、時刻0の正面0度方向から
の画像、2秒後の右10度仰角0度方向からの画像、3
秒後の右20度仰角0度方向からの画像の3枚が得られ
ることから、この航空機を中心とした一の座標点上に統
合処理を施すと、正面0度方向からの画像、右10度仰
角0度方向からの画像、右20度仰角0度方向からの画
像の3枚が得られる。
【0045】次に複数の目標候補から目標群が構成され
ている場合について説明する。図7は実施の形態1の目
標識別装置によるレーダ波を用いた他の観測例を示す図
であり、(a)は1つの観測機器で2つの目標候補から
なる目標群を時系列に観測した場合を示し、(b)は統
合処理後の結果を示している。図において、18a,1
8bは目標候補である航空機であって、直線運動をして
いる。19d,19eは航空機18a,18bの位置座
標点で、レーダ波を観測手段とする観測機器20aによ
って航空機18a,18bが同時に観測された時点に対
応する。18cは統合処理の基準となった航空機であ
る。19fは統合処理の基準となる座標点である。20
aは観測機器であって、本実施の形態の目標識別装置に
観測データを逐次送出する。22g〜22jはレーダ波
の往復経路である。
【0046】ステップST1における処理にて生成され
た監視レコードD1を受けると、目標目的蓄積部2は、
当該監視レコードD1内の受信形状特性15を抽出す
る。ここで、当該受信形状特性15は、例えば(a)に
示すようなレーダ波の経路を特定する情報である。つま
り、観測機器20aでは、座標点19d,19eにてレ
ーダ波の往復経路22g,22hが形成されている。こ
れらのレーダ波の経路を与える観測データは、目標候補
である航空機18a,18bの静的特性を表す受信形状
特性15としてそれぞれまとめられる。
【0047】ここで、座標点19fを基準として、上述
した2つの受信形状特性15に対して統合処理を施す
と、(b)に示すようになる。つまり、2つの受信形状
特性15によって、2つの座標点19d,19eに位置
する航空機18a,18bに対して得られたレーダ波の
経路に関する情報が、1つの座標点19fを基準として
まとめられた情報が得られる。換言すると、統合処理で
は、上述した各目標候補に対するレーダ波の経路に関す
る位置座標が、座標点19fを中心とするものに変換さ
れる。図示の例では、往復経路22iが往復経路22h
に対応し、往復経路22jが往復経路22gに対応す
る。
【0048】上述した直線運動をする航空機を例に挙げ
ると、時刻0に一方の航空機の正面0度方向からの画像
と他方の航空機の右5度方向からの画像、2秒後に一方
の航空機の右10度仰角0度方向からの画像と他方の航
空機の右15度仰角下5度方向からの画像、3秒後に一
方の航空機の右20度仰角0度方向からの画像と他方の
航空機の右25度仰角下5度方向からの画像が得られた
場合、航空機を中心とした一の座標点上に統合処理を施
すと、一の航空機18cの座標におけるデータとして正
面0度方向からの画像、右10度仰角0度方向からの画
像、右20度仰角0度方向からの画像、右5度方向から
の画像、右15度仰角下5度方向からの画像、右25度
仰角下5度方向からの画像が得られる。
【0049】このようにして、目標目的蓄積部2は、目
標群行動特性時系列16の時系列に沿った各目標群ごと
の監視レコードD1内の受信形状特性15を統合処理し
て受信形状特性統合17をそれぞれ生成する。つまり、
受信形状特性統合17は、目標群行動特性時系列16の
時系列に沿った目標群の受信形状特性15の変化を、目
標群内の各目標候補の目標目的が同一であると仮定して
単一の目標候補を中心とした座標上にまとめた情報に相
当する。
【0050】このあと、目標目的蓄積部2は、目標群行
動特性時系列16及び受信形状特性統合17から未確認
目標群レコードD4aを生成し目標目的判定部4に送出
する。この未確認目標群レコードD4aは、目標群の動
的特性の時系列データと、各目標候補の形状特性を示す
データとから構成される。上述したステップST1及び
ステップST2における処理が実測情報生成ステップに
相当する。
【0051】なお、目標目的蓄積部2が監視レコードD
1を抽出する所定の時間幅については、単一の時間幅を
用いて定期的に未確認目標群レコードD4aを生成する
こともできる。また、複数の時間幅を用いて同一時刻に
異なる時間幅の未確認目標群レコードD4aを生成する
こともできる。
【0052】続いて、目標目的蓄積部2は、過去に蓄積
した事例レコードD4bの中からステップST2で求め
た未確認目標群レコードD4aの類似検索を行って所定
の類似度以上の事例レコードD4bの集合を生成する
(ステップST3、事例情報抽出ステップ)。具体的に
説明すると、目標目的蓄積部2は、例えば過去に蓄積し
た事例レコードD4bの目標群行動特性時系列16と、
ステップST2で求めた未確認目標群レコードD4aの
目標群行動特性時系列16とを比較して、これら目標群
行動特性時系列16で表される目標群の動きの変遷が所
定の差に達しないものを選択する。この目標群の動きと
しては、目標群内の各目標候補の平均位置の変遷や平均
速度ベクトルの変遷などが考えられる。このようにして
生成された事例レコードD4bの集合は、目標目的判定
部4に送出される。
【0053】この他に、例えば事例レコードD4bの受
信形状特性統合17と、ステップST2で求めた未確認
目標群レコードD4aの受信形状特性統合17とを比較
して、これら受信形状特性統合17で表される形状特性
が所定の基準を満たすか否かで選別するようにしてもよ
い。例えば、受信形状特性統合17で表される、目標位
置を中心とした相対的座標上で所定の角度幅以内の類似
方向にある形状特性を、次元数を当該特性値の数とする
高次元空間内の点とみなして、そのユークリッド距離が
所定の基準を下回っているものを選択する。
【0054】次に監視データ模擬生成部による模擬事例
レコードの生成について説明する。先ず、本発明で取り
扱う目標目的について説明する。本発明では、目標目的
を目標の種類やその行動目的などに関して分類した階層
情報(以下、目標目的階層と称する)の1つのノードと
して表現する。
【0055】図8は目標目的から構成される目標目的階
層の一例を示す図である。図において、目標目的階層
は、第1階層27a,27b、第2階層28及び第3階
層29a,29bから構成される。第1階層27aに
は、「航空機」及び「ヘリ」などといった目標の種類の
大分類ノードが規定されている。また、第1階層27b
には、「偵察」及び「輸送」などといった目標の行動目
的の分類ノードが規定されている。第2階層28には、
「戦闘機」、「輸送機」、「旅客機」、「偵察ヘリ」な
どといった目標の種類をさらに詳細に分類するノードが
規定される。第3階層29aには、「F15」、「B7
47」などといった目標の機種(種類)を特定する機種
ノードが規定されている。第3階層29bには、「ノイ
ズ」を特定するノードが規定されている。
【0056】図9は図1中の監視データ模擬生成部が生
成する模擬事例レコードの構成を示す図である。図にお
いて、D6は模擬事例レコードであって、目標群行動特
性時系列16a、模擬受信形状特性統合17a及び模擬
目標目的30から構成される。16aは目標群行動特性
時系列で、模擬用レコードD2内の目標群行動特性14
を時系列処理して生成される。17aは模擬受信形状特
性統合であって、模擬目標目的30、模擬用レコードD
2内の監視特性13及び目標群行動特性時系列16aか
ら生成される。30は模擬目標目的で、監視データ模擬
生成部3に予め設定される模擬用の目標目的である。こ
こでは、監視データ模擬生成部3に複数の目標候補に関
する模擬目標目的30が予め設定されているものとす
る。この模擬目標目的30は、例えば図8中の第3階層
29aで表される。つまり、模擬目標目的30は、第3
階層29aにおける「F15」や「B747」などであ
って、その静的特性(形状特性)を表現するモデルを特
定するパラメータ値の組み合わせを有する。
【0057】具体的に説明すると、模擬目標目的30に
よるモデルは、例えば表面形状が小さな平面の集合体と
して表現され、電波特性が当該平面の属性として表現さ
れる。また、当該モデルを特定するパラメータは、例え
ば姿勢や形状変化の選択肢などがある。ここで、姿勢と
は、水平面と鉛直方向を基準とする3次元座標において
機首方向で定義される。また、機体の一部が変形する場
合には、模擬目標目的30として1つのモデルに複数の
表面形状集合体が規定されており、上記パラメータに従
ってそのうちの1つが選択される。
【0058】ステップST1にて生成された模擬用レコ
ードD2を受け取ると、監視データ模擬生成部3は、当
該模擬用レコードD2のうち、ステップST2で目標目
的蓄積部2が処理対象とした監視レコードD1と同一時
間幅内の観測時刻を有する模擬用レコードD2を抽出す
る。このあと、監視データ模擬生成部3は、ステップS
T2で目標目的蓄積部2が処理対象としたデータと同一
の群識別子12ごとに上記模擬用レコードD2内の目標
群行動特性14を時系列処理して目標群行動特性時系列
16aを生成する(ステップST4)。つまり、目標群
行動特性時系列16aは、目標目的蓄積部2が生成した
目標群行動特性時系列16と同一内容のデータとなる。
【0059】続いて、監視データ模擬生成部3は、所定
の模擬目標目的30及びその数、形状、姿勢、電波特性
などの静的特性を有しており、当該模擬目標目的30が
目標群行動特性時系列16aで表される行動をとり、模
擬用レコードD2の監視特性13に従って観測が行われ
たものと仮定して、ステップST2と同様な処理を施し
て模擬受信形状特性統合17aを計算する。
【0060】このあと、監視データ模擬生成部3は、模
擬目標目的30ごとに対応付けて目標群行動特性時系列
16a及び模擬受信形状特性統合17aをまとめた模擬
事例レコードD6を生成する(ステップST5)。この
ステップST4及びステップST5における処理が模擬
情報生成ステップに相当する。
【0061】具体例を挙げて説明すると、監視データ模
擬生成部3は、レーダパルスによる観測を模擬する場
合、模擬目標目的30の姿勢パラメータに基づいて、模
擬目標目的30を中心とし、機首方向と機体の設計上の
水平面を基準とした極座標を定義する。これにより、ど
の角度からレーダパルスが到来しどの方向へ反射してい
ったレーダパルスを観測しているかを、レーダパルスの
発射位置と観測位置とを上記極座標に変換して求める。
【0062】次に、模擬目標目的30による目標のモデ
ル、上述のようにして求めたレーダパルス到来角度及び
観測角度、レーダパルスの送信偏波特性及び受信偏波特
性を用いて、観測位置における偏波特性ごとのレーダパ
ルス反射波特性を模擬する。模擬目標目的30の姿勢パ
ラメータは、例えば目標群行動特性時系列16aの加速
度ベクトルから推定することもできる。或いは、簡単に
水平姿勢を平均として所定の分散を有する乱数で定める
こともできる。このようにして、所定の観測位置におけ
る偏波特性ごとのレーダパルス反射波特性、即ち模擬受
信形状特性統合17aが求められる。
【0063】なお、1つの模擬目標目的30についてモ
デルパラメータを複数設定することにより、模擬受信形
状特性統合17aを複数組生成するようにしてもよい。
【0064】また、単一の模擬目標目的30のモデルパ
ラメータ一組について模擬受信形状特性統合17aを計
算するという動作を処理の1単位とし、予め設定された
全ての模擬目標目的30の各モデルパラメータについて
複数プロセッサで並列に実行させるようにしてもよい。
これにより、模擬受信形状特性統合17aや模擬事例レ
コードD6の算出をより高速に実施することができる。
【0065】監視データ模擬生成部3は、上述のように
して、予め設定された全ての模擬目標目的30に関する
模擬事例レコードD6の集合を生成すると、当該模擬事
例レコードD6の集合を目標目的判定部4に送出する。
【0066】目標目的判定部4では、事例レコードD4
bの集合及び模擬事例レコードD6に基づいて、未確認
目標群レコードD4aに関する目標目的の推定を行う
(ステップST6、識別ステップ)。図2を参照して詳
細に説明する。先ず、目標目的蓄積部2からの事例レコ
ードD4bの集合は、目標目的判定部4内の対象形状ベ
クトル抽出ブロック5、事例形状ベクトルセット抽出ブ
ロック6及び共通目標目的抽出ブロック10にそれぞれ
入力される。
【0067】ここで、対象形状ベクトル抽出ブロック5
では、目標目的蓄積部2から取得した未確認目標群レコ
ードD4aを取り出して、その受信形状特性統合17に
まとめられた情報を対象形状ベクトルD7として抽出す
る。この対象形状ベクトルD7は、受信形状特性統合1
7としてまとめられた目標群を構成する全ての目標候補
の静的特性を表現するモデルを特定するパラメータ値の
組み合わせからなる情報である。上記パラメータとして
は、例えば目標位置を中心とした相対的座標上での目標
候補の方向を特定する形状ベクトルなどが挙げられる。
【0068】一方、事例形状ベクトルセット抽出ブロッ
ク6では、事例レコードD4bの集合から未確認目標群
レコードD4aをそれぞれ取り出して、各受信形状特性
統合17にまとめられた情報を事例形状ベクトルセット
D8として抽出する。この事例形状ベクトルセットD8
は、対象形状ベクトルD7の時系列変化を表す情報であ
る。
【0069】また、監視データ模擬生成部3からの模擬
事例レコードD6の集合は、目標目的判定部4内の模擬
形状ベクトルセット抽出ブロック7に逐次入力される。
ここで、模擬形状ベクトルセット抽出ブロック7は、模
擬事例レコードD6の集合からそれぞれ取り出した模擬
受信形状特性統合17aにまとめられた情報を模擬形状
ベクトルセットD9として抽出する。この模擬形状ベク
トルセットD9は、模擬受信形状特性統合17aとして
まとめられた模擬目標目的30の静的特性を表現するモ
デルを特定するパラメータ値の組み合わせからなる情報
の時系列変化を表す情報である。
【0070】対象形状ベクトル抽出ブロック5、事例形
状ベクトルセット抽出ブロック6及び模擬形状ベクトル
セット抽出ブロック7によってそれぞれ抽出された対象
形状ベクトルD7、事例形状ベクトルセットD8及び模
擬形状ベクトルセットD9は、類似形状ベクトルセット
生成ブロック8に送出される。
【0071】類似形状ベクトルセット生成ブロック8
は、事例形状ベクトルセットD8及び模擬形状ベクトル
セットD9のうちから、対象形状ベクトルD7との形状
類似性が、共通目標目的探索ブロック9から得た形状類
似性基準以上となる形状ベクトルを類似形状ベクトルと
して抽出し、これらをまとめた類似形状ベクトルセット
を生成する。ここで、形状ベクトルとは、事例形状ベク
トルセットD8又は模擬形状ベクトルセットD9の要素
ベクトル、若しくは対象形状ベクトルD7を指してい
る。
【0072】また、形状類似性は、例えば目標位置を中
心とした相対的座標上で、所定の角度幅以内の方向にあ
る形状ベクトルを、次元数を当該特性値の数とする高次
元空間内の点とみなしたときの、形状ベクトル間のユー
クリッド距離にて指標化される。この場合、類似形状ベ
クトルセット生成ブロック8は、事例形状ベクトルセッ
トD8及び模擬形状ベクトルセットD9のうちから、形
状ベクトル間のユークリッド距離が所定の基準を下回っ
ている形状ベクトルを選択して類似形状ベクトルセット
を生成する。このようにして生成された類似形状ベクト
ルセットは、共通目標目的探索ブロック9に送出され
る。
【0073】また、距離の定義には、マンハッタン距離
を用いて事例のノイズに対し頑健化するようにしてもよ
い。さらに、事例形状ベクトルセットD8及び模擬形状
ベクトルセットD9について、それぞれマハラノビス距
離を定義して類似性判定を高精度化するようにしてもよ
い。
【0074】目標目的判定部4には、図8に示すような
目標目的階層、つまり、目標目的を1つのノードとして
目標候補の種類やその行動目的などに関して分類した階
層情報が予め設定されている。また、類似形状ベクトル
セット内の各類似形状ベクトルは、事例レコードD4b
を介して目標目的確認結果D5bあるいは模擬事例レコ
ードD6を介して模擬目標目的30と関連付けられてい
る。そこで、共通目標目的探索ブロック9は、上記目標
目的階層を用いて、各類似形状ベクトルに対応する、事
例レコードD4bの目標目的確認結果D5bあるいは模
擬事例レコードD6の模擬目標目的30の、当該類似形
状ベクトルセット全体における共通目標目的を探索す
る。
【0075】つまり、共通目標目的探索ブロック9は、
類似形状ベクトルとして形状ベクトルが抽出された事例
形状ベクトルセットD8に対応する事例レコードD4b
あるいは模擬形状ベクトルセットD9に対応する模擬事
例レコードD6をそれぞれ選別する。そして、これらに
対応する目標目的確認結果D5bあるいは模擬目標目的
30を用いて、各類似形状ベクトル間での共通目標目的
の探索を逐次実行して、類似形状ベクトルセット全体に
おける共通目標目的を求める。なお、事例レコードD4
b内に目標目的確認結果D5bがない場合、共通目標目
的探索ブロック9は、事例レコードD4b内の目標目的
推定結果D5aを代用する。
【0076】ここで、共通目標目的とは、目標目的階層
における目標目的ノードの共通の親を指す。例えば、図
8における第3階層29aの「F15」と第2階層28
の「輸送機」の共通目標目的は、第1階層27aにおけ
る「航空機」である。
【0077】このとき、共通目標目的が存在すれば、共
通目標目的探索ブロック9は、当該共通目標目的を形状
系推定結果D10として、目標目的推定ブロック11に
それぞれ送出する。また、共通目標目的が存在しない場
合、共通目標目的探索ブロック9は、前回より判定基準
値が低い類似性基準を類似形状ベクトルセット生成ブロ
ック8に送出する。これにより、類似形状ベクトルセッ
ト生成ブロック8に、判定基準値が低い類似性基準で選
別された形状ベクトルからなる類似形状ベクトルセット
を生成させて、共通目標目的が見つかるまで探索を繰り
返す。
【0078】一方、共通目標目的抽出ブロック10で
は、目標目的蓄積部2から取得した未確認目標群レコー
ドD4a及び事例レコードD4bの集合から、それぞれ
目標群行動特性時系列16を取り出して、未確認目標群
レコードD4aの目標群行動特性時系列16と所定の行
動類似性を有する事例レコードD4bを抽出し、これら
をまとめて類似行動事例レコード集合を生成する。
【0079】このあと、共通目標目的抽出ブロック10
は、共通目標目的探索ブロック9で処理対象となった目
標目的階層に対して、類似行動事例レコード集合に含ま
れる各事例レコードD4bの目標目的確認結果D5b
の、類似行動事例レコード集合全体における共通目標目
的を抽出する。つまり、共通目標目的抽出ブロック10
は、類似行動事例レコード集合に含まれる事例レコード
D4bの目標目的確認結果D5b間での共通目標目的の
探索を逐次実行して、類似行動事例レコード集合全体に
おける共通目標目的を求める。
【0080】このとき、共通目標目的が存在すれば、こ
れを事例系推定結果D11として目標目的推定ブロック
11に送出する。また、共通目標目的が存在しなけれ
ば、空値を目標目的推定ブロック11に送出する。
【0081】ここで、行動類似性は、例えば以下のよう
にして求めたユークリッド距離の最小値にて指標化する
ことができる。先ず、行動類似性を求めたい2つの対象
A,Bの目標群行動特性時系列16から、所定の長さの
部分列を複数取り出して、部分列内の平均速度、平均水
平位置、平均高度を求め、平均行動ベクトルとする。次
に、対象Aの平均行動ベクトルと対象Bの平均行動ベク
トルとの全ての組み合わせについてユークリッド距離を
求める。この距離の最小値が行動類似性の指標となる。
【0082】続いて、目標目的推定ブロック11は、共
通目標目的探索ブロック9で処理対象となった目標目的
階層に対して、共通目標目的探索ブロック9から得た形
状系推定結果D10と、共通目標目的抽出ブロック10
から得た事例系推定結果D11との共通目標目的を探索
する。このとき、探索結果として抽出された共通目標目
的を目標目的推定結果D5aとする。上述したように、
本発明では、同一種類の複数の目標が同じ速度で既定形
状の編隊をくんでいるものを目標群と仮定することか
ら、目標目的推定結果D5aとして抽出された目標目的
に対応する種類の目標が複数集まって目標群が構成され
ていると識別される。
【0083】さらに、目標目的推定ブロック11は、上
述のようにして得られた目標目的推定結果D5aをユー
ザに提示する。具体的には、本発明の目標識別装置を具
現化するコンピュータ装置の表示部に目標目的推定結果
D5aを表示することなどが考えられる。
【0084】このあと、目標目的推定結果D5aに対し
てユーザから確認或いは訂正を受け付けた場合、目標目
的推定ブロック11は、当該確認或いは訂正を目標目的
推定結果D5aに反映させた目標目的確認結果D5bを
生成する。このようにして生成された目標目的推定結果
D5a及び目標目的確認結果D5bは目標目的蓄積部2
に送出される。
【0085】目標目的蓄積部2では、目標目的推定ブロ
ック11からの目標目的推定結果D5a及び目標目的確
認結果D5bと、未確認目標群レコードD4aとを組に
して、新たな事例レコードD4bを生成し蓄積する(ス
テップST7、事例格納ステップ)。
【0086】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、時系列に入力される目標群の行動及びこれを構成す
る目標の形状に関する諸元の観測データから目標群の行
動を規定する目標群行動特性時系列16と、目標群内の
目標の形状特性の時系列変化を規定する受信形状特性統
合17とからなる未確認目標群レコードD4aを生成
し、過去の観測にて得られた目標目的推定結果D5aや
目標目的確認結果D5bとこれに対応する未確認目標群
レコードD4aとを含んでなる事例レコードD4bのう
ち、識別すべき目標群との未確認目標群レコードD4a
間の類似度が所定値以上となる事例レコードD4bを抽
出する一方、予め設定しておいた模擬用の目標の種類及
び行動目的を特定する模擬目標目的30を用いて、識別
すべき目標群の目標群行動特性時系列16と同一の情報
である目標群行動特性時系列16aに従った模擬用の目
標の行動を模擬して得られる模擬受信形状特性統合17
aを含んでなる模擬事例レコードD6を生成し、模擬事
例レコードD6及び事例レコードD4bのうちから、未
確認目標群レコードD4aとの類似度が所定値以上とな
る情報を選別し、当該情報に対応する目標目的を識別結
果として出力するので、目標目的の確認がとれた形状特
性の過去の実測値を用いることなく、識別用の情報が入
手できない状況であっても目標群内の各目標候補の目標
目的を識別することができる。
【0087】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、時系
列に入力される目標群の行動及びこれを構成する目標の
形状に関する諸元の観測データから目標群の行動を規定
する時系列行動情報と目標群内の目標の形状特性の時系
列変化を規定する形状統合情報とを含んでなる目標実測
情報を生成し、過去の観測で蓄積した目標群内の目標の
種類及び行動目的を特定する目標情報の識別結果とこれ
に対応する目標実測情報とを含んでなる事例情報のうち
識別すべき目標群との目標実測情報間の類似度が所定値
以上となる事例情報を抽出すると共に、模擬用の目標の
種類及び行動目的を特定する模擬用の目標情報及びその
形状特性に関する情報を予め設定しておき、識別すべき
目標群の時系列行動情報及びこれに従った模擬用の目標
の行動を模擬して得られる形状統合情報並びに模擬用の
目標情報を含んでなる模擬事例情報を生成して、模擬事
例情報及び事例情報のうちから、目標実測情報の形状統
合情報及び時系列行動情報の類似度が所定値以上となる
情報を選別し、当該情報に対応する目標情報を識別結果
として出力するので、目標情報の確認がとれた過去の実
測値を用いることなく、識別用の情報が入手できない状
況であっても目標群内の各目標の目標情報を識別するこ
とができるという効果がある。
【0088】この発明によれば、観測データから得られ
る目標群の空間的位置に関する情報を観測時刻順に対応
付けてなる情報及び/又は目標群の空間的位置に関する
情報を所定の集計時間ごとに集計した集計値を観測時刻
順に配置した情報を時系列行動情報として生成するの
で、複数の観測機器による観測データを効率的に集める
ことができるという効果がある。また、模擬結果を同様
に表現することから、事例情報に合致した模擬事例情報
を生成することができ、目標群内の目標の目標情報の識
別を容易にすることができるという効果がある。
【0089】この発明によれば、各観測時刻ごとに、目
標群内の各目標の形状特性に関する情報を、当該目標群
内の一の目標の位置座標点を中心に統合して表現した情
報を形状統合情報として生成するので、複数の観測機器
による観測データを効率的に集めることができるという
効果がある。また、模擬結果を同様に表現することか
ら、事例情報に合致した模擬事例情報を生成することが
でき、目標群内の目標の目標情報の識別を容易にするこ
とができるという効果がある。
【0090】この発明によれば、観測データから時系列
行動情報及び形状統合情報を抽出する時間幅を適宜変更
するので、例えば識別しやすい目標は時間幅を短くして
高速に処理し、識別しにくい目標では時間幅を長くして
高精度に処理するなど、識別処理の利便性を向上させる
ことができるという効果がある。
【0091】この発明によれば、目標の種類及び行動目
的を表現する概念を階層化して、目標情報を1つのノー
ドとする階層情報を備えたので、異なる種類として識別
される観測データにおいても上位概念の目標の種類や行
動目的を識別することができるという効果がある。
【0092】この発明によれば、過去の観測で蓄積した
事例情報のうち、識別すべき目標群との目標実測情報間
の類似度が所定値以上となる事例情報を抽出するにあた
り、両情報の時系列行動情報間の類似検索と形状統合情
報間の類似検索とを互いに異なる検索方式で実施するの
で、類似検索の精度を向上させることができるという効
果がある。
【0093】この発明によれば、模擬用の目標の種類及
び行動目的を特定する目標情報及びその形状特性に関す
る情報が複数組設定されており、当該複数の模擬用の目
標に関する模擬を同時に並行して実行するので、模擬を
高速に行うことができ、実時間で容易に模擬及び識別を
実施することができるという効果がある。
【0094】この発明によれば、目標の種類及び行動目
的を表現する概念を階層化して、目標情報を1つのノー
ドとする階層情報を備え、模擬事例情報及び事例情報の
うちから目標実測情報の形状統合情報との類似度が所定
値以上となる形状統合情報を類似形状情報として抽出す
ると共に、上記階層情報において類似形状情報に対応す
る目標情報間で共通する上位概念の目標の種類及び/又
は行動目的に相当する目標情報を形状系推定結果として
抽出する一方、事例情報のうちから目標実測情報の時系
列行動情報との類似度が所定値以上となる時系列行動情
報を類似時系列行動情報として抽出すると共に、上記階
層情報において類似時系列行動情報に対応する目標情報
間で共通する上位概念の目標の種類及び/又は行動目的
に相当する目標情報を事例系推定結果として抽出し、上
記階層情報において形状系推定結果と事例系推定結果と
の間で共通する上位概念の目標の種類及び/又は行動目
的に相当する目標情報を識別結果として抽出するので、
目標群内の目標の種類若しくは行動目的が一意に識別で
きなくても当該目標の種類及び行動目的のいずれかを識
別することができるという効果がある。
【0095】この発明によれば、識別結果に対して確認
及び/又は訂正があると、これを反映させた確認結果を
生成し、確認結果を事例情報に対応付けて蓄積するの
で、事例情報を増やすことができ、次回の識別において
目標群内の目標の目標情報の推定可能範囲を広げること
ができるという効果がある。
【0096】この発明によれば、事例情報内に確認結果
に相当する目標情報があれば、当該目標情報を用いて識
別処理を実行し、確認結果に相当する目標情報がなけれ
ば、識別結果に相当する目標情報を用いて識別処理を実
行するので、次回の識別において目標群内の目標の目標
情報の推定可能範囲を広げることができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による目標識別装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1中の目標目的判定部の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】 実施の形態1による目標識別装置の動作を示
すフロー図である。
【図4】 図1中の遠隔監視部が生成する監視レコード
及び模擬用レコードの構成を示す図である。
【図5】 図1中の目標目的蓄積部が生成する未確認目
標群レコード及び事例レコードの構成を示す図である。
【図6】 実施の形態1の目標識別装置によるレーダ波
を用いた観測例を示す図である。
【図7】 実施の形態1の目標識別装置によるレーダ波
を用いた他の観測例を示す図である。
【図8】 目標目的から構成される目標目的階層の一例
を示す図である。
【図9】 図1中の監視データ模擬生成部が生成する模
擬事例レコードの構成を示す図である。
【図10】 従来の目標識別装置の構成を示すブロック
図である。
【符号の説明】
1 遠隔監視部(実測情報生成手段)、2 目標目的蓄
積部(実測情報生成手段、事例情報蓄積手段)、3 監
視データ模擬生成部(模擬情報生成手段)、4目標目的
判定部(識別手段)、5 対象形状ベクトル抽出ブロッ
ク、6 事例形状ベクトルセット抽出ブロック、7 模
擬形状ベクトルセット抽出ブロック、8 類似形状ベク
トルセット生成ブロック(類似形状情報抽出部)、9
共通目標目的探索ブロック(形状系推定部)、10 共
通目標目的抽出ブロック(類似行動情報抽出部)、11
目標目的推定ブロック(識別処理部)、12 群識別
子、13 監視特性、14 目標群行動特性、15 受
信形状特性、16,16a 目標群行動特性時系列(時
系列行動情報)、17,17a 受信形状特性統合(形
状統合情報)、18,18a,18b,18c 航空機
(目標)、19a〜19f 座標点、20,20a,2
1 観測機器、22a〜22j 往復経路、23〜26
経路、27a,27b 第1階層、28 第2階層、
29a,29b 第3階層、30 模擬目標目的、D1
監視レコード、D2 模擬用レコード、D4a 未確
認目標群レコード(目標実測情報)、D4b 事例レコ
ード(事例情報)、D5a 目標目的推定結果(目標情
報)、D5b 目標目的確認結果(目標情報)、D6
模擬事例レコード(模擬事例情報)。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時系列に入力される目標群の行動及びこ
    れを構成する目標の形状に関する諸元の観測データから
    上記目標群の行動を規定する時系列行動情報と上記目標
    群内の目標の形状特性の時系列変化を規定する形状統合
    情報とを含んでなる目標実測情報を生成する実測情報生
    成手段と、 目標群内の目標の種類及び行動目的を特定する目標情報
    の識別結果とこれに対応する目標実測情報とを含んでな
    る事例情報を蓄積すると共に、過去の観測で蓄積した事
    例情報のうち識別すべき目標群との目標実測情報間の類
    似度が所定値以上となる事例情報を抽出する事例情報蓄
    積手段と、 模擬用の目標の種類及び行動目的を特定する模擬用の目
    標情報及びその形状特性に関する情報が予め設定されて
    おり、識別すべき目標群の時系列行動情報及びこれに従
    った上記模擬用の目標の行動を模擬して得られる形状統
    合情報並びに上記模擬用の目標情報を含んでなる模擬事
    例情報を生成する模擬情報生成手段と、 上記模擬事例情報及び上記事例情報蓄積手段が抽出した
    事例情報のうちから、上記目標実測情報の形状統合情報
    及び時系列行動情報の類似度が所定値以上となる情報を
    選別し、当該情報に対応する目標情報を識別結果として
    出力する識別手段とを備えた目標群識別装置。
  2. 【請求項2】 観測データから得られる目標群の空間的
    位置に関する情報を観測時刻順に対応付けてなる情報及
    び/又は上記目標群の空間的位置に関する情報を所定の
    集計時間ごとに集計した集計値を観測時刻順に配置した
    情報を時系列行動情報として生成することを特徴とする
    請求項1記載の目標群識別装置。
  3. 【請求項3】 各観測時刻ごとに、目標群内の各目標の
    形状特性に関する情報を、当該目標群内の一の目標の位
    置座標点を中心に統合して表現した情報を形状統合情報
    として生成することを特徴とする請求項1記載の目標群
    識別装置。
  4. 【請求項4】 観測データから時系列行動情報及び形状
    統合情報を抽出する時間幅を適宜変更することを特徴と
    する請求項1記載の目標群識別装置。
  5. 【請求項5】 目標の種類及び行動目的を表現する概念
    を階層化して目標情報を1つのノードとする階層情報を
    備えたことを特徴とする請求項1記載の目標群識別装
    置。
  6. 【請求項6】 事例情報蓄積手段は、過去の観測で蓄積
    した事例情報のうち、識別すべき目標群との目標実測情
    報間の類似度が所定値以上となる事例情報を抽出するに
    あたり、両情報の時系列行動情報間の類似検索と形状統
    合情報間の類似検索とを互いに異なる検索方式で実施す
    ることを特徴とする請求項1記載の目標群識別装置。
  7. 【請求項7】 模擬情報生成手段は、模擬用の目標の種
    類及び行動目的を特定する目標情報及びその形状特性に
    関する情報が複数組設定されており、当該複数の模擬用
    の目標に関する模擬を同時に並行して実行することを特
    徴とする請求項1記載の目標群識別装置。
  8. 【請求項8】 目標の種類及び行動目的を表現する概念
    を階層化して、目標情報を1つのノードとする階層情報
    を備え、 識別手段は、 模擬事例情報及び事例情報蓄積手段が抽出した事例情報
    のうち目標実測情報の形状統合情報との類似度が所定値
    以上となる形状統合情報を類似形状情報として抽出する
    類似形状情報抽出部と、 上記階層情報において上記類似形状情報に対応する目標
    情報間で共通する上位概念の目標の種類及び/又は行動
    目的に相当する目標情報を形状系推定結果として抽出す
    る形状系推定部と、 上記事例情報蓄積手段が抽出した事例情報のうちから、
    上記目標実測情報の時系列行動情報との類似度が所定値
    以上となる時系列行動情報を類似時系列行動情報として
    抽出する類似行動情報抽出部と、 上記階層情報において上記類似時系列行動情報に対応す
    る目標情報間で共通する上位概念の目標の種類及び/又
    は行動目的に相当する目標情報を事例系推定結果として
    抽出する事例系推定部と、 上記階層情報において上記形状系推定結果と上記事例系
    推定結果との間で共通する上位概念の目標の種類及び/
    又は行動目的に相当する目標情報を識別結果として選別
    する識別処理部とからなることを特徴とする請求項1記
    載の目標群識別装置。
  9. 【請求項9】 識別手段は、識別結果に対して確認及び
    /又は訂正があると、これを反映させた確認結果を生成
    し、 事例情報蓄積手段は、上記確認結果を事例情報に対応付
    けて蓄積することを特徴とする請求項1記載の目標群識
    別装置。
  10. 【請求項10】 識別手段は、事例情報内に確認結果に
    相当する目標情報があれば、当該目標情報を用いて識別
    処理を実行し、上記確認結果に相当する目標情報がなけ
    れば、識別結果に相当する目標情報を用いて識別処理を
    実行することを特徴とする請求項9記載の目標群識別装
    置。
  11. 【請求項11】 時系列に入力される目標群の行動及び
    これを構成する目標の形状に関する諸元の観測データか
    ら上記目標群の行動を規定する時系列行動情報と上記目
    標群内の目標の形状特性の時系列変化を規定する形状統
    合情報とを含んでなる目標実測情報を生成する実測情報
    生成ステップと、 過去の観測にて得られた目標群内の目標の種類及び行動
    目的を特定する目標情報の識別結果とこれに対応する目
    標実測情報とを含んでなる事例情報のうち、識別すべき
    目標群との目標実測情報間の類似度が所定値以上となる
    事例情報を抽出する事例情報抽出ステップと、 予め設定しておいた模擬用の目標の種類及び行動目的を
    特定する模擬用の目標情報及びその形状特性に関する情
    報を用いて、識別すべき目標群の時系列行動情報及びこ
    れに従った上記模擬用の目標の行動を模擬して得られる
    形状統合情報並びに上記模擬用の目標情報を含んでなる
    模擬事例情報を生成する模擬情報生成ステップと、 上記模擬事例情報及び上記事例情報抽出ステップにて抽
    出した事例情報のうちから、上記目標実測情報の形状統
    合情報及び時系列行動情報の類似度が所定値以上となる
    情報を選別し、当該情報に対応する目標情報を識別結果
    とする識別ステップと、 上記識別結果に対して確認及び/又は訂正があると、こ
    れを反映させた確認結果を生成して事例情報に対応付け
    て蓄積する事例格納ステップとを備えた目標群識別方
    法。
  12. 【請求項12】 時系列に入力される目標群の行動及び
    これを構成する目標の形状に関する諸元の観測データか
    ら上記目標群の行動を規定する時系列行動情報と上記目
    標群内の目標の形状特性の時系列変化を規定する形状統
    合情報とを含んでなる目標実測情報を生成する実測情報
    生成手段、 目標群内の目標の種類及び行動目的を特定する目標情報
    の識別結果とこれに対応する目標実測情報とを含んでな
    る事例情報を蓄積すると共に、過去の観測で蓄積した事
    例情報のうち識別すべき目標群との目標実測情報間の類
    似度が所定値以上となる事例情報を抽出する事例情報蓄
    積手段、 模擬用の目標の種類及び行動目的を特定する模擬用の目
    標情報及びその形状特性に関する情報が予め設定されて
    おり、識別すべき目標群の時系列行動情報及びこれに従
    った上記模擬用の目標の行動を模擬して得られる形状統
    合情報並びに上記模擬用の目標情報を含んでなる模擬事
    例情報を生成する模擬情報生成手段、 上記模擬事例情報及び上記事例情報蓄積手段が抽出した
    事例情報のうちから、上記目標実測情報の形状統合情報
    及び時系列行動情報の類似度が所定値以上となる情報を
    選別し、当該情報に対応する目標情報を識別結果として
    出力する識別手段としてコンピュータを機能させるプロ
    グラム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007327692A (ja) * 2006-06-07 2007-12-20 Toshiba Corp 目標検出装置及び飛しょう体
JP2013210207A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Nec Corp レーダ画像の目標識別装置、目標識別方法、及び目標識別プログラム
JP2014169872A (ja) * 2013-03-01 2014-09-18 Hitachi Ltd センサ統合装置及びセンサ統合方法
JP2015089163A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 行動評価装置、行動評価システム、行動評価方法、プログラム
CN113687328A (zh) * 2021-09-14 2021-11-23 上海无线电设备研究所 一种弹载武器地面目标高分辨一维距离像识别方法

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