JP2003277082A - 光学素子成形装置 - Google Patents

光学素子成形装置

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JP2003277082A
JP2003277082A JP2002080165A JP2002080165A JP2003277082A JP 2003277082 A JP2003277082 A JP 2003277082A JP 2002080165 A JP2002080165 A JP 2002080165A JP 2002080165 A JP2002080165 A JP 2002080165A JP 2003277082 A JP2003277082 A JP 2003277082A
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JP
Japan
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molding
cooling
optical element
heating
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Takashi Kobayashi
高志 小林
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱及び冷却の時間を短くして、成形サイク
ルを短縮する。 【解決手段】 光学素子成形装置は、対向する一対の成
形型4,8間にガラス素材を配置してプレス成形する。
一対の成形型4,8のそれぞれを支持する一対のプレス
軸1,5と、一対の成形型4,8を加熱する加熱手段1
4,21と、一対のプレス軸1,5を冷却する冷却機構
と、一対の成形型4,8及び一対のプレス軸1,5のそ
れぞれの間に配置されており、成形型4,8からプレス
軸1,5への熱伝導特性を可変可能な中間部材3,6と
を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばカメラ等の
ガラスレンズに代表される光学素子をプレス成形する光
学素子成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスレンズ等の光学素子は、ガラス等
の光学素材を加熱軟化した状態で一対の成形型によって
プレスし、その後、冷却して成形型から取り出すことに
より成形しており、温度制御が製造上の大きな要因とな
っている。
【0003】温度制御を行うため、特公平6−8880
1号公報の成形装置では、一対の成形型と成形型をそれ
ぞれ支持する軸との間に成形型の熱を軸に伝えにくくす
る断熱部材を設けている。また、成形型の加熱を行うた
め、成形型の周囲に赤外線ランプ及び赤外線ランプから
の赤外線を反射する反射ミラーを配置している。
【0004】この成形装置では、チャンバー内を不活性
ガス雰囲気とし、赤外線ランプを発光させる。赤外線ラ
ンプの赤外線は反射ミラーにより成形型の側面及び成形
型を支持している軸の側面及び断熱部材の側面に照射さ
れる。このとき、軸からの放熱は断熱部材により遮断さ
れるため、効率の良い加熱が可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
6−88801号公報の成形装置では、光学素子の成形
後の冷却においては、断熱部材が成形型から軸への伝熱
を阻害するため、冷却効率が悪くなり、成形サイクルが
長くなる問題がある。
【0006】本発明は、このような従来の問題点を考慮
してなされたものであり、成形型の加熱及び冷却の効率
を向上させることにより、成形のサイクルを短くするこ
とを可能とした光学素子成形装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の光学素
子成形装置は、対向する一対の成形型間にガラス素材を
配置してプレス成形する光学素子成形装置において、前
記一対の成形型のそれぞれを支持する一対のプレス軸
と、一対の成形型を加熱する加熱手段と、一対のプレス
軸を冷却する冷却機構と、一対の成形型及び一対のプレ
ス軸のそれぞれの間に配置されており、成形型からプレ
ス軸への熱伝導特性を可変可能な中間部材と、を具備す
ることを特徴とする。
【0008】請求項1の発明では、対となっている成形
型及びプレス軸の間に配置した中間部材によって、成形
型の加熱及び冷却の効率を向上させるように熱伝導特性
を可変制御することにより、加熱時間及び冷却時間を短
縮することができるため、成形サイクルを短くすること
ができる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1記載の光学素
子成型装置であって、前記中間部材は、成形型を加熱す
る工程では伝熱効率を低くし、成形型を冷却する工程で
は伝熱効率を高くするように熱伝導特性を可変すること
を特徴とする。
【0010】請求項2の発明では、記成形型とプレス軸
の間に配置された中間部材の熱伝導特性を、加熱の際に
は伝熱効率を低くするように可変し、冷却の際には伝熱
効率を高くするように可変させるため、成形型の加熱及
び冷却に要する時間を短縮させることができる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の光学素子成型装置であって、前記中間部材の内部に中
空空間を設け、成型型を加熱する工程では中空空間の内
部の気圧を10−4Torr以下まで低下させ、成型型
を冷却する工程では中空空間の内部の気圧を大気圧まで
開放することを特徴とする。
【0012】請求項3の発明では、加熱時に、中間部材
の中空空間の内部気圧を10−4Torr以下まで低下
させることにより、中空空間の内部の対流による伝熱が
なくなるため、伝熱効率を低下させることができる。一
般に真空断熱の場合、真空相の気圧を10−3 Tor
r以下とすることにより、熱伝導率を規制することが可
能となるためである。一方、冷却時には大気圧まで開放
することにより、中空空間の内部で対流が発生するた
め、成形型の熱を対流と伝導により効率良く奪うことが
でき、迅速な冷却を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施の形
態により、具体的に説明する。なお、各実施の形態にお
いて、同一の部材は同一の符号を付して対応させてあ
る。
【0014】(実施の形態1)図1〜図3は本発明の実
施の形態1であり、図1は光学素子成形装置の全体を、
図2は成形型の成形部分を示し、図3は成形の際におけ
る成形型の温度変化と時間を示している。
【0015】図1に示すように、内部を周囲から隔離す
るフレーム2がベース9上に支持されている。固定軸1
は上端側がフレーム2に固定され、下端側には固定軸側
の中間部材3を介して一対の成形型の一方である固定型
4が取り付けられている。固定型4は超硬金属に表面処
理を施したものが使用される。
【0016】固定軸側の中間部材3は全体がステンレス
鋼によって成形されている。中間部材3の内部には、中
空空間としての伝熱可変室7が形成されており、側面に
は伝熱可変室7と外部の真空発生源であるロータリー真
空ポンプ26とを連結する接続管27が接続されてい
る。接続管27は接続フランジ28によってフレキシブ
ル管29に接続されており、伝熱可変室7は接続管2
7、接続フランジ28,フレキシブル管29及び開閉バ
ルブ30を介して成形機外に設置されたロータリー真空
ポンプ26に接続されている。
【0017】固定軸1の下方には、固定軸1と同軸位置
で対向する移動軸5が設けられている。移動軸5の上端
には、移動軸側の中間部材6を介して一対の成形型の他
方である移動型8が取り付けられている。中間部材6の
内部には、中空空間としての伝熱可変室36が形成され
ている。移動型8及び中間部材6の材質は固定型側と同
じである。また、中間部材6の内部の伝熱可変室36
は、固定型4側と同様に、接続管27、接続フランジ2
8、フレキシブル管29及び開閉バルブ30を介してロ
ータリー真空ポンプ26に接続されている。
【0018】移動軸5はベース9を貫通して下方へ延び
ている。この移動軸5の延設端部はガイド10aによっ
て上下動自在に支持された駆動ベース10bに固定され
ている。駆動ベース10bは下方に位置するジャッキ1
0cとサーボモーター10によって上下方向に所定の速
度で移動すると共に、ロードセル10dとリニアゲージ
10eとによってプレス力と位置制御が可能となってい
る。
【0019】このような実施の形態において、固定軸1
は固定型4を支持するプレス軸、移動軸5は移動型8を
支持するプレス軸となっている。
【0020】固定軸1の下端部にはフランジ11が設け
られており、フランジ11の外周部には冷却水が循環可
能な冷却穴12が形成されている。また、フランジ11
の下端部には、固定型4を囲むように加熱手段としての
半円状の赤外線ランプ14が配置されている。赤外線ラ
ンプ14はランプ室37に配置されており、赤外線ラン
プ14からの赤外線を固定型4側に向かって反射する反
射ミラー15がランプ室37の壁面に形成されている。
反射ミラー15は金コートや金メッキやTINコートを
行うことにより形成することができる。
【0021】移動軸5の上端面には、フランジ16が設
けられており、フランジ16の外周部には冷却水が循環
可能な冷却穴12が形成されている。フランジ16の上
端部には、移動軸5を囲むように加熱手段としての半円
状の赤外線ランプ21が配置されている。赤外線ランプ
21はランプ室38に配置されており、赤外線ランプ2
1からの赤外線を移動型8にて反射する反射ミラー22
がランプ室38の壁面に形成されている。反射ミラー2
2は金コートや金メッキやTINコートを行うことによ
り形成することができる。
【0022】この実施の形態では、赤外線ランプ14、
21はそれぞれに1本、合計2本で構成されている。温
度制御は固定型1および移動型8の側面に固定された熱
電対(図示省略)により温度をフィードバックし、公知
の温度調節器とサイリスタによって赤外線ランプ14、
21に供給する電流値を制御することにより行う。
【0023】また、固定軸4の中央部には下端が開放さ
れた筒状の上部隔壁13が固定されており、移動軸5に
は上端が開放された筒状の下部隔壁17が、上部隔壁1
3と対向するように固定されている。上部隔壁13の下
部には、下部隔壁17の外周寸法よりやや大きな寸法の
スカート19が設けられている。そして、スカート19
に下部隔壁17が挿入することにより、ほぼ密閉された
成形室18を形成することができる。これらの上部隔壁
13、下部隔壁17、スカート19の内壁は、いずれも
酸化を防止するためにTINコート等の耐熱耐酸化処理
が施されている。また、上部隔壁13には供給口25に
通じる穴が開口してあり、成形室18に窒素ガスを供給
して成形雰囲気中の酸素の濃度を下げられるようになっ
ている。
【0024】次に、この実施の形態によって、直径15
mmの凸レンズを成形する場合を説明する。凸レンズの
第1面の曲率半径Rは50mm、第2面の曲率半径Rは
100mm、中肉厚さは6mmである。成形されるガラ
ス素材24は、外径が10mmのゴブで、屈服点温度が
550℃のSF11などからなる重フリント系の硝材が
使用されている。
【0025】図2に示すように、固定型4の成形面4a
は半径R50mmの凹形状、移動型8の成形面8aは半
径R100mmの凹形状となっており、成形面4a、8
a以外の端面部分は平面である。固定型4の成形面4a
及び移動型8の成形面8aはどちらも鏡面に加工されて
いる。型材は超硬(タングステン合金)が使用されてお
り、成形面4a、8aには白金コートが施されている。
【0026】ガラス素材24を移動型8の成形面8a上
に載置した状態で、移動軸5をサーボモーター10によ
り上昇させることにより、上部隔壁13のスカート19
に下部隔壁17を挿入して成形室18を形成すると共
に、ガラス素材24が固定型4と接触する直前まで移動
する。成形室18には、毎分20リットルの非酸化性ガ
スである窒素ガス(窒素100%)が供給口25から供
給される。これにより、約10秒程度で成形室18が非
酸化性ガスで充満される。なお、成形室18内の酸素濃
度は100ppm以下が良好である。酸素濃度が100
ppm以上の場合であっても成形は可能であるが、型の
酸化が促進されるため、型が早期に劣化する。また、非
酸化性ガスは窒素ガス(100%)の他に窒素90%
、水素10%の混合ガスやアルゴン100%等のガス
を使用することができる。
【0027】赤外線ランプ14、21によって固定型4
及び移動型8を加熱する前に、開閉バルブ30を開き、
ロータリー真空ポンプ26によってそれぞれの中間部材
3,6における伝熱可変室7,36の気圧を10−4
orrまで低下させる。なお、ロータリー真空ポンプ2
6は成形装置の稼働時は常に作動しているものである。
【0028】その後、赤外線ランプ14、21に供給さ
れる電流を制御して固定型4及び移動型8を約100秒
の加熱時間で500℃の温度に加熱した後、移動型8を
さらに上方に所定の圧力で移動させ、所望の凸レンズの
中肉厚さまで成形し、十分な時間(約30秒)、その温
度を保持する。
【0029】保持時間の終了後、一定の冷却勾配で成形
型を冷却する。このとき、開閉バルブ30を閉じて中間
部材3,6の伝熱可変室7,36内の気圧を大気圧に開
放する。このことにより、対流による熱伝導が伝熱可変
室7,36に発生するため、固定型4及び移動型8近傍
の熱をプレス軸1,5の方向に伝熱する効率が増す。
【0030】図3は、同じ熱量のヒーターによって成形
型の温度を常温から500℃まで加熱し、30秒間、同
温度を保持した後、400℃まで冷却する間のサイクル
時間を比較した特性図であり、上述したこの実施の形態
による一連の中間部材3,6の伝熱効率の可変に相当し
ている。同図において、特性曲線Aがこの実施の形態、
特性曲線Bが特公平6−88801号公報である。加熱
及び冷却共に約25%の時間削減が可能であることが実
証されている。
【0031】このような実施の形態では、成形型の加熱
時及び冷却時に、成形型と直接に接触する中間部材によ
って成形型からプレス軸への伝熱効率を可変させるた
め、加熱及び冷却の時間を短縮することができる。従っ
て、成形サイクルを短縮することが可能となる。
【0032】(実施の形態2)図4は本発明の実施の形
態2を示す。この実施の形態では、固定型4側の中間部
材3及び移動型8側の中間部材6に形成された伝熱可変
室(中空空間)7,36に対して、冷却ガスの導入が可
能となっている。
【0033】すなわち、中間部材3,6はいずれも一方
の側面に接続管27,27が溶接されており、接続フラ
ンジ28、フレキシブル管29及び開閉バルブ30を介
してロータリー真空ポンプ26に接続されるが、他方の
側面には、ガス接続管31が溶接されている。そして、
いずれのガス接続管31も、接続フランジ35、開閉バ
ルブ33及びフレキシブル管32を介して成形機外に設
置されている冷却ガス装置34に接続されており、開閉
バルブ33を開閉制御することにより、冷却ガスを各中
間部材3,6の伝熱可変室7,3に供給したり、その停
止を行うことが可能となっている。なお、冷却ガスを供
給する配管は、断熱構造となっているものである。
【0034】この実施の形態において、加熱から成形ま
での工程は実施の形態1と同じであるため説明を省略す
る。冷却工程においては、開閉バルブ30を閉じて中間
部材3,6の伝熱可変室7,36内部の気圧を大気圧に
開放すると共に、開閉バルブ33を開く。開閉バルブ3
3を開放することにより、冷却ガス装置34で冷却され
た冷却ガスが伝熱可変室7,36に強制的に供給され
る。従って、中間部材3,6の熱を冷却ガスによって冷
却した後、冷却ガスを機外に排出させることができる。
【0035】このような実施の形態では、実施の形態1
と同様の効果を有するのに加えて、固定型4及び移動型
8の冷却時に冷却ガスを用いて冷却するため、さらに高
効率の冷却が可能となる。従って、冷却時間を短縮する
ことができ、成形サイクルを短くすることができる。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、中間部材が成
形型の加熱及び冷却の効率を向上させるように熱伝導特
性を可変制御するため、成形型の加熱時間及び冷却時間
を短縮することができ、成形サイクルを短くすることが
できる。
【0037】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果を有するのに加えて、中間部材の熱伝導特性を、
加熱の際には伝熱効率を低くするように可変し、冷却の
際には伝熱効率を高くするように可変するため、成形型
の加熱及び冷却に要する時間を確実に短縮させることが
できる。
【0038】請求項3の発明によれば、請求項1及び2
の発明の効果を有するのに加えて、成形型の加熱時に中
間部材の中空空間の内部の対流による伝熱をなくして伝
熱効率を低下させ、冷却時に中空空間の内部に対流を発
生させて、成形型の熱を対流と伝導により効率良く奪う
ため、迅速な冷却を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の全体断面図である。
【図2】実施の形態1の成形部分の拡大断面図である。
【図3】実施の形態1による温度変化を示す特性図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態2の全体断面図である。
【符号の説明】
1 固定軸 3,6 中間部材 4 固定型 5 移動軸 7,36 伝熱可変室 8 移動型 14,21 赤外線ランプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の成形型間にガラス素材を
    配置してプレス成形する光学素子成形装置において、 前記一対の成形型のそれぞれを支持する一対のプレス軸
    と、 一対の成形型を加熱する加熱手段と、 一対のプレス軸を冷却する冷却機構と、 一対の成形型及び一対のプレス軸のそれぞれの間に配置
    されており、成形型からプレス軸への熱伝導特性を可変
    可能な中間部材と、を具備することを特徴とする光学素
    子成型装置。
  2. 【請求項2】 前記中間部材は、成形型を加熱する工程
    では伝熱効率を低くし、成形型を冷却する工程では伝熱
    効率を高くするように熱伝導特性を可変することを特徴
    とする請求項1記載の光学素子成型装置。
  3. 【請求項3】 前記中間部材の内部に中空空間を設け、
    成型型を加熱する工程では中空空間の内部の気圧を10
    −4Torr以下まで低下させ、成型型を冷却する工程
    では中空空間の内部の気圧を大気圧まで開放することを
    特徴とする請求項1または2記載の光学素子成型装置。
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